患者の血液を治療する方法、装置、およびシステム

申请号 JP2014531271 申请日 2012-09-25 公开(公告)号 JP5955390B2 公开(公告)日 2016-07-20
申请人 フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; Fresenius Medical Care Deutschland GmbH; 发明人 メドラーノ ギリェルモ;
摘要
权利要求

血液治療装置(1)の作動方法であって、 前記血液治療装置(1)が、設定可能な除去率で患者(2)の血液から水を除去する工程と、 前記血液治療装置(1)が、前記患者(2)が立位、臥位、座位のいずれに近い姿勢であるかを決定する工程と、 前記血液治療装置(1)が、前記患者(2)の決定された前記姿勢に応じ、前記水除去率の設定、制御および規制の少なくとも1つを行なう工程と、 を含んでいる、 作動方法。前記患者(2)の姿勢を決定する工程は、患者ベッド(3)と患者椅子の少なくとも一方に搭載されたセンサ群(40、42、44)、前記患者(2)に配置されたセンサ群、および前記患者(2)を監視するセンサ群の少なくとも1つによる評価により、前記患者ベッド(3)上、前記患者椅子上、および前記患者(2)自身の少なくとも1つで行なわれ、 前記センサ群は、位置センサ(40、42、44)、光センサ、および撮像センサ(46)の少なくとも1つである、 請求項1に記載の作動方法。前記血液から水を除去する工程は、腹膜透析により行なわれ、 前記水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つを行なう工程は、透析液腹腔に導入される前に、当該透析液中に溶解した物質の濃度の設定、制御、および規制の少なくとも1つにより行なわれ、 前記物質は、グルコースとデキストリンの少なくとも一方である、 請求項1または2に記載の作動方法。前記腹腔内に導入された前記透析液は、前記患者(2)の姿勢が変化すると、溶解物質濃度が異なる透析液で置き換えられる、 請求項3に記載の作動方法。前記血液から水を除去する工程は、限外濾過により行なわれ、 前記水除去率は、限外濾過率(UFR)により設定可能であり、 前記限外濾過率(UFR)は、決定された前記患者(2)の姿勢に応じて、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれる、 請求項1から4のいずれか一項に記載の作動方法。前記限外濾過率(UFR)の設定、制御、および規制の少なくとも1つは、透析フィルタの下流に配置されたホース巻きポンプ、ギアポンプ、ダイアフラムポンプ、およびインペラにおける前記限外濾過中のポンプ流量の設定、制御、および規制の少なくとも1つにより行なわれる、 請求項5に記載の作動方法。前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、前記立位に近い姿勢の患者(2)に対する値よりも、前記臥位に近い姿勢の患者(2)に対する値が高くなるように、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれる、 請求項1から6のいずれか一項に記載の作動方法。前記患者(2)の姿勢は、前記患者ベッド(3)と前記患者椅子の少なくとも一方において動作するアクチュエータにより調節される、 請求項1から7のいずれか一項に記載の作動方法。前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、治療の開始時の方が当該治療の後続部分よりも高い値となるように、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれる、請求項1から8のいずれか一項に記載の作動方法。前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、第1治療フェーズにおいてのみ、前記患者(2)の姿勢に応じて設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれ、第2治療フェーズにおいては一定に保たれ、 前記第1治療フェーズは、所定の液体量の半分(UFG/2)が引き出されるまでに終了する、 請求項1から9のいずれか一項に記載の作動方法。前記患者(2)の姿勢に応じて設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれた前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、所定の水除去率(好ましくは所定の限外濾過率UFRSET)から、所定の差分(UFR+)の上昇と下降の少なくとも一方が行なわれ、 前記所定の差分(UFR+)は、前記患者(2)の臥位と実質的な立位との間で生ずると想定される血漿量変化に基づいて得られる、 請求項1から10のいずれか一項に記載の作動方法。前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率UFR)は、まず一定の治療時間(tUFR±)の間、所定値(UFR+)だけ上昇されることにより、上昇された水除去率(好ましくは限外濾過率UFR=UFRSET+UFR+)となるように設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれ、立位により近い姿勢を患者がとった場合に、前記治療時間(tUFR±)の間、前記所定値(UFR+)だけ下降されることにより、下降された水除去率(好ましくは限外濾過率UFR=UFRSET−UFR+)となるように設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれる、 請求項1から11のいずれか一項に記載の作動方法。血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、および血漿吸着法の少なくとも1つにおいて行なわれる、 請求項1から12のいずれか一項に記載の作動方法。患者(2)の血液を治療する装置(1)であって、 設定可能な水除去率で前記患者( 2)の血液から水を除去する手段と、 前記患者(2)が立位、臥位、座位のいずれに近い姿勢であるかを決定する姿勢決定手段(40、42、44、46)と、 前記患者(2)の決定された前記姿勢に応じ、前記水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つを行なうデータ処理装置(5)と、 を備えている、 装置。前記姿勢決定手段は、患者ベッド(3)と患者椅子の少なくとも一方に搭載されたセンサ群、前記患者(2)に配置されたセンサ群、および前記患者(2)を監視するセンサ群の少なくとも1つにより構成されており、 前記センサ群は、位置センサ(40、42、44)、光センサ、および撮像センサ(46)の少なくとも1つにより構成されている、 請求項14に記載の装置。患者ベッド(3)と患者椅子の少なくとも一方において動作するアクチュエータを備えており、 前記アクチュエータにより、前記患者(2)は自身の姿勢を独で調整できる、 請求項14または15に記載の装置。前記データ処理装置(5)は、限外濾過率UFRの設定、制御、および規制の少なくとも1つを行なうように構成されている、 請求項14から16のいずれか一項に記載の装置。請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行する制御手段を備えている、 請求項14から17のいずれか一項に記載の装置。前記血液治療装置(1)は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、および血漿吸着法の少なくとも1つを行なうように構成されている、 請求項14から18のいずれか一項に記載の装置。請求項14から19のいずれか一項に記載の装置(1)と、 血液治療中の前記患者(2)を支持するための患者ベッド(3)と患者椅子の少なくとも一方と、 を備えている、 血液治療システム。

