Due to the temperature controlled laminar airflow treatment, the treatment of asthma and allergic rhinitis, as well as the improvement of the quality of sleep |
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申请号 | JP2012535960 | 申请日 | 2010-12-30 | 公开(公告)号 | JP2013508109A | 公开(公告)日 | 2013-03-07 |
申请人 | エアソネット・アクチボラゲットAirsonett Ab; | 发明人 | ダン・アラン・ロベルト・クリステンソン; ポール・マルティン・スヴェンソン; マルク・コーンフェルト; | ||||
摘要 | この発明は、一般に、身体対流を変位させ、これにより睡眠状況下または睡眠に相当する状況下における個人的呼吸ゾーン内に存在するアレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減し、このことによって、睡眠の質を改善しながら、喘息およびアレルギー性鼻炎の症状を低減もしくは排除するための方法および装置に関し、具体的には、 温度 制御された層状空気流(本要約書および以降の明細書においてはTLAと略記される)を利用する方法および装置に関する。 また、そのような方法および装置が関与するビジネス方法も開示される。 | ||||||
权利要求 | 患者の周囲のゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、ケアすべきポイントで測定したときに、アレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減させることにより、措置を必要としている該患者におけるアレルギー性喘息および/または鼻炎の症状を低減もしくは排除する方法であって、前記処理空気ゾーンでは周囲空気の混入が実質的に回避されている前記方法において、 前記ケアすべきポイントにおける前記処理空気ゾーンへ送給された空気の空気温度が該処理空気ゾーンを取り巻く周囲空気よりも0.5〜1℃低く;これにより 処理空気は層流の様式で下降し;そして 該患者が不快な気流に晒されることなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴とする、方法。 前記処理空気ゾーンへ送給される空気の温度が該処理空気ゾーンを取り巻く前記周囲空気よりも0.6〜0.8℃低い、請求項1記載の方法。 睡眠の質が改善される、請求項1または2記載の方法。 プラセボ治療下の患者の場合と比べ、より高い割合のTLA治療下の患者が、ミニ喘息生活の質アンケート(ミニ-AQLQ)スコアまたは小児生活の質アンケート(PAQLQ)スコアにおける少なくとも0.5の改善またはそれに相当する改善を経験する、請求項1または2記載の方法。 患者の周囲のゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、措置を必要としている該患者における喘息および/または鼻炎の症状を低減もしくは排除するための少なくとも1つのフィルタを有する空気処理装置において、 前記ケアすべきポイントにおける前記処理空気ゾーンへ送給された空気の空気温度が該処理空気ゾーンを取り巻く周囲空気よりも0.5〜1℃低く;これにより 処理空気は層流の様式で下降し;そして 該患者が不快な気流に晒されることなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴とする、空気処理装置。 前記処理空気ゾーンへ送給される空気の温度が該処理空気ゾーンを取り巻く前記周囲空気よりも0.6〜0.8℃低い、請求項5記載の装置。 措置を必要としている患者におけるアレルギー性喘息および/または鼻炎の症状を低減もしくは排除するための、請求項5または6記載の装置の使用。 該使用により睡眠の質が改善される、請求項5または6記載の装置の使用。 該使用により、プラセボ治療下の患者の場合と比べ、より高い割合のTLA治療下の患者が、ミニ喘息生活の質アンケート(ミニ-AQLQ)スコアまたは小児生活の質アンケート(PAQLQ)スコアにおける少なくとも0.5の改善またはそれに相当する改善を経験するという結果がもたらされる、請求項5または6記載の装置の使用。 ビジネスを行う方法であって、 温度制御された層状の空気流に基づき特定の処理空気ゾーンにおける空中浮遊微粒子への暴露を低減させることにより、患者における喘息および/または鼻炎の症状を低減もしくは排除することができ、これにより、患者の償還方式を温度制御層状空気流装置との関係において確立することができるという主張、記述または指示を、広告、マニュアル、添付文書、または他の印刷物もしくは放送資材、および/またはMedicare、Medicaidならびに他の公共および民間の健康保険への申請用紙に含めることを含む、ビジネス方法。 ビジネスを行う方法であって、 電子装置が患者のコンプライアンスおよび温度制御層状空気流装置の適切な使用を観察し、これにより、該装置が医療サービス専門家の指示に従って使用されていない場合には、患者および/または医療サービス提供者へ通知書を送ることができ、これにより、Medicare、Medicaidならびに他の公共および民間の健康保険は、該温度制御層状空気流装置に関係した患者の償還方式を修正し、または該装置を回収することができることを含む、ビジネス方法。 TLA治療によりケアすべきポイントでのアレルゲンへの暴露を低減させることによって、措置を必要としている患者におけるアレルゲン特異的IgEレベルを低減させるための方法であって、ここで、該ケアすべきポイントにおける処理空気の温度が周囲空気よりも0.5〜1℃低い、方法。 前記ケアすべきポイントにおける処理空気の温度が該周囲空気よりも0.6〜0.8℃低い、請求項12記載の方法。 前記患者がアレルギー性喘息および/またはアレルギー性鼻炎を患っている患者である、請求項12または13記載の方法。 IgEレベルの上昇が抑制される、請求項12または13記載の方法。 |
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说明书全文 | 睡眠状況下または睡眠に相当する状況下での空気中に存在する粒子およびアレルゲンの相対濃度は、一般に、身体対流により他の状況下および普通の寝室または居間におけるほかの場所での場合よりも高いことが判明している。 人体により生成された呼吸ゾーンのすぐそばを通過する対流性の流れは、ベッド内での動きによりゆがめられた寝具類におけるすべての重要な供給源からの放出を強化し、濃縮する。 この発明は、一般に、身体対流を変位させ、これにより睡眠状況下または睡眠に相当する状況下における個人的呼吸ゾーン内に存在するアレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減し、このことによって、睡眠の質を改善しながら、喘息およびアレルギー性鼻炎の症状を低減または排除するための方法および装置に関し、具体的には、温度制御された層状の空気流(本明細書においてはこれ以降TLAと略記される)を利用する方法および装置に関する。 また、そのような方法および装置が関与するビジネス方法も開示される。 世界中で3億人もの罹患者がいるものと見積もられていることから、喘息は世界的な問題であると考えられる。 World Health Organizationは、喘息により、毎年1千5百万もの障害調整生存年が失われているものと見積もっている(これは、地球規模での病気の苦しみ全体のうちの1%にも相当する)。 死亡数の観点からすると、喘息は、1年当たり250,000例もの死亡を招いているものと見積もられている(参考文献1参照)。 ヘルスケアシステムの費用や、間接的なコスト、例えば仕事ができなくなってしまう時間および早死になどを含めた貨幣原価はかなりの額である(参考文献2参照)。 治療に関わるコストは高いが、喘息の治療以外で必要となるコストはさらに一層高額になるものと考えられる(参考文献3参照)。 喘息は、病理学の観点においては、多くの細胞型および細胞要素が関与し、それらが次いで充分には理解されていない様式で炎症および気道の過敏反応性を引き起こす、炎症性の疾患であることが知られている。 喘息のキーとなる細胞性メディエーターは、ケモカイン、システイニルロイコトリエン、サイトカイン、ヒスタミン、プロスタグランジンD2および一酸化窒素(NO)であると考えられている。 喘息の主な生理学的症状は、呼気性空気流制限性の息切れを引き起こす発作性の気道閉塞、喘鳴、咳および胸苦しさである(参考文献4参照)。 喘息の具体的な定義は、2つのドメイン(症状および変動性の気道閉塞)と付加的な2つのドメイン(気道の炎症および気道の過敏反応性(AHR))を含み、ここで、後者のドメインは基礎疾患プロセスを特徴付けるものと考えられている(参考文献5参照)。 通常は特定の宿主因子が喘息の発生を引き起こすが、典型的には、環境因子が喘息の症状を誘発する(但し、両方の機能を果たす因子もある)。 宿主因子としては性別、肥満度および遺伝的背景が挙げられ、一方、環境因子としては感染およびたばこの煙が挙げられるほか、特には、例えば毛皮を有する動物、家庭のダニ、真菌、かびおよび酵母などに由来するアレルゲンが挙げられる(参考文献6参照)。 運動、特に乾燥した冷たい雰囲気下での運動も喘息を誘発する可能性がある(参考文献7参照)。 