緊急車両患者輸送システム

申请号 JP2015089120 申请日 2015-04-24 公开(公告)号 JP5774797B1 公开(公告)日 2015-09-09
申请人 ファーノ−ワシントン・インコーポレーテッド; 发明人 バーグラフ,ジョセフ・ジー; ウェルズ,ティモシー・ロバート; シュレーダー,ティモシー・ポール;
摘要 緊急車両患者輸送システムが開示されている。1つの実施形態では、緊急車両患 者輸送システムは、緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、緊急車両の床か 緊急車両の天井か緊急車両の壁か又はそれらの組合せへ連結されている1つ又はそれ以上 の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、当該1つ又はそ れ以上の軌道と滑動式に係合されていて床と天井の間で垂直方向に 位置 付けられる椅子と 、を含んでいる。椅子は、1つ又はそれ以上の設 定位 置にロックされる。そして、1つ又 はそれ以上の設定位置は、気道ケア位置、広範囲気道ケア位置、処置的ケア位置、応答者 位置、患者ケア位置、及び患者積載位置、から成る群より選択される。 【選択図】図1
权利要求

緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、 前記緊急車両の内部へ連結されている1つ又はそれ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、 前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて前記緊急車両の内部の床と天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、前記椅子は、湾曲状の垂直方向部材と座席とを備え、 前記座席は、使用者が前記椅子に配置されているときに使用者の上側胴部に接触して当該上側胴部を支持する上側部分と、臀部支持体とを備え、 前記湾曲状の垂直方向部材は、前記緊急車両の内部の前記床と前記天井との間で湾曲を形成し、 前記湾曲状の垂直方向部材は前記座席を部分的に取り囲み、 前記座席の全体が前記湾曲状の垂直方向部材に対して前傾する、緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、前記湾曲状の垂直方向部材と係合されている座席支持部材を備え、前記臀部支持体は前記座席支持部材へ連結されている、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記湾曲状の垂直方向部材は、チャネルを備えており、 前記座席支持部材は、前記湾曲状の垂直方向部材の前記チャネルと滑動式に係合されている、請求項2に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記座席支持部材と滑動式に係合されている胴支持部材を備え、当該胴支持部材は、前記臀部支持体に対して、前記緊急車両の前記床、前記緊急車両の前記天井、または、その両方に向かって滑動する、請求項2に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記座席支持部材と滑動式に係合されている輪郭の付けられた頭部支持体を備え、当該輪郭の付けられた頭部支持体は、前記臀部支持体に対して、前記緊急車両の前記床、前記緊急車両の前記天井、または、その両方に向かって滑動する、請求項2に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記臀部支持体の上方に配置されているラップバーを備え、当該ラップバーは、前記臀部支持体の周りの開口を部分的に取り囲んでいる、請求項2に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記ラップバーと回転可能に接合されている腰間捕捉部を備え、当該腰間捕捉部は前記ラップバーに対して開位置および閉位置へ回転する請求項6に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、滑動式上体用部材とハーネスとを備え、 前記滑動式上体用部材は、前記座席支持部材に滑動式に係合され、前記臀部支持体の上方に配置されており、 前記ハーネスは、前記腰間捕捉部と前記滑動式上体用部材との間に延びている、請求項7に記載の緊急車両患者輸送システム。前記ラップバーは、腰間アクチュエータを備え、当該腰間アクチュエータは、前記腰間捕捉部を前記開位置から前記閉位置へ自動的に移行させる、請求項8に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、イヤホン、音声マイク、画像送り部、又はそれらの組合せを備えている、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、前記湾曲状の垂直方向部材に連結されて前記座席の上方に設置される画像送り部を備えている、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、乗員の脚を支持するための膝用部材を備え、当該膝用部材は前記座席から伸展したり引っ込んだりする、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、前記座席の傾きと同期して、前記座席から前記膝用部材を進展させる膝部アクチュエータを備えている、請求項12に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、前記座席の傾くことを有効又は無効にする傾け制御部を備えている、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記湾曲状の垂直方向部材に対して滑動する、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、前記1つ又はそれ以上の軌道に対して旋回する、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記椅子は、1つ又はそれ以上の設定位置にロックされる、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。前記1つ又はそれ以上の軌道は、前記緊急車両の前記床に連結されている、請求項1に記載の緊急車両患者輸送システム。緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、 前記緊急車両の内部へ連結されている1つ又はそれ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、 前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて前記緊急車両の内部の床と天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、前記椅子は、湾曲状の垂直方向部材と座席とを備え、 前記湾曲状の垂直方向部材は、前記緊急車両の内部の前記床と前記天井との間で湾曲を形成し、 前記湾曲状の垂直方向部材は前記座席を部分的に取り囲み、 前記座席は、前記湾曲状の垂直方向部材に対して傾き、前記椅子は、前記湾曲状の垂直方向部材と係合されている座席支持部材を備え、前記座席は、前記座席支持部材と連結されている臀部支持体と、前記臀部支持体の上方に配置されているラップバーとを備え、当該ラップバーは、前記臀部支持体の周りの開口を部分的に取り囲んでいる、緊急車両患者輸送システム。前記座席は、滑動式上体用部材とハーネスとを備え、 前記滑動式上体用部材は、前記座席支持部材に滑動式に係合され、前記臀部支持体の上方に配置されている、請求項19に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、前記ラップバーと回転可能に接合されている腰間捕捉部を備え、当該腰間捕捉部は前記ラップバーに対して開位置および閉位置へ回転する、請求項19に記載の緊急車両患者輸送システム。前記座席は、滑動式上体用部材とハーネスとを備え、 前記滑動式上体用部材は、前記座席支持部材に滑動式に係合され、前記臀部支持体の上方に配置されており、 前記ハーネスは、前記腰間捕捉部と前記滑動式上体用部材との間に延びている、請求項21に記載の緊急車両患者輸送システム。前記ラップバーは、腰間アクチュエータを備え、当該腰間アクチュエータは、前記腰間捕捉部を前記開位置から前記閉位置へ自動的に移行させる、請求項22に記載の緊急車両患者輸送システム。緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、 前記緊急車両の内部へ連結されている1つ又はそれ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、 前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて前記緊急車両の内部の床と天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、前記椅子は、湾曲状の垂直方向部材と座席とを備え、 前記湾曲状の垂直方向部材は、前記緊急車両の内部の前記床と前記天井との間で湾曲を形成し、 前記湾曲状の垂直方向部材は前記座席を部分的に取り囲み、 前記座席は、前記湾曲状の垂直方向部材に対して傾き、 前記椅子は、前記湾曲状の垂直方向部材に連結されて前記座席の上方に設置される画像送り部を備えている、緊急車両患者輸送システム。緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、 前記緊急車両の内部へ連結されている1つ又はそれ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、 前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて前記緊急車両の内部の床と天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、前記椅子は、湾曲状の垂直方向部材と座席とを備え、 前記湾曲状の垂直方向部材は、前記緊急車両の内部の前記床と前記天井との間で湾曲を形成し、 前記湾曲状の垂直方向部材は前記座席を部分的に取り囲み、 前記座席は、前記湾曲状の垂直方向部材に対して傾き、 前記椅子は、乗員の脚を支持するための膝用部材を備え、当該膝用部材は前記座席から伸展したり引っ込んだりし、 前記椅子は、前記座席の傾きと同期して、前記座席から前記膝用部材を進展させる膝部アクチュエータを備えている、緊急車両患者輸送システム。

说明书全文

本開示は、概括的には緊急車両に関し、厳密には患者へのアクセスを有する椅子を提供 している緊急車両患者輸送システムに向けられている。

緊急車両は、病人や負傷者(患者)を患者簡易寝台に固定した状態で輸送するのに一般 的に使用されている。概して、患者は輸送されている間も救急医療技術者によって処置を 施される必要がある。しかしながら、技術者が拘束されていない状態で乗車していること が、その様な作業者が車両クラッシュに巻き込まれた場合の致死率に有意に寄与する1つ のリスク因子となっていた。故に、緊急車両患者輸送システムにおいて、救急医療技術者 又はその他の医療関係者が輸送中の患者へ直接手で触れながらの治療を提供している間も 彼らをしっかりと拘束するための革新的なやり方を提供する緊急車両患者輸送システムの 必要性が存在する。

