遠隔手術台位置合わせのための方法及び装置

申请号 JP2016557631 申请日 2015-03-17 公开(公告)号 JP2017513550A 公开(公告)日 2017-06-01
申请人 インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド; インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド; 发明人 アズィズィアン,マーディ; エム ソージャー,ジョナサン; エム ソージャー,ジョナサン;
摘要 マニピュレータアセンブリと独立して 位置 決め可能な手術台を位置合わせするための方法及びシステムが提供される。1つの態様では、方法は、手術台の特定の場所に位置合わせ装置を取り付けること及びマニピュレータアセンブリのマニピュレータアームを位置合わせ装置に取り付けること及びマニピュレータアームからのジョイント状態センサ読取り値を使用してマニピュレータアセンブリに対する手術台の位置及び/又は向きを決定することを含む。他の態様では、位置合わせのための方法は、手術台とマニピュレータアセンブリとの間の空間的な関係を決定するために、マニピュレータアセンブリに関連付けられるセンサで1又は複数の光学又は無線マーカのトラッキングすることを含む。
权利要求

位置合わせの方法であって: 近位ベースから遠位エンドエフェクタに延びる第1のマニピュレータを有するマニピュレータアセンブリを提供するステップ; 1又は複数の自由度の中で位置決め可能である手術台を提供するステップであって、前記手術台は位置合わせ機構を有する、ステップ;及び 前記手術台の前記位置合わせ機構の検知された状態に基づいて、前記手術台と前記マニピュレータアセンブリとの間の空間的な関係を決定することによって、前記マニピュレータアセンブリを前記手術台と位置合わせするステップ;を含む、 方法。前記マニピュレータアセンブリを前記手術台と位置合わせする前記ステップは、前記手術台の前記位置合わせ機構を前記第1のマニピュレータと接触させるステップを含む、 請求項1に記載の方法。前記位置合わせ機構を前記第1のマニピュレータと接触させる前記ステップは、前記第1のマニピュレータの遠位部分の運動が、前記手術台が位置決め可能である前記1又は複数の自由度に対応する1又は複数の自由度に沿って拘束されるように、前記第1のマニピュレータの前記遠位部分を前記位置合わせ機構に取り付けるステップを含む、 請求項2に記載の方法。前記第1のマニピュレータは、手術器具と結合するための手術器具インターフェースを有し、前記手術器具インターフェースは、低侵襲開口に使用するためのカニューレとインターフェース接続するように構成されるカニューレ取付部を含み、前記位置合わせ機構は、前記手術台に機械的に取り付けられるとともに前記カニューレ取付部の形状及びサイズに対応する成形位置合わせノブを有する、 請求項1に記載の方法。前記位置合わせノブはさらに、前記位置合わせ機構が、前記マニピュレータの遠位部分の運動を6自由度に沿って拘束するように、前記マニピュレータの前記遠位部分の回転運動を制限する前記成形部分から突出する位置合わせキーを有する、 請求項4に記載の方法。前記位置合わせ機構を接触させるステップは、前記手術台に取り付けられるとき、前記第1のマニピュレータの前記カニューレ取付部を前記ノブに取り付けるステップを含む、 請求項1に記載の方法。前記第1のマニピュレータが前記位置合わせ機構に取り付けられている間に前記第1のマニピュレータのジョイントセンサから取得されるデータを使用することによって前記マニピュレータアセンブリを位置合わせするステップをさらに含む、 請求項6に記載の方法。前記第1のマニピュレータを前記位置合わせ機構から取り外すステップ;及び 前記第1のマニピュレータで外科処置を、前記マニピュレータの運動を計算するのに前記手術台と前記マニピュレータアセンブリとの間の位置合わせを利用して、実行するステップ;をさらに含む、 請求項7に記載の方法。前記マニピュレータアセンブリは、それぞれ遠位エンドエフェクタを有する、1又は複数の追加のマニピュレータアームを有し、前記方法はさらに: 処置中に前記手術台を動かすステップ;及び 前記手術台を動かすとき、前記第1のマニピュレータと前記手術装置との間の取り付けを維持することによって前記マニピュレータアセンブリと前記手術台との間の位置合わせを維持するステップ;を含む、 請求項7に記載の方法。前記位置合わせ機構は、前記マニピュレータアセンブリを前記手術台と位置合わせする前記ステップが、1又は複数の光学又は無線マーカそれぞれの光学又は無線トラッキングをするステップを含むように、前記1又は複数の光学又は無線マーカを含む、 請求項1に記載の方法。前記位置合わせするステップは、前記手術台の位置及び/又は向きを決定するために前記手術台の所定の幾何学的形状を用いるステップを含む、 請求項9に記載の方法。前記位置合わせするステップは、光学又は無線センサと、前記手術台の少なくとも3つの光学又は無線マーカとの間の距離をトラッキングするステップを含む、 請求項9に記載の方法。前記位置合わせ機構は、前記手術台の位置及び/又は向きがそれぞれの形状センサの位置及び/又は向きを使用して決定されるように、前記手術台に取り付けられる前記形状センサを有する、 請求項1に記載の方法。前記位置合わせするステップはさらに、前記手術台に関連付けられる前記形状センサを、前記マニピュレータアセンブリに関連付けられる形状センサと比較するステップを含む、 請求項13に記載の方法。前記位置合わせするステップは、前記手術台の座標系を、前記マニピュレータアセンブリの座標系に、外部座標系によって関連付けるステップを含む、 請求項1に記載の方法。前記外部座標系は、前記マニピュレータアセンブリの前記近位ベースに対して固定されたままである外部特徴部の座標系である、 請求項15に記載の方法。前記外部座標系は、前記マニピュレータアセンブリ及び前記手術台が配置されている部屋の座標系である、 請求項15に記載の方法。前記位置合わせ機構の状態は、前記マニピュレータアセンブリに対する前記機構の検知される位置及び/又は向きに対応する、 請求項15に記載の方法。前記位置合わせするステップは、前記位置合わせ機構の前記状態及び前記手術台の既知の幾何学的形状から位置及び/向きを決定するステップを含む、 請求項1に記載の方法。複数の前記位置合わせ機構は、前記手術台の異なる場所と前記マニピュレータアセンブリ又は関連付けられる構成要素との間にそれぞれが延びる、複数のリニアエンコーダを有する、 請求項1に記載の方法。複数の前記位置合わせ機構は、前記手術台の異なる場所と、前記マニピュレータアセンブリと既知の空間的関係を有する手術室の固定場所との間にそれぞれが延びる、複数のリニアエンコーダを有する、 請求項1に記載の方法。前記位置合わせするステップは、前記複数のリニアエンコーダが取り付けられる異なる場所のそれぞれと前記マニピュレータアセンブリとの間の分離距離を決定するステップを含む、 請求項1に記載の方法。複数の前記位置合わせ機構は、前記位置合わせするステップが、光学又はレーザマーカのそれぞれの場所をトラッキングするステップ及び複数の前記光学又はレーザマーカが取り付けられる異なる場所のそれぞれと前記マニピュレータアセンブリとの間の距離を決定するステップを含むように、前記手術台の前記異なる場所に前記複数の光学又はレーザマーカを有する、 請求項1に記載の方法。前記マニピュレータアームは複数のジョイントを有し、前記複数のジョイントは、与えられるエンドエフェクタ位置に対してある範囲のジョイント状態を可能にするように十分な自由度を有し、前記方法はさらに: 少なくとも部分的に、作業空間における前記手術台の決定された位置及び/又は向きに基づいて、前記マニピュレータの前記複数のジョイントの運動を計算するステップを含む、 請求項1に記載の方法。前記第1のマニピュレータアーム又は関連付けられるエンドエフェクタの所望の運動を生じさせるように前記第1のマニピュレータアームを動かす指令入を受信するステップと; 前記所望の運動を生じさせるように、少なくとも部分的に、前記手術台と前記マニピュレータアセンブリとの間の位置合わせに基づいて、前記第1のマニピュレータアームの前記複数のジョイントの運動を計算するステップと;を含む、 請求項1に記載の方法。近位ベースと遠位エンドエフェクタとの間に延びる第1のマニピュレータアームを有するマニピュレータアセンブリであって、前記第1のマニピュレータアームは、前記近位ベースに対して前記遠位エンドエフェクタを動かすように構成され、前記第1のマニピュレータアームは、複数のジョイント及び関連付けられるジョイント状態センサを有する、マニピュレータアセンブリ; 前記マニピュレータアセンブリの近くに配置される手術台であって、前記手術台の1又は複数のジョイントにより1又は複数の自由度の中で位置決め可能である、手術台;及び 前記手術台の位置合わせ機構の検知された状態に基づいて、前記手術台と前記マニピュレータアセンブリとの間の空間的な関係を決定することによって、前記マニピュレータアセンブリを前記手術台と位置合わせするように構成される、プロセッサ;を含む、 遠隔操作手術システム。前記プロセッサは、前記マニピュレータアームの一部が前記手術台に位置合わせ装置を通じて取り付けられているとき、前記マニピュレータアームの1又は複数の前記ジョイント状態センサから位置及び/向きを決定するように構成される、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記手術台は、2以上の自由度の中で位置決め可能であるように構成される、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記位置合わせ装置は、前記マニピュレータに対する2以上の自由度に沿った前記手術台の位置及び/又は向きが、前記マニピュレータアームの前記1又は複数のジョイント状態センサの出力から決定されることができるように、前記手術台の前記2以上の自由度に対応する2以上の自由度に沿って前記マニピュレータの前記遠位部分の運動を拘束する、 請求項27に記載の遠隔操作手術システム。前記手術台は、6自由度の中で位置決め可能であるように構成される、 請求項29に記載の遠隔操作手術システム。前記第1のマニピュレータアームは、手術器具と結合するための手術器具インターフェースを有し、前記手術器具インターフェースは、低侵襲開口に使用するためのカニューレとインターフェース接続するように構成されるカニューレ取付部を含み; 前記位置合わせ機構は、前記第1のマニピュレータアームの遠位部分と前記位置合わせ装置との間の取り付けを容易にするように前記カニューレ取付部の形状及びサイズに対応する成形ノブを有する、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記ノブは、前記手術台の1又は複数の特定の場所において特定の向きで前記手術台に付くように構成される、 請求項31に記載の遠隔操作手術システム。前記位置合わせ機構は、特定の場所において特定の向きで前記手術台の側部レールに取り付けられるように構成される、 請求項32に記載の遠隔操作手術システム。前記ノブはさらに、前記第1のマニピュレータアームの前記遠位部分の運動を6自由度に沿って拘束し、それによって、前記手術台と前記マニピュレータアセンブリとの間の6自由度に沿った位置合わせを可能にするように、前記カニューレ取付部の回転運動を前記カニューレ取付部に関連付けられる器具シャフト軸に沿って拘束するための位置合わせ突出部を有する、 請求項31に記載の遠隔操作手術システム。前記位置合わせ機構は、1又は複数の光学又は無線マーカを有し、前記システムはさらに: 前記マニピュレータアセンブリに関連付けられる少なくとも1つの光学又は無線センサであって、前記少なくとも1つのセンサと前記1又は複数のマーカとの間の距離を決定するように構成される、少なくとも1つの光学又は無線センサ、を有する、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記1又は複数のマーカは、前記手術台の異なる場所の少なくとも3つのRFIDタグを含む、 請求項35に記載の遠隔操作手術システム。前記少なくとも1つのセンサは、前記マニピュレータアセンブリに取り付けられる、 請求項35に記載の遠隔操作手術システム。前記少なくとも1つの光学又は無線センサは、手術室内の既知の場所に配置され、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのセンサが、前記マニピュレータアセンブリと前記既知の場所との間の既知の空間的な関係により前記マニピュレータアセンブリと関連付けられるように構成される、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記位置合わせ機構は、前記手術台に取り付けられる形状ケーブルセンサを有する、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。前記形状ケーブルセンサは、前記手術台に少なくとも2つの側部に沿って取り付けられ、前記プロセッサは、前記形状ケーブルセンサから受信される出力から前記手術台の位置及び/又は姿勢を決定するように構成される、 請求項39に記載の遠隔操作手術システム。前記位置合わせ機構は、前記手術台と、前記マニピュレータアセンブリ又は前記マニピュレータアセンブリと既知の空間的関係を有する外部特徴部との間に延びる1又は複数のリニアアクチュエータを有する、 請求項26に記載の遠隔操作手術システム。

