可動式医療機器用のポール及び頂部体

申请号 JP2014543609 申请日 2012-11-27 公开(公告)号 JP2014533592A 公开(公告)日 2014-12-15
申请人 ストライカー コーポレイションStryker Corporation; ストライカー コーポレイションStryker Corporation; マイケル・グレイヴス・デザイン・グループ・インコーポレイテッドMichael Graves Design Group, Inc.; マイケル・グレイヴス・デザイン・グループ・インコーポレイテッドMichael Graves Design Group, Inc.; 发明人 グレイヴス、マイケル・イー; ストラム、ドナルド・エス; ヴァン・ヴァーリック、ロバート・ビー; マッカリー、ジョセフ・エイ; チャイルズ、ウィリアム・ドワイト; ポール、アニッシュ; バーマン、スティーブン・リー;
摘要 折り畳み式簡易ベッド、ストレッチャー、ベッド、車輪付きの椅子又は他の医療機器等の車輪付きの医療機器が、取り外し可能な頂部体が取り付けられるポールを含む。頂部体は、IVバッグを支持するのに用いられる複数のIVフックを含むことができる。フックは、円形である又は別の閉じた形状である無端リボン状体に画成されることができる。尖った突起も、フックも他の突起も頂部体から外側に延在せず、それによって、頂部体と不注意で衝突する潜在的な危険性を低減する。頂部体は、フックを含むか否かにかかわらず、色、形状、又は特定の情報を示す他の構造体の使用等を通じて、情報伝達媒体として使用されることもできる。上記情報は、医療機器に関連する患者の特徴、医療機器自体の特徴、又はさらに他の情報を識別することができる。
权利要求
  • 医療機器において、
    フレームと、
    前記フレームに結合されて、前記医療機器が車輪を転がして移動することを可能にする複数の車輪と、
    前記フレームに結合されるIVポールと、
    前記IVポールに結合され、無端リボン状体に画成された複数のフックを含むIVポール頂部体とを備える医療機器。
  • 前記リボン状体は円形である請求項1に記載の医療機器。
  • 前記円形のリボン状体は、前記IVポールの長手方向軸と位置が合わせされた中心を有する請求項2に記載の医療機器。
  • 前記IVポール頂部体は、前記IVポールに取り外し可能に取り付けられる請求項1に記載の医療機器。
  • 前記IVポール頂部体は、前記IVポールの長手方向軸と軸方向に位置が合わせされたねじによって前記IVポールに取り外し可能に取り付けられる請求項4に記載の医療機器。
  • 前記ねじは、前記IVポール頂部体の下のいかなる視点からも見えない請求項5に記載の医療機器。
  • 前記IVポール及び前記フレームに結合される第1のクランプと、
    前記IVポール及び前記フレームに結合される第2のクランプとをさらに含む請求項1に記載の医療機器。
  • 前記IVポールは第1のセクション及び第2のセクションを含み、前記第1のクランプ及び前記第2のクランプは、前記第1のセクション及び前記第2のセクションでそれぞれ前記IVポールに結合され、前記第1のセクション及び前記第2のセクションは互いに一列に並べられない請求項7に記載の医療機器。
  • 前記第1のセクション及び前記第2のセクションは互いに平行ではない請求項8に記載の医療機器。
  • 前記リボン状体は外側表面を含み、前記フックは、前記フックが前記外側表面から外側に延在しないように構成される請求項1に記載の医療機器。
  • 前記フレーム上で支持される座部であって、患者が着座することができる上面を有する座部と、
    前記フレームによって支持され且つ前記座部の後縁部に隣り合って位置付けられる背もたれであって、前記座部に着座している患者の背中への支持を提供する背もたれとをさらに含む請求項1に記載の医療機器。
  • 医療機器において、
    フレームと、
    前記フレーム上で支持される座部であって、前部、後部、右側部及び左側部を含む座部と、
    前記フレームによって支持され且つ前記座部の前記後部に隣り合って位置付けられる背もたれであって、前記座部に着座している患者の背中への支持を提供する背もたれと、
    前記フレームに結合されて、前記医療機器が車輪を転がして移動することを可能にする複数の車輪と、
    前記フレームに取り付けられるIVポールと、
    前記IVポールの上端部に取り外し可能に取り付けることができるIVポール頂部体であって、1つ以上のIVバッグを吊り下げる複数のフックを含むIVポール頂部体とを備える医療機器。
  • 前記フックのそれぞれは本体及び端部を含み、前記フックの本体及び前記フックの端部の双方は、前記IVポールの及ぶ範囲の長手方向軸と同軸である円の外周を画成するように配置される請求項12に記載の医療機器。
  • 前記IVポールを前記フレームにクランプ留めする複数のクランプをさらに含む、請求項13に記載の医療機器。
  • 前記IVポールは、少なくとも第1の筒状セクションと、前記第1の筒状セクションに対して平行ではない第2の筒状セクションとを含み、前記クランプのうちの第1のクランプは、前記フレーム及び前記第1の筒状セクションにクランプ留めされ、前記クランプのうちの第2のクランプは、前記フレーム及び前記第2の筒状セクションにクランプ留めされる、請求項14に記載の医療機器。
  • 前記複数のクランプは、6つの自由度における前記フレームに対する前記IVポールの移動に構造的に抵抗する請求項14に記載の医療機器。
  • 前記IVポール頂部体は、第1の情報を示す第1の色を有し、前記IVポール頂部体は、取り外されて、第2の情報を示し且つ前記第1の色とは異なる第2の色を有する別のIVポール頂部体と交換されることができる請求項12に記載の医療機器。
  • 前記第1の情報及び前記第2の情報は、前記座部に座る人に関するものである請求項17に記載の医療機器。
  • 医療機器において、
    フレームと、
    前記フレームに結合されて、前記医療機器が車輪を転がして移動することを可能にする複数の車輪と、
    前記フレームに結合されるポールと、
    前記ポールに結合され且つ前記医療機器についての第1の情報を示す第1の色を有する第1のポール頂部体とを備え、
    前記第1のポール頂部体は、前記第1の色とは異なる第2の色を有する第2のポール頂部体と交換可能であるように適合し、前記第2の色は、前記医療機器についての異なる情報を示す医療機器。
  • 前記ポールはIVポールであり、前記頂部体は、IVバッグを支持するように適合した複数のフックを有するIV頂部体である請求項19に記載の医療機器。
  • 前記第1の情報及び前記第2の情報は、医療施設内の場所に関するものである請求項20に記載の医療機器。
  • 前記第1の情報及び前記第2の情報は、前記医療機器にその時点で関連する患者に関するものである請求項20に記載の医療機器。
  • 前記複数のフックのそれぞれは本体及び端部を含み、前記フックの本体及び前記フックの端部の双方は、前記IVポールの及ぶ範囲の長手方向軸と同軸である円の外周を画成するように配置される請求項20に記載の医療機器。
  • 前記IVポール頂部体は、無端リボン状体に画成されてた複数のフックを含む請求項20に記載の医療機器。
  • 前記フレーム上で支持される座部であって、患者が着座することができる上面を有する座部と、
    前記フレームによって支持され且つ前記座部の後縁部に隣り合って位置付けられる背もたれであって、前記座部に着座している患者の背中への支持を提供する背もたれとをさらに含む請求項20に記載の医療機器。
  • 说明书全文

    本発明は、患者又は他の個人を運ぶのに適した車輪付きの椅子に関する。

    車椅子及び介助車が既知である。 そのような椅子は、個人が自で容易に歩くことが可能でないときに用いられることができ、又は、個人が自力で歩くことが可能ではあるがその人が歩かなくてもよいように車輪付きの椅子によって移動させることが望ましいときに用いられることができる。 そのような従来技術の車椅子及び介助車には、多くの場合、1つ又は複数の態様での椅子の使用を困難にする又は他の望ましくない特徴を有する1つ以上の不都合点がある。

    本発明の種々の態様は、車輪付きの椅子が車椅子であるか介助車であるかにかかわらず、1つ以上の態様の車輪付きの椅子の改善された使用し易さを提供する。 そのような態様は、ブレーキ、アームレスト、フットレスト、椅子の収納、並びに、介助車への酸素ボンベ及び/又はカルテ等の物の取付具、並びに他の態様を含むことができる。 つまり、態様によっては、椅子を乗り降りしやすいものにする、収納を容易にする、フットレストの使用を容易にする、様々な体格の患者を載せることを容易にする、又は、カルテ及び/若しくは酸素ボンベを介助車に載せて運ぶことを容易にするものがある。 他の実施形態では、これらの種々の態様のうちのいずれの1つ以上も、他の態様のうちのいずれの1つ以上とも任意の方法で組み合わされることができる。

    一実施形態によると、フレーム、複数の車輪、フレームに結合されたIV(点滴)ポール及びIVポール頂部体を含んだ医療機器が提供される。 車輪は医療機器が車輪を転がして移動することを可能にし、IVポール頂部体はIVポールに結合されている。 IVポール頂部体は、1つの無端リボン状体に画成される複数のフックを含む。

    別の実施形態によると、フレーム、座部、背もたれ、複数の車輪、IVポール及びIVポール頂部体を含む医療機器が提供される。 座部、背もたれ及びIVポールは、フレーム上で支持され、複数の車輪は、医療機器が車輪を転がして移動することを可能にするようにフレームに連結されている。 IVポール頂部体は、IVポールの上端部に取り外し自在に取り付けられることができ、IVポール頂部体は、1つ以上のIVバッグを吊り下げるための複数のフックを含む。

    また別の実施形態によると、フレーム、複数の車輪、フレームに結合されたポール及び第1のポール頂部体を含む医療機器が提供される。 第1のポール頂部体は、医療機器についての第1の情報を示す第1の色を有する。 第1のポール頂部体は、第1の色とは異なる第2の色を有する第2のポール頂部体と交換可能であるように適合しており、第2の色は、医療機器についての異なる情報を示す。

    さらに他の実施形態によると、IVポール頂部体のリボン状体は円形とすることができる。 円形のリボン状体は、IVポールの長手方向軸と一直線に並べられた中心を有することができる。 リボン状体は外側表面を含むことができ、フックは外側表面から外方に向かうように延在しないように構成されている。

    IVポール頂部体は、IVポールの長手方向軸と軸方向に一列に並べられたねじによってIVポールに取り外し自在に取り付けられることができる。 ねじは、IVポール頂部体よりも下のいかなる視点からも見えないように位置が定められることができる。

    医療機器は、IVポール及びフレームに結合される第1のクランプ、並びにIVポール及びフレームに結合される第2のクランプも含むことができる。 IVポールは、第1のセクション及び第2のセクションを含むことができ、第1のクランプ及び第2のクランプは、第1のセクション及び第2のセクションにおいてそれぞれIVポールに結合されている。 第1のセクション及び第2のセクションは互いに一列に並べられていない。 第1のセクション及び第2のセクションは、実施形態によっては、互いに平行でさえもないものとすることもできる。 複数のクランプが、フレームに対して6つの自由度においてIVポールの移動に構造的に抗するように構成されている。

    IVポール頂部体のフックは、本体及び端部をそれぞれ含むことができ、フック本体及びフック端部の双方は、IVポールの及ぶ範囲の長手方向軸と同軸である円の外周を画成するように配置されることができる。

    医療機器は、座部と、フレーム上で支持される背もたれとを含むことができ、それにより、患者は、座部に着座し且つ様々な場所に運ばれることができる。

    異なる色付けがなされる又は別様に異なるように構成されるIVポール頂部体によって伝えられる情報は、医療機器の座部に座る人に関するものであり得る。 情報は、代替として又は追加として、医療施設内の場所に関するものであり得る。 情報はさらに他の態様に関するものでもあり得る。

    本発明の多くの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、以下の説明に記載される又は図面に示される動作の詳細、構造の詳細及び構成要素の配置構成に限定されないということは、理解されるはずである。 本発明は、種々の他の実施形態で実施されることができ、そして本明細書では明示して開示されていない代替の方法で実用化又は実行されることができる。 また、本明細書において用いられる表現及び用語は、説明のためであって限定するものとみなされるべきではないということも理解されるはずである。 「含む」及び「備える」並びにその変形体の使用は、それらの前に挙げられる事項及びその均等物、並びに付加事項及びその均等物を包含するように意図されている。 さらに、種々の実施形態の説明において列挙が用いられることができる。 別途明示して記載されない限り、列挙を使用することは、本発明を、構成要素のいかなる特定の順序にも特定の数にも限定するものとして解釈されるべきではない。 列挙を使用することはまた、本発明の範囲から、列挙された工程若しくは構成要素と共に又は列挙された工程若しくは構成要素の中に組み合わせられ得るいかなる追加の工程をも構成要素をも除外するものとして解釈されるべきではない。

    第1の実施形態による車輪付きの介助車の後面図である。

    図1の車輪付きの介助車の側面図である。

    図1の車輪付きの介助車の正面図である。

    第2の実施形態による車輪付きの介助車の斜視図である。

    図4の介助車の側面図である。

    図4の介助車の正面図である。

    図4の介助車の平面図である。

    図4の介助車の下方斜視図である。

    フットレストが引っ込み収納位置まで枢動された状態で示された図4の介助車の斜視図である。

    一方のフットレストが前方の使用位置まで枢動され且つ他方のフットレストが後方の収納位置まで枢動されている状態で示された図4の介助車の斜視図である。

    使用位置にあるアームレストを示している車輪付きの介助車の第3の実施形態の側面図である。

    アームレストが収納又は引っ込みの位置にある状態で示された図11の介助車の側面図である。

    図11及び図12の介助車のアームレスト枢動機構の分解斜視図である。

    図11〜図13のアームレストが取り付けられるクロスバーの拡大斜視図である。

    図14のクロスバーに取り付けられるアームレスト枢動機構の拡大斜視図である。

    アームレスト枢動機構の第2の実施形態の分解斜視図である。

    アームレストが使用位置まで枢動して下げられた状態で示された図16のアームレスト枢動機構の側面図である。

    図17の枢動領域の拡大図である。

    アームレストが収納位置まで上げられた状態で示された図16のアームレスト枢動機構の側面図である。

    図16の枢動機構のエンドキャップの前方斜視図である。

    図19のエンドキャップの後方斜視図である。

    車輪付きの介助車の第4の実施形態の後方斜視図であり、介助車上の酸素ボンベホルダに挿入される過程にある酸素ボンベを示す図である。

    酸素ボンベが図21に示されているよりもさらに酸素ボンベホルダ内に挿入されているのを示す図21の実施形態の後方斜視図である。

    酸素ボンベが酸素ボンベホルダ内に完全に挿入されているのを示す図21の実施形態の後方斜視図である。

    係止位置で示された図21〜図23の酸素ボンベホルダの上段部分の斜視図である。

    係止解除位置にある上段部分を示す図24の酸素ボンベホルダの上段部分の斜視図である。

    酸素ボンベホルダの上段部分の代替の実施形態の分解斜視図である。

    図26の酸素ボンベホルダの部分の斜視図であり、その指状体が引っ込み位置にある状態で示された図である。

    図26の酸素ボンベホルダの部分の斜視図であり、その指状体が伸長位置にある状態で示された図である。

    酸素ボンベホルダの上段部分の代替の構成を示す、第5の実施形態による介助車の側面図である。

    酸素ボンベホルダの上段部分が酸素ボンベを取り外すことを可能にする位置まで上げられているのを示す図29Aの介助車の側面図である。

    下降位置にある酸素ボンベホルダの上段部分を示す図29Aの介助車の後面図である。

    上昇位置にある酸素ボンベホルダの上段部分を示す図30Aの介助車の後面図である。

    ブレーキペダルが押された状態で示された図11の車輪付きの介助車の後面図である。

    ブレーキ構造の一部をより良く示すために一方の後輪を仮想線で示す図31の介助車の側面図である。

    図31の介助車のブレーキシステムの分解斜視図である。

    図31の介助車のブレーキシステムの拡大分解斜視図である。

    本明細書において開示される介助車の実施形態のいずれにおいても用いられ得る代替のブレーキシステムの分解斜視図である。

    図35のブレーキシステムの構成要素の幾つかの拡大斜視図である。

    介助車に結合されて示された図35のブレーキシステムの下側の斜視図である。

    係合解除状態にあるブレーキを示す、図35のブレーキシステムの構成要素の幾つかの側面図である。

    係合状態にあるブレーキを示す、図38のブレーキ用構成要素の側面図である。

    図35のブレーキ構造のブレーキ用の円盤及びカラーの斜視図である。

    ブレーキペダルが押されているのを示す図35のペダルの側面図である。

    進行許可ペダルが押されているのを示す図41のペダルの側面図である。

    本明細書において開示される介助車のいずれにおいても用いられ得るフットレストの枢動機構の第1の実施形態の分解斜視図である。

    図43の枢動機構の分解斜視図である。

    図44のロックインサート体の斜視図であり、このロックインサート体の下側を示す図である。

    IVポール頂部体の第1の実施形態の斜視図である。

    IVポール頂部体の第2の実施形態の斜視図である。

    図47のIVポール頂部体とIVポールと介助車にIVポールを固定するのに用いられる一対のクランプとの斜視図である。

    図48のクランプ及びIVポールの拡大斜視図である。

    図48のクランプ、IVポール及びハンドルバーの断面図である。

    引っ込み位置にあり且つ本明細書において開示される介助車の実施形態のいずれにも含められ得る脹脛レスト伸長部を示す、図29Aの介助車の側面図である。

    伸長位置にある脹脛レスト伸長部を示す図51の介助車の側面図である。

    ハンドルが引かれていない位置にある状態で示された図51の脹脛レスト伸長部の側面図である。

    ハンドルが引かれた位置にある状態で示された図53の脹脛レスト伸長部の側面図である。

    図51〜図53の脹脛レスト伸長部の構成要素の幾つかの分解斜視図である。

    図51〜図53の脹脛レスト伸長部の構成要素の幾つかの別の分解斜視図である。

    図51〜図53の脹脛レスト伸長部のロック機構の断面図であり、ロック位置にあるロック機構を示す図である。

    図57のロック機構の断面図であり、ロック解除位置にあるロック機構を示す図である。

    図51〜図53のロック機構の幾つかの他の構成要素の分解斜視図である。

    概ね平な向きにある脹脛支持体を示す、脹脛レストの上側部分の断面側面図である。

    枢動した向きにある脹脛支持体を示す、脹脛レストの上側部分の断面側面図である。

    一対の介助車の平面図であり、これら介助車の入れ子式機能を示す図である。

    図62の介助車の側面図である。

    図62の介助車の前方斜視図である。

    図62の介助車の後方斜視図である。

    後部のウイリー走行体セットを有する介助車の底部の側面図である。

    図66のウイリー走行体セットの構成を示す分解斜視図である。

    本発明の第1の実施形態による介助車20が図1〜図3に示されている。 介助車20は、病院、療養施設、医院又は同様の場所に限定されるわけではないが、これらのような医療施設内の様々な場所に患者が運ばれるのを可能にするように適合している。 介助車20の複数の異なる実施形態を以下において及び添付の図面において記載する。 本明細書で開示される原理から逸脱することなく、本明細書で記載され添付の図面に示される実施形態の更なる変形がなされ得るということは、理解されるであろう。 本明細書で記載される車輪付きの介助車は、多数の革新的な態様及び特徴を含むことが理解されるであろうし、そして、これらの態様及び/若しくは特徴のいずれの1つ以上も他の態様若しくは特徴のいずれの1つ以上とも組み合わされることができることも理解されるであろうし、又は、これらの態様若しくは特徴のいずれの1つも単独で用いられることができることも理解されるであろう。 例えば、以下の説明は、アームレスト、フットレスト、ブレーキ、酸素ボンベホルダ、IVポール、カルテホルダ、脹脛レスト及び他の特徴部を含む種々の異なる特徴部の説明を含む。 これらの特徴部のいずれの1つも、介助車に単独で組み込まれることができる。 あるいは、これらの特徴部の複数が、任意の所望の組み合わせで単一の介助車に組み込まれることができる。 またさらに、これらの特徴部の幾つかは、例えばIVポール及びIVポール頂部体、酸素ボンベホルダ並びにブレーキを含み、介助車のほかに他の用途で用いられることができる。 そのような他の用途としては、それに限定するわけではないが、車輪付きの医療機器又は他のタイプの医療機器が挙げられる。

