無菌環境で用いるための外科用器具及びコンポーネント

申请号 JP2012540013 申请日 2010-11-17 公开(公告)号 JP5795321B2 公开(公告)日 2015-10-14
申请人 エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド; Ethicon Endo−Surgery,Inc.; 发明人 ブードロー・チャド・ピー; シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース; スミス・ブレット・ダブリュ; アボット・ダニエル・ジェイ;
摘要
权利要求

外科用器具において、 少なくとも1つの第1の電気接点を含む第1の部分と、 前記第1の部分を封入する膜と、 第2の部分であって、 外科用器具本体、 前記外科用器具本体の中に空洞を画定する壁であって、前記空洞は、前記第1の部分が前記膜によって封入されたままの状態で、前記第1の部分を少なくとも部分的に受容するように構成される、壁、 少なくとも1つの第2の電気接点を含む第1の領域、 前記空洞と連通する開口部を含む第2の領域、及び、 第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材、 を含む、第2の部分と、 を含み、前記閉鎖部材が、前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と密封可能に係合状態にあり、前記閉鎖部材が、前記第2の位置にあるときに、少なくとも一部が前記第2の領域と密封可能に係合状態ではなく、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するとき、前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点の一方が、前記第1の部分と前記第2の部分との間に電気的接続を形成するために前記膜を貫通するように構成され、前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点の内の一方は雄端子であり、他方は雌端子であり、前記雄端子は穿孔先端部を有しており、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するときに前記雄端子が前記雌端子内に挿入され、 前記第1の部分が非無菌部分を含み、前記第2の部分が無菌部分を含み、 前記雄端子が前記雌端子内に挿入されて、前記膜が貫通された際に、前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点は互いに係合され、前記第1の部分の一部と前記第2の部分の一部との間に圧縮密封が形成されて、前記膜が前記第1の部分と前記第2の部分との間に挟み込まれ、前記膜の内部の汚染物質、細菌、又は、生物が、前記膜の外側に移動することが阻止される、外科用器具。前記閉鎖部材が、前記第2の部分に旋回可能に取り付けられ、前記閉鎖部材が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で旋回可能である、請求項1に記載の外科用器具。前記閉鎖部材が、 外周と、 前記外周を囲む及び前記外周に近接するうちの一方で位置付けられるシールと、を含み、前記シールが、前記閉鎖部材が前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と係合され、かつ、前記第1の部分による前記第2の部分の外側表面の微生物汚染を少なくとも阻止するために、前記空洞と前記第2の部分の前記外側表面との間に微生物不透過性バリアを形成するように構成される、請求項1に記載の外科用器具。前記第2の部分が、前記開口部を囲む及び前記開口部に近接するうちの一方で位置付けられるシールを含む、請求項1に記載の外科用器具。前記閉鎖部材が、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動されるときに、前記第1の部分を前記空洞に押し込むように構成されたカム表面を含む、請求項1に記載の外科用器具。前記第1の部分が電源を含む、請求項1に記載の外科用器具。前記第1の部分が、前記第2の部分を操作するように構成された電子的構成要素を含む、請求項1に記載の外科用器具。前記第2の部分が、 近位端と遠位端とを有するシャフトと、 前記近位端から延びる前記外科用器具本体と、 前記遠位端から延びるエンドエフェクタと、 を含む、請求項1に記載の外科用器具。前記膜は、前記膜を所定の経路に沿って裂ける又は分離するように構成する、弱化部分、穿孔部分、又は、刻んだ線を含む、請求項1に記載の外科用器具。外科用器具システムにおいて、 少なくとも1つの第1の電気端子を含む第1の部分と、 密封パッケージであって、前記第1の部分が、微生物不透過性バリア層を含む前記密封パッケージの中に位置付けられる、密封パッケージと、 第2の部分であって、 外科用器具本体、 前記外科用器具本体の中に画定される受けスロットであって、前記受けスロットが、前記第1の部分が前記密封パッケージの中に位置付けられた状態で、前記第1の部分の少なくとも一部を受容するように構成された、受けスロット、 少なくとも1つの第2の電気端子を含む第1の領域、 前記受けスロットの中への通路を画定する第2の領域、及び 第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材、 を含む、第2の部分と、 を含み、前記閉鎖部材が、前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と密封可能に接触状態にあり、前記閉鎖部材が、前記第2の位置にあるときに、少なくとも一部が前記第2の領域と密封可能に接触状態でなく、前記閉鎖部材が、カム表面を含み、前記カム表面が、前記第1の部分を前記受けスロットの中に押し込むように構成され、かつ、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するときに、前記第1の電気端子及び前記第2の電気端子の一方を前記密封パッケージに突き刺して、前記第1の部分と前記第2の部分との間に電気的接続を形成するように構成され、前記第1の電気端子及び前記第2の電気端子の内の一方は雄端子であり、他方は雌端子であり、前記雄端子は穿孔先端部を有しており、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するときに前記雄端子が前記雌端子内に挿入され、 前記第1の部分が非無菌部分を含み、前記第2の部分が無菌部分を含み、 前記雄端子が前記雌端子内に挿入されて、前記密封パッケージが突き刺された際に、前記第1の電気端子及び前記第2の電気端子は互いに係合され、前記第1の部分の一部と前記第2の部分の一部との間に圧縮密封が形成されて、前記密封パッケージが前記第1の部分と前記第2の部分との間に挟み込まれ、前記密封パッケージの内部の微生物が、前記密封パッケージの外側に移動することが阻止される、外科用器具システム。前記密封パッケージは、前記密封パッケージを所定の経路に沿って裂ける又は分離するように構成する、弱化部分、穿孔部分、又は、刻んだ線を含む、請求項10に記載の外科用器具。

说明书全文

(関連出願の相互参照) 本開示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年2月5日出願の同時係属中の米国特許出願第12/366,548号、発明の名称「STERILIZABLE SURGICAL INSTRUMENT」からの米国特許法第120条に基づく優先権を主張する一部継続出願である。

(発明の分野) 本開示は、広くは、無菌環境で使用するのに適した外科用器具に関し、より詳細には、第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分が、一実施形態において、第2の部分と係合されて無菌環境で使用されることができるように膜によって封入される、外科用器具に関する。本開示はまた、無菌環境で使用するのに適した電子的構成要素に関する。

外科用器具が製造された後、及び/又は外科用器具が外科手術中に使用された後、外科用器具は、そこにある伝染性物質を殺菌又は排除するために物理的滅菌及び/又は化学的滅菌に供され得る。物理殺菌としては、多くの場合において好適であり得るガンマ線滅菌が挙げられる。しかしながら、ある状況では、ガンマ線は、外科用器具の、例えば、電子的構成要素及び/又は電源に損傷を与える可能性がある。結果として、このような外科用器具を滅菌するために利用可能な選択肢は、加熱若しくは蒸気滅菌並びに/又は、例えば、エチレンオキシド、オゾン及び/若しくは過酸化素水などの化学的滅菌に限定され得る。このような選択肢は、多くの場合において好適であるが、これらは例えばガンマ線滅菌と比べてより高価であり及び/又はより時間がかかるものであり得る。他の例では、外科手術中に手術室内で電子的構成要素及び/又は電源を露わに暴露することができるレベルまで、電子的構成要素及び/又は電源に滅菌を施さなくてもよい。必要とされているのは、上記に対する改善である。

上述の議論は、本開示の分野にその当時に存在した欠点のいくつかを説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。

本開示の1つの一般的な態様において、外科用器具は、例えば、少なくとも1つの第1の電気接点を含む、電源などの第1の部分と、第1の部分を封入する膜と、第2の部分とを含み得る。第2の部分は、外科用器具本体と、外科用器具本体の中に空洞を画定する壁とを含み得る。空洞は、第1の部分が膜によって封入された状態で、第1の部分を少なくとも部分的に受容するように構成され得る。第2の部分は、少なくとも1つの第2の電気接点を含む第1の領域と、空洞と連通する開口部を含む第2の領域と、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材とを更に含み得る。閉鎖部材は、第1の位置にあるときに第2の領域と密封可能に係合状態であり得、第2の位置にあるときに、少なくとも一部が第2の領域と係合状態でないことができる。第1の電気接点及び/又は第2の電気接点は、閉鎖部材が第2の位置から第1の位置へと移動するときに第1の部分と第2の部分との間に接続を形成することができるように、膜を貫通するように構成され得る。

本開示の別の一般的な態様において、外科用器具システムは、少なくとも1つの第1の電気端子と密封パッケージとを含む第1の部分を含み得る。第1の部分は密封パッケージの中に位置付けられることができ、密封パッケージは、生物不透過性バリア層を含むことができる。外科用器具システムは、外科用器具本体と、外科用器具本体の中に画定される受けスロットとを含む、第2の部分を更に含み得る。受けスロットは、第1の部分が密封パッケージの中に位置付けられた状態で、第1の部分の少なくとも一部を受容するように構成され得る。第2の部分は、少なくとも1つの第2の電気端子と、受けスロットの中への通路を画定する第2の領域と、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材とを更に含み得る。閉鎖部材は、第1の位置にあるときに第2の領域と密封可能に接触状態であることができ、第2の位置にあるときに、少なくとも一部が第2の領域と密封可能に接触状態ないことができる。閉鎖部材は、カム表面を含み、該カム表面が、第1の部分を受けスロットの中に押し込むように構成され、かつ、少なくとも閉鎖部材が第2の位置から第1の位置へと移動するときに、第1の電気端子及び第2の電気端子の一方を密封パッケージに突き刺して、第1の部分と第2の部分との間に電気的接続を形成するように構成される。

本開示の更に別の一般的な態様において、電子的構成要素アセンブリは、外科用器具と電気的導通状態で設置されるように構成され得る。電子的構成要素アセンブリは、電子的構成要素アセンブリが外科用器具と電気的導通状態で設置されると、外科用器具を駆動する及び/又は制御するように構成される電子的構成要素を含み得る。ハウジングは、電子的構成要素を取り囲むことができる。ハウジングは、微生物汚染を少なくとも阻止するように構成された材料を含む外側表面と、ハウジングの中に画定される少なくとも1つの通気口と、少なくとも1つの通気口の上に位置付けられ、かつハウジングから微生物が出て行くのを少なくとも阻止するように構成されたガス透過可能な微生物不透過性バリアと、を含み得る。

本開示の更に別の一般的な態様において、外科用器具モジュールは、外科用器具モジュールが外科用器具と電気的導通状態で位置決めされると、外科用器具を駆動する及び制御するうちの少なくとも一方であるように構成される電子的構成要素を含み得る。ハウジングは、電子的構成要素を封入することができる。ハウジングは、第1の抗菌材料を含む外側表面と、ハウジングの中に形成された少なくとも1つの通気口と、少なくとも1つの通気口の上に位置付けられるガス透過可能な微生物不透過性バリアとを含み得る。ガス透過可能な微生物不透過性バリアは、電子的構成要素上の微生物がハウジングを出て行くのを防止すると同時に、ガスがハウジングに流れ込む及びハウジングから流れ出るのを可能にするように構成され得る。外科用器具モジュールは、ハウジングに取り付けられ、電子的構成要素から離れるように延びるフィンを更に含み得る。フィンは、電子的構成要素によって生成された熱を消散するように構成されることができ、第2の抗菌材料を含むことができる。

この発明の概要は、本開示の特定の実施形態を簡単に概説することを目的としたものである。本開示は、この「課題を解決するための手段」に開示される実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することが意図されていることを理解すべきである。この「課題を解決するための手段」は、請求項の範囲を狭めるように作用するような方法で読まれるか、又は解釈されるべきではないことが理解されるべきである。

添付の図面と関連してなされる本開示の実施形態の以下の説明を参照すれば、本開示の上記の及び他の特徴と利点、並びにそれらを達成する方法がより明らかとなり、また本開示自体がより理解されよう。

外科用切断及び締結器具の斜視図。

外科用切断及び締結器具の斜視図。

図1の器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。

図1の器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。

図1の器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。

図3のエンドエフェクタの側面図。

図1の器具のハンドルの分解図。

図1のハンドルの部分斜視図。

図1のハンドルの部分斜視図。

図1のハンドルの側面図。

図1のハンドルと共に使用され得る比例センサー。

図1のハンドルと共に使用され得る比例センサー。

図1の器具において使用される回路の概略図。

他の実施形態による外科用器具ハンドルの側面図。

他の実施形態による外科用器具ハンドルの側面図。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具ハンドルのクロージャトリガーを固定するための異なる機構の例示。

外科用器具の関節点に利用され得る自在継ぎ手(「u継ぎ手」)。

外科用器具の関節点に利用され得る自在継ぎ手(「u継ぎ手」)。

外科用器具の関節点に利用され得るトーションケーブル。

外科用器具の関節点に利用され得るトーションケーブル。

補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

別の実施形態に基づく動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

別の実施形態に基づく動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

別の実施形態に基づく動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

別の実施形態に基づく動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

別の実施形態に基づく動力補助を有する外科用切断及び締結器具。

本発明の実施形態による触覚的フィードバックを有する外科用切断及び締結器具。

本発明の実施形態による触覚的フィードバックを有する外科用切断及び締結器具。

本発明の実施形態による触覚的フィードバックを有する外科用切断及び締結器具。

本発明の実施形態による触覚的フィードバックを有する外科用切断及び締結器具。

外科用器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。

機械的に作動した外科用器具のハンドルの側面図。

図42の機械的に作動する器具のハンドルの分解図。

外科用器具の様々な状態を記録するための記録システムのブロック図。

図42の器具のハンドルの切欠側面図。

図42の器具のハンドルの切欠側面図。

様々なセンサーを示す図42の器具のエンドエフェクタ。

センサーを含む図42の器具の発射バーの例示。

センサーを示す、図42の器具のハンドル、エンドエフェクタ及び発射バーの側面図。

本発明の様々な実施形態による様々なセンサーを示す、器具のステープルカートリッジのステープルチャネル及び部分の分解図。

様々なセンサーを示す図42の器具のステープルチャネルのトップダウンビュー。

様々な実施形態による外科用器具を操作するための方法を示すフローチャート。

様々な実施形態による外科用器具を操作するための方法を示すフローチャート。

様々な実施形態による外科用器具の代表的な記録された状態を示すメモリチャート。

様々な実施形態による外科医用器具。

図54の外科用器具の概略図。

図54の外科用器具の一部の様々な実施形態の例示。

図54の外科用器具の一部の様々な実施形態の例示。

図54の外科用器具の一部の様々な実施形態の例示。

本発明の様々な実施形態による外科用器具の透視図。

密閉容器内に位置付けられる外科用器具の図。

本発明の様々な実施形態による、第1の部分と第2の部分とを含む、外科用器具の斜視図。

本発明の様々な実施形態による、第1の部分が、第2の部分の中に画定された空洞の中に少なくとも部分的に位置付けられている、図61の外科用器具の斜視図。

第1の部分に係合し、第2の部分の中に画定された空洞に第1の部分を押し込むように位置付けられている、図62の外科用器具の閉鎖部材の図。

本発明の様々な実施形態による電源の斜視図。

本発明の様々な実施形態による別の電源の斜視図。

本発明の様々な実施形態による、図65の線66−66に沿った図65の電源の断面図。

対応する参照文字は、幾つかの図を通じて対応部分を示す。本明細書において説明される例示は、本開示の好ましい実施形態を1つの形態で例示し、このような例示は、いかなる方法によっても本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきものではない。

本明細書に開示される装置及び方法の、構造、機能、製造並びに使用の原理について、総合的な理解を提供するために、特定の代表的な実施形態を以後記載する。これらの実施形態の1つ以上の例を添付の図面に示す。本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示す装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本開示の種々の実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることは、当業者には理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して示されるか述べられる特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。そのような修正及び変形は、本開示の範囲に含まれることが意図される。

図1及び図2は、様々な実施形態による外科用切断及び締結器具10を表わす。この図示された実施形態は、内視鏡手術用器具10であり、本明細書に記載される器具10の実施形態は一般的に内視鏡手術用の切断及び固定器具である。しかしながら、他の実施形態により、この器具10は、非内視鏡外科用切断器具、例えば、腹腔鏡用器具であってもよいことに留意すべきである。

図1及び2に示される外科的器具10は、ハンドル6、シャフト8、及び関節運動枢動点14においてシャフト8に枢動可能に接続された関節式エンドエフェクタ12を有している。関節運動制御部16がハンドル6に隣接して設けられることにより、エンドエフェクタ12を、関節運動枢動点14を中心として回転させることができる。様々な実施形態は、非枢動エンドエフェクタを含んでもよく、したがって関節運動枢動点14又は関節運動制御部16を有さない場合があることが理解される。また、図示された実施形態では、エンドエフェクタ12は組織のクランピング、切断、及びステープリングのためのエンドカッターとして機能するように構成されているが、他の実施形態では捕捉器具、カッター、ステープラー、クリップ・アプライヤー、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用器具、超音波、無線周波、又はレーザー装置などの、他の種類の外科用装置のエンドエフェクタなどの、異なる種類のエンドエフェクタが使用され得る。

器具10のハンドル6は、エンドエフェクタ12を作動させるためのクロージャトリガー18及び発射トリガー20を有し得る。異なる外科的タスクを行うためのエンドエフェクタを有する器具は、異なる数又は方式のトリガー、又はエンドエフェクタ12を操作するための他の適当な制御要素を有し得る点は認識されるであろう。エンドエフェクタ12は好ましくは長尺状のシャフト8によってハンドル6から分離されている様子が示されている。一実施形態では、臨床医又は器具10の操作者は、本明細書においてその全開示が参照として組み込まれる2006年1月10日出願の同時係属中の米国特許出願第11/329,020号、表題「Surgical Instrument Having An Articulating End Effector」により詳細に記載されるように、関節運動制御部16を利用することによってシャフト8に対してエンドエフェクタ12を関節運動させることができる。

この例では、エンドエフェクタ12は、エンドエフェクタ12にクランプされた組織を効果的にステープリングにより締結及び切断することができるような所定の間隔に維持されたステープルチャネル22及びアンビル24のような枢動可能に並進するクランプ部材を特に有している。ハンドル6は、アンビル24がエンドエフェクタ12のステープルチャネル22に対してクランピング又は閉鎖を引き起こし、それによってアンビル24とチャネル22との間に位置付けられた組織をクランプするため、臨床医がそれに向かってクロージャトリガー18を枢動可能に引き付けるピストル・グリップ26を含む。発射トリガー20はクロージャトリガー18の外側に設けられている。下記に更に述べるように、クロージャトリガー18が閉鎖位置に固定されると、発射トリガー20はピストル・グリップ26の方向にわずかに回転して操作者が片手で操作できるようになる。次いでオペレーターは、エンドエフェクタ12によりクランプされた組織のステープリング及び切断を引き起こすために、発射トリガー20をピストル・グリップ26に向けて枢動可能に引くことができる。他の実施形態では、例えば対向する顎部のようなアンビル24以外の異なるタイプのクランプ部材を使用することもできる。

「近位」及び「遠位」という用語は、本願では臨床医が器具10のハンドル6を握ることについて用いられる点は認識されるであろう。したがって、エンドエフェクタ12は、より近位のハンドル6に対して遠位となる。便宜上、また説明を明確にするため、本願では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、手術器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。

クロージャトリガー18を最初に作動することができる。臨床医は、エンドエフェクタ12の配置に満足した時点で、クロージャトリガー18をピストル・グリップ26に近接した完全に閉じた固定された位置へと引き戻すことができる。次いで発射トリガー20を作動させることができる。下記により詳細に述べるように発射トリガー20は、臨床医が圧力を除くと開放位置(図1及び2に示される)に戻る。ハンドル6の開放ボタンは押圧された場合に固定されたクロージャトリガー18を開放し得る。解放ボタンは例えば、図42〜43に示される解放ボタン30、図14に示されるスライド式解放ボタン160及び/又は図16に示されるボタン172のような様々な形態で実施することができる。

図3〜6は、様々な実施形態により、回転駆動エンドエフェクタ12及びシャフト8の実施形態を示す。図3は、異なる実施形態に基づいたエンドエフェクタ12の分解図である。図に示された実施形態に示されるように、エンドエフェクタ12は、上記に述べたチャネル22及びアンビル24以外に、切断器具32、スレッド33、チャネル22内に着脱可能に配置されたステープルカートリッジ34、並びに螺旋状ネジシャフト36を有し得る。切断器具32は、例えばナイフであってよい。アンビル24は、チャネル22の近位端に接続された枢動ピン25において枢動可能に開閉することができる。アンビル24は、アンビル24を開閉するために機械的クロージャシステム(下記に詳述する)の特定の要素に挿入されるタブ27を近位端に更に有してもよい。クロージャトリガー18が作動される、即ち器具10のユーザーによって引かれると、アンビル24がクランプした、又は閉じた位置へと枢動ピン25を中心として枢動し得る。エンドエフェクタ12のクランプが充分である場合、操作者が発射トリガー20を作動させると、下記により詳細に説明するようにナイフ32及びスレッド33がチャネル22に沿って長手方向に移動してエンドエフェクタ12内に挟まれた組織を切断する。スレッド33がチャネル22に沿って動くことにより、ステープルカートリッジ34のステープル(図示されない)が切断された組織を通じて閉じたアンビル24に対して打ちこまれ、アンビル24がステープルを折り曲げて切断組織を締結する。異なる実施形態において、スレッド33はカートリッジ34と一体の要素であってもよい。米国特許第6,978,921号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E−BEAM FIRING MECHANISM」(その全開示が本明細書において参照として組み込まれる)がこのような2ストローク切断及び締結器具の更なる詳細を提供する。スレッド33をカートリッジ34の一部とすることにより、ナイフ32が切断操作後に後退した後にもスレッド33は後退しないようにしてもよい。