喘息の重症度および喘息の管理などの用語を標準化すべく、種々の異なる学術団体により努力が払われてきた。 喘息の管理は、治療によって喘息の症状が低減または排除される程度をいう。 重症度は、良好な喘息の管理状態を達成するのに必要な治療の度合いに基づく。 喘息は、発作性の息切れ、喘鳴、咳および胸苦しさを含む数多くの生理学的パラメーターに基づいて臨床的に診断することができる(参考文献4参照)。 しかしながら、症状(または表現型)の多様性が喘息の診断を容易ならざるものにしている。 年齢が5歳を超える患者に対して行われる空気流制限の観点での喘息を評価および観察する慣用的な方法は、最初の1秒間での強制呼気量(FEV 1 )の測定および最大呼気流量(PEF)の測定を含む。 呼気中のNOレベルは、呼気中の一酸化窒素(FENO)レベルの上昇がしばしば喘息患者で高まるため、喘息患者における気道炎症の1つの非侵襲的なマーカーである。 それ故、FENOレベルを観察することにより、喘息の重症度に関する1つの指標を提供することができる。 FENOは明らかにグルココルチコステロイド依存性であるが、喘息の管理がうまくいっていない患者は、グルココルチコステロイドを投薬したにもかかわらず、なおも高いFENOレベルを有し得ることが示されている(参考文献8参照)。 肺機能の測定は、喘息の重症度を評価する上でも有用なだけでなく、治療の効果を評価するのに有用であり、有利なことに、生活の質スコアで補完することができる(参考文献9参照)。 したがって、喘息の重症度を観察するための他の方法としては、ミニ喘息生活の質アンケート(ミニ-AQLQ)などのアンケートの使用が挙げられる。 ミニ-AQLQは、症状、活動の制限、感情機能および環境刺激の領域における15個の質問に基づいて算出されるスコアを提供する。 このアンケート方式は、グループレベルにおけるプライマリーケアでの研究用およびケアの質の観察用のシンプルで確固としたツールであると考えられている。 また、このアンケート方式は、信頼性を伴って、大規模な臨床試験および臨床的サーベイにおいても使用することができる(参考文献9〜11参照)。 小児母集団において使用するために、同様の小児喘息生活の質アンケート(PAQLQ)も存在する(参考文献12〜13参照)。 喘息の管理を達成するための数多くの治療法を患者に対して利用することができ、そのような治療法としては、ブデソニドおよびフルチカゾンを含む吸入コルチコステロイド剤(ICS)、短時間作用型のβ 2アゴニスト(SABA)、長時間作用型のβ 2アゴニスト(LABA)、ロイコトリエン修飾薬、持続放出性テオフィリンおよび抗IgE治療などの薬剤療法が挙げられる。 さらに、誘発因子の除去を含む非侵襲的な手段も可能である。 アレルギー性喘息の場合、その炎症性疾患は、主に、患者が感作されている吸入性アレルゲンへの暴露により駆り立てられる。 イエダニ、ネコおよびイヌからもたらされるアレルゲンなどの吸入性アレルゲンの影響力を最小化することが、喘息の重症度を低減する上での第1ステップである(参考文献14参照)。 数々の高高度研究から得られた経験は、長期間にわたるアレルゲンの回避が気道炎症の減少を導き、結果として症状の改善をもたらすことを示唆している。 また、これらの研究は、アレルゲンレベルの大幅な低減を達成および維持することが不可欠であることも示唆している(参考文献15〜16参照)。 アレルギー性鼻炎および喘息は同様のアレルギーメカニズムによって媒介され、それらは同一の合併した気道疾患の2つの発現を表すことがあり得る。 アレルギー性鼻炎は、ほこり、鱗屑または草木の花粉などからなる空中浮遊粒子にアレルギーを有する人々における水様鼻汁分泌、鼻詰まり、ならびに咳き込み、くしゃみ、涙目、目および鼻のかゆみ、頭痛および喘鳴などの症状の集まりである。 アレルギー性鼻炎は生活の質に対する有意な影響と関わり合っている。 鼻詰まり(これらの状態のうちで最も一般的かつ最も厄介な症状の1つである)は睡眠時呼吸障害と関わり合っており、睡眠障害の主要原因であると考えられている(参考文献17参照)。 例えば治療中における鼻炎の症状を観察および評価するために鼻炎アンケート(RQLQ/ミニRQLQ)を利用することができる(参考文献18参照)。 喘息またはアレルギー性鼻炎による睡眠の質の改善または低下は、アンケートを使用し、客観的な尺度を用いることによって観察することができる。 一部の人々においては、アレルゲンへの暴露がアレルギー性応答として知られている反応を引き起こし得る。 これは、アレルゲンが呼吸路(鼻、喉および肺)内へ吸入され、それらの粘膜に付着したときに起こる。 これらのアレルゲンは、免疫系によって外部からの侵入物と見なされ、身体がそれらを撃退すべく準備する際に免疫応答が生じる。 この応答が生じている間、T細胞(免疫系の1つの細胞型)はB細胞(Bリンパ球)へシグナルを送り、IgE抗体(アレルギー反応カスケードに関与している主要タンパク質)の産生を刺激する。 アレルゲンに特異的なIgE抗体は、暴露後数週間以内で産生され、血流中に放出される。 これらのIgE抗体はマスト細胞などの炎症性細胞上の受容体に付着することができる。 付着しなかったIgE抗体は自由に浮動する状態で血流中に残る。 アレルギー患者がアレルゲンに再暴露されると、マスト細胞に結合されたIgEへの架橋結合が起こり得る(下記参照)。 架橋結合が起こると、マスト細胞はヒスタミン、プロスタグランジンおよびロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出する(下記参照)。 これらの化学伝達物質は、身体内において炎症性の応答を引き起こすことができる。 これらの炎症性応答は、気管支収縮、咳き込みおよび喘鳴などの喘息の徴候および症状と結び付けられている。 アレルゲンおよび汚染因子などの居住環境性の空中浮遊汚染物質への暴露を低減する装置は、住居および公共施設の環境設定において有用であり得る。 空気清浄技術は、周囲空気流を高性能微粒子除去エア(HEPA)フィルタに通すことにより、空中浮遊粒子を取り除く上で非常に効果的である。 しかしながら、HEPA濾過システムの効率は、その装置が使用されている環境の空気の流れの動力学に依存する。 汚染された周囲空気と濾過された空気との混ざり合いは、例えば浄化された個人的呼吸ゾーンを提供することにおけるHEPA濾過の最終的な効率を低下させる。 浄化された個人的呼吸ゾーンを提供するいくつかの装置が報告されている。 WO第2008/058538号、米国特許第6,910,961号および米国特許第2008/0308106号は、個人的な空気清浄環境のための調整空気を提供すべく配置することが可能な、特殊な給気出口を開示している。 米国特許第2008/0307970号は、首に装着するタイプの装置を開示している。 米国特許第6,916,238号は、睡眠時間中に浄化された個人的呼吸ゾーンを提供する、密閉型の空気清浄天蓋(canopy)を開示している。 米国特許第7,037,188号は、睡眠時間中に浄化された個人的呼吸ゾーンを提供する、ベッド換気システムを開示している。 米国特許第6,702,662号は、TLAを利用して個人的呼吸ゾーンを提供する装置を開示している。 この装置においては、濾過された空気は2つの部分的な空気流に分割され、そのうちの一方は冷却され、もう一方は加熱される。 米国特許出願公開第2009/0247065号は、層状の空気の流れを送給するTLA装置を用いて微小血管の機能を改善するための装置および方法を開示しており、ここで、濾過された空気と周囲空気との温度差は0.3〜3℃である。 しかしながら、この使用法は、全く異なる治療分野、即ち、微小血管の機能に関するものであり、その上、その装置は、本発明で開示されている温度差よりもずっと大きく隔たった温度差を用いて作動する(米国特許出願公開第2009/0247065号の段落0016参照)。 これらのうちのいくつかの装置は、濾過された空気の流れを誘発および維持し、ケアすべきポイントを包み込むために、インパルス空気または強制吹込み空気を利用する。 しかしながら、これらの方法および装置は、不快な空気流、脱水、および濾過空気流速度の全体的に不充分な制御を伴う。 さらに、濾過された空気流が実質的に層状である場合でさえ、天蓋または囲いの不在下においては、時として高速度の強制吹込み空気が乱流による汚染された周囲空気の混入を必然的に引き起こす。 乱流による周囲空気の混入は、層状の空気の流れを誘発するために、衝撃力または吹込み力ではなく、重力を利用することにより回避することができる。 TLAの原理は、ケアすべきポイントでの供給空気と周囲空気との間での空気温度の差によって層流が誘発されるというものである。 周囲空気よりも高い密度を有する、濾過された低温空気の実質的に層状の流れはゆっくりと下降し、眠っている人の呼吸ゾーンを包み込む。 このTLAの原理は、ケアすべきポイントで測定したときの空気の流速を制御することに関する無類の能力を提供する。 温度制御装置の一部または全体が、層状の空気の流れを供給する送風装置の前側または後ろ側に位置付けされてよい。 TLAは、層流空気供給構造の境界制御および一方向性の配向をベースとしている。 ヒトの呼吸ゾーン内において冷却された供給空気と周囲空気との間に温度勾配(負の浮力)を導入することにより、安定した流動状態が維持される。 層流状の供給流内への周囲空気の乱流拡散を含むエントレインメントはここで最小限度に制限される。 濾過され、かつ冷却された層流状の空気(周囲空気よりも高い密度を有する)は、寝ている人の呼吸ゾーンを囲い込むようにしてゆっくりと下降する。 この下向きに差し向けられた変位流は、その空気の流れに実質的な影響を及ぼすことなく、空気流動経路内に存在する物理的な障害物を通過する。 