ヒータ装置

申请号 JP2014250181 申请日 2014-12-10 公开(公告)号 JP2016109406A 公开(公告)日 2016-06-20
申请人 株式会社デンソー; 发明人 佐合 康弘; 加古 英章; 石川 公威; 生出 裕康; 関 秀樹;
摘要 【課題】表面 水 分の急激な沸騰、蒸発を抑制できる室内用ヒータを提供する。 【解決手段】ヒータ1は、室内に設置され目標 温度 に加熱される。ヒータ1は、制御装置21によって制御される。制御装置21は、目標温度に到達するようにヒータ1を加熱する通常制御部を有する。さらに制御装置21は、ヒータ1の表面に付着している表面水分を減少させるように抑制された電 力 によってヒータ1を目標温度より低い抑制温度に加熱する抑制制御部を有する。ヒータ1の起動が指令されると、抑制制御部によりヒータ1が加熱された後に、通常制御部によりヒータ1が加熱される。表面水分は、抑制温度によって減少する。よって、目標温度によって表面水分が急激な沸騰および/または急激な蒸発を発生することが抑制される。 【選択図】図1
权利要求

室内に設置され目標温度に加熱されるヒータ(1)と、 前記ヒータが前記目標温度に到達するように前記ヒータを加熱する通常制御部(42、165)と、 前記ヒータの表面に付着している分を減少させるように抑制された電によって前記ヒータを前記目標温度より低い抑制温度に加熱する抑制制御部(47、171)とを備え、 前記ヒータの起動が指令された後に、前記抑制制御部により前記ヒータが加熱された後に、前記通常制御部により前記ヒータが加熱されることを特徴とするヒータ装置。前記抑制制御部は、所定の抑制時間にわたって前記ヒータを前記抑制温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のヒータ装置。さらに、前記ヒータの表面に所定閾値を上回る量の水分が付着している濡れ状態を判定する水分判定部(44、163、164)を備え、 前記濡れ状態が判定されないとき、前記通常制御部により前記ヒータが加熱され、 前記濡れ状態が判定されるとき、前記抑制制御部により前記ヒータが加熱された後に、前記通常制御部により前記ヒータが加熱されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒータ装置。前記濡れ状態が判定されないとき、前記ヒータは、前記通常制御部により、第1時間をかけて前記目標温度に加熱され、 前記濡れ状態が判定されるとき、前記ヒータは、前記抑制制御部および前記通常制御部により、前記第1時間より長い第2時間をかけて前記目標温度に加熱されることを特徴とする請求項3に記載のヒータ装置。前記濡れ状態は、前記ヒータの表面における結露を推定することにより判定されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒータ装置。前記濡れ状態は、室内の内気温度、室外の外気温度、および室内の湿度の少なくともひとつに基づいて推定されることを特徴とする請求項5に記載のヒータ装置。前記濡れ状態は、前記ヒータの表面における水分を検出することにより判定されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒータ装置。前記ヒータは、車両の室内に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のヒータ装置。前記ヒータの表面は、水分の付着を抑制するための撥水性を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のヒータ装置。

说明书全文

ここに開示される発明は、室内に設置される室内用のヒータ装置に関する。

特許文献1−特許文献5には、室内に設けられ、人に温感を提供するヒータ装置が記載されている。ヒータ装置は、暖房用ヒータ装置とも呼ぶことができる。ヒータ装置は、電熱ヒータ装置とも呼ぶことができる。ヒータ装置の一形態は、輻射によって人に温感を与える輻射ヒータ装置とも呼ばれる。ヒータ装置のひとつの用途は、車両用である。特許文献1−特許文献5に記載されるヒータ装置は、室内に面して配置される。

特開2010−52710号公報

特開2012−56531号公報

特開2014−944号公報

特開2014−3000号公報

特開2014−189251号公報

室内に置かれた部材の表面、または室を区画する壁の表面には、分が付着することがある。例えば、窓やドアから雨またはが吹き込むことにより、表面上に水分が付着することがある。また、空気中の湿度に起因して、表面上に結露が生じることがある。例えば、結露は、室内の湿度と、壁の温度とに依存して生じる。また、車両においては、狭い室内と、外気の温度を伝えやすい構造とに起因して、結露が顕著な場合がある。また、車両の中には雨や雪が吹き込みやすいから、車室内の表面は濡れやすい。

ヒータ装置の表面上に所定量を上回る水分または水滴がある場合にヒータ装置が発熱すると、水分が沸騰し、蒸発する。このとき、湯気が立ち昇ったり、臭いを生じることがある。このような現象は、利用者によって知覚されることがあるが、水分の沸騰および/または蒸発は、利用者によって知覚されないように抑制されることが望ましい。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、室内用ヒータ装置にはさらなる改良が求められている。