米国特許第6,793,281号

本開示による実施形態は、上記背景に鑑みて提供されている。1つの実施形態では、緊 急車両患者輸送システムは、緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、緊急車 両の床か緊急車両の天井か緊急車両の壁か又はそれらの組合せへ連結されている1つ又は それ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、当該1 つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて床と天井の間で垂直方向に位置付けられ る椅子と、を含んでいる。椅子は、1つ又はそれ以上の設定位置にロックされる。そして 、1つ又はそれ以上の設定位置は、気道ケア位置、広範囲気道ケア位置、処置的ケア位置 、応答者位置、患者ケア位置、及び患者積載位置、から成る群より選択される。

別の実施形態では、緊急車両患者輸送システムは、緊急車両の天井へ連結されている天 井軌道と、緊急車両の床へ連結されている床軌道と、床と天井の間で垂直方向に位置決め される椅子と、を含んでいる。椅子は、天井と床の間に配置されていて天井軌道及び床軌 道と滑動式に係合されている湾曲状の垂直方向部材を含んでいる。

本願発明の実施形態は、例えば以下の通りである。 [実施形態1] 緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の内部へのアクセスを提供する積載通路と、 前記緊急車両の床か前記緊急車両の天井か前記緊急車両の壁か又はそれらの組合せへ連結されている1つ又はそれ以上の軌道であって、移動経路を描き出している1つ又はそれ以上の軌道と、 前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されていて前記床と前記天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、 当該椅子は、1つ又はそれ以上の設定位置にロックされ、 前記1つ又はそれ以上の設定位置は、気道ケア位置、広範囲気道ケア位置、処置的ケア位置、応答者位置、患者ケア位置、下部ケア位置、及び患者積載位置、から成る群より選択される、椅子と、を備えている緊急車両患者輸送システム。 [実施形態2] 前記椅子は、前記1つ又はそれ以上の軌道と滑動式に係合されている垂直方向部材を備え、前記垂直方向部材は前記天井と前記床の間で湾曲を形成している、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態3] 前記患者へ連結されている患者積載部材を更に備え、 前記患者積載部材は、簡易寝台を積載方向に沿って輸送し、 前記椅子は、前記簡易寝台が前記積載方向に沿って案内されてゆくと同期して前記移動経路に沿って動く、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態4] 前記床へ連結されている簡易寝台固定部材を更に備え、前記簡易寝台固定部材は、簡易寝台を簡易寝台上昇方向に沿って持ち上げる、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態5] 前記1つ又はそれ以上の軌道は、前記天井へ連結されている天井軌道と前記床へ連結されている床軌道を備え、 前記椅子は、 前記天井軌道と滑動式に係合されている1つ又はそれ以上の天井並進部材と、 前記床軌道と滑動式に係合されている1つ又はそれ以上状の床並進部材と、 前記1つ又はそれ以上の天井並進部材と前記1つ又はそれ以上の床並進部材の間に延びていて、上側フレーム接合部を備えている垂直方向部材と、 上側部分と、下側部分と、前記上側部分に隣接し上側腕部を間に介して前記垂直方向部材の前記上側フレーム接合部へ回転可能に接合されている上側椅子接合部と、前記下側部分に隣接し下側腕部を間に介して前記垂直方向部材へ回転可能に接合されている下側椅子接合部と、を備えている座席と、を備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態6] 前記1つ又はそれ以上の天井並進部材及び/又は前記1つ又はそれ以上の床並進部材は、ローラー車輪を備えている、実施形態5に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態7] 前記下側椅子接合部へ回転可能に接合されている膝用部材と、前記膝用部材へ連結されている1つ又はそれ以上の膝当て部と、を更に備えている、実施形態5に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態8] 前記上側腕部は、前記椅子の前記上側部分と前記垂直方向部材の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている上側椅子吸収部材を備えている、実施形態5に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態9] 前記椅子は、 前記垂直方向部材と前記1つ又はそれ以上の天井並進部材の間に配置されていて、当該1つ又はそれ以上の天井並進部材と当該垂直方向部材の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている1つ又はそれ以上の天井吸収部材と、 前記垂直方向部材と前記1つ又はそれ以上の床並進部材の間に配置されていて、当該1つ又はそれ以上の床並進部材と当該垂直方向部材の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている1つ又はそれ以上の床吸収部材と、を更に備えている、実施形態5に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態10] 前記1つ又はそれ以上の天井並進部材は、第1天井並進部材及び第2天井並進部材を備え、 前記1つ又はそれ以上の床並進部材は、第1床並進部材及び第2床並進部材を備え、 前記1つ又はそれ以上の天井吸収部材は、前記第1天井並進部材から前記垂直方向部材の上側三点まで延びている第1天井吸収部材と、前記第2天井並進部材から前記垂直方向部材の前記上側三角点まで延びている第2天井吸収部材と、を備え、 前記1つ又はそれ以上の床吸収部材は、前記第1床並進部材から前記垂直方向部材の下側三角点まで延びている第1床吸収部材と、前記第2床並進部材から前記垂直方向部材の前記下側三角点まで延びている第2床吸収部材と、を備えている、実施形態9に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態11] 前記椅子は、当該椅子の前傾又は後傾を有効又は無効にする傾け制御部を更に備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態12] 前記1つ又はそれ以上の軌道は、前記天井へ連結されている天井軌道を備え、 前記椅子は、 上側部分と下側部分を備えている座席と、 前記天井軌道と滑動式に係合されている垂直方向部材と、 前記垂直方向部材を前記座席の前記下側部分へ回転可能に接合しているピボット接合部と、 前記垂直方向部材と滑動式に係合されていて、前記座席の前記上側部分より上方に配置されている調節式ヘッドレストと、 前記垂直方向部材から前記下側部分へ延びていて、当該垂直方向部材と前記座席の当該下側部分の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている底部吸収部材と、を備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態13] 前記1つ又はそれ以上の軌道は、前記床へ連結されている床軌道を備え、 前記椅子は、 前記床軌道へ滑動式に係合されている垂直方向支持体と、 前記垂直方向支持体を前記垂直方向部材及び座席へ回転可能に接合している座席接合部と、 前記垂直方向部材を頭頚肩部(HNS)支持体へ回転可能に接合しているHNS接合部と、 前記垂直方向部材と滑動式に係合されていて、前記HNS接合部と前記座席の間の距離の少なくとも一部を滑動するように動作する胴部支持体と、を備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態14] 前記椅子は、前記HNS支持体へ回転可能に接合されていて複数位置にロックされる調節式HNSクランプと、前記胴部支持体へ回転可能に接合されていて複数位置にロックされる調節式胴部クランプと、を更に備えている、実施形態13に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態15] 前記1つ又はそれ以上の軌道は、表面より上方に連結されているか又は陥凹しており、直線状、J字形状、L字形状、U字形状、O字形状、又は多角形状をしている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態16] 前記1つ又はそれ以上の軌道は、C字型チャネル断面、円形断面、方形断面、又はそれらの組合せを備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態17] 自由浮動モード又は同期モードを設定するように動作する運動制御部を更に備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態18] 前記椅子は、作動させれば、当該椅子を前記垂直方向部材周りに旋回させるように構成されているレバーを備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態19] 前記椅子は、当該椅子へ取り外し可能に取り付けられている補助収納庫モジュールを備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態20] 前記緊急車両の前記壁へ連結されている多位置座席を更に備えており、前記多位置座席は平台構成とベンチ構成を備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態21] 前記多位置座席は、着座部分と滑動式に係合されている移行軌道を更に備えており、 前記多位置座席は、前記着座部分を前記移行軌道に沿って滑動させることによって、前記ベンチ構成と折り畳み補助席構成の間で切り替わる、実施形態20に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態22] 前記多位置座席は、移行軌道と、前記移行軌道と滑動式に係合されている着座部分と、前記移行軌道と回転可能に接合されていて滑動式に係合されている枢動部分と、を更に備え、 前記多位置座席は、前記ベンチ構成から、前記着座部分を前記移行軌道に沿って滑動させ前記枢動部分を回転させることによって、寝椅子構成へ切り替わる、実施形態20に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態23] 前記多位置座席は、移行軌道と、前記移行軌道と滑動式に係合されている着座部分と、前記移行軌道と回転可能に接合されていて滑動式に係合されている枢動部分と、を更に備え、 前記多位置座席は、前記ベンチ構成から、前記着座部分を前記移行軌道に沿って滑動させ前記枢動部分を回転させることによって、二人掛け折り畳み補助席構成へ切り替わる、実施形態20に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態24] 前記多位置座席は、陥凹面を更に備え、前記陥凹面は、当該多位置座席が前記ベンチ構成にあるとき、簡易寝台を固定するように構成されている、実施形態20に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態25] 前記椅子は、イヤホン、音声マイク、画像送り部、又はそれらの組合せを備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態26] 車載車両電子監視システムと、前記車載車両電子監視システムと電気的に通信している感知部材と、を更に備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態27] 前記椅子は、前記車載車両電子監視システムと電気的に通信しているロックシステムを更に備え、 前記ロックシステムは、前記感知部材がクラッシュ事象を感知すると、前記椅子をその場にロックする、実施形態26に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態28] 前記椅子は、環境制御部を更に備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態29] 前記壁に連結されている壁固定具と、 前記壁固定具と回転可能に接合されている枢動式付属具と、 前記枢動式付属具へ連結されていてそこから延びている回転式腕部と、 前記回転式腕部へ連結されていて当該回転式腕部の第1端に配置されている第1捕握機構及び、 前記回転式腕部へ連結されていて当該回転式腕部の第2端に配置されている第2捕握機構であって、簡易寝台を脱着式に固定する第1及び第2捕握機構と、を更に備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態30] 前記椅子は、バイオセーフ材料を備えている、実施形態1に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態31] 緊急車両患者輸送システムにおいて、 緊急車両の天井へ連結されている天井軌道と、 前記緊急車両の床へ連結されている床軌道と、 前記床と前記天井の間で垂直方向に位置付けられる椅子であって、前記天井と前記床の間に配置されていて前記天井軌道及び前記床軌道と滑動式に係合されている湾曲状の垂直方向部材を備えている椅子と、を備えている緊急車両患者輸送システム。 [実施形態32] 前記椅子は、 前記湾曲状の垂直方向部材と滑動式に係合されている座席支持部材と、 前記座席支持部材と滑動式に係合されている滑動式上体用部材と、 前記座席支持部材へ連結されているラップバーと、 前記滑動式上体用部材と回転可能に接合されているロック機構と、 前記ロック機構から前記ラップバーへ延びているハーネスと、を更に備えている、実施形態31に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態33] 前記ラップバーは、腰間アクチュエータと腰間捕捉部を備え、前記腰間アクチュエータは前記腰間捕捉部を開位置から閉位置へ自動的に移行させる、実施形態32に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態34] 前記椅子は、 前記湾曲状の垂直方向部材と回転可能に接合されている座席支持部材と、 前記座席支持部材へ連結されている膝部アクチュエータと、 前記膝部アクチュエータと滑動式に係合されていて前記座席支持部材から離れて延びている膝用部材と、 前記膝用部材へ連結されている膝当て部と、を更に備え、前記膝部アクチュエータは前記膝用部材を伸展させたり引っ込めたりする、実施形態31に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態35] 前記湾曲状の垂直方向部材は、チャネルを備えている、実施形態31に記載の緊急車両患者輸送システム。 [実施形態36] 前記湾曲状の垂直方向部材へ連結されていて、前記チャネルに隣接して延長部を形成している衝撃支持翼を更に備え、 座席支持部材が、その第1端を前記チャネルと滑動式に係合され、その第2端を前記湾曲状の垂直方向部材と回転可能に接合されている、実施形態35に記載の緊急車両患者輸送システム。 本開示の実施形態によって提供されているこれらの特徴及び追加の特徴は、次に続く詳細な説明を図面と照らし合わせて考察すれば、より深く理解されるであろう。 本開示の特定の実施形態についての以下の詳細な説明は、添付図面と照らし合わせて読まれれば格段に理解が深まることであり、図面中、同様の構造は同様の符号で表示されている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の前方正投影部分破断図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による椅子の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの概略図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの部分破断側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの部分破断側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの部分破断側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの部分破断側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による補助収納庫モジュールの側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による多位置座席の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による多位置座席の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による多位置座席の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による多位置座席の側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による簡易寝台固定部材の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による簡易寝台固定部材の側方正投影図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの部分破断側方斜視図を描いている。