说明书全文

本発明は、患者の血液を治療する方法に関する。また、本発明は、患者の血液を治療する装置およびシステムに関する。

患者の血液を治療する(特に患者の血液からを除く)様々な方法が知られている。

例えば、血液透析においては、患者の血液は体外血液循環路において浄化される。体外血液循環路は、透析装置を含んでいる。透析装置は、血液室と透析液室を備えている。患者の血液は、血液室を通過する。血液室と透析液室は、半透過性膜によって隔てられている。血液透析中は、透析液流が透析液室を通過し、患者の血液流が血液室を通過する。透析液と患者の血液の間の濃度勾配に基づく拡散により、対応する物質が当該半透過性膜を通じて輸送される。

腹膜透析は、患者の体外ではなく体内で行なわれる血液治療法である。腹膜透析においては、患者の腹壁を通じて案内されたカテーテルを通じ、腹腔が透析液で満たされる。当該透析液は、患者自身の体液に対して適切な濃度を有する。

体内の毒素は、透析膜として機能する腹膜を通じて腹腔内の透析液に移行する。普通は数時間の経過後に、患者の腹腔内の使用済み透析液は交換される。また、血液と透析液間における可溶性物質の濃度勾配により、患者の血液から水が除去される。そのため、透析液は、例えばグルコースやデキストリンなどの物質の濃度が高められている。これらの物質の濃度は、混合装置(ポンプ、弁、混合室)により設定可能とされうる(例えば、徐々に濃度が増すように)。これにより、所望の水除去が行なわれうる。この治療法の少なくとも一部を自動化するために、特定の機器が実用化されている(例えば、フレゼニウスメディカルケア社の「スリープセーフ」ユニット)。

患者に腎不全が発症すると、例えば上記の手法のいずれかによる血液治療が必要となる。この場合、患者の血液から老廃物(尿素、クレアチン、尿毒症毒素など)を除去するために透析の実施が必要である。また、透析中においては、通常は尿素により排出されるべき過剰水などの物質が、患者の身体から除去される。

広く普及している透析法は、体外血液透析である。当該手法においては、患者の血液は透析膜に沿って流れ、透析液は当該半透過性の透析膜の逆側を流れる。当該手法の大半の場合において、透析液と血液は逆向きに流れる。

この半透過性膜を通じて、患者の血液からの除去対象である物質は、血液と透析液の間の濃度勾配によって当該半透過性膜を通じて拡散し、患者の血液から取り除かれる。血液側から透析液側への流れによって、非常に低い拡散速度を有する大型分子も、当該半透過性膜を通じて対流的に輸送される。

したがって、血液から除去される特定の物質の体外血液透析用の透析液における濃度は、当該物質の濃度が血液側から透析液側に向かって適切な勾配を生じるように定められることが普通である。

血液濾過として知られる別の方法においては、透析フィルタの膜を横切る向きの圧勾配により、特定の物質が濾過される。したがって、この方法においても同様に、ある圧力勾配において対応する物質が膜により血液から濾過除去されるように、半透過性膜の空隙率と透過性の少なくとも一方が設定される。しかしながら、分子の大きさは様々である。そのため、血液濾過においては、圧力勾配により半透過性膜を通じて拡散するべき比較的大きな分子の物質に加え、血液組成に生理学上必要な物質までもが血液から濾過除去されてしまうことが明らかである。例えば、電解質は血液濾過により血液から除去される。したがって、血液濾過においては、過剰に除去された物質や液体は、透析フィルタを通過した後に、代替注入液によって患者の血液に再導入される。