本願で述べる器具10の実施形態では、切断された組織をステープルにより締結するエンドエフェクタ12を採用しているが、他の実施形態では切断された組織を締結又は封止するための異なる方法を用いることもできる点には注意を要する。例えば、高周波エネルギー又は接着剤を用いて切断された組織を締結するエンドエフェクタを使用することもできる。米国特許第5,709,680号、表題「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」及び同第5,688,270号、表題「ELECTOSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE WITH RECESSED AND/OR OFFSET ELECTRODES」(これらの全開示が本明細書において参照として組み込まれる)は、切断した組織を封止するために無線周波エネルギーを使用する内視鏡切断器具を開示する。米国特許出願第11/267,811号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS STRUCTURED FOR DELIVERY OF MEDICAL AGENTS」及び同第11/267,383号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS STRUCTURED FOR PUMP−ASSISTED DELIVERY OF MEDICAL AGENTS」(これらの全開示がまた本明細書において参照として組み込まれる)は、切断した組織を締結するために接着剤を使用する切断器具を開示する。したがって、本願の説明文は下記に述べるような切断/ステープリング操作などに関するものであるが、これは例示的な実施形態であって限定を目的としたものではない点は認識されるはずである。他の組織締結技術もまた使用され得る。

図4及び5は、異なる実施形態に基づくエンドエフェクタ12及びシャフト8の分解図であり、図6は、同側面図である。例示される実施形態に示されるように、シャフト8は、枢動連結部44によって枢動可能に連結された近位クロージャチューブ40及び遠位クロージャチューブ42を含み得る。遠位クロージャチューブ42は開口部45を有し、下記に詳述するように開口部45内にアンビル24のタブ27が挿入されることでアンビル24が開閉される。クロージャチューブ40、42の内部には近位スパインチューブ46が配置され得る。近位スパインチューブ46の内部には、ベベルギア・アセンブリ52を介して第2(又は近位)駆動シャフト50と通信する主回転(又は近位)駆動シャフト48が配置され得る。第2駆動シャフト50は、螺旋状ネジシャフト36の近位駆動ギア56と噛み合う駆動ギア54に接続されている。垂直ベベルギア52bは近位スパインチューブ46の遠位端の開口部57内に位置し、開口部57内で枢動し得る。遠位スパインチューブ58は、第2駆動シャフト50及び駆動ギア54、56を収容するために用いられる。総称的に、主要駆動シャフト48、第2駆動シャフト50、及び関節運動アセンブリ(例えば、ベベルギア・アセンブリ52a〜c)は、本明細書において「主要駆動シャフトアセンブリ」と称されることがある。

ステープルチャネル22の遠位端に位置付けられるベアリング38が螺旋状駆動ネジ36を受容することにより、螺旋状駆動ネジ36はチャネル22に対して自由に回転することが可能である。螺旋状ネジシャフト36が、ナイフ32の螺刻開口部(図に示されていない)と干渉することにより、シャフト36の回転によってナイフ32がステープルチャネル22内で遠位方向又は近位方向に(回転方向に応じて)並進運動する。したがって、発射トリガー20の作動によって主要駆動シャフト48が(下記により詳しく説明するように)回転させられると、ベベルギア・アセンブリ52a〜cが第2駆動シャフト50を回転させ、これにより、駆動ギア54、56の係合により螺旋状ねじシャフト36が回転し、これによりナイフ駆動部材32がチャネル22に沿って長手方向に移動してエンドエフェクタ12内でクランプされたいずれかの組織を切断する。スレッド33は例えばプラスチックで形成すればよく、傾斜した遠位面を有し得る。スレッド33がチャネル22を移動するにしたがって、傾斜した前面がステープルカートリッジ内のステープルを、クランプされた組織を貫通してアンビル24に対して押し上げる、即ち駆動することができる。アンビル24がステープルを折り曲げることによって、切断された組織をステープリングする。ナイフ32が後退すると、ナイフ32とスレッド33とが分離し、これによりスレッド33はチャネル22の遠位端に残される。

ある状況では、切断/ステープリング操作におけるユーザーフィードバックの欠如のために、単にボタンを押して切断/ステープリング操作が作動されるモーター駆動エンドカッターは医師による一般的な許容性を欠く。対照的に、本明細書において開示されるいくつかの実施形態は、エンドエフェクタ12内の切断器具32の展開、推進及び/又は位置付けのユーザーフィードバックを有するモーター駆動エンドカッターを提供する。

図7〜10は、モーター駆動のエンドカッター、特にそのハンドルの代表的な実施形態を例示し、これはエンドエフェクタ12における切断器具32の展開及び荷重力に関するユーザーフィードバックを提供する。更に、本実施形態は、装置に電力供給するために発射トリガー20を後退させるうえでユーザーによって与えられる力を利用することができる(いわゆる「パワーアシスト」モード)。この実施形態は、上記の回転駆動エンドエフェクタ12及びシャフト8の実施形態と共に使用され得る。図の実施形態に示されるように、ハンドル6は互いに嵌合してハンドル6の外面を形成する外部下方側面部材59、60及び外部上方側面部材61、62を有する。リチウムイオン電池などの電池64をハンドル6のピストル・グリップ部分26に配することができる。電池64はハンドル6のピストル・グリップ部分26の上方部分に配置されたモーター65に電力を供給する。様々な実施形態によると、モーター65は、およそ5000RPMの最大回転数を有するDCブラシ付き駆動モーターであってもよい。モーター65は、第1のベベルギア68と第2のベベルギア70とを備える90°ベベルギア・アセンブリ66を駆動することができる。ベベルギア・アセンブリ66は、遊星ギア・アセンブリ72を駆動し得る。遊星ギア・アセンブリ72は駆動シャフト76に接続されたピニオンギア74を含み得る。ピニオンギア74は、駆動シャフト82を介して螺旋状ギアドラム80を駆動する、係合するリングギア78を駆動し得る。リング84を螺旋状ギアドラム80上に螺着することができる。したがって、モーター65が回転すると、リング84が、挿置されたベベルギア・アセンブリ66、遊星ギア・アセンブリ72、及びリングギア78によって、螺旋状ギアドラム80に沿って移動される。

ハンドル6は、操作者によってハンドル6のピストル・グリップ部分26の方向に発射トリガー20が引かれた(又は「閉じられた」)時を検知することによってエンドエフェクタ12による切断/ステープリング操作を作動する、発射トリガー20と連絡した走行モーターセンサー110(図10参照)を更に含んでもよい。センサー110は、例えば、可変抵抗器(rheostat)若しくは可変抵抗器(variable resistor)などの、比例センサーであってよい。発射トリガー20が引き込まれると、センサー110がこの運動を検出し、モーター65に供給される電圧(又は出力)を示す電気信号を送る。センサー110が可変抵抗器又はそれに類するものである場合には、モーター65の回転を発射トリガー20の運動量に概ね比例したものとすることができる。即ち、操作者がわずかに発射トリガー20を引く、即ち閉じるだけでは、モーター65の回転は比較的低くなる。発射トリガー20が完全に引き込まれる(即ち完全に閉鎖した位置となる)とモーター65の回転は最大となる。別の言い方をすれば、ユーザーが発射トリガー20を強く引くほどモーター65にかかる電圧が大きくなり、回転速度が速くなる。

ハンドル6は発射トリガー20の上方部分に隣接して中間ハンドル部材104を有し得る。ハンドル6は更に、中間ハンドル部材104及び発射トリガー20の支柱間に接続された付勢バネ112を更に有し得る。付勢バネ112は発射トリガー20を完全に開いた位置に付勢する。これにより、操作者が発射トリガー20を解放すると付勢バネ112が発射トリガー20を開いた位置へと引張り、これによりセンサー110の作動が解除され、モーター65の回転が停止する。更に、付勢バネ112により、ユーザーは発射トリガー20を閉じるたびに閉鎖操作に対する抵抗を感じるため、モーター65による回転量に関するフィードバックがユーザーに与えられる。更に、操作者は発射トリガー20の後退を停止することによりセンサー100から力を取り除き、モーター65を停止させることができる。このようにして、ユーザーはエンドエフェクタ12の展開を停止することが可能であり、これにより切断/締結操作の制御手段が操作者に与えられる。

螺旋状ギアドラム80の遠位端は、ピニオンギア124と係合するリングギア122を駆動する遠位駆動シャフト120を含む。ピニオンギア124は、主要駆動シャフトアセンブリの主要駆動シャフト48に接続されている。これにより、上記に述べたようにモーター65の回転が主要駆動シャフトアセンブリを回転させることでエンドエフェクタ12が作動する。

螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84は、スロット付きアーム90のスロット88内に位置する支柱86を有し得る。スロット付きアーム90は、ハンドルの外部側面部材59、60の間に接続される枢動ピン96を受容する開口部92を反対側の端部94に有する。枢動ピン96は、発射トリガー20の開口部100及び中間ハンドル部材104の開口部102にも通される。

加えて、ハンドル6は、逆転モーターセンサー(若しくはストローク終了センサー)130及び停止モーター(若しくはストローク開始)センサー142を含むことができる。異なる実施形態では、逆動モーターセンサー130は、螺旋状ギアドラム80の遠位端に位置するリミットスイッチであってよく、これにより、リング84が螺旋状ギアドラム80の遠位端に達すると、螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84は逆動モーターセンサー130と接触してこれを始動する。逆動モーターセンサー130は作動されるとモーター65に回転方向を逆転させるような信号を送り、これによりエンドエフェクタ12のナイフ32が切断の操作後に引かれる。

停止モーターセンサー142は、例えば通常は閉じているリミットスイッチとすることができる。様々な実施形態では、これは、リング84が螺旋状ギアドラム80の近位端に到達すると、リング84がスイッチ142を始動させるように、螺旋状ギアドラム80の近位端に位置することができる。

操作時には、器具10の操作者が発射トリガー20を引き戻すと、センサー110が発射トリガー20の展開を検知してモーター65に信号を送ることにより、例えば操作者が発射トリガー20を引き戻す強さに比例した速度でモーター65を順方向に回転させる。モーター65の正転により、次に、遊星ギア・アセンブリ72の遠位端におけるリングギア78が回転し、それによって、螺旋状ギアドラム80が回転し、螺旋状ギアドラム80にねじ止めされたリング84が螺旋状ギアドラム80に沿って遠位方向に移動する。螺旋状ギアドラム80の回転により、上記に述べたように主要駆動シャフトアセンブリも駆動され、これによりエンドエフェクタ12のナイフ32が展開される。即ち、ナイフ32及びスレッド33が長手方向にチャネル22を通じて移動することによりエンドエフェクタ12に挟まれた組織を切断する。更に、ステープリング型のエンドエフェクタ12が用いられている実施形態では、エンドエフェクタ12のステープリング操作が引き起こされる。

エンドエフェクタ12の切断/ステープリング締結の操作が完了するまでには、螺旋状ギアドラム80上のリング84は螺旋状ギアドラム80の遠位端に達し、これにより逆動モーターセンサー130が始動してモーター65に信号を送ることによりモーター65の回転を逆転させる。これによりナイフ32が後退すると共に、螺旋状ギアドラム80上のリング84が螺旋状ギアドラム80の近位端へと戻る。

中間ハンドル部材104は、図8及び9に最も分かりやすく示されるようにスロット付きアーム90と係合する後方肩部106を有している。中間ハンドル部材104は、更に発射トリガー20と係合する前方運動係止部107を有している。スロット付きアーム90の運動は上記に説明したようにモーター65の回転によって制御される。リング84が螺旋状ギアドラム80の近位端から遠位端まで移動するにつれて、スロット付きアーム90が反時計方向に回転すると、中央ハンドル部品104は、自由に反時計方向に回転することができるこれにより、ユーザーが発射トリガー20を引くと発射トリガー20は中間ハンドル部材104の前方運動係止部107と係合して中間ハンドル部材104を反時計方向に回転させる。しかしながら、後方肩部106がスロット付きアーム90と係合するために、中間ハンドル部材104はスロット付きアーム90によって許容される範囲内で反時計方向に回転できるだけである。これにより、何らかの理由によってモーター65の回転が停止した場合、スロット付きアーム90は回転を停止し、スロット付きアーム90のために中間ハンドル部材104が反時計方向に自由に回転できなくなるためにユーザーは発射トリガー20を更に引くことができなくなる。

図10A及び図10Bは、走行モーターセンサー110として使用され得る可変センサーの2つの状態を示したものである。センサー110は、フェース部分280、第1電極(A)282、第2電極(B)284、及び例えば、電場応答性高分子(EAP)などの、電極282、284の間の圧縮可能誘電材料286を含み得る。センサー110は、発射トリガー20が後退させられた際にフェース部分280がこれと接触するように位置付けられる。したがって、発射トリガー20が後退させられると、図10Bに示されるように誘電体材料286が圧縮されることにより電極282、284が互いに接近する。電極282、284間の距離bは電極282、284間のインピーダンスに直接関係している。即ち、この距離が大きいほどインピーダンスは高くなり、距離が近いほどインピーダンスは低くなる。これにより、発射トリガー20の後退(図42で力Fとして示される)によって誘電体286が圧縮される量は電極282、284間のインピーダンスに比例するため、これを用いてモーター65を比例制御することができる。

クロージャトリガー18を後退させることによってエンドエフェクタ12のアンビル24を閉鎖する(又は締める)ための例示的クロージャシステムの要素が更に図7〜10に示されている。図の実施形態では、クロージャシステムは、クロージャトリガー18及びヨーク250の両方の、位置合わせされた開口部に挿入される枢動ピン251によってクロージャトリガー18に接続されたヨーク250を含む。枢動ピン252は、これを中心としてクロージャトリガー18が枢動するものであり、クロージャトリガー18にピン251が挿入された位置とはオフセットしてクロージャトリガー18に設けられた別の開口部に挿入されている。したがって、クロージャトリガー18を後退させることにより、ピン251によってヨーク250が取り付けられるクロージャトリガー18の上方部分が反時計方向に回転する。ヨーク250の遠位端は、ピン254を介して第1クロージャブラケット256に接続されている。第1クロージャブラケット256は第2クロージャブラケット258に接続される。クロージャブラケット256、258は、クロージャブラケット256、258の長手方向の運動が近位クロージャチューブ40(図4を参照)による長手方向の運動を生じるように近位クロージャチューブ40の近位端が内部に配置、保持される開口部を共に形成する。器具10は更に、近位クロージャチューブ40の内部に配置されるクロージャロッド260を有する。クロージャロッド260は、図の実施形態の外部下方側面部材59のようなハンドル外部部材の1つの支柱263が内部に配置されることにより、クロージャロッド260をハンドル6に固定的に接続する窓261を有し得る。これにより、近位クロージャチューブ40はクロージャロッド260に対して長手方向に動くことが可能となっている。クロージャロッド260は、近位スパインチューブ46内の空洞269に嵌合してキャップ271により空洞269内に保持される遠位カラー267を更に有し得る(図4を参照)。

操作時には、クロージャトリガー18が後退させられることによりヨーク250が回転すると、クロージャブラケット256、258によって近位側クロージャチューブ40が遠位方向(即ち器具10のハンドル端部から離れる方向)に動き、これにより遠位クロージャチューブ42が遠位方向に動くと、アンビル24が枢動ピン25を中心として締め付け位置、即ち閉鎖位置へと回転する。クロージャトリガー18が固定位置から解放されると、近位クロージャチューブ40が近位方向にスライドし、これにより遠位クロージャチューブ42が近位方向にスライドし、遠位クロージャチューブ42の窓45にタブ27が挿入されていることによってアンビル24が枢動ピン25を中心として開いた位置、即ち非締め付け位置へと回転する。これにより、操作者はクロージャトリガー18を後退かつ固定することによって、アンビル24とチャネル22との間に組織をクランプし、切断/ステープリング操作の後には固定位置からクロージャトリガー20を解放することによって組織を解放することができる。

図11は、本発明の様々な実施形態による器具10の電気回路の概略図である。操作者がクロージャトリガー18を固定した後に最初に発射トリガー20を引くと、センサー110が作動してセンサー110に電流が流れる。常時開路式の逆転モーターセンサースイッチ130が開いている(つまりエンドエフェクタのストロークの終わりに達していない)場合、電流は、単極双投リレー132に流れる。逆転モーターセンサースイッチ130が閉じていないので、リレー132の誘導子134は電圧が印加されず、したがって、リレー132は、その電圧が印加されていない状態にある。この回路は更に、カートリッジロックアウトセンサー136を更に有している。エンドエフェクタ12にステープルカートリッジ34が入っている場合、センサー136は閉状態にあり、電流が流れる。逆にエンドエフェクタ12にステープルカートリッジ34が入っていない場合には、センサー136は開状態となり、これにより電池64によるモーター65への電力供給が防止される。

ステープルカートリッジ34が存在する場合にはセンサー136は閉じられ、これにより単極単投リレー138が励磁される。リレー138が励磁されると、電流が可変抵抗器センサー110を通じ、モーター65へと双極双投リレー140を介してリレー136に流れ、これによりモーター65に電力が供給されてモーター65は順方向に回転する。

エンドエフェクタ12がストロークの終端に達すると、逆動モーターセンサー130が作動することによってスイッチ130が閉じてリレー134が励磁される。これによりリレー134は励磁状態(図13には示されていない)となり、電流はカートリッジロックアウトセンサー136及び可変抵抗器110を迂回し、代わりに通常は閉状態にある双極双投リレー142及びモーター65に流れるが、この場合はリレー140を介してモーター65の回転方向を逆転させるように流れる。

停止モーターセンサースイッチ142は通常は閉じているため、電流はリレー134に戻ってスイッチ142が開くまでリレー134を閉鎖状態に保つ。ナイフ32が完全に後退すると、停止モーターセンサースイッチ142が作動してスイッチ142が開き、モーター65への電力供給が遮断される。

他の実施形態では、比例型センサー110の代わりにオン/オフ型センサーを使用することも可能である。こうした実施形態では、モーター65の回転速度は操作者によって加えられる力に比例しない。逆に、モーター65は通常、一定の速度で回転する。しかしながら、発射トリガー20がギア駆動力伝達系に連動しているために力に関するフィードバックは依然、操作者に与えられる。

図12は、別の実施形態に基づく動力補助モーター駆動型エンドカッターのハンドル6を側面図で示したものである。図12の実施形態は、図7〜10の実施形態に似ているが、ただし、図12の実施形態では螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84に接続されたスロット付きアームが存在しない。その代わりに、図12の実施形態では、リング84は、リング84が螺旋状ギアドラム80上で前進(及び後退)する際にリング84と共に動くセンサー部分114を有している。センサー部分114はノッチ116を有している。逆動モーターセンサー130をノッチ116の遠位端に配置し、停止モーターセンサー142をノッチ116の近位端に配置することができる。リング84が螺旋状ギアドラム80に沿って前進する(又は後退する)に従ってセンサー部分114はリング84と共に動く。更に、図12に示されるように、中間部材104はノッチ12内に延びるアーム118を有してもよい。

操作時には、器具10の操作者が発射トリガー20をピストル・グリップ26の方向に後退させると、走行モーターセンサー110がこの動きを検出してモーター65に電力を供給するように信号を送り、これにより特に螺旋状ギアドラム80が回転する。螺旋状ギアドラム80が回転するにしたがって、螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84が前進する(又は回転方向に応じて後退する)。更に、発射トリガー20を引くと、前方運動係止部107が発射トリガー20と係合することによって中間部材104が発射トリガー20と共に反時計方向に回転する。中間部材104の反時計方向の回転によって、アーム118はアーム118がノッチ116内に位置した状態でリング84のセンサー部分114と共に反時計方向に回転する。リング84が螺旋状ギアドラム80の遠位端に達すると、アーム118は逆動モーターセンサー130と接触してこれを始動させる。同様に、リング84が螺旋状ギアドラム80の近位端に達すると、アームは停止モーターセンサー142と接触してこれを始動させる。上記に述べたように、こうした操作によってモーター65をそれぞれ逆転及び停止させることができる。

