パワーアシスト装置及び歩行補助車 |
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申请号 | JP2013113681 | 申请日 | 2013-05-30 | 公开(公告)号 | JP2014230681A | 公开(公告)日 | 2014-12-11 |
申请人 | 船井電機株式会社; Funai Electric Co Ltd; | 发明人 | KATAYAMA TAKAHIRO; | ||||
摘要 | 【課題】操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト行うパワーアシスト装置及びそれを用いた歩行補助車を提供する。【解決手段】制御手段80が、操作 力 検出手段70が検出した操作力の履歴に基づいて、操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分を検出し、操作力の周期的に変動する成分の 波形 と周 波数 から現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を算出し、現在の操作力から前記算出した現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を除いた補正値を算出し、補正値に基づいて算出したパワーアシスト力を動力として出力するように動力手段90を制御するパワーアシスト装置110。【選択図】図2 | ||||||
权利要求 | 操作力を検出する操作力検出手段と、 動力を出力する動力手段と、 前記動力手段を制御する制御手段とを備え、前記動力手段から出力される動力で操作者が被操作物を操作するときの操作力を補助するパワーアシスト装置であって、 前記制御手段は、前記操作力検出手段が検出した操作力の履歴に基づいて、前記操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分を検出し、前記操作力の周期的に変動する成分の波形と周波数から現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を算出し、現在の操作力から前記算出した現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を除いた補正値を算出し、前記補正値に基づいて算出したパワーアシスト力を動力として出力するように前記動力手段を制御することを特徴とするパワーアシスト装置。 前記制御手段は、前記操作者が操作を行っている間は、一定の時間が経過するごとに、前記操作力の周期的に変動する成分を検出する請求項1に記載のパワーアシスト装置。 前記制御手段は、前記操作力の周期的に変動する成分を検出するとき、前記操作者による操作の開始より所定時間経過するまでの操作力の履歴を利用しない請求項1又は請求項2に記載のパワーアシスト装置。 少なくとも前記被操作物の静止状態を検出する状態検出手段をさらに備え、 前記状態検出手段が、前記被操作物の静止状態が一定時間経過したことを検出すると、前記制御手段が検出済みの前記操作力の周期的に変動する成分を消去する請求項1から請求項3のいずれかに記載のパワーアシスト装置。 前記被操作物が前記操作者の歩行を補助する歩行補助車であり、 請求項1から請求項4のいずれかに記載のパワーアシスト装置を備え、 前記動力手段が前記歩行補助車の駆動輪にパワーアシスト力を付与することを特徴とする歩行補助車。 前記操作者の動作に起因する操作力の周期的に変動する成分が、前記操作者の歩行に起因して変動する成分である請求項5に記載の歩行補助車。 |
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说明书全文 | 本発明は、人力で駆動する車両の走行をアシストするパワーアシスト装置に関し、このパワーアシスト装置を備え操作者の歩行を補助する歩行補助車に関するものである。 台車、車いす、手押し車等の歩行補助車は、把持部を操作者が押すことで移動(走行)するようになっている。 近年、この手の歩行補助車において、内部に電動モータからの出力トルクで走行を補助するパワーアシスト機能を備えたものがある。 この手のパワーアシスト機能付きの歩行補助車は、前記歩行補助車に設けられた把持部に、操作者の手からの入力(操作力)を検出するセンサを備えている。 そして、前記センサで検出した操作者による操作力に基づいて決定されたパワーアシスト力を出力するように前記電動モータを制御する制御部を備えている。 例えば、特許文献1に記載のパワーアシスト走行装置では、センサで検出される入力値が最大値を取り、一定の変動値(第1の変動値)以上少なくなったとき、前記パワーアシスト走行装置が操作者と同じ速度で移動したと判断する。 そして、入力値の最大値に基づいて与えられた基準値に比例する出力値でパワーアシストを行う。 さらに、入力値と基準値との差の絶対値が別途決められている差分値(第2の変動値)となったとき、そのときの入力値を新たに基準値に置換して用いてパワーアシストを行っている。 このように、パワーアシストを行うことで、パワーアシスト走行装置を操作者の歩行速度に応じて滑らかに走行させることができる。
歩行補助車を押して移動するとき、操作者は一定速度で歩行し、一定の力で前記歩行補助車を押していると認識しているが、実際にセンサで検出される操作力は、足運びやバランスによって変動する(揺らぐ)ことが知られている。 また、これとは別に、わずかな勾配の変化や風等によって前記歩行補助車を移動させるための負荷が変動し、このような負荷の変動によっても操作力が変動する。 特許文献1に記載のパワーアシスト走行装置では、操作力の変動幅が予め決められた変動値以内である場合、一定のパワーアシスト力でアシストする構成である。 そのため、操作力の変動が操作者の歩行に起因するものではなく、上述のような負荷変動に伴うものであっても、変動幅が小さいと一定のパワーアシスト力でアシストするため、操作者の操作感覚とアシストとの間にずれが生じ、違和感の原因となる場合がある。 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト行うパワーアシスト装置及びそれを用いた歩行補助車を提供することである。 この発明の一の局面によるパワーアシスト装置は、操作力を検出する操作力検出手段と、動力を出力する動力手段と、前記動力手段を制御する制御手段とを備え、前記動力手段から出力される動力で操作者が被操作物を操作するときの操作力を補助するパワーアシスト装置であって、前記制御手段は、前記操作力検出手段が検出した操作力の履歴に基づいて、前記操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分を検出し、前記操作力の周期的に変動する成分の波形と周波数から現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を算出し、現在の操作力から前記算出した現在の操作力の操作者の動作に起因する成分を除いた補正値を算出し、前記補正値に基づいて算出したパワーアシスト力を動力として出力するように前記動力手段を制御することを特徴とする。 