说明书全文

本出願は、2014年3月17日に出願された米国仮出願第61/954,538号の優先権を主張し、この全内容は、参照により本明細書に援用される。

本出願は、Systems and Methods for Surgical Table Pose Tracking"と題する、2014年3月17日に出願された米国仮出願第61/954,559号(ISRG03720PROV/US)に関連し、これは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。

低侵襲医療技術は、診断又は外科手術中に損傷を受ける無関係な組織の量を低減することを目的としており、それによって患者の回復時間、不快感、及び有害な副作用を低減させる。低侵襲手術の1つの効果は、例えば、低減した手術後病院回復時間である。標準的な手術に対する平均入院期間は典型的には、類似の低侵襲手術に対する平均入院期間より長いので、低侵襲技術の利用増加は、毎年の病院費を何百万ドルも節約できるかもしれない。米国で毎年行われる手術の多くが潜在的に低侵襲な方法で実行されることができるが、低侵襲手術器具の及びそれらを使いこなすことに関わる追加的な手術トレーニングの制限のために、現在の手術の一部しかこれらの有利な技術を使用していない。

低侵襲遠隔手術又は遠隔手術システムは、外科医の器用さを増大させるように及び従来の低侵襲技術の制限の幾つかを避けるように、開発されている。遠隔手術では、外科医は、手で手術器具を直接握り且つ動かすのではなく、手術器具の動きを操作するために何らかの形の遠隔制御(例えば、サーボ機構、等)を使用する。遠隔手術システムでは、外科医は、手術ワークステーションにおいて手術部位の画像を提供されることができる。ディスプレイで手術部位の2又は3次元画像を見ながら、外科医は、マスタ制御デバイスを操作することによって、患者に外科手術を行い、このマスタ制御デバイスは、サーボ機構的に操作される器具の動きを制御する。

遠隔手術に使用されるサーボ機構はしばしば、2つのマスタコントローラ(外科医の手のそれぞれに対して1つ)からの入を受け取り、それぞれに手術器具が取付けられている2以上の遠隔手術アームを含む場合がある。マスタコントローラと、関連付けられるマニピュレータアーム及び器具アセンブリとの間の動作通信は、典型的には、制御システムによって達成される。制御システムは典型的には、少なくとも1つのプロセッサを含み、このプロセッサは、入力指令を、マスタコントローラから関連付けられるマニピュレータアーム及び器具アセンブリに、並びに、例えば、フォースフィードバック等の場合に、器具及びアームアセンブリから関連付けられるマスタコントローラに戻って中継する。遠隔手術システムの一例は、California州SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.から市販されているDA VINCI(登録商標)システムである。

種々の構造配置が、遠隔手術中に手術部位に手術器具を支持するために使用されることができる。駆動されるリンク機構又は「スレーブ」は、しばしば、遠隔手術マニピュレータと呼ばれ、低侵襲遠隔手術の間に遠隔手術マニピュレータとして使用するための例示のリンク機構配置は、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。これらのリンク機構はしばしば、シャフトを有する器具を保持するために平行四辺形装置(parallelogram arrangement)を使用する。このようなマニピュレータ構造は、器具が剛性軸の長さに沿った空間内に位置決めされる操作のリモートセンタ(remote center)周りに枢動する(pivot)ように、器具の運動を拘束することができる。操作のリモートセンタを、(例えば、腹腔鏡手術の間の腹壁におけるトロカール又はカニューレを用いて)内部手術部位への切開点と位置合わせすることにより、手術器具のエンドエフェクタが、腹壁に対して潜在的に危険な力をかけることなしに、マニピュレータリンク機構を用いてシャフトの近位端部を動かすことによって安全に位置決めされることができる。代替のマニピュレータ構造は、例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、及び特許文献11に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。

種々の構造配置もまた、遠隔手術中、手術部位に遠隔手術マニピュレータ及び手術器具を支持し且つ位置決めするために使用されることができる。セットアップジョイント、又はセットアップジョイントアームと呼ばれることもある、支持リンク機構は、しばしば、各マニピュレータを患者の体のそれぞれの切開点に位置決めするとともに位置合わせするために使用される。支持リンク機構は、所望の手術切開点及び目標とされる解剖学的構造への手術マニピュレータの位置合わせ(alignment)を容易にする。例示的な支持リンク機構は、特許文献3及び特許文献12に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。

米国特許第7,594,912号

米国特許第6,758,843号

米国特許第6,246,200号

米国特許第5,800,423号

米国特許第7,763,015号

米国特許第6,702,805号

米国特許第6,676,669号

米国特許第5,855,583号

米国特許第5,808,665号

米国特許第5,445,166号

米国特許第5,184,601号

米国特許第6,788,018号

新しい遠隔手術システム及び装置は非常に効果的且つ有利であることが証明され、非常に操作しやすいマニピュレータの間の幅広い範囲の形態及び協調運動を提供しているが、このような運動を手術環境にローカライズすることは挑戦的であることが分かり得る。したがって、さらなる改良が望まれている。これらの改良された技術が遠隔手術システムの効率及び使いやすさを高める場合、特に有益である。例えば、これらの新しい手術システムの操作性を高めること、手術室のスペース利用を改良すること、より早く且つ簡単なセットアップを提供すること、使用中のマニピュレータ衝突を防止すること、及び/又は機械的な複雑さ及びサイズを減少させることは特に有益である。

以下は、本発明の基本的な理解を提供するために本発明の幾つかの実施形態の簡略化された概要を提供する。この概要は、本発明の広範囲にわたる概要ではない。本発明の鍵となる/重要な要素を識別することを又は本発明の範囲を線引きすることが意図されるものではない。その唯一の目的は、本発明の幾つかの実施形態を、後述されるより詳細な説明への前置きとして簡略化された形態で提供することである。

