生体の虚血領域の血行状態を改善又は促進するための炭酸ガスミスト圧浴方法及び炭酸ガスミスト圧浴装置

申请号 JP2012549825 申请日 2011-12-20 公开(公告)号 JPWO2012086636A1 公开(公告)日 2014-05-22
申请人 中村 正一; 正一 中村; アドバンス・バイオトロン株式会社; 发明人 中村 正一; 正一 中村;
摘要 炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して 接触 させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療する。(a)炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させるステップと、(b)生体を密閉状態に包囲する炭酸ガスミスト包囲手段内に、前記炭酸ガスミストを噴霧するステップと、(c)前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体が大気圧よりも高い所定値以上を維持するように、必要に応じて、前記ステップ(b)と並行して、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるステップと、(d)前記炭酸ガスミスト包囲手段内に対する前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するステップを、少なくとも1日一回4週間継続する。
权利要求
  • 炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療するための炭酸ガスミスト圧浴方法であって、
    (a)炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させるステップと、
    (b)生体を密閉状態に包囲する炭酸ガスミスト包囲手段内に、前記炭酸ガスミストを噴霧するステップと、
    (c)前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体が大気圧よりも高い所定値以上を維持するように、必要に応じて、前記ステップ(b)と並行して、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるステップと、
    (d)前記炭酸ガスミスト包囲手段内に対する前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するステップと、
    前記ステップ(a)乃至(d)による炭酸ガスミストの圧浴を、少なくとも1日一回4週間継続するステップと、
    の各ステップを有することを特徴とする炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 前記ステップ(d)は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を計測しつつ、前記炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するステップ、であることを特徴とする請求項2に記載の炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 前記ステップ(d)において、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧が所定値になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 前記炭酸ガスミストは、その粒径が10μメートル以下の炭酸ガスミストを含有することを特徴とする請求項2に記載の炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 前記ステップ(d)における前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度は60%以上である、ことを特徴とする請求項4に記載の炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 前記ステップ(c)における前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧は、1.01乃至2.5気圧であることを特徴とする請求項3に記載の炭酸ガスミスト圧浴方法。
  • 炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療するための炭酸ガスミスト圧浴装置であって、
    生体を密閉状態に包囲するための炭酸ガスミスト包囲手段と、
    炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させ、当該炭酸ガスミストを前記炭酸ガスミスト包囲手段内に供給する炭酸ガスミスト発生供給手段と、
    前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるための排出手段と、
    前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させつつ、必要に応じて、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧が所定値範囲内になるように前記炭酸ガスミスト発生供給手段からの前記炭酸ガスミストの供給量を制御する制御手段と、
    の各手段を備えたことを特徴とする炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を計測する濃度検知手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御する、ことを特徴とする請求項7に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧を計測する気圧検知手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧が所定値になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御する、ことを特徴とする請求項8に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記炭酸ガスミスト発生供給手段は、その粒径が10μメートル以下の炭酸ガスミストを発生させることを特徴とする請求項7に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記制御手段は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を60%以上に維持することを特徴とする請求項7に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記制御手段は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧を、1.01乃至2.5気圧に維持することを特徴とする請求項9に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記炭酸ガスミスト包囲手段は、前記炭酸ガスミストを内部に封印する空間を形成する、折り畳み可能なカバータイプ、袋体タイプ又は固定据置型のボックスタイプの何れかの包囲手段である請求項7に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記炭酸ガスミスト包囲手段は、
    その内部に前記炭酸ガスミストを導入するための、内部に逆止弁を有する炭酸ガスミスト供給口と、
    内部の気体を排出するための排出口と、
    生体が出入りするための出入口と、前記ボックス本体内から生体の頭部を露出させるための開口と、
    を備えることを特徴とする請求項13に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記開口には、当該開口と生体の隙間からの炭酸ガスミストの漏出を防ぐ漏出防止手段を設けることを特徴とする請求項14に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 前記ボックスタイプの炭酸ガスミスト包囲手段は、その内部に椅子を備えることを特徴とする請求項13に記載の炭酸ガスミスト圧浴装置。
  • 说明书全文

    本発明は、炭酸ガスを所定の条件で生体の皮膚や粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し以って虚血性疾患(例えば、閉塞性動脈硬化症状や虚血性心疾患等)の予防、改善又は治療するための炭酸ガスミスト圧浴方法及び炭酸ガスミスト圧浴装置に関する。

    炭酸ガス(二酸化炭素:CO )は、に溶けやすい(水溶性)だけでなく油にも溶けやすい(脂溶性)という性質を併せ持つために、従来から、炭酸ガスが水と油の性質を併せ持つ生体の皮膚及び粘膜に触れることにより生体の皮下に浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用があることが知られている。

    また、炭酸ガスは、生体の皮下に浸透することにより血管を拡張させて血行を促進させ、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する可能性がある。 また、抗炎症、抗菌作用も有している。 このため、近年、炭酸ガスは医療目的のみならず、健康増進、美容促進といった点からも広く注目を集めている。

    生体の組織中で炭酸ガスは、赤血球内のヘモグロビンに結合して運ばれた酸素を放出させる働きがある。 炭酸ガス濃度の高いところでは、赤血球はより多くの酸素を放出する。 このように、赤血球による細胞への酸素の供給は、主に炭酸ガスがコントロールしている。 つまり、炭酸ガスなしでは、ヘモグロビンは酸素が結合したままの状態となり、細胞は酸素を受け取ることができなくなってしまう。 また、CO は生体内の代謝においても重要な役割を担っている。 このように、CO は細胞のエネルギー活動の結果出てくる単なる老廃物ではなく、生体の中で種々の重要な役割を果たしていることが明らかにされつつある。

    そこで、炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接吸収させるために、従来から、浴槽の湯中に炭酸ガスを発生させる入浴剤の利用を始め、炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に接触させるための種々の装置が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。

    特開平7−171189号公報

    特開2006−263253号公報

    特開2009−183625号公報

    本願の発明者は、従来から知られた炭酸ガスの上記のような生体に於ける種々の生理作用、特に血行促進効果、血管拡張効果、代謝機能亢進作用に鑑みて、炭酸ガスの生体への接触を継続的に行った場合、虚血領域の血行の改善又は促進に効果があるのではないかと考えた。 すなわち、皮下に浸透した炭酸ガスは組織(筋肉)や血液中に取り込まれる。

    炭酸ガスを多く含む血液は、所謂「酸欠」状態と認識され、血管を拡張させて血流増加を促すとともに、虚血領域に新たな血管形成(血管新生)をも促す。 組織中ではCO を用いて代謝を促進し、血管新生をサポートしていると考えられる。

    また、本願発明者による種々の実験の結果、炭酸ガスを単に生体の皮膚及び粘膜に接触させるだけでは、血液中に取り込まれる炭酸ガス濃度は低いことが判った。 そこで、本願発明者は、炭酸ガスを血液中に効率良く取り込ませるために、炭酸ガスを霧状(ミスト)にする、すなわち炭酸ガスを液体の薄い皮膜のバブルの中に閉じ込めた状態にして(本願では、これを「炭酸ガスミスト」という)、生体の皮膚及び粘膜に所定の圧(生体の内部圧以上)を加えて接触させることで血液中に取り込まれる炭酸ガス濃度を高くし、虚血領域を改善させることを発見したのである。

    尚、本予防、改善又は治療には、外科手術後あるいは人工臓器の埋め込み後の虚血領域も含まれる。

    よって、本発明は、炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療するための炭酸ガスミスト圧浴方法であって、(a)炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させるステップと、(b)生体を密閉状態に包囲する炭酸ガスミスト包囲手段内に、前記炭酸ガスミストを噴霧するステップと、(c)前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体が大気圧よりも高い所定値以上を維持するように、必要に応じて、前記ステップ(b)と並行して、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるステップと、(d)前記炭酸ガスミスト包囲手段内に対する前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20� ��間継続するステップと、前記ステップ(a)乃至(d)による炭酸ガスミストの圧浴を、少なくとも1日一回4週間継続するステップと、の各ステップを有することを特徴とする炭酸ガスミスト圧浴方法を提供するものである。

    なお、本願においては、液体を粉砕し微細な液滴にして気体(炭酸ガス)と接触混合させることを、粉砕溶解という。

    ところで、前記ステップ(d)は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を計測しつつ、前記炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するステップであることを特徴とする(請求項2に記載の発明)。

    また、前記ステップ(d)において、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧が所定値になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御することを特徴とする。

    前記炭酸ガスミストは、その粒径が10μメートル以下の炭酸ガスミストを含有することを特徴とする。 また、前記ステップ(c)における前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧は、1.01乃至2.5気圧であることを特徴とする。 そして、前記ステップ(d)における前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度は60%以上である、ことを特徴とする。

