非円形放射線不透過性マーカおよびマーカをスキャフォールドに取り付ける方法

申请号 JP2018517529 申请日 2016-10-11 公开(公告)号 JP2018534978A 公开(公告)日 2018-11-29
申请人 アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド; 发明人 ヴォーガン, ライアン; クルジンスキー, マシュー, ジェイ.; シンプソン, ジョン, エー.;
摘要 スキャフォールドは支柱に接続されたマーカを含んでいる。マーカは、凹凸接合によって支柱内に保持される。マーカは、非円形のマーカをスキャフォールド支柱の矩形の穴に押し込むステップを含むプロセスによって支柱に取り付けられる。支柱の側壁は凹凸接合を作り出すように拘束されている。 【選択図】 図3B
权利要求

放射線不透過性マーカを使用するステップと、 穴が形成された要素を備えるポリマースキャフォールドを使用するステップと、 前記要素が横方向に動かないように拘束しながら前記マーカを強制的に前記穴に挿入するステップであって、前記拘束によって、前記マーカが強制的に前記穴に挿入されるときに、前記要素が横方向外側に変形することが実質的に防止される、ステップと を含む方法。前記マーカが、 矩形のマーカであって、前記挿入するステップが、前記穴の壁との凹凸接合を形成するように前記マーカを成形する、矩形のマーカと、 X字形のマーカであって、前記挿入するステップが、前記穴の壁との凹凸接合を形成するように前記マーカを成形する、X字形のマーカと、 凹状または凸状の側壁面であって、前記挿入するステップが、前記穴の壁との凹凸接合を形成するように前記マーカを成形する、凹状または凸状の側壁面 のうちの1つである、請求項1に記載の方法。前記マーカが第1および第2の据え込み加工用面を用いて前記穴に強制的に挿入され、前記マーカが前記据え込み加工用面同士の間に配置され、前記第1の据え込み加工用面の摩擦係数が前記第2の据え込み加工用面の摩擦係数よりも大きい、請求項1または2に記載の方法。横方向拘束部材が前記要素を横方向に拘束し、 前記要素が、前記スキャフォールドの第1のリングを第2のリングに接続するリンクを備え、前記リンクが、前記第1のリングから前記第2のリングに延びる長手軸線を有し、前記リンクが、互いに反対側にある一対の側面を有し、各側面が、前記スキャフォールドの壁厚に等しい幅と、前記軸線に沿って測定された長さとを有し、 前記横方向拘束部材が一対の支持面を有し、前記支持面の各々は、前記マーカが強制的に前記穴に挿入されたときに前記リンクの側面に当接し、それにより、前記マーカが強制的に前記穴に挿入されるときに、前記リンクが横方向外側に膨らむのを実質的に防止する、 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。前記凹状または凸状の側壁が、前記マーカを前記穴に配置したときに、前記要素の長手軸線に平行に延びる前記要素の壁に面し、前記凹凸接合が、前記長手軸線に平行に延びる前記要素の前記壁によって形成される、請求項4に記載の方法。前記横方向拘束部材が、前記要素の圧縮剛性よりも少なくとも100倍高い圧縮剛性を有し、および/または前記横方向拘束部材が、前記ポリマーのヤング率よりも少なくとも100倍大きいヤング率を有する材料で作られている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。前記スキャフォールドが、凹所を有するフレーム上に配置され、前記要素が、前記要素を横方向に拘束するために前記凹所内に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。前記マーカが、冷間鍛造または据え込み加工技術を用いて前記穴に挿入される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。前記要素が80〜120ミクロンの壁厚を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。前記マーカを前記穴に挿入した後に前記スキャフォールドを加熱するステップをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。前記穴に前記マーカを挿入した後、 前記ポリマーのガラス転移温度(TG)よりも約0〜20度高い温度に前記要素を加熱するステップと、 前記要素を加熱してから24時間以内に、前記スキャフォールドをバルーンにクリンプするステップと をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。前記ポリマーがポリ(L−ラクチド)を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造された医療器具。ポリマーで作られたスキャフォールドであって、長手軸線を有する要素と、前記要素に形成された矩形開口部を有する穴の4つの側壁とを備えるスキャフォールドと、 前記穴内に配置されたマーカと、 前記マーカの少なくとも2つの表面と前記穴の対応する隣接する壁との間の凹凸接合と を備える医療器具。前記4つの側壁のうちの2つの側壁が、前記要素の前記長手軸線に平行に延びており、前記凹凸接合が、前記2つの側壁各々の表面と前記マーカの嵌合面との間にある、請求項14に記載の医療器具。前記4つの側壁のうちの第1の2つの側壁が、前記マーカとの凹凸接合を形成しており、前記長手軸線に垂直に延びる第2の2つの側壁が、凹凸接合を形成していない、請求項14に記載の医療器具。前記凹凸接合が、 凹部分であって、 前記長手軸線に平行に延びる複数のマーカ表面の中央部分であって、前記マーカの上面および底面から遠く、前記要素の重心の近くに位置するマーカ表面の中央部分、ならびに 前記複数のマーカ表面の上縁および下縁であって、前記マーカの前記上面および前記底面のそれぞれに近く、前記重心から遠くに位置するマーカ表面の上縁および下縁 を備え、 前記複数のマーカ表面の前記中央部分同士が、前記複数のマーカ表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも近接している、凹部分と、 凸部分であって、 前記長手軸線に平行に延びる複数の側壁表面の中央部分であって、前記要素の上面および底面から遠く、前記重心の近くに位置する側壁表面の中央部分、ならびに 前記複数の側壁表面の上縁および下縁であって、前記側壁の上面および下面のそれぞれに近く、前記重心から遠くに位置する上縁および下縁 を備え、 前記複数の側壁表面の前記中央部分同士が、前記複数の側壁表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも近接している、凸部分と を備える、請求項14に記載の医療器具。前記複数のマーカ表面の前記中央部分同士が、前記複数のマーカ表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%近接している、請求項14〜17のいずれか一項に記載の医療器具。前記凹凸接合が、 凹部分であって、 前記長手軸線に平行に延びる複数のマーカ表面の中央部分であって、前記マーカの上面および底面から遠く、前記要素の重心の近くに位置するマーカ表面の中央部分、ならびに 前記複数のマーカ表面の上縁および下縁であって、前記マーカの前記上面および前記底面のそれぞれに近く、前記重心から遠くに位置するマーカ表面の上縁および下縁 を備え、 前記複数のマーカ表面の前記中央部分同士が、前記複数のマーカ表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも離間している、凹部分と、 凸部分であって、 前記長手軸線に平行に延びる複数の側壁表面の中央部分であって、前記要素の上面および底面から遠く、前記重心の近くに位置する側壁表面の中央部分、ならびに 前記複数の側壁表面の上縁および下縁であって、前記側壁の上面および下面のそれぞれに近く、前記重心から遠くに位置する上縁および下縁 を備え、 前記複数の側壁表面の前記中央部分同士が、前記複数の側壁表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも離間している、凸部分と を備える、請求項14に記載の医療器具。前記複数のマーカ表面の前記中央部分同士が、前記複数のマーカ表面の前記上縁同士および前記下縁同士よりも約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%離間している、請求項14、15および19のいずれか一項に記載の医療器具。前記マーカの上面および底面の各々が凹んだ領域を有する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の医療器具。前記要素の前記長手軸線に平行に延びる前記マーカの長さが、前記長手軸線に垂直に測定された前記マーカの幅よりも大きい、請求項14〜21のいずれか一項に記載の医療器具。前記マーカの上面および底面が、前記穴の上部開口部および底部開口部から、それぞれ約0%、約5%または約10%突出している、請求項14〜22のいずれか一項に記載の医療器具。前記マーカが強制的に前記穴に挿入される前または挿入された後に、前記要素が円形または楕円形の穴を有しない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。前記要素が、前記マーカが前記穴に挿入される前および/または挿入された後に、矩形または正方形の開口部を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。前記マーカを前記穴に挿入する前、前記要素の側壁が丸みを帯びてなく、湾曲した凸状または凹状でない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。据え込み加工プロセスであって、 穴を備える要素を有するスキャフォールドを使用するステップと、 対向する側壁を有するフレームが形成されたマンドレルと第1の据え込み加工用面とを使用するステップであって、 前記要素がフレーム内に配置されて、前記要素が前記対向する側壁の間にあり、前記第1の据え込み加工用面が前記穴に隣接される、 ステップと、 前記第1の据え込み加工用面と第2の据え込み加工用面とを用いて放射線不透過性要素を前記穴に強制的に挿入するステップであって、前記放射線不透過性マーカおよび前記要素が前記第1の据え込み加工用面と前記第2の据え込み加工用面の間に配置される、ステップ を含む据え込み加工プロセス。前記第1の据え込み加工用面および前記第2の据え込み加工用面の一方が、他方よりも高い摩擦係数を有する、請求項27に記載の据え込み加工プロセス。

