APPLICATIONS OF ω-HYDROFLUOROALKYL ETHER COMPOUNDS

申请号 JP2006321806 申请日 2006-11-29 公开(公告)号 JP2007186679A 公开(公告)日 2007-07-26
申请人 3M Co; スリーエム カンパニー; 发明人 MOORE GEORGE G I; FLYNN RICHARD M; GUERRA MIGUEL A; OWENS JOHN G;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an ω-hydrofluoroalkyl ether compound which is useful, e.g., in cleaning and drying applications; its preparation; and its use. SOLUTION: A normally liquid, ω-hydrofluoroalkyl ether compound (and selected mixtures thereof) has a saturated perfluoroaliphatic chain of carbon atoms interrupted by one or more ether oxygen atoms. The compound can be prepared, e.g., by decarboxylation of a corresponding fluoroalkyl ether carboxylic acid. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT
权利要求
  • はんだ付けされる部材を、フッ素化液体の蒸気内に浸漬するかまたは包んではんだを溶融させ、次いで前記部材を前記蒸気体から引き出す蒸気相はんだ付け法において、フッ素化液体として、少なくとも1種のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を含む組成物を用いることを特徴とし、前記ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物が1以上のエーテル酸素分子が挿入されている炭素原子の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有しており、この連鎖の一方の末端である近位末端における連鎖炭素原子はジフルオロメチル基の炭素原子であり、このジフルオロメチル基は他の連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素原子に結合しており、前記連鎖の他の末端である遠位末端における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、直鎖ペルフルオロアルキル、分枝鎖ペルフルオロアルキル、および飽和ペルフルオロ脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキルからなる群より選択される遠位基の一部であり、ただし、前記近位末端におけるジフルオロメチル基が前記エーテルの酸素に結合している場合、前記直鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子を有しており、前記分枝鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも4個の炭素原子を有するものとする方法。
  • 1)ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を少なくとも1種含む発泡剤混合物、
    2)触媒、および 3)界面活性剤、
    の存在下において、有機ポリイソシアネートと、少なくとも2個の反応性水素原子を含有する高分子量の化合物とを混合する工程を含む発泡プラスチックの製造方法において、前記ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物が1以上のエーテル酸素分子が挿入されている炭素原子の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有しており、この連鎖の一方の末端である近位末端における連鎖炭素原子はジフルオロメチル基の炭素原子であり、このジフルオロメチル基は他の連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素原子に結合しており、前記連鎖の他の末端である遠位末端における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、直鎖ペルフルオロアルキル、分枝鎖ペルフルオロアルキル、および飽和ペルフルオロ脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキルからなる群より選択される遠位基の一部であり、ただし、前記近位末端におけるジフルオロメチル基が前記エーテルの酸素に結合している場合、前記直鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子を有しており、前記分枝鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも4個の炭素原子を有するものとする方法。
  • ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を少なくとも1種含んでなる組成物を火に加えることを含んでなる消火方法であって、前記ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物が1以上のエーテル酸素分子が挿入されている炭素原子の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有しており、この連鎖の一方の末端である近位末端における連鎖炭素原子はジフルオロメチル基の炭素原子であり、このジフルオロメチル基は他の連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素原子に結合しており、前記連鎖の他の末端である遠位末端における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、直鎖ペルフルオロアルキル、分枝鎖ペルフルオロアルキル、および飽和ペルフルオロ脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキルからなる群より選択される遠位基の一部であり、ただし、前記近位末端におけるジフルオロメチル基が前記エーテルの酸素に結合している場合、前記直鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子を有しており、前記分枝鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも4個の炭素原子を有するものとする方法。
  • 磁気記録媒体用の潤滑剤として使用される高度にフッ素化されたポリエーテル類のキャリア溶媒として用いられる、(a)少なくとも1種のフッ素化ポリエーテル、及び(b)少なくとも1種の通常液体のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を含む組成物であって、前記通常液体のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物が1以上のエーテル酸素分子が挿入されている炭素原子の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有しており、この連鎖の一方の末端である近位末端における連鎖炭素原子はジフルオロメチル基の炭素原子であり、このジフルオロメチル基は他の連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素原子に結合しており、前記連鎖の他の末端である遠位末端における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、直鎖ペルフルオロアルキル、分枝鎖ペルフルオロアルキル、および飽和ペルフルオロ脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキルからなる群より選択される遠位基の一部であり、ただし、前記近位末端におけるジフルオロメチル基が前記エーテルの酸素に結合している場合、前記直鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子を有しており、前記分枝鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも4個の炭素原子を有するものとする、方法。
  • 少なくとも1種の通常液体のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を含む伝熱剤の使用により熱放子と熱源の間に熱伝達を行う工程を含む熱伝達方法であって、前記通常液体のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物が1以上のエーテル酸素分子が挿入されている炭素原子の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有しており、この連鎖の一方の末端である近位末端における連鎖炭素原子はジフルオロメチル基の炭素原子であり、このジフルオロメチル基は他の連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素原子に結合しており、前記連鎖の他の末端である遠位末端における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、直鎖ペルフルオロアルキル、分枝鎖ペルフルオロアルキル、および飽和ペルフルオロ脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキルからなる群より選択される遠位基の一部であり、ただし、前記近位末端におけるジフルオロメチル基が前記エーテルの酸素に結合している場合、前記直鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子を有しており、前記分枝鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも4個の炭素原子を有するものとする、方法。
  • 说明书全文

    本発明はω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類およびその製造方法と用途に関する。 別の態様において、本発明はペルフルオロ(アルコキシアルカン)酸とその誘導体およびその製造方法に関する。 また別の態様において、本発明は、その炭化素アルカン酸またはエステルの類似体を直接フッ素化することによるペルフルオロ(アルコキシアルカン)酸類の製造方法、および例えば前記酸類またはそのアルキルエステル類の脱炭酸を行うことによるω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類の製造方法に関する。 また別の態様において、本発明は、ペルフルオロ(アルコキシアルカン)酸類とその誘導体の用途に関する。

    損傷を受けた成層圏オゾン層について悪いニュースが間断なく報じられているので、クロロフルオロカーボン類(CFC)などのオゾンを減少させる化学物質の生産を工業国が停止する最終期限が、Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layerの関係各国により決定された(Chemical & Engineering News, 1993年11月15日号、12頁、Zurer, PS,“Looming Ban on Production of CFCs, Halons Spurs Switch to Substitutes"を参照されたい)。

    CCl 2 F 2 、CCl 3 F、CF 3 BrおよびCCl 2 FCClF 2のようなCFC類とハロン類を、代替品または代わりの化合物と方法で置換する研究が進行中である。 多くのヒドロフルオロカーボン類(“HFC類")例えばCH 2 FCF 3 (“HFC-134a")が、CFCの代替品として使用されているかまたは提案されている(そしてHFC-134aは“オゾンに対してやさしい"とみなされている。Schu1tz らの米国特許第5,118,494号を参照されたい)。 C&ENの前掲文献が指摘しているように、CH 3 CCl 2 F(“HCFC-141b)のようなヒドロクロロフルオロカーボン類(“HCFC類")は、損傷を与えるほどではないがこれら代替品は成層圏中に、オゾンを減少させる塩素を運ぶ。他の提案されている代替品は、簡単なω−ヒドロジフルオロメチルペルフルオロメチルエーテルすなわちCF 3 OCF 2 Hである(JLAdcockら、“Fluorinated Ethers…Anew Family of Halons," 1991年CFC Conference Proceedings 1991 年を参照されたい)。他のヒドロフルオロアルキルエーテル(つまりエーテル水素化物)、すなわちフッ素化2−アルコキシプロピオン酸塩を脱炭酸することによって製造されるF〔CF(CF 3 )CF 2 O〕4CFHCF 3は血液乳剤(blood emulsion)として試験されている(Chem. Pharm.Bull., 33巻、1221頁、1985年を参照されたい)。

    米国特許第4,173,654号(Scherer)には、炭化フッ素類が不活性であるため電子機器の冷却剤または漏洩試験流体としての用途が見出され、そして酸素の溶解性が高いその外の化合物が人工代用血液として試験されていることが記載されている。 この特許には、特に-CH 2 -(CH 2 ) m -Hのような代謝活性を有する炭化水素部分を有するある種の炭化フッ素“ハイブリッド”物質が記載されている。 米国特許第4,686,024号(Schererら)には、ある種のペルフルオロ環式エーテル類が記載されているが、各種のペルフルオロ化学薬剤が酸素と二酸化炭素の担体として適切であると諸特許に開示されていると記載されている。 そして国際特許願公開第W093/11868号(Kaufmanら)には、ある種のクロロフルオロ化学薬剤とそのエマルジョンが各種の酸素輸送用途に、例えば酸素輸送剤すなわち“人工血液"として有用であると記載されている。

    各種の炭化フッ素エーテル類とポリエーテル類が記載されている多数の他の特許がある。 米国特許第3,342,875号(selmanら)には、特に、炭化フッ素エーテル酸またはアンモニウム塩のようなエーテル(このエーテルは炭化フッ素エポキシドを重合させることによって得られる)の水素含有誘導体と熱分解することによって製造した特定の“水素改質炭化フッ素エーテル類”〔すなわち“水素でキャップしたポリエーテル類(hydrogen capped polyethers)〕が記載されている。英国の特許第1,194,431号明細書(Montecatini Edison SPA)には、下記一般式:
    CF 3 -O-(C 3 F 6 O) M -(CF 2 O) N -(CF(CF 3 )-O) L -CF 2x
    〔式中、特に各下付き文字M,NおよびLはゼロまたは1〜99の自然数であり、そしてXは水素原子または−COOMe(式中Meは1当量のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属である)である〕で表されるある種の過フッ素化エーテル類とポリエーテル誘導体(その一例はペンタフルオロジメチルエーテル:CF 3 -O-CF 2 Hである)が記載されている。

    米国特許第3,597,359号(Smith)には、下記式:

    (式中、特にRはアルキレン、アルコキシアルキレンまたはペルフルオロアルキレンであり、R

    1はフッ素またはトリフルオロメチルであるが、但しR

    1は1個までがトリフルオロメチルであり、R

    2はフッ素またはトリフルオロメチルであるが但しR

    2は1個までがトリフルオロメチルであり、R

    3はフッ素またはトリフルオロメチルであり、R

    4は水素またはハロゲンであるが但しRがアルキレンまたはアルコキシアルキレンの場合、R

    4は水素であり、R

    5は少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレンであり、R

    6は特に水素、トリフルオロメチルまたはペルフルオロエチルであり、aはゼロまたは1であり、nとmは0〜50の自然数であり、そしてn+mは1〜50である)で表されるある種のペルフルオロアルキレンエーテル含有化合物が記載されている。

    米国特許第3,962,460号(Croixら)には、下記式:

    で表される化合物を含む脂肪族エーテルが記載されている。 国際特許願公開第WO90/01901号(Long)には、動物の身体の組織に酸素を運ぶエマルジョンに用いられるペルフルオロオクチル水素化物のようなある種のペルオロカーボン水素化物が記載されている。 ヨーロッパ特許願公開第0482938A1号(Chambersら)には、下記式:


    (式中、Rは水素、フッ素または1〜61個の炭素原子を有するアルキルもしくはフルオロアルキルであり、R'は水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルもしくはフルオロアルキルであり、そしてR''はフッ素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルもしくはフルオロアルキルである)で表されるフッ素化エーテル類が記載されている。