本開示の実施形態による緊急車両患者輸送システムの概略図を描いている。

図面に示されている実施形態は、本質的に説明目的であり、特許請求の範囲によって定 義されている発明を限定する意図はない。また、図面及び発明の個々の特徴は、詳細な説 明を考察すれば、なおいっそう明確になり、より深く理解されるであろう。

以下に記載されている様々な例示的実施形態に関してここで使用されるに際し、下記の 用語は、限定されるわけではないが下記の意味を含む。 「緊急車両」という用語は、病人又は負傷者の治療及び輸送のための乗り物であって、 例えば、バン、ステーションワゴン、バス、ヘリコプター、固定翼航空機、ボート、船舶 、など、の様な乗り物を意味する。

「積載通路」という用語は、緊急車両の人や荷物などを保持するように構成されている 部分へのアクセスを提供する開口を意味する。積載通路は、1つ又はそれ以上の例示とし ての実施形態では、扉、例えば滑動式扉又は旋回式扉、を含んでいる。

「簡易寝台」という用語は、負傷者、死者、又は身体能を奪われた者を、1つの場所 から別の場所へ運ぶように構成されている装置であって、例えば、ストレッチャー、車輪 付きストレッチャー、担架、など、の様な装置を意味する。

「旋回する」という用語は、或る軸を中心に方向転換又は回転することであって、例え ば、自転する、回旋する、転回する、など、の様なことを意味する。 「傾ける」という用語は、或る物体を完全に代わりの位置へ移行させることであって、 例えば、揺する、かがめる、傾斜させる、など、の様なことを意味する。

「並進部材」という用語は、2つ又はそれ以上の物体の間の限定された相対運動を許容 する装置であって、潤滑されていてもされていなくてもよいが、例えば、ローラー、軸受 け、滑動式軌道、案内ブロック、など、の様な装置を意味する。

「連結されている」という用語は、複数の物体が一体に結合されていることであって、 例えば、ボルト留めされている、溶接されている、一体化されている、など、の様なこと を意味する。「連結されている」は、各物体同士が直接に一体に接合されていることを意 味し、各物体同士が両者の間の1つ又はそれ以上の構成要素によって一体に接合されてい ることを意味する場合もある。

「天井」という用語は、緊急車両の何れかの内部面であって、面法線ベクトルが重力と 反対の方向を指すベクトル成分を有している内部面を意味する。 「床」という用語は、緊急車両の何れかの内部面であって、面法線ベクトルが重力と同 じ方向を指すベクトル成分を有している内部面を意味する。

「クラッシュ事象」という用語は、緊急車両の運動の急激な変化であって、例えば、衝 突、回避操縦、急停止、追突、など、の様なことを意味する。 「〜の間のエネルギー伝達を緩和する」という語句は、エネルギーが第1の物体から第 2の物体へ移動する際、又は第2の物体から第1の物体へ移動する際、或いは第1の物体 から第2の物体へそして第2の物体から第1の物体へ移動する際に、エネルギーの一部を 吸収し又は散逸させて、物体の振動、並進、伸展、圧縮、など、を制限することを意味す る。

「滑動式に係合されている」という用語は、2つ又はそれ以上の物体が、それら2つ又 はそれ以上の物体の間の限定された相対運動を可能にするやり方で一体に接合されている ことを意味する。

「アクチュエータ」という用語は、別の機構又はシステムの動作のために或る一定量の エネルギーを供給及び伝送する機構であって、例えば、液圧プレス、モーター、機械式リ ンク機構、電気機械式システム、など、の様な機構を意味する。

「バイオセーフ材料」という用語は、原生動物、ウイルス、細菌、真菌、糸状菌、カビ 、など、の様な生物類の成長を防ぐ、阻害する、又は殺す、物質を意味する。 ここに記載されている実施形態は、概して、緊急車両患者輸送システムに関する。ここ に詳細に説明されている様に、緊急車両患者輸送システムは、概して、椅子と1つ又はそ れ以上の軌道を備えている。システムは、概して、負傷しているか又は身体能力を奪われ ているであろう一人又は複数人を輸送するように構成されている。以下に、本開示の実施 形態の動作及び構造について、上述の構成要素それぞれを代わる代わる関連付けながらよ り詳細に説明してゆく。

図1−図4Eに示されている様に、緊急車両輸送システム10の実施形態は、椅子10 0と緊急車両200を備えている。椅子100は、1つ又はそれ以上の軌道210と滑動 式に係合しており、緊急車両200の床202と緊急車両200の天井204の間で垂直 方向に位置付けられている。椅子100は、以下に更に詳細に説明されている様に、様々 な構成を提供するように構成することができる。