说明书全文

[0001]発明の分野 本発明は生体再吸収性スキャフォールドに関する。より詳細には、本発明は、身体の解剖学的内腔を治療するための生体再吸収性スキャフォールドに関する。

[0002]最新技術の説明 半径方向に拡張可能な内部人工器官は、解剖学的内腔に植込まれるように適合された人工的な器具である。「解剖学的内腔」は、血管、尿路、および胆管などの管状器官の空洞またはダクトを示す。ステントは、略円筒形であり、解剖学的内腔の一部分を開いて保持し、時には拡張して機能する内部人工器官の例である。ステントは、血管内のアテローム硬化性狭窄症の治療において頻繁に使用されている。「狭窄症」は、身体の通路または開口部の直径が狭まること(narrowing)、すなわち狭窄を示す。そのような治療において、ステントは、血管の壁を補強し、血管系における血管形成術後の再狭窄を防止する。「再狭窄」とは、(バルーン血管形成術、ステント留置または弁形成術のような)治療を受け、明らかに成功した後の血管または心臓弁における狭窄の再発を意味している。

[0003]ステントを用いた疾患部位または病変の治療は、ステントの送達と展開との両方を含む。「送達」とは、解剖学的内腔を通して、ステントを病変などの所望の治療部位に導入し輸送することを示す。「展開」は、治療領域における管腔内でのステントの拡張に相応する。ステントの送達および展開は、ステントをカテーテルの一端の周りに配置し、カテーテルの端部を皮膚から解剖学的管腔内に挿入し、解剖学的内腔で、所望の治療する位置にカテーテルを前進させ、治療する位置でステントを拡張し、カテーテルを内腔から取り除くことによって、達成できる。

[0004]以下の用語が使用されている。「ステント」について言及するとき、この用語は、一般的に言えば、金属または金属合金から通常構成される恒久的構造を示すが、スキャフォールドは、生体再吸収性ポリマーまたは他の再吸収性材料、例えば、侵食性金属を含み、限られた期間、例えば移植後3ヶ月、6ヶ月または12ヶ月間、血管を半径方向に支持することができる構造物を示す。しかし、どちらのタイプの構造物について言及する場合にも、当技術分野で「ステント」という用語を使用することがあることは理解されよう。

[0005]スキャフォールドとステントは、従来からバルーン拡張と自動拡張の2つの一般的なカテゴリに分類されている。後者のタイプは、半径方向の拘束が除去されたときに血管内で展開状態または拡張状態に(少なくとも部分的に)拡張するが、前者は、外部から加えられたに依拠してそれをクリンプ状態または収納状態から展開状態または拡張状態に構成する。

[0006]自動拡張型ステントは、半径方向の拘束が除去されたときに著しく拡張するように設計されており、ステントを展開するためにバルーンを必要としないことが多い。自動拡張型ステントは、シース内に収納されているとき、または内腔内で拡張するとき(補助用バルーンがあってもなくても)、塑性変形または非弾性変形を受けない、または比較的受けない。対照的に、バルーン拡張ステントまたはスキャフォールドは、クリンプさせるときと、後にバルーンによって展開させるときとの両方の際、著しい塑性変形または非弾性変形を受ける。

[0007]バルーン拡張型ステントの場合、ステントは、バルーンカテーテルのバルーン部分の周りに取り付けられる。ステントは、バルーン上に圧縮またはクリンプされる。クリンプは、米国特許出願公開第2012/0042501号明細書に開示および図示されているクリンプ装置のようなアイリス型または他の形態のクリンパを使用することによって達成してもよい。相当量の塑性変形または非弾性変形が、バルーン拡張型ステントまたはスキャフォールドがクリンプされるときと、後にバルーンによって展開されるときの両方で生じる。内腔内の治療部位で、バルーンを膨張させることにより、ステントは拡張する。