図13は、別の実施形態に基づく動力補助モーター駆動型エンドカッターのハンドル6を側面図で示したものである。図13の実施形態は図7〜10の実施形態と似ているが、図13の実施形態ではアーム90にスロットが形成されていない点が異なっている。代わりに、螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84は垂直なチャネル126を有している。スロットの代わりに、アーム90はチャネル126内に位置する支柱128を有している。螺旋状ギアドラム80が回転するにしたがって、螺旋状ギアドラム80に螺着されたリング84が前進する(又は回転方向に応じて後退する)。アーム90は、図13に示されるように支柱128がチャネル126内に位置することによって、リング84が前進するにしたがって反時計方向に回転する。

上記に述べたように、2ストロークモーター駆動式器具の使用に際しては操作者はまず、クロージャトリガー18を引き戻して固定する。図14及び15は、クロージャトリガー18をハンドル6のピストル・グリップ部分26に対して固定する方法の一実施形態を示したものである。図の実施形態では、ピストル・グリップ部分26はトーションバネ152によって旋回点151を中心として反時計方向に回転するように付勢されたフック150を含む。更に、クロージャトリガー18はクロージャバー154を有している。操作者がクロージャトリガー18を引くと、クロージャバー154がフック150の傾斜部分156と係合することにより、クロージャバー154が傾斜部分156を完全に超えてフック150の陥没ノッチ158内に入り込んでクロージャトリガー18が定位置に固定されるまでフック150が上方(又は図14〜15の時計方向)に回転する。操作者はピストル・グリップ部分26の後ろ側又は反対側のスライド解放ボタン160を押し下げることによってクロージャトリガー18を解放することができる。スライド解放ボタン160を押し下げることにより、フック150が時計方向に回転してクロージャバー154が陥没ノッチ158から解放される。

図16は、異なる実施形態に基づいた別のクロージャトリガー固定機構を示したものである。図16の実施形態では、クロージャトリガー18は矢じり状部分161を有するウェッジ160を有している。矢じり状部分161は板バネ162によって下方(又は時計方向)に付勢されている。ウェッジ160及び板バネ162は例えば成形プラスチックで形成することができる。クロージャトリガー18が後退されると矢じり状部分161がハンドル6のピストル・グリップ部分26の開口部164に挿入される。矢じり状部分161の下方面取り面166が開口部164の下方側壁168と係合して矢じり状部分161を反時計方向に回転させる。最終的には、下方面取り面166が下方側壁168を完全に通過し、矢じり状部分161に作用する反時計方向の力が取り除かれ、下側側壁168が矢じり状部分161の後ろのノッチ170内の固定位置へと滑り込む。

閉鎖トリガー18を解放するには、ユーザーはボタン172の閉鎖トリガー18とは反対側の側面を押し込むと、矢じり状部分161が反時計方向に回転して矢じり状部分161を開口部164から滑り出させる。

図17〜22に、別の実施形態に基づくクロージャトリガー固定機構を示す。この実施形態に示されるように、クロージャトリガー18は横方向ピン178が延出した可撓性の長手方向アーム176を有している。アーム176及びピン178は例えば成形プラスチックで形成することができる。ハンドル6のピストル・グリップ部分26は、横方向に延びるウェッジ182が内部に配置された開口部180を有している。図17及び18に示されるように、閉鎖トリガー18が後退されると、ピン178がウェッジ182と係合し、ピン178がウェッジ182の下面184によって下方に押される(即ちアーム176が時計方向に回転する)。ピン178が下面184を完全に通過するとアーム176に作用する時計方向の力が取り除かれ、ピン178が反時計方向に回転することにより図19に示されるように、ウェッジ182の後ろのノッチ186内にピン178が収まることによってクロージャトリガー18が固定される。ピン178は、ウェッジ184から延びる可撓性係止部材188によって固定位置に更に保持される。

クロージャトリガー18を解放するには、操作者はクロージャトリガー18を更に搾るとピン178が開口部180の傾斜した後壁190と係合して図20及び21に示されるようにピン178が可撓性係止部188を過ぎて上方に押される。これにより図22に示されるようにピン178が開口部180の上方チャネル192に自由に移動できるようになるためにクロージャトリガー18はピストル・グリップ部分26に対して固定されなくなる。

図23A〜Bは、自在継ぎ手(u継ぎ手)195を示したものである。自在継ぎ手195の第2部材195−2は第1部材195−1が含まれる水平面内で回転する。図23Aは、直線的(180°)な向きの自在継ぎ手195を示し、図23Bは、約150°の向きの自在継ぎ手195を示している。自在継ぎ手195はエンドエフェクタ12を関節可動させるための主要駆動シャフトの関節点14においてベベルギア52a〜c(例えば図4を参照)の代わりに使用することができる。図24A〜Bは、エンドエフェクタ12を関節可動させるためにベベルギア52a〜c及び自在継ぎ手195の代わりに用いることができるトーションケーブル197を示す。

図25〜31に、動力補助を有するモーター駆動式2ストローク外科的切断及び締結器具10の別の実施形態を示す。図25〜31の実施形態は、図6〜10の実施形態と似ているが、螺旋状ギアドラム80の代わりに図23〜28の実施形態は代替的なギア駆動アセンブリを有している。図25〜31の実施形態は、フレーム201内に多数のギアが配置されたギアボックスアセンブリ200を有し、各ギアは遊星ギア72と駆動シャフト48の近位端のピニオンギア124との間に接続されている。下記に更に説明するように、ギアボックスアセンブリ200は発射トリガー20を介してユーザーにエンドエフェクタ12の展開及び負荷力に関するフィードバックを与える。更に、ユーザーはギアボックスアセンブリ200を介してシステムにエンドエフェクタ12の展開を補助する動力を与えることができる。この意味において、上記に述べた実施形態と同様、図23〜32の実施形態は器具に作用する負荷力に関するフィードバックをユーザーに提供する別の動力補助モーター駆動式器具10である。

図の実施形態では、発射トリガー20は本体部分202と剛性付与部分204の2個の部材を有している。本体部分202は例えばプラスチックで形成すればよく、剛性付与部分204は金属などのより剛性の高い材料で形成することができる。図の実施形態では剛性付与部分204は本体部分202に隣接しているが、他の実施形態に基づけば剛性付与部分204は本体部分202の内部に配することもできる。枢動ピン207を発射トリガーの部材202、204の開口部に挿入し、これを中心として発射トリガー20が回転する枢動点とすることができる。更に、バネ222によって発射トリガー20を反時計方向の方向に回転するように付勢することができる。バネ222の遠位端は発射トリガー20の部材202、204に接続されたピン224に接続することができる。バネ222の近位端はハンドル外部下方側面部材59、60のうちの一方に接続することができる。

図に示される実施形態では、本体部分202及び剛性付与部分204はいずれも上端部分にギア部分206、208を(それぞれ)有している。ギア部分206、208は下記に述べるようにギアボックスアセンブリ200内のギアと噛合することによって主要駆動シャフトアセンブリを駆動すると共にエンドエフェクタ12の展開に関するフィードバックをユーザーに与える。

図の実施形態に示されるようにギアボックスアセンブリ200は6個のギアを有している。ギアボックスアセンブリ200の第1ギア210は発射トリガー20のギア部分206、208と噛合する。更に、第1ギア210は大径の第3のギア214と同軸に配された小径の第2ギア212と噛合する。第3のギア214は、第5のギア218と同軸に配された小径の第4のギア216と噛合する。第5のギア218は、主要駆動シャフト48を駆動するピニオンギア124に接続された、噛合する90°ベベルギア220と噛合する90°ベベルギアである(図31に最も分かりやすく示される)。

操作時には、ユーザーが発射トリガー20を後退させると、走行モーターセンサー(図に示されていない)が作動することによって、操作者が発射トリガー20を後退させる程度又は力に比例した速度でモーター65を回転させるような信号をモーター65に与えることができる。これにより、モーター65はセンサーからの信号に比例した速度で回転する。この実施形態ではセンサーは示されていないが、上記に述べた走行モーターセンサー110と同様のものでよい。センサーは発射トリガー20が後退される際に押されるようにハンドル6の内部に配置することができる。また、比例型センサーの代わりにオン/オフ型のセンサーを使用することもできる。

モーター65の回転によりベベルギア68、70が回転し、これによって遊星ギア72が回転することで駆動シャフト76を介してリングギア122が回転する。リングギア122は主要駆動シャフト48に接続されたピニオンギア124と噛み合う。これにより、ピニオンギア124の回転によって主要駆動シャフト48が駆動され、エンドエフェクタ12の切断/ステープリング操作が行われる。

ピニオンギア124の順方向の回転によりベベルギア220が回転し、これによりギアボックスアセンブリ200の残りのギアによって第1ギア210が回転する。第1ギア210が発射トリガー20のギア部分206、208と噛合することにより、モーター65がエンドエフェクタ12に順方向の駆動力を提供する場合には発射トリガー20は反時計方向に回転する(更にモーター65が逆方向に回転する場合には反時計方向に回転してエンドエフェクタ12を後退させる)。これにより、ユーザーは発射トリガー20を握ることによってエンドエフェクタ12の負荷力及び展開に関するフィードバックを得る。これにより、ユーザーは、発射トリガー20を後退させると、エンドエフェクタ12に作用する負荷力に関する抵抗を受けることになる。同様に、発射トリガー20が最初の位置に復帰できるように操作者が切断/ステープリングの操作の後に発射トリガー20を解放すると、ユーザーはモーター65の逆転速度に概ね比例した時計方向の回転力を発射トリガー20から受けることになる。

この実施形態では、ユーザーは発射トリガー20を後退させることによって主要駆動シャフトアセンブリ(したがってエンドエフェクタ12の切断/ステープリング操作)を作動させるような力を(モーター65からの力に代えるかあるいはこれに加えて)作用させることができる点も認識されるはずである。即ち、発射トリガー20を後退させることにより、ギア部分206、208が反時計方向に回転し、これによりギアボックスアセンブリ200の各ギアが回転することによってピニオンギア124が回転すると主要駆動シャフト48が回転する。

図25〜31には示されていないが、器具10は更に逆動モーター/停止モーターセンサーを有し得る。上記に述べたように、逆動モーター/停止モーターセンサーは、切断ストロークの終端(ナイフ32が完全に展開した状態)及び後退の操作の終端(ナイフ32が完全に後退した状態)をそれぞれ検出することができる。図11に関連して上記に述べたものと同様の回路をモーター65に適宜電力供給するために用いることができる。

図32〜36に、別の実施形態に基づく動力補助を有する2ストロークモーター駆動式外科的切断及び締結器具10を示す。図32〜36の実施形態は、図25〜31の実施形態と似ているが、図32〜36の実施形態では、発射トリガー20が下方部分228と上方部分230とを有している。両部分228、230は各部分228、230を通じて配置された枢動ピン207に接続され、枢動ピン207を中心として枢動する。上方部分230はギアボックスアセンブリ200の第1ギア210と噛合するギア部分232を有している。バネ222が上方部分230に接続されていることにより上方部分は時計方向の方向に回転するように付勢されている。上方部分230はまた、発射トリガー20の下方部分228の上面に接触した下方アーム234を更に有することにより、上方部分230が時計方向に回転させられると下方部分228も時計方向に回転し、下方部分228が反時計方向に回転すると上方部分230も反時計方向に回転するようになっている。同様に、下方部分228は上方部分230の肩部と係合する回転係止部238を有している。このように、上方部分230が時計方向に回転させられると下方部分228も時計方向に回転し、下方部分228が時計方向に回転すると上方部分230も時計方向に回転する。

図の実施形態は更に、異なる実施形態において発射トリガー20を引く際に操作者によって加えられる力に比例した速度でモーター65を回転させ得る信号をモーター65に送信する走行モーターセンサー110を有している。センサー110は例えばレオスタット又は本願で述べるような他の何らかの可変抵抗センサーであってよい。更に、器具10は発射トリガー20の上側部分230の前面242が接触すると始動又は切り換えられる逆動モーターセンサー130を有し得る。逆動モーターセンサー130は作動されるとモーター65に回転方向を逆転させるような信号を送る。また、器具10は発射トリガー20の下方部分228が接触すると始動し作動する停止モーターセンサー142を有し得る。停止モーターセンサー142は作動されるとモーター65の逆方向の回転を停止させるような信号を送る。

操作中、操作者がクロージャトリガー18を固定位置に後退させるとき、発射トリガー20が僅かに後退し(米国特許第6,978,921号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E−BEAM FIRING MECHANISM」及び同第6,905,057号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A FIRING MECHANISM HAVING A LINKED RACK TRANSMISSION」(これらの全開示は本明細書において参照として組み込まれる)を含む当該技術分野において既知の機構による)、それによってユーザーは発射トリガー20を把持し、図32及び図33に図示されるように、切断/ステープリングの操作を開始し得る。この時点で、図33に示されるように、発射トリガー20の上方部分230のギア部分232がギアボックスアセンブリ200の第1ギア210と噛合する。異なる実施形態に基づいて操作者が発射トリガー20を引くと、発射トリガー20はわずかな量、例えば5°だけ回転して図34に示されるように走行モーターセンサー110を始動させる。センサー110が作動することによってモーター65は操作者が引く力に比例した速度で順方向に回転する。モーター65のこの順方向の回転により、上記に述べたように主要駆動シャフト48が回転し、これによりエンドエフェクタ12内のナイフ32が展開する(即ちチャネル22内を移動し始める)。主要駆動シャフト48に接続されたピニオンギア124の回転により、ギアボックスアセンブリ200内のギア210〜220が回転する。第1ギア210が発射トリガー20の上方部分230のギア部分232と噛合しているために、上方部分232は反時計方向に回転し、これにより下方部分228も反時計方向に回転する。

ナイフ32が完全に展開すると(即ち切断ストロークの終端に位置すると)、上方部分230の前面242が逆動モーターセンサー130を始動し、逆動モーターセンサー130は回転方向を逆転させるような信号をモーター65に送る。これにより主要駆動シャフトアセンブリが回転方向を逆転させてナイフ32が後退する。主要駆動シャフトアセンブリの逆方向の回転によってギアボックスアセンブリ内のギア210〜220の回転方向が逆転し、これにより発射トリガー20の上方部分230が時計方向に回転し、これにより発射トリガー20の下方部分228が時計方向に回転してナイフ32が完全に後退した時点で下方部分228が停止モーターセンサー142を始動又は作動させると、モーター65が停止する。これにより、ユーザーは発射トリガー20を握ることによってエンドエフェクタ12の展開に関するフィードバックを得る。したがって、ユーザーが発射トリガー20を後退させると、操作者はエンドエフェクタ12の展開に関する、特にナイフ32に作用する負荷力に関する抵抗を受けることになる。同様に、発射トリガー20が最初の位置に復帰できるように操作者が切断/ステープリングの操作の後に発射トリガー20を解放すると、ユーザーはモーター65の逆転速度に概ね比例した時計方向の回転力を発射トリガー20から受けることになる。

この実施形態では、ユーザーは発射トリガー20を後退させることによって主要駆動シャフトアセンブリ(したがってエンドエフェクタ12の切断/ステープリングの操作)を作動させるような力を(モーター65からの力に代えるかあるいはこれに加えて)作用させることができる点も認識されるはずである。即ち、発射トリガー20を引くことにより上方部分230のギア部分232が反時計方向に回転し、これによりギアボックスアセンブリ200の各ギアが回転することによってピニオンギア124が回転すると主要駆動シャフトアセンブリが回転する。

上記に述べた実施形態は、2ストロークモーター駆動式外科用切断及び締結器具用の適応制御(例えば、モーター65、ギア駆動力伝達系、及びエンドエフェクタ12の閉鎖ループシステムの外部のセンサー110、130及び142を使用する)を行うか又は行わない動力補助ユーザーフィードバックシステムを採用したものである。即ち、発射トリガー20を引く際にユーザーによって加えられる力が、モーター65と主要駆動シャフト48との間のギア動力伝達系に(直接的又は間接的に)連動した発射トリガー20のために、モーター65によって加えられる力に加え合わされる。他の実施形態では、ユーザーにエンドエフェクタ内のナイフ32の位置に関する触覚的フィードバックが与えられるが、発射トリガー20をギア駆動力伝達系に連動させる必要はない。図37〜40に、こうした触覚的位置フィードバックシステムを備えたモーター駆動式外科的切断及び締結器具を示す。

図37〜40の実施形態では、発射トリガー20は、図32〜36に示される器具10と同様の下方部分228及び上方部分230を有し得る。しかしながら図32〜36の実施形態と異なり、上方部分230はギア駆動力伝達系の一部と噛合するギア部分を有していない。代わりに、器具は螺刻ロッド266が螺入された第2モーター265を有している。螺刻ロッド266は、モーター265が回転する際に回転方向に応じてモーター265の内外に長手方向に往復動する。器具10は更に、例えば主要駆動シャフト48(又は主要駆動シャフトの他の要素)の離散的な運動を対応する一連のデジタル信号に変換するための主要駆動シャフト48の回転に反応するエンコーダー268を有している。図の実施形態では、ピニオンギア124はエンコーダー268に接続する近位駆動シャフト270を有している。

器具10は更に、エンコーダー268からのデジタル信号を受信する、マイクロコントローラ又は他の何らかの種類の集積回路を使用して実施することが可能な制御回路(図に示されていない)を有している。エンコーダー268からの信号に基づき、制御回路はエンドエフェクタ12内のナイフ32の展開の段階を計算することができる。即ち、制御回路はナイフ32が完全に展開しているか、完全に後退しているか、あるいは中間の段階にあるかを計算することができる。エンドエフェクタ12の展開の段階の計算に基づき、制御回路は第2モーター265にその回転を制御し、それにより螺刻ロッド266の往復運動を制御するような信号を送ることができる。

操作時には、図37に示されるようにクロージャトリガー18が締め付け位置に固定されていない場合には、発射トリガー20はハンドル6のピストル・グリップ部分26から遠ざかる方向に回転しているために、発射トリガー20の上方部分230の前面242は螺刻ロッド266の近位端と接触していない。操作者がクロージャトリガー18を引いて締め付け位置に固定すると、発射トリガー20はクロージャトリガー18の方向にわずかに回転し、図38に示されるように操作者が発射トリガー20を握ることができるようになる。この位置では、上方部分230の前面242は螺刻ロッド266の近位端と接触する。

ユーザーが最初の回転量(例えば5°の回転)の後に発射トリガー20を引くと、走行モーターセンサー110が作動し得ることにより、上記に説明したようにセンサー110は操作者が発射トリガー20に適用する引く力の量に比例した順方向の速度でモーター65を回転させるような信号をモーター65に送る。モーター65の順方向の回転により主要駆動シャフト48がギア駆動力伝達系を介して回転し、これによりナイフ32及びスレッド33がチャネル22に沿って移動してエンドエフェクタ12に挟まれた組織を切断する。制御回路がエンコーダー268から主要駆動シャフトアセンブリの離散的回転に関する出力信号を受信し、第2モーター265を回転させるような信号を第2モーター265に送ると螺刻ロッド266がモーター265内に後退する。これにより発射トリガー20の上方部分230が反時計方向に回転すると発射トリガーの下方部分228も反時計方向に回転する。これにより、螺刻ロッド266の往復動が主要駆動シャフトアセンブリの回転に関係しているために、器具10の操作者は発射トリガー20を握ることによってエンドエフェクタ12の位置に関する触覚的なフィードバックを得る。しかしながら、この実施形態では発射トリガー20がギア駆動力伝達系と連動していないために操作者が引く力は主要駆動シャフトアセンブリの駆動に直接的には影響しない。

エンコーダー268からの出力信号を介して主要駆動シャフトアセンブリの離散的回転を追跡することによって、制御回路32はナイフがいつ完全に展開されるか(即ち完全に延びる)かを計算することができる。この時点で制御回路はモーター65に回転方向を逆転させてナイフ32を後退させる信号を送ることができる。モーター65の逆方向の回転により、主要駆動シャフトアセンブリの回転方向が逆転し、これもやはりエンコーダー268によって検出される。エンコーダー268によって検出される逆方向の回転に基づいて制御回路が第2モーター265に回転方向を逆転させる信号を送ることにより螺刻ロッド266がモーター265から長手方向に延びはじめる。この運動により発射トリガー20の上方部分230が時計方向に回転し、下方部分228を時計方向に回転させる。これにより操作者が発射トリガー20から時計方向の力を受け得ることによって、エンドエフェクタ12内のナイフ32の後退位置に関するフィードバックが操作者に提供される。制御回路はナイフ32が完全に後退したことを検出することができる。この時点で制御回路はモーター65に回転を停止させる信号を送る。

他の実施形態に基づけば、制御回路によってナイフ32の位置を決定する代わりに、上記に述べたような逆動モーター/停止モーターセンサーを使用することもできる。更に、比例センサー110を使用してモーター65の回転を制御する代わりに、オン/オフスイッチ又はセンサーを使用することもできる。こうした実施形態では、操作者がモーター65の回転速度を制御することはできない。この場合、モーター65はプログラムされた速度で回転する。