図1を参照すると、緊急車両輸送システム10の実施形態は、積載通路206と、1つ 又はそれ以上の軌道210と、患者積載部材220と、椅子100と、を備えている。積 載通路206は、緊急車両200の内部へのアクセスを提供しており、如何なる形状をし ていてもよい。1つ又はそれ以上の軌道210は、床202、天井204、壁208、又 はそれらの組合せへ連結されており、1つ又はそれ以上の軌道210によって移動経路2 12が描き出されている。軌道210は、床202又は天井204で、例えば長い開口部 又はトンネルなどの様に、床又は天井の面と一体化されていてもよいことに留意されたい 。故に、以上に定義されている様に、連結されているとは物体が互いと一体になっている ことを意味する場合もある。

患者積載部材220は、床202へ連結されていてもよいとされ、積載通路206のと ころで簡易寝台を受け入れ、積載方向222に沿って簡易寝台を案内し、そして簡易寝台 を輸送位置224に固定するように構成されている。輸送位置224は、人を収容してい る簡易寝台の安全確保された輸送を提供する何れの位置であってもよい。例えば、簡易寝 台は、患者積載部材220に受け入れられた後、積載方向222に沿って手で押されてゆ き、椅子は、簡易寝台が動かされている間、同時に移動経路212に沿って動くように構 成されていてもよい。簡易寝台は、積載方向222に沿って、手押し、機械式作動、電気 式作動、など、によって案内することができることに留意されたい。

次に図8A及び図8Bを参照すると、緊急車両輸送システム10の実施形態は、床20 2へ連結されていて伸展式簡易寝台358と協働し簡易寝台上昇方向356に沿って患者 を持ち上げる簡易寝台固定部材350を備えている。簡易寝台固定部材350は、簡易寝 台係合面352と、伸長する支柱354と、を備えている。簡易寝台係合面352は、伸 長する支柱354の最上部へ連結されている。伸展式簡易寝台358は、簡易寝台係合面 352と係合するように構成されている。例えば、伸展式簡易寝台358が手を使って積 載方向222に沿って緊急車両200へ載せられてゆくとして、伸展式簡易寝台358が 係合面の上を通過してゆくと、伸展式簡易寝台358のロック部分が簡易寝台係合面35 2の対応する部分に係合する。伸長する支柱354が簡易寝台上昇方向356に沿って動 くと患者が持ち上げられ、伸展式簡易寝台358のリンク機構が展開する。伸長する支柱 354は、液圧プレスとして描かれているが、例えば機械式リンク機構や電気機械式アク チュエータなどの様な何れの型式のアクチュエータであってもよい。別の実施形態では、 簡易寝台固定部材350は、簡易寝台係合面352と係合された簡易寝台を昇降させるよ うに構成されている。

図1及び図8Bに描かれている様に、更なる実施形態では、椅子100は簡易寝台と同 期して動くように構成されている。例えば、椅子100は、簡易寝台が積載方向222に 沿って又は逆らって案内される際の簡易寝台の運動に従って、移動経路212に沿って自 動的に動く。他の実施形態では、椅子100は、簡易寝台が昇降される際のその運動に従 って、設定位置(以下に詳述)の間を自動的に移行している。1つの商業用実施形態では 、簡易寝台は、Ferno-Washington, Inc.社へ譲渡されている米国特許第7,521,89 1に記載の装置や簡易寝台締結具兼電動式簡易寝台用動力源として使用されているFerno- Washington, Inc.社製POWERFlexx(商標)+ICS(Integrated Charging System)一体型 充電システムの様な電気的作動装置によって動かされるようにしてもよいであろう。同期 性の運動は、機械式作動又は電気式作動の様な自動化された作動によって提供することが できるであろう。簡易寝台と椅子100の同期化は、様々な構成要素、例えば、センサー 、リニア同期モーター、機械式リンク機構、電気機械式アクチュエータ、液圧式アクチュ エータ、など、を使用して実現することができるであろう。

別の実施形態では、椅子100は、バイオセーフ材料を備えている。例えば、椅子10 0は、限定するわけではないが抗菌剤の様なバイオセーフ物質で被覆されていてもよい。 代わりのやり方では、椅子100は、プラスチック、被覆、織物、セラミック、及び紙の 様な中実材料を、バイオセーフ材料と一体に備えている。

図1、図4A、図4B、図4C、及び図10に示されている様に、本開示の更なる実施 形態では、1つ又はそれ以上の軌道210は、天井204へ連結されている天井軌道21 4と、床202へ連結されている床軌道216を備えることができる。軌道210は、面 より上に連結されている、即ち面に対して垂直な当該面の正方向となる位置に配置されて いてもよいし、或いは陥凹している、即ち面に対して垂直な当該面の負方向となる位置に 配置されていてもよい。こうして、軌道210は、緊急車両200の乗員に見えるもので あってもよし、視界から隠されていてもよい。加えて、軌道210は、輸送位置224に ある簡易寝台へのアクセスを提供する移動経路212を描き出す如何様の形状であっても よい。軌道210は、図1には、J字形状をしているものとして描かれている。しかしな がら、軌道210は、限定するわけではないが、直線状、L字形状、U字形状402(図 10)、O字形状404、多角形状、など、の様な如何なる形状をしていてもよい。同様 に、1つ又はそれ以上の軌道210は、並進部材との限定された相対運動を提供する如何 なる形状の断面を備えていてもよい。故に、図1、図4A、及び図4CにはC字型チャネ ル断面が描かれてはいるが、軌道は、円形、方形、などの様なその他の形状を備えていて もよい。

図1を参照すると、椅子100は、天井軌道214と滑動式に係合されている1つ又は それ以上の天井並進部材110及び/又は床軌道216と滑動式に係合されている1つ又 はそれ以上の床並進部材120を備えるものとされている。1つ又はそれ以上の天井並進 部材110及び/又は1つ又はそれ以上の床並進部材120は、ローラー車輪113を備 えることができる。留意されたいこととして、ローラー車輪113が描かれてはいるが、 並進部材110及び120は、これまでに説明されている並進部材110及び120と1 つ又はそれ以上の軌道210の間の限定される相対運動を可能にする如何なる装置を備え ることもできるものと考えている。

図1及び図4Aに示されている様に、椅子100は、天井並進部材110から床並進部 材120まで延びている垂直方向部材130も備えている。また、椅子100は、上側部 分102と下側部分104より成る座席131を更に備えている。ここでの使用に際し、 「座席」とは、椅子に配置されている人物(例えばEMT(救急医療技術者))に接触し ている支持部材(例えば緩衝性のある支持部材)をいう。上側部分102は、上側胴部( 即ちEMTの背部分及び腰部分)のための支持体であって、頭部及び頚部のための支持体 を網羅し、また一方、下側部分は、下側胴部、即ち臀部及び脚部のための支持体である。 座席131は、上側部分102に隣接し上側腕部134を間に介して垂直方向部材130 の上側フレーム接合部132へ回転可能に接合されている上側椅子接合部136を備える ことができる。座席131は、同じく、下側部分104に隣接し下側腕部140を間に介 して垂直方向部材130へ回転可能に接合されている下側椅子接合部138を備えること ができる。

図1、図4A、及び図4Bに示されている様に、緊急車両輸送システム10の実施形態 では、椅子100は、垂直方向部材130と1つ又はそれ以上の天井並進部材110の間 に配置されている1つ又はそれ以上の天井吸収部材150と、垂直方向部材130と1つ 又はそれ以上の床並進部材120の間に配置されている1つ又はそれ以上の床吸収部材1 60を備えている。1つ又はそれ以上の天井吸収部材150は、1つ又はそれ以上の天井 並進部材110と垂直方向部材130の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されて いる。1つ又はそれ以上の床吸収部材160は、1つ又はそれ以上の床並進部材120と 垂直方向部材130の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている。吸収部材1 46、150、及び160は、限定するわけではないが、ショック、ストラット、ばね、 圧電性の構成要素、ゴム製バンパー、衝撃吸収パッド、などの様な、エネルギーを散逸さ せるのに適した何れの装置であってもよいことに留意されたい。