    本発明は、さらに、炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療するための炭酸ガスミスト圧浴装置であって、生体を密閉状態に包囲するための炭酸ガスミスト包囲手段と、炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させ、当該炭酸ガスミストを前記炭酸ガスミスト包囲手段内に供給する炭酸ガスミスト発生供給手段と、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるための排出手段と、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させつつ、必要に応じて、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧が所定値範囲内になるように前記炭酸ガスミスト発生供給手段からの前記炭酸ガス� ��ストの供給量を制御する制御手段と、の各手段を備えたことを特徴とする炭酸ガスミスト圧浴装置を提供するものである。

    ここで、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を計測する濃度検知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御することを特徴とする。 また、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧を計測する気圧検知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における気圧が所定値になるように前記炭酸ガスミストの供給量を制御することを特徴とする。

    ところで、前記炭酸ガスミスト包囲手段は、前記炭酸ガスミストを内部に封印する空間を形成する、折り畳み可能なカバータイプ又は袋体タイプ若しくは固定据置型のボックスタイプである。 ここで、前記炭酸ガスミスト包囲手段は、その内部に前記炭酸ガスミストを導入するための、内部に逆止弁を有する炭酸ガスミスト供給口と、内部の気体を排出するための排出口と、生体が出入りするための出入口と、前記ボックス本体内から生体の頭部を露出させるための開口と、を備えることを特徴とし、前記開口には、当該開口と生体の隙間からの炭酸ガスミストの漏出を防ぐ漏出防止手段を設けるようにしている。

    本発明は、以下詳しく説明するように、虚血領域における血行の改善又は促進に関する種々の動物実験の試験結果を得て、生体の皮膚及び粘膜に所定値以上の濃度の炭酸ガスミストを一定期間以上接触させることにより、虚血領域における血行の改善又は促進となることが確認されたのである。 また、本発明の処置により、血中硝酸イオン(NO - )は有意義に増加していることが確認されたのである。 すなわち、NO -は、血中の内皮細胞由来弛緩因子EDRFの本体とされるNO(一酸化窒素)由来の比較的安定な酸化代謝産物であり、NOは、血管内皮細胞から放出されていることから、高濃度(80乃至100%)炭酸ガスミスト圧浴処理による血流改善効果は、血管内皮機能が関与していることが明確に示唆されている。

    なお、本願明細書に記載した生体の虚血領域の血行状態を改善又は促進を示す種々の動物実験の試験結果は、主に8週齢ウィスタラットなどに対するものであるが、人体その他の哺乳類の生体に当て嵌まるものであることは、この種の他の多くの実験例と臨床データとの相関性から明らかである。

    本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴方法のプロセスフローを示す図である。

    本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴装置の第1実施例の概略を示す模式図である。

    図2に示す炭酸ガスミスト圧浴装置の、圧浴用カバーの概要を示す模式図である

    図3の圧浴用カバーを人体に適用した状態を示す模式図である。

    霧吹き方式の炭酸ガスミスト生成手段を用いた炭酸ガスミスト圧浴装置(第1実施例)を示す模式図である。

    図2に示す炭酸ガスミスト発生供給手段を複数備える炭酸ガスミスト圧浴装置を、例として馬に適用した状態を示す模式図である。

    本発明の、虚血領域の血行を改善又は促進する炭酸ガスミスト圧浴装置の第2実施例の概略を示す模式図である。

    図7に示す炭酸ガスミスト圧浴装置の、圧浴用カバーの概要を示す模式図である

    図8の圧浴用カバーを人体に適用した状態を示す模式図である。

    図7に示す炭酸ガスミスト圧浴装置の、圧浴用カバーの他の形状例を示す模式図である。

    マウスの虚血作成直後および28日目のレーザードップラー血流計にて測定した血流を示す図である。

    マウスの虚血作製直後及び4日・7日・14日・21日・28日がそれぞれ経過した血流の変化をI/N比にて示す図である。

    虚血作製から28日経過後におけるマウスの虚血部組織(大腿内転筋)を取り出し、抗CD31抗体による免疫組織染色を行った結果を示す図である。

    免疫組織染色後の1平方mm当りの毛細血管密度の定量解析を行った結果を示す図である。

    マウスの虚血作成から4日経過後において合成される、VEGF(血管内皮成長因子)とGAPDH(グリセルアルデヒド3リン酸脱水酵素)の比を示す図である。

    マウスの虚血作成から4日経過後において合成される、FGF(線維芽細胞増殖因子)とGAPDHの比を示す図である。

    マウスの虚血作成から4日経過後において合成される、eNOS(内皮型NO合成酵素)とGAPDHの比を示す図である。

    マウスの虚血作成から7日経過後において合成される、VEGFとGAPDHの比を示す図である。

    マウスの虚血作成から7日経過後において合成される、FGFとGAPDHの比を示す図である。

    マウスの虚血作成から7日経過後において合成される、eNOSとGAPDHの比を示す図である。

    マウスの虚血作成から4日後の血漿中に含まれる硝酸の量を示す図である。

    ラット下肢虚血モデル作成時の組織の酸素量を光の吸収測定をもとに計測した結果を示す図である。

    ラット下肢虚血モデル炭酸ガスミスト処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を光の吸収測定をもとに計測した結果を示す図である。

    ラット下肢虚血モデル合成空気処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を光の吸収測定をもとに計測した結果を示す図である。

    ラット下肢虚血モデル合成空気処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を計測した結果を示す図である。

    ラット下肢虚血モデル炭酸ガスミスト処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を計測した結果を示す図である。

    「iTRAQとLC/MS/MSによる同定タンパク質の数」と下肢虚血後の炭酸ガスミスト処置によるタンパク質への影響を示す図である。

    炭酸ガスミストを発生させる手段の原理的な構成を説明する図である。

    炭酸標準溶液の

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    炭酸標準溶液のEICクロマトグラムによる測定結果に基づき作成した

    12 CO

    の検量線を示す図である。

    非処理No. 1ラットの血漿における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 4ラットの血漿における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 1ラットの血漿における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 4ラットの血漿における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 1ラットの心臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 4ラットの心臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 1ラットの心臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 4ラットの心臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 1ラットの肝臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 4ラットの肝臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 1ラットの肝臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 4ラットの肝臓における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 1ラットの筋肉における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    非処理No. 4ラットの筋肉における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 1ラットの筋肉における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    13 CO

    ミスト処理を施したNo. 4ラットの筋肉における

    12 CO

    13 CO

    のEICクロマトグラムによる測定結果を示す図である。

    試料別の

    12 CO

    との検出量を棒グラフにて示す図である。

    処理法別の

    12 CO

    との検出量を棒グラフにて示す図である。

    試料別の

    13 CO

    との検出量を棒グラフにて示す図である。

    処理法別の

    13 CO

    との検出量を棒グラフにて示す図である。

    試料別に

    12 CO

    検出量に対する

    13 CO

    との検出量の割合を棒グラフにて示す図である。

    処理法別に

    12 CO

    検出量に対する

    13 CO

    との検出量の割合を棒グラフにて示す図である。

    炭酸ガスミスト生成手段の別の構成例の構造を示す断面模式図である。

    身体の局所の皮膚及び粘膜を覆う圧浴用カバーを用いた本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴装置の第3実施例の概略を示す模式図である。

    以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

    最初に、本発明による、炭酸ガスミストを生体の皮膚に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進する炭酸ガスミスト圧浴方法について説明する。

    図1に、本発明に係る生体の虚血領域の血行を改善又は促進するための炭酸ガスミスト圧浴方法のプロセスフローを示す。 後に(図2、図5において)詳しく説明する炭酸ガスミスト発生供給装置を用いて、図1の(A)部に示すように、炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させるステップ(a)と、生体を密閉状態に包囲する炭酸ガスミスト包囲手段内に、前記炭酸ガスミストを噴霧するステップ(b)と、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体が大気圧よりも高い所定値以上を維持するように、必要に応じて、前記ステップ(b)と並行して、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるステップ(c)と、炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように、前記炭酸ガスミスト包囲手段内に対する前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するステップ(d)と、の各ステップを有し、この炭酸ガ� ��ミストの圧浴を、少なくとも毎日4週間継続(e)することにより、生体の虚血領域の血行を改善又は促進する炭酸ガスミスト圧浴方法を提供するものである。

    上記のステップ(d)に変えて、前記炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度を計測しつつ、前記炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように前記炭酸ガスミストの供給を少なくとも20分間継続するようにしても良い(図1の(B)部に示すステップ(d')に記載のとおり)。

    なお、ステップ(e)においては、前記炭酸ガスミストの供給量を制御してこれを少なくとも20分間以上継続するが、好ましくは30分間以上継続するのが、虚血領域の血行を改善又は促進する上で最適である。

    ここで、前記炭酸ガスミストは、その粒径が10μメートル以下の炭酸ガスミストを含有することを特徴とする。 これにより、生体の毛穴若しくは皮膚及び粘膜から炭酸ガスミストが生体の皮下に効率良く浸透するのである。

    また、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気圧は、1.01乃至2.5気圧であることを特徴とする。 生体の体内圧力はほぼ大気圧(1気圧)と同程度であるので、本炭酸ガスミスト圧浴方法においては、炭酸ガスミストが大気圧よりも高い圧力で生体の皮膚及び粘膜に接触するようにして、炭酸ガスミストの生体の皮下への浸透性をさらに向上させているのである。