この発明の一局面によるパワーアシスト装置では、操作力検出手段で検出した操作力から、操作力の周期的に変動する成分を除いた補正値からパワーアシスト力を決定するため、前記パワーアシスト力は操作者の動作に起因する操作力を増幅するのを抑制している。 これにより、操作者の動作に起因する操作力の変動が増幅されにくく、操作者が違和感を覚えるのを抑制することができる。 この発明の一局面によるパワーアシスト装置では、前記制御手段が、前記操作者が操作を行っている間は、一定の時間が経過するごとに、前記操作力の周期的に変動する成分を検出する。 このように構成にすれば、操作者の動作に起因する変動の周期が変化しても、その変化に合わせた操作力の周期的に変動する成分を検出するため、操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト力を被操作物に付与することが可能である。 この発明の一局面によるパワーアシスト装置では、前記制御手段が、前記操作力の周期的に変動する成分を検出するとき、前記操作者による操作の開始より所定時間経過するまでの操作力の履歴を利用しない。 このように構成にすれば、ばらつきが大きくなりやすい、操作開始時の操作力の履歴を用いないので、操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分を正確に検出することができる。 これにより、操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト力を被操作物に付与することが可能である。 この発明の一局面によるパワーアシスト装置では、少なくとも前記被操作物の静止状態を検出する状態検出手段をさらに備え、前記状態検出手段が、前記被操作物の静止状態が一定時間経過したことを検出すると、前記制御手段が検出済みの前記操作力の周期的に変動する成分を消去する。 このように構成にすれば、被操作物が一定時間静止したことにより、操作者がパワーアシスト装置を使用していないと判断することができる。 そして、このとき、別の操作者が被操作物を操作するようになり、操作力の変動の周期が変わった場合でも、操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分を正確に検出することができる。 これにより、操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト力を被操作物に付与することが可能である。 この発明の一局面によるパワーアシスト装置は、前記動力手段が前記歩行補助車の駆動輪にパワーアシスト力を付与し、前記被操作物が前記操作者の歩行を補助する歩行補助車に適用できる。 操作者が違和感を覚えにくく、操作者の歩行補助車を押す力を低減させ、操作者の負担を低減することが可能である。 この発明の一局面に歩行補助車では、前記操作者の動作に起因する操作力の周期的に変動する成分が、前記操作者の歩行に起因して変動する成分としている。 操作者が違和感を覚えにくく、操作者の歩行補助車を押す力を低減させ、操作者の負担を低減することが可能である。 本発明によると操作者が違和感を覚えにくいパワーアシスト行うパワーアシスト装置及びそれを用いた歩行補助車を提供することができる。 以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。 図1は本発明にかかるパワーアシスト装置を用いた歩行補助車の一例を示す外観図であり、図2は本発明にかかるパワーアシスト装置の一例のブロック図である。 図1Aは歩行補助車の平面図を、図1Bは前面図(正面図)を、図1Cは左側面図を、図1Dは背面図を、図1Eは把持部の拡大図をそれぞれ模式的に描写している。 歩行補助車1は、操作者(主に足腰の衰えた高齢者)の歩行を補助すると共に、荷物運搬用のカゴや休憩用の椅子としても利用される手動推進車両(いわゆるシルバーカー)である。 図1及び図2に示すように歩行補助車1は、車体部10と、把持部20と、車輪部30と、天板部40と、背もたれ部50と、パワーアシスト装置110とを備えている。 そして、パワーアシスト装置110は、モーションセンサ部60(状態検出手段)と、操作力検出部70(操作力検出手段)と、制御部80(制御手段)と、動力部90(動力手段)と、電源部100と、を有する。 車体部10は、歩行補助車1のシャーシ(枠組み)であり、先に挙げた構成要素20〜100が取り付けられている。 また、車体部10の内側(天板部40の下方)には、荷物を保管する空間として荷物室11が設けられている。 なお、車体部10を形成するフレームの素材としては、ステンレス鋼やアルミニウム合金などを用いることができる。 把持部20は、操作者が歩行時に把持するための部材であり、支持部21を介して車体部10と連結されている。 操作者は、把持部20を両手または片手で握って人力を加えることにより、歩行補助車1を前進、後退、制動、及び、方向転換させることができる。 なお、把持部20には、滑り止めのグリップ22を設けることが望ましい。 また、把持部20又は支持部21には、高さ調節機構を設けてもよい。 車輪部30は、操作者の歩行に合わせて回転することにより、車体部10を地面に沿って移動させるための輪状部材である。 車輪部30は、人力及び(又は)動力部90からの駆動力によって車軸を中心として回転される駆動輪31と、方向転換用の従動輪32(自在輪)と、を含む。 天板部40は、車体部10に開閉可能に取り付けられ荷物室11を覆うための板状部材である。 また、天板部40は、歩行補助車1が停止している状態において、操作者が腰を下ろして着座することが可能な構成となっている。 背もたれ部50は、操作者が着座時に背を預けるための板状部材である。 なお、背もたれ部50は、支持部21に取り付けてもよいし、車体部10と一体的に設けてもよい。 モーションセンサ部60は、歩行補助車1の状態を検出するためのセンサであり、加速度センサ61とジャイロセンサ62とを含む。 加速度センサ61は、歩行補助車1の移動に伴う加速度を検出するためのセンサである。 加速度センサ61は、例えば、前後、左右、上下の直交する3軸の軸に沿った方向の加速度を検出することができるものを挙げることができる。 ジャイロセンサ62は、歩行補助車1の傾き(角速度)を検出するセンサである。 ジャイロセンサ62は、前後、左右、上下の3軸回りの角速度を検出するセンサを挙げることができる。 なお、本実施形態にかかるモーションセンサ部60は加速度センサ61とジャイロセンサ62を1チップにまとめた6軸モーションセンサを採用している。 また、歩行補助車1において、モーションセンサ部60は操作者に近い把持部20に設けられているが、これに限定されるものではなく、車体部10に設けられていてもよい。 