患者支持体

申请号 JP2015530158 申请日 2013-09-05 公开(公告)号 JP2015526261A 公开(公告)日 2015-09-10
申请人 ストライカー コーポレイションStryker Corporation; ストライカー コーポレイションStryker Corporation; 发明人 ラフレッシュ、パトリック; ケイト、クリストファー; ツァイリンガー、トッド; ピルヒナー、ケント; ピーターズ、スティーヴン・エフ; ブルーベイカー、マイク・ティー; セシュドゥリナータン、マニカンタン; ダンラップ、デーヴィッド・アレン; ロス、ライアン; マーテル、ブノワ;
摘要 患者を支持するための患者支持体は、複数のクッション層を含み、複数のクッション層は、荷重がかけられていないときの複数のクッション層の支持面が1つの平面内に概ね配置されるように、且つ、各クッション層が隣り合うクッション層それぞれと組み合った状態であるように、配置され、各クッション層は、各クッション層の隣り合うクッション層のそれぞれに側方及び長手方向の支持を与える。
权利要求

患者支持体において、 複数のクッション層を備え、前記複数のクッション層は、荷重がかけられていないときの前記複数のクッション層の支持面が1つの平面内に概ね配置されるように、且つ、前記クッション層それぞれが隣り合う前記クッション層それぞれと組み合った状態で、配置され、前記クッション層それぞれは、前記クッション層それぞれの隣り合う前記クッション層のそれぞれに側方及び長手方向の支持を与える、支持体。前記複数のクッション層が空気袋層を含む請求項1に記載の支持体。前記クッション層がゲル層を含む請求項1に記載の支持体。前記クッション層の少なくとも1つが、前記少なくとも1つのクッション層を通る空気流を指向するように空気に前記少なくとも1つのクッション層を通過させることを可能にする横断開口部を含む請求項1に記載の支持体。複数の膨張可能な空気袋と前記膨張可能な空気袋に隣り合うゲル層とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の支持体。前記ゲル層が、前記膨張可能な空気袋のうちの隣り合う前記空気袋と組み合っている請求項5に記載の支持体。前記空気袋のそれぞれが、六形状断面を有する請求項5に記載の支持体。前記ゲル層が、複数の六角形状ゲルフーチングを含む請求項7に記載の支持体。前記ゲルフーチングのそれぞれが、前記ゲルフーチングのそれぞれの隣り合う前記ゲルフーチングから切り離されている請求項8に記載の支持体。前記ゲルフーチングのそれぞれが、複数の六角形状ゲル壁構造体によって内部補強される請求項8または9に記載の支持体。前記クッション層が発泡体寝台体上で支持される請求項1に記載の支持体。前記発泡体寝台体の下に配置される体位変換空気袋をさらに備える請求項11に記載の支持体。前記発泡体寝台体が、前記患者支持体上で支持される患者の体位変換を可能にするようにヒンジ式の少なくとも2つのパネルを含む請求項12に記載の支持体。前記発泡体寝台体は、前記発泡体寝台体を通り且つ前記クッション層の少なくとも1つの中に空気を指向するように、前記発泡体寝台体を通って延在する複数のチャネルを含む請求項11に記載の支持体。前記少なくとも1つのクッション層が、膨張可能な空気袋の層を含む請求項1に記載の支持体。患者支持体において、 クッション層と、 前記クッション層の下の左側体位変換空気袋及び右側体位変換空気袋と、 カバーと を備え、 前記カバーは、前記クッション層の上側に被さるように延在する可撓性のある布地の上部パネルと、前記上部パネルにつながれる2つの側部パネルとを含み、前記側部パネルのそれぞれが、前記クッション層の側部に沿って延在し且つ前記クッション層の底部側で固定され、前記側部パネルは、例えば前記体位変換空気袋の一方によって体位変換がなされる場合である前記クッション層が前記クッション層の表面トポロジーに変化を受ける場合でも、前記上部パネルに概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるように、前記クッション層の高さの変動に適応するよう縮む又は拡がるように構成される、患者支持体。前記クッション層が、クッションシステムを含み、前記クッションシステムが空気袋層を含む請求項16に記載の患者支持体。前記側部パネルが、前記クッション層の前記底部側の下で延在する底部パネルによって、前記クッション層の前記底部側で固定される請求項16に記載の患者支持体。患者支持体において、 クッション層と、 前記クッション層に被さるように延在する上部と前記上部につながれる2つの側部とを有するカバーと を備え、 前記2つの側部は、前記クッション層の側部に沿って延在し且つ前記クッション層の底部側で固定され、前記2つの側部は、前記クッション層が前記クッション層の表面トポロジーに変化を受ける場合でも、前記上部に概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるように、前記クッション層の高さの変動に適応するよう縮む又は拡がるように構成される、患者支持体。前記カバーは、上部パネルから形成され、前記上部パネルが、前記上部を形成し、前記2つの側部が、前記上部パネルにつながれる側部パネルによって形成される請求項19に記載の患者支持体。前記カバーは、前記側部パネルにつながれる底部パネルをさらに含む請求項20に記載の患者支持体。前記側部又は前記側部パネルが、液体不透過性の布地から形成される請求項19〜21のいずれか一項に記載の患者支持体。前記上部パネルが、液体不透過性材料から形成される請求項19〜22のいずれか一項に記載の患者支持体。患者支持体において、 マットレスと、 カバーと を備え、 前記カバーは、前記マットレスの頂部側に被さるように延在する可撓性のある布地の上部パネルと、前記マットレスの底部側の下で延在する下部パネルと、前記上部パネル及び前記下部パネルにつながれる端部パネル及び側部パネルとを含み、前記側部パネルがそれぞれ、前記マットレスの側部それぞれに沿って延在し且つ上縁部及び下縁部を有し、前記上縁部が前記上部パネルにつながれ、前記下縁部が前記下部パネルにつながれ、前記側部パネルが、前記マットレス内への液体の浸入を防ぐように構成され、さらに前記側部パネルは、前記上縁部と前記下縁部とが、前記マットレスが前記マットレスの表面トポロジーに変化を受ける場合でも前記上部パネルに概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるよう、前記マットレスの高さの変動に適応するよう別々に分かれている及び/又は分かれて離れるように、構成される、患者支持体。前記カバーがジッパーを含む請求項24に記載の患者支持体。前記側部パネルのそれぞれが、上側側部パネル部分及び下側側部パネル部分を含み、前記上側側部パネル部分が前記上部パネルにつながれ、前記下側パネル部分が前記下部パネルにつながれ、前記ジッパーが、前記上側側部パネル部分と前記下側側部パネル部分とを接合する請求項25に記載の患者支持体。前記上側側部パネル部分がそれぞれ、前記ジッパーが閉じられているときに前記ジッパーに被さるように延在する布地のフラップを含む請求項26に記載の患者支持体。前記フラップそれぞれが、布地のループによって形成される請求項27に記載の患者支持体。前記上側側部パネル部分がそれぞれ、折り重ね部を含み、前記折り重ね部は、例えば患者を体位変換するように前記マットレスが上昇される場合である前記折り重ね部が隣り合う前記マットレスの側部の高さが増す場合、非拡張形態から拡張形態に少なくとも部分的に折り重ねを広げる請求項26に記載の患者支持体。前記折り重ね部それぞれが、非拡張形態に付勢され、それにより、前記マットレスが高さを増す場合、前記折り重ね部のうちの1つの少なくとも一部が、少なくとも部分的に折り重ねを広げるが、前記マットレスが高さを減少する場合、前記折り重ね部のうちの1つが、非拡張形態に概ね戻る請求項29に記載の患者支持体。前記折り重ね部それぞれは、1つ以上の弾性的ストランドによって非拡張形態に付勢され得る請求項30に記載の患者支持体。1つ又は複数の前記ストランドが、前記上部パネルと前記下部パネルとの間に延在する請求項31に記載の患者支持体。前記マットレスが、複数の膨張可能な空気袋を含む請求項24〜32のいずれか一項に記載の患者支持体。前記膨張可能な空気袋が、発泡体寝台体上で支持される請求項33に記載の患者支持体。前記空気袋の下で前記カバー内に配置される体位変換空気袋をさらに含む請求項33または34に記載の患者支持体。患者支持体において、 頭端部及び足端部を有し且つ複数の膨張可能な空気袋を含むマットレスと、 前記マットレスの前記頭端部に被さるように頭部クッションを形成するクッション層であって、前記空気袋の頂部に機械的に結び合わされ且つ前記患者支持体上に横たわっている患者の頭部のための揺籠状受け部を形成するクッション層と を備える患者支持体。前記マットレスが、発泡体揺籠状受け部をさらに含み、前記揺籠状受け部が、前記クッション層に機械的に結び合わされる請求項36に記載の患者支持体。前記マットレスが、前記患者支持体の前記足端部にゲル層をさらに含む請求項36に記載の患者支持体。前記マットレスが、左側体位変換空気袋及び右側体位変換空気袋をさらに含み、前記クッション層が、体位変換しつつ患者の頭部を支持するための高くなった右側部分及び高くなった左側部分を有する請求項36に記載の患者支持体。前記クッション層が、少なくとも1つのストラップによって前記空気袋の層に固定される請求項36に記載の患者支持体。前記クッション層が、下面と、前記下面にある少なくとも1つの凹部とを含み、前記空気袋の層が、複数の空気袋を有し、前記空気袋のそれぞれが、成形された上面を有し、前記凹部が、少なくとも1つの前記空気袋の前記成形された上面に概ねならうような形状とされ、前記下面の少なくとも一部が、前記空気袋のうちの2つの間に延在し、それにより、少なくとも1つの方向で前記クッション層を前記空気袋に機械的に結び合わす請求項36に記載の患者支持体。前記クッション層が、複数の前記凹部を含む請求項41に記載の患者支持体。患者支持体において、 複数の空気袋を有する空気袋層と、 前記空気袋層によって支持及び案内される複数の管を有する空気圧系統と を備える患者支持体。前記管が供給管を含む請求項43に記載の患者支持体。前記管が検知管を含む請求項43に記載の患者支持体。前記管が、検知管及び供給管を含む請求項45に記載の患者支持体。支持部がチャネルを含む請求項43に記載の患者支持体。支持部が、前記空気袋層の底面で又は前記底面に取り付けられるシート材のパッチから形成される請求項43に記載の患者支持体。前記パッチが、前記空気袋層の前記底面に取り付けられる請求項48に記載の患者支持体。前記空気袋層が、少なくとも2つの区分ゾーンを含み、前記区分ゾーンそれぞれが、別々に膨張可能であるように構成される請求項43に記載の患者支持体。前記空気袋層が、前記管を付けるためのハーネス部を含む請求項43に記載の患者支持体。前記ハーネス部がフランジ部を構成する請求項51に記載の患者支持体。前記空気袋が、上部シート及び下部シートを備え、前記ハーネス部が、前記上部シート及び/又は前記下部シートの一部を構成する請求項52に記載の患者支持体。前記空気袋層が、前記空気袋の配列及び複数の横断開口部を含み、前記複数の横断開口部は、前記空気袋層を通る空気流を指向するように空気に前記空気袋層を通過させることを可能にする請求項43に記載の患者支持体。前記空気袋のそれぞれが、六角形状断面を有する請求項43に記載の患者支持体。患者支持体において、 第1のセクション及び第2のセクションを有する発泡体寝台体と、 前記発泡体寝台体上で支持され且つ前記発泡体寝台体に接合されるゲル層と を備え、 前記ゲル空気袋層が、前記2つのセクションのためのヒンジを形成する、支持体。前記発泡体寝台体が、第3のセクションを含み、前記第3のセクションが空気袋層を支持する請求項56に記載の支持体。前記第3のセクションが、例えばベルクロ(登録商標)ストリップによって、前記第2のセクションに取り外し可能に連結される請求項57に記載の支持体。前記第3のセクションが、継手部で前記第2のセクションに取り外し可能に連結され、前記継手部が、ライン管理チャネルを形成する請求項57に記載の支持体。

说明书全文

本発明は、概して、患者支持体に関し、より具体的には、病院ベッド用の患者マットレスに関する。

本発明は、1つ以上のクッション層を備える患者を支持するためのマットレスを提供し、1つ以上のクッション層は、マットレス上で支持される患者に対して沈み込み及び圧分散をもたらす。 本発明の一形態では、患者支持体は、複数のクッション層を備え、複数のクッション層は、荷重がかけられていないときの複数のクッション層の支持面が1つの平面内に概ね配置されるように、配置される。各クッション層は、隣り合うクッション層それぞれと組み合っており、各クッション層は、その隣り合うクッション層のそれぞれに側方及び長手方向の支持を与える。

一態様では、クッション層は、空気袋層を含む。

別の態様では、クッション層は、ゲル層を含む。

さらに別の態様によると、クッション層の少なくとも1つは、少なくとも1つのクッション層を通る空気流を指向するように空気に少なくとも1つのクッション層を通過させることを可能にする横断開口部を含む。