これらを組み合わせた手法が存在し、血液透析濾過として知られている。当該手法においては、上述の血液透析ステージと血液濾過ステージが、並列的あるいは直列的に体外循環路に設けられている。

透析療法においては、通常は尿素により排出されるべき物質の除去に加え、水の過剰分が患者の血液と身体の少なくとも一方から除去される。透析膜を横切る圧力勾配による患者の血液からの水の除去は、限外濾過とも呼ばれる。この限外濾過を発生させるために用いられる圧力勾配は、透析液側における各透析フィルタの下流に配置された限外濾過ポンプにより発生されることが多い。

また、血液治療の実施中においては、治療を阻害しないように(特に患者の心臓血管系に過剰な負荷をかけないように)、患者は安静状態とされることが好ましい。特に大量の除去(すなわち、患者の血液からの大量の水の除去)により、心臓血管系に大きな負荷が生じ、極端な場合は急性低血圧症に至ることがある。これを防止するために、患者は安静状態を保たれることが好ましい。

例えば血液治療装置を備える患者ベッドにより、血液治療中に患者の姿勢を維持することが知られている(特許文献1を参照)。当該患者ベッドは、普通は数時間続く血液治療中において適度に快適な座位や臥位を患者に提供するように構成されている。

独国特許出願公開10141053号公報

したがって、本発明の基礎をなす目的は、患者の血液を治療する方法、装置、およびシステムを提供するに際して心臓血管関連の合併症の発生をさらに抑制することにある。

上記の目的は、独立請求項に係る方法および装置によって達成される。当該方法および装置の有利な実施形態は、各従属請求項より得られる。

すなわち、患者の血液を治療する方法は、設定可能な水除去率で患者の血液から水を除去するステップを備えている。本発明によれば、患者の姿勢が決定され、決定された患者の姿勢に応じ、水除去率の設定、制御および規制の少なくとも1つが行なわれる。

ここで、水除去率とは、単位時間あたりに患者の血液から除去される液体の量を意味し、特に単位時間あたりに患者の血液から除去される水の量を意味する。適用される血液治療法(血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、および血漿吸着法の少なくとも1つ)によっては、血液からの水除去が限外濾過によりなされる場合、水除去率は限外濾過率と実質的に等しい。

液体除去率や水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つができるだけ正確に遂行できるようになることは、合併症や液体除去に係る問題(心臓血管に係る問題など)が患者に生じることを可能な限り防止あるいは制御するために、透析において非常に重要である。他方、最適な水除去率を各患者の状態に合わせて適用できれば、水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つを行なうことにより、比較的迅速な透析処理が達成されうる。

水の除去により、血漿量の低下が生ずる。患者の各人体組織は、間質腔から血漿の補給がないと、心臓の充満圧が次第に低下し、血圧が下がる。よって、水除去率を高く設定すると、このような現象が起こりやすくなることがわかる。ここで血液の量とは、血漿の量と赤血球の体積からなる血液の総量とみなされる。血圧の低下が過ぎると、治療中の患者に急性低血圧症が生ずる。

患者の姿勢が血漿の量に影響を与えることが知られている。具体的には、血漿量は臥位の場合に増加し、逆に座位や立位の場合に減少する。したがって、一定の水除去率で治療を受けている患者が治療中に臥位から起き上がった場合、血圧の急激な低下を経験する事態が起こりうる。すなわち、患者の姿勢は、血漿量に直接影響を及ぼす。

課題を達成するための上述の手段、すなわち、設定可能な水除去率で患者の血液から水が除去される血液治療法において、患者の姿勢を測定し、当該患者の姿勢に応じて水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つを行なうことにより、例えば当該患者がベッドから起き上がったり立ち上がったりした場合に、これに対応して水除去率が下降されるといった効果が得られる。

したがって、患者の姿勢変化に起因する心臓血管に係る問題の発生が、抑制あるいは回避されうる。上述の血液治療法によれば、重度の低血圧症状態が患者に生ずること、特に急性低血圧症が患者に生ずることが抑制あるいは回避されうる。

患者の姿勢の決定は、患者ベッド上、患者椅子上、および患者自身の少なくとも1つで行なわれる。患者の姿勢は、患者ベッドと患者椅子の少なくとも一方に搭載されたセンサ群、患者に配置されたセンサ群、および患者を監視するセンサ群の少なくとも1つによる評価(特に位置センサ、光センサ、および撮像センサの少なくとも1つによる評価)によって決定されることが好ましい。