操作力検出部70は、把持部20のグリップ22の内部に配置されている圧力センサ71を備えている。 圧力センサ71は、操作者が把持部20のグリップ22を操作した(主に、押した)とき、グリップ22に作用する歩行補助車1の移動方向の圧力を操作力として検出できるように取り付けられている。 なお、本実施形態にかかる歩行補助車1では、圧力センサ71を操作者が歩行補助車1に向かったとき、左側のグリップ22の内部に配置されているものとしているが、これに限定されるものではなく、右側のグリップ22の内部に配置されていてもよい。 また、左右両側のグリップ22に備えられていてもよい。 なお、圧力センサは従来よく知られているセンサであり詳細な説明は省略する。 また、本実施形態の歩行補助車1では、操作力検出部70に操作者の手からの操作入力を圧力として検出する圧力センサを備えているが、これに限定されるものではない。 例えば、操作力が入力されたときの支持部21のたわみ量を検出するようなセンサを、支持部21に取り付けていてもよい。 このようなセンサとしては、例えば、ひずみゲージ、圧力センサ等を利用することが可能である。 制御部80は、モーションセンサ部60、操作力検出部70、及び、動力部90、すなわち、パワーアシスト装置110を統括的に制御する論理回路(MPU、CPU等を含む回路)である。 制御部80は、各種情報を記録するための記録部81と、時間を取得するためのタイマー82とを備えている。 記録部81は情報を記録しておくためのものであり、読み出しのみのROMや、読み出し及び書き込みが可能なRAM等を備えているものを挙げることができる。 タイマー82は、時間を検出するための計時手段であり、従来よく知られたものである。 制御部80は、例えば、モーションセンサ部60と操作力検出部70からの入力信号に基づいて、動力部90の駆動制御(パワーアシスト)を行う機能を備えている。 また、制御部80は、モーションセンサ部60からの入力信号に基づいて、歩行補助車1の姿勢(水平、前上がり、前下がり等)、移動方向(前進、後退、左右転回等)及び移動速度等を検出している。 例えば、操作力検出部70で検出された操作力が0で、移動速度が0の場合、歩行補助車1は、静止していると判断する。 モーションセンサ部60からの入力信号により、制御部80は歩行補助車1の姿勢及び動作状態を認識することが可能となっている。 制御部80の動作の詳細については後述する。 動力部90は、制御部80からの指示に応じ、操作者の操作を補助するため、歩行補助車1(実際には、駆動輪31)に対して駆動力を出力する。 そのため、動力部90は、電動モータ92と、電動モータ92に供給する電力を制御するモータドライバ回路91とを備えている。 電源部100は、モーションセンサ部60、操作力検出部70、制御部80、及び、動力部90に電力供給を行う電源手段である。 なお、電源部100としては、車体部10に着脱可能な二次電池(リチウムイオン電池やニッケル水素電池など)を用いればよい。 また、歩行補助車1は、モーションセンサ部60、操作力検出部70、制御部80、動力部90及び電源部100を含むパワーアシスト装置110を備えている。 歩行補助車110では、パワーアシスト装置110からのパワーアシストを行うことで、操作者の歩行補助車1を操作する(押す)操作力を補助している。 以上示した歩行補助車1の動作について図面を参照して説明する。 まず、操作力検出部70による操作力の検出について説明する。 操作力検出部70は操作者による操作力を一定の期間ごとに(一定の周期で)検出する。 そして、操作力検出部70で検出された操作力の情報は、制御部80に信号として送信される。 制御部80は送信された信号から操作力の情報を抽出し、基準値で正規化して操作力レベルを得る。 また、タイマー82は操作力検出部70の操作力の検出の開始から操作力を検出したとき(現在)までの時間を取得している。 そして、制御部80はタイマー82から操作力検出部70が操作力を検出した時間を操作力検出部70が操作力を検出する周期で正規化した正規化時間を得る。 操作力レベルを正規化時間の順番に配列したものが図3に示すグラフである。 図3は操作者が歩行補助車を操作したときの操作力の変動を示す図である。 図3において、縦軸は操作力検出部70で検出された操作力を正規化した操作力レベルであり、横軸は操作力検出部70で操作力を検出した時点の時間を正規化した正規化時間である。 正規化時間は、上述しているとおり、操作力の検出開始から検出時までの時間を周期で正規化したものであり、操作力を検出した順番を示すものでもある。 図3のグラフを見ると、操作力レベルは、ある程度周期的に変動していることがわかる。 また、図3のグラフにおいて、正規化時間が60を超えたあたりから操作力レベルが全体的に大きくなっていることがわかる。 図3のグラフに示しているとおり、歩行補助車1に操作者から入力される操作力は、一定ではなく常に変動していることがわかる。 操作者から歩行補助車1への操作力の変動について説明する。 人間(操作者)が歩行する場合、一定速度で歩行していると認識している場合でも、短い時間で見ると歩行速度に周期的な変動を生じている、つまり、人間の歩行速度は或る歩行リズム(操作者の動作)の起因して変動している。 そして、操作者が歩行しつつ歩行補助車1を操作する場合、操作者が歩行補助車1を操作する(押す)ときの操作力にも、歩行リズムに起因する周期的に変動する成分が含まれる。 例えば、図3のグラフにおいて、操作力レベルは、操作力の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分に影響を受け、ある程度周期的な変動があることが認められる。 一方、操作者による歩行補助車1への操作力の変動は、歩行リズムに起因するもの以外にもある。 歩行補助車(及び操作者)が傾斜、段差、凹部等の通路の変化に到達した場合や外部の物品への接触した場合等、外的な要因で歩行補助車1の負荷が変化し、操作力が変動する場合もある。 例えば、図3のグラフにおいて、操作力の外的な要因による変動の成分は、正規化時間がおよそ60を超えた領域の操作力レベルが全体的に大きくなることで認められる。 例えば、操作者が歩行に伴って歩行補助車1を操作する(押す)とする。 操作力の歩行リズムに起因する変動は、歩行リズムと同期しているため、操作者は変動をあまり認識しない。 すなわち、操作力の変動が操作者の歩行リズムに起因するものだけである場合(例えば、平滑な平面状の通路を歩行している場合)、歩行補助車1に対して一定の操作力を付与していると認識する。 一方で、外的な要因によって歩行補助車1の負荷が変動し、操作力が変動すると、操作者は、歩行補助車1の操作力が変化している(操作に要する力が重く又は軽くなっている)ことを認識する。 そして、歩行補助車1にパワーアシストを行う場合、歩行リズムに起因する成分を含んでいる操作力に基づいてパワーアシスト力を決定すると、歩行リズムに起因する成分を増幅してしまい、操作者に違和感を覚えさせてしまう場合がある。 