Face seal for a respiratory mask

申请号 JP51134797 申请日 1996-09-05 公开(公告)号 JP3263084B2 公开(公告)日 2002-03-04
申请人 レスピロニックス インコーポレイテッド; 发明人 クリスティーン ケイ サーボ; ユージーン エヌ スカーベリー; シャーリ エス バーネット; パトリック エム ハンドケ;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】使用者の顔面に密着して使用者顔面の所定部分を包囲する密封接触部を形成し、呼吸ガス源に連結できる可撓性且つ弾性の呼吸マスク用顔面シールであって、顔面シールは、内端部及び内端部と反対側の外端部を備えた周囲方向壁部分を有し、内端部は、呼吸マスクの本体に取付け可能であり、外端部は、使用者の顔面に密着する輪郭付けられた密封面を備えたシール部分を含み、少なくとも前記シール部分は、人の脂肪組織のレジリエンスに実質的に相当するレジリエンスを備えたゲル物質で作られていることを特徴とする顔面シール。
  • 【請求項2】前記レジリエンスは、約10未満のショアー
    00硬度として表されることを特徴とする請求項1記載の顔面シール。
  • 【請求項3】前記レジリエンスは、約20〜約45のショアー000硬度として表されることを特徴とする請求項2記載の顔面シール。
  • 【請求項4】前記ゲル物質は、粘弾性ポリウレタンポリマーであることを特徴とする請求項1記載の顔面シール。
  • 【請求項5】顔面シールを呼吸マスクの本体に取り付ける手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の顔面シール。
  • 【請求項6】前記取付け手段は、前記ゲル物質に連結されていて、前記ゲル物質よりも弾性度が低い部材から成ることを特徴とする請求項5記載の顔面シール。
  • 【請求項7】ゲル物質よりも弾性度が低い前記部材は、
    該部材に前記ゲル物質を定着させる手段を有することを特徴とする請求項6記載の顔面シール。
  • 【請求項8】前記ゲル物質を包囲する保護カバーを更に有することを特徴とする請求項1記載の顔面シール。
  • 【請求項9】保護カバーは、柔軟性のある膜から成ることを特徴とする請求項8記載の顔面シール。
  • 【請求項10】前記膜の厚さは、約0.0508mm〜約0.254m
    mであることを特徴とする請求項9記載の顔面シール。
  • 【請求項11】前記膜は、ウレタンで作られていることを特徴とする請求項10記載の顔面シール。
  • 【請求項12】顔面シールは、ゲル物質で形成された環状部材を有することを特徴とする請求項1記載の顔面シール。
  • 【請求項13】呼吸ガス源に連結できる呼吸マスクであって、呼吸マスク本体と、使用者の顔面に密着して使用者顔面の所定部分を包囲する密封接触部を形成する可撓性且つ弾性の呼吸マスク用顔面シールとから成り、顔面シールは、内端部及び内端部と反対側の外端部を備えた周囲方向壁部分を有し、内端部は、呼吸マスク本体に取付け可能であり、外端部は、使用者の顔面に密着する輪郭付けられた密封面を備えたシール部分を含み、少なくとも前記シール部分は、人の脂肪組織のレジリエンスに実質的に相当するレジリエンスを備えたゲル物質で作られていることを特徴とする呼吸マスク。
  • 【請求項14】前記レジリエンスは、約10未満のショアー00硬度として表されることを特徴とする請求項13記載の呼吸マスク。
  • 【請求項15】前記レジリエンスは、約20〜約45のショアー000硬度として表されることを特徴とする請求項14
    記載の呼吸マスク。
  • 【請求項16】前記ゲル物質は、粘弾性ポリウレタンポリマーであることを特徴とする請求項13記載の呼吸マスク。
  • 【請求項17】顔面シールを呼吸マスクの本体に取り付ける手段を更に有することを特徴とする請求項13記載の呼吸マスク。
  • 【請求項18】前記取付け手段は、前記ゲル物質に連結されていて、前記ゲル物質よりも弾性度が低い部材から成ることを特徴とする請求項17記載の呼吸マスク。
  • 【請求項19】ゲル物質よりも弾性度が低い前記部材は、該部材に前記ゲル物質を定着させる手段を有することを特徴とする請求項18記載の呼吸マスク。
  • 【請求項20】前記ゲル物質を包囲する保護カバーを更に有することを特徴とする請求項13記載の呼吸マスク。
  • 【請求項21】保護カバーは、柔軟性のある膜から成ることを特徴とする請求項20記載の呼吸マスク。
  • 【請求項22】前記膜の厚さは、約0.0508mm〜0.254mm
    であることを特徴とする請求項21記載の呼吸マスク。
  • 【請求項23】前記膜は、ウレタンで作られていることを特徴とする請求項22記載の呼吸マスク。
  • 【請求項24】顔面シールは、ゲル物質で形成された環状部材を有することを特徴とする請求項13記載の呼吸マスク。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一般に呼吸マスクに関し、特に、使用者の顔面の諸部分を受け入れるようになっていて、使用者に供給されているガスの漏れを防止する可撓性シールを備えた呼吸マスクに関する。