前記血液から水を除去するステップは、腹膜透析により行なわれ、前記水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つは、透析液が腹腔に導入される前に、当該透析液中に溶解した物質の濃度の設定、制御、および規制の少なくとも1つにより行なわれることが好ましい。前記物質は、グルコースとデキストリンの少なくとも一方であることが好ましい。 水除去率を患者の現状(特に姿勢)により適合させるために、前記腹腔内に導入された前記透析液は、前記患者の姿勢が変化すると、溶解物質濃度が異なる透析液で置き換えられることが好ましい。 前記血液から水を除去するステップは、限外濾過により行なわれることが好ましい。この場合、前記水除去率は、限外濾過率(UFR)により設定可能であり、前記限外濾過率(UFR)は、決定された前記患者の姿勢に応じて、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれる。

検出された患者の体位に基づく水除去の規制は、特に患者が治療の始めにおいて横たわっている場合において、透析時間の短縮を可能としうる。臥位の患者においては、血漿量が多くなることが普通であるため、水除去率が上昇されうる。治療時間が短縮されることにより、特に患者自身の腹膜がフィルタとして機能する腹膜透析の場合において、患者を保護することになる。

また、検出された患者の体位に基づいて水除去を規制することにより、当該体位が血漿量を少なくするものであれば、透析液中のグルコース濃度が低くなる。グルコース濃度が低くなることにより、腹膜に対するグルコース負荷が低下する。透析液中のグルコース濃度が高くなると、時間経過とともに腹膜に好ましくない病変が生じ、極端な場合は腹膜透析治療ができなくなることが、複数の患者間で確認されている。したがって、検出された体位に基づいてグルコース濃度が低減されることにより、患者は、より長時間の腹膜透析による治療を受けられる。

前記限外濾過率の設定、制御、および規制の少なくとも1つは、前記限外濾過中のポンプ流量の設定、制御、および規制の少なくとも1つにより(特に透析フィルタの下流に配置されたホース巻きポンプ、ギアポンプ、ダイアフラムポンプ、およびインペラにおけるポンプ流量の設定、制御、および規制の少なくとも1つにより)、有利に行なわれうる。

好ましい変形例においては、前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、臥位よりも起き上がった姿勢の患者に対する値よりも、臥位の患者に対する値が高くなるように、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれることが好ましい。これにより、水除去率が正確に整理条件に適合され、合併症の抑制と効率的な血液からの水除去が達成されうる。

患者がより臥位に近い姿勢をとった場合、水除去率は先の値よりも上昇されることが好ましい。また、患者がより立位に近い姿勢をとった場合、水除去率は、先の値よりも下降されることが好ましい。

そのため、姿勢の測定は、患者ベッド上、患者椅子上、患者自身の少なくとも1つで、適当なセンサ群と撮像手段の少なくとも一方により行なわれることが好ましい。

好ましい別実施形態においては、前記患者は、前記患者ベッドと前記患者椅子の少なくとも一方において動作するアクチュエータにより、自身の姿勢を調節できる。これにより、患者を可能な限り快適な状態としながら、比較的長い血液治療時間を確保できる。特に、患者は連続的かつ独力で自身の姿勢を調節可能である。患者自身により制御される体位の調節に応じて、水除去率(好ましくは限外濾過率)が同時に調節される。これにより、体位が変更されても急性低血圧症などの問題が患者に生じない。患者が自身の姿勢を自己制御できるようにすることにより、各患者に対する治療がより快適なものとされうる。

この方法は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、および血漿吸着法の少なくとも1つにおいて行なわれることが好ましい。

合併症を抑制しつつ迅速に患者の血液治療を行なうために、前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、治療の開始時の方が当該治療の後続部分よりも高い値となるように、設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれることが好ましい。ここで、過剰血漿量が治療の開始時において最大となるように、生理条件も考慮されうる。

有利な別実施形態においては、前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、第1治療フェーズにおいてのみ、前記患者の姿勢に応じて設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれ、第2治療フェーズにおいては一定に保たれる。この場合、前記第1治療フェーズは、所定の液体量の半分が引き出されるまでに終了することが好ましい。したがって、第2治療フェーズは、従来の治療と同様である。

有利な別実施形態においては、前記患者の姿勢に応じて設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれた前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率)は、所定の水除去率(好ましくは所定の限外濾過率UFRSET)から、所定の差分(UFR+)の上昇と下降の少なくとも一方が行なわれる。この場合、前記所定の差分(UFR+)は、患者の臥位と実質的な立位との間で生ずると想定される血漿量変化に基づいて得られることが好ましい。これにより、想定される血漿量変化に水除去率が適合されるため、姿勢による急性低血圧症の発生が、特に良好に回避されうる。上述の処理により、水除去率が想定される血漿量変化に対して正確に適合され、安全で効率的な水除去が遂行されうる。