    そして、本炭酸ガスミスト圧浴方法においては、炭酸ガスミスト包囲手段内における炭酸ガスミストの濃度は、60%以上としている。

    炭酸ガスミストを発生させる手段の原理的な構成を図28に示すと、水槽Tの水を、内部が炭酸ガス供給装置Gから炭酸ガス圧が印加されて炭酸ガス雰囲気中にある密閉容器C中に噴射することにより、炭酸ガスと水とを粉砕溶解して炭酸ガスミストを形成するものである。

    図2は、本発明の、虚血領域の血行を改善又は促進する炭酸ガスミスト圧浴装置の第1実施例の概略を示す模式図である。 図2に示すように炭酸ガスミスト圧浴装置10は、炭酸ガスミストの生成供給を行う炭酸ガスミスト発生供給手段11と、炭酸ガスミストを生体と共に密閉状態に包囲するための圧浴用カバー12(炭酸ガスミスト包囲手段)と、この圧浴用カバー12内の炭酸ガスミストの濃度を計測する濃度計13(濃度検知手段)と、圧浴用カバー12内の気体を外部に排出させると共に、炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように炭酸ガスミスト発生供給手段11からの炭酸ガスミストの供給量を制御する制御装置14(制御手段)と、を備えている。

    まず、炭酸ガスミスト発生供給手段11は、炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段111と、液体を供給する液体供給手段112と、これら炭酸ガス供給手段111からの炭酸ガスと液体供給手段112からの液体を粉砕溶解させた霧状のガスミスト(以下、炭酸ガスミストという)を生成、供給する炭酸ガスミスト生成手段113と、から構成される。

    炭酸ガス供給手段111は、例えばガスボンベ等からなり、炭酸ガスミスト生成手段113に炭酸ガスを供給する。 この炭酸ガス供給手段111には、図示は省略するがガスの圧力調整のためのレギュレータが設けられている。 また、ガスを加温するためのヒータと温度制御のための温度計を配置しても良い。

    液体供給手段112は、ポンプ等から構成され、炭酸ガスミスト生成手段113に液体を供給する。 あるいは、例えばオゾン水生成装置等の、ガス混合水の供給手段であっても良い。

    供給する液体としては、水、イオン水、オゾン水、生理食塩水、精製水、滅菌精製水を用いるのが好適である。 さらに、これらの液体に使用者の疾患、症状等に有効な薬剤を含有させても良い。 薬剤とは、例えば、抗アレルギー剤、抗炎症剤、解熱鎮痛剤、抗真菌剤、抗インフルエンザウィルス剤、インフルエンザワクチン、ステロイド剤、抗ガン剤、血圧降下剤、化粧剤、増毛剤、発毛剤、育毛剤等が挙げられる。 さらに、清涼作用のあるメンソールや、血行を促進させるビタミンE、皮膚組織に吸収されやすく美肌効果の高いビタミンC誘導体、皮膚の化作用を正常にし粘膜を保護するレチノール、粘膜への刺激を和らげるための麻酔薬、臭気を除去するためのシクロデキストリン、殺菌、消炎効果のある光触媒、又は光触媒とアパタイトの複合体、保水力に優れ肌の保湿効果を有するヒアルロン酸、細胞を活性化し免疫力を向上させるコエンザイムQ10、抗酸化物質や多量の栄養素を含むシードオイル、抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、鎮痛・麻酔作用、免疫作用等を有するプロポリス等を単独あるいは複数組み合わせて混合して、ガスの生理作用との相乗効果を生じさせることも可能である。 あるいは、エタノール、グルコン酸クロルヘキシジン、両性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、酢酸アルキルジアミノエテルグリシン、次亜塩素酸ナトリウム、過酢酸、セスキ炭酸ナトリウム、シリカ、ポピドンヨード、炭酸水素ナトリウムを添加しても良い。 さらに、炭酸塩と有機酸を主成分とする高濃度炭酸泉剤(有効成分の一例としては、硫酸塩、炭酸塩、有機酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、殺菌剤、洗浄剤等を添加しても良い。

    なお、この液体供給手段112には、図示しないが液体を加温するためのヒータや温度制御のための温度計を配置するのが望ましい。

    炭酸ガスミスト生成手段113は、炭酸ガス供給手段111から供給されたガスと、液体供給手段112から供給された液体とを粉砕溶解した炭酸ガスミストを生成し、これを圧浴用カバー12へ供給する装置である。 この際、生成するミストの粒径は10μメートル以下であるのが最適である。 炭酸ガスミスト生成手段113としては、例えば、超音波式や霧吹き式、流体ノズルを用いた方式等、様々なミスト生成装置を適用することができる。

    次に、圧浴用カバー12は、生体(ここでは例として、人体)の皮膚及び粘膜を覆うと共に、炭酸ガスミストを内部に封入する空間を形成できるカバー本体121から構成される。 図3に圧浴用カバー12の概要を、図4に圧浴用カバー12を人体に適用した状態を示している。 これらの図に示すように、カバー本体121は生体のほぼ全身の皮膚及び粘膜を覆うことができる大きさの耐圧性、非通気性、非透湿性素材からなる袋状の部材から構成されるのが好適である。 その場合、折り畳んだり、着用した状態のまま椅子に腰をかける(図4参照)等、内部で自由に動けるように、柔軟な素材から構成されるのが望ましい。 具体的な素材としては、例えば天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等からなるのが好適である。

    図4の袋状のカバー体は全身を覆っているが、炭酸ガスミスト圧浴により虚血領域の血行を改善又は促進を必要とする生体の部位のみを密閉状態に包囲しても良い。 例えば、虚血性心疾患の予防、改善又は治療を行うには、上半身のみ密閉状態に包囲する袋状のカバー体であっても良く、また、主に下肢の大血管が閉塞する閉塞性動脈硬化症状の予防、改善又は治療を行うには、下半身のみ密閉状態に包囲する袋状のカバー体であっても良い。

    上記のようにここでは袋状のカバー本体121を図示したが、このほか後述するようにボックスタイプ等の形状を有していても良い。

    カバー本体121には、内部に生体が出入りできるよう開閉部122が設けられると共に、生体の頭部をカバー12外部に露出するための開口部123が設けられている。 さらに、カバー本体121の内部に炭酸ガスミストを導入するための供給口124と、カバー本体121内の炭酸ガスミストを排出する排出口125(排出手段)とを備えている。 また、圧浴用カバー12内が一定圧力以上になると自動的に弁が開く安全弁(逃し弁)を設けるようにしても良い。

    開閉部122は、好適には耐圧性、非通気性、非透湿性の加工を施した線ファスナー(ジッパー)から構成される。 そのほか、面ファスナー等であっても良い。

    開口部123は、生体の頭部をカバー12外部に露出するために設けられており、その周縁には隙間からの炭酸ガスミストの漏出を防ぐため、ゴム等の伸縮する素材からなる漏出防止手段で、開口部123を使用者の首にフィットさせている。 漏出防止手段は、このほか紐やベルト、面ファスナー等を用いても良い。

    供給口124は、圧浴用カバー12内に炭酸ガスミストを導入するためにカバー本体121と連通して設けられており、ここに炭酸ガスミスト供給管119を通して炭酸ガスミスト生成手段113を接続する。 供給口124の内部には、炭酸ガスミストの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。

    排出口125は、圧浴用カバー12内の気体を排出することで内部の圧力や炭酸ガスミストの濃度を調整するための通気口である。 この排出口125は、制御装置14の指令に基づき開閉する。

    濃度計13は、圧浴用カバー12内に設置され、カバー12内の炭酸ガスミストの濃度を計測し、その計測値を制御装置14に出力する。

    一方、制御装置14は、CPU、メモリ、ディスプレイを備えたコンピュータから構成され、圧浴用カバー12内の炭酸ガスミストの濃度を所定値以上(好適には60%以上)にし、さらにこれを維持するように、濃度計13の計測値に基づいて炭酸ガスミスト生成供給手段11や圧浴用カバー12の排出口125を制御する。 このほか、圧浴用カバー12内の温度や圧力値等も制御するようにしても良い。 また、制御装置14はタイマー機能を有し、設定した時間での炭酸ガスミスト圧浴を可能にする。

    以下、さらに具体的に本炭酸ガスミスト圧浴装置の一例について説明する。 図5は、霧吹き方式の炭酸ガスミスト生成手段を用いた炭酸ガスミスト圧浴装置10A(第1実施例)を示す模式図である。 ここでは炭酸ガスミスト生成手段113の例として、霧吹き式の炭酸ガスミスト生成手段113′を用いている。