自由かつ等温性のジェット流は、物理的な障害物に当たって跳ね返った後、推進力を失う。 これとは対照的に、冷却されたTLA空気は、物理的な障害物との相互作用にもかかわらず、その比較的低い温度を維持する。 したがって、TLAは、呼吸ゾーンから床面レベルまでの汚染物質の改善された除去状態を提供する。 アレルゲンおよび他の空中浮遊粒子は寝具類に堆積することがこれまでに実証されている。 本発明において、ベッドに横たわっている温かな人体は高濃度のアレルゲンおよび空中浮遊粒子を個人的呼吸ゾーンへ運ぶこととなる対流による流れを引き起こすことが見出された。 この現象は、室内空気清浄器を作動させることによる周囲空気中の粒子濃度の減少とは何ら無関係のようである。 したがって、室内空気清浄器システムは、典型的には、身体対流を変位させることができず、制御された個人的呼吸ゾーンを提供することができない。 制御された個人的呼吸ゾーンを提供する上で有効であることを目的として、TLA装置は、理想的には、体熱によって引き起こされた対流による流れを変位させるのに充分な速度を有する、実質的に層状をなす下降する空気の流れを提供する。 温かい人体は、0.1m/sを上回る上昇速度を有し、かつ身体レベルにおいて周囲空気を2℃ほども上回って高められた空気温度を有する、対流による空気の流れを引き起こす。 したがって、効果的なTLA装置は、典型的には、0.1m/sより高い速度であって、かつどのような場合においても、ベッドに横たわって眠っている人(または同様の状態にある人)の身体対流による流れを破断するのに充分な速度を有する、濾過された空気の下降する実質的に層状の流れを提供する。 しかしながら、濾過空気を過剰な速度で送給することは望ましくない。 空気流の速度が過剰になると気流を引き起こし、そのような気流は不快なだけでなく、脱水の原因にもなる。 気流および脱水を回避することは、患者による長期間のコンプライアンスを得る上で極めて重要である。 人体のむき出しの部分は、活発に活動していない間、または睡眠中には、空気の動きに極めて敏感である。 その上、下降する層状空気流の速度が速くなればなるほど、その層状空気流を制御し、かつ周囲空気の混入を伴うことなく、その空気流をケアすべきポイントへ差し向けるのが一層難しくなる。 TLA装置の場合、下降する空気流の速度は、ケアすべきポイントのレベルにおける、低温の濾過された供給空気と周囲空気との間での空気温度の差(即ち、密度の差)によって決定される。 その空気流には、出口ノズルでの抵抗に打ち勝つのに充分な最小限のインパルスが付与されるにすぎない。 市販のTLA装置としては、Airsonett PROTEXO(商標)、Airex M100(商標)およびEIU(商標)が挙げられる。 空気の清浄化、換気および他のアレルゲン予防手段に関してこれまでに行われてきた数多くの研究は、通年性のアレルギー性喘息患者に及ぼす効果については殆どまたは全く示しておらず(参考文献19参照)、これは、そこで得られたアレルゲンの低減が、気道炎症に影響を及ぼすのに充分な有意性を持っていなかったことを明瞭に示唆している。 ペットアレルギー性喘息を患っている患者に及ぼす空気濾過の効果に関して行われた2件の研究がKilburnらにより分析され、その結果、HEPA濾過ユニットはこれらの研究に参加した患者の健康状態を改善しなかった、と結論付けられた(参考文献20参照)。 Sheikhらによる研究では、通年性のアレルギー性喘息およびアレルギー性鼻炎に対してHEPA濾過空気を用いて行われてきたこれまでの介入研究は納得のいくものではなく、そのような方法の有効性に関する何らかの結論に到達するためには、より一層適切に設計された試行実験が必要であった、と結論付けられている(参考文献21参照)。 Global Initiative for Asthmaによるもっと最近の出版物においては、患者の家庭内において低レベルのアレルゲン環境を創出して室内アレルゲンへの暴露を低減させるための手段が、喘息の症状を低減する上で効果的であるかどうかに関して相反する証拠が存在する、と結論付けられている。 また、大多数の単一の介入は、これまで、臨床的改善をもたらす程に充分なアレルゲン負荷の低減を達成できておらず、単一の介入では、充分に費用効果の高いメリットを達成することができないであろう、ということも報告されている。 しかしながら、1件の研究においては、研究者らによる義務的な指導目的での家庭訪問、アレルゲン不浸透性カバーの使用、エアフィルタの使用、およびHEPAフィルタを有する真空掃除機の使用、ならびに専門家による害虫駆除を含む、包括的な室内環境介入は、アレルゲン負荷を低減し、喘息関連罹患率を低減させることが示されている(参考文献22の55頁参照)。 喘息およびアレルギーの治療におけるTLA装置の使用は、Airsonett AB社により刊行されたマーケティング用のパンフレットに開示されている。 このパンフレットは、個々の喘息患者と7人の成人アレルギー患者からなる1つの試験的研究での2つの症例報告からのデータを再掲している。 また、喘息の治療におけるTLAの使用はPedrolettiらによっても開示されており、そこでは、二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験により、通年性のアレルギー性喘息を患っていて、規則的にICS≧200μg/日のブデソニドまたは100μg/日のフルチカゾンを服用している22人の患者におけるTLA装置による付加的治療の使用は、プラセボと比較して、治療の10週間後、生活の質(アンケートのスコアに基づいて判定)の有意な上昇および気道炎症(呼気中の一酸化窒素に基づいて判定)の有意な減少をもたらすことが示された。 しかしながら、それらの結果は、治療法に関する何らかの推奨を可能にするには、もっと大規模な臨床試験での検証が必要である、と結論付けられている(参考文献23参照)。 この発明は、睡眠状況下または睡眠に相当する状況下にある間、喘息を患っている患者の呼吸ゾーンへ差し向けられる実質的に層状の空気流を供給するための、温度制御された層状空気流(TLA)の装置および方法、ならびにそれらの使用に関し、そのような装置および方法ならびに使用により、その日のうちの有意な期間、アレルゲンの回避が達成され、これにより、喘息の症状が低減され、または排除される。 TLA治療は、睡眠中、層状をなすアレルゲン不含の空気流を用いて、ベッドおよび室内環境に由来する汚染を垂直方向に変位させることにより、患者の呼吸ゾーン内のアレルゲン負荷を有意に低下させるように設計される。 その空気流は、濾過され、わずかに冷却され、患者に浴びせられる。 比較的高い密度を有することにより、その冷却空気はゆっくりと下方へ降下し、汚染物質を呼吸ゾーンから変位させる。 1件の比較対照臨床試行実験において、驚くべきことに、周囲空気よりも0.5〜1℃低い空気は、不快な気流を引き起こすことなく、温かい身体対流による流れを効果的に変位させ、これにより、アレルギー性喘息およびアレルギー性鼻炎の症状が低減されることが見出された。 その上、睡眠の質を改善することもできる。 制御された呼吸ゾーンを提供するための装置は当技術分野において公知であるが、そのような公知の装置はどれも、その装置を用いて、患者に不快な気流を課すことなく、喘息および鼻炎の症状を効果的に低減または排除することを目的として開示されたものではない。 また、本発明による装置を使用することにより、患者の睡眠の質を改善することもできる。 付加的に、本発明による装置を用いて、アレルゲン特異的IgEレベルを制御することもできる。 喘息という用語は通年性の喘息を含み、鼻炎という用語は通年性の鼻炎を含み、アレルギーという用語は通年性のアレルギーを含む。 本発明は、喘息患者における喘息および鼻炎の症状を低減または排除するための、簡便で非侵襲的な装置および方法ならびにそれらの使用を提供し、ここで、この文脈において用いられる患者という用語は、定期的に無症候性の人を含め、喘息、アレルギー性喘息および/またはアレルギー性鼻炎と診断されたあらゆる人を意味するものと解釈される。 また、本発明は、上述の患者における睡眠の質を改善するための方法、およびそのような目的での上述の装置の使用をも提供する。 さらに、そのような患者におけるアレルゲン特異的IgEレベルを低減させる(または、アレルゲン特異的IgEレベルの上昇を抑制する)ための方法も開示される。 また、上述の装置および方法ならびにそれらの使用に関係したビジネスを行うための方法も開示される。 1つの実施形態においては、本発明は、患者の周囲のあるゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、ケアすべきポイントで測定したときのアレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減することにより、措置を必要としている患者における喘息および/または鼻炎の症状を低減または排除するための方法を提供し、ここで、上述の処理空気は層流の様式で下降し、これにより、周囲空気の混入が実質的に防止されるものであり、この実施形態は、上述の処理空気ゾーンに送給される空気の空気温度がその処理空気ゾーンの周囲の周囲空気よりも0.5〜1℃低温(例えば、0.5〜0.9℃または0.6〜0.8℃低いなど)であり、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴としている。 別の実施形態においては、本発明は、患者の周囲のあるゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、ケアすべきポイントで測定したときのアレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減することにより、措置を必要としている患者における睡眠の質を改善するための方法を提供し、ここで、上述の処理空気は層流の様式で下降し、これにより、周囲空気の混入が実質的に防止されるものであり、この実施形態は、上述の処理空気ゾーンに送給される空気の空気温度がその処理空気ゾーンの周囲の周囲空気よりも0.5〜1℃低温(例えば、0.5〜0.9℃または0.6〜0.8℃低いなど)であり、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴としている。 なおも別の実施形態においては、本発明は、患者の周囲のあるゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、ケアすべきポイントで測定したときのアレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減することにより、措置を必要としている患者におけるアレルゲン特異的IgEレベルを低減する(または、アレルゲン特異的IgEレベルの上昇を抑制する)ための方法を提供し、ここで、上述の処理空気は層流の様式で下降し、これにより、周囲空気の混入が実質的に防止されるものであり、この実施形態は、上述の処理空気ゾーンに送給される空気の空気温度がその処理空気ゾーンの周囲の周囲空気よりも0.5〜1℃低温(例えば、0.5〜0.9℃または0.6〜0.8℃低いなど)であり、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴としている。 1つの実施形態においては、患者は、1日維持量のコルチコステロイドを服用する。 別の実施形態においては、本発明は、身体対流を変位させ、かつ制御された個人的呼吸ゾーンをもたらすための装置を提供する。 具体的には、患者の周囲のあるゾーンに処理空気を送給して処理空気ゾーンを生成することによって、アレルゲンおよび他の空中浮遊微粒子への暴露を低減することにより、措置を必要としている患者における喘息の症状を低減または排除するための少なくとも1つのフィルタを有する空気処理装置が提供され、ここで、上述の処理空気は層流の様式で下降し、これにより、周囲空気の混入が実質的に防止されるものであり、この空気処理装置は、上述の処理空気ゾーンに送給される空気の空気温度がその処理空気ゾーンの周囲の周囲空気よりも0.5〜1℃低く、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れが変位されることを特徴としている。 1つの好適な実施形態においては、本装置は、措置を必要としている患者における通年性のアレルギー性喘息などの喘息の症状を低減または排除するために使用される。 別の好適な実施形態においては、本装置は、措置を必要としている患者におけるアレルギー性鼻炎などの鼻炎の症状を低減または排除するために使用される。 なおも別の好適な実施形態においては、本装置は、措置を必要としている患者における睡眠の質を改善するために使用される。 なおも別の実施形態においては、本装置は、措置を必要としている患者におけるアレルゲン特異的IgEレベルを低減するため、またはそのようなIgEレベルの上昇を抑制するために使用される。 1つの実施形態においては、患者は、眠っている時間の間、本装置により発生させられる運転雑音をごくわずかにしか伴っていない状態で、制御された呼吸ゾーンを体験する。 1つのそのような実施形態において、患者は、時間的にもっと長い期間、例えば、これらに限定するものではないが、2週間、3カ月間、6カ月間もしくは12カ月間、または患者の人生の残りの期間、治療される。 図1に示されているように、眠っている体勢にある患者の温かい身体は、対流による空気の流れを発生させる。 制御された個人的呼吸ゾーンを効果的に提供することができるようにするため、本発明のTLA装置は、好適には、濾過空気の下降性の流れを提供し、その下降性の流れは、患者に不快な気流を課すことなく、図2に示されているように、これらの身体対流による流れに打ち勝つのに充分な速度を有する。 好適な実施形態においては、本発明による装置は、下降性で、かつ実質的に層状の濾過空気の流れを発生させることを目的としてTLAを利用する。 これは、汚染された周囲空気の混入を実質的に含まず、その一方で、身体対流を変位させることができる、制御された個人的呼吸ゾーンを提供する。 そのような装置により提供される処理空気ゾーンは空中浮遊微粒子数を95%より多く低減させることが可能であり、典型的には、ケアすべきポイントにおいて、少なくとも75%より高い低減率をもたらす。 1つの実施形態においては、0.5μmより大きな粒子のうちの95%より多くが取り除かれる。 1つの実施形態においては、本発明による装置は、呼吸ゾーンのネコアレルゲン濃度を30ファクター低減させ、また、呼吸ゾーンの粒子暴露総数を、0.5μmより大きな粒子に対しては3000ファクター低減させ、10μmより大きな粒子に対しては3700ファクター低減させる。 したがって、ケアすべきポイントにおけるペットの鱗屑(主に5μm未満)およびイエダニ(10μmより大きい)などのエアロアレルゲンへの暴露を効果的に低減させる。 1つの好適な実施形態においては、送給される空気と周囲空気との間での温度差は実質的に一定に維持される。 なおも別の好適な実施形態においては、上述の処理空気ゾーンは患者の頭部領域に制限される。 適切な装置は、以下の各構成要素:(1)空気入口、(2)フィルタ、(3)送風機、(4)空気温度調節システム、(5)空気温度制御システム、(6)給気ノズル、および(7)ハウジングを少なくとも1つ含む。 1つ以上の空気入口(1)は、好適には、本装置が使用される家屋の床面レベル付近(そこには最も冷たい空気の層が存在する)に配置される。 代替的に、空気入口を部屋のもっと高い場所に配置することもできるが、この場合、典型的には、比較的温かめの空気の層を冷却しなければならないため、結果的に比較的高いエネルギー消費量が必要になる。 好適には、それらの空気入口は、運転中、音波の放出を実行可能な最低のレベルに保つことができるような様式で構成される。 本装置のハウジングに含まれている開口の数が多ければ多いほど、患者が感知する雑音レベルが大きくなる。 いくつかの実施形態においては、空気入口は、消音器としても機能する前置フィルタを伴っていてよい。 別の実施形態においては、供給空気の究極的な濾過をもたらすHEPAフィルタを空気入口に直接的に据え付けてもよい。 フィルタ(2)は、好適には高性能微粒子除去エアフィルタであり、好適にはクラス11のHEPAフィルタ、または、ケアすべきポイントにおいて必要とされている場合には、もっと高いクラスのHEPAフィルタである。 別の実施形態においては、ケアすべきポイントにおいて不所望の粒子またはガスを濾過することができるように適合化されているあらゆる適切なフィルタ媒質または装置を使用することができる。 例えば、ガラス繊維および/またはポリマー繊維フィルタ、もしくは静電フィルタ、もしくはハイブリッドフィルタ(即ち、やって来る粒子の荷電処理および/またはそのフィルタ媒質)、もしくは放射線による方法(即ち、紫外光)、もしくは化学的および/または流体的な方法、もしくは活性炭フィルタまたは他の種々のタイプのフィルタのあらゆる組み合わせが挙げられる。 フィルタの有効性は、好適には、長期間にわたって高くかつ安定しているが、空気の流れに対する抵抗性、またはそのフィルタにより生成される「圧力降下」は、好適には、低く維持される。 フィルタによって生成される圧力降下が大きければ大きいほど、本装置のハウジング、空気送給用ノズルおよび他の部品、ならびに本装置のエアチャネルはそれだけ大きな送風機速度を必要とし、これは、ひいては、不所望の雑音を発生させることにつながる。 好適な実施形態においては、適切なフィルタの圧力降下は、一般に、50Pa未満である。 ガラス繊維またはポリマー繊維フィルタ媒質を使用したHEPAフィルタの好適な実施形態を用いるときには、圧力降下は、一般に、有効なフィルタ媒質面積を最大化することにより最小化される。 好適な実施形態においては、HEPAフィルタは、約0.5ミクロン〜2.0ミクロンの直径を有する、ランダムに配列された繊維、好適にはガラス繊維から成っていて、典型的には、多層フィルタを形成するために、セパレータ材料の周りを取り巻く濾過材料の連続的なシートとして配列されている。 濾過のメカニズムは、少なくとも遮断(ここでは、空気流内の流線となって粒子が繊維の半径1個分以内に入って来て、それに付着する);衝突(ここでは、大きな粒子が空気流の流動線によって繊維内に強制的に埋め込まれる);拡散(ここでは、気体分子がフィルタを通るそれらの経路内で妨害され、これにより、繊維による粒子捕獲の確率が高められる)を含んでいてよい。 いくつかの実施形態においては、フィルタ自体が給気ノズルを含んでいて、供給空気がそこから送給されてよい。 HEPAフィルタに対して代替的に、または補完的に、少なくとも加湿器または除湿機、イオン化装置、紫外光、またはケアすべきポイントにおいて有益な空気処理をもたらす他のシステムを含め、あらゆる適切な空気処理システムを使用することができる。 本発明による装置の好適な実施形態は、電子式フィルタ識別システムを含んでいる。 フィルタが粒子で詰まると、その有効面積が減少し、それに応じて、その圧力降下が増大する。 これは、結果的に空気流量の低下をもたらし、本装置の全体的な有効性を低減させる。 したがって、推奨サービスインターバルの期間内に患者がそのフィルタを交換することが好適である。 