[0008]ステントは、複数の基本的かつ機能的要件を満たすことができなければならない。ステント(またはスキャフォールド)は、血管の壁を支持するとき、半径方向の圧縮力に耐えることができなければならない。したがって、ステントは、適切な径方向の強度を有していなければならない。展開後、ステントは、様々な力を支持することになる可能性があるが、ステントの耐用期間に亘り、大きさと形状を適切に維持しなければならない。特に、ステントは、これらの力があるにもかかわらず、所望の治療期間の間、血管を所定の直径に適切に維持しなければならない。治療期間は、血管壁がリモデリングするのに必要な期間に相応することがある。その後、ステントはもはや必要とされない。

[0009]生体吸収性ポリマースキャフォールドの例としては、Limonの米国特許第8,002,817号明細書、Lordの米国特許第8,303,644号明細書、およびYangの米国特許第8,388,673号明細書に記載されているものが挙げられる。図1は、カテーテルを用いて解剖学的内腔を通って送達され、バルーンを用いて塑性的に拡張されるように設計された、生体吸収性ポリマースキャフォールドの遠位領域を示す。スキャフォールドは、中心軸線2を有する円筒形状を有し、相互に連結する構造要素のパターンを含み、これはバーアームまたは支柱4と呼ばれる。軸線2は、支柱4によって形成された円筒形状の中心を通って延びる。圧縮および展開の間に関わる応力は、支柱4の全体に亘って全体的に分配されるが、曲げ要素、クラウンまたは支柱接合部に集中する。支柱4は、クラウン8で互いに接続された一連のリング支柱6を含む。リング支柱6およびクラウン8は、正弦リング5を形成する。リング5は、長手方向に配置され、軸線2を中心とする。支柱4はまた、リング5を互いに連結するリンク支柱9を含む。リング5およびリンク支柱9は集合的に、軸線2がスキャフォールド10のボアまたは長手軸線を表す管状スキャフォールド10を形成する。リング5dはスキャフォールドの遠位端に位置する。クラウン8は、スキャフォールド10がバルーンにクリンプされた場合にはより小さい度を形成し、バルーンが塑性的に拡張される場合にはより大きな角度を形成する。展開後、スキャフォールドは周囲の組織から静的および周期的な圧縮荷重を受ける。リング5は、展開後、スキャフォールドの半径方向に拡張された状態を維持するように構成される。

[0010]スキャフォールドは、生分解性、生体吸収性、生体再吸収性、または生体侵食性ポリマーから作製できる。生分解性、生体吸収性、生体再吸収性、生体溶解性または生体侵食性という用語は、植込み部位から離れて分解、吸収、再吸収、または侵食される材料またはステントの特性を示す。スキャフォールドはまた、生体侵食性金属および合金で構築してもよい。耐久性のある金属製のステントとは対照的に、スキャフォールドは限られた期間のみ体内に留まることを意図している。多くの治療用途では、体内にステントが存在することは、例えば血管の開存性および/または薬物送達の維持という意図する機能が達成されるまで、限られた期間に亘って必要であり得る。さらに、生分解性スキャフォールドは、金属製ステントと比較して、解剖学的内腔の治癒に関する改善を可能にし、後期段階の血栓症の発生率を低下させる可能性があることが示されている。これらの場合、金属製ステントとは対照的に、血管内に人工器官が存在するのが一時的なことであるように、ポリマースキャフォールド、特に生体吸収性ポリマースキャフォールドを使用して血管を治療することが望まれる。

[0011]ポリマースキャフォールドとして使用するために考えられているポリマー材料、例えば、ポリ(L−ラクチド)(「PLLA」)、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)(「PLGA」)、ポリ(D−ラクチド−co−グリコリド)または10%未満のD−ラクチドであるポリ(L−ラクチド−co−D−ラクチド)(「PLLA−co−PDLA」)、ポリ(L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)、PLLD/PDLAステレオコンプレックスおよび前述のポリマーのブレンドが、ステントを形成するために使用される金属材料との比較を通して、以下のいくつかの様式で説明できる。ポリマー材料は、典型的には、金属と比較してより低い強度対体積比を有し、これは、同等の機械的特性を提供するためにより多くの材料が必要であることを意味する。したがって、ステントが所望の半径で管腔壁を支持するのに必要な強度を有するためには、支柱をより厚くかつより幅広くしなければならない。このようなポリマーから作製されたスキャフォールドはまた、脆くなる傾向、または破壊靱性が制限される傾向がある。材料に固有の異方性および速度依存性の非弾性特性(すなわち、材料の強度/剛性は、温度和度、熱履歴に加えて、材料が変形する速度に依存して変化する)は、この複雑性を、ポリマー、特に、PLLAやPLGAなどの生体再吸収性ポリマーと作用して作り出すだけである。

[0012]スキャフォールド構造物のために生体再吸収性ポリマー(および一般的に炭素、水素、酸素および窒素から構成されるポリマー)を用いる場合のさらなる一課題は、材料が放射線不透過性ではなく、放射線透過性であることである。生体吸収性ポリマーは体組織に類似してX線吸収を有する傾向がある。この問題に対処する既知の方法は、放射線不透過性マーカをスキャフォールドの構造要素、例えば支柱、バーアームまたはリンクに取り付けることである。例えば、図1は、遠位端リング5dを隣接するリング5に接続するリンク要素9dを示す。リンク要素9dは、一対の穴を有する。各穴は、放射線不透過性マーカ11を保持する。スキャフォールド10とマーカ11を使用することには課題がある。

[0013]スキャフォールドをバルーンにクリンプするような処理ステップの間、またはスキャフォールドがクリンプ状態からバルーンを拡張するときに、マーカ11がスキャフォールドから分離しないように、マーカ11をリンク要素9dに取り付ける信頼できる方法が必要である。これらの2つの事象−クリンプおよびバルーン拡張−は、両方の事象がスキャフォールド本体に顕著な塑性変形を引き起こすため、スキャフォールドへマーカを付着するには特に問題である。この変形が、マーカを支持しているかマーカの近くにある支柱を著しく平面外になるようにしたり不規則な変形を引き起こしたりする場合、マーカが外れる可能性がある(例えば、マーカを保持する支柱がクリンプ中に捻られたり曲がったりするとマーカが穴から落ちることがある)。放射線不透過性マーカを有するスキャフォールド、およびスキャフォールド本体にマーカを取り付ける方法は、米国特許第20070156230号明細書に記載されている。