    炭酸ガスミスト生成手段113′には、液体供給手段112からの液体を貯留するための液体貯留部114と、炭酸ガス供給手段111から供給される炭酸ガスを先端開口から吐出するノズル115Aと、液体貯留部114に貯留された液体をノズル115Aの先端まで吸い上げる吸液管115Bと、ノズル115A及び吸液管115Bの先端開口と対向する位置に設けられるバッフル116とが形成されている。 また、炭酸ガス供給手段111から炭酸ガスミスト生成手段113′内に炭酸ガスを供給し、炭酸ガスをノズル115A周辺に導入すると共に炭酸ガスミストを排出する気流を作る炭酸ガス供給部117Aと炭酸ガス導入部117B、炭酸ガスミストを収集して排出するための炭酸ガスミスト収集部118Aと炭酸ガスミスト導出部118Bとを備えている。 炭酸ガスミスト導出部118Bから排出された炭酸ガスミストは、炭酸ガスミスト供給管119を通って圧浴用カバー12に供給される。

    なお、この炭酸ガスミスト圧浴装置10Aでは、圧浴用カバー12内に濃度計13のほか、圧力計151も設置している。 制御装置14はこれらの計測値に基づいた制御を行う。 例えば、圧浴用カバー12内の気圧は1気圧以上(より好適には1.01乃至2.5気圧)となるようにする。 さらに、圧浴用カバー12内の気圧が所定値以上になった場合には、炭酸ガスミスト発生供給手段11を停止させる、排出口125から圧浴用カバー12内の炭酸ガスミストを排出する等の制御を行っても良い。

    また、この炭酸ガスミスト圧浴装置10Aでは、炭酸ガス供給手段111から炭酸ガスミスト生成手段113′の炭酸ガス供給部117Aの間に、流量バルブ141を設けて炭酸ガスミスト生成手段113′へのガス流量の調整を可能とすると共に、炭酸ガスミスト供給管119に、炭酸ガスミスト生成手段113′の炭酸ガスミスト導出部118Bからの炭酸ガスミストと炭酸ガス供給手段111からの炭酸ガスを切り換える切替弁142を設け、圧浴用カバー12内の炭酸ガスミスト濃度の調節等を可能にしている。

    次に、本炭酸ガスミスト圧浴装置10Aを用いて炭酸ガスミスト圧浴を行う手順について説明する。 まず、使用者は圧浴用カバー12の開閉部122を開いてカバー本体121内に入り、開口部123を首に対して適切に合わせてから開閉部122を閉じ、圧浴用カバー12内が密閉状態になるようにする。

    次いで、炭酸ガスミスト生成手段113′の液体貯留部114に、液体供給手段112からの液体を注入し、次いで、炭酸ガス供給手段111から炭酸ガスミスト生成手段113′に炭酸ガスを供給する。

    炭酸ガスがノズル115Aに供給されると、ノズル115Aは図5に示すように先端に向かって狭窄されているため、炭酸ガスは流速を増して吐出される。 液体はこのときの気流により発生する負圧で吸液管115Bを吸い上げられ、吸液管115Bの先端部(ノズル先端部)で炭酸ガスに吹き上げられてバッフル116に衝突し、ミストが生成される。 炭酸ガスはさらに炭酸ガス供給部117A及び炭酸ガス導入部117Bからも炭酸ガスミスト生成手段113′内に供給され、生成された炭酸ガスミストの排出圧を高める。 生成された炭酸ガスミストは、炭酸ガスミスト収集部118A、炭酸ガスミスト導出部118Bを通り炭酸ガスミスト供給管119から圧浴用カバー12に供給される。 制御装置14は、濃度計13、圧力計151の値に基づいて炭酸ガスミスト発生供給手段11と圧浴用カバー12の排出口125の制御を行う。 そして予め設定されたタイマーの所定時間が経過するまで、炭酸ガスミスト圧浴が行われる。

    ガスミスト供給管119は、その全部又は一部を管径の太い柔軟なジャバラ状の管で構成するのが好適である。 ジャバラ状の管は、自在に曲がり、伸縮させることもできるため、使用者の動きを制限することもない。 さらに、このジャバラ状の管の内側には、管の軸方向に溝を形成することで、ガスミスト供給管119内を流れるガスミストが液化した際に、液滴を集めて回収しやすくすることができる。

    また、上記では一つの炭酸ガスミスト発生供給手段11から一つの供給口124を通して圧浴用カバー12に炭酸ガスミストを供給する例を示したが、これに代えて、複数の炭酸ガスミスト発生供給手段から複数の供給口を介して炭酸ガスミストを供給しても良い。 また、上記では本炭酸ガスミスト圧浴装置10を適用する生体として人体を例に説明したが、人体に限らず動物(例えば、競走馬やペット等)であっても良い。

    図6は、複数の炭酸ガスミスト発生供給手段を備える炭酸ガスミスト圧浴装置を、例として馬に適用した状態を示す模式図である。 なお、図2と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。

    図6に示すように、炭酸ガスミスト圧浴装置20は、複数(ここでは例として二つ)の炭酸ガスミスト発生供給手段21A、21Bを備えている。 そして、馬用の圧浴用カバー22は、カバー本体221が馬のほぼ全身を覆う大きさに形成され、開閉部222、開口部223を備えると共に、複数(ここでは例として二つ)の供給口224A、224Bと排出口225とを有している。

    供給口224A、224Bは、それぞれ炭酸ガスミスト発生供給手段21A、21Bとに接続されている。 ここで、各炭酸ガスミスト発生供給手段21A、21Bでは、異なる液体から炭酸ガスミストを生成して、各種液体の作用を生体に及ぼすようにしても良い。

    上記では、袋状のカバー本体121からなる圧浴用カバー12について説明したが、圧浴用カバー12はこれに限らず種々の形状が適用可能である。 図7は、固定据置が可能なボックスタイプの圧浴用カバーを備える炭酸ガスミスト圧浴装置(第2実施例)の概略を示す模式図である。 図2と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。 また、図8は本実施例に係るボックスタイプの圧浴用カバーの概略を、図9はこれを人体に適用した状態を示している。

    図7に示すように、炭酸ガスミスト圧浴装置30は、炭酸ガスミストの生成供給を行う炭酸ガスミスト発生供給手段11と、炭酸ガスミストを生体と共に密閉状態に包囲するための圧浴用カバー32(炭酸ガスミスト包囲手段)と、この圧浴用カバー32内の炭酸ガスミストの濃度を計測する濃度計13(濃度検知手段)と、圧浴用カバー32内の気体を外部に排出させると共に、炭酸ガスミストの濃度が所定値以上になるように炭酸ガスミスト発生供給手段11からの炭酸ガスミストの供給量を制御する制御装置14(制御手段)と、を備えている。 さらに、圧力計151を設けて、制御装置14は、圧浴用カバー32内の気圧が所定値以上になった場合には、炭酸ガスミスト発生供給手段11を停止させる、排出口329から圧浴用カバー32内の炭酸ガスミストを排出する等の制御を行うこともできる。 また、圧浴用カバー32内が一定圧力以上になると自動的に弁が開く安全弁(逃し弁)を設けるようにしても良い。

    ここで、圧浴用カバー32は、生体のほぼ全体を覆うことができる大きさの、ボックスタイプのカバー本体321から構成されている。 即ち、上部322、底部323、及び複数(ここでは四つ)の側部324(324A、324B、324C、324D)から形成される。 このうち、一つの側部(ここでは例として324A)は、使用者が圧浴用カバー32内に出入りするため、図8(b)に示すような開閉可能な扉325になっている。 この扉325には外部に取手325Aを設ける。 また、図示は省略したが、カバー32内側からも扉325を開閉できるよう、内部にも取手を設けるのが好ましい。

    カバー本体321の上部322には、使用者の頭部をカバー32外部に露出するための開口326が設けられている。 この開口326は、余裕を持って頭部の出し入れが可能な程度の径を有する。 さらに、開口326の周囲には、隙間からの炭酸ガスミストの漏出を防ぐため、漏出防止手段327が設けられる。 ここでは、開口326の内側に、さらに開口327Aを有する非通気性素材(例えばポリエチレンシート等)を設けると共に、この開口327Aの縁にゴム等の伸縮する部材を取り付けて、使用者の首にフィットさせて炭酸ガスミストの漏出を防ぐ。 なお、ゴムの代わりに紐やベルト、面ファスナー等を用いても良い。

    圧浴用カバー32は、炭酸ガスミスト供給管119に接続され、炭酸ガスミストを内部に導入するための供給口328を備えている。 この供給口328の内部には、炭酸ガスミストの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。 さらに圧浴用カバー32は、圧浴用カバー12内の気体を排出することで内部の圧力や炭酸ガスミストの濃度を調整するための排出口329を備えている。 この排出口329は、制御装置14の指令に基づき開閉する。

    なおここでは、使用者が座位で炭酸ガスミスト圧浴を行えるよう、圧浴用カバー32内に椅子330を配置している。 この椅子330は、使用者の座高に合わせて座面の高さを変えることができるものを用いるのが好ましい。

    本実施形態の圧浴用カバー32を用いて炭酸ガスミスト圧浴を行う際には、使用者はまずカバー32の扉325を開いてカバー本体321内に入り、開口326に対して頭部の位置が適切になるよう、椅子330の高さを調節する。 次いで、椅子330に座って開口326に頭部を通し、さらに漏出防止手段327を首回りに適切にセットして炭酸ガスミストの漏出を防ぐ。 それから扉325を閉めてカバー32内を略密閉状態にする。 この状態で、炭酸ガスミスト発生供給手段11から炭酸ガスミストを供給して、炭酸ガスミスト圧浴が行われる。

