新生児用の照明装置を備えた保育器

申请号 JP2015225488 申请日 2015-11-18 公开(公告)号 JP6318134B2 公开(公告)日 2018-04-25
申请人 アトムメディカル株式会社; 发明人 若林 啓介; 鈴木 直樹; 佐久間 信介; 寶田 佳左; 松原 一郎; 松原 照巳;
摘要
权利要求

保育器本体の上部に透明な樹脂で形成された開閉できる前側フードと後側フードとが取り付けられると共に、マットレスを備えた臥床台を有する新生児の保育に使用される保育器であって、 前記保育器本体における前記後側フードの下端位置に相当する所要部位に光源を設け、 該光源からの光をフードの上面まで導光する導光体を後側フードの側面に沿って設け、 該導光体の上端部に導光された光が反射または拡散してフード内の収容室内に照射される反射板を設け、 前記光源は、前記後側フードを施蓋した状態において、前記導光体と対峙する位置に取り付けられていること を特徴とする照明装置を備えた保育器。前記光源としてLEDが使用されること を特徴とする請求項1に記載の照明装置を備えた保育器。前記導光体として、ロッド状の導光体、光ファイバーまたは板状の導光板が使用されること を特徴とする請求項1に記載の照明装置を備えた保育器。前記導光体の配設位置はフードの内側面または外側面のいずれであること を特徴とする請求項1または3に記載の照明装置を備えた保育器。

说明书全文

本発明は、例えば、生まれたばかりの新生児または乳幼児を保育するために使用される照明装置を備えた保育器に関するものである。

新生児または乳幼児を保育する保育器は複数のものが公知になっており、照明装置を備えた保育器も公知になっている。第1の公知技術に係る保育器は、新生児収容室の側壁とは分離した状態に設けられた透明な天井は、左右一対の支柱に支持アームで支持され、側壁上に載置または離隔して、収用室を施蓋または開放できるように上昇および降下するように構成されており、前記天井の外表面に遮光ガイドカバーが取り付けられた光線治療用光源と照明用光源とが固定され、前記支持アームや光線治療用光源や照明用光源等が不透明なカバーで覆われた保育器である(特許文献1参照)。

この第1の公知技術に係る保育器においては、光線治療用光源や照明用光源は、新生児収用室の天井に固定されており、天井との対向部以外の領域が遮光されているので、光線治療対象の新生児が収容されている保育器の近傍に位置する保育器内の新生児の目などに光線が及ぼす悪影響を防止することができ、光線治療以外の治療も施すことができるので処置者の作業が少なくて済み、また、光線治療用光源のためのみの電源が不要であり、医療施設の建設コストも高くならない、というものである。

また、照明装置を備えていないが有害な光線を遮蔽する機能を有する第2の公知技術としては、新生児を収容するベッド部と、該ベッド部を覆い複数の手入窓(処置窓)を有する保護カバーと、該保護カバー内の温度や湿度などを管理するためのコントロールパネルを備えた保育器であって、前記保護カバーは、構成成分として導電性酸化亜鉛を含有する透明なガラスで形成され、可視光線のみを透過し、放射線や電磁波などを遮断する保育器である(特許文献2参照)。

この第2の公知技術に係る保育器においては、新生児を収容するベッド部を覆う保護カバーを、構成成分として導電性酸化亜鉛を含有するガラスで形成することにより、この保護カバーが可視光線のみを不規則な屈折や乱反射を生じることなく透過し、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線、電子線、中性子線等を効果的に遮断するので、収容された新生児の目の発育や能の発達や育成状態に悪影響を与えることが少ない。また、この保護カバーは透明で熱伝導率が高く、内部の熱を適度に放散するので、熱のこもりに起因する雑菌繁殖のおそれがなく,内部に収容された新生児の顔色などを観察するときにも支障がない。さらに、保護カバーを構成するガラス自体が紫外線などの遮蔽機能を備えているため、表面損傷による機能低下や経時変化が発生せず、耐久性も優れている、というものである。

さらに、第3の公知技術は、早産児や新生児用の保育器に使用される保育器用フードであって、少なくとも前記保育器用フードの光を受ける面が、電圧の印加により波長が680nm以下の光透過を抑制する機能を有する調光エレクトロクロミック素子からなるフィルタを有している保育器用フードであり、該フードを備えた保育器である(特許文献3参照)。