発明の目的のひとつは、ヒータ装置上の水分の沸騰および/または水分の急激な蒸発を抑制できる室内用ヒータ装置を提供することである。

発明の目的の他のひとつは、迅速な温感の提供と、水分の沸騰および/または水分の急激な蒸発に起因する不具合の抑制とを両立できる室内用ヒータ装置を提供することである。

ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。

開示される発明のひとつにより、ヒータ装置が提供される。発明は、室内に設置され目標温度に加熱されるヒータ(1)と、ヒータが目標温度に到達するようにヒータを加熱する通常制御部(42、165)と、ヒータの表面に付着している水分を減少させるように抑制された電によってヒータを目標温度より低い抑制温度に加熱する抑制制御部(47、171)とを備え、ヒータの起動が指令された後に、抑制制御部によりヒータが加熱された後に、通常制御部によりヒータが加熱されることを特徴とする。

この発明によると、ヒータの起動が指令されると、ヒータが加熱される。ヒータは、抑制された電力によって目標温度より低い抑制温度に加熱された後に、目標温度に加熱される。ヒータの表面に水分が付着している場合には、抑制温度によって水分が減少する。よって、ヒータの表面に付着している水分が、目標温度によって急激に加熱され、急激な沸騰および/または急激な蒸発を発生することが抑制される。

第1実施形態に係る輻射ヒータ装置を示す車両の断面図である。

第1実施形態に係る輻射ヒータの平面図である。

第1実施形態の制御システムを示すブロック図である。

第1実施形態の制御処理を示すフローチャートである。

第1実施形態の制御特性を示すグラフである。

第1実施形態の制御特性を示すグラフである。

第1実施形態の作動を示す波形図である。

発明の第2実施形態の作動を示す波形図である。

発明の第3実施形態の作動を示す波形図である。

図面を参照しながら、ここに開示される発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。

(第1実施形態) 図1において、この実施形態に係るヒータ装置は、輻射熱を利用するヒータ1を有する。ヒータ1は、ヒータ素子とも呼ばれる。ヒータ1は、道路走行車両、船舶、航空機などの移動体の室内に設置されている。ヒータ1は、住宅、事業所などの室内に設けてもよい。ヒータ1は、室内を少なくとも暖房する空調装置10の一部を構成している。ヒータ1は、移動体に搭載された電池、発電機などの電源から給電されて発熱する電気的なヒータである。ヒータ1は、薄い板状に形成されている。ヒータ1は、電力が供給されると発熱する。ヒータ1は、その表面と垂直な方向に位置付けられた対象物を暖めるために、主としてその表面と垂直な方向へ向けて輻射熱Rを放射する。

室内には、乗員12が着座するための座席11が設置されている。ヒータ1は、乗員12の足元に輻射熱Rを放射するように室内に設置されている。ヒータ1は、空調装置10の起動直後において、乗員12に対して即効的に暖かさを提供するためのヒータとして利用することができる。ヒータ1は、室内の壁面に設置される。ヒータ1は、想定される通常の姿勢の乗員12に対向するように設置される。例えば、道路走行車両は、ハンドル14を支持するためのステアリングコラム13を有している。ヒータ1は、ステアリングコラム13の下面に設置することができる。

ヒータ1は、その表面が室内に向けて露出するように設置されている。ヒータ1は、乗員12がヒータ1の表面に直接に触れることを阻止するためのカバー部材を有することなく、実質的に室内に露出している。ヒータ1は、金網や樹脂などで作られたカバー部材、または内装材料としての布地を、室内側に有していてもよい。

ヒータ1は、制御装置(ECU)21によって制御される。制御装置21は、ヒータ1への通電のON、OFF、および通電中の電力量を制御する。

図2において、ヒータ1は、ほぼ四形の薄い板状に形成されている。ヒータ1は、面状ヒータ、または平面ヒータとも呼ばれる。ヒータ1は、基板部2と、複数の電極3、4、5と、複数の発熱体6とを有する。電極3、4は、電力供給用の外部電極である。電極5は、複数の発熱体6を並列および/または直列に接続するための内部接続用の電極である。基板部2には、複数の電極5と、複数の発熱体6とが埋設されている。図中には、電極5と発熱体6とを示すために、ハッチングが付されている。ヒータ1は、主として表面と垂直な方向に向けて輻射熱Rを放射する面状ヒータとも呼ぶことができる。

基板部2は、優れた電気絶縁性を提供し、かつ高温に耐える樹脂材料によって作られている。基板部2は、表面を提供する。基板部2は、平板状に形成されている。基板部2は、設置場所の壁面に対応した曲面を与えられる。基板部2は、その形状を維持できる剛性を有している。基板部2は、壁面に沿うように変形するための可撓性をもつことができる。基板部2は、熱可塑性樹脂によって作ることができる。基板部2は、多層基板である。基板部2は、電極3、4、5および、発熱体6を支持するための部材である。

