可撓性袋の袋口にスリーブを有するパウチ

申请号 JP2015530348 申请日 2013-08-27 公开(公告)号 JP6149111B2 公开(公告)日 2017-06-14
申请人 エムトロワザテ ソシエテ アノニム; M3AT SA; 发明人 カイレトー ブノワ;
摘要
权利要求

端部に袋口(12A)を有する可撓性袋(12)を備え、 前記可撓性袋の外側に突出するスリーブ(18;118)の対向する二つの壁が前記袋口に固定されており、 前記二つの壁が互いに重なる平坦状態と、前記二つの壁が前記袋口を開いた状態で保持して通路を形成する使用状態とを取るように構成された、パウチ(10)であって、 前記スリーブ(18;118)における前記二つの壁のうちの第1壁(20A;120A)は、前記袋口の端部から横方向に突出する第1長手方向端部帯(30A;130A)を有し、 前記スリーブ(18;118)における前記二つの壁のうちの第2壁(20B;120B)は、前記パウチが前記平坦状態から前記使用状態に移行する際に前記第1長手方向端部帯の内面に対してスライドするのに適したスライド端部(32B;132B)を有することを特徴とする、パウチ。前記前記スリーブ(18;118)における前記第2壁(20B;120B)が、前記袋口(12A)の端部から横方向に突出する第2長手方向端部帯(30B;130B)を有し、 前記スライド端部(32B;132B)が前記第2長手方向端部帯に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のパウチ。前記スライド端部(32B;132B)が、少なくとも前記袋口(12A)に近い部分において、前記袋口から離れるにつれて前記第2壁の幅が大きくなる方向に傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載のパウチ。前記第2壁(20B;120B)が、前記スライド端部(32B;132B)の基部に、外向きの横方向段部(31B、131B)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパウチ。前記二つの壁(20A、20B;120A、120B)が、前記第1長手方向端部帯(30A;130A)及び前記スライド端部(32B;132B)のそれぞれと反対側の長手方向端部において、互いに対して固定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のパウチ。前記スリーブ(118)における前記袋口(12A)から突出する高さが、前記スリーブの横方向端部の一方の近くで測定される最小高さ(h1)と前記スリーブの横方向端部の他方の近くで測定される最大高さ(h2)との間で、前記スリーブの幅方向に渡って変化することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のパウチ。前記最大高さ(h2)は、前記第1長手方向端部帯(130A)及び前記スライド端部(132B)が位置する前記スリーブ(118)の前記横方向端部の近くで測定されることを特徴とする、請求項6に記載のパウチ。前記パウチが平坦状態にあるとき、前記スリーブ(118)の前記袋口(12A)と反対側の自由端(118B)がS字型であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のパウチ。前記通路を形成する形状に前記二つの壁を保持する手段(38、39)をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のパウチ。前記スリーブ(218)が、前記第1壁及び前記第2壁(220A、220B)のそれぞれにおける前記パウチの前記袋口と反対側に設けられた、二つのホルダー舌部(250A、250B)を有し、 前記二つのホルダー舌部(250A、250B)が、遮断スロット(252A、252B)によって前記第1壁及び前記第2壁のそれぞれから離隔された可動ヘッド(251A、251B)を有することを特徴とする、請求項9に記載のパウチ。前記スリーブ(118)が、前記可撓性袋の内部に配置される部分(118A)を有し、 前記部分(118A)は、前記二つの壁のそれぞれと連続する複数の展開タブ(140A、140B)を有し、 前記複数の展開タブ(140A、140B)は、前記パウチの前記使用状態において前記可撓性袋(12)の対向する面を互いに離隔させるために互いに対して展開することに適した複数の横方向自由端(140’A、140’B)を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のパウチ。前記可撓性袋(12)が、前記袋口(12A)から離れた箇所において、前記可撓性袋の内部に達する破れ目を形成することに適した脆弱線(15A)を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のパウチ。

说明书全文

本発明は、可撓性袋を有するパウチに関する。本発明に係るパウチは、端部に袋口を有する可撓性袋を備え、可撓性袋の外側に突出するスリーブの対向する二つの壁が袋口に固定されており、当該二つの壁が互いに重なる平坦状態と、当該二つの壁が袋口を開いた状態で保持して通路を形成する使用状態とを取る。

