ビスピリジニウムアルカンに基づいた着色殺菌調合剤

申请号 JP2015105725 申请日 2015-05-25 公开(公告)号 JP2015227333A 公开(公告)日 2015-12-17
申请人 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード; 发明人 サビーネ・ベーレンズ; アンドレアス・デットマン; モナ・ハーン; ナディーネ・ラディシャット; カールステン・フォルマン;
摘要 【課題】着色標識等の為の皮膚、粘膜又は創傷の殺菌の方法への使用の為の活性成分の効 力 を制限しない着色調合剤の提供。 【解決手段】a)ビスピリジニウムアルカン(特に、オクテニジン)の量が、それぞれの場合に調合剤の総重量に基づいて、0.005〜1.0重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.15重量%、例えば約0.1重量%であること、及びb)キサンテン色素、アゾ色素並びにポリテルペン化合物から選択される色素を含む、非固体殺菌調合剤。調合剤は、フルオレセイン並びにその塩を含まない。本調合剤は、優れた残留効果を示す。 【選択図】なし
权利要求

a)1種以上のビスピリジニウムアルカンと、 b)キサンテン色素、アゾ色素およびポリテルペン化合物から選択される1種以上の色素と を含み、 組成物がフルオレセインおよびその塩を含まない、非固体殺菌調合剤。構成成分a)がオクテニジン二塩酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。構成成分a)の量が、それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.005〜1.0重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.15重量%、例えば約0.1重量%であることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。前記キサンテン色素が、エリトロシン、エオシン、D&Cレッド27およびフロキシンBから選択され、構成成分b)が、特にエリトロシンであることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の組成物。前記アゾ色素がモノアゾ色素であり、前記モノアゾ色素が、D&Cオレンジ4、ファストイエローおよびD&Cレッド33から好ましく選択され、構成成分b)が、特にD&Cオレンジ4であることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。前記ポリテルペン化合物がカロテノイドであり、前記カロテノイドが、カロテン色素およびキサントフィル色素から好ましく選択されることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。前記カロテン色素が、ベータ−カロテンおよび8’−アポ−ベータ−カロテン−8’−アールから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の調合剤。前記キサントフィル色素が、ルテイン、ならびにアナトー色素であるシスまたはトランスビキシンおよびシスまたはトランスノルビキシンから選択され、構成成分b)が、特にアナトー色素であることを特徴とする、請求項6に記載の調合剤。構成成分b)の量が、それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.01〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%、なおより好ましくは0.04〜0.2重量%、例えば0.05〜0.15重量%、例えば約0.1重量%であることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。液体であり、好ましくは性、水性アルコールまたはアルコール溶液であることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。透明な調合剤であることを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.05〜0.15重量%のオクテニジン、25〜35重量%のn−プロパノールおよび40〜50重量%のイソプロパノールを含むことを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.05〜0.15重量%のオクテニジンおよび60〜70重量%のイソプロパノールを含むことを特徴とする、先行する請求項の何れか一項に記載の調合剤。それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.05〜0.15重量%のオクテニジン、1.5〜2.5重量%のフェノキシエタノール、ならびにそれぞれの場合に1重量%未満のグリセロール、グルコン酸ナトリウムおよびコカミドプロピルベタインを含むことを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の調合剤。それぞれの場合に前記調合剤の総重量に基づいて、0.02〜0.08重量%のオクテニジン、5〜15重量%のプロピレングリコールおよび1.5〜3.5重量%のセルロース誘導体を含むことを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の調合剤。特にヒトにおける、皮膚、創傷または粘膜の殺菌方法への使用のための、先行する請求項の何れか一項に記載の非固体殺菌調合剤。前記方法が手術前の処置であり、前記殺菌後の前記手術が、好ましくは、注入、精管穿刺または血管カテーテル穿刺であることを特徴とする、請求項16に記載の使用のための調合剤。1種以上のビスピリジニウムアルカンを含む非固体殺菌調合剤を着色するための、キサンテン色素、アゾ色素およびポリテルペン色素から選択される色素の使用であって、前記調合剤が、フルオレセインおよびその塩を含まない、使用。

说明书全文

本発明は、a)ビスピリジニウムアルカンおよびb)特定の色素を含む非固体殺菌調合剤に関する。加えて、本発明は、皮膚、粘膜または創傷の殺菌の方法への使用のためのこの調合剤に関する。さらに、本発明は、ビスピリジニウムアルカンを含む非固体殺菌調合剤を着色する色素の使用に関する。

消毒殺菌剤の特定の適用において、治療表面(例えば、皮膚または粘膜)の着色標識は、例えば、外科的介入の前または手術の際に望ましい。

活性成分の着色のために褐赤色に既に着色されている、活性成分PVPヨウ素に基づいた組成物の他に、市販の着色皮膚消毒剤があり、ここで活性成分は、例えば非イオン性である(例えば、Kodan(登録商標)チンキ剤、フォルテ色(forte coloured)、45重量%の2−プロパノール、10重量%の1−プロパノール、0.2重量%の2−ビフェニロール、H2O2、E104、E110、E151を有する)。皮膚消毒剤のためのカチオン性消毒活性成分の群には、ジグルコン酸クロルヘキシジン(以下、「クロルヘキシジン」)が含まれ、これは70%の2−プロパノールを有する製剤により米国市場において成功している(例えば、Carefusion、旧Enturiaからの製品Chloraprep(登録商標))。しかし、原則的には、クロルヘキシジン含有消毒剤に関する、具体的には貯蔵時の、1つのありうる分解生成物としてのp−クロロアニリン(発癌性、毒性)の形成の可能性を理由とする問題が存在する。さらに、クロルヘキシジンの比較的低い効のため、より高い活性成分濃度が製品において必要となる。これらの製品における高い活性成分濃度のため、クロルヘキシジンに基づいた消毒剤では、少量の色素を加えることによる効力の任意の損失は問題ではない。