    なお、ここまでは圧浴用カバー32内に椅子330を設けて、使用者が座位で炭酸ガスミスト圧浴を行う例を図示したが、圧浴用カバー32は、他の姿勢で行うための形状に変形しても良い。 図10に、他の姿勢で炭酸ガスミスト圧浴を行う場合の圧浴用カバー32の形状例を示す。

    図10(a)は、立位用の圧浴用カバー32aである。 このように、立位用の圧浴用カバー32aは、縦長形状に形成される。 カバー本体321aには、開口326aと漏出防止手段327aが設けられている。 さらに、炭酸ガスミストの供給口328a、排出口329a、出入りのための扉325aが設けられる。

    図10(b)は、仰臥用の圧浴用カバー32bである。 このように、仰臥用の圧浴用カバー32bは、横長形状に形成される。 カバー本体321bには、開口326bと漏出防止手段327bが設けられている。 さらに、炭酸ガスミストの供給口328b、排出口329b、出入りのための扉325bが設けられる。

    なお、上記した第1実施例と同様に、圧浴用カバー32を適用する生体は人体に限らず、動物(例えば、競走馬やペット等)であっても良い。

    図5においては、図2の炭酸ガスミスト生成手段113の具体的な構成例として炭酸ガスミスト生成手段113´示したが、さらに、図53を参照しつつ別の構成例の炭酸ガスミスト生成手段130を説明する。 図53は、炭酸ガスミスト生成手段130の構造を示す断面模式図であり、炭酸ガスミスト生成手段130は、予め内部に液体を貯留して、炭酸ガス供給手段111から供給されるガスの高速流により、液体とガスを粉砕溶解したガスミストを生成し、さらにガスを混合させてこれを図2などに示す圧浴用カバー12に供給する。

    図53に示すように、炭酸ガスミスト生成手段130は、ガス供給手段111と接続される接続部131と、接続部131からのガス流を分岐させる分岐部132と、液体を貯留する液体貯留部133と、分岐部132で分岐された一方のガス流を吐出するノズル134と、ノズル134先端に液体を送る送液管135Aと、ノズル134が吐出するガス流によって吹き上げられた液体を衝突させてガスミストを生成するバッフル(衝突部材)136と、生成されたガスミストに上方からガスを合流させる合流部137と、分岐部132で分岐された他方のガス流を合流部37まで導くガス導入部38と、生成されたガスミストを収集し排出するガスミスト排出部139とを備え、これらが一体に形成されている。

    接続部131には、ガス供給手段111が直接、もしくはガスコード等を介して接続される。 接続部131の構造は、ガス供給手段111に連結されたガスコード等や直接ガス供給手段111をワンタッチで接続可能なものであり、接続するガス供給手段111に従って様々な形態を適用することができる。

    接続部131を介してガス供給手段10から供給されたガスは、分岐部132で二手に分岐される。 そして一方はノズル134に、他方はガス導入部138に向かう。 ノズル134に向かったガスは、ノズル先端134Aから吐出される。 一方、ガス導入部138に向かったガスは、合流部137まで案内される。

    図5に示す炭酸ガスミスト生成手段113´の液体貯留部114は液体供給手段112から直接液体が供給される構造であるが、図53の炭酸ガスミスト生成手段130においては、予め製造段階で所定の液体が貯留され、密封される。 そして、使用時にこれを開封してガスミスト圧浴を行う。 しかし、貯留する液体は、炭酸ガスミスト生成手段113´の液体貯留部114と同じであり、前述したように、水、イオン水、オゾン水、生理食塩水、精製水、滅菌精製水が用いられて、さらに、これらの液体に使用者の疾患、症状等に有効な物質を添加しても良い。

    液体貯留部133の底部中央には、ノズル134が配置されている。 ノズル134は、液体貯留部133の底から隆起して、バッフル136に向かって絞られる略円錐筒状に形成されている。 ノズル134の基端は分岐部132の一方の分岐と連結しており、ノズル134の先端開口134Aからはガスを吐出可能である。

    吸液管135Aは、ノズル134の外周面と、ノズル134より一回り大きい略円錐筒状の吸液管形成部材135との間に形成される。 即ち、図53に示すように、ノズル134に吸液管形成部材135を被せるように配置することにより、ノズル134の外周面と吸液管形成部材135の内周面との間に吸液管135Aが形成される、図示は省略したが吸液管形成部材135の基端(略円錐筒状部の下部)には微小な爪状突起部が設けられているため、吸液管形成部材135の基端と液体貯留部133の底面には隙間が形成されており、この隙間から液体貯留部133に貯留された液体が吸液管135Aによって吸い上げられる。 また、吸液管形成部材135の先端部135Bは、ノズル134の先端開口134Aの近傍で開口しており、ノズル134から吐出されるガス流に、吸液管135Aが吸い上げた液体が突き当たるように構成されている。

    吸液管135Aが吸い上げた液体は、ノズル134から吐出されたガス流に突き当たって吹き上げられ、ノズル134の先端開口134Aに対向する位置に配置されたバッフル136に衝突して粉砕され、ガスミストが生成される。 ここでは、バッフル136はバッフル支持部136Aによって合流部137の内壁に固定されているが、吸液管形成部材135等に固定されても良い。

    一方、分岐1部32でガス導入部138に分岐されたガスは、ガス導入部138に沿って合流部137に至る。 ガス導入部138は、炭酸ガスミスト生成手段130下部に設けられた分岐部132から、炭酸ガスミスト生成手段130内側の側面を通って上部へ向かうガスの案内路であり、炭酸ガスミスト生成手段130に一体に形成されている。 また、合流部137は、ノズル134の先端開口134A上でバッフル136を囲うように配置される円筒状の部材からなり、ガス導入部138と通じている。 従って、分岐部132で分岐されガス導入部138へ導かれたガスは、合流部137で生成されたガスミストと上方から合流し、円筒状の合流部137の周囲に形成されたガスミスト排出部139へとガスミストを押し出す。

    ガス導入部138から合流部137へ供給されるガスは、ガス導入部138の径のサイズによって供給圧の調整ができる。 ガス供給圧の調整によって、炭酸ガスミスト生成手段130のガスミスト供給量も調節可能になる。 また、ガスミスト濃度(ガス中のミスト濃度)やミストの粒子サイズもガス導入部138の径サイズによって調節可能である。

    ガスミスト排出部139は、円筒状の合流部137の周囲に形成される空間で、ガス導入部138からのガスによって合流部137から追いやられたガスミストを収集しガスと共に排出する。 ガスミスト排出部139に追いやられたガスミストは、炭酸ガスミスト生成手段130の上部に配置された開口である、ガスミスト排出口139Aから圧浴用カバー12へと排出される。 ガスミスト排出口139Aと圧浴用カバー12の間は、ガスミスト供給管119によって接続されている。

    なお、炭酸ガスミスト生成手段130は、少なくとも液体貯留部133を含んだ部位を取り外し可能にして、他の新たな液体貯留部133と取替え可能に構成しても良い。 即ち、炭酸ガスミスト生成手段130を組み立て式として、液体貯留部133を含んだ取替え部を他の部位と組み立てることによって、ガス導入部138が一体となった炭酸ガスミスト生成手段130が完成する構成である。 このように、液体貯留部133を取替え可能にすることにより、液体貯留部133を使い捨てにして衛生を保つ。 また、液体貯留部133を取替え可能にすることにより、吸液管135Aに液体を補給するための構成を省いている。 なお、上記炭酸ガスミスト生成手段130は、製造段階で予め滅菌処理されているのが好ましい。

    上記炭酸ガスミスト生成手段130では、以下のようにガスミストを生成する。 ガス供給手段10からガスがノズル34に供給されると、ノズル134は先端に向かって狭窄されているため、ガスは流速を増して吐出される。 液体貯留部133の液体はこのときの気流により発生する負圧で吸液管135Aを吸い上げられ、吸液管135Aの先端部135Bでガスに吹き上げられてバッフル136に衝突し、ガスミストが生成される。 この衝突によって生成されるミストの粒径は微細であることが望ましく、具体的には10μm以下が最適である。 このように微細に粉砕されたミストは、マイナスイオンの効果を発揮することができる。

    ガスはさらに、分岐部132を経てガス導入部138から合流部137へと案内されて、生成されたガスミストの排出圧を高くする。 生成されたガスミストは、分岐部132からのガスと混合されて、ガスミスト排出口139Aから排出される。 すなわち、図5にて説明すれば、ガスミストは炭酸ガスミスト供給管119を介して圧浴カバー12へ供給される。