このような違和感を抑制するため、本発明のパワーアシスト装置110の制御部80は、操作力から操作者の歩行リズムに起因する成分を除いた補正値を算出し、その補正値に基づいてパワーアシスト力を算出している。 そこで本発明のパワーアシスト装置110の制御部80では、一定の期間の操作力レベルの履歴を記録部81に記録し(サンプリングし)、操作力レベルの履歴から「歩行リズムに起因した操作力レベルの周期的に変動する成分」を算出し記録部81に記録する。 制御部80は「歩行リズムに起因した操作力レベルの周期的に変動する成分」から、操作力検出部70で操作力を検出した時間に対応した「操作レベルの歩行リズムに起因する成分」を算出する。 そして、制御部80は操作力検出部70で検出した操作力に基づく操作力レベルから、「操作力レベルの歩行リズムに起因した成分」を減算することで補正値を算出する。 そして、制御部80は、補正値にパワーアシスト力の基準値を乗算することでパワーアシスト力を決定している。 ここで、「歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分」と「操作力レベルの歩行リズムに起因する成分」の違いについて説明する。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分とは、歩行によってある周期であらわれる操作レベルの変動を示す操作レベルの集合を表すものである。 操作レベルの歩行リズムに起因する成分は歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分の中の一つのデータを示している。 そこで、以下の説明では、判別を容易にするため、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分R(操作者の動作に起因した操作力の周期的に変動する成分)とする。 また、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分r(操作力の操作者の動作に起因する成分)として表示する。 次に、操作力検出部70で検出した操作力から、操作者の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分を取り除く方法について図面を参照して説明する。 図4は操作力の一定の期間にサンプリングした操作力レベルの履歴を示す図であり、図5は図4に示す操作力レベルの履歴を周波数領域に変換した結果を示す図であり、図6は図5のプロットより歩行リズムに起因する周波数成分を示すデータを抽出し、プロットした図である。 また、図7は歩行リズムに起因した操作力レベルの周期的に変動する成分を示す図である。 図4は歩行補助車1の操作力検出部70で操作力の検出開始から操作力を32回検出するまで(正規化時間0から31まで)の、操作力レベルと正規化時間との関係を示している。 図4に示すグラフは、制御部80の記録部81に記録されている操作力レベルのデータを、時系列で並べたデータである。 図4に示す操作力レベルの分布は、図3に示す操作力レベルのデータ(正規化時間0〜99)から正規化時間0〜31までのデータを抽出したものと同じものである。 操作力レベルの歩行リズムに起因する成分の基底周波数は、一方の足が地面を蹴り再度同じ足が地面を蹴るまでの期間に一致する。 この値は、不特定多数の使用者を前提とした場合であっても、それが人間の歩行リズムに起因する限り、一定の範囲内にある。 またその振幅も、一定の範囲内にある。 このことを利用し、パワーアシスト装置110において、制御部80は、図4に示す操作力レベルの時系列(離散化)データを周波数領域に変換する。 本実施形態において、この周波数領域への変換には、離散フーリエ変換を用いている。 また、離散フーリエ変換に限定されるものではなく、離散化データを周波数領域に変換することができる変換方法を用いることができる。 図4に示す操作力レベルの離散化データを周波数領域に変換すると図5に示すような分布になる。 図5において横軸は正規化した周波数であり、縦軸は振幅(正規化された振幅レベル)である。 そして、図5に示す周波数領域の周波数成分から、周波数および振幅がそれぞれ想定の範囲内に収まっている成分のうちもっとも振幅の大きいものを基底周波数として扱う。 本発明のパワーアシスト装置110において、この基底周波数の周期的に変動する成分と、基底周波数の整数倍であるすべての周期的に変動する成分との和を、歩行リズムに起因する周波数成分として扱う。 制御部80は、例えば、基底周波数の抽出を以下の方法で行っている。 制御部80は、まず、図5に示すデータにおいて、人間の歩行リズムに起因する周波数が正規化周波数の1から10の範囲にあると想定し、そのうちから振幅が最も大きいデータ(図5中丸C1で囲むデータ)を基底周波数として選択決定する。 さらに、周波数がC1の整数倍であるデータ(図5中丸C2で囲むデータ図5では6個)を更に選択決定する(図6参照)。 また、人間の歩行リズムに起因する周波数の範囲にある、振幅値が大きいデータを基底周波数として複数個抽出し、周波数が整数倍となるデータ群をそれぞれについて選択し、データ群同士で振幅の大きさを総合的に比較して、決定するようにしてもよい。 そして制御部80は、図6に示す7個のデータに基づいて、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分を決定する。 具体的には、次のとおりである。 制御部80は、図6に示す7個のデータに対し、操作力レベルのデータを周波数領域に変換したときと逆の変換(ここでは、逆離散フーリエ変換)を用いて、周波数領域から元の操作力レベルのデータに変換する。 これにより、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分を得ることができる。 この結果を図7に示す。 図7に示すデータは一定の周期(正規化時間0〜31)で変動を繰り返しており、これが、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを示している。 なお、図7に示す歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rは、32個の操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを備えており、周期的に変動するものである。 なお、図7では、正規化時間0〜99としているが、これは、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを繰り返すように連結して示したものである。 上述のとおり、図3に示す操作力レベルには、操作者の歩行リズムに起因する成分も含まれている。 