処理の別実施形態においては、前記水除去率(好ましくは前記限外濾過率UFR)は、まず一定の治療時間(tUFR±)の間、所定値(UFR+)だけ上昇されることにより、上昇された水除去率(好ましくは限外濾過率UFR=UFRSET+UFR+)となるように設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれ、立位により近い姿勢を患者がとった場合に、前記治療時間(tUFR±)の間、前記所定値(UFR+)だけ下降されることにより、下降された水除去率(好ましくは限外濾過率UFR=UFRSET−UFR+)となるように設定、制御、および規制の少なくとも1つが行なわれることが好ましい。水除去率をまず上昇させてから下降させることにより、従来の手法と比較して時間が長引かないながらも、急性低血圧症の可能性が高まる点に関しては安全な治療が提供されうる。

有利な他の実施形態においては、水除去率が、従来の治療開始時に用いられていた値に対して上昇され、治療の途中においてのみ、患者の姿勢に適合される。具体的には、水除去率は、患者の傾きが特定の度を超えた場合(例えば、患者の上半身が水平面となす角度が30°を超えた場合)にのみ適合される。したがって、患者の体が完全に横を向いている場合と当該角度の間では、適合は行なわれない。

さらに、各水除去率は、患者の普段の行動(患者が起き上がって過ごしていることが多い時間帯など)も考慮して選択されうる。したがって、治療時間全体の監視を目的として、治療の開始時、および患者がより起き上がった状態の期間において、水除去率は、より起き上がった姿勢で過ごしていると思われる時間帯の予測より得られる量だけ上昇されうる。

上述の課題は、請求項14に記載の特徴を有する装置によっても達成される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。

すなわち、患者の血液を治療する装置は、設定可能な水除去率で前記患者の血液から水を除去する血液治療装置を備えている。本発明によれば、前記患者の姿勢を決定する姿勢決定手段が設けられる。前記水除去率は、前記患者の決定された前記姿勢に応じて、設定、制御、および規制の少なくとも1つが可能である。

前記姿勢決定手段は、患者ベッドと患者椅子の少なくとも一方に搭載されたセンサ群、前記患者に配置されたセンサ群、および前記患者を監視するセンサ群の少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。前記センサ群は、位置センサ、光センサ、および撮像センサの少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。

患者に高い快適性の治療を提供するために、患者ベッドと患者椅子の少なくとも一方において動作するアクチュエータが設けられる。当該アクチュエータにより、患者は自身の姿勢を独力で調整できる。

前記姿勢決定手段からの信号を評価するデータ処理装置が設けられうる。当該データ処理装置は、前記患者の決定された前記姿勢に対応して、前記水除去率(好ましくは限外濾過率UFR)の設定、制御、および規制の少なくとも1つを行ないうる。

前記血液治療装置は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、および血漿吸着法の少なくとも1つを行なうように構成されていることが好ましい。

上述の課題は、請求項20に記載の特徴を有するシステムによっても達成される。

本発明の好ましい実施形態は、以下の図面に記載されている。

患者ベッドと血液治療装置を有する、血液治療用の装置を模式的に示す図である。

従来技術に係る方法における限外濾過の進行を示す図である。

本発明の一実施形態に係る方法における限外濾過の進行を模式的に示す図である。

本発明の方法を実行するアルゴリズムの例を模式的に示す図である。

図面を参照しつつ、本発明について以下詳細に説明する。同一の参照番号は、同様または同一の構成要素を指すために用いられる。また、異なる実施形態においては、冗長性を避けるために、繰り返しとなる説明は省略する。

血液透析の例を用い、方法、装置、およびシステムについて以下例示的に説明する。この記載は、限定とみなされるべきものではない。むしろ、当該方法、装置、およびシステムは、他の血液治療(血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、血漿吸着法など)に使用されうる。

図1においては、本発明の好ましい実施形態に係る、患者の血液を治療する装置が模式的に示されている。

ここでは、血液治療装置1が、血液透析機の形態で提供されている。血液治療装置1により、患者2は、血液浄化と血液透析の少なくとも一方に供されうる。血液透析機は、水除去装置を限外濾過部10の形態で備えている。限外濾過部10は、設定可能な水除去率(限外濾過率UFR)で動作されうる。

したがって、血液治療装置1の限外濾過率UFRを設定することにより、治療中における患者2の水分除去が設定されうる。すなわち、限外濾過率UFRは、単位時間あたりに限外濾過により除去される水分の体積(UFV)に等しい(UFR=UFV/t)。一般に、水除去率は、単位時間あたりに患者の血液から除去される水の体積を指す。