    発明の背景 使用者の鼻及び/又は口を覆うと共に使用者顔面に対する連続シールを形成するよう設計された可撓性シールを有する種々の呼吸マスクが知られている。 密閉効果が得られるので、ガスを正の圧状態でマスク内に与えることができ、ガスは使用者によって消費される。 かかるマスクの用途範囲は、高所での呼吸(即ち、航空用途)
    から採鉱や消防用途、さらに医療上の種々の診断及び医療用途に及ぶ。

    かかる呼吸マスクに関する一つの必要条件は、呼吸マスクが、供給中のガスの漏れを防止するよう使用者の顔面に対して効果的な密封を行うことである。 一般に、マスクの従来構成では、マスクと顔面との間の良好な密封が得られたが、あいにく、大抵の場合において使用者に相当な不快感が生じた。 この問題は、上記用途、特に、
    使用者が数時間、ことによると数日間にもわたって着用しつづけなければならない医療用途では、非常に深刻である。 かかる状況では、使用者は長期間にわたるマスクの着用を我慢できず、かくして、最適な治療又は診断の目標が達成されず、或いはこれを達成しようとすると、
    大きな困難が伴うとともに使用者に相当な不快感を強いることになる。

    従来技術として、上述の各種用途のための幾つかのタイプの顔面用呼吸マスクがある。 恐らくは最もありふれたタイプのマスクは、マスクの周囲にぐるりと延び、全体として一様な(即ち、所定の又は固定した)輪郭を備えた平滑な密封面を有し、この密封面の輪郭は、平滑な密封面を使用者の顔面に向けて当てた状態で力をマスクに加えると、使用者の顔面に密着できるようになっている。 密封面は代表的には、空気又は流体入りクッションから成り、或いは、これはエラストマー、例えばプラスチック、ゴム、シリコン、ビニール又はフォームで作られた弾性シール要素の成形面に過ぎない場合がある。 かかるマスクは、密封面の輪郭とこれに対応する使用者顔面の輪郭の適合が良好であれば、十分に性能を発揮した。 しかしながら、もしシールの適合が良好でなければ、シールと顔面との間には隙間が生じることになり、
    シール部材を圧縮し、それにより隙間の生じている領域に満足の行く密封状態を得るには過度の力が必要となる。 かかる過度の力は受け入れがたい。 というのは、この過度の力は、顔面シールの輪郭が顔面に押し付けられて変形し、それにより使用者顔面の輪郭に一致する使用者顔面上の箇所とは別のどこかに高圧力箇所を生じさせるからである。 これは、使用者に相当の不快感を生じさせ、しかも、及ぼされた力が、表面の血流を止めるほどの圧力である局部的な灌流圧力を越えるところではどこでも皮膚の刺激や損傷を引き起こしかねない。 理想的には、マスク用シールがかなり変形しなければならない箇所でさえも、局部的な灌流圧力を越えるのを回避するためにマスクと使用者の顔面との間の接触力は制限されるべきである。

    望ましい限度を越えるシール接触力の問題は、供給中のガスの正圧が比較的高く、或いは高レベルまでサイクル動作するときには一層顕著である。 マスクはマスク用シールと使用者顔面が対向接触することにより密封を行うので、供給ガスのピーク圧力の場合にガス漏れを封止するに十分な力でマスクを顔面に密着保持しなければならない。 かくして、従来型マスクに関しては、供給圧力が高い場合、ヘッドストラップ又は他のマスク拘束具をしっかりと締めなければならない。