    本明細書での説明の多くが、椅子20及びその種々の実施形態に言及するのに「介助車」という用語を用いているが、本明細書で記載される種々の実施形態及び発明は、介助車に加えて車椅子にも同様に適用可能であるということは、理解されるであろう。 「車輪付きの椅子」という用語は、本明細書では、車椅子及び介助車の双方を包含する総称として用いられる。 一般に、車椅子は、次の点で介助車とは異なる。 つまり、車椅子は、患者がつかみ且つ自身を移動させるために用いるのに十分に大きい後輪を含むが、その一方で、介助車は、より小さい車輪を有する傾向にあり、このより小さい車輪は、介助車の中の患者が自身を推し進めることを通常できないようにするが、その代わりに、介助者に椅子に着座している間の患者を押し引きすることを要求するという点である。

    図1〜図3に示されている介助車20は、フレーム22と、フレーム22上で支持される座部24と、一対のアームレスト26と、複数の車輪28(前輪28a及び後輪28bを含む)と、少なくとも1つのフットレスト30と、一対のハンドル32と、背もたれ34と、IVポール36とを含む。 介助車20はさらに、カルテホルダ下段部分38と、カルテホルダ上段部分40と、酸素ホルダ下段部分42とを含む。 図1〜図3に示す実施形態には示されておらず、他の箇所(例えば図4〜図10及び図31〜図44内、並びに、図4〜図10及び図31〜図44を参照する箇所)に記載されているが、介助車20は、ブレーキペダル、ストッパペダル、追加のフットレスト、及び酸素ボンベホルダも含むことができる。 さらに他の特徴部も介助車20に加えることができる。

    座部24は、患者が介助車20に乗って運ばれつつ着座することができる上面48を提供する。 座部24は、前縁部44(図2)と、一対の側縁部46a及び46b(図3)とを含む。 座部24は、クッション付きであってもよく、又は実質的に剛直であってもよく、上面48の上に配置される別個のクッション(図示せず)のための支持を提供してもよい。 座部24は、フレーム22のクロスバー50よりも上で支持される。 クロスバー50は、フレーム22の一対の後脚部52同士の間で側方に延在する。 以下でさらに詳細に説明するように、クロスバー50は、アームレスト26が中心として枢動することができる水平な枢動軸を一般的に画成する。

    各後脚部52は、座部24の真下で前方に延びる対応する前方脚部54に留め付けられる。 後脚部52及び前方脚部54は、両側面から見て、X字状に互いに交差する。 すなわち、後脚部52は、後輪28bから、後脚部52が座部24に支持を与える位置である座部24の真下の位置にまで、上方且つ前方に向かって延び、その一方で、前方脚部54は、座部24の後ろから、介助車20の前端部62に隣り合う終端にまで、下方且つ前方に向かって延びる。 後脚部52及び前方脚部54による十字の配置構成は、X字形状を概ね画成する。 前方脚部54の終端のそれぞれでは、前輪28a及びフットレスト30が取り付けられ且つ支持される。 後脚部52の上側端部のそれぞれでは、座部24が結合される座部ブラケット68が取り付けられる(図8及び図67参照)。

    前方脚部54は下側部分56及び上側部分58を含む。 背もたれ34は、前方脚部54の上側部分58に取り付けられている。 背もたれ34は、患者が介助車20に着座しつつ自身の背中をもたれさせることができる表面を提供する。 背もたれ34は、それ自体がクッション付きであってもよく、剛直であってもよく、背もたれ34に取り付けられる別個のクッション(図示せず)のための支持を提供してもよい。

    図1〜図3に示されている実施形態では、フレーム22の前方脚部54は、ハンドル32としてのそれらの上側端部で終端する。 ハンドル32は、介助車20を押して操するために介助者が握ることができる構造を提供する。 ハンドル32は代替として、任意の好適な方法で脚部54に取り付けられる脚部54から分かれた構造であってもよく、又は任意の好適な方法で介助車20の任意の他の好適な構造に取り付けられる脚部54から分かれた構造であってもよいことは、理解されるであろう。 一実施形態では、ハンドル32は、ハンドル32に加えられるグリップ材を含み、このグリップ材は、人の手とグリップ材との間の滑り接触に抵抗し、それによって、介助者の手は、ハンドル32を介して介助車20を押し引きするときに滑りにくくなる。 別の実施形態では、ハンドル32にはいかなる材料も加えられない。

    図3に示されているように、前方脚部54の下側部分56はそれぞれ、介助車20の後端部60から前端部62まで延びるにつれて互いから外方に向かって傾斜する。 以下でさらに詳細に記載するように、下側部分56のこの傾斜は、前輪28a同士の間に、後輪28b同士の間における側方の間隔D3よりも大きい間隔D4を生む(図3)。 このより大きい間隔は、患者が椅子20の前に起立するためのより大きいスペースをもたらし、そして、2つの介助車20が格納されるときに介助車20が別の同様の介助車20と入れ子になるためのスペースももたらす。 介助車20の前のこのより大きくなったスペースは、患者が介助車20の前に位置しつつも、フットレスト30にぶつかる可能性が低くなった状態で且つ利用可能な移動範囲が大きくなった状態で、患者が起立し、向きを変え、そして動き回ることを可能にし、それによって、介助車20に入ること及び介助車20から出ることを容易にする。 さらに、介助車20の入れ子式機能は、使用されていないときに複数の介助車20が占めるスペースを減少する。 以下でさらに詳細に説明するように、介助車の代替の実施形態のためのそのような入れ子式は図62〜図65に示されている。

    図1〜図3の介助車20は、介助車20に乗って運ばれる人に必要であり得る酸素ボンベ66を保持して示されている。 運ばれている患者が酸素を必要としていない場合、ボンベ66は介助車20から取り外されてもよい。 介助車20がボンベ66を運ぶのに用いられる場合、酸素ボンベ66の底部を保持する下段部分42と、酸素ボンベ66の上部領域を固定する上段部分(図1〜図3には図示せず)とを含む酸素ボンベホルダに酸素ボンベ66が取り付けることができる。 下段部分は、床に接近して位置が定められ、且つ比較的浅い深さを有することができ、それにより、介助者は、(重い可能性がある)酸素ボンベ66をホルダの下段部分42内に配置するために、従来の酸素ボンベホルダを用いる場合ほど酸素ボンベ66を持ち上げる必要がない。 上段部分は、以下でさらに説明するように種々の異なる構成をとることができる。 上段部分及び下段部分の双方を以下でさらに詳細に説明する。

    IVポール36は、概ね鉛直な棒状体70を含み、この棒状体70は、その下側端部でIVポールブラケット72(図1)を介して前方脚部54のうちの一方の上側部分58に取り付けられる。 IVポール36の上側端部は、IVポール頂部体74を含み、このIVポール頂部体74は、IVバッグ又は他の医療用具が吊り下げられることができる複数のフック76を画成する(図46及び図47も参照)。 IVポール頂部体74は(上又は下から見ると)概ね円形の形状であり、各フック76は、IVポール頂部体74の円形形状の外周を画成するように円弧状に形づくられる。 各フック76は、多くの従来技術のIVフックがそうであったように棒状体70によって画成される概ね鉛直な軸から半径方向外方に向かって延在するのではなく、頂部体74の外周の周りを回るように円形状に延在する。 この構成によって、介助者も介助車20の隣に立つ他の人も不注意でぶつかる可能性がある外方に向かって延在するフック76がなくなることになる。 頂部体74の高さは多くの場合に(立っている時の)人々の頭の一般的な高さにある又は上記高さ付近にあるため、従来技術におけるようないかなる外方に向かって突出するフックも、人の頭にぶつかったときに痛みを与えるであろう突出部を生み出す可能性がある。 対照的に、図1〜図3に示されているIVポール36のフック76は外方に向かって延在せず、それ故突出度と一直線に並ぶ角度からぶつかられ得るいかなる突出部も生み出さない。 その代わりに、フック76に対してぶつかることがあっても、それは、はすかいである及び/又はかするものとなり、それによって、そのようにぶつかることの衝撃を最小限に抑える。 それ故、頂部体74及びフック76は、そうでない場合に人がその頭又は他の身体部分をフック76にぶつけることから生じかねないいかなる負傷の重症度も軽減するのに役立つ。

    図1〜図3は円弧状に形づくられた3つのフック76を有するIVポール頂部体74を示しているが、IVポール頂部体74の構造は変更が加えられてもよい。 例えば、図47は、1つの代替の実施形態のIVポール頂部体274を示しており、このIVポール頂部体274は、介助車20に、又は本明細書で説明される他の介助車の実施形態のいずれにも取り付けられることができる。 IVポール頂部体274は5つの円弧状のフックを含む。 さらに他の数のフック76がIVポール頂部体274に含められてもよい。 さらにまた、IVポール頂部体74及び/又は274の形状は、図示されている形状から、不注意で接触するかもしれない人に一直線に向くいかなるフック76が生じる可能性も減らす他の任意の形状に変更されることができる。 例えば、フック76は、IVポール頂部体74又は274の中心に向かって半径方向内側に向いてもよい。 他の構造もまた可能である。

    上述したように、介助車20はまた、カルテホルダも含むことができ、このカルテホルダは、1つ以上の患者の医療カルテを運ぶため、又はバインダを運ぶため、又は書類を運ぶため、又はこれらのものを任意に組み合わせたものを運ぶためのものである。 カルテホルダの構成は、以下でさらに詳細に記載するように一様でない。 図1〜図3に示されている実施形態では、カルテホルダは、カルテ及び/又は書類を載せることができる下段部分38を含む。 上段部分40は、カルテ及び/又は書類が下段部分の外にひっくり返ることを防ぐ。 上段部分は、背もたれ34の後ろで前方脚部54の上側部分58同士の間に延在する屈曲バー80によって画成される。 屈曲バー80は、屈曲バー80と背もたれ34の後面との間に開口82(図1)を画成するようなかたちで曲げられている。 カルテ、バインダ又は書類の組は、カルテ、バインダ又は書類の底部がカルテホルダの下段部分38に載るまで開口82内に挿入されることができる。 カルテホルダの下段部分38と上段部分40との間の鉛直方向距離は、通常用いられる書類の高さ及び/又は幅よりも小さくなるように寸法決めされる。 これ故、カルテ、バインダ又は書類が下段部分38に載ったとき、カルテ、バインダ又は書類の上端部が屈曲バー80よりも高く延在することになる。 それ故、屈曲バー80は、カルテ、バインダ又は書類が下段部分38から離れるようにひっくり返ることを防ぐことになる。 実施形態によっては、カルテ、バインダ又は書類をつかむクリップ又は他の留付構造を含めることができる。 そのようなクリップは、下段部分38の上に据わりつつも開口82の外に曲がる又は折り返る可能性がある曲がりやすいもの(書類の個々の紙又は少量の書類又は他の曲がりやすいもの等)に特に有用となり得る。

    本発明の別の実施形態による介助車220が図4〜図10に示されている。 介助車20の構成要素と同じである介助車220の構成要素には、同じ参照符号が付されており、これら構成要素の説明は介助車220にも同様に当てはまる。 介助車20における対応する構成要素と似ているが変更を含む介助車220の構成要素は、200だけ増えた同じ参照符号によって言及される。 介助車20において類似するものを有しない介助車220の構成要素は新たな参照符号を有する。 介助車220は、介助車20にはないその構成要素のいずれをも除外するように変更が加えられることができる、及び/又は、介助車220は、図4〜図10には示されていない介助車20の構成要素のいずれをも含むように変更が加えられることができるということが、さらに理解されるであろう。

    介助車220は、介助車20に似ているが、図示のように、いかなるカルテホルダ構成要素も、酸素ボンベホルダも、IVポールも含まない。 介助車220は、介助車20には存在しない一対のボタン214と、フレーム22の後脚部52の下端部に位置が定められるウイリー走行体のセット78と、他の異なる部分とをさらに含む。 ボタン214は、鉛直方向下方に押され、それによりすぐ隣りにあるフットレスト30を座部24の前の使用位置(図4〜図8に示されている)から介助車220の側部46に沿う収納位置(図9に示されている)にまで自動的に枢動させることができる。 ボタン214及びボタン214によって制御される枢動機構の構造及び機能は以下でさらに詳細に説明する。 ウイリー走行体セット78は、介助者が介助車220を縁石又は他の障害物等の妨げとなるものを越えて移動させるときに介助車220の前端部を持ち上げることを容易にするのに役立つ。 ウイリー走行体セット78はまた、介助車220が後方にひっくり返ることを防ぐのにも役立ち、それによって、特に図66及び図67に関して以下でさらに説明するように、介助車220が不意に後方に完全にひっくり返ってしまうことを防ぐのに役立つ。

    介助車220は、介助車20のように、後輪28b同士の間の側方距離D3よりも小さい側方距離D4だけ間隔をあけて配置されている一対の前輪28aを含む。 このことによって、座部24の前により開放されたスペースが形成され、それにより患者は介助車220により容易に出入りすることができる。

    介助車20及び220の種々の構成要素の詳細な構造、並びに介助車の他の実施形態が以下でより詳細に説明される。 これらの構成要素は、アームレスト、フットレスト、酸素ボンベホルダ、ブレーキ、脹脛レスト、IVポール及びIVポール頂部体、並びに他の構成要素を含む。 前述したように、これらの種々の構成要素は、単一の介助車において任意の好適な様式で組み合わされてもよく、介助車内でそれら自体個々に用いられてもよい。

    アームレスト 図11〜図13は、介助車20及び220と同じ態様及び構成要素の多くを含む介助車420の第3の実施形態を示している。 介助車20又は220の構成要素と同じである介助車420の構成要素には同じ参照符号が付されており、それら構成要素の説明は介助車420にも同様に当てはまる。 介助車20において類似のものを有しない介助車420の構成要素は新たな参照符号を有する。 介助車420は、椅子20にも椅子220にもないその構成要素のいずれをも除外するように変更が加えられることができる、及び/又は、介助車420は、図11〜図13には示されていない介助車20又は220の構成要素のいずれをも含むように変更が加えられることができるということが、さらに理解されるであろう。

    介助車420のアームレスト26は、介助車20及び220と本明細書で後に記載される介助車のいずれもとを含む本明細書で説明される介助車の実施形態のいずれにも、組み込まれることができる。 アームレスト26はそれぞれ、支持バー90及びアームバー92を含む。 アームバー92は、患者が座部24に着座している間に自身の腕を載せることができる構造を提供する。 アームバー92はまた、患者が座部24に出入りするときに掴むことができる構造も提供する。 支持バー90はアームバー92をフレーム22に連結する。 アームバー92は後部86及び前部88を含む。 図11に示されているように、前部88の高さ(H1)は、後部86の高さ(H2)よりも高い。 前部88のより高くなった高さ(H1)は、介助車420に出入りする患者により利用しやすい支持を提供する。 すなわち、立っている又はほとんど立っている患者は、立っている又はほとんど立っている間にアームレスト26の前部88により容易に手を届かせることが可能である。 このことは、患者が介助車420に出入りする間、又はまさに介助車420に出入りしようとするときに患者が前部88につかまることを容易にする。 前部88の特定の高さ(H1)は変えることができるが、前部88の特定の高さ(H1)は、人が立っており且つ自身の腕及び手を自身の側部で下方に垂らしているときにおけるその人の人差し指(又は中指)の地上からの高さの中央値(所定の母集団に対するもの)に近くなるように一般的に選択され得る。 この高さの中央値は、母集団が異なる毎に幾分変わるが、一般的に1インチ又は2インチを超えるようにはほとんど変わらない。 例えば、この高さは、身長に関して5パーセンタイルの女性と比較して身長の95パーセンタイル内の男性を考察したときに、わずかな数インチしか変わらない。

    患者が完全に立ちつつ患者の指の端で通常は触れられ得る高さにアームレスト26の前部88の位置を定めることによって、患者は、自身が完全に直立しつつもつかみ部を感知してつかみ部に接触することが可能である。 このことは、患者が、完全に立ちつつ自身の身体に対する介助車420の位置を触覚で判断することを可能にする。 それ故、患者は通常、起立姿勢から着座姿勢になるときに、介助車の場所を判断する前にかがみ始める必要がなく、このため、(かがんだ姿勢にある自身を身体的にうまく支持することができない可能性がある)患者が着座する前に座部24に狙いを定めて自身と座部24とを適切に位置合わせするのを確実にすることが、手助けされる。 アームレスト26の前端部のより高くなった高さは、患者に信頼感も与え、そして、立っている間につかみ部に単に触れることから、介助車内への下方への動作の間で支持のためにつかみ部をしっかりとつかむことへの移行を容易にする。

