介護用ベッド

申请号 JP2014130340 申请日 2014-06-25 公开(公告)号 JP2016007425A 公开(公告)日 2016-01-18
申请人 川崎重工業株式会社; 发明人 橋 本 康 彦;
摘要 【課題】ベッドに横臥している被介護者の体位を、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる介護用ベッドを提供すること。 【解決手段】この介護用ベッド1は、被介護者Pが横臥する床部3の固定床面を形成する固定部材13Aと、固定部材13Aに対して移動可能であり、床部3の可動床面を形成する可動部材13Bと、可動部材13Bを駆動するための可動部材駆動手段5と、を備える。固定部材13Aは、それぞれが左右方向または前後方向に延在する複数の細長部分を有する。可動部材13Bは、可動部材駆動手段5によって、複数の細長部分同士の間隙を介して、固定床面に関して上方に突出させ且つ前後方向および左右方向の少なくとも一方に動作させることができる移動体13Bを有する。 【選択図】図1
权利要求

前後方向の寸法および左右方向の寸法を有する介護用ベッドにおいて、 被介護者が横臥するための床部の固定床面を形成する固定部材と、 前記固定部材に対して移動可能であり、前記床部の可動床面を形成する可動部材と、 前記可動部材を駆動するための可動部材駆動手段と、を備え、 前記固定部材は、それぞれが前記左右方向または前記前後方向に延在する複数の細長部分を有し、 前記可動部材は、前記可動部材駆動手段によって、前記複数の細長部分同士の間隙を介して、前記固定床面に関して上方に突出させ且つ前記前後方向および前記左右方向の少なくとも一方に動作させることができる移動体を有する、介護用ベッド。前記固定部材は、それぞれが前記前後方向または前記左右方向に延在する複数の追加の細長部分をさらに有し、 前記複数の細長部分と前記複数の追加の細長部分とによって前記固定部材が格子状に形成されている、請求項1記載の介護用ベッド。前記可動部材は、複数の前記移動体を有し、 前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を同時に動作させることができる、請求項1または2に記載の介護用ベッド。前記可動部材は、複数の前記移動体を有し、 前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を互いに独立に動作させることができる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動が伝達されるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、請求項5記載の介護用ベッド。前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の介護用ベッド。前後方向の寸法および左右方向の寸法を有する介護用ベッドにおいて、 互いに独立に傾斜動作可能な複数の床部ユニットを有する、被介護者が横臥するための床部と、 前記複数の床部ユニットを互いに独立に傾斜駆動するための床部ユニット駆動手段と、を備え、 前記複数の床部ユニットのそれぞれが、前記床部ユニットの固定床面を形成する固定部材と、前記固定部材に対して移動可能であり、前記床部ユニットの可動床面を形成する可動部材と、前記可動部材を駆動するための可動部材駆動手段と、を有し、 前記可動部材は、前記可動部材駆動手段によって、前記固定部材に形成された開口を介して、前記固定床面に関して上方に突出させ且つ前記前後方向および前記左右方向の少なくとも一方に動作させることができる移動体を有する、介護用ベッド。前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットにおいて、前記可動部材駆動手段は、前記移動体を前記前後方向または前記左右方向の軸線周りに回転的動作をさせることができる、請求項8記載の介護用ベッド。前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットは、複数の前記移動体を有しており、 前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を互いに独立して動作させることができる、請求項8または9に記載の介護用ベッド。前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットは、複数の前記移動体を有しており、 前記可動部材駆動手段は、共通の前記床部ユニットに属する前記複数の移動体を同時に動作させることができる、請求項8または9に記載の介護用ベッド。前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも二つの床部ユニットのそれぞれは、複数の前記移動体を有しており、 前記可動部材駆動手段は、前記少なくとも二つの床部ユニットの一つに属する前記複数の移動体に、前記少なくとも二つの床部ユニットの他の一つに属する前記複数の移動体とは異なる動作をさせることができる、請求項8または9に記載の介護用ベッド。前記床部ユニット駆動手段および前記可動部材駆動手段の少なくとも一方は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の介護用ベッド。前記床部ユニット駆動手段および前記可動部材駆動手段の少なくとも一方は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記床部ユニットおよび/または前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、請求項13記載の介護用ベッド。前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の介護用ベッド。被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、 前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、 前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、 前記床部に横臥している前記被介護者の姿勢に関する姿勢情報を取得するための姿勢情報取得手段と、 前記姿勢情報取得手段により得られた前記姿勢情報に基づいて前記可動部材駆動手段を制御して、前記可動部材の動作により前記被介護者の姿勢を所定の姿勢に変化させるための制御手段と、を備えた介護用ベッド。前記制御手段は、前記姿勢情報取得手段により得られた現在の前記姿勢情報と、目標とする前記所定の姿勢における姿勢情報とを分析し、前記被介護者の現在の姿勢と前記所定の姿勢との差を徐々に小さくするように前記可動部材を複数回にわたって動作させる、請求項16記載の介護用ベッド。前記姿勢情報取得手段は、前記被介護者を撮像することによって前記姿勢情報を取得する、請求項16または17に記載の介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、請求項19記載の介護用ベッド。前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、請求項16乃至20のいずれか一項に記載の介護用ベッド。被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、 前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、 前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、を備え、 前記可動部材および前記可動部材駆動手段が、前記床部全体のうちの所望の位置に着脱自在に装着できるようにモジュール式に構成されている、介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、請求項22記載の介護用ベッド。前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、請求項23記載の介護用ベッド。前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、請求項22乃至24のいずれか一項に記載の介護用ベッド。被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、 前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、 前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、を備え、 前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されており、 前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、 前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、介護用ベッド。

说明书全文

本発明は、介護用ベッドに係り、特に、ベッドに横臥している被介護者の体を移動させることができる介護用ベッドに関する。

被介護者が長期間にわたる就床を必要とする場合、床擦れを起こし易く、これは被介護者によって大変な苦痛となっている。床擦れは、腰・肩・くるぶしなど、特に骨で突出した部分が体重の圧迫によって血行不順となり、壊死に陥るというものである。

床擦れを防止するためには、被介護者の体位を適宜変更させる必要があり、特に被介護者が自分自身で体を動かすことが困難な場合には、介護者が被介護者の腰の下に枕を差し入れるなどして、適宜対応する必要がある。

床擦れを防止するための介護者による作業は、重たくなった被介護者の体を動かす必要があり、重労働であって、しかも昼夜を問わず、例えば1、2時間おきに行う必要があるため、介護者にとって多大な負担となっている。また、介護を受ける側にとっても、介護者に重労働を強いることが精神的な負担となりがちである。

このような介護者(及び被介護者)の負担を軽減するために、介護用ベッドの床面(就床面)の一部を可動として、人手により、或いは動を利用して、床面の可動部を適宜移動させて、被介護者の体位を変更させる技術が提案されている(下記特許文献1−11)。

特許第2716093号公報

特開2000−342633号公報

特開2002−78755号公報

特許第4231363号公報

特開平1−238859号公報

特開平7−8523号公報

特開平7−303674号公報

特開平11−239524号公報

特開平2000−325408号公報

特開2002−85481号公報

特開2004−222908号公報

しかしながら、従来提案の介護用ベッドは、単に被介護者の体全体を同時にベッド床部上でスライドさせるのみであったり、また、ベッド床面の一部(例えば上半身に対応する部分)を傾斜させて被介護者の体位を傾斜したベッド床面で支持するのみであったり、或いは、被介護者の体を移動させる際に、局所的に不自然に強い力が加えられてしまい、被介護者の体に負担を強いるものであった。