    これまで説明してきた圧浴用カバー12、22、32、32a及び32bは、全て生体の頭部を除いた身体全体を収容するものであるが、身体の局所の皮膚及び粘膜を覆うものであっても良い。 図54は、本発明による炭酸ガスミスト圧浴装置の第3実施例の概略を示す模式図である。 ここでの圧浴用カバー150は、生体の局所(本図では例として、人体の前腕を図示)を覆って、ガスミスト及びガスを内部に封入する空間を形成する。 圧浴用カバー150は、内側に配置される第一のカバー(内側カバー)161と、外側に配置され、第一のカバー161全体を被覆して略密閉可能な第二のカバー(外側カバー)155と、から構成される。 そして、圧浴用カバー150は、耐圧性、非通気性、非透湿性素材からなるのが好適であり、例えば、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等から構成する。

    内側カバー161は、ガスミストの吸収率が高い部位を局所的に覆うための略袋状のカバーであると同時に、断熱用カバーとしても機能する。 即ち、生体カバー部材150内が時間経過と共に温度上昇した後、常温で生成された比較的冷温のガスミストが供給されるが、すぐに温度上昇しないように内側カバー161は断熱素材から構成するのが好適である。 この内側カバー161を装着することにより、ガスミスト圧浴中に供給されるガスミストの気化を防止することができる。 内側カバー161は、特にガスミストを吸収させたい箇所や、手のひらや足の裏等、汗腺が多く汗をかきやすい部位に装着すると効果が高くなる。

    内側カバー161には、ガスミスト供給管119に接続してガスミスト及びガスを内部に導入するための供給口152が設けられている。 この供給口152の内部には、図示しないが、ガスミスト及びガスの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。 内側カバー161の端部は、ここでは開口154になっている。 従って、内側カバー161に供給したガスミスト及びガスは、同時に開口154を通じて外側カバー155にも供給される。

    外側カバー155は、内側カバー161よりも大きく、生体の皮膚及び粘膜と、内側カバー161全体を覆うことができるカバーであり、略袋状に形成されている。 外側カバー155の開口部には、生体への着脱を可能にすると共に、内部に封入したガスミスト及びガスの漏出を防ぐための止着部157が設けられている。 止着部157は、例えば伸縮性のある面ファスナーにより構成されるのが好適である。 あるいは、紐やゴム等を単独、又は組み合わせて用いても良い。 さらに、外側カバー155は密閉性が必要となるため、止着部157の内側面に、生体の皮膚に粘着する素材を配置しても良い。 この粘着素材は、例えばポリウレタンやシリコンゴム等からなる粘弾性ゲルであるのが好ましい。 さらに、この粘着素材は取り外し可能に設けられ、使用の都度あるいは粘性が低くなれば交換できる構成とするのが良い。

    さらに外側カバー155には、内側カバー161の供給口152と連結させて、外側カバー155内を密閉しながら内側カバー161とガスミスト供給管119を接続させる連結部158が設けられている。 さらに、外側カバー155には、図示しないが、カバー内からガスミスト及びガスを抜くためのガスミストの排出口や、カバー内の圧力を調整するための弁等を設けるのが好適である。 カバー内の圧力調整は、手動で行われても良いが、後述する圧力計171の計測値に基づき、ガスミストの供給制御と共に制御装置160により自動的に行われるのが望ましい。 また、外側カバー155内が一定圧力値以上になると自動的に弁が開く安全弁(逃し弁)を設けるようにしても良い。

    なおここでは例として、連結部158を設け内側カバー161の供給口152と連結させる構成としたが、外側カバー155内を密閉しながら内側カバー161にガスミストを供給可能にする構成であれば、どのような形態を適用しても良い。

    外側カバー155内には、その内部の圧力を計測するための圧力計171が設置される。 制御装置160は、外側カバー155内の圧力値を1気圧以上(より好適には、1.01〜2.5気圧)に保つため、この圧力計171の計測値に基づき、ガスミストの生成、供給を制御する。 例えば、ガス供給手段110からのガスの供給を調整、停止したり、内側カバー161や外側カバー155からガスミスト及びガスを排出したりする。 なお、本実施形態では内側カバー161が開口154によって開放された状態の圧浴用カバー150を用いているため、圧力計171は外側カバー155内に一つ設けるのみで足る。 また、内側カバー161もしくは外側カバー155内(ここでは内側カバー161内)に、温度を計測するための温度計172を設置しても良い。 制御装置160は、温度計172の計測値からガスミスト供給のオン・オフを行う。

    このほか、圧浴用カバー150内には、酸素濃度、炭酸ガス濃度、湿度等を計測するセンサ類を設置して、制御装置60によってカバー内の環境を予め設定された各値の範囲内に制御するようにしても良い。

    制御装置160は、CPU、メモリ、ディスプレイを備えたコンピュータから構成される。 そして、ガス供給手段110から供給されるガスの圧力調整やオン・オフ切替、ガスミストの供給のオン・オフ切替等々の各種制御を行い、最適な状態でガスミスト圧浴が行えるようにする。 特に、圧浴用カバー150内に設置した圧力計171、温度計172等のセンサ類の計測値から、圧浴用カバー150内がガスミスト圧浴を行う上で最適な状態に保たれるよう、各手段を調整する。 圧浴用カバー150内の圧力値が所定値以上になった場合には、制御装置160によりガス供給手段110のガス供給を停止するように構成するのが好適である。 なお上記の調整は、制御装置160を用いずに手動で行うようにしても良い。

    次に、本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴処理による虚血領域の血行を改善又は促進を示す種々の動物実験の試験結果について、表及びグラフを参照しつつ詳しく説明する。

    実験に際し使用する個体は雄性の8乃至10週齢の野生型マウスで、これらマウスは、ペントバルビタールにて麻酔後、顕微鏡下にて左大腿部を切開して大腿神経は温存し、大腿動静脈を周囲組織から剥離して外科的に摘出する。 なお、動脈摘出部位は大腿動脈の浅腹壁動脈分枝部位中枢側から膝窩動脈までで、その間に存在する大腿深動脈等の結紮(2カ所)処置を行って下肢虚血モデルを作製している。

    そして、これら個体を、〔1〕無処置(NM)の個体群、〔2〕合成空気(80%窒素/20%酸素含有)をガスミスト圧浴手段内に加圧封入してミスト処置(AIRM)する個体群、〔3〕100%酸素ガスミストをガスミスト圧浴手段内に加圧封入してミスト処置(OM)する個体群、〔4〕100%炭酸ガスミストをガスミスト圧浴手段内に加圧封入してミスト処置(CM)する個体群、〔5〕100%炭酸ガスミスト処置に加えて一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害薬(L−NAME)を投与(CM+L)する個体群に区分する。

    炭酸ガスミスト処置は、毎日、麻酔下にて10分間行うが、マウスの下半身をポリエチレン袋で覆って輪ゴムにて入口部を締めてから袋内にガスミストを充満させて行う。

    個体の血流測定にはレーザードップラー血流計を使用し、このLDBF測定は下肢虚血モデル作成前から28日後まで経時的に行い、LDBF測定して得られた血流画像をコンピュータ上に取り込んで定量解析を行い、健常側に対する患側の血流比(I/N比)を算出している。 また、28日後に虚血領域である大腿内転筋における毛細血管密度を、抗CD31抗体を用いた免疫組織染色を行った後、定量化している。

    図11は、各群の手術(虚血作成)直後および28日目にレーザードップラー血流計にて測定した血流を示す。 図12は、各群の虚血作製直後及び4日・7日・14日・21日・28日がそれぞれ経過した血流の変化をI/N比にて示している。 虚血直後は各群ともにI/N比は0.1以下であり、ほとんど血流が認められなかった。 このときのそれぞれの個体数は(NM)群を14個体、(AIRM)群を15個体、(CM)群を18個体、(CM+L)群を8個体である。 このデータには100%酸素ミストをガスミスト圧浴手段内に加圧封入してミスト処置する9個の個体群も加えている。

    虚血作製直後は、全ての群において、I/N比は0.05以下に低下した。 (NM)群のI/N比は、虚血作製7日後に約0.35、14日後に約0.52、28日後に0.52、28日後に約0.6まで改善した。

    (AIRM)群のI/N比は、虚血作製7日後に約0.5まで回復したが、14日目以降はNM群との差は認められない。 100%酸素ミストの個体群も、(AIRM)群と略同様の傾向を示す。

    (CM)群I/N比は、虚血作製7日後に約0.55、14日後に約0.7、28日後に0.78まで改善し、7日目以降、NM群と比べて有意な改善を認めた。 (CM+L)群は炭酸ガスミスト処置を施しているもののL−NAME投与によりI/N比は抑制されたことを示す。

    なお、100%酸素ミスト処置群とAIRM群との間には差が認められなかったため、他の結果における100%酸素ミスト処置に関するデータは省く。

    図13は、虚血作製から28日経過後における(NM)群、(AIRM)群、(CM)群、(CM+L)群の虚血部組織(大腿内転筋)を取り出し、抗CD31抗体による免疫組織染色を行った結果である。 図14は、図13に基づき(NM)群、(AIRM)群、(CM)群、(CM+L)群の1平方mm当りの毛細血管密度の定量解析を行った結果を示すもので(CM)群が一番高い値を示している。 CM群で観察された毛細血管密度の増加は、CM+L群では観察されなかった。