    1種以上の各種フルオロアルコキシアルカン酸とエステルまたは他のその誘導体およびその製造方法が記載されている他の特許としては次のものがある。 すなわち米国特許第2,713,593号(Briceら)、同第3,214,478号(Milian, Jr.)、同第3,393,228号(Braun)、同第4,118,421号(Maytini)、同第4,357,282号(Andersonら)、同第4,729,856号(Bernonge)、同第4,847,427号(Nappa)、同第4,940,814号(Schwertfeger)、同第4,973,716号(Caliniら)、同第5,053,536号(Bierschenkら)、同第5,093,432号(Bierschenkら)および同第5,118,494号(Schultzら)ならびにPCT国際特許願公開第WO90/03357号(Mooreら)および同第WO90/06296号(Costelloら)である。 上記Briceらの特許には、沸点が225℃で式:nC 8 F 17 OC 2 F 4 CO 2 Hで表される酸を含む、電気化学的フッ素化反応によって製造された炭化水素酸類が記載されている。 上記NappaおよびBierschenkらの特許ならびにMooreらおよびCostelloらのPCT特許願公開公報には、炭化水素の類似体前駆物質を直接フッ素化することによるフッ素化化合物の製造方法が記載されている。

    一つの態様において、本発明は、通常は液状の(すなわち温度と圧の周囲条件下で液状の)フルオロアルキルエーテル化合物、またはかような化合物の選択された混合物からなるかまたは該混合物から本質的になる通常は液状の組成物を提供するものであり、前記化合物は、1個または複数(例えば2〜8個)のエーテル〔またはカテナリー(Catenary)すなわち連鎖内(in-chain)の〕酸素原子が挿入されている、炭素原子(例えば4〜30個)の飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有している。 その連鎖の一方の末端(以後近位末端と呼ぶ)における連鎖炭素原子は1個の水素(すなわちω−ヒドロ置換基すなわち第一級水素原子)および2個のフッ素原子と結合し、前記近位炭素原子はジフルオロメチルの基すなわち部分:-CF 2 Hの炭素原子であり、この基は、ペルフルオロアルキレン連鎖セグメント-CNF 2 Nの炭素原子のようなもう一つの連鎖炭素原子または前記エーテルの酸素に直接結合している。 連鎖の他方の末端(遠位末端)における炭素原子は、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、すなわち-CF 2 Cl、飽和脂環式部分で置換されたペルフルオロアルキル例えばCC 6 F 11 -、直鎖ペルフルオロアルキルおよび分枝鎖ぺルフルオロアルキルからなる群から選択される遠位基の一部分である。 連鎖の前記近位末端がエーテルの酸素原子に結合したジブルオロメチル基で終っている前記化合物の場合、前記連鎖ペルフルオロアルキルは少なくとも6個の連鎖炭素原子例えば6〜16個の連鎖炭素原子を有し、そして前記分枝鎖ペルフルオロアルキル少なくとも4個の炭素原子例えば4〜16個の炭素原子をもっている。 かようなω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物の例としては下記のものがある。

    CF 3 (CF 2 ) 4 -O-CF 2 CF 2 H
    CF 3 (CF 2 ) 5 -O-CF 2 H
    CF 3 (CF 2 ) 7 -O-(CF 2 ) 5 H
    CF 3 (CF 2 ) 5 -O-(CF 2 ) 2 -O(CF 2 ) 2 H
    H(CF 2 ) 2 -O-(CF 2 ) 2 H
    Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 H

    前記“選択された混合物”すなわち選択されたω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物の予め決められた混合物が特定の用途に対して要望される場合、各々所望の別個の非ランダム(nonrandom)分子量を有する2種以上の前記化合物の混合物からなるかまたは該混合物から本質的になる本発明の前記組成物を製造することができ、その選択された化合物は、好ましくは相補的特性を有する化合物であり、例えば医療用途で酵素担体として配合される場合にエマルジョンの安定性を改善する化合物である。

    “ペルフルオロ”という用語は、例えば“ペルフルオロ脂肪族の”、“ペルフルオロアルキレン”または“ペルフルオロアルキル”の場合には、特にことわらない限り、フッ素で置換しうる炭素に結合した水素は全く存在せず不飽和部分もないことを示す。

    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類は疎水性でありかつペルフルオロアルキルエーテルの類似体より疎油性が低く、化学的に不活性であり、熱に対し安定であり、水に不溶性であり、そして通常液状(例えば20℃で)である。 そしてこれらの化合物は、本発明にしたがって、高収率、高純度および広範囲の分子量で製造することができる。 ω位の水素と末端の炭素との間の共有結合すなわちC−H結合は一般に大気中での光酸化反応によって分解可能であるため、環境が許容可能かまたは環境と相容性のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類が生成する。 これらω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物、またはこれらの化合物からなるかまたは本質的にこれら化合物からなる通常は液状の組成物は、上記CFC 類、HCFC類またはハロン類が用いられている、例えば下記の用途に使うことができる。 すなわちそれら用途は、例えばディスクもしくは回路基板のような電子物品の精密洗浄または金属洗浄用溶剤、伝熱剤、冷蔵庫もしくは冷凍器の圧縮器または空気調和機の冷媒、ポリウレタンフォーム断熱材または火災現場へ噴射する(streaming)用途すなわち全体への大量放出(tota1 flooding)、爆発抑制および不活性化(inertion)を行う場合の化学消火剤を製造するときの発泡剤および気泡サイズ調節剤、ならびに磁気記録媒体用の潤滑剤として使用される高度にフッ素化されたポリエーテル類のキャリア溶媒などである。 ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類が有効な他の技術分野は各種の医療用途と酸素輸送用途、例えば人工血液もしくは合成血液に有用なエマルジョンの技術分野である。

    本発明の上記ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類は、対応する前駆物質のフルオロアルキルエーテルカルボン酸類とその塩、好ましくはそのけん化可能なアルキルエステル類を脱炭酸することによって製造することができる。 あるいは、本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類は、対応するω−クロロフルオロアルキルエーテル類(例えば前掲の国際特許願公開第WO93/11868号に記載のもの)を還元することによって製造することができる。

    上記ペルフルオロアルキルエーテルカルボン酸類(およびエステル類)自体(これらのうちいくつかは新規化合物と考えられ、これらの化合物とその製造方法は本発明の別の態様である)は、それらの対応する炭化水素類似体を直接フッ素化することによって製造することができる。 本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類は本質的に純粋なフッ化化合物であり、それ自体でまたはこれら化合物の選択された混合物からなるかまたは本質的になる通常液状の組成物の形態で有用である。 前駆物質のペルフルオロアルキルエーテルカルボン酸とエステルの化合物は、本発明の上記ω−ヒドロフルオロアルキル化合物と同様に、複数の炭素原子を有する飽和ペルフルオロ脂肪族連鎖を有し、前記連鎖には同様に1個または複数のエーテル酸素原子が挿入され、その連鎖の近位末端はカルボキシル基またはそのアルキルエステル基に接続されている。 このカルボキシル基(またはその塩もしくはそのけん化可能なアルキルエステル)は上記のように脱炭酸することができるので、本発明で得られるω−ヒドロアルキルエーテルの上記ω−ヒドロ置換基で置換することができる。

    また上記新規のペルフルオロアルキルエーテル酸とエステルは各種の他の誘導体例えばそのアンモニウム塩に変換することができ、このアンモニウム塩は、液体の表面張力または界面張力を改変するのに有用な界面活性剤として有効である。 これらの化合物は、対応するペルフルオロアルカン酸誘導体より、水性媒体および他の有機溶媒に一層可溶性であり、このことによって、界面活性剤としてのこれら化合物の有効性が高まる。 これらの化合物は、対応する炭化水素エーテル酸またはエステルのごとき誘導体を直接フッ素化することによって、単一の分子種として高収率で便利に製造することができる。

    本発明の通常の液状のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物は、下記一般式:
    X-Rf-O-(Rf'-O) n -Rf''-H I
    〔式中、Hは第一級水素原子であり、
    Xはフッ素原子、第一級水素原子、またはジフルオロメチレン(Rfの)に結合した第一級塩素原子であり、
    nは0〜7好ましくは0〜3の整数であり、
    Rf,Rf'およびRf''は同じかまたは異なるペルフルオロアルキレン(連鎖または分枝鎖)基、例えば−CF 2 CF 2 −であり、これらの基は非置換であるかまたはエーテルの酸素を含有していてもよいペルフルオロオルガノ基で置換され、例えばRfは−CF 2 CF(Rf''')CF 2 −または−Rf'''CF 2 −であってもよく(式中、Rf'''は4〜6個の環炭素原子を有する飽和ペルフルオロ脂環式基、例えばペルフルオロシクロヘキシルもしくはペルフルオロシクロヘキシンであってもよい)、
    但しXがHまたはClの場合、Rfは1〜18個好ましくは2〜18個の連鎖炭素原子を有し、Rf'は1〜12個好ましくは2〜12個の連鎖炭素原子を有し、そしてRf''は2〜12個の連鎖炭素原子を有しており、
    そしてさらにXがFである場合、Rfは少なくとも4個、好ましくは4〜18個の連鎖炭素原子を有しており、Rf'は1個以上好ましくは1〜12個、さらに好ましくは2〜12個の連鎖炭素原子を有しており、そしてRf''は2個以上好ましくは2〜12個の連鎖炭素原子を有している〕で表される。

    一般式Iの範囲内にあるポリエステル化合物のサブクラスは、下記一般式:
    X-Rf-O-(CF 2 CF 2 -O) m -Rf''-H II
    (式中、mは0〜7の整数であり、そしてH,X,RfおよびRf''は式Iで定義したとおりである)で表される。

    一般式Iの範囲内にある化合物の他のサブクラスは下記一般式:
    F-Rf-O-(Rf'-O) p -Rf''-H III
    (式中、pは0〜2の整数であり、そしてH,Rf,Rf'およびRf''は、Rfが4〜12個の連鎖炭素原子を有していることを除いて式Iの定義と同じであり、Rf'は1〜12個の炭素原子を有しそしてRf''は2〜12個の連鎖炭素原子を有している)
    で表される。

    本発明の通常液状のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物の他のクラスは下記一般式:
    X-Rf-O-(Rf'-O) n -Rf''-H
    (式中、Hは第一級水素原子であり、
    Xはフッ素原子、第一級水素原子または第一級塩素原子であり、
    nは0〜7の整数であり、そして Rf,Rf'およびRf''は独立して、直鎖もしくは分岐鎖の非置換ペルフルオロアルキレン基、直鎖もしくは分枝鎖のペルフルオロアルキル−もしくはペルフルオロシクロアルキル−置換ペルフルオロアルキレン基、およびエーテルの酸素含有部分で置換された直鎖もしくは分枝鎖のペルフルオロアルキレン基からなる群から選択され、
    但しXがHまたはClの場合、Rfは1〜18個の連鎖炭素原子を有しており、Rf'とRf''は各々独立して1〜12個の連鎖炭素原子を有しており、
    そしてさらに、XがFの場合、Rfは少なくとも4個の連鎖炭素原子を有しておりそしてRf'とRf''は各々独立して1個以上の連鎖原子を有しており、
    そしてさらに、nがゼロの場合、Rfはペルフルオロシクロアルキル置換ペルフルオロアルキレン基である)で表すことができる。

