身体器官の一部に硬化性流体組成物を塗布するための装置及び方法

申请号 JP2015550202 申请日 2013-12-19 公开(公告)号 JP6246833B2 公开(公告)日 2017-12-13
申请人 オムリックス・バイオファーマシューティカルズ・リミテッド; Omrix Biopharmaceuticals Ltd.; 发明人 イラン・エレツ; グルマン・ヨタム; メロン・モティ;
摘要
权利要求

身体器官に硬化性流体組成物を塗布するのに好適な装置であって、 下面と、2つの離間している側面と、前記2つの離間している側面をつなぐ2つの離間している壁とを有する一体構造の材料片を含み、前記2つの離間している壁の高さの少なくとも一部が、前記2つの離間している側面の少なくとも一部の高さよりも低く、 前記硬化性流体組成物を収容するための収容部が、前記下面、前記2つの離間している側面、及び前記2つの離間している壁によって画定され、 前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置可能であり、 前記装置の前記2つの離間している側面のうちの少なくとも1つに近接する、前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも第1の部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分の高さよりも高く、前記身体器官の前記下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、前記身体器官の側面と前記装置の前記少なくとも1つの側面との間に少なくとも1つの間隙が生じる、装置。前記硬化性流体組成物を前記身体器官の欠損上に塗布するための、請求項1に記載の装置。前記欠損が吻合後に形成される、請求項2に記載の装置。前記2つの離間している側面のそれぞれに近接する、前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第1の部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分の高さよりも高く、前記身体器官の前記下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、前記身体器官の各側面と前記装置の各側面との間に間隙が生じる、請求項1に記載の装置。剛性又は半剛性の材料で作製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。前記装置が、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している側面のそれぞれが、約1〜約6cmの範囲の長さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している壁のそれぞれが、約2〜約10cmの範囲の長さを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している側面のそれぞれが、約5〜約70mmの範囲の高さを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部が、約2〜約15mmの範囲の高さを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している側面のそれぞれが、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。前記2つの離間している壁のそれぞれが、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。前記下面が、約0.5〜約10mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。

说明书全文

本発明は、身体器官に硬化性流体組成物を塗布するための装置の分野に関し、より具体的には、身体器官の下部に硬化性流体組成物を塗布するための装置、及びその使用方法に関する。

フィブリンシーラント等のシーラントの塗布は、空気及び/又は液体等の流体が組織から漏出するのを防ぐのに有用である。外科手技では、フィブリンシーラントは、例えば、創傷にシーラントを滴下又は噴霧することによって、出血している又は出血していない創傷を含む創傷に塗布することができる。例えば、フィブリンシーラントは、吻合手技中に一般的に用いられ、その場合、切開線全体の周囲で器官を縫合又はステープリングし、補強のため及び漏出を防ぐためにステープル線又は縫合線に沿ってフィブリンシーラントを塗布する。

フィブリンシーラントは一般的に、商業的供給元又は一部の地域の輸血センターから入手される血液製剤である。フィブリンシーラントの調製において一般的に用いられる成分は、主に、フィブリノーゲン成分[必要に応じて様々な量の第VIII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、ビトロネクチン、及びフォンビルブランド因子(vWF)が補充されていてもよい]、及びトロンビン成分(典型的に、カルシウムが補充されている)である。フィブロネクチン成分は、典型的に、凝固カスケードの最終タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)であるトロンビン成分によって活性化される。

フィブリンシーラントは、特に、フィブリノーゲン、トロンビン、及び第XIII因子が関与する酵素反応によって形成される。トロンビンは、トロンビンの濃度によって決定される速度の酵素作用によってフィブリノーゲンをフィブリンに変換する。第XIII因子は、典型的に、シーラントのフィブリノーゲン成分中に存在し、フィブリン凝塊を架橋及び安定化する血液凝固系の酵素である。このプロセスは、通常の凝固工程のほとんどをバイパスし、その最後の相を模倣するものである。幾つかの製造業者は、フィブリンシーラント製剤にタンパク質分解防止剤を添加(国際公開第93/05822号に記載の通り)したり、又は線維素溶解を停止若しくは遅延させるためにプラスミノーゲンを特異的に除去(米国特許第5,792,835号及び同第7,125,569号に記載の通り)したりしている。

フィブリンシーラントは、一般的に、エアアシスト噴霧、無気噴霧によってフィブリノーゲン成分及びトロンビン成分を噴霧することにより、又は滴下塗布により塗布される。

身体内の器官の少なくとも一部、例えば、器官の下部まで到達しにくいことに起因して、器官の周囲を完全に被覆することは非常に困難であるので、噴霧又は滴下による身体器官の下部へのフィブリンの塗布には問題がある。フィブリンシーラントの滴下塗布では、重が液滴を下方に引き寄せるので、液滴が所望の標的位置に留まらず、塗布した組成物の大部分が器官から垂れ落ちる。

上記問題を克服するために、外科医は、器官の下面にフィブリンシーラントを塗布するために器官をひっくり返したり捻じったりすることがある。しかし、器官を乱暴/手荒に扱うと、器官からの漏出、例えば、吻合された器官の縫合/ステープル線から漏出が生じることがある。また、器官の周囲の空間が限られている場合、器官をひっくり返すことはできない。

更に、例えば狭い領域等、領域に接近することが困難であり、且つ塗布方法として噴霧を用いる状況では、標的領域に到達するためには度のついた長い先端が必要であり、したがって、前記先端の縁部を組織表面に対して近すぎる位置に配置してしまうことがあり、その結果適切な噴霧を行えない。また、標的に非常に近接する位置からの噴霧は、既に硬化しているフィブリンに対する空気の作用に起因して困難であり、その作用は標的位置においてフィブリンに被覆されない領域を生じさせる。

上記課題及び問題点により、外科医は、従来の方法、例えば、噴霧及び滴下を用いることによって、円筒形及び/又は中空器官等の身体器官の下部にシーラントの連続層を容易に作製することができない場合がある。

背景技術としては、米国特許出願公開第2011/0238097号、同第2004/052768号、米国特許第5,972,371号、同第5,141,516号、同第7,972,357号、米国特許出願公開第2010/121278号、同第2011/264122号、国際公開第2007/030892号、及び米国特許第3,786,817号が挙げられる。

本発明は、その幾つかの実施形態において、身体器官の下部に硬化性流体組成物を塗布するための装置、及びその使用方法に関する。

本発明の態様及び実施形態は、下記明細書及び添付の特許請求の範囲に記載する。

本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、身体器官に硬化性流体組成物を塗布するのに好適な装置であって、下面と、2つの離間している側面と、前記2つの離間している側面をつなぐ2つの離間している壁とを有する一体構造の材料片を含み、前記2つの離間している壁の高さの少なくとも一部が、前記2つの離間している側面の少なくとも一部の高さよりも低く、前記硬化性流体組成物を収容するための収容部が、前記下面、前記2つの離間している側面、及び前記2つの離間している壁によって画定され、前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置可能である装置を提供する。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する装置は、例えば、吻合後に形成される欠損等の身体器官の欠損上に硬化性流体組成物を塗布するためのものである。