このため、従来提案の介護用ベッドでは、床ずれ防止等のために被介護者の体位を支障なく最適な姿勢へと変化させることが極めて困難若しくは不可能であった。

また、従来の介護用ベッドは、被介護者の体位変換のための機構が、ベッド本体に対して機構的に一体化されて組み込まれていたため、被介護者のタイプ(足が重症、腰が重症等)に応じて、特に床ずれを防止したい部位に体位変換機構を適宜追加することができなかった。

本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、ベッドに横臥している被介護者の体位を、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる介護用ベッドを提供することを目的とする。

第1の態様による本発明は、前後方向の寸法および左右方向の寸法を有する介護用ベッドにおいて、被介護者が横臥するための床部の固定床面を形成する固定部材と、前記固定部材に対して移動可能であり、前記床部の可動床面を形成する可動部材と、前記可動部材を駆動するための可動部材駆動手段と、を備え、前記固定部材は、それぞれが前記左右方向または前記前後方向に延在する複数の細長部分を有し、前記可動部材は、前記可動部材駆動手段によって、前記複数の細長部分同士の間隙を介して、前記固定床面に関して上方に突出させ且つ前記前後方向および前記左右方向の少なくとも一方に動作させることができる移動体を有する、ことを特徴とする。

第2の態様による本発明は、第1の態様による本発明において、前記固定部材は、それぞれが前記前後方向または前記左右方向に延在する複数の追加の細長部分をさらに有し、前記複数の細長部分と前記複数の追加の細長部分とによって前記固定部材が格子状に形成されている、ことを特徴とする。

第3の態様による本発明は、第1または第2の態様による本発明において、前記可動部材は、複数の前記移動体を有し、前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を同時に動作させることができる、ことを特徴とする。

第4の態様による本発明は、第1乃至第3のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材は、複数の前記移動体を有し、前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を互いに独立に動作させることができる、ことを特徴とする。

第5の態様による本発明は、第1乃至第5のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、ことを特徴とする。

第6の態様による本発明は、第5の態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、ことを特徴とする。

第7の態様による本発明は、第1乃至第6のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、ことを特徴とする。

第8の態様による本発明は、前後方向の寸法および左右方向の寸法を有する介護用ベッドにおいて、互いに独立に傾斜動作可能な複数の床部ユニットを有する、被介護者が横臥するための床部と、前記複数の床部ユニットを互いに独立に傾斜駆動するための床部ユニット駆動手段と、を備え、前記複数の床部ユニットのそれぞれが、前記床部ユニットの固定床面を形成する固定部材と、前記固定部材に対して移動可能であり、前記床部ユニットの可動床面を形成する可動部材と、前記可動部材を駆動するための可動部材駆動手段と、を有し、前記可動部材は、前記可動部材駆動手段によって、前記固定部材に形成された開口を介して、前記固定床面に関して上方に突出させ且つ前記前後方向および前記左右方向の少なくとも一方に動作させることができる移動体を有する、ことを特徴とする。

第9の態様による本発明は、第8の態様による本発明において、前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットにおいて、前記可動部材駆動手段は、前記移動体を前記前後方向または前記左右方向の軸線周りに回転的動作をさせることができる、ことを特徴とする。

第10の態様による本発明は、第8または第9の態様による本発明において、前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットは、複数の前記移動体を有しており、前記可動部材駆動手段は、前記複数の移動体を互いに独立して動作させることができる、ことを特徴とする。

第11の態様による本発明は、第8または第9の態様による本発明において、前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも一つの床部ユニットは、複数の前記移動体を有しており、前記可動部材駆動手段は、共通の前記床部ユニットに属する前記複数の移動体を同時に動作させることができる、ことを特徴とする。

第12の態様による本発明は、第8または第9の態様による本発明において、前記複数の床部ユニットのうちの少なくとも二つの床部ユニットのそれぞれは、複数の前記移動体を有しており、前記可動部材駆動手段は、前記少なくとも二つの床部ユニットの一つに属する前記複数の移動体に、前記少なくとも二つの床部ユニットの他の一つに属する前記複数の移動体とは異なる動作をさせることができる、ことを特徴とする。

第13の態様による本発明は、第8乃至第12のいずれかの態様による本発明において、前記床部ユニット駆動手段および前記可動部材駆動手段の少なくとも一方は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、ことを特徴とする。

第14の態様による本発明は、第13の態様による本発明において、前記床部ユニット駆動手段および前記可動部材駆動手段の少なくとも一方は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記床部ユニットおよび/または前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、ことを特徴とする。

第15の態様による本発明は、第8乃至第14のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、ことを特徴とする。

第16の態様による本発明は、被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、前記床部に横臥している前記被介護者の姿勢に関する姿勢情報を取得するための姿勢情報取得手段と、前記姿勢情報取得手段により得られた前記姿勢情報に基づいて前記可動部材駆動手段を制御して、前記可動部材の動作により前記被介護者の姿勢を所定の姿勢に変化させるための制御手段と、を備えたことを特徴とする。

第17の態様による本発明は、第16の態様による本発明において、前記制御手段は、前記姿勢情報取得手段により得られた現在の前記姿勢情報と、目標とする前記所定の姿勢における姿勢情報とを分析し、前記被介護者の現在の姿勢と前記所定の姿勢との差を徐々に小さくするように前記可動部材を複数回にわたって動作させる、ことを特徴とする。

第18の態様による本発明は、第16または第17の態様による本発明において、前記姿勢情報取得手段は、前記被介護者を撮像することによって前記姿勢情報を取得する、ことを特徴とする。

第19の態様による本発明は、第16乃至第18のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、ことを特徴とする。

第20の態様による本発明は、第19の態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、ことを特徴とする。

第21の態様による本発明は、第16乃至第20のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、ことを特徴とする。

第22の態様による本発明は、被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、を備え、前記可動部材および前記可動部材駆動手段が、前記床部全体のうちの所望の位置に着脱自在に装着できるようにモジュール式に構成されている、ことを特徴とする。

第23の態様による本発明は、第22の態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されている、ことを特徴とする。

第24の態様による本発明は、第23の態様による本発明において、前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、ことを特徴とする。

第25の態様による本発明は、第22乃至第24のいずれかの態様による本発明において、前記可動部材は、通常時においては前記可動床面が前記固定床面と同じ高さまたは前記固定床面よりも低い高さに位置するように配置される、ことを特徴とする。

第26の態様による本発明は、被介護者が横臥するための床部を有する介護用ベッドにおいて、前記床部の少なくとも一部を形成する可動部材と、前記可動部材を動作させるための可動部材駆動手段と、を備え、前記可動部材駆動手段は、ロボットアームの先端部に装着された回転駆動体から回転駆動力が伝達されるように構成されており、前記可動部材駆動手段は、前記回転駆動体に対して選択的かつ分離可能に接続される複数の被回転駆動体を有し、前記複数の被回転駆動体のそれぞれが、前記可動部材における互いに異なる動作に対応して設置されている、ことを特徴とする。

本発明による介護用ベッドによれば、ベッドに横臥している被介護者の体位を、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる。

本発明の一実施形態による介護用ベッドを示した斜視図。

図1に示した介護用ベッドを模式的に示した平面図。

図1に示した介護用ベッドのベッド基台および駆動機構の部分を模式的に示した平面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の各駆動力入力ポートの機能を説明するための側面図。