そこで、図3に示す操作力レベルから図7に示す歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rのうち対応する歩行リズムに起因する成分rを減算することで、操作力レベルから歩行リズムに起因する成分を除くことができる。 その結果を、図8に示す。 図8は操作力検出部から取得した操作力レベルから歩行に起因する成分を取り除いたものを示した図である。 図8に示す操作力レベルのデータは、操作力検出部70で検出した操作力に基づく操作力レベルから、操作者の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分を取り除いたものとなっている。 換言すると、歩行補助車1を操作するとき、操作者は、歩行補助車1を図8に示すデータのように変動する操作力で操作している(押している)と認識している。 そして、本発明にかかるパワーアシスト装置110では、図8に示すような操作力レベルの変動に応じてパワーアシスト力を決定している。 これにより、パワーアシスト装置110からのパワーアシストは、歩行リズムに起因する成分が取り除かれているため、操作者の自身の歩行に合わせたパワーアシストを行うことができる。 これにより、パワーアシスト装置110のパワーアシストは、操作者の操作感覚と同期したパワーアシストを行うことができ、操作者が違和感を覚えるのを抑制することができる。 パワーアシスト装置110において制御部80は、操作者による操作が行われている状態で、操作力(操作力レベル)をサンプリングし、その操作力レベルの履歴から操作者の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分を算出している。 そして、制御部80は、記録部81にその操作力レベルの操作者の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分を記録させる。 そして、制御部80は操作力検出部70から送られた操作力を正規化した操作力レベルから、検出時に対応する操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを減算した補正値を計算している。 さらに、この補正値に基づいて(補正値に、パワーアシスト力の基準値を乗算して)パワーアシスト力を決めている。 そのため、操作力検出部70から送られた操作力に基づく操作力レベルに含まれる歩行リズムに起因する成分と、記録部81に記録されている操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rとが正確に一致しないと、違和感を増大してしまう恐れがある。 本発明のパワーアシスト装置110は、このような、違和感の増大を抑えるため、例えば、次のような方法で補正値を決定している。 なお、以下の補正値を算出する方法の説明において、操作力検出部70で検出した操作力に基づく操作力レベルPを単に操作力レベルPとする。 上述したように、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rは、図7に示すような、周期的に変化する。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rは正規化時間0〜31のときの、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rである。 つまり、32個の操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rが記録部81に正規化時間と関連付けられて記録されている。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rは、0から31の32個のデータを繰り返す周期的なものであり、正規化時間が0〜31のときの操作レベルの歩行に起因する成分rの集合である。 一方、操作力レベルPは、操作力検出部70で操作力を検出する限り継続して検出されるものである。 そこで、次の方法で、操作力検出部70が検出したとき(現在)の操作力レベルPに対応する操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを決定している。 操作力検出部70が検出した操作力に基づく操作力レベルPには、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを含んでいる。 そこで、制御部80は、操作力レベルPの検出時の正規化時間と操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rの正規化時間とを正確に同期させる必要がある。 そのため、制御部80は、操作力レベルPの正規化時間(現在の正規化時間)を歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの個数(ここでは32)で除し、除余を求める。 なお、除余は整数とし、0〜31になる。 そして、この除余の値を正規化時間とし、この正規化時間の操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを呼び出す。 制御部80は、操作力レベルPから操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを減算し補正値を算出する。 そしてこの補正値に、予め決められたパワーアシスト力の基準値を乗算したものを、パワーアシスト力とし、次の操作力レベルPの検出のタイミングまでこのパワーアシスト力でパワーアシストを行う。 このようにすることで、実際に検出される操作力レベルPから正確に対応した操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを取り除くことができる。 なお、上述は一例であり、これ以外の方法であってもよい。 例えば、タイマー82が操作力レベルPの検出時(現在)の正規化時間を0から始まり31でリセットするようなカウンタを備えた構成としても操作力レベルPに正確に対応する操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを選択することができる。 次に、本発明にかかるパワーアシスト装置のパワーアシスト力の決定の手順について図面を参照して説明する。 図9は本発明にかかるパワーアシスト装置を備えた歩行補助車の動作を示すフローチャートである。 本発明のパワーアシスト装置110において、操作力検出部70は圧力センサ71に作用する操作者の手からの圧力を操作力として検出し、その操作力を制御部80に送信する。 制御部80は受信した操作力を基準値で正規化した操作力レベルを算出する。 また、制御部80はタイマー82から操作力検出部70が操作力を検出した時間(操作力検出部70が操作力の検出を開始したときから検出したときまでの時間)を取得し、操作力の検出周期で正規化し正規化時間とする。 