この種のパウチは、例えば特許文献1に記載されている。このようなパウチは、主に液状の物質(特に尿等の人間や動物の排泄物)を入れるために用いられる。パウチは平坦状態で保管される。使用時には、複数の壁が袋口を開いた状態で保持して通路を形成するようにスリーブを操作することで、パウチは使用状態となり、排泄物をパウチ内部に注ぎ入れることが可能となる。一旦排泄物が中に導入されると、スリーブを開放してパウチを平坦状態へ戻すことができる。

このようなパウチは、一般に、プラスチックその他の(場合によっては、透明で、十分な柔軟性を有する素材からなる)薄いシートによって構成される。パウチを開けるためのスリーブの操作は、スリーブの複数の壁を変形させて(パウチの外側から見て)凸型になるようにして、これらの壁によってその間に袋口を開いた状態で支える通路を形成する工程を含む。

袋口は、パウチの用途に適するような横断面寸法に設定される。一般的に、特にパウチが尿を入れる用途に用いられる場合、スリーブは片手のみで操作するのに適したものであることが要求され、その横断面寸法は、一般的にパウチの主要部の横断面寸法よりかなり小さい。

特許文献1は、スリーブが通路を形成する際に、可撓性袋の複数の壁が、袋口の端部においてだけでなく袋口の下流側でも互いに離隔して、パウチ内に導入された物質が逆流しないこと、即ち還流して溢れることのないことを確実にする、スリーブの操作に関する。この目的のため、特許文献1では、スリーブに複数の内部展開タブが設けられる。これにより、パウチの可撓性袋を作製する際の材料の選択の自由度が、非常に高くなる。特許文献1の主題を構成する本発明は、可撓性袋を形成する複数のシートが、当初は互いに対して多少粘着した状態であっても、また高い柔軟性を有していても、シートが互いに対して確実に離隔するようにするものである。

欧州特許出願番号0847742

上記のような種類のパウチを作製するにあたってのもう一つの課題は、物質(特に尿等の排泄物)を可撓性袋の内部で効果的に移動させることである。パウチが男性用の尿パウチとして用いられる場合、使用者のペニスを、袋口から(スリーブによって形成される通路内で)十分に遠くまで挿入することには、一般的に特段の困難はない。同様に、いかなる排泄物収集用途であっても、袋口からパウチ内に十分な長さで挿入可能に突出した終端又は部材から排泄物を導入して、物質をパウチ内部まで移動させられるものであれば、特に困難は生じない。

一方、パウチを上記の用途とは別の用途に用いる場合、即ち、物質の流入元である部材が、スリーブによって形成される通路内で十分奥まで挿入することができないタイプのものである場合には、困難が生じる。例えば、パウチが女性用の尿パウチとして使用される場合である。このような場合、例えば尿のような物質は、可撓性袋の外側に突出したスリーブの端部からパウチに導入される。よって、可撓性袋の内部に到達するまでは、物質はスリーブの壁を伝って流れる。このことから、この壁は十分な遮性を持っていなければならない。

これに対する明白な解決法の一つとして、閉じた外形を有するチューブによってスリーブを形成する。パウチを平坦状態にする場合には、スリーブをその長手方向に平行な二つの折り目に沿って平坦にし、平坦な状態のスリーブの、互いに対して対向する二つの壁の長手方向端部とする。しかしこの場合、スリーブを、当初は3次元形状であり次に平坦化されるように形成する必要があり、製造コストが増加する。スリーブを平坦状態から通路を形成する使用状態に変える際、平坦状態のスリーブの二つの対向する長手方向端部が、互いに対して押し付けられる。この圧によって対向する二つの壁を変形させ互いに対して離隔させるには、これら二つの壁が当初から多少(外側から見て)凸型になっていることが望ましい。しかし、この構成は使用前にパウチを保管する際に障害となる。なぜなら、平坦状態のスリーブの壁がそれぞれある程度凸型になっているため、パウチは完全に平坦にならず、完全に平坦なパウチに比べて嵩張るからである。