    これにより、マスク用シールの領域だけでなく、保持ストラップの広がりに沿って位置する種々の箇所でも、
    高い局部的な圧力が顔面に加わる。 これは又、ほんの僅かな時間が経過すると、使用者は強い不快感を抱くという結果を招く。 過度に高い局部的な圧力箇所がなくても、きつく締められたマスク及びヘッドストラップは極度の不快感を招く場合が多く、かかる使用者の不快感のために、恐らくは医療行為に関する協力関係が続かなくなる。

    上述したタイプの連続クッション密封特性を備えた呼吸マスクの例が、米国特許第2,254,854号及び第2,931,3
    56号に記載されている。

    米国特許第5,181,506号は、軍事用防護ガスマスクを記載している。

    このマスクは、3層から成る顔面用部分品を有し、その中央の層は、予備成形されたV字形チャンネルを備える比較的剛性の材料から成る厚手の層である。 チャンネルにはゲル又はゲルと圧縮空気の両方が過剰充填され、
    それにより使用者顔面の輪郭に密着するようになった内側の顔面接触層中に膨らみが生じる。 V字形チャンネルにより得られる構造剛性と中央層の本来的な剛性との相乗作用により、特にゲル/空気を過剰充填している場合、比較的不撓性の顔面シールが提供されることになる。 しかも、マスクはきつい被り具合のフードと組み合わせて使用される。 その目的は、顔面用部分品を使用者の頭に対してしっかりと引き締め、それにより所望の顔面シールが得られるようにすることにある。 理解されるように、かかる構成により得られる快適度は極めて制限され、使用者が場合によっては長期間にわたってマスクを着用しなければならないような用途、例えば呼吸療法の場合に不適当であることは確かである。

    ゲル及びフォームを含む幾つかの等級のクッション材料が、「建築学・物理学・医学・リハビリ(Arch.Phys.
    Med.Rehabil.)」第61巻(1980年5月発行)に所収のエス・エフ・シー・スチュワート氏、ヴイ・パルミエリ氏及びジー・ヴイ・ビー・コクラン氏の研究論文中に分析されている。 この研究は、かかるクッション材料を車椅子として用いた場合の利点と欠点を相対的に比較し、特に皮膚とクッションとの境界部における皮膚の温度、熱流束及び相対湿度に対するかかる材料の影響に取り組んだ。 これら要因の各々は、局部的な灌流圧力を越える印加圧力と共に、皮膚とクッションとの境界部における皮膚組織の損傷の原因であることが分かった。

    この研究報告によれば、フォームクッションは、数時間の使用後、皮膚温度を数度高くした。 これはフォーム材料の熱流束特性が比較的低いためであるらしいことが分かった。 すなわち、フォーム材料及びこれらの中に閉じ込められた空気は、熱の貧弱な吸収体であって伝導体である傾向を有する。 逆に、ゲルパッドは一つのまとまりとしては、フォーム材料よりもかなり高い熱流束を示し、事実、数時間の使用しても皮膚の温度を比較的一定に保つのに十分であった。 上記研究で報告されたゲルに対するフォームの唯一の利点は、皮膚とクッションとの境界線においてフォームがゲルよりも低い相対湿度を生じるということであった。 この原因は、分が拡散できるようにする経路を提供するフォームの連続気泡構造にある。 しかしながら、この外見的な利点は、連続気泡フォームが汗にあたるとバクテリアの成長を促進しがちであるという点で幾分問題視される。 バクテリアはフォームを汚染し、それによりフォームの有効実用寿命をかなり損なう。

    これら及び他の不利な性質は、上述のフォームタイプの呼吸マスク用顔面シールにも見受けられた。 それ故、
    全体的には使用者の顔面に対して最適な密封をもたらさないのは別にして、フォームマスクシールの固有の品質は、特により突き出た顔面輪郭の幾つかの部分、例えばほお骨や鼻柱のところで皮膚の刺激及び損傷と関連している。

    さらに、空気タイプのものであれ、流体タイプのものであれ、又は米国特許第5,181,506号の場合のようにゲル充填タイプのものであれ、或いは、エラストマー、例えばフォーム、プラスチック、ゴム、シリコン等で形成されているにせよ、現在入手できるクッションタイプの呼吸マスク用シールのレジリエンス又はリコイル(rero
    il)特性は、相当大きなヘッドストラップの張力が無ければ、使用者の顔面の形状輪郭に対する効果的な密封を行うほど十分には適していない。 本発明者は、マスク用クッションをリコイル特性が人の脂肪と類似した材料で製作すると、既存のクッションタイプの呼吸マスクに関して、ヘッドストラップの張力、従って、マスクにより使用者顔面に及ぼされる圧縮力を実質的に軽減できることを発見した。 かかるクッションは、本物の生物学的組織と非常に良く似た挙動をすることが分かり、非常に小さなヘッドストラップ張力の作用下であっても使用者の顔面にナチュラルに適合する傾向がある。 本発明者は又、ゲル物質に関する上述の他の利点に加えて、人の脂肪組織のリコイル特性をシミュレートするゲル物質を製造できることを発見した。