DE4137548A1は、アクリジン色素(これ自体抗生物効果を有する)に基づいた、さらなる抗微生物活性成分と任意に組み合わされる抗微生物活性成分の組み合わせを開示する。発癌特性がアクリジン色素について考察されており、ヒトの皮膚に適用する殺菌調合剤における使用は、したがって可能ではない。

DE19901526A1は、規定量の1−プロパノール、2−プロパノールおよびエタノールを含む消毒剤を開示する。さらに、色素の任意の存在が提示されている。消毒活性成分と特定の色素との相互作用に起因する問題は、DE19901526A1では考察されていない。

DE102007030416A1は、1〜3個の炭素原子を有する50重量%以上のアルコール、色素および任意にさらなる抗微生物活性成分を含むアルコール性消毒剤を記載する。広範囲の色素の他に、広範囲の任意の抗微生物添加剤が開示されている。しかし、50重量%以上のアルコールを含まねばならない組成物は、望ましくない。

W02007/062306A2は、表面を被覆する方法を記載する。この方法において、抗微生物剤を含む組成物は、熱により表面上で硬化され、組成物は色素を含むことができる。典型的には、表面は無生物表面(例えば、医療装置)である。生物表面の消毒処理における組成物の使用は、記載されていない。

WO2007/130981A2は、クロルヘキシジンおよびカチオン性色素の溶液を記載する。しかし、口腔に使用される消毒剤におけるクロルヘキシジンは、歯および舌を褐色にする。また、長期使用の後では、味覚が悪影響を受けうる。EP2499913A1も、クロルヘキシジン含有消毒溶液を扱っており、アニオン性色素がこれらの着色のために提案されている。

WO97/46622A1は、材料を標識またはインキングする天然の色素または天然と同等の(nature-identical)合成色素の使用を記載する。例として、色素含有殺菌溶液または着色ペンを使用して、皮膚上に操作領域を一時的に標識することが記述されている。殺菌剤の特定の活性成分が、使用される色素により影響を受けてはならない残留効果を有するという事実は、WO97/46622A1において考察されていない。

WO03/015531A2は、色素を含み、かつアヘン剤の含有量を有する薬学的製剤を記載する。

DE4033690A1は、ノルビキシンと、水溶性または水分散性のタンパク質または分枝鎖もしくは環状多糖との付加物を開示する。ノルビキシンは、ベニノキの種子から得られる、2つのカルボン酸基を有するカロテノイドである。ビキシンは、ノルビキシンのモノメチルエステルである。付加物は、例えば乳の着色に使用される。着色された殺菌剤による表面の着色は、考察されていない。

WO2005/123013A1は、美容および皮膚用調合剤の色を安定化するためのアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン化合物の使用を開示する。

WO02/091832A1は、2構成成分殺菌系を記載し、第1の構成成分は亜塩素酸塩を含み、第2の構成成分は、酸および任意に被酸化性色素(oxidizable dye)を含む。α−オレフィンスルホン酸塩を加えることにより、2つの構成成分の組み合わせによる二酸化塩素の発生が低減され、その結果、存在する色素は低い程度で酸化攻撃を受け、殺菌領域の標識のために利用可能になる。WO02/091832の教示によると、活性成分の残留効果が、添加された色素により悪影響を受けないことも重要ではない。さらに、2構成成分殺菌剤の使用は、複雑であり、したがって病院部門における使用に適していない。

WO2006/028025A1は、特別なベンゾピラノンの含有量を有する抗菌組成物を記載する。

WO2006/077616A1は、着色された物質を制御放出する膜を使用した、汚染領域の可視化のための系を扱う。

WO2007/100654A2は、微生物を制御する方法を開示し、ここで表面は、抗微生物膜を形成する除去可能な組成物により被覆される。

WO2008/032212A2は、局所適用のための着色された、または着色可能な発泡性組成物に関し、組成物の着色は、それから生成された発泡体のものと異なる。

DE3831920A1によると、UV放射線に対してヒトの表皮を保護する光安定美容組成物は、ビキシンと脂溶性UV線吸収化合物との組み合わせを含むとされる。

WO2009/138890A2は、繊維材料から作製されるワイプを記載し、ビーズが繊維材料に含まれ、ビーズは活性成分を含む。ビーズを湿潤すると、破損開放されて、活性成分を放出する。

WO2011/006263A1は、口腔殺菌用の着色抗菌組成物に関する。組成物は色素を含むことができる。

EP2345336A1は、2つの特別な乳化剤の混合物を含む色素組成物を教示する。

DE102011056111A1は、水相およびそれに分散されている油相を有する乳剤に関し、色素が油相に存在する。色素は、好ましくはカロテノイドであり、水相における乳化剤は、サポニンであり、乳化のために、植物脂質および食品酸(food acid)からのエステルと組み合わせて使用される。

US5,244,666Aは、第四級アンモニウム化合物および色素を含有する外科および創傷用殺菌剤を記載する。

WO02/082907A1は、消毒剤と色素の複合体を記載する。例としてクロルヘキシジンとの組成物が記載されており、これは、上述されたように、望ましくない。

WO2004/083905A2は、アプリケーター中の有色液体を適用するアプリケーターを記載する。この目的のため、アプリケーターの中には、液体を充填したガラスアンプルがあり、アンプルを破損開放すると、液体が、色素を含む多孔質要素(例えば、フェルト)を通って流れる。色素着色された組成物は、次に、所望の表面に適用される。消毒活性成分と色素の混合物の安定性も、消毒活性成分が色素と長期接触したとしても抗微生物有効性を維持する必要があるという事実も、ここでは問題となっていない。

WO2014/043354A1(US2014/0081222A1)によると、クロルヘキシジンまたはオクテニジンに基づいた消毒剤は、親水性固体(ポリウレタン)発泡体の助けを借りて適用される。 WO2014/043199A1(US2014/0081221A1)によると、固体(ポリウレタン)発泡体は、疎水性である。消毒剤は、着色されうる、または発泡体に存在する色素により着色されうる。