図1に示した介護用ベッドの動作を説明するための模式図。

図1に示した介護用ベッドの動作を説明するための他の模式図。

図1に示した介護用ベッドの一変形例を模式的に示した平面図。

図1に示した介護用ベッドの他の変形例を模式的に示した平面図。

図1に示した介護用ベッドの他の変形例を模式的に示した平面図。

図1に示した介護用ベッドの腰部及び肩部に関する駆動機構を説明するための斜視図。

図10に示した駆動機構において上下動用入力回転時の様子を示した斜視図。

図10に示した駆動機構において左右動用入力回転時の様子を示した斜視図。

図1に示した介護用ベッドの足部領域に関する駆動機構を説明するための斜視図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の駆動力入力ポートに対して回転動力を接続する様子を示した側面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の駆動力入力ポートに対して回転動力を接続する様子を示した正面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構のロボットアームの内部構造を示した断面図。

図16に示したロボットアームの先端部を拡大して示した断面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構において、駆動力入力ポートとロボットアーム先端の回転駆動体とが接続された状態を示した斜視図。

図18に示した介護用ベッドの動力接続部の組立て図。

図18に示した介護用ベッドの動力接続部において接続時のガタ(偏心など)を吸収する様子を示した説明図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の駆動力入力ポート及びロボットアームの一変形例を示した側面図。

図21に示した駆動力入力ポート及びロボットアームの正面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の動力接続部の一変形例を示した斜視図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の動力接続部の一変形例を示した斜視図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の一変形例として、1台のロボットによって2台の介護用ベッドの各駆動力入力ポートを駆動するようにした構成を示した断面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の一変形例を説明するための模式的な斜視図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の一変形例を説明するための模式的な正面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の一変形例を説明するための模式的な側面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の一変形例を説明するための模式的な下面図。

図1に示した介護用ベッドの駆動機構の他の変形例を説明するための模式的な斜視図。

本発明の他の実施形態による介護用ベッドを模式的に示した平面図。

図31に示した介護用ベッドの模式的な側面図。

図31に示した介護用ベッドの床部ユニットの上面を駆動力入力ポートと共に示した模式図。

図33に示した床部ユニットの側面を駆動力入力ポートと共に示した模式図。

図31に示した介護用ベッドの動作を説明するための模式図。

図31に示した介護用ベッドの一変形例の床部ユニットを模式的に示した平面図。

図36に示した床部ユニット模式的に示した側面図。

図1に示した介護用ベッドの他の実施形態を模式的に示した側面図。

図38に示した介護用ベッドのユニットを取り外した状態を模式的に示した側面図。

図1に示した介護用ベッドの他の実施形態を模式的に示した側面図。

図40に示した介護用ベッドの動作を説明するためのフローチャート。

図40に示した介護用ベッドの動作に関する制御パラメーターを示した図。

以下、本発明の一実施形態による介護用ベッドについて、図面を参照して説明する。

図1および図2に示したように、本実施形態による介護用ベッド1は、前後方向の寸法L及び左右方向の寸法Wを有している。前後方向寸法L及び左右方向寸法Wは、被介護者Pが横臥する床面2を形成する床部3の前後方向寸法及び左右方向寸法に対応している。

床部3は、ベッド基台4の上方に配置されており、ベッド基台4には、床部3の少なくとも一部を移動させるための駆動機構5が設けられている。駆動機構5の少なくとも一部が、本発明における可動部材駆動手段に対応している。

図2に示したように、介護用ベッド1の床部3は、前後方向に沿って、頭部領域8、肩部領域9、腰部領域10、及び足部領域11に分割されている。床部3の頭部領域8は、一連一体の板状の方形部材12によって形成されている。

床部3の前後方向の中央部にあたる肩部領域9及び腰部領域10は、それぞれ、固定床面2Aを形成する固定部材13Aと、固定部材13Aに対して移動可能であり、可動床面2Bを形成する可動部材13Bと、を備えている。固定部材13Aは、左右方向に延在する複数の細長部材を、前後方向に延在する左右一対の縁部材によって連結した構造である。可動部材13Bは、固定部材13Aの複数の細長部材同士の間隙に配置された複数の細長の移動体で構成されている。固定部材13Aにおいて間隙を形成する内周面と、可動部材13Bの外周面との間には、全周にわたって間隙が確保されている。

複数の移動体(可動部材)13Bは、駆動機構5によって、固定部材13Aの複数の細長部材同士の間隙を介して、固定床面2Aに関して上方に突出させ且つ固定部材13Aの間隙内で左右方向に動作させることができる。肩部領域9に属する移動体13Bと、腰部領域10に属する移動体13Bとは、駆動機構5によって互いに独立に駆動することができる。また、肩部領域9に属する複数の移動体13Bは、駆動機構5によって一体に駆動される。同様に、腰部領域10に属する複数の移動体13Bは、駆動機構5によって一体に駆動される。

足部領域11は、右足に対応する部分と左足に対応する部分とから成る。右足に対応する部分は、前後方向に並置された一対の可動矩形片14によって構成されており、左足に対応する部分も、同じく前後方向に並置された一対の可動矩形片14によって構成されている。

足部領域11の右足に対応する部分及び左足に対応する部分は、それぞれ、駆動機構5によって中央の部分が押し上げられて、図1に示したように隆起して山形形状に変形する。これにより、被介護者Pの右足又は左足を、その膝裏から押し上げて屈曲させることができる。

図3に示したように、ベッド基台4には、2台のロボット(2本のロボットアーム6)が組み込まれており、各ロボットアーム6が独立して駆動可能である。なお、図3においては、駆動機構5の構成を分かり易く表示するために、ベッド基台4を比較的小さく表示している。

図4に示したように、ベッド基台4に設けられた駆動機構5は、ロボットアーム6と、このロボットアームの先端部が選択的に接続される複数の駆動力入力ポート(被回転駆動体)7を備えている。複数の駆動力入力ポート7(7A、7B、7C、7D、7E)のそれぞれが、床部3における互いに異なる移動動作に対応している。

次に、図5および図6を参照して、介護用ベッド1において被介護者Pの体位を変換する際の移動体13Bの動作について説明する。

図5(a)に示したように、通常時において移動体13Bは、可動床面2Bが固定床面2Aと同じ高さに位置するように配置されている。すなわち、通常時においては、可動床面2Bと固定床面2Aとが同じ高さに位置して、共通の平面内で床面2を構成している。

図5(a)に示した状態から、駆動機構5によって移動体13Bを、図5(b)に示したように降下させる。このとき、被介護者Pの体は、固定部材13Aの固定床面2Aによって支持されているので、固定床面2Aの高さに保持される。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図5(c)に示したように、固定部材13Aと移動体13Bとの左右方向の間隙を利用して、左右方向の一方に移動させる。このとき、移動体13Bは被介護者Pの体から離間しているので、被介護者Pに不快感を与えることなく、円滑に移動させることができる。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図5(d)に示したように上昇させる。これにより、被介護者Pの体は、移動体13Bの可動床面2Bによって押し上げられ、固定床面2Aから離間して上昇する。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図6(a)に示したように、固定部材13Aと移動体13Bとの左右方向の間隙を利用して、左右方向の他方に移動させる。これにより、被介護者Pの体も移動体13Bと一緒に移動する。このとき、被介護者Pの体は固定床面2Aから離間しているので、被介護者Pに不快感を与えることなく、円滑に移動させることができる。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図6(b)に示したように、固定床面2Aよりも低い位置まで降下させる。これにより、被介護者Pの体が固定床面2Aに載置される。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図6(c)に示したように左右方向の一方に移動させる。このとき、移動体13Bは被介護者Pの体から離間しているので、被介護者Pに不快感を与えることなく、円滑に移動させることができる。