患者2は、患者ベッド3に支持されている。図示の実施形態においては、患者ベッド3は、頭部分30、中間部分32、および足部分34を含んでいる。頭部分30、中間部分32、および足部分34は、相互に異なる姿勢とされうる。これにより、患者2は、図1に示す完全に横たわった姿勢(すなわち臥位)から起こされうる。例えば、患者2は、頭部分30を起こすか傾けることにより、起こされうる。これにより、当該患者の上半身は、臥位よりも立位に近い姿勢とされる。例えば、このとき足部分34は、下方に向けられうる。これにより、患者ベッド3の各部は、患者2が座位をとっているかのように(すなわち、上半身が起こされ、両脚が下方に向けられている状態で)支持する姿勢を提供する。また、足部分34は、心臓血管に問題が生じた場合に患者2の脚部から体央部へ血液を戻すために、起こされうる。

さらに、患者ベッド3は、全体としてわずかに傾けられうる。すなわち、患者2の全身が、傾斜したベッドに寝ているように傾いた姿勢とされうる。

図1に示した患者ベッド3は、基本的に公知のベッドであり、適当な調節機能を有している。患者ベッド3の各部は、患者2の姿勢を簡単に変更するために、アクチュエータ60、62、64により相互に変位される。アクチュエータ60、62、64は、電気モータ、空気圧式アクチュエータ、および油圧駆動装置の少なくとも1つの形態で提供されることが普通である。好ましい変形例においては、患者2は、自身にとって快適な姿勢をとるために、適当な制御パネル66を通じて自身でアクチュエータ60、62、64を操作できる。

好ましくは、患者ベッド3は、少なくとも起立姿勢あるいは座位に近い姿勢で使用される場合において患者2に肘掛けを提供するための腕受け部を備えている(図1には示されていない)。

図1においては、患者ベッド3は、3つの部分(すなわち、頭部分30、中間部分32、足部分34)のみからなるように示されている。しかしながら、患者ベッド3は、例えば相対調整が可能なより多くの部分を備えることによって、図1の場合よりも複雑に構成されうる。例えば、離れて配置された頭部分、調整可能な背中部分、離れて配置された足掛けなどを設けることにより、患者2がより多くの異なる姿勢をとれるようにし、血液治療中において患者2が最も快適と感じる支持を提供する。なお、血液治療は、常に比較的長い時間(普通は3〜7時間)を要する。したがって、この間に患者2が快適な姿勢をとりうるかは、患者2を良好な状態に保つ上で特に重要である。

また、図1に示された血液透析機としての血液治療装置1は、概ね従来の血液透析機であり、適当な設定ユニット12により限外濾過率UFRが設定されうる。

また、血液治療装置1は、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、アフェレーシス、血漿吸着法の少なくとも1つを行なうように構成されうる。

患者ベッド3にはセンサ群40、42、44が設けられている。センサ群40、42、44により、患者ベッド3における各部の水平面などに対する姿勢が判断されうる。さらに、カメラ46が設けられている。カメラ46もまた、患者2の現在の姿勢を判断するために用いられる。

センサ群40、42、44、46からの信号を評価することにより、データ処理装置5において患者2の水平面に対する正確な姿勢が判断されうる。当然ながら、患者ベッド3における特定の設定から患者2の姿勢が得られるための前提条件は、患者ベッド3の各部の形状に沿う姿勢を患者2がとることである。換言すると、患者2は、患者ベッド3の各部に沿って横たわる。

しかしながら、例えば図1に示した患者ベッド3の姿勢において患者2が自身で起き上がると、上半身は患者ベッド3に接触しない状態となる。すると、患者ベッド3の姿勢から患者2の姿勢が得られなくなる場合がある。しかしながら、以下の説明においては、血液治療中は常に患者2が患者ベッド3の各部に接触していることを前提とする。

これに加えてあるいは代えて、患者2の姿勢は、患者に直接配置されたセンサ群(例えば患者2により身に付けられた繊維製品に内蔵されたセンサ群)により判断されうる。

さらに加えてあるいは代えて、光センサと撮像センサ(図示のカメラ46など)が、患者2の姿勢を判断するために使用されうる。例えば、血液治療中の患者に対する光電測定やレーザ走査測定、静止画や動画の記録が、患者2の特定の状況を判断するにあたって適当である。

データ処理装置5においては、図1に示されたセンサ群40、42、44、46、および図1には示されていない適当なセンサの少なくとも一方を通じて各患者2の体位が特定される。

水除去率は、データ処理装置5において判断された患者2の姿勢に基づいて、透析機1において設定される。同様に、限外濾過率UFRは、一例として限外濾過部10を備える透析機1において設定される。