図41〜43は、機械的に作動するエンドカッター、並びに特に、そのハンドル6、シャフト8及びエンドエフェクタ12の代表的な実施形態を示す。機械的に作動するエンドカッターの更なる詳細は、米国特許第7,083,075号、表題「Multi−Stroke Firing Mechanism With Automatic End Of Stroke Retraction」に見出すことができ、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。図41に関し、垂直方向に突出するアンビルタブ27の近位にある、横方向に突出するアンビル枢動ピン25を含む、アンビル近位端1004に接続するアンビルフェース1002を含むことにより、エンドエフェクタ12は、最初にハンドル6(図41に表されない)からの閉鎖運動に反応する。アンビル枢動ピン25は、ステープルチャネル22内の腎形開口部1006内で並進し、アンビル24をチャネル22に対して開閉する。タブ27は、クロージャチューブ1005の遠位端1008上のタブ開口部45内で内側に延びる屈曲タブ1007と係合し、クロージャチューブ1005は遠位端1008で終わっており、これがアンビルフェース1002を押す。したがって、クロージャチューブ1005がその開放位置から近位方向に動くとき、クロージャチューブ1005の屈曲タブ1007がアンビルタブ27を近位方向に引き、アンビル枢動ピン25がステープルチャネル22の腎形開口部1006に従い、それによってアンビル24が同時に近位方向に並進し、開放位置へと上方に回転する。クロージャチューブ1005が遠位方向に動く場合、タブ開口部45内の屈曲タブ1007がアンビルタブ27から解放され、遠位縁部1008がアンビルフェース1002を押し、アンビル24を閉鎖する。

更に図41を参照し、シャフト8及びエンドエフェクタ12はまた、発射ロッド1010の発射運動に反応する構成要素を含む。特に、発射ロッド1010は、長手方向凹部1014を有する発射トラフ部材1012と回転可能に係合する。発射トラフ部材1012は、発射ロッド1010の長手方向の運動に直接反応して、フレーム1016内で長手方向に移動する。クロージャチューブ1005の長手方向スロット1018は、ハンドル6(図41に図示されない)の右外部側面ハンドル部材61及び左外部側面ハンドル部材62と操作可能に連結する。クロージャチューブ1005内の長手方向スロット1018の長さは、発射及び閉鎖運動をそれぞれ達成するようにハンドル部材61、62との相対的な長手方向の運動を可能にするために十分に長く、ハンドル部材61、62の連結部がフレーム1016の長手方向スロット1020を通過して、フレームトラフ部材1012の長手方向凹部1014と摺動可能に係合する。

フレームトラフ部材1012の遠位端が発射バー1022の近位端に取り付けられ、発射バー1022は、フレーム1016内、特に内部の案内部1024内で動き、ナイフ32をエンドエフェクタ12内へと遠位方向に投入する。エンドエフェクタ12は、ナイフ32によって作動されるステープルカートリッジ34を含む。ステープルカートリッジ34は、ステープルカートリッジ本体1030を保持するトレー1028、ウェッジスレッドドライバ33、ステープルドライバ1034及びステープル1036を有する。ウェッジスレッドドライバ33は、カートリッジトレー1028とカートリッジ本体1030との間に位置する発射凹部(図示されない)内で長手方向に動くことが理解される。ウェッジスレッドドライバ33は、ステープルドライバ1034と接触して、これを上方に上げ、ステープル1036を駆動するカム表面を呈する。ステープルカートリッジ本体1030は、ナイフ32の通路のための、近位方向に開いた垂直方向のスロット1031を更に含む。具体的に、切断表面1027が、組織をステープリングした後に、これを切断するために、ナイフ32の遠位端に沿って提供される。

シャフト8は、図4において、非関節運動シャフトとして示されることが理解されるべきである。それにもかかわらず、出願は、図1〜4に関して上記に示された、及び以下の米国特許及び特許出願に記載される、関節運動可能な器具を含むことができ、それぞれの開示は本明細書において参照としてその全体を組み込まれる:(1)米国特許第7,111,769号、表題「SURGICAL INSTRUMENT INCORPORATING AN ARTICULATION MECHANISM HAVING ROTATION ABOUT THE LONGITUDINAL AXIS」、(2)同第6,786,382号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN ARTICULATION JOINT FOR A FIRING BAR TRACK」、(3)同第6,981,628号、表題「A SURGICAL INSTRUMENT WITH A LATERAL−MOVING ARTICULATION CONTROL」、(4)同第7,055,731号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A TAPERED FIRING BAR FOR INCREASED FLEXIBILITY AROUND THE ARTICULATION JOINT」及び(5)同第6,964,363号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING ARTICULATION JOINT SUPPORT PLATES FOR SUPPORTING A FIRING BAR」。

図42〜43は、上記において図41に示されるシャフト8及びエンドエフェクタ12の実施形態と共に機械的に作動するエンドカッターにおいて使用するために構成されるハンドル6の実施形態を示す。エンドエフェクタ12を機械的に閉鎖し、発射するために、任意の好適なハンドル設計が使用され得ることが理解される。図42〜43において、外科用ステープリングのハンドル6及び切断器具10は、連結した伝送発射機構1060を含み、これは強度の増加、ハンドルの大きさの低減、拘束の最小化などの特性を提供する。

エンドエフェクタ12(図42〜43には図示されない)の閉鎖は、クロージャトリガー18をハンドル6のピストル・グリップ26に向かって押圧することによって生じる。クロージャトリガー18はハンドル6の右側外部下方側面部材59及び左側外部下方側面部材60に連結されるクロージャ枢動ピン252を中心に枢動し、クロージャトリガー18の上方部分1094を前方に動かす。クロージャチューブ1005は、クロージャヨークピン1044及びクロージャ連結ピン1046によってそれぞれ、クロージャ連結部1042及びクロージャトリガー18の上方部分1094に固定される、クロージャヨーク250を介してこのクロージャ運動を受容する。

図42の完全な解放位置において、クロージャトリガー18の上方部分1094は、示される位置において、枢動クロージャ解放ボタン30の固定アーム1048に接触し、これを保持する。クロージャトリガー18がその完全に押圧された位置に到達するとき、クロージャトリガー18は固定アーム1048を解放し、当接する表面1050が回転し、枢動固定アーム1048の遠位方向右側ノッチ1052と係合して、クロージャトリガー18をこのクランプ又は閉鎖位置に保持する。固定アーム1048の近位端は、横方向枢動接続部1054を中心に、部材59、60と共に枢動して、クロージャ解放ボタン30を露出する。クロージャ解放ボタン30の中間遠位側面1056は、ハウジング構造1040とクロージャ解放ボタン30との間で圧縮される圧縮バネ1058によって近位方向に推進される。結果として、クロージャ解放ボタン30は、固定アーム1048を反時計方向に推進して(左から見た際に)クロージャトリガー18の当接表面1050と固定接触させ、これは、連結された伝送発射システム1040が引かれていない状態にある際に、クロージャトリガー18のクランプが緩むことを防ぐ。

クロージャトリガー18が後退されて完全に押圧されると、発射トリガー20が固定解除されて、ピストル・グリップ26の方に押圧され(本実施形態において多くの回数にわたって)、エンドエフェクタ12の発射を生じ得る。表されるように、連結された伝送発射機構1060は、部材59、60に接続されたその不動端部1063及び鋼バンド1066の下方に撓み近位方向に後退した端部1067に接続された可動端部1064を有する、ハンドル6のピストル・グリップ26内に拘束された、組み合わせ引張り/圧縮バネ1062によって、最初に引かれ、この位置に留まるようにされる。

鋼バンド1066の遠位方向に配置される端部1068は構造的負荷のために結合連結部1070に取り付けられ、これはひいては、連結ラック1074を形成する複数の連結部1072a〜1072dの前方連結部1072aに取り付けられる。連結ラック1074は可撓性であるが、直線的な剛性ラックアセンブリを形成する遠位連結部を有し、直線的な剛性ラックアセンブリは、シャフト6内の発射ロッド1010を通じて著しい発射力を伝達し得るが、ピストル・グリップ26へと容易に後退して、ハンドル6の長手方向長さを最小化する。組み合わせ引張り/圧縮バネ1062は、利用可能な発射移動の量を増加させる一方で、単一のバネにおける最小長さを半分に、本質的に低減させることが理解されるべきである。

発射トリガー20は、ハンドル部材59、60に接続される発射トリガーピン96を中心に枢動する。発射トリガー20の上方部分228は、発射トリガー20がピストル・グリップ26の方へと押圧されると、発射トリガーピン96を中心に遠位方向に動き、発射トリガー20の上方部分228と部材59、60との間で接続された、近位方向に定置された発射トリガー引張りバネ222を、近位方向に伸張する。発射トリガー20の上方部分228は、各発射トリガー押圧中に、牽引付勢機構1078によって連結ラック1074と係合し、これはまた、発射トリガー20が開放される際に係合離脱する。発射トリガー引張りバネ222は、解放される際に、発射トリガー20を遠位方向に推進し、牽引付勢機構1078と係合離脱する。

連結伝送発射機構1040が作動する際、連結ラック1074の歯状上方表面1082との係合によって、アイドラーギア1080が時計方向(左側から見た際に)に回転する。この回転はインジケータギア1084と連結し、これはしたがって、アイドラーギア1080に反応して反時計方向に回転する。アイドラーギア1080及びインジケータギア1084は、ハンドル6の部材59、60に回転可能に接続する。連結ラック1074とアイドラーギア1080とインジケータギア1084との間のギアの関係は、歯状上方表面1082が好適な強さの歯寸法を有し、連結した伝送発射機構1060の完全な発射移動中にインジケータギア1084が1回転以下回転するように、有利に選択されてもよい。

以下でより詳細に記載されるように、インジケータギア1084は少なくとも4つの機能を果たす。第1に、連結ラック1074が完全に引かれ、トリガー18、20の両方が図42に示されるように開放している場合、インジケータギア1084の左側の円形隆起部1088の開口部1086が、固定アーム1048の上面1090に向けられる。固定アーム1048が、クロージャトリガー18との接触によって開口部1086へと付勢され、これはひいては、クロージャ引張りバネ1092によって開放位置へと推進される。クロージャトリガー引張りバネ1092は、クロージャトリガー18及びハンドル部材59、60の上方部分1094へと近位方向に接続されており、したがってクロージャトリガー18の閉鎖中に保存されるエネルギーを有し、これがクロージャトリガー18をその非閉鎖位置へと遠位方向に推進する。

インジケータギア1084の第2機能は、これが、ハンドル6へと外部に配置された指示後退ノブ1096に接続されることである。したがって、インジケータギア1084は、発射機構1060の相対位置を指示後退ノブ1096へと伝え、それによって外科医は、発射を達成するために、発射トリガー20の何回のストロークが必要とされているかの視覚的指標を有する。

インジケータギア1084の第3機能は、外科用ステープリング及び切断器具10が操作する際に、後退防止機構(一方向クラッチ機構)1097の後退防止解放レバー1098を長手方向に角度的に動かすことである。発射ストロークの間、インジケータギア1084による後退防止解放レバー1098の近位方向への移動が、後退防止機構1097を活性化し、これが発射バー1010の遠位方向の移動を可能にし、発射バー1010の近位方向の動きを防ぐ。この移動はまた、連結した伝送発射機構1060が発射ストローク中に後退する必要性が生じた場合に、操作者が作動させるために、ハンドル部材59、60の近位端から後退防止解放ボタン1100を延ばす。発射ストロークの達成の後、インジケータギア1084は発射機構1060が後退する際に回転方向を逆転させる。逆回転は後退防止機構1097を非活性化し、後退防止開放ボタン1100をハンドル6内に引き、後退防止解放レバー1098を右へと横方向回転させて、インジケータギア1084の続く逆回転を可能にする。

インジケータギア1084の第4機能は、指示後退ノブ1096からの手動の回転(図42の描写では時計方向)を受容し、非固定の後退防止機構1097と共に発射機構1060を後退させ、それによって、組み合わせ引張り/圧縮バネ1062によって容易に克服されない発射機構1060のいずれかの拘束を克服することである。後退防止解放ボタン1100が後退防止解放レバー1098を横方向に動かし得ないように、後退防止解放ボタン1100を引く後退防止機構1097によって、そうでなければ防止されるであろう、発射機構1060の部分的発射の後に、この手動後退補助が利用され得る。

引き続き図42〜43に関し、後退防止機構1097は、近位端において後退防止解放ボタン1100に、遠位端において後退防止ヨーク1102に操作可能に連結される、操作者アクセス可能後退防止解放レバー1098からなる。特に、後退防止解放レバー1098の遠位端1099は、後退防止ヨークピン1104によって、後退防止ヨーク1102と係合する。後退防止ヨーク1102は長手方向に動いて、後退防止カムスロットチューブ1106に回転を付与し、これはハンドル部材59、90によって長手方向に拘束され、かつ遠位方向に発射ロッド1010から発射ロッド1010と連結ラック1074の結合連結部1070の接続までを包含する。後退防止ヨーク1102は、カムスロットチューブピン1108を通じて後退防止解放レバー1098から後退防止カムスロットチューブ1106へと、長手方向の移動を伝える。即ち、後退防止カムスロットチューブ1106の角度付きスロットのカムスロットチューブピン1108の長手方向の移動が、後退防止カムスロットチューブ1106を回転させる。

フレーム1016の近位端と後退防止カムスロットチューブ1106との間にそれぞれ捕捉されるのは、後退防止圧縮バネ1110、後退防止プレート1112及び後退防止カムチューブ1114である。表されるように、発射ロッド1010の近位方向の移動により、後退防止プレート1112が上部から後部へと回転し、発射ロッド1010に増加した摩擦接触を提供し、これが発射ロッド1010の更なる近位方向の移動に抵抗する。

この後退防止プレート1112は、後退防止カムスロットチューブ1106が後退防止カムチューブ1114と近い間隔にあるときに、スクリーンドアを開いた状態に維持するスクリーンドアロックのものと同様の様式で枢動する。具体的に、後退防止圧縮バネ1110は、後退防止プレート1112をその固定位置に傾けるようにプレート1112の上面に作用することができる。後退防止カムスロットチューブ1106の回転が、後退防止カムチューブ1114の遠位方向のカム移動を生じ、それによって後退防止プレート1112の上面を遠位方向に推進し、後退防止圧縮バネ1110からの力を克服し、したがって、後退防止プレート1112を傾いていない(垂直な)非固定位置に位置付け、これが発射ロッド1010の近位方向への後退を可能にする。

特に図43に関連し、牽引付勢機構1078は、遠位方向に突出する細い先端部1118及びその近位端に右方向に突出する横方向ピン1120を有する爪1116から構成されるものとして表され、横方向ピン1120は、発射トリガー20の上方部分230の穴1076を通じて回転可能に挿入される。発射トリガー20の右側において、横方向ピン1120は、付勢ホイール1122として表される、付勢部材を受容する。発射トリガー20が前後に並進すると、付勢ホイール1122は、ハンドル6の右半体部材59の近位で孤状に移動し、移動の遠位部分において、右半体部材59と一体的に形成される、付勢傾斜面1124を超える。付勢ホイール1122は、弾力的な摩擦材料から有利に形成されてもよく、これは爪1116の横方向ピン1120内への半時計方向の回転を誘発し(左から見た場合)、したがって、遠位方向に突出する細い先端部1118を最も近い連結部1072a〜dの傾斜した中央経路1075内へと下方に牽引付勢し、連結ラック1074に係合させる。

発射トリガー20が解放されると、付勢ホイール1122はしたがって爪1116を反対方向へと牽引付勢し、細い先端部1118を、連結ラック1074の傾斜した中央経路1075から上げる。高荷重条件下における、爪1116のほぼ完全な遠位方向の移動における、先端部1118の係合離脱を確実にするため、爪1116の右側が、クロージャヨーク250の右側上の近位方向かつ上方に向く面取り面1126上へと傾斜し、細い先端部1118を傾斜した中央経路1075から係合離脱させる。発射トリガー20が完全に移動していない任意の点で解放される場合、付勢ホイール1122は、細い先端部1118を傾斜した中央経路1075から上げるために使用される。付勢ホイール1122を表現する場合、付勢部材又はホイール1122の形状は例示的であり、エンドエフェクタ12の発射を係合又は係合離脱させるべく摩擦又は牽引を使用する様々な形状に適合するように変化し得ることが理解されるべきである。

外科用器具10の様々な実施形態は、使用中に一度以上、器具の状態を記録する能力を有する。図44は、器具10の状態を記録するために、システム2000のブロック図を示す。システム2000は、例えば、図1〜40に関して先に説明されたように、モーター駆動の又はモーター補助された発射を有する器具10の実施形態、加えて例えば、図41〜43に関して先に記載されたように、機械的に作動する発射を有する器具10の実施形態において、実施され得ることが理解される。

システム2000は、器具状態を感知するために様々なセンサー2002、2004、2006、2008、2010、2012を含み得る。センサーは、例えば、器具10の上又は中に位置付けられてもよい。様々な実施形態において、センサーは、システム2000のみのための出力を提供する専用センサーであってもよく、又は器具10内で他の機能を果たす両用センサーであってもよい。例えば、上記のセンサー110、130、142はまた、システム2000に出力を提供するように構成されてもよい。

直接的又は間接的に、各センサーは、以下でより詳細に記載されるように信号を記録する記憶装置2001に信号を提供する。記憶装置2001は、センサー信号を保存又は記録することができる任意の種類の装置であり得る。例えば、記憶装置2001は、マイクロプロセッサ、電気的消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリー(EEPROM)又は他の好適な記憶装置を含み得る。記憶装置2001は、任意の好適な方法でセンサーにより提供される信号を記録し得る。例えば、一実施形態において、記憶装置2001は、特定のセンサーからの信号を、この信号が状態変化するときに記録し得る。別の実施形態において、例えば、任意のセンサーからの信号が状態変化する際、記憶装置2001はシステム2000の状態を記録し得る(システム2000に含まれるセンサー全てからの信号)。これは器具10の状態のスナップショットを提供し得る。様々な実施形態において記憶装置2001及び/又はセンサーはDALLAS SEMICONDUCTORから入手可能な1−WIREバス製品、例えば、1−WIRE EEPROMを含むように実施されてもよい。

様々な実施形態において、記憶装置2001は、外からアクセス可能であり、コンピューターなどの外部装置が、記憶装置2001によって記録される器具状態にアクセスすることを可能にする。例えば、記憶装置2001はデータポート2020を含んでもよい。データポート2020は、任意の有線又は無線通信プロトコルにより、例えば、シリアル又はパラレルフォーマットで保存された器具状態を提供し得る。記憶装置2001はまた、出力ポート2020に加えて、又はその代わりに、取り外し可能な媒体2021を含み得る。取り外し可能な媒体2021は、器具10から取り外すことができる、任意の種類の好適なデータ保存装置であり得る。例えば、取り外し可能な媒体2021としては、任意の好適なタイプのフラッシュメモリ、例えば、PCメモリーカード国際協会(PCMCIA)のカード、COMPACTFLASHカード、MULTIMEDIAカード、FLASHMEDIAカード等を挙げることができる。取り外し可能な媒体2021としては、任意の好適なタイプのディスクに基づく記憶装置、例えば、可搬型ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等を挙げることもできる。

クロージャトリガー・センサー2002は、クロージャトリガー18の状態を感知する。図45及び図46は、クロージャトリガー・センサー2002の代表的な実施形態を図示する。図45及び図46において、クロージャトリガー・センサー2002は、クロージャトリガー18とクロージャ枢動ピン252との間に位置付けられる。クロージャトリガー18をピストル・グリップ26に引くことにより、クロージャトリガー18がクロージャ枢動ピン252に力をかけることが理解される。例えば、センサー110、並びに図10A及び10Bに関して先に記載されるように、センサー2002は、力を感知し、それに反応して信号を生成してもよい。様々な実施形態において、クロージャトリガー・センサー2002は、クロージャトリガー18が作動しているか、又は作動していないかだけを示すデジタルセンサーであってもよい。他の様々な実施形態において、クロージャトリガー・センサー2002は、クロージャトリガー18に働く力及び/又はクロージャトリガー18の位置を示すアナログセンサーであってもよい。クロージャトリガー・センサー2002は、アナログセンサーであり、アナログ−デジタル変換器が、センサー2002と記憶装置2001との間に論理的に位置付けられてもよい。また、クロージャトリガー・センサー2002は任意の好適な形状をとり、クロージャトリガーの状態の感知を可能にする任意の好適な位置に定置され得ることが理解される。

アンビルクロージャ・センサー2004はアンビル24が閉鎖しているかどうかを感知し得る。図47は、代表的なアンビルクロージャ・センサー2004を示す。センサー2004は示されるようにステープルチャネル22の腎形開口部1006の隣に又は中に位置付けられる。アンビル24が閉じると、アンビル枢動ピン25が腎形開口部1006を通じて摺動してセンサー2004と接触し、それによってセンサー2004がアンビル24が閉じていることを示す信号を生成する。センサー2004は、任意の好適なタイプのデジタル又はアナログセンサー、例えば、近接センサー等をであってもよい。アンビルクロージャ・センサー2004はアナログセンサーであり、アナログ−デジタル変換器が、センサー2004と記憶装置2001との間に論理的に含まれてもよいことは理解されよう。