次に、駆動機構5によって移動体13Bを、図6(d)に示したように固定床面2Aの高さまで上昇させる。これにより、移動体(可動部材)13Bの可動床面2Bと固定部材13Aの固定床面2Aとが面一となり、両者が共通の平面内で床面2を形成する。

上述の移動体13Bの回転的動作を繰り返すことにより、被介護者Pの体を局所的に(例えば肩部のみ、或いは腰部のみを)左方向(または右方向)に少しずつ移動させることができる。

上述の体位変換動作は、肩部領域9と腰部領域10とで独立に実施することができる。例えば、最初に肩部領域9において被介護者Pの肩部分を移動させ、しかる後に腰部領域10において被介護者Pの腰部分を移動させることができる。

本実施形態による介護用ベッド1によれば、移動体13Bの回転的動作を繰り返すことにより、被介護者Pの体を局所的に(例えば肩部のみ、或いは腰部のみを)少しずつ移動させて、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる。

また、本実施形態による介護用ベッド1によれば、固定部材13Aと移動体(可動部材)13Bとの間で平方向に間隙が存在し、この間隙には何も充填されていないので、移動体13Bの水平方向の移動ストロークを大きくとることができると共に、移動体13Bの水平方向の移動に伴って間隙内の充填物が上方に突出するようなこともない。

なお、肩部領域9に属する複数の移動体13Bを同時に動作させるようにしても良いし、或いは肩部領域9に属する複数の移動体13Bを個別に駆動するようにしても良い。また、肩部領域9に属する複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動するようにしても良い。腰部領域10に属する複数の移動体13Bについても同様である。

図7は、図1に示した実施形態の一変形例を示しており、この変形例においては、床部3の一部を構成する固定部材13Aが、前後方向および左右方向に延在する複数の細長部材によって格子状に形成されている。床部3の他の一部を構成する複数の移動体(可動部材)13Bは、格子状の固定部材13Aの各開口部に移動可能に配置されている。

本例においても、駆動機構5によって移動体13Bを移動させて回転的動作を行なわせることにより、被介護者Pの体を局所的に少しずつ移動させて、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる。

また、本例においても、肩部領域9に属する複数の移動体13Bを同時に駆動して回転的動作を行なわせても、個別に駆動して回転的動作を行なわせても良く、或いは、肩部領域9に属する複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動して回転的動作を行なわせるようにしても良い。腰部領域10に属する複数の移動体13Bについても同様である。

図8は、図1に示した実施形態の他の変形例を示しており、この変形例においては、介護用ベッド1の床部3の全体が、スリット状の固定部材13Aと、複数の細長の移動体(可動部材)13Bとで構成されている。

本例においては、複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動して回転的動作を行なわせたり。或いは、複数の移動体13Bをそれぞれ個別に駆動して回転的動作を行なわせるようにしても良い。

本例においては、被介護者Pの体全体を、移動体13Bによって局所的に少しずつ移動させて、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる。

図9は、図1に示した実施形態の他の変形例を示しており、この変形例においては、介護用ベッド1の床部3の全体が、格子状の固定部材13Aと、複数の移動体(可動部材)13Bとで構成されている。

本例においても、複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動して回転的動作を行なわせる。或いは、複数の移動体13Bをそれぞれ個別に駆動して回転的動作を行なわせるようにしても良い。

本例においても、被介護者Pの体の全体を、移動体13Bによって局所的に少しずつ移動させて、その最適な姿勢へと無理なく変化させることができる。

次に、図1に示した実施形態による介護用ベッド1の駆動機構5の内部構造について説明する。

図10に示したように、駆動機構5は、床部3(の一部)がその上端に設けられた支持基部15を備えている。なお、図10においては、複数の移動体(可動部材)13Bから成る床部3(の一部)を模式的に一体物として示している。

支持基部15の下端部が、直動支持部材(リニアガイド)16で支持されており、これにより、支持基部15は、ベッド左右方向において水平方向に移動可能とされている。支持基部15を支持する直動支持部材16は、可動支持板17の上端に設けられている。可動支持板17は、上下方向に延設された一対の直動支持部材(リニアガイド)18によって、上下動可能に支持されている。

可動支持板17の一方の側端部にはラック19が上下方向に延設されており、このラック19にピニオン20が噛み合っている。このピニオン20は接続軸21の一端に設けられており、接続軸21の他端にはウォームギア22のホイールが設けられている。このウォームギア22のホイールは、ウォームギア22のウォームと噛み合っており、このウォームは、先端部が駆動力入力ポート7を形成する入力軸23に形成されている。この駆動力入力ポート7は、床部3を上下動させるための回転動力の入力部である。

支持基部15の下端部にはラック24が設けられており、このラック24にはピニオン25が噛み合っている。このピニオン25は接続軸26の上端に設けられており、接続軸26の下端にはべベルギア27が設けられている。このべベルギア27は、可動支持板17に回転可能に設けられたべベルギア28と噛み合っている。

可動支持板17に設けられたべベルギア28には、プーリ29が一体的に形成されており、このプーリ29にはベルト30が掛けられている。このベルト30は、他のプーリ31に掛けられており、このプーリ31は接続軸32の一端に設けられており、接続軸32の他端にはウォームギア33のホイールが設けられている。ウォームギア33のホイールは、ウォームギア33のウォームに噛み合っている。

ウォームギア33のウォームが形成された接続軸34の端部にはピニオン35が設けられており、このピニオン35は、上下方向に延設されたラック36に噛み合っている。このラック36は、上下方向に延設された直動支持部材(リニアガイド)37によって上下動可能に支持されている。この直動支持部材37には、ラック36と一体的に他のラック38が上下動可能に支持されており、このラック38がピニオン39と噛み合っている。

このピニオン39は入力軸40の一端に設けられており、この入力軸の他端は駆動力入力ポート7を形成している。この駆動力入力ポート7は、床部3を左右方向に水平移動させるための回転動力の入力部である。

次に、介護用ベッド1の床部3を上下動させる際の動作について、図11を参照して説明する。

上下動用の駆動力入力ポート7Bを回転させると、この回転動力がウォームギア22を介して接続軸21に伝達される。すると、接続軸21と一体にピニオン20が回転し、このピニオン20の回転により、ラック19が上下方向に移動する。ラック19は可動支持板17に固定されているので、ラック19と共に可動支持板17が上下方向に移動する。これにより、支持基部15と共に床部3が上下方向に移動する。

なお、可動支持板17と一体に接続軸34が上下に移動するので、ラック36も同時に上下に移動する。このとき、左右動用の駆動力入力ポート7Cが回転してしまうが、この左右動用の駆動力入力ポート7Cはフリーなので、回転しても問題ない。

また、ウォームギア22は出力側から回転させることができない構造であるため、上下動用の駆動力入力ポート7Bの印加トルクが除去されても、その時の姿勢を保持することができる。