発熱体6は、基板部2の内部に埋設されている。よって、発熱体6は、基板部2の表面には露出していない。発熱体6は、基板部2によって保護されている。発熱体6は、基板部2の面と平行な薄い板状に形成されている。発熱体6は、通電によって供給される熱によって輻射熱Rを放射可能である。発熱体6は、所定の放射温度に加熱されることによって、乗員12、すなわち人に暖かさを感じさせる輻射熱Rを放射することができる。

電極3、4、5は、通電されたときに発熱体6より発熱量が少ない材料によって作られている。電極3、4、5は、複数の発熱体6へ均等に電流を分配できるように固有抵抗が低い材料によって作られている。電極3、4、5は、金属材料によって作ることができる。電極3、4、5は、錫合金によって作ることができる。電極3、4、5は、銅、銀、錫を含む合金によって作ることができる。また、電極3、4、5は、銅合金またはアルミニウム合金などの良導体材料によっても作ることができる。

発熱体6は、通電によって発熱する材料によって作られている。発熱体6は、金属材料によって作ることができる。発熱体6は、錫合金によって作ることができる。発熱体6は、銅、銀、錫を含む合金によって作ることができる。また、発熱体6は、ステンレス合金、ニッケル−クロム合金、アルミニウム合金などの電熱線材料によっても作ることができる。

この実施形態では、ヒータ1は、その表面に物体が接触すると、その物体への熱伝達によってその接触部分における温度が大幅に低下するように形成されている。物体としてヒトの体を想定することができる。ヒータ1は、短期間の接触時にヒトが過剰な熱により不快感を感じない温度にまで接触部分の温度が低下するように構成されている。

ヒータ1は、多様な構造によって提供することができる。従来技術として列挙された先行技術文献には、ヒータ1として利用可能な装置が記載されている。これら先行技術文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用される。

ヒータ1の表面は、水分の付着を抑制するための撥水性を有する。ヒータ1の表面には、撥水性の高い材料が用いられている。具体的には、水滴の接触角を100°以上にすることができるシリコン系、またはフッ素系の撥水材料が用いられている。ヒータ1の表面上に水滴が付着しても、水滴が流れ落ちやすい。これにより、ヒータ1の表面における保水量が抑制される。このため、ヒータ1が起動された直後における水の急激な沸騰および/または蒸発が抑制される。

図3は、制御システム20を示す。制御システム20において、制御装置(ECU)21は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。電子制御装置は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。電子制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。電子制御装置は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、電子制御装置によって実行されることによって、電子制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように電子制御装置を機能させる。電子制御装置は、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するための手段と呼ぶことができ、別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成として解釈されるブロック、または構成として解釈されるモジュールと呼ぶことができる。

電子制御装置が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、電子制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。

制御システムは、複数の信号源を有する。信号源はセンサまたは制御装置によって提供される。信号源は、情報を示す信号を出力する。信号は、独立した信号線を経由して、またはLANなどのデータ回線を経由して制御装置に入力される。制御装置は、信号が示す情報をメモリ装置に格納されることにより、情報を取得する。制御システムは、制御装置によって制御処理を実行する。制御システムは、制御処理によってひとつまたは複数の制御対象を制御する。

制御システム20は、ヒータ(HTR)1と、空調装置(A/C)10とを制御する。空調装置10は、室内を少なくとも暖房する。空調装置10は、さらに、冷房および/または換気を提供するように構成されてもよい。

制御システム20は、ヒータ1および空調装置10の起動を指令するための起動指令信号を制御装置21に供給する起動信号源(SW)22を備える。起動信号源22は、起動スイッチによって提供することができる。また、起動信号源22は、予め定められた時刻が到来すると起動指令信号を出力するタイマー装置、または、室内に利用者が入る前にヒータ1を予熱するために自動的に起動指令信号を出力するプレ運転装置によっても提供することができる。

制御システム20は、室内および室外の空調に関連する情報を制御装置21に供給する複数の信号源を備える。制御システム20は、室内の空気の温度を示す内気温度信号を制御装置21に供給するための内気温信号源(TR−SC)23を備える。制御システム20は、室外の空気の温度を示す外気温度信号を制御装置21に供給するための外気温信号源(TA−SC)24を備える。制御システム20は、室内の空気の湿度を示す湿度信号を制御装置21に供給するための湿度信号源(RH−SC)25を備える。湿度信号源25は、室内の部材表面における水分量を評価するための信号を制御装置21に供給する信号源でもある。制御システム20は、外部のシステムから、室内の部材表面における水分量を評価するために利用可能な情報を制御装置21に供給するための通信機(COMM)26を備える。制御システム20は、ヒータ1の目標温度信号を制御装置21に供給するための目標温度信号源(VR)27を備える。