この第3の公知技術に係る保育器においては、スイッチの入り切りによって、波長が680nm以下の光透過を抑制することができるため、新生児室内の照明を点灯した状態のまま、早産児や新生児の発育に効果的な明暗環境を作ることができる、というものである。

特開2010−207438号公報

特開2002−153523号公報

特開2014−200494号公報

前記第1の公知技術に係る保育器においては、頭部側および脚部側の側壁に治療処置用の一対の手入れ窓が設けられており、術者の手元を照らすためのライト(光源)がフード上面に取り付けられているので、保育器本体内部とは別に、フード上部の光源の放熱も考慮しなければならず、放熱設計が難しいという問題点を有している。また、ライトがフード上面に設置されていると、保育器全体の高さが大きくなって嵩張るという問題点も有する。さらに、フードの上面に位置するライトによって術者の視界が妨げられるばかりでなく、患者とライトとの間に術者の手が入るため,術者の手で影ができてしまい施術に支障を来すという問題点も有している。

また、照明装置を備えていない前記第2と第3の公知例に係る保育器においては、病室の室内灯を通常明るさに点灯させて治療処置を行わなければならず、例えば、その室内に複数の保育器が存在する場合には、他の保育器の新生児に睡眠(安眠)妨害を与えるという問題点を有することになる。

いずれにしても、前記第1〜3の公知技術に係る保育器においては、照明灯がフード上面に位置しているので、照明灯で術者の視界が妨げられて治療処置の問題点、保育器として嵩張ると共に放熱設計の問題点などを有している。

従って、この種の新生児の保育器においては、各個別に効率良く照明できるライトを備え且つ新生児の施術を行う事態が生じた時に、それに適正に対処するための照明と視界を遮ることなく施術が行えるようにすることに解決課題がある。

本発明は、前記課題を解決する具体的手段として、保育器本体の上部に透明な樹脂で形成された開閉できる前側フードと後側フードとが取り付けられると共に、マットレスを備えた臥床台を有する新生児の保育に使用される保育器であって、前記保育器本体における前記後側フードの下端位置に相当する所要部位に光源を設け、該光源からの光をフードの上面まで導光する導光体を後側フードの側面に沿って設け、該導光体の上端部に導光された光が反射または拡散してフード内の収容室内に照射される反射板を設け、前記光源は、前記後側フードを施蓋した状態において、前記導光体と対峙する位置に取り付けられていることを特徴とする照明装置を備えた保育器を提供するものである。

本発明に係る照明装置を備えた保育器において、光源としてLEDが使用されること;導光体として、ロッド状の導光体、光ファイバーまたは板状の導光板が使用されること;さらに導光体の配設位置はフードの内側面または外側面のいずれであること、を付加的な要件として含むものである。

本発明に係る照明装置を備えた保育器によれば、照明装置を小型化乃至コンパクト化したことによって、光源を本体部に設け、フードの側面に沿って導光体を配設することができると共に、反射板をフードの上面(天井面)に設置できるので、保育器として全体が嵩張らず且つ保育室の放熱機能まで考慮する必要がなく、特に、新生児に対する術者の視界を遮ることなく、視認性を向上させることができるという優れた効果を奏する。

さらに、本発明に係る保育器は、光源としてLEDを使用することで省電力を図ることができると共に、各個別に照明装置を点灯して治療処置ができるので、他の併設する保育器の新生児に悪影響を及ぼさないという優れた効果も奏する。

本発明の好ましい実施の形態に係る保育器の全体を示した斜視図である。

同実施の形態に係る保育器の前側フードを開いた状態を示した断面図である。

同実施の形態に係る保育器における要部の保育室部分を拡大して示した断面図である。

同実施の形態に係る保育器に係る要部の照明装置部分を示した説明図である。

本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。まず、図1〜図3において、本発明に係る保育器1は、酸素濃度および温度調整機能等を備えた本体部2の上部に、透明な樹脂で形成された開閉できる(取り外しを含む)フード3が配設されたものであり、好ましい実施例として前記フ−ド3は、厚みの狭い前側フード3aと厚みの広い後側フード3bとに分割され、それぞれは前後方向に開閉できるように、例えば、蝶番などにより回転可能に取り付けられており、前側フード3aと後側フード3bとの開口部側の当接部が開かないようにロック手段4によりロックされる構成になっている。