スリーブを、対向する長手方向端部同士を閉じた外形を有するように溶着した、二つの平坦な壁部から構成することも考えられる。この場合、溶着作業が必要となり、製造コストが増加する。さらに、二つの平坦部をそれらの長手方向端部に沿って互いに溶着する場合、このように形成したスリーブの長手方向端部に圧力をかけてスリーブを使用状態にできる確率は、50%にすぎない。かけられた圧力は、対向する二つの壁を凸型にして所望の通路を形成するか、壁の一つだけを凸型にする一方もう一つの壁を凹型にして凸型の壁に押し付けられたままにするか、どちらかに作用する。このような状況では通路が形成されず、片手での操作が難しい。

本発明は、非常に簡単に製造可能で、確実かつ容易に操作できる一方、スリーブ部分が望ましい遮水性を有し、使用状態では排泄物をパウチ内部へと移動させる通路が形成される、スリーブ付きパウチを提案することで、上記の問題に対処しようとするものである。

上記目的は、スリーブの第1壁が、袋口の端部から横方向に突出する第1長手方向端部帯を有する一方、スリーブの第2壁が、パウチが平坦状態から使用状態に移行する際に第1長手方向端部帯の内面に対してスライドするのに適したスライド端部を有することによって、達成される。

上記構成により、スリーブの長手方向端部が互いに対して押し付けられた場合、スリーブの第1壁は、第1長手方向端部帯が袋口の端部に対して横方向に突出していることから、確実に変形して凸型になる。スリーブの第1壁を凸型にすることで、スリーブの第2壁のスライド端部が、第1長手方向端部帯の凸型の内面をスライドする。これにより、第2壁が第1壁から離れ、これら二つの壁がその間に袋口を開いた状態で保持する所望の通路を形成する。さらに、スライド端部と第2壁との間のスライド接触により、排泄物がパウチ内に導入される間の遮水性が望ましい度合いで明確にもたらされ、排泄物が、スライド端部と第1長手方向端部帯とを有する通路の端部から漏れることが防止される。

本発明のパウチは多くの用途に利用可能である。スリーブに通路を形成させる操作が容易な点は、あらゆる用途において有用である。通路を通ってパウチに物質を入れることについてのよりよい方法は、パウチに挿入できない部材から物質を流入させる際に、特に有用である。さらに、本発明では部材をパウチに挿入する深さについて特に注意を払うことなく漏れを防止できることから、パウチに挿入可能な部材から物質を流入させる際にも有用である。

好適には、前記スリーブにおける前記第2壁が、前記袋口の端部から横方向に突出する第2長手方向端部帯を有し、前記スライド端部が前記第2長手方向端部帯に形成されている。

この場合、スリーブの反対側の長手方向端部への圧力によって第2壁が凸型になるように変形し、第2長手方向端部帯上に形成され第1長手方向端部帯の内面に対してスライドするスライド端部により、第2長手方向端部帯が第1壁に対してスライドできる。

一方、前記第1長手方向端部帯の少なくとも一部は、前記袋口の端部について前記第2長手方向端部帯を越えて突出することが好ましい。

好適には、前記スライド端部が、少なくとも前記袋口に近い部分において、前記袋口から離れるにつれて前記第2壁の幅が大きくなる方向に傾斜している。これにより、袋口に隣接するスライド端部の基部が袋口の端部と実質的に沿っていて当該端部に対して横向きに突出することがなく、スライド端部が軸方向に袋口から離れることで、袋口の端部から横向きに離れる。

当初平坦なスリーブを変形してその複数の壁を通路形状にしようとする場合、スリーブの対向する長手方向端部に、スリーブの基部付近、即ち可撓性袋の袋口の領域で、圧力をかける。スライド端部の傾きにより、圧力がスリーブを円錐型にして、スリーブを簡単に変形させることができる。

好適には、前記第2壁が、前記スライド端部の基部に、外向きの横方向段部を有する。

この上向きの横方向段部により、スライド端部の基部が、第1長手方向端部帯の基部に対して保持される。これにより、スリーブの変形の際、二つの壁が互いに対して歪むことを防止できる。よって、望ましいレベルの遮水性を確保できる可能性が高まる。さらに、以下に示すように、前記段部は物質をパウチ内部に導くことに役立つ。