本明細書に開示する装置の幾つかの実施形態では、装置の2つの離間している側面のうちの少なくとも1つに近接する、2つの離間している壁のそれぞれのうちの少なくとも第1の部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分よりも高く、身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したときに、前記身体器官の側面と前記装置の少なくとも1つの側面との間に少なくとも1つの間隙が生じる。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面のそれぞれに近接する、2つの離間している壁のそれぞれの部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分よりも高く、前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したときに、前記身体器官の各側面と前記装置の各側面との間に間隙が生じる。

幾つかの実施形態では、装置は、剛性又は半剛性の材料、例えば、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面のそれぞれが、約1〜約6cmの範囲の長さを有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁のそれぞれが、約2〜約10cmの範囲の長さを有する。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面のそれぞれは、約5〜約70mmの範囲の高さを有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁のそれぞれのうちの少なくとも一部は、約2〜約15mmの範囲の高さを有する。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面のそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁のそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する。

幾つかの実施形態では、下面は、約0.5〜約10mmの範囲の厚さを有する。

本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、身体器官に硬化性流体組成物を塗布する方法であって、本明細書に開示する実施形態のいずれかによる装置を提供することと、前記身体器官の下部が2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、装置を前記身体器官の下に配置することと、2つの離間している側面間に位置する前記身体器官の少なくとも一部と接触するのに十分な量の前記硬化性流体組成物を収容部に導入することと、それによって前記組成物を前記身体器官に塗布することと、を含む方法を提供する。

幾つかの実施形態では、装置を身体器官の下に配置することは、前記身体器官を持ち上げることと、前記装置を前記身体器官の下に置くことと、前記身体器官を前記2つの離間している側面の間に位置決めすることとを含み、前記身体器官の下部が、前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持される。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物を収容部に導入することは、少なくとも1つの間隙を通して行われる。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、身体器官の上部に直接塗布され、その結果塗布された前記硬化性流体組成物の少なくとも一部が前記身体器官の上部と接触し、前記身体器官の少なくとも1つの側面を流れ落ち、かつ少なくとも1つの間隙を通して収容部に流れ込む。

幾つかの実施形態では、塗布された前記組成物の第1の部分が前記身体器官の少なくとも上部及び/又は少なくとも1つの側面に留まり、塗布された前記組成物の第2の部分が収容部に流れ落ち、かつそれによって2つの離間している側面の間に位置する前記身体器官の下部の少なくとも一部を被覆する。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、噴霧、滴下、及び/又は注入によって塗布される。

幾つかの実施形態では、身体器官は、中空器官である。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、身体器官の欠損を修復するためのものである。

幾つかの実施形態では、身体器官は、吻合された身体器官である。

幾つかの実施形態では、吻合は、縫合又はステープリングによって行われる。

幾つかの実施形態では、身体器官は、直腸及び肛門からなる群から選択される。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、少なくとも2つの成分を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも2つの成分のうちの第1の成分は、前記少なくとも2つの成分のうちの第2の成分によって活性化される。幾つかのこのような実施形態では、第1の成分は、フィブリノーゲンを含む。幾つかのこのような実施形態では、第2の成分は、トロンビンを含む。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、硬化性流体組成物を、例えば、約5秒間〜約5分間の範囲の時間で硬化させることを更に含む。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記硬化性流体組成物の硬化後に装置を取り除くことを更に含む。

幾つかの実施形態では、本明細書に記載する装置及び方法は、身体器官の下部、例えば、直腸等の接近が困難な狭い領域に位置する器官に、フィブリンシーラント等の硬化性流体組成物の連続層を正確に塗布するという課題に対処する。

幾つかの実施形態では、本明細書に記載する装置は、以下の利点のうちの少なくとも1つを有する:身体器官の所望の箇所を連続的に及び/又は完全に被覆することができる;器官の取り扱いを最小限に抑えながら(例えば、器官をひっくり返したり捻じったりする必要なく)器官の下部に硬化性流体組成物を塗布することができる;様々な大きさの様々な身体器官又は不均一な器官における様々な箇所に対して単一の装置を用いることができる;他の手段を用いて接近することが困難又は不可能である標的器官の領域でさえも硬化性組成物を正確に塗布することができる;使用が簡単である;吻合された器官との接触を最小限に抑えながら、装置を配置し、必要に応じて使用後に除去することができる;製造が安価且つ簡便であり、使い捨てに好適である;重力に逆らって硬化性流体組成物を塗布することができる;及び流体を収容するための容積を提供することによって(硬化前の)塗布された流体の漏出を防ぐ。

幾つかの実施形態では、装置が注入口を備えず、硬化性流体組成物の塗布が身体器官の側面と装置の側面との間に生じる間隙を通して行われるので、硬化性流体組成物の硬化によって注入口が詰まるリスクが避けられ、高トロンビン濃度(例えば、約250〜約1000IU/mLの範囲のトロンビン濃度)を有するトロンビン成分を含んだフィブリンシーラント等の速硬化性組成物を使用することが可能になる。

本明細書に記載する装置及び方法は、例えば、縫合又はステープリングによる吻合後に、フィブリンシーラント等のシーラントを、身体器官の下部、例えば、身体器官の下に存在する欠損上に正確に塗布するために特に有用である。本明細書に記載する方法は、優れた封着を容易にし、縫合/ステープル線に沿って漏出が生じるのを防ぐために用いることができる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載する装置及び方法は、所望の体積のシーラントを塗布することを可能にし、その結果、高さを有する器官に連続フィブリン層が形成される。幾つかの実施形態では、シーラントは、硬化性流体組成物が硬化する際にその場で形成される。

幾つかの実施形態では、本明細書に記載する装置は、器官の選択された部分、例えば、欠損を有する領域に配置することができるので、選択された領域上に硬化性流体組成物を正確に塗布することが可能になる。

特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明の関連する分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。更に、説明、材料、方法、及び例は、単に例示的なものであり、限定を意図するものではない。本明細書に記載するものと類似する又は等価な方法及び材料を本発明の実施において用いることができる。

本明細書で使用するとき、用語「含む」、「有する」、及びこれらの文法上の変形は、指定の特徴、整数、工程、又は成分を特定するが、1つ以上の更なる特徴、整数、工程、成分、又はこれらの群の追加を除外するものではないと解釈される。これら用語は、「からなる」及び「本質的にからなる」という用語を包含する。

本明細書で使用するとき、特に明示的に指示しない限り、不定冠詞は、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味する。