[0014]スキャフォールドへの放射線不透過性マーカの固定の信頼性を改善する必要性が継続して存在する。また、マーカの付着の従来の方法を不適切または信頼できないものにするスキャフォールドのパターンまたは構造に対する要求を満たすために、放射線不透過性マーカを付着させる方法を改善する必要性もある。

[0015]開示されているのは、非円形放射線不透過性マーカを有するスキャフォールド、および非円形放射線不透過性マーカをポリマースキャフォールドの支柱、リンクまたはバーアームに取り付ける方法である。

[0016]1つの態様によれば、マーカ穴内のより良好な保持を促すためにマーカを成形する。例としては、矩形に形成され、少なくとも1対の凹面または凸面を有するマーカ、または中心から半径方向外側に延びる4つのフランジを有するX字形マーカが挙げられる。これらのマーカの形状の各々は、放射線不透過性ワイヤをダイを通して引くなどの、様々な周知のプロセスから作製することができる。

[0017]別の態様によれば、マーカは、凹凸接合によって、リンクまたはバーアームの穴内に保持される。好ましい実施形態では、凹凸接合は、マーカが要素に挿入されているときにスキャフォールド要素に横方向の拘束を加えることによって形成される。マーカ用の穴は、図1および図2のような円形の開口部とは対照的に、矩形の開口部を有する。

[0018]別の実施形態によれば、矩形の放射線不透過性マーカが、横方向の拘束なしに、リンク、支柱またはバーアームの穴に挿入される。この実施形態はまた、側壁が膨らむことに対する抵抗のために、凸部と凹部との係合を生成することができる。例えば、リンク要素は、穴の近くの曲げ剛性を増加させるために、実質的により厚くおよび/またはより広い穴の囲みが作られている。

[0019]別の態様によれば、マーカは、冷間鍛造または据え込み加工のプロセスによって、リンクまたは支柱などのスキャフォールド要素の穴に挿入される。

[0020]本発明の別の態様によれば、マーカを保持するためのスキャフォールド構造体と、それを作るための方法は、マーカが確実に支柱内に保持されることを保証しながら、血流に曝される支柱が低い外形を維持する必要性に対処する。支柱の外形が低いことは、支柱が薄いことまたは支柱の諸部分が薄いことを意味する。外形が低いことに対する要望は、支柱の全体的な厚さおよび/または支柱表面からの突出によって影響され得るスキャフォールドの血栓形成性の程度に対処する。血液の適合性は、血液適合性または血栓抵抗性としても知られており、スキャフォールドおよびステントにとって望ましい特性である。スキャフォールド血栓症の有害事象は、非常に低い頻度の事象であるが、罹患率および死亡率の高い発生率を伴う。血栓症のリスクを軽減するために、すべての冠動脈スキャフォールドおよびステントの移植と共に、二重の抗血小板療法が実施される。これは、処置、血管損傷、およびインプラント自体による血栓形成を減少させるためである。スキャフォールドおよびステントは異物であり、それらはすべてある程度の血栓形成性を有する。スキャフォールドの血栓形成性は、スキャフォールドの血栓を形成する傾向を指し、これは、支柱の厚さ、支柱の幅、支柱の形状、スキャフォールドの全表面積、スキャフォールドのパターン、スキャフォールドの長さ、スキャフォールドの直径、表面粗さおよび表面化学を含むいくつかの要因による。これらの要因のいくつかは相互に関連している。また、支柱を覆うために必要な程度に新生内膜が増殖するので、支柱の外形が低いことから、新生内膜増殖がより少なくなる。そのような被覆は、治癒を完了するために必要なステップである。支柱がより薄いと、より速く内皮化および治癒すると考えられている。

[0021]しかし、より薄い支柱を有するスキャフォールドに取り付けられたマーカは、支柱とマーカとの間の表面接触面積がより少ないので、より厚い支柱を有するスキャフォールドほど確実に保持しない可能性がある。本発明の実施形態は、この必要性に対処する。

