手動リフティングスリング装置

申请号 JP2017543389 申请日 2017-06-25 公开(公告)号 JP2018529390A 公开(公告)日 2018-10-11
申请人 黄 祖基; WONG, Cho Kee; 黄楊 慧珍; WONG YEUNG, Wai Jun Sabrina; 发明人 黄 祖基; 黄楊 慧珍;
摘要 底部支持部、後側支持部、左側ガード部及び右側ガード部、少なくとも2つのリフティングハンドル、左側折り畳み可能部分、及び右側折り畳み可能部分を含む手動リフティングスリング装置。前記手動リフティングスリング装置は、シート状である待機状態と、椅子の形である作業状態との間で切換え可能となるように配置される。 【選択図】図5G
权利要求

手動リフティングスリング装置であって、 好ましくは、織物で作製されてなり、 患者の臀部及び足部を支持する底部支持部と、 前記患者の背部を支持する後側支持部と、 それぞれ左右両側に位置する左側ガード部及び右側ガード部と、 左右両側に位置する左側折り畳み可能部分及び右側折り畳み可能部分と、を含み、 前記左側ガード部及び右側ガード部は、いずれも前記底部支持部と後側支持部に接合され、且つ前記左側ガード部と右側ガード部に、いずれも少なく2つのリフティングハンドルが設けられており、 前記左側折り畳み可能部分は、前記左側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部にそれぞれ接合され、前記右側折り畳み可能部分は、前記右側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部にそれぞれ接合され、 ここで、前記手動リフティングスリング装置は、待機状態と作業状態との間で切換え可能となるように配置され、前記切換えは、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分の所定変形、及び/又は前記ハンドルの所定操作又は動きにより行われ、 前記待機状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、完全又は少なくとも部分的に展開され、ほぼ二次元シート状となり、その全体又は少なくとも1つの所定作用部分が平坦な状態にあることで、巻上げ操作、スタッキング操作、保存操作、運搬操作、及び/又は、患者の下への挿入操作が容易となるように構成され、好ましくは、前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部及び/又は前記右側ガード部が同一平面にあり、 前記作業状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、一部が折畳まれてほぼ三次元の椅子の形となり、全体として立体状態にあることで、患者の着座及び/又は運搬操作が容易となるように構成され、好ましくは、前記底部支持部と前記後側支持部とは、第1所定傾斜で交差し、さらに、前記底部支持部と前記後側支持部は、いずれも前記左側ガード部と前記右側ガード部に第2所定傾斜角で交差し、さらに好ましくは、前記左側ガード部と前記右側ガード部とは、互いに平行で対向し、また、好ましくは、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分をそれぞれその中心軸に沿って折り曲げ、さらに前記左側ガード部及び前記右側ガード部と密着するようにそれらに向かって選択的に折り畳むことを特徴とする手動リフティングスリング装置。前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分(132,142)は、それぞれ前記手動リフティングスリング装置(100)の横端若しくはその幅方向の未端、及び/又は前記左側若しくは右側ガード部の中央部分に設けられ、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分は、前記待機状態である場合に、展開状態にあり、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部と同一平面にあり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線から横方向に突出しており、記作業状態である場合に、折り畳み状態にあり、折り畳み状態にある前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分は、ベルクロ(134,136,144,146)を介して左側ガード部(130)及び右側ガード部(140)と牢固に接続し、若しくは完全に密着し、若しくは互いに平行であり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線内に収められることにより、視覚的に隠れた状態、又は収納状態にあることを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記左側折り畳み可能部分(132)及び/又は前記右側折り畳み可能部分(142)は、ガイド縫合糸、事前に折畳まれたライン、及び/又は補強ストリップ(138,148)を有することにより、前記作業状態である場合に、折り畳み状態に自動的に変換しやすくなることを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部及び/又は前記右側ガード部の縁は、折畳まれ、事前に折畳まれ、及び/又は補強され;及び/又は前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部は、縫合により一体となることを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記底部支持部、後側支持部、前記左側ガード部、前記右側ガード部、前記左側折り畳み可能部分、及び/又は前記右側折り畳み可能部分は、人の体型にフィットするように切断し、且つ、皺が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記織物に標識を含み、及び/又は前記織物に、織物フィルム層若しくは不織布フィルム層、又は複数層の織物フィルム層若しくは不織布フィルム層をラミネートした複合層を含むことを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記織物の一側、両側、頂面及び/又は底面に、通気性がある非生分解性又は生分解性のフィルムが設けられることを特徴とする請求項1に記載の手動リフティングスリング装置。前記織物は、熱接着された非生分解性若しくは生分解性のランダム配向繊維、及び/又は流交絡若しくはニードルパンチにより形成された連続フィラメントウェブ若しくは短繊維ウェブを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の手動リフティングスリング装置。前記織物は、非生分解性又は生分解性の化学物質により接着された連続フィラメントウェブ又は短繊維ウェブを含み、前記化学物質は、ラテックス接着剤及び/又は粘着剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の手動リフティングスリング装置。各患者に専用の請求項1〜9のいずれか一項に記載の手動リフティングスリング装置を提供し、それを用いて各患者を運搬することを特徴とする運搬される患者間の交差感染の防止方法。