次に、介護用ベッド1の床部3を左右方向に水平移動させる際の動作について、図12を参照して説明する。

左右動用の駆動力入力ポート7Cを回転させると、この回転力がラック38に伝達され、他方のラック36と共に上下方向に移動する。ラック36の上下動によってピニオン35が回転し、この回転力がウォームギア33を介してプーリ31に伝達される。

プーリ31が回転すると、ベルト30を介して同時に他方のプーリ29が回転する。これにより、プーリ29に一体に設けられたべベルギア28が回転し、このべベルギア28に噛み合ったべベルギア27が回転する。

べベルギア27が回転すると同時にピニオン25が回転し、このピニオン25の回転によりラック24が左右方向に移動する。その結果、支持基部15と共に床部3が左右方向に水平移動する。

なお、ウォームギア33は出力側から回転させることができない構造であるため、左右動用の駆動力入力ポート7Cの印加トルクが除去されても、その時の姿勢を保持することができる。

図13は、足部領域11を構成する可動矩形片14を下方から押し上げるための足部用の駆動機構を示している。この足部用の駆動機構においては、足部用の駆動力入力ポート7A(7)を回転させると、この駆動力入力ポート7Aが先端部に形成された入力軸41が回転する。

この入力軸41には、ウォームギア42を構成するウォームが形成されており、同じくウォームギア42を構成するホイールに動力が伝達される。ウォームギア42のホイールは接続軸43の一端に設けられており、この接続軸43の他端にはピニオン44が設けられている。

ピニオン44はラック45と噛み合っており、ラック45は可動支持板17の側端部に設けられている。可動支持板17は、上下方向に延設された一対の直動支持部材(リニアガイド)46によって、上下動可能に支持されている。

ピニオン44の回転によってラック45が上下動し、これにより可動支持板17が上下動する。可動支持板17の上端部には押上部材47の下端部が固定されており、この押上部材47の上端部によって、可動矩形片14がその下方から押し上げられる。

図14及び図15に示したように、ロボットアーム6は基端部6aと先端部6bを有しており、ロボットアーム6の基端部6aは、ロボット主軸51の上端部に装着されている。ロボットアーム6の先端部6bには、回転駆動体52が回転可能に設けられている。

ロボットアーム6は、基端側リンク部材53及び先端側リンク部材54を備えており、基端側リンク部材53の基端部がロボットアームの基端部6aを構成し、先端側リンク部材54の先端部がロボットアーム6の先端部6bを構成している。基端側リンク部材53の先端部と先端側リンク部材54の基端部とが、互いに回転可能に接続されている。

図16に示したように、ベッド基台4の内部には、ロボット主軸51用の駆動モータ55が設けられており、この駆動モータ55によってロボット主軸51が、第1軸線L1周りに回転駆動される。

基端側リンク部材53の内部には、先端側リンク部材53用の駆動モータ56が設けられており、この駆動モータ56によって先端側リンク部材54が第2軸線L2周りに回転駆動される。

先端側リンク部材54の内部には、回転駆動体52用の駆動モータ57が設けられており、この駆動モータ57によって回転駆動体52が第3軸線L3周りに回転駆動される。

なお、第1軸線L1、第2軸線L2、及び第3軸線L3は、互いに平行である。

各駆動モータ55、56、57は、ロボット制御部58によってその回転が制御される。ロボット制御部58には、被介護者Pに対してその人に固有の床擦れ防止動作を実現できるように、当該介護者Pに固有のプログラムを記憶させることができる。

図17に示したように、駆動モータ57側のべベルギア59と回転駆動体52側のべベルギア60とが噛み合っている。回転駆動体52側のべベルギア60の中央部にはスプライン溝を含む貫通孔61が形成されており、この貫通孔61に回転駆動軸62が、第3軸線L3に沿って移動可能に挿通されている。この回転駆動軸62は、べベルギア60の貫通孔に対してスプライン嵌合しており、これにより回転駆動軸62は、べベルギア60に対して、第3軸線L3周りの回転が阻止されると共に、第3軸線L3に沿った直動動作が許容される。

回転駆動軸62の一方の端部には回転駆動体52が装着されており、回転駆動軸62の他方の端部には、エアシリンダ63のピストン64の先端部が、ベアリング65を介して接続されている。エアシリンダ63を駆動してピストン64を進出させることにより、回転駆動軸62と共に回転駆動体52が第3軸線L3に沿って前進する。

駆動モータ57を駆動すると、その回転駆動力が、駆動モータ57側のべベルギア59から回転駆動体52側のべベルギア60に伝達される。回転駆動体52の回転駆動軸62とべベルギア60とはスプライン嵌合しているので、べベルギア60の回転駆動力が回転駆動軸62に伝達され、回転駆動軸62と一体に回転駆動体52が回転する。

次に、図18乃至図20を参照して、ベッド基台4側の駆動力入力ポート7とロボットアーム6側の回転駆動体52とを接続するための接続機構について説明する。

エアシリンダ63を駆動して、ロボットアーム6先端の回転駆動体52を、ベッド基台4側の駆動力入力ポート7に接続する際には、回転駆動体52の駆動力入力ポート7への位置決め誤差や、回転駆動体52及び駆動力入力ポート7の機械公差分のズレ(偏心など)を吸収する必要があり、これをカップリングで行う必要がある。

そこで、本実施形態においては、図18及び図19に示したように、オルダムカップリングを採用することにより、このズレを吸収するようにしている。即ち、オルダムカップリングにおいては、そのハブ66、67の突起がスライダ68の溝を滑ることでズレが吸収される(図20参照)。なお、ハブ66及びスライダ68が回転駆動体52を構成し、ハブ67が駆動力入力ポート7を構成している。

ここで、本実施形態における駆動機構5においては、駆動側と被駆動側との脱着のため、スライダ68は、ロボットアーム6側のハブ66に水平方向をフリーに取り付け、カップリング時の軸方向の衝撃を緩和するために、ロボットアーム6側のハブ66とスライダ68との間にバネ69を介装している。

次に、本実施形態による介護用ベッド1の駆動機構5の動作例について説明する。

ロボットアーム6を駆動してアーム先端の回転駆動体52を、所望の駆動力入力ポート7に対して向き合った状態となるように接近させて位置決めする。ロボットアーム6先端にあるエアシリンダ63を駆動して、第3軸線L3に沿って回転駆動体52を駆動力入力ポート7に向けて前進させ、両者を噛み合わせる。このとき、エアシリンダ63のストローク長を検出して、回転駆動体52と駆動力入力ポート7とが正常に噛み合ったことを確認する。

続いて、ロボットアーム6先端にある駆動モータ57を駆動して、回転駆動体52を回転させる。回転駆動体52は駆動力入力ポート7に接続されているので、回転駆動体52からの回転力が駆動力入力ポート7に伝達される。その結果、当該駆動力入力ポート7に対応する床部3の部位が所定の動作を行う。

所定量だけ駆動力入力ポート7を回転させたら、駆動モータ57を停止する。エアシリンダ63を駆動して回転駆動体52を後退させて、回転駆動体52と駆動力入力ポート7とを切り離す。ロボットアーム6を駆動して、回転駆動体52を次の駆動力入力ポート7に移動して位置決めする。