    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物の代表例のリストは以下のとおりである。
    表A
    1. CF 3 (CF 2 ) 5 -O-CF 2 H
    2. CF 3 (CF 2 ) 3 -O-(CF 2 ) 2 H
    3. cC 6 F 11 CF 2 -O-(CF 2 ) 2 H
    4. CF 3 (CF 2 ) 3 -O-CF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 H
    5. (CF 3 ) 2 CFCF 2 -O-CF 2 H
    6. CF 3 (CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 5 H
    7. CF 3 (CF 2 ) 6 -O-CF 2 H
    8. CF 3 (CF 2 ) 5 -O-(CF 2 ) 2 H
    9. CF 3 (CF 2 ) 5 -O-(CF 2 ) 3 H
    10. CF 3 (CF 2 ) 6 -O-(CF 2 ) 2 H
    11. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-CF 2 H
    12. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-(CF 2 ) 5 H
    13. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-(CF 2 ) 6 H
    14. CF 3 (CF 2 ) 5 -O-(CF 2 ) 2 -O-CF 2 H
    15. CF 3 (CF 2 ) 5 -O-(CF 2 ) 2 -O-(CF 2 ) 2 H
    16. H-(CF 2 ) 2 -O-(CF 2 ) 2 H
    17. H-(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 H
    18. H-(CF 2 ) 2 -O-(CF 2 ) 2 -O-(CF 2 ) 2 H
    19. H-CF 2 -O-CF 2 C(CF 2 ) 2 CF 2 -O-CF 2 H
    20. Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 H
    21. H(CF 2 ) 2 OCF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 O(CF 2 ) 2 H
    22. C 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 H
    23. (CF 3 ) 3 COC 2 F 4 OCF 2 OC 2 F 4 OCF 2 H

    上記のように、本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物類およびその組成物は、その対応する前駆物質のペルフルオロアルキルエーテルカルボン酸類、加水分解可能なカルボン酸誘導体または加水分解可能なその前駆物質(これら化合物のいくつかは新規化合物であると考えられる)の脱炭酸を行うことによって製造することができる。 これら前駆物質化合物のクラスは、下記一般式:
    R fp -O-(Rf'O) n -Rf''-Z' IV
    (式中,R fpはROC(O)RfまたはF−Rfであり、Rfは式Iで定義されたのと同じペルフルオロアルキレン基であり;
    Rf'とRf''も式Iで定義されたのと同じレベルフロオロアルキレン基であり;
    nも式Iで定義されたのと同じであり;ならびに Z'はCO 2 H、CO 2 R、COF、COCl、CONR 1 R 2または-CF 2 OC(O)Rfであり、Rは水素、アルキル(例えば1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基など)、シクロアルキル、フルオロアルキルおよびアリールからなる群から選択され、そしてR 1とR 2は独立して水素、アルキル、シクロアルキルおよびヘテロ原子含有シクロアルキルからなる群から選択される)で表すことができる。

    式IVの化合物を脱炭酸させると、部分2'が水素原子で置換される。

    前記エーテル酸類とその誘導体のサブクラスは、本発明のω−ヒドロエーテル化合物類の前駆物質としての用途に加えて先に述べたように例えば界面活性剤として別の用途を有しそして新規物質と考えられるが、下記一般式V、VI、VII、VIIIおよびIXで表すことができる。

    R fo -OR fo '-Z V
    式中、R foは例えば1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基(直鎖もしくは分枝鎖)であり、
    fo 'は例えば2〜11個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基(直鎖もしくは分枝鎖)であり、R foとR fo 'の少なくとも一方が少なくとも8個の連鎖炭素原子を有しており;ならびに Zは−COOH、-COOM 1/V 、-COONH 4 、-COOR、-CH 2 OH、-COF、-COCl、-CR、-CONRR、-CH 2 NH 2 、-CH 2 NCO、-CN、-CH 2 OSO 2 R、-CH 2 OCOR、-CH 2 OCOCR=CH 2 、-CONH(CH 2 ) m Si(OR) 3または-CH 2 O(CH 2 ) m Si(OR) 3である(これらの基中、Mはアンモニウム基または1〜4の原子価“V”を有する金属原子、例えばNa、K,TiまたはAlであり、そして各Rは独立して、部分的にもしくは充分にフッ素化されていてもよいアルキル(例えば1〜14個の炭素原子を有する)もしくはシクロアルキル、またはヘテロ原子を含有していてもよいアリール(例えば6〜10個の環炭素原子を有する)であり、そしてmは1〜約11の整数である。

    R fg -(O-CF 2 CF 2 ) a -OCF 2 -Z VI
    式中、R fgは約6〜約18個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基(直鎖または分枝鎖)であり、
    下付き記号aは少なくとも2、好ましくは3〜7の整数であるが、aが2の場合R fgは少なくとも約8個の炭素原子を有し、そして Zは式Vで定義されたのと同じである。

    R fr -(O-CF 2 -OR fr '-Z VII
    式中、R frは例えば2〜18個の炭素原子、好ましくは4〜12個の炭素原子を有するペルフロオロアルキル基(直鎖または分枝鎖)であり、
    fr 'は例えば1〜11個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子を有するペルフロオロアルキレン基(直鎖または分枝鎖)であり、そして Zは式Vで定義したのと同じであり、そして基R frとR fr 'の炭素原子の数の合計は少なくとも約7である。

    R fs -O-(CF 2 ) b -Z VIII
    式中、R fsは例えば1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基(直鎖または分枝鎖)であり、
    bは少なくとも3、好ましくは3〜11の整数であり、そして2は式Vで定義されたのと同じである。

    R ft -(OR ft ') c -O-(CF 2 ) d -Z IX
    式中、R ftは例えば1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基(直鎖または分枝鎖)であり、
    ft 'は例えば1〜11個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレン基(直鎖または分枝鎖)であり、
    cは少なくとも1、好ましくは1〜4の整数であり、dは3以上、好ましくは3〜9の整数であり、そして Zは式Vで定義したのと同じである。

    式V〜IXで示す諸カルボン酸は、式V〜IXで示す他の多くの誘導体を製造するのに有用な中間体である。 これらの誘導体としては、例えばカルボン酸、塩、エステル、アミド、ニトリル、アルコール、アクリレートおよびビニルエステルのような無機能誘導体または機能誘導体がある。 各種の特許に、オキシフルオロアルキレン化合物すなわちペルフルオロポリエーテル類の多数の機能誘導体の製造法が記載されている〔例えば米国特許第3,250,808号(Mitschら)および同第4,094,911号(Mooreら)参照〕。 これらの誘導体は各種の用途に有用である。 その用途としては例えば、界面活性剤、エラストマー、コーティング、潤滑剤、米国特許第 5,262,082号(Janulisら)に記載されている液晶物質の製造に使用される物質および繊維基材を処理して撥油性と撥水性を付与するのに使用する物質に対する用途がある。 これらカルボン酸の誘導体であるアンモニウム塩は界面活性剤として特に有用である。

    式Vで表されるカルボン酸化合物は通常、固体である。 式VI、VII、VIIIおよびIXで表されるカルボン酸化合物は一般に通常液状であり、かような化合物の選択された混合物からなるかまたは本質的になる通常液状の組成物を製造することができる。

    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテルを製造するのに利用できるフルオロアルキルエーテル酸類(または誘導体)の代表例のリストは次のとおりである。
    表B
    1. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-CF 2 CO 2 H
    2. CF 3 (CF 2 ) 11 -O-CF 2 CO 2 H
    3. CF 3 (CF 2 ) 6 -OC 2 F 4 CO 2 H
    4. CF 3 (CF 2 ) 4 -OC 2 F 4 CO 2 H
    5. CF 3 (CF 2 ) 5 -OC 2 F 4 CO 2 H
    6. CF 3 (CF 2 ) 8 -OC 2 F 4 CO 2 H
    7. CF 3 (CF 2 ) 7 -OC 2 F 4 CO 2 H
    8. CF 3 (CF 2 ) 9 -OC 2 F 4 CO 2 H
    9. CF 3 (CF 2 ) 11 -OC 2 F 4 CO 2 H
    10. CF 3 (CF 2 ) 5 -OC 2 F 4 OC 2 F 4 CO 2 H
    11. C 8 F 17 -O-(CF 2 ) 5 CO 2 H
    12. C 10 F 21 -O-(CF 2 ) 5 CO 2 H
    13. CF 3 -O-(CF 2 ) 7 CO 2 H
    14. C 2 F 5 -O-(CF 2 ) 7 CO 2 H
    15. C 3 F 7 -O-(CF 2 ) 7 CO 2 H
    16. CF 3 -O-(CF 2 ) 9 CO 2 H
    17. CF 3 -O-(CF 2 ) 10 CO 2 H
    18. CF 3 (CF 2 ) 5 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -O-CF 2 CO 2 H
    19. CF 3 (CF 2 ) 7 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -O-CF 2 CO 2 H
    20. CF 3 (CF 2 ) 9 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -O-CF 2 CO 2 H
    21. CF 3 (CF 2 ) 11 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 -O-CF 2 CO 2 H
    22. Brij tm 30アセテート由来のCF 3 (CF 2 ) 11 -(OC 2 F 4 ) 1-5 -O-CF 2 CO 2 H
    23. C 6 F 13 OCF 2O (CF 2 ) 5 CO 2 H
    24. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-CF 2 -O-CF 2 CO 2 H
    25. CF 3 (CF 2 ) 7 -O-CF 2 -OC 3 F 6 CO 2 H
    26. (CF 3 ) 3 COC 2 F 4 OCF 2 OC 2 F 4 CO 2 H
    27. C 4 F 9 -O-(CF 2 ) 3 CO 2 H
    28. C 5 F 11 -O-(CF 2 ) 3 CO 2 H
    29. C 6 F 13 -O-(CF 2 ) 3 CO 2 H
    30. C 5 F 11 -O-(CF 2 ) 4 CO 2 H
    31. CF 3 -O-(CF 2 ) 5 CO 2 H
    32. C 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 CO 2 H
    33. C 5 F 11 -O-(CF 2 ) 5 CO 2 H
    34. C 4 F 9 -OC 4 F 8 -O(CF 2 ) 3 CO 2 H
    35. C 6 F 13 -OC 4 F 8 -O(CF 2 ) 3 CO 2 H
    36. C 4 F 9 -OC 2 F 4 OC 2 F 4 O(CF 2 ) 3 CO 2 H
    37. CF 3 -O-(C 2 F 4 O) 3 -(CF 2 ) 3 CO 2 H
    38. C 8 F 17 OCF 2 OC 5 F 10 CO 2 H
    39. (CF 3 ) 3 COC 2 F 4 OCF 2 OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 H
    40. (CF 3 ) 2 CFCF 2 CF 2 O(CF 2 ) 5 CO 2 H
    41. CF 3 (CF 2 ) 7 OC 2 F 4 OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 H
    42. CF 3 (CF 2 ) 11 OC 2 F 4 OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 H

    上記定義の一般式を用いて本発明のω−ヒドフルオロアルキルエーテルを製造するのに使用できる反応の全図式を以下に示す。 これら図式において、示された反応によって、その後の行に示す一般式で表される生成物が得られる。

    αおよびω二水素化エーテル類(etherα andω dihydrides)すなわち式IにおけるXがHの化合物は類似の図式で製造できる。 例えば下記の図式IVは図式Iに類似している。