好適には、前記二つの壁が、前記第1長手方向端部帯及び前記スライド端部のそれぞれと反対側の長手方向端部において、互いに対して固定されている。

特に、スリーブは、二つの壁の第1長手方向端部を形成する折り目で二つに折られる平坦な素材から形成されてもよい。

一方、前記第1長手方向端部帯と前記スライド端部とをスリーブの長手方向端部の両方に設けることに何ら問題はない。例えば、スリーブの第1壁が二つの対向する端部のそれぞれに第1長手方向帯を有し、スリーブの第2壁が二つの対向する端部のそれぞれにスライド端部(場合によっては第2長手方向端部帯)を有してもよい。また、第1壁が、一方の端部に第1長手方向帯を有し且つ他方の端部にスライド端部(第2長手方向端部帯に形成されてもよい)を有し、もう一方の壁も同じ構成を有してもよい。

好適には、前記スリーブにおける前記袋口から突出する高さが、前記スリーブの横方向端部の一方の近くで測定される最小高さと前記スリーブの横方向端部の他方の近くで測定される最大高さとの間で、前記スリーブの幅方向に渡って変化する。

この場合、好適には、前記最大高さは、前記第1長手方向端部帯及び前記スライド端部が位置する前記スリーブ(118)の前記横方向端部の近くで測定される。

本発明では、袋口から離隔したスリーブの自由端の形状の自由度が高い。この自由端は、例えばパウチが男性の尿瓶として用いられる際には、直線でもよい。他の用途では、例えばパウチが女性の尿瓶として用いられる際には、自由端は上記とは異なった形状を有してよい。例えば、スリーブの突出高さを変えることで、スリーブの自由端を女性の解剖学的構造に対応させることができる。この高さの変化は、スリーブが通路を形成する際、通路の自由端がパウチを使用する女性の外陰部に押し付けられるように、設定される。

好適には、本発明に係るパウチは、前記通路を形成する形状に前記二つの壁を保持する手段をさらに備えている。

例えば、前記スリーブが、前記第1壁及び前記第2壁のそれぞれにおける前記パウチの前記袋口と反対側に設けられた、二つのホルダー舌部を有し、前記二つのホルダー舌部が、遮断スロットによって前記第1壁及び前記第2壁のそれぞれから離隔された可動ヘッドを有する。

この単純な形状により、スリーブの壁が通路を形成する際、スリーブの第1壁に設けられたホルダー舌部を第2壁に設けられたホルダー舌部の内側に配置し、また逆に、第1壁に設けられた第1長手方向帯を第2壁の外側に配置することができる。これら二つの壁は、これによって互いに対して保持される。

好適には、前記スリーブが、前記可撓性袋の内部に配置される部分を有し、前記部分は、前記二つの壁のそれぞれと連続する複数の展開タブを有し、前記複数の展開タブは、前記パウチの前記使用状態において前記可撓性袋の対向する面を互いに離隔させるために互いに対して展開することに適した複数の横方向自由端を有する。

このような展開タブは特許文献1によって知られている。当該展開タブは本発明のものと互換性があり、可撓性袋を形成する、非常に柔軟性が高く当初は互いに対して粘着したシートの確実な展開を、上述した様々な利点と組み合わせたパウチを得ることができる。

また、好適には、前記可撓性袋が、前記袋口から離れた箇所において、前記可撓性袋の内部に達する破れ目を形成することに適した脆弱線を有する。

これにより、パウチを簡単な操作で空にすることができる。

本発明とその利点は、非限定的な例示によって提示される下記実施形態の詳細な説明によって、よりよく理解されるであろう。この説明は下記に示す添付の図面を参照する。

平坦状態にある本発明に係るパウチの正面図である。

図1のパウチのスリーブを作製する素材の平面図である。

図1のパウチが使用状態にあるときのスリーブの形状を示す透視図である。

女性の尿瓶用に特に構成された変形例における、パウチの袋口に近い部分を示す。

図4のパウチのスリーブを作製する素材の平面図である。

図4のパウチが使用状態にあるときのスリーブの形状を示す透視図である。

変形例のスリーブを作製する素材の平面図である。

通路を形成する形状を取る、図7の変形例のスリーブの斜視図である。

図1に示すように、本発明に係るパウチ10は、可撓性袋12を有する。可撓性袋12はプラスチック素材でできた二つの薄いシートからなり、これらのシートを適切に切り抜いて、溶着線14において輪郭の略全体で互いに溶着することで形成される。可撓性袋12は、溶着線14上の中断部からなる袋口12Aを有し、袋口12Aを介して可撓性袋12の内部と外部とが連通している。