WO2009/058144A1は、ミセル複合体およびカチオン性消毒活性成分を含む消毒溶液を開示し、ミセル複合体は、カチオン性助剤およびアニオン性色素から構成される。カチオン性助剤の例は、第四級アンモニウム化合物である。

WO2009/058144A1の教示によると、カチオン性助剤は、アニオン性色素とカチオン性消毒活性成分から形成される不溶性沈殿物を防止すると思われる。代替的には、別個のカチオン性助剤が添加され、アニオン性色素とミセル複合体を形成する。あるいは、超化学量論的な量のカチオン性消毒活性成分を使用することが可能である(アニオン性色素のモル量に関して超化学量論的)。さらに、沈殿物がもたらされるかについて24時間にわたって試験された。

規定されている相対的に大量のカチオン性剤(すなわち、カチオン性助剤および追加のカチオン性消毒剤、あるいは大量の消毒活性成分)は、しかし、望ましくない。さらに、わずか24時間にわたる試験は、あまり意味がない。アプリケーターが溶液の適用に使用され、殺菌剤が、フェルトから溶出した色素と比較的短時間接触するので、消毒活性成分と長時間にわたって接触する色素の安定性および消毒活性成分の高い残留効果は、WO2009/058144A1の教示によると決定的ではない。

医薬および外科用皮膚消毒剤octeniderm(登録商標)は、今まで、無色製品として承認されてきた。これは、0.1重量%のオクテニジン二塩酸塩(以下、略して「オクテニジン」)を残留活性成分として(および30重量%の1−プロパノール、45重量%の2−プロパノール、残部:完全脱塩水)を含む。オクテニジンは、塩化物をアニオンとして有するイミン型(カチオン)の第四級アンモニウム化合物であり、その消毒効力により大多数のアニオン性色素により抑制されうる。octeniderm(登録商標)は、わずか0.1%のオクテニジンを含むので、皮膚を着色するため比較的高濃度で(クロルヘキシジンを含有する製品の場合では0.5%まで)添加される色素は、オクテニジンの残留効果に長期(24時間まで)の有意な低減をもたらしうる。

トリフェニルメタン色素のパテントブルーVは、そのアニオン性の特徴にもかかわらず、octeniderm(登録商標)におけるオクテニジンの効力に制限を示さないことが見出されている。しかし、ブルー色素は、皮膚の下の血管の可視性が不十分であるので、市場に受け入れられない。

したがって、ビスピリジニウムアルカン(例えば、オクテニジン)の効力が抑制されず、かつ添加された色素を有しても承認されうる着色非固体調合剤を提供することが、本発明の目的であった。さらに、長期間にわたって貯蔵することができ、その際に、計量添加に不利である沈殿物を生じる傾向がなく、具体的には、沈殿物の形成または消毒効果の抑制を防止するだけのために添加される必要があり、消毒効果に何も寄与しない追加の助剤を有することのない、調合剤を提供することが本発明の目的であった。さらに、調合剤は、1〜3個の炭素原子を有する50重量%以上のアルコールを含む必要があるべきではない。さらに、調合剤はまた、24時間にわたって、安定および有効であるべきである。

適切な色素の探求は、残留活性成分のインビトロ効果を大量の即時作用剤、例えばアルコールの同時存在下の場合に試験することができる利用可能な方法が、今までなかったという事実によって妨げられてきた(従来技術は、常在菌叢による皮膚実験である)。例えば、新たな種類の方法により実施される本発明に関する予備実験において、フルオレセインまたはその二ナトリウム塩(ウラニン)を含む調合剤において、オクテニジンの残留効果は抑制されることが見出されている。

この目的は、 a)1種以上のビスピリジニウムアルカンと、 b)キサンテン色素、アゾ色素およびポリテルペン化合物から選択される1種以上の色素と を含み、フルオレセインおよびその塩を含まない、非固体殺菌調合剤により達成されることが現在見出されている。

本発明は、特定の色素が、アニオン性部分の構造を有するが、ビスピリジニウムアルカンの長期効果を抑制しないという事実に、とりわけ基づいている。

1.ビスピリジニウムアルカン ビスピリジニウムアルカンという用語は、ここでは、DE2708331C2および一般式(I)または(II)

[式中、 Yは、4〜18個の炭素原子を有するアルキレンであり、 Rは、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基または5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基またはフェニルラジカルであり、これはハロゲン原子により置換されており、 Aは、1つ以上のアニオンである] に開示されているビス[4−(置換アミノ)−1−ピリジニウム]アルカンを含む。

Aについての前述の定義は、厳密に言えば一価および二価アニオンについて当てはまるが、Aは、当然のことながら、多価アニオン、例えばリン酸塩またはオルトケイ酸塩でもありうる。さらに、ビスピリジニウムアルカンという用語は、例えばDE19647692A1に開示されているように、式(I)の化合物の多様なプロトトロープ(prototrope)を含む。

しかし本発明の全ての態様において、ビスピリジニウムアルカンは、オクテニジン二塩酸塩(R=n−オクチル、Y=n−デセニル;A=2×Cl、「オクテニジン」)であることが好ましい。構成成分a)は、したがって、特に好ましくはオクテニジンである。

本発明の調合剤における構成成分a)の好ましい量は、0.005〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.3重量%、さらにより好ましくは0.04〜0.2重量%、例えば0.05〜0.15重量%、例えば約0.1重量%であり、それぞれの場合に調合剤の総重量に基づいている。

2.色素 調合剤は、構成成分b)として、キサンテン色素、アゾ色素およびポリテルペン化合物から選択される1種以上の色素を含む。しかし、フルオレセインも、その塩(例えば、二ナトリウム塩、ウラニン)も本発明の調合剤に存在しない。