患者2の血漿量は自身の姿勢によって変化することが知られているため、限外濾過率UFRは、患者2の特定の状態に対して常に最適に適合されうる。これにより、治療を受けている患者の心臓血管系の安定性に与える悪影響が軽減あるいは回避されうる。

例えば、患者2の血漿量は、より起き上がった状態からより横になった状態になると増加し、逆の場合に減少することが知られている。

したがって、データ処理装置5により、判断された患者2の姿勢と姿勢変化の少なくとも一方に基づいて、水除去率(特に限外濾過率UFR)の設定、調整、および制御の少なくとも1つが行なわれる。

患者2の姿勢変化に応じて生ずる水除去率と限外濾過率UFRの少なくとも一方の変化は、例えば、患者2の臥位と立位の間で生ずる血漿量変化の予想量から計算されうる。あるいは、患者2の姿勢変化と統計的に判断された水除去率の適合との関係が用いられる。統計分析は、複数の患者に対して行なわれてもよいし、各患者に対して行なわれてもよい。このデータを判断するために、患者の初診時において他のパラメータ(血圧など)がモニタされる。各パラメータ同士の(患者の特定の姿勢と血圧など)相関から、適切な調整因子が計算されうる。

データ処理装置5によって判断された患者2の姿勢に基づいて、水除去率の設定、制御、および規制の少なくとも1つは、患者2の姿勢と水除去率に係る所定の数学的関係を通じて行なわれるか、特定の姿勢範囲について統計的に生成されたテーブルから読み出された読み出すことにより行なわれる。

図2は、従来技術に係る限外濾過部を備えた血液透析装置による従来の透析治療の進行を模式的に示している。上のグラフは、限外濾過の総量の時間変化UFV(t)をプロットしたものである。これにより、限外濾過量すなわち患者から取り出された液体の量が、時間経過に伴い、所望あるいは所定の限外濾過量UFGに到達するまで、ほぼ線形的に増加していることが判る。

その下に示す中央のグラフは、患者2における過剰水の量の時間変化OH(t)をプロットしたものである。各血液治療の終了時において、患者における過剰水の量OHは、ゼロにまで低下しているべきである。そして、上のグラフに反映されているように、所望の限外濾過量UFGが得られている。

最も下のグラフにおいては、限外濾過率の時間変化UFR(t)が示されている。従来の手法においては、限外濾過率は一定に保たれていることが明らかに判る。

図3は、本発明の一実施形態に係る水除去率(特に限外濾過率)の時間変化UFR(t)の進行を示している。図示の実施形態においては、限外濾過率UFR(t)が可変であることが判る。特に、治療の開始時において、限外濾過率UFR(t)は、まず時間tUFR±の間、値UFR+まで上昇される。

この心臓治療におけるごく初期段階において、患者2の心臓血管系における実質的な乱れは生じないと言える。ここでは、血漿の量はまだ最大値をとっているからである。したがって、水除去率や限外濾過率UFRの上昇に伴う血漿量の低下は、急性低血圧症を引き起こさない。加えて、治療の開始時には、患者2は臥位をとっていることが普通である。

時間tUFR±は、より起き上がった姿勢(水平面に対して上半身を30度より大きく傾ける姿勢など)を患者が通常とる時間として、統計的に定められた時間である。時間tUFR±は、特定数の異なる患者の統計から定められるか、各患者2の以前の治療より定められうる。なお、透析患者は、週に2、3回透析治療を行なうことが普通である。したがって、各患者について十分なデータベースが素早く収集される。

そして、図3から明らかなように、水除去率や限外濾過率UFRは、患者が姿勢を変えると、値UFR+だけ下降される。次いで、患者が姿勢を変えた後、水除去率や限外濾過率UFRの下降が、再び予め定められた時間tUFR±の間行なわれる。

図3に示された実施形態においては、姿勢変更ごとの適合動作は、所定の水除去量や限外濾過量UFGが得られていない時間の半分の時間だけ行なわれうる。換言すると、適合動作は、所望の限外濾過総量の半分UFG/2が得られていない状態に対応する時間tUFG/2だけ行なわれる。

そして、この時間の経過後、所定の水除去率や限外濾過率UFRSETが、後続する水除去に用いられる。

図4は、水除去率が決定される適当なアルゴリズムを示している。

まず、体位に基づく制御アルゴリズムが提供される(ステップS100)。

初期クエリにおいては、すでに得られている水除去量や限外濾過量UFVが所定の水除去量や限外濾過量UFGの半分を上回っていないか(すなわち、UFV≦UFG/2)が判断される(ステップS102)。これまでに得られた水除去量や限外濾過量UFVが所定の水除去量や限外濾過量UFGの半分を超えると、水除去率や限外濾過率UFRは、所定の水除去率や限外濾過率UFRSETに設定される(ステップS104)。