    またさらに、介助車420から出る間、アームレスト26の前部88のより高くなった高さは、着座から起立する動作の実質的に全体を通して患者がアームレスト26につかまり続けることを可能にする。 実際には、患者は多くの場合に、着座から起立する動作の全体を通してアームレスト26の前部88を押し下げ(それ故自身を持ち上げ)続けることができる。 このことは、患者が把持するためのいかなる構造も介助車に設けずに行われるための患者の着座から起立への移行の終末部の必要性を実質的に排除する。 このことはまた、患者が起立した後に自身の身体に対する介助車の場所の触覚的な指標を患者に提供し続け、患者が自身のバランスを失わないことを確実にするのに役立ち、介助車への自身の近接度を患者に気付かせることにも役立つ。 またさらに、このことは、患者が介助車420の前に立ちつつ自身のバランスを維持するのを助けることができる。

    図11には、後部86の高さH2が床に対して規定されるものとして示されているが、これは主に、アームレスト26の前部88の高さH1との比較の目的のためになされている。 実際には、高さH2は、座部24の上面48に対してより有益になるように規定されることができる。 すなわち、後部86の高さは、座部24に着座し且つ自身の腕を自身の側部で下方に垂らしているときの母集団の肘の高さの中央値に相当する又は肘の高さの中央値に近い高さで座部24の上に位置が定められるように選択されることができる。 それ故、介助車420内で座部24に直立して着座している人は、自身の肘をアームレスト26の後部86に載せるために、仮にそうであるとしても大して猫背になる必要がない。 この高さは、介助車420に着座しつつ人の腕に楽な支持及び快適さを提供する。

    同様に図11において分かるように、アームレスト26の前部88はまた、座部の前縁部44から距離D1だけ前方へ延在し得る。 距離D1は数インチに等しいものとすることができるが、距離D1の正確な大きさは変えることができる。 前縁部44から前方へ延在することによって、患者は、介助車420の前に立っていながらも、又は起立から着座する姿勢に移行し始めながらも、又は着座から起立する姿勢への移行を終えながらも、アームレスト26をより容易に把持することができる。 患者は、アームレストを把持するのに自身の背中の後ろに手を延ばす必要がない。 このことは、アームレストを見ることを容易にするだけではなく、直立している又はほぼ直立しつつアームレストをつかむことも容易にする。 さらに、アームレスト26の余分な長さは、患者が座部24に近づきつつ自身を支持するための構造を提供する。 座部の前縁部まで(又はより短い距離)しか延在しないアームレストを有する従来技術の介助車とは対照的に、介助車420のアームレスト26は、患者が立ちつつアームレスト26に手を伸ばすために前かがみになることも自身の腕を折り曲げることも必要としない患者のための支持構造を提供する。 その代わりに、患者は、自身の腕を真っ直ぐに上又は下に向けた状態で完全に直立しつつ、アームレスト26上で自身を支持することができる。 このことは、患者が介助車420に出入りすることを容易にする。

    図11及び図12に示されているように、アームレスト26は、使用位置(図11)と収納位置(図12)との間で枢動可能であるものとすることができる。 この枢動は、患者が座部24の両側部のいずれに沿っても座部24に出入りすることができるように、アームレストを邪魔にならないところに移動させることを可能にする。 アームレスト26の枢動はまた、アームレスト26の側方の間隔にほぼ等しい又はより広い胴回りを有する患者が、アームレスト26同士の間の不十分な側方の間隔のためにアームレスト26同士の間で圧迫を受けることも座部に全く着座できないようにされることもなく、座部24に快適にはまることも可能にする。

    アームレスト26の枢動は、図示の実施形態でクロスバー50と位置が合わせされている概ね水平な枢動軸94を中心に行われる。 枢動軸94は、座部24の高さよりも低い高さに位置する。 座部24よりも低い高さに位置することによって、アームレスト26が収納位置に枢動されたときに患者が座部24の側部から出ることを阻止する構造も妨害する構造も、実質的にはない。 それ故、図12において分かるように、アームレスト26が収納位置にまで枢動されたとき、支持バー90が角度を付けて曲げられる一方でアームバー92が背もたれ34の完全に後ろにあり、その結果、アームバー92のいずれの部分も、患者が側部から座部24を出ることの実際の妨げとはならない。 これ故、アームレスト26が収納位置にまで枢動されたとき、介助車420は、患者の観点からでは、実質的にアームレストが全くないかのように構成される。 したがって、アームレスト26を収納位置にまで移動させることは、そうでない場合に座部24に側部から出入りすることを妨げかねないいかなる障害物もなくす。 その移動はまた、アームレスト26同士の間の側方距離よりも大きい胴回りを有する患者が座部24に着座することを妨げる又は不快にするいかなる構造もなくす。

    枢動軸94はまた、図11及び図12において分かるように、背もたれ34によって画成される概ね鉛直な平面の前にある位置に位置する。 枢動軸94を背もたれ34によって概ね画成される平面の前に位置付けることによって、枢動軸94と前部88の前端部との間に画成されるレバーアームは、(背もたれ34と一致するラインにあるとした場合の枢動軸と比較して)短くなる。 この短くなったレバーアームの距離は、アームレスト26の前部88に対して、背もたれ34によって画成される概ね鉛直な平面のより近くに又は後ろに枢動軸94の位置が定められるとした場合よりも、大きい下向きの力が安全に加えられ得ることを、意味している。 このことはさらに、前部88を堅固なものにし、前部88の高くなった強度及び安定性の感覚を患者に提供し、それによって、座部24に出入りするときに自身を十分に支持するために前部88を安全に使用することができるという座部24に出入りする間における信頼感を、患者に与える。

    それに限定されるわけではないが、介助車20及び220と後述する介助車とを含む本明細書で記載される介助車の実施形態のいかなるものも、そして全ても、図11及び図12に関して上述した枢動可能なアームレスト26を含むことができる。 すなわち、本明細書で記載される他の介助車のアームレスト26のいずれもが、座部24の下及び背もたれ34の前に画成される枢動軸から枢動するアームレスト26を含むことができる。 さらに、本明細書で記載される介助車の実施形態のいずれにおけるアームレスト26も、アームバー92の後部86に対して高くされる前部88の特徴を含むことができる。 アームレスト26が使用位置と収納位置との間で枢動することを可能にする枢動機構は、任意の好適な形態をとることができる。 枢動機構の例示的な一実施形態が図13〜図15に関連して以下で記載される。 枢動機構の別の例示的な実施形態が、図16〜図20に関連して記載される。 さらに他の枢動機構が、本明細書に記載される介助車のいずれにも使用されることができる。

    図13及び図14は、アームレスト26の枢動機構96の1つの好適な構成を、詳細に示している。 枢動機構96は、一対のブシュ98、解除つまみ100、円筒体102、ばね104、ロックピン106、エンドキャップ108、ばねハウジング110、及びストッパピン112を含む。 ブシュ98はそれぞれ、円筒体102内にぴったりと嵌まるように寸法決めされる。 より具体的には、各ブシュ98は、クロスバー50の端部に画成される対応チャネル114内にぴったりと収まるように寸法決めされる(図13及び図14)。 ブシュ98は、アームレスト26が軸94を中心に枢動する間にアームレスト26の枢動移動を容易にする。 解除つまみ100の首部分が、ばねハウジング110内に画成された開口部116(図15)内にぴったりと合う。 首部分は、開口部116に挿入された後でロックピン106に取り付けられる。 ばね104は、円筒形状であり且つ開口部116の直径よりも大きい直径を有する。 ばね104の直径はまた、ロックピン106の上側部分118よりも大きいが、ロックピン106の下側部分120の直径よりも小さい。 それ故、ばね104は、上側部分118の上に嵌まるが、下側部分120の上には嵌まらない。 ばね104は、ロックピン106とばねハウジング110の内側との間に介在する。 ばね104は、アームレスト26が収納位置にまで枢動されたときに、圧縮され且つロックピン106に対して力を加えるように構成されることができ、上記力は、ロックピン106を枢動軸94に向かって半径方向内側に付勢する力である。 このようにロックピン106を枢動軸94に向かって付勢することによって、ロックピン106は、アームレスト26が使用位置にまで枢動されたときに、クロスバー50上に画成されている止め孔122内に自動的に摺動させられることになる。 ばね104は、アームレスト26が使用位置にある間、止め孔122内に留まるようにロックピン106を付勢し続ける。 ロックピン106が止め孔122内で据わっているとき、アームレスト26は、枢動軸94を中心に回動するのが防止されるが、これはクロスバー50が回動しないためであり、このことは、ロックピン106が止め孔122に挿入されている間は止め孔122が移動せず、アームレスト26も移動することができないことを意味する。

    アームレスト26を収納位置に移動させるには、ユーザーはまず、解除つまみ100を枢動軸94から半径方向外側への方向に引っ張らなければならない。 解除つまみ100は内部でロックピン106に結合されているため、もし、この外方への半径方向の力が、ロックピン106を止め孔122内のロック位置に向かって付勢するばね104のばね力に打ち勝つほど十分な大きさである場合には、この外方への半径方向の力は、ロックピン106を止め孔122から外に移動させやすいものとなる。 ロックピン106が止め孔122から外に移動させられると、アームレスト26は収納位置まで自由に回動することができる。 枢動軸94を中心としたアームレスト26の枢動移動は、ストッパピン112によって制限され、このストッパピン112は、その一部が内部から又は円筒体102から内方に延びるように円筒体102内に挿入される。 ストッパピン112におけるこの内方の部分は、クロスバー50内に画成されている細長いチャネル124(図14)内に座ることができる。 この細長いチャネル124の両端部は、アームレスト26の枢動動作の前後方向の境界を画成する。 ストッパピン112がこの細長いチャネル124の一方の端部に達したとき、アームレスト26は時計回りの方向にさらに回動することが防止され、ストッパピン112が細長いチャネル124の他方の端部に達したとき、アームレスト26は反時計回りの方向にさらに回動することが防止される。

    アームレスト26が使用位置にまで移動させられたとき(図11)、ばね104は、ロックピン106を自動的に押してクロスバー50に画成されている止め孔122に入れる。 その結果、ユーザーがアームレスト26をそれらの使用位置にまで押したとき、アームレスト26はそれぞれ、それらのロック状態に自動的に戻る。 このロック状態では、ユーザーが解除つまみ100を引っ張らない限りいずれのアームレスト26も枢動することができない。 このことのため、ユーザーは、アームレスト26をクロスバー50に対して枢動させることなくアームレストのいずれか又は双方を支えとして立ち上がることができる。 したがって、アームレストは、介助車上で上方への力を加えるために患者及び介助者のいずれによっても用いられることができる。 そのような上方への力は、自身を前方に引くこと等によって患者が自身を座部24の上で位置決めし直そうと試みる結果として生じるものであったり、又は、そのような力は、介助者が介助車を部分的に持ち上げる若しくは別の方法で位置決めし直そうと試みる結果として生じるものであったりする。 力の目的に関係なく、アームレスト26は、使用位置でロックされたとき、上方の方向、下方の方向及び側方の方向のいずれにも移動することが可能ではなく、それによって、患者が出入りの間に支持体として使用するために把持するための堅固で有用な構造も、介助者が介助車を保持又は移動させるために把持するための堅固で有用な構造も提供する。

    図16〜図20は、介助車420と共に及び/又は本明細書で記載される他の介助車の実施形態のいずれとも共に用いられることができる枢動機構196の代替の構成を示している。 枢動機構196は、支持バー90の下端部に取り付けられる又は一体化される円筒体102を含む。 枢動機構196は、ブシュ98、解除つまみ100、ばねハウジング110、ばね104、ロックピン106、ストッパピン112、及びエンドキャップ108をさらに含む。 枢動機構196は、枢動機構96と実質的に同じように動作する。 すなわち、ユーザーは、アームレスト26を枢動させることを可能にするために、クロスバー50によって画成される水平な枢動軸94から半径方向外側に向かって解除つまみ100を引っ張る。 解除つまみ100のこの外側への移動によって、ロックピン106がクロスバー50の止め孔122から外に引き出され、それによって、アームレスト26が枢動することを可能にする。 アームレスト26の枢動移動は、細長い開口部124の両端部に係合するストッパピン112によって制限される。 アームレスト26が使用位置にあるとき、ストッパピン112は細長い開口部124の下端部111に係合する(図17及び図17A)。 アームレスト26が収納位置に移動させられたとき、ストッパピン112が細長い開口部124の上端部113に係合すると(図18)、アームレスト26の上方への枢動が止められる。 さらに、ばね104の付勢のため、ピン106は、枢動軸94に向かって半径方向内側へと連続的に付勢され、それによって、アームレスト26が使用位置に戻されたときには、ピン106は再び、クロスバー50の止め孔122内に自動的に挿入されることになり、これにより、ユーザーが解除つまみ100を再び引っ張らない場合にアームレスト26のさらなる枢動が防止される。 ブシュ98及びエンドキャップ108の双方は、アームレスト26が枢動するとアームレスト26と共に回転する。

    図16〜図18のエンドキャップ108は図19及び図20により詳細に示されている。 エンドキャップ108は、埃及び望ましくない周囲環境の屑が枢動機構196に入ることを防止するエンドキャップとしてと、ブシュとしてとの双方として作用する。 より具体的には、エンドキャップ108は、クロスバー50の外側表面302に係合する内側表面300(図20)を含む。 アームレスト26が枢動すると、内側表面300はクロスバー50の外側表面302に沿って摺動する。 エンドキャップ108は、カム面306及び肩部308をそれぞれ含む複数の可撓性を有する指状部304をさらに備える。 カム面306は、複数の可撓性を有する指状部304をまとめたものの外径よりも僅かに小さい内径を有する円筒体102の内側表面310(図16)に係合する。 その結果、エンドキャップ108が円筒体102の中へと内方に向かって押されると、可撓性を有する指状部304は、カム面306と内側表面320との係合に起因して半径方向内側へと撓む。 この内側への撓みは、エンドキャップ108がさらに押されて円筒体内にさらに入るにつれて継続する。

    エンドキャップ108が円筒体102内に完全に押し込まれると、可撓性を有する指状部304は、内側表面310に画成されている溝312(図16)に達する。 溝312は、可撓性を有する指状部304がそれらの撓んでいない状態に戻ることを可能にするように寸法決めされている。 この撓んでいない状態では、可撓性を有する指状部304の肩部308が、溝312の縁に係合し、それによって、エンドキャップ108が円筒体102から外に引き出されることを防止する。 肩部308が溝312の縁から係合解除するように、可撓性を有する各指状部が手によって係合されて内側に撓まされる場合にのみ、エンドキャップ108は円筒体102から取り外されることができる。 しかしながら、円筒体102及びエンドキャップ108が共にクロスバー50に取り付けられた後において、クロスバー50の外側表面302は、可撓性を有する指状部304のいかなる内側への撓みも起こらないようにするほど十分に大きい直径を有する。 その結果、エンドキャップ108及び円筒体102がクロスバー50に取り付けられると、エンドキャップ108を壊すことなくエンドキャップ108を取り外すことは不可能である。 (ストッパピン112を緩めて外すと共に解除つまみ100を引っ張ることによって)円筒体102がクロスバー50から取り外された場合にのみ、(指状部304を上述した方法で手を用いて撓ませることによって)エンドキャップ108を円筒体102から取り外すことが、理論上は可能である。 それによって、エンドキャップ108は、恒久的なエンドキャップと枢動機構196のブシュとの双方を形成する。

    枢動機構96及び196が本明細書で開示されている枢動機構から実質的に変形を受けることができるということは、当業者によって理解されるであろう。 枢動機構96,196の位置及び/又は枢動機構96,196のための解除部は、介助車上で異なる位置に移動させることができるということも、理解されるであろう。 例えば、枢動機構96,196のための解除部は、支持バー90に沿ういかなる場所にも、アームバー92に沿ういかなる場所にも位置が定められるように移動させることができる。 枢動機構96,196のための解除部は、アームバー92に位置が定められる場合、自身の腕をアームレスト26に載せる患者に干渉しないようにしながらもなお、所望であれば着座している患者がアームを収納位置にまで枢動させることができるよう患者にとって利用しやすいように、アームバー92の下側に位置が定められることができる。

    介助車420、又は本明細書で記載される他の介助車の実施形態のいずれも、アームレスト26同士の間の側方距離D2(図3)が増減され得るように構成されることもできる。 この変化可能な側方距離は、異なる体格の患者が介助車420をより快適に使用することを可能にする。 アームレスト26同士の間の側方距離を変えるためには、解除機構(図示せず)が、アームレスト26上又はクロスバー50付近のいかなる場所に含められてよい。 実際には、一実施形態では、解除機構は、アームレストが軸94を中心に枢動することを可能にするのに用いられる同じ解除つまみ100によって解除動作させられることができる。 座部24の中心に向かう及び座部24の中心から離れるアームレスト26の拡張及び/又は引っ込み(それによって距離D2を変える)は、種々の異なる方法で達成されることができる。 一実施形態では、アームレストが互いに可能な限り近くに位置が定められた(すなわち距離D2が最小である)ときに、円筒部分102がクロスバー50の大きくされた部分に重なるように、円筒部分102は、軸94の方向に延ばされた軸94に沿う長さを有し得る。 この場合、重なった部分は、円筒部分102を軸94に沿って外方に向かってスライドさせることによって、選択的に減らされることができ、それにより、距離D2が増える。 アームレスト26はこの場合、円筒部分102に様々な量でクロスバー50に重ねさせることによって、互いから様々な側方間隔で支持されることができる。 代替として、円筒体102は、クロスバー50の直径よりも小さい直径を有するように寸法決めされることができ、それにより、円筒体102はクロスバー50内にぴったりと収まり、クロスバー50が、円筒体102の変化可能な量だけ円筒体102に重なる。 距離D2を変更するさらに他の方法も用いることができる。

    酸素ボンベホルダ 図21〜図23は、本発明の種々の態様による介助車620の別の実施形態を示している。 介助車620は、介助車20、220及び420と同様であるが、図示のように、いかなるカルテホルダ構成要素も、いかなるフットレストも、いかなるウイリー走行体も、いかなるIVポールも含まない。 介助車20、220又は420の構成要素と同じである介助車620の構成要素には、同じ参照符号が付されており、これらの構成要素の説明は介助車620にも同様に当てはまる。 車輪付きの介助車620は、介助車20、220又は420にはないその構成要素のいずれをも除外するように変更が加えられることができる、及び/又は、介助車620は、図21〜図23には示されていない介助車20、220又は420の構成要素のいずれをも含むように変更が加えられることができるということが、理解されるであろう。