本明細書で使用するとき、数値の前に用語「約」が記載されている場合、用語「約」は、その数値+/−10%を示すことを意図する。

本発明の幾つかの実施形態を、添付図面を参照して本明細書に記載する。図面と一緒の説明によって、本発明の幾つかの実施形態をどのように実施することができるかが当業者に明らかになる。図面は、例示的考察目的のためのものであり、本発明の基本的な理解に必要なもの以上に詳細に実施形態の構造的詳細を示すことを意図するものではない。明確にするために、図面に記載する幾つかの物体は、縮尺通りではない。

図面では、

本明細書に記載する装置の実施形態の斜視図である。

身体器官の下に配置された請求項1に記載の装置の斜視図である。

本発明は、その幾つかの実施形態において、身体器官の下部に硬化性流体組成物を塗布するための装置、及びその使用方法に関する。

本明細書における教示の原理、使用、及び実施は、添付の明細書及び図面を参照することによってより深く理解することができる。本明細書における記載及び図面を精読すれば、当業者は、過度の努力又は実験を行うことなく本発明を実施することができる。図面では、全体を通して類似の参照番号は、類似の部品を指す。

少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、必ずしも、以下の説明に記載及び/又は図面に例証されている部品及び/又は方法の構造及び配置の詳細にその用途を限定するものではないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態であり得、様々な方法で実施又は実行することができる。本明細書で使用する語法及び用語は、例示目的のものであり、限定と解釈すべきではない。

本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、身体器官[30]に硬化性流体組成物を塗布するのに好適な装置[10]であって、下面[12]と、2つの離間している側面[14a、14b]と、前記2つの離間している側面をつなぐ2つの離間している壁[16a、16b]とを有する一体構造の材料片を含み、前記2つの離間している壁の高さ[25]の少なくとも一部[20c]が、前記2つの離間している側面の少なくとも一部の高さ[17]よりも低く、前記硬化性流体組成物を収容するための収容部[18]が、前記下面、前記2つの離間している側面、及び前記2つの離間している壁によって画定され、前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置可能である、装置を提供する。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する装置は、例えば、吻合後に形成される欠損等の身体器官の欠損上に硬化性流体組成物を塗布するためのものである。

本明細書に開示する装置の幾つかの実施形態では、装置の2つの離間している側面のうちの少なくとも1つに近接する、2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも第1の部分[20a、20b]の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分[20c]よりも高く、前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、身体器官の側面[34]と前記装置の少なくとも1つの側面との間に少なくとも1つの間隙[32a、32b]が生じる。

幾つかの実施形態では、前記2つの離間している側面のそれぞれに近接する、前記2つの離間している壁のそれぞれの部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分よりも高く、前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、前記身体器官の各側面と前記装置の各側面との間に間隙が生じる。

幾つかの実施形態では、装置は、剛性又は半剛性の材料、例えば、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面[14a、14b]のそれぞれが、約1〜約6cmの範囲の長さ[15]を有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁[16a、16b]のそれぞれが、約2〜約10cmの範囲の長さ[20]を有する。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面[14a、14b]のそれぞれは、約5〜約70mmの範囲の高さ[17]を有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁[16a、16b]のそれぞれの少なくとも一部[20c]は、約2〜約15mmの範囲の高さ[25]を有する。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面[14a、14b]のそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さ[19]を有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している壁[16a、16b]のそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さ[23]を有する。

幾つかの実施形態では、下面[12]は、約0.5〜約10mmの範囲の厚さを有する。

本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、身体器官[30]に硬化性流体組成物を塗布する方法であって、本明細書に開示する実施形態のいずれかによる装置を提供することと、前記身体器官の下部が2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、装置を前記身体器官の下に配置することと、2つの離間している側面間に位置する前記身体器官の少なくとも一部と接触するのに十分な量の前記硬化性流体組成物を収容部に導入することと、それによって前記組成物を前記身体器官に塗布することと、を含む、方法が提供される。

幾つかの実施形態では、装置を身体器官の下に配置することは、前記身体器官を持ち上げることと、前記装置を前記身体器官の下に置くことと、前記身体器官を2つの離間している側面間で位置決めすることとを含み、前記身体器官の下部が、前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されている。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物の収容部への導入は、少なくとも1つの間隙を通して行われる。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、身体器官の上部に直接塗布され、その結果、塗布された前記硬化性流体組成物の少なくとも一部が前記身体器官の上部と接触し、前記身体器官の少なくとも1つの側面を流れ落ち、少なくとも1つの間隙を通して収容部に流れ込む。

幾つかの実施形態では、塗布された組成物の第1の部分は、身体器官の少なくとも上部及び/又は少なくとも1つの側面に留まり、塗布された組成物の第2の部分は、収容部に流れ落ち、それによって2つの離間している側面間に位置する前記身体器官の下部の少なくとも一部を被覆する。

幾つかの実施形態では、前記硬化性流体組成物は、噴霧、滴下、及び/又は注入によって塗布される。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、身体器官の欠損を修復するためのものである。

幾つかの実施形態では、身体器官は、中空器官である。幾つかの実施形態では、身体器官は、吻合された身体器官である。幾つかの実施形態では、吻合は、縫合又はステープリングによって行われる。

幾つかの実施形態では、身体器官は、直腸及び肛門からなる群から選択される。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、少なくとも2つの成分を含む。幾つかの実施形では、少なくとも2つの成分のうちの第1の成分は、前記少なくとも2つの成分のうちの第2の成分によって活性化される。幾つかのこのような実施形態では、第1の成分は、フィブリノーゲンを含む。幾つかのこのような実施形態では、第2の成分は、トロンビンを含む。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、硬化性流体組成物を、例えば、約5秒間〜約5分間の範囲の時間で硬化させることを更に含む。幾つかの実施形態では、前記方法は、硬化性流体組成物の硬化後に装置を取り除くことを更に含む。

次に図1を参照すると、身体器官(30、図2に示す)、例えば、器官の下部に硬化性流体組成物を塗布するのに好適な装置の例示的な実施形態の斜視図を示す。装置10は、下面12と、2つの離間している側面14a及び14bと、前記離間している側面14a及び14bを互いにつなぐ2つの離間している壁16a及び16bとを有する一体構造の材料片を備える。離間している側面14a及び14b、離間している壁16a及び16b、並びに下面12は、硬化性流体組成物を収容するための空隙容積を有する収容部18を画定する。本発明の幾つかの実施形態では、離間している壁16a及び16bの少なくとも一部は、等しい高さを有する。

離間している壁16a及び16bの長さに沿って凹部22を形成する、離間している壁16a及び16bの高さの少なくとも一部は、離間している側面14a及び14bよりも低く、その結果、装置10が身体器官の下に配置されたとき(図2を参照)、身体器官30の下部は、下面12の上面に接触することなく、2つの離間している壁16a及び16bのそれぞれの少なくとも一部によって支持され、側面14a及び14bは、装置10内に位置決めされたときに身体器官30の高さ以上の高さまで、身体器官30のいずれかの側面において上方に延在する。