[0022]別の態様によれば、マーカと支柱を組み合わせた厚さは、マーカを確実に穴に保持しながら、約150ミクロンの閾値未満に保たれる。

[0023]本発明の他の態様によれば、スキャフォールド、医療器具、そのようなスキャフォールドを作製する方法、マーカを作製する方法、スキャフォールドの支柱、リンクまたはバーアームにマーカを取り付ける方法、または次の(1)〜(26)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせを有するそのようなスキャフォールドを含む医療器具の組立体のための方法が存在している: (1)放射線不透過性マーカを保持するための矩形のマーカ穴を有するリンク、リンク要素、支柱またはバーアーム。リンク、リンク要素、支柱またはバーアームは、ポリマーから作られる。 (2)凸状または凹状のマーカ側壁。 (3)凸状または凹状の穴側壁。 (4)マーカ側壁とマーカ穴側壁との間の凹凸接合。マーカと穴の側壁のうちの一方が凹部をもたらし、マーカと穴の側壁の他方が凸部をもたらす。凸部は凹部内に受け入れられる。 (5)ポリマー組成物は、ポリ(L−ラクチド)を含む。 (6)図6〜図8に示す実施形態のいずれかによるマーカ。 (7)図9に示すマーカのように、複数のフランジを有するマーカ。 (8)放射線不透過性マーカは白金、白金/イリジウム合金、金、イリジウム、タンタル、パラジウム、タングステン、ニオブ、ジルコニウム、鉄、亜鉛、スズ、マグネシウム、マンガンまたはそれらの合金から構成される。 (9)マーカがマーカ穴に押し込まれたときにマーカを横方向に拘束してもしなくても、穴に挿入されるマーカ。 (10)マーカを穴に挿入する方法であって、穴が部材、例えば一対のボスの間で横方向に拘束される方法。 (11)穴を有するリンクの壁厚は、約80〜約100ミクロン、または約125〜約160ミクロンである。 (12)リンク要素は、剛性部材、または鋼または鋼合金、ボスなどのリンクの圧縮剛性の少なくとも100倍の部材によって拘束される。 (13)マーカを穴に挿入した後、リンクは、スキャフォールドポリマーのTgより約0〜20度高く、クリンプする前、例えばクリンプの24時間前および24時間以内に加熱され、加熱は、穴内のマーカを維持する保持力を向上させる。 (14)第1のラムと第2のラムとの間でマーカを変形させることを含む、マーカをスキャフォールドに取り付けるための冷間鍛造または据え込み加工プロセス (15)マーカを挿入する前および/または後に円形または楕円形の開口部のないマーカ穴。 (16)マーカを挿入する前および/または後に矩形または正方形の開口部を有するマーカ穴。 (17)マーカと穴の側壁との間の凹凸接合であって、穴の端壁との接合ではないもの。 (18)マーカを穴内に押し込むために使用される上側および下側据え込み加工用面であって、摩擦係数が下面よりも上面の方が高いか、摩擦係数が上面と下面との間でほぼ等しい据え込み加工用面。 (19)マーカを穴に挿入する前の穴の側壁および/または端壁は、湾曲していない、丸くない、凸状または凹状ではない。 (20)マーカ穴を有するスキャフォールド要素は、マーカ穴を有しない同じタイプの隣接するスキャフォールド要素−例えばリンク、支柱またはクラウン−と同じ幅、長さおよび壁厚を有する、またはマーカ穴を有するスキャフォールド要素は、同じ種類の隣接するスキャフォールド要素の幅よりも約2倍大きい幅を有する。 (21)スキャフォールド要素は、隣接するリングを連結するリンクであり、リンクはスキャフォールドの長手軸線に平行に延びる。 (22)1つまたは2つの矩形のマーカが同じリンク上にある。 (23)放射線不透過性マーカを使用するステップと、穴が形成された要素を含むポリマースキャフォールドを使用するステップと、要素を横方向に拘束しながらマーカを穴に挿入するステップとを含む方法。 (24)任意に組み合わせる項目(a)〜(i)のうちの1つ以上または任意の組み合わせで組み合わせる、(23)の方法: (a)マーカは矩形のマーカであり、挿入するステップは、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する。 (b)マーカはX字形マーカであり、挿入するステップは、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する。 (c)マーカは、凹状または凸状の側壁面を有し、挿入するステップは、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する。 (d)凹状または凸状の側壁は、マーカを穴に配置したとき、要素の長手軸線に平行に延びる要素の壁に面し、凹凸接合は、長手軸線に平行に延びる要素の壁に形成される。 (e)マーカが、要素の圧縮剛性よりも少なくとも100倍高い圧縮剛性を有する部材の間に横方向に拘束されているか、部材が、ヤング率がポリマーのヤング率よりも少なくとも100倍大きい材料で作られる。 (f)スキャフォールドは、凹所を有するフレーム上に配置され、要素は、要素を横方向に拘束するために凹所内に配置される。 (g)マーカが、冷間鍛造または据え込み加工技術を用いて穴に挿入される。 (h)要素は、80〜120ミクロンの壁厚を有する。 (i)マーカを穴に挿入した後にスキャフォールドを加熱するステップをさらに含む。 (25)ポリマーで作られたスキャフォールドであって、長手軸線を有する要素と、要素に形成された矩形開口部を有する穴の4つの側壁とを含むスキャフォールドと、穴内に配置されたマーカと、マーカの少なくとも2つの表面と穴の対応する隣接する壁との間の凹凸接合とを含む医療器具。 (26)項目(a)〜(i)の1つ以上、または任意の組み合わせで組み合わせた(25)の医療器具: (a)4つの側壁のうちの2つの側壁が、要素の長手軸線に平行に延び、凹凸接合が、2つの側壁各々の表面とマーカの嵌合面との間にある。 (b)4つの側壁のうちの第1の2つは、マーカとの凹凸接合を形成し、長手軸線に垂直に延びる第2の2つの側壁は、凹凸接合を形成しない。 (c)凹凸接合が、凹部分であって、長手軸線に平行に延びる複数のマーカ表面の中央部分であって、マーカの上面および底面から遠く、要素の重心の近くに位置するマーカ表面の中央部分、および複数のマーカ表面の上縁および下縁であって、マーカの上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠くに位置するマーカ表面の上縁および下縁を備え、複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも近接している凹部分と、凸部分であって、長手軸線に平行に延びる複数の側壁表面の中央部分であって、要素の上面および底面から遠く、重心の近くに位置する側壁表面の中央部分、および複数の側壁表面の上縁および下縁であって、側壁の上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠くに位置する上縁および下縁を備え、複数の側壁表面の中央部分同士が、複数の側壁表面の上縁同士および下縁同士よりも近接している凸部分とを含む。 (d)複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%近接している。 (e)凹凸接合が、凹部分であって、長手軸線に平行に延びる複数のマーカ表面の中央部分であって、マーカの上面および底面から遠く、要素の重心の近くに位置するマーカ表面の中央部分、および複数のマーカ表面の上縁および下縁であって、マーカの上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠くに位置するマーカ表面の上縁および下縁を備え、複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも離間している凹部分と、凸部分であって、長手軸線に平行に延びる複数の側壁表面の中央部分であって、要素の上面および底面から遠く、重心の近くに位置する側壁表面の中央部分、および複数の側壁表面の上縁および下縁であって、側壁の上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠くに位置する上縁および下縁を備え、複数の側壁表面の中央部分同士が、複数の側壁表面の上縁同士および下縁同士よりも離間している凸部分とを含む。 (f)複数のマーカ表面の中央部分同士は、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%離間している。 (g)マーカの上面および底面の各々が凹んだ領域を有する。 (h)要素の長手軸線に平行に延びるマーカの長さは、長手軸線に垂直に測定されたマーカの幅よりも大きい。 (i)マーカの上面および底面が、穴の上部開口部および底部開口部から、それぞれ約0%、約5%または約10%突出する。

[0024]参照による組み込み 個々の刊行物または特許出願が、具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されているのと同程度に、本明細書で言及されるすべての刊行物および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた刊行物または特許と本明細書との間に、語および/または句を矛盾して使用している場合に限り、これらの語および/または句は、本明細書で使用される様式と一致する意味を有する。

従来技術のスキャフォールドの一部の斜視図である。スキャフォールドはクリンプ状態で示されている(バルーンは図示せず)。

隣接するリングを接続するリンクを示す従来技術のスキャフォールドの部分上面図である。このリンクは、放射線不透過性マーカを保持するための穴を含む。

リンク要素に形成された矩形の穴を備えるリンクを有するスキャフォールドの部分側面図である。リンク要素の穴はマーカを保持する。スキャフォールドは、マーカが穴に押し込まれたときにリンクを拘束するように構成されたフレームに亘り配置されている。

図3Aの器具の拡大図である。

図3Bの断面IIIC−IIICから得られた断面図である。この図はまた、マーカを穴に押し込むためのラム頭部の据え込み加工用面を示している。

リンク要素の穴に取り付けられた第1のマーカ型を示すスキャフォールド部分の第1の断面図である。マーカは、図3A〜図3Cに記載された器具を使用して取り付けた。一実施形態では、(穴に圧入される前の)マーカは、凹状の側壁を有していた。マーカと壁の左右の側面は、互いに凹凸接合を作る。