制御装置21は、ヒータ1を制御するためのヒータ制御部(HTR−CNTM)31を備える。ヒータ制御部31は、ヒータ1へ供給される電力を制御する。制御装置21は、空調制御部(A/C−CNTM)32を有する。空調制御部32は、空調装置10を制御する。制御装置21は、空調装置10を制御することを主任務とする装置である場合がある。ヒータ制御部31は、制御装置21に付加的に加えられた制御部によって提供することができる。

ヒータ制御部31は、ヒータ1による出力を設定するための通常出力設定部(NML−SETM)41を備える。通常出力設定部41は、利用者が手動操作によって設定したヒータ1の目標温度に基づいて、ヒータ1が通常運転されるときのヒータ1の温度を設定する。目標温度は、目標出力とも呼ばれる。例えば、制御システム20は、ヒータ1の出力を高中低の三段階に設定する目標温度信号源27を備えることができる。通常出力設定部41は、目標温度信号源27に応答して、目標温度を設定する。ヒータ1は、輻射温度に加熱されることによって輻射熱を放射する。よって、通常出力設定部41は、輻射温度の範囲内において目標温度を設定する。

ヒータ制御部31は、通常制御部(NML−CNTM)42を備える。通常制御部42は、通常出力設定部41によって設定された目標温度に向けて迅速にヒータ1の出力が上昇し、維持されるように通常通電スケジュールを設定する。通常制御部42は、第1立ち上げ時間の間にヒータ1の温度が初期温度から目標温度に到達するように通電を制御する。第1立ち上げ時間は、ヒータ1に許容された最も速い立ち上げ時間である。第1立ち上げ時間は、利用者に対して迅速に温感を提供するために設定されている。

ヒータ制御部31は、電力制御部(EPW−CNTM)43を備える。電力制御部43は、ヒータ1への通電量を調節可能な電力制御回路を含む。電力制御部43は、通常制御部42によって設定された通常通電スケジュールに沿ってヒータ1への通電量、すなわち供給電力を調節する。

ヒータ制御部31は、水分判定部(WTR−DTMM)44を備える。水分判定部44は、ヒータ1の表面上に所定閾値を上回る水分が付着しているか否かを判定する。以下の説明では、「ヒータ1の表面上に所定閾値を上回る水分が付着している状態」を「濡れ状態」と呼ぶ。また、「ヒータ1の表面上に付着している水分」を「表面水分」と呼ぶ。

水分判定部44は、室内の壁の内面が濡れ状態であるか否かを判定しているともいえる。水分判定部44は、ヒータ1が起動されるときに、濡れ状態であるか否かを判定する。水分判定部44は、濡れ状態にある場合、水分検知信号を出力する。水分判定部44は、ヒータ1の表面に所定閾値を上回る水分が実際に付着しているか否かを検出するセンサおよび/または演算処理により提供される場合がある。水分判定部44は、ヒータ1の表面に所定閾値を上回る水分が付着しているか否かを推定ないしは予測するセンサおよび/または演算処理により提供される場合がある。水分判定部44は、雨または雪に起因する表面水分、および/または結露に起因する表面水分を評価するように構成される。

この実施形態では、水分判定部44は、結露に起因して濡れ状態であるか否かを判定する。言い換えると、水分判定部44は、ヒータ1が起動されるときに、壁の内面に所定閾値を上回る量の水分が付着しているか否か、または、壁の内面に所定閾値を上回る量の水分が付着する可能性があるか否かを判定する。水分判定部44は、結露判定部とも呼ぶことができる。

水分判定部44は、結露に起因して濡れ状態である場合、水分検知信号として結露信号を出力するように構成される場合がある。結露の有無および結露量は、ヒータ1の周辺の雰囲気が、ヒータ1の表面上に結露を生じる条件を満たしたことによって推定することができる。結露量は、水分量とも呼ばれる。一例では、水分判定部44は、内気温度、外気温度、および室内空気の湿度の少なくともひとつに基づいて結露量を推定する。これら温度および/または湿度は、空調装置10が備えるセンサを利用して取得することができる。一例では、水分判定部44は、ヒータ1が起動されるときの温度および/または湿度に基づいて結露量を推定する。

水分判定部44は、ヒータ1が起動される前の温度および/または湿度を含む履歴情報に基づいて結露量を推定するように構成される場合がある。一例では、水分判定部44は、先に利用者が部屋を退出したときの室内の絶対湿度と、退室後の内気温度または外気温度の変動量とに基づいて結露量を推定する。例えば、先の利用時における室内の絶対湿度と、先の利用時と今回起動時との室内温度の低下量とに基づいてヒータ1の表面上における結露量を推定することができる。