本発明は概して、遠隔手術装置、システム、及び方法を提供する。本明細書に記載される運動学的リンク機構構造(Kinematic linkage structures)及び関連付けられる制御システムは特に患者の低侵襲手術処置を実行するのに有益である。このような処置は、しばしば、複数のマニピュレータの間の相互関係があり且つ協調した運動を利用し、この複数のマニピュレータのそれぞれは、高度に構成可能であり、手術環境内の与えられたエンドエフェクタ位置に対する代替構成の範囲を有する。様々な理由で、特定の処置のために患者を特定の位置及び/又は向きに配置することが望まれる場合がある。加えて、幾つかの処置では、処置中に患者の位置及び/又は向きを変えることが望ましい場合がある。例えば、ある患者位置及び/又は向きは、手術作業空間内のある領域にアクセスするのに特に有用な場合がある又は様々な生理学上の理由のために手術中に患者が特定のアライメントに配置される(例えば、1又は複数の軸に沿って傾けられる)ことが望ましい場合がある。多くの遠隔手術システムは、マニピュレータシステムから分離され且つしばしば複数の自由度に沿って独立して位置決め可能である手術台を用いているので、手術台の様々な位置は、特に、複数のマニピュレータを有するシステムの、遠隔手術マニピュレータの動作中に、ある課題を提示し得る。したがって、手術台とマニピュレータアセンブリとの間の空間的な関係が、手術マニピュレータの運動を計算することで決定され且つ利用されることができるように、手術台がマニピュレータアセンブリと「位置合わせされる」ことができる手段を有するようなマニピュレータシステムが望ましい。1つの態様では、このような位置合わせは、マニピュレータアセンブリの既存の機構の使用を通じて達成され得るなら望ましい。他の態様では、このような位置合わせが、マニピュレータアセンブリと手術台との間の位置合わせを失うことなしに処置中に手術台が動かされることができるように動的に実行され得るなら望ましい。1つの態様では、本明細書に記載される位置合わせ装置及び方法は、テスト、シミュレーション、及び/又はセットアップで、或いは支持基板を隣接するマニピュレータ又はロボットアセンブリと位置合わせするための様々な工業的な応用で使用され得るような、非手術応用を含む、様々な応用に提供され得る。

位置合わせの方法は、手術台の位置合わせ機構(registration feature)の検知に基づいてマニピュレータアセンブリに対する手術台の位置及び/又は向きを決定するステップを含む。位置合わせ機構は、マニピュレータアセンブリに対する又は共通座標系(common frame of reference)に対する手術台の位置及び/又は向きを決定するための様々な接触又は非接触手段を含み得る。1つのアプローチでは、位置合わせ機構は、それを通じてアセンブリのマニピュレータが手術台に着く特定の場所において手術台に取り付けられる位置合わせ装置を有する。位置合わせ装置は、装置を通じて手術台に取り付けられたマニピュレータの検知されたジョイント状態が装置の位置及び/又は向きを決定するために使用されることができるように、手術台の1又は複数の自由度に対応する1又は複数の自由度に沿ってマニピュレータアームの運動を拘束するように構成される。他のアプローチでは、位置合わせ機構は、手術台の外部のセンサ、手術台に取り付けられたリニアエンコーダ、形状センサ、又は手術台とマニピュレータアセンブリ又は外部の座標系との間の空間的な関係を決定するのに適する様々な他の機構によって検知されることができる1又は複数のマーカを含み得る。

本発明の性質及び利点のより完全な理解のために、次の詳細な説明及び添付の図面への参照がなされるべきである。本発明の他の態様、目的及び利点は、以下の図面及び詳細な説明から明らかになるであろう。

多くの実施形態による、手術を行うために使用される低侵襲遠隔手術システムの平面図である。

多くの実施形態による、遠隔手術システム用の外科医の制御コンソールの斜視図である。

多くの実施形態による、遠隔手術システム電子装置カートの斜視図である。

多くの実施形態による、遠隔手術システムを概略的に描く。

多くの実施形態による、遠隔手術システムの患者側カート(手術ロボット)の部分図である。

多くの実施形態による、遠隔手術ツールの正面図である。

多くの実施形態による、遠隔手術システムの斜視概略図を示す。

多くの実施形態による、他の遠隔手術システムの斜視概略図を示す。

図7の概略図と一致する、多くの実施形態による、遠隔手術システムを示す。

図8の遠隔手術システムの配向プラットホームに対するセットアップリンク機構の回転配向限度を示す。

多くの実施形態による、遠隔手術システム用ブームアセンブリの回転限度に関連付けられる重心図を示す。

本発明の態様による、例示のマニピュレータアセンブリ及び位置合わせ機構を有する位置決め可能な手術台を示す。

6自由度に沿って位置決め可能な例示の手術台を示す。

6自由度に沿って位置決め可能な例示の手術台を示す。

6自由度に沿って位置決め可能な例示の手術台を示す。

6自由度に沿って位置決め可能な例示の手術台を示す。

マニピュレータアームが位置合わせ中に位置合わせ機構を通じて手術台に取り付けられている図11の例示のマニピュレータアセンブリを示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置及び対応するカニューレをそれぞれ示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置及び対応するカニューレをそれぞれ示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置及び対応するカニューレをそれぞれ示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置及び対応するカニューレをそれぞれ示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置を通じて手術台に取り付けられたマニピュレータアセンブリのマニピュレータを示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置を通じて手術台に取り付けられたマニピュレータアセンブリのマニピュレータを示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置を通じて手術台に取り付けられたマニピュレータアセンブリのマニピュレータを示す。

本発明の態様による、例示の位置合わせ装置を通じて手術台に取り付けられたマニピュレータアセンブリのマニピュレータを示す。

本発明の態様による、位置合わせ装置が取り付けられる手術台の場所を入力するための及びどのマニピュレータが装置を通じて手術台に取り付けられているかを特定するためのユーザインタフェースの例示のダイアログボックスを示す。

手術台に取り付けられたケーブル形センサを含む位置合わせ機構を有する手術台を示す。

手術台に取り付けられた3つのリニアスプリングエンコーダを含む位置合わせ機構を有する手術台を示す。

マニピュレータアセンブリ又は共通座標系に関連付けられる外部センサで検知するための3つのマーカを含む位置合わせ機構を有する手術台を示す。

以下の説明では、本発明の様々な実施形態が説明される。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成及び詳細が記載される。しかし、本発明が特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者にもまた明白となるであろう。さらに、記載されている実施形態を曖昧にしないために、良く知られた特徴は省略又は簡略化され得る。

本明細書に記載されている運動学的リンク機構構造及び制御システムは特に、システムユーザが、特定の患者に遠隔手術マニピュレータを配置するのを支援するのに有用である。治療中に組織などと相互に作用するために使用される能動的に駆動されるマニピュレータと共に、遠隔手術システムは、マニピュレータ構造を支持するとともにマニピュレータ構造を手術作業部位と位置合わせするのに役立つように構成されている1又は複数の運動学的リンク機構システムを有し得る。これらの運動学的システムの高度の設定能力(configurability)は多くの利点及び高度な機能を提供するが、特に、手術台がマニピュレータアセンブリから独立して位置決め可能であるとき、手術台のような、別個の構成要素に対するマニピュレータアセンブリのマニピュレータ機構の場所を位置特定することは困難であり得る。処置に備えて又は処置中に患者を様々な向き又はアライメントに位置決めすることをしばしば有用であるので、マニピュレータアセンブリに対する手術台の位置及び/又は向きが、決定されることができ且つ計算されたマニピュレータ運動又は手術台運動(自動的又はユーザ駆動のいずれか)で潜在的に用いられることができるように、マニピュレータアセンブリが、初期セットアップ中、又は処置中のいずれかで、手術台と位置合わせされることができるなら望ましい。このような位置合わせ方法は、限定されるものではないが様々なゼロ空間運動(null-space movement)及び衝突回避運動を含む、関連する応用に記載されたマニピュレータの様々な計算された運動のさらなる利用を可能にし、さらに、マニピュレータアセンブリの任意のマニピュレータ又は関連付けられる構成要素に対する手術台の位置及び/又は向きを決定するために使用され得る。加えて、本明細書に記載される位置合わせ方法は、“Collision Avoidance During Controlled Movement of Image Capturing Device and Manipulatable Device Movable Arms"と題する、2013年12月10日に出願された米国出願第14/101,769号に記載されるもののような、様々な他の態様及び位置合わせ機構と併せて使用されてもよく、この出願は、全ての目的に関して、その全体が参照により本明細書に援用される。本明細書に記載されるシステム、装置及び方法は、これらの特定の手術システムに適用される一方、本明細書に記載される本発明の態様にしたがって、様々な異なるタイプのマニピュレータシステムと共に使用され得る。