リンク支柱の穴に取り付けられた第2のマーカ型を示すスキャフォールド部分の第2の断面図である。マーカは、図3A〜図3Cに記載された器具を使用して取り付けた。別の実施形態では、マーカ(穴に圧入される前の)は凸状の側壁を有していた。マーカと壁の左右の側面も互いに凹凸接合を形成する。

穴の側壁が拘束されている間に、リンクの穴に押し込まれた放射線不透過性マーカの画像である。その画像は、光学顕微鏡で撮影されている。画像は、生体吸収性スキャフォールドに設置されたプラチナマーカを通る断面である。スキャフォールドは、マーカ/スキャフォールド組立体をエポキシに取り付け(カプセル化し)、次いで、標準的な金属組織調製法(漸進的に細かい粒度の湿式炭化ケイ素研磨紙)を用いて平面に研削することによって準備した。円形の物体は、硬化したエポキシ取り付け材料内に閉じ込められた気泡である。

穴の側壁が拘束されている間に、リンクの穴に押し込まれた放射線不透過性マーカの画像である。その画像は、光学顕微鏡で撮影されている。画像は、生体吸収性スキャフォールドに設置されたプラチナマーカを通る断面である。

凹状または凸状の側壁を有しない矩形のマーカの斜視図である。

図3Aの器具を使用して横方向に拘束された矩形のマーカ穴に挿入された後の、図6Aの矩形マーカの概略的な透視図である。リンクの壁が拘束されるとき、マーカ側壁は凸形状を形成するか、マーカの左右の側面、およびリンク支柱(または要素)の壁が、図4Bに示すように、相互に凹凸接合を形成する。

楕円形のマーカ、または凸状の側壁で形成された矩形のマーカの斜視図である。

図3Aの器具を使用して横方向に拘束された矩形のマーカ穴に挿入された後の、図7Aのマーカの概略的な透視図である。リンクの壁が拘束されると、マーカ側壁は凸形状を維持するか、マーカの左右の側面、およびリンク支柱(または要素)の壁が、図4Bに示すように、相互に凹凸接合を形成する。

凹状の側壁で形成された矩形のマーカの斜視図である。

図3Aの器具を使用して横方向に拘束された矩形のマーカ穴に挿入された後の、図8Aのマーカの概略的な透視図である。リンクの壁が拘束されるとき、マーカ側壁は凹状の形状を維持するか、マーカの左右の側面、およびリンク支柱(または要素)の壁が、図4Aに示すように、相互に凹凸接合を形成する。

X字形のマーカの斜視図である。このマーカには、中心から半径方向外側に延びる4つの突出フランジがある。

図9Aのマーカの斜視図である。

図8Aのマーカを図9A〜図9BのX字形マーカに置き換えた以外は、図3Bの断面IIIC−IIICで得られたのと同じ断面図である。この図はまた、マーカを穴に押し込むためのラム頭部の据え込み加工用面を示している。

変形したX字形のマーカを有するスキャフォールドの断面図である。マーカは、好ましくは、図10に記載された器具を使用して取り付けられた。

マンドレルと据え込み加工アークの斜視図であり、図11に示すようにマーカを据え込み加工するためのラム頭部を備える。

[0044]説明において、図面および説明で見られる同様の参照番号は、異なる図の中の対応するまたは同様の要素を示す。

[0045]本開示の目的のために、以下の用語および定義が適用される:

[0046]「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、「略(generally)」、または「実質的に(substantially)」という用語は、記載された値、記載された範囲のある範囲または各終点より、30%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、1〜2%、1〜3%、1〜5%、または0.5%〜5%少ないか多い、少ない、または多いこと、または記載された平均値または期待値(ガウス分布)から1シグマ、2シグマ、3シグマの分散であることを意味する。例えば、d1が約d2であることは、d1がd2と30%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0%、または1〜2%、1〜3%、1〜5%、または0.5%〜5%異なることを意味する。d1が平均値である場合、d2が約d1であることは、d2がd1から1シグマ、2シグマ、または3シグマの分散または標準偏差内にあることを意味する。

[0047]本開示で、「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、「略(generally)」または「実質的に(substantially)」という言葉が先行している任意の数値、範囲、またはいずれかの範囲の終点(「ほぼない(approximately none)、(about none)」、「ほぼすべて(about all)」などを含む)がまた、「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、「略(generally)」または「実質的に(substantially)」という言葉が先行していないのと同じ数値、範囲、またはいずれかの範囲の終点を記載または開示していることが理解される。

[0048]「ステント」は、一般的に言えば、非分解性の金属または金属合金の構造物から通常構成される恒久的、耐久性がある、または非分解性の構造を意味しているが、「スキャフォールド」は、生体吸収性または生分解性のポリマー、金属、合金、またはその組み合わせを含み、植込み後、限られた期間、例えば移植後3ヶ月、6ヶ月または12ヶ月間、血管を半径方向に支持することができる一時的な構造物を示す。しかし、どちらのタイプの構造物について言及する場合にも、当技術分野で「ステント」という用語を使用することがあることは理解されよう。

[0049]「膨張した直径」または「拡張した直径」とは、支持バルーンが膨らまされてスキャフォールドをそのクリンプ構成から拡張させて、スキャフォールドを血管内に移植するとき、スキャフォールドが達成する内径または外径を示す。膨張した直径は、名目上のバルーン直径を超える膨張後のバルーン直径を示し得るが、例えば6.5mmバルーン(すなわち、例えば大気圧の6倍の名目上のバルーン圧まで膨張したときに6.5mmの名目上の直径を有するバルーン)は、拡張後の直径が約7.4mmであるか、または6.0mmのバルーンは拡張後の直径が約6.5mmである。バルーンの名目上の状態から拡張後への膨張比は、1.05から1.15の範囲であり得る(すなわち、拡張後直径は、名目上の膨張バルーン直径よりも5%〜15%大きい)。バルーンの圧力によって、膨張した直径を達成した後のスキャフォールドの直径は、スキャフォールドが製造され処理された方法、スキャフォールドの材料およびスキャフォールドの設計のいずれかまたはすべてに主に関連する反動効果に起因して、直径がある程度減少する。