図1の実施形態では、離間している側面14a及び14bのそれぞれに近接する、2つの離間している壁16a及び16bのそれぞれの長さの部分20a及び20bの高さは、2つの離間している壁16a及び16bのそれぞれの長さの部分20cよりも高く、その結果、部分20cに沿って凹部22が形成される。

図2を参照すると、幾つかの実施形態では、装置10を身体器官30の下に配置したとき、間隙32a及び32b(図示せず)は、身体器官30の各側面と離間している側面14a及び14bとの間で画定される。幾つかの実施形態では、凹部22は、U字形である。

あるいは、幾つかの実施形態では(図示せず)、部分20a及び20cの高さが等しくてよく、20bの高さが高く、その結果、凹部22の1つの縁部が側面14bによって画定され、装置10を身体器官の下に配置したとき、間隙は、装置10の側面14aに近接する身体器官の側面と側面14aとの間で画定される。

更に、あるいは、幾つかの実施形態では、部分20b及び20cの高さが等しくてよく、20aの高さが高く、その結果、凹部22の1つの縁部が側面14aによって画定され、装置10を身体器官の下に配置したとき、間隙は、装置10の側面14bに近接する身体器官の側面と側面14bとの間で画定される。

幾つかの実施形態では、装置は、剛性又は半剛性の材料で作製される。剛性又は半剛性の材料は、例えば、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリクロロプレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでよい。

幾つかの実施形態では、離間している側面14a及び14b、並びに離間している壁16a及び16bのそれぞれの高さ及び長さは、収容部18の空隙容積が所望の容積の硬化性流体組成物を受容し、所望の厚さ、幅、及び長さの連続フィブリン層シールを提供できるように選択される。

幾つかの実施形態では、2つの離間している側面14a及び14bのそれぞれは、約1〜約6cmの範囲の長さ15を有する。幾つかの実施形態では、2つの離間している側面14a及び14bのそれぞれは、約5〜約70cmの範囲の高さ17を有する。幾つかの実施形態では、離間している側面14a及び14bのそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さ19を有する。

幾つかの実施形態では、離間している壁16a及び16bのそれぞれは、約2〜約10cmの範囲の長さ20を有する。幾つかの実施形態では、離間している壁16a及び16bのそれぞれの少なくとも一部は、離間している側面14a及び14bの高さ17に等しい高さ、例えば、約5〜約70mmの範囲の高さを有する。幾つかの実施形態では、離間している壁16a及び16bのそれぞれの少なくとも一部は、約2〜約15mmの範囲の高さ25を有する。幾つかの実施形態では、離間している壁16a及び16bのそれぞれは、約1〜約15mmの範囲の厚さ23を有する。離間している側面14a及び14b、並びに離間している壁16a及び16bの高さは、下面12の上面から測定される。

例えば、身体器官30を持ち上げ、装置10を身体器官30の下に置くこと等によって、図2に示す通り、装置10を身体器官30の下に配置したとき、離間している側面14a及び14bは、身体器官30の両側に配置され、その結果、身体器官30は、離間している壁16a及び16bのそれぞれの短い部分20cによって支持され、その結果、器官30の各側面の外面34と、離間している側面14a及び14bのそれぞれの内面との間に間隙32a及び32b(図示せず)が構成される。

幾つかの実施形態では、一旦装置10を身体器官30の下に配置したときに、2つの離間している側面14a及び14b間に位置する身体器官の少なくとも一部に接触するのに十分な量の硬化性流体組成物を収容部18に導入する。幾つかの実施形態では、収容部18に導入される硬化性流体組成物の量は、収容部18の空隙容積を実質的に満たすのに十分である。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、少なくとも1つの間隙32a又は32bを通して収容部18に導入される。幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、身体器官30の外面に接触し、間隙32a及び32bのうちの少なくとも1つを通して身体器官30の少なくとも1つの側面を流れ落ちる。幾つかのこのような実施形態では、硬化性流体組成物は、例えば、噴霧、滴下、又は注入によって、身体器官30の上部上に直接塗布され、ここで、前記硬化性流体組成物は、身体器官30の上部に接触し、間隙32a及び32bのうちの少なくとも1つを通して身体器官30の少なくとも1つの側面を流れ落ち、収容部18に蓄積され、離間している側面14a及び14bの間に位置する身体器官30の下部の少なくとも一部に接触する。あるいは、硬化性流体は、間隙32a及び32bを通して直接挿入されて、収容部18に蓄積されてもよい。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物の少なくとも一部は、身体器官30の少なくとも1つの側面に留まる。

幾つかの実施形態では、例えば、吻合された器官の縫合/ステープル線に沿って、器官全体の周囲にフィブリンシールを提供するために、更なる硬化性流体組成物を、例えば、滴下、噴霧、及び/又は注入によって、身体器官30の上部に更に塗布してもよい。幾つかの実施形態では、吻合された器官は、中空器官である。

幾つかの実施形態では(図示せず)、本明細書に記載する装置は、例えば、硬化性流体組成物を収容部に導入するために、材料、例えば、剛性又は半剛性の材料を通過する経路を画定する、少なくとも1つの注入口を更に備える。

装置10は、切開手術、及び腹腔鏡検査等の低侵襲的処置(MIS)が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な手段によって所望の位置に送達され得る。本発明の1つの実施形態では、切開は、身体器官30に近接して行われ、装置10は、切開を介して身体器官30の下に配置される。患者は、局所、部位、又は全身麻酔を受け得る。

用語「切開手術」とは、比較的大きな切開を介して標的器官に外科医が直接アクセスする手術を指す。本明細書で使用するとき、用語「低侵襲的処置」とは、小さな切開を介して、又は身体空洞若しくは例えば、腹腔鏡検査等の解剖学的開口部を通して外科医が標的器官にアクセスする処置を意味する。

本明細書に記載する装置10の実施形態を用いて、硬化性流体組成物を下部に塗布することができ、また必要に応じて任意の身体器官30の上部にも塗布することができる。例えば、身体器官30は、血管(大動脈等の動脈、又は大静脈等の静脈を含む);消化器系の器官(食道、胃若しくはその一部(例えば、噴門、基底部、体部、又は幽門等))、小腸若しくはその一部(例えば、十二指腸、空腸、又は回腸等)、大腸若しくはその一部(例えば、結腸、盲腸、直腸、又は肛門等)、腸、又は膵臓));硬膜;呼吸器系の器官(例えば、気管);又は泌尿器系の器官(例えば、尿管、尿道、腎臓、又は膀胱)であってよい。

装置10は、患者の身体器官30の表面の下部に硬化性物質を塗布するために用いることができる。用語「患者の身体部分の表面」とは、肉眼で見ることができる身体の外面、及び生物の内部構造の一部である体内部分の表面を指す。表面は、出血又は非出血部位であってよい。