    したがって、使用者の顔面輪郭に関して、効果的であって、しかも快適であり、また損傷しないシールを提供するゲルで作られたシールクッションから成る呼吸マスク用顔面シールに関し利点が得られる。

    発明の概要 本発明は、使用者の顔面輪郭を高信頼度で且つ快適に密封する改良型の可撓性呼吸マスク用顔面シール及びかかるシールを組み込んだ呼吸マスクを提供する。

    顔面シールは、内端部及び内端部とほぼ反対側の外端部によって境界が画定された周囲側壁を含む環状部材を有する。 内端部は、呼吸マスクのシェル又は本体に取り付けられるようになっており、外端部は、使用者の顔面に向けて密着するようになった輪郭付け密封面を備える。

    環状部材は、人の脂肪組織のレジリエンス又はリコイル特性に相当するレジリエンス又はリコイル特性を備えたゲル物質、例えば粘弾性ポリウレタンポリマーで作られる。 環状部材を保護カバーと共に使用しても良く、或いはこれ無しで使用しても良い。 かかる保護カバーを設けなければ、ゲル物質が本来的に有する粘着性は、使用者顔面に対する顔面シールの付着性を向上させるのに役立つ。 変形例として、粘着性を望まなければ、環状部材の表面を粉末状タルク、シリコン又は類似の生物学的適合性材料の被覆で覆っても良い。 しかしながら、最適には、環状部材は、顔面シールの耐久性及び洗浄適性を向上させる薄くて柔軟性のある膜状カバーで包み込まれる。

    顔面シールは人の脂肪組織のリコイル特性をシミュレートしているので、使用者はマスクを着用したとき、皮膚に対してナチュラルな物質のような感じを覚える。 したがって、かかるクッションを備えたマスクを、当該技術分野で従来公知の他のマスクよりも小さなヘッドストラップ張力で、使用者の顔面に快適に連続的に密着させておくことができる。 さらに、ゲルの脂肪状品質により、ゲルは隙間を効果的に充填すると共に他の顔面輪郭に合った形を取り、それによりマスクに供給される加圧ガスの漏れを最小限に抑える。 ゲル物質は又、熱を効果的に放散させると共にフォームタイプのマスク用シールと関連したバクテリアの成長を抑えるのにも役立つ。

    本発明の他の構造上の細部、目的及び利点は、現時点において好ましい実施の形態及び本発明を実施する現時点において好ましい方法についての以下の詳細な説明を読むと明らかになろう。

    図面の簡単な説明 本発明の内容は、添付の図面に例示的に示すに過ぎない本発明の好ましい実施形態に関する以下の説明から明らかになろう。

    図1は、本発明に従って構成された顔面シールの第1
    の好ましい実施形態を含む呼吸マスクの正面図である。

    図2は、使用者の顔面に向かって密着した時の図1の呼吸マスクの側面図であり、呼吸マスクが呼吸ガス源と連通状態で概略的に示されている図である。

    図3は、図1のIII−III線における断面図である。

    図4は、図2のIV−IV線における断面図である。

    図5は、本発明に従って構成された顔面シールのもう一つの実施形態を含む呼吸マスクの図3と類似した断面側面図である。

    発明の詳細な説明 最初に図1及び図2を参照すると、全体が符号12で示されていて、シェル又はマスク本体12を含む呼吸マスクが示され、このマスク本体12は、本発明の好ましい第1
    の実施形態に従って構成された顔面シール18が密封的に取り付けられている環状着座面16(恐らくは、図3に最も明瞭に示されている)を備えた開口側14を有している。 マスク本体12は好ましくは(但し、必ずしも必要ではないが)、全体として剛性に作られた構造用シェルであるが、顔面シール18は、可撓性で弾性の単体構造部材であり、これについては以下に一層詳しく説明する。