アンビルクロージャ荷重センサー2006は、ステープルチャネル22の内部底面上に定置されるものとして示される。使用中、センサー2006は、ステープルカートリッジ34の底面と接触し得る(図46に図示されない)。アンビル24が閉じると、これはステープルカートリッジ34に力をかけ、これはセンサー2006に伝達される。これに反応して、センサー2006は信号を生成する。この信号は、ステープルカートリッジ34により、かつアンビル24の閉鎖によりセンサー2006に働く力に比例するアナログ信号であり得る。図44を参照し、アナログ信号が、アナログ−デジタル変換器2014に提供され得、これは信号を記憶装置2001に提供する前にアナログ信号をデジタル信号に変換する。センサー2006がデジタル又はバイナリセンサーである実施形態は、アナログ−デジタル変換器2014を含まないことがあることが理解される。

発射トリガー・センサー110は、発射トリガー20の位置及び/又は状態を感知する。モーター駆動又はモーター補助の器具の実施形態では、発射トリガー・センサーは、上記の走行モーターセンサー110の2倍であってもよい。加えて、発射トリガー・センサー110は、上記の形態のいずれをとってもよく、かつアナログ又はデジタルであり得る。図面45及び図46は、発射トリガー・センサー110の追加的な実施形態を図示する。図45及び図46では、発射トリガー・センサーは、発射トリガー20と発射トリガー枢動ピン96との間に取り付けられる。発射トリガー20が引かれるとき、これは、発射トリガー枢動ピン96に力をかけ、これはセンサー110によって感知される。図44を参照し、発射トリガー・センサー110の出力がアナログである実施形態では、アナログ−デジタル変換器2016は、発射トリガー・センサー110と記憶装置2001との間に論理的に含まれる。

ナイフ位置センサー2008は、ステープルチャネル22内のナイフ32又は切断表面1027の位置を感知する。図47及び図48は、図41の機械的に作動するシャフト8及びエンドエフェクタ12と共に使用するのに好適なナイフ位置センサー2008の実施形態を示す。センサー2008は、器具10の発射バー1022に連結された磁石2009を含む。コイル2011は、発射バー1022の周囲に位置付けられ、例えば、発射トラフ部材1012の長手方向凹部1014(図41参照)に沿って挿入され得る。ナイフ32及び切断表面1027が、ステープルチャネル22を通じて往復運動する際、発射バー1022及び磁石2009は、コイル2011を通じて前後に動き得る。コイルに対するこの動きは、コイル内の発射ロッド及びステープルチャネル22内の切断縁部1027の位置と比例するコイル内の電圧を誘起する。この電圧は、例えば、アナログ−デジタル変換器2018を介して記憶装置2001に提供され得る。

様々な実施形態において、ナイフ位置センサー2008は代わりに、シャフト8の上又は中の様々な位置に定置される一連のデジタルセンサー(図示されない)として実施され得る。デジタルセンサーは、例えば、磁石2009などの発射バー1022の機構を、この機構がシャフト8を通じて往復運動する際に感知し得る。シャフト8内の発射バー1022の位置、及びひいてはステープルチャネル22内のナイフ32の位置は、最後にセンサーが始動した位置として概算され得る。

例えば、図3〜6に関連して先に記載されたように、ナイフ位置はまた、回転駆動エンドエフェクタ12及びシャフト8を有する器具10の実施形態において感知され得ることが理解される。エンコーダー268などのエンコーダーは、螺旋状ネジシャフト36又は他の任意の駆動シャフト若しくはギアの回転と比例する信号を生成するように構成され得る。シャフト36、並びに他の駆動シャフト及びギアの回転は、チャネル22を通じたナイフ32の移動に比例するため、エンコーダー268によって生成される信号はまた、ナイフ32の移動に比例する。したがって、エンコーダー268の出力は、記憶装置2001に提供され得る。

カートリッジ存在センサー2010は、ステープルチャネル22内のステープルカートリッジ34の存在を感知し得る。モーター駆動又はモーター補助器具において、カートリッジ存在センサー2010は、図11に関連して先に記載されたカートリッジロックアウトセンサー136の二倍であり得る。図50及び図51は、カートリッジ存在センサー2010の実施形態を示す。示される実施形態では、カートリッジ存在センサー2010は、2つの接触子2011及び2013を含む。カートリッジ34が存在しないとき、接触子2011、2013は開放回路を形成する。カートリッジ34が存在するとき、ステープルカートリッジ34のカートリッジトレー1028が、接触子2011、2013と接触し、閉鎖回路が形成される。回路が開いているとき、センサー2010は論理値ゼロを出力し得る。回路が閉じているとき、センサー2010は論理値1を出力し得る。図44に示されるように、センサー2010の出力が記憶装置2001に提供される。

カートリッジ状態センサー2012は、ステープルチャネル22内に組み込まれたカートリッジ34が発射、即ち消費されたかどうかを示し得る。ナイフ32は、エンドエフェクタ12を通じて並進し、これはスレッド33を押し、これがステープルカートリッジを発射する。その後ナイフ32はその元の位置まで並進して戻り、スレッド33をカートリッジの遠位端に残す。スレッド33がこれを案内することなく、ナイフ32はロックアウトポケット2022内に入り得る。センサー2012は、ナイフ32がロックアウトポケット2022内に存在するかどうかを感知してもよく、これは間接的にカートリッジ34が消費されたかどうかを示す。様々な実施形態において、センサー2012はカートリッジ34の近位端にスレッドの存在を直接感知してもよく、したがって、ナイフ32がロックアウトポケット2022内に入る必要性を排除する。

図52A及び図52Bは、エンドカッターとして構成され、様々な実施形態による器具の状態を記録する能力を有する、外科用器具10の実施形態を操作するためのプロセスフロー2200を表す。ボックス2202において、器具10のアンビル24は閉じていてもよい。これによってクロージャトリガー・センサー2002及び又はアンビルクロージャ・センサー2006が状態変化する。これに反応し、ボックス2203において、記憶装置2001が、システム2000内の全てのセンサーの状態を記録し得る。ボックス2204において、器具10が患者内に挿入され得る。器具が挿入される際、例えば手術部位の組織を操作するために、ボックス2206でアンビル24が開閉されてもよい。アンビル24の各開閉により、クロージャトリガー・センサー2002及び/又はアンビルクロージャ・センサー2004が状態変化する。これに反応し、ボックス2205において、記憶装置2001がシステム2000の状態を記録する。

ボックス2208において、切断及びステープリングのために組織がクランプされる。決定ブロック2210においてアンビル24が閉じられない場合、続くクランプが必要とされる。アンビル24が閉じると、次にセンサー2002、2004及び/又は2006が状態変化してもよく、ボックス2213で記憶装置2001がシステムの状態を記録するように促進する。この記録は、センサー2006から受容する閉鎖圧力を含み得る。ボックス2212において、切断及びステープリングが生じ得る。発射トリガー・センサー110は、発射トリガー20がピストル・グリップ26の方に引かれる際に状態変化し得る。また、ナイフ32がステープルチャネル22を通じて動くと、ナイフ位置センサー2008が状態変化する。これに反応し、ボックス2213において、記憶装置2001が、システム2000の状態を記録し得る。

切断及びステープリング操作が完成する際、ナイフ32は発射前の位置に戻り得る。カートリッジ34がここで発射されたため、ナイフ32はロックアウトポケット2022内に入ることがあり、カートリッジ状態センサー2012を状態変化させ、ボックス2215でメモリー装置2001にシステム2000の状態を記録させる。アンビル24が次に、組織を除去するために開かれ得る。これによって、クロージャトリガー・センサー2002、アンビルクロージャ・センサー2004及びアンビルクロージャ荷重センサー2006の1つ以上が状態変化してもよく、ボックス2217でシステム2000の状態の記録を生じる。組織が除去された後、アンビル24がボックス2220で再び閉じられてもよい。これが、少なくともセンサー2002及び2004の別の状態変化を生じ、ひいてはこれにより、ボックス2219で記憶装置2001がシステムの状態を記録する。次に、ボックス2222で器具10が患者から取り除かれてもよい。

同じ手術において、器具10が再び使用される場合、ボックス2224でアンビルが開かれてもよく、ボックス2223でシステム状態の別の記録を生じる。ボックス2226において、消費されたカートリッジ34がエンドエフェクタ12から取り除かれ得る。これにより、カートリッジ存在センサー2010が状態変化し、ボックス2225でシステム状態の記録を生じる。ボックス2228で別のカートリッジ34が挿入され得る。これが、カートリッジ存在センサー2010の状態変化及びボックス2227でのシステム状態の記録を生じる。決定ブロック2230で示されるように、他のカートリッジ34が新しいカートリッジである場合、その挿入がまた、カートリッジ条件センサー2012の状態変化を生じ得る。この場合、ボックス2231でシステム状態が記録され得る。

図53は、様々な実施形態による、記憶装置2001からの代表的なメモリマップ2300を示す。メモリマップ2300は一連の縦列2302、2304、2306、2308、2310、2312、2314、2316及び列(標識されない)を含む。縦列2302は、各列のイベント番号を示す。他の縦列は、システム2000の1つのセンサーの出力を表す。所与の時間において記録されるセンサー読み取り値の全てが、同じイベント番号の同じ列で記録され得る。したがって、各列は、システム2000のセンサーからの1つ以上の信号が記録される例を表す。

縦列2304は、各イベントにおいて記録されるクロージャ荷重を掲載する。これは、アンビルクロージャ荷重センサー2006の出力を反映し得る。縦列2306は、発射ストローク位置を掲載する。これは、ナイフ位置センサー2008による場合がある。例えば、ナイフ32の合計移動は、区画に分割され得る。縦列2306に掲載される番号は、ナイフ32が現在存在する区画を表し得る。発射荷重が縦列2308に掲載される。これは、発射トリガー・センサー110によることがある。ナイフ位置が縦列2310に掲載される。ナイフ位置は、発射ストロークと同様に、ナイフ位置センサー2008によることがある。アンビル24が開いているか又は閉じているかが縦列2312に掲載され得る。この値は、アンビルクロージャ・センサー2004及び/又はアンビルクロージャ荷重センサー2006の出力によることがある。スレッド33が存在するかどうか又はカートリッジ34が消費されたかどうかが縦列2314に掲載され得る。この値は、カートリッジ状態センサー2012によることがある。最後に、カートリッジ34が存在するかどうかが、縦列2316に示されることがある。この値は、カートリッジ存在センサー2010によることがある。例えば、センサー130、142によって測定される、例えば発射ストロークの終了及び開始を含む、他の様々な値が記憶装置2001に保存され得ることが理解される。

図54は、外科用器具300の様々な実施形態を例示する。外科用器具300は、上記の外科用器具10と同様であってもよいがまた、そこに取り外し可能に接続された状態モジュール302を含む。状態モジュール302は、図54においてハンドル6の外部下方側面部材60に接続されるものとして示されるが、状態モジュール302は、任意の好適な位置において外科用器具300に接続され得ることが理解される。様々な実施形態により、外科用器具300のハンドル6は、状態モジュール302を受容するように構造化及び構成される凹部を画定する。

外科用器具300は、複数のセンサー304(図55に概略的に示される)を含み、複数のセンサー304は、例えば、関節運動角度センサー、アンビル位置センサー、カートリッジセンサー、クロージャトリガー・センサー、クロージャ力センサー、発射力センサー、ナイフ位置センサー、ロックアウト状態センサー又はこれらのいずれかの組み合わせを含む。各センサー304は、外科用器具300の外部の近位に位置付けられる異なる接触子306(図55に概略的に示される)と電気的に通信していてもよい。

センサー304は、任意の好適な方法で埋め込まれていてもよい。例えば、関節運動角度センサーは、例えば、関節運動コントロール16の一部を含み、エンドエフェクタ12の相対的な関節運動角度を示す信号を出力するポテンショメーターとして具現化され得る。アンビル位置センサーは例えば、上記のアンビルクロージャ・センサー2004として具現化されてもよく、カートリッジセンサーは例えば、上記のカートリッジ存在センサー2010として具現化されてもよく、クロージャトリガー・センサーは例えば、上記のクロージャトリガー・センサー2002として具現化されてもよく、クロージャ力センサーは例えば、上記のアンビルクロージャ荷重センサー2006として具現化されてもよく、発射力センサーは例えば、上記発射トリガー・センサー110として具現化されてもよく、ナイフ位置センサーは例えば、上記のナイフ位置センサー2008として具現化されてもよく、ロックアウト状態センサーは例えば、上記のカートリッジロックアウトセンサー136又はカートリッジ存在センサー2010として具現化されてもよい。外科用器具の様々な実施形態が、米国特許出願第11/343,803号、表題「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」に開示され、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。

様々な実施形態により、状態モジュール302は、外科用器具300に取り外し可能に接続するように構造化及び構成されるハウジング308を含む。状態モジュール308は、複数の接触子310を含み(図55に概略的に示される)、各個別の接触子310は、ハウジング308が外科用器具300に接続される際に、外科用器具300の異なるセンサー304と電気的に通信するように構造化及び構成されている。例えば、状態モジュール302が外科用器具300に接続される際、状態モジュール302の各接触子310は、外科用器具300の各対応する接触子306と位置合わせされてもよく、それによって状態モジュール302の各接触子310を異なるセンサー304と電気的に通信させる。

状態モジュール302は、接触子310及び複数のインジケータ314(図55に概略的に示される)のうちの少なくとも一方と連絡する回路312(図55に概略的に示される)を更に含む。インジケータ314のうちの少なくとも一方が、回路312と電気的に通信する。回路312は駆動回路を含み、インジケータ314のうちの少なくとも一方を駆動するように構造化及び構成されている。様々な実施形態において、回路312は、図55に概略的に示されるように、スイッチ316、カウンター318、送信機320、又はこれらの任意の組み合わせを更に含み得る。

スイッチ316は、インジケータ314の少なくとも1つの電気的に通信し、これと電気的に通信している各インジケータ314を停止させるために使用され得る。様々な実施形態により、スイッチ316は状態モジュール302の、回路312以外の一部又は外科用器具300の状態モジュール302以外の一部を含み得る。このような実施形態において、スイッチ316は、回路312と電気的に通信していてもよい。

カウンター318は、発射数、残っている発射数、クランプ前の待ち時間等を判定するために使用され得る。様々な実施形態により、カウンター318は、状態モジュール302の回路312以外の一部を含み得る。他の実施形態により、カウンター318は外科用器具300の状態モジュール302以外の一部を含み得る。このような実施形態において、カウンター318は、回路312と電気的に通信していてもよい。

送信機320は、複数のセンサー304によって感知した情報を、外科用器具300のユーザーによって、ユーザーが手術を行う間に観察され得るモニター(図示されない)と関連する無線受信器(図示されない)へと、無線で送信するために使用され得る。情報は無線により連続的に又は周期的に送信され得る。表示情報は、例えば、発射進展情報、圧縮負荷情報、ナイフ負荷情報、発射数、処置時間、圧縮待ち時間、電池レベルなどを包含し得る。様々な他の実施形態により、送信機320は状態モジュール302の、回路312以外の一部又は外科用器具300の状態モジュール302以外の一部を含み得る。このような実施形態において、送信機320は、回路312と電気的に通信していてもよい。

図56〜58は、状態モジュール302の様々な実施形態を例示する。図示されるように、状態モジュール302は、異なる種類のインジケータ314を含み得る。様々な実施形態により、インジケータ314は、例えば、発光ダイオード、多色発光ダイオード、ディスプレイなどの1つ以上の視覚的インジケータ又はこれらのいずれかの組み合わせを含み得る。表示は、例えば、英数字表示、ドットマトリックス表示、液晶表示等を含むことができる。様々な実施形態によると、インジケータ314の少なくとも1つは、例えば、音声出力装置などの可聴インジケータを含み得る。可聴出力装置は例えば、スピーカーとして具現化されてもよく、かつスイッチ316と電気的に通信していてもよい。様々な実施形態により、インジケータ314は、少なくとも1つの視覚的インジケータ及び少なくとも1つの可聴インジケータを含み得る。

操作中、インジケータ314は、外科用器具300のユーザーに視覚的及び可聴フィードバックを提供してもよい。例えば、図56に示されるように、インジケータ314(例えば、発光ダイオード)は、クロージャトリガー18が固定位置にあるかどうか、規定のクランプ前の待ち時間が達成されたかどうか、ステープルカートリッジ34が装填されたかどうかなどを指示するために使用され得る。異なるインジケータ314は、異なる色の光を発してもよい。図56及び図57で使用されるように、異なる網掛けは異なる色を指示する。インジケータ314(例えば、多色発光ダイオード)は、外科用器具300の特定の機能の多数の状態表示のために使用され得る。例えば、ステープルカートリッジ34の状態を示すために、多色発光ダイオードが、装填されたステープルカートリッジ34がチャネル22内にある場合は緑色の光を、消費したステープルカートリッジ34がチャネル22内にある場合は黄色の光を、又はステープルカートリッジ34がチャネル22内にない場合は赤色の光を発してもよい。同様に、外科用器具300により働く切断力の状態を示すために、多色発光ダイオードは、働いている切断力が通常の範囲にある場合は緑色の光を、働いている切断力がより高い範囲にある場合は黄色の光を、又は働いている切断力が高い荷重範囲にある場合は赤色の光を発し得る。インジケータ314は、例えば電池レベルなど、外科用器具300の他の機能の多数の状態指標として使用され得ることが理解される。

図56に示されるように、インジケータ314(例えば、発光ダイオード)のラインを使用して、ナイフ32の前進、働いている最大クロージャ力の割合、働いている最大発射力の割合、エンドエフェクタ12の現在の関節運動角度等を示すことができる。こうした表示は、外科用器具300のユーザーに、外科用器具300の操作に伴う力に関するフィードバック、及び外科用器具300の操作がどの程度まで最大能力に近づいているのかに関するフィードバックを提供することができる。インジケータ314の1つのラインのみが図56に示されているが、状態モジュール302は任意の数の指標314のラインを含み得る。

図57に示されるように、状態モジュール302は、2つの円形配置に配置されるインジケータ314(例えば、発光ダイオード)を含み得る。このような実施形態において、状態モジュール302は、図56に示される状態モジュール302よりも同時的な情報を外科用器具300のユーザーに提供することが可能であり得る。2つのインジケータの円形の配置が図57に示されるが、状態モジュール302は任意の数の配置に配置される任意の数のインジケータ314を含み得る。例えば、状態モジュール302は、角錐パターンで配置されるインジケータ314を含み得る。

図58に示されるように、状態モジュール302のインジケータ314は発光ダイオードのライン及び少なくとも1つのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を含み得る。このような実施形態において、状態モジュール302は、図56又は図57に示される状態モジュール302よりも同時的な情報を、外科用器具300のユーザーに提供することが可能であり得る。例えば、発光ダイオードは、アンビル24及びステープルカートリッジ22における反応力、電池レベル、関節運動角度などを棒グラフの形態で示してもよい。ディスプレイは、クロージャ力、発射力、残っている発射数、クランプ前の待ち時間、ストロークの進行、関節運動角度などに関する情報を数字の形態で表示し得る。様々な外科用器具が、米国特許出願第11/343,545号、表題「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FEEDBACK SYSTEM」に開示され、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。

上記に加え、様々な実施形態において、例えば、外科用ステープラー300などの外科用器具が、外科用器具が使用される前及び/又は後に滅菌され得る。図60に関し、少なくとも1つの滅菌技術において、外科用器具が、例えば容器301などの閉鎖及び密閉容器内に定置される場合があり、ある種の実施形態では、容器は例えば、高密度ポリエチレン繊維又はTYVEKなどのプラスチックからなることができ、かつ任意の好適なエンクロージャの形状であり得る。容器及び器具は、次に、容器を透過し得る放射線の場に定置され得る。様々な状況において、放射線は例えば、ガンマ線、x線及び/又は高エネルギーエレクトロンを含む場合があり、放射線は、器具300上の及び容器301内の細菌を殺菌し得る。封止した無菌容器301は、器具300を、これが手術室又は他の何らかの好適な環境で開かれるまで、無菌状態に維持することができる。しかしながら、いくつかの状況において、例えば、ガンマ線などの放射線が使用されて器具300を滅菌する際、外科用器具300の構成要素、特に電子的構成要素、例えば、記憶装置及び/又はプロセッサが放射線によって損傷され得、不完全又は不安定となり得る。少なくとも1つのこのような記憶装置としては、上記の記憶装置2001が挙げられ、記憶装置2001が放射線に曝露された際、メモリマップ2300内に含まれるデータの少なくとも一部が、失われる及び/又は損傷する場合がある。いくつかの状況において、放射線滅菌プロセスは、いわゆる「耐放射線強化」電子機器をも損傷する場合がある。上記を考慮し、器具300を全体的に滅菌するために、別の滅菌プロセス、例えば、エチレンオキシド、過酸化水素及び/又は蒸気滅菌プロセスなどが利用され得る。しかしながら、いくつかの状況において、このような別の滅菌プロセスは、少なくとも例えば外科用器具のエンドエフェクタの滅菌に関して、放射線滅菌プロセスほど好ましくない場合がある。