すでに得られている水除去量や限外濾過量UFVがまだ所定の水除去量や限外濾過量UFGの半分を下回っていれば、水除去率や限外濾過率UFRは、より大きな値に設定される(ステップS106)。ここで水除去率や限外濾過率の変化量は、体位の変更に合わせたものであり、UFR+で示される。したがって、ステップ106における水除去率や限外濾過率は、UFR=UFRSET+UFR+となる。

続くクエリ(ステップS108)においては、この水除去率や限外濾過率の上昇が行なわれている時間が、患者が立位をとっていると思われる時間を上回っていないかがチェックされる。すなわち、tUFR+≧tUFR±であるかがチェックされる。この時間に達していなければ、水除去率や限外濾過率の増分UFR+は維持される。この時間に達していれば、水除去率や限外濾過率は、所定の水除去率や限外濾過率UFRSETまで下降される。したがって、ステップS110においては、UFR=UFRSETとなる。

次のクエリ(ステップS112)においては、この間に患者の姿勢が変化したかがチェックされる。特に患者の姿勢が45°以上変化したか、すなわち、患者が起き上ったかがチェックされる。

該当する場合、水除去率や限外濾過率は再度UFR+だけ下降される(ステップS114)。これにより、水除去率や限外濾過率は、UFR=UFRSET−UFR+となる。

そして、次のクエリ(ステップS116)においては、水除去率や限外濾過率の上昇が行なわれている時間tUFR−が、患者が立位を維持する平均時間tUFR±に達しているかがチェックされる。達していなければ(すなわちtUFR−

UFR±であれば)、UFR+だけ下降された水除去率や限外濾過率が維持される。しかしながら、当該平均時間に達すると、水除去率や限外濾過率は、再び上昇され、所定の水除去率や限外濾過率(すなわちUFR

SET)に維持される。

このアルゴリズムの有利性は、時間のロスや治療の遅延が起こらない点にある。下降された水除去率や限外濾過率(UFR=UFRSET−UFR+)は、上昇された水除去率や限外濾過率(UFR=UFRSET+UFR+)を伴う初期フェーズにより補償されるからである。ここでは、治療の開始時において患者は臥位をとっているため、血漿の量が多く、水除去率や限外濾過率が上昇しても循環系の問題は生じないと仮定している。その後、治療時間の前半においては、患者が起き上がった際に水除去率や限外濾過率が低減されることにより、急性低血圧症の観点からの治療のサポートや改善がなされうる。

図4に示されたアルゴリズムは、患者の姿勢が治療中に一度だけ臥位から立位へ変わった場合に、とりわけ有効に機能する。しかしながら、常時監視および患者の各姿勢に対する水除去率の適応に対して当該アルゴリズムを適用可能であることは、当業者にとって明らかである。具体的には、特に治療が長時間にわたることが問題にならない場合、患者の水平面に対する姿勢角度と水除去率の相関が取得されうる。ここでは、患者が臥位をとっている場合(すなわち角度0°)、患者が起き上がっている場合(例えば背もたれの角度が30°よりも大きく、90°に近い場合)よりも水除去率を高くできる。当該相関関係は、複数の患者に対する統計的分析や各患者の履歴統計データを通じて見出されうる。

特に好ましい変形例においては、血液治療中に希望する姿勢を、スイッチパネル66によって患者2自身が決定できる。例えば、患者は、スイッチパネル66を通じて、患者ベッド3の各部を周知の方法で調整できる。これにより、患者は、自身が最も快適な姿勢をとりうる。

そして、患者により選択や設定がされた患者ベッドの姿勢は、当該姿勢における水除去率を設定するために、データ処理装置5により使用される。繰り返しになるが、水平面に対する患者の姿勢角度に応じて、異なる水除去率も設定される(臥位の患者に対する水除去率は、座位の患者に対する水除去率よりも高い)。こうして患者2が自身の体位を自由に選べることにより、当該患者に対する治療が、非常に快適なものとされうる。

姿勢を自由に選べることから、治療継続時間は若干延長される場合がある。しかしながら、水除去率は、臥位の患者に対する従来の値と比較して上昇されうる。さもなくば、臥位の患者と起き上がった姿勢の患者の双方に対して固定値の水除去率が予め定められることが普通だからである。しかしながら、臥位の患者は、急性低血圧症を起こすことなく、より高い水除去率に耐えうる。したがって、患者の姿勢と水除去率を直接関連付ける設定や事前選択の必要性を考慮しても、治療の継続時間は、患者にとって許容範囲内であり、各医療施設にとっても採算の合うものとされうる。

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