    まず上記図式において、直接フッ素化ステップ“a”では、フッ素化可能な前駆物質のエーテルカルボン酸エステル、例えばC 4 H 9 -O-(CH 2 ) 5 COOCH 3がフッ素ガスに接触させることによって直接フッ素化される(“フッ素化可能な”という用語は、その前駆物質が、フッ素で置換可能な、炭素に結合した水素原子を含有しそしてその前駆物質はフッ素で飽和することができる不飽和部分を含有していてもよいことを意味する)。 ステップbで示した生成するフッ素化エーテル酸エステル化合物は、炭素原子と酸素原子の数および空間配置を、その前駆物質と本質的に同じに製造することができる。 フッ素化エーテル化合物の選択された混合物からなるかまたは本質的になるフッ素化エーテル酸組成物が所望の場合は、対応する前駆物質の化合物の選択された混合物をフッ素化してもよく、あるいは、選択された前駆物質化合物を別個にフッ素化し次いで混合してもよい。

    フッ素化可能なエーテル前駆物質の直接フッ素化は、直接フッ素化反応に一般に使用されている温度、例えば、−20℃〜+50℃のような中程度のすなわち周囲温度に近い温度で化学量論的に過剰量のフッ素ガスを用いて実施することができる。 なおこのフッ素ガスは、純フッ素ガスの危険性を最小限にするかまたは回避しかつ前駆物質がフッ素と接触したときに発生する熱の量を抑制するため、窒素のような不活性ガスで希釈することが好ましい。 フッ素化は酸素や水の存在しない環境で行うことが好ましく、そして生成する副産物のフッ化水素に対する固体の粒状スカベンジャーの存在下で行うことができる。 液相直接フッ素化を利用することができ、反応媒体として炭化フッ素またはクロロフルオロカーボンの液体のような不活性な液体を用いて行われる。 所望の場合、スカベンジャーと不活性な液体反応媒体の両者を利用してもよい。 フッ素化は、副産物のフッ化水素を蒸発させかつフッ化水素をそれが発生するにつれてフッ素化領域から除くことができるよう充分な温度と不活性ガス流量を利用することによってフッ化水素のスカベンジャーなしで行う液相直接液相フッ素化によって実施することが好ましい。

    他の態様で本発明は、上記のフッ素化エーテル酸またはその誘導体と、唯一の必須成分として含有しているフッ素化学組成物を提供するものである。

    直接フッ素化は、水素原子をフッ素で置換する置換法であるが、例えば電気化学的フッ素化法および三フッ化コバルト法などのような他の置換法より収率が高くかつ一層高い純度の生成物が得られる〔例えば、米国特許第5,093,432号(Bierschenkら)参照〕。 本発明の過フッ素化エーテル酸(またはエステル)の組成物の純度は単一の前駆物質化合物またはその選択された(無作為ではない)混合物を用いることによってさらに高められる。

    好ましいフッ素化法は“液相直接フッ素化法”であり、この方法は、非常に薄い分散液すなわち好ましくは、利用されるフッ素化温度でフッ素に対して比較的不活性な液状反応媒体に該前記物質を溶解した溶液を作って行われ、したがってフッ素化可能な出発物質の濃度は反応温度を一層容易に制御するため比較的低い。 得られる反応混合物には、フッ化ナトリウムのようなフッ化水素スカベンジャーが含有されているかまたは分散されていてもよく、スカベンジャー:前駆物質の重量比は例えば約0.5:1〜7:1である。 反応混合物は、その中を通じてフッ素ガスとバブリングさせながら激しく撹拌してもよく、そのフッ素は、窒素のような不活性ガスを、約5〜50容量%一層好ましくは約10〜25容量%の濃度で混合して使用され、そしてフッ素化を通じて化学量論的に過剰に、例えば15〜40%まで過剰に、または特定の出発物質および使用装置の効能例えば反応機の撹拌などによってはさらに過剰に維持される。 この方法で達成できる過フッ素化生成物の収率は、一般に約30〜77モル%の範囲内であり、経験によって65〜約85モル%と高くなる。

    液相直接フッ素化法に用いる反応媒体として有効で適切な液体は、クロロフルオロカーボン類例えばFreon 11(登録商標):フルオロトリクロロメタン;クロロフルオロエーテル類;Fluorinert(登録商標)の電子機器用液体(electronic liquid)FC−75,FC−72およびFC−40;ペルフルオロアルカン類、例えばペルフルオロペンタンおよびペルフルオロデカリン;ペルフルオロポリエーテル類;ならびにペルフルオロアセタール類である。 これら液体の混合物は、例えば、前駆物質および中間反応生成物の良好な分散液を得るために使用することができる。 反応媒体は大気圧で便利に使用される。 上記クラスの反応媒体のうち分子量が低いものも使用できるが、液相を提供するため高圧が必要になる。

    上記液相直接フッ素化反応は、フッ化水素スカベンジャーが使用される場合、約−10℃〜+50℃、好ましくは約−10℃〜0℃の間の温度で一般に行われ、そしてかようなスカベンジャーを使用しない場合、約0℃〜150℃、好ましくは約0℃〜50℃、最も好ましくは約10℃〜30℃で行われ、この温度は、副産物のフッ化水素を蒸発させ、そして充分な流量で流れる不活性ガスによって、副産物が発生するにつれてフッ素化反応機から副産物をパージさせるのに充分な温度である。 これらの温度において、反応媒体として利用される液体は、希釈されたフッ素とはあまり反応せず本質的に不活性である。 反応媒体と他の有機物質が、反応器からの気体流出物中にある程度存在していることがあり、凝縮器を用いて前記流出物中のガス状反応媒体と該物質を凝縮させてその凝縮物を反応器に戻すことができる。 その凝縮器を作動させて副産物のフッ化水素が反応機中に戻るのを最小限にするかまたは防止することができる(フッ化水素はフッ素化中、反応機内に残留させておくと生成物の収率に悪影響を与えることがある)。 フッ化水素の戻りは、フッ化水素を凝縮器を通過させながら有機物質を選択して凝縮させるか、またはフッ化水素と有機物質の両者全体を別の容器中に凝縮させ次いで所望によりフッ化水素を上部液相として分離して下部液相を戻すことによって最小限にするかまたは防止することができる。

    上記液相フッ素化反応はバッチ式で行うことができる。 この場合、前駆物質の全量をフッ素化を行う前に前記液体に添加して前駆物質の濃度を約10重量%までにし、次いでその前駆物質含有液体中にフッ素含有をバブリングさせる。 また液相フッ素化反応は半連続式でも行うことができ、この場合、前駆物質は、そのまま添加物なしでまたは反応媒体として使用される種類の適切な液体による希釈溶液もしくは分散液として、液体反応混合物約 400mL中に約1〜3g/hrの速度で、例えばフッ素流量が約40〜 120mL/min で不活性ガス流量が約 150〜 600mL/min でフッ素をバブリングさせながら、反応機中に連続的にポンプ輸送されるかまたは他の方法で供給される。 またこのフッ素化は連続的で実施することもでき、この場合、前駆物質(添加物なしでそのままかまたは反応媒体として使用される種類の適切な液体による溶液もしくは分散液)を、反応媒体を含有する反応器中に、フッ素含有ガスを上記のように導入しながら連続的にポンプ輸送もしくは他の方法で供給し、そして、未反応のフッ素、フッ化水素ガスおよび不活性キャリヤーガスの流れを、過フッ素化生成物、不完全にフッ素化された前駆物質および不活性液体反応媒体を含んでなる液体の流れと同様に反応機から連続的に取出し、次に必要な分離を行ってフルオロアルキルエーテル組成物が回収される。 所望により、未反応のフッ素と不完全にフッ素化された前駆物質は再循環することができる。 反応器中の不活性液体媒体の量は、再循環液または新しい液を添加することによって一定レベルに維持することができる。

    上記フッ素化反応は発熱性が極めて高いので、許容可能な反応速度を達成できるよう、冷却液浴または氷浴が一般に用いられる。 反応が完了したとき、反応機をフッ素でパージして反応機の内容物を取り出す。 フッ素化反応を、フッ化水素スカベンジャーの存在下、液相フッ素化法で実施したとき、消費されたスカベンジャーは液状の反応機内容物から濾過またはデカンテーションで分離することができ、次にその液状反応機内容物を蒸留して反応媒体を粗生成物から分離する。 フッ素化を、スカベンジャーを用いることなしに液相フッ素化法で実施した場合、反応生成物の混合物を蒸留して生成物を回収することができる。

    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類を製造するのに使用できる、有用な代表的前駆物質のフッ素化可能なエーテル酸エステル類は、上記表Aに列挙されている構造の炭化水素対応物であるが、但し末端の水素原子の代わりに、これらエステル類の構造の末端は−Z'(Z'は式IVで定義されたのと同じである)または−CH 2 OC(O)R(前掲図式IIに示すように)でありかつこれら前駆物質は不飽和部分を含有していてもよい。

    本発明のまたは本発明に用いられるフルオロエーテル酸の代表例としては、上記前駆物質のフッ素化可能な酸エステルの過フッ素化された(すなわち本質的にすべての水素がフッ素で置換された)対応物である。 前駆物質が不飽和であれば、対応するフッ素化エーテル酸は飽和される。

    上記のように、フルオロエーテル酸類と誘導体は、本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類を製造する際の前駆物質として使用することができ、また例えば界面活性剤としても有用である。

    上記のフルオロエーテル酸類またはそのエステル類例えばメチルエステルのようなアルキルエステル類は、脱炭酸法によって本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類に変換することができる。 その一方法では、KOHのエチレングリコール溶液を調製し、次にこの溶液に、フルオロエーテル酸またはエステルの前駆物質を(添加物なしでそのまままたは過フッ素化液体のような不活性溶媒液体による溶液で)、好ましくは周囲温度もしくは室温で撹拌しながら滴下して添加する。 得られた混合物を次に例えば190℃までゆっくり加熱し、その間にメタノール(メチルエステルのけん化によって生成)、水(酸の中和で生成)および脱炭酸生成物が蒸留される。 本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル類は、かような過酷な塩基性条件下で予想外に安定である。 不活性溶媒の液体は、使用される場合、例えば中和後、減圧下、低温で取り出すことができる。 得られる留出物は、ω−ヒドロフルオロアルキルエーテル生成物を含んでなり、水で洗浄し、シリカゲルまたは硫酸マグネシウムで乾燥し次に蒸留して生成物を精製することができる。 所望により、上記ヒドロフルオロアルキルエーテル生成物は、過マンガン酸カリウムのアセトン溶液で還流させて容易に酸化される不純物を除去することができる。 エーテル生成物の収率は一般に高くそしてその生成物は一般に全く純品であり、所望のω−ヒドロフルオロアルキルエーテルからなるかまたは本質的になる生成物である。

    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル組成物は、非毒性でありかつ酸素を溶解して輸送することができるので、多傷、血管閉塞を治療する場合、侵襲的に利用できる代用血液として、癌の放射線治療または化学療法に対する助剤として、および造影剤として有用になる可能性がある。 かような用途に対する本発明の組成物のエマルジョンは、例えば米国特許第3,911,138号(Clark)と同第5,077,036号(Long)およびPCT国際特許願公開第WO93/11868号(Kaufmanら)に記載されているような方法で製造することができる。 本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル組成物は、米国特許第5,125,089号(Flynnら)、同第3,903,012号(Brand-reth)および同第4,169,807号(Zuber)に記載されているような洗浄・乾燥用途に用いる溶媒としても有用である。 任意の成分例えば界面活性剤を少量、フルオロエーテルの組成物に添加して特定の用途に対して特に望ましい特性を付与することができる。 また本発明のエーテル組成物は、冷蔵庫もしくは冷凍機の圧縮機または空気調和機の伝熱剤または冷媒;ポリウレタンフォーム断熱材または火災現場へ噴射する用途すなわち全体への大量放出、爆発抑制および不活性化の用途の化学消火剤を製造する場合の発泡剤および気泡サイズ調節剤;ならびに磁気記録媒体用潤滑剤として使用される高度にフッ素化されたポリエーテル類の担体溶媒として有用である。