図1の例では、可撓性袋12の幅が狭まる部分である首部16の自由端に、袋口12Aが設けられている。

パウチ10は、補強用のスリーブ18を有する。スリーブ18は、袋口12Aに固定され、可撓性袋12の外側に突出している。

具体的には、スリーブ18は、スリーブ18の本体を形成し袋口12Aを越えて突出する主要部と、袋口12Aから可撓性袋12の内部に挿入され袋口12Aの幅L全体にわたって延在する内側部18Aとを有する。

例えば、可撓性袋12を形成するシートを柔軟性のあるプラスチック素材で作製する一方、スリーブ18をより堅いプラスチック素材で作製する。これにより、スリーブ18を可撓性袋12に固定する作業において、可撓性袋12の各シートをスリーブ18の各壁に溶着又は接着することができる。図1には、二つの溶着線19A、19Bが、排泄物がパウチに導入される方向である方向Dに対して横方向に延びていることが示されており、スリーブ18の前壁20Aが、溶着線19A、19Bに沿って可撓性袋12の対応するシートに溶着されている。同様に、スリーブ18の後壁20Bは、パウチ10の対向するシートに溶着されている。

図1に示すように、溶着線14は、袋口12Aから離れた部分において、例えば微小穴のミシン目によってなる脆弱線15Aを有する。脆弱線15Aは、溶着線14内のみで延在し、可撓性袋12の内部空間には達しない。パウチ10が排泄物で一杯になった場合、当該排泄物は、脆弱線15Aに沿って、破れ目を可撓性袋12の内部空間に達するのに必要な力をかけることで、排出される。

さらに、溶着線14は、袋口12Aに隣接する側部の一つにおいて、上記と同様に非連続な複数の穴からなる、脆弱線15Bを有する。脆弱線15Bは、可撓性袋12の内部空間から離れており、脆弱線15Bに沿って形成した裂け目が可撓性袋12の内部空間に達しないような方向に設けられている。よって、排泄物で一杯になったパウチ10を、空にする前に保管しておく必要がある場合、脆弱線15Bに沿って裂け目を形成することで、フック等にかけておくことができる。

図1は、パウチ10が特許文献1に記載の安全バルブを有することをさらに示す。当該安全バルブは、パウチ10の壁のそれぞれと対向するように設けられた複数の内側シートからなる。図1の例において、安全バルブは、パウチ10の二つの壁のそれぞれについて、袋口12Aからパウチ10の中間部まで延びる第1シート対22と、第1シート対22の内部で延在する第2シート対24と、第2シート対24の内部で延在する第3シート対26とを有する。シート24はシート22より短く、シート26はシート24より短い。これらのシートは、それぞれが位置する箇所においてパウチ10の幅全体に延在し、互いに対して、且つ溶着線14上で可撓性袋12の壁に対して、溶着されている。シート対24のシートはスポット溶着点25において互いに対して溶着されており、シート対26及びシート対24のシートは、スポット溶着点25に対してずれたスポット溶着点27において互いに対して溶着されている。互いに対して適切に溶着されたこれら複数のシート対が、逆止弁を形成し、パウチ10が使用され取り扱われる際に、パウチ10内での排泄物の逆流を防ぐ。

脆弱線15Bは、シートの各層が全て存在する溶着線の部分に存在する。溶着線のこの部分は特に強度が高く、上記のようにパウチ10をかけておく用途に適している。

本発明に係るパウチ10は、さらに具体的には、スリーブ18に関する。上記のように、スリーブ18は、袋口12Aを横切って、スリーブ18の内側部18Aが袋口12Aの幅L全体にわたって延在するように、溶着されている。図1に示すように、以下で「第1」壁と称するスリーブの前壁20Aは、袋口12Aの端部から横方向に突出する第1長手方向端部帯30Aを有する。本発明において、長手方向は、パウチ10に排泄物が導入される方向であり、スリーブ18の軸方向である、方向Dを指す。横方向Dlは、長手方向に垂直な方向である。図1に示すように、第1長手方向帯30Aは、袋口12Aの端部から幅l分横方向に突出している。図2に示すように、スリーブの内側部18Aは、幅lを有する段部31Aにおいてスリーブ18がパウチ10内に設置されたときに袋口12Aから外側に突出するスリーブ18の一部に対する内側部である。