说明书全文

本発明は、リフティング装置に関し、具体的には、改良された手動リフティングスリング装置に関する。

病院では、通常、リフティングスリング装置を使用して患者又は身体障害者を運搬する。リフティングスリング装置を使用する際に、意外な事態の発生及び患者間の交差感染を回避することは重要な問題である。従来のリフティングスリング装置は、織物で作製され、且つ構造が複雑で、設計が合理的ではないため、製造コストが高かった。 そのため、本発明者が提出したCN103083138Aには、手動リフティングスリング装置が開示されている。実際に使用する際に、該手動リフティングスリング装置の立体的な構造は幾つかの問題を引き起こす場合がある。例えば、該手動リフティングスリング装置が椅子のような形状を採用するため、患者が位置制限用の左側ガード部と右側ガード部との間の空間内で正確に座らないと、ハンドルが患者の圧により変形して正常に使用できなくなる恐れがある。患者が無意識状態にあるか、又は自由に動けない場合に、2名の介護者が患者を該「椅子」に運搬する時に、追加の人員又は第3の介護者が予め該「椅子」を手で調整することにより、患者の着座を容易にし、全体の使用効率への影響を回避する必要がある。従って、該発明では、介護者が人手不足である場合に、使用しにくくなり、患者を頻繁に動かす必要があり、使用効率が大幅に低くなる問題がある。

本発明は、手動リフティングスリング装置であって、好ましくは、織物で作製されてなり、患者の臀部及び足部を支持する底部支持部と、前記患者の背部を支持する後側支持部と、それぞれ左右両側に位置する左側ガード部及び右側ガード部と、左右両側に位置する左側折り畳み可能部分及び右側折り畳み可能部分と、を含み、前記左側ガード部及び右側ガード部は、いずれも前記底部支持部と後側支持部に接合され、且つ前記左側ガード部と右側ガード部に、いずれも少なくとも2つのリフティングハンドルが設けられており、前記左側折り畳み可能部分は、前記左側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部にそれぞれ接合され、前記右側折り畳み可能部分は、前記右側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部にそれぞれ接合され、ここで、前記手動リフティングスリング装置は、待機状態と作業状態との間で切換え可能となるように配置され、前記切換えは、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分の所定変形、及び/又は前記ハンドルの所定操作又は動きにより行われ、前記待機状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、完全又は少なくとも部分的に展開され、ほぼ二次元シート状となり、その全体又は少なくとも1つの所定作用部分が平坦な状態にあることで、巻上げ操作、スタッキング操作、保存操作、運搬操作、及び/又は、患者の下への挿入操作が容易となるように構成され、好ましくは、前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部及び/又は前記右側ガード部が同一平面にあり、前記作業状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、一部が折畳まれてほぼ三次元の椅子の形となり、全体として立体状態にあることで、患者の着座及び/又は運搬操作が容易となるように構成され、好ましくは、前記底部支持部と前記後側支持部とは、第1所定傾斜で交差し、さらに、前記底部支持部と前記後側支持部は、いずれも前記左側ガード部と前記右側ガード部に第2所定傾斜角で交差し、さらに好ましくは、前記左側ガード部と前記右側ガード部とは、互いに平行で対向し、また、好ましくは、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分をそれぞれその中心軸に沿って折り曲げ、さらに前記左側ガード部及び前記右側ガード部と密着するようにそれらに向かって選択的に折り畳む手動リフティングスリング装置に関する。