    例えば回路基板のような物品の表面の乾燥もしくは該表面からの水の除去に本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル組成物を用いる場合、米国特許第5,125,978号(Flynnら)に記載されている乾燥もしくは水の除去を行う方法を用いることができる。 概略を述べると、かような方法は、本発明のエーテル組成物を好ましくは非イオンのフッ素脂肪族界面活性剤と混合して含んでなる液体組成物を、物品の表面に接触させることを含んでなる方法である。 湿潤した物品を上記液体組成物中に浸漬し次いで撹拌し、除去された水を液体組成物から分離し、得られた水なしの物品を液体組成物から取出す。 この方法と処理することができる物品についてのその外の説明が前記米国特許第5,125,978号に見られる。

    本発明のエーテル組成物を気相はんだ付け(vapor phase soldering)の伝熱液体として使用する場合、米国特許第5,104,034号(Hansen)に記載の方法を使用することができる。 簡単に述べると、この方法は、はんだを溶融するため、本発明のエーテル組成物を含んでなる多量の蒸気体中に、はんだ付けする部材を浸漬することからなる方法である。 この方法を実施する場合、本発明のエーテル組成物の液体プールをタンク内で沸騰するまで加熱して、沸騰している液体と凝縮手段との間の空間に飽和蒸気を生成させ、はんだ付けされる加工材をその蒸気中に浸漬して加工材の表面に蒸気を凝縮させ、はんだを溶融し再流動させ、次にはんだ付けされた加工材を、該蒸気を含有する空間から取出す。

    本発明のエーテル組成物を、発泡ポリウレタンのようなプラスチックフォームを製造する際の発泡剤として用いる場合、米国特許第5,210,106号(Damsら)に記載のプロセス反応物と反応条件を用いることができる。 このような方法を実施する場合、有機ポリイソシアネートおよび少なくとも2個の反応性水素原子を有する高分子量の化合物たえばポリオールを、本発明のエーテル組成物、触媒および界面活性剤を含んでなる発泡剤混合物の存在下で混合する。

    本発明を下記の実施例によってさらに説明するが、これら実施例に引用された特定の物質とその量および他の条件と詳細は、本発明を本当に限定しないとみなすべきである。

    実施例1. C 8 F 17 -OC 2 F 4 CO 2 CH 3からのC 8 F 17 -OC 2 F 4 Hの製造。
    有機出発物質のC 8 H 17 -OC 2 H 4 CO 2 CH 3は、塩基で触媒されるマイケル付加反応でn−オクタノールをアクリロニトニルに付加させ次いで酸で触媒されるメタノリシスを行うことによって調製した。 得られたメチルエステルをF 2によって直接フッ素化してフッ素化エステル:C 8 F 17 -OC 2 F 2 CO 2 CF 3を製造した。 このフッ素化は、磁気駆動撹拌器、ガス供給ライン、有機反応物供給ラインおよび還流冷却器を備えたMone1(登録商標)金属製の2Lのジャケット付き反応容器内で実施した。 ガス供給ラインは直径0.3cmのチューブであり撹拌器の底部羽根車の下方の場所に到達していた。 供給ラインは、直径が0.15cmのチューブでありシリンジポンプに接続されていた。 還流冷却器は約6mの2本の同軸蛇管からなり、その内側管は直径が1.27cmで外側管は直径が2.54cmであった。 反応器からの気体は、内側管の中で、これら2本の管の間の環状部分中を流動する冷却剤:エチレングリコール水によって冷却した。 反応器に約1.8LのFreon113クロロフルオロカーボンを充填し次いで650mL/minの窒素で20分間パージした。 次いでガス流を、310mL/minのフッ素と1100mL/minの窒素の混合物に変更した。 約12分間後、100gのC 8 H 17 -OC 2 H 4 -CO 2 CH 3をFreon113クロロフルオロカーボンで希釈して260mLにし反応器に13mL/hrの速度(5g/hrの供給速度)で供給した。 反応器の内容物は、フッ素化全体を通じて約16〜18℃に保持した。 冷却器の温度は約−22℃であった。 フッ素の流入は有機供給原料の添加を完了した後、10分間続けた。 次に反応器を1時間窒素でパージした。 得られた粗過フッ素化エステルのFreon113溶液を14%のBF 3含有メタノール150mLで処理し24時間激しく撹拌した。 得られた混合物を水で洗浄しMgSO 4で乾燥し蒸留して(沸点40℃/0.2トル)C 8 F 17 -OC 2 F 4 -CO 2 CH 3 (収率47%)を得た。 脱炭酸を行うため、85%KOH39gを約300mLのエチレングリコールに溶解し、次にこのKOH溶液に室温で撹拌しながら、上記フッ素化メチルエステルを滴下して加えた。 添加を完了したとき、反応混合物のpHは8〜9であった。 得られた混合物を撹拌しながら徐々に加熱し、脱炭酸による生成物:C 8 F 17 -OC 2 F 4 Hを、該メチルエステルのけん化で生成したメタノール、KOHで生成した水、および少量のエチレングリコールとともに蒸留した。 反応混合物の温度が170℃に到達したとき加熱を停止した。 留出物の下方のフッ素化学生成物相を分離し、水で洗浄し乾燥し次いで3プレートスナイダーカラム(three-plate Snyder column)で蒸留した。 146〜150℃で沸騰する主画分から生成物122gを得た。 この生成物の試料をガスクロマトグラフィーと質量分析法(GC/MS)で試験したところ、試料の純度が94%でその構造がC 8 F 17 -OC 2 F 2 Hであることが確認された。

    実施例2. C 8 F 17 -OC 2 F 4 CO 2 HからのC 8 F 17 -OC 2 F 4 Hの製造。
    C 8 F 17 -OC 2 H 4 CO 2 CH 3を、塩基で触媒されるマイケル付加反応でn−オクタノールをアクリロニトリルに付加し次いで酸で触媒されるメタノリシスを行うことによって調製した。 このカルボン酸エステルを、実施例1に記載したのと本質的に同じフッ素化法によって直接フッ素化し、次いで加水分解することによって対応するエーテル酸:C 8 F 17 -OC 2 F 4 COOHを製造した。 示差走査熱量測定法によって多段転移があることが明らかになったがこれは多形の特徴である。

    85%KOH 116gを800mLのエチレングリコールに溶解した溶液を、3L丸底フラスコ中に調製した。 このKOH溶液中に撹拌しながら1000gの上記C 8 F 17 OC 2 F 4 -CO 2 Hを滴下して加えた。 添加を完了したとき、追加のKOH 10gを加えてその混合物を加熱した。 脱炭酸によるフッ素化学生成物を、上記酸の中和によって生じた少量の水とともに蒸留した。 留出物の下方のフッ素化学生成物相を分離し食塩水で洗浄しNa 2 SO 4で乾燥し実施例1の場合と同様に蒸留して817gのC 8 F 17 -OC 2 F 4 Hを得た。

    実施例3. C 7 F 15 -OC 2 F 4 CO 2 CH 3からのC 7 F 15 -OC 2 F 4 Hの製造。
    C 7 F 15 -OC 2 H 4 CO 2 CH 3を、塩基で触媒されるマイケル付加反応でn−オクタノールをアクリロニトリルに付加し次いで酸で触媒されるメタノリシスを行うことによって調製した。 550gの対応するメチルエステル:C 7 F 15 -OC 2 F 4 COOCH 3 (実施例1と本質的に同じフッ素化とメタノリシスの方法で調製した)を、約880mLのエチレングリコールに166.6gのKOHを溶解した溶液に滴下して加えた。 得られたフッ素化学生成物を実施例1とほとんど同様して回収して440gを得、これを6プレートスナイダーカラムで蒸留し、130〜131℃で沸騰する画分を収集した(340g)。 この画分を8.5gのKMnO 4および約350gのアセトンと混合し次いで加熱還流した。 4時間後、追加のKMnO 4 5gを加え得られた混合物をさらに3時間加熱した。 得られた混合物を濾過し、そのフィルターケークをアセトンで洗浄し、濾液に水を添加して下方のフッ素化学生成物相を生成され、次にこれを水で洗浄し次いで濃硫酸で洗浄し、再び水で洗浄し、次にシリカで濾過した。 1 H NMRと19 F NMRで、反応生成物が所望の構造:C 7 F 15 -OC 2 F 2 Hを有していることを確認した。 試料の気−液クロマトグラフィーによる試験結果は、その試料の純度が98.7%であることを示した。

    実施例4. C 6 F 13 -OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 CH 3からのC 6 F 13 -OC 2 F 4 -O-CF 2 Hの製造。
    出発物質のC 6 H 13 -OC 2 H 4 -OC 2 H 4 -O-COCH 3を、ヘキシロキシエトキシエタノールを塩化アセチルでアセチル化することによって製造した。 このアセテートを、実施例1と本質的に同じフッ素化とメタノリシスの方法によって、C 6 F 13 -OC 2 F 4 -OCF 2 CO 2 CH 3に変換した。 このフッ素化学生成物548gを、144.2gのKOH含有エチレングリコール600gと混合した。 得られた混合物を加熱し、蒸留し次いで生成物:C 6 F 13 -OC 2 F 4 -OCF 2 Hを実施例1と同様に回収した。 全収量は433gであった。 生成物を再び、大気圧で12インチ(30.5cm)の穴あきプレートカラムを通じて蒸留した(沸点131℃)。 生物の構造は、 1 Hと19 FのNMRによってC 6 F 13 -OC 2 F 4 -OCF 2 Hであることが確認された。 GC/MSによって、この生成物の試料の純度が99.6%であることが明らかになった。

    実施例5. C 8 F 17 -O-CF 2 -CO 2 CH 3からのC 8 F 17 -O-CF 2 Hの製造。
    C 8 H 17 -OC 2 H 4 -O-(CO)CF 3を、オクチルオキシエタノールをトリフルオロ酢酸無水物でアセチル化することによって製造した。 上記トリフルオロアセテート100gを、実施例1と本質的に同じフッ素化法で直接フッ素化し、そのフッ素化生成物をBF 3のメタノール溶液でクエンチし、粗C 8 F 17 -O-CF 2 -CO 2 CH 3を得た。 これを蒸留によってさらに精製して20トルにおいて92〜97℃で沸騰する生成物を得た。

    後者のメチルエステル58gの試料を、KOH 10.8gのエチレングリコール溶液を用いて脱炭酸し、生成物:C 8 F 17 -O-CF 2 Hを実施例1と同様にして回収した。 生成物の構造を19 F NMRで確認した。 GLCによって生成物の純度が99.6%で、134〜136℃で沸騰することが明らかになった。

    実施例6. C 4 F 9 -OC 2 F 4 -CO 2 CH 3からのC 4 F 9 -OC 2 F 4 Hの製造。
    メチルエスチル:C 4 H 9 -OC 2 H 4 -CO 2 CH 3を、塩基で触媒されるマイクル付加反応でn−ブタノールをアクリロニトリルに付加し、次いで酸で触媒されるタメノリシスによって調製した。 得られたメチルエステルを実施例1に記載したのと本質的に同じフッ素化とメタノリシスの方法で対応するフッ素化メチルエステル:C 4 F 9 -O-CF 2 CF 2 -CO 2 CH 3に変換した。