例えば、水分判定部44は、ヒータ1が起動される直前のヒータ1の周辺の温度および/または湿度に基づいて結露量を推定する。例えば、水分判定部44は、ヒータ1の起動より所定時間以上前からの温度および/または湿度の変化に基づいて結露量を推定する。例えば、水分判定部44は、ヒータ1が起動される直前のヒータ1の周辺の温度および/または湿度、およびヒータ1の起動より所定時間以上前からの温度および/または湿度の変化に基づいて結露量を推定する。具体的には、ヒータ1の起動直前の内気温および/または外気温が0℃以下である場合、所定閾値を上回る結露を肯定的に推定することができる。また、ヒータ1の起動直前の温度が0℃以下でなくても、数時間前に常温多湿、例えば内気温度が20℃、湿度が50%RH以上である場合には、所定閾値を上回る結露を肯定的に推定することができる。水分判定部44は、最後に車両が使われた時の温度センサ、湿度センサ、乗車人数の情報、天気の情報など、温度および/または湿度を予測できる情報を用いて車内に残留する水分量を予測する処理を含むことができる。この場合、水分判定部44は、室内に残留する水分量と、起動時における温度情報とに基づいて結露量を推定する。

水分判定部44は、外部のシステムから通信機26を介して制御装置21が取得する気象情報、現在地などを示す地理的情報に基づいて濡れ状態であるか否かを判定するように構成される場合がある。例えば、雨又は雪が降っている期間、雨又は雪が降った直後の所定期間、霧が生じている期間などにおいて水分判定部44は、濡れ状態であると判定するように構成される場合がある。このような気象情報は、気象情報サーバーなどから取得することができる。例えば、暖かい地域から寒い地域へ移動した後、湖の近くに駐車した後、寒冷地に駐車している場合などにおいて水分検知信号が出力される場合がある。一例では、水分判定部44は、カレンダーに基づいて結露が発生しうる季節であるか否かを判定し、結露が発生しうる季節である場合に水分検知信号を出力する。水分判定部44は、この明細書に記載された複数の手法のひとつを利用して、または複数を組わせて利用して、結露信号を出力するように構成される場合がある。

水分判定部44は、ヒータ1の表面上における実際の水分量を検出し、検出結果に応答して水分検知信号を出力するように構成される場合がある。一例では、水分判定部44は、ヒータ1の表面上における相対湿度が所定閾値を上回る場合に水分検知信号を出力する。一例では、水分判定部44は、ヒータ1の表面上に水滴が存在する場合に結露信号を出力する。水滴は、ヒータ1の表面上における電気抵抗値または静電容量値に基づいて検出することができる。電気的に水滴を検出する場合、ヒータ1の表面上に複数の検出電極を配置することができる。また、水滴は光学的に検出することができる。例えば、ヒータ1の表面における水滴の有無に対応した光の反射または屈折の変化を検出するように発光素子と受光素子とを配置することができる。この場合、湿度信号源25に代えて、水滴検出器を含む水滴信号源が設けられる。

この実施形態では、水分判定部44は、湿度信号源25が示す湿度と、内気温信号源23および/または外気温信号源24が示す温度とに基づいて、結露を推定し、水分検知信号を出力する。具体的には、内気温度をヒータ1の表面の温度とみなし、室内空気の湿度に基づいて、ヒータ1の表面の相対湿度が100%を上回ると判定される場合に、結露を肯定的に推定する。

ヒータ制御部31は、抑制時間設定部(TIME−SETM)45を備える。抑制時間設定部45は、ヒータ1の立ち上げ時間を第1立ち上げ時間より長くなるように遅延させるための抑制時間を設定する。抑制時間は、一定の時間、または可変の時間とすることができる。

抑制時間は、ヒータ1が目標温度を下回る抑制温度に加熱されることによって、表面水分の量を減少させることができる時間である。ヒータ1への突入電流を抑制するための時間など、電気的過渡現象に関連する時間より十分に長い。抑制時間は、数秒から数十秒に設定することができる。典型的な抑制時間の一例は、40秒である。

抑制時間が可変時間とされる場合、抑制時間は、表面水分の量の関数として与えることができる。この場合、抑制時間は水分量に応じて変化する。例えば、水分量が増えるほど、抑制時間は長く設定される。これにより、ヒータ1の表面上に付着している水分を減少させた後に、ヒータ1の温度を輻射温度に上昇させることができる。

上記水分量は、実際に検出された量、または推定された量とすることができる。また、水分量は、水分量を示す他の指標によって代替することができる。例えば、水分量は、多くの場合に内気温に依存する。そこで、上記水分量は、内気温で代替することができる。この場合、内気温が低くなるほど、抑制時間は長く設定される。

ヒータ制御部31は、抑制温度設定部(TEMP−SETM)46を備える。抑制温度設定部46は、ヒータ1の立ち上げ時間を遅延させる過程における抑制温度を設定する。抑制温度は、ヒータ1の表面上に付着している露をゆっくりと蒸発させるための温度である。抑制温度は、通常出力設定部41により設定される温度より低い。抑制温度は、一定の温度、または可変の温度とすることができる。