幾つかの実施例において、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分(132,142)は、それぞれ前記手動リフティングスリング装置(100)の横端若しくはその幅方向の未端、及び/又は前記左側若しくは右側ガード部の中央部分に設けられ、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分は、前記待機状態である場合に、展開状態にあり、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部と同一平面にあり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線から横方向に突出しており、記作業状態である場合に、折り畳み状態にあり、折り畳み状態にある前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分は、ベルクロ(134,136,144,146)を介して左側ガード部(130)及び右側ガード部(140)と牢固に接続し、若しくは完全に密着し、若しくは互いに平行であり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線内に収められることにより、視覚的に隠れた状態、又は収納状態にある。

幾つかの実施例に係る本発明の手動リフティングスリング装置は、前記織物が紡績織物又は不織物である。

幾つかの実施例において、前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部及び/又は前記右側ガード部の縁は、折畳まれ、事前に折畳まれ、及び/又は補強され;及び/又は前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部は、縫合により一体となる。

幾つかの実施例において、前記底部支持部、後側支持部、前記左側ガード部、前記右側ガード部、前記左側折り畳み可能部分、及び/又は前記右側折り畳み可能部分は、人の体型にフィットするように切断し、且つ、皺が設けられている。

幾つかの実施例において、前記織物に標識を含み、及び/又は前記織物に、織物フィルム層若しくは不織布フィルム層、又は複数層の織物フィルム層若しくは不織布フィルム層をラミネートした複合層を含む。

幾つかの実施例において、前記織物の一側、両側、頂面及び/又は底面に、通気性がある非生分解性又は生分解性のフィルムが設けられる。

幾つかの実施例において、前記織物は、熱接着された非生分解性若しくは生分解性のランダム配向繊維、及び/又は流交絡若しくはニードルパンチにより形成された連続フィラメントウェブ若しくは短繊維ウェブを含む。

幾つかの実施例において、前記織物は、非生分解性又は生分解性の化学物質により接着された連続フィラメントウェブ又は短繊維ウェブを含み、前記化学物質は、ラテックス接着剤及び/又は粘着剤を含む。

本発明は、各患者に専用の請求項1〜9のいずれか一項に記載の手動リフティングスリング装置を提供し、それを用いて各患者を運搬する患者間の交差感染の防止方法をさらに提供する。

幾つかの実施例において、本発明に記載の手動リフティングスリング装置により体の不自由な患者を他の装置、例えば、車椅子又は担架に運搬することで、患者をまずある指定場所又は中間場所に移動させ、そして、患者を車椅子又は担架から移動してさらなる治療を行うことができる。このようにして、運搬の際に患者の体を直接移動することを回避できるため、患者の偶発的な負傷、例えば捻挫などを引き起こせず、患者の体との接触時間を短くし、感染のリスクを低減できる。

本発明が提供する手動リフティングスリング装置は、構造が簡単で、設計が合理的で、快適性が高く、コストが低いため、各患者に専用の手動リフティングスリング装置を提供することができる。また、本発明が提供する手動リフティングスリング装置は、応急手当、特に、様々な複雑な環境で適用されることが好ましい。それにより、患者を危険状況又は事故現場、例えば火災や建物が倒れた現場から迅速に運び出すことができる。救急車の担架が進入できないか、又は患者の移動に使用できない場所に適用される。これらの場合に、本発明の手動リフティングスリング装置は、効果的であり、その実用的な機能及び用途が実現されることができる。

以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。

従来技術の手動リフティングスリング装置の透視図である。

本発明の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置のリフティングハンドルの縫合方式の模式図である。