[0050]直径を参照する場合は、説明の文脈で他に明記または示唆しない限り、内径または外径を意味するものとする。

[0051]スキャフォールド支柱を参照する場合、リンクまたはバーアームにも適用される。

[0052]スキャフォールドの「拡張後直径」(PDD)は、拡張した直径まで増加し、バルーンが患者の血管系から除去された後のスキャフォールドの内径を示す。PDDは、反動の影響を説明する。例えば、急性PDDは、スキャフォールドにおける急激な反動を説明するスキャフォールドの直径を示す。

[0053]「クリンプ前の直径」は、スキャフォールドが作製された管(例えば、スキャフォールドを浸漬被覆、射出成形、押出成形、半径方向の拡張、ダイの引張りおよび/またはアニーリングされた管から切断される)、またはスキャフォールドをバルーンにクリンプする前のスキャフォールドの外径(OD)を意味する。同様に、「クリンプ直径」は、バルーンにクリンプしたときのスキャフォールドのODを示す。「クリンプ前の直径」は、クリンプ直径よりも約2〜2.5、2〜2.3、2.3、2、2.5、3.0倍でも、拡張した直径、名目上のバルーン直径、または拡張後直径よりも約0.9、1.0、1.1、1.3および約1〜1.5倍大きくてもよい。本開示の目的のためのクリンプとは、著しい塑性変形により特徴付けられているスキャフォールドの直径の減少を意味し、すなわち、例えば図1の、波状のリングパターンを有するステントまたはスキャフォールドの場合クラウンなどで、直径の減少の10%超、または50%超が塑性変形に起因する。スキャフォールドがバルーンによって展開または拡張されると、膨張したバルーンはスキャフォールドをそのクリンプ直径から塑性変形させる。本開示に従って作製されたスキャフォールドをクリンプする方法は、米国特許第20130255853号(代理人整理番号62571.628)に記載されている。

[0054]ポリ(L−ラクチド)またはPLLAを「含む(comprising、comprises)」材料は、PLLAポリマー、PLLAおよび別のポリマーを含むブレンドまたは混合物、およびPLLAと別のポリマーとのコポリマーを含むが、これらに限定されない。したがって、PLLAを含む支柱は、支柱が、PLLAポリマー、PLLAおよび別のポリマーを含むブレンドまたは混合物、およびPLLAと別のポリマーとのコポリマーのいずれかを含む材料から作製できることを意味する。

[0055]穴側壁またはマーカ側壁の平均的な湾曲が実質的に凸状または凹状である場合、未変形である、変形された、または据え込み加工されたマーカ、またはスキャフォールドリンク要素の穴は、「凸状」または「凹状」の側壁表面を各々有する。例えば、図4Aに示すマーカは、凹状の側壁43A’および43B’を有し、一方、穴22の側壁24Aおよび24Bは、凸面を有する。図5Cに示すマーカはまた、側壁が実質的に凹状であるために凹状の湾曲を有する。

[0056]スキャフォールドリンク要素(または支柱)の穴に挿入されたマーカは、マーカの壁の中央部分または(リンク要素またはストラットの)穴の隣接する壁の中央部分が、穴の壁の隣接する中央部分またはマーカの壁の中央部分にそれぞれ延びているとき、「凸と凹」または「凸/凹」接合を穴とともに形成する。例えば、図4Aの穴壁24A、24Bの中央部分(上縁と下縁との間)は、凸/凹接合の凸部分を表し、一方で図4Aのマーカ40’、24Bのマーカ壁43A’、43B’の中央部分(上縁と下縁との間)は、凹部分を示している。図5C、図5B、図4A、図4Bおよび図11には、マーカと穴の壁との間の、凸部および凹部の取り付けまたは接合の例が示されている。図4Aおよび図11に示すように、内側範囲(L1)は上縁と下縁との間の範囲(L2)よりも小さく、図4Bでは内側範囲(L3)は上縁と下縁との間の範囲(L4)よりも大きい。

[0057]「横方向の拘束」または「横方向に拘束すること」は、要素の幅が、据え込み加工または鍛造プロセス間に要素に形成されたマーカ穴に放射線不透過性マーカが押し込まれるときに変化するのを防止または阻止する、(マーカ穴を有するリンク、支柱またはクラウンのようなスキャフォールド要素の)スキャフォールド要素の物理的または機械的拘束を意味する。拘束がなければ、要素の側壁がマーカを収容するために横方向外側に膨らむ。膨らむ方向は、管状のスキャフォールド本体の円周方向に関して円周方向である。

[0058]生分解性ポリエステルポリマーから構成される生体再吸収性スキャフォールドは、放射線透過性である。蛍光透視の視覚化をもたらすために、放射線不透過性マーカをスキャフォールドに置く。例えば、米国特許第8,388,673号(’673特許)に記載されたスキャフォールドは、’673特許の図2に示しているように、スキャフォールド200の各端部に固定された2つの白金マーカ206を有する。

[0059]図2は、ポリマースキャフォールドの一部、例えば’673特許の実施形態の場合のように、リンクによって相互接続されたリングのパターンを有するポリマースキャフォールドの平面の上面図である。図2にはリング5d、5の間に延びるリンク要素またはリンク20がある。リンク20は、放射線不透過性マーカを保持するための左右の構造体または支柱部21b、21aをそれぞれ形成している。マーカは、構造21a、21bによって形成された穴22に保持可能である。表面22aはスキャフォールドの管腔外面に対応する。リンク20を有する対応するスキャフォールド構造の例は、’673特許の図2、図5A〜図5D、図6A〜図6E、および9段の3行目〜14段の17行目に記載されている。いくつかの実施形態で本開示によるマーカ保持リンク構造を有するスキャフォールド、またはスキャフォールドを製造する方法の実施形態は、’673特許の図2、図5A〜図5D、図6A〜図6Eおよび9段の3行目〜14段の17行目によるスキャフォールドパターンの実施形態を含む。ただし、図3A〜図3Bに示すように、穴の形状は矩形(円形ではなく)であり、リンク構造は矩形である。いくつかの実施形態において本開示によるマーカ保持リンク構造を有するスキャフォールド、またはスキャフォールドを作製するための方法の実施形態は、米国特許出願公開第20110190871号明細書(’871 Pub)の図2、図3、図4、図5A、図5B、図6A、図6B、図9Aおよび図9B、および付随する[0130]〜[0143]、[0171]〜[0175]段落に記載されている実施形態のいずれかを含む。