上述の支持体のいずれにおいても、患者支持体は、複数の膨張可能な空気袋と、膨張可能な空気袋に隣り合うゲル層とを含むことができる。例えば、ゲル層は、膨張可能な空気袋のうちの隣り合う空気袋と組み合っているものとすることができる。

別の態様では、空気袋のそれぞれは、六形状断面を有する。加えて又はその代わりに、ゲル層は、複数の六角形状ゲルフーチングを含むことができる。例えば、ゲルフーチングのそれぞれは、その隣り合うゲルフーチングから切り離されているようにすることができる。任意に選択されることであるが、ゲルフーチングのそれぞれは、複数の六角形状ゲル壁構造体によって内部補強されることができる。

さらに別の態様によると、クッション層は、発泡体寝台体上で支持される。

加えて、支持体は、任意に選択されることであるが、発泡体寝台体の下に配置される体位変換空気袋を含み、このとき、発泡体寝台体は、患者支持体上で支持される患者の体位変換を可能にするようにヒンジ式の少なくとも2つのパネルを含む。

別の態様では、支持体は、カバーを含み、且つ、カバーの下に溜まって増え得る湿気を管理するためにカバーの下で支持体を通って空気を流すように構成され、カバーは、液体の侵入は防ぐが気体及び湿気がカバーを通過して流れるのを可能にする材料から、形成される。

例えば、発泡体寝台体は、発泡体寝台体を通り且つクッション層の少なくとも1つの中に空気を指向するように、発泡体寝台体を通って延在する複数のチャネルを含むことができる。加えて、発泡体寝台体は、チャネルを通るよう空気を指向するように1つ以上の送風装置を支持又は収容することができる。

別の態様では、支持体のカバーは、送風ユニットによってカバーの中へ空気が引き込まれるのを許容するメッシュパネルを含む。

よって、本発明は、患者に対して圧力分散と任意に選択されるものであるが向上した湿度管理とをもたらす支持表面を提供する。

一態様によると、本発明は、病院ベッドのようなベッド上で患者を支持するためのマットレス等の患者支持体用のカバーを提供する。このカバーは、例えば患者を体位変換するときにおけるマットレスの様々な部分の動き又はマットレスの厚さの変化に適応しつつもなお、マットレスに被さって延在する概ね滑らかな上面をもたらすように適合する。任意に選択されることであるが、カバーは、高くなった枕を有するマットレス及び/又は高くなった頭端部を有するマットレスを含んで、マットレスの表面トポロジーにならうように構成されることができる。

一形態では、患者支持体は、クッション層と、カバーとを含み、カバーは、クッション層の上部に被さるように延在する可撓性のある布地の上部パネルと、上部パネルにつながれる2つの側部パネルとを有する。これら側部パネルは、クッション層の側部に沿って延在し、且つクッション層の底部側で固定される。側部パネルは、クッション層がクッション層の表面トポロジーに変化を受ける場合でも、上部パネルに概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるように、クッション層の高さの変動に適応するよう縮む又は拡がるよう構成される。

一態様では、クッション層は、クッションシステムを備える。例えば、クッションシステムは、複数の空気袋を含むことができる。

さらなる態様では、側部パネルは、クッション層の底部側の下で延在する底部パネルによって、クッション層の底部側で固定される。

本発明の別の形態では、患者支持体は、クッション層と、カバーとを含み、カバーは、クッション層に被さるように延在するための上部と、上部から下方に延在してつながれる2つの側部とを有する。これら側部は、クッション層の側部に沿って延在し、且つクッション層の底部側で固定される。カバーの側部は、クッション層がクッション層の表面トポロジーに変化を受ける場合でも、上部に概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるように、クッション層の高さの変動に適応するよう縮む又は拡がるよう構成される。

一態様では、カバーは、上部パネルから形成され、この上部パネルは、上部を形成し、そして、側部は、上部パネルにつながれる側部パネルによって形成される。カバーはさらに、底部パネルを含み、底部パネルは、側部パネルにつながれ、それにより、側部パネルをクッション層の下側で固定する。

上述のいずれにおいても、側部又は側部パネルは、液体不透過性の布地から形成されることができる。例えば、上部パネルは、液体不透過性材料から形成されることができる。

本発明のさらに別の形態では、カバーは、マットレスの頂部側に被さるように延在するための可撓性のある布地の上部パネルと、マットレスの底部側の下で延在するための下部パネルと、上部パネル及び下部パネルにつながれる端部パネル及び側部パネルを含む。側部パネルは、マットレスの側部に沿って延在し、且つ上縁部及び下縁部を有する。上縁部は、上部パネルにつながれ、下縁部は、下部パネルにつながれる。側部パネルは、マットレス内への液体の浸入を防ぐように構成され、さらに側部パネルは、上縁部と下縁部とが、マットレスがマットレスの表面トポロジーに変化を受ける場合でも上部パネルに概ね滑らかさを維持するのを可能にさせるよう、マットレスの高さの変動に適応するよう別々に分かれている及び/又は分かれて離れるように、構成される。

上述のいずれにおいても、カバーは、ジッパーを含むことができる。加えて、側部パネルのそれぞれは、上側側部パネル部分及び下側側部パネル部分を含む。上側側部パネル部分は、上部パネルにつながれる。下側側部パネル部分は、下部パネルにつながれ、ジッパーは、上側側部パネル部分と下側側部パネル部分とを接合する。

さらなる態様では、上側側部パネル部分のそれぞれは、ジッパーが閉じられているときにジッパーに被さるように延在する布地のフラップを含む。例えば、布地のフラップは、折り曲げられたループの布地によって形成されることができる。

さらに別の態様では、上側側部パネル部分のそれぞれは、折り重ね部を含み、折り重ね部は、例えば患者を体位変換するようにクッション層又はマットレスが上昇される場合である折り重ね部が隣り合うクッション層又はマットレスの側部それぞれの高さが増す場合、非拡張形態から拡張形態に少なくとも部分的に折り重ねを広げる部分を、少なくとも含む。

またさらなる態様では、折り重ね部は、非拡張形態に付勢され、それにより、マットレス又はクッション層が高さを増す場合、各折り重ね部の少なくとも一部が、少なくとも部分的に折り重ねを広げるが、マットレス又はクッション層が高さを減少する場合、各折り重ね部は、非拡張形態に概ね戻る。

別の態様では、各折り重ね部は、1つ以上の弾性的ストランドによって非拡張形態に付勢されることができる。例えば、1つ又は複数のストランドが、上部パネルと下部パネルとの間に延在することができる。このようなかたちにおいては、マットレス又はクッション層の上側が下側に対して上昇すると、1つ又は複数のストランドは、伸ばされ、上側側部パネル部分は、少なくとも部分的に折り重ねを広げる。マットレス又はクッション層がもはや上昇位置でなくなると、1つ又は複数のストランドは、上部パネルを引き寄せ、それにより、上部パネルを、上側側部パネル部分が非拡張形態に戻ることを可能にする非上昇位置に戻す。

上述のいずれにおいても、クッション層又はマットレスは、複数の膨張可能な空気袋を含むことができる。

さらに別の態様によると、膨張可能な空気袋は、同じくカバー内に包含される発泡体寝台体上で支持されることができる。

加えて、クッション層又はマットレスは、任意に選択されることであるが、患者支持体上で支持される患者の体位変換を可能にするように、カバー内に配置される体位変換空気袋を含む。例えば、体位変換空気袋は、発泡体寝台体の真下に位置することができる。

別の態様では、カバーは、カバーの下に溜まって増え得る湿気を管理するためにカバーの下で空気を流すように構成され、カバーは、液体の侵入は防ぐが気体及び湿気がカバーを通過して流れるのを可能にする材料から、形成される。

さらに別の形態では、患者支持体は、上側クッション層が患者の支持面を形成するように配置構成される複数のクッション層を含む。上側クッション層は、少なくとも2つの区分ゾーンを伴った複数の空気袋を有する空気袋層を含み、このとき、各区分ゾーンは、別々に膨張可能であるように構成される。上側クッション層の下には、複数の供給管を有する空気圧系統が位置し、これら供給管は、空気袋層によって支持され且つ案内され、そして、区分ゾーンを膨張させるように各区分ゾーンに連結される。

一態様では、空気袋層は、供給管のためのキャリア(carrier)を形成する。例えば、空気袋層は、供給管を支持するための複数の支持体を含むことができる。例えば、これら支持体は、空気袋層の底面で又は底面に形成される又は付着させられるチャネルを含むことができる。好適な支持体は、空気袋層の底面で又は底面に接着又は溶接されるシート材のパッチから形成されることができる。例えば、空気袋層は、上部シート及び下部シートによって形成されることができ、これらのシートは、例えば溶接によって、互いに接合され、このとき、支持体が下部シートに取り付けられる。例えば、支持体は、下部シートに接着又は溶接されることができる。或いは、追加のシートが、この追加のシートに取り付けられた支持体と共に、下部シートに設けられ且つ接合されることができる。

さらに別の態様によると、空気袋層は、管を支持するためのハーネス部を含むことができる。例えば、上述のように、空気袋層は、上部シート及び下部シートによって形成されることができ、このとき、ハーネス部が、上部シートによって形成される。或いは、ハーネス部は、下部シートによって又は両方のシートによって形成されることができる。

さらなる態様では、ハーネス部は、例えばフランジの形態である空気袋層の1つ又は複数のシートそれぞれの延長部から構成され、延長部は、供給管を支持するように適合する。例えば、フランジ部は、開口部を有することができ、供給管は、開口部を通じて経路を定められることができ、又は、開口部を通過することができ、開口部は、供給管を所定の位置に保持するようにサイズ決めされる。例えば、開口部は、一対のスリットを含むことができ、一対のスリットは、スリット同士の間にループ部を形成するように間隔をあけて配置され、これにより、ループ部は供給管を所定の位置に摩擦により保持することになる。

本発明の別の形態では、患者支持体は、上側クッション層が患者のための支持面を形成するように配置される複数のクッション層を含む。上側クッション層は、少なくとも2つの区分ゾーンを伴った複数の空気袋を有する空気袋層を含み、このとき、各区分ゾーンは、別々に膨張可能であるように構成される。上側クッション層の下には、複数の検知管を有する検知系統が位置し、これら検知管は、空気袋層によって支持され且つ案内され、そして、区分ゾーンの圧力を検知するように各区分ゾーンに連結される。

一態様では、空気袋層は、供給管のキャリアを形成する。例えば、空気袋層は、検知管を支持するための複数の支持体を含むことができる。例えば、これら支持体は、空気袋層の底面で又は底面に形成される又は付着させられるチャネルを含むことができる。好適な支持体は、空気袋層の底面で又は底面に接着又は溶接されるシート材のパッチから形成されることができる。例えば、空気袋層は、上部シート及び下部シートによって形成されることができ、これらのシートは、例えば溶接によって、互いに接合され、このとき、支持体が下部シートに取り付けられる。例えば、支持体は、下部シートに接着又は溶接されることができる。或いは、追加のシートが、この追加のシートに取り付けられた支持体と共に、下部シートに設けられ且つ接合されることができる。

さらに別の態様によると、空気袋層は、検知管を支持するためのハーネス部を含むことができる。例えば、上述のように、空気袋層は、上部シート及び下部シートによって形成されることができ、このとき、ハーネス部が、上部シートによって形成される。或いは、ハーネス部は、下部シートによって又は両方のシートによって形成されることができる。

さらなる態様では、ハーネス部は、例えばフランジの形態である空気袋層の1つ又は複数のシートそれぞれの延長部から構成され、延長部は、検知管を支持するように適合する。例えば、フランジ部は、開口部を有することができ、検知管は、開口部を通じて経路を定められることができ、又は、開口部を通過することができ、開口部は、検知管を所定の位置に保持するように構成される。例えば、開口部は、一対のスリットを含むことができ、一対のスリットは、スリット同士の間にループ部を形成するように間隔をあけて配置され、これにより、ループ部は検知管を所定の位置に摩擦により保持することになる。

さらに別の態様によると、上述の患者支持体のいずれにおいても、空気袋層は、横断開口部を含むことができ、これら横断開口部は、少なくとも1つのクッション層を通る空気流を指向するように空気に空気袋層を通過させることを可能にする。

上述の支持体のいずれにおいても、患者支持体は、膨張可能な空気袋に隣り合うゲル層を含むことができる。例えば、ゲル層は、膨張可能な空気袋のうちの隣り合う空気袋と組み合っているものとすることができる。別の態様では、空気袋のそれぞれは、六角形状断面を有する。加えて又はその代わりに、ゲル層は、複数の六角形状ゲルフーチングを含むことができる。例えば、ゲルフーチングのそれぞれが、ゲルフーチングのそれぞれの隣り合うゲルフーチングから切り離されているものとすることができる。任意に選択されることであるが、ゲルフーチングのそれぞれは、複数の六角形状ゲル壁構造体によって内部補強されることができる。さらに別の態様によると、クッション層は、発泡体寝台体上で支持される。加えて、支持体は、任意に選択されることであるが、発泡体寝台体の下に配置される体位変換空気袋を含み、このとき、発泡体寝台体は、患者支持体上で支持される患者の体位変換を可能にするようにヒンジ式の少なくとも2つのパネルを含む。