本発明の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の使用状態の模式図である。

本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の異なる様態での模式図である。

本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の使用方式又は過程の模式図である。

本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の異なる使用状態又は構成での模式図である。

以下、本発明の目的、技術案、及び利点を分かりやすくするために、図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。

本発明は、患者の体を支持して手動で運搬するための手動リフティングスリング装置に関する。場合によって、このような手動リフティングスリング装置は、担架としても使用できる。用語「手動リフティングスリング装置」、「スリング」、「リフティングスリング」、及び「担架」とは、介護者又は患者運搬者が頻繁に使用できるスリング又は担架をいい、本発明の明細書において互換的に使用できる。例えば、該装置によれば、患者を事故現場から近くにある救急車に運搬することができる。この場合に、該装置が「担架」と呼ばれてもよい。そして、患者をベッドから病院その他の場所に移動する場合に、該装置が「リフティングスリング装置」と呼ばれてもよい。

本発明は、手動リフティングスリングにより運搬される患者間の交差感染の防止方法も提供する。即ち、これらの患者が二人で非生分解性又は生分解性の手動リフティングスリングにより運搬され、ここで、各患者は、専用の手動リフティングスリング装置を有する。好ましくは、各リフティングスリング装置に標識を付けることにより、このスリングがどの患者の専用のものであるかを識別できる。他人に使用されるのを防ぐために、該リフティングスリングに持続性に優れたインクで標識を付けることができる。さらに、リフティングスリングの織物は、環境に優しい生分解性の重合体材料で作製される。これは、生分解性の不織布スリングのコストが、紡績スリングのほんの一部であり、ほとんどの人が手頃な価格で入手できるためである。従って、各患者に専用のスリングを提供することができ、患者間の交差感染を防止するとともに、該手動リフティングスリング装置の採用する環境に優しい織物材料を、例えば、CO2 およびH2Oに生分解することができ、及び/又は堆肥可能であるため、使用後に廃棄されたスリングを完全に自然に戻すことができるため、埋立地の使用を減らし、環境を汚染しない。

図1Aは、従来技術のものであって、本発明の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の基礎部分の透視図である。図1Aに示すように、手動リフティングスリング装置10は、織物で作製される底部支持部12、後側支持部11、左側ガード部13、及び右側ガード部14を含む。底部支持部12は、底部に位置し、患者の臀部及び足部を支持する。後側支持部11は、底部支持部12と傾斜角をなし、該患者の背部を支持する。後側支持部11の下側縁と底部支持部12の後側縁とが接合し、好ましくは、鈍角の傾斜角を成し、それにより、患者の該手動リフティングスリング装置10への着座を容易にする。後側支持部11と底部支持部12とは、等脚台形を形成することが好ましく、2つの比較的長い底辺が接合する。

左側ガード部13及び右側ガード部14は、それぞれ左右両側で患者を位置限定する。左側ガード部13及び右側ガード部14は、いずれも底部支持部12及び後側支持部11に接合する。幾つかの実施例において、左側ガード部13は、大体三角形であり、その1つの底辺が底部支持部12の左側辺に接続し、もう1つの底辺が後側支持部11の左側辺に接続する。同様に、右側ガード部14は、左側ガード部13に対応して構成されている。別の実施例において、図1Aに示すように、左側ガード部13は、底部支持部12又は後側支持部11にそれぞれ接合する2つの三角形からなり、それにより、手動リフティングスリング装置10により囲まれた空間が広げられる。該手動リフティングスリング装置10は、中心軸面に対して対称である。

左側ガード部13及び右側ガード部14のいずれにも、少なくとも2つのリフティングハンドル15が設けられている。例えば、本実施例において、左側ガード部13の上側及び下側にそれぞれ1つのリフティングハンドル15が設けられることにより、患者の背部及び足部領域のそれぞれに付勢する。同様に、右側ガード部14にも2つのリフティングハンドル15が設けられている。

好ましくは、底部支持部12、後側支持部11、左側ガード部13及び右側ガード部14の縁がいずれも折り畳まれ、及び/又は補強され、且つ上記各部位が縫合により一体となる。例えば、縁16を数回折り畳み、針と糸による縫合又は超音波による接着を行う。好ましくは、底部支持部12及び後側支持部11が人の体型にフィットするように切断され、例えば、皺18が設けられている。リフティングハンドル15が設ける領域17を補強し、例えば、織物に織物フィルムを別途設置するように厚くする。