装置10は、術後癒着形成のリスクを低減するために、身体器官30の下部に硬化性物質を塗布するために用いることができる。

用語「癒着」とは、組織及び/又は器官間の異常な付着を指す。典型的に、癒着は、組織の手荒な操作後、組織表面の乾燥後、及び/又は手術した領域における反応性の異物(例えば、縫合糸材料、タルク粉末、又はリント残渣)の存在に起因して、外科手技後に生じる。

幾つかの実施形態では、装置10は、身体器官30における欠損に硬化性流体組成物を塗布するのに有用である。器官30は、吻合された器官(即ち、吻合外科手技に供された器官)であってよく、前記吻合は、例えば、ステープリング及び/又は縫合によって行われ、硬化性流体組成物は、補強のため及び/又は吻合された器官からの漏出を防ぐためにステープル及び/又縫合線上に塗布される。

本明細書で使用するとき、用語「欠損」とは、例えば、組織における、裂傷、開口、孔、亀裂、穿刺、穴、裂け目、開口部、細隙、間隙、穿孔、破損、刺し傷、又は破裂、漏出を指す。例えば、欠損は、吻合手技後に形成され得る。欠損は、先天性(例えば、ヘルニア);身体に関連する病変から生じる状態(例えば、漿液腫、ヘルニア、感染、炎症);手術、縫合、及び/又はステープリング後に形成される;又は非身体的要因(例えば、事故、傷害)から生じる状態であってよい。

本発明による硬化性流体組成物は、身体器官の下に存在するステープル及び/又縫合線等の身体器官の少なくとも一部に;例えば、ヘルニアの手術中にプロテーゼをしっかり固定するために;ステープル及び/又縫合線を補強するために;胞気の漏出を防ぐ又は低減するために;腎臓の欠損を治療又は予防するために;フィステルを治療又は予防するために;例えば、心臓を貫通する創傷等の心臓欠損を治療又は予防するために;血管接合用人工器官を補強するために;並びに脳脊髄液漏を治療又は予防するために塗布してよい。

本明細書で使用するとき、用語「吻合」とは、典型的に、器官又は組織の2つ以上の部分を再度つなぐために用いられる外科手技を指す。この手技は、尿路(尿道)、咽頭(食道)の切開後、又は腸の手術で用いることができる。また、この手技は、罹患組織(例えば、炎症性、癌性、又は他の病理組織、例えば、潰瘍性疾患)の切除後に用いることもできる。

本明細書で使用するとき、用語「ステープリング又は縫合」は、ステープル、クリップ、ピン、フック、縫合糸等であるがこれらに限定されない創傷を閉鎖するために用いられる任意の締結具を含む。

本明細書で使用するとき、用語「漏出」及び「漏れ」とは、例えば、組織における裂傷、開口、孔、亀裂、穿刺、穴、裂け目、開口部、細隙、間隙、穿孔、破損、刺し傷、又は破裂を通して、物質、例えば、流体、粘性材料及び/又は空気の流出又は経路を指す。

本発明の1つの実施形態では、装置10は、止血のために血管の下部、及び必要に応じて上部にも硬化性流体組成物を塗布するために用いられる。

本明細書で使用するとき、用語「止血」とは、損傷を受けた血管からの出血を止める及び/又は血液を血管内に収容したままにするのに役立つ薬物の能力を指す。

本発明の1つの実施形態では、身体器官30は、中空器官である。

幾つかの実施形態では、本明細書に記載する装置の実施形態を用いた塗布に有用な硬化性流体組成物は、組成物の粘度を高める成分との間で相互作用し得る組成物を含む。このような相互作用は、触媒等の活性化剤、若しくは熱、放射線(例えば、紫外線、電子線)等の物理的活性化因子、又はこれらの組み合わせ等の使用が挙げられるが、これらに限定されない手段によって達成される、成分の重合及び/又は架橋を含む。

本明細書で使用するとき、用語「流体」は、任意の生物学的流体(例えば、生体に由来する流体又は組み換え技術によって製造される流体)及び/又は化学的流体(例えば、化学的に合成された流体)を指す。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物の硬化は、数ミリ秒間から数分間の時間範囲、例えば、2ミリ秒間〜10分間、又は約5秒間〜約5分間の範囲内で生じる。

幾つかの実施形態では、硬化性流体組成物は、少なくとも2つの成分を含む。2つの成分を含む幾つかの実施形態では、前記2つの成分のうちの第1の成分は、前記2つの成分のうちの第2の成分によって活性化される。例えば、第1の成分は、必要に応じてフィブリノーゲンを含み、第2の成分は、必要に応じてトロンビン又はヘビ毒から得ることができる物質等のフィブリノーゲンを活性化する剤を含み、その結果、硬化性流体組成物の硬化時にフィブリンポリマーが形成される。本明細書に記載する硬化性流体組成物の2つの成分の更なる非限定的な例としては、アルギン酸塩及びカルシウム;コンドロイチン硫酸及びヒアルロン酸等の酸が挙げられる。

硬化性流体組成物がフィブリノーゲン及びトロンビン成分を含む実施形態では、成分の一方又は両方が、必要に応じて初期血液組成物から調製され得る。血液組成物は、全血であってもよく、血液画分、即ち、血漿等の全血の画分であってもよい。フィブリノーゲン及びトロンビンの起源は、自己由来であってよく、それによって、患者自身の血液、プール血液又は画分から製造される。また、タンパク質成分を組み換え法によって調製することも可能である。

本発明の1つの実施形態では、フィブリノーゲン成分は、トラネキサム酸等の抗線溶剤及び/若しくはアルギニン、リシン等の安定剤、これらの薬学的に許容可能な塩類、又はこれらの混合物を必要に応じて更に含む、血漿に由来するタンパク質の溶液である生物学的活性成分(BAC)を含む。BACは、必要に応じて寒冷沈降物、特に濃縮寒冷沈降物に由来する。

用語「寒冷沈降物」とは、全血から調製される凍結血漿、回収血漿、又はプラズマフェレーシスによって収集される元血漿から得られる血液成分を指す。寒冷沈降物は、必要に応じて凍結血漿が低温、典型的に0〜4℃の温度でゆっくり解凍されるときに得られ、その結果、フィブリノーゲン及び第XIII因子を含有する沈殿が形成される。沈殿は、例えば、遠心分離によって収集することができ、120mMの塩化ナトリウム、10mMのクエン酸三ナトリウム、120mMのグリシン、95mMの塩酸アルギニン、1mMの塩化カルシウムを含有する緩衝剤等の好適な緩衝剤に溶解することができる。例えば、米国特許第6,121,232号及び国際公開第9833533号に記載されている通り、BACの溶液は、必要に応じて例えば、第VIII因子、フィブロネクチン、フォンビルブランド因子(vWF)、ビトロネクチン等の更なる因子を含む。BACの組成物は、必要に応じてトラネキサム酸及び塩酸アルギニン等の安定剤を含む。BACの溶液中のトラネキサム酸の量は、必要に応じて約80〜約110mg/mLの範囲である。塩酸アルギニンの量は、必要に応じて約15〜約25mg/mLの範囲である。