別の態様では、支持体は、カバーを含み、且つ、カバーの下に溜まって増え得る湿気を管理するためにカバーの下で支持体を通って空気を流すように構成され、カバーは、液体の侵入は防ぐが気体及び湿気がカバーを通過して流れるのを可能にする材料から、形成される。

例えば、発泡体寝台体は、発泡体寝台体を通り且つクッション層の少なくとも1つの中に空気を指向するように、発泡体寝台体を通って延在する複数のチャネルを含むことができる。加えて、発泡体寝台体は、チャネルを通るよう空気を指向するように1つ以上の送風装置を支持又は収容することができる。

別の態様では、支持体のカバーは、送風ユニットによってカバーの中へ空気が引き込まれるのを許容するメッシュパネルを含む。

本発明の実施形態を以下に詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるものであっても図面に示されるものであっても、そのような動作の詳細にも、構成要素の構成の詳細にも、構成要素の配置構成の詳細にも、限定されるものではないということは、理解されるべきである。本発明は、様々な他の実施形態で実践されることができ、本明細書に明示して開示されない代替の方法で実現又は実施されることができる。また、本明細書で使用される表現法及び用語法は、説明を目的とするものであり、限定するものとして見なされるべきではないということも、理解されるべきである。「含む」、「備える」及びこれらを変形したものを使用することは、それ以前に列挙される項目及びそれらの均等物も、追加の項目及びそれらの均等物も包含するように意味する。さらに、種々の実施形態の説明において、数え上げが使用され得る。特別に記載されない限り、数え上げを使用することは、本発明を、構成要素のいかなる特定の順序にもいかなる特定の数量にも限定するとして、解釈されるべきではない。また、数え上げを使用することは、数え上げがなされたステップ又は構成要素と組み合わせられる又はこれらに組み入れられる可能性のあるいかなる追加のステップも構成要素も、本発明の範囲から除外するとしても、解釈されるべきでない。

例えば病院ベッドである患者支持器具に取り付けられて示されている患者支持体の斜視図である。

図1の患者支持体の斜視図である。

患者支持体に組み込まれ得る種々のクッション層及び構成要素を図示する患者支持体の断片的な分解組立図である。

内部のクッション層を示すようにカバーが取り外された状態の図2と同様の図である。

患者支持体の種々の領域又は区分ゾーンを図示する患者支持体の平面図である。

患者支持体の空気袋層の斜視図である。

少なくとも幾つかの空気袋の構成を図示し且つ部分的に切り取った断面を伴った空気袋層の斜視図である。

空気袋層を支持する発泡体寝台体の斜視図である。

ヒンジ式のパネルを伴って発泡体寝台体を図示する図5の発泡体寝台体の底部からの斜視図である。

患者支持体のベース体の斜視図である。

一対の体位変換空気袋の斜視図である。

患者支持体のゲル層の斜視図である。

図9のゲル層のゲルフーチングの拡大平面図である。

表面上で支持される患者を図示し且つ患者の体の表面への沈み込みを図示する図3と同様の図である。

例えば病院ベッドである患者支持器具に取り付けられて示されている患者支持体及びカバーの斜視図である。

図11の患者支持体及びカバーの分解組立斜視図である。

図12と同様の図である。

任意に選択されるものであるカバーの縛り付け具(tie down)を図示する図13と同様の図である。

任意に選択されるものである縛り付け具の位置を示すものあり且つ患者に被せて示されているカバーの斜視図である。

患者支持体の頭端部の斜視図であり、頭部クッションが頭端部に取り付けられた状態で頭端部が空気袋と共に示されている図である。

図16の患者支持体の頭端部の平面図である。

クッションのための固定システムを図示するように患者支持体及びクッションが透けるように示されている図16と同様の図である。

頭端部クッションを下側にある空気袋に固定するための種々のストラップの形態のうちの一形態を示す図である。

頭端部クッションを下側にある空気袋に固定するための種々のストラップの形態のうちの一形態を示す図である。

頭端部クッションを下側にある空気袋に固定するための種々のストラップの形態のうちの一形態を示す図である。

空気袋層の頭端部の平面図である。

例えば病院ベッドである患者支持器具の斜視図である。

図20の患者支持器具の空気袋層の斜視図である。

図20Aの空気袋層の平面図である。

図21の細部21Aの拡大図である。

図21の細部21Bの拡大図である。

管が挿入された状態にある図21Bと同様の図である。

図20Aの空気袋層の底面斜視図である。

見やすくするために管が除去された状態の図22と同様の図である。

図23の空気袋層の分解組立斜視図である。

空気袋層の底面で又は底面に取り付けられた支持体の拡大平面図である。

患者支持体の発泡体及びゲル層の斜視図である。

患者支持体の発泡体及びゲル層の側面図である。

空気袋層を支持する発泡体寝台体の一部の斜視図である。

発泡体寝台体の一部の斜視図であり、発泡体寝台体が、発泡体寝台体の足側部分と発泡体寝台体の頭/胴体側部分との間の接続を示すように反転され且つ空気袋層上に置かれているゲル層を、支持する図である。

折り畳まれた発泡体寝台体の足部部分の斜視図であり、ゲル層によって形成されるヒンジを示す図である。

図1を参照すると、参照符号10は、本発明の患者支持体を全体として指している。「患者」支持体として説明されるが、「患者」は、医療処置を受けている人々だけではなく、医療処置を受けていても受けていなくてもよい傷病者及び長期療養中の人等の他の人も含むように、広く解釈されるべきであるということは、理解されるべきである。さらに、患者支持体10は、マットレスとして例示説明されているが、患者支持体10は、車いす用のクッション又は動かない椅子のパッドを含むパッド、クッションのような他の形態をとり得るということは、理解されるだろう。以下でより詳細に説明されるように、患者支持体10は、患者の体への支持をもたらし、さらに、患者へ療法又は治療をもたらす、例えば回転療法(rotation therapy)、軽打療法(percussion therapy)又は振動療法などをもたらすように、適合することができる。加えて、患者支持体の支持表面は、制御システムをもたらすように構成されることができる。なお、この制御システムは、支持体上に位置する個々の患者に対する好適な沈み込みレベルを自動的に決定し、これにより、特定の個人に合わせた個別化した沈み込みレベルを生むものである。好適な沈み込みの制御システムのさらなる詳細については、「INFLATABLE MATTRESS AND CONTROL METHODS(膨張可能なマットレス及び制御方法)」と題し且つ2012年9月5日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/696,819号明細書(代理人整理番号が143667.150316(P400)である)を、参照されたい。なお、上記文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。

再び図1を参照すると、患者支持体10は、この特定の実施形態では病院ベッドである患者支持器具12上で支持される。しかしながら、患者支持器具12は、病院ベッド以外の他の形態をとることができ、例えば、それらに限定されるものではないが、長期療養ベッド、折り畳み式簡易ベッド、ストレッチャ、手術台、車輪付き担架などの形態をとることができる。さらに、患者支持器具12は、市販されており且つ単に患者支持体10に対する支持する機能をもたらすに過ぎない従来の支持器具とすることができる。

例えば、患者支持器具12は、1つ以上の制御部を含むことができ、制御部は、患者支持器具12に一体化され、以下で詳細に論じられるように、患者支持体10の1つ以上の機能を制御するのに使用される。例えば、電気的な接続部が、患者支持器具12の柵に配置される又は一体化されるユーザインターフェイスとの間の電気的なリンクを確立するために、設けられることができる。ユーザインターフェイスは、様々な形態をとることができ、例えば、それらに限定されるものではないが、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)、複数のボタン、複数のスイッチ、複数のつまみなどの形態、又はこれら構成要素を組み合わせたいかなるものの形態をとることができ、上記構成要素は、使用者が患者支持体10の動作を制御することを可能にする。インターフェイスと患者支持体10との間の接続は、様々な形態をとることができ、ベッドのフレームの上又は中で支持される回路にユーザインターフェイスを電気的につなぐ電気コネクタを例えば用いて、フットボードから患者支持体10にまで延びる直接的な電気ケーブルを含む形態、及び/又は、無線通信による形態をとることができる。これらの形態は、例えば、同一出願人によるものであり且つMichael Hayesらの出願人による米国特許出願第13/802,855号明細書(2013年3月14日出願)に開示されている。上記文献は、「COMMUNICATION SYSTEMS FOR PATIENT SUPPORT APPARATUSES(患者支持器具用の通信システム)」と題し、参照によりその開示内容全体が、本明細書に援用される。好適な病院ベッドの例示的なさらなる詳細については、米国特許第8,006,332号明細書、米国特許第7,690,059号明細書、米国特許第7,805,784号明細書、米国特許第7,962,981号明細書及び米国特許第7,861,334号明細書に記載されるベッドを参照されたい。なお、上記5つの文献の特許は全て共通して、ミシガン州カラマズー[Kalamazoo]のStryker Corporationによって所有され、上記5つの文献は、参照によりそれらの全てが本明細書に援用される。

図2を参照すると、患者支持体10は、任意に選択可能である複数の特徴を与えるカバー14を含む。例えば、カバー14は、湿気管理を容易にするために高い通気度(breathability rate)をもたらす柔軟なニット材料から形成されることができ、例えば、柔軟なナイロンメリヤス又はナイロンライクな布地から形成されることができる。加えて、カバー14は、以下により詳細に説明されるように、カバーにおける患者が面する側にある編組み状繊維と、伸縮性のある弾性膜によって形成される内面とを伴って、形成されることができ、弾性膜は、患者支持体10への患者の沈み込みへの干渉を、排除するものではないとしても、軽減しないように伸縮可能である。さらに、以下でより詳細に説明されるように、任意に選択されることであるがカバー14は、ロー・エアロス・システム(low air loss system)の一部として、支持体を通って空気を循環させるための1つ以上の送風装置又はファンを囲い込むため、カバー14は、空気をこのカバー14の中に引き込むことを可能にするように目があいたメッシュパネルを組み込むことができる。

別の態様では、カバー14は、その表面上に1つ以上の表示を含むことができる。例えば、カバー14は、患者支持体10の上に、患者の好ましい位置を画定するための表示を含むことができる。上記表示は、患者が仰臥位で位置すべき全身領域全体を画定する線等の境界16と、患者支持体の足部領域、腿部及び臀部の領域、背中領域並びに頭部領域を画定する例えば同様に線等の追加の境界18、20、22及び24とを、含むことができる。このようなかたちにおいては、患者が全身領域に位置し且つ上記サブ領域に概ね位置が合いもすると、患者は、支持クッション層及び体位変換空気袋に適切に位置合わせされることになる。これら支持クッション層及び体位変換空気袋は、患者の体の当該領域に対して適切なクッション作用及び機能性をもたらすように構成されている。

支持体の様々な領域/セクションを識別する境界線に加えて、他の表示が適用されることができる。他の表示として、例えば、図による教示、下側にあるクッション層(例えば、ゲル又は空気袋)の図示、同様に患者の適切な位置決めを容易にするための任意に選択される打撃振動/揺動振動の空気袋及び/又は体位変換空気袋の位置の表示がある。

例えば、支持体の様々な領域、即ち腿部及び背中支持領域、足部支持領域並びに頭部支持領域を示す様々な境界は、カバーを形成する下側にあるシートに、熱伝達プロセスを用いて適用することができる。例えば、キャリアシートに塗られたインクは、カバーを形成する布地に、熱を用いて転写されることができる。この方式では、インクは、シルクスクリーン印刷のように単に布地をコートするのではなく、その代わりに布地(そして、場合によっては下側にある弾性膜)と同化する。この同化は、シートに概ね一定の特性を付与する。このことは、摩耗を軽減し、境界の寿命を長くする傾向にある。

患者に対する適切なクッション作用及び沈み込みをもたらすために、患者支持体10は、患者の腿部、臀部、背中及び頭部への支持を与える複数の空気袋26a,26bを有する空気袋層26と、患者の踵部への支持を与えるゲル層28とを含む。空気袋層26は、エラストマーゲル状物質のシートから形成されることができ、このシートは、射出成形、ブロー成形、熱成形又は鋳込み成形を含む成形等によって、複数の嚢又は空洞を含むように形づくられる。そして、複数の嚢又は空洞は、各空気袋26a,26bの上壁26c及び側壁26dを形成し、次いで、各空気袋26a,26bは、空気袋の閉じたチャンバを形成するように底部シート26eと接合される(図4A参照)。2つのシートは、別々になった複数の空気袋からなる配列を形成するように、2つのシートそれぞれの周縁のまわりと嚢のそれぞれのまわりとにおいて互いに接合される。これらシートの少なくとも幾つかの領域は、隣り合う空気袋のうちの幾つかの間、又は、隣り合う空気袋の全ての間で流路を形成するように、接合されずに残されることができる(例えば、図4A参照)。この結果、通路網が、空気袋層に形成されることができ、それにより空気袋のうちの少なくとも幾つかの間での空気の流通を可能にする。このことは、空気袋を膨らますため及び空気袋内の圧力を所望の圧力値に維持するために必要となる配管の量を低減する。後述するように、幾つかの空気袋は、上述の空気通路又は配管を通じて互いに連通するということに関して、空気袋が複数の区分ゾーンを形成するように、グループ分けされることができる。