    介助車620は、上段部分132及び下段部分42を含む酸素ボンベホルダ130を備えている。 下段部分42は、円形凹部が画成されるベース部又は本体部134を含む。 円形凹部は、たいていの在来型の酸素ボンベ66の直径よりも僅かに大きい直径を有し、そのため、酸素ボンベ66の底部は凹部内に挿入可能である。 図21〜図23に示されているように、ベース部134は、介助者が酸素ボンベ66の底端部を円形凹部内に位置付けるために酸素ボンベ66をあまり高く持ち上げる必要がないように、床に接近して位置が定められる。 さらに、ベース部134の高さ(H)(図23を参照)は、介助者が酸素ボンベ66をベース部134内に挿入するために酸素ボンベ66を持ち上げなければならない高さが低減されるように、比較的小さいものとすることができる。 実際には、一実施形態では、円形凹部の深さは、追加の安定化及び/又は係止力がボンベホルダ130の上段部分132によって与えられなければ、酸素ボンベ66が円形凹部から外にひっくり返るのを防ぐには不十分である場合がある。 このことについては以下でより詳細に記載する。 図29A及び図29Bに示されているような別の実施形態では、ベース部134に画成されている円形凹部の高さHは、十分に高く、その結果、円形凹部内に位置付けられた酸素ボンベ66がボンベホルダ130の上段部分132によって固定されなくても、酸素ボンベ66は、ベース部134から外にひっくり返ることがない。 ベース部134のみによって介助車上で保持されている酸素ボンベの例が、図29Bに示されている。 図21〜図23、図29A及び図29Bに示されている実施形態では、高さHは、ベース部134の後端部において、ベース部134の前端部におけるものよりも小さい。 このことは、円形凹部の高さがその周囲全体にわたって均一であるとした場合よりも、介助者がベース部134に画成された円形凹部内へ酸素ボンベ66を容易に挿入する手助けとなる。

    ボンベホルダ130の上段部分132は、種々の異なる構成をとることができる。 第1の実施形態が図21〜図25に示されており、第2の実施形態が図26〜図28に示されており、第3の実施形態が図29A〜図30Bに示されている。 さらに他の実施形態が可能である。

    図21〜図25の実施形態では、上段部分132は、一対のスライド可能な円弧状の指状体144が収容される円弧状の本体又はハウジング142を有するクランプ140を含む。 円弧状の指状体144は、図12及び図13により明確に示されている。 図12では、指状体144は、伸長位置で示されており、この伸長位置は、ボンベ66が介助車620に固定されることができる位置に相当する。 図25では、指状体144は、引っ込み位置で示されており、この引っ込み位置は、ボンベ66が指状体144同士の間に挿入されたり指状体144同士の間から取り出されたりすることができる位置に相当する。

    図21〜図25に示されている実施形態では、各指状体144は、ストッパ肩部146、歯付き面148及び低摩擦部材150を含む。 歯付き面は、ハウジング又は本体142内に回転可能に固定されているギヤ152と相互作用し且つ係合する。 指状体144がハウジング142内に延びる又はハウジング142から引き出されるとき、歯付き面148はギヤ152に係合し、ギヤ152を回転させる。 両方の歯付き面がギヤ152に係合するため、一方の指状体144がハウジング142に入ること及びハウジング142から出ることのうちのいかなる移動をしても、この移動によって、他の指状体144が対応する同様の移動を自動的にさせられる。 すなわち、双方のアームは、一致したハウジング142内への引っ込み動作又はハウジング142から外への伸長動作を行う。 この同一の移動は、外部からの伸長力又は引っ込み力が指状体144のうちの一方にのみ加えられる場合であっても、生じる。 移動可能な指状体144のハウジング142内への引っ込みは、ストッパ肩部146がハウジング142内のストッパ154に対して係合したときに終了する。

    図24及び図25に示されているように、ばね156が各指状体144の一部分の間に位置付けられている。 ばね156は、各指状体を図24に示されている伸長位置にまで付勢する。 それ故、指状体をハウジング142内に引っ込ませるときは、ばね156の付勢力よりも大きい力を指状体144の一方又は双方に加えなければならない。

    図示の実施形態では、低摩擦部材150は、図24及び図25では概ね鉛直である軸158を中心に回転することができるローラーである。 低摩擦部材150は他の形態をとることができる。 低摩擦部材150は、ローラーとして構成される場合、ボンベ66が上段部分132内に挿入されるときにボンベ66の外側表面と転動を伴って相互作用するように構成される。 ボンベホルダ130の上段部分132内へのボンベの移動が、図21〜図23に順番に示されている。 図21では、ボンベ66の基部がボンベホルダ130の下段部分42内に配置されており、ボンベ66の上側部分はローラー150に対して当接するように位置付けられる。 この場合、介助者はボンベ66をローラー150に対して押し、これによって、移動可能な指状体144をハウジング142内に引っ込ませようとする力が、指状体144の端部に加えられる。 指状体が引っ込み始めると、指状体144の端部同士の間の水平方向の間隔S(図22)が増え始める。 図22は、指状体144同士の間のスペース内のほぼ全てに押し込まれたボンベを示している。 ローラー150は、ボンベ66が上段部分132内に挿入されるときに、指状体144に対するボンベ66の摩擦抵抗を低減する手助けをする。 ローラー150はまた、上段部分132に向かうボンベ66の移動を、指状体144の端部同士の間の間隔を広げる指状体の引っ込み移動に変換する手助けをする低摩擦カムとしても作用する。

    指状体144の端部同士がボンベ66の全直径を収容するほど十分に離されてしまうと、上段部分132に向かってボンベ66をさらに移動させると、いかなる移動によっても、指状体144はハウジング142から伸長することができるようになる。 すなわち、一旦ボンベ66が上段部分132内に位置付けられれば、ばね156の力が、指状体144をハウジング142から外へと押し出してそれらの伸長(及びボンベ係止)位置に戻す。 ボンベによって指状体144の内側に対していかなる外向きの力が作用しても、ハウジング142内への指状体144のいかなる引っ込みも生じることはない。 それどころか、指状体144は、ボンベ66に加えられるそのような外向きの力に抗して移動することはない。 それ故、ボンベ66は、円弧状の指状体144によって画成される円弧状の内側領域内で確実に保持される(図23)。

    図21〜図25に示されている実施形態におけるボンベホルダ130の上段部分132の構成のため、介助者又は他の人がボンベ66を上段部分132内に押し込むとき、介助者又は他の人は、上段部分132のどこにも直接的に触れる必要がない。 すなわち、上記人は、ボンベを上段部分132内に固定するために、指状体144も上段部分132のいかなる他の部分も把持する必要がない。 その代わりに、上記人は、単にボンベ66につかまってボンベを上段部分132に向かって押せばよい。 この押す力は、ボンベが指状体144同士の間に嵌まるまで指状体を最初のうち引っ込ませることになる。 その後、ばね156の力が、指状体144をそれらの伸長及び係止位置に戻す。 それ故、介助者又は他の人は、ボンベ66を介助車420に固定する間、両手をボンベ66上に置いておくことができ、上段部分132を手で操作するために片手を離す必要がない。 ボンベ66の重量があるため、このことは、両手を用いたボンベ66の完全なコントロールを維持しつつボンベ66を介助車420に固定することを容易にする。

    介助者又は他の人は、ボンベをボンベホルダ130から取り出すために、移動可能な指状体144のいずれか一方を把持し且つハウジング142内に引っ込ませる方向に指状体144を押すことができる。 十分に引っ込んでしまうと、ボンベ66の上部は、ボンベ66の底部がベース部134の円形凹部内に残りつつ指状体144にリーチから外にかしげられることができる。 指状体144のリーチから外に出てしまうと、上記人は次に、ボンベ66をベース部134の外に自由に持ち上げることができる。

    ボンベホルダ130の上段部分132は、図21〜図23に示されているように、バー160を用いて介助車420に固定されることができ、このバー160は、フレーム22の前方脚部54のうちの一方における上側部分58に取り付けられたブラケット162に固定される。

    図26〜図28はボンベホルダ130の代替の実施形態を示している。 より具体的には、図26〜図28は、ボンベホルダ130の上段部分132'の代替の実施形態を示している。 本明細書では、上段部分132に見られる構成要素と同じである上段部分132'の構成要素には同じ参照符号が付される。 上段部分132の構成要素と類似しているが何らかのかたちで変更されている上段部分132'の構成要素は、プライム記号(')が続く同じ参照符号が与えられている。 上段部分132で見られない上段部分132'の構成要素には新たな符号が与えられている。

    上段部分132'は、ユーザーが酸素ボンベを上段部分132'内に挿入するときに指状体144'を自動的に伸長させるトリガー体136を含むという点で、上段部分132とは異なる。 トリガー体136は、図26〜図28で見られ、且つ指状体144'のうちの一方が内部でスライドするチャネル138を横断する。 トリガー体136にはトリガーピン164が画成されている。 トリガーばね170が、トリガー体136と本体142'の内部表面との間に配置される。 トリガーばね170は、トリガー体136とその付属のトリガーピン164とを図27に示す位置に向かって外向きに付勢する付勢力を作用させるように適合している。 トリガーピン164は、この外向きの位置にある場合、指状体144'のうちの一方に画成されているスロット171に係合する。 この係合は、指状体144'が図28に示す伸長位置へと外側に向かって伸長することを防止する。 しかしながら、ユーザーが酸素ボンベの上部を上段部分132'内に挿入し且つボンベをトリガー体136に接触させて押圧したとき、ユーザーによってトリガー体136に加えられる力が、トリガーばね170の付勢力に打ち勝ち、それによって、トリガーピン164がスロット171から係合解除するまで、トリガー体136及びトリガーピン164が内向きに(ばね170に向かって)スライドすることを可能にする。 トリガーピン164がスロット171から係合解除したとき、ばね156の付勢力は、上段部分132に関して上述した方法で指状体144'を外向きの構成に自動的に付勢することになる。

    人が酸素ボンベを上段部分132'から取り出すことを望む場合、上記人は単に、指状体144'のいずれか又は双方を、指状体144'をそれらの引っ込み位置に向かって付勢する方向に、手で押す。 ばね156の付勢に打ち勝つほど十分な力を加えることによって、指状体144'が本体142'内に引っ込む。 指状体144'のうちの一方が引っ込むと、角度がついた表面169がピン164を内向きに押しやり、トリガー体136に無理矢理トリガーばね170を圧縮させる。 角度付きの表面169は、ピン164がスロット171に達するまでピン164を内向きに押しやり続けることになり、このスロット171に達した時点では、トリガーばね170は、ピン164をスロット171内に付勢し、これによって、(トリガー体136が外向きに伸長するためのクリアランスを与えるように酸素ボンベの上部が上段部分132'から十分に取り出されてしまっていれば、)指状体144'がそれらの引っ込み位置で維持されることになる。

    したがって、上段部分132'は、酸素ボンベを上段部分132'に挿入する前にユーザーに指状体144'を手で操作することを要求することなく、酸素ボンベを上段部分132'に容易に挿入するための便利なツールをもたらす。 このことは、ユーザーの両手を自由な状態とし、それによって、ユーザーが、ボンベをホルダ130内に位置付ける間におけるボンベの保持及び/又は他の目的のために、自身の両手を使用することを可能にする。 それ故、トリガー体136は、酸素ボンベを上段部分132'内に挿入するときに酸素ボンベの上側端部を自動的に係止又は把持する自動的な把持又は係止特徴部をもたらす。 トリガーばね170が、指状体144'の伸長を直接的に防止するわけではない力を作用させるため、トリガー体136を作動するのに必要な力の量は、比較的小さくすることができる。 言い換えれば、トリガーばね170は、隣り合う指状体144'の移動に対して概ね垂直である力を作用させ、指状体144'の伸長に抵抗するのはピン164による物理的な阻止作用であり、ばね170の力ではない。 したがって、トリガーばね170は、トリガーばね170に打ち勝つのに比較的小さい力しか必要でないように構成することができ、それにより、酸素ボンベを上段部分132'内に挿入するユーザーは、トリガーばね170を圧縮するのに必要な余分な力に阻害するものとして気付かない。

    上述したように、トリガー体136に隣り合う指状体144'は、指状体144'がその引っ込み位置へと内側に向かって押されるときにトリガー体136をトリガーばね170に向かって押しやる角度付き表面169を含む。 角度付き表面169もまた、指状体144'がそれらの伸長位置にある間においてはトリガーばね170がより伸長した位置に向かって伸長することを可能にする。 それ故、トリガーばね170は、完全に圧縮された状態(すなわち指状体144'を解除するほど十分に圧縮された状態)に留まったままにされることがない。 このことは、使用及び不使用を長期間繰り返すことを含む長期間の使用又は不使用の後であっても、ばね170の疲労を低減し、ばね170がピン164をスロット171内に押し戻すのに十分な弾性を常に有することを確実にするのに役立つ。

    図29A〜図30Bは、本明細書で説明される介助車のいずれにおいても用いることができるボンベホルダ330の別の代替の実施形態を示している。 ボンベホルダ330は、一の形態ではボンベホルダ130のベース部134と同じであるベース部134を含む。 ボンベホルダ330は、ボンベホルダ130の上段部分132及び132'から変更が加えられる上段部分332をさらに含む。 より具体的には、上段部分332は、係止位置(図29A、図30A)と係止解除位置(図29B、図30B)との間で枢動可能である可動アーム166を含む。 可動アーム166は、ユーザーがアーム166を把持して上げ下げすることによって、係止位置と係止解除位置との間で枢動する。 図29B及び図30Bの上昇(係止解除)位置にあるとき、ユーザーは、ボンベ66を上段部分332内に挿入することもボンベ66を上段部分332から取り出すこともできる。 図29A及び図30Aの下降(係止)位置にあるとき、アーム166は、ボンベ66が上段部分332内に移動することも上段部分332から移動することも防止する。

    可動アーム166は、上段部分332の不動端部168(図30B)と解除自在であるように相互作用する可動アーム166の自由端部に隣り合って位置付けられるラッチ機構を含むことができる。 ラッチ機構は、不動端部168上に位置付けられる磁石に磁気的に結合して可動アーム166を下降位置に解除可能に保持する磁石とすることができる。 代替として、ラッチ機構は、穴の中に嵌まるピンとすることができ、この場合、ピン及び穴のうちの一方がアーム166及び不動端部168のうちの一方に画成され、ピン及び穴のうちの他方がアーム166及び不動端部168のうちの他方に画成される。 それに限定されるわけではないが、面ファスナー(hook and loop type fastener)(例えばVelcro(登録商標))、スナップ又は他のタイプの構造等の他のラッチ機構も用いることができる。

    可動アーム166は、水平に対して角度が付けられた枢動軸334(図29A)を中心に枢動する。 より具体的には、枢動軸334は、前から後ろへの方向で地面に向かって下方に傾いている。 枢動軸334のこの下向きの角度は、ボンベ66が存在する間に可動アーム166が上げ下げされるときの可動アーム166のためのクリアランスをもたらすのに役立ち、それにより、可動アーム166の動作範囲がボンベ66によって遮られない。 可動アーム166の形状によっても追加のクリアランスがもたらされる。 可動アーム166は、一定の半径の円弧形状で湾曲させられるのではなく、曲率半径が変化するかたちで湾曲させられるように構成される。 より具体的には、図29Bにおいてより良く分かるように、可動アームは、枢動軸334に最も近い第1の湾曲セクション336と、可動アーム166の自由端部に近くなるように位置が定められた第2の湾曲セクション338とを含む。 第1の湾曲セクション336は、第2の湾曲セクション338よりも小さい曲率半径を有する。 この曲率の違いは、個別に生じた違いとして画成されることができ、すなわち、全部で2つの異なる半径があってもよく(又は別の数の異なる半径が個別にあってもよく)、この曲率の違いが連続的なものであってもよく、すなわち、連続的に変化する半径があってもよい。 個別的なものであるか又は連続的なものであるか(又はそれらの組み合わせであるか)にかかわらず、異なる曲率半径は、ボンベ66がホルダ330によって保持されるときに可動アーム166が係止位置に移動するのを妨げられないことを確実にするのに役立つ。

    ボンベホルダ130及び330は本明細書では酸素ボンベを保持するのに用いられるものとして説明されているが、酸素を収容するか又は他の何らかの物質を収容するかにかかわらず、介助車上で患者と共に運ばれることが望ましいいかなるボンベ又は他の構造体が、ボンベホルダ130又は330を通じて介助車に固定されることができるということは、当業者によって理解されるであろう。 本明細書ではトリガー体136が上段部分132'のみと関連して説明されているが、トリガー体136は、上段部分332と共に用いられるように適合してもよいことも、理解されるであろう。 上段部分332は、そのように適合する場合、1つ以上のばね、又は他のデバイスを含み、これらは、ユーザーが酸素ボンベの上側端部を上段部分332内に挿入するときに可動アーム166を下方位置すなわち係止位置(例えば図28B)に自動的に下げるものである。 さらに、1つ以上の追加のばね又は他のデバイスが加えられることができ、これらは、可動アーム166が上昇位置すなわち係止解除位置に手で持ち上げられたらその後、ユーザーが別のボンベを上段部分332内に挿入し、それによってトリガー体136を再び作動するようなときまで、可動アームをこの上昇位置に保持するものである。 さらに他の変形形態が可能である。

    ブレーキペダル及び解除ペダル 図31〜図34は、図示のように介助車420に組み込まれるブレーキシステム172をさらに詳細に示している。 ブレーキシステム172は介助車420と共に用いられることに限定されるものでなく、その代わりに、本明細書で開示される様々な介助車の実施形態のいずれにも組み込まれることができることということは、理解されるであろう。 図35〜図42は、代替のブレーキシステム372を詳細に示しており、このブレーキシステム372もまた、それに限定されるわけではないが介助車420を含んだ本明細書で記載される介助車のいずれかにも用いられることができる。 ブレーキシステム172及び372は、介助車及び車椅子に加えて、それに限定されるわけではないが折り畳み式簡易ベッド、ストレッチャー、ベッド、車輪付き担架(gurney)等の他の医療機器にも、ブレーキが係脱されることが望ましい車輪を有する任意の他の医療機器にも用いられることができるということも、理解されるであろう。

    介助車420は、ブレーキペダル126と解除又は進行許可ペダル128とを含む(図31〜図34)。 ブレーキペダル126は、踏まれると、後輪28bが回転しないようにする。 解除又は進行許可ペダル128を踏むことによって、ブレーキペダル126が解除され、それによって、後輪28bが自由に回転することができるようになる。 図示の実施形態では、前輪28aは、常に回転も旋回も両方が自由に可能であるキャスターである。 しかしながら、実施形態によっては、ブレーキペダル126は、4つ全ての車輪28にブレーキをかけられるように、前輪28aにもブレーキを作動させる。 そのような場合、解除ペダル128は、踏まれると4つ全てのブレーキを解除することになる。