次に、本実施形態による介護用ベッドの動作例、すなわち形状変更方法について説明する。

ロボットアーム6先端の回転駆動体52を、1番目の駆動力入力ポート7A(右膝に対応)に接続し、駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の右膝に対応する部位の駆動系に伝達される。その結果、右膝に対応する部位が山形形状に変形する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部(回転駆動体52及び駆動力入力ポート7)を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、2番目の駆動力入力ポート7B(腰部領域上下に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の腰部領域10に対応する移動体13Bの上下駆動系に伝達される。その結果、腰部領域10に対応する移動体13Bが上昇する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、3番目の駆動力入力ポート7C(腰部領域水平に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の腰部領域10に対応する移動体13Bの水平駆動系に伝達される。その結果、腰部領域10に対応する移動体13Bが水平動作する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、4番目の駆動力入力ポート7D(肩部領域上下に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の肩部領域9に対応する移動体13Bの上下駆動系に伝達される。その結果、肩部領域9に対応する移動体13Bが上昇する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、5番目の駆動力入力ポート7E(肩部領域水平に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の肩部領域9に対応する移動体13Bの水平駆動系に伝達される。その結果、肩部領域9に対応する移動体13Bが水平動作する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、3番目の駆動力入力ポート7C(腰部領域水平に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の腰部領域10に対応する移動体13Bの水平駆動系に伝達される。その結果、腰部領域10に対応する移動体13Bが、さらに水平動作する。

駆動モータ57の回転を止めた後、エアシリンダ63を駆動して動力接続部を切り離し、ロボットアーム6を駆動して、5番目の駆動力入力ポート7E(肩部領域水平に対応)にロボットアーム6先端の回転駆動体52を接続する。

この状態で駆動モータ57を回転させる。これにより、回転駆動体52からの回転駆動力が、介護用ベッド1の床部3の肩部領域9に対応する移動体13Bの水平駆動系に伝達される。その結果、肩部領域9に対応する移動体13Bが、さらに水平動作する。

以上のようにロボットに教示して、被介護者Pに合った床ずれ防止動作をプログラミングする。上記の動作例は、肩部と腰部の体幹を左にずらす場合であるが、さらにこれから右に体幹をずらし換えるには、上記の手順を逆にして、一旦体幹を真っ直ぐに戻し、さらに左膝に対応する駆動力入力ポートを選択して体位変更を行う。

なお、上下動作の上と下の方向、及び水平動作の右方向と左方向の切換えは、駆動モータ57の正転・逆転で切り替える。

上記実施形態の一変形例としては、ロボットアーム6を、基端部6a及び先端部6bを含む1本のリンク部材によって構成することもできる。即ち、図21及び図22に示したように、1本のリンク部材49の基端部がロボット主軸51の上端部に装着されており、同リンク部材49の先端部に回転駆動体52が設けられている。

また、複数の駆動力入力ポート7は、ロボット主軸51の回転軸線(第1軸線L1)を中心とした仮想円上に配置されている。この構成においては、ロボット主軸51の回転によってロボットアーム6が旋回し、ロボットアーム6の先端部の回転駆動体52を所望の駆動力入力ポート7の正面に位置決めすることができる。

なお、本変形例においても、回転駆動体52と駆動力入力ポート7との接続機構は、上述した実施形態と同様である。

上記実施形態の他の変形例としては、図23に示したように、駆動力入力ポート7において、十字状の接続用凹部7aを形成すると共に、回転駆動体52において、十字状の接続用凸部52aを形成する。接続用凹部7aと接続用凸部52aは、互いに緩やかに嵌り合う寸法及び形状を有している。

また、図23に示したように接続用凸部52aは、先細形状を有しており、一方、接続用凹部7aは、接続用凸部52aの先細形状に対応する傾斜形状を有している。

この接続方式においては、駆動力入力ポート7に形成された接続用凹部7aに対して、その正面から回転駆動体52の接続用凸部52aを嵌め入れる。このとき、接続用凸部52aの先細形状と接続用凹部7aの傾斜形状とが係合することにより、回転駆動体52の駆動力入力ポート7への位置決め誤差等を吸収する方向への位置決め機能が発揮され、自然な嵌合を達成することができる。

上記実施形態の他の変形例としては、回転駆動体52と駆動力入力ポート7との接続方式に関して、それらの接続を、回転軸線(第3軸線L3)に直交する方向に沿って両者を接近させて接続するように構成しても良い。

具体的には、図24に示したように、駆動力入力ポート7において、その直径方向に沿って接続用凹部7aを形成すると共に、回転駆動体52において、その直径方向に沿って接続用凸部52aを形成する。接続用凹部7aと接続用凸部52aは、互いに緩やかに嵌り合う寸法及び形状を有している。

この接続方式においては、図24に示したように駆動力入力ポート7に形成された接続用凹部7aに対して、その側面から回転駆動体52の接続用凸部52aを嵌め入れることができる。このため、駆動力入力ポート7への接続に際して、回転駆動体52をその回転軸線(第3軸線L3)方向に進出させる必要がなく、エアシリンダ63等を省略して構造を簡素化することができる。

上記実施形態の他の変形例としては、2台の介護用ベッド1の複数の駆動力入力ポート7を、共通のロボットアーム6の回転駆動体52によって選択的に駆動するように構成しても良い。

即ち、本変形例においては、図25に示したように、介護用ベッド1の床部3と、その駆動機構(ロボットアーム部分を除く)とが、それぞれ二つずつ配置されている。ロボット主軸51が垂直方向に配置されており、各駆動力入力ポート7も、べベルギア70を介して垂直方向に配置されている。

そして、本変形例においては、ロボットアーム6を水平方向に回転駆動して所望の駆動力入力ポート7に位置決めすることにより、一方の介護用ベッド1の複数の駆動力入力ポート7と、他方の介護用ベッド1の複数の駆動力入力ポート7とを、共通のロボットアーム6の回転駆動体52によって選択的に回転駆動することができる。

上記実施形態の他の変形例としては、ロボットアーム6先端の回転駆動体52を進退させるための機構として、アーム先端にエアシリンダを設ける機構に代えて、ロボット主軸51をその回転軸線に沿って移動させる機構を設けて、ロボット主軸51の進出動作によってロボットアーム6全体を動かすようにしても良い。

上記実施形態の他の変形例としては、回転駆動体52と駆動力入力ポート7との接続機構に関して、回転駆動体52を駆動力入力ポート7に対して進退駆動する方式に代えて、駆動力入力ポート7側にエアシリンダ等を設け、回転駆動体52に対して駆動力入力ポート7を進退駆動するように構成することもできる。

上記実施形態の他の変形例としては、動力接続部(駆動力入力ポート7及び回転駆動体52)の接続方式に関して、上述したように凹部と凸部とを嵌合させる方式に代えて、ロボットアーム6先端の回転駆動体52に摩擦板を設けると共に、駆動力入力ポート7にも摩擦板を設けても良い。

この変形例においては、回転駆動体52を回転させながら駆動力入力ポート7に押し付けることにより、両方の摩擦板を係合させて接続状態を達成する。このようにすれば、接続時に摩擦板同士の間に滑りがあるので、動力の伝達が滑らかになる。このため、床部3の動作も滑らかとなり、被介護者Pへの負荷をより一層軽減することができる。

また、動力接続部(駆動力入力ポート7及び回転駆動体52)の他の接続方式としては、回転駆動体52と駆動力入力ポート7とを磁力により接続する方式を採用しても良い。

次に、上述した介護用ベッド1の駆動機構5の各種変形例について説明する。

上記実施形態では、ロボットアーム6の先端に駆動モータ57を設置し、その回転駆動力を各駆動力入力ポート7に供給するようにしているが、この構成に代えて、ベッド基台4側に複数の駆動モータを床部3の各部位別に設置し、その駆動力を各部位に伝達する際のクラッチ切換をロボットアーム6で操作するようにしても良い。その場合、ベッド基台4側には、駆動力入力ポート7に代えて、クラッチを操作するスイッチが設置される。