低侵襲ロボット手術

ここで図面を参照すると、図1は、典型的には手術台14に横たわっている患者12に低侵襲診断又は外科手術を行うために使用される、低侵襲遠隔手術(MIRS)システム10の平面図である。図面において、同様の参照番号は同様の部分を表す。システムは、手術中に外科医18による使用のための外科医用コンソール16を含む。1人又は複数の助手20も手術に参加することができる。MIRSシステム10は、患者側カート22(手術ロボット)及び電子装置カート24をさらに含むことができる。患者側カート22は、外科医18がコンソール16を通して手術部位を視認している間、患者12の身体の低侵襲性切開部を通る少なくとも1つの取り外し可能に結合されたツールアセンブリ26(以降、単に「ツール」と呼ばれる)を操作することができる。手術部位の画像は、内視鏡28を向き合わせするように患者側カート22によって操作され得る、立体内視鏡等の内視鏡28によって取得されることができる。電子装置カート24は、外科医用コンソール16を通じた外科医18への続く表示のために手術部位の画像を処理するために、使用されることができる。一度に使用される手術ツール26の数は、一般的に、他の要因の中でも診断又は外科手術及び手術室内の空間的制約に依存する。手術中に使用されているツール26の1又は複数を交換することが必要な場合、助手20は、患者側カート22からツール26を取外し、それを手術室のトレイ30からの別のツール26に交換し得る。

図2は、外科医用コンソール16の斜視図である。この外科医用コンソール16は、奥行き知覚を可能にする手術部位の協調立体視を外科医18に提示するために左眼用ディスプレイ32及び右眼用ディスプレイ34を含む。コンソール16は、1又は複数の入力制御装置36をさらに含み、この装置36は、患者側カート22(図1に示される)に1又は複数のツールを操作させる。入力制御装置36は、テレプレゼンス(tele-presence)を、又は外科医がツール26を直接制御する強い感覚を有するように入力制御装置36がツール26と一体となる知覚を、外科医に提供するために、それらの関連付けられるツール26(図1に示される)と同じ自由度を提供することができる。この目的のために、位置、力、及び触覚フィードバックセンサ(図示せず)が、ツール26からの位置、力、及び触感を、入力制御装置36を通じて外科医の手に返送するために使用され得る。

外科医用コンソール16は通常、外科医が、手術を直接監視し得るように、必要であれば物理的に存在し得るように、及び電話又は他の通信媒体ではなく直接助手に話し掛け得るように、患者と同じ部屋の中に配置される。しかし、外科医は、患者とは異なる部屋、全く異なる建物、又は遠隔手術を可能にする患者から離れた他の場所にいることができる。

図3は、電子装置カート24の斜視図である。電子装置カート24は、内視鏡28と結合されることができ、外科医用コンソールで、或いは近くに及び/又は遠隔に位置する別の適切なディスプレイで、外科医に等、その後の表示のために取り込まれた画像を処理するためのプロセッサを含み得る。例えば、立体内視鏡が使用される場合、電子装置カート24は、手術部位の協調立体画像を外科医に提示するために、取り込まれた画像を処理することができる。このような協調は、対向画像間の位置合わせを含むことができ、立体内視鏡の立体作動距離を調整することを含むことができる。別の例として、画像処理は、光学収差等、画像取込装置の結像誤差を補償するために、以前に決定されたカメラ較正パラメータの使用を含むことができる。

図4は、遠隔手術システム50(図1のMIRSシステム10等)を図式的に示す。上述のように、外科医用コンソール52(図1の外科医用コンソール16等)が、低侵襲手術中に患者側カート(手術ロボット)54(図1の患者側カート22等)を制御するために外科医によって使用されることができる。患者側カート54は、手術部位の画像を取込むとともに取込まれた画像を電子装置カート56(図1の電子装置カート24等)に出力するために、立体内視鏡等の撮像装置を使用することができる。上述のように、電子装置カート56は、任意の後に続く表示の前に、種々の方法で取込まれた画像を処理することができる。例えば、電子装置カート56は、外科医用コンソール52を介して組み合わされた画像を外科医に表示する前に、取込まれた画像を仮想制御インターフェースと重ね合わせることができる。患者側カート54は、電子装置カート56の外部で処理するために取込まれた画像を出力することができる。例えば、患者側カート54は、取込まれた画像を処理するために使用され得る、プロセッサ58に取込まれた画像を出力することができる。画像はまた、共同して、連続して、及び/又はそれらの組み合わせで、取込まれた画像を処理するために一緒に結合され得る、電子装置カート56及びプロセッサ58の組み合わせによって処理されることもできる。1又は複数の別個のディスプレイ60も、手術部位の画像、又は他の関連画像等、画像の局所及び/又は遠隔表示のために、プロセッサ58及び/又は電子装置カート56と結合されることができる。

プロセッサ58は、典型的には、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含み、ソフトウェアは、本明細書に機能的に記載される制御の方法ステップを実行するための、コンピュータ可読コード命令を具体化する有形媒体を含む。ハードウェアは、典型的に、1又は複数のデータ処理ボードを含み、このデータ処理ボードは、同一箇所に位置してもよいが、しばしば、本明細書に記載されるロボット構造の中に分配された複数の構成要素を有する。ソフトウェアは、しばしは不揮発性媒体を含み、モノリシックなコードも含み得るが、より典型的には、任意選択で、多種多様な分散データ処理アーキテクチャのいずれかで動作する多数のサブルーチンを含む。

図5A及び5Bは、患者側カート22及び手術ツール26をそれぞれ示す。手術ツール62は、手術ツール26の例である。図示された患者側カート22は、3つの手術ツール26及び、手術部位の画像を取り込むために使用される立体内視鏡のような、撮像装置28の操作を提供する。操作は、幾つかのジョイントを有するロボット機構によって提供される。撮像装置28及び手術ツール26は、運動学的リモートセンタ(遠隔中心)(kinematic remote center)が切開部のサイズを最小化するために切開部に保持されるように、切開部を通って患者内で位置決めされるとともに操作されることができる。手術部位の画像は、手術ツール26が撮像装置28の視野内に位置しているとき、手術ツール26の遠位端部の画像を含むことができる。

手術ツール26は、例えば切開部、自然開口部、経皮的な貫通又は同種のもののような低侵襲アクセス開口を通して管状カニューレ64を挿入することによって、患者の中に挿入される。カニューレ64は、マニピュレータアームに取り付けられ、手術ツール26のシャフトはカニューレの管腔(lumen)を通過する。マニピュレータアームは、カニューレがその上に取り付けられたことを示す信号を送信し得る。

遠隔手術システム及びモジュール式マニピュレータ支持部

図6は、多くの実施形態による、遠隔手術システム70の概略図である。手術システム70は、取付ベース72、支持リンク機構74、配向プラットホーム76、複数の外側セットアップリンク機構78(2つが示されている)、複数の内側セットアップリンク機構80(2つが示されている)、及び複数の手術器具マニピュレータ82を含む。マニピュレータ82のそれぞれは、マニピュレータ82に取り付けられるとともに挿入軸に沿って患者に挿入可能である手術器具を選択的に関節運動させるように動作可能である。マニピュレータ82のそれぞれは、セットアップリンク機構78、80の1つに取付けられるとともにセットアップリンク機構78、80の1つによって支持される。外側セットアップリンク機構78のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84によって配向プラットホーム76に回転結合されるとともに配向プラットホーム76によって支持される。内側セットアップリンク機構80のそれぞれは、配向プラットホーム76に固定して結合されるとともに配向プラットホーム76によって支持される。配向プラットホーム76は、支持リンク機構74に回転結合されるとともに支持リンク機構74によって支持される。そして、支持リンク機構74は、取付ベース72に固定して取付けられるとともに取付ベース72によって支持される。

多くの実施形態では、取付けベース72は、移動可能であるとともに床に支持され、それによって、例えば手術室内で、手術システム70全体の選択的な再位置決めを可能にする。取付けベース72は、操可能な車輪アセンブリ及び/又は選択的な再位置決めをすること並びに選択された位置からの取付ベース72の移動を選択的に防ぐことの両方を提供する任意の他の適切な機能を含むことができる。取付ベース72はまた、例えば、天井マウント、固定フロア/台座マウント、壁マウント、又は任意の他の適切な取付面によって支持されるように構成されたインターフェース等、他の適切な構成を有することができる。