    図31〜図34は、ブレーキシステム172を構成する1つのかたちを示している。 ブレーキシステム172は、ピンとスロットとのタイプの構成を用いて構成され、この場合、ピンは、車輪28bにブレーキをかけるためにスロット内に挿入され、車輪28bの回転を可能にするためにスロットから抜かれる。 しかしながら、それに限定されるわけではないが、ドラムブレーキ、ディスクブレーキ、他のタイプの摩擦ブレーキ、及び/又はさらに他のタイプのブレーキ等の様々なタイプのブレーキシステム172が用いられ得るということは、当業者によって理解されるであろう。

    図33及び図34において最も良く分かるように、ブレーキシステム172は、一対の歯車174、一対のねじ176、一対のブシュ178、一対のブレーキピンリンク材180、一対のばね182、一対の不動取付ブラケット184、ブレーキロッド186、一対のねじりばね188、一対の段付きボルト190、スプリングピン192、及びブレーキリンク材194を含む。 スプリングピン192は、後脚部52の下側端部に画成された一対のブレーキリンク開口195内にブレーキロッド186を固定する。 スプリングピン192は、ブレーキロッド186を後脚部52に回転しないように連結する。 すなわち、ブレーキロッド186は回転しないが、その代わりに定位置にあり続ける。 ブレーキリンク材194は、ねじ176によって取付ブラケット184に回動可能に固定され、このねじ176は、ブレーキリンク材194の各端部に画成されたリンク開口198とブシュ178とを通って挿入されている。 ねじ176は、取付ブラケット184に画成された開口200の中にもさらに延在している。 開口200には、ねじ176を螺合するように受け入れ且つねじ176を取付ブラケット184に固定するように、雌ねじが切られることができる。 ねじ176はさらに、各ブレーキピンリンク材180に画成されたブレーキリンク開口202を通って延在している。 この連結は、ブレーキピンリンク材180が、ねじ176の及ぶ範囲の長手方向軸と一列に並ぶ概ね水平な枢動軸を中心に回動することを可能にする。

    各ブレーキピンリンク材180は、その外側にブレーキピン204を含み、ブレーキピン204は、介助車420に選択してブレーキをかけるために歯車174における2つの歯の間に選択的に嵌まる。 ばね182はそれぞれ、各ブレーキピン204が後輪28bの回転軸206に向かって半径方向に付勢されるように、ブレーキピンリンク材180を付勢する。 それ故、各ばね182は、各ブレーキピン204をブレーキ作動位置に向かって付勢する。 ブレーキペダル126が踏まれたとき、ブレーキペダル126は、ばね182が、各ブレーキピンリンク材180に画成されたブレーキピン204を歯車174における最も近い2つの歯の間に自由に挿入できるように、各ブレーキピンリンク材180が回動できるようにする。 ブレーキペダル126の下方への移動が、ブレーキピン204を、歯車174における2つの歯の間のスペース内に無理に押しやるわけではない。 その代わりに、ばね182の力が、ピン204をこれらの歯間スペース内に付勢する。 それ故、ブレーキピン204が歯車174の歯間スペースと正確に位置が合わないように介助車420が位置付けられる場合、介助者は、ピン204と歯車174との並びを変えるために、(患者の重量、及び/又は斜面上に位置付けられている介助車の重量のせいで困難な場合もあるが)僅かに介助車420を移動させるのに十分な力を加える必要がない。 その代わりに、この力はばね182によって供給され、そして、ピン204が歯車174の歯間スペースと正確に位置が合わない場合には、介助車420のいかなる僅かな車輪を転がす移動によっても、ピン204と歯車174の歯間スペースとの位置合わせがもたらされることになり、この時点で、ばね182はピン204を歯の間に挿入し、それによって介助車420にブレーキをかけることになる。 そのような車輪を転がす移動は、ブレーキペダル126を踏んだ時点ですぐに生じる必要はないが、ブレーキペダル126が踏まれた後の任意の時点で生じてよい。 そのような移動が生じるとすぐに、ピン204は、ばね182によって歯車174の歯間スペース内に付勢され、それによって、車輪28bを係止すると共にいかなるさらなる移動も起こさせない。

    したがって、ブレーキシステム172は、ピン204を歯車174の歯の間に押しやるのに十分な力でブレーキペダル126をユーザーが踏み込まなければならないという要件を回避する。 その結果、ピン204が歯車174の歯間スペースと位置が合っているか否かにかかわらず、ブレーキペダル126を踏み込むのに必要な力の量は同じである。 このことは、介助車のユーザーに、ブレーキペダル126を使用するときに不変の感覚を与える。 このことはまた、従来技術の歯車及びピンのブレーキシステムのなかのいくつかにある問題も回避する。 なお、この問題とは、ブレーキがかけられるときのピンと歯車との相対的な位置に応じて、ユーザーが、場合によってはブレーキを作動するのに非常大きな力を加えなければならないかもしれず、場合によっては小さい力を加えるだけよいかもしれないという問題である。

    解除ペダル128を踏むことによって、ピン204が移動させられて歯車174との係合から外れるように、ブレーキロッド186及びブレーキピンリンク材180が回転することになり、それによって、後輪28bが自由に回転できるようになる。 解除ペダル128の踏み込み及びブレーキピンリンク材180の回動は、ピン204が移動して歯車174との係合から外れることができるように、ばね182が作用させるばね力に打ち勝つことになる。 一般的に言えば、解除ペダル128を完全に踏み込む際にユーザーが費やすエネルギーの一部が、ばね182を伸ばすことに充てられ、それ故、ばね182は、このエネルギーを、ブレーキペダル126が後に踏まれたときにピン204を付勢して歯車174と再び係合させるのに後で用いられるポテンシャルエネルギーとして、蓄える。 解除ペダル128は、踏まれたとき、解除ペダル128の裏面に画成されたスロット(図示せず)を用いて踏込状態に留まることになる。 同様に、ブレーキペダル126は、踏まれたとき、ブレーキペダル126の裏面に画成されているスロット(図示せず)を用いて踏込状態に留まることになる。 ねじりばね188はそれぞれ、ブレーキペダル126及び解除ペダル128をそれらの上方位置に向かって付勢し、それにより、一方のペダルが踏まれると、他方のペダルが解除される(すなわち上方へと動く)。 それ故、ブレーキペダル126を踏むことは、解除ペダル128を解除させる(すなわち上方に移動させる)ことになる。 同様に、解除ペダル128を踏むことは、ブレーキペダル126を解除させることになる。

    上述したように、ブレーキシステム172は、解除ペダル128を踏むのに必要なエネルギーの少なくとも幾らかがポテンシャルエネルギーとしてばね182に蓄えられるように、構成されている。 このポテンシャルエネルギーは、ユーザーがブレーキペダル126を踏むまでばね182に蓄えられたままである。 ブレーキペダル126を踏んだ際、ブレーキロッド186及びブレーキピンリンク材180が移動することによって、ばね182は、ブレーキピン204を引いて歯車174と係止状態で係合させることができるようになり、それによって、ポテンシャルエネルギーを解放する。 したがって、そのようなポテンシャルエネルギーは、介助車が自由に押されることができる間は蓄えられており、ブレーキをかけられたときに解放される。

    図35〜図42は、本明細書で説明される介助車の実施形態のいずれにおいても用いることができる代替のブレーキシステム372を示している。 ブレーキシステム372は、ブレーキシステム172のように、ブレーキペダル126及び進行許可ペダル128を含み、ブレーキペダル126での踏み込みは、後輪28bの回転を起こさないようにする。 さらに、進行許可ペダル128での踏み込みは、ブレーキペダル126を自動的に解除させ、それによって、後輪28bが自由に回転できるようにする。 ブレーキシステム372は、ブレーキシステム172のように、歯付きギヤ及びピンのシステムをベースとするが、ブレーキシステム372は、ブレーキシステム172とは異なり、複数の組のピンを用いる。 数ある中で、ブレーキシステム372がフレーム22の後方脚部52内に収容されるという点で、ブレーキシステム372はブレーキシステム172と異なる。 それによって、後方脚部52は、ブレーキシステム372のためのハウジングをもたらし、このハウジングは、ブレーキシステム372を埃、塵及び他の汚染要因物質から遮蔽するのに役立ちもし、視覚的な満足感を向上させた外観をもたらしもする。 さらに、後方脚部は、ブレーキシステム372の歯付きギヤ及び他の構成要素に物が噛み込むことを防止する。 ブレーキシステム372の詳細な構成をこれから説明する。

    進行許可ペダル128及びブレーキペダル126に加えて、ブレーキシステム372は、一対の軸受カバー374、ブレーキシャフト376、トグルシャフト378、トグルリンク材380、一対のホイールシャフト382、複数のころ軸受384、及び一対のブレーキギヤアセンブリ386をさらに含む。 トグルシャフト378及びトグルリンク材380は、ブレーキペダル126及び進行許可ペダル128のうちの一方又は他方を上方に枢動させるように動作する。 すなわち、トグルシャフト378及びトグルリンク材380は、ペダル126及び128の押し上げ及び押し下げを切り替え、それにより、ある瞬間ではこれらのペダルのうちの一方のみがでいつも踏まれることができる。 その時点で上昇されているペダルへの踏み込みは、そのペダルを下げさせ、同時に、他方のペダルを解除させる(上方に移動させる)。 この切り替え動作は、トグルリンク材380上に画成された上側ピン388及び下側ピン390を通じて達成される。

    図41及び図42においてより容易に分かるように、トグルリンク材は、トグルシャフト378によって画成される枢動軸を中心に回動可能である。 図41に示されているブレーキ作動位置では、下側ピン390は、トグルシャフト378の枢動軸よりも低い位置に位置付けられる。 ユーザーが進行許可ペダルを踏み込むと、ユーザーが進行許可ペダルに加える下向きの力が上側ピン388に伝わり、次いでこのことがリンク材380を(図41及び図42では)時計回りに回動させる。 この時計回りの回動によって下側ピン390が上方に移動させられ、それによって、ブレーキペダル126が上方に移動させられ、そして、それによってブレーキが(後述するかたちで)解除される。 ブレーキペダル126及び進行許可ペダル128は、以下でさらに詳細に説明するように、いずれもが各ブレーキギヤアセンブリ386内に収容される一対のばねとブレーキカムリンクアセンブリとブレーキカムばねパッドとを介して、上昇形態又は下降形態のいずれかで保持される。

    図36、図38及び図39においてより明確に分かるように、各ブレーキギヤアセンブリ386は、フレーム22の各後脚部52の内部に位置付けられる複数の構成要素を含む。 これらの構成要素は、一対のブレーキ指状体392、歯車394、ブレーキカム396、ブレーキカムリンクアセンブリ398、ばね400、及びブレーキカムばねパッド402を含む。 各ブレーキ指状体392は、ブレーキ指状体枢動軸404を中心に枢動可能である。 さらに、各ブレーキ指状体392は、図38及び図39の紙面上から延びる長手方向軸を有する制動ピン406を含む。 介助車がブレーキ作動状態にあるとき、各組のブレーキ指状体392からの制動ピン406のうちの一方が、歯車394に画成されたスロットのうちの1つに中に位置付けられる。 ブレーキ作動位置にあるブレーキギヤアセンブリ386を示す図39に示されているように、左側のブレーキ指状体392からの制動ピン406が、歯車394に画成された歯のうちの2つの歯の間に位置付けられる。 歯車394は、歯車394が(ピン406によって)回転できないようにされたときにホイールシャフト382も回転できないように、ホイールシャフト382に固定状態で取り付けられる。 またさらに、ホイールシャフト382は後輪28bのうちの一方に固定状態で取り付けられる。 その結果、ピン406が歯車394を回転できないようにするとき、取り付けられている後輪28bもまた、回転できないようにされ、それ故ブレーキ作動状態になる。

    図38及び図39においてより明確に分かるように、ピン406、ブレーキ指状体392及び歯車394は、1つのピン406のみがいかなるときも歯車394の歯に係合することができるように構成されている。 すなわち、ピン406は、歯車394の歯間スペースに対して互い違いの位置にあるように位置が定められている。 ピン406のうちの一方が歯のうちの1つの歯先に接触し且つそれ故に隣り合う歯の間の間隙にそれ自体を挿入できないようにされる場合、ピン406のうちの他方は、2つの歯の間に位置付けられ且つそれ故にそれ自体を2つの歯の間に挿入することができることになる。 ピン406をこの互い違いの状態の向きにすることによって、歯の数が事実上2倍になり、それによって、ピン406のうちの一方がそれ自体を歯車394の2つの歯の間に挿入できないような後輪28bが有し得る角度方向の向きの総数が、減る。

    ばね408は、各組のブレーキ指状体392同士の間に接続され、ブレーキ指状体392を互いに向かって付勢する。 この付勢によって、制動ピン406も歯車394の中心に向かって半径方向に付勢される。 ピン406のうちの一方が隣り合う歯の間のスペースのうちの1つと位置が合うと、それによって、ばね406は、そのピン406をそのスペース内に押しやり、ユーザーが進行許可ペダル128を踏むまでピンをその場所に保つ。 以下でさらに詳細に説明するように、ユーザーが進行許可ペダル128を踏むと、指状体同士392は、無理矢理に離され、ばね408を伸長させ、そして、歯車394内に入り込んでいる上記一方のピン406を出させもする。 それ故、進行許可ペダル128を踏む人は、ばね408を伸長させるのに十分な力で踏み下げなければならない。 その結果、ばね408は、進行許可ペダルが踏み込まれている間にポテンシャルエネルギーを蓄えることになり、そして、ブレーキペダルが踏まれるとこのエネルギーを解放する。 解放されたエネルギーは、指状体392を互いに向かって枢動させることになり、そして、ピン406のうちの一方が歯車394内に入り込むことになる。

    ブレーキシステム172と同様に、ブレーキペダル126を押し下げるユーザーは、ピン406のいずれをも歯車394のスロット内に直接的には強制的に押しやらない。 このことは、ピン406のいずれもスロットと完全に位置が合っていない可能性があるような状況において、ピン406のうちの一方がスロットと位置が合うように一方又は双方の後輪28bを少量だけ強制的に回転させるために、ユーザーは力を追加してブレーキペダルを押し下げる必要がないということを意味する。 その代わりに、ユーザーは、いずれのピン406も歯車394のスロットと位置が合っているか否かにかかわらず、ブレーキペダル126を同じ量の力で押し下げる。 いずれも位置が合っていない場合、介助車は、後輪28bの一方又は双方がピン406に歯車394のスロットのうちの1つに入るのを可能にするほど十分に回転するまでは、ブレーキをかけられないことになる。 しかしながら、このことは、ばね408によって加えられる力のため自動的に生じることになる。 これ故、ブレーキペダル126が踏まれた後で介助車が完全に動かせなくならない場合、後輪28bの一方又は双方がごく少量だけ回転すると介助車は完全に動かせなくなる。

    進行許可ペダル128が踏まれると指状体392が強制的に離される方式を、図38及び図39についてより容易に理解することができる。 進行許可ペダル128を踏み込むことは、ブレーキシャフト376に上述したように回転させる。 次いで、この回転は、ブレーキカム396に回転させる。 ブレーキカム396は、ブレーキ指状体392の端部に係合するカム面410を含む。 カム面410の形状のため、ブレーキカム396が図38に示されているような向きになると(ブレーキ非作動状態)、指状体392同士は、ピン406がいずれも歯車394のスロット内に位置付けられないほど十分に離れるように、カム面410によって強制的に離されることになる。 しかしながら、ブレーキカム396が図39に示されているように回転すると、カム面410の形状によって、指状体392は、(ばね408によって付勢されるため)互いにより近づくように移動することが可能となり、それによって、ピン406のうちの一方が歯車394のスロットに入ることが可能になる。

    ばね400、ばねパッド402及びブレーキカムリンクアセンブリ394は、ブレーキカム396をブレーキ作動の向き又はブレーキ非作動の向きに保つ働きをする。 すなわち、これらの要素は、ブレーキシステムが完全にブレーキをかけられてもいなく完全にフリーでもない中間の位置に留まらないようにする。 ブレーキペダル126又は進行許可ペダルのいずれかが踏まれると、ばね400は、圧縮され、それ故ブレーキカムリンクアセンブリ398に対して拡張力を働かせる。 この拡張力は、ブレーキカム396に対する時計回り又は反時計回りの回転力に変換されることになる。 より具体的には、ブレーキがかけられると、ばね400は、ブレーキカム396に、図39に示されているように時計回りの力を加えることになる。 ブレーキの係合が解除されると、ばね400は、ブレーキカム396に、図38に示されているように反時計回りの力を加えることになる。 いずれの場合も、ばね400の力は、ブレーキペダル126及び進行許可ペダル128の切り替えに抵抗するように作用することになる。 ペダル126及び128の本体のそれぞれに画成されたチャネル412が、ばね400によって付勢される方向へのブレーキカム396のさらなる回転を防止する。 より具体的には、図41及び図42において分かるように、各チャネル412の上側端部414が、ブレーキカム396の許容可能な回転の量を画成し、それ故図38及び図39に画成されている範囲の間でブレーキカム396の回転を制限することになる。

    図40は、各歯車394及び各後輪28bが結合される方式をより詳細に示している。 歯車394が後脚部52の内側に位置付けられる一方で後輪28bは後脚部52の外側に位置付けられるため、歯車394及び後輪28は互いに直接的に取り付けられることができない。 このように直接的な結合がないため、歯車394と後輪28bとの間で望ましくない量の機械的な滑りが生じる可能性がある。 すなわち、歯車394がピン406のうちの一つによって回転しないようにされている間、対応する後輪28bは、歯車への後輪28bの間接的な結合のせいで少量だけ回転することができる場合があるという可能性がある。 その他の点では、このことは、各後輪28bがなおもごく少量だけ回転することができるため、ブレーキが作動されたときに介助車に望ましくない感覚を与えかねない。 このことはまた、患者が介助車に出入りするときに介助車の安定性で患者の信頼感を下げる可能性もあり、この場合、患者は、介助車にそれほど多くの力をかけないかもしれないし、さもなければ介助車の安定性に信頼を置かないかもしれない。 この場合、このことは、患者にとって介助車の出入りをより難しくする。