再び図1及び図4Bを参照して、緊急車両輸送システム10の更なる実施形態では、1 つ又はそれ以上の天井並進部材110は、第1天井並進部材112及び第2天井並進部材 114を備え、1つ又はそれ以上の床並進部材120は、第1床並進部材122及び第2 床並進部材124を備えている。1つ又はそれ以上の天井吸収部材150は、第1天井吸 収部材152及び第2天井吸収部材154を備えている。1つ又はそれ以上の床吸収部材 160は、第1床吸収部材162及び第2床吸収部材164を備えている。第1天井吸収 部材152は、第1天井並進部材112から垂直方向部材130の上側三角点156まで 延びているものとされる。第2天井吸収部材154は、第2天井並進部材114から垂直 方向部材130の上側三角点156まで延びている。第1床吸収部材162は、第1床並 進部材122から垂直方向部材130の下側三角点166まで延びている。第2床吸収部 材164は、第2床並進部材124から垂直方向部材130の下側三角点166まで延び ている。また一方で、第1天井吸収部材152、第2天井吸収部材154、第1床吸収部 材162、及び第2床吸収部材164は、垂直方向部材130へ連結されている。それら 吸収部材152、154、162、及び164もまた、上述のようにエネルギーを散逸さ せるのに適した何れの装置であってもよいことに留意されたい。

図4D及び図5B−図5Eに描かれている様に、椅子100の実施形態は、天井204 と床202の間で湾曲を形成している垂直方向部材130を備えている。垂直方向部材1 30は、実質的に「弓」形状をしており、よって座席131を部分的に取り囲んでいる。 別の実施形態では、椅子100は、垂直方向部材130の上側部分に沿って垂直方向チャ ネル300を備えている。座席支持部材310は、第1端311が垂直方向チャネル30 0内に滑動式に係合されている上側支持体並進部材312へ連結されており、第2端31 3が垂直方向部材130と回転可能に接合されているチャネルピボット部材306へ連結 されている。チャネルストッパ304が垂直方向チャネル300を終端させており、垂直 方向チャネル300の外側の端を画定するべく角度を付けられている。衝撃支持翼302 が垂直方向部材130へ連結され、床202に向かって下向きに延びており、それにより 、垂直方向チャネル300に隣接する延長部を形成している。

図4D及び図5Dに描かれている椅子100の更なる実施形態は、座席支持部材310 と滑動式に係合されている滑動式上体用部材320と、座席支持部材310へ連結されて いる臀部支持体184を備えている。輪郭の付けられた頭部支持体322と胴部支持体1 90が、輪郭の付けられた頭部支持体322が胴部支持体190より上方に配置された格 好で滑動式上体用部材320へ連結されている。滑動式上体用部材320は、輪郭の付け られた頭部支持体322及び胴部支持体190の臀部支持体184に対する位置設定を調 節するべく床202或いは天井204に向かって滑動する。座席131は、臀部支持体1 84と輪郭の付けられた頭部支持体322と胴部支持体190の組合せによって形成され ている。ラップバー314と回転式拘束具326が座席131の周りにロック用の囲いを 提供している。ラップバー314は、滑動式上体用部材320へ連結されていて、臀部支 持体184の上方に配置されている。ラップバー314は、固定されていて、臀部支持体 184の周りの開口を部分的に取り巻く緩衝性の面を提供するように詰め物をされている 。回転式拘束具は、滑動式上体用部材320へ回転可能に接合されている外側バー328 と、外側バー328へ連結されている胸部拘束具330を備えている。胸部拘束具330 は頭部開口332を画定しており、胸部拘束具330と外側バー328は合同で肩部開口 334を画定している。頭部開口332と肩部開口334は囲いの開放部を提供している 。回転式拘束具326は、滑動式上体用部材320周りに開位置(図示せず)と閉位置の 間で旋回する。従って、椅子100はEMTにとって人間工学的で安全確保された座りを 提供する。例えば、EMTの身長が分かったら、滑動式上体用部材320が身長に合うよ うに調節される。胸部拘束具330を天井に向かって旋回させることによって回転式拘束 具326が開放される。EMTは椅子100に腰かけ、肩部を片側ずつ肩部開口334に 入れ、頭部を頭部開口332に通す。EMTが着座したら、回転式拘束具326を旋回さ せて閉じ、EMTを椅子100に固定する。こうして、回転式拘束具は、体格が様々に異 なるEMTに対応するべく、その可動域内で何れの位置にロックされてもよい。

図4E、図4F、図5B、図5C、及び図5Eに描かれている実施形態では、座席13 1は、滑動式上体用部材320へ回転可能に接合されているロック機構344と、ラップ バー314と回転可能に接合されている腰間捕捉部340を備えている。ロック機構34 4は、腰間捕捉部340へと延びそこへ連結されているハーネス286へ連結されている 。ロック機構344は、ハーネス286が突然引っ張られたときにはハーネス286を締 め付けるが、ハーネス286がゆっくりと引っ張られたときは殆ど抵抗を示さない。ロッ ク機構344は、慣性リールであるが、同様に、遠心クラッチ、重り付き振り子、重り付 き玉軸受け、又はその他の電気機械式アクチュエータを備えることもできる。別の実施形 態では、座席131は、ラップバー314内に配置されている腰間アクチュエータ342 を備えている。腰間アクチュエータ342は、腰間捕捉部340と回転可能に接合されて いて、腰間捕捉部340を開いたり(図4E)閉じたり(図4D)する。こうして、EM Tにとって安全確保された座りが提供されている。例えば、EMTは、座席131が開位 置(図4E)にある間に、臀部支持体184へ腰かけ、腕を片方ずつハーネス286の下 に滑らせる。腰間アクチュエータ342と電気的に連通している臀部支持体184内の圧 力センサーが、EMTの存在を感知する。圧力センサーは、EMTの存在を指し示す電子 信号を腰間アクチュエータ342へ送信し、すると腰間アクチュエータ342は腰間捕捉 部340を閉位置(図4D)へ回転させる。圧力センサーは、以上に記載されているが、 EMTの存在を指し示すのに、例えば、ボタン、温度センサー、画像システム、又は音響 システムの様な、何れの型式のシステムが利用されていてもよいことに留意されたい。

次に図4Aを参照すると、椅子100は、膝用部材142と、膝用部材142に取り付 けられている1つ又はそれ以上の膝当て部144も備えており、下側椅子接合部138は 、下側腕部140を膝用部材142へ回転可能に接合しており、膝用部材142は、1つ 又はそれ以上の膝当て部144まで延びている。更なる実施形態では、上側腕部134は 、上側部分102から垂直方向部材130への又はその逆のエネルギー伝達を緩和するよ うに構成されている上側椅子吸収部材146を備えている。

図4D、図5D、及び図5Eに示されている緊急車両輸送システム10の更なる実施形 態では、膝部アクチュエータ316が、座席支持部材310へ連結されている。膝用部材 142は、膝部アクチュエータ316と滑動式に係合されていて、座席支持部材310か ら離れて延びている。膝用部材142は、膝当て部144へ連結されていて、膝部アクチ ュエータ316は膝用部材142を伸ばしたり引っ込めたりする。例えば、膝部アクチュ エータ316が膝用部材142へ直線力を加え、膝部支持体145を臀部支持体184か ら離して伸ばし、人間工学に基づいた着座配置を提供させる。更に、膝部アクチュエータ 316の作動は、後述されている椅子100の前傾又は設定位置と同期されていてもよい ことに留意されたい。

再び図1を参照すると、椅子100は、更に、椅子100の前傾を有効又は無効にする ように動作する傾け制御部148を備えている。傾け制御部148は、レバー、スイッチ 、ボタン、又はそれらの組合せの様な、如何なる適した作動機構であってもよい。傾け制 御部148を作動させると、椅子100に座っている救急医療技術者(EMT)は前方に かがむことができ(図4C)、椅子100を前方に傾かせることができる。こうして、E MTは、輸送位置224に固定されている簡易寝台の患者の面倒を見ている間もハーネス 286によって椅子100に固定されたままでいられる。

本開示の更なる実施形態は、前傾を考慮しており、図5B−図5Eに描かれている。1 つの実施形態では、EMTはハーネス286の張力を緩めることによって前傾する。例え ば、EMTは、患者に付き添っているが(図5B)、もっと遠くまで手を届かせることが 必要になるかもしれない。ロック機構344は、ハーネス286の張力を解き、EMTが 前傾できるようにする(図5C)。張力の解放は、傾け制御部によるか又は同期化の様な 自動化されたプロセスを介して開始させることができるであろう。別の実施形態では、E MTは、座席支持部材310の第1端311を垂直方向チャネル300に沿って滑動させ ると共に第2端313をチャネルピボット部材306周りに回転させることによって前傾 する。椅子100は、垂直方向チャネル300の限界一杯まで滑動する。例えば、椅子1 00は、直立させることもできるし(図5D)、上側支持体並進部材312がチャネルス トッパ304に至るように傾けることもできるし(図5E)、それらの間の何れの位置に することもできる。別の実施形態では、椅子100は、長時間の輸送中にEMTがくつろ いだ乗車姿勢を取れるようにリクライニングする。例えば、EMTは、傾け制御部による か又は同期化の様な自動化されたプロセスを介して後傾することができるであろう。