任意で、溶液を生理学的に適合するpH値に緩衝化する。緩衝剤は、グリシン、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びビヒクルとして注入するためのを含む。グリシンは、必要に応じて約6〜約10mg/mLの範囲の濃度で組成物中に存在し、クエン酸ナトリウムは、必要に応じて約1〜約5mg/mLの範囲の濃度で存在し、塩化ナトリウムは、必要に応じて約5〜約9mg/mLの範囲の濃度で存在し、塩化カルシウムは、必要に応じて約0.1〜約0.2mg/mLの範囲の濃度で存在する。

本発明の1つの実施形態では、フィブリノーゲン成分は、血液、例えば、BAC組成物に由来する。本発明の別の実施形態では、血液由来成分中のプラスミノーゲン及び/又はプラスミンの濃度が低下する。血液由来成分からのプラスミン及びプラスミノーゲンの除去は、米国特許第7,125,569号及び国際公開第02095019号に記載されている通り実施することができる。

トロンビン成分は、必要に応じてヒトのトロンビン(800〜1200IU/mL)、塩化カルシウム、ヒトアルブミン、マンニトール、酢酸ナトリウム、及び注入用の水を含む。

フィブリノーゲン及びトロンビンを含むフィブリンシーラントの成分は、OMRIX(例えば、EVICEL(登録商標)、QUIXIL(登録商標)、ADHEXIL(商標));EVITHROM(登録商標);Baxter(例えば、TISEEL(登録商標));CSL(例えば、Beriplast(登録商標))等の製造業者から入手可能である。

1つの実施形態では、フィブリノーゲン及びトロンビン成分は、プールされているヒト起源血漿から製造され、1つのバイアル瓶が生物学的活性成分1又は2(BAC1又はBAC2)を収容し、別のバイアル瓶がトロンビン成分を含む2つのバイアル瓶からなる単回使用キットとして提供される。

幾つかの実施形態では、フィブリノーゲン成分の濃度は、約60mg/mLであり、トロンビン成分の濃度は、約1000IU/mLである。

フィブリンシーラントの成分は、本発明の方法において任意の所望の範囲の比で混合してよい。例えば、フィブリノーゲン成分中のフィブリノーゲンの濃度は、40〜85mg/mLであり、トロンビン成分中のトロンビン濃度は、約800〜1200IU/mLであり、2つの成分は、それぞれ、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6;1、7:1、8:1、9:1、10:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10等の比で混合してよい。

幾つかの実施形態では、少なくとも2つの成分を含む硬化性流体組成物は、身体器官30の第1の側面における間隙32aに2つの成分のうちの第1の成分を導入し、身体器官30の第2の側面における間隙32bに2つの成分のうちの第2の成分を導入することによって、収容部18に導入され得る。幾つかの実施形態では、少なくとも2つの成分を含む硬化性流体組成物は、身体器官30の第2の側面における間隙32bに2つの成分のうちの第1の成分を導入し、身体器官30の第1の側面における間隙32aに2つの成分のうちの第2の成分を導入することによって、収容部18に導入され得る。2つの成分は、実質的に同時に又は順次導入してよい。あるいは、2つの成分のそれぞれを、実質的に同時に又は順次に、間隙32a又は32bを通して導入してもよい。1つの実施形態では、2つの成分は、同じ間隙32a又は32bを通して実質的に同時に導入してよい。

本発明の1つの実施形態では、硬化性流体組成物を収容部18に導入した後、流体組成物を約5秒間〜約5分間の範囲の時間で硬化させる。

装置10が少なくとも1つの注入口を備え、且つ硬化性流体組成物が少なくとも2つの成分を含む幾つかの実施形態では、2つの成分のそれぞれを、実質的に同時に又は順次、同じ少なくとも1つの注入口を通して導入してよい。あるいは、装置10が少なくとも2つの注入口を備える実施形態では、2つの成分のそれぞれを、実質的に同時に又は順次、異なる注入口を通して導入してよい。

硬化プロセスの完了後、装置10を取り除いてよい。

材料及び方法: 以下の実験で用いたフィブリンシーラント。

フィブリノーゲン成分(生物学的活性成分2;BAC2)及びトロンビン成分を含むEVICEL(登録商標)フィブリンシーラント(Omrix Biopharmaceuticals Ltd.)。

破裂圧力試験。 破裂圧力は、試験される処方が器官組織を接着し、且つその機械的一体性をシールの破裂が生じ、その結果、圧力が即時に低下し、目に見える水の漏出が生じる圧力点まで維持する能力の指標を提供する。破裂圧力試験は、本質的にVilela et al.[「What Is Important For Continent Catheterizable Stomas:Angulations or Extension?」Int Braz J Urol.2007;Vol.33(2):254〜263]に記載の通り実施して、試験される処方(例えば、シーラント)が器官を有効に封着し、圧力に耐える能力を測定及び評価した。

簡潔に述べると、それぞれ長さ9.5cmであり且つ穴を備える、特別に設計された2本のアルミニウムパイプ(一端が円錐形状を有する)を、ブタの回腸(長さ25〜30cm及び直径約3cm)の管状セグメントの両側に挿入した。パイプを、円錐形状がセグメントから突出するように、2つのパイプ間に約10cmの空隙を残して、両端から回腸セグメントに挿入した。パイプの円錐形部分上にプラスチックリングを置くことによって管状セグメントの両端をシールし、このとき、腸端は円錐形のアルミニウム部分とプラスチックリングとの間に置かれる。両端における2つのプラスチックリングを、金属製のねじを用いて締めた。

鋭い刃を用いて、2つのパイプ間の10cmの空隙の中央に、回腸組織の長さに対して垂直に5mmの切開を形成し、切開が下向きになるように組織を置いた(「到達することが困難な」器官の封着漏出の複雑さを模倣するため)。5mmの切開を作製した後、4mLのフィブリンシーラント(等体積のフィブリノーゲン及びトロンビン成分)を、以下に指定する異なる塗布方法のうちの1つによって切開領域に塗布した: 1−ガスを用いないEVICEL(登録商標)塗布装置を用いて標的組織から3〜4cmの距離で組織の上側に滴下する;滴下速度は、約4mL/分であった。成分の全容積を組織の上側に滴下し、組織の側面に流した。 2−EVICEL(登録商標)塗布装置を用いて標的組織から10cmの距離から0.17MPa(25psi)で組織の上側に噴霧する;噴霧速度は、約4mL/分で実施した。成分の全容積を組織の上側に噴霧し、組織の側面に流した。あるいは、 3−本明細書に記載する装置を用いることによって、離間している側面14a及び14bに対して実質的に平行に、離間している壁16a及び16b上に組織を置いた(図2を参照)。この方法では、間隙32a及び32bを上記の通り形成した。切開が下向きであり、離間している側面14a及び14bの間に位置して、離間している壁16a及び16bが両側で組織を支持するように、装置を組織の下に配置した。