前側フード3aと後側フード3bには、それぞれ両手をフード3内に挿入して施術ができるように一対の手入窓が設けられ、該手入窓は、通常は軸受け部5を介して開閉自在に取り付けられた扉6により係止部7を係止させて閉塞されており、必要が生じた時にそれぞれ係止部7を外して扉6を開いて両手をフード3内に挿入することができるのである。なお、符号8は、各種調整機能を設定するためのボードであり、符号9はマットレスを備えた臥床台である。

上記説明の構成を有する保育器は、従来技術と略同様な構造であるが、本発明は、図3に示したように、フード3で囲われた保育室10内を照明するために、フード3における前後・左右のいずれかの内外側面、好ましい実施例では後側フード3bの内側面または外側面に沿って照明装置11を設けた構成に特徴が存するのであって、さらに、好ましくはフード3の内側面に沿って設ける。なお、本発明の照明装置11は、前記実施例に限らずフードを有する全ての保育器に取り付けることができるのである。

前記照明装置11は、図3と図4に示したように、ロッド状の導光体12と反射板13と光源14とから構成され、該光源14は、本体部2側に取り付けられたLEDからなるものであって、導光体12としては、ロッド状の他に、例えば、多数本の光ファイバーを束ねたものまたは板状の導光板(アクリル板等)が使用できる。また、導光体12の上端部でフード3の上面、例えば、後側フード3bの上面内側に取り付けられる反射板13としては、導光体12から入射した光を保育室10側に効率良く反射させるために反射面13aを湾曲させて形成するか、または、反射面を乱反射面に形成し、反射した光が保育室10において外部に漏れないように全面的に室内をソフトに照射するようにしても良いのである。このように形成することで、照明装置11として著しく小型化乃至コンパクト化することができるのである。

本体部2に取り付けられる光源14は、フード3の下端部が当接する所要部位、好ましい実施例では後側フード3bの下端部が当接する位置で、導光体12と対峙する位置の本体部2に取り付けられる。この場合に、光源14が本体部2から突出しないように、所要の凹部を設けて、その凹部内に取り付けられる。そして、さらに好ましくは、後側フード3bを施蓋した状態において点灯し、後側フード3bの解放時には自動的に消灯するように、スイッチ回路を配設しても良い。なお、本体部2には、各種調整機能の駆動および照明装置11を点灯させるためのバッテリー15が搭載され、常に正常な状態で、例えば、少なくとも3〜6時間程度は駆動状態が維持されるようになっている。また、これら電気系統部材はAC電源でもDC電源でも駆動できるのである。

このように構成されている保育器1においては、光源14を本体部2に設けることができるため、光源14の放熱も含めて本体部2における放熱設計を考慮すれば足りるのであり、また、反射面13aを湾曲させた反射板13を設けることで、小型でありながら反射光16を所望(必要な)の範囲に拡げて照明することができるのであり、施術の際に術者の視界を遮ることがなくなるばかりでなく、保育器として余剰に嵩張ることがないのである。

本発明に係る保育器1は、通常は育児室に設置して生まれたばかりの新生児を収容し、看護師が複数日に渡って面倒を見るようにしているが、仮に、新生児の状態に異変が生じた時に、その保育器のボードの対応するボタンを操作して照明装置11を点灯し、状態を確認できると共に、看護師の手に負えない異常状態であれば、医師を呼んで然るべき治療処置を速やかに行うことができるのである。この場合に、室内の電気を付けたりせずに治療処置ができるので、他の保育器の新生児に悪影響を及ぼさないのである。いずれにしても、各個別の全ての保育器1にコンパクトで治療処置において邪魔にならない照明装置11が取り付けられることによって、室内用または救急搬送用の全ての保育器として広く利用できるのである。

1 保育器 2 本体部 3 フード 3a 前側フード 3b 後側フード 4 ロック手段 5 軸受け部 6 扉 7 係止部 8 ボード 9 臥床台 10 保育室 11 照明装置 12 導光体 13 反射板 13a 反射面 14 光源 15 バッテリー 16 反射光

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