    後者のメチルエステル1160gを、エチレングリコール3103gとNaOH 129.5gに、撹拌しながら滴下して加えた。 生成物を蒸留し(沸点:83℃)、KMnO 4 /アセトンで処理し、次いで実施例3のようにして仕上げ処理を行った。 精製化合物の構造:C 4 F 9 -O-CF 2 CF 2 Hは1 H と19 F のNMRおよびGC/MSで確認した。

    この化合物の試料を、選択された炭化水素溶媒の試料に対する溶解度を測定することによって精密洗浄の用途で使う場合について評価した。 高い溶解度は、ペルフルオロカーボン溶媒に対する洗浄剤として性能が改善されたことを示す。 以下の炭化水素溶媒は、上記エーテル水素化物に対して、50重量%までの量が溶解可能であることが見出された。 その炭化水素溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、トランス−1,2−ジクロロエチレンおよびイソプロピルエーテルである。 O−キシレンは19重量%まで可溶性であることが見出された。 クロロホルムは45重量%まで可溶性であることが見出された。 エチレングリコールは15重量%未満まで可溶性であることが見出されそして炭化水素の軽油は0.05重量%未満まで可溶性であることが見出された。

    また上記化合物の試料を、米国特許第5,125,978号(Flynnら)に教示されているようなスポットフリー乾燥(spot-free drying)用途に使用する場合について評価した。 水除去組成物を、0.2重量%のC 4 F 9 OC 2 F 4 OCF 2 CONHC 2 H 4 OHをC 4 F 9 -OC 2 F 4 Hに溶解することによって製造した。 この溶液を超音波浴中45℃まで加熱した。 米国特許第5,125,978号に記載の方法を用いて、ガラスとステンレス鋼製の試験クーポンを水で濡らし、次に上記溶液中に超音波で撹拌しながら浸漬した。 水はすべて60秒間以内に除去された。

    またこの化合物の試料は、補助溶媒(Co-solvent)洗浄用途におけるすすぎ剤として用いる場合について評価した(このような洗浄用途は例えば国際特許願公開第WO92/22678号(Petroferm Inc.社)に教示されている)。 デカロン酸メチルのような有機エステル類は、キャリヤー液体およびすぎ剤としてペルフルオロヘキサンを用いる2相洗浄用途における溶媒和剤として有効であることが見出されている。 デカン酸メチルとC 4 F 9 OC 2 F 4 Hを別個の容器に入れて超音波浴内で50℃まで加熱した。 50mm×25mm×1.5mmのアルミニウムクーポンを0.0831gの炭化水素軽油で汚染された。 この汚染クーポンをまずデカン酸メチル中に約60秒間浸漬し、次にC 4 F 9 OC 2 F 4 H中に約60秒間浸漬させた。 このC 4 F 9 OC 2 F 4 Hによって、前記の軽油とデカン酸メチルは前記クーポンから100%すすぎ出された(重量差で測定)。 同条件下でペルフルオロヘキサンは該軽油とデカン酸メチルを98.5%しか除去しなかった。 このことはC 4 F 9 OCF 4 Hがキャリヤー液体およびすすぎ剤としてペルフルオロヘキサンより有効であることを示している。

    実施例7. CH 3 OC(O)C 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 C(O)OCH 3からのHCF 2 CF 2 -O-CF 2 CF 2 -O-CF 2 CF 2 Hの製造。
    出発物質のCH 3 OC(O)C 2 H 4 -OC 2 H 4 -OC 2 H 4 C(O)OCH 3を、塩基で触媒されるマイケル付加反応でエチレングリコールをアクリロニトリルに付加し次いで酸で触媒されるメタノリシスを行うことによって調製した。 この出発物質を、実施例1に記載されているのと本質的に同じ方法でフッ素化しメタノリシスに付してCH 3 OC(O)C 2 F 4 -OC 2 F 4 -OC 2 F 4 C(O)OCH 3を得た。

    上記フッ素化エステル1136gを、エチレングリコール2665g中KOH 305.6gの混合物に添加した。 脱炭酸を実施例1に記載されているのと本質的に同様に実施し、相分離後、水による洗浄なしで粗生成物を蒸留した。 得られた留出物はまたメタノールを含有していたが、これを、濃硫酸で1回続いて水で2回洗浄することによって除去して、沸騰範囲が93〜94℃である所望のエーテル水素化物の生成物695gを得た。

    実施例8. C 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 -CO 2 HからのC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 Hの製造。
    118.2g(1.0mol)のヘキサン−1,6,−ジオール、4.4gのAdogen(登録商法)464第四級アンモニウム塩、80.0g(2.0mol)のNaOHおよび250mLのテトラヒドロフランを還流させながら撹拌した。 良好に混合するため80mLの水を添加した。 さらに20分後、137g(1.0mol)の臭化ブチルを30分間かけて添加し、還流させながら一夜撹拌した。 得られた反応混合物を1Lの水でクエンチし、次にその上層を、下層のエーテル抽出液と合し、MgSO 4で乾燥し、ロータリーエバポレーターでストリッピングを行った。 100mL CHCl 3中の上記ストリッピングを行って得た層(151g)に150mLの塩化アセチルを滴下して加えて処理し、次に還流しながら4時間加熱して溶媒を除去し、225.4gの液体を得た。 その液体を蒸留することによって176.0gの留出物(沸騰範囲:100〜104℃/0.9トル)を得た。 GLCによって、留出物の56%が所望の6−ブトキシヘキシルアセテートであり、ヘキサンジオールジアセテートとシブトキシヘキサンが含有されていることが分かった。 この混合物100gを実施例1に記載されているのと本質的に同じにしてフッ素化した。 得られたフッ素化生成物を10重量%H 2 SO 4水溶液30mLで処理して室温で2時間振盪し、固体のフッ素化アジピン酸を濾過し、F-113の層を分離し、MgSO 4で乾燥し次に蒸留して、116℃/20トルで沸騰する96%純度のC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 COOH 73.4gの主留分を得た。 この留分を、10.0g(0.25mol)のNaOHと100mLのエチレングリコールの溶液に加え、その混合物を120℃まで加熱して、フッ素化由来の不純物:C 4 F 9 -O-(CF 2 ) 6 -OC 4 F 9をディーンスタークトラップに集めた。 加熱を続けると気体が発生し始め、液体のC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 H(44.6g)が該トラップに集められ170℃で終了した。 集めた液体をシリカゲルで乾燥し、4インチ(10.2cm)のVigreuxカラムで蒸留して沸点が131℃の物質38.8gが得られ、これをF-NMRで構造を確認したところ高純度のC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 5 Hであった。

    実施例9. C 5 F 11 -O-(CF 2 ) 5 COOHからのC 5 F 11 -O-(CF 2 ) 5 Hの製造。
    実施例8と類似の方式で、ヘキサンジオールをn−ペンチルブロミドでアルキル化し、生成物をアセチル化し、得られた粗アセテート:C 5 H 11 -0-(CH 2 ) 6 OC(O)CH 3を蒸留し(125℃/3トルで沸騰)、得られた留出物を実施例1のフッ素化法で本質的にフッ素化した。 生成したフッ素化エステルを加水分解して対応する酸を得た。 そのフッ素化酸:C 5 F 11 0(CF 2 ) 5 COOHをNaOHで脱炭酸することによって829gの生成物を得た。 その生成物を水で洗浄し、MgSO 4で乾燥し次いで蒸留して、145〜149℃で沸騰するC 5 F 11 -0-(CF 2 ) 5 H 555gを得た。

    実施例10. C 8 F 17 -O-(CF 2 ) 5 COOHからのC 8 F 17 -O-(CF 2 ) 5 Hの製造。
    実施例8に類似の方式で、ヘキサンジオールをn−オクチルブロミドでアルキル化し、その生成物をアクチル化し、得られたC 8 H 17 -O-(CH 2 ) 6 -O-COCH 3を実施例8と同様に直接フッ素化し、次に加水分解してC 8 F 17 -O-(CF 2 ) 5 COOHを得てこれをペルフルオロヘキサンから再結晶させた。 再結晶された酸(37.5g)を4.0gのNaOHおよび100mLのエチレングリコールと混合して185℃まで加熱した。 生成物を水で洗浄し、残留物27.9gを蒸留して純品のC 8 F 17 -O-(CF 2 ) 5 H〔ミクロ沸点(micro bp)が195℃〕を得た。

    実施例11. C 4 F 9 -O-CF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 ClからのC 4 F 9 -O-CF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 Hの製造。
    2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールのn−ブチルブロミドによるアルキル化を実施例8と本質的に同様に実施して粗モノアルキル化生成物を得、それをSOCl 2で処理して、80〜90℃/20〜30トルで沸騰するC 4 H 9 -O-CH 2 C(CH 3 ) 2 CH 2 Clを得た。 この化合物を実施例1と同様にしてフッ素化してC 4 F 9 -O-CF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 Clを得た。 後者の塩化物20.0gを水で濡らしたラネ−Ni5.3gおよびNH 3飽和メタノール50mLと混合した。 その混合物を、約25℃で3日間Parrの水素化装置上で振盪を続けたが、その21KPa(3psig)の水素圧の低下は大部分が1日目に起こった。 生成物を、濾過で回収し、水中でクエンチして、いくらかの機械的ロスを伴い7.9gを得た。 19 F-NMRによって生成物がC 4 F 9 -O-CF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 Hであることが確認された。 100gまでスケールアップし、生成物を蒸留して沸点が135℃の生成物47gを得た。

    実施例12. Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 ClからのH(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Hの製造。
    Cl-(CF 2 ) 4 -O-(CH 2 ) 4 -Clを実施例1と同様にしてフッ素化してCl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Clを得た。 Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Cl 30.3g、清水で濡らしたラネ−Ni 11.3gおよびメタノール200mLの混合物を、数分間NH 3でパージし、次いでParr水素化装置で約25℃にて310KPa(45psig)の水素で加圧した。 17時間後、圧力は255KPa(37psig)まで降下し、混合物は酸性になった(ガラスのエッチングが認められた)。 さらにアンモニアを加えて還元を続けた結果さらに62KPa(9psig)降下した。 反応生成物を濾過し水中でクエンチして15.4gの下相が得られ、これはGLCによって純度68%のH(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Hであることが確認された。 蒸留を行って87%の純度で121〜124℃で沸騰する生成物を得た。

    実施例13. Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 ClからのH(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 HとCl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Hの製造。
    Cl(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 Cl 50.0gとブタノール中30gのZnの混合物を110℃で2日間撹拌した。 得られた反応生成物の試料のGLCの結果は部分的な転化を示した。 さらにZnを21g添加してその混合物をさらに1日間加熱した。 得られた物質の濾過と水中でのクエンチを行って27.0gの無色の液体を得た。 その生成物は、35%のH(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 4 H、42%のモノ水素化物および16%の未還元のジクロリドであった。

    実施例14. C 6 F 13 -0-C 2 F 4 CO 2 HからのC 6 F 13 -O-CF 2 CF 2 Hの製造。
    出発物質のC 6 H 13 -0-C 2 H 4 CO 2 CH 3を、マイクル付加反応でヘキサノールをアクリロニトリルに付加し次いで酸で触媒されるメタノールによるエステル化を行って製造した。 得られたエステルをフッ素化し次いで加水分解してC 6 F 13 -OC 2 F 4 CO 2 Hを得た。