    その結果、後輪28bとそれらの対応する歯車394との間の機械的な滑りの量を減らすことが望ましい。 このことは、幾つかの設計上の特徴を通じて達成される。 まず、各ホイールシャフト382は、歯車394がホイールシャフト382に取り付けられるエリアに画成される平坦な表面416を含む。 この平坦な表面416は図38及び図39において見られる。 平坦な表面416は、ホイールシャフト382が、その回転に対応する回転量での歯車394の回転も伴わないいかなる回転もしないようにする。 言い換えれば、ホイールシャフト382の外側表面が、歯車394がホイールシャフト382に取り付けられるエリアで完全に丸くなっているとすると、もしかすると、歯車394がホイールシャフト382上で滑る可能性がある。 平坦な表面416はいかなるそのような滑りも起こらないようにする。 さらに、歯車394は、カラー418(図40)を用いてホイールシャフト382に堅固に結合され、このカラー418は、一対のねじ419又は他の好適な留付具によって歯車394に固定される。 平坦な表面416と歯車394との間の係合を含んだホイールシャフト382へ歯車394を堅固に取り付けることによって、もし歯車とホイールシャフト382との間でいかなる機械的な滑りが生じたとしても機械的な滑りはほとんどないということが意味される。 すなわち、一方が回転すると、他方は同じ量だけ回転する。

    後輪28bは、車輪とホイールシャフト382との間のいかなる機械的な滑りを低減又は排除もするようにして、ホイールシャフト382に結合される。 ホイールシャフト382は、キー溝付き表面422を含み、このキー溝付き表面422は、各後輪28bの内部側面に画成された相補的な形状のキー溝付き表面(図示せず)に緊密に係合する。 (車輪28bがホイールシャフト382に取り付けられた後に)ねじ付き留付具がホイールシャフト382のねじ付き端部に取り付けられたとき、ねじ付き留付具を締め付けることによって、422であるキー溝付き表面が、後輪28bの対応するキー溝付き表面に緊密に接触するように付勢され、それによって、後輪28bとホイールシャフト382との間のいかなる機械的な滑りも低減又は排除される。 その結果、歯車394がピン406によって回転しないようにされたとき、後輪28bも回転しないようにされ、且つ全くないのではないにしてもほとんど移動の自由を有しない。 このことは、ブレーキがかけられたときに介助車に対する容易な進入及び退出を手助けするように、ユーザー及び患者に安定した介助車をもたらす。

    ブレーキシステム172及び/又はブレーキシステム372には種々の変更を加えることができるということが理解されるであろう。 例えば、ブレーキシステム372は、両方のピン406を歯車394に向かって付勢するばね408を示しているが、ブレーキシステム172は、各ピン408がそれ自体の別個のばね又は付勢機構によって付勢されるように、2つの別個になったばね又は他の付勢機構を有するように変更が加えられることができる。 ブレーキシステム372は、歯車394の歯同士の間に付勢されてブレーキ係合する3つ以上のピン408を含むように変更が加えられてもよい。 3つ以上のピン408を含むことによって、歯車394の回転分解度(resolution)が事実上増し、それによって、ブレーキペダルが踏まれたときに、ピン408のうちの少なくとも1つが歯同士の間にそれ自体入り込む前に、歯車394(及び歯車394に結合される後輪28b)が受け得る回転移動量が減る。 またさらに、後脚部52のうちの第1の後脚部内での歯車394に対する2つのピン408のそれぞれの配列は、第2の後脚部52内での他方の歯車394に対する2つのピン408の配列からオフセットされ得る。 隣り合う歯車394に対するピン408の配列を、各後輪28bに関して異なるようにすることによって、これら歯車による事実上の回転分解度が増し、それにより、ブレーキペダルが踏まれたときに、後脚部52の一方におけるピン408のうちの少なくとも1つがその隣り合う歯車394の歯間のスペースに位置が合う機会が増える。 この結果、ブレーキペダルが踏まれたときに、2つの後輪28bのうちの少なくとも一方が車輪28bをさらに全く回転させることなく即座に係止状態になり、その一方で、他方の後輪がその後、その対応するピン408のうちの1つが隣り合う歯車394の中にそれ自体を挿入することができるほど十分に回転したときに、係止状態になるという可能性が増す。

    また別の変更形態では、ブレーキシステム372は、双方のピン408が1つの歯車394の歯に対して同じ相対的な指向で位置が定められるように、変更が加えられることができる。 双方のピン408は、そのように位置付けられると、1つの歯車394の異なる歯の対で歯の間に一緒に挿入されもし、歯車394の異なる歯の対で歯間スペースと位置が合わない状態で一緒に外にありもする。 そのような変更が加えられることによって歯車394のスロットの全体的な回転分解度が低下するが、これらのスロットに同時に入り込まされる複数のピンを使用することは、ブレーキ強度を高めることができる。 さらに、回転分解度の減少は、上述したように、一方の後脚部52のピン408が他方の後脚部52のピン408の対からオフセットされることによって、軽減されることができる。

    また別の変更形態では、ブレーキシステム172及び/又は372は、ブレーキペダル126及び解除ペダル128とは異なるブレーキ作動構造及びブレーキ作動解除構造を用いるように変更が加えられることができる。 例えば、一実施形態では、ブレーキの制御は、足による制御の代わりに手による制御を用いて行われる。 すなわち、足でペダルを踏み込むことによってブレーキを作動及び作動解除する代わりに、ユーザーは、自身の手を用いて制御部を操作することによって、ブレーキを作動及び作動解除する。 そのような制御部は、ユーザーがかがむことも別のかたちで心地よくない動きをすることも必要なしに制御部に触れることができる介助車のいかなる好適な場所に、位置が定められてもよい。 1つの例に過ぎないが、ハンドル32は、1つ以上のボタン、スイッチ、枢動可能な部材、又は他の構造(押す、切り替える若しくは枢動させるとブレーキを作動及び/若しくは作動解除するもの)を含むことができ、又はそれらをハンドル32に隣り合って位置付けさせることもできる。 後輪28b及び歯車194,394に隣り合うエリアへのこれらの制御部の動作の伝達は、それに限定はされるわけではないが1つ以上のボーデンケーブル等の任意の好適な方法で行うことができる。 さらに他の変形形態も可能である。

    フットレスト 図43〜図45は、フットレスト30のスイング機構の一実施形態を示している。 上記で簡潔に記載したように、本明細書で記載される介助車の実施形態のいずれもが、フットレスト30を装備することができ、このフットレスト30は、ユーザーがボタン214(図43及び図44)を押し下げると使用位置(図4〜図8)から収納位置(図9)まで自動的に枢動する。 この自動的な枢動によって、座部24の前でスペースが空けられ、それによって、患者が介助車に出入りするためのより多くのスペースが与えられる。 図43〜図45に示されているスイング機構は、本明細書で説明される介助車の実施形態のいずれにも用いられることができる。 代替として、図43〜図45に示されている特定の実施形態の代わりに、異なるスイング機構が用いられてもよい。 またさらに、実施形態によっては、フットレスト30は、自動的にスイングして離れるのではなく、その代わりにユーザーがフットレスト30を収納位置に手で押すことを必要とするように構成される。 さらに他の実施形態では、フットレスト30は、使用位置と収納位置との間で全くスイングも枢動もしないが、その代わりに常に使用位置にとどまったままであるように構成される。

    スイング又は枢動機構216は、図43及び図44により詳細に示されている。 スイング機構216は、ボタン214、ばね218、キャスター支柱219、押し軸棒222、ロックインサート体224、張出筒状体226、ばねブシュ228、ねじりばね230、ばねホルダ232、及びピン248を含む。 これらの構成要素は全て、張出筒状体226の円筒形状の本体部分250の内部に配置される又は本体部分250に結合される。 ばねホルダ232は、キャスター支柱219に固定するように結合される。 ばねブシュ228及び張出筒状体226は、フットレスト30が収納位置と使用位置との間で移動するときに互いと共に回転するように、互いに固定して結合される。 フットレスト30が使用位置にある場合、張出筒状体226の回転は、ロックインサート体224に画成された主チャネル部252内でのピン248の位置によって、防止される。 より具体的には、ロックインサート体224、ばねブシュ228は、主チャネル部252内でのピン248の位置のため、(フレーム22に取り付けられている)キャスター支柱219に対して回転できないようにされる。 ボタン214が下方に押されると、押し軸棒222も下方に押され、これによってさらに、ばね218がピン248に加える上方への圧力が軽減され、この圧力は、そうでなければピン248を主チャネル部252内に入り込ませたままで保つ(注:ロックインサート体224は、図45では、図44におけるその向きとは上下逆さまに示されている)。 この圧力を軽減することによって、ばねブシュ228及び円筒形状本体250を用いてロックインサート体224に結合されたねじりばね230のねじり力は、ロックインサート体224に画成された回り止め部254に対するピン248の相互作用によって生じる回転抵抗に打ち勝つのに十分なものとなる。 それ故、ロックインサート体も円筒形状本体250も(そして張出筒状体226も)、ねじりばね230の力に起因して自由に回転することができる。 この回転は、フットレスト30が結合されている張出筒状体226に収納位置まで枢動させる。 この枢動動作は、回り止め部254とピン248との摩擦係合によって遅くなる。 したがって、フットレスト30は、より制御され且つギクシャクしない移動を伴って収納位置まで枢動し、そして、フットレスト30は、この枢動を回り止め部254と共にする。

    フットレスト30が収納位置に達したとき、ロックインサート体224は、主チャネル部252(図45)に概ね対向して画成されたリップ部256にピン248が係合できるようにするには十分に遠くなるように回転していることになる。 リップ部256とピン248とのこの係合は、ばね218によって加えられる力と共に、フットレスト30が収納位置から出るように回転することに抵抗する。 しかしながら、図45において分かるように、リップ部256は、人がリップ部256とピン248との間の相互作用によって与えられる抵抗に手の操作で打ち勝つことができるように、十分に勾配がつけられている。 したがって、いかなるユーザーにより付加的に付与される力がない場合、フットレスト30は、ボタン214が押し下げられた後に収納位置まで自動的にスイングし、そのままそこに留まることになる。 さらに、フットレスト30は、フットレスト30を使用位置まで枢動させて戻すようにユーザーによって手操作で力が加えられない限り、そこに留まることになる。 一旦使用位置になると、ばね218の力は、ピン248にそれ自体を主チャネル部252内に再び入り込ませ、それによって、誰かが対応するボタン214を押し下げない場合にはフットレスト30を使用位置から外に移動させないようにする。 一対の硬いストッパ258(図45)が、フットレスト30が使用位置と収納位置との間に画成される動作範囲を越えて回転することを防止する。 この動作範囲は、フットレスト30が、使用位置から収納位置まで自動的に枢動されたときにフレーム22のいかなる部分にも介助車のいかなる他の部分にもぶつかることがないように、選択される。

    ボタン214を除き、ボタン214を押したときの使用位置から収納位置へのフットレスト30の自動的なスイングは、フットレスト30をスイングさせるための構成要素がキャスター支柱219及び円筒形状本体部分250の中に全て内蔵されるかたちで、行われる。 それ故、突き出る構成要素がなく、手で位置を直すのを必要とするラッチ部がなく、スイング動作のうちの一方又は他方を行うときに手で調整し直すことを必要とするアームがなく、且つ、キャスター支柱219及び円筒形状本体部分250によるコンパクトな組み合わせユニットの外側に延出する他の構造がない。 さらに、キャスター支柱219及び円筒形状本体部分250は、前方脚部54における前輪28aが取り付けられる部分の頂部に位置付けられる。 したがって、キャスター支柱219及び/又は円筒形状部分250を前脚部54の前端部に加えることは、前輪28aを支持するために既に必要とされているものを越えて介助車の物理的な占有面積を増大させない。 このことは、フットレスト30の使用位置と収納位置との間のスイングが付加的な構造を必要としないことを意味し、この付加的な構造は、そのようなスイング機能が存在しないとした場合よりも介助車の前方のエリアを雑然とさせかねない。 それ故、スイング機構216は、患者が介助車に対して進入及び退出することを妨げかねない雑然さを増やすことなく、フットレスト30のスイング動作を可能にする。

    スイング又は枢動機構216を作動するための他のタイプのトリガー体がボタン214の代わりに用いられてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。 さらに、トリガー体の場所は、トリガー体がボタン214を含むか又は他の何らかのタイプのトリガー体を含むかにかかわらず、円筒形状本体部分250の頂部から別の好適な場所に位置付けられるように変更されることができる。 またさらに、代替の一実施形態では、トリガー機構が含まれず、使用位置と収納位置との間のフットレスト30のスイングは、使用位置又は収納位置のいずれかの方向へフットレスト30又はフットレスト30に物理的に取り付けられた任意の構成要素に手で力を加えることによって、行われる。 この手でする実施形態では、円筒形状本体250は、フットレストを使用位置又は収納位置のいずれかに保持するのを助ける1つ以上の構成要素(例えば、1つ以上の回り止め部など)を含むことができる。 そのような構成要素は、人に対して、フットレスト30を使用位置又は収納位置のいずれかから最初に移動させるために、フットレスト30が使用位置又は収納位置のいずれかから出された後にフットレストをスイングさせるためによりも、僅かに大きい力を加えることを必要とさせることになる。 さらに他の変形形態が可能である。

    図示の実施形態では、使用位置と収納位置との間のフットレスト30のスイングは、概ね鉛直な軸212(図43及び図44)を中心に行われる。 図43において最も良く分かるように、概ね鉛直な軸212はまた、前輪キャスターホイール28aが中心として旋回する軸でもある。 すなわち、図示の実施形態では、前輪28aはキャスターホイールであり、このキャスターホイールは、介助車の移動を可能にする概ね水平な回転軸を中心に共に回転することができ且つキャスターホイールの旋回を可能にする概ね鉛直な軸212を中心に旋回することができ、それにより、キャスターホイールは介助車の移動方向にターンすることができる。 共通の軸212を中心とした前輪28aの旋回及びフットレスト30のスイングの両方を有することによって、よりコンパクトな設計が達成される。

    使用位置と収納位置との間でフットレスト30を枢動又はスイングすることに加えて、各フットレスト30は、足載せ皿部234を含み、この足載せ皿部234は、概ね水平な枢動軸260(図44)を中心として直立位置(図44に図示)と概ね平らな位置(図示せず)との間で枢動可能である。 概ね平らな位置では、足載せ皿部234は、概ね水平に指向され、それにより、ユーザーが自身の足を位置付けることができる台を提供する。

    図44は、本明細書で開示される介助車のいずれものフットレスト30のいずれとも共に用いられることができる枢動アセンブリ262の一実施形態を示している。 枢動アセンブリ262は、その付随する足載せ皿部234の上に患者が自身の足を位置付けない場合に、足載せ皿部234を図44に(そして他の図、例えば図4〜図10にも)示されている直立位置に維持するように適合している。 それ故、患者が座部24に入ろうとしているとき、足載せ皿部234は鉛直方向に直立した向きとされ、それによって、ユーザーが座部24に入るためのより多くのスペースを生み出す(フットレストが使用位置まで枢動されていると仮定する−患者が座部24に入った後までフットレスト30が収納位置に保たれれば、さらに多くのスペースが生成されることになる)。 足載せ皿部234をそれらの水平な向きに枢動させるためには、患者は、自身の足を持ち上げて足載せ皿部234の頂部の上に置き、足載せ皿部234をそれらの水平な向きまで強制的に下げる。 患者が介助車を出るときになると、患者は、自身の足を足載せ皿部234から持ち上げる。 そして、足載せ皿部は、自動的に上方に枢動し、介助車の前のエリアにより多くのクリアランスを生成し、それにより、介助車からの退出も患者が自身の足を地面に直接置くことも、容易になる。

    枢動アセンブリ262は、足載せ皿部234、スペーサブシュ236、一対のブシュ238、スロット付きばねホルダ240、ねじりばね242、ばねハウジング244、枢動カバー246、ピン264、及び保持リング266を含む。 スペーサブシュ236、ブシュ238、足載せ皿部234、スロット付きばねホルダ240、ねじりばね242、ばねハウジング244、及び枢動カバー246は全て、張出筒状体226の概ね直線的なセクション268に結合される。 ピン264は、スロット付きばねホルダ240に画成されたスロット27内に嵌まる。 ピン264はまた、直線的セクション268に画成された開口272内にも嵌まる。 それ故、ピン264及びスロット付きばねホルダ240は、枢動軸260を中心に枢動しない。 ねじりばね242は、その一方の端部で、スロット付きばねホルダ240に結合される。 ねじりばね242の他端部は、ばねハウジング244に結合され、このばねハウジング244はさらに足載せ皿部234に結合される。 ねじりばね242と足載せ皿部234との間の結合のかたちは、足載せ皿部234が直立位置にあるときに、比較的小さいねじり力がばね242によって足載せ皿部234に加えられているようなかたちである。 さらに、そのようなねじり力が加えられている限りでは、ねじり力は直立位置に留まらせるように足載せ皿部234を付勢している。 人は、足載せ皿部234を押し下げるときは、ねじりばね242の抵抗に打ち勝たなければならない。 この抵抗に打ち勝つのに費やされるエネルギーは、ポテンシャルエネルギーとしてばね242に蓄えられ、人が自身の足を足載せ皿部234から外すと解放される。 この解放されたポテンシャルエネルギーは、足載せ皿部234をその直立位置に回動させて戻すのに用いられる。

    フットレスト30をそれらの直立位置に自動的に戻るように構成することによって、このことは、患者のためのより広いクリアランスを生成するだけではなく、介助車同士が一緒に入れ子になることを可能にもする。 そのような入れ子になっている例が図62〜図65に示されている。 第1の介助車のフットレスト30がそれらの直立位置にあり且つ第1の介助車が第2の介助車の後部側の中に入れ子にされるとき、第1の介助車のフットレスト30が直立位置にあることは、フットレストを後輪28bと接触させることなく第1の介助車を入れ子にすることを可能にする。 それ故、フットレストをそれらの直立位置に自動的に戻すことによって、ユーザーは互いに入れ子にする前にフットレストの形態を手で変える必要がなく、このことは、介助車同士を入れ子にするために必要となりかねない仕事量を減らす。

    図43、図44及び図8に示されている実施形態においてより明確に分かるように、各フットレスト30はまた、枢動カバー246に画成された枢動張出部208も含む。 枢動張出部208は、介助者が自身の足を容易に用いて付属のフットレスト30を上向きから下向きに人力でひっくり返すのを可能にするように適合している。 介助者は、このことを達成するのを、フットレスト30が直立位置にある間に枢動張出部208の下に自身の靴のつま先を挿入し、次いで自身の靴を上方にかつ僅かに外側に向かって(すなわち介助車の反対側のフットレスト30から離れるように)枢動させることによって、行うことができる。 これによって、枢動張出部208が上方に向かって枢動させられ、足載せ皿部234が使用の向き(例えば概ね水平な向き)にまで下方に枢動させられることになる。 この使用位置にあるとき、枢動張出部208は概ね水平に指向され(図52を参照)、一方で、収納位置にあるとき、枢動張出部208は概ね鉛直に指向される(図43及び図44)。 フットレスト30が収納位置にあるときに概ね鉛直に指向されることによって、枢動張出部208は、フットレスト30から外側へは延在せず、それ故この向きでは余分な障害物を生成しない。 枢動張出部208は、介助者がかがんでフットレスト30を手で操作することを必要とせずに、介助者がフットレスト30をそれらの下降位置まで移動させることを可能にする便利な構造をもたらす。 そのように人力で下げることは、自身の足をフットレスト30の上に載せる過程にある患者を手助けすることができる。