図2を参照すると、空気袋層26及びゲル層28は、それらの頂面つまり患者に面する表面が互いに隣り合い且つ(患者の荷重がかかっていないときに)同じ平面に及び同じ高さで概ね位置して1つの概ね連続したクッション層を形成するように、支持される。後述するが、ゲル層と空気袋層との間の境界面では、ゲル層は、隣り合うクッション層の間でのより快適な移行をもたらすように、下方に向かって僅かに角度が付けられることができる。

例示説明されている実施形態では、空気袋26a,26bは、区分ゾーン内で配列され、これら空気袋26a,26bは、任意に選択されることであるが、他の1つの区分ゾーン又は他の複数の区分ゾーンとは独立した各区分ゾーンの膨張/収縮と共に、独立して制御されることができる。例えば、区分ゾーンは、支持体10の頭端部10aにある頭部区分ゾーンと、支持体10の背中セクション10cにある背中区分ゾーンと、臀部及び腿部セクション10dにある臀部及び腿部区分ゾーンと、患者支持体10の足端部10bにある踵部区分ゾーンとを含むことができる。さらに、各区分ゾーンは、例えば、左側サブ区分ゾーンと右側サブ区分ゾーンとに分けられることができ、それにより、患者が体位変換されているとき、一方の側の空気袋の圧力が、患者の動きに対応するように、(例えば、上昇又は降下させて)調節を受けることができる。例えば、例示説明されている実施形態では、臀部区分ゾーンは、患者の体位変換を容易にするように右側臀部区分ゾーンと左側臀部区分ゾーンとを含む。例示説明されている実施形態では、背中区分ゾーン及び頭部区分ゾーンは、1つのグリープにまとめられ、さらに、患者が支持体10上に位置するときに共に概ね位置が合うように、位置決めされる。

図3及び図4を参照すると、空気袋26aは、複数の行及び複数の列(行は、患者支持体の長手軸に対して横断方向であり、列は、患者支持体の長手軸に概ね平行に延在する)に配置され、このとき、各行における各空気袋26aは、各行で交互のパターンを形成するように隣り合う空気袋26aに対して長手方向にずらされており、これにより、複数の空気袋が、複数の隣り合う行の複数の空気袋と入れ子式にぴったりとはまる。さらに、各空気袋26aの横方向中心線は、それぞれの隣り合う空気袋同士の間に延在する。例示説明されている実施形態では、空気袋26aそれぞれは、六角形状断面を有しており、それにより、各空気袋の縁部は、隣り合う空気袋の対応する縁部からずらされる。空気袋の配置構成、材料及び構造のさらなる詳細については、同時係属中である下記の文献を参照されたい。つまり、2011年2月7日出願の米国特許出願第13/022,326号明細書(「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題し、代理人整理番号がSTR03A P−257Aである)と、2011年2月7日出願の米国特許出願第13/022,372号明細書(「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題し、代理人整理番号がSTR03A P−257Bである)と、2011年2月7日出願の米国特許出願第13/022,382号明細書(「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題し、代理人整理番号がSTR03A P−257Cである)と、2011年2月7日出願の米国特許出願第13/022,454号明細書(「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題し、代理人整理番号がSTR03A P−257Dである)と、2012年7月13日出願の米国特許出願第13/548,591号明細書(「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題し、代理人整理番号がSTR03A P−376Aである)とであり、これら文献の全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。

再び図3及び図4を参照すると、頭部セクションの複数の空気袋26bは、空気袋26aに面する空気袋26bの側部が凹部を有する状態を伴った全体としてブロック状の形態を、有している。なお、上記凹部は、頭端部の空気袋と背中セクションの空気袋との間で円滑な移行をもたらすように、空気袋26aの形状に一致する。これら空気袋26bは、カバー26cを組み込むこともでき、それにより、後述するように、左側頭端部空気袋と右側頭端部空気袋との両方を1つに束ねて、患者が体位変換されるときを除いて患者の頭部に均一な支持を与える。

ゲル層28は、ゲル状材料(gelastic material)から形成される。好適なゲル状材料には、鉱油と混合されたSEB、SEBS、SEP、SEPS、SEEP、SEEPSポリマーが挙げられる。これらのポリマーは、例えば、米国特許第3,485,787号明細書、米国特許第3,676,387号明細書、米国特許第3,827,999号明細書、米国特許第4,259,540号明細書、米国特許第4,351,913号明細書、米国特許第4,369,284号明細書、米国特許第4,618,213号明細書、米国特許第5,262,468号明細書、米国特許第5,508,334号明細書、米国特許第5,239,723号明細書、米国特許第5,475,890号明細書、米国特許第5,334,646号明細書、米国特許第5,336,708号明細書、米国特許第4,432,607号明細書、米国特許第4,492,428号明細書、米国特許第4,497,538号明細書、米国特許第4,509,821号明細書、米国特許第4,709,982号明細書、米国特許第4,716,183号明細書、米国特許第4,798,853号明細書、米国特許第4,942,270号明細書、米国特許第5,149,736号明細書、米国特許第5,331,036号明細書、米国特許第5,881,409号明細書、米国特許第5,994,450号明細書、米国特許第5,749,111号明細書、米国特許第6,026,527号明細書、米国特許第6,197,099号明細書、米国特許第6,865,759号明細書、米国特許第7,060,213号明細書、米国特許第6,413,458号明細書、米国特許第7,730,566号明細書及び米国特許第7,964,664号明細書に開示されており、これら文献は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。

一例として、エラストマーゲル状物質には、約3.1:1の油対ポリマーの重量比の配合がなされることができる。ポリマーは、テキサス州ヒューストンに事業所を有するKraton Polymersから入手可能であるKraton 1830とすることができ、又は別の好適なポリマーとすることができる。油は、鉱油とすることができ、又は別の好適な油とすることができる。1つ以上の安定剤が添加されることもできる。さらなる成分が加えられることもでき、例えば、限定されるわけではないが、染料が加えられることができる。別の例では、エラストマーゲル状物質は、約2.6:1の油対コポリマーの重量比で配合されることができる。コポリマーは、テキサス州ヒューストンに事業所を有するKuraray America社から入手可能であるSepton4055及び4044とすることができ、又は他のコポリマーとすることができる。Septon4055及び4044が使用される場合は、Septon4055対Septon4044の重量比は、約2.3:1とすることができる。油は鉱油とすることができ、1つ以上の安定剤が使用されることもできる。さらなる成分も添加されることができ、例えば、限定されるわけではないが、染料が加えられることができる。これらの2つの例及び上記特許の文献に開示される例に加えて、さらに他の配合が用いられることができる。

例示説明されている実施形態では、ゲル層28は、複数のゲル状フーチングを備え、これらゲル状フーチングは、各フーチングがその隣り合い且つ取り囲むフーチングとは独立して縮むことができるように、互いから分離されている。フーチングという用語は、(ゲル壁部30によって画成される)ゲル構造体全体が、高さよりも幅の方が大きくなっているという意味で使用される。図4Aを参照すると、各フーチングは、概ね六角形形状を有する外周壁30によって形成され、このとき、外周壁30は、6つの内部六角形状壁によって内側で支持される。6つの内部六角形状壁は、中心の六角形状壁を形成するように環状パターンに配置され、中心の六角形状壁は、6つの内部六角形状壁それぞれの内側の壁部によって形成される。次いで、6つの内部六角形状壁は、外周壁30と壁部を共有している。言い換えれば、中心の六角形状壁は、別々に分離した壁ではなく、各内部六角形状壁の内側に面する壁部によって画成される。同様に、各内部六角形状壁の外側の壁部は、外周壁30の一部によって与えられる又は形成される。

例えば、各壁の高さは、約2.54cm〜10.16cm(約1インチ〜4インチ)の範囲又は約5.08cm〜7.62cm(約2インチ〜3インチ)の範囲とすることができ、各壁の厚さは、約0.79mm〜9.53mm(約1/32インチ〜3/8インチ)の範囲又は約1.59mm〜6.35mm(約1/16インチ〜1/4インチ)の範囲とすることができる。各フーチングの幅は、約7.62cm〜15.24cm(約3インチ〜6インチ)の範囲又は約10.16cm〜12.70cm(約4インチ〜5インチ)の範囲とすることができ、このとき、各内部六角形状壁は、2.54cm〜5.08cm(約1インチ〜2インチ)の範囲又は約1.91cm〜3.81cm(約3/4インチ〜1と1/2インチ)の範囲とすることができる。射出成形を容易にするために、壁は、例えば抜き勾配を形成するように、僅かにテーパー状にされる。例えば、抜き勾配は、約1度〜10度の範囲又は約3度〜約8度の範囲に収まるようにすることができる。

このようなかたちにおいて、各ゲルフーチング30は、相互に連結されたゲル壁による一連の入れ子状のゲル壁を形成し、この一連の入れ子状のゲル壁は、患者の重量のもとで座屈する傾向にあり、各グループの内部の壁が完全に潰れるまでにわたって、患者の踵へクッション支持を与え続ける。相互連結されているが分離隔絶されたグループ内で配置されている多数の壁にわたって荷重を拡散させることによって、それぞれのグループは、より大きく沈み込むことを可能とし、全ての壁が共につなげられている場合よりも、患者の踵全域で良好な応力又は圧力の再分散をもたらすことになる。

加えて、各ゲルフーチングの各ゲル壁は、ゲルからなるベースシートによって最も下側の縁部で接合されることができる。なお、このベースシートは、皮膜のように比較的薄く、ゲル層の幅全体にわたってゲル材料を分散させるのを補助するために成形プロセスで使用される。

さらに、ゲルが形成するゲル層28は、非常に柔軟であるように選択されるが、隣り合う内側壁部の相互連結を伴うことで、患者の踵へ十分な支持及びクッションを与えることがなおもできる。ゲル柱状体(このゲル柱状体では、ゲルの構造体が幅よりも大きい高さを有する)を含んだ使用され得る他のゲルの形態の例については、再び、以下の文献を参照されたい。つまり、米国特許第3,485,787号明細書、米国特許第3,676,387号明細書、米国特許第3,827,999号明細書、米国特許第4,259,540号明細書、米国特許第4,351,913号明細書、米国特許第4,369,284号明細書、米国特許第4,618,213号明細書、米国特許第5,262,468号明細書、米国特許第5,508,334号明細書、米国特許第5,239,723号明細書、米国特許第5,475,890号明細書、米国特許第5,334,646号明細書、米国特許第5,336,708号明細書、米国特許第4,432,607号明細書、米国特許第4,492,428号明細書、米国特許第4,497,538号明細書、米国特許第4,509,821号明細書、米国特許第4,709,982号明細書、米国特許第4,716,183号明細書、米国特許第4,798,853号明細書、米国特許第4,942,270号明細書、米国特許第5,149,736号明細書、米国特許第5,331,036号明細書、米国特許第5,881,409号明細書、米国特許第5,994,450号明細書、米国特許第5,749,111号明細書、米国特許第6,026,527号明細書、米国特許第6,197,099号明細書、米国特許第6,843,873号明細書、米国特許第6,865,759号明細書、米国特許第7,060,213号明細書、米国特許第6,413,458号明細書、米国特許第7,730,566号明細書、米国特許第7,823,233号明細書、米国特許第7,827,636号明細書、米国特許第7,823,234号明細書及び米国特許第7,964,664号明細書である。なお、上記文献は全て、参照によりそれら全体が本明細書に援用される。

図3に最もよく示されているように、空気袋層26及びゲル層28は、発泡体寝台体(foam crib)40によって支持されている。寝台体40は、任意に選択されることであるが、空気袋層26の下で患者の頭端部から腿部領域まで延在する第1の部分40aと、ゲル層の下で患者支持体10の腿部領域の下方から足端部10bまで延在する第2の部分40bとを含む。寝台体40は、支持体10の両側部に沿った堅くなった柵(rail)を形成もしつつ、空気袋及びゲルによる柔軟になったクッション層を所定の位置に保持しやすくなっている。

発泡体寝台部分40aは、ベース42と、上方に向かって延在する一対の側壁44とを含み、これら側壁44は、上述のように、空気袋層26の対向する両側部に沿って発泡体柵を形成し、それにより、ベッドへの出入りを容易にすると共に、患者が仰臥位にあるときに患者を抱きかかえるように包む。図5及び図6を参照すると、寝台体40のベース壁42は、複数のチャネルを含む。これら複数のチャネルは、中央チャネル46と複数の側方に延在する枝状チャネル48とを含むツリー状の構成を形成する。これら枝状チャネル48は、中央チャネル46に流体連通している。中央チャネル46は、中央チャネル46の基部に形成された注入又は給送チャネル46aと流体連通している。そして、各注入チャネル46aは、送風ユニット50を受け入れるための凹部46bを含み、この送風ユニット50から出力された送風は、注入又は給送チャネル46aを通って中央チャネル46に向かって指向される。送風ユニット50の吸入口は、ベース壁42の下側の縁部を貫通して延在し、それにより、送風ユニット50が空気袋層26によって覆われても、送風ユニットは、以下により詳細に説明されるように、発泡体寝台体40の下側の端部に隣り合う空間から空気を引き込むことができる。これらのチャネルはまた、後述するように、発泡体寝台体を曲げやすくもする。