抑制温度は、ヒータ1が輻射ヒータとして機能しうる輻射温度より低い。抑制温度は、ヒータ1が本来の暖房機能を発揮する目標温度より低い。抑制温度は、表面水分を徐々に蒸発させる温度である。抑制温度は、表面水分を急激に沸騰させない温度である。抑制温度は、ヒータ1の常温より高い。抑制温度は、内気温度および外気温度より高い。抑制温度は、表面水分を減少させることができる温度である。

抑制温度が可変温度とされる場合、抑制温度は、水分量の関数として与えることができる。この場合、抑制温度は、水分量に応じて変化する。例えば、水分量が増えるほど、抑制温度は低く設定される。これにより、水分量が多いほど、低い抑制温度によってゆっくりと水分が減少させられる。このため、水分の激しい沸騰、蒸発が抑制される。

ヒータ制御部31は、抑制制御部(SPR−CNTM)47を備える。抑制制御部47は、ヒータ1の表面に付着している水分を減少させるように、通常制御部が設定する電力より抑制された電力によってヒータ1を目標温度より低い抑制温度に加熱する。抑制制御部47は、水分判定部44により濡れ状態が判定される場合、通常制御部42によって設定される通常通電スケジュールに代替するための抑制通電スケジュールを設定する。抑制通電スケジュールは、ヒータ1に供給される電力を、通常制御部42によって指令される通常電力より低くなるように抑制する。抑制通電スケジュールは、抑制時間と、抑制温度に基づいて設定される。抑制制御部47は、通常制御部42が設定する通常通電スケジュールよりもゆっくりとヒータ1の温度が上昇するように抑制通電スケジュールを設定する。抑制制御部47は、第1立ち上げ時間より長い第2立ち上げ時間の間にヒータ1の温度が初期温度から目標温度に到達するように通電を制御する。第2立ち上げ時間は、抑制時間と、抑制温度とによって特徴付けられる。

水分判定部44により濡れ状態が判定される場合、電力制御部43は、抑制制御部47によって設定された抑制通電スケジュールに沿ってヒータ1への通電量、すなわち供給電力を調節する。すなわち、ヒータ1の起動が指令された後に、抑制制御部47によりヒータ1が加熱された後に、通常制御部42によりヒータ1が加熱される。

第2立ち上げ時間が第1立ち上げ時間より長く設定されることにより、抑制通電スケジュールの下でのヒータ1の温度は、通常通電スケジュールの下でのヒータ1の温度より、長い期間にわたってより低い温度におかれる。この結果、表面水分は徐々に蒸発し、減少する。この結果、表面水分の沸騰と蒸発とが抑制される。これにより、表面水分の激しい沸騰および/または露の急激な蒸発に起因する不具合が抑制される。

図4は、制御装置21によって実行される制御処理160を示すフローチャートである。制御装置21は、ステップ161では、空調装置10のための空調制御を実行する。制御装置21は、ステップ162では、ヒータ1のためのヒータ制御を実行する。

制御装置21は、ステップ163では、表面水分の量が所定閾値を上回るか否かを判定するための水分判定演算を実行する。ここでは、ヒータ1の表面における相対湿度が100%を上回るか否かを判定するための演算が実行される。例えば、空気の湿度と、通電前のヒータ1の表面温度とに基づいて、表面温度における相対湿度が求められる。さらに、ステップ163では、ヒータ1が起動される前の停止時間に基づいて、表面水分の蓄積時間を推定する。ステップ163では、ヒータ1の表面における相対湿度が100%となっている状態を判定し、さらにその状態の継続時間を表面水分の蓄積時間とみなしてヒータ1の表面上に蓄積される表面水分の量を求める。

制御装置21は、ステップ164では、ヒータ1の表面上に所定閾値を上回る水分があるか否かを判定する。言い換えると、ステップ164の処理は、濡れ状態であるか否かを判定する処理である。ステップ163とステップ164との処理は、水分判定部44を提供する。これらステップ163、164は、上述の多様な処理のひとつを実行するように構成することができる。ステップ164において濡れ状態が否定される場合(NO)、制御処理160は、ステップ165へ進む。ステップ164において濡れ状態が肯定される場合(YES)、制御処理160は、ステップ171へ進む。

制御装置21は、ステップ165では、通常制御を実行する。制御装置21は、ステップ166では、通常出力を設定する。ここでは、目標温度信号源27から供給された目標温度信号に基づいて、通常出力が設定される。ステップ165は、通常出力設定部41を提供する。制御装置21は、ステップ167では、通常通電スケジュールを設定する。ステップ167は、通常制御部42を提供する。

制御装置21は、ステップ168では、通常通電スケジュールに沿ってヒータ1へ供給する電力を制御する。これにより、ヒータ1の温度は、迅速に目標温度、すなわち輻射温度まで上昇する。