さらに、該手動リフティングスリング装置10の織物に標識を付けることができる。例えば、ラベルを縫うか、又は持続性に優れたインクで文字を書いてもよい。例えば、ラベルに患者の名前、又は「清潔にしない」、「アイロンかけしない」、「乾燥させない」などの他の一般的な認識単語がラベルに記載することができる。

図2は、本発明の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の使用状態模式図である。患者が該手動リフティングスリング装置により囲まれた空間内に座り込み、スリングにより背部、臀部及び足部を支持される。二人で該手動リフティングスリング装置を運搬し、それぞれがスリングの各側の2つのハンドルをつかみ、1つのハンドルで患者の背部を支持し、もう1つのハンドルで座っている患者の臀部及び足部を支持する。

しかし、患者が無意識状態にあるか、又は自由に動けない場合に、患者を該手動リフティングスリング装置により囲まれた空間に座り込ませることが困難となる。例えば、患者の体重又は状態に応じて、一人又は二人の介護者により患者を該空間の上方に運搬し、さらに、患者を該空間内にゆっくりと放置する。この場合に、追加の人員又は別の介護者がスリング装置を「椅子」の形となるように手で調整することにより、ハンドル又は該空間が患者の圧力により変形して適切に機能しないため、患者の体を数回動かす必要があることを防止し、全体の使用効率を向上させる必要がある。そのため、介護者が人手不足である場合に、使用がにくくなり、使用効率が大幅に低くなる。

図3A-3Bは、本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の異なる使用状態での模式図である。図1Aと同様に、該手動リフティングスリング装置100も、患者の臀部及び足部を支持する底部支持部120と、前記患者の背部を支持する後側支持部110と、それぞれ左右両側に位置する左側ガード部130及び右側ガード部140とを含み、前記左側ガード部及び右側ガード部は、いずれも前記底部支持部及び後側支持部に接合し、且つ、前記左側ガード部と右側ガード部のいずれにも少なくとも2つのリフティングハンドル150が設けられている。

該手動リフティングスリング装置100は、左右両側に位置し、それぞれ前記左側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部に接合する左側折り畳み可能部分132と、前記右側ガード部、前記底部支持部、及び前記後側支持部に接合する右側折り畳み可能部分142とを、さらに含む。前記手動リフティングスリング装置は、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分の所定態様での変形により、さらに、好ましくは、所定の操作又は所定の態様で前記ハンドルを動かす(例えば、ハンドルを持ち上げ、及びその位置を復元するなど)ことにより、ほぼ二次元シート状である待機状態、中間状態(半シート-半椅子状態、又は特定の応用若しくは操作に適した一部シート-一部椅子の状態)、及びほぼ三次元の椅子の形である作業状態の間で切換え可能となるように配置される。

前記待機状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、完全又は少なくとも部分的に展開され、ほぼ二次元シート状となり、その全体又は少なくとも1つの所定作用部分(即ち、特定の操作に係る部分)が平坦な状態にあることで、巻上げ操作、スタッキング操作、保存操作、運搬操作、及び/又は、患者の下への挿入操作が容易となるように構成され(例えば、前記左側ガード部、前記右側ガード部、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側折り畳み可能部分、及び/又は前記右側折り畳み可能部分が平坦な状態にあることで、患者の特定の部位の下への挿入又は引出を容易にし、例えば、患者の腰部の下方に挿入する場合に、作用部分である前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分は、互いに平行又は垂直である。)、前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部は、好ましくは、同一平面にあるように構成され、このようにして、スリング装置を全体若しくは部分的に患者の下に挿入するか、又は患者の下から引き出す際に、突出部分が望ましくなく又は誤って患者の体若しくはその上の医療装置を牽引することはなく、患者に不快感を与えたり医療器具の変位を引き起こすことを回避でき、これにより従来技術の欠点が克服される。