送風ユニット50は、作動すると、空気をチャネル46a及び46に送り、次いで、これらチャネルは、空気を枝状チャネル48に分配し、これにより、下方から空気袋36内への気流を生む。空気が空気袋層26を通って流れることを可能にするために、空気袋層26のベースシートは複数の開口部を含み、それにより、空気は、図3に矢印で示されているように、空気袋層26を通り且つ空気袋26a同士の間を通って上向きに流れることができる。空気の流れをより集中させるために、ベース層42は、その表面に接着される不織布材料のシート54(図2A及び図6)を組み込むことができる。この不織布材料のシート54は、注入チャネル46aと中央チャネル46と枝状チャネル48の一部とを覆うように延在し、それにより、各枝状チャネルの遠位端部を開放したままとし、その結果、枝状チャネル48は、分かれた空間位置で空気を空気袋層46内に指向する。

再び図5を参照すると、寝台体40の各側壁44は、患者支持体10上で支持される患者の少なくとも肩領域に隣り合う上側楔状部分60を有する。楔状部分60は、患者の肩領域で患者に向いた角をなす表面を形成する。これら角をなす表面は、膨らまされ且つ負荷がかけられていないときの空気袋層26の上面よりも上に延在し、患者が空気袋層26上に位置するときはより一層大きい高さで空気袋層26よりも上に延在する。従って、楔状部分60は、患者に対して肩の位置で側方の支持を与えるが、患者がベッドから降りるときは側壁44の下側の基部にまで下方に潰れるように十分に弾性的である。

側壁44における内側に面した側部は、任意に選択されることであるが、複数の凹部62を含み、これら複数の凹部62は、隣り合う空気袋26aそれぞれの外形に少なくとも概ねならい、それにより側方及び長手方向の両方向において隣り合う空気袋それぞれに側方での支持を与える。その結果として、空気袋26aは、所定の位置に保持され、且つ、空気袋26a自身がかみ合う配置構成を有する場合には、ある程度までは互いに多少連動させられる。同様に、図3に示されているように、ゲル層28における内側に面した縁部は、ゲル層に隣り合う空気袋を受け入れるように複数の凹部を含むことができ、この結果、足端部の空気袋は、隣り合うゲル層によって同様に側方及び長手方向に支持される。

図6に最もよく示されているように、発泡体寝台部分40bは、一対の上方に向かって延在する側壁66を備えたベース壁64を同様に有し、これら側壁66は、ゲルフーチングそれぞれと各ゲルフーチング同士の間に形成される凹部との形状に概ね合致する凹部(複数)を同様に含む。それ故、空気袋と同様のかたちで、側壁66は、ゲル層28の縁部に沿って延在する隣り合うゲルフーチングのそれぞれに、側方及び長手方向の支持を与える。このようなかたちでは、各層は、隣り合う層と組み合っており、その結果、3つ全ての材料(発泡体、空気充填空気袋及びゲル)が、1つのクッションシステムを形成する。

さらに、発泡体寝台セクション40bの発泡体ベース壁66は、空気袋層26の足端部で各空気袋の下端部を受け入れるように複数の凹部を含み、さらに、各凹部に隣り合い且つ下向きにテーパー状に先細になった上面をもたらす。この結果、ゲル層28の腿端部のゲルフーチングが、隣り合うゲル層と空気袋層との間に円滑な移行部をもたらすように、下方に向かって傾斜させられる。この移行部は、任意に選択されることであるが、患者支持体10上で支持される患者の膝と腿との間に概ね位置が合わされる。

図2Aに最もよく示されているように、患者支持体10は、任意に選択されることであるが、一対の体位変換空気袋70a及び70bを含む。体位変換空気袋70a,70bは、寝台体40の真下に配置される。図5を参照すると、空気袋70a及び70bは、寝台体40のベース壁42における区画分けされた部分42a及び42bの下に位置が合わされ、これら区画分け部分42a及び42bは、ヒンジ結合されたパネルを形成するように、3つの側部に沿って寝台体の残りの部分から引き離される。これらヒンジ結合されたパネルは、寝台体40の中央でヒンジ結合され、これにより、ヒンジ結合されたパネルは、体位変換空気袋の一方が膨張すると持ち上がることができる。ヒンジ結合されたパネルが寝台体の中に落ちてしまわないようにするために、各パネルは、任意に選択されることであるが、L型のリムを含む。このL型のリムは、引き離されるパネルの周りに延在し且つ寝台体でバランスがとられた対応するL型のシル(sill)に、概ね位置が合わされる。

空気袋26a及び26bと体位変換空気袋70a及び70bとに空気を送るために、支持体10は、空気圧系統を含む。この例示説明されている実施形態では、空気圧系統は、複数の配管セクション84を含む空気用ハーネス体80を備える。複数の配管セクション84は、布キャリア体(fabric carrier)に支持され且つ固定され、布キャリア体は、様々な配管セクション及び関連するコネクタ86を所望の形態及び位置に固定する。このようなかたちにおいては、ハーネス体80が寝台体40の上にわたって配置されると、配管及びその付随コネクタは、空気袋それぞれを膨張させるための適切な入口に容易に位置合わせされることができる。配管と布キャリア体とが共に、可撓性のあるマニホールドを形成し、このマニホールドは、入口端部(配管がキャリア体を出る部分)が空気袋それぞれに空気を供給する1つ又は複数のポンプに結合するように配置及び位置合わせされる位置に、容易に位置付けられることができる。空気を配管に供給する1つ又は複数のポンプは、任意に選択されることであるが、以下により詳細に説明されるように、支持体の足端部にあるボックスの中に位置付けられる。

上述のように、空気袋に空気を供給する様々な配管は、1つ又は複数のポンプにつながれ、1つ又は複数のポンプは、例示説明されている実施形態では図7に示されるポンプボックス90内に位置付けられている。ポンプボックス90は、患者支持体10の足端部10bに位置付けられるのが好ましく、ゲル層28の下の寝台部分40bのさらに下に位置付けられるのが好ましい。ポンプボックス90は、例えば、ポリマー材料から形成されることができ、患者の踵の下に通常位置し且つ中央に位置する凹部を有し、それにより、患者が患者支持体10上に横たわっているときに患者の踵の沈み込み深さを深くする。1つ又は複数のポンプを格納又は収容するのに加えて、ポンプボックス90は、CPRマニホールドを含むこともできる。CPRマニホールドは、開放されたとき、空気袋から空気が排出され、これにより、患者が空気袋の下にある寝台体上で直接的に支持されることを可能にし、直接的に支持されることによって、患者にCPRを施すことを可能にする硬くなった表面が得られる。1つ又は複数のポンプに加えて、ボックス90はまた、1つ又は複数のポンプを制御するための様々な制御部及び回路、並びに患者支持体に組み込まれ得る他の装置のための様々な制御部及び回路を収容することもできる。

上述のように、空気袋26a,26bは、ボックス90とその付随ポンプと制御回路との制御下で、上述されたようなグループ又は区分ゾーンをなして、膨張又は収縮される。空気袋とボックス90との間の流体接続は、配管84によって確立され、配管84は、ボックス90と様々な空気袋との間に延在し、コネクタ86によって空気袋の入口に接続する。上述のように、配管84は、可撓性のあるマニホールド80を一緒に形成する布キャリア体に付着される又は収容される。

同様に、マニホールド80は、頭端部10aから足端部10bの方向を概ね長手方向として延在する体位変換空気袋70a,70bのための配管を支持することができる。そして、これら体位変換空気袋70a,70bは、上述のように、発泡体寝台体40の真下に配置され、患者支持体10の頂部上に位置する患者を体位変換するのを補助するのに使用される。この目的のために、体位変換空気袋はそれぞれ、別々に且つ独立して、膨張可能であり且つ収縮可能であり、このことも同様に、ボックス90及びその付随回路によって制御される。

例えば、「INFLATABLE MATTRESS AND CONTROL METHODS(膨張可能なマットレス及び制御方法)」と題し且つ2012年9月5日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/696,819号明細書(代理人整理番号が143667.150316(P400)である)を参照して論じられるように、患者支持体10は、患者が表面に沈み込むのを検知するためのセンサ、例えば深度センサプレート92を組み込むことができる。検知された沈み込みに基づいて、制御装置(ボックス90内に位置付けられても、例えば発泡体寝台体40に形成される凹部94(図5)を含んだ他の場所に位置付けられてもよい)は、患者の個別の要求に基づいて表面への患者の沈み込みを最適化するように用いられることができる。深度センサプレート92を補佐するために、支持体10は、導電性布102を組み込む。これら深度センサプレート92及び導電性布102は共に、患者が近づく又は遠ざかると出力が変化する静電容量センサとして機能する。より具体的には、導電性布102は、平行平板コンデンサの頂部平板と同様に機能し、その一方で、深度センサプレート92は、平行平板コンデンサの底部平板を形成する。それ故、導電性布102と深度センサプレート92のいずれかとの間の鉛直方向距離が変化すると、導電性布102とプレート(複数可)92との間の静電容量が変化することになる。この変化は、導電性布102と深度センサプレート92のそれぞれとの間で電気的につながれる検出回路によって、検出される。即ち、1つ以上のワイヤ(図示せず)が、導電性布102及び検出回路に電気的につながれ、その一方で、1つ以上の他のワイヤ(図示せず)が、各プレート92と検出回路との間に接続されている。導電性布102は、電気的な導通性を有する任意の市販の布とすることができ、又は、電気的な導通性を有する箔とすることができ、又は、電気的な導通性があり且つその材料の領域で患者支持体10の可撓性を有意に変更しないほど十分に可撓性があるいかなる他の材料とすることができる。

導電性布102は、空気袋層26の頂部に配置決めされるが、防火敷物(fire sock)又は防火障壁体100の上に被せて配置される。この防火障壁体100は、空気袋層26の周りを包み込み、延焼に抗する任意の好適な材料から作製される。このような材料は、様々であり得る。一実施形態では、防火障壁体100は、ケブラー(登録商標)(Kevlar、ポリパラフェニレンテレフタルアミド)若しくは他の銘柄のパラアラミド合成繊維から作製される、又はケブラー(登録商標)若しくは他の銘柄のパラアラミド合成繊維を含むことができる。他の材料も代わりに使用することができる。カバー14は、上側カバー部分14a及び下側カバー部分14bを含み、それ故、カバー14は、導電性布102、防火敷物100、空気袋層26、ゲル層28、寝台体40、体位変換空気袋70a,70b及びプレート92も、ポンプボックス90及び空気マニホールドも封入する。例えば、上側カバー部分14a及び下側カバー部分14bは、ジッパーで互いに固定されることができ、これにより、支持体10内の様々な構成要素へのアクセスが可能になる。

上述のように、体位変換空気袋の一方が膨張すると、発泡体寝台体の対応するヒンジ式のパネルが持ち上がることになる。同時に、持ち上がっているパネルの上方にある空気袋内の空気が維持される又は増やされ、その一方で、反対側の空気袋の圧力が下げられる又はしぼむようにまで抜かれ得る。

患者を体位変換することに加えて、患者支持体10の複数のセクションが、上昇されている半起坐位(Fowler)又は下げられている脚部セクションに対応するように、折り曲げられることができる。例えば、支持体10は、関節状につながったデッキを備えるベッド上で支持されることができる。上記デッキは、頭部セクション、背中セクション、臀部セクション及び脚部セクションを有し、少なくとも1つのセクションが、上述のような半起坐位用セクション又は脚部セクションを上昇させるように枢動可能である状態となっている。関節状のデッキに対応するために、発泡体寝台体は、関節の各地点のための対応するギャッチ部(gatch)を含むことができる(図3参照)。さらに、カバー14は、V字状セクション(図示せず)を含むことができる。V字状セクションは、カバー14の下側に延在すると共にギャッチ部の1つの中に延在し、それにより、デッキのセクションの1つが枢動されたときに支持体の曲がりを同様となるように適応させる。例えば、上述した目があいたメッシュは、V字状セクションに位置付けられることができ、それにより、送風ユニットがカバーを通って空気を循環させるように稼働しているときに、空気がカバー内に引き込まれることが可能になる。しかしながら、メッシュパネルは、カバー14の底部側を含む他の場所に位置付けられ得るということも理解されたい。