    IVポール及び頂部体 前述したように、IVポール36は、それに限定されるわけではないが、図46及び図47に示されているIVポール頂部体74及び/又は274のような、その上端部に取り付けられたIVポール頂部体を含む。 各IVポール頂部体74,274は、IVバッグ又は他の医療用具が吊り下げられ得る複数のフック76を含む。 本明細書に示されている幾つかの介助車の実施形態は、これらに取り付けられたIVポール36を含まないが、そのような介助車の実施形態は、IVポール頂部体を有するIVポールを含むように変更が加えられることができるということは、当業者によって理解されるであろう。 さらに、IVポール36を示すそれらの実施形態は、IVポール36をなくすように変更が加えられることができる。

    IVポール頂部体274は、その中央に画成された取付開口276(図47)を含み、この取付開口276は、IVポール36の上端部内に受け入れられもする留付具278(図48)を受け入れるように適合している。 留付具278は、それに限定されるわけではないが、ねじ又は他のねじ付き留付具等の任意の好適な留付具であってよい。 留付具278のねじは、IVポール36の上端部に画成された雌ねじ(図示せず)に嵌め合い係合し、それによって、IVポール頂部体274をIVポール36に固定する。 一実施形態では、留付具278は、IVポール頂部体74及び/又は274がIVポール36の上側部分によって画成された概ね鉛直な軸を中心に自由に回転できるよう、IVポール頂部体74及び/又は274をIVポール36に取り付けるように構成されている。 別の実施形態では、留付具278は、IVポール頂部体74及び/又は274をIVポール36に堅固に取り付け、それにより、取り付けられた頂部体がこの概ね鉛直な軸を中心に回転できないものであるように構成される。

    IVポール頂部体274は、IVポール頂部体274の上部内に嵌まる留付具278を用いてIVポール36に取り付けられるため、留付具278は、介助車の付近にいる人には大部分が見えなくなる。 これが、IVポール頂部体274が多くの場合に、立っている人のほぼ標準の目のレベルでの高さ又は上記目のレベルよりも上の高さで位置が定めされる理由である。 それ故、人がIVポール頂部体274によって画成される概ね水平な平面よりも上に位置しない限り、この人には、取付開口276内に配置された留付具278が見えないことになる。 すなわち、留付具278は、IVポール頂部体274の本体によって画成される水平面で又はこの水平面の下のいかなる視点からも見えない。

    IVポール頂部体274は、実施形態によっては、介助者に情報を示すかたちで色付けされる。 実施形態によっては、頂部体274は単色である。 他の実施形態では、頂部体274は多色に色付けされてもよい。 頂部体274が単色であるか又は多色であるかにかかわらず、頂部体274の色は、複数の介助車がある医療施設において(複数の)介助者に情報を提供するために用いられることができる。 例えば、医療施設は、建物の特定の階又は医療施設の特定の部門に割り当てられる介助車の全てを第1の色とするが、異なる階又は異なる部門に割り当てられる介助車の全てに別の色が与えられるように選択することができる。 このことによって、介助車が異なる場所に移動されている場合に、その介助車がどこに戻されるべきかというわかりやすい視覚的標示が、介助者に与えられる。 さらに、介助車の所有者は、頂部体274を異なる色の頂部体と交換することによって、特定の介助車の割り当てを容易に変えることができる。

    代替として、頂部体274の色(単数又は複数)は、その介助車に割り当てられている患者の1つ以上の態様に関する視覚的な情報を提供するように用いられることができる。 例えば、頂部体274の1つの特定の色が、その色に割り当てられる患者に感染の危険性があること又はその色に割り当てられる患者に感染の危険性がないことを示すように用いられることができる。 他の実施形態では、その色は、特定の患者が話す言語、介助車が清潔であるか若しくは清掃の必要があるかを示すことができ、又は、その色は、それに限定されるわけではないがアレルギー、転倒の危険性、投薬情報、患者の目が見えないかどうか、患者のが聞こえないかどうか、若しくは、任意の他の有用な分類等の特定の患者に関する医療情報を示すことができる。 なお、任意の他の有用な分類とは、視覚的指標が介助者、スタッフ、若しくは介助車を使用する他の個人に役立つものである。 患者情報のさらに他のカテゴリーを、頂部体274(又は74)の色によって示すことができる。

    様々な色の頂部体74,274は、種々の異なるかたちで介助車のユーザーに利用できるようにされることができる。 1つのかたちでは、介助車を購入しようとする顧客が、介助車の最初の購入の際に、介助車の製造業者から様々な色の頂部体74,274を取り寄せる。 別のかたちでは、顧客は、最初の介助車の購入に続いて、介助車の製造業者から及び/又は介助車の製造業者の許可を受けた指定の販売業者から、所望の色の頂部体74,274を別個に取り寄せることができる。 さらに他のかたちでは、色付きの頂部体74,274は、介助車の製造業者と提携していない第三者から購入又はリースにより入手することができる。

    さらに他の実施形態では、IVポール36は、上述した情報のいずれをも示すように頂部体74、274に加えて他の物と共に用いられることができる。 すなわち、IVバッグを吊り下げるためのIVフックを提供しない異なるタイプの頂部体が用いられることができる。 そのような頂部体は、任意の方法で構成及び設計されることができる。 幾つかの実施形態では、そのような頂部体は、情報を示す役割のみを果たし、他のいかなる機能も提供しない。 他の実施形態では、頂部体74,274と同様に、頂部体は、情報を示し且つIVバッグ用のフックを提供するような追加の機能を提供するように構成される。 視覚的に情報を伝えるのに頂部体が用いられる場合、そのような頂部体は、例えば、情報を示す旗と同じようにして機能することができる。 実際に、幾つかの実施形態では、頂部体は旗であり、そのような旗は、可撓性を有する材料又はより剛性を有する材料から作製されることができる。 他の実施形態では、頂部体は、記号又は文字が書かれる又は印刷されることができる紙を保持するように構成される。 さらに他の実施形態では、頂部体は、メッセージ又は他の表示を書くことができ且つ頂部体上に組み込まれた他のタイプの書き込み面(例えばホワイトボードタイプの面又は他のタイプの面)を含むことができる。

    IVポール36に対する頂部体は、介助者に情報を提供するのに用いられる場合、頂部体74,274とは異なる方法で構成されることができる。 すなわち、頂部体は、色分けされる又は情報を提供するための何らかの方法で別のかたちに変更され若しくは構成された在来型のフック構成を有するものとすることができる。 そのような変更又は構成は、頂部体の全て又は一部の形状を変えることを含むことができる。 そのように変えること又は構成することは、次のようなかたちで実施されることができる。 つまり、介助者がIVポール36が取り付けられた介助車の隣に位置する間だけではなく、介助者が自身の作業の環境内で出くわす距離(例えば廊下、通路等の長さ等)のようなより長い距離からでも、介助者に視覚的に明らかであるようなかたちである。

    要するに、頂部体74,274のように構成されるか又は別のかたちで構成されるかにかかわらず、種々の異なるタイプの頂部体は、介助車にいる患者について又は介助車自体についての情報を介助者に提供する視覚的な連絡システムを生み出すために用いられることができる。 さらに他の実施形態では、この視覚的な連絡システムが介助車に加えて他の医療機器に適用され得るということは、理解されるであろう。 例えば、頂部体74,274及び本明細書で説明される変形形態の全ては、ベッド、ストレッチャー、手術台、折り畳み式簡易ベッド、又は患者を支持及び/若しくは運ぶ他の機器と共に用いられることができる。 さらに他の実施形態では、このシステムは、人工呼吸器、ポンプ、透析機及び他の医療機器等の患者を治療するのに用いられる医療機器に適用されることができる。 上述したように、頂部体が介助車ではない医療機器に適用される場合、頂部体は、頂部体74及び/若しくは274のように構成されてもよく、又は、それに限定されるわけではないが、IVバッグためのいかなるフックも支持体も提供しない構成を含むように異なって構成されてもよい。

    図48及び図49は、IVポール36を介助車のフレーム22に取り付けることができる1つのかたちを示している。 図示のように、IVポール36をフレーム22の前方脚部54のうちの一方に固定するのに複数のクランプ280が用いられる。 より具体的には、IVポール36が固定される前方脚部54の領域において、前方脚部54は、第1のセクション282及び第2のセクション284を含む。 第1のセクション282及び第2のセクション284は互いに対して角度がつけられている。 クランプ280のうちの一方が第1のセクション282及びIVポール36に取り付けられ、その一方で、クランプ280のうちの他方が第2のセクション284及びIVポール36に取り付けられる。 第1のセクション282及び第2のセクション284は互いに対して角度がつけられているため、前方脚部54へのIVポール36のより確実な取り付け、それ故介助車全体へのIVポール36のより確実な取り付けが、成し遂げられる。 この理由は以下で説明する。

    多くの場合、介助車の介助者又は他のユーザーは、ハンドル32のかわりにIVポール36を把持することによって、介助車を押し引きする。 人は、このことを行うとき、IVポール36とポール36を介助車に固定するのに用いられるクランプ280とに、かなりの量の力を加える可能性がある。 この加えられる力は、それ自体がかなり大きい可能性があり、及び/又は、この加えられる力は、ポール36に力が加えられる位置と最も上のクランプ280の位置との間のレバーアームの距離によって増幅される可能性があり、増幅されることが多い。 例えば、図48は、最も上のクランプ280からの距離D5においてポール36に加えられる印加力Fを示している。 印加力自体がかなり大きいものであるかにもレバーアームの距離による増大効果が印加力を増幅するかにもかかわらず、クランプ(単数又は複数)380は、経時にわたってそのような力に耐えることが可能である必要がある。

    過去においては、IVポールは、1つのみのクランプを用いて車椅子に取り付けられてきた。 人がIVポールを押す、IVポールを引く、又はIVポールに別のかたちで力を加えると、このことは、特に時間が経過するにつれてそのクランプを緩める傾向にあった。 さらに、1つのクランプを使用することは、IVポールを4つの自由度(前後移動、側方移動、及び互いに垂直な複数の水平軸を中心とした回転)において、構造的に拘束するに過ぎない。 鉛直方向への移動、及びポールの縦軸を中心とした回転は、クランプによって摩擦により拘束されるに過ぎず、構造的には拘束されない。 この摩擦による拘束は時間と共に弱らされる可能性がある。 さらに、構造的な拘束でさえ、印加力の大きさ及び繰り返しに起因して時間が経過するにつれて緩められる可能性がある。 (構造的、摩擦的又は双方の)拘束が緩むことは、複数のクランプが用いられ且つこれらクランプが互いに対して同一直線上の配置で取り付けられるとしても、生じる可能性がある。

    しかしながら、図48及び図49(並びに本明細書の他の箇所)において示されているクランプ配置構成は、上述した問題を克服し、6つ全ての自由度における構造的な拘束をもたらす。 このクランプ配置構成は、上記拘束を、互いに平行でもなく一列にも並ばない異なる位置(セクション282及び284)に位置する一対のクランプ280を用いることによって、達成する。 各クランプ280は、4つの自由度(前後移動、側方移動、及び互いに垂直な複数の水平軸を中心とした回転)において、ポール36を構造的に拘束する。 さらに、同一直線上ではないかたちで配置されている2つのクランプ280を組み合わせることは、鉛直移動と、IVポール36の鉛直な上側部分によって画成される鉛直軸を中心とした回転との双方を、構造的に拘束する。 回転移動は、2つのクランプ280が回転するように一列に並べられていない(2つのクランプ280が同一直線上にある中心軸を有しない)ため、構造的に抵抗を受ける。 セクション282及び284の双方でないとしてもこれらの少なくとも一方が鉛直に方向付けられておらず且つそれらの対応するクランプ280もまた鉛直に方向付けられていないため、鉛直な移動も構造的に抵抗を受ける。 その結果、脚部54における角度がつけられたセクション282及び284とIVポール36における対応する角度がつけられた(別個に符号を付していない)を有すること、並びに各セクションにおいてクランプ280を用いることによって、6つ全ての自由度におけるいかなる移動にも構造的に抵抗する結合が、IVポール36との間に達成される。 この堅固な結合は、過剰な力が存在する場合であっても、そして、そのような力が長期間にわたって繰り返されて蓄積された後であっても、時間が経過するにつれてポール36と介助車との間でのいかなるぐらつきも起こらないようにするのに役立つ。 この堅固な結合はまた、ユーザーにIVポール36を把持するときの頑丈な感覚を与え、そしてさらにユーザーに対して、ポール36に損傷を与えることもポール36と介助車との間の連結を緩めることもなく、介助車を押し引きすることを可能にする。

    図48及び図49に示されるようにしてクランプ280を配置することの代替として、クランプ280同士が平行ではあるが同一直線上になく且つこれらクランプ280が脚部54の曲げ部又はL字状屈曲部に当接するように適切に位置決めされるとした場合に、6つの自由度において同様のレベルの頑丈さ及び構造的な拘束を達成することが可能である。 平行ではあるが同一直線上にないことによって、鉛直軸を中心とした回転が2つのクランプによって構造的に抵抗を受けることになる。 さらに、脚部54における曲げ部又はL字状屈曲部に隣り合ってクランプ280を位置付けることによって、曲げ部又はL字状屈曲部がクランプ280の一方又は双方と接触することで、IVポール36の鉛直な移動が防がれることになる。

    本明細書で図示及び記載されるクランプ280及び取付方法は、介助車及び車椅子でのその使用に加えて、それに限定されるわけではないが、ストレッチャー、ベッド、折り畳み式簡易ベッド、手術台、ポンプ、人工呼吸器、透析機器、又はさらに他のタイプの医療機器等の他の医療機器にIVポール36を取り付けるのに用いられることができる。 互いに対して平行でも同一直線上にもない2つの場所で(又は、2つの場所が互いに対して平行ではあるが同一直線上になく且つクランプが取付構造体の曲げ部又はL字状屈曲部に隣り合って配置される2つの場所で)、IVポール36を医療機器にクランプ留めすることによって、IVポールは、6つ全ての自由度での動作に構造的に抵抗し且つ医療機器とIVポールとの間に頑丈な結合をもたらすかたちで、固定されることができる。

    本明細書で説明される頂部体のいずれもがIVポール36とは異なる変更が加えられたIVポールと共に用いられることができるということも、理解されるであろう。 例えば、IVポールは、鉛直高さがテレスコ式に調整可能であるテレスコ式ポールであるように変更が加えられることができる。 それ故、IVバッグが吊り下げられる必要がなく、及び/又は連絡情報がはっきりと見えるかたちで介助車上にも他の移動できる医療機器上にも表示されることが要求されない場合、テレスコ式IVポールは、妨害物又は障害物にならないようにその最も低い高さまで下げられることができる。 後にIVバッグが吊り下げられることになっている、又は情報を視覚的に表示するために後にポールを使用することが要求されるとした場合、そのときにIVポールは鉛直方向に伸ばされることができる。 頂部体は、IVポールの伸長位置及び格納位置の双方においてIVポール上とどまったままでもよく、又は、ポールがその最も低い位置に格納されたときに取り外されてもよい。 IVポールのさらに他の変形形態を実施することができる。

    前述したように、IVポール頂部体74及び274はそれぞれ、円弧状のフック76を備えた概ね円形形状であり、これらフック76は、頂部体74及び274の円形形状の全体に画成され且つ位置が合わせされている。 この構成は、不注意でぶつかる可能性がある外側に向いたフック76をなくすことにつながるだけではなく、人の頭、目、又は頂部体74,274と同じ高さに位置付けられた他の身体部分と直接的に接触する可能性がある外側に向いた延出部、尖った突起及び他の構造体をなくすことにもつながる。 頂部体74及び274はそれぞれ、上縁部288、下縁部290、外側表面292及び内側表面294を有するリボン状体84を含む。 リボン状体84は、複数のスポーク298を用いて中心体296に連結されている。 リボン状体84は、頂部体74及び274の双方において円形形状を画成するように構成される。 上縁部288は、頂部体74及び274の双方においてリボン状体84の円形形状の全体を囲んで連続したものである。 下縁部290は、円形形状の全体を囲んで連続したものではないが、その代わりに、リボン状体84における各フック76に隣り合うエリアにおいて複数回中断される。 これらの中断部は、フック76のうちの1つにまたがるようにしてIVバッグに取り付けられている輪状体又は他の構造体をユーザーが挿入するためのスペースを提供する。 フック76自体は、円形であり且つリボン状体84内に画成されている。

    リボン状体84は、図46及び図47には円形形状であるものとして示されているが、他の実施形態では異なる形状を有するように変更が加えられることができる。 代替の一実施形態では、リボン状体84は多角形として形つくられる。 リボン状体84は、多角形として形つくられる場合、多角形の各辺に画成されたフック76を含むことができる。 代替として、多角形の各辺に複数のフック76を画成してもよく、又は多角形の全てではない辺にフック76を画成してもよい。 円形形状から多角形形状へのリボン状体84の形状の変更によって幾つかの鉛直な縁が形成されることになるが、そのような縁は、特に多角形の辺が3つ又は4つよりも多い場合には滑らかにされる又は鈍角にされることができる。 さらに他の実施形態では、リボン状体84は、例えば上縁部288から下縁部290に鉛直方向下方に進むと湾曲した経路を辿る外側表面292を有して、鉛直方向にも水平方向にも湾曲させられることができる。 湾曲形状に加えて他の形状も用いることができる。

    添付の図面に示されているように、リボン状体84は、終点も始点も含まないという意味で無端である。 その代わりに、リボン状体84は、記載したように他の形状へと変更が加えられることができる完全な円を形成する。 リボン状体84は、他の形状へと変更が加えられることに加えて、無端ではないように変更が加えられることができる。 一例に過ぎないが、リボン状体84は、互いから間隔をあけて配置されるがそれぞれが依然として円弧形状である幾つかの分離したセクションから作製されることができ、それにより、これらのセクションは組み合わされるとなおも全体として円を画成する。 さらに他の変形形態が可能である。