通常通電スケジュールは、ヒータ1が初期温度から目標温度に到達するように加熱するために許容される定格の電力を供給するように設定される。通常通電スケジュールでは、比較的短い第1時間をかけてヒータ1が初期温度から目標温度に到達するように加熱される。通常通電スケジュールは、ヒータ1の耐久性に配慮しながら、迅速な温感を利用者に提供できるように設定される。

制御装置21は、ステップ171において抑制制御を実行する。ここでは、制御装置21は、ヒータ1の温度を通常制御よりゆっくりと時間をかけて上昇させる。制御装置21は、ステップ172では、抑制時間を設定する。ステップ172は、抑制時間設定部45を提供する。制御装置21は、ステップ173では、抑制温度を設定する。ステップ173は、抑制温度設定部46を提供する。制御装置21は、ステップ174では、抑制通電スケジュールを設定する。ステップ174は、抑制制御部47を提供する。

制御装置21は、ステップ168では、抑制通電スケジュールに沿ってヒータ1へ供給する電力を制御する。これにより、ヒータ1の温度は、抑制時間にわたって抑制温度を経由した後に、目標温度に到達する。抑制制御においては、通常制御よりもゆっくりと、ヒータ1が加熱される。

抑制通電スケジュールは、ヒータ1へ供給する電力を、通常制御における電力よりも抑制する。抑制通電スケジュールでは、第1時間より長い第2時間をかけてヒータ1が初期温度から目標温度に到達するように加熱される。抑制通電スケジュールは、表面水分の量が十分に減少された後に、ヒータ1の温度が目標温度に到達するように設定される。

制御処理は、ステップ171を経由した後に、ステップ165へ進む。これにより、ヒータ1の起動が指令された後に、抑制制御が実行された後に通常制御が実行される。

図5は、抑制時間設定部45およびステップ172における抑制時間TMの設定特性を示す。横軸は、水分量DWを示す。縦軸は、抑制時間TMを示す。水分量DWが増えるほど抑制時間TMは長く設定される。水分量DWが、水分量を減少させる必要がない下限値DW0を下回る場合、抑制時間TMは下限値TMLに設定される。この実施形態では、下限値TMLはゼロ(0)である。よって、表面水分があっても、その量がわずかである場合には抑制制御は実行されない。下限値DW0は、その水分量が急激に沸騰し蒸発しても、目立つ湯気、臭いを生じないような値に設定される。水分量DWが上限値DWU1を上回る場合、抑制時間TMは上限値TMUに制限される。抑制時間TMが長くなりすぎると、ヒータ1を利用する理由が薄れるからである。上限値TMUは、空調装置10による暖房より速く利用者に温感を提供できるように設定されることが望ましい。

図6は、抑制温度設定部46およびステップ173における抑制温度TPの設定特性を示す。横軸は、水分量DWを示す。縦軸は、抑制温度TPを示す。水分量DWが増えるほど抑制温度TPは低く設定される。水分量DWが、水分を減少させる必要がない下限値DW0を下回る場合、抑制温度TPは上限値TPUに設定される。上限値TPUは、通常制御において設定される目標温度である。よって、表面水分があっても、その量がわずかである場合には抑制制御は実行されない。下限値DW0は、その水分量が急激に沸騰し蒸発しても、目立つ湯気、臭いを生じないような値に設定される。水分量DWが上限値DWU2を上回る場合、抑制温度TPは下限値TPLに制限される。抑制温度TPが低くなりすぎると、ヒータ1を利用する理由が薄れるからである。下限値TPLは、表面水分の激しい沸騰と蒸発とを抑制しながら、抑制時間TMが経過した後に、迅速に目標温度に到達できるように設定されることが望ましい。

図7は、この実施形態によるヒータ1の作動の一例を示す。横軸は、時間を示す。上段は、起動信号源22から供給される起動信号を示す。下段は、ヒータ1の温度を示す。時刻t0においてヒータ1の起動が指令される。ヒータ1の温度は、初期温度TP0から、目標温度TPTへ向けて上昇する。

通常制御において、ヒータ1の温度は、波形CV0に図示されるように、急激に上昇する。波形CV0は、通常通電スケジュールに相当する。

抑制制御において、ヒータ1の温度は、波形CV0より遅延された波形を描くように上昇する。図中には、波形CV1、CV2が例示されている。

水分量DW1のとき、抑制時間TM1と抑制温度TP1が設定され、これらに基づいて抑制通電スケジュールが設定される。このとき、ヒータ1の温度は、波形CV1を描くように変化する。ヒータ1の温度は、ヒータ1の温度が抑制時間TM1の期間中、目標温度TPTより低い抑制温度TP1に抑制される。これにより、表面水分が徐々に蒸発する。これにより、表面水分が急激に沸騰することによる湯気、臭いといった現象が抑制される。