支持リンク機構74は、取付ベース72に対して配向プラットホーム76を選択的に位置決めする及び/又は向き合わせするよう動作可能である。支持リンク機構74は、コラムベース86、並進移動可能コラム部材88、ショルダージョイント90、ブームベース部材92、ブーム第1段部材94、ブーム第2段部材96、及びリストジョイント98を含む。コラムベース86は、取付ベース72に固定して取付けられる。並進移動可能コラム部材88は、コラムベース86に対する並進移動のためにコラムベース86にスライド可能に結合される。多くの実施形態では、並進移動可能コラム部材88は、コラムベース86に対して垂直に向けられた軸に沿って並進移動する。ブームベース部材92は、ショルダージョイント90によって並進移動可能コラム部材88に回転結合される。ショルダージョイント90は、ブームベース部材92を平面内で並進移動可能コラム部材88に対して選択的に向き合わせするように動作可能であり、この並進移動可能コラム部材88はコラムベース86及び取付ベース72に対して固定度配向を有する。ブーム第1段部材94は、ブームベース部材92に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり、この水平方向は、多くの実施形態においてブームベース部材92及びブーム第1段部材94の両方と一直線になる。ブーム第2段部材96は同様に、ブーム第1段部材94に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり、この水平方向は、多くの実施形態においてブーム第1段部材94及びブーム第2段部材96の両方と一直線になる。したがって、支持リンク機構74は、ショルダージョイント90とブーム第2段部材96の遠位端部との間の距離を選択的に設定するよう動作可能である。リストジョイント98は、ブーム第2段部材96の遠位端部を配向プラットホーム76に回転結合する。リストジョイント98は、取付ベース72に対する配向プラットホーム76の角度配向を選択的に設定するよう動作可能である。

セットアップリンク機構78、80のそれぞれは、配向プラットホーム76に対して、関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決めする及び/又は向き合わせするよう動作可能である。セットアップリンク機構78、80のそれぞれは、セットアップリンク機構ベースリンク100、セットアップリンク機構延長リンク102、セットアップリンク機構平行四辺形リンク機構部分104、セットアップリンク機構垂直リンク106、第2のセットアップリンク機構ジョイント108、及びマニピュレータ支持リンク110を含む。外側セットアップリンク機構78のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84の動作を介して配向プラットホーム76に対して選択的に向き合わせされることができる。図示された実施形態では、内側セットアップリンク機構80のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、配向プラットホーム76に固定して取付けられる。内側セットアップリンク機構80のそれぞれはまた、外側セットアップリンク機構と同様に、追加的な第1のセットアップリンク機構ジョイント84を介して配向プラットホーム76に回転取付けされることもできる。セットアップリンク機構延長リンク102のそれぞれは、関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク100に対して水平方向に並進移動可能であり、この水平方向は、多くの実施形態において、関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク及びセットアップリンク機構延長リンク102と一直線になる。セットアップリンク機構部分104のそれぞれは、セットアップリンク機構垂直リンク106を垂直に向けたまま、セットアップリンク機構垂直リンク106を垂直方向に選択的に並進移動可能に構成されるとともに動作可能である。例示的な実施形態では、セットアップリンク機構平行四辺形リンク機構部分104のそれぞれは、第1の平行四辺形ジョイント112、結合リンク114、及び第2の平行四辺形リンク機構116を含む。第1の平行四辺形ジョイント112は、結合リンク114をセットアップリンク機構延長リンク102に回転結合する。第2の平行四辺形ジョイント116は、セットアップリンク機構垂直リンク106を結合リンク114に回転結合する。セットアップリンク機構延長リンク102に対する結合リンク114の回転が、セットアップリンク機構垂直リンク106が垂直に選択的に並進移動される間にセットアップリンク機構垂直リンク106が垂直に向けられて保持されるよう、結合リンク114に対するセットアップリンク機構垂直リンク106の相殺回転によって整合されるように、第1の平行四辺形ジョイント112は、第2の平行四辺形ジョイント116に回転が結び付けられる。第2のセットアップリンク機構ジョイント108は、セットアップリンク機構垂直リンク106に対してマニピュレータ支持リンク110を選択的に向き合わせするように動作可能であり、それによって、セットアップリンク機構垂直リンク106に対して関連付けられる取り付けられたマニピュレータ82を選択的に向き合わせする。

図7は、多くの実施形態による、遠隔手術システム120の斜視概略図である。手術システム120は図6の手術システム70の構成要素と同様の構成要素を含むので、同じ参照数字が同様の構成要素に関して使用され、上述の同様の構成要素の対応する説明は、手術システム120に適用可能であるとともに繰り返しを避けるためにここでは省略される。手術システム120は、取付ベース72、支持リンク機構122、配向プラットホーム124、複数のセットアップリンク機構126(4つが示されている)、及び複数の手術器具マニピュレータ82を含む。マニピュレータ82のそれぞれは、マニピュレータ82に取付けられるとともに挿入軸に沿って患者に挿入可能である手術器具を選択的に関節運動させるように動作可能である。マニピュレータ82のそれぞれは、セットアップリンク機構126の1つに取付けられるとともにセットアップリンク機構126の1つによって支持される。セットアップリンク機構126のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84によって配向プラットホーム124に回転結合されるとともに支持される。配向プラットホーム124は、支持リンク機構122に回転結合されるとともに支持される。そして、支持リンク機構122は、取付ベース72に固定して取付けられるとともに支持される。

支持リンク機構122は、取付ベース72に対して配向プラットホーム124を選択的に位置決めする及び/又は向き合わせするよう動作可能である。支持リンク機構122は、コラムベース86、並進移動可能コラム部材88、ショルダージョイント90、ブームベース部材92、ブーム第1段部材94、及びリストジョイント98を含む。支持リンク機構122は、ショルダージョイント90とブーム第1段部材94の遠位端部との間の距離を選択的に設定するよう動作可能である。リストジョイント98は、ブーム第1段部材94の遠位端部を配向プラットホーム124に回転結合する。リストジョイント98は、取付ベース72に対する配向プラットホーム124の角度配向を選択的に設定するよう動作可能である。

セットアップリンク機構126のそれぞれは、配向プラットホーム124に対して、関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決めする及び/又は向き合わせするよう動作可能である。セットアップリンク機構126のそれぞれは、セットアップリンク機構ベースリンク100、セットアップリンク機構延長リンク102、セットアップリンク機構垂直リンク106、第2のセットアップリンク機構ジョイント108、トルネード機構支持リンク128、及びトルネード機構130を含む。セットアップリンク機構126のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、関連付けられる第1のセットアップリンク機構ジョイント84の動作を介して配向プラットホーム124に対して選択的に向き合わせされることができる。セットアップリンク機構垂直リンク106のそれぞれは、関連付けられるセットアップリンク機構延長リンク102に対して垂直方向に選択的に並進移動可能である。第2のセットアップリンク機構ジョイント108は、セットアップリンク機構垂直リンク106に対してトルネード機構支持リンク128を選択的に向き合わせするように動作可能である。

トルネード機構130のそれぞれは、トルネードジョイント132、結合リンク134、及びマニピュレータ支持部136を含む。結合リンク134は、マニピュレータ支持部136をトルネードジョイント132に固定して結合する。トルネードジョイント132は、トルネード機構支持リンク128に対してトルネード軸138周りにマニピュレータ支持部136を回転させるように動作可能である。トルネード機構130は、マニピュレータ82の操作のリモートセンタ(RC)がトルネード軸136と交差するようマニピュレータ支持部136を位置決めするとともに向き合わせするように構成される。したがって、トルネードジョイント132の動作は、患者に対して関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を動かすことなしに、患者に対して関連付けられるマニピュレータ82を再向き合わせするために使用されることができる。

図8は、図7の遠隔手術システム120の概略図に一致する、多くの実施形態による、遠隔手術システム140の簡略化された図である。手術システム140は、図7の遠隔手術システム120に一致するので、同じ参照番号が類似の構成要素に関して使用され、上述の類似の構成要素の対応する説明は、手術システム140に適用可能であるとともに繰り返しを避けるためにここでは省略される。

支持リンク機構122は、多数のセットアップ構造軸に沿った支持リンク機構122のリンク間の相対運動を介して取付ベース72に対して配向プラットホーム124を選択的に位置決め及び向き合わせするように構成される。並進移動可能コラム部材88は、第1のセットアップ構造(SUS)軸142に沿ってコラムベース86に対して選択的に再位置決め可能であり、この第1のSUS軸142は、多くの実施形態において、垂直に向けられる。ショルダージョイント90は、第2のSUS軸144周りに並進移動可能コラム部材88に対してブームベース部材92を選択的に向き合わせするよう動作可能であり、この第2のSUS軸144は、多くの実施形態において、垂直に向けられる。ブーム第1段部材94は、第3のSUS軸146に沿ってブームベース部材92に対して選択的に再位置決め可能であり、この第3のSUS軸146は、多くの実施形態において、水平に向けられる。リストジョイント98は、第4のSUS軸148に沿ってブーム第1段部材94に対して配向プラットホーム124を選択的に向き合わせするよう動作可能であり、この第4のSUS軸148は、多くの実施形態において、垂直に向けられる。