    脹脛レスト 本明細書で開示される介助車の実施形態のいずれかにも、1つ以上の脹脛レスト450を含めることができる。 そのような脹脛レスト450の例が、数ある図面の中でも図29A、図29B及び図51〜図61に示されている。 脹脛レスト450は、座部24に着座している間に患者の脚を支持するように適合している。 さらに、脹脛レスト450は、収納位置(図51)と使用位置(図52)との間で伸長することが可能であり且つ引っ込ませることが可能であるように適合している。 図51及び図52に示されている介助車の実施形態では、1つのみの脹脛レストが示されている。 しかしながら、図29A及び図29Bに示されているように2つの脹脛レスト450が単一の介助車に組み込まれてもよいことは、理解されるであろう。 脹脛レスト450は、介助車に加えて、それに限定されるわけではないが、診察台、手術台、又は、患者の下腿の一方若しくは双方を選択的に支持できることが望ましい任意の他の患者支持器具を含んだ他の医療機器に組み込まれることができるということも、理解されるであろう。

    図51〜図61により詳細に示されているように、脹脛レスト450は、内側突き出し部452、外側突き出し部454、及びパッドアセンブリ456を含む。 パッドアセンブリ456は、患者が自身の脹脛又は脚を載せることができる上面部458を含む。 上面部458は、パッドが詰められていてもよく、又はパッドが留め付けられる表面を供給してもよい。 図60及び図61により明確に示されているように、パッド台アセンブリ456は、概ね水平な枢動軸を中心に枢動可能であり、それにより、パッド台アセンブリ456は、患者の脹脛と概ね整合する角度で方向付けられることができる。 さらに、内側突き出し部452は、外側突き出し部454に対してテレスコ式に平行移動することができ、すなわち、内側突き出し部452は、外側突き出し部454の中にスライドすることができ、そして外側突き出し部454から外に伸びることができる。

    脹脛レスト450は、引っ込み位置にあるときは、以下でさらに詳細に説明する係るロック機構を用いて内部で保持される。 ユーザーは、ロック機構を解除するために、内側突き出し部452の上側端部に結合されたハンドル460を引く。 ハンドル460を引くことによってロック機構が解除され、それにより、ユーザーが内側突き出し部452を外側突き出し部454から引き出すことが可能になる。 脹脛レスト450が引かれて完全に伸長した使用位置まで達してしまうと、脹脛レスト450のいかなる上方への枢動も、パッドアセンブリ456に載せている患者の脹脛の重量によって抵抗を受け、いかなる下方へのさらなる枢動も、フレーム22と脹脛レスト450との間に結合された懸架リンケージ466によって防がれる。 外側突き出し部454に対する内側突き出し部452の相対的な平行移動に関して、そのような相対的な平行移動は伸長位置では起きないようにされ、それは、ペグ(peg)474の外側端部480等のラッチ部が、外側突き出し部454の上側端部に画成された使用位置開口522(図55、図56及び図59)内に挿入されるためである。 すなわち、ユーザーが内側突き出し部452を平行移動させて外側突き出し部454から完全に出して伸長位置つまり使用位置とし且つハンドル460を放したとき、ペグ474の外側端部480は、それ自体を使用位置開口522内に挿入するようにしてばね476によって引っ張られ、それによって、収納位置に戻るような脹脛レスト450の引っ込みを起こさないようにする。 これについては以下でさらに詳細に説明する。

    脹脛レスト450を引っ込ませてその引っ込み位置に戻すために、ユーザーはハンドル460を再び引き、このことは、ペグ474に(ばね476の力に打ち勝って)回動させて使用位置開口522から出させ、それによって、内側突き出し部452が外側突き出し部454に対して平行移動することをできるようにする。 ユーザーは、ハンドル460を保持したままで、内側突き出し部452を外側突き出し部454に向かって押し戻す。 完全に引っ込むと、ロック機構が自動的に再び係合し、脹脛レストは、ハンドル460を再び引かなければ伸長することも下方に枢動することもできない。

    ここで、脹脛レスト450と共に用いられ得るロックアセンブリ462の詳細な構成を、図53〜図58に関して説明する。 ロックアセンブリ462は、内側突き出し部452及び外側突き出し部454に加えて、外側ブシュ464、懸架リンケージ466、外側突き出し部454に結合される下側枢動ブラケット468をさらに含む。 ロックアセンブリはまた、内側突き出し部452の内部に位置付けられるカセット470、内側ブシュ472、ペグ474、ばね476、及びボーデンケーブル478も含む。 ペグ474は、脹脛レスト450が引っ込み位置にあるときには外側端部480が外側突き出し部454に画成された開口482を通って延在し且つ伸長位置にあるときには上述したように外側端部480が使用位置開口522を通って延在するように、位置付けられている。 ペグ474が開口482内に位置付けられたとき、カセット470は、ペグ474の端部480と開口482の縁との係合のため、外側突き出し部454内でスライドすることができない。 さらに、カセット470が内側突き出し部452に固定されて取り付けられているため、内側突き出し部452もまた、外側突き出し部454内でスライドすることができず、それによって、脹脛レスト450が使用位置まで伸長することを防止する。

    図57及び図58により明確に示されているように、ペグ474は枢動軸484を中心に回動可能である。 ばね476が、ペグ474に結合されており且つ付勢力を加え、この付勢力は、ペグ474に対して、枢動軸484を中心として、(開口482と位置が合う場合には)端部480を開口482内に延在させる方向に付勢する。 すなわち、ばね476は、開口482が内側突き出し部452の開口486と位置が合うときはいつでも、ロック機構を再び係合させる傾向にある力を働かせる(そして、開口486を通ってペグ474の外側端部480も延在する)。 ペグ474が(図57で反時計回りに)回動すると、ペグ474の外側端部480は、外側突き出し部454に画成された開口482及び内側突き出し部452に画成された開口486から外に後退する。 その結果、ペグ474が図58に示されるかたちで向きが定められると、内側突き出し部452は外側突き出し部474内で自由にスライドすることができ、それによって、ユーザーが内側突き出し部452を外方に伸長させて使用位置にすることを可能にする。 ペグ474の回動は、その他方の端末部488がハンドル460に結合されているボーデンケーブル478によって成し遂げられる。 図53及び図54に示されているように、ハンドル460を引くことによって、ボーデンケーブル478に、ペグ474の外側端部480を開口482及び486から引っ込ませるようにしてペグ474を引っ張らせることになり、それによって、脹脛レスト450を伸長させることを可能にする。

    脹脛レスト450が収納位置にあり且つユーザーがハンドル460を引いたとき、ハンドル460を引くことは、脹脛レスト450が介助車の前で外方に伸長することができるように脹脛レスト450を解除するだけでなく、脹脛レスト450の枢動機能も解除する。 すなわち、ハンドル460が引かれて脹脛レスト450がロック解除されてしまうと、内側突き出し部452が外側突き出し部454から外へと自由に平行移動することができるようになるだけではなく、内側突き出し部452及び外側突き出し部454の双方が枢動軸504(図51〜図56)を中心に自由に枢動することができるようになる。 それ故、ハンドル460を引くことは、1つの方向への移動を必要とするだけにすぎないものであるが、2つの異なる自由度で移動機能の解除を引き起こす。 内側突き出し部452及び外側突き出し部454の下方への枢動は、懸架リンケージ466によって制限される。

    ペグ474の外側端部480は、内側突き出し部452を外側突き出し部454内に保持することに加えて、脹脛レスト450を座部24の下の収納位置に保持もする。 すなわち、ペグ474は、ロック位置にあるときに、内側突き出し部452及び外側突き出し部454がテレスコ式の移動で互いに対して平行移動しないようにするだけではなく、ペグ474は、ロック位置にあるときに、内側突き出し部454及び外側突き出し部454が枢動軸504を中心に枢動しないようにもする。 ペグ474は、下側枢動ブラケット468の一方の側部に画成されたラッチ面部506と接触することによって、この枢動動作を防止する(例えば図55及び図56を参照)。 座部24の下の収納位置にあるとき、ペグ474の外側端部480は、ラッチ面部506に当接し、この当接は、脹脛レスト450が枢動軸504を中心に下方に枢動することを防ぐ。 しかしながら、ユーザーがハンドル460を引くと、ペグ474の外側端部480は、(上述のようにして)開口486を通って内側突き出し部452内に後退し、このことは、ペグ474の外側端部480を移動させてラッチ面部506と接触しないようにさせ、それによって、脹脛レスト450が軸504を中心に下方へ枢動することを可能にする。 それ故、ペグ474の外側端部480は、ロック位置にあるときに、外側突き出し部454の相対移動を阻止するだけでなく、内側突き出し部452及び外側突き出し部454の双方のブラケット468に対する(軸504を中心とした)相対的な枢動を阻止もするのに十分な長さだけ開口486から外に延出する。 したがって、ハンドル460を引くという1つの動作は、一方は平行移動を係止し且つもう一方は枢動を係止する2つの異なるロック機構を解除する。

    図59は、パッドアセンブリ456の構成をより詳細に示している。 パッドアセンブリ456は、枢動レールブラケット490、内側突き出し部カバー492、ボーデンケーブルの端末部488、及びハンドル460を含む。 枢動レールブラケット490は、ユーザーがハンドル460を引いたときにハンドル460が沿うようにスライドするトラック(track)494を提供する。 枢動レールブラケット490はまた、内側突き出し部452の上側端部に画成された穴498と整合する枢動軸496を中心に枢動可能である。 したがって、枢動レールブラケット490は、図60及び図61に示されているようにして枢動することができる。 さらに、上面部458は、枢動レールブラケット490に結合されているため、患者の脚の角度に対応するように枢動することが可能である。

    枢動レールブラケットは、枢動レールブラケット490の枢動限界を共に規定する後方上面500及び後方底面502を含む。 すなわち、後方底面502が内側突き出し部452の内側底面と接触すると(図60)、枢動レールブラケット490は、(図60に対して)反時計回りの方向にはさらに枢動しないように妨げられる。 同様に、後方上面500が内側突き出し部452の内側上面と接触すると(図61)、枢動レールブラケット490は、(図61に対して)時計回りの方向にはさらに枢動しないように妨げられる。

    他の特徴部 図61〜図65は、介助車の実施形態820における別の同様の介助車820と入れ子になることができる機能を示している。 介助車820は、本明細書に記載される他の介助車と同様であり、他の介助車は全て、介助車820と同じ入れ子機能を有する。 本明細書に記載される他の介助車の構成要素と同じである介助車820の構成要素には同じ参照符号が付されており、それら構成要素の説明は介助車820にも同様に当てはまる。 この入れ子機能は、介助車(820及び他の実施形態)の全体構成によって容易になり、介助車の前端部は介助車の後端部よりも全体的に広い。 介助車の前端部が後端部よりも拡げられていることによって、第1の介助車の前端部は、第2の介助車のより幅狭の後端部の周りに嵌まることができ、それによって、これらの介助車が一緒に入れ子になることを可能にする。 さらに、既に記載したように、前端部が後端部よりも拡げられていることによって、介助車の前端部には、患者が立つためのより多くのスペースがあり、それによって、介助車への進入及び介助車からの退出を容易にする。

    入れ子になったときに、フレーム22又は介助車の他の構成要素における1つ以上の部分が他方の入れ子になる介助車の一部と摩擦係合し、それにより入れ子にされる介助車同士の間で摩擦係合が起こるように、介助車820は変更が加えられることができる。 この摩擦係合は、入れ子になる介助車の集合体全体の移動を容易にすることができるが、これは、特に、上記集合体の最後尾の介助車に前方以外の方向へ操舵する力若しくは推進させる力が加えられる場合に、又は、上記集合体内における最後尾の介助車以外の他の介助車のうちの1つに操舵する力若しくは推進させる力が加えられる状況において、可能である。 入れ子になる介助車同士の間の摩擦係合の代わりとして、ラッチ結合又は他の解除可能な物理的な結合が、介助車に含められることができ、それにより、入れ子になる介助車は、入れ子状態にあるときには通常一緒になって保持される。 摩擦係合するか機械的に係合するかにかかわらず、介助車を一緒に結合することは、介助車のうちの1つ(例えば集合体内の最後尾)のブレーキペダルが踏まれたら、その1つの介助車へのブレーキを通じて介助車の集合体全体が有効にブレーキをかけられるのを確実にすることに、役立ちもする。

    また別の代替の実施形態では、介助車は1つ以上の物理的構造部を含み、この物理的構造部は、介助車が一緒に入れ子になるときにその前方に位置付けられる第2の介助車の進行許可ペダル128と物理的に接触し且つ(まだ押し下げられていない場合は)進行許可ペダル128を押し下げるように構成されている。 このことは、複数の介助車が一緒に入れ子になると、入れ子になった集合体における介助車の全てが、集合体内の最後尾の介助車だけを唯一除外した状態で、それらのブレーキが解除されるのを確実にする(最後尾の介助車は、ブレーキペダル及び進行許可ペダルを押し下げることによって手でオンオフされることができる)。 このことは次のようなシナリオを回避するのに役立つ、つまり、このシナリオとは、ユーザーが、1つの集合体の介助車を一緒に入れ子にしてしまい、そして、集合体全体を押そうと試みた後で、集合体内の介助車のうちの1つのブレーキペダルが押し下げられていて、それによって集合体全体の移動を妨げることを発見するというものである。

    さらに他の実施形態では、真後ろの介助車によって前方の介助車のブレーキをこのように自動的に解除することは、進行許可ペダル128を必ずしも物理的に押さない他の物理的な構造部によって、達成されることができる。 例えば、各介助車は、ハンドスイッチ又は他の代替の構造部等の進行許可ペダル128を作動するための代替の構造部を有して構成されることができる。 各介助車は、そのように構成される場合、代替の構造部(例えばハンドスイッチ)を介して前方の介助車のブレーキを自動的に解除する作動機構をさらに含むことができる。 さらに他の変形形態が可能である。

    介助車820は、座部24の両側において座部24の概ね下に位置付けられる一対のフォーリーカテーテルバッグ用フック510をさらに含む。 図示の実施形態では、フック510は座部ブラケット68(図8)に結合されている。 フック510は、介助車820に乗っている患者が使用している場合があるフォーリーカテーテルバッグを吊り下げる構造を提供する。 フック510は、介助車820の通常の使用の妨げとならないが、そのようなフォーリーバッグを吊り下げるための便利な場所を提供するように、邪魔にならないところに位置が定められる。 さらに、フォーリーカテーテルバッグは、フック510のいずれかに吊り下げられると、介助車820の側部に沿って位置付けられ、これは、患者の脚及び介助者の脚の邪魔にならない。 フック510は、介助車820の前部付近に位置付けられるが、前方方向にも側方方向にも突き出さない。 フック510は、本明細書で開示される他の介助車の実施形態のいずれにも付け加えられることができる。

    介助車820は、背もたれ34の後ろに位置付けられるカルテホルダ512も任意に含む。 カルテホルダ512は、医療カルテ、書類、記録、又は、介助車820と共に患者を押しつつ運ぶことを介助者が望み得る他のものを保管するための場所を提供する。

    図66及び図67は、介助車がひっくり返ることを防止するのに役立つウイリー走行ローラーセット78をさらに詳細に示している。 ウイリー走行ローラーセット78は、本明細書で記載される介助車の実施形態のいずれにおいても使用されることができ、又は、省くこともできる。 ウイリー走行体セット78は、ローラー又はウイリー走行体514、ウイリー走行体ブラケット516、及びウイリー走行体514の回転軸として作用する車輪取付ピン518を含む。 図66において分かるように、車輪軸518は、後輪28bの回転軸の後ろの距離D5である位置に位置が定められる。 この距離を変えることによって、ローラー又はウイリー走行体514が地面520と接触する前における介助車の後方への傾斜量が、制御されることができる。 図66に示されているように、前輪28aは、地面520から距離D6だけ離れて持ち上げられている。 前輪28aをさらに持ち上げることは、ウイリー走行体514が地面520と接触することによって実質的に防がれる。 より具体的には、前輪28aを図示されている位置よりもどんな程度でも高く持ち上げるのに必要な力は、前輪28aを距離D6だけ持ち上げるのに必要な力よりもはるかに大きい。 これは、ウイリー走行体514が、地面と接触することによって、介助車の回動軸を後方にシフトさせ、前端部をさらに持ち上げるためにはより多くの力を必要となるためである。

    ウイリー走行体514は、介助者が介助車の前端部を持ち上げて平らでない表面(例えば縁石等)を越えて移動させることを望む場合、介助車を平らでない表面を越えて移動させる際の助けとなる。 ウイリー走行体は、地面520に掛かったときに地面520との低摩擦の接触面を提供することによって、平らでない表面を越える移動を手助けする。 さらに、記載したように、ウイリー走行体514は、介助車の過剰な傾きを防止するのに役立つ。

    図66に示されている構成では、ウイリー走行体514は、(図66において示されているように)側面から見たときに後輪28bによって画成される円形のエリアに入る回動軸(これは軸518によって画成される)を有する。 回動軸のこの相対的な位置と、後輪28bの直径に対してウイリー走行体514の直径が小さいという事実とは、ウイリー走行体514の後端部が後輪28bの後端部ほど後方に延在しないことを意味する。 より具体的には、後輪28bの後端部は、ウイリー走行体514の後端部よりもさらに後方に距離D7だけ延在している。 後輪28bのこのより大きい後方への延在は、介助者が介助車の後ろで立っている又は歩いているときに、ウイリー走行体514が介助者の脚に対して障害物を追加して形成することが実質的にないことを意味する。 ウイリー走行体514の相対的に短い後方への延在はまた、ウイリー走行体514が、介助車の後ろを歩く個人に対してつまずく原因となるいかなる危険なものも生まないことも意味する。

    上記の説明は本発明の幾つかの実施形態の説明である。 均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるべき添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の趣旨及びより広範な態様から逸脱することなく、種々の変形及び変更を加えることができる。 本開示は、例示のために提示されており、本発明のあらゆる実施形態を網羅する記載であるとして解釈されるべきものでなく、そして、これらの実施形態に関連して図示又は記載された特定の要素に特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきものでもない。 例えば、限定するわけではないが、記載された発明のいかなる個別の要素(複数の場合もあり)も、実質的に同様の機能を提供する又はそうでない場合には十分な動作を提供する代替の要素によって置き換えられてもよい。 これは、例えば、当業者に現在既知であるかもしれないような現在既知の代替の要素、及び、当業者が開発時に代替となりうるものとして認識するような将来的に開発され得る代替の要素を含む。 さらに、開示の実施形態は、一緒に記載され且つ協働して一群の利点をもたらし得る複数の特徴を含む。 本発明は、これらの特徴の全てを含む実施形態及び記載される利点の全てを提供する実施形態のみに、取得される特許請求の範囲に別途明示して記載される範囲を除いて、限定されない。 例えば冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を用いた単数形での特許請求の範囲の要素への言及はいずれも、この要素を単数形に限定するものと解釈されるべきではない。

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