    上記の酸C 6 F 13 -OC 2 F 4 CO 2 H 500gを、エチレングリコール700gにKOH 68.7gを溶解した溶液にゆっくり添加した。 添加を終ってから、得られた均一な溶液に追加のKOH 5gを添加してそのpHを9にした。 脱炭酸を実施例1と同様にして実施し次いで蒸留して104〜107℃で沸騰する生成物327gを製造した。 その生成物を実施例3と本質的に同様に過マンガン酸カリウムで処理した。 GC/MS, 19 F NMR、 1 H NMRおよびIRによって生成物の構造がC 6 F 13 -O-CF 2 CF 2 Hであることが確認された。

    実施例15. C 6 F 13 -O-CF 2 CO 2 CHからのC 6 F 13 -O-CF 2 Hの製造。
    エチレングリコールモノヘキシルエーテルをアセチル化することによって製造した出発物質のC 6 H 13 -OC 2 H 4 OC(O)CH 3を、本質的に実施例1の方法によってフッ素化し脱炭酸を行い146gのC 6 F 13 -O-CF 2 H(92〜96℃で沸騰)を得た。

    実施例16. CF 3 CF(CF 3 )CF 2 -O-CF 2 CO 2 CH 3からのCF 3 CF(CF 3 )CF 2 -O-CF 2 Hの製造。
    出発物質のCH 3 CH(CH 3 )CH 2 -O-CH 2 CH 2 OC(O)CH 3を、エチレングリコールモノイソブチルエーテルをアセチル化し次に本質的に、実施例1に記載したフッ素化とメタノリシスの方法で転化させて、118〜120℃で沸騰するメチルエステル:CF 3 CF(CF 3 )CF 2 -O-CF 2 CO 2 CH 3を得た。

    上記メチルエステル149gを、28.6gのKOH含有のエチレングリコール700gに迅速に滴下して加えた。 脱炭酸を実施し、蒸留を行った後、生成物留分70gを得たがこれは45〜47℃で沸騰しGLCによって99%の純度であった。 その構造は、GC/MS、 1 H NMRおよび19 F-NMRの分析法によって、CF 3 -CF(CF 3 )CF 2 -O-CF 2 Hであることが確認された。

    実施例17. C 4 F 9 -O-(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 3 COOCH 3からのC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 3 Hの製造。
    出発物質のC 4 H 9 -O-(C 4 H 8 )-O-(CH 2 ) 3 CH 2 OCOCH 3を、本質的に実施例1の方法で直接フッ素化とメタノリシスに付してC 4 F 9 -OC 4 F 8 -O-(CF 2 ) 3 CO 2 CH 3を製造した。 その生成物56gを、エレングリコール250nlにKOH 5.6gを溶解した溶液に迅速に添加した。 脱炭酸を実施し、生成物の相を分離し、食塩水で1回洗浄し、次に蒸留して、GLCで測定した結果、純度が 100%の生成物(沸点155〜158℃)36.6gを得た。 GC/MS, 1 Hと19 F のNMRの分析結果からその生成物はC 4 F 9 -O-(CF 2 ) 4 -O-(CF 2 ) 3 Hであることが確認された。

    実施例18. (C 2 F 5 ) 2 CFCF 2 -O-CF 2 CF 2 -C(O)OCH 3からの(C 2 F 5 ) 2 CFCF 2 -OC 2 F 4 Hの製造。
    マイクル付加反応で2−エチルブタノールをアクリロニトリルに付加し次いで酸で触媒されるメタノールによるエステル化によって製造した出発物質(C 2 H 5 ) 2 CHCH 2 -O-CH 2 CH 2 C(O)OCH 3を、本質的に実施例1の方法でフッ素化とメタノリシスを行い(C 2 F 5 ) 2 CFCF 2 -O-CF 2 CF 2 -C(O)OCH 3 (沸点159℃)を得た。 この直接フッ素化反応の収率はメチルエステルの上記出発物質に対して88%であった。

    脱炭酸を実施例1と本質的に同様にして実施し、108〜110℃で蒸留して145gの生成物を得た。 そのIR分析結果は、(C 2 F 5 ) 2 CFCF 2 -O-CF 2 CF 2 Hの構造と一致した。

    実施例19. cC 6 F 11 CF 2 -OC 2 F 4 C(O)OCH 3からのcC 6 F 11 CF 2 -OC 2 F 4 Hの製造。
    シクロヘキシルメタノールをアクリロニトリルと反応させ次いで酸で触媒されるメタノールによるエステル化によって製造した出発物質:cC 6 H 11 CH 2 -OC 2 H 4 C(O)OCH 3を、本質的に実施例1の方法で、フッ素化し次にメタノール中BF 3によってメタノリシスに付して、65%の収率(フッ素化に対して)でcC 6 F 11 CF 2 -OC 2 F 4 C(O)OCH 3を得た。

    後者のフッ素化エステル224gを、60℃に保持した、85%KOH 28.2gとエチレングリコール466gの溶液に添加した。 得られた混合物を100℃まで加熱し、45重量%の水性KOH 5gを添加し、そのpHを7を越えるpHまで調節した。 生成した混合物を蒸留することによって脱炭酸を実施した。 得られた留出物の下方のフッ素化学生成物の相を留出物から分離し、同容積の水で洗浄し次に123〜126℃で蒸留して、155gの生成物(99.7%の純度)を得た。 その生成物をアセトン中KMnO 4で処理してcC 6 F 11 CF 2 -OC 2 F 4 Hを得た。

    実施例20. C 4 F 9 -OC 2 F 4 -OC 3 F 6 C(O)OCH 3からのC 4 F 9 -OC 2 F 4 -OC 3 F 6 Hの製造。
    C 4 H 9 -OC 2 H 4 -OC 4 H 8 OC(O)CH 3を本質的に実施例1の方法でフッ素化とメタノリシスを行った。 419gの量で得られた生成物C 4 F 9 -OC 2 F 4 -OC 3 F 6 C(O)OCH 3を、エチレングリコール800g中KOH 49.4gの混合物に迅速に滴下して加えた。 得られた混合物を、最終のフラスコ温度190℃までゆっくり加熱した。 このような加熱中、上記エステルのけん化で生成するメタノール、水およびC 4 F 9 -OC 2 F 4 -OC 3 F 6 Hを反応混合物から蒸留した。 留出物に水を加え、下方のフッ素化学生成物相(355g)を分離し、蒸留して(120〜122℃で沸騰)308gのC 4 F 9 -OC 2 F 4 -OC 3 F 6 H(82%収率)を得た。

    実施例21. C 6 F 13 -OC 4 F 8 -CO 2 CH 3からのC 6 F 13 -OC 4 F 8 -Hの製造。
    出発物質のC 6 H 13 -OC 5 H 10 -OC(O)CH 3を、1,5−ペンタジオールを臭化ヘキシルでモノアルキル化し、次いで塩化アセチルでアセチル化することによって調製した。 この化合物を、実質的に実施例1の方法でフッ素化しメタノリシスに対してC 6 F 13 -OC 4 F 8 -CO 2 CH 3 (沸点:13トルにおいて100℃)を得た。 このエステル200gを、KOH 30g含有エチレングリコール250mLに溶解して得た溶液を、水素化物の生成物が留出するまで加熱することによって、このエステルを脱炭酸した。 その液体を水で洗浄しMgSO 4で乾燥し、82%純度のC 6 F 13 -OC 4 F 8 -H 128gを得た。 12枚のプレートとパックしたガラスカラムを用いて、蒸留することによって上記生成物をさらに精製した(沸点146℃)。 その構造は19 F NMRで確認した。

    実施例22. C 6 F 13 -OC 3 F 6 -CO 2 - K 1からのC 6 F 13 -OC 3 F 6 -Hの製造。
    出発物質のC 6 H 13 -OC 4 H 8 -OC(O)CH 3を、臭化ヘキシルで、1,4−ブタンジオールをモノアルキル化し次いで無水酢酸でアセチル化することによって製造した。 その化合物を、本質的に実施例1の方法でフッ素化しメタノリシスに付してC 6 F 13 -OC 3 F 6 -CO 2 CH 3を得た。 このメチルエステルを過剰のKOHを用いてけん化し、次いで減圧オーブンで乾燥してカリウム塩を得た。 その塩575gを、エチレングリコール250mL中で撹拌しながら加熱し、次いで生成物の水素化物を留出物から回収した(沸点:129℃) 。 構造は19 F NMRで確認した。

    実施例23. C 5 F 11 -OC 4 F 8 -CO 2 - Na +からのC 5 F 11 -OC 4 F 8 -Hの製造。
    出発物質のC 5 H 11 -OC 5 H 10 -OC(O)CH 3を、臭化ペンチルで1,5−ペンタンジオールをモノアルキル化し、次に塩化アセチルでアセチル化することによって調製した。 その化合物を、本質的に実施例1の方法でフッ素化しメタノリシスに対して、C 5 F 11 -OC 4 F 8 -CO 2 CH 3を得た。 得られたメチルエステルを過剰のNaOHでけん化し次に実施例22と本質的に同様にして脱炭酸し蒸留した。 12枚のプレートをパックしたガラスカラムで蒸留して純品のC 5 F 11 -OC 4 F 8 -H(沸点:125℃)を得た。 その構造は19 F NMRで確認した。

    実施例24. C 4 F 9 -OC 3 F 6 -CO 2 - Na +からのC 4 F 9 -OC 3 F 6 -Hの製造。
    出発物質のC 4 H 9 -OC 4 H 8 -OC(O)CH 3を、臭化ブチルで、1,4−ブタンジオールをモノアルキル化し、続いて塩化アセチルでアセチル化することによって製造した。 その化合物を、本質的に実施例1の方法によってフッ素化しメタノリシスに付してC 4 F 9 -OC 4 F 6 -CO 2 CH 3を得た。 このメチルエステルを、実施例23と同様にしてけん化し、脱炭酸し次いで粗水素化物を回収し、さらに蒸留して純品のC 4 F 9 -OC 3 F 6 -H(沸点:90℃)を得た。 その構造は11 F NMRで確認した。

    実施例25. ペルフルオロエーテルカルボン酸類の界面活性剤活性の評価。
    本発明の新規なペルフルオロエーテルカルボン酸類の界面活性剤活性を、これらの酸を対応するアンモニウム塩に添加させた後、DeNuoyのテンシオメーターで測定した。 これらの酸は、それらの炭化水素前駆物質を直接フッ素化し次に加水分解することによって製造した。 それらのアンモニウム塩は、その酸を過剰のアンモニア水で処理し次いで凍結乾燥することによって製造した。 試験結果は、アンモニウム塩の親の酸(表Bからの)を列挙する表Cにダイン/cmの単位で報告する。

    実施例26. エーテルの消火剤としての評価。
    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を、National Fire Protection Association 2001 Fire Protection Standardを利用し、液状化合物を取扱うため改造したカップバーナー(Cup burner)を使用して消火剤として評価した。 下記表Dに示す試験結果は、これらの化合物が消火、爆発抑制のため有効な薬剤でありかつ可燃性ガス体不活性化剤として有効な薬剤であることを示している。

    実施例27. 発泡ポリウレタンの製造。
    本発明のω−ヒドロフルオロアルキルエーテル化合物を、米国特許第5,210,106号(Damsら)に教示されている方法を用いてフォームの発泡剤として評価した。 成分Aは、PAPI(登録商標)27すなわちDow Chemical社から入手できるイソシアネート当量が134.0のメチレンジフェニルジイソシアネートを15.0重量部含有していた。 フォームの成分Bは、Dow ChemiCal社から入手できるヒドロキシル数が360のポリエーテルポリオールのVoranol(登録商標)360を10.5重量部(pbw);水0.26pbw;米国特許第3,787,351号の実施例1に記載されているようなオリゴマーのフッ素化学界面活性剤0.26pbw;Polycat(登録商標)8すなわちAir Products社から入手できるN,N−ジメチルシンクロヘキシルアミン触媒0.13pbw;および発泡剤としてC 4 F 9 OCF 2 CF 2 H 1.87pbwを含有していた。