適切な使用を促進するため、好適な実施形態は、フィルタを交換すべきときにそれを知らせるフィルタ管理システムを備えている。 各フィルタに固有のIDを付けることができ、これにより、TLA装置は従前に使用されたフィルタと未使用のフィルタとを識別することが可能になる。 フィルタ識別システムは、RFID、バーコード、直接的な相互接続、フィルタ上の回路基板に設けられたiBUTTON(商標)回路などのアタッチメント等を備えることができる。 また、このシステムにより、フィルタに関するシリアルナンバー以外のデータを読み取ること、またはシリアルナンバー以外のデータを読み取って保存することも可能であろう。 例えば、そのフィルタのタイプによる最も適切な空気流についての情報をそのフィルタに設けておき、その情報をこのシステムで自動的に読み取ることができる。 送風機(3)は、充分に大きな空気の流れを送り、かつ本装置により発生させられた圧力降下に充分に打ち勝つだけの圧力を創出するのに必要な空気の流れを生成する。 送風機はあらゆる適切な設計の送風機であってよく、好適には、電気モータにより駆動されるファンインペラ/送風機ロータを含む。 好適な実施形態は、運転中、ごくわずかな雑音しか発生しないように構成されている。 送風機の雑音は、一般に、回転するロータのサイズを最大化し、かつ1分間当たりの回転数を最小化することにより最小化される。 好適な実施形態においては、上述のファンが本装置を通じる濾過空気の流れを発生させ、その流量は、500m 3 /h未満、例えば400m 3 /h未満などであり、好適には300m 3 /h未満、例えば250m 3 /h未満などであり、より好適には225m 3 /h未満、例えば200m 3 /h未満などであり、そしてさらに一層好適には175m 3 /h未満、例えば150m 3 /h未満などである。 温度調節システム(4)は、供給空気を冷却および/または加温する。 好適な実施形態においては、加熱と冷却の両方が熱電Peltierモジュールによってもたらされる。 当技術分野においては公知の如く、Peltierモジュールは、印加電圧の極性または動作電流の方向に応じて、加熱および冷却の両方をもたらすことができる。 いくつかの実施形態においては、加熱は電気ラジエータ、電気式対流放熱器または他のタイプの加熱方法によりもたらすことができ、一方、冷却は、コンプレッサにより(即ち、Carnotプロセスを用いることにより)、もしくは清水冷却により、または他の冷却手段によりもたらされる。 温度調節システムは、好適には、可能な限りわずかな圧力降下しか発生させず、また、好適には、温かくかつ湿度の高い状態で冷却するときに不所望の復水が起こるのを回避することができるように充分に大きな放射面を有しており、さらに、好適には、長期間にわたって安定していて、かつ供給空気温度の短期間変動が極めて小さい冷却力を維持することができる。 好適な実施形態においては、加熱/冷却はヒートパイプにより均等に分配される。 熱/冷温源までの距離が短い状態でヒートパイプに取り付けられているフィンは、その空気の流れの広い断面積をカバーすることができる。 熱/冷温源までの距離が短いため、比較的薄いフィンを用いて効率の良い熱交換を達成することができる。 それとは対照的に、もっと低い熱抵抗を有する比較的厚めのフィンは、熱源までの距離がもっと長いため、突き出たヒートシンクを用いることが必要になる。 したがって、このヒートパイプシステムは、結果的に低めの空気抵抗をもたらし、かつ圧力降下も極めて小さなものにする、比較的薄めのフィンを用いて、ある断面積の空気の流れに対して効果的に熱/冷温輸送を提供することができる。 さらに、ヒートパイプを用いることによる熱/冷温源までの距離の短さは、均等に分配された表面温度を導き、これにより、フィンの単位面積当たりの熱輸送がより一層効率的なものになる。 これは、比較的小さな温度差を導き、これにより、復水がそれらのフィンのもっと低い温度の領域に堆積してしまうというリスクが低減される。 当業者であれば、種々の異なる温度調節スキームを用い得ることが容易に理解されよう。 熱電冷却器(TEC)を利用するシステムの場合には、過剰な熱は、受動的または能動的な対流や、能動的な液体冷却を含め、様々な様式で放散させることができる。 好適な実施形態は、揺らぎがごくわずかにしか存在しない状態で、ケアすべきポイントのレベルにおける周囲空気との比較での供給空気の空気温度の差を安定的に維持することができる。 空気温度の差の揺らぎは、好適には測定誤差限界の範囲内に保たれ、好適には±0.1℃以内に保たれる。 この安定した空気温度の差は、好適には、約0.5〜1℃の範囲内における何らかのポイントにおいて維持される。 このようにして、下降する空気流の速度は、過剰な速度(不所望の気流を創出する速度)と充分な速度(身体対流による流れを破断するのに過不足のない速度)との間で「微妙にバランスを保つ」ことができる。 温度制御システム(5)は、ケアすべきポイントのレベルにおいて測定したときの、ケアすべきポイント(即ち、眠っている人の呼吸ゾーン)を包み込む下降性の供給空気流と周囲空気との間での安定した空気温度の差を維持する。 1つの好適な実施形態においては、温度制御システムは、2つのセンサと制御ユニットとを含んでいる。 一方の温度センサは、温度調節装置(4)のすぐ後ろの供給空気チャネルに配置されている。 第2のセンサは、個人的呼吸ゾーンのレベル(但し、実効的な供給空気の流れの外側)における周囲空気を測定することができるような様式で配置されている。 制御ユニットは、好適には、上述の2つのセンサから得られるデータを収集し、温度差を最適な範囲内に維持すべく、Peltier素子に加えられる電圧を調整するようにプログラムされている。 センサは、好適には、正確な空気温度測定を行えるようにするために、表面から放たれるあらゆる種類の放射線から保護されている。 好適には、センサは、高い感度を有していて、かつ極めて小さな許容誤差(±0.05℃)を有する。 給気ノズル(6)は、周囲空気の混入がごくわずかにしか存在しない状態で、実質的に層状の供給空気の流れを送給する。 供給空気流の速度がケアすべきポイントのレベルにおける周囲空気からの空気温度の差によって決定されることを目的として、供給空気は、好適には、ノズルの抵抗に打ち勝つのに過不足のない速度(即ち、動的圧力)でノズルから出る。 供給空気のこの初期的な動的圧力は、重力のみ(即ち、空気温度の差)がさらなる降下速度を決定するポイントに到達するまで、周囲空気の静的圧力によって急速に小さくなる。 ノズルは、好適には、ごくわずかな抵抗しか有しておらず、これにより、供給空気は極めて小さな動的圧力でノズルから出ることができ、したがって、なおも前述の事実により、空気温度の差のみがさらなる降下速度を決定するポイントは、供給空気流がケアすべきポイントに到達するよりも充分に前に到達する。 いくつかの実施形態においては、ノズル(6)は、給気ノズルの一体的な部分または供給空気を送給する単独の部分としての1つ以上のフィルタ(2)により置換されてよく、またはそのようなフィルタ(2)と組み合わせて作られていてよい。 広範囲にわたる様々なノズルの形状およびサイズを使用することができる。 しかしながら、供給空気の初期速度が周囲空気の静的圧力によって遅速化される割合はノズルの形状によって影響される。 ピッチ長さは、周囲空気の静的圧力の累積効果が、ノズル内の抵抗に過不足なく打ち勝つインパルスを用いて流れに設定された供給空気の動的圧力を相殺する、ノズルの表面からの距離を表す。 好適には、適切なノズルは極めて小さなピッチ長さを有する。 これは、重力(即ち、空気温度の差)がケアすべきポイントよりも充分に上側のポイントにおいて下向きに流れる空気流の速度を制御することを可能にする。 また、短いノズルピッチ長さは、供給空気流が周囲空気のごくわずかな乱れしかもたらさないことを確実化し、これは、ひいては、供給空気が静止して動かない周囲空気と会合したときに生じる乱流を最小化することにつながる。 好適な実施形態においては、ノズルピッチ長さは、ケアすべきポイントの充分に前側で終了する。 好適には、ピッチ長さは、0.2m/s未満の空気速度により定めた場合、空気送給装置から20cm未満の範囲内にあるべきである。 どのような場合においても、ピッチ長さは、好適には、給気ノズルとケアすべきポイントとの間の距離よりも長くない。 実際のピッチ長さを決定する主な要素は、ノズルの形状およびノズルを形成している材料の組成である。 1つの好適なノズルがWO第2005/017419号に記載されており、この公開公報は、参照によりその内容全体が本明細書に組み入れられる。 そこで開示されているような実質的に球状の形状をなす空気送給用ノズルは、空気の流れが同一であるとすれば、平らな空気送給用ノズルに比べ、大きめの有効動作面積に対する要求を満たしやすい。 しかしながら、平らな形状または球状のどちらの形状のノズルであっても使用することができる。 実質的に球状の形状は、コンパクトであるという利点を有する。 さらに、その形状は、空気の流れを漸増する表面積へ余儀なく分配する。 これは、空気速度の減少が供給空気と周囲空気との間での摩擦によるという理由から、ピッチ長さを低減させる。 その球状の表面は、ノズルの中心からの距離のおおよそ二乗に従って増大する表面へ供給空気流を分配する。 漸増する表面積は、その速度をおおよそ1/(ノズルの中心からの距離の二乗)に従って余儀なく減少させ、その球形ノズルに短いピッチ長さを伴う本来的特質を与える。 これとは対照的に、平らな形状の送給用ノズルは、一定の分配表面積での空気の流れを発生させ、それに相応して比較的長いピッチ長さをもたらす。 