様々な実施形態において、外科用器具は、互いに操作可能に係合及び/又は係合離脱し得る第1及び第2部分を含み得る。上記に加え、少なくとも一実施形態において、第1の部分は、外科用ステープラーのハンドル部分及びエンドエフェクタ、例えば外科用器具ステープラー300のハンドル6及びエンドエフェクタ12を含んでもよく、第2部分は、選択的に取り付け可能な部分、例えば状態モジュール302を含んでもよく、第1の部分及び第2部分は、別々に滅菌され得る。結果としていくつかの実施形態において、外科用ステープラーのハンドル部分及びエンドエフェクタは、例えば、放射線滅菌プロセスを使用して滅菌することができ、一方で電子的構成要素及び/又は他の任意の放射線反応性構成要素を含み得る選択的に取り付け可能な部分は、例えば、蒸気及び/又はエチレンオキシド滅菌プロセスなどの他の任意の好適な滅菌プロセスを使用して滅菌され得る。以下でより詳細に記載される少なくとも1つのこのような実施形態において、第1及び第2部分は、第1及び第2部分が別個に滅菌された後に、一緒に組み立てられ及び/又は互い操作可能に係合し得る。

図59に関して様々な実施形態において、外科用器具は、外科用器具400及び選択的に取り付け可能なモジュール402を含み得る。いくつかの実施形態において、外科用器具400は、モジュール402の少なくとも一部を受容するように構成され得る空洞404を含み得る。少なくとも一実施形態において、モジュール402は、モジュール402を外科用器具400と連絡させるため、外科用器具400の1つ以上の端子又は接触子(図示されない)と係合するように構成され得る1つ以上の端子又は接触子403を含み得る。より具体的に、外科用器具400及びモジュール402の端子又は接触子が互いに連絡させられ得、それによって例えば電力、アナログ信号及び/又はデジタル信号が、外科用器具400とモジュール402との間で送信され得る。モジュール402を外科用器具400に組み合わせる前に、モジュール402は滅菌されて、その後、無菌容器内に定置され得る。いくつかの実施形態において、モジュール402は、容器内に既に定置されている間に滅菌され得る。いずれにせよ、上記に加え、外科用器具400は、例えば、これがガンマ線プロセスによって滅菌された後に容器301などの無菌容器から取り除くことができ、それによってモジュール402は、外科用器具400と操作可能に係合することができる。使用中、少なくとも一実施形態において、モジュール402は、その無菌容器又はバッグ401から取り出すことができ、接触子又は端子403が外科用器具400の接触子又は端子と接触するように、空洞404に挿入され得る。

様々な実施形態において、上記に加え、外科用器具の第1の部分、例えば外科用器具400のハンドル部分6、及びエンドエフェクタ12はその無菌容器から取り出すことができ、外科用器具の第2部分の少なくとも実質的な部分、例えばモジュール402はその無菌容器内に留まり得る。少なくとも一実施形態において、例えばバッグ401は、モジュール402の端子403がバッグ401を通じて少なくとも部分的に延びることができ、かつ端子403が外科用器具400の端子と係合することができるように、穿孔又は切開することができる。いくつかの実施形態において、端子403はバッグ401を穿孔又は切開するように構成され得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、端子403は、これらが十分な力でバッグ401に押されたときに、バッグ401を穿孔するように構成され得る。いくつかの実施形態において、バッグ401は、例えば、バッグ401が既定の経路に沿って裂けることを可能にするように構成され得る、弱化部分又は刻み線を含み得る。いくつかの実施形態において、端子403は雄型端子を含んでもよく、外科用器具400は雌型端子を含んでもよく、その間に電気的接触を形成するために雄型端子が雌型端子に挿入され得る。示されてはないが、様々な実施形態において、選択的に取り付け可能なモジュールは1つ以上の雌型端子を含むことができ、外科用器具は、例えば、モジュールの雌型端子と係合するためにバッグ401を穿孔するように構成され得る1つ以上の雄型端子を含み得る。

いずれにせよ、上記の結果として第1の部分、例えば外科用器具400のハンドル部分6及びエンドエフェクタ12、並びに第2部分、例えばモジュール402は、異なる滅菌プロセスを経ることがあり、例えば別個に滅菌された容器に入れて手術室に送られる場合がある。したがって、放射線反応性構成要素を有する第2部分は、好適な非放射線滅菌プロセスを経ることができ、第1の部分は、外科用器具を損傷することなく放射線滅菌プロセスを経ることができる。いくつかの状況において、しかしながら、このような非放射線滅菌プロセスは、外科用器具の第2部分を完全に又は好適に滅菌することができない場合がある。このような状況において、手術室に送られる場合、例えば細菌又は他の汚染物質が例えば、容器又はバッグ401内に存在する場合がある。しかしながら、様々な実施形態において、バッグ401及びモジュール402は、端子403が例えばバッグ401を通じて押された際に、バッグ401の非常に小さな部分のみが穿孔又は切開されるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、バッグ401内に含まれる細菌又は他の汚染物質が、バッグ401が開かれた後にその中に留まることができ、かつそこから逃れ得ない。

上記に加え、いくつかの実施形態において、内部に外科用器具の第2部分が保存される容器が、外科用器具の第1の部分と協働するように構成される場合があり、それによって容器及び第1の部分が、容器内に存在する場合に容器内の細菌及び/又は汚染物質が、患者の手術部位に移動するのを制限するか又は防ぐことができる。図59に関し、少なくとも一実施形態において、バッグ401及びモジュール402は、これらが外科用器具400の空洞404内に挿入されるときに、バッグ401が空洞404の側壁と封止可能に係合するか、又は少なくとも実質的に封止可能に係合し得るように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、結果として、細菌及び/又は汚染物質が、バッグ401の内側から外科用器具400の外側まで移動することを妨げるか又は少なくとも阻止することができる。様々な実施形態において、モジュール402及びバッグ401は、端子403がバッグ401を貫通する前に空洞404に挿入される場合があり、それによってバッグ401内の穴は、端子403が外科用器具400の端子と接触するか、又は少なくともほぼ接触するまで作られない。少なくとも1つのこのような実施形態において、封止したバッグ401の内部の細菌又は汚染物質が、外科用器具400の領域と接触するいずれの患者とも接触させられないように、穿孔部位が保護され得る。いくつかの実施形態において、バッグ401及びモジュール402は、これらが空洞403内でぴったりとフィットするか又はこれにプレス嵌めされ得るように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態において、示されないが、モジュール402は、外科用器具400に係合する及び/又はこれに係合されるように構成され得る1つ以上の取り付け部材又は部分を含み得る。少なくとも一実施形態において、取り付け部材は、例えばバッグ401を穿孔するように構成されることができる一方で、他の実施形態では、取り付け部材は、バッグ401を穿孔することなく外科用器具400に係合するように構成され得る。

様々な実施形態において、例えば外科用器具の第1の部分が第1の密閉容器で手術室に供給され得、外科用器具の第2部分が第2の密閉容器で供給され得、第2部分は、これが第1の部分と共に使用される際に、その封止容器内で封止された状態に留まり得る。少なくとも一実施形態において、例えば、第1の部分は、外科用ステープラーのハンドル部分及びエンドエフェクタを含む場合があり、第2部分は、第1の部分と無線で通信するように構成され得るモジュールを含み得る。少なくとも一実施形態において、モジュールは、例えばバッグ401などの封止したバッグ内に含まれる場合があり、モジュール及び封止したバッグは、外科用ステープラー内の例えば空洞404内などの空洞内に挿入され得る。様々な実施形態において、モジュールは、無線信号送信機及び/又は受信機を含む場合があり、加えて外科用器具もまた、モジュール及び外科用ステープラーが無線送信又は信号を介して通信できるように無線信号送信機及び/又は受信機を含み得る。I少なくとも1つのこのような実施形態において、結果として、モジュールを含むバッグ又はエンクロージャは、モジュールがその意図される機能を実行するために穿孔又は切開される必要が無い場合がある(例えば、これらが、情報を表示し得る、外科用ステープラーからの情報を記録し得る及び/又は外科用ステープラーに情報を送信し得る)。少なくとも1つのこのような実施形態において、モジュールは、その意図される機能を実行するためにモジュールに十分な電力を供給するように構成され得る電源を含む場合がある。いくつかの実施形態において、電源は、モジュールと共に第2の密閉容器内に含まれ得る。いずれにせよ、使用中のモジュール及び外科用ステープラーの近接のために、特にモジュールが外科用ステープラー内に少なくとも部分的に位置付けられる場合、モジュールの無線送信機及び/又は受信機を操作するために非常に少ない電力が必要とされ得る。

いくつかの他の実施形態において、外科用器具又はモジュールの第2部分が、外科用ステープラーの第1の部分内に取り付けられない又は位置付けられない場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、モジュールが外科用器具の第1の部分と直接通信し得るように、例えば、モジュールはその密閉容器内に含まれたままであり得、かつ例えば手術室内の任意の好適な位置に位置付けられ得る。このような実施形態において、結果として、放射線を使用せずに滅菌されたモジュールは、上記の様々な実施形態と比較して患者から大きく離れた距離に位置付けられることができ、したがって、細菌又は他の汚染物質が患者に移動する可能性を更に低減する。少なくとも一実施形態において、モジュール及び容器はドッキングステーションの上又は中に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、ドッキングステーションは、無線送信機及び/又は受信機を含む場合があり、それによってモジュール及び/又は外科用器具がドッキングステーションと無線により通信することができ、それによってドッキングステーションはモジュールと外科用ステープラーとの間のデータ又は情報を中継することができる。上記と同様の少なくとも一実施形態において、第2部分又はモジュールは、1つ以上の端子又は接触子、例えば端子403を含む場合があり、これはドッキングステーションの端子又は接触子と操作可能に係合するために、モジュールを保存する容器、例えばバッグ401を貫通するように構成され得る。少なくとも一実施形態において、モジュールはドッキングステーションと直接係合する場合があり、ドッキングステーションは、外科用器具の第1の部分と無線により通信するように構成され得る無線送信機及び/又は受信機を含み得る。様々な外科用器具が米国特許出願第11/651,771号、表題「POST−STERILIZATION PROGRAMMING OF SURGICAL INSTRUMENTS」に開示され、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。

ある種の実施形態において、外科用器具は、第1のガンマ線滅菌プロセスによって滅菌され得る第1部分と、第2のガンマ線滅菌プロセスによって滅菌され得る第2部分と、を含み得る。少なくとも一実施形態において、第2のガンマ線滅菌プロセスは、第1のガンマ線滅菌プロセスの例えばガンマ線の強度及び/又は持続時間よりも低い強度及び/又は短い持続時間を有し得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、第2部分は、例えば、記憶装置又はプロセッサなどの、並びに/又は放射線のより低い強度及び/若しくはより短い持続時間に耐え得る他の放射線反応性構成要素を含み得る。様々な実施形態において、結果として、第1の部分は、第1の封止した無菌エンクロージャ内で滅菌され得、第2部分は、第2の封止した無菌エンクロージャ内で、別個に又は別々に滅菌され得る。このような実施形態において、ガンマ線は、場合により異なるレベルの滅菌ではあるが、第1及び第2部分の両方を滅菌するために使用され得る。いずれにせよ、外科用器具の第1及び第2部分は、例えば、手術室に供給される場合があり、かつ一緒に組み立てられ、操作可能に係合し及び/又は他の方法で互いに関して好適に配置され得る。

いくつかの実施形態において、外科用器具は、別個に滅菌され得る3つ以上の部分を含み得る。少なくとも一実施形態において、外科用器具は、第1滅菌プロセスによって滅菌され、例えば第1の封止した無菌容器で手術室に供給され得る第1の部分と、第2滅菌プロセスによって滅菌され、第2の封止した無菌容器で手術室に供給され得る第2部分と、第3滅菌プロセスによって滅菌され、第3の封止した無菌容器で手術室に供給され得る第3部分とを含み得る。少なくとも1つの、このような実施形態において、第1の部分は、外科用器具のエンドエフェクタ、例えば外科用器具300のエンドエフェクタ12を含んでもよく、第2部分は、ハンドル、例えば、ハンドル6を含んでもよく、第3部分は、選択的に取り付け可能なモジュール、例えばモジュール402を含んでもよい。上記に加え、いくつかの実施形態において、第1の部分は、例えばガンマ線滅菌プロセスによって滅菌することができ、第2部分は、例えば第1放射線滅菌プロセスよりも低い強度及び/又は短い持続時間を有するガンマ線滅菌プロセスによって滅菌することができ、第3部分は、例えば、非放射線滅菌プロセスによって滅菌することができる。いずれにせよ、1つ以上の部分が、外科用器具の他の部分と組み合せられるか、操作可能に係合するか、及び/又は別の方法でこれに対して好適に配置される際に、これらのエンクロージャ内に封止されたままであるか、及び/又は部分的にのみ、ここから取り出され得る。

場合によっては、半無菌若しくは未無菌の電源、他の構成要素、及び/又は他の電子的構成要素を、外科手術中に使用する外科用器具と、操作可能に係合及び/又は係合離脱するのが所望され得る。一実施形態において、電源、他の構成要素、及び/又は他の構成要素は、外科用器具内に画定された空洞の中に、少なくとも部分的に着脱自在に位置付けられることができる。種々の状況において、電源及び/又は電子的構成要素は非滅菌であってもよく、部分的に滅菌されてもよく、及び/又は非滅菌部分若しくは部分的に滅菌された部分を含んでもよく、一方で、例えば、外科用器具は、例えばガンマ線滅菌プロセスなどの滅菌プロセスを用いて完全に滅菌されてもよい。外科用器具は、上述の容器301などの密閉容器の中にある間に完全に滅菌され得る。滅菌プロセスは前述と同じであり得る。本明細書で用いられる場合、用語「無菌」又は「滅菌」は、外科手術中の露出使用(即ち、手術室及び/又は患者にさらされる)に十分なレベルまで、滅菌プロセスを介して処理されることを意味し得る。用語「非滅菌」「半滅菌」「非無菌」「無菌でない」「未無菌の」及び/又は「部分的に滅菌された」は、滅菌プロセスを介して処理されていない、滅菌プロセスによって部分的に処理されている、及び/又は滅菌プロセスによって処理されているが、外科手術中に露出使用されるのに十分なレベルまでではないことを意味し得る。

未無菌の電源及び/若しくは他の電子的構成要素、又はそれらの一部分は、ほとんどの場合、例えば電源及び/又は他の電子的構成要素上の様々な細菌、汚染物質、及び/又は微生物によって引き起こされる、外科手術中の手術室及び/又は患者の汚染を少なくとも最小限にするために、外科手術中に患者又は手術室に暴露されないようにすべきである。様々な実施形態において、例えば、電源は、外科用器具に電力を供給するように構成され得、電子的構成要素は、外科用器具を制御及び/又は操作させるように構成され得る。他の様々な実施形態において、電子的構成要素は、外科用器具により実施される様々なタスク又は作業を記録するように構成され得る。一実施形態において、電子的構成要素は、1種以上の電子的構成要素を含み得る。他の様々な実施形態において、電子的構成要素は任意であることができ、1つ以上の電源が提供されることができる。

様々な実施形態において、外科用器具システムは、例えば、外科用器具の非無菌又は半無菌部分(例えば電源又は様々な電子的構成要素など)が、外科用器具の無菌部分に少なくとも部分的に挿入されかつこれと共に使用されるのを可能とするように構成され得る。ある種の実施形態では、電源及び/又は電子的構成要素は、第1の滅菌処理によって第1の滅菌度まで処理されることができ、無菌部分は、第2の部分が無菌となるように、第2の滅菌処理によって第2のより高い滅菌度まで処理されることができる。場合によっては、第1及び第2の滅菌処理は、同じ、類似の、又は異なる滅菌方法を含み得る。

一実施形態において、図61及び図62を参照すると、外科用器具システムは、第1の部分502と第2の部分504とを含む、外科用器具500を含むことができる。外科用器具500は、上述の外科用器具300及び400と同様の構成要素を含むことができるが、第2の部分504上の又はこれに取り付けられる閉鎖部材506を更に含むことができる。様々な実施形態において、閉鎖部材506は、外科用器具500の、第1の位置と、空洞508を覆う第2の位置又は第2の部分504の中に画定される受けスロットとの間で、移動するように構成され得る。使用に先立ち、第2の部分504は、例えば、容器301などの密閉容器の中に詰められて、上述のように滅菌され得る。一実施形態において、第2の部分504は、その中に空洞508を画定する壁512を有する外科用器具本体510を含む。第1の部分502は、例えば、電池などの電源、及び/又は例えばコントローラチップなどの1つ以上の電子的構成要素を含み得る。第1の部分502は、膜514によって封入され得る、又は密封パッケージ(これも同様に514)内に封入され得る。一実施形態において、膜又は密封パッケージ514は、微生物不透過性バリア層を含み得る。図示されていないが、第1の部分502は、第1の膜内に格納されている電源と、第2の膜内に格納されている様々な電子的構成要素とを含み得る。電源を封入する第1の膜及び様々な電子的構成要素を封入する第2の膜は共に、空洞508内に位置付けられ得る、又は、例えば外科用器具本体510内に画定される別の空洞内に位置付けられ得る。前述の外科用器具システムを提供することにより、非無菌又は半無菌の第1の部分502は、手術室、第2の部分504の患者に対して露出する表面、及び/又は患者を汚染することなく、外科手術中に無菌の第2の部分504と共に選択的に使用され得る。他の様々な実施形態において、第1の部分502は無菌であることができ、更なる予防措置のために依然として膜514の中に入れられることができる。

一実施形態において、図61〜図63を参照すると、第1の部分502は、電力供給装置又は電力源(例えば、負荷に電気エネルギーを供給する装置又はシステムなど)などの電源503を含み得る。様々な実施形態において、電源503は、化学エネルギーを蓄積するための電気化学ガルバニ電池を1つ含む、又は複数の電気化学ガルバニ電池の組み合わせを含む電池であり得る。複数の電気化学ガルバニ電池は、組み合わされて、単一セルより高い電圧又は高い電流を供給することができる。一実施形態において、電池は、再充電不可能な一次電池を含み得る。再充電不可能な電池としては、とりわけ、亜鉛と酸化マンガン(IV)(Zn/MnO2)との間の反応を利用することができるアルカリ電池及びアルカリセル、亜鉛炭素電池、塩化亜鉛電池、及び酸化銀電池などが挙げられる。アルカリ電池は、水酸化カリウムのアルカリ性電解物を含み得る。一実施形態において、電池は、再充電可能な二次電池を含み得る。再充電可能な電池は、電気的に可逆的な電気化学反応を用いることができ、また、様々な異なるサイズとして供給されることができ、かつ様々な化学反応の組み合わせを用いることができる。一般的に使用される二次電池(「再充電可能な電池」)の化学反応は、鉛酸、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)、及びリチウムイオンポリマー(Li−イオンポリマー)である。他の実施形態において、電源503は、本電源に接続された直流(DC)電力供給装置、交流(AC)電力供給装置、又は50又は60Hz周波数スイッチモード電源のその他の汎用の電力供給装置であり得る。一例として、スイッチモード電力供給装置は、入力及び出力波形に従って次の4つの種類に分類され得る:(1)AC IN、DC OUT:整流器、オフライン変換器入力段;(2)DC IN、DC OUT:電圧変換器、若しくは電流変換器、又はDCツーDC変圧器;(3)AC IN、AC OUT:周波数変換器、サイクロコンバータ、変圧器;あるいは(4)DC IN、AC OUT:インバータ。他の実施形態において、第1の部分502は、例えば、上述された状態モジュール302などの状態モジュールを含み得る。

上記に加えて、更に他の様々な実施形態において、第1の部分502は、例えば、外科用器具500を制御する及び/又は外科用器具500に指示を与えるように構成された、マイクロプロセッサなどのその他の任意の電子的構成要素を含み得る。様々な実施形態において、そのような電子的構成要素は、コンピュータシステム、コンピュータサブシステム、コンピュータ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路、プログラム可能論理回路(PLD)、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などのプロセッサ、インターフェース、入出力(I/O)装置、スイッチ、サーキット、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、トランジスタ、又は任意のその他の装置、マシン、ツール、機器、構成部品、あるいはこれらの組み合わせを含むことができ、又はこれらとして実装されることができる。一実施形態において、任意の電子的構成要素は、プロセッサが特定の機能を実行するように指示するための所定のコンピュータ言語、方法、又はシンタックスに従って、ソフトウェア、ソフトウェア・モジュール、アプリケーション、プログラム、サブルーチン、命令セット、算定コード、音声、記号、又はこれらの組み合わせによって制御され得る。コンピュータ言語例としては、C、C++、Java、BASIC、Perl、Matlab、Pascal、Visual BASIC、アセンブリ言語、マシンコード、ネットワークプロセッサのマイクロコードなどを挙げることができる。更に他の様々な実施形態において、第1の部分502は、例えば、外科用器具500の、種々の情報及び/又は作業を記録するように構成された、記憶装置などの他の任意の電子的構成要素を含み得る。一実施形態において、そのような電子的構成要素は、例えば、電源503と係合される、電源503の上又は近くに位置付けられる、及び/又は電源503のハウジングの上又は内に位置付けられることができる。