前記作業状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、一部が折畳まれてほぼ三次元の椅子の形となり、全体として立体状態にあることで、患者の着座及び/又は運搬操作が容易となるように構成され、好ましくは、前記底部支持部と前記後側支持部とは、第1所定傾斜角で交差し、さらに、前記底部支持部と前記後側支持部は、いずれも前記左側ガード部と前記右側ガード部に第2所定傾斜角で交差し、さらに好ましくは、前記左側ガード部と前記右側ガード部とは、左右両側に互いに平行で対向する。また、好ましくは、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分は、それぞれその中心軸、ガイド縫合糸、事前に折畳まれたライン、及び/又は補強ストリップに沿って自動的に折り曲げ、さらに前記左側ガード部及び前記右側ガード部と密着するようにそれらに向かって選択的に折り畳む。

幾つかの実施例において、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分132、142は、それぞれ前記手動リフティングスリング装置100の横端若しくはその幅方向の未端、及び/又は前記左側若しくは右側ガード部の中央部分に設けられ、前記左側折り畳み可能部分及び/又は前記右側折り畳み可能部分は、前記待機状態である場合に、展開状態にあり、前記底部支持部、前記後側支持部、前記左側ガード部、及び前記右側ガード部と同一平面にあり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線から横方向に突出している。前記作業状態である場合に、折り畳み状態にあり、折り畳み状態にある前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分は、好ましくは、締め具及び/又は接続具(例えば、ベルクロ)を介して左側ガード部130及び右側ガード部140と牢固に接続し、若しくは完全に密着し、若しくは互いに平行であり、及び/又は前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の輪郭線は、前記左側ガード部及び前記右側ガード部の輪郭線内に収められることにより、視覚的に隠れた状態、又は収納状態にある。

幾つかの実施例において、前記左側折り畳み可能部分及び前記右側折り畳み可能部分の全体又は折り畳まれた状態の面積及びサイズは、それぞれ前記左側ガード部及び前記右側ガード部の約1/4〜1/2であり、且つ、それらの作業状態において、互いに類似又は整合する輪郭線を有し、それにより、視覚的に融合され、上記の隠れた効果を生じる。

図3Aに示すように、手動リフティングスリング装置100は、完全に展開され、その全体が平坦状態又は待機状態にある。図3Bに示す手動リフティングスリング装置100は、一部畳み込まれた半作業状態にある。図3Aに示す手動リフティングスリング装置100は、好ましく織物で作製された、平坦状態又は待機状態にある各部分、即ち、底部支持部120、後側支持部110、左側ガード部130、及び右側ガード部140を含む。作業状態である場合に、底部支持部120は底部に位置し、患者の臀部及び足部を支持する。後側支持部110は、底部支持部120と傾斜角をなし、該患者の背部を支持する。後側支持部110の下側縁と底部支持部120の後側縁とが接合し、好ましくは、鈍角の傾斜角を成し、それにより、患者の該手動リフティングスリング装置100への着座を容易にする。後側支持部110と底部支持部120とは、手動リフティングスリング装置100の1つの態様又は使用状態において、等脚台形を形成することが好ましく、2つの比較的長い底辺が接合する。

幾つかの実施例において、底部支持部120のサイズが後側支持部110と同様である。別の実施例において、後側支持部110は、底部支持部120よりも大きく、長く、広く及び/又は高くてもよい。例えば、後側支持部には、追加の頭頸支持部又は他の延伸支持部(図示せず)を有することができる。それにより、頭頸部を良好に支持でき、又は他の特定の応用に有利である。

左側ガード部130及び右側ガード部140は、作業状態又は構造(図3Bに示すように)である場合に、それぞれ独立して左右両側に対向して位置し患者を位置限定する。左側ガード部130及び右側ガード部140は、いずれも底部支持部120及び後側支持部110に接合する。幾つかの実施例において、左側ガード部130は、大体三角形であり、その1つの底辺が底部支持部120の左側辺に接続し、もう1つの底辺が後側支持部110の左側辺に接続する。同様に、右側ガード部140は、左側ガード部130に対応して構成されている。別の実施例において、図3Aに示すように、左側ガード部130は、底部支持部120又は後側支持部110にそれぞれ接合する2つの三角形からなり、それにより、手動リフティングスリング装置100により囲まれた空間が広がる。該手動リフティングスリング装置100は、中心軸面/中心軸に対して対称である。