以下の説明では、この操作力レベル及び対応する正規化時間を算出する動作を、単に、操作力レベルを取得すると称する。 なお、この操作力レベルと正規化時間とをグラフ化したものが、図3に示すグラフになる。 なお、操作力検出部70の操作力の検出周期は1msとしている。 制御部80は、一定期間における、操作力検出70の圧力センサ71で検出される操作力に基づく操作力レベルの履歴を記録(サンプリング)する。 そしてサンプリングした操作力レベルの履歴から歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分を検出する。 そして、その後、操作力検出部70が検出した操作力に基づいた操作力レベルに対応する、操作力レベルの歩行リズムに起因する成分を取り除いた補正値を算出する、さらに補正値に基づいてパワーアシスト力を算出する。 このとき、このような制御を行うため、以下の説明では、正規化時間として引数iを用いている。 歩行補助車1の操作が開始されると、引数iの初期化を行う(ステップS11)。 なお、パワーアシスト装置110において、正規化時間は「0」から始まるものとしているため、ステップS11では引数iを「0」にすることでリセットを行う。 制御部80は、一定期間でサンプリングしたN個の操作力レベルの履歴から歩行リズムに起因する操作力の周期的に変動する成分Rを検出する。 そのため、引数iがN−1になるまで、操作力検出部70からの操作力から操作力レベルを取得する。 そのため、制御部80では、引数iが最大値N以上かどうか判断する(ステップS12)。 なお、本実施形態では、一定期間として、操作力の検出を32回(図4等参照)検出するまでとしており、最大値Nは32である。 引数iが最大値N未満の場合(ステップS12でNoの場合)、制御部80は1ms待ち(ステップS13)、操作力検出部70からの操作力から操作力レベルを取得する(ステップS14)。 そして、制御部80は、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出済みかどうか判断する(ステップS15)。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rがまだ検出されていない場合(ステップS15でNoの場合)、制御部80は取得した操作力レベルの検出値を基にパワーアシスト力を決定する(ステップS16)。 また、制御部80は、ステップS14で取得した操作力レベルを取得時の正規化時間とともに記録部81に履歴として記録(サンプリング)し(ステップS17)、引数iに1を追加する(ステップS18)。 その後、制御部80はステップS12に戻り、動作を繰り返す。 なお、図示を省略しているが、制御部80は、ステップS16でパワーアシスト力を決定すると同時に、そのパワーアシスト力を出力するようにモータドライバ回路91に指示を送り、電動モータ92を駆動させ、駆動輪61にアシスト力を付与する。 また、すでに歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出済みの場合(ステップS15でYesの場合)、操作部80は操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを呼び出す。 このとき制御部80は、記録部81に記録されている歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rから対応する操作レベルの歩行リズムに起因する成分rを選択し呼び出す。 そして、制御部80はステップS14で取得した操作力レベルから、呼出した操作レベルの歩行リズムに起因する成分rを減算し、補正値を計算し、補正値に基づいてパワーアシスト力を決定する(ステップS19)。 ここでも上述と同様、決定したパワーアシスト力で電動モータ92を動作させる。 なお、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rは、周期的に繰り返される値となっている。 引数iが最大値N未満の場合、制御部80は歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rから引数iに対応した操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを選択することで正確な値を得ることができる。 また、引数iが最大値N以上の場合(ステップS12でYesの場合)、制御部80は歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出済みかどうか判断する(ステップS110)。 歩行リズムに起因する歩行リズムに起因する周期的に変動する成分Rを検出済みである場合(ステップS110でYesの場合)、ステップS13に進み、その後、上述の制御を行う。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rをまだ検出していない場合(ステップS110でNoの場合)、制御部80は記録部81に記録している操作力レベルのN個の履歴を周波数領域に変換する(ステップS111)。 そして、制御部80は歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出する(ステップS112)。 なお、ステップS112歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出は、上述した方法で行う。 歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出した後、操作力レベルの履歴(サンプリングデータ)は以後不要であるのですべて消去する(ステップS113)。 その後、ステップS12に戻り、パワーアシスト力の決定を継続する。 本発明のパワーアシスト装置110は、現在の操作力レベルから、現在の操作力レベルに対応する操作力レベルの歩行リズムに起因する成分rを減じた補正値にパワーアシスト力の基準値を乗じたものをパワーアシスト力としているが、これに限定されない。 例えば、記録部82に補正値とパワーアシスト力とを関係付けたテーブルを用意しておき、このテーブルからパワーアシスト力を決定するようにしてもよい。 本実施形態において、パワーアシスト装置110は、記録部81に記録している履歴が少ないうちは、操作力の歩行リズムに起因する周期的に変動する成分を検出できない。 そのため、操作力検出部70で検出された操作力を正規化した操作力レベルにパワーアシスト力の基準値を乗算したものを、パワーアシスト力としている。 しかし、これに限定されるものではなく、予め備えられている又は前回の操作で検出された歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを備えている場合、これを用いて補正値を算出するようにしてもよい。 