ピッチ長さが極めて小さく、かつ周囲空気の擾乱度が低いという同様の特性を持ったあらゆる代替的なノズルを使用することができる。 図3は、本発明による装置の1つの好適な実施形態を描いている。 周囲空気(流動する空気を示す影付きの矢印により記号表示されている)は、ハウジング(7)の底部における床面レベルに配置されている空気入口(1)を通じて取り込まれる。 取り込まれた空気はフィルタ(2)により濾過され、送風機(3)の作用により推進される。 空気温度調節装置(4)は、濾過された供給空気流の冷却と加熱の両方を行うことができるように構成されている。 本装置は、ヒートパイプを介して2つのセットのフィンに接続された可逆的電圧極性を有するPeltier素子を含んでいる。 一方のセットのフィンは、主に、供給空気流に冷却効果を分配する機能を果たし、もう一方のセットのフィンは、主に、Peltierモジュールによって発生させられた過剰な熱を放散する機能を果たす。 空気温度調節装置(4)の一部または全体がフィルタ(2)および/または送風機(3)の前側に配置されていてよい。 また、空気温度調節装置(4)の一部または全体が、本装置の他の部分、例えばノズル(6)などに配置されていてもよい。 温度制御装置(5)は制御ユニット(矩形)と2つのセンサ(円形)とを含んでいる。 一方のセンサは供給空気流内に配置されており、もう一方のセンサは、個人的呼吸ゾーンのレベル(但し、供給空気流の外側)における周囲空気の温度を測定することができるような様式で配置されている。 本制御ユニットは、上述のセンサから空気温度測定による情報を伝えられ、ケアすべきポイントのレベルにおける供給空気と周囲空気との間での安定した空気温度差を維持すべく、温度調節ユニットを制御する。 供給空気は、極めて小さなインパルスしか伴わずに、送風機(3)の作用によりノズル(6)から駆出される。 図4は、1つの好適な実施形態の空気温度調節装置(4)をさらに詳しく示している。 図4Aは、突き出たヒートシンクを伴ったTECシステムを示している。 このシステムでは、TEC(9)は、突き出たヒートシンク(8)をインターフェース連結することにより、発生させられた冷却効果を一方の側へ分配する。 TECのもう一方の側では、熱が同様の突き出たヒートシンク(10)へ放散される。 図4Bはヒートパイプシステムを示している。 ここでは、TEC(12)が、少なくともTECと同じ面積を有する接続ブロック(14)にインターフェース連結している。 ここから、冷却効果がヒートパイプ(13)によりフィンへ輸送される。 暖温側(15)では、同じ様式で熱が移送される。 Peltier素子は、通常、それらの部品のでこぼこした表面を補償することによって熱インターフェースの熱伝導性を増大させる熱グリースまたは熱パッドを備えている。 図5は、空気温度調節ユニットにより発生させられた過剰な熱を放散させるための代替的なシステムを示している。 TECシステムを用いる1つの好適な実施形態においては、過剰な熱は、図5aに示されているように対流により、もしくは図5bに示されているように放射により、もしくは図5cに示されているように能動的な対流により、または図5dに示されているように能動的な液体冷却により放散させることができる。 これらの代替的なシステムは、単独で作用してもよいし、または組み合わせて(即ち、対流を放射と組み合わせることにより)作用してもよい。 図6は、図3に示されている好適な実施形態のノズル(6)の機能状態を描いている。 WO第2005/017419号に、ノズルの機能状態の1つの概略図が示されている。 供給空気は、当初、ノズル内の抵抗に過不足なく打ち勝つ約0.2m/sという非常に小さな速度でノズルから強制的に送り出される。 この球状の表面は、供給空気流を、ノズルの中心からの距離のおおよそ二乗に従って増大する表面積へ分配する。 周囲空気との摩擦がこの空気流の速度をピッチ長さまで低減させ、その後に生じるさらなる供給空気流の下降は空気温度の差(重力)により決定される。 図7は、制御された個人的呼吸ゾーンの提供において使用される好適な実施形態のいくつかの代替的な配置構成を描いている。 球状もしくは平らな形状または他の形状であってよい空気送給用ノズルは、図6aおよび6dに示されているように、ケアすべきポイントの真っすぐ上方に配置することができる。 また、ノズルは、図6bに示されているように、わずかに傾け、かつケアすべきポイントの中心からわずかにずらして配置することもできる。 さらに、ノズルは、図6cに示されているように、インパルスをケアすべきポイントに向かって水平に差し向けて、ケアすべきポイントの脇に配置することもできる。 すべての設定において、重力(温度差)が、(最初の強制インパルスが周囲空気との摩擦により相殺された後の)実質的に下向きに差し向けられた空気の流れを定める。 下向きに差し向けられた供給空気流は、図1に示されているような対立する身体対流を変位させるのに充分な速度を有する。 ノズルとケアすべきポイントとの間の好適な距離は、好適には、約20cm〜80cmの範囲内である。 米国特許第6,702,662号に記載されているTLA装置の1つの実施形態を用いて行われた、TLA装置を使用した積極的治療とプラセボ治療とを比較する、未発表の多施設独立二重盲検ランダム化52週間並行臨床試験において、我々は、気流(下降する空気流の速度が過剰であることにより引き起こされる)を回避し、その一方で、温かい身体対流による流れを変位させることが不可能になる(処理された空気流の速度が不充分であることにより引き起こされる)ことも回避し、同時に、周囲の汚染空気の混入も最小限に抑制しながら、喘息の症状を低減または排除することを可能にする、比較的狭い範囲の条件が存在することを見出した。 喘息およびアレルギーの治療におけるTLA装置の使用は、Airsonett AB社により刊行されたマーケティング用のパンフレットに開示されている。 喘息に関して言えば、このパンフレットは、喘息患者での2つの症例報告からのデータを再掲している。 また、TLA装置を用いる喘息の治療はPedrolettiらによる出版物にも記載されている(参考文献21参照)。 しかしながら、供給される処理空気と周囲空気との間での最適な温度差に関しては何ら情報が与えられておらず、また、温かい身体対流による流れをどのように変位させるのかについての情報や、その空気流により引き起こされる気流をどのように回避するのかについての情報も何ら与えられていない。 さらに、これらのうちのどの研究も、臨床的提言を立証する力を有していない。 実際、Airsonett ABにより刊行されたパンフレットは、わずか7人の参加者を有する1件の研究と、それぞれたった1人の被検者に基づく2件の症例報告に関するものである。 Pedrolettiらの研究はもっと多くの試験被検者を含んでいるが、その出版物において、臨床的な提言をなすにはもっと大規模な試行実験が必要であると強く主張されている(参考文献21参照)。 本発明の根拠となった研究において、驚くべきことに、個人的呼吸ゾーンのレベルにおける、濾過された下降性の層状空気と周囲空気との間での最適な空気温度の差が、約0.5〜1.0℃の範囲内に収まることが見出された。 この研究は、ICS投薬療法に加えて行われるTLA装置での治療が効果的に気道炎症の低減をもたらすことを裏付けた。 好適な実施形態においては、単一の濾過された空気流が温度調節にかけられ、その濾過空気の空気温度は、個人的呼吸ゾーンのレベルにおける供給空気と周囲空気との間での空気温度の差を最適な範囲内に維持するため、温度制御システムによって慎重に調節することができる。 空気温度の調節をもたらすために使用されるTECの可逆的な極性は、供給空気流が代わる代わる冷却または加熱されることを可能にし、これにより、下降する空気流の速度に関して必要な微細に調整された制御がもたらされる。 別の実施形態において、本発明はビジネスを行う方法を提供する。 指定された治療に対するノンコンプライアンスが医療費に及ぼす影響は莫大である。 その額は、米国だけで年間770億ドル〜3000億ドル(直接的な経費だけを対象とするのか、生産性の損失などの間接的な経費も含めるのか、含める経費の対象範囲によって決まる)であると見積もられている。 患者のコンプライアンスは、慢性疾患の長期的な治療における主要問題である。 指定された投薬計画に対する患者のノンコンプライアンスは、危険な健康上の帰結を伴い得る、効果のない治療管理になりかねない。 喘息などの慢性疾患に対して使用される特定の処方薬の場合においては、ノンコンプライアンスは、病院の救急診療部へ頻繁に来院することとなる可能性があり(米国では、2001年、年間に約180万件)、ときには患者の死亡をもたらすことさえあり得る(米国では、2002年に4,200人の患者が喘息の発作で死亡した)。 これらの患者に対するさらなる帰結としては、罹患率の増大、治療の失敗、疾患の悪化、およびさらに一層頻繁な医師の受診が挙げられる。 これとは別に、長期欠勤および仕事での生産性の損失から生じるコストを社会が負担することになる。 したがって、コンプライアンスを容易に観察することができ、これにより、患者の臨床転帰および生活の質を高めながら医療費を節約することが可能な治療に対する、満たされていないニーズが存在する。 FDAおよびEMEAによる規制当局の認可後、または管轄団体によるCEマークの発行後においても、その助成されたマーケットへの参入は、多数のゲートキーパーが、現今、リインバースド・プロダクトとしてのそのマーケットへの参入を裏付けるための包括的な証拠を要求するという点において、今日、なおも規制されている。 