セットアップリンク機構126のそれぞれは、多数のセットアップジョイント(SUJ)軸に沿ったセットアップリンク機構126のリンク間の相対運動を介して配向プラットホーム124に対して、関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決め及び向き合わせするように構成される。第1のセットアップリンク機構ジョイント84のそれぞれは、第1のSUJ軸150周りに配向プラットホーム124に対して、関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク100を選択的に向き合わせするよう動作可能であり、この第1のSUJ軸150は、多くの実施形態において、垂直に向けられる。セットアップリンク機構延長リンク102のそれぞれは、第2のSUJ軸152に沿って、関連付けられるセットアップベースリンク100に対して選択的に再位置決め可能であり、この第2のSUJ軸152は、多くの実施形態において、水平に向けられる。セットアップリンク機構垂直リンク106のそれぞれは、第3のSUJ軸154に沿って、関連付けられるセットアップリンク機構延長リンク102に対して選択的に再位置決めされることができ、この第3のSUJ軸154は、多くの実施形態において、垂直に向けられる。第2のセットアップリンク機構ジョイント108のそれぞれは、第3のSUJ軸154周りにセットアップリンク機構垂直リンク106に対してトルネード機構支持リンク128を選択的に向き合わせするように動作可能である。トルネードジョイント132のそれぞれは、関連付けられるトルネード軸138周りに関連付けられるマニピュレータ82を回転させるように動作可能である。

図9は、多くの実施形態による、配向プラットホーム124に対するセットアップリンク機構126の回転配向限度を示す。セットアップリンク機構126のそれぞれは、配向プラットホーム124に対する時計回りの限度配向で示されている。対応する反時計回りの限度配向は、垂直に配向された鏡面に対する図9の鏡像によって示される。図示されるように、2つの内側セットアップリンク機構126のそれぞれは、垂直基準156から一方向に5度から垂直基準156から反対方向に75度まで向けられることができる。また、図示されるように、2つの外側セットアップリンク機構のそれぞれは、垂直基準156から対応する方向に15度から95度まで向けられることができる。

使用において、手術助手、外科医、テクニカルサポート、又は他のユーザが、セットアップ構造リンク機構、セットアップジョイント、及び/又はマニピュレータのそれぞれを含む、手術のための遠隔手術システムのリンク機構の幾つか又は全てを設定することがしばしば望ましい。これらのリンク機構を設定するタスクの中に含まれるのは、リストジョイント98の垂直の第4のSUS軸148周りに第1段部材94に対して配向プラットホーム124を位置決めすることである。ジョイント駆動モータ121及び/又はブレーキシステム123が、駆動部121及びブレーキ123両方を含む1つの例示の実施形態で、リストジョイント98に結合される。追加的に、ジョイントセンサシステムが、典型的には、リストジョイント98の角度設定又は位置を検知する。

使用のためにシステムを手動で設定するための例示のユーザインタフェース、システム、及び方法が、矢印127によって概略的に示されるように、第4のSUS軸148周りのリストジョイント98の関節運動による配向プラットホーム124の手動関節運動を参照して、本明細書に記載される。代替実施形態が、セットアップ構造の1若しくは複数の代替ジョイント、セットアップジョイントの1若しくは複数、又はマニピュレータリンク機構のジョイントの1若しくは複数を含む、運動学的システム全体の1若しくは複数の代替ジョイントを関節運動させるために用いられ得ることが理解されるべきである。モータ駆動リストジョイントを関節運動させるための例示の実施形態の使用は、ユーザが効率的にマニピュレータ82を位置決めすることを可能にし得る。本明細書に記載されるリストジョイント98の手動関節運動は、図5Bに示されるような、それらに関連付けられるカニューレ64にマニピュレータ82を手動でドッキングさせる間の、速度及び使いやすさを向上させることができる。

図10は、多くの実施形態による、遠隔手術システム160のための支持リンク機構の回転限度に関連付けられる重心図を示す。遠隔手術システム160の重心162を手術システム160の支持リンク機構164に対して一側に最大の範囲まで移動させるように遠隔手術システム160の構成要素が位置決めされるとともに向き合わせされる状態では、支持リンク機構164のショルダージョイントは、取付ベースの所定の安定限度を超えることを防ぐためにセットアップ構造(SUS)ショルダージョイント軸166周りの支持構造164の回転を制限するように構成されることができる。

図11は、その下に手術台200が配置されている関連付けられるセットアップ構造リンク機構126によって支持される複数のマニピュレータアーム82を有する患者側カート126を含む例示のシステムの概観を示す。ある態様では、手術台200は、手術台200が、患者側カートから、切り離して位置決め可能であり、しばしば独立して位置決め可能であるように、患者側カートから分離した構造である。しかし、ある他の態様では、本明細書に記載される位置合わせ方法は、手術台が切り離して位置決め可能のままであるが、このような運動がシステムによって連動されるので、もはや独立して位置決め可能であると見なされないように、切り離して位置決め可能手術台が、マニピュレータの計算された運動と協調して制御されることを可能にする。多くの実施形態では、手術台200は、支持ベース202に取り付けられた支持コラム204によって支持される、手術台患者支持面210を含む。システムはさらに、患者側カートのマニピュレータと手術台患者支持面210との間の空間的関係が、決定されることができ且つ計算されたマニピュレータ運動又は指令された手術台運動で用いられ得るように、システムが、患者側カートに対して手術台を位置合わせすることを可能にする、位置合わせ機構300を含む。位置合わせ機構300は、後続の図面に記載され且つ示される、様々な異なる構造を含み得るが、図11は、以下により詳細に記載される、台取り付け位置合わせ装置310を含む位置合わせ機構を示す。

図12は、手術マニピュレータシステムとともに使用するための例示の手術台200を示す。手術台200は、駆動されるとき手術台上部を所望の位置及び/又は向きに動かす1又は複数のジョイント(図示せず)を含み得る。1又は複数のジョイントは、被駆動ジョイント、手動で関節運動されるジョイント、又はそれらの組合せを含み得る。このようなジョイントは、油圧のような、並進可能ジョイント、並びに、本明細書に記載されるもののいずれかのような、回転可能及び旋回(pivotal)ジョイントを含み得る。1又は複数のジョイントは、必要に応じて、患者側助手若しくは麻酔医によって調整され得る、或いは、外科医コンソールからの医師のような、より離れたユーザによって、又は、自律アルゴリズムにしたがって若しくは患者の呼吸等のような、生理的運動を補償する運動のような、1若しくは複数の計算された運動にしたがって、システムによって、調整されるように構成され得る。

手術台200は、支持ベース202から垂直に延びる支持コラム204によって支持される手術台患者支持面210を含む。典型的には、手術台200は、少なくとも1自由度に沿って、好ましくは多数の自由度に沿って、さらに好ましくは、6自由度に沿って位置決め可能である。図12に示されるように、例示の手術台200は、互いに直交する3つの異なる方向に、z軸、y軸及び垂直にz軸に沿って、並進移動されることができるとともに、患者支持面210の長さに沿って延びる軸214周りに旋回されることができ、患者支持面210の幅に沿って延びる軸216周りに旋回されることができ、及び垂直に延びる軸212周りに旋回されることができる。旋回軸212、214及び216は1つの点で交差して示されているが、これらの軸は必ずしも交差しなくてよい。これらの旋回運動は、図13A−13Cに示されている。したがって、例示の手術テーブル200は、6自由度に沿って位置決め可能である。これらの6自由度によって可能にされる患者支持面210のこれらの様々な位置及び/又は向きは、患者の所望の位置、向き又は傾きを達成するために初期セットアップ中に用いられ得る、又は任意の理由で患者を再位置決めする必要に応じて、処置中に用いられ得る。手術台がこのような旋回運動を様々な他の軸に沿って同じ方向に提供し、それによって、手術台上部が、手術台上部の上の又は手術台上部から外れた様々な場所周りの旋回運動を提供することを可能にし得るように、旋回運動は、図示されたこれらの特定の軸に沿って中心に置かれる必要が無いことが認められる。幾つかの実施形態では、手術台は、そこを通って切るが低侵襲開口部のなかに挿入されるカニューレの又はかにゅれーれ近くのアイソセンタ(isocenter)周りのこのような運動を提供するように構成される。

このような手術台の高度の設定能力は、患者を位置決めするのに、多くの利点及び多様性(versatility)を提供するが、この設定能力はさらに、マニピュレータアーム及び関連付けられるツールの運動を計算するのに追加の課題をもたらし得る。例えば、手術台が、傾斜して位置決めされるとき、ツール又はツールを支持する関連付けられるマニピュレータのある運動は、患者又は患者支持面との衝突をもたらすかもしれない。様々な方法が、このような衝突を回避するために使用され得るが、マニピュレータの運動が手術台の位置を考慮するように及び/又は処置中の手術台の運動及び/又は再位置決めを補償するように、計算されることができるよう、患者側カートのマニピュレータに対する手術台の位置が決定される場合に特に有用である。このような決定を可能にするために、本発明の態様による方法及びシステムは、手術台と患者側カートとの間の空間的関係が、必要に応じて決定されることができ且つ様々な計算された運動で用いられることができるように、手術台と患者側カートとの間の位置合わせを提供する。

位置合わせは、様々な異なるアプローチ、例えば、手術台との接触を含むアプローチ及び手術台との直接の物理的な接触を必要としないアプローチを使用して実行され得る。これらのアプローチのそれぞれは、特定のシステム又は応用に関してある利点を提供し得るが、方法は、非接触ベースのアプローチに加えて接触ベースのアプローチの態様を含み得るように、これらのアプローチの任意の態様が修正され得る及び/又は組み合わされ得ることが認められる。これらのアプローチの例は、以下により詳細に記載される。