    マスク本体12は又、流体継手手段21、例えばスイベル継手又は他の適当な手段を取り付けることができる開口部20を備えている。 開口部20及び介在する任意の流体継手手段21は、マスク10を導管手段(点線22で示されている)によりガス源24、例えば、加圧状態の呼吸ガスの流れを生じさせるブロワ又は他の手段に連結しており、それにより呼吸ガスが使用者又は着用者26に与えられるようになっている。 図示のマスクは、使用者の顔の鼻の領域を受け入れる鼻マスクである。 しかしながら、本発明の範囲は、使用者の口と鼻の両方を受け入れる全面形(フルフェース形)マスク又は口/鼻マスクにも及ぶことは理解されるべきである。 従前どおり、マスク本体12
    はまた、マスクを使用者の顔面に対して保持するための適当な可調式保持ストラップ(図示せず)を連結できる締結手段、例えばタブ25等を含むのが好ましい。

    顔面シール18は、環状基部又は内端部30(図3)を備えた周囲方向壁部分28を有する中実ではあるが高弾性であり、しかも自立形の圧縮性環状部材27を含み、内端部
    30は、これをしっかりと取り付けることができるマスク本体12の環状着座面16とほぼ類似した形状に作られている。 周囲方向壁部分28は、内端部30とほぼ反対側の外端部32を更に備えている。 外端部32は、使用者の顔面に向けて密着するようになった全体として環状の輪郭付けられた密封面34を備えている。 以下に詳細に説明するように、密封面34の輪郭は、鼻柱の領域、鼻に近いほおの領域、鼻と上唇との間の空間領域及びこれらに隣接した中間領域における使用者の顔面構造の表面輪郭とほぼぴったりと一致している。 全面形マスク(図示せず)については、密封面34は、鼻と上唇との間の領域に代えて使用者の顎を受け入れるように輪郭付けられることになる。
    いずれの場合でも、例えば特に鼻柱の領域における使用者の顔面構造の変化により、遭遇しがちな多くの互いに異なる顔面輪郭に適合するのに必要なシールのかなりの可撓性が発揮される。

    図3及び図4は、呼吸マスク用顔面シール18を詳細に示している。 本発明によれば、環状部材27の少なくともシール又は顔面接触部分、或いはより好ましくは(図示しているように)実質的に環状部材全体は、レジリエンス特性又はリコイル(recoil)特性が人の脂肪組織のものにほぼ相当するゲル物質、例えば粘弾性ポリウレタンポリマーで作られている。 より詳細には、環状部材27を含む顔面シール18は好ましくは、ショアー00スケールで測定され、ジュロメータ硬度で表わされるレジリエンスを有し、このショアー00スケールは、約10又はそれ以下、最も好ましくは約0の非常に軟らかい弾性材料のレジリエンスを計測するのに用いられる。 かかるレジリエンスは、ショアー00スケールでジュロメータ硬度の読みがこれ又、0を示す人の脂肪組織のレジリエンスと実質的に一致している。 図1〜図4に示す顔面シールの実施態様に関して、顔面シール18のジュロメータ硬度は、環状部材27及び後で説明するその保護カバー(このジュロメータ硬度は、カバーの薄さ及び可撓性に鑑みて本質的に無視できる)のジュロメータ硬度の合計に相当している。 環状部材27が保護カバーを有していない図5に示す顔面シールについては、顔面シールのジュロメータ硬度は、環状部材のジュロメータ硬度である。

    人の脂肪組織は、本質的に空隙を満たすことができるが、構造的一体性をほとんど有しておらず、したがって自立性のものではない。 その結果、脂肪と本質的に同一の構造特性を備えた呼吸マスク用顔面シールはどれも、
    使用上の観点からは非実用的である。 すなわち、もし顔面シールがレジリエンスの面で人の脂肪組織から構造的に区別できない材料から製作されているとすると、この顔面シールは重力の影響下で垂れて不定形になり、かくして、たとえヘッドストラップの張力が非常に強いとしても、使用者の顔面の輪郭に効果的に合致することはないであろう。 したがって、適切に設計された顔面シールが構造的な(特に、レジリエンスの)見地からは同じではなくても実質的に脂肪組織とそっくりにしなければならないことは理解されよう。 別言すると、顔面シールは、構造的に自立形であり、ヘッドストラップの張力が弱い状況下にあっても、使用者顔面の形状輪郭に穏やかに適合することができ、重力による変形作用に抗し、しかも使用者の顔面から取り外した時にその元の形体に自己復元できる或る程度の測定可能なリコイル「記憶」機能を備えなければならない。 顔面シールはまた、マスクに供給される正のガス圧に起因する変形に抵抗する必要がある。 上記及び他の有利な性質を兼備するために、本発明による環状部材27は好ましくは、ショアー000スケール(このスケールは、極度に軟質の弾性材料のレジリエンスを測定するのに用いられる)で、約20〜約45のレジリエンス又はジュロメータ硬度を示し、しかもショアー00スケールで測定したときに人の脂肪組織とはほとんど見分けがつかないゲル物質から作られる。 ちなみに、
    人の脂肪組織は、ショアー000スケールで約10のジュロメータ硬度を記録する。