図2に示されている様に椅子が天井軌道214へ連結されている実施形態では、椅子1 00は、垂直方向部材130を椅子100の下側部分104へ回転可能に接合するピボッ ト接合部170を備えることができる。更に、椅子100は、垂直方向部材130と滑動 式に係合されていて天井204とピボット接合部170の間の距離の少なくとも一部を滑 動するように動作する調節式ヘッドレスト172を備えていてもよい。こうして、調節式 ヘッドレスト172は、使用者の頭及び肩の領域と整列するように、そして身長の異なる 使用者に対応するように、構成することができる。底部吸収部材174が、垂直方向部材 130から座席131の下側部分104まで延びていて、垂直方向部材130と下側部分 104の間のエネルギー伝達を緩和するように構成されている。

図3Aに示されている様に椅子100が床202へ連結されている代わりの実施形態で は、椅子100は、床軌道216へ滑動式に係合されている垂直方向支持体180を備え ている。座席接合部182が、垂直方向支持体180を垂直方向部材130及び臀部支持 体184へ回転可能に接合している。頭頚肩部(HNS)接合部186が、垂直方向部材 130をHNS支持体188へ回転可能に接合している。胴部支持体190は、垂直方向 部材130と滑動式に係合されていて、HNS接合部186と臀部支持体184の間の距 離の少なくとも一部を滑動するように動作する。

図3Bに描かれている実施形態を参照すると、椅子100は、HNS支持体188へ回 転可能に接合されていて複数位置にロックさせることのできる調節式HNSクランプ19 4を備えるものとされている。HNS支持体188は、使用者のHNS領域に沿う輪郭の 付けられた面を提供している一対の延長部を有することができ、例えば、「U字」形状又 は「C字」形状であってもよい。図3Cに描かれている別の更なる実施形態では、椅子1 00は、胴部支持体190へ回転可能に接合されていて複数位置にロックさせることので きる調節式胴部クランプ192を備えている。こうして、クランプ192及び194は、 様々な首囲、肩幅、上胸囲、胸囲、下(胸郭)胸囲、自然腹囲、上側尻囲、下側尻囲、な ど、に対応するよう様々な構成を備えている。クランプ192及び194は、可動域一杯 に段階的に進められるようにするラチェット機構を備えていてもよい。更に、クランプ1 92及び194は、着座しているEMTが緊急車両200の移動中に椅子100に固定さ れるように或る位置にロックされることによって、安全ベルト又はハーネス286を補う か又はそれに取って代わる働きをする。

図5A−図5E及び図10に描かれている追加の実施形態によれば、椅子100は、1 つ又はそれ以上の設定位置にロックされるように構成されている。ロックされると、椅子 100は、軌道210に沿って滑動しなくなる。こうして、椅子100は、軌道210に 対して、単一位置又は設定位置に入れられる。加えて、設定位置は、椅子100を、患者 積載部材220へ固定されている簡易寝台に対して方向付けする。椅子100は、椅子1 00内に安全確保されて着座するEMTが、簡易寝台の患者への医学的治療を施すことが できるように方向付けられる。例えば、椅子100は、患者に面して側方区域292内に ロックされるかもしれない。軌道210は、簡易寝台に近接して配置されているので、椅 子100に固定されているEMTは患者に手の届く範囲内に居る。設定位置は、気道ケア 位置225、広範囲気道ケア位置226、処置的ケア位置227、応答者位置228及び 428、患者ケア位置229及び429、患者積載位置230及び430、下部ケア位置 231及び431を備えている。更に、軌道210がU字形状402又はO字形状404 (図10)である場合、応答者位置228及び428、患者ケア位置229及び429、 患者積載位置230及び430、下部ケア位置231及び431は、患者簡易寝台の各側 に配置されることになる。設定位置のそれぞれは以下に更に詳しく説明されている。

患者積載位置230の或る実施形態が図5Aに描かれている。患者積載位置230では 、椅子10は、積載通路206付近で積載方向222と反対の方向を向いている。椅子1 00に安全確保されて着座するEMTは、簡易寝台へ固定されている患者が積載通路20 6を通って載せられる際に患者の頭側に居る。こうして、EMTは、患者へのケアを施す のに都合よく位置付けられている。更に、椅子100が設定位置にロックされている間、 椅子100は傾けたり旋回させたりすることができることに留意されたい。例えば、患者 積載位置230にある状態で椅子100を旋回させれば、EMTに積載通路206を通っ て入って来る患者へ心蘇生法を遂行させることができる。

引き続き図5Aを参照すると、応答者位置228の或る実施形態が描かれている。応答 者位置228では、椅子100は積載方向222に沿って針路をとっている。その結果、 椅子100に着座するEMTは、積載方向222と同じ方向を向いている。応答者位置は 、緊急車両200を走行させているときに設定されるかもしれない。例えば、救急車では 、積載方向222は救急車の前進走行方向でもある。よって、応答者位置228に着座す るEMTは、救急車の運転者と似た様に位置付けられる。他の実施形態では、応答者位置 228は、例えば運転者席や助手席の様な車両内の他の座席配列と似たような着座位置を 提供できる何れの方位に設定されていてもよい。

次に図5A及び図5Bを参照すると、気道ケア位置225の実施形態が描かれている。 気道ケア位置225は、頭部側末端区域290内に配置されている。頭部側末端区域29 0は、緊急車両200の、軌道の周りで緊急車両200内に固定されている患者の頭部付 近の部分である。椅子100内に安全確保されて着座するEMTは、前傾することによっ て、患者の頭部へ治療を施すことができる。軌道ケア位置225にあるとき、椅子100 は、座席支持部材310をチャネルピボット部材306周りに回転させ上側支持体並進部 材312を垂直方向チャネル300内で滑動させる要領で傾けることができる。例えば、 EMTは、上側支持体並進部材312がチャネルストッパ304に至るまで前傾すること によって、椅子100から離脱することなしに挿管処置を施すことができる。図5Cに描 かれている別の実施形態では、追加の傾けが可能である。広範囲気道ケア位置226は、 緊急車両200内に固定されている患者の頭部付近に配置されている。椅子100に安全 確保されて着座するEMTは、前傾することによって患者の頭部又は胴部へ治療を施すこ とができる。ロック機構344内の張力を緩めれば、もっと遠くまで手を届かせられるよ うになる。張力を緩めれば、ハーネス286に弛みができて、EMTには腰間捕捉部34 0によって固定されたままでのより大きな運動の自由度がもたらされる。

患者ケア位置229の実施形態が図5A、図5D、及び図10に描かれている。患者ケ ア位置229は、側方区域292内に配置されている。側方区域292は、緊急車両20 0の、軌道の周りで緊急車両200内に固定されている患者の側面に沿った部分である。 椅子100内に安全確保されて着座するEMTは、前方に手を伸ばすことによって、患者 の身体へ治療を施すことができる。処置的ケア位置277の或る実施形態は、EMTにも っと遠くまで手を届かせられるようにするもので、図5Eに描かれている。処置的ケア位 置227は、患者ケア位置229と同じ場所に配置されてはいるが、傾け具合が大きくな っている。処置的ケア位置227にあるとき、椅子100は、座席支持部材310をチャ ネルピボット部材306周りに回転させ上側支持体並進部材312をチャネルストッパ3 04に至らせる要領で傾けられる。また、処置的ケア位置227の実施形態は、限定する わけではないが患者ケア位置229及び429や下部ケア位置231及び431の様な、 軌道210に沿った何れの位置に配置されていてもよいことに留意されたい。

下部ケア位置231及び431の実施形態が図10に描かれている。下部ケア位置23 1は、積載通路206の近傍内に配置されている。椅子100内に安全確保されて着座す るEMTは、前方へ手を伸ばすことによって、患者の足部及び脚部へ治療を施すことがで きる。下部ケア位置231及び431の実施形態は、U字形状402又はO字形状404 の軌道210に関連付けて描かれているが、下部ケア位置231及び431は、ここに開 示されている軌道210の何れと関連付けて使用されてもよいことに留意されたい。