接触ベースの位置合わせ

マニピュレータ接触

1つのアプローチでは、位置合わせは、患者側カートと手術台との間の容易にされた接触によって実行される。位置合わせの方法は、手術台を1又は複数の場所において患者側カートの構成要素と接触させ且つ患者側カートに対する手術台の位置及び/又は向きを決定することを含み得る。これは、患者側カートの座標系又は患者側カートと手術台両方に対する既知の若しくは決定可能な関係を有する共通座標系に対する手術台の位置及び/又は向きを決定することによって達成され得る。

1つの態様では、手術台との接触は、手術台の位置及び/又は向きが位置構成要素(location component)の決定された状態によって決定されることができるように、多数の場所を、患者側カートに関連付けられる1又は複数の位置構成要素と接触させることを含み得る。マニピュレータアームが、患者側カート又は対応する座標系に対する手術台の接触点の場所を決定するために、マニピュレータの1又は複数のジョイントセンサを使用することによって、位置合わせ目的のための位置構成要素として機能し得る。手術台の幾何学的形状(geometry)が知られている場合、手術台の位置及び/又は向きは、より少ない接触点で、例えば、2つの接触点で決定されることができる。しかし、手術台の幾何学的形状が知られていない場合、追加の接触点が、例えば、少なくとも4つの接触場所(例えば、各側部の1つの接触場所又は長方形手術台患者支持面の各角における1つの接触場所)が、手術台の境界を決定するために使用され得る。利用される接触場所は、手術台の幾何学的形状にしたがって異なり得ることが認められる。例えば、ある手術台は、互いに対して移動可能な複数の面を含み得る(例えば、歯科医の椅子)ので、追加の接触場所が、椅子の位置又は向きを決定するために用いられ得る。代替的には、複数の面を有する椅子の検知されたジョイント状態が、マニピュレータアセンブリに対する椅子の位置及び/又は向きを決定するために、本明細書に記載される位置合わせ機構のいずれかと併せて、使用され得る。

他の態様では、手術台との接触は、単一の場所を位置構成要素と接触させること、及び、手術台の1又は複数の自由度に沿った位置及び/又は向きを、位置構成要素の運動を対応する自由度に沿って拘束することによって、決定することを含む。例えば、図14に示されるように、位置合わせ機構300は、マニピュレータ82の遠位部分が解放可能に結合されることができる台取付位置合わせ装置310である。位置合わせ装置310と結合されるとき、マニピュレータの運動は、手術台の対応する自由度における手術台の位置及び/又は向きがマニピュレータのジョイントセンサから決定されることができるように、複数の自由度に沿って拘束される。

図15Aは、台取付部分312及びマニピュレータ82の遠位部分のカニューレ取付部と解放可能に結合するように構成されるカニューレ取付ノブ314を有する例示の台取付位置合わせ装置310を示す。カニューレ取付ノブ314は、カニューレ64(図15Bに示される)の寸法にしたがって形成された中実(solid)円筒形要素であり得、マニピュレータ82のカニューレ取付部がこのカニューレに取り付けられるように設計される。1つの態様では、ノブは、米国特許第8,182,469号に記載されたカニューレ取付クランプ内に受けられるように構成され、この文献の全内容は、全ての目的のために本明細書に援用される。これは、マニピュレータ82の既存のカニューレ取付部が、マニピュレータが位置構成要素として機能することができるように、位置合わせ装置310に結合することを可能にし、ジョイント状態センサが、マニピュレータの運動が拘束されている方向によって手術台の場所及び向きを決定するために使用される。図15Bを参照することによって理解されることができるように、マニピュレータのカニューレ取付部分の運動は、並進移動方向のそれぞれ、並びに旋回方向のそれぞれ(すなわち、ヨー、ロール及びピッチ)に拘束される。カニューレ取付ノブ314は、手術台のサイドバーに取り付ける台取付部分312及びカニューレ取付部の回転運動を拘束するためにノブ314から半径方向外向きに突出する向き合わせキー(orientation key)316を含むので、手術台の6自由度のそれぞれは、位置合わせ装置を通じて台に取り付けられるときマニピュレータのジョイント状態センサから決定されることができる。この機構は、マニピュレータのカニューレ取付部の文脈の中に記載されているが、位置合わせ装置310は、任意のマニピュレータの、手術台と患者側カートと関連付けられるマニピュレータとの間の空間的な関係の決定を可能にするように、患者側カート若しくはそれらの間に延びる構成要素(一時的に取り付けられた構成要素でさえ)の任意の部分に取り付けるように構成され得る。

図16Aは、台取付部分312及び他のタイプのカニューレ64’に対応するカニューレ取付要素314’を有する他の例示の台取付位置合わせ装置310を示す。したがって、図15Aに記載されるアプローチは、システムの既存の機構を使用する位置合わせを可能するために特定のマニピュレータシステムで使用されるカニューレと似るように台取付位置合わせ装置を作ることによって様々なタイプのマニピュレータシステムで使用されることができる。図16Aはまたさらに、それによって台取付装置310が台に取り付けられる手段を詳述している。台取付位置合わせ装置は、様々な手段によって手術台に取り付けられることができるが、このような装置が、追加の構造の変更又は追加の構造の設置を必要とすることなしに、台に取り付けられることができる場合に特に有用である。例えば、手術台患者支持面210の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドバー212を有する手術台では、位置合わせ装置310は、サイドバー及びそれによってサイドバーが台に付く支持部に係合することによってサイドバーに取り付けるサイドバー取付部312を含み得る。このようなサイドバー212は典型的には、両側部にサイドバー212を有する手術台において、このような位置合わせ装置310が取り付けられることができる4つのこのような場所がある(例えば、図18参照)ように、サイドバーの反対側の端部の近くの2つのこのような横方向支持部によって手術台に取り付けられる。

ある態様では、台取付装置310を既知の場所において台に取り付けることによって、台の位置及び/又は向きは、台の既知の又は推定された幾何学的形状を使用してより正確に決定されることができる。例えば、図18に示されるように、位置合わせ装置310が取り付けられることができる4つの可能な場所が台上にある場合、台の位置及び/又は向きは、手術台の既知の幾何学的形状及び既知の場所で台に取り付けられた位置合わせ装置310に取り付けられたマニピュレータからのジョイント状態センサデータを使用して、典型的には1センチメートル以下の範囲内で、正確に決定されることができる。1つの態様では、システムは、ユーザが、位置合わせ装置が取り付けられる及びマニピュレータが位置合わせ装置と結合される台の場所を入力するように構成され得る(例えば、図18に示されるダイアログボックスプロンプトを用いて)。他の態様では、システムは、台のどの場所に位置合わせ装置310が取り付けられているか及びどのマニピュレータが位置合わせ装置310と結合されているかを、例えば、機械的手段、RFID、ソナー又は光学検知手段を用いて等で、自動的に検出し得る。

図17A−17Dは、図15Aのものと同様の台取付位置合わせ装置310の追加の図を示し、この台取付位置合わせ装置は、手術台のサイドバー212に取り付けられ、この台取付位置合わせ装置に、マニピュレータのカニューレ取付部が、手術台と患者側カートとの間の位置合わせを容易にするために取り付けられる。

リニアエンコーダ

代替の接触ベースのアプローチでは、バネ荷重リニアエンコーダ(spring loaded linear encoders)が患者側カートに取り付けられることができる。図20に示されるように、バネ荷重リニアエンコーダ330のそれぞれは、伸ばされることができ、手術台と患者側カート、又は関連付けられる構成要素との間に延びるように、台の側部のフックに取り付けられることができる。1つの態様では、リニアエンコーダからの読取り値が、患者側カートに対する手術台及び手術台の位置及び姿勢を決定するために三角法で測定される(triangulated)ことができるように、少なくとも3つのリニアエンコーダが使用される。このようなエンコーダはまた、共通外部座標系を通じた位置合わせを可能にするように、手術台と、手術室の床のような、外部座標系との間に延びて使用され得ることがさらに認められる。このアプローチは、最初にドッキング前(pre-docking)位置合わせの中で使用されることができる、又は、このようなエンコーダは、処置中の手術台の位置及び/又は向きの決定を可能にするように並びに処置を通してマニピュレータの1つの使用を他に必要とすることなしに位置合わせを保つように、取り付けられたままであることができる。

非接触ベースの位置合わせ

形状センサ

1つのアプローチでは、システムは、形状センサを備える可撓性アームを用い得る。ある態様では、形状センサは、台の側部にロックされることができる先端部を有する患者側カートの側部に掛かるホース状の物体である。ロック機構は、接続/切り離しを検出するセンサを有する。形状センサ(例えば、光学形状検知ファイバ)は、可撓性アームの中で、それが台に接続されるときその形状を測定するために、使用される。形状情報は、台に対する患者側カートの相対的な姿勢を計算するために使用されることができる。他の態様では、ケーブル形状センサ、光ファイバ、屈曲又は位置配向検知部材のような、形状センサが、台の側部に取り付けられる又はロックされることができるので、位置及び/又は向きが、形状センサからの入力に基づいてシステムによって容易に決定されることができる。このアプローチを具体化する例が図19に示され、これは、形状ケーブルセンサからの検知出力から手術台の位置及び姿勢の決定を可能にするように、手術台の2つの側部に取り付けられて延びる形状ケーブルセンサ320を示す。これは、形状センサが、マニピュレータと手術台との間の位置合わせが処置中に実質的に継続するように、位置及び/又は向きが処置中に動的に検知されることを可能にするので、有利である。