また、ベッド基台4側に駆動モータを一つ設置し、その駆動力を各部位に分配・伝達する際のクラッチの切換をロボットアーム6で操作するように構成しても良い。その場合、ベッド基台4側には、駆動力入力ポート7に代えて、クラッチを操作するスイッチが設置される。

また、駆動源がロボット側にあるか、ベッド基台4側にあるかに関わらず、或いは駆動源の設置数が単数であるか、複数であるかに関わらず、駆動方式をモータ回転に代えて、エア駆動(エアバッグ、エアシリンダ等)とすることもできる。

また、駆動力の切換機構としてのロボットを、ベッド基台4側に設置せずに、移動台車の上に載せることもできる。

また、駆動力の切換機構としてロボットを使用せずに、例えばシーケンサにより切り換えるように構成することもできる。

上述した駆動機構5の他の変形例として、移動体(可動部材)13Bの移動方向を、上下方向および左右方向に加えて、前後方向にも駆動できるようにして、左右方向および前後方向のそれぞれにおいて移動体13Bに回転的動作をさせる。図26乃至図29は、上下、左右、前後の三方向への移動体13Bの駆動を可能とする駆動機構5を示している。この駆動機構5は、図26に示したように、一体に形成された3つの移動体13Bを同時に駆動するものである。

図27乃至図29に示した駆動機構5は、左右方向に延在する一対の第1ボールネジ71を有し、一対の第1ボールネジ71は第1歯付ベルト72を介して同時に回転動作するように構成されている。一対の第1ボールネジ71の一方は、その一端が第1内部ポート73を形成しており、第1内部ポート73はフレキシブルワイヤ(図示を省略)を介して駆動入力ポート7の一つに接続されている。

一対の第1ボールネジ71には一対の第1ナット部材74が螺着されており、一対の第1ボールネジ71の回転によって一対の第1ナット部材74が、ガイドレール(図示を省略)に沿って左右方向に移動する。

一対の第1ナット部材74には、前後方向に延在する第2ボールネジ75が回転可能に挿通されている。第2ボールネジ75の中央部分にネジが切られており、このネジが切られた部分に第2ナット部材76が螺着されている。

第2ボールネジ75には第2歯付ベルト77が係合しており、第2歯付ベルト77は4つの回転部材78で走行可能に支持されている。第2歯付ベルト77と第2ボールネジ75との噛み合い状態を確実に担保するために、例えば第2歯付ベルト77をローラ等で上から押さえるようにしても良い。

第2歯付ベルト77を支持する4つの回転部材78のうちの一つは第2内部ポート79を形成しており、第2内部ポート79は、フレキシブルワイヤ(図示を省略)を介して駆動入力ポート7の一つに接続されている。第2歯付ベルト77を走行させることにより、第2ボールネジ75が回転し、これに伴って第2ナット部材76が、ガイドレール(図示を省略)に沿って前後方向に移動する。

第2ナット部材76には、上下方向に延在する第3ボールネジ80が回転可能に支持されており、移動体13Bに接続された第3ナット部材81に第3ボールネジ80に螺合されている。第3ボールネジ80の下端部が、フレキシブルワイヤ82を介して第3内部ポート82に接続されている。第3内部ポート83は、フレキシブルワイヤ(図示を省略)を介して駆動入力ポート7の一つに接続されている。第3ボールネジ80を回転させることにより、ガイドレール(図示を省略)で案内された第3ナット部材81を昇降駆動することができる。

上述した駆動機構5を用いることにより、移動体13Bは、前後方向の軸線周りの回転的動作、すなわち患者の体幹の左右方向の移動動作(図5、図6)のみならず、左右方向の軸線周りの回転的動作、すなわち患者の身長方向の移動動作を行なうことができる。

なお、第1内部ポート73を回転させると第2ナット部材76は左右方向に移動するが、このときに第2歯付ベルト77が停止していると、第2ボールネジ75が回転駆動され、第2ナット部材76は同時に前後方向にも移動する。そこで、第2ナット部材を左右方向にのみ移動させる場合には、第2内部ポート79を同時に回転させて、誘起運動をキャンセルさせる。なお、第2内部ポート79に接続された駆動入力ポート7の回転駆動には、2台目のロボットのロボットアーム5を使用する。

図27に示したように、移動体13Bの移動可能範囲における所定の位置にリミットスイッチ84を配置することにより、上下・左右・前後の各方向において、移動体13Bを所定の位置に正確に移動させることができる。

図30に示した駆動機構5は、複数の移動体13Bのそれぞれを個別に駆動するように構成されている。この駆動機構5においては、1つの第3ボールネジ80に対して1つの移動体13Bが割り当てられている。これにより、個々の移動体13Bを、上下・左右・前後に独立して駆動することができる。

本実施形態による介護用ベッド1によれば、ロボット制御部58に予め組み込まれたプログラムによってロボットアーム6を駆動して、所定の床擦れ防止動作を自動的に行うようにしたので、深夜などに介護者が定期的に作業を行う必要がなく、介護者の精神的・肉体的な負担が解消され、被介護者Pにとっても、介護者に対する精神的な負担から解放される。

また、ロボットアーム6の位置決めにより、共通の回転駆動体52によって、複数の駆動力入力ポート7へ選択的に回転駆動力を伝達するようにしたので、複数の異なる動作を実現するための駆動源が一つで済み、構成を簡素化することができる。

また、ロボットへの教示内容を変更することにより、駆動力の供給点(駆動力入力ポート7)の指定順序(シーケンス)を容易に変更することができるので、複数の異なる動作を実現する上での柔軟性を高めることができる。

また、複数の駆動力入力ポート7に対する動力伝達の切替え機能を、ロボットアーム6自体が果たしているので、従来のような動力伝達先の切替えのためのクラッチ機構を不要とすることができる。

また、上下、左右、前後の全方位において、固定部材13Aの存在範囲内で移動体(可動部材)13Bが回転的動作を行なうために、ベッドの左右方向のみならず、前後方向にも動作可能であり、かつその方向に移動体13Bが突出せず、かつきめ細かい動作が可能となる。例えば、上半身は前側、下半身は後側に動作させると、上下体を伸すような動作が可能となる。

次に、本発明の他の実施形態による介護用ベッドについて、図31乃至図35を参照して説明する。

本実施形態による介護用ベッドは、図31および図32に示したように、床部3が複数の床部ユニット3Aを備えている。各床部ユニット3Aの内部には、図27乃至図29に示した駆動機構5が収納されている。各床部ユニット3Aは、図33に示したように、スリット状の固定部材13A13Aと、複数の細長の移動体(可動部材)13Bを有する。駆動入力ポート7と内部ポート73、79、83とがフレキシブルワイヤ85で接続されており、フレキシブルワイヤ85を介して床部ユニット3A内の駆動機構5に動力が供給される。

図35(a)、(b)、(c)に示したように、複数の床部ユニット3Aは、床部ユニット駆動手段86によって、互いに独立に傾斜駆動される。床部ユニット駆動手段86は、フレキシブルワイヤ(図示を省略)を介して駆動入力ポート7に接続されており、そこから動力が供給される。床部ユニット駆動手段86としては、例えば図13に示した昇降駆動機構を採用することができる。