ゲートキーパーは、French National Authority for Health(CNEDiMTS)や、イギリスのNational Institute of Clinical Excellence(NICE)および米国のMedicareなどの国家のゲートキーパーから、米国のMedicaidや、ドイツのStatutory Health Insurances(krankenkassen)や、スウェーデンのCounty Councils(landstingen)およびイギリスのPrimary Care Trusts(PCT)などの地域のゲートキーパーまで、多岐にわたって存在する。 上述の様々なゲートキーパーの要件に準拠するため(これにより、金額に見合った価値を提供する製品だけが償還方式に通される)、本TLA装置は、ランダム化された二重盲検プラセボ対照試験に供された。 この試験は、償還を斟酌する関係当局に医療経済モデルの一部として提出されることとなる、新たな革新的結果をもたらした。 国家レベルと国際的なレベルとの両方でそのビジネスを実施するためのこの方策の使用は、新規かつ有用であると考えられる。 1つの実施形態においては、本発明はビジネスを行う方法を提供し、そこでは、コンプライアンスを改善することに対するニーズが対象とされている。 コンプライアンスおよびTLA装置の適切な使用を観察するため、電子装置が本マシンの開始、使用時間数および使用日時に関する情報を収集する。 TLA装置が医師または他の医療サービス専門家の指示に従って使用されていない場合には、何らかの電子装置、例えば、これらに限定するものではないが、電話、コンピュータまたはPDAなどで、患者に警報が発せられる。 この発明の別の部分は、医療サービス提供者がコンプライアンスを見守り、適切な様式で使用されなかったTLA装置を回収する可能性や、償還方式を中止する可能性を伴って、医療費が最適な様式で計上されているのを確認することを可能にする。 別の実施形態においては、1つ以上の空気処理装置またはそれらの装置の使用についての言及や、一般的な室内空気の濾過または特定の処理空気ゾーンを提供する装置を使用して空中浮遊微粒子への暴露を低減することにより、患者における喘息および/または鼻炎の症状を低減または排除することができるという主張、記述または指示を、マニュアル、広告、添付文書、および/またはMedicare、Medicaidおよび民間健康保険への申請用紙に含めることができる。 1つの実施形態においては、上述の処理空気ゾーンは、TLA装置を用いて生成され、好適には、下降する層状の空気流を提供することができ、これにより不快な気流および周囲空気の混入を回避することができるTLA装置を用いて生成される。 そのような1つの実施形態においては、上述の処理空気と周囲空気との間での温度差は、0.5〜1.0℃の間、例えば0.5〜0.9℃または0.6〜0.8℃である。 別の実施形態においては、患者は通年性のアレルギー性喘息および/または鼻炎、例えばアレルギー性鼻炎を患っている。 上述の種々の好適な実施形態は例示を目的としたものに過ぎず、添付の特許請求項により定められているとおりの本発明の範囲を限定することを意図したものではない。 実施例1:喘息の治療に関する臨床試験 動物の鱗屑および/またはイエダニに感作された通年性のアレルギー性喘息を患っている患者における喘息症状の程度を低減させることに関するAirsonett Airshower(AA)TLA装置とプラセボ装置との効力を比較するため、臨床試験を実施した。 この臨床試験の一次的な終点は、喘息の症状の発現を反映するミニ-AQLQ/PAQLQスコアであった。 ミニ-AQLQ/PAQLQインスツルメントは、グループレベルでのプライマリーケアにおける研究およびケアの質に関する観察に適した、充分にシンプルでかつ確固とした手段として一般に受け入れられている。 二次的な終点として、FENOを減少させ、かつPEFおよびFEV 1を増大させることに関して、ならびに鼻炎の症状(鼻詰まり、鼻漏およびくしゃみ)および睡眠の質に関してプラセボ装置と比べたAAの効力が比較された。 さらに、試験開始から試験終了までのRAST/ImmunoCAP値、即ち、アレルゲン特異的IgEレベルおよび好酸球数を低減させることに関する効力についても調べた。 本試験は、AA TLA装置を用いる積極的治療とプラセボ治療とを比較する多施設独立二重盲検ランダム化52週間並行試験として実施された。 道義的な理由から、患者のランダム化は、それぞれ、積極的治療およびプラセボ治療への2対1の振り分けで行われた。 患者は1回目の訪問でランダムに振り分けられて試験に組み入れられ、組み入れの2〜4週間後に装置が据え付けられた。 この慣らし運転期間の間に、患者は患者用喘息日記の使用に慣れ、本試験への参加要件を順守する様式について理解を深めることができた。 最初の3カ月間は不変の維持投薬が維持され、4カ月目〜12カ月目の投薬はGINA(Global Initiative for Asthma)2006のガイドラインに基づいて行われた。 組み入れ時にベースライン測定値が評価され、その後、AAを用いる積極的治療/プラセボ治療が52週間にわたって実行された。 本試験のタイムラインの概要については図8に示されているタイムラインを参照のこと。 本試験の患者母集団は、喘息であることが確定していて、かつ1つ以上のアレルゲン(動物の鱗屑および/またはイエダニ)に対してアレルギーを示すことが実証されており、さらに、200〜1200μg/日のブデソニドまたは同じ効き目を有する吸入コルチコステロイド(ICS)で維持されている、7歳から70歳までの男女の患者から構成された。 本試験への組み入れ時に、患者は、GINA 2006によって部分的に管理された喘息に関する1つ以上の特徴を有していなければならない、という条件が付されていた。 また、患者は、本試験への組み入れ時に、ミニ-AQLQ/PAQLQで測定された≦5.5の最大スコアも有していなければならない、という条件も付されていた。 AA積極装置およびAAプラセボ装置が試験物として使用された。 プラセボ装置においては、フィルタはバイパスされ、また、冷却機能はオフにされて、空気が呼吸ゾーンに到達しないようになっていた。 これらの装置はAirsonett ABにより指定された独立した個人により据え付けられ、接続された。 臨床要員または試験監視要員は誰もこのランダム化リストを利用しなかった。 したがって、本臨床試験で用いられた手順は以下のとおりであった。 本試験への組み入れおよびベースライン測定の後、AAを用いる積極的治療/プラセボ治療が52週間にわたって実行され、それらの治療は以下の試験パラメーターを伴って行われた:年齢、性別およびベースライン測定時の喘息の重症度別の、総計ミニ-AQLQ/PAQLQ、FENO、FEV 1 、PEF、FEF 50 (50%の肺活量における努力呼気流量)、ACT、アレルゲン特異的IgE、悪化数、入院および鼻炎の症状(RQ)。 データ解析は、次の項目:ミニ-AQLQスコアおよびPAQLQスコア、FENO値、FEV 1 、PEFおよびFEF 50における差に関して、積極的治療とプラセボ治療との間での有意差を比較するのに有用な統計計算から構成された。 悪化数、特異的IgE、ICSの使用、SABAおよびLABA、入院、鼻炎の症状、欠席日数/欠勤日数および睡眠の質における差についても調べた。 7回目の訪問と1回目の訪問との間(図8参照)でのAQLQ(ミニ-AQLQおよびPAQLQ)スコアにおける差は、治療、ベースラインスコア、年齢、病歴および場所に合わせて調整し、かつLOCF技術を用い、共分散分析法(ANCOVA)を使用して評価された。 7回目の訪問と1回目の訪問との間での睡眠の質の改善は、ミニ-AQLQにおける特定の質問に基づいて、上述の方法で評価された。 7回目の訪問と1回目の訪問との間(図8参照)でのFENOの差は、治療、ベースライン測定での値、年齢、病歴および場所に合わせて調整し、かつLOCF技術を用い、共分散分析法(ANCOVA)を使用して評価された。 本試験は、第18回World Medical Assembly, Helsinki, Finland, 1964により採択されたヒト患者を組み入れる生物医学研究へ医師を誘導する提言およびその後の改定、ICHガイドラインおよび良好な臨床的実践に従って実施された。 個々の患者における喘息治療の効力を評価する際、その患者を成功例と見なすためには、ミニ-AQLQまたはPAQLQにおける少なくとも0.5の最低限のスコア改善が必要であった。 アレルギー性鼻炎と診断された部分母集団は、この母集団におけるTLA治療の効力の評価を可能にする患者グループのうちの一部であった。 0.5未満の改善(およびスコアの低減)を報じた患者は失敗例と見なされた。 本試験の期間中(図8参照)、ミニ-AQLQスコアおよびPAQLQスコアの変化が観察された。 患者母集団の包括解析(ITT)用に、ベースラインとの比較における12カ月後に得られたスコアの改善が表1に示されている。 少なくとも0.5のスコア改善を有するTLA治療グループの患者の割合は、少なくとも0.5のスコア改善を有するプラセボグループの患者の割合、即ち、喘息の症状が低減されているプラセボグループの患者の割合よりも有意に高い、と結論付けることができる。 *統計は、欠測値を帰属させるためにLast Observation Carried Forwardを用いて実施された。 数個のアレルゲンに感作されている患者(即ち、1つより多くのアレルギーを有する患者)と12カ月間の治療後におけるミニ-AQLQ/PAQLQ応答者率に及ぼすTLA治療の効果との間に正の相関が観測された。 