このために、スリーブ18の第2壁20Bは、パウチ10が平坦状態から使用状態に移行する際に、第1帯30Aの内面に対してスライドするのに適したスライド端部32Bを有する。

図3は、これを理解しやすいように、スリーブ18が通路を形成してパウチ10を平坦状態から使用状態にしつつある状態を示している。スリーブ18の形を変えるとき、ユーザは、図1に示すスリーブ基部のゾーンZ1、Z2に圧力をかける。この圧力によって、スリーブ18の対向する長手方向端部が互いに対して近づき、スリーブ18がそれぞれ曲がって、第1壁20Aが凸型になる一方、第1壁20Aの自由延長部を形成する長手方向端部帯は、第1壁20Aより少ない湾曲で凸型になる。ゾーンZ1、Z2にかけられた圧力により、第1壁20Aの内面は、自由端32Bに対して反力をかける。これにより第1長手方向帯30Aが特定の形を取るため、スライド端部32Bは、第1帯30Aの内面上をスライドして、第2壁20Bを凸型にする。よって、二つの壁20A、20Bの間に、パウチ10の袋口12Aを開いた状態で保持する通路が設けられる。

具体的には、スライド端部32Bは、スリーブ18の第2壁20Bの一部を形成し、袋口12Aの端部に対して横方向に突出する第2長手方向端部帯30Bの端部上に形成されている。少なくとも一つの部分(segment:区分)に渡って、第2長手方向端部帯30Bは、第1長手方向端部帯30Aよりも少ない度合いで横方向に突出する。具体的には、スライド端部32Bが傾くに連れて、第2長手方向端部帯30Bの横方向の突出量が変化する。横方向の突出の最大値は、本例では一定である第1帯30Aの幅lに対応する。

第2壁20Bは、特に図2に示すように、スライド端部32Bの基部、つまりスライド端部32Bにおけるパウチ10の袋口12Aに最も近い部分に設けられた、外向きの横方向段部31Bを有する。横方向段部31Bは、非常に狭い幅eを有する。この幅eは、例えば幅lの5%〜20%程度、好ましくは10%程度である。よって、パウチ10が人間の尿瓶として用いられる場合、幅e及び幅lは、それぞれ、1ミリ(mm)〜2mm及び8mm〜15mmである。

図2及び図3に示すように、二つの壁20A、20Bは、第1長手方向帯30A及びスライド端部32Bのそれぞれと対向する長手方向端部によって、互いに対して固定される。図示の例において、スリーブ18はプラスチック製の素材からなり、折り目34に沿って折り曲げられて、図1に示す状態ではスリーブ18が平坦である。折り目34は、互いに対して連結された壁20A、20Bの共通の長手方向端部を形成する。スリーブ18は二つの平坦部、例えば、共通線で溶着して折り目34を形成した、二つの独立した素材からなってもよい。

よって、本発明では、スリーブの線34を挟んで対向する端部、即ち、第1長手方向端部帯30A及びスライド端部30Bがそれぞれ設けられた端部は、互いに対して自由に移動可能である。これは、スリーブ18における袋口12Aから突出した部分の全てに当てはまる。スリーブ18の内側部18Aに関しては、上記のように、平坦状態における内側部18Aの幅Lは、袋口12Aの幅に対応する。よって、内側部18Aにおける端部35A、35Bは、溶着線14の存在により、互いに対して移動することができない又は実質的にできない。袋口12Aの側部において、溶着線14は、スリーブ18に(即ち、スリーブ18の内側部18A及び端部35A、35B上で延びる折り目34の部分に)多少入り込んで(encroach)いてもよい。

図1〜図3に示す例では、袋口12Aから突出するスリーブ18の高さは略一定である。当然ながら、スリーブ18の上端部18Bを、必要に応じて多少滑らかにしてもよい。よって、面取りを行うか、笹縁(bead)18B’を設けてもよい。