    図15から図20までは、(NM)群、(AIRM)群、(CM)群、(CM+L)群の各群に関して、細胞内でのmRNA発現(mRNA expression)の増減を相対的に示したものである。 細胞は、mRNA(転写リボ核酸)に基づき各種タンパク質を合成するが、図15、図16、図17は、虚血作成から4日経過後において合成される、VEGF(血管内皮成長因子)とGAPDH(グリセルアルデヒド3リン酸脱水酵素)の比、FGF(線維芽細胞増殖因子)とGAPDHの比、eNOS(内皮型NO合成酵素)とGAPDHの比を、それぞれ示す。 そして、図18、図19、図20は、虚血作成から7日経過後において合成される、VEGFとGAPDHの比、FGFとGAPDHの比、eNOSとGAPDHの比を、それぞれ示す。

    GAPDHは細胞刺激などによって変動することが少ないタンパク質とされており、同時に測定するGAPDHとの比を求めることで、VEGF・FGF・eNOSの相対的な量が示される。 これら図15から図20までは、(CM)群は血管再生に重要な働きを有するVEGF、FGFが炭酸ガスミスト処置により他の群と比べて増加していることを示している。

    図21は、虚血から4日後の血漿中に含まれる硝酸の量を(NM)群、(AIRM)群、(CM+L)群毎に示す。 血管の拡張作用に有効な硝酸の含有が(CM)群が一番高い。

    図22は、ラット下肢虚血モデル作成時の組織の酸素量を光の吸収測定をもとに計測したもので、オキシヘモグロビン(oxyHb)と、デオキシヘモグロビン(deoxyHb)と、オキシヘモグロビンと総ヘモグロビンの比である組織酸素飽和度(StO2)を示している。 測定開始後約4分で大腿動脈枝の結紮を行い、11分頃に本幹結紮を行うが、本幹結紮後はoxyHbが大幅に減少するため、組織酸素飽和度(StO2=oxyHb/totalHb)も顕著に低下している。

    図23及び図24は、それぞれ炭酸ガスミスト処置中及び合成空気処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を光の吸収測定をもとに計測したものであり、オキシヘモグロビン(oxyHb)と、デオキシヘモグロビン(deoxyHb)と、オキシヘモグロビンと総ヘモグロビン(totalHb)、組織酸素飽和度(StO2)にて示している。

    図25及び図26は、それぞれ合成空気処置中及び炭酸ガスミスト処置中における、虚血6日後の組織の酸素量を計測したものであり、オキシヘモグロビン(oxyHb)と、デオキシヘモグロビン(deoxyHb)と、オキシヘモグロビンと総ヘモグロビン(totalHb)にて示している。 図25及び図26は炭酸ガスミスト処置が合成空気処置と比べてオキシヘモグロビンが増えていることを示している。

    図27は、「iTRAQとLC/MS/MSによる同定タンパク質の数」と下肢虚血後の炭酸ガスミスト処置によるタンパク質への影響を示したものである。 タンパク質の質量分析乃至同定分析するために、それぞれのタンパク質検体(試料)に対して安定同位体原子の配分の異なる4種類のiTRAQ(isobaric tags for relative and absolute quantitation)試薬(114、115、116、117)で修飾し、修飾した試料を混合して質量分析のための試料とする。 個々のペプチドのMS/MSスペクトルには、アミノ酸配列を反映するシグナルと個々の試料に含まれていたタンパク質量を反映するレポーターイオンが観測される。 MS/MS解析において同定されたシグナル強度を比較検討することは、すなわち、それぞれのペプチドの量比を示すことを利用した比較定量することである。 この手法により、細胞(特に骨格筋)内でのタンパク質発現レベルに対する炭酸ガスミストの有効性・機序を明らかにすることができる。

    本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴処理による炭酸ガスの高い吸収効果は、動物実験による種々の試験結果で証明される。 以下、この実験について、表及びグラフを参照しつつ説明する。

    はじめに、地球上に存在する炭素の殆ど(存在比98.93%)は原子量12( 12 C)であるが、安定同位体として原子量13の炭素( 13 C)が1.07%存在する。 安定同位体13 Cは放射能を持たず、半永久的に安定な同位体である。 そして、生体内に存在するCO も、大気中と同様にその殆どが12 CO である。

    そこで、人工的に作製した高濃度(99%)の13 CO を本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴装置にてラットに皮膚吸収させて、二酸化炭素CO の2種類の同位体である呼吸由来の12 CO と皮膚吸収由来の13 CO を定量分析してラット組織中の炭酸挙動を調査することにより、効果的な皮膚吸収が行われたかを検証することができる。 よって、実験は、本発明に係る炭酸ガスミスト圧浴装置にて13 CO ミスト処理した群と未処理の群と分けて、皮膚から吸収された13 CO の体内臓器への分布を分析するものである。

    分析は、 13 CO による炭酸ガスミスト圧浴処理を施していないNo. 1及びNo. 2の二種類のラット(以下、非処理No.1及び非処理No.2と表示する)の血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織と、炭酸ガスミスト圧浴処理を施したNo. 1及びNo. 2の二種類のラット(以下、 13 CO ミスト処理No.1及び13 CO ミスト処理No.2と表示する)の血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織の凍結品である16検体を試料として用いて、16検体から炭酸( 12 CO 13 CO )を検出する。 以下、分析・試験の方法及び結果について順を追って説明していく。

    (1)分析・試験方法(1.1)測定条件の設定 (1.1.1)標準溶液の調製 炭酸ナトリウムを水に溶解して、任意の濃度の溶液を調整し、この一定量を測定用バイアルに採り、硫酸を加え密閉する。 測定用バイアル内の炭酸量は、10、50、100、250、500μgの5水準とし、これら操作は、窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で行った。

    (1.1.2)測定 測定用バイアルの気相部を、以下の条件にてガスクロマトグラム質量分析計にて測定した。
    <測定条件>
    ・カラム:Pora BOND Q 長さ25m・内径0.25mm・膜厚3μmm
    ・カラム温度:40°C(8分)
    ・キャリアガス:He
    ・試料注入法:ヘッドスペース法(60°C、1分間加熱)
    ・イオン化法:電子衝撃イオン化法(EI法:70eV)
    ・測定モード:選択イオンモニタリング(SIM)
    ・モニターイオン:定量イオン m/z44( 12 CO )、m/z45 13 CO

    (1.1.3)検量線の作成 標準溶液を測定し、濃度(μg/バイアル)を縦軸に、m/z44の抽出イオンカレント(EIC)クロマトグラムから検出されたCO の量を横軸にプロットして検量線を作成した。

    (1.2)ラット組織の分析 (1.2.1)前処理方法 試料に水酸化ナトリウム溶液を加え解凍後、乳鉢で均一にし、この一定量を測定用バイアルに採り硫酸を加え密閉した。 これら操作は、窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で行った。 乳鉢で均一にした後の動作は1試料につき1乃至3回繰り返した。

    (1.2.2)分析値算出方法 前処理後の測定用バイアルの試料の測定後、m/z44のCO 検量線により、測定したm/z44及びm/z45のCO を定量した。 そして、CO の検出量を試料量で除し、試料質量当たりの12 CO 量及び13 CO 量を求めた。

    また、呼吸由来のCO 中に存在する天然同位体(m/z45)の影響を補正するために、 12 CO 量から求めた13 CO 量を、 13 CO の検出量から差し引いて、皮膚吸収由来の、すなわちガスミスト処理により吸収された、 13 CO 量を算出した。

    (2)分析・試験結果(2.1)測定条件の妥当性 (2.1.1)検量線の直線性 図29は、測定したEICクロマトグラムで、上段は12 CO 量、下段は13 CO 量のクロマトグラムである。 クロマトグラムは、横軸が保持時間、縦軸が濃度を示し、正規分布の三角形状部分の面積(ピーク面積)が測定されたCO の量となる。 図30は、作成した12 CO の検量線を示すもので、相関係数(R)が0.9987と直線に近似した二次曲線の検量線である。

    (2.1.2)
    繰り返し測定の再現性 炭酸量が500μgの標準溶液の繰り返し測定の結果、日内再現性は相対標準偏差(RSD)が3乃至5%、試料測定間(10日間)再現性はRSDが11%であった。

    そして、乳鉢で均一にした試料を、測定用バイアルに採取する前処理から測定までを繰り返した結果、全ての試料においてRSDは20%未満と高い再現性を示した。 尚、標準溶液のRSDが3乃至5%であるのに対し、試料のRSDは20%未満の範囲である原因としては、試料の均一化不足や試薬添加・密閉の試料毎の時間差等が原因と考えられるが、問題のない再現性レベルにある。

    (2.2)ラット組織の分析結果 図31から図46までは16通りの各試料におけるEICクロマトグラムによる測定結果を示している。 各図において、上段は12 CO のクロマトグラムを示し、下段は13 CO のクロマトグラムを示している。