EVICEL(登録商標)塗布装置の先端を間隙に挿入し、2mLのシーラント(両成分が等体積)を約4mL/分の速度で間隙32a及び32bにガスを用いずに滴下し、シーラントを収容部18に蓄積させた(図1及び2参照)。次の工程では、ガスを用いないEVICEL(登録商標)塗布装置を用いて組織の上側から3〜4cmの距離で約4mL/分の速度にて、残りのフィブリンシーラント体積(2mL;両成分が等体積)を組織の上側に滴下した。噴霧した容積を組織の側面に流した。

3つの方法全てにおいて、組織の上側への塗布は、EVICEL(登録商標)塗布装置の先端を前後に動かし、15mmのバンド[切開の各側に7.5mm(切開に対して垂直)]を作製することによって実施した。

全ての方法において、フィブリンを10分間室温(約20〜25℃)で硬化させた。方法3では、上記硬化工程後に装置を組織の下から取り除いた。

第3の方法では、本発明による塗布装置を用いるとき、腸の全周囲をシーラントによって被覆した(全周囲の周りに15mmのバンドを作製した)。

破裂圧力試験では、2つの成分を1:1の容積比で用い、塗布した最終フィブリノーゲン濃度は、30.5mg/mLであり、塗布した最終トロンビン濃度は、584IU/mLであった。

破裂圧力を試験するために、他のパイプはシールしたまま(そのパイプを通じて水が流れるのを避けるため)、アルミニウムパイプの1本を水源に接続することによって、腸を加圧した。内圧をモニタリングしながら、水をアルミニウムパイプに流し込んで腸を膨張させた。切開のシールが破裂するまで水圧を上げ、圧力の急激な低下を観察した。観察した圧力レベルを、液体用配管に接続されていた圧力ゲージ(D−logmate 590 MRC Israel)を用いて継続的にモニタリングした。圧力低下前に得られた最高圧力を記録し、破裂圧力であるとみなした。一般的には、より高い破裂圧力値は、より強いシーリング強度を示す。

実施例1:本明細書に記載する装置を用いたステープル線上へのフィブリンシーラントの塗布。 この実施例では、本発明による装置を、直腸の下部における胃腸吻合手技後のステープル線上にフィブリンシーラントを塗布するために用いる。フィブリンシーラントを直腸の全周囲の周りに塗布したが、これは、器官の周りの空間が限られているので困難な塗布であった。

離間している壁16a及び16bは、それぞれ、6cmの長さを有する(図1において20と記載されている)。離間している側面14a及び14bは、それぞれ、2cmの長さを有する(図1において15と記載されている)。離間している壁16a及び16bのそれぞれの長さの部分20cは、下面12の上面の上方に5mmの高さ(図1において25と記載されている)及び2mmの厚さ(図1において23と記載されている)を有する。離間している側面14a及び14b、並びに離間している壁16a及び16bの部分20a及び20bは、25mmの高さ(図1において17と記載されている)及び2mmの厚さ(図1において19と記載されている)を有する。下面12は、2mmの厚さを有する。

幾つかの実施形態では、装置は、シリコーンで作製される。あるいは、装置は、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリクロロプレン、若しくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの組み合わせで作製してもよい。

吻合手技は、Yik−Hong Ho et.al.(「Techniques for colorectal anastomosis」.World J Gastroenterol.2010 Apr 7;16(13):1610〜21)に記載の通り実施する。手技は、直腸を10cm切除し、それをJ&J,ECHELON FLEX(商標)ENDOPATH(登録商標)ステープラーでステープリングすることを含む。

次の工程では、直腸をそっと持ち上げ、離間している側面14a及び14bに対して実質的に平行に、離間している壁16a及び16b上にそれを置くことによって、装置10(滅菌パッケージでユーザに提供された)を直腸の下に配置する(図2を参照)。この方法では、間隙32a及び32bを上記の通り形成する。離間している側面14a及び14bの間にステープル線が位置して、離間している壁16a及び16bが前記ステープル線の両側で直腸を支持するように、装置10を直腸の下に配置する。

装置の配置後、収容部18がフィブリンシーラントで満たされるまで、国際公開第2007/059801号に記載の通り、塗布装置を用いて、間隙32a、32bのうちの少なくとも1つを通して5mLのフィブリンシーラント(EVICEL(登録商標)の等体積のフィブリノーゲン成分及びトロンビン成分、Omrix biopharmaceuticals Ltd.,Israel)を滴下する。

次いで、直腸の周囲の周りを完全に被覆するために、更に5mLのフィブリンシーラントを直腸上に滴下する。

約60秒間後、フィブリンが硬化し、装置を直腸の下から取り除くと、直腸の全周囲の周りに連続層が残る。

実施例2:異なる方法を用いることによる切開領域上へのフィブリンシーラントの塗布。 以下の実験では、「標的領域の周囲上へのフィブリンシーラントの塗布」における本発明による装置の有効性について研究した。図1の装置を用いることによる塗布後のEVICEL(登録商標)の性能を、上記破裂圧力試験を用いて評価した。ポリウレタンで作製され、以下の寸法を有する装置を用いた:

離間している壁16a及び16bは、それぞれ、4.3cmの長さを有する(図1において20と記載されている)。離間している側面14a及び14bは、それぞれ、2cmの長さを有する(図1において15と記載されている)。離間している壁16a及び16bのそれぞれの長さの部分20cは、下面12の上面の上方に2.5mmの高さ(図1において25と記載されている)及び2.5mmの厚さ(図1において23と記載されている)を有する。離間している側面14a及び14b、並びに離間している壁16a及び16bの部分20a及び20bは、17mmの高さ(図1において17と記載されている)及び2mmの厚さ(図1において19と記載されている)を有する。下面12は、2mmの厚さを有する。

噴霧及び滴下塗布(材料及び方法の章における「破裂圧力試験」で説明した塗布方法1及び2)を参照として用いた。各処理を6回繰り返し実施した。

各塗布方法についての破裂圧力試験の結果を以下の表1に示す。

噴霧又は滴下により塗布したときにフィブリンシールを破裂させるために必要な圧力と比べて、組織の下部にもシーラントを塗布するのを可能にすることによって均一に腸の全周囲を被覆する本発明による装置を用いてフィブリンを塗布したとき、腸組織上においてフィブリンシールを破裂させるためにはより高い圧力が必要であることが観察された。