上記に加えて、様々な実施形態において、第1の部分502は、第2の部分504の1つ以上の電気端子又は接点520と電気的に係合するように構成され得る、1つ以上の電気端子又は接点518を含み得る。端子又は接点520は、第1の部分502が空洞508の中に位置付けられたときにこれらが端子518と係合され得るように、空洞508の中に位置付けられることができる又は空洞508の近くに位置付けられることができる。一実施形態において、端子518又は520によって生じる膜514のあらゆる穿孔が、空洞508の最深部の一箇所に近接するように、端子520は、外科用器具本体510の外側表面に対して、空洞508の最深部の一箇所に位置付けられることができる。第2の部分504の空洞508と係合すると、第1の部分502は第2の部分504と通信するように配置されることができ、その結果、例えば、電力、アナログ、及び/又はデジタル信号は、第1の部分502と第2の部分504との間で送信されることができる。ある種の実施形態では、第1の部分502上の端子518は、雄端子を含むことができ、第2の部分504上の端子520は、雌端子を含むことができ、その場合、両方の端子の間に電気接点を形成するために、雄端子518は雌端子520に係合される及び/又は雌端子520の中に挿入されることができる。第1の部分502の雄端子518はそれぞれ、例えば、第2の部分504の雌端子520と係合されるために十分な力で膜514に押し付けられたときに、膜514を穿孔する、突き刺す、又は切開するように構成された穿孔先端部522を含み得る。穿孔先端部(1つ又は複数)522によって膜514に形成された開口部(1つ又は複数)は、膜514内部からの汚染物質、細菌、又は微生物が膜514の外に移動するのを少なくとも阻止するために、端子518の外周よりもわずかに大きくあり得る。場合によっては、膜514の開口部(1つ又は複数)の側壁は、ここでも同様に、例えば、膜514内部からの汚染物質、細菌、又は微生物が膜514の外に移動するのを少なくとも阻止するために、端子518の外側部分と共にシール又はシール面を形成することができる。様々な実施形態において、図示されていないが、例えば、第1の部分502は1つ以上の雌端子を含むことができ、第2の部分504は1つ以上の雄端子を含むことができる。そのような実施形態では、第2の部分504の雄端子は、膜514を穿孔して、第1の部分502が十分な力で第2の部分504の端子に向けて押し進められると、第1の部分502上の雌端子に係合することができる。

他の様々な実施形態において、膜514は、例えば、膜514が所定の経路に沿って裂ける又は分離するように構成され得る、弱化部分、穿孔部分、及び/又は刻んだ線を含み得る。一実施形態において、端子518と端子520との中間に位置付けられた膜514の全部分は、穿孔されることができ、及び/又は端子518若しくは第1の部分502の領域が十分な力で膜514に押し当てられたときに、膜514の一部が膜514の残部から分離して、端子518を含む第1の部分502を暴露する又は端子518を含む第1の部分502を部分的に暴露することができるように、刻んだ線を含み得る。広くは、第1の部分502が空洞508内に位置付けられ、かつ空洞508が外部無菌環境から少なくとも部分的に封止されたときに、こうしたことが起こり得る。

様々な実施形態において、端子518が第2の部分504の端子520と接触する、又は少なくともほぼ接触し、かつ、閉鎖部材506が少なくともほとんど第1の位置にあり、それによって第2の部分504の無菌外側表面から空洞508が封止されるまで、端子518によって膜514に形成される開口部が形成されないように、第1の部分502は、端子518が膜514に穴を開ける前に空洞508に完全に又は部分的に挿入され得る。端子518及び520が互いに係合されると、それ自体が、膜514内部からの汚染物質、細菌、及び/又は微生物の移動に対するバリアを形成することができ、その理由は、端子518と520の係合は、第2の部分504の一部と第1の部分502の一部との間に圧縮密封を本質的に形成し、それによって膜514の一部をそれらの間に挟み込むことができるからである。そのような実施形態では、膜514はシールの役割を果たす。その結果、膜514の穿刺部位は、膜514内部の微生物及び/又は汚染物質が、患者の露出部又は第2の部分504の表面に移ることができないように保護される。

ある種の実施形態では、図示されていないが、第2の部分504は、第1の部分502に係合する、及び/又は第1の部分502によって係合されるように構成され得る1つ以上の取り付け部材又は部分を含み得る。一実施形態において、取り付け部材は、例えば膜514を穿孔するように構成され得、他の実施形態では、取り付け部材は、膜514を穿孔することなく第1の部分502に係合するように構成され得る。第1の部分502と第2の部分504との間の係合の任意の他の好適な形態を用いることも可能であり、該形態も本開示の範囲内である。

様々な実施形態において、図61〜図63を参照すると、外科用器具500の第2の部分504は、近位端526と遠位端528とを有するシャフト524を含み得る。外科用器具本体510は、近位端526から延びることができ、例えば、第1の引き金と第2の引き金とを含む引き金部分530を含むことができる。引き金部分530は、エンドエフェクタ532を作動させるために使用することができるように、シャフト524の遠位端528から延びるエンドエフェクタ532と操作可能に係合され得る。他の実施形態では、引き金部分530の代わりに、作動ボタン又は部材(図示せず)を使用することができる。そのような実施形態では、エンドエフェクタ532は、例えば、組織を封止するように構成された少なくとも1つの電極を含み得る。特定の他の実施形態において、エンドエフェクタ532は、例えば、組織封止機能、組織ステープリング機能、組織切断機能、組織接合機能、及び/又は任意のその他の好適な手術機能を実施するように構成された、任意の好適なエンドエフェクタを含み得る。一実施形態において、エンドエフェクタ532は、例えば、シャフト524の遠位端528に取り付け可能であり得る又はシャフト524の遠位端528に共に形成され得る。

様々な実施形態において、図61〜図63を更に参照すると、空洞508は、第2の部分504の外科用器具本体510内に画定され得る。ある種の実施形態では、壁512は、外科用器具本体510の中の空洞508の境界を画定し得る。空洞508は、第1の部分502を収容するために構成された任意の好適な形状を画定し得る。一実施形態において、空洞508は、1つ以上の電気端子520を含む第1の領域と、空洞508と連通した外科用器具本体510の開口部又は通路を含む第2の領域とを含み得る。第2の部分504の空洞508は、第1の部分502を少なくとも部分的に又は完全に受容するように構成されることができ、第1の部分502は、膜又は密封パッケージ514によって封入される及び/又は取り囲まれる。任意のシール又は密封面(図示せず)が、空洞508の第2の領域の開口部又は通路の周囲に、近くに、これを囲むように、又は部分的に囲むように形成され得る。このようなシール又は密封面は、例えば、閉鎖部材506の一部、あるいは閉鎖部材506のシール又は密封面と係合されて、微生物不透過性又は少なくとも部分的に微生物不透過性のシールを形成することができ、このシールは、例えば、膜514が端子518によって任意に穿孔された場合に、第1の部分502上又は膜514内の細菌、微生物、及び/又は汚染物質が、空洞508の外側に移動するのを少なくとも阻止することができる。

ある種の実施形態では、図61〜図63を再度参照すると、閉鎖部材506は、空洞508の第2の領域の開口部に近接する第2の部分504に取り付けられる、係合される、又は旋回可能に若しくは回転可能に取り付けられることができる。一実施形態において、閉鎖部材506は、閉鎖部材506が空洞508の第2の領域と密封可能に係合又は密封可能に接触している第1の位置と、閉鎖部材506が空洞508の第2の領域と少なくとも一部が密封可能に係合又は密封可能に接触していない、あるいは空洞508の第2の領域と密封可能に係合又は密封可能に接触していない第2の位置との間で、移動可能、摺動自在、回転可能、及び/又は旋回可能であり得る。一実施形態において、第1の位置は、空洞508が外科用器具本体510の外側表面から少なくとも部分的に又は完全に封止されている閉鎖位置であり得、第2の位置は、空洞508が外科用器具本体510の外側表面から完全に封止されていない開放位置であり得る。第1の位置にあるとき、例えば、閉鎖部材506は、空洞508の第2の領域のシール又は密封面と接触することができる。

上記に加えて、様々な実施形態において、閉鎖部材506は、上面536と、底面538と、任意のシール又は密封面(図示せず)とを含み得る。任意のシール又は密封面は、底面538の外辺部に近接して位置付けられることができ、及び/又は、空洞508の第2の領域と係合するように構成された閉鎖部材506の外周に近接して、これを囲んで、又は部分的に囲んで位置付けられることができる。シール又は密封面は、空洞508の第2の領域又は第2の領域上のシール若しくは密封面と係合すると、外科用器具本体504の空洞508と無菌外側表面との間に、微生物不透過性バリア又は少なくとも微生物抵抗性バリアを形成するように構成され得る。このようなバリアは、半無菌又は非無菌の第1の部分502による第2の部分504の外側表面の微生物汚染を少なくとも阻止することができる。

様々な実施形態では、第1の部分502が少なくとも部分的に空洞508の中に位置付けられると、閉鎖部材506の底面538は、第1の部分502と接触し、閉鎖部材506が第2の位置から第1の位置に移動されるときに第1の部分502を空洞508の中の更に深く押し込むことができる。一実施形態において、図63の代表的な図を参照すると、底面538は、そこから突出した任意のカム表面540を含み得る。カム表面540は、弾力材及び/又は非可撓性材料からなることができる。ある種の実施形態では、閉鎖部材506は、カム表面540に作用しかつバイアスをかけることができる、例えば、片持ちバネ及び/又は板バネなどのバネを含み得る。一実施形態において、カム表面540は、第1の部分502と係合されて、閉鎖部材506が第2の位置から第1の位置に移動されるときに第1の部分502を空洞508の中の更に深く又は更に遠くに押し込むように構成され得る。カム表面540及び/又は底面538は、閉鎖部材506が第1の位置へと少なくとも部分的に又は完全に移動されるときに、第1の部分502上の1つ以上の端子518(雄)に膜514を穿孔させ、この端子を第2の部分504上の1つ以上の端子520(雌)と係合させることができる力を、第1の部分502に伝達することができる。他の様々な実施形態において、カム表面540又は底面538は、閉鎖部材506が第1の位置へと少なくとも部分的に又は完全に移動されるときに、第2の部分504の1つ以上の端子(雄)に膜514を穿孔させ、この端子を第1の部分502の1つ以上の端子(雌)と係合させることができる力を、第1の部分502に伝達することができる。そのような場合には、端子518及び520は、係合すると互いに電気的導通状態となり得る。様々な実施形態において、閉鎖部材506は、例えば、第1の位置と第2の位置との間を、手動で及び/又は自動的に移動、摺動、回転、及び/又は旋回することができる。閉鎖部材506が旋回又は回転される実施形態では、例えば、閉鎖部材506は、ヒンジ521を含むことができる又はヒンジ521に取り付けられることができる。様々な実施形態において、閉鎖部材506及び/又は第2の部分504は、閉鎖部材506を第1の位置に保持するための任意の好適なラッチシステム523を含み得る。ラッチシステム523は、第1の部分502を空洞508の中に封止するのを助けるために使用され得る。

閉鎖部材506が第2の位置から第1の位置に移動されるときに端子518の穿孔先端部522で膜514を穿孔することにより、第1の部分502の上及び/又は膜514の内部に存在し得るあらゆる汚染物質、細菌、及び/又は微生物を、閉鎖部材506のおかげで空洞508の中に封じ込めることができる。言い方を変えれば、空洞508の第2の領域上の閉鎖部材506と任意のシール若しくは密封面、及び/又は閉鎖部材506のおかげで、第1の部分502が空洞508の中に少なくとも部分的に、及び可能であれば完全に、封入又は封止されているときに、膜514は穿孔先端部522によって穿孔されてもよい。その結果、手術部位、第2の部分504の無菌外側表面、及び/又は患者を汚染せずに、半無菌又は非無菌の第1の部分502を無菌の第2の部分504と共に使用することができる。

様々な実施形態において、第1の部分502が、膜514の内部に封入及び/又は封止されている状態で空洞508の中に少なくとも部分的に位置付けられると、膜514と空洞508の壁512とは、例えば、第1の部分502の空洞508の中への密着嵌合のおかげで、互いに封止可能に係合され得る。このような特徴は、端子518の穿孔先端部522が膜514を穿孔した後に、あらゆる汚染物質、細菌、及び/又は微生物が空洞508から漏出するのを阻止するのを支援することができる。更に、膜514の穿孔は、空洞508の最深部のうちの一箇所で生じ得る。結果として、膜514と空洞508の壁512との間の密封可能な係合のおかげで、膜514を出るあらゆる汚染物質を封止された空洞508内に保持することができるだけでなく、空洞508の深部内に保持することができる。言い方を変えれば、膜514と壁512との間の密封可能な係合は、空洞508から漏出する汚染物質の追加の防護層を加えることができる。

特定の他の実施形態において、閉鎖部材506は、閉鎖部材506を通って延在する開口部を挿通する押しスクリュー(pushing screw)(図示せず)を含み得る。そのような実施形態では、閉鎖部材506は、空洞508の第2の領域上の第1の閉鎖位置の中に移動して、空洞508を外部環境及び/又は第2の部分504から少なくともほとんど又は完全に封止することができる。次に、押しスクリューの作動装置又はハンドルは、回転され、ないしは別の方法で作動されて、ハンドルから遠位の押しスクリューの末端部を第1の部分502と係合させて、第1の部分502を空洞508の中の更に深く又は更に遠くに押し込むことができる。そのような場合には、空洞508内部の細菌、微生物、及び/又は汚染物質が開口部を通って空洞508から出て行って、無菌の第2の部分504の表面を汚染するのを少なくとも阻止するために、閉鎖部材506の開口部及び/又は開口部の側壁若しくはねじ山と接触する押しスクリューの一部は、シール、密封面、又はシーリング材を含み得る。そのような実施形態では、あらゆる汚染物質を空洞508内部に保持するために閉鎖部材506が完全に閉鎖位置にあるときに、膜514が穿孔され得る。

様々な実施形態において、閉鎖部材506が開放位置と閉鎖位置との間で移動する際に、閉鎖部材506は、様々な段階で第1の部分502に作用することができる。第1の段階で、閉鎖部材506は第1の部分502と係合されることができる。第2の段階で、閉鎖部材506が閉鎖位置に向けて移動するにつれて、閉鎖部材506は第1の部分502を空洞508の中に押し込み始めることができる。第3の段階で、閉鎖部材506は、例えば、端子518(雄)を端子520(雌)に係合させることができる。この第3の段階の間に、空洞508の第2の領域の開口部若しくは通路の周囲のシール、及び/又は閉鎖部材506の外周近くのシールが係合されて、空洞508を外科用器具500の外面から封止し始めることができる。第4の段階で、閉鎖部材506は端子518に膜514を穿孔させ、閉鎖部材506が完全に閉鎖位置に移動したときに、端子520とを電気的導通状態にすることができる。この穿孔中に、本明細書において前述されたような1つ以上の適切に位置付けられたシールは、閉鎖部材506が完全に閉鎖位置に移動したときに圧縮されて、好適なシールを形成することができる。

他の様々な実施形態では、第1の部分502は、第1の部分502から延びる穿孔先端部を有する端子を含んでいなくてもよく、また、無線で又は誘導を介して、それぞれ、第2の部分504と通信することができてもよく及び/又は第2の部分504に電力を提供することができてもよい。その結果、ある種の実施形態では、膜514は全く穿孔される必要がなく、それによってあらゆる微生物、汚染物質、及び/又は細菌を膜514の中に保持することができる。第1の部分502が誘導を介して第2の部分504と通信する実施形態では、それらの間で電力が伝送されることができるように、第1の部分502は空洞508の中に位置付けられることができ、第1の部分502の接点は、第2の部分504の接点の近くに位置付けられることができる。第1の部分502が第2の部分504に電気信号を無線で送信する他の実施形態では、第1の部分502は、例えば、手術室内の任意の好適な場所に、又は手術室に近接した場所に位置付けられることができる。そのような実施形態では、第1の部分502及び第2の部分504は共に、それらの間でこうした無線通信を達成するために無線送信機と無線受信機とを含み得る。その結果、非無菌又は半無菌の第1の部分502は、無菌の第2の部分504及び/又は患者から離れた距離に位置付けられることができ、それによって、第1の部分502上及び/又は膜514内の汚染物質、細菌、及び/又は微生物が、手術部位、第2の部分504の外側表面、及び/又は患者を汚染する可能性が更に低減される。上述と同様に、第1の部分502もまた、例えば、ドッキング・ステーションに位置付けられることができる。例えば、第1の部分502が第2の部分504と無線通信する場合、ある種の実施形態では、空洞508を排除することができる。

様々な実施形態において、第1の部分502上のあらゆる細菌、微生物、及び/又は汚染物質を、膜514の中に保持することができるように、膜514は、ガス透過性で微生物不透過性の材料又はバリア層からなることができる。ある種の実施形態では、例えば、膜514は、ガス不透過性で微生物不透過性の材料からなることができる。例えば、好適な膜材料は、抗菌コーティングされたTYVEK(登録商標)材料などのポリエチレン材料を含み得る。抗菌コーティングは、例えば、ポリエチレン材料に抗菌性を施すための、エステル類、脂質類、及び/又は銀イオンを含み得る。一実施形態において、例えば、FC−808(フルオロ脂肪族エステル)などのフルオロカーボン剤を、抗菌コーティングとして使用することができる。

場合によっては、例えば、蒸気、エチレンオキシド、オゾン、及び/又は過酸化水素滅菌処理などの滅菌処理が第1の部分502に施された後に、第1の部分502を膜514の中に位置付けられることができる。他の例では、第1の部分502が膜514の中に封止されている又は膜514によって封入されている状態で、第1の部分502に滅菌処理をすことができる。いずれの場合にも、第1の部分502は膜514の中に位置付けられることができ、次に、膜514は、例えば、熱融着などの任意の好適な封止方法を用いて封止されることができる。したがって、第1の部分502上のあらゆる細菌、微生物、及び/又は汚染物質は、膜514の内部に収容されることができ、手術室、第2の部分504の外側表面、及び/又は患者に暴露される可能性はない。

操作中、外科用器具システムは、第2の部分504の外側表面を汚染することなく、非無菌又は半無菌の第1の部分502が無菌の第2の部分504に係合するのを可能にし得る。したがって、第2の部分504は、非無菌又は半無菌の第1の部分502を収容している状態で手術室で使用されて、患者にさらされることができる。一実施形態において、第1の部分502は、手術現場(即ち、無菌環境、手術室の場合もある)の外で、膜514の中に位置付けられかつ封止され得る。第1の部分502はその後、膜514の中に封止された状態で手術現場に持ち込まれることができる。例えば、第2の部分504もまた、容器301などの無菌容器に入れられて手術現場に持ち込まれることができる。次に、第2の部分504を無菌容器から取り出した後、まだ膜514の中にある第1の部分502を、第2の部分504の外科用器具本体510の中に画定された空洞508の中に位置付けられることができる。場合によっては、第1の部分502は、空洞508の中にぴったりとフィットする及び/又はプレス嵌めされることができ、膜514は、空洞508の壁512に封止可能に係合して、膜514と壁512との間にシール又は密封可能な係合を形成することができる。次いで、閉鎖部材506を、第2の少なくとも部分的に解放された位置から、第1の閉鎖位置へと移動させることができる。例えば、閉鎖部材506が第2の位置から第1の位置へと移動されると、閉鎖部材506の底面538又は任意のカム表面540は、第1の部分502に対して作用して、第1の部分502を空洞508の中に更に押し込み、かつ端子518又は520に膜514を穿孔させ、第1の部分502と第2の部分504との間に電気的接続を形成することができる。次に、外科医は、第1の部分502が第2の部分504の空洞508の中に収容された状態で、外科手術のために外科用器具システムを使用することができる。

外科手術の後、外科用器具システムは手術部位から取り外されることができ、閉鎖部材506は、第1の位置から第2の位置へと移動されることができ、第1の部分502は第2の部分504から取り外されることができる。第1の部分504は、その後、残っている膜514から取り出されることができ、残っている膜514は廃棄されることができる。様々な実施形態において、第1の部分502は、任意に修整、滅菌、又は部分的に滅菌された後、新しい膜514の中に位置付けられて、別の無菌の第2の部分504と共に使用するために備えられることができる。他の様々な実施形態において、第1の部分502は、全く処理又は滅菌されずに、新しい膜514の中に位置付けられることができる。その結果、第1の部分502は、通常無菌でないが、事前又は後続の滅菌の必要なく、又は少なくとも第2の無菌部分504のレベルまで滅菌する必要なく、複数の外科手術で再使用されることができる。