図4〜図6を参照して、スリーブの変形例を記載する。図4は、パウチ10の袋口12Aに近い位置のみを示す。スリーブ118は、下記二つの点を除いて上記のスリーブ18と同一である。第一に、スリーブ118の袋口12Aから離れた自由端118Bは、女性の尿瓶用に特に適した特定の形状を有している。ここで、当該自由端には、肌触りがよいように笹縁等118B’が設けられてもよい。さらに、スリーブ118の内側部118Aには、後述の展開タブが設けられている。

図4〜図6において、スリーブ118を構成する各部材には、スリーブ18の対応する部材の番号に100を足した番号を付けている。図4〜図6に示すように、スリーブ118は、折り目134で互いに対して接続された第1壁120A及び第2壁120Bを有する。第1壁120Aは、第1長手方向端部帯130Aを有する。一方、第2壁120Bは、第2長手方向帯130Bの端部に設けられたスライド端部132Bを有する。図4に示すように、二つの長手方向端部帯120A、120Bは、袋口12Aから横向きに突出している(即ち、溶着線14間の袋口12Aの横方向端部に対して、横向きに突出している)。第1長手方向端部帯130Aは、溶着線14に沿って設けられており、溶着線14と略同じ幅を有する。第2長手方向端部帯130Bは、溶着線14の幅l14に対応した、略一定の幅の自由端部130B’を有する。第2長手方向端部帯130Bは、袋口12Aの端部と自由端130B’との間に、スライド端部32Bと同様に傾斜して、第1長手方向端部帯130Aの内面でスライドしやすく構成された、スライド端部132Bを有する。上記の段部31A、31Bとそれぞれ同じ段部131A、131Bは、帯130A、130Bの基部に設けられている。

上述の図面の変形例として、図4〜図6に示す変形例では、スリーブ118が折り曲げられた素材から形成される。二つの壁120A、120Bは、折り目134で互いに接続されている。図4に示すように、スリーブ118における袋口12Aから突出する高さは、スリーブ118の横方向端部の一方の近くで測定される最小高さh1とスリーブ118の横方向端部の他方の近くで測定される最大高さh2との間で、スリーブ118の幅方向に変化している。具体的には、最大高さh2は、第1長手方向端部帯130Aとスライド端部132Bとが位置する、スリーブ118の横方向端部近辺で測定される。

図4に示すように、パウチ10が平坦状態にあるとき、袋口12Aと反対側のスリーブ118の自由端118Bは略S字型となり、中央部Cが上昇する傾斜路状になる一方、S1、S2で表される二つの終末部は多少丸まっている。この形状は、女性用の尿瓶にパウチ10が用いられる際に特に採用される。パウチ10の使用時には、スリーブ118を変形させて通路を形成し、スリーブ118を、部分S2に対応する短い方の部分が外陰部の後部に位置するように、配置する。

図4〜図6の変形例において、スリーブ118は複数の展開タブを有する。より正確には、スリーブ118における可撓性袋12の内部に配置される部分118Aが、展開タブ140A、140Bを有する。展開タブ140A、140Bは、スリーブ118の二つの壁それぞれの延長として形成され、パウチ10の使用状態において互いに対して展開して可撓性袋12の対向する面を互いに離隔させる、横方向自由端140’A、140’Bをそれぞれ有する。この点は特許文献1に記載されており、図6から理解できる。

本発明に係るパウチ10は、その利点として、スリーブの複数の壁を、通路を形成する形状に保持する手段を有している。このために、例えば、図2に記載の切り欠き38と同種の切り欠きをスリーブに形成する。この切り欠きは、折り目に対して対称であり、スマイリーフェイスの口のような形状を有する。よって、切り欠きの上には、スリーブの内側又は外側に折りたたまれて、折り目にスリーブの平坦化に抗する切れ目を形成する、ホルダー舌部39が設けられている。

図7及び図8を参照して、スリーブの壁を通路形成形状に保持する手段を有する、別の実施形態のスリーブについて説明する。

図7及び図8の各部材には、図4〜図6の対応する部材の番号に100を足した番号を付けている。図7及び図8に示すスリーブ218は、スリーブ118と同様に、二つの壁220A、220Bと、長手方向帯230A、230Bと、スライド端部232Bと、横方向段部231A、231Bと、展開タブ240A、240Bとを有する。