    そして、横軸が保持時間、縦軸が濃度を示す各クロマトグラムのピーク面積が測定されたCO の量であり、測定したm/z44(上段)及びm/z45(下段)のCO の値を、m/z44のCO 検量線により定量する。

    表1は、各試料での12 CO 及び13 CO の定量結果を表す。

    例えば、図31のクロマトグラムは、非処理No. 1の血漿中における12 CO の量を上段で示し、 13 CO の量を下段で示すが、これら定量した結果を血漿の量で除し、求めた血漿の質量当たりの12 CO 量が860μg/g、そして13 CO 量が7.6μg/gであることを表1は示している。

    もう一つ実例を挙げると、図33のクロマトグラムは、 13 CO ミスト処理No. 1の血漿中における12 CO の量を上段で示し、 13 CO の量を下段で示しており、これら定量した結果を血漿の量で除し、求めた血漿の質量当たりの12 CO 量が960(μg/g)、そして13 CO 量が59(μg/g)であることを表22は示している。

    このようにして、表1では、非処理及び13 CO ミスト処理されたラットの血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織でのクロマトグラムによる12 CO 13 CO の測定結果をm/z44のCO 検量線により定量し、定量した結果を血漿の量で除し、求めた血漿の質量当たりの12 CO 量と13 CO 量を示している。

    ところで、表1に表すこの定量結果は、m/z44のCO 検量線を用いて算出した値となっており、 13 CO に関しては、呼吸由来のCO 中に存在する天然同位体(m/z45)を含む値となっている。 そこで、表2は、表1に示す結果に基づいて13 CO から呼吸由来のCO に存在する天然同位体12 CO (m/z45)を差し引くことで補正した13 CO の検出値を示している。

    このときの計算式は、CO の天然同位体比(m/z44:m/z45)は0.984:0.0113であることから、次式で表される。
    13 CO 検出量(補正値)= 13 CO 検出量− 12 CO 検出量×0.0113/0.984

    表2で示すように、炭酸ガスミスト圧浴処理を施していない非処理No. 1及びNo. 2のラットの血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織の13 CO の検出値定量下限の2.5μg/g未満を示しており、 13 CO のガスミスト圧浴処理を施したNo. 1及びNo. 2のラットの同じ各組織の13 CO の検出値より格段に低いことが明らかとなる。

    図47から図52までは、 12 CO 検出量及び13 CO 検出量(補正値)を試料別と処理法別とにまとめたグラフを示している。

    図47は、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO ミスト処理No. 1及び13 CO ミスト処理No. 2の各12 CO 検出量を、血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各試料別に、それぞれ棒グラフで示している。 このグラフにて、非処理と13 CO ミスト処理とにおける12 CO 検出量とを比較すると、各組織における12 CO 検出量は13 CO ミスト処理の試料で高い傾向を示すものの顕著な差は認められない。

    図48は、図47において、非処理と13 CO ミスト処理の処理別に、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO 処理No. 1及び13 CO ミスト処理No. 2における各12 CO 検出量を、血漿、心臓、肝臓及び筋肉の試料毎に棒グラフで示している。 このグラフでも、 12 CO 検出量は処理による顕著な差が無いことを示している。

    図49は、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO ミスト処理No. 1及び13 CO ミスト処理No. 2の各13 CO 検出量(補正値)を、血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各試料別に、それぞれ棒グラフで示している。 このグラフは、非処理の場合には各組織での13 CO 量は殆ど検出されないことを示している。 そして、 13 CO ミスト処理を施した場合に、血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織で13 CO が有効量検出されて、炭酸ガスミスト圧浴処理が効果的に行われていることを示している。

    図50は、図49において、非処理と13 CO ミスト処理の処理別に、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO ミスト処理No. 1及び13 CO ミスト処理No. 2の13 CO 検出量を、血漿、心臓、肝臓及び筋肉の試料毎に棒グラフで示している。 このグラフでも、非処理の場合には13 CO 量は殆ど検出されないが、 13 CO ミスト処理の場合には各組織に13 CO ミストが有効量検出されていることを示している。

    図51は、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO 処理No. 1及び13 CO 処理No. 2の各12 CO 検出量に対する13 CO 検出量(補正値)の割合を棒グラフで示している。 このグラフは、非処理の場合は、 12 CO の検出量に対して13 CO は殆ど検出されないことを示している。 そして、 13 CO ミスト処理を施した場合に、 13 CO が血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織で有効量検出されて、炭酸ガスミスト圧浴処理が効果的に行われていることを示している。

    図52は、図51において、非処理と13 CO 処理の処理別に、非処理No. 1、非処理No. 2、 13 CO 処理No. 1及び13 CO 処理No. 2の各12 CO 検出量に対する13 CO 検出量(補正値)の割合を棒グラフで示している。 このグラフからも、非処理の場合は、 12 CO の検出量に対して13 CO は殆ど検出されず、一方、 13 CO ミスト処理を施した場合には、 13 CO が血漿、心臓、肝臓及び筋肉の各組織で検出されていることが分かる。

    次に、表3は、非処理群のラットの検体1乃至検体4及び13 CO 処理群のラットの検体1乃至検体4についての、同様な実験結果をまとめたものである。

    表3において、非処理群の検体1乃至検体4の各組織で検出される13 CO 12 CO のそれぞれの平均値の比率は、略0.01(例えば、血漿の場合は、7.15/917.25=0.008)と大気中と同程度の値を示したのに対して、 13 CO 処理群での同じ比率(例えば、血漿の場合は、49.0/966=0.05)は血漿で非処理群の6倍以上、心臓・肝臓・骨格筋では何れも非処理群の3倍以上に増加している。

    そして、非処理群の検体1乃至検体4の各組織で検出される総CO の平均値と、 13 CO 処理群の検体1乃至検体4の各組織で検出される総CO の平均値との比率については、血漿では1.10(1015.05/924.4)倍と軽度の増加であったが、心臓では1.59(640.5/402.0)倍にも増加しており、臓器内での代謝機能促進に寄与している可能性が考えられる。

    上記した分析結果は、 13 CO を本発明による炭酸ガスミスト圧浴処理にてラットに皮膚吸収させると、ラットの体内臓器には13 CO が効果的に分布していることを示しており、このことから、本発明による炭酸ガスミスト圧浴処理を用いれば炭酸ガスが生体の皮膚から生体内に有効に取り込まれることが証明された。

    よって、炭酸ガスミストを生体の皮膚及び粘膜に所定の圧力(生体の内部圧以上)を加えて接触させることで、血液中に炭酸ガスが効率良く取り込まれて炭酸ガス濃度を高くすることでき虚血領域を改善させることができる。

    以上詳しく説明したように、本炭酸ガスミスト圧浴方法においては、(a)炭酸ガスを液体に粉砕溶解させこれを霧状にした炭酸ガスミストを発生させるステップと、(b)生体を密閉状態に包囲する炭酸ガスミスト包囲手段内に、前記炭酸ガスミストを噴霧するステップと、(c)前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体が大気圧よりも高い所定値以上を維持するように、必要に応じて、前記ステップ(b)と並行して、前記炭酸ガスミスト包囲手段内の気体を外部に排出させるステップと、(d)前記炭酸ガスミスト包囲手段内に対する前記炭酸ガスミストの供給量を制御するステップを、少なくとも毎日20分間以上4週間継続する。 これによって、炭酸ガスミストを生体の皮膚に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進するのである。

    本発明は、炭酸ガスを生体の皮膚及び粘膜に直接又は被服を通して接触させることにより虚血領域の血行を改善又は促進し、以って生体の虚血性疾患の予防、改善又は治療する炭酸ガスミスト圧浴方法及びその炭酸ガスミスト圧浴装置に関するであり、産業上の利用可能性を有する。

    10、10A 炭酸ガスミスト圧浴装置11 炭酸ガスミスト発生供給手段111 炭酸ガス供給手段112 液体供給手段113 炭酸ガスミスト生成手段113′ 炭酸ガスミスト生成手段(霧吹き式)
    114 液体貯留部115A ノズル115B 吸液管116 バッフル117A 炭酸ガス供給部117B 炭酸ガス導入部118A 炭酸ガスミスト収集部118B 炭酸ガスミスト導出部119 炭酸ガスミスト供給管12 圧浴用カバー121 カバー本体122 開閉部123 開口部124 供給口125 排出口13 濃度計14 制御装置141 流量バルブ142 切替弁150 圧浴用カバー151 圧力計20 炭酸ガスミスト圧浴装置21A、21B 炭酸ガスミスト発生供給手段22 馬用の圧浴用カバー221 カバー本体222 開閉部223 開口部224A、224B 供給口225 排出口30 炭酸ガスミスト圧浴装置32 圧浴用カバー321 カバー本体322 上部323 底部324 側部325 扉325A 取手326 開口327 漏出防止� ��段327A 開口328 供給口329 排出口32a 立位用の圧浴用カバー32b 仰臥用の圧浴用カバー321a、321b カバー本体325a、325b 扉326a、326b 開口327a、327b 漏出防止手段328a、328b 供給口329a、329b 排出口330 椅子

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