水分量DW2(DW1

図示されるように、濡れ状態が判定されないとき、ヒータ1は、通常制御部42により、第1時間をかけて目標温度TPTに到達するように加熱される。一方、濡れ状態が判定されるとき、抑制制御部47によりヒータ1が加熱された後に、通常制御部42によりヒータ1が加熱される。濡れ状態が判定されるとき、ヒータ1は、抑制制御部47および通常制御部42により、第1時間より長い第2時間をかけて目標温度TPTに到達するように加熱される。

この実施形態によると、ヒータ1の起動が指令されると、ヒータ1が加熱される。表面水分が検知されない場合、ヒータ1は、目標温度に向けて迅速に加熱される。よって、利用者に対して迅速に温感が提供される。一方、表面水分が検知される場合、ヒータ1は、抑制された電力によって目標温度より低い抑制温度に加熱された後に、目標温度に加熱される。抑制温度によって表面水分が減少する。このため、ヒータ1が目標温度に到達する時点における表面水分の量は、起動が指令された時点より少ない。よって、目標温度によって大量の表面水分が急激に加熱され、急激かつ大規模な沸騰および/または急激かつ大規模な蒸発を発生することが抑制される。

この実施形態によると、表面水分の沸騰および/または結露の急激な蒸発を抑制できる室内用ヒータを提供することができる。しかも、通常制御と、抑制制御とが選択されるから、迅速な温感の提供と、表面水分の沸騰および/または結露の蒸発に起因する不具合の抑制とを両立できる。この実施形態では、車両における狭い室内での表面水分の沸騰および/または蒸発が抑制される。よって、利用者が湯気、臭いなどに気づきやすい車両において、表面水分の沸騰および/または蒸発に起因する不具合を抑制できる。この実施形態では、物体が接触すると接触部分の温度が大幅に低下するヒータ1が採用される。このようなヒータ1は、高い目標温度を採用できる。この実施形態によると、高い目標温度が採用されても、表面水分の沸騰および/または蒸発に起因する不具合を抑制できる。

(第2実施形態) この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ヒータ1の温度が段階的に上昇する。これに代えて、ヒータ1の温度は連続的に上昇してもよい。

図8に図示されるように、抑制制御におけるヒータ1の温度は、波形CV21に図示されるように、初期温度TP0から目標温度TPTに向けて傾斜した直線に沿って上昇してもよい。この場合でも、通常制御における波形CV0に比べて、表面水分の沸騰と蒸発とが抑制される。また、ヒータ1の温度は、波形CV22に図示されるように、複数の傾斜した直線に沿って上昇してもよい。また、ヒータ1の温度は、波形CV23に図示されるように曲線に沿って上昇してもよい。これらの波形を採用しても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。

(第3実施形態) この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、通常制御と抑制制御とが採用される。これに代えて、抑制制御だけを採用してもよい。

図9に図示されるように、この実施形態では、濡れ状態であるか否かにかかわらず、ヒータ1の温度は、波形CV31に図示されるように、初期温度TP0から目標温度TPTに向けてゆっくりと上昇する。波形CV31は、利用者に対して、空調装置10よりも迅速な温感の提供を実現しながら、表面水分の急激な沸騰および/または蒸発を抑制するように設定されている。この実施形態によると、水分判定部44を備える必要がない。この実施形態によると、ヒータ1の起動が指令された後に、抑制制御部47によりヒータ1が加熱された後に、通常制御部42によりヒータ1が加熱される。この実施形態によると、温感提供の迅速性がやや損なわれるが、表面水分の急激な沸騰および/または蒸発に起因する不具合が抑制される。

(他の実施形態) ここに開示される発明は、その発明を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示される発明の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。

上記実施形態では、車両用のヒータ1を例示した。これに代えて、ヒータ1は家庭の室内、または事業所の室内に設置されてもよい。

上記実施形態において、ヒータ1の表面は、室内に向けて露出していてもよい。また、ヒータ1の表面には、耐熱性の内装材を配置してもよい。例えば、ヒータ1の表面には、内装材としての繊維材料、またはファブリック材を設けてもよい。

上記実施形態では、抑制制御は、抑制時間にわたってヒータ1の温度を抑制温度に維持する。これに代えて、抑制制御においては、抑制時間にわたってヒータ1へ供給する電力を抑制電力に維持してもよい。抑制電力は、抑制温度を実現するための標準的な電力とすることができる。

1 ヒータ、 2 基板部、 3、4、5 電極、 6 発熱体、 20 制御システム、 21 制御装置、 22 起動信号源、 23 内気温信号源、 24 外気温信号源、 25 湿度信号源、 26 通信機、 27 目標温度信号源、 31 ヒータ制御部、 32 空調制御部、 41 通常出力設定部、 42 通常制御部、 43 電力制御部、 44 水分判定部、 45 抑制時間設定部、 46 抑制温度設定部、 47 抑制制御部。

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