しかし、スリーブ218は、第1壁220Aと第2壁220Bとにそれぞれ設けられたホルダー舌部250A、250Bを有する点で、スリーブ118と相違する。ホルダー舌部250A、250Bは、それぞれ、壁220A、220Bに設けられており、遮断スロット252A、252Bによって壁220A、220Bのそれぞれから離隔された可動ヘッド251A、251Bを有する。遮断スロット252A、252Bは略横方向に延在しており、ホルダー舌部250Aの可動ヘッド251Aが、第1長手方向帯230Aから離れる方向に延び、ホルダー舌部250Bの可動ヘッド251Bが、スライド端部232Bから離隔する方向に延びている。

特に、ホルダー舌部250Aの第1壁220Aに取り付けられた部分は、第1長手方向帯230Aに沿って略長手方向に延在している一方、ホルダー舌部250Bの第2壁220Bに取り付けられた部分は、第2長手方向帯230Bに沿って略長手方向に延在している。

図8に示すように、スリーブ218が通路形状を取る場合、スロット252A、252Bは互いに対して係合してもよい。上記のように、スリーブ218を通路形状にする際、スライド端部232Bは第1長手方向帯230Aの内面に対してスライドする。よって、全ての実施形態と同様に、第2壁220Bのスライド端部2332Bと隣り合う部分(即ち第2長手方向帯30B、130B、又は230B)は、スリーブ218が通路形状を取る場合、スリーブ218の第1壁220Aの内側に位置する。

スロット252A、252Bが互いに貫き合うため、ホルダー舌部250A及びホルダー舌部250Bは上記とは逆の構成となる。即ち、第1壁220Aのホルダー舌部250Aが、第2壁220Bのホルダー舌部250Bの内側に位置する。このように、各ホルダー舌部250A、250Bはもう一方のホルダー舌部のスロットによって保持される。これにより、上記複数のホルダー舌部250A、250Bが、図8で矢印Fが示す方向に互いから離れることが防止され、スリーブ218は通路形状を確実に維持する。

ホルダー舌部250A、250Bをこのように協働させることは、非常に容易である。スリーブ218を通路形状にした後、ホルダー舌部250A、250Bを二本の指で支えて、ホルダー舌部250Bがホルダー舌部250Aの後ろに回るまでこれらホルダー舌部250A、250Bを互いに対してスライドさせる。

図8に示すように、これらの重ねられたホルダー舌部250A、250Bは、パウチ10の使用時、特に尿瓶として用いられる場合の排尿の際に、スリーブ218を適切な位置で保持するためにユーザがつまむ握り面となる。

当然のことながら、ホルダー舌部250A、250Bは、切り欠き38と置き換えることで、図1〜図3の実施形態の変形例でも利用可能である。

いずれの変形例においても、本発明に係るパウチ10のスリーブは、平坦状態から通路形成形状(使用状態)に簡単に移行可能であるという特徴を有する。さらに、スライド端部が第1長手方向端部帯に対して自由にスライド可能なように、この部分ではスリーブが溶着されていないにもかかわらず、このスライドによる協働によって遮水性が付与される。スライド端部は、先ず、第1壁を長手方向に越えて第1壁の内面に接し、これによって接触部全体にわたって望まない漏出が防止される。次に、スライド端部の基部に設けられた段部31B又は131Bが、端部に沿って流れる液体を壁20Bの内面、即ちパウチ10の内部へと導く。図面では、袋口12Aの上端部と長手方向端部帯又はスライド端部の基部(即ち段部31A、31B又は131A、131Bの基部)との間の距離dは、ある程度誇張されて描かれている。特に、溶着線119Aは、実際には、これら基部に略届く程度に延びている。このように、液体がスライド端部32Bに達するとき、当該液体は事実上可撓性袋の中にある。

同様に、スリーブが通路形状を取るとき、スリーブの内側部(端部35A、35B又は135A、135B)の長手方向端部は互いに対して接触し、遮水効果が得られる。これらの端部は、便宜上図3及び図5では互いに対して離隔して描かれている。

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