構成成分b)の量は、典型的には0.01〜0.2重量%、好ましくは0.02〜0.1重量%である。

i.キサンテン色素 キサンテンは三環式エーテルである。キサンテン色素、例えばローダミン、ならびにエオシンBおよびエオシンYは、キサンテンの基本構造を有する。

D&Cレッド27は、2’,4’,5’,7’−テトラブロモ−4,5,6,7−テトラクロロフルオレセイン(2’,4’,5’,7’−テトラブロモ−4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン)である。

好ましくは、キサンテン色素はD&Cオレンジ5ではない。特に好ましくは、D&Cオレンジ5は調合剤に存在しない。

本発明の調合剤が、フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体、例えばフルオレセイン塩またはハロゲン置換誘導体もしくはその塩の種類を含まないことも好ましい。

キサンテン色素は、エリトロシン、エオシン、D&Cレッド27およびフロキシンBから好ましく選択され、構成成分b)は、特に好ましくはエリトロシンである。

ii.アゾ色素 アゾ色素は、好ましくはモノアゾ色素であり、モノアゾ色素は、D&Cオレンジ4、ファストイエローおよびD&Cレッド33から好ましく選択され、構成成分b)は、特にD&Cオレンジ4である。

iii.ポリテルペン化合物 ポリテルペン化合物は、好ましくはイソプレノイド、特にカロテノイドであり、次にカロテノイドは、カロテン色素およびキサントフィル色素から好ましく選択される。

カロテンは、純粋な炭化水素であり、キサントフィルは、酸素酸化炭化水素である。頻繁に出現する主なカルテノイドは、カロテンの代表的なものであるβ−カロテン、ならびにキサントフィルの代表的なものとしてルテイン、ビオラキサンチンおよびネオキサンチンである。

キサントフィル色素は、例えば、ルテイン、ならびにアナトー色素(annatto dye)であるシスまたはトランスビキシンおよびシスまたはトランスノルビキシンから選択され、構成成分b)は、特にルテイン(4−[18−(4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1,3,5,7,9,11,13,15,17−ノナエニル]−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−エノール、E161b)である。

色素がE160b(アナトー、ビキシン、ノルビキシン)である場合、好ましくは安定化される(例えば、プロピレングリコールおよびポリソルベート80、市販の製品Annatto(登録商標)2%ASを用いる)。

ノルビキシン(キサントフィル)は、ウルクムまたはアキオテ植物(urucum or achiote plant)ベニノキ(ビキサ・オレラナ(Bixa orellana))の種子から抽出して得られる天然の色素である。ノルビキシンは、ベニノキ低木(ビキサ・オレラナ)の準備した種子を、冷水中で種子を擦ることにより外層を除去し、続いて溶媒、例えば、アセトン、メタノールまたはヘキサンにより抽出することによって得ることができる。それから得られた溶液は、酸性化ビキシン(具体的には、酸性ノルビキシンのメチルエステル)であり、次にこれを濾過し、乾燥し、沈殿物を粉砕する。沈殿物は、主にシスおよびトランスビキシンを含み、主要な色素はシスビキシンである。アルカリ性水酸化物溶液により、ノルビキシンを対応する塩として得ることができ、ここでもやはり同様にシスノルビキシンが主要な色素である。

カロテン色素は、例えば、ベータ−カロテンおよび8’−アポ−ベータ−カロテン−8’−アールから選択される。

8’−アポ−β−カロテン−8’−アールは、カロテノイドである。これは天然に、例えば、オレンジ、野菜および肝臓に出現するが、現在は主に合成的に生成されている。EUでは、番号がE160eの食品添加物として承認されている。

好ましくは、構成成分b)は、エリトロシン、エオシン、D&Cオレンジ4およびアナトー、ならびにこれらの混合物から構成される。構成成分b)は、特に好ましくはアナトーから構成される。

3.任意の構成要素 必須のものとして規定された構成成分a)およびb)の他に、本発明の調合剤は、好ましくはさらなる構成要素、例えばc)脂肪族および芳香族アルコールから選択される1種以上のアルコールを含む。

典型的に好ましく使用されるアルコールは、脂肪族アルコールである。

脂肪族アルコールは、好ましくはC2−〜C6−アルキルアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびこれらの混合物、特にエタノールおよびプロパノール、ならびにこれらの混合物である。調合剤における脂肪族アルコールの濃度は、典型的には少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、特に50〜90重量%である。n−プロパノールの場合では、10重量%を上回る低濃度が既に非常に有効である(特に、30〜50重量%)。脂肪族アルコールの単独使用の場合では、n−プロパノールの使用がイソプロパノールの使用より好ましく、イソプロパノールの使用がエタノールの使用より好ましい。脂肪族アルコールの混合物が、調合剤において多くの場合に存在する。

エタノール エタノールが脂肪族アルコールとして添加される場合、本発明の調合剤における好ましい量は、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、特に少なくとも60重量%、例えば少なくとも80重量%である。具体的には、好気性胞子形成細菌、例えばバチルス属の種を制御する場合、調合剤におけるエタノールの量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり、60重量%のエタノールの量が最も好ましい。

イソプロパノール(2−プロパノール) イソプロパノールが脂肪族アルコールとして使用される場合、好ましい量は、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも30重量%である。

n−プロパノール(1−プロパノール) n−プロパノールが調合剤において脂肪族アルコールとして使用される場合、濃度は、好ましくは少なくとも4重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%である。

エタノールとイソプロパノールの混合物 さらなる態様において、調合剤は、脂肪族アルコールとしてエタノールとイソプロパノールの混合物を含む。エタノールの好ましい濃度は、60〜85重量%、より好ましくは65〜80重量%、特に70〜80重量%である。イソプロパノールの好ましい濃度は、1〜15重量%、例えば2〜12重量%である。

イソプロパノールとn−プロパノールの混合物 さらなる好ましい態様において、調合剤は、脂肪族アルコールとしてイソプロパノールとn−プロパノールの混合物を含む。イソプロパノールの濃度は、好ましくは5〜55重量%、より好ましくは15〜50重量%、特に25〜50重量%、例えば28〜48重量%である。好ましくは、n−プロパノールの量は、5〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、特に20〜35重量%である。