また、本実施形態では、正規化時間を示す引数iが、継続して増加するが、操作力レベルの歩行リズムに起因する周期的に変動する成分の個数に合わせて、すなわち、32でリセットするような構成としてもよい。 この場合、ステップS110からステップS13の間にステップS11と同様にリセットを行うようにしてもよい。 (第2実施形態) 図10に示すフローチャートは図9のフローチャートからステップS110を省き、ステップS19の後にステップS17に進むようになっており、ステップS112とステップS113の間にステップS114を設けた構成となっている。 ステップS114はステップS11と同じ、正規化時間を示す引数iの値をリセットするステップであり、詳細は省略する。 第1実施形態で示したパワーアシスト装置110では、操作者の歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出が1回だけ行われる構成であった。 この方法では、歩行補助車1を操作する間、操作者の歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを1回検出するだけであるので制御が簡単である。 一方で、疲労、よそ見、同行者との会話等で、歩行リズムが変わる場合があり、この場合、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出が1回だけでは、パワーアシスト力を操作者の歩行リズムに正確に同期させることが困難となる。 そこで、本実施形態に示すパワーアシスト力の決定方法では、一定の期間ごとに、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出を行うようになっている。 本実施形態に示すパワーアシスト力の決定方法では、記録部81に歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rが歩かないかにかかわらず、パワーアシスト力を決定した(ステップS16、ステップS19)後、操作力レベルの履歴の記録を行う。 また、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出した後で、引数iをリセットしている(ステップS114)。 すなわち、本実施形態に示すパワーアシスト力の決定方法では、パワーアシスト力を決定する間にも操作力レベルの履歴を取得(サンプリング)を行い、操作力レベルの履歴から歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出するごとに、引数iをリセットしている。 このようにすることで、操作者の歩行リズムが変化した場合でも、対応した歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出することで、違和感の少ないパワーアシストを行うパワーアシスト装置110を提供することができる。 なお、本実施形態では、連続して歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出する構成としているが、これに限定されるものではない。 例えば、一定の期間経過した後、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出するようにしてもよい。 具体的には、ステップS13からステップS16又はステップS19までを一定回数繰り返すようなループを形成しておき、所定時間経過後にそのループを抜け出すような制御を行うようにすればよい。 これ以外の特徴については、第1実施形態と同じである。 (第3実施形態) 図11に示すフローチャートは図10のフローチャートのステップS16又はステップS19とステップS17の間に、移動開始から一定の時間が経過したかどうか判定するステップS115を備えている。 歩行補助車1を押す場合、移動開始直後は、安定して移動するときに比べて大きな操作力が必要になる。 つまり、操作者が歩行補助車1を操作する場合、歩行補助車1の移動開始の直後に操作力が大きく変動する。 この期間に歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出すると、歩行補助車1の移動開始に必要な操作力が付与されているため、正確な値が得られない場合が多い。 そこでパワーアシスト装置110では、歩行補助車1の移動開始から一定時間経過するまで、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出を回避している。 本実施形態にかかるパワーアシスト装置110では、パワーアシスト力の決定を行った(ステップS16、ステップS19)後、歩行補助車1の移動開始からM秒間経過したかどうか判断する(ステップS115)。 移動開始からM秒経過している場合(ステップS115でNoの場合)、検出力レベルの履歴としての記録(ステップS17)及び引数iの変更(ステップS18)を行う。 逆に、移動開始からM秒経過していない場合(ステップS115でYesの場合)、検出力レベルの履歴としての記録(ステップS17)及び引数iの変更(ステップS18)を行わず、ステップS12に移動する。 このように、歩行補助車1の移動直後に歩行リズムに起因する操作力レベルの履歴の記録を回避することで、正確な歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを検出することができる。 なお、移動開始からのM秒は、任意に設定できるものであってもよいし、予め決められた値を用いるものであってもよい。 なお、歩行補助車1において、移動開始の検出方法として、駆動輪31の回転の検出、操作力の入力の検出、モーションセンサ部60による移動の検出のいずれか1つ又は2つ以上を検出したときとすることができるが、これに限定されない。 操作者が歩行補助車1を操作する(押す)場合において、歩行補助車1の速度が急激に変動する部分で操作力の変動が大きくなり、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rが正確に検出するのが難しい。 本実施形態では、この速度の急激な変動が歩行補助車1の移動開始後に起こることが予めわかっているため、この期間の歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの検出を回避している。 しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、モーションセンサ60、駆動輪31等を用いて、歩行補助車1が平坦な通路を速度が一定の範囲内で変動したときを検出し、その時の履歴を歩行補助車1の移動直後に歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rに用いるようにしてもよい。 これ以外の特徴については、第1実施形態〜第2実施形態と同じである。 (第4実施形態) 図12に示すフローチャートは図10のフローチャートのステップS16又はステップS19とステップS17の間に、歩行補助車1が一定時間静止したかどうかを判断するステップS116を備えている。 そして、引数iのリセット(ステップS117)と、操作力レベルの履歴の削除(ステップS118)及び歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rの消去(ステップS119)も備えている。 歩行補助車1が一定時間静止すると、操作者が歩行補助車1から離れていると推測される。 そして、その後、移動を開始したとき、現在の操作者が静止前の操作者と異なる場合がある。 そして、歩行リズムは、歩行者ごとに異なる場合がほとんどであり、パワーアシスト力の決定を他の操作者の操作力に基づいて検出した歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを利用すると、操作者が違和感を覚える場合がある。 そのため、パワーアシスト装置110では、静止時間が一定の時間を超えると、制御部80は操作者が入れ替わる可能性があると判断し、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rをやり直す。 本実施形態にかかるパワーアシスト装置110では、パワーアシスト力の決定を行った(ステップS16、ステップS19)後、歩行補助車1が静止状態でS秒間経過したかどうか判断する(ステップS116)。 静止状態でS秒経過していない場合(ステップS116でNoの場合)、制御部80は信号待ち等の一端停止と認識し、検出力レベルの履歴としての記録(ステップS17)及び引数iの変更(ステップS18)を行う。 静止状態でS秒経過した場合(ステップS116でYesの場合)、制御部80は操作者が歩行補助車1から離れていると判断する。 そして、操作者が変更されている場合があるので、新たに操作力レベルの記録を開始する。 すなわち、静止状態でS秒経過した場合(ステップS116でYesの場合)、制御部80は引数iをリセットし(ステップS117)、操作レベルの履歴を消去し(ステップS118)、歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを消去する。 その後、ステップS12に移動し、パワーアシスト力の決定を繰り返す。 このように、歩行補助車1の静止状態の継続時間によって操作力レベルの履歴の記録を行うかどうか判断することで、長期間静止しているときの操作力レベルの記録を停止することができる。 また、長期間静止した後、操作者が変わった場合でも、操作レベルの記録を改めてやり直すので、操作者に適応した歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを正確に検出することができる。 なお、静止状態での経過時間S秒は、任意に設定できるものであってもよいし、予め決められた値を用いるものであってもよい。 なお、歩行補助車1において、静止状態の検出方法として、駆動輪31の回転の検出、操作力の入力の検出、モーションセンサ部60による移動の検出のいずれか1つ又は2つ以上を検出したときとすることができるが、これに限定されない。 上述した各実施形態において、操作力検出部70は操作者が歩行補助車1の把持部20のグリップ22を押すものとし、圧力センサ71を配置しているが、グリップ22を引っ張る場合にも対応できるように圧力センサ71を配置してもよい。 なお、押し側の操作力と引張側の操作力を検出可能となるように圧力センサ71を配置している場合、下り坂等で操作者が歩行補助車1を引っ張るように作用させる操作力も検出可能である。 そして、このような操作力を検出することで、パワーアシスト装置110は下り坂で歩行補助車1が下方に加速するのを抑制するようにパワーアシスト力を付与することができる。 これ以外の特徴については、第1実施形態〜第3実施形態と同じである。 (第5実施形態) 図13に示すように、パワーアシスト装置120は、操作力検出部70が左側圧力センサ711及び右側圧力センサ712を備えている。 また、動力部90が左側電動モータ921及び右側電動モータ922を備えている。 そして、左側電動モータ921が左側駆動輪311を、右側電動モータ922が右側駆動輪312を駆動するようになっている。 これ以外の部分は、図2に示すパワーアシスト装置110と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。 図14に示すように、操作力検出部70は、把持部20の左側グリップ22Lの内部に左側圧力センサ711が設けられており、右側圧力センサ712が右側グリップ22Rの内部に設けられている。 そして、左側圧力センサ711と右側圧力センサ712はそれぞれ独立して、圧力(操作力)を検出できるようになっている。 操作者が把持部20の左側グリップ22L及び右側グリップ22Rの両方を掴んで歩行補助車1を操作する場合、両圧力センサ711、712でそれぞれ操作力を検出する。 そして、操作部80は左側圧力センサ711で検出した操作力から歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを算出し、左側電動モータ921の駆動制御(パワーアシスト制御)を行う。 また、操作部80は右側圧力センサ712で検出した操作力から歩行リズムに起因する操作力レベルの周期的に変動する成分Rを算出し、右側電動モータ922の駆動制御(パワーアシスト制御)を行う。 そのため、パワーアシスト装置120は左側駆動輪311と右側駆動輪312に独立してパワーアシスト力を付与することができるようになっている。 このように、操作者の右手からの操作力に基づくパワーアシストと左手からの操作力に基づくパワーアシストを独立して行う構成とすることで、操作者に歩行リズムの変動の左右差による違和感の発生を抑えたパワーアシストを行うことが可能である。 これ以外の特徴については、第1実施形態〜第4実施形態と同じである。 以上示したように本発明にかかるパワーアシスト装置を利用した被操作物として、操作者が手押しする歩行補助車を上げているがこれに限定されるものではない。 荷車、電動アシスト自転車等のような、周期的に変動する操作力で操作者が操作を行う被操作物に本発明にかかるパワーアシスト装置を利用することが可能である。 また、出力するパワーアシスト力として電動モータによる回転力を挙げているが、これに限定されるものではなく、例えば、リニアモータのような線形に移動するパワーアシスト力を出力するようにしてもよい。 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。 また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。 1 歩行補助車(被操作物) |