    成分Bの成分を混合してエマルジョンを得て、次にこれを成分Aと混合し、2500rpmで10秒間撹拌した。 フォームのクリーム時間は約10秒であった。 立上り時間と木粘着時間はそれぞれ約2分間と3分間であった。 得られたポリウレタンフォームは硬質で、非常に微細な独立気泡が均一に分布していた。

    実施例28. (CF 3 ) 3 COC 2 F 4 OCF 2 OCF 2 CO 2 CH 3の製造。
    塩化メチレンをt−ブドキシエタノールでアルキル化することによって製造した前駆物質の(tC 4 H 9 OC 2 H 4 O) 2 CH 2を、実施例1と本質的に同様にしてフッ素化とメタノリシスを行い、沸騰範囲が18トルで80〜82℃の(CF 3 ) 3 COC 2 F 4 OCF 2 OCF 2 CO 2 CH 3を得た。 その構造は11 F NMRで確認した。

    実施例29. C 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 CO 2 CH 3からのC 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 Hの製造。
    ブタンジオールをオクチルクロロメチルエーテルでモノアルキル化することによって、前駆物質のC 8 H 17 OCH 2 OC 4 H 8 OHを製造した。 この前駆物質をまず、トリエチルアミンを含有する塩化メチレン中で塩化アセチルによってアセチル化し次にフッ素化し、得られた粗過フッ素化生成物の一部分を硫酸で処理して加水分解し次いで蒸留して、沸騰範囲が1.1トルにて100〜106℃のカルボン酸:C 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 CO 2 Hを得た。 示差走査熱量測定法によって、この酸はTgが−97.0℃であり、−77.4℃、−61.5℃および−37.7℃のいくつもの結晶エキソサーム(crystalline exothem)を有しかつ−9.0℃に広範囲の融点をもっている。

    上記粗過フッ素化生成物のもう一つの部分を実施例1と本質的に同様にしてメタノリシスに付して、沸騰範囲が25トルにて124〜130℃のC 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 CO 2 CH 3を得た。 後者のメチルエステルを実施例1の方法を用いて脱炭酸を行って、沸騰範囲が178〜183℃のC 8 F 17 OCF 2 OC 3 F 6 Hを得た。 なおこの水素化合物と前駆物質のフッ素化エステルの構造は19 F NMRで確認した。

    実施例30. C 8 F 17 O(C 2 F 4 O) 2 CF 2 CO 2 Hの製造。
    前駆物質を、臭化オクチルでトリエチレングリコールをモノアルキル化し次いでアセチル化することによって製造した。 その前駆物質を実施例1と同様にしてフッ素化し、硫酸で処理して加水分解し、次いで蒸留した。 生成物のC 8 F 17 O-(C 2 F 4 O) 2 CF 2 CO 2 Hは、沸騰範囲が1.4トルにて105〜110℃で融点が24℃であった。

    実施例31. CH 3 O(CO)C 3 F 6 OC 3 F 6 COOCH 3からのHC 3 F 6 OC 3 F 6 Hの製造。
    出発前のジアセテート、すなわちCH 3 C(O)OC 4 H 8 O-(C 4 H 8 O) n C 4 H 8 OC(O)CH 3を、塩化アセチルでポリテトラメチレングリコール(平均分子量250)をアセチル化することによって製造した。 このジアセテートを、実施例1に記載されているのと本質的に同じフッ素化とメタノリシスの方法によってCH 3 OC(O)C 3 F 6 O-(C 4 F 8 O) n C 3 F 6 COOCH 3に変換した。 得られたジエステルの混合物1400gを、10プレートガラスをパックしたカラムで蒸留してCH 3 OC(O)C 3 F 6 OC 3 F 6 COOCH 3を単離した。

    単離した上記フッ素化学生成物278gを、72gのKOH含有エチレングリコール250mLと混合した。 得られた混合物を、実施例1と本質的に同様して加熱し蒸留して生成物:HC 3 F 6 OC 3 F 6 H(沸点:84℃)を回収した。 生成物の構造は19 F NMRで確認した。

    実施例32. nC 12 F 25 OC 2 F 4 OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 Hの製造。
    前駆物質のnC 12 H 25 O(C 2 H 4 O) 3 Hを、n−トデシルブロミドでトリエチレングリコールをモノアルキル化することによって調製した。 アセチル化を行った後、得られた生成物を実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、得られたフッ素化生成物を濃縮し、水300mL中NaOH 55.0gで処理した。 蒸気浴上で5時間加熱した後、生成物を、H 2 SO 4の50重量%水溶液の過剰量を用いて酸性にし、次いで蒸気浴上で約60℃まで予め加熱したFluorinert(登録商標)Fc-75の過フッ素化液体(C 8過フッ素化化学薬剤の混合物、沸点:103℃)で抽出した。 蒸留して純品のnC 12 F 25 OC 2 F 4 OC 2 F 4 OCF 2 CO 2 H(Tg=−62.7℃およびTm =69.2℃、DSCで測定)を得た。

    実施例33.

    出発物質の2−(3,4−ジメトキシフェニル)酢酸メチルを実施例1と本質的に同様にしてフッ素化し次に加水分解してペルフルオロ−2−(3,4−ジメトキシシクロヘキシル)酢酸を得た。 次にこれを実施例1に記載されているのと本質的に同じにして脱炭素酸して上記過フッ素化エーテル水素化物を得た。

    実施例34.

    出発物質の3−(4−エトキシフェニル)−トランス−2−プロペン酸メチルを、4−エトキシベンズアルデヒドとマロン酸と縮合させ次いでエステル化することによって調製した。 このメチルエステルを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、メタノリシスに対し次いで脱炭酸を行って、上記過フッ素化エーテル水素化物を得た。

    実施例35.

    出発物質を、2,2−ジエチルプロパンジオールと3−オキソグルタン酸ジメチルを縮合させて製造した。 そのジメチルエステルを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化しメタノリシスに付してジエステルとし、次いで脱炭酸して上記過フッ素化エーテル水素化物を製造した。

    実施例36.

    出発物質を、2,6−ジメチルフェノールと炭酸エチレンを反応させ次に塩化アセチルでアセチル化することによって製造した。 そのアセテートを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化しメタノリシスに付し次いで脱炭酸を行い、上記過フッ素化エーテル水素化物(沸点132℃)を製造した。

    実施例37.

    出発物質を、塩化チオニルで2−(2,6−ジメチルフェニルオキシ)エタノール(実施例36由来)を処理しすることによって製造した。 その出発物質を実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、得られた塩化物を実施例12に記載したのと本質的に同じにしてラネ−Niで還元して上記過フッ素化エーテル水素化物を製造した。

    実施例38.

    出発物質を、炭酸エチレンにβ−ナフトールを付加し次いで塩化アセチルでアセチル化することによって調製した。 出発物質のアセテートを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、メタノリシスに付し次いで脱炭酸を行って上記過フッ素化エーテル水素化物(沸点171℃)を製造した。

    実施例39. C 5 H 11 OCH 2 C(CH 3 ) 2 CH 2 ClからのC 5 F 11 OCF 2 C(CF 3 ) 2 CF 2 Hの製造。
    出発物質を、実施例11で先に述べたのと本質的に同じにして製造した。 得られたエーテルクロリドを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、生成した塩素物を実施例11に記載したのと本質的に同様にしてラネ−Niで還元して上記過フッ素化エーテル水素化物(沸点148℃)を製造した。

    実施例40. (C 4 H 9 O) 2 CHCH 2 Clからの(C 4 F 9 O) 2 CFCF 2 Hの製造。
    出発物質を、2−クロロアセトアルデヒドに2−ブタノールを付加することによって製造し、次に実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、生成した塩化物を実施例11に記載したのと本質的に同じにしてラネ−Niで還元して上記過フッ素化エーテル水素化物を製造した。

    実施例41. CH 3 O(CH 2 ) 10 OACからのCF 3 O(CF 2 ) 9 Hの製造。
    出発物質を、硫酸ジメチルで1,10−デカンジオールをモノアルキル化し次に塩化アセチルでアセチル化することによって製造した。 そのアセテートを実施例1と本質的に同じにしてフッ素化し、加水分解し次いで脱炭酸して上記過フッ素化エーテル水素化物を製造した。

    実施例42.C 9 H 19 OC 2 H 4 OAcからのC 9 F 19 OCF 2 Hの製造。
    出発物質を、n−ノニルブロミドでエチレングリコールをモノアルキル化し次に塩化アセチルでアセチル化することによって製造した。 そのアセテートを実施例1と本質的に同様にしてフッ素し、加水分解し次いで脱炭酸して上記過フッ素化エーテル水素化物(沸点155℃)を得た。

    実施例43.(イソ−C 3 H 7 ) 2 CHOC 2 H 4 CO 2 CH 3からの(イソ−C 3 F 7 ) 2 CFOC 2 F 4 Hの製造。
    出発物質を、アクリロニトリルに2,4−ジメチル−3−ペタノールをマイケル付加反応で付加し、次にメタノリシスに付してメチルエステルにすることによって製造した。 このエステルを、実施例1と本質的に同様にしてフッ素化し、加水分解し次いで脱炭酸を行い、上記過フッ素化エーテル水素化物を製造した。

    実施例44.

    出発物質を、クロロ酢酸メチルで4−エチルフェノールをアルキル化することによって製造した。 そのエステルを、実施例1と本質に同じようにしてフッ素化し、加水分解し次いで脱炭酸して上記過フッ素化エーテ水素化物(沸点131℃)を製造した。

    実施例45. 大気中での寿命および沸点の比較 各種試料の化合物の大気中での寿命を、Y.Tang,“Atmospheric Fate of Various Fluoro carbons", MSThesis, Massachusetts Institute of Technology (1993年)に記載の方法によって算出した。 下記の表に示すように、エーテルの酸素原子と末端の水素原子の間に2個以上の炭素原子を有するエーテル水素化物化合物の大気中での寿命は、エーテルの酸素原子と末端の水素原子の間に炭素原子を1個しかもっていないエーテル水素化物化合物の大気中での寿命よりかなり短い。 本発明のこれらの化合物は、大気中での寿命が短いので、環境的に一層許容可能である。

    さらに以下の表に示すように、エーテルの酸素原子と末端の水素原子の間に2個以上の炭素原子を有するエーテル水素化物化合物は、類似の非エーテル化合物より沸点が低くそしてエーテルの酸素原子と末端の水素原子との間に1個しか炭素原をもっていない類似のエーテル水素化物化合物より沸点がかなり低い。 本発明の化合物は、予想外に沸点が低いので、プラスチックのような温度感受性基板が関連するプロセスで有用な化合物になる(例えば、気相クリーニングの場合、基板は沸騰流体の凝縮蒸気内ですすぎ、そして凝縮加熱の場合、基板は沸騰流体中に浸漬して加熱する)。 このような用途では、基板の損傷を避けるため低沸点の流体の方が好ましい。 沸点は、炭素原子の数が少ない化合物を選択することによって低下させることができることは公知であるとはいえ、このような選択をすると、溶解力のような他の特性に悪影響を及ぼすことに加えて沸点が25℃以上も低下することがある。

    本発明の範囲と思想から逸脱することなく本発明を種々改変することは当該技術分野の当業者にとって明らかになるであろう。

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