再び図5A−図5Eを参照して、以上には有限の数の設定位置しか指定されていないが 、椅子100はその可動域全体に亘って調節されロックされてもよいことに留意されたい 。例えば、椅子100は、軌道210に沿った何れの場所にロックされてもよく、頭部末 端区域290又は側方区域292内だけに限られない。また、椅子100は、無限の数の 位置の周りに旋回するか又は無限の数の位置で傾けられてもよい。従って、ここでは気道 ケア位置225、広範囲気道ケア位置226、処置的ケア位置227、応答者位置228 、患者ケア位置229、及び患者積載位置230しか指定されていないが、椅子100は 、本開示の中で説明され描かれている構造が許容し得る位置なら、何れの位置を自由に通 行していてもよいし、何れの位置にロックされていてもよい。

再び図1を参照すると、実施形態は、自由浮動モード又は同期モードを設定するように 動作する運動制御部232を備えるものとされている。運動制御部232は、ボタン、ス イッチ、又は両モードの間の切り替えを有効化するように動作する何れの他の適した構成 要素を含んでいてもよい。椅子100が自由浮動モードへ設定されたとき、椅子100は 以上に説明されている自動化された作動から独立して動く。従って、自由浮動モードにあ るとき、椅子100は、EMTの入力のみに基づいて、移動経路212に沿って動き、傾 き、旋回し、又は設定位置にロックされる。椅子100は、同期モードへ設定されると、 以上に説明されている自動化された作動に従って同期的に動く。例えば、同期モードにあ るとき、椅子100は、以上に説明されている様に、患者簡易寝台の積載又は持ち上げと 連携した運動で、移動経路212に沿って動き、傾き、旋回し、又は設定位置にロックさ れる。

引き続き図1を参照して、椅子100は、作動させると椅子100が垂直方向部材13 0周りに旋回できるようになるレバー234を更に備えている。椅子100は、自由に旋 回するように構成されていてもよいし、例えば180°旋回の様な設定範囲までに制限さ れていてもよい。加えて、椅子100は、椅子100の下に配置された急速解放ボタン、 又は椅子100の何れかの運動の制御を簡単にするように構成されているロッカースイッ チを備えていてもよい。

図4Dに描かれている他の実施形態では、椅子100は、垂直方向106及び/又は 平方向108に、手押し、機械式作動、電気式作動、などを介して動く。1つの実施形態 では、椅子100は、垂直方向部材130内で動く。別の実施形態では、垂直方向部材1 30は、垂直方向106及び/又は水平方向108に動く。

図6A及び図6Bに描かれている本開示の更なる実施形態では、椅子100は、椅子1 00へ取り外し可能に取り付けられている補助収納庫モジュール240を備えている。補 助収納庫モジュールは、引き上げ式持ち手242と、肩ひも244と、車輪246を備え ることができる。追加の実施形態では、補助収納庫モジュール240は、引き上げ蓋24 8と引き出し式の引き出し250か又は枢動式の引き出し252を備えており、引き上げ 蓋248は、ラップトップコンピュータ、クリップボード、又は使い捨て鋭利物収納庫へ のアクセスを提供している。引き出し式の引き出し250は、横断方向に沿って滑動させ ることによってアクセスできる略箱形の形をした収納庫である。枢動式の引き出し252 は、旋回させることによってアクセスできる略三角形の形をした収納庫である。引き上げ 蓋248は、複数段を起こしてアクセスできるようにしたり折り畳んでコンパクトな収納 庫(図示せず)にしたりするリンク機構を備えることができる。更なる実施形態では、補 助収納庫モジュール240は、滑り止め付きの面256を有する浅い収納庫254である 陥凹部を備えている。滑り止め付きの面256は、例えば、エポキシ、ゴム、粘着剤、な どの様な、追加の摩擦を提供するのに適した何れの材料を備えていてもよい。

図1、図6A、図7A−図7Dに描かれている本開示の別の更なる実施形態では、緊急 車両輸送システム10は、多位置座席260を備えている。多位置座席260は、緊急車 両200の壁208へ連結されていて、移行軌道270と滑動式に係合されている着座部 分268と、ロック解放スイッチ267と、を備えている。多位置座席260は、平台構 成262からベンチ構成264へ、そしてベンチ構成264から平台構成262か又は折 り畳み補助席構成266のどちらかへ移行する。移行は可逆である。よって、多位置座席 260は、折り畳み補助席構成266からベンチ構成264へ、そしてベンチ構成264 から平台構成262か又は折り畳み補助席構成262の何れかへ移行する。多位置座席2 60は、ロック解放スイッチ267を用いて着座部分268を解放又はロックすること、 及び着座部分268を蝶番周りに回転させることによって、平台構成262とベンチ構成 264の間で切り替わる。多位置座席260は、着座部分268を移行軌道270に沿っ て滑動させることによって、ベンチ構成264と折り畳み補助席構成266の間で切り替 わる。加えて、ここでの使用に際し「壁」という用語は、緊急車両200の何れかの面を 意味することに留意されたい。

次に図1を参照すると、本開示の更なる実施形態は、簡易寝台を固定するための陥凹面 272を有する多位置座席260を備えている。多位置座席260は、ベンチ構成264 にあり、陥凹面272は簡易寝台を固定する形状をしている。例えば、車輪付きの簡易寝 台なら、車輪の形に整合する輪郭の付けられた陥凹面272を提供することによって固定 することができるであろう。こうして、簡易寝台が多位置座席260へ置かれたら、陥凹 面が車輪に係合し、簡易寝台が動くのを防止する。

図7C及び図7Dに描かれている更なる実施形態では、多位置座席260は、枢動部分 275を備えている。枢動部分275は、移行軌道270と回転可能に接合されていて滑 動式に係合されている。1つの実施形態(図7C)では、多位置座席は、寝椅子構成26 3を備えている。多位置座席260は、ベンチ構成264から、移行軌道270に沿って 滑動させ枢動部分275を回転方向276に回転させることによって、寝椅子形態へ移行 する。別の実施形態(図7D)では、多位置座席は、二人掛け折り畳み補助席構成265 を備えている。多位置座席260は、ベンチ構成264から、着座部分268の互いに反 対側を移行軌道に沿って押し付け合う方向277に滑動させ枢動部分275を回転させる ことによって、二人掛け折り畳み補助席構成265へ移行する。或る別の実施形態では、 多位置座席260は、柔軟な収納袋274を備えている。柔軟な収納袋は、着座部分の底 に配置されていて、ジッパーを介してアクセスできる収納庫を提供している。更に別の実 施形態では、多位置座席260は、引き込み式安全ベルト261を備えている。引き込み 式安全ベルト261は、多位置座席の乗員を動かないように固定する。例えば、乗員は、 引き込み式安全ベルト261のロック機構を腹の周りに締めることによって多位置座席に 固定される。

再び図1、図4A、及び図4Cを参照すると、椅子100の実施形態は、イヤホン28 0と音声マイク282を備えている。イヤホン280と音声マイク282は、椅子100 に着座するEMTの頭部近傍に配置されるものであり、椅子100に着座するEMTと誰 か他の人物の間の、無線通信、ワイヤレスネットワーク、ブルートゥース、インターネッ ト、など、を介しての手動操作不要の通信をやり易くする。

追加の実施形態では、椅子100は、画像を緊急車両200から送信するように動作す る画像送り部284を備えている。画像送り部は、例えば、デジタルカメラ、ウェブカム 、カムコーダー、などの様な、静止画又は動画を捕捉し送信することのできる何れの装置 であってもよい。画像は、ワイヤレスネットワーク経由で又は記録された媒体を介して運 ばれる。別の実施形態では、椅子100は、折り畳み式の台(図示せず)を備えている。 折り畳み式の台は、上向きに引き出して下へ倒せばEMTが書き物用の面として使用でき るようになる。同様に、折り畳み式の台は、折り畳んで下向きに押して収納することがで きる。例えば、折り畳み式の台は、米国特許第6,793,281号に記載されている様 に、航空機の客室内で通常使用されており、前記特許の全体を参考文献としてここに援用 する。