それ故、組み立てられたとき、患者支持体10は、この支持体10上に横たわる患者の支持を高めるように圧力再分散システムをもたらすクッション層を含むだけではなく、任意に選択されことであるが、湿気管理システムも沈み込み制御システムももたらす。上述のように、追加の機能が、例えば、参照した同時係属中の特許出願に記載されているような打撃振動/揺動振動の空気袋として空気袋の一部を構成する形態で、与えられることができる。患者支持体10は、足部区分ゾーンに1つ以上の空気袋をゲル層の代わりに含むように変更を受けることができ、それ故、これら空気袋内の空気圧は、足部セクションの空気袋と、腿部及び臀部セクションの空気袋と、頭部セクションの空気袋とを制御する同じシステムによって、監視及び制御されることができるということを理解されたい。

図11を参照すると、参照符号110は、本発明の患者支持体を全体として指している。さらに詳細に後述されるように、患者支持体110は、カバー114を含む。カバー114は、例えば、隆起しない平滑な表面のままで患者を体位変換するのに使用される場合に、患者の支持体内への沈み込み及び患者支持体の拡がりを受容するように適応する。

図12を参照すると、カバー114は、湿気管理を容易にするように高い通気度をもたらす柔軟なニット材料から形成されることができ、例えば、柔軟なナイロンメリヤス又はナイロンライクな織物から形成されることができる。加えて、カバー114は、カバーの患者が面する側にある編組み状繊維と、伸縮性のある弾性膜によって形成される内面とを伴って、形成されることができ、弾性膜は、支持体110への患者の沈み込みへの干渉を、排除するものではないとしても、軽減しないように伸縮可能である。さらに、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)に記載されているように、カバー114は、任意に選択されることによって、ロー・エアロス・システムの一部として、支持体を通って空気を循環させるための1つ以上の送風装置又はファンを封入する。なお、上記文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。それ故、カバー114は、空気をカバー114の中に引き込む又はカバー114から吹き出すことを可能にするように、1つ以上の目が開いたメッシュパネルを組み込むことができる。

別の態様では、同様に、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)に記載されているように、カバー114は、その表面上に1つ以上の表示を含むことができる。例えば、カバー114は、患者支持体110の上に、患者の好ましい位置を画定するための表示を含むことができる。上記表示は、患者が仰臥位で位置すべき全身領域全体を画定する線等の境界と、患者支持体の足部領域、腿部及び臀部の領域、背中領域並びに頭部領域を画定する例えば同様に線等の追加の境界とを含むことができる。このようなかたちにおいては、患者が全身領域に位置し且つ上記サブ領域に概ね位置が合いもすると、患者は、支持クッション層及び体位変換空気袋に適切に位置合わせされることになる。これら支持クッション層及び体位変換空気袋は、患者の体の当該領域に対して適切なクッション作用及び機能性をもたらすように構成されている。

支持体の様々な領域/セクションを識別する境界線に加えて、他の表示が適用されることができる。例えば、図による教示、下側にあるクッション層(例えば、ゲル又は空気袋)の図示も、任意に選択されるものであるが、同様に患者の適切な位置決めを容易にするための打撃振動/揺動振動の空気袋及び/又は体位変換空気袋の位置も、適用されることができる。

例えば、支持体の様々な領域、即ち腿部及び背中支持領域、足部支持領域並びに頭部支持領域を示す様々な境界は、カバーを形成する下側にあるシートに、熱伝達プロセスを用いて加えることができる。例えば、キャリアシートに塗られたインクは、カバーを形成する布地に、熱を用いて転写されることができる。この方式では、インクは、シルクスクリーン印刷のように単に布地をコートするのではなく、その代わりに布地(そして、場合によっては下側にある弾性膜)と同化し、これにより、シートは概ね一定の特性が付与される。このことは、摩耗を軽減し、境界の寿命を長くする傾向にある。

患者に対するクッション作用及び沈み込みをもたらすために、患者支持体110は、患者の体を支持するための1つ以上のクッション層を含む。任意に選択されることであるが、患者支持体110は、複数のクッション層から形成されたクッションシステムを含み、複数のクッション層は、少なくとも1つ以上の方向に一緒に作用するように少なくとも1つの度合い以上で、機械的に相互連結されるように構成されている。例示説明されている実施形態では、患者支持体110は、患者の腿部、臀部、背中及び頭部への支持を与える複数の空気袋を有した空気袋層126と、例えば患者の踵部への支持を与え且つ任意に選択されるものであるがゲル層とを含む。空気袋層126及びゲル層は、発泡体寝台体130によって支持されることができる。空気袋層126、ゲル層及び発泡体寝台体130は一緒に、患者支持体110のための1つのクッションシステムを形成することができる。寝台体130は、支持体110の両側部に沿う硬くなった柵をもたらしもしつつ、空気袋及びゲルによる柔らかくなったクッション層を所定の位置に保持することに資する。任意に選択されることであるが、空気袋層126の空気袋、ゲル層及び発泡体寝台体はそれぞれ、空気袋、ゲル層及び発泡体寝台体が程度の差こそあれ一致して作用し得るように、少なくとも一方向で一緒にこれらを相互接続する表面(複数)又は構造を有する。加えて、長枕を形成する発泡体寝台体の側部柵は、空気袋層の少なくとも一部にわたって、空気袋層の頂面に対して上方に向かって上げられる又は角度が付けられて揺籠状受け部(cradle)を形成し、その結果、患者が空気袋層及びゲル層上に横たわっているとき、発泡体寝台体は、患者を抱きかかえるように保持し、さらに患者に側方への支持を与え、これにより、たとえ側部柵が下げられた場合であっても患者が患者支持体から転がり落ちる又は落下する危険性を低減する。任意に選択されるものである空気袋層、ゲル層及び発泡体寝台体のさらなる詳細と、例えば、これらがどのように機械的に接続されるかということとについては、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)を参照されたい。

クッションシステムは、多数の区分ゾーンを有することができる。例えば、空気袋自体が、複数の区分ゾーンに配置されることができ、これらの区分ゾーンは、任意に選択されることであるが、各区分ゾーンの膨張/収縮を他の1つ又は複数の区分ゾーンから独立させた状態で、独立して制御されることができる。これらの区分ゾーンは、1つのグループの空気袋によって形成され且つ支持体110の頭端部にある頭部区分ゾーンと、別のグループの空気袋によって形成され且つ支持体110の背中セクションにある背中区分ゾーンと、3つ目のグループの空気袋によって形成され且つ臀部及び腿部セクションにある臀部及び腿部区分ゾーンと、ゲル層によって形成され且つ患者支持体110の足端部にある踵部区分ゾーンとを含むことができる。さらに、各区分ゾーンは、例えば、左側サブ区分ゾーン及び右側サブ区分ゾーンに分けられることでき、それにより、患者が体位変換されているとき、一方の側の空気袋の圧力が、患者の動きに対応するように、(例えば、上昇又は低下させて)調節を受けることができる。例えば、例示説明されている実施形態では、臀部区分ゾーンは、患者の体位変換を容易にするように右側臀部区分ゾーンと左側臀部区分ゾーンとを含む。例示説明されている実施形態では、背中区分ゾーン及び頭部区分ゾーンは、1つのグループにまとめられ、さらに、患者が支持体110上に位置するときに共に概ね位置が合うように、位置決めされる。空気袋の配列、材料及び構成のさらなる詳細については、同時係属中の下記の文献を参照されたい。つまり、上記文献は、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)と、2011年2月7日に出願され且つ「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題する米国特許出願第13/022,326号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−257Aである)と、2011年2月7日に出願され且つ「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題する米国特許出願第13/022,372号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−257Bである)と、2011年2月7日に出願され且つ「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題する米国特許出願第13/022,382号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−257Cである)と、2011年2月7日に出願され且つ「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題する米国特許出願第13/022,454号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−257Dである)と、2012年7月13日に出願され且つ「PATIENT/INVALID HANDLING SUPPORT(患者/傷病者対応支持体)」と題する米国特許出願第13/548,591号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−376Aである)とである。そして、上記文献の全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。

任意に選択されることであるが、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)に記載されているように、患者支持体110は、一対の体位変換空気袋を含むことができる。体位変換空気袋は、寝台体130の真下ではあるがカバー114の内側に配置される。発泡材料から形成される寝台体130と空気袋との間における摩擦を低減するために、任意に選択されることであるが、寝台体の一部は、布地の上掛け又は上包み覆い132(図12及び図13参照)を含むことができる。この布地は、空気袋上での抵抗を低減し且つ発泡体上での摩耗を低減もするように、ナイロン等の低摩擦材料を含むことができる。体位変換空気袋及び支持空気袋の配管に空気を供給する1つ又は複数のポンプは、任意に選択されることであるが、支持体の足端部において、そしてさらにゲル層128の下の寝台体130の足端部の真下において、ボックス140の中に位置付けられる。同様に、カバー114内に位置付けられ得る支持クッション層及び構成要素のさらなる詳細については、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)を参照されたい。

再び図12を参照すると、カバー114は、ジッパー154によって互いに接合される上側カバー部分150及び下側カバー部分152を含み、このジッパー154は、支持体110内にある様々な構成要素へのアクセスを可能にする。上側カバー部分150は、別個になったパネルから形成されることができる上部と、上部から(図12〜図15で見たときに)下方に向かって垂下し且つ任意に選択されることであるが別個になったパネル(複数)から形成される上側側部部分とを含む。上側側部部分のパネルは、例えば溶接又は縫い付けなどによって、上部パネルにつながれる。同様に、下側カバー部分152は、別個になった下部パネルから形成されることができる下部と、下部から(図12〜図15で見たときに)上方に向かって延在し且つ任意に選択されることであるが別個になったパネル(複数)から形成される下側側部部分とを含む。下側側部部分のパネルは、例えば溶接又は縫い付けなどによって、下部パネルにつながれる。例示説明されている実施形態では、カバーの上部は、下側にあるクッション又はクッションシステムの表面トポロジーにならい、それにより、滑らかな表面をもたらすように構成されており、このことは、清掃を容易にすることができる

しかしながら、例えば体位変換空気袋の1つが膨張された場合におけるクッションシステムの厚さの増加に対応するために、カバー114における1つ以上の側部114a,114bも頭端部114cも、患者支持体がその表面トポロジーに変化をうける場合であっても上部つまり上部パネルが概ね滑らかさを維持することを可能にするように、縮む若しくは拡がるよう適応又は構成される。そして、次のようなことが見出された。つまり、緩くフィットする上部シートを有するカバーは、例えば患者を体位変換するときに、隆起する傾向にあり、このことは、清掃するのを困難にし、さらには結果として、過剰な布地が一方の側にずれる可能性があるということである。なお、上部シートは、上部シートに過剰な材料を与えることによって、下側にあるクッションシステム又はクッション層の形状の変化に対応できる。その結果として、過剰な布地は、マットレスの他方の側に弛みを与えるのにもはや利用できなくなる。

図12〜図14を参照すると、カバー114における側部156及び158それぞれと端部160及び162それぞれとは、カバー114の上部164及び下部66につながれている。上述のように、上部164と下部166と側部156,158と端部160,162とはそれぞれ、パネルから形成されることができる。側部156及び158は、患者支持体及びクッションシステムの側部に沿って延在し、このとき、端部160,162が、側部156及び158の間に延在している。側部156及び158並びに端部160及び162はそれぞれ、上部パネルにつながれる上縁部及び下部パネルにつながれる下縁部を有する。しかしながら、以下のことを理解されたい。つまり、パネルの幾つかは、上部パネル又は下部パネルの1つ又は複数の延長部から形成されることができ、それ故、パネルの上記の幾つかは、別個のパネルから構成されるのではなく、上部パネル又は下部パネルを形成するのと同じ材料から形成されるということである。さらに、側部パネル及び頭端部パネルは、それらの上縁部及び下縁部が、それぞれの側部パネル及び頭端部パネルを伸ばし且つ拡げるよう別々になり且つ/又は分かれるように、構成されている。その結果、カバー114は、たとえマットレスがその表面トポロジーに変化を受ける場合であっても、上述のように上部パネルが概ね滑らかさを維持することを可能にするように、マットレスの高さの変化に適応することができる。

さらに、上述のように、各側部パネル156,158は、上側側部パネル部分156a,158a及び下側側部パネル部分156b,158bを含むことができる。上側側部パネル部分156a,158aは、上部パネル166につながれ、下側側部パネル部分156b,158bは、下部パネル168につながれる。同様に、端部パネル160及び162は、上側端部パネル部分160a,162a及び下側端部パネル部分162a,162bを有することができる。上側端部パネル部分160a,162aは、上部パネル166につながれ、下側端部パネル部分160b,162bは、下部パネル168につながれる。次に、ジッパー154が、上側側部パネル部分を下側側部パネル部分に接合し、上側端部パネル部分を下側端部パネル部分それぞれに接合する。

加えて、上側側部パネル部分156a,158a及び上側端部パネル部分160a,162aはそれぞれ、ジッパーが閉じられているときにジッパーの上を覆うように延在する布からなるフラップ又はパネル170,172(2つしか示されていないが、他の側部及び他の端部も同様のフラップ又はパネルを有することは理解されるべきである)を含むことができる。例えば、フラップは、折り畳まれた輪状の布地によって形成され、上側端部パネル部分及び上側側部パネル部分を形成するのに使用されるのと同じ布地を含むことができる。このようなかたちにおいて、フラップ170及び172はそれぞれ、ジッパーを通って液体が侵入するのを制限するように、ジッパーの上を覆って撥部(watershed)を形成する。