形状センサの使用に関して、本明細書に記載される位置合わせ方法はさらに"Robotic Surgery System Including Position Sensors Using Fiber Bragg Gratings"と題する2006年7月20日に出願された米国特許第7,930,065号に記載された態様のいずれかを含んでよいことが認められ、この文献の全内容は、全ての目的のために本明細書に援用される。

ある態様では、1又は複数の形状センサコードが、システムが手術台の位置及び/又は向きを決定することを可能にするために、手術台の1又は複数の場所に取り付けられることができる。他の態様では、形状センサケーブルが、それによって患者側カート及び手術台が電力供給されるケーブルに組み込まれることができるので、患者側カートは、コードが取り付けられる手術室のような、外部座標系を通じて互いに位置合わせされることができる。他の態様では、システムは、様々な他の目的に加えて、位置合わせ目的のために使用されることができる、患者側カートと手術台との間に直接延びるこのような形状センサコードを用いてもよい。

光/放射(radiation)検知

他のアプローチでは、様々な他の非接触手段が、それによって患者側カートに対する手術台の位置及び/又は向きを決定するために、使用され得る。このような手段は、光若しくは放射検知手段、ソナー、レーザ距離センサ、又は任意の他の適切な手段のいずれかを含み得る。1つの態様では、このような検知手段は、患者側カートに取り付けられることができ、患者側カートに対する手術台の位置及び/又は向きが処置前又は処置中に決定されることができるように、手術台の1又は複数のポイント(例えば、RFIDタグ、識別可能な光学又はレーザマーカ)を検知するように構成されることができる。このアプローチは、特に、RFIDタグを使用するとき、手術台と患者側カートとの間の位置合わせを可能にするために、手術台と患者側カートとの間の絶対位置又は相対位置を決定するように手術台及び患者側カートの一方又は両方に用いられ得る。このアプローチの例が、図21に示され、様々な場所で台に取り付けられた3つのRFIDタグ340のそれぞれの位置を検知することができる患者側カート(図示せず)に取り付けられたRFIDセンサ341を示す。RFIDタグのそれぞれからの信号を三角法で測定することによって、手術台の位置及び姿勢が決定されることができる。

このアプローチは、例えば、手術室の既知の場所のような、外部座標系からのRFID位置を検知することによって等、共通外部座標系を通じた位置合わせを可能にするために使用されることもできることがさらに認められる。例えば、本明細書に記載される方法は、複数のRFIDタグ間の点間距離決定又は様々な他のリアルタイム位置特定アプローチを使用するリアルタイム位置特定のために絶対位置又は相対位置を使用する位置合わせを実行し得る。

位置合わせワークフロー

ドッキング前位置合わせ

1つの態様では、位置合わせの方法は、ドッキング前位置合わせを含む。手術マニピュレータを手術台の患者支持面上の患者にドッキングさせる前に、マニピュレータアームが、台側部に取り付けられた位置合わせ装置310(例えば、図15A又は図16A等)にドッキングされる。患者側マニピュレータ(PSM)及びセットアップジョイント(SUJs)(qrobot)のエンコーダ値を読み取り、剛体運動学問題を解くことによって、手術ロボット(すなわち、患者側カート)の位置及び向きは、位置合わせ装置310に対して決定されることができる。上で詳述されたように、位置合わせ装置310は、台に固有の方法で、すなわち、台に対する特定のアライメント/向きで台の1又は複数の特定の場所に(例えば、側部レールが台上部に接続する4つの場所の1つに等)のみ取り付けられることができるように、構成される。したがって、台に対する装置(gadget)の姿勢は、例えば、台の幾何学的形状のCADモデルから或いは1若しくは複数のセンサ又は外部トラッカーを使用する台上部の較正(calibration)から等、容易に決定されることができる。他の態様では、手術台はモータ駆動されることができ、エンコーダが、その位置及び向きを提供するために台(qtable)の作動ジョイントで使用されることができる。

1つの態様では、マニピュレータアセンブリの位置及び向きは、以下の式を使用して、手術台に対して、しばしばワールド座標系と考えられる手術台のベースに対して、決定されることができる:

典型的には、患者側カートと手術台との間のドッキング前位置合わせは、処置前に一度実行され、その後、一般的に、患者側カート(PCS)は動かされない。というのは、これが、マニピュレータがドッキングされていない処置中の他の位置合わせ、実行された他の位置合わせ及びその後の患者とのマニピュレータの再ドッキングを必要とし得るためである。

患者側カート運動の連続モニタリング

他の態様では、位置合わせのために使用されるマニピュレータは、位置合わせが実質的に継続し、処置中の追加の位置合わせステップの実行を必要とすることなしに処置中に手術台の運動を可能するように、全処置の間ドッキングされたままであり得る。このアプローチの1つの欠点は、1つのマニピュレータの使用が失われ得ることであるので、このアプローチは、マニピュレータのそれぞれを用いる処置には適さない場合がある。このような処置では、本明細書に記載された代替技術又はアプローチのいずれかが、本発明の態様にしたがって位置合わせを実行するために用いられ得る。

複数のマニピュレータアームを有するマニピュレータシステムでは、1つの可能なシナリオは、マニピュレータアームの1つを手術中に位置合わせ装置に接続されたままにすることである。このような場合、患者側カートの任意の運動が検出されることができ且つ手術中に患者側カートが動いた場合にアラームを発生させることができる。1つの態様では、これは、(a)セットアップジョイント(SUJ)ブレーキを解放し且つそれらのエンコーダ値を監視すること又は(b)セットアップジョイント及びマニピュレータジョイントのトルクを監視すること又はそれらの組合せによって、行われることができる。

手術台とマニピュレータの協調運動

あるシステムでは、移動式手術マニピュレータが患者にドッキングされるとき、一般的に、台を動かすことは可能ではない。台運動が何らかの理由(患者の再向き合わせを含む)で必要とされる場合、一般的に、ユーザは、マニピュレータを患者からドッキング解除し、台を動かし、その後マニピュレータを患者に再ドッキングしなければならない。処置中に手術台に取り付けられた位置合わせ装置を通じて台に取り付けられたままであるマニピュレータアームを使用することによって、システムは、ロボットと台との間の閉運動学的チェーンを作る。これは、手術台とマニピュレータアセンブリのリアルタイム位置合わせを実行するために使用されることができる。したがって、手術台が動いている場合、患者にドッキングされた任意のマニピュレータアームが、それに応じて動かされることができ、ロボットをドッキング解除する必要がない。したがって、本明細書に記載される位置合わせアプローチの使用により、手術台とマニピュレータアセンブリとの間の運動が、さらなる有利な特徴が実現され得るよう、協調されることができるように、個別に位置決め可能な手術台が、マニピュレータアセンブリを有する手術システムに組み込まれることができる。

他の変形形態は本発明の精神の中にある。したがって、本発明は、様々な変更形態及び代替構造が可能であるが、幾つかの説明された実施形態は図面に示されるとともに詳細に記載されている。しかし、本発明を開示された特定の形態又は複数の形態に限定する意図はなく、それどころか、全ての修正、代替構造、及び添付の特許請求の範囲に定められるように、本発明の精神及び範囲内に属する均等物をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。

本発明を記載する文脈における(特に以下の請求項の範囲の文脈における)用語“a”、“an”、“the”(1つの、ある)、及び同様の指示対象の使用は、本願にそうでないことが示されない限り又は文脈によって明らかに否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「有する、含む、備える(“comprising”、“having”、“including”、及び“containing”)」は、そうでないことが記載されない限りオープンエンドタームとして(すなわち、「含んでいるが限定されない」ことを意味する)解釈されるべきである。用語「接続される」は、たとえ何かが介在していても、部分的に又は完全に中に含まれる、取り付けられる、又は一緒に結合されるとして解釈されるべきである。本願における値の範囲の列挙は、本願にそうでないことが明記されない限り、範囲に入るそれぞれの独立した値を個別に参照する省略表現方法として機能することが単に意図され、それぞれの独立した値は、それが本願に個別に参照されるように、明細書に組み込まれる。本願に記載された全ての方法は、本願に明記されない限り又は文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な順番で実行され得る。任意の及び全ての例、又は本願に用いられる例示的な言語(例えば、「のような、等」)の使用は、本発明の実施形態をより良く明らかにすることを単に意図し、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の範囲の限定をもたらさない。明細書の言語は、本発明の実施に必須であるような任意の請求項に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。

本願に引用された、出版物、特許出願、特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々に且つ明確に示されるような、並びに且つ完全に本願に述べられているような、同じ程度まで、参照により本願に組み込まれる。

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