これら結果は、フィブリンシールを形成するために本発明による装置を用いると、より強い接着力が得られることを示す。

したがって、本発明による装置を用いたときの封着強度は、滴下又は噴霧によって塗布した後に観察される封着強度に比べて優れていると結論付けられた。

明確にするために別個の実施形態のかたちで記載した本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供してもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態のかたちで記載した本発明の様々な特徴は、別個に又は任意の好適な部分的組み合わせで、又は本発明の任意の他の記載した実施形態において好適であるように提供してもよい。様々な実施形態のかたちで記載した特定の特徴は、実施形態がこれら要素を有しなければ動作不能でない限り、これら実施形態の本質的な特徴であると考えられるものではない。

本発明をその特定の実施形態と共に記載したが、多くの代替例、変更例、及び変形例が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲内のこのような代替例、変更例、及び変形例の全てを包含することを意図する。

本願における任意の参照文献の引用又は特定は、このような参照文献が本発明に対する先行技術として入手可能であることを認めると解釈すべきではない。

〔実施の態様〕 (1) 身体器官に硬化性流体組成物を塗布するのに好適な装置であって、 下面と、2つの離間している側面と、前記2つの離間している側面をつなぐ2つの離間している壁とを有する一体構造の材料片を含み、前記2つの離間している壁の高さの少なくとも一部が、前記2つの離間している側面の少なくとも一部の高さよりも低く、 前記硬化性流体組成物を収容するための収容部が、前記下面、前記2つの離間している側面、及び前記2つの離間している壁によって画定され、 前記身体器官の下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置可能である、装置。 (2) 前記硬化性流体組成物を前記身体器官の欠損上に塗布するための、実施態様1に記載の装置。 (3) 前記欠損が吻合後に形成される、実施態様2に記載の装置。 (4) 前記装置の前記2つの離間している側面のうちの少なくとも1つに近接する、前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも第1の部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの第2の部分の高さよりも高く、前記身体器官の前記下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、前記身体器官の側面と前記装置の前記少なくとも1つの側面との間に少なくとも1つの間隙が生じる、実施態様1〜3のいずれかに記載の装置。 (5) 前記2つの離間している側面のそれぞれに近接する、前記2つの離間している壁のそれぞれの前記部分の高さが、前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分の高さよりも高く、前記身体器官の前記下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの前記第2の部分によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置したとき、前記身体器官の各側面と前記装置の各側面との間に間隙が生じる、実施態様4に記載の装置。

(6) 剛性又は半剛性の材料で作製される、実施態様1〜5のいずれかに記載の装置。 (7) 前記装置が、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される、実施態様1〜6のいずれかに記載の装置。 (8) 前記2つの離間している側面のそれぞれが、約1〜約6cmの範囲の長さを有する、実施態様1〜7のいずれかに記載の装置。 (9) 前記2つの離間している壁のそれぞれが、約2〜約10cmの範囲の長さを有する、実施態様1〜8のいずれかに記載の装置。 (10) 前記2つの離間している側面のそれぞれが、約5〜約70mmの範囲の高さを有する、実施態様1〜9のいずれかに記載の装置。

(11) 前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部が、約2〜約15mmの範囲の高さを有する、実施態様1〜10のいずれかに記載の装置。 (12) 前記2つの離間している側面のそれぞれが、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する、実施態様1〜11のいずれかに記載の装置。 (13) 前記2つの離間している壁のそれぞれが、約1〜約15mmの範囲の厚さを有する、実施態様1〜12のいずれかに記載の装置。 (14) 前記下面が、約0.5〜約10mmの範囲の厚さを有する、実施態様1〜13のいずれかに記載の装置。 (15) 身体器官に硬化性流体組成物を塗布する方法であって、 実施態様1〜14のいずれかに記載の装置を提供することと、 前記身体器官の前記下部が前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されるように、前記装置を前記身体器官の下に配置することと、 前記2つの離間している側面間に位置する前記身体器官の少なくとも一部と接触するのに十分な量の前記硬化性流体組成物を前記収容部に導入することと、 それによって前記組成物を前記身体器官に塗布することと、を含む、方法。

(16) 前記装置を前記身体器官の下に配置することが、前記身体器官を持ち上げることと、前記装置を前記身体器官の下に置くことと、前記身体器官を前記2つの離間している側面の間に位置決めすることとを含み、前記身体器官の下部が、前記2つの離間している壁のそれぞれの少なくとも一部によって支持されている、実施態様15に記載の方法。 (17) 前記硬化性流体組成物を前記収容部に導入することが、少なくとも1つの間隙を通して行われる、実施態様15又は16に記載の方法。 (18) 前記硬化性流体組成物が、前記身体器官の上部に直接塗布され、その結果前記塗布された硬化性流体組成物の少なくとも一部が前記身体器官の前記上部と接触し、前記身体器官の少なくとも1つの側面を流れ落ち、かつ前記少なくとも1つの間隙を通して前記収容部に流れ込む、実施態様15〜17のいずれかに記載の方法。 (19) 前記塗布された組成物の第1の部分が前記身体器官の前記少なくとも上部及び/又は前記少なくとも1つの側面に留まり、前記塗布された組成物の第2の部分が前記収容部に流れ落ち、かつそれによって前記2つの離間している側面の間に位置する前記身体器官の前記下部の少なくとも一部を被覆する、実施態様18に記載の方法。 (20) 前記硬化性流体組成物が、噴霧、滴下、及び/又は注入によって塗布される、実施態様18又は19に記載の方法。

(21) 前記身体器官が中空器官である、実施態様15〜20のいずれかに記載の方法。 (22) 前記身体器官の欠損を修復するための、実施態様15〜21のいずれかに記載の方法。 (23) 前記身体器官が吻合された身体器官である、実施態様15〜22のいずれかに記載の方法。 (24) 前記吻合が、縫合又はステープリングによって行われる、実施態様23に記載の方法。 (25) 前記身体器官が、直腸及び肛門からなる群から選択される、実施態様15〜24のいずれかに記載の方法。

(26) 前記硬化性流体組成物が少なくとも2つの成分を含む、実施態様15〜25のいずれかに記載の方法。 (27) 前記少なくとも2つの成分のうちの第1の成分が、前記少なくとも2つの成分のうちの第2の成分によって活性化される、実施態様26に記載の方法。 (28) 前記第1の成分がフィブリノーゲンを含む、実施態様27に記載の方法。 (29) 前記第2の成分がトロンビンを含む、実施態様28に記載の方法。 (30) 前記硬化性流体組成物を硬化させることを更に含む、実施態様15〜29のいずれかに記載の方法。

(31) 前記硬化性組成物を約5秒間〜約5分間の範囲の時間で硬化させる、実施態様30に記載の方法。 (32) 前記硬化性流体組成物の硬化後に前記装置を取り除くことを更に含む、実施態様30又は31に記載の方法。

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