様々な実施形態において、電源、コントローラチップ、プログラミング・チップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、状態モジュール、及び/又はその他の様々な電子的構成要素といった電子的構成要素を提供することが所望され得、これらは、例えば、抗菌性又は微生物抵抗性材料でコーティングされている、又は抗菌性又は微生物抵抗性材料を含むハウジングの中に提供される。したがって、こうした様々な電子的構成要素は、従来の滅菌技術、例えば、ガンマ線滅菌技術などを用いて滅菌される必要がない場合がある。様々な実施形態において、例えば、ハウジング及びコーティングの材料は、細菌又は微生物による汚染を実際に防止する、殺菌する、又は少なくとも阻止することができる。こうした電子的構成要素は、一般に、外科用器具を制御する及び/又はこれに電力を供給するために、無菌外科用器具又はその一部に取り付け可能又は係合可能であるので、例えば、こうした電子的構成要素は無菌外科用器具を汚染しないのが望ましくあり得る。一実施形態において、例えば、ハウジングの中の又は抗菌性又は微生物抵抗性材料でコーティングされた電子的構成要素は、前述の膜514の中に位置付けられることができる。

一実施形態において、1つ以上の電子的構成要素は、例えば、銀又は抗菌性脂質などの抗菌材料又は微生物抵抗性材料からなるハウジングの中に位置付けられる又は封入されることができる。他の実施形態において、ハウジングは、抗菌材料又は微生物抵抗性材料からなる外側表面を含むことができる。特定の他の実施形態において、電子的構成要素は、抗菌コーティング又は微生物抵抗性コーティングでコーティングされることができる。いずれの場合にも、電子的構成要素は、ハウジングの中に位置付けられる前に、又は電子的構成要素上に存在する汚染物質、細菌、及び/又は微生物の量を低減するためにコーティングされる前に、抗菌性石鹸溶液及び/又は他の抗菌性溶液の中で浴処理され得る。様々な実施形態において、電子的構成要素から延びる又は電子的構成要素の上に位置付けられる1つ以上の電気接点又は端子は、導電性の抗菌材料又は導電性の微生物抵抗性材料からなることができ、及び/又は導電性の抗菌材料又は導電性の微生物抵抗性材料でコーティングされることができる。銀は、そのような導電性材料の一例であり得る。

ハウジングが電子的構成要素の周囲に提供される実施形態では、電子的構成要素の操作中にそれらを冷却するのを可能とするために、1つ以上の通気口がハウジングに設けられることができる。この通気口は、例えば、空気などのガスがハウジングに流れ込む及びそこから流れ出すことができ、かつ電子的構成要素を冷却することができるが、電子的構成要素上又はハウジング内のあらゆる微生物、細菌、及び/又は汚染物質がハウジングから出て行くのを防止する、又は少なくとも阻止するために、ガス透過性かつ微生物不透過性の材料、例えば、TYVEK(登録商標)などのポリエチレン材料で覆われることができる。一実施形態において、通気口を覆う材料は、抗菌コーティングを含み得る。こうした抗菌コーティングは、例えば、通気口を覆う材料に抗菌性を付与するために、エステル類、脂質類、及び/又は銀イオンを含み得る。一実施形態では、例えば、FC−808(フルオロ脂肪族エステル)などのフルオロカーボン剤を、抗菌コーティングとして使用することができる。ある種の実施形態では、ハウジング又は電子的構成要素自体は、電子的構成要素から熱を消散させるように構成されたフィン又は放熱板を含み得る。こうしたフィン又は放熱板は、熱伝導性の抗菌性又は微生物抵抗性材料からなる又は熱伝導性の抗菌性又は微生物抵抗性材料でコーティングされることができる。

様々な実施形態において、例えば、コントローラチップなどの1つ以上の電子的構成要素は、例えば、電源などの別の電子的構成要素に結合され得る。一実施形態において、電子的構成要素は、電源に取り付けられる、電源と共に形成される、電源と共にハウジング内に位置付けられる、及び/又は別様に電源と組み合わせられることができる。様々な実施形態において、電源は提供されなくてもよく、電子的構成要素のみがハウジング内に位置付けられる及び/又は抗菌性又は微生物抵抗性材料でコーティングされることができる。図64及び図65は、例えば、電源などの代表的な電子的構成要素を例示している。当業者は、本開示はそのように限定されるものではないことを理解するであろう。

一実施形態において、図64〜図66を参照すると、電源、プログラマブル・コントローラのチップ、及び/又はプログラマブル・コントローラなどの1つ以上の電子的構成要素600は、例えば、それらの上に抗菌コーティング又は微生物抵抗性コーティング601を有することができ(例えば、図64参照)、及び/又は、抗菌材料又は微生物抵抗性材料からなる又は抗菌材料又は微生物抵抗性材料から部分的になる外側表面604を含むハウジング602によって囲まれることができる(例えば、図65及び図66参照)。様々な実施形態において、一部の代表的な抗菌材料又は微生物抵抗性材料は、銀イオンが埋め込まれたプラスチック、細菌を寄せ付けない又は殺菌するナノ構造を含むプラスチック又は金属、例えば、シャークスキン及びナノカーボンチューブなど、及び/又は電源からそこを通って流れるトリクル電流を有するように構成された酸化チタンマイクロチャネルを含む材料を含み得る。シャークスキンは、例えば、細菌、微生物、及び/又はその他の汚染物質がその表面に付着するのを防止する、又は少なくとも阻止することができる。他のナノ構造材料は、細胞を殺菌するため及び/又は細胞内ウイルス材料を破壊するために、望ましくない細胞(即ち、細菌、微生物、及び/又はその他の汚染物質)を突き刺すための小刀のような働きをすることができる。一実施形態において、電源からのトリクル充電を使用することにより、外側ハウジング602はわずかに電力供給又は帯電されて、その上に存在する細菌、微生物、及び/又はその他の汚染物質を殺菌することができる。例えば、一部の抗菌又は微生物抵抗性コーティングは、ヨウ素、例えばペニシリンなどの抗生物質、抗菌性脂質、及び/又は銀イオンコーティングを含み得る。言うまでもなく、当業者は、任意のその他の好適な抗菌性若しくは微生物抵抗性材料、又はコーティングを使用して、ハウジング602の一部を構成することができること、あるいは、これらを電子的構成要素600又はハウジング602のコーティングとして使用することができることを認識するであろう。

様々な実施形態において、図64及び図65を参照すると、電子的構成要素600は、1つ以上の電気接点又は端子606を含むことができる。1つ以上の電気端子606は、例えば、電子的構成要素600が、デジタル信号、アナログ信号、及び/又は電気信号を介して外科用器具と通信することができるように、外科用器具の1つ以上の電気接点又は端子(図示せず)と係合され得る。電気端子606が微生物又は細菌による汚染に少なくとも部分的に抵抗性であるように、電気端子606は、抗菌材料又は微生物抵抗性材料でコーティングされる又は該材料から形成されることができる。電気端子606がハウジング602から延びる場合、電子的構成要素600からの微生物、細菌、及び/又は汚染物質がハウジング602から出て行くのを少なくとも阻止するために、電気端子606がハウジング602を通って延びる場所にシール(図示せず)を位置付けられることができる。電気端子606が電気又は電気信号を導通することができるように、電気端子606の抗菌材料又は微生物抵抗性材料は、一般に導電性であってもよく、又は導電性の部分を少なくとも有してもよい。様々な実施形態において、例えば、電気端子606は、上述された穿孔先端部522と同様の穿孔先端部622を有することができ、この穿孔先端部622は、上述された膜514と同様の膜又は密封パッケージを穿孔するように構成され得る。

様々な実施形態において、例えば、熱放散装置又は構造は、ハウジング602上に位置付けられる、ハウジング602に取り付けられる、ハウジング602と一体に形成される、電子的構成要素600と共に形成される、電子的構成要素600に取り付けられる、並びに/又は電子的構成要素600及び/若しくはハウジング602と熱的接触状態にあることができる。1つの代表的な実施形態において、図64を参照すると、フィン又は放熱板610が、電子的構成要素600から延出した状態で示されている。フィン又は放熱板610は、例えば銀などの、極めて熱伝導性の抗菌材料若しくは微生物抵抗性材料からなることができ、及び/又は抗菌材料若しくは微生物抵抗性材料でコーティングされることができる。他の実施形態において、例えば、フィン又はヒート・シンク610は、アルミニウム及び/又はステンレス鋼からなることができ、その場合、例えば、アルミニウム及び/又はステンレス鋼は、銀などの抗菌材料又は微生物抵抗性材料でコーティングされ得る。フィン又は放熱板610にコーティングが塗布される実施形態では、電子的構成要素600からの熱を消散するのを助けるために、フィン又は放熱板610は、高い熱伝導性の材料からなることができる。抗菌材料、微生物抵抗性材料、抗菌コーティング、及び微生物抵抗性コーティングは、例えば、前述のものと同じであり得る。一実施形態において、フィン又は放熱板610は、ハウジング602の、抗菌材料、微生物抵抗性材料、抗菌コーティング、及び/又は微生物抵抗性コーティングと異なる微生物抵抗性材料、微生物抵抗性材料、抗菌コーティング、及び/又は微生物抵抗性コーティングを含み得る。例えば、放熱板又はフィン610は、ハウジング602の材料又は電子的構成要素600のコーティングよりも良好な伝熱性を有する材料からなることが可能である。

様々な実施形態において、図65を参照すると、通気口612のような1つ以上の通気口が、例えば、ハウジング602の中に画定され得る。ハウジング602の中の1つ以上の電子的構成要素600が、電子的構成要素600の操作又は駆動中に冷却されることができるように、通気口612は、空気などのガスが、例えば、ハウジング602に流れ込む又はハウジング602から流れ出るのを可能にすることができる。一実施形態では、ガスを通り抜けさせることができるように構成されているが、ハウジング602内の微生物が通気口612を通過するのを防止又は少なくとも阻止するように構成された、微生物不透過性でガス透過可能なバリア層614で、通気口612を覆うことができる。通気口612は、前述のフィン又は放熱板610に加えて又はその代わりに、ハウジング602上で使用され得る。様々な実施形態において、図66は、図65の線66−66に沿った断面図を示している。かかる実施形態では、ハウジング602は、例えば、それぞれ600と標示された電源及びコントローラチップなどの2つの電子的構成要素を囲んで示されている。その結果、電子的構成要素600上に存在するあらゆる汚染物質、細菌、及び/又は微生物が、ハウジング602の封止特性のせいで、どのようにハウジング602の中に収容され得るかが示されている。

いくつかの実施形態の記載により本開示が説明され、例示的実施形態がかなり詳細に記載されているが、出願人には添付された請求範囲をかかる詳細によっていかなる方法によっても制限する意図はない。更なる利点及び改変が、当業者には容易に明白となるであろう。更に、本明細書に開示される実施形態は外科用器具に関連して記載されてきたが、他の実施形態は、任意の好適な医療用装置に関連して想定される。本開示は例示的な設計を有するものとして記載されたが、本開示は本開示の趣旨及び範囲内で更に修正され得る。本出願はしたがって、その一般原則を使用した本開示のあらゆる変形、用途又は適応を包含することを意図する。更に、本開示は、本開示が関連する当該技術分野の既知又は慣用の実施方法の範囲内に入る、本開示からの逸脱を包含することを意図される。

以上、本開示の様々な実施形態が切断式外科用器具との関連において上記に記載されてきた。しかしながら、他の実施形態においては本明細書において開示される滅菌した外科用器具は切断式外科用器具である必要はないことに留意すべきである。例えば、非切断内視鏡、捕捉器具、ステープラー、ステープラー、クリップ・アプライヤー、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用器具、超音波、無線周波数、レーザー等を用いるエネルギー装置であり得る。ある種の実施形態では、超音波器具は滅菌されて、本明細書に開示される実施形態に従って使用されることができる。少なくとも1つのこのような実施形態において、超音波器具は、例えばハンドル及び/又はエンドエフェクタを含む第1の部分と、第1の部分と別個に滅菌され得る放射線反応性電子機器を含む第2部分とを含み得る。様々な超音波器具が、2000年5月16日に発行された米国特許第6,063,098号、表題「articulatable ultrasonic surgical apparatus」に開示され、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。本開示を開示された特定の実施形態に関連して記述してきたが、これらの実施形態に対する多くの修正及び変更を行うことが可能である。例えば、異なるタイプのエンドエフェクタが用いられてもよい。また、特定のコンポーネントについて材料が開示されたが、他の材料が使用され得る。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正形態及び変形形態すべてに及ぶものとする。

上記に加えて、本願で開示する異なるステープルカートリッジは使い捨てとすることができる。少なくとも1つの実施形態では、消費されたステープルカートリッジ又は少なくとも一部消費されたステープルカートリッジを外科用ステープラーから取り出して別のステープルカートリッジと交換することができる。他の異なる実施形態では、ステープルは外科用器具の通常の使用時には取り出しかつ/又は交換可能ではないが、特定の状況では下記に、より詳しく述べるように外科用ステープラーを再調整する間及び/又はその後で交換することができる。異なる実施形態において、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジキャリア、アンビル、切断部材、及び/又はステープルドライバを更に含みうる使い捨て式の装填ユニット又はエンドエフェクタの一部とすることができる。少なくとも1つのこうした実施形態では、使い捨て式装填ユニット又はエンドエフェクタの全体又は少なくとも一部分を外科用器具に取り外し可能に連結して、交換可能に構成することができる。

本明細書に記載されている装置は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又は、これらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用の後に再使用のために再調整することができる。再調整は、装置の解体工程、これに続く洗浄工程、又は特定部品の交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は解体することができ、装置の任意の数の部品又は構成要素は、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部品が洗浄及び/又は交換されると、続く使用のために装置を修繕施設において、又は外科手術の直前に外科チームによって組み立て直すことができる。当業者は、装置の再調整に、解体、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できることが理解するであろう。そのような技術の利用、及びその結果として得られる再調整された装置は全て、本開示の範囲に含まれる。

参考として本明細書に組み込まれると言われたいずれの特許、公開文献、又は他の開示資料も、全体又は一部を、その組み込まれた資料が本開示に示された既出の定義、記載、又は他の開示資料と矛盾しない範囲に限り、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する文献にも優先するものとする。

〔実施の態様〕 (1) 外科用器具において、 少なくとも1つの第1の電気接点を含む第1の部分と、 前記第1の部分を封入する膜と、 第2の部分であって、 外科用器具本体、 前記外科用器具本体の中に空洞を画定する壁であって、前記空洞は、前記第1の部分が前記膜によって封入されたままの状態で、前記第1の部分を少なくとも部分的に受容するように構成される、壁、 少なくとも1つの第2の電気接点を含む第1の領域、 前記空洞と連通する開口部を含む第2の領域、及び、 第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材、 を含む、第2の部分と、 を含み、前記閉鎖部材が、前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と密封可能に係合状態にあり、前記閉鎖部材が、前記第2の位置にあるときに、少なくとも一部が前記第2の領域と密封可能に係合状態ではなく、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するとき、前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点の一方が、前記第1の部分と前記第2の部分との間に電気的接続を形成するために前記膜を貫通するように構成される、外科用器具。 (2) 前記第1の部分が非無菌部分を含み、前記第2の部分が無菌部分を含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (3) 前記閉鎖部材が、前記第2の部分に旋回可能に取り付けられ、前記閉鎖部材が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で旋回可能である、実施態様1に記載の外科用器具。 (4) 前記閉鎖部材が、 外周と、 前記外周を囲む及び前記外周に近接するうちの一方で位置付けられるシールと、を含み、前記シールが、前記閉鎖部材が前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と係合され、かつ、前記第1の部分による前記第2の部分の外側表面の微生物汚染を少なくとも阻止するために、前記空洞と前記第2の部分の前記外側表面との間に微生物不透過性バリアを形成するように構成される、実施態様1に記載の外科用器具。 (5) 前記第2の部分が、前記開口部を囲む及び前記開口部に近接するうちの一方で位置付けられるシールを含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (6) 前記閉鎖部材が、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動されるときに、前記第1の部分を前記空洞に押し込むように構成されたカム表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (7) 前記第1の部分が電源を含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (8) 前記第1の部分が、前記第2の部分を操作するように構成された電子的構成要素を含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (9) 前記第2の部分が、 近位端と遠位端とを有するシャフトと、 前記近位端から延びる前記外科用器具本体と、 前記遠位端から延びるエンドエフェクタと、 を含む、実施態様1に記載の外科用器具。 (10) 外科用器具システムにおいて、 少なくとも1つの第1の電気端子を含む第1の部分と、 密封パッケージであって、前記第1の部分が、微生物不透過性バリア層を含む前記密封パッケージの中に位置付けられる、密封パッケージと、 第2の部分であって、 外科用器具本体、 前記外科用器具本体の中に画定される受けスロットであって、前記受けスロットが、前記第1の部分が前記密封パッケージの中に位置付けられた状態で、前記第1の部分の少なくとも一部を受容するように構成された、受けスロット、 少なくとも1つの第2の電気端子を含む第1の領域、 前記受けスロットの中への通路を画定する第2の領域、及び 第1の位置と第2の位置との間で移動可能な閉鎖部材、 を含む、第2の部分と、 を含み、前記閉鎖部材が、前記第1の位置にあるときに前記第2の領域と密封可能に接触状態にあり、前記閉鎖部材が、前記第2の位置にあるときに、少なくとも一部が前記第2の領域と密封可能に接触状態でなく、前記閉鎖部材が、カム表面を含み、前記カム表面が、前記第1の部分を前記受けスロットの中に押し込むように構成され、かつ、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置へと移動するときに、前記第1の電気端子及び前記第2の電気端子の一方を前記密封パッケージに突き刺して、前記第1の部分と前記第2の部分との間に電気的接続を形成するように構成される、外科用器具システム。

(11) 前記第1の部分が非無菌部分を含み、前記第2の部分が無菌部分を含む、実施態様10に記載の外科用器具システム。 (12) 前記第1の部分が、前記第2の電力に電力を供給するように構成された電源、及び前記第2の部分の操作を制御するように構成された電子的構成要素の少なくとも一方を含む、実施態様10に記載の外科用器具システム。 (13) 外科用器具と電気的導通状態で設置されるように構成された電子的構成要素アセンブリであって、前記電子的構成要素アセンブリが、 前記電子的構成要素アセンブリが前記外科用器具と電気的導通状態で設置されると、前記外科用器具を駆動する及び制御するうちの少なくとも一方であるように構成される電子的構成要素と、 前記電子的構成要素を取り囲むハウジングであって、前記ハウジングが、 微生物汚染を少なくとも阻止するように構成された材料を含む外側表面、 前記ハウジングの中に画定される少なくとも1つの通気口、及び 前記少なくとも1つの通気口の上に配置され、前記ハウジングから微生物が出て行くのを少なくとも阻止するように構成されたガス透過可能な微生物不透過性バリア、を含む、ハウジングと、 を含む、電子的構成要素アセンブリ。 (14) 前記電子的構成要素によって生成された熱を消散するように構成された放熱板を更に含む、実施態様13に記載の電子的構成要素アセンブリ。 (15) 前記電子的構成要素が電源を含む、実施態様13に記載の電子的構成要素アセンブリ。 (16) 前記電子的構成要素が、プログラマブル・コントローラ、及びプログラマブル・コントローラのチップのうちの一方を含む、実施態様13に記載の電子的構成要素アセンブリ。 (17) 外科用器具モジュールであって、 前記外科用器具モジュールが外科用器具と電気的導通状態で位置決めされると、該外科用器具の操作を駆動する及び制御するうちの少なくとも一方であるように構成される電子的構成要素と、 前記電子的構成要素を封入するハウジングであって、前記ハウジングが、 第1の抗菌材料を含む外側表面、 前記ハウジングの中に形成された少なくとも1つの通気口、及び 前記少なくとも1つの通気口の上に配置されるガス透過可能な微生物不透過性バリアであって、前記ガス透過可能な微生物不透過性バリアは、前記電子的構成要素上の微生物が、前記ハウジングを出て行くのを防止すると同時に、ガスが前記ハウジングに流れ込む及び前記ハウジングから流れ出るのを可能にするように構成される、ガス透過可能な微生物不透過性バリア、を含む、ハウジングと、 前記ハウジングに取り付けられ、前記電子的構成要素から離れるように延びるフィンであって、前記フィンが、前記電子的構成要素によって生成された熱を消散するように構成され、第2の抗菌材料を含む、フィンと、 を含む、外科用器具モジュール。 (18) 前記ハウジングが、前記フィンと一体に形成される、実施態様17に記載の外科用器具モジュール。 (19) 前記第1の抗菌材料が、前記第2の抗菌材料と同じである、実施態様17に記載の外科用器具モジュール。 (20) 前記第1の抗菌材料が、前記外側表面に塗布されるコーティングを含む、実施態様17に記載の外科用器具モジュール。

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