エタノールとn−プロパノールの混合物 さらなる好ましい態様では、エタノールとn−プロパノールの混合物が、脂肪族アルコールとして調合剤において使用される。調合剤におけるエタノールの好ましい濃度は、10〜50重量%、より好ましくは20〜30重量%、例えば約25重量%である。n−プロパノールの好ましい濃度は、30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%である。

エタノールとn−プロパノールおよびイソプロパノールとの混合物 脂肪族アルコールとしてのエタノールとイソプロパノールおよびn−プロパノールとの混合物が、とりわけ好ましい。エタノールの好ましい濃度は、10〜30重量%、例えば20重量%である。イソプロパノールの好ましい量は、20〜40重量%、例えば30重量%である。好ましくは、n−プロパノールの量は、15〜35重量%、例えば約25重量%である。

本発明の全ての態様において、プロパノールが脂肪族アルコールとして好ましく、すなわち、n−プロパノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物である。

1種以上の脂肪族アルコールに対する代わりに(または追加として)、1種以上の芳香族アルコールが、本発明の調合剤に存在していてもよい。

芳香族アルコール 芳香族アルコール(または任意に2つ以上の芳香族アルコール)は、好ましくは、(i)アリールオキシアルカノール(すなわち、グリコールモノアリールエーテル)または(ii)アリールアルカノールである。

好ましいアリールオキシアルカノール(i)は、フェノキシエタノールおよびフェノキシプロパノール、好ましくはフェノキシエタノールから選択される。

好ましいアリールアルカノール(ii)は、3−フェニル−1−プロパノール、フェネチルアルコール、ベラトリルアルコール、ベンジルアルコールまたは2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、好ましくは3−フェニル−1−プロパノール、フェネチルアルコール、ベラトリルアルコールまたは2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、特にフェネチルアルコールから選択される。

本発明の全ての態様において、芳香族アルコールは、ベンジルアルコール、フェノキシエタノールおよびフェネチルアルコールから選択されることが好ましく、特にフェネチルアルコールまたはフェノキシエタノールが構成成分b)として好ましい。

本発明の1つの態様において、芳香族アルコールはベンジルアルコールではなく、それは、特定の状況下において、時間に応じて、ベンズアルデヒドの形成の結果として臭気の発生をもたらしうるからである(それは、ベンジルアルコールは酸化感受性があるからである)。本発明の1つの態様において、本発明の組成物は、したがって、ベンジルアルコールを含まない。代替的な態様において、ベンジルアルコールが存在する場合、1種(または、2種以上)の他の、すなわちベンジルアルコールと異なる芳香族アルコールもさらに存在する。

必須のものとして規定された構成成分a)およびb)、ならびに任意の存在のc)1種以上のアルコール(脂肪族アルコールが構成成分cとして好ましい)の他に、本発明の殺菌調合剤は、好ましい態様において、以下の任意の構成成分を1つ以上含む。

− 1種以上の界面活性剤、 − 1種以上の溶媒、ならびに/または、 − 1種以上の活性成分および/もしくは助剤 界面活性剤 任意の構成要素として、カチオン性、アニオン性、両性および/または非イオン性界面活性剤が、本発明の調合剤に存在し、好ましくは両性または非イオン性界面活性剤である。これらの界面活性剤は、特にこれらが比較的少量で存在する場合、消毒活性成分の作用を支持する効果を有しうる。これらが相対的に高い使用濃度で殺菌剤に存在する場合、これらの界面活性剤は、抗微生物効果を有しうる、またはこの効果に対して有意に寄与しうる。

非イオン性界面活性剤として、全ての適切な非イオン性界面活性剤を使用することができ、(i)(脂肪)アルコールエトキシレート、(ii)ソルビタンエステル、(iii)アルキルグリコシド(特に、アルキルポリグルコシド)、(iv)アミンオキシドおよび(v)エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが好ましい。

(i)アルコールポリアルコキシレートには、脂肪アルコールアルコキシレート、例えば、異なる割合のエチレンオキシドを有するイソデシルエトキシレート、イソトリデシルエトキシレート、ステアリル、ラウリルおよびセチル、ならびにオレイルアルコールのポリエチレングリコールエーテルが含まれる。ここで、アルコールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの任意の所望の混合物によりアルコキシル化されていることができる。アルコールポリアルコキシレートは、とりわけ、名称Lutensol(登録商標)、Marlipal(登録商標)、Marlox(登録商標)、Brij(登録商標)およびPlurafac(登録商標)により知られている。非イオン性界面活性剤として、ラウリルアルコールエトキシレートが特に好ましい。

さらに、使用される非イオン性界面活性剤は、(ii)ソルビタンエステルであり、これは、大部分がオレエート、ステアレート、ラウレートおよびパルミテートの形態であり、ポリソルベートと呼ばれる(例えば、Tween(登録商標))。

さらに、非イオン性界面活性剤は、(iii)アルキルグリコシド、例えば、アルキルグルコシド(すなわち、グルコースのアルキルグルコシド)、より好ましくはC8−〜C20−アルキルポリグルコース、特に脂肪アルコールのC8−〜C16−アルキルポリグルコースであってもよく、ラウリルポリグルコース、デシルポリグルコースまたはこれらの混合物が好ましい。炭素鎖の長さは、ココイルポリグルコースの場合では8〜16個の原子であり、ラウリルポリグルコースの場合では12〜16個の炭素原子であり、デシルポリグルコースの場合では、同様に8〜16個の炭素原子である。