本実施形態においては、各床部ユニット3A毎に移動体13Bを異なる動作で駆動することができる。或いは、同一の床部ユニット3Aに属する複数の移動体13Bを一体に形成して同時に駆動するようにしても良いし、それぞれ別個に形成して個別に駆動するようにしても良い。或いは、同一の床部ユニット3Aに属する複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動するようにしても良い。

本実施形態においても、図5および図6に示した回転的動作を、駆動機構5によって移動体13Bに行なわせることができる。

本実施形態の一変形例としては、図36および図37に示したように、床部ユニット3Aを、格子状の固定部材13Aと、複数の移動体(可動部材)13Bとで構成することができる。本例においても、各床部ユニット3A毎に移動体13Bを異なる動作で駆動することができる。或いは、同一の床部ユニット3Aに属する複数の移動体13Bを一体に形成して同時に駆動するようにしても良いし、それぞれ別個に形成して個別に駆動するようにしても良い。或いは、同一の床部ユニット3Aに属する複数の移動体13Bをいくつかのグループに分けて、各グループに属する複数の移動体13Bを同時に駆動するようにしても良い。

次に、本発明の他の実施形態による介護用ベッドについて、図38および図39を参照して説明する。

本実施形態による介護用ベッドは、床部ユニット3Aおよび駆動機構5が、床部全体のうちの所望の位置に着脱自在に装着できるようにモジュール式に構成されている。具体的には、図32に示した前述の実施形態において、図38に示したように駆動機構5を、分離可能なユニット5A、5Bにモジュール化して着脱自在とする。これにより、図39に示したように駆動機構5の一部のユニット5Bを取り外すことができる。

本実施形態においては、1台のロボットを複数のモジュール5A、5B間で共用するように構成されている。これにより、構造の簡素化および製造コストの軽減を図ることができる。

本実施形態による介護用ベッドによれば、床部ユニット3Aおよび駆動機構5が、床部全体のうちの所望の位置に着脱自在に装着できるようにモジュール式に構成されているので、被介護者Pのタイプ(足が重症、腰が重症等)に応じて、特に床ずれを防止したい部位にモジュールを適宜追加できる。これにより、各種のタイプの被介護者Pに対してフレキシブルに対応することができる。

次に、本発明の他の実施形態による介護用ベッドについて、図40乃至図42を参照して説明する。

本実施形態による介護用ベッドは、上述した各実施形態およびそれらの変形例において、図40に示したように、ベッドに横臥している被介護者Pの姿勢に関する姿勢情報を取得するための姿勢情報取得手段90と、姿勢情報取得手段90により得られた姿勢情報に基づいて駆動機構(可動部材駆動手段)5を制御して、移動体(可動部材)13Bの動作により被介護者Pの姿勢を所定の姿勢に変化させるための制御手段58と、を備えたことを特徴とする。

制御手段58は、姿勢情報取得手段90により得られた現在の姿勢情報と、目標とする所定の姿勢における姿勢情報とを分析し、被介護者Pの現在の姿勢と記所定の姿勢との差を徐々に小さくするように移動体13Bを複数回にわたって動作させる。

姿勢情報取得手段90は、好ましくは、被介護者Pを撮像することによって姿勢情報を取得する赤外線カメラである。赤外線カメラを用いることにより、被介護者Pが布団をかぶっている場合でも、人体の肢体のみを抽出する画像処理により、人体の姿勢、位置を特定することができる。

本実施形態による介護用ベッドにおいては、被介護者Pにとって楽な姿勢、或いは医師から指示された姿勢を予め複数個登録しておき、現在の姿勢から、一つのある楽な姿勢に少しずつ近づけていくことができる。或いは、一つの楽な姿勢から別の楽な姿勢に少しずつ近づけていくこともできる。

このように被介護者Pの姿勢が、ある(楽な)姿勢になるように、複数の移動体13Bを順に少しずつ回転的に動作させて、被介護者Pにとって自然な体位移動を可能とする。

図41は、本実施形態による介護用ベッドの動作手順を示している。まず、ある目標姿勢を設定し(S1)、カメラ90で被介護者Pを撮像して(S2)、被介護者Pの姿勢を特定する(S3)。次に、被介護者Pの現在の姿勢と目標とする姿勢との差を分析し、被介護者の各部(肩部、腰部等)における差を求める(S4)。

各部の求めた姿勢差がゼロ若しくは所定値以下であるか否かを判定し(S4)、YESの場合は動作を一旦終了する。一方、求めた姿勢差がゼロでないか若しくは所定値以上であった場合(NO)には、所定の順、または所定の量だけ、各部に対応する移動体(可動部材)13Bを動作させ(S6)、ステップS2に戻る。

なお、上述の移動体13Bの回転的動作は、ステップS1において新たな目標姿勢を順次設定することにより、所望の時間間隔にて順次実施される。これにより、長期間にわたってベッドに横臥する被介護者Pの床ずれを、効果的に防止することができる。

図42は、移動体(可動部材)13Bを動作させる際の、現在度から目標角度への変化パターンの一例を示している。便宜上、各部は、ベッドの長手の軸周り方向での回転角度を想定している。基本動作としては、各部を1箇所ずつ所定量動作させる。各部を複数同時に動作させても良い。但し、その場合はロボットアーム6は複数必要となる。一回に動作させる所定量は、各部によって異なっても良い。

従来の介護用ベッドは、ベッドの形状をある姿勢にして、被介護者Pの姿勢が従属的にそのベッドの形状に合おうとするものであるが、ベッドの形状と被介護者Pの姿勢には誤差がある場合が多いので、被介護者Pを望ましい姿勢にするには限界があった。

これに対して本実施形態による介護用ベッドは、被介護者Pをカメラ90で撮像してその姿勢を特定し、特定された姿勢に基づいて被介護者Pの姿勢を主体的に所望の姿勢にする。これにより、被介護者Pの姿勢を確実に所望の姿勢に変化させることができる。

1 介護用ベッド 2 床面 2A 固定床面 2B 可動床面 3 床部 3A 床部ユニット 4 ベッド基台 5 駆動機構 6 ロボットアーム 6a ロボットアームの基端部 6b ロボットアームの先端部 7 駆動力入力ポート 8 頭部領域 9 肩部領域 10 腰部領域 11 足部領域 12 方形部材 13A 固定部材 13B 可動部材(移動体) 14 可動矩形片 15 支持基部 16、18、37、46 直動支持部材(リニアガイド) 17 可動支持板 19、24、24A、36、38、45 ラック 20、25、35、39、44 ピニオン 21、26、32、34、43 接続軸 22、33、42 ウォームギア 23、40、41 入力軸 27、28、48、59、60、70 べベルギア 29、31 プーリ 30 ベルト 47 押上部材 49 リンク部材 51 ロボット主軸 52 回転駆動体 53 基端側リンク部材 54 先端側リンク部材 55、56、57 駆動モータ 58 ロボット制御部 61 貫通孔 62 回転駆動軸 63 エアシリンダ 64 ピストン 65 ベアリング 66、67 オルダムカップリングのハブ 68 オルダムカップリングのスライダ 69 バネ 71、75、80 ボールネジ 72、77 歯付ベルト 73、79、83 内部ポート 74、76、81 ナット部材 82、85 フレキシブルワイヤ 84 リミットスイッチ 86 床部ユニット駆動手段 L1 第1軸線 L2 第2軸線 L3 第3軸線 P 被介護者

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