幾つかの実施例において、左側ガード部130及び/又は右側ガード部140は、左側折り畳み可能部分132及び右側折り畳み可能部分142を含み、前記折り畳み可能部分は、手動リフティングスリング装置100の横端又はその其幅方向の未端に位置し、前記折り畳み可能部分は、手動リフティングスリング装置100が作業状態にある場合に、好ましくガイド縫合糸及び/又は補強ストリップ138、148により、半分に折った状態又は折り畳まれた状態になるように自動的に傾けられる。半分に折った状態又は折り畳まれた状態にある前記折り畳み可能部分は、さらに、締め具及び/又は接続具を介して、左側ガード部130及び右側ガード部140と牢固に接続し、若しくは完全に密着して隠れた状態となる。幾つかの実施例において、前記折り畳み可能部分は、ガイド縫合糸及び/又は補強ストリップ138に対して対称である。

左側ガード部130及び右側ガード部140のいずれにも、少なくとも2つのリフティングハンドル150が設けられている。例えば、本実施例において、左側ガード部130の上側及び下側にそれぞれ1つのリフティングハンドル150が設けられ、それぞれに患者の背部領域及び足部領域に付勢する。同様に、右側ガード部140にも2つのリフティングハンドル150が設けられている。

幾つかの実施例において、左側ガード部130及び右側ガード部140にベルクロ134、136、144、146が設けられている。前記ベルクロ134、136、144、146は、好ましくは折り畳み可能部分132、142の縁側部分及びハンドル150の中央の対応する部分に設けられることにより、手動リフティングスリング装置100が作業状態にある場合に、折畳まれた状態にある前記折り畳み可能部分は、ベルクロを介して前記左側ガード部130及び右側ガード部140に取付けることができる。ベルクロ136、146が設けられたハンドル150は、底部支持部120に用いられるハンドル150であることが好ましい。

好ましくは、前記左側折り畳み可能部分、前記右側折り畳み可能部分、底部支持部120、後側支持部110、左側ガード部130及び右側ガード部140の縁は、いずれも折畳まれ及び/又は補強され、且つ上記各部位が縫合により一体となる。例えば、縁を数回折り畳み、針と糸による縫合又は超音波による接着を行う。好ましくは、底部支持部120及び後側支持部110が人の体型にフィットするように切断され、例えば、皺が設けられている。リフティングハンドル150が設ける領域17を補強し、例えば、織物に織物フィルムを別途設置するように厚くする。

図4A-4Fは、本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の使用方式又は使用過程の模式図である。図4Aに示すように、患者が完全に展開された手動リフティングスリング装置に置かれている。ハンドルを持ち上げると、手動リフティングスリング装置の構造が作業状態にとなり、単一の開口部を有する、底部支持部120、後側支持部110、左側ガード部130及び右側ガード部140によって囲まれた空間が形成され、患者は自動的に着座姿勢に変換され、容易に運搬できるようになる。患者をベッド又は他の特定の位置に運搬して運搬が完成した後、手動リフティングスリング装置を回収することができる。まず、ハンドルを下げて手動リフティングスリング装置を平坦の待機状態に変換させ、さらに、患者を、図4Bに示すように右側に横たわる状態にし、次に、図4C-4Dに示すように、平坦部分の手動リフティングスリング装置を巻上げて患者に近くし、患者の体を持ち上げて、患者を図4Eに示すような左側に横たわる状態にする。図4Eに示すように、患者を持ち上げる際に、巻上げられた手動リフティングスリング装置の部分を患者の左側から患者の右側に移動させ、そして、手動リフティングスリング装置を取外して、それを図4Fに示す完全に平坦な待機状態に復元させる。なお、十分な人力があれば、まず患者を僅かに持ち上げ、さらに平面状のスリング装置を患者の下から直接取外すればよく、スリング装置を巻上げ状態に切換える必要がない。ここで、平面状の構造が上記操作に有利であるだけではく、カバーまたはマントとして患者の保温に利用できる。