アルキルグリコシドの典型的な量は、0.03〜10重量%、好ましくは0.06〜5重量%、特に0.1〜2重量%である。

(iv)アミンオキシドとしては、原則的に全ての適切なアミンオキシドを本発明に使用することができる。第三級アミンのN−オキシドであるアミンオキシドには、脂肪族アミンオキシド、環状アミンオキシド(例えば、N−アルキルモルホリンオキシド)および芳香族アミンオキシド(例えば、ピリジンN−オキシド)が含まれる。好ましい態様において、アミンオキシドは、一般式: R1R2R3N−O を有し、式中、R1は、メチル、エチルまたは2−ヒドロキシエチルであり、R2は、メチル、エチルまたは2−ヒドロキシエチルであり、R1およびR2は、一緒になって、モルホリンであることができ、R3は、8〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはR4CONH(CH2)nであり、ここで、R4は、8〜18個の炭素原子を有するアルキルであり、nは、1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4の範囲、特に3であり、2−ヒドロキシエチルは、1〜2000のエチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位と縮合されうる。

アミンオキシドの例は、コカミドプロピルアミンオキシド、N−ココモルホリンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ジメチルセチルアミンオキシド、ジメチルコカミンオキシド、ジメチルhydr.獣脂アミンオキシド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルミリスチルアミンオキシド、(2−ヒドロキシエチル)コカミンオキシドおよびオレアミンオキシドである。「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」、第10版、2004年、第3巻、2268〜2275ページ(Surfactants−Cleansing Agents)も参照されたい。

好ましい態様において、アミンオキシドは、コカミドプロピルアミンオキシドであり、すなわち、R4COは、ヤシ油の脂肪酸から誘導されたアシルラジカルであり、n=3であり、R1およびR2は、メチルである。この生成物は、Evonik(ドイツ連邦共和国)からRewominox B204として販売されている。

アミンオキシドの典型的な量は、0.03〜10重量%、好ましくは0.06〜5重量%、特に0.1〜2重量%である。

界面活性剤として同様に適しているものは、両性界面活性剤であり、例えばベタインである。適切なベタインは、EP560114A2に記載されている。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。ベタインの典型的な量は、0.03〜10重量%、好ましくは0.06〜5重量%、特に0.1〜2重量%である。

界面活性剤としてさらに適しているものは、カチオン性界面活性剤であり、例えば第4級アンモニウム塩である。原則的には、全ての適切な第四級アンモニウム化合物を本発明に使用することができる。第四級アンモニウム化合物は、好ましくはジアルキルジメチルアンモニウム塩である。

本発明により使用される第四級アンモニウム塩は、式:[R1R2R3(CH3)N]+[X]-により与えられ、式中、R1〜R3は、同一または異なっていることができ、C1−〜C30−アルキル、アラルキル、−アルケニルおよび混合基から選択され、これらは、O、S、NおよびPから選択される1個以上の原子を有することができ、R1〜R3は、例えば、C8−〜C18−アルキル、ベンジルまたはメチル、好ましくはC9−〜C18−アルキル、ベンジルまたはメチル、例えばC16−アルキル、ベンジルまたはメチルである。Xは、アニオン(無機または有機酸)である。これに関連して、第四級アンモニウム塩のアニオンとカチオンの両方は、多価イオンであることができ、化学量論の[A(n+)]m[K(m+)]nを生じさせる。

本発明によると、適切な第四級アンモニウム塩は、従来技術において既知の全ての第四級アンモニウム塩および例えばここで参照されているWO00/63337Aに開示されている前述の式のものである。しかし、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、例えばジアルキルジメチルアンモニウムクロリドの使用が好ましく、このアルキル鎖は、C8−〜C18−アルキル、好ましくはC9−〜C18−アルキル、例えばC16−アルキルから互いに独立して選択される。ジアルキルジメチルアンモニウム塩において、メチル基の1つはアルコキシル化、例えばエトキシル化されたヒドロメチル基でありうる。

本発明により好ましく使用される第四級アンモニウム塩は、式:[R1N(CH3)3]+[X]-、[R1R2N(CH3)2]+[X]-および[R1R2R3(CH3)N]+[X]-の化合物であり、式中、R1〜R3は、互いに独立して、C8−〜C18−アルキルおよび−(CH2−CHR4O)n−R5から選択され、ここで、nは、1〜20、好ましくは1〜5の数であり、R4およびR5は、同一または異なっていることができ、Hおよび/またはC1−〜C4−アルキル、好ましくはHである。

本発明により使用される第四級アンモニウム塩のアニオンの例およびアニオンのクラスは、水酸化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メト硫酸イオン、エト硫酸イオン、ラウリル硫酸イオン、ラウリルエーテル硫酸イオン、硫酸セルロースイオン、スルファミン酸イオン、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、アルキルリン酸イオン、メタリン酸イオン、ポリリン酸イオン、チオシアン酸イオン(ロダン化物イオン)、カルボン酸イオン、例えば安息香酸イオン、乳酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、グルタル酸イオン、アジピン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン(トシレートイオン)およびサリチル酸イオンである。特に好ましいアニオンは、塩化物イオンおよびプロピオン酸イオンである。

第四級アンモニウム塩のエチル硫酸メセトロニウム(ヘキサデシル(エチル)ジメチルアンモニウムエチルスルフェート)および塩化ベンザルコニウムの使用が特に好ましい。

さらに、本発明の調合剤は、塩化セチルピリジニウムを含まないことが好ましい。

好ましい態様において、必須のものとして存在する構成成分a)ビスピリジニウムアルカン(好ましくは、オクテニジン)の他に、限定された量のカチオン性界面活性剤のみが存在する。より好ましくは、この限定された量のカチオン性界面活性剤は、0.5重量%以下、特に0.2重量%以下、例えば0.1重量%以下または0.05重量%以下である。特に好ましい態様においては、したがって、構成成分a)に加えて、本発明の調合剤に存在するカチオン性界面活性剤は何もない。