例示説明されている実施形態では、各側部及び頭端部は、折り重ね部174をさらに含む。折り重ね部174は、クッション層の高さが増すと、カバー114の上部がクッション層の上面と共に上昇することを可能するように、折り重ねが広げられ(又は少なくとも部分的に折り重ねが広げられ)、そしてまた、カバー114の上部が概ね滑らかさを維持すると共にクッション層の上面への支障を側部によって取り除いた状態でカバー114の上部が移動することも、可能にする。このようなかたちにおいて、クッション層の高さが増すとき、例えば患者を体位変換するためにクッション層が上げられるときに、側部及び頭端部は、非拡張形態から拡張形態に折り重ねが広げられる。さらに、クッション層の高さの増加に応じて、折り重ね部のうちの1つの一部のみが部分的に折り重ねを広げることもあるということを理解されたい。

例示説明されている実施形態では、折り重ね部は、上側側部パネル部分及び上側頭端部パネル部分に設けられる。例えば、折り重ね部は、上側側部パネル部分及び上側頭端部パネル部分を形成する材料から作製されることができ、又は、例えば縫い付け若しくは溶接などによって付着させられる別個のパネル材若しくはシート材によって形成されることができる。

任意に選択されることであるが、折り重ね部は、クッション層の高さが減少するときにその非拡張形態に概ね戻るように、非拡張形態に付勢されることができる。「非拡張形態に概ね戻る」とは、折り重ね部が、全く同じ折り重ね形態をとり得るのではなく、元の非拡張形態に概ね似た非拡張な折り畳まれた形態に戻ることを、意味する。

例えば、図12及び図13を再び参照すると、折り重ね部は、1つ以上の弾性的なストランド176によってその非拡張形態に付勢されることができる。好適な弾性的ストランドは、布で覆われた弾性紐又はゴム紐の形態、例えば、バンジーの形態とすることができる。1つ又は複数のストランドが、上部パネルと下部パネルとの間に延在することができる。例示説明されている実施形態では、ストランド176は、上側ストラップ又はパネル178及び下側ストラップ又はパネル180に縫うように通される。これらストラップ又はパネル178及び180はそれぞれ、上部パネル166及び下側側部パネル部分156b,158bに対して、並びに、下側頭端部パネル部分160bに対してつながれる。例えば、パネル178は、材料に応じて、接着剤、着脱可能な留め具(例えば、フック及びループ式のパッチ[例えば、ベルクロ(VELCRO)(登録商標)パッチ]若しくはスナップなど)、縫い付け又は溶接によって、上部パネル166に固定されることができる。下側パネル180は、ジッパー154の上側部分154aにつながれ、その結果、ジッパーの上側部分がジッパー154の下側部分154bと結合されたとき、ストランド176は、カバー114の上部パネル166と下部パネル168との間に延在し、それにより、折り重ね部174を付勢する。このようなかたちにおいて、マットレスの上側が下側に対して上昇すると、1つ又は複数のストランドが伸ばされ、マットレスの上げられている側に隣り合う上側側部パネル部分にある折り重ね部174が、少なくとも部分的に折り重ねを広げる。マットレスがもはや上げられた状態ではなくなり、且つ1つ又は複数のストランドが非上昇位置に戻すように上部パネル166を引き寄せるときには、1つ又は複数のストランドはまた、上側頭端部パネル部分及び上側側部パネル部分の折り重ね部(縮んでいる側のものである)を、それらの非拡張形態に概ね戻るように、付勢もする。

再び図12を参照すると、ストランド176は、パネル178及び180に取り付けられたグロメット182に縫うように通されることができ、さらに、その端部では、紐係止体(cord lock)又は樽状係止体(barrel lock)176aによってパネル178及び180に固定される。パネル178及び180の複数のグロメットを縫うように通る1本のストランドによって形成されているように図示されているが、2本以上のストランドが用いられてもよいということを理解されたい。

体位変換を行う間においてカバー114の角部を維持することをさらに促進にするために、例えば、各角部は、維持アンカー又は維持固定アセンブリ190を組み込むことができる。任意に選択されることであるが、角部の維持固定を促進にするために、角部は、補剛又は補強を受けることができる。例えば、図15に最もよく示されているように、維持固定システム190は、プラスチック管などの補強部材192を含み、この補強部材192は、角が丸められた形状を伴って構成されている。補強部材は、上部パネル166に取り付けられることができ、例えば、補強部材192を挿入可能なチャネルを形成する1つ又は複数の輪状材の中に入れて、取り付けられることができる。次いで、1つ又は複数の輪状材は、例えば縫い付け、接着剤又は溶接などの手段によって、ストラップ196などの複数の縛り付け具(tie down)に取り付けられることができる。そして、これらのストラップ196は、それらの反対側の端部において、縫い付け、溶接、解除自在な留め具(フック及びループ式ファスナ又はスナップなど)のいずれかによって、下側カバー部分152に、例えば下部パネル168に、固定される。このようなかたちにおいては、クッションシステムが1つ又は複数の体位変換空気袋によって上昇させられるとき、持ち上げられている側の角部は、ストラップ196の長さによる制御を受けるので、固定された高さに概ね留まる。ストラップ196は、非伸縮であってもよく、幾分限定された弾性を有してもよく、又は、両方を組み合わせたものが用いられもよい。例えば、角部に近いストラップ又は縛り付け具は、非伸縮性とすることができ、その一方で、側部に位置する縛り付け具又はストラップが、幾分かの弾力的な特性を有することができる。

上述のように、寝台体130は、布地の層で包まれる又は覆われることができる。布地はまた、ストランド及び縛り付け具から発泡体を保護することもできる。これらストランド及び縛り付け具は、保護がなされない場合は、発泡体に摩耗箇所を形成もし得る。

図16〜図18を参照すると、患者支持体110は、任意に選択されることであるが、空気袋層126の頂部の上にクッション層198を組み込むことができる。例えば、例示説明されている実施形態では、クッション層198は、頭端部クッションとして構成されることができ、ストラップ200によって空気袋層126の頭端部に固定されることができる。クッション層198は、発泡ウレタンのような柔軟な発泡体から形成されることができる。好適な発泡ウレタンは、約1.13kg(2.5ポンド)密度で発泡された発泡ウレタンを含む。

クッション層198は、高くなった又は勾配がある脇部198a,198bをもたらすように輪郭付けられている。なお、脇部198a,198bは、特に体位変換中において、患者の頭部を抱きかかえ且つ頭部の支持を補助する。クッション層198の中央部分198cは、概ね平坦とすることができる、又は、滑らかな湾曲を伴って脇部へ移行する僅かに窪んだ領域を形成することができる。空気袋層126の頭端部により近くにあるクッション層198の上側端部は、わずかに高くされることができ(図19A〜図19C参照)、その一方で、患者の首の下に概ね位置が合うことになる下側端部もまた、僅かに高くされることができる。このようなかたちにおいては、患者の頭部は、クッション層198によって抱きかかえられる。

クッション層198を貫通して延在するストラップ200によってクッション層198を空気袋層126に固定すること(任意に選択される構成のための図19A〜図19Cを参照)に加えて、クッション層198の下面が、空気袋層126の1つ以上の空気袋126aの表面トポロジーにならい、それによりクッション層の位置をさらに固定するようにも、クッション層198は構成されることができる。例えば、図19A〜図19Cを参照すると、クッション層198の下側は、1つ以上の凹部198dを有することができ、これら凹部198dは、例えば、発泡体の下面に形成される。これら凹部198dは、空気袋のうちの1つ以上の空気袋の表面トポロジーに概ねならう。その結果として、下面は、部分198eも形成する。部分198eは、空気袋のうちの少なくとも2つの間に延在するように下面から垂下し、それによってクッション層198と空気袋層との間に機械的な連結を形成する。

図19Dに最もよく示されているように、任意に選択されることであるが、空気袋層126は、右側空気袋及び左側空気袋を形成するように、拡大した空気袋126bを頭端部に含む。加えて、各空気袋126bは、フック及びループ式(例えば、ベルクロ[登録商標])パッチなどの解除自在な留め具202を含むことができ、留め具202は、クッション層198の下側に設けられる同様のパッチに係合してクッション層198を所定の位置にさらに固定する。

図19A〜図19Cを再び参照すると、ストラップ200は、クッション層198の一部の周りにループを形成することができ、そして、このループは、例えば、空気袋層126の下部に固定される。図示されるように、クッション層198は、ストラップ200に通過させてクッション層を所定の位置に固定するようにクッション層に形成される1つ以上のチャネル198fを、含むことができる。

加えて、図16に最もよく示され且つ図16から最もよく分かるように、クッション層198の側部198gは、空気袋層126の側部の形状にならうように構成されることができる。その結果、2012年9月5日に出願され且つ「PATIENT SUPPORT(患者支持体)」と題する同時係属中の米国特許出願第61/697,010号明細書(代理人整理番号がSTR03A P−405である)に記載されるように、クッション層198は、発泡体寝台体に機械的に連結されることもできる。それ故、クッションシステムは、機械的に相互接続又は連結された一連の層をもたらし、それにより、クッションシステムが一緒に動作して患者への支持をもたらすことができる。

図20を参照すると、参照符号210は、本発明の患者支持体の別の実施形態を全体として指し、この患者支持体は、この特定の実施形態では病院ベッドである患者支持器具212上で支持されるように図示されている。しかしながら、患者支持器具212は、病院ベッド以外の他の形態をとることができ、限定されるものではないが、例えば、長期療養用ベッド、折り畳み式簡易ベッド、ストレッチャ、手術台及びガーニなどの形態をとることができる。さらに、患者支持器具212は、市販されており且つ患者支持体210のための支持機能を単にもたらすに過ぎない従来の支持器具とすることができる。

例えば、患者支持器具212は、この患者支持器具212内に一体化された1つ以上の制御部を含むことができ、これら制御部は、患者支持体210の1つ以上の機能を制御するのに使用される。例えば、患者支持器具212の柵の上に配置又は柵に一体化されるユーザインターフェイスとの間の電気的な接続を確立するために、電気コネクタが設けられることができる。ユーザインターフェイスは、様々な異なる形態をとることができ、例えば、これらに限定されるわけではないが、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)、複数のボタン、スイッチ、つまみなど、又は、使用者が患者支持体210の動作を制御することを可能にするこれらの要素によるいかなる組み合わせの形態もとることができる。ユーザインターフェイスと患者支持体210との間の接続は、様々な形態をとることができ、これらの形態は、フットボードから患者支持体210にまで延在する直接的な電気ケーブルを含むもの、例えば、ベッドのフレームの上又は中で支持される回路にユーザインターフェイスを電気的に接続する電気コネクタを用いることによるもの、及び/又は、下記の文献に開示されるものなどの無線通信によるものとすることができる。なお、上記開示文献とは、2013年3月14日に出願された同一出願人による米国特許第出願第13/802,855号明細書である。この文献は、Michael Hayesらを出願人とし、「COMMUNICATION SYSTEMS FOR PATIENT SUPPORT APPARATUSES(患者支持器具用の通信システム)」と題し、その開示内容全体が、参照により本明細書に援用される。好適な病院ベッドの例となるさらなる詳細については、下記の文献に記載されるベッドを参照されたい。上記文献とは、米国特許第8,006,332号明細書、米国特許第7,690,059号明細書、米国特許第7,805,784号明細書、米国特許第7,962,981号明細書及び米国特許第7,861,334号明細書である。これら文献は、ミシガン州、カラマズー(Kalamazoo)のStryker Corporationによって共通して所有されており、これら文献の全体において、参照により本明細書に援用される。

図20Aを参照すると、患者支持体210は、複数の空気袋226a,226bを有する空気袋層226を含み、複数の空気袋226a,226bは、患者の腿部、臀部、背中及び頭部への支持をもたらす。上述のように、空気袋層226は、患者の踵部への支持を与えるゲル層と、空気袋層及びゲル層の両方を支持もし他の機能をもたらしもする発泡体寝台体と共に、組み合わせて用いられることができる。好適なゲル層及び発泡体寝台体のさらな詳細については、本明細書における援用される特許出願文献と、以下に示される任意に選択され得るさらなる詳細とを、参照されたい。

図24を参照すると、空気袋層226は、上部シート228及び下部シート230から形成されることができる。図22及び図23に最もよく示されているように、上部シート228及び下部シート230aは、空気袋226a及び226bを形成するように、そしてさらに、複数の区分ゾーンを形成するかたちで、例えば接着剤又は溶接などによって、互いに接合される。例えば、例示説明されている実施形態では、空気袋226a及び226bは、左側の頭部及び背中区分ゾーン232、右側の頭部及び背中区分ゾーン234、左側の臀部区分ゾーン236及び右側の臀部区分ゾーン238に、グループ分けされる。