緊急車両患者輸送システムの追加の実施形態は、車載電子監視システムを備えている。 車載電子監視システムは、Raod Safety社によるRS-3000車両システムの様な、緊急車両全 体に亘って相互接続されているセンサー類とコンピュータ類のネットワークである。セン サー類は、ネットワークと電気的に通信しており、例えば、車両速度、車両RPM、空運 転時間、速度超過、過酷加速、過酷減速、椅子使用状況、Gの力、など、を監視する。1 つの実施形態では、車載車両電子監視システムは、感知部材と電気的に通信している。例 えば、椅子100は、座席が使用中であることを指し示す電気信号を車載車両監視システ ムへ送信する座席センサーを備えていてもよい。別の実施形態では、椅子100は、車載 車両電子監視システムと電気的に通信しているロック機構を備えている。感知部材は、例 えば、加速度計、トランスデューサ、などがあり、クラッシュ事象を感知する。クラッシ ュ事象が、例えば車両に掛かるGの力の増加によって感知されたら、車載車両電子監視シ ステムは、電気信号をロックシステムへ送信しロックシステムをトリガして椅子100を ロックさせる。ロックシステムは、傾け制御部148、調節式胴部クランプ192、調節 式HNSクランプ194、ロック機構344、ハーネス286、回転式拘束具326、腰 間アクチュエータ342、他、の様な、以上に説明されている椅子100の構成要素及び アクチュエータを連携させる。例えば、クラッシュが感知されると、車載車両電子監視シ ステムは電気信号を椅子100へ送信し、椅子100をその場にロックし、ハーネス28 6を締め付けてEMTを固定させる。加えて、椅子100と患者積載部材220のどちら か又は両方がエアバッグ(図示せず)を備えることもできる。エアバッグは、患者積載部 材220と係合されている簡易寝台の患者の頭部付近の位置に配置されていてもよい。こ うすれば、クラッシュ事象時、エアバッグがEMT又は患者の頭部に隣接して配備される ことになる。

図4E及び図4Fに描かれている或る別の実施形態では、椅子100は、環境制御部3 46を備えている。環境制御部346は、環境の暖房、冷房、酸素、吸引、照明、など、 を制御する。こうして、ここに説明されている様に、EMTの安全と環境に関する性能は 、制御され、監視されることになる。

図9に描かれている別の実施形態では、緊急車両輸送システム10は、壁208へ連結 されている壁固定具362を有する大量傷病者用システム360を備えている。枢動式付 属具364が、回転可能に壁固定具362と接合され、回転式腕部366へ連結されてい る。回転式腕部366の両端には捕握機構368が配置されており、簡易寝台の一部分を 取り外し可能に固定する。回転式腕部366は、追加の簡易寝台を緊急車両200内に保 持するための折り畳み式固定具を提供している。例えば、壁固定具362を2つ壁208 へ連結すれば、追加の簡易寝台2台を輸送することができる。壁固定具362のそれぞれ は、2つの回転式腕部366と回転可能に接合されている。4つの回転式腕部366は、 一杯に伸展させたとき、簡易寝台の水平方向支持体を捕握機構に保持させることにより、 2台の簡易寝台を固定する。こうして、簡易寝台は上下に重ねて配置されて安全に輸送さ れることになる。また、追加の収容能力が必要ない場合には、回転式腕部366は壁20 8に当てて収納される。

次に図2、図3A、図4A、及び図4Dを参照すると、緊急車両患者輸送システムの追 加の実施形態は、椅子100又はその構成要素を取り外せるようにする簡単脱着機構を備 えている。例えば、ピボット接合部170、座席接合部182、上側フレーム接合部13 2、及びチャネルピボット部材306は、例えば、ボールロックピン、ヒッチピン、リン チピン、安全ピン、などの様な、急速分解のためのピンを備えていてもよい。1つの実施 形態では、底部吸収部材174(図2)は、起動させると底部吸収部材174を複数の構 成要素へ分離する解放アクチュエータを備えている。座席131は、底部吸収部材174 を分離しピンをピボット接合部170から抜くことによって取り外される。別の実施形態 では、下側椅子接合部138(図4A)は、取り外せば座席131が下側腕部140から 自由になる、ねじ式ノブを備えている。座席131は、ねじ式ノブを取り外しピンを上側 フレーム接合部から抜くことによって取り外される。或る別の実施形態では、チャネルス トッパ304(図4D)は、例えばねじ又はロック式留め金を介して取り外しできるよう になっている。椅子100は、チャネルストッパ304を取り外し、ピンをチャネルピボ ット部材306から抜くことによって分解される。別の更なる実施形態では、椅子100 は、軌道210を例えば軌道210内又は並進部材110及び120内の簡単脱着機構に より係合解除することによって、車両から取り外すことができる。

また、「好適には」、「概して」、「一般的に」、及び「典型的に」の様な用語は、こ こでは、特許請求対象の発明の範囲を制限しようと用いられているのでもなければ、或る 特定の特徴が特許請求対象の発明の構造又は機能にとって決定的である、必須である、又 は重要ですらある旨を含意しようと用いられているのでもないことに留意されたい。むし ろ、これらの用語は、本発明の或る特定の実施形態で利用されることもあればされないこ ともある代わりの特徴又は追加の特徴を際立たせることを意図しているに過ぎない。

本発明を詳細にその特定の実施形態に関連付けて説明してきたが、付随の特許請求の範 囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく修正や変更が実施され得ることは 自明であろう。より具体的には、本発明の一部の態様がここで好適或いはとりわけ好都合 であるとして特定されていたとしても、本発明は、必ずしも、本発明のこれらの好適な態 様に限定されるものではない。

次に続く特許請求の範囲の請求項の1つ又はそれ以上では、「〜であって、〜において 」と訳されている「wherein」という用語が移行句として用いられていることに留意され たい。本発明を定義するという目的で、この用語は、構造の一連の特性の復唱に前置きを 付けるために使用されている制約のない移行句として請求項の中に導入されているもので あり、「〜を備えている」と訳されている、より一般的に使用されている制約のない前置 き用語である「comprising」と同様の仕方で解釈されるべきであることに留意されたい。

10 緊急車両輸送システム 100 椅子 102 座席の上側部分 104 座席の下側部分 106 垂直方向 108 水平方向 110 天井並進部材 112 第1天井並進部材 113 ローラー車輪 114 第2天井並進部材 120 床並進部材 130 垂直方向部材 131 座席 132 上側フレーム接合部 134 上側腕部 136 上側椅子接合部 138 下側椅子接合部 140 下側腕部 142 膝用部材 144 膝当て部 145 膝部支持体 146 上側椅子吸収部材 148 傾け制御部 150 天井吸収部材 152 第1天井吸収部材 154 第2天井吸収部材 156 上側三角点 160 床吸収部材 162 第1床吸収部材 164 第2床吸収部材 166 下側三角点 170 ピボット接合部 172 調節式ヘッドレスト 174 底部吸収部材 180 垂直方向支持体 182 座席接合部 184 臀部支持体 186 頭頚肩部(HNS)接合部 188 HNS支持体 190 胴部支持体 192 調節式胴部クランプ 194 調節式HNSクランプ 200 緊急車両 202 車両の床 204 車両の天井 206 積載通路 208 車両の壁 210 軌道 212 移動経路 214 天井軌道 216 床軌道 220 患者積載部材 222 積載方向 224 簡易寝台輸送位置 225 気道ケア位置 226 広範囲気道ケア位置 227 処置的ケア位置 228 応答者位置 229 患者ケア位置 230 患者積載位置 231 下部ケア位置 232 運動制御部 234 レバー 240 補助収納庫モジュール 242 引き上げ式持ち手 244 肩ひも 246 車輪 248 引き上げ蓋 250 引き出し式の引き出し 252 枢動式の引き出し 254 浅い収納庫(陥凹部) 256 滑り止め付きの面 260 多位置座席 261 引き込み式安全ベルト 262 平台構成 263 寝椅子構成 264 ベンチ構成 265 二人掛け折り畳み補助席構成 266 折り畳み補助席構成 267 ロック解放スイッチ 268 着座部分 270 移行軌道 272 (簡易寝台を固定するための)陥凹面 274 柔軟な収納袋 275 多位置座席の枢動部分 276 回転方向 277 押し付け合う方向 280 イヤホン 282 音声マイク 284 画像送り部 286 ハーネス 290 頭部側末端区域 292 側方区域 300 垂直方向チャネル 302 衝撃支持翼 304 チャネルストッパ 306 チャネルピボット部材 310 座席支持部材 311 座席支持部材の第1端 312 上側支持体並進部材 313 座席支持部材の第2端 314 ラップバー 316 膝部アクチュエータ 320 滑動式上体用部材 322 頭部支持体 326 回転式拘束具 328 外側バー 330 胸部拘束具 332 頭部開口 334 肩部開口 340 腰間捕捉部 342 腰間アクチュエータ 344 ロック機構 346 環境制御部 350 簡易寝台固定部材 352 簡易寝台係合面 354 伸長する支柱 356 簡易寝台上昇方向 358 伸展式簡易寝台 360 大量傷病者用システム 362 壁固定具 364 枢動式付属具 366 回転式腕部 368 捕握機構 402 U字形状軌道 404 O字形状軌道 428 応答者位置 429 患者ケア位置 430 患者積載位置 431 下部ケア位置

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