    環状部材27は従来型成形技術で製造できる。 例えば、
    完成品について所望の性質を達成するのに必要な任意の可塑剤及び改質剤を含む液体ポリウレタンポリマーを適当な形状にされた型内に注ぎ込み、又は注入する。 次に、ポリマーの特定の組成及び硬化特性に応じて、熱を加えたり、或いは加えないでポリマーを硬化させ、ついには製品がその所望の固形ゲル形体を取るようにする。
    環状部材のポリマーはマスクのマスク本体12に高信頼度で直接付着するのに十分な構造的一体性を有していないので、顔面シール18は又、好ましくは、その成形中に環状部材の内端部30内に一体的に成形できる取付け手段36
    を有する。 取付け手段36は望ましくは、内端部30の形状と一致する形状及び周囲方向壁部分28の肉厚よりも小さく、或いはこれに等しい肉厚を有する実質的に剛性の環状リングとして構成される。 しかしながら、取付け手段
    36は最低条件として環状部材のゲル物質よりも弾性度が低い部材から成る。 環状部材27に対する取付け手段36の結合度を高めるため、取付け手段は望ましくは固着又は定着手段38を含む。 定着手段は、開口部又はこれと類似した構造を画定する定着手段の互いに離隔した構成部材を有するのがよく、液状ポリマーはこれら開口部の中に流れ込み、或いはそのこれら構造部材の周りに流れ、最終的には環状部材27の形成中に硬化することができる。

    環状部材27は又、好ましくは、環状部材の成形中に周囲方向壁部分28内に成形される複数の一体ボス42を有し、これらボスは内端部30から外端部32まで延びている。 ボス42は、環状部材の穏やかな構造的支持体となり、かかる環状部材が使用者の顔面に接触しているとき、環状部材の均一な圧縮を促進する。 ボスは好ましくは、周囲方向壁部分の周りに対称に配置され、しかも、
    好ましくは本数及び配設場所が定着手段38と一致する。
    図4に示すように、現時点で好ましい構成は、5つの定着手段38と一致して5つのかかるボス42を含む。

    上述のように、顔面シール18の現時点で好ましい実施形態は、環状部材27を保護カバーで被覆することを意図している。 かかる被覆手段は、図中、符号40で示されている。 被覆手段は、環状部材の耐久性を高めると同時に顔面シールのクリーニングを容易にするのに役立つ。 被覆手段40は幾つかの物理的な条件を満たさなければならない。 その中でも、被覆手段は、(1)引き裂き及び突き刺しに強い(抵抗する)こと、(2)環状部材27の輪郭を変化又は変形させないで環状部材27にぴったりと形状が一致すること、(3)環状部材と化学的に両立できること、(4)使用者の皮膚に対して生物学的適合性があり、しかも非刺激性であること、(5)その存在が、
    結果的に生じる顔面シール18のジュロメータ硬度への影響が無視できるほど十分に薄く且つしなやかであることが必要である。

    この点に関し、被覆手段40は好ましくは、薄くて(厚さ約0.0508mm〜0.254mm)柔軟性のあるプラスチックフイルムから成る。 この特定の目的のためにはウレタンが好ましいことが判明した。 というのは、かかる材料は、
    本発明の対象に見合うだけでなく、比較的安価でありしかも環状部材27の表面への被着が容易であるからである。 被覆手段40を、任意適当な方法によって環状部材に付着させるのがよい。 例えば、液状ウレタンを溶射法又は浸漬法によって塗布し、次に硬化させても良い。 しかしながら、好ましくは、ウレタンを真空成形法によって前もって作って制御可能で且つ均一厚さのスキンを生じさせ、その後、これを従来法で環状部材に真空成形する。