表1に示されている結果に加え、1つもしくは2つより多くのアレルギーを有する部分母集団においてはますます多くの患者が少なくとも0.5のスコアの改善を示した。 したがって、本発明において開示されているTLA治療は、複合型のアレルギーを患っている患者においてますます効果的であると思われる(表2参照)。 *統計は、欠測値を帰属させるためにLast Observation Carried Forwardを用いて実施された。 代替的な方法論(欠測データの帰属を伴わない、Mixed Models)を用いる一次的効力データセットの解析は、GINA治療ステップ4(即ち、患者はより多くのコントローラー投薬を受ける)における患者が、GINAステップ2または3(参考文献22の59頁参照)における患者の場合と比べ、高められた治療効果を有するという結果を伴って、ベースラインでの喘息治療の強度とミニ-AQLQ/PAQLQスコアに及ぼすTLA治療の効果との間の有意な相互作用を実証した。 また、治療強度レベルは、高い強度の投薬(GINAステップ4における患者サブグループ)を受けている管理不良の喘息患者の場合には、それに対応するプラセボ治療を受けている患者母集団の場合と比べて、比較的高い割合の患者が≧0.5のミニ-AQLQ/PAQLQスコアの増大を達成していることから、TLA治療の効力との相関を示すこともできた(表3参照)。 *統計は、欠測値を帰属させるためにLast Observation Carried Forwardを用いて実施された。 本試験期間中(図8参照)、FENOレベルの変化が観察された。 患者母集団の包括解析(ITT)用に、ベースラインとの比較における12カ月後に得られたFENOレベルの変化が表4に示されている。 このデータから、TLA治療は、プラセボグループと比較したときに、FENOレベルの有意な改善をもたらす、と結論付けることができる。 *統計はObserved Caseを用いて実施された。 本試験期間中(図8参照)、睡眠の質の改善が観察された。 患者母集団(年齢が12歳またはそれ以上)の包括解析(ITT)用に、ベースラインとの比較における12カ月後に得られた睡眠の質の改善が表5に示されている。 このデータから、TLA治療は、プラセボグループと比較したときに、睡眠の質の有意な改善をもたらす、と結論付けることができる。 *統計は、欠測値を帰属させるためにLast Observation Carried Forwardを用いて実施された。 本試験期間中(図8参照)、アレルギー性鼻炎を患っている患者部分母集団における症状が観察された。 患者母集団の包括解析(ITT)用に、ベースラインとの比較における12カ月後に得られたAQLQ応答者率における改善が表6に示されている。 *統計は、欠測値を帰属させるためにLast Observation Carried Forwardを用いて実施された。 全体的な母集団に比べ、アレルギー性鼻炎母集団における治療グループ間には相対的に大きな差が存在し(%単位で15.9対14.8、表1参照)、これは、アレルギー性鼻炎を有する患者に有益な効果があることを実証している。 さらに、この効果は、GINAガイドライン(参考文献22参照)による治療強度3および4を有する患者を含む特定の患者グループにおいても観測されている。 したがって、驚くべきことに、患者を不快な気流に晒すことなく、その一方では、汚染された周囲空気の混入を結果的に極めてわずかにしながら、ケアすべきポイントに周囲空気の温度よりも0.5〜1℃低い温度で処理空気を送給するTLA装置を用いることにより、アレルギー性喘息およびアレルギー性鼻炎の症状を低減することができ、かつ睡眠の質を改善することができる、ということが見出される。 喘息は、イエダニおよびペットの鱗屑中に存在するものなどのよくあるアレルゲンに対するIgE抗体が存在するか存在しないかによって、アトピー性または非アトピー性に分類することができる。 驚くべきことに、12カ月間のTLA治療はエアロアレルゲン特異的IgEの増加を防止した。 以下の表7は、ネコおよびDermatophagoides farinaeのアレルゲンに対する臨床試験から得られたImmunoCAPの結果を示している。 したがって、患者を不快な気流に晒すことなく、その一方では、汚染された周囲空気の混入を結果的に極めてわずかにしながら、ケアすべきポイントに周囲空気の温度よりも0.5〜1℃低い温度で処理空気を送給するTLA装置を用いるTLA治療はIgEレベルを有意に低減させることができる(または、IgEレベルの増大を有意に抑制することができる)、ということになる。 * Dermatophagoides farinaeはアメリカイエダニとしても知られている。 **統計はObserved Caseを用いて実施された。 さらに、プラセボ治療を対照として、積極的治療後における平均で0.31ポイント(95% CI 0.01、0.61)の増大を伴う、ミニ-AQLQ/PAQLQの症状ドメインに関してグループ間で有意差が存在した;ベースライン測定時に高い治療強度と症状管理が不良な状態とを有するサブグループにおいては、0.70(95% CI 0.13、1.26)。 また、通年性のアレルギー鼻炎を患い、かつ管理不良の喘息を伴ったGINAステップ4に属する患者として分類された患者のサブグループは、TLA治療およびプラセボ治療で、それぞれ、鼻炎の症状による活動の制限に関して、改善(TLA治療グループの場合には55%、プラセボ治療グループの場合には27%)または変化なし(TLA治療グループの場合には45%、一方、プラセボ治療グループの場合には50%)のいずれかを経験した。 プラセボ治療を受けたこのサブグループに属する患者のうちの23%が鼻炎の症状による活動の制限に関して悪化を経験し、一方、TLA治療を受けた患者のうちで上述の制限に関する悪化を経験したのは0%であった。 この試験において、本TLA装置は周囲空気よりも0.5〜1℃低い温度で空気を送給し、そして、この設定で、患者が気流を経験したという報告は1件もなかった。 実施例2:特定のTLA装置の配置構成を用いる喘息の治療 ベッドに横たわっている温かい人体は、高濃度のアレルゲンおよび空中浮遊粒子をその個人の呼吸ゾーンへ輸送する対流による流れを引き起こす。 図1に示されているように、眠っている人の温かい身体はそのような対流による空気の流れを発生させる。 図3に描かれている装置などのTLA装置は、図2に示されているように、これらの身体対流による流れに打ち勝つのに充分な速度を有する濾過空気の下降する流れを提供する。 処理空気ゾーンへ送給される空気の空気温度は、その処理空気ゾーンを取り巻く周囲空気よりも0.5〜1℃低く、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れの変位がもたらされる。 そのような装置により提供された処理空気ゾーンは、空中浮遊微粒子数を95%より多く低減させることができる。 汚染された周囲空気の混入を実質的に不含のそのような制御された個人的呼吸ゾーンの生成は、患者を不快な気流に晒すことなく、通年性のアレルギー性喘息の症状を低減し、または排除することができる。 実施例3:特定のTLA装置の配置構成を用いるアレルギー性鼻炎の治療 ベッドに横たわっている温かい人体は、高濃度のアレルゲンおよび空中浮遊粒子をその個人の呼吸ゾーンへ輸送する対流による流れを引き起こす。 図1に示されているように、眠っている人の温かい身体はそのような対流による空気の流れを発生させる。 図3に描かれている装置などのTLA装置は、図2に示されているように、これらの身体対流による流れに打ち勝つのに充分な速度を有する濾過空気の下降する流れを提供する。 処理空気ゾーンへ送給される空気の空気温度は、その処理空気ゾーンを取り巻く周囲空気よりも0.5〜1℃低く、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れの変位がもたらされる。 そのような装置により提供された処理空気ゾーンは、空中浮遊微粒子数を95%より多く低減させることができる。 汚染された周囲空気の混入を実質的に不含のそのような制御された個人的呼吸ゾーンの生成は、患者を不快な気流に晒すことなく、アレルギー性鼻炎の症状を低減し、または排除することができる。 実施例4:特定のTLA装置の配置構成を用いる睡眠の質の改善 ベッドに横たわっている温かい人体は、高濃度のアレルゲンおよび空中浮遊粒子をその個人の呼吸ゾーンへ輸送する対流による流れを引き起こす。 図1に示されているように、眠っている人の温かい身体はそのような対流による空気の流れを発生させる。 図3に描かれている装置などのTLA装置は、図2に示されているように、これらの身体対流による流れに打ち勝つのに充分な速度を有する濾過空気の下降する流れを提供する。 処理空気ゾーンへ送給される空気の空気温度は、その処理空気ゾーンを取り巻く周囲空気よりも0.5〜1℃低く、これにより、患者を不快な気流に晒すことなく、温かい身体対流による流れの変位がもたらされる。 そのような装置により提供された処理空気ゾーンは、空中浮遊微粒子数を95%より多く低減させることができる。 睡眠中に使用する場合、汚染された周囲空気の混入を実質的に不含のそのような制御された個人的呼吸ゾーンの生成は、患者を不快な気流に晒すことなく、睡眠の質を改善することができる。 参考文献1. Masoli M, Fabian D, Holt S, Beasley R. The global burden of asthma: executive summary of the GINA Dissemination committee report. Allergy 2004; 59(5): 469-78. |