図4Fに示すように、前記待機状態である場合に、前記手動リフティングスリング装置は、完全に展開され、ほぼシート状となり、その全体が平坦状態にあることで、スタッキング操作、保存操作、運搬操作だけではく、巻上げ操作、展開操作、及び入患者の下への挿入、又は患者の下からの取外しにも便利であり、患者のスリング装置での位置決め操作を簡単にする。また、上記位置決め操作は、少ない人員で行うことができる。例えば、図4A-4Eに示す操作は、いずれも1人で完成可能であるのに対し、図1Aに示す従来技術の立体構造のスリング装置は、スリングの位置決め操作及び患者の移転操作を効率的に実行するために、少なくとも二人が必要である。

図5A-5Iは、本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の異なる使用状態又は構成での模式図である。図5A-5Iに示すように、手動リフティングスリング装置は、異なる構造となるように折畳まれることで、異なる使用状態又は中間状態となり、それにより、後続の作業又は特定の作業を容易にすることができる。例えば、図5Cに示す中間状態又は構成は、横たわった状態にある患者の運搬を容易にする。必要に応じて、図5Cに示す2つのスリング装置は、並置して使用することで、4人で背の高い又は重い患者を運搬することもできる。図5Gは、本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置の完全作業状態又は構成での模式図である。それは、ほぼ椅子の形である。折畳まれた状態にある前記折り畳み可能部分は、ベルクロその他機能的に等価な部材(例えば、ボタン、ジッパー等)を介して前記左側ガード部130及び右側ガード部140に付着して隠れた状態となる。

図1Bは、本発明の別の好ましい実施例に係る手動リフティングスリング装置のリフティングハンドル150の縫合方式の模式図である。図1Bに示すように、リフティングハンドル150を他の部分と特定の方式により接続することで、その接続を強化し、耐久性を高める。例えば、図に示すような相互に連結された複数のM字形又は歯形の曲線、及びその周辺の曲線等の、特定の模様を縫い付けてもよい。上記模様及び縫合方式は、従来の線形模様及び縫合方式に比べて、ハンドル150とその接する織物部分との接続を強化し、その久性を向上させることができる。

幾つかの実施例において、ガイド縫合糸、事前に折畳まれたライン、及び/又は補強ストリップは、上記特定の模様で縫い付けることで、接続を強化し、接続の耐久性を向上させることができる。

本発明は、本発明者が提出したCN103083138Aに開示され、参照として本明細書に組む込まれた各材料を含むか、採用するか、又はそれに基いて作製され得る。好ましくは、不織物で作製さる。不織物に圧延(カレンダー加工)により形成したエンボス模様を設置することにより、織物の外観を有させることができる。織物層を追加することにより、スリング装置を補強することができる。本発明が提供する手動リフティングスリング装置の推奨安全荷重が120kgであるが、190kgの重い物を50回引き上げても磨耗が発生しないことが実験により証明されている。

さらに、織物は、織物フィルム層若しくは不織布フィルム、又は複数層の織物フィルム層若しくは不織布フィルムをラミネートした複合層であり得る。通気性及び/又は非通気性のフィルムをスリング的生分解性不織物の上面及び/又は底面側にラミネートすることで、持ち上げ及び運搬際に患者から体液を吸着すること、及び/又は、体液が漏れることを防止することもできる。

廃棄された手動リフティングスリング装置による環境への不良影響を回避ために、手動リフティングスリング装置に用いられる織物は、生分解性及び/又は堆肥可能な織物を採用することが好ましい(CN103083138A参照)。本発明で使用される生分解性の材料は、スリング装置としての十分な支持能力を確保し、持ち上げる際の事故を防止することができるとともに、スリング装置の製造コストを増加させることはないため、患者にとって専用のリフティングスリング装置を買う余裕があり、交差感染の発生を回避することができる。

本発明は、特定の実施形態に従って記載されるが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および均等物がなされ得ることを理解できる。さらに、本発明の特定の状況又は材料に適合させるために、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えることができる。したがって、本発明は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内に入るすべての実施例を含むものとする。

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