    顔面シール18をいったん完全に組み立てると、顔面シールの内端部30と共に、或いはマスク本体12の環状着座面16に適当な接着剤を塗り、次に内端部30を環状着座面
    16に圧接させることにより顔面シール18を呼吸マスクのマスク本体12に取り付けるのがよく、その後、接着剤は硬化するようになる。

    図5において(同一の符号は、上述した同一又は対応する部分を示す)、符号118で示した本発明の別の好ましい実施形態としての顔面シールが示されている。 顔面シール118は、本質的にはその環状部材27の外面に保護被覆手段が設けられていない点で顔面シール18と異なっている。 材料に関する他の全ての点に関しては、顔面シール118は顔面シール18と実質的に同一に構成され機能する。

    顔面シールの環状部材27の露出面は粘着性がある。 したがって、環状部材の輪郭付け密封面34の固有の粘着性は、かくして使用者顔面への顔面シールの付着を促進することによって使用者の利益に供される。 変形例として、もし粘着性のあることが望ましくなければ、顔面シール118の環状部材27の表面を、粉末状タルク、シリコン又は類似の生物学的適合性のある材料で覆うのがよい。

    現時点における構成例では、ボス42を除く、顔面シール18,118の環状部材27の周囲方向壁部分28の肉厚は、好ましくは約0.2インチ(5.08mm)から0.3インチ(7.62m
    m)までの範囲にわたる。 顔面シール18,118の重さは、
    これらを用いるマスク本体12のサイズに応じて、約1オンス(28.35g)から約2オンス(56.7g)の範囲にあり、かかる重さは臨床試験において、本発明に従って構成されたマスクを着用した患者にとってほとんど気にならないことがわかった。 さらに、環状部材27を形成するゲル物質の脂肪のようなレジリエンス品質は、顔面シールが使用者の顔面に接触しているとき、比較的ひんやりとしていて、しかも自然な着用感を着用者にもたらす。
    さらに、人の脂肪組織と作用上非常によく似て、顔面シール18,118は隙間を効果的に塞ぎ、使用者顔面の形状輪郭に合った形を取り、それによりマスクに供給されるガスの漏れを最小限に抑える。 実験の示すところによれば、本発明による顔面シールを備えた呼吸マスクを用いると、ヘッドストラップの張力が当該技術分野で現在公知の関連のマスクの場合よりも実質的に小さな値である3ポンド(約1.36kg)以下であっても、確かにガスの漏れが最小限に抑えられた。 かくして、本明細書で説明している顔面シールにより、呼吸マスクは、気になるほどの不快感が少なく、或いは全く無い状態で長時間又は長期間にわたって使用者が着用できる。 このことは、長期間にわたって呼吸マスクを着用しなければならない使用者、例えば呼吸療法を受けている患者にとって特に重要である。 かかる使用者は、顔面シール18,118を着用しても快適なので、呼吸療法に対する同意を快く示し、呼吸療法の治療効果がより十分に確認される。

    上述の実施形態の変形例として、本発明の呼吸マスクを、マスク本体の接合される別体の顔面シールとしてではなく、一体部材として構成してもよい。 かかる場合、
    呼吸マスクを、マスク本体に相当するマスクの部分から顔面シールに相当する部分に向かう方向で見て、ジュロメータ硬度が段々と小さく、従って軟らかくなる物質で形成された単体部材として製造するのが良く、したがって、上述のゲル物質から成っていて上述のレジリエンス特性を備えた最も柔らかい材料が、環状部材のシール又は顔面接触部分を構成するようになる。

    本発明を例示の目的で詳細に説明したが、かかる説明は例示のために過ぎず、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく例示構成の設計変更を行うことができるので、本発明の範囲は、請求項に記載の事項によってのみ定められるものとする。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンドケ パトリック エム アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 15146 モンローヴィル ブルーナー ドライヴ 416 (72)発明者 サーボ クリスティーン ケイ アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 15068 ニュー ケンジントン ヴェナ ンゴ コート 136 (72)発明者 スカーベリー ユージーン エヌ アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 15085 トラッフォード テラス コー ト ロード 208 (56)参考文献 特開 平3−7173(JP,A) 実開 昭61−185446(JP,U) 米国特許2917045(US,A) 米国特許2625155(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) A62B 18/02 A62B 18/08 A61M 16/06

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