溶媒 さらに、調合剤は、d)溶媒を任意に含む。好ましい溶媒は、グリコールおよび水、ならびにこれらの混合物である。好ましい溶媒は、水である。

さらなる活性成分および/または助剤 本発明の調合剤に任意に存在していてもよい活性成分および/または助剤の例は、スキンケア添加剤、再脂化剤(refatting agent)、香料、芳香剤、増粘剤、pH調節剤および保湿剤である。これらは、とりわけ、 − ポリオールであり、スキンケア添加剤、再脂化剤および保湿剤として作用し、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、エリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、イノシトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、メチルプロパンジオール、フィタントリオール、ポリグリセロール、ソルビトールおよびキシリトールであり、グリセロールおよびプロピレングリコールが特に好ましく、 − グリセロールエステル、好ましくはグリセロールココエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートおよびトリグリセリドであり、再脂化剤として作用し、 − アラントインおよびデクスパンテノールであり、これはスキンケア添加剤として作用することができ、および/または − pH調節剤、例えば、グルコン酸ナトリウム、乳酸およびその塩(例えば、乳酸ナトリウム)、ならびにクエン酸およびその塩である。

以下の構成要素が、好ましくは本発明の調合剤に存在する。

− 0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜1重量%の量のポリオール、例えばグリセロール、および − 0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜2重量%、特に0.03〜0.5重量%の量のグリセロールモノアルキルエーテル、例えば1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル。

本発明によると、 i)0.01〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%、特に0.04〜0.2重量%、例えば0.05〜0.15重量%、例えば約0.1重量%の量のオクテニジンと、 ii)界面活性剤として、好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは0.06〜5重量%、特に0.1〜2.0重量%、例えば約0.2重量%の量のアミンオキシド、好ましくはヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、と、 iii)溶媒として、水と、 iv)助剤として、アラントイン、グリセロール、1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルおよび乳酸ナトリウムと を含む調合剤が好ましい。

同様に、 i)0.01〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%、特に0.04〜0.2重量%、例えば0.05〜0.15重量%、例えば約0.08重量%の量のオクテニジンと、 ii)界面活性剤として、好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは0.06〜5重量%、特に0.1〜2.0重量%、例えば約0.2重量%の量のベタイン、好ましくはコカミドプロピルベタインと、 iii)溶媒として、水と、 iv)助剤として、アラントイン、グリセロール、1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルおよび乳酸ナトリウムと を含む調合剤が好ましい。

4.調合剤の提示形態 本発明の殺菌調合剤は、非固体であり、すなわち、半固体または液体調合剤である。

好ましくは、調合剤は液体であり、液体調合剤は、好ましくは、水性、水性アルコールまたはアルコール溶液である、典型的には、本発明の調合剤は、したがって水溶液の形態、好ましくはアルコール含有水溶液である。ビスピリジニウムアルカンを含有する創傷および粘膜消毒剤の例は、DE102009049504A1に開示されている。

半固体調合剤は代替案である。

半固体調合剤 膏薬(Latin unguenta)は、皮膚への適用または擦り付けにより使用されることが意図される塗り付け調合剤である。これらは、1種以上の膏薬基剤(例えば、ワセリン、羊毛ロウ、ラノリンなど)から構成され、それに活性成分が組み込まれている。活性成分は、溶解または微細に分配されているべきである。可溶性を増加するため、膏薬は、多くの場合に水または油を含む。膏薬では、しかし、脂肪/油の割合は、水の割合よりも高い。

本発明の膏薬において、粘度は、95s-1および20℃で回転粘度計を使用して測定したところ、一般に500〜15000mPa・s、好ましくは1000〜10000mPa・sである。

本発明の調合剤は、例えば水性アルコールゲル(ヒドロゲル)の形態である。ヒドロゲルは、これらの透明性およびベタベタしない特徴によって貴重である。親油性ゲル(オレオゲル)も、これらの美的な外観および稠度付与特性の理由で同様に使用される。ゲルは、主に外用が意図され、薄く適用されるべきである。

ヒドロゲルは、水およびグリセロールを使用し、セルロース誘導体、ゼラチン、トラガカント、カーボポールまたは同様の膨張性物質の助けを借りて生成される、ほぼ半透明の塊である。水の蒸発によって、これらは冷却効果を有する。

乳剤は、不混和性液体、例えば油と水から構成される調合剤を意味することが理解される。W/O(油中水)およびO/W(水中油)とアンビフィリック(ambiphilic)乳剤は区別される。これらを使用前に激しく振とうする必要がある。乳化剤の添加は、液体を互いの内部に極めて微細に分配させることを可能にし、その結果として、乳剤は安定し、すなわち油と水は再び分離しない。適用の種類に応じて、乳剤は内用または外用が意図される。外用の乳剤は、多くの場合にローションと呼ばれる。ここで、水中油乳剤が存在する。

好ましくは、調合剤はヒドロゲルの形態である。ここで、調合剤が局所(外部)適用される組成物として処方される態様が好ましい。

本発明によると、調合剤は、構成成分a)、すなわち、例えばオクテニジンの効力を増加し、かつ既知の市販の製品がビスピリジニウムアルカンと組み合わされたときよりも顕著に低い濃度で使用されうる、さらなる活性成分を含むことができる。その結果、存在する欠点が、時として顕著に低減されうる。これらのさらなる活性成分には、クロトリマゾールおよび他の局所活性抗真菌剤、コルチゾン、トレチノイン、過酸化ベンゾイル、アシクロビル、局所麻酔薬(例えば、ベンゾカイン、リドカイン、ポリドカノールなど)、抗生物質、ブフェキサマクなどが含まれる。

ビスピリジニウムアルカンを含有する半固体調合剤の例の調製は、DE102012215511A1に記載されており、DE102005045145A1も参照すること。

本発明の(半固体または液体)調合剤は、好ましくは透明である。このことは、殺菌領域の観察を促進する。

本発明の調合剤の例示的な製剤IおよびIIが下記に提示されている(データは重量%)。

さらに、0.05〜0.15重量%のオクテニジン、25〜35重量%のn−プロパノールおよび40〜50重量%のイソプロパノールを含む調合剤が好ましい。

さらに、0.05〜0.15重量%のオクテニジンおよび60〜70重量%のイソプロパノールを含む調合剤が好ましい。

さらに、0.05〜0.15重量%のオクテニジン、1.5〜2.5重量%のフェノキシエタノール、ならびにそれぞれの場合に1重量%未満のグリセロール、グルコン酸ナトリウムおよびコカミドプロピルベタイン(coamidopropylbetaine)を含む調合剤が好ましい。