再び図24を参照すると、空気袋226a及び226bは、まず、例えば熱成形によって、広がった形態で形成され、次いで、下部シート228と接合される。広がった形態で形成されるとき、各空気袋は、「ポッド状体(pod)」を形成する。ポッド状体は、六角形状断面を伴って構成される。その結果、これらポッド状体は、例えば丸くなった形状つまり缶形状の空気袋よりも接近して互いの間にぴったりとはまることができ、さらに、これらポッド状体は、縁部が一列に並ぶのではなく代わりに隣り合う空気袋間でずらされるように、配置構成されることができる。このことは、援用される特許出願文献に記載されるように、患者が各空気袋の縁部に気付くことをよりできにくくし、それ故患者の快適性を向上させる。

図22を参照すると、空気袋226a及び226bは、上記で説明されたような制御システムにより制御される空気圧系統240によって、膨張される。例示説明されている実施形態では、空気圧系統240は、複数の供給管242を含む。供給管242は、空気袋層226の下で延在し、そして、空気袋層の区分ゾーンのそれぞれにカプラー246aを介してつながり且つ連通する。なお、カプラー246aは、空気袋層226に設けられた入口ポート248aに接続されている。その結果、各区分ゾーンは、別々に且つ独立して膨張されることができる。供給管242はまた、発泡体寝台体の下にある体位変換空気袋にもつながっている。加えて、制御システムは、複数の検知管244を含むことができる。これら検知管244は、空気袋層226の下で延在し、そして、空気袋層の区分ゾーンのそれぞれにカプラー246bを介してつながり且つ連通する。なお、カプラー246bは、空気袋層226に設けられた入口ポート248aに接続されている。その結果、各区分ゾーンにおける圧力は、空気袋から離れて取り付けられるセンサによって、例えば、制御部の区画つまり上述のポンプボックスにあるセンサによって、独立して測定されることができる。さらに詳細に後述するように、空気袋層226は、供給管及び検知管を支持し且つ各区分ゾーンに案内するように適合する。それ故、任意に選択されることであるが、空気袋層は、これらの管の保持部を形成することができ、この保持部は、患者支持体の組み立てを容易にすることができる。

図22及び図23に最もよく示されているように、空気袋層226は、空気袋層226への管242及び244の取付支持のための複数の支持体250を含むことができる。例えば、支持体250は、空気袋層226の底面で又は底面に形成される又は付着させられるチャネルによって構成されることができる。好適な支持体は、シート材からなるパッチから形成されることができ、これらパッチは、空気袋層226の底面で又は底面に接着又は溶接される。図25に最もよく示されているように、支持体は、例えばナイロンとする材料からなる円形のパッチ252から形成されることができ、これらパッチ252は、空気袋層226の底部若しくは下側で又は底部若しくは下側に、例えば下部シート230に、溶接部254によって付着させられる。或いは、追加のシートが、この追加のシートに取り付けられた支持体と共に、下部シートに設けられ且つ接合されることができる。支持体250が管242及び/又は管244を支持するのに用いられてもよく、管242又は244のために別々の支持体が設けられてもよいということを理解されたい。

図21、図21A、図21C及び図23を参照すると、空気袋層226は、管242及び/又は244を支持し且つ任意に選択されることであるが上記管を抱えるためのハーネス部260を、含むことができる。例えば、ハーネス部260は、上部シート、下部シート又はこれらの両方によって、形成されることができる。或いは、ハーネス部260は、例えば縫い付け、接着剤又は溶接などによって、空気袋層のシートの一方又は両方に付着させられるシート片から形成されることができる。

例示説明されている実施形態では、ハーネス部260は、空気袋層の1つのシートの延長部又はシートそれぞれの延長部から構成される。延長部は、例えばフランジ262の形態にあり、供給管を支持するように適合する。任意に選択されることであるが、空気袋層の上部シート228は、下部シート230よりも大きい厚さを有し、それにより、空気袋226a及び226bを形成するときに起こり得る引き伸ばしに適応する。例えば、上部シート(228)は、約1.02〜3.05mm(約40/1000〜120/1000インチ)の範囲の厚さ、約1.52〜0.25mm(約60/1000〜100/10000インチ)の厚さ、そして任意に選択されるものであるが約2.03mm(約80/1000インチ)の厚さを有することができる。底部シート(230)は、約0.25〜0.89mm(約10/1000〜35/1000インチ)の範囲の厚さ、約0.38〜0.76mm(約15/1000〜30/1000インチ)の厚さ、そして任意に選択されるものであるが約0.51〜0.64mm(約20/1000〜25/1000インチ)の厚さを有することができる。このようなかたちにおいては、フランジは、2つのシートのうちの厚い方のものから、又は、強度を高めるように組み合わせられた2つのシートから、形成されることができる。

図21A及び図21Cに最もよく示されているように、フランジ262は、開口部264(複数)を有することができる。供給管は、開口部264を通じて経路を定められることができ、又は、開口部264を通過することができる。開口部264は、供給管を所定の位置に保持するようにサイズ決めされている。例えば、開口部(複数)は、一対のスリットを含むことができる。一対のスリットは、スリット同士の間にループ部266を形成するように間隔をあけて配置され、これにより、ループ部は、管を所定の位置に摩擦により保持することになる。任意に選択ものであるが、管242と管244とによる対それぞれが、例えば図21Cに示されるように、同じ開口部内で支持されることができる。或いは、フランジ262は、各管を別々に支持するように異なるサイズの開口部を有することができる。

上述のように、空気袋層226は、例えば、互いに接合される2つのシートによって形成される。これらシートは、分離した空気袋による配列を形成するように、それぞれの周縁の周りで、及び、空気袋すなわちポッド状体のそれぞれの周りで、接合されることができる。参照した特許出願文献に記載されるように、シートにおける少なくとも幾つかの領域は、隣り合う空気袋の幾つか又は全ての間に流体通路を形成するように、接合されないまま残される(例えば、図22参照)。その結果、通路網が、空気袋の少なくとも幾つかの間を空気が流れるのを可能にするように、空気袋層に形成されることができる。このことは、空気袋を膨張させるため及び空気袋内の圧力を所望の圧力値に維持するために要する配管の量を減らす。後述するように、上記の空気通路又は配管を通じて互いに連通しているという点で、複数の空気袋が一緒にまとめられてクループ分けされることができ、それにより、空気袋が、区分ゾーンを形成する。加えて、図21Bに示されているように、空気袋層226は、複数の横断開口部268を含み、これら横断開口部268は、空気袋層の下から空気袋層を通過して空気が流れることを可能にするように、空気袋226a同士の間に位置する。

上述したように、空気を空気袋226a及び226b並びに体位変換空気袋(ここでは図示せず)に送達するために、支持体210は、複数の供給管242と複数の検知管244を有する制御システムとを備えた空気圧系統240を含む。供給管242は、記載したように、空気袋層226によってつなぎ付けられ、それにより、空気圧系統のポンプへ指向されることができる。ポンプは、P405及びP400で記載されるように、ゲル層及び発泡体寝台体の下側にある支持体の足端部での区画内で支持されることができる。加えて、検知管244は、同様につなぎ付けられ且つセンサに指向されることができ、上記区画内に取り付けられることもできる。上記センサは、閉ループフィードバック制御システムの一部を形成するように各区分ゾーンの圧力を検知する。閉ループフィードバック制御システムについては、「INFLATABLE MATTRESS AND CONTROL METHODS(膨張可能なマットレス及び制御方法)」と題し且つ2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/836,813号明細書に、さらに詳細に記載されている。上記文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。

それ故、患者支持体210は、組み立てられると、支持体210の上に横たわっている患者の支持を向上するように圧力再分散システムをもたらすクッション層を含むだけではなく、任意に選択されることであるが、膨張及び制御のシステムの空気圧管のためのライン管理システムを提供もする。患者支持体210は、ゲル層の代わりに、足部区分ゾーンに1つ以上の空気袋を含むように変更を受けることができ、それ故、これらの空気袋内の空気圧が、頭部及び背中セクションの空気袋並びに腿部及び臀部セクションの空気袋を制御するのと同じシステムによって、監視及び制御を受けることできるということを理解されたい。

図26〜図30を参照すると、空気袋層226及びゲル層328は、発泡体寝台体340によって支持される。寝台体340は、継手部342で互いにつなぎ合わされる頭/胴体側部分344及び足側部分346を含む。継手部342は、発泡体寝台体340のゲル側及び足側の部分が頭/胴体側部分に対して上昇されるのを可能にするように(又は逆に頭/胴体側部分が足側部分に対して上昇されるのを可能にするように)構成されている。図28に最もよく示されているように、継手部342の一方の側は、ライン管理チャネル348を有する凹部領域を含むことができる。ライン管理チャネル348は、例えば、CPR弁352を介して、供給管242を空気袋層226から空気マニホールド350に方向付ける。空気マニホールド350及びCPR弁352は、任意に選択されることであるが、足側部分で、発泡体寝台体の足端部部分の真下に位置する制御区画(又はポンプボックス)に、位置付けられる。そしてまた、ライン管理チャネル348は、検知管244を、同様に制御区画内に位置するセンサに方向付ける。加えて、発泡体寝台体340は、ライン管理の目的で発泡体寝台体の側部それぞれの中に延在するチャネル354(図28)を含むことができる。

図28及び図29を参照すると、継手部342は、相補的な段付きプロファイルによって形成され、このプロファイルは、発泡体寝台体340の頭/胴体側部分344上にある楔形のブロック342aと、発泡体寝台体340の足側部分346上に形成される角度を付けて曲げられたブロック342bとによって、形成される。これらのブロック342a及び342bは、ベルクロ(登録商標)パッチ358のような解除可能な留め具によって、連結され、その結果、足側部分346は、制御区画へのアクセスを可能にするように、頭/胴体側部分344から切り離されることができる。さらに、パッチの少なくとも幾つか接続されない場合、継手部342はヒンジを形成することができる。

図26、図28及び図30から最もよく理解して見られるように、継手部の足側の部分は、継手部の頭/胴体側の部分の上に被さるように延在し且つ頭/胴体側の部分とぴったりとかみ合い、そしてさらに、ゲル層を支持する。その結果、継手部の足側の部分は、空気袋層の空気袋ともぴったりとかみ合い、そして、留め具の位置が合い且つ留め具同士が連結すると、頭/胴体側の部分に接続される。継手部342の足側はさらに、継手部342の足側の2つのセクションによって形成されるヒンジ346を含む。この2つのセクションは、不織布材及び接着界面によるシートを介してゲル層328によってつながれることができる。不織布材及び接着界面によるシートは、ヒンジとして作用し、それにより、足側部分346は、ヒンジ345を中心に枢動することができ、そのとき、頭/胴体側部分344の上に被さるように裏返されることができる(図30)。ヒンジを形成するためには、不織布材及び接着性コーティング又は接着性層によるものであり且つゲル層328を発泡体寝台体の足側部分に付着させるシートは、2つのセクションに分割されるように切断され、そして、シートの一方のセクションが、ゲル層と発泡体寝台体の足側部分の第1のセクションとに付着され、シートのもう一方のセクションが、ゲル層と発泡体寝台体の足側部分の第2のセクションとに付着される。その結果、ゲル層は折り曲げられることができ、それ故ヒンジを形成することができる(図30参照)。

上述したように、送風ユニット(複数)は、発泡体寝台体内で支持されることができ、さらに、ブロック342aとブロック342bとの間に形成される凹部内で支持されることができる。任意に選択されることであるが、発泡体寝台体の足側部分346は、剛性のある支持体360を、例えばプラスチックのフランジ付きのチャネル(複数)の形態で、組み込むことができる。チャネルは、送風装置の上方で送風装置と位置が合い且つ送風装置を覆い、それにより、発泡体から干渉を受けないように送風装置を保護する。さらに、チャネルは、ウェブによって互いにつながれることができ(図30参照)、それにより、チャネルは、発泡体寝台体の頭/胴体側部分から足側部分の下にまで継手部を通って延在する配管に対して、保護をもたらしもする。ゲル層328及び寝台体340のさらなる詳細については、上述したゲル層及び発泡体寝台体を参照されたい。

よって、本発明は、膨張可能な支持空気袋をマットレスに設ける患者支持体を、患者支持体の組み立て及び取り扱いを容易にする任意に選択され得るライン管理システムと組み合わせて、提供するものであり、膨張可能な支持空気袋は、患者のマットレスの表面への沈み込みを向上し、それ故、患者への圧力分散を向上する。独立し且つ分離した空気袋の配列を有することによって、x軸及びy軸の両方でよりバランスの取れた接触(図10参照)が達成できることが分かった。さらに、支持空気袋によるユニット式の特徴があると、配管の必要性が著しく低減でき、一部の機能の必要性が排除できる。

本発明のいくつかの形態が図示され説明されてきたが、当業者であれば、他の変更及び変形を認識するであろう。それ故、図面に示され上記で説明された実施形態は、単に例示を目的とするものに過ぎず、均等論を含む特許法の原理の下で解釈されるような特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。

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