さらに、0.02〜0.08重量%のオクテニジン、5〜15重量%プロピレングリコールおよび1.5〜3.5重量%のセルロース誘導体を含む調合剤が好ましい。

5.用途 本発明の殺菌調合剤は、生物および無生物表面、特にヒトの皮膚において慣用的な方法により使用される。本発明によると、調合剤は、非損傷皮膚の皮膚消毒のために好ましく使用される。あるいは、調合剤は、創傷消毒、手の殺菌および表面の殺菌のために使用することもできる。

1つの態様によると、本発明の調合剤は、創傷の治療のために使用される。ここで、高い程度の保湿因子を含む乳化剤無含有製剤(例えば、ゲル)が好ましく選択される。

したがって、本発明は、特にヒトにおける、皮膚、創傷または粘膜の殺菌方法への使用のための非固体殺菌調合剤にも関する。

この方法は、好ましくは、手術前の処置および/または穿刺もしくは注入の前の処置であり、殺菌した後の手術は、好ましくは、注入、精管穿刺または血管カテーテル穿刺である。

さらに、本発明は、1種以上のビスピリジニウムアルカンを含む非固体殺菌調合剤を着色するための、キサンテン色素、アゾ色素およびポリテルペン化合物から選択される色素の使用に関し、ここで調合剤は、フルオレセインおよびその塩を含まない。

本発明の利点は、特に以下の例において現れる。特に記述のない限り、百分率は重量を意味する(重量%)。

[実施例] 添加された色素の、具体的には特に大量の溶媒、例えばアルコールの存在下における、消毒活性成分の残留効果の潜在的な障害を、素早く試験(すなわち、スクリーン)できることが知られているインビトロの方法は、今までなかった。下記の方法Aは、このスクリーニングのために新たに開発され、生成物に存在する任意のアルコール(例えば、エタノール、1−および2−プロパノール)の即時効果を、実験の評価に含めず、具体的にはオクテニジンの残留効果を試験する。

方法A 0.2mlの試験調合剤を、5×5cmの寸法のタイルの縁に塗り付け、光学的に乾燥させた。ここで、溶媒が蒸発し、消毒活性成分(オクテニジンが試験された)がタイル上に残る。

次に、0.1mlの細菌懸濁液(試験病原菌S.アウレウスATCC6538、溶液の病原菌出発カウント106CFU/ml、タイル上では105CFU/ml)がタイル上の3×3cmの領域に適用される。対応する接触時間の後、タイルを、ガラスビーズ(直径3〜4mm)および10mlの中和溶液(TLSH)が充填された容器に移し、水平振とう器により200rpmで2分間振とうする。最後に、病原菌カウントの決定を、希釈系列により実施する。希釈段階の100、10-1、10-2および10-3を平板培養する。寒天プレートを36±1℃で24〜48時間インキュベートする。

それらから得たCFU/mlを使用して、調合剤および水分管理に関する対数減少率(logarithmic reduction factor)(RF)を計算する。高いlg減少率は調合剤の良好な殺細菌効力を意味する。

色素の添加が無色の市販製品octeniderm(登録商標)の効力を抑制しないので、色素を有するocteniderm(登録商標)の製剤は、無色の製品octeniderm(登録商標)と同じ減少率を有するはずである。

方法B 方法Bは、本発明の着色調合剤の色のスペクトルを調査するのに役立つ。

このため、試験される試料を、Hach LangeのLico690器具上の10mmのキュベットにおいて測定する。その結果として、L*a*b*値を得る。器具の較正の目的のため、脱塩水を10mmのキュベットにおいて測定する。

三次元色ダイアグラムを参照することにより、測定されたLab値を特定の試料に割り当てることができる。

使用した光源および標準観測者:C/2 (C:色温度5600ケルビン、 2°標準観測者→DIN5033パート2:明順応眼の3つの円錐型のスペクトル感度の定義は、着色領域の目視を記載する(10°>2°)) スペクトル法による測定: ハロゲンランプの白色光は、凹面格子によりスペクトルフラクションに分割され、試料の透過度は、380nm〜720nmの10nm刻みの波長範囲で測定される。測定された透過度を使用して、光および標準観測者のセットタイプを考慮しながら標準色値X、YおよびZを計算する(DIN5033パート4を参照)。これらが直交座標系を形成せず、試料の明度または彩度について何も直接的な情報を生成しないので、これらを良好な例示およびグラフ表示の目的のため、CIE−L*a*b*系に変換する。

例1 以下の製剤1A〜1Cを調製した(表I:割合のデータは重量%)。

製剤1A〜1Cの微生物学的残留効果を、方法Aを使用して検査した。結果を下記の表IIに示す。

製剤1Aおよび1Bは、24時間にわたってoctenidermと同様に良好な残留効果を示すことが、このことから明白である。製剤1Cは、6時間にわたってoctenidermと同等の残留効果を有する。

例2 以下の製剤2Aおよび2Bを調製した(表III:割合のデータは重量%)。

製剤2Aおよび2Bを、方法Bを使用し、これらの安定性に関して試験し、具体的には、試料を、それぞれの場合に室温、25℃および40℃で1または3か月間貯蔵した。さらに、製剤の皮膚着色を評価することができるように、試料を、試験者の前腕の内側に綿棒(先端10mm)を使用して適用し、視覚的に評価した。結果を下記の表IVに示す。

表IVの結果は、製剤2Aおよび2Bが、高温での数か月間にわたる長期貯蔵であっても優れた安定性を示し、色合いが、それぞれの場合において有利なことに実質的に無変化のままであることを示す。

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