[0060]本開示の範囲内であると考えられるさらなるスキャフォールド構造は、’871 Pubの図11A、図11Bおよび図11E、および付随する明細書の段落[0177]〜[0180]に記載されているようなマーカを受容するためのマーカ構造を有する代替のスキャフォールドパターンである。これらの実施形態では、値D0、D1およびD2は、容易に理解されるように、’871 Pubに示される穴512、518、および534を取り囲む関連構造に適用される。

[0061]以下の説明において、同一の要素番号が使用される場合、同一の記載が当てはまらないことが容易に明らかである場合を除いて、同じ説明が適用される。また、据え込み加工プロセスを用いてマーカ穴にマーカを挿入する前後に、放射線不透過性のマーカおよびマーカ穴を参照する。変形されたマーカと未変形のマーカは、プライムの記号を使用して区別する。したがって、例えば、未変形のマーカはマーカ40であり、一方変形状態の同じマーカはマーカ40’である。以下の実施例では、マーカはスキャフォールドのリンク20に挿入される。しかし、本開示は、放射線不透過性マーカを受容するように構成されたリンクまたはリンク要素に限定されない。本開示によるマーカおよび挿入方法は、支柱、クラウン、または本発明の範囲から逸脱することなくその中に形成された矩形のマーカ穴を有することができる他のスキャフォールド構造に挿入されたマーカに等しく適用される。

[0062]図3Aおよび図3Bは、スキャフォールド10内に配置された据え込み加工装置の一部を示す。装置は、放射線不透過性マーカ、例えば図8Aにも示す放射線不透過性マーカ40を保持するための矩形のマーカ穴22を有するリンク20を受けるように配置された凹所を有する。リンク20は、長手軸線(図3Aのx軸)を有する。マーカ穴は、4つの側壁、すなわちリンクの長手軸線に平行に延びる2つの側壁と、この軸線に垂直に延びる2つの端壁とを有する。

[0063]この装置は、細長いものであり、スキャフォールドの長手軸線に沿って延び、部材102A、102Bおよびストリップ104を保持するフレーム106を含む。好ましくは、これらの部材はボスであり、より好ましくはリンク20および隣接するリング5の長さにほぼ等しい長さを有する三角形のボスである。ボスは、鋼または鋼の合金、ステンレス鋼、工具鋼または炭化タングステンなどの比較的剛性の材料で作られている。ボスの有効圧縮剛性(すなわち、凹所に固定され、リンク20の側壁の互いに反対側の外向きの動きのとき)は、リンク20の側壁の圧縮または曲げ剛性の100倍、1000倍または少なくとも100倍高くなり得る。

[0064]装置は、放射線不透過性マーカ40が矩形の穴22内に押し込まれている間にリンク20を拘束するために使用される。図3Cは、図3Bの断面IIIC−IIICで得られた装置およびスキャフォールド10の断面図であり、マーカ40を穴22に押し込んで上面および底面がリンク要素22の管腔外面および内腔面と面一になるように使用するラムまたは据え込み加工頭部108をさらに示している。

[0065]図3A〜図3Cに示すマーカ40は、凹状の側壁を有する矩形のマーカ40であり、その一例が図8Aに示されている。穴22に押し込まれる前のマーカ40の斜視図が示されている。変形されたマーカ40’は、図8Bに示されており、これは、マーカ表面が要素22の表面と同一平面にあるときに得られる形状にほぼ等しい。凹状の側壁43A、43Bおよび43A’、43B’は、それぞれ、図8Aおよび図8Bに示されている。マーカ40は、上面42と底面44とを有する。凹状の壁43A、43Bの間に延在する端壁は平坦であってもよい。

[0066]再び図3A、図3Bおよび図3Cを参照すると、リンク20が部材102A、102B間にぴったりと受け入れられ、ストリップ104の上面104Aに載るように装置が配置されている。マーカ40の底面44は表面104A上に載置され、上面42は据え込み加工頭部108に面し、据え込み加工頭部108は表面42に押し付けられて、マーカ表面42をリンク20の上面と面一にする。マーカ穴22は、部材102A、102Bの間に配置される。上述したように、部材は、比較的剛性の材料から作られ、リンク側壁の横方向の変形を効果的に防止することができる。部材102A、102Bは、フレーム106の凹んだ領域内に配置でき、2つの部材の間の空間がリンクをぴったりと保持するように離間されている。すなわち、部材間の距離は、「w」またはほぼリンク20の幅である。矩形のマーカ40が頭部108および対向するストリップ104によって穴の中に押し込まれるとき、フレームおよび部材102はリンク20の側壁を横方向に拘束する。拘束は、円周方向に適用されるか、図3Cのリンク20の左または右の動きまたは膨らみを防止するか、図3Bのx軸に垂直なスキャフォールドの円周方向に膨らむことを防止する。

[0067]部材およびフレームによって設けられるこの横方向の拘束は、変形されたマーカとマーカ穴22の壁との間の凸/凹接合を強制すること、または代替的に、穴の表面とマーカとの間に凹凸の係合を形成することを意図している。好ましい実施形態では、これらの結果のいずれかを達成するために、マーカ40は、その凹状の壁43Aおよび43Bが各々の部材102Aおよび102Bに面するように配置される。頭部108は、上面42と係合するように下げられる。変形可能なマーカ40の両方の表面42、44がリンク20の上/管腔外および下/管腔内の表面と同一平面またはほぼ同一平面になるまで、頭部108を押し下げ続ける。

[0068]他の実施形態では、リンクの壁の厚さまたは幅を増大させることによって外側の膨らみに対する横方向の拘束を提供することができ、それによってリンクの側壁の曲げ剛性を効果的に増加させる。これらの実施形態によれば、矩形の穴は、機械的または物理的拘束を加えることなく矩形のマーカを受け入れるが、比較的高い壁の剛性を有するリンク要素によって、所望の凹凸接合を作り出すこともできる。

[0069]他の実施形態では、リンク壁をより厚くすることができ、これは、矩形の穴にマーカを保持するための摩擦力を増加させる効果を有する。矩形の穴は、約125ミクロン〜約160ミクロンの間の厚さを有することができる。この壁厚の範囲内には、有意な接合や、凸/凹接合が存在しない場合でさえ、(摩擦が加えられたために)許容可能なレベルの保持力が存在していることが判明している。

[0070]図4Aは、図3Cに示される構成を使用して、マーカが表面104Aと108との間で押圧された後の穴22およびマーカ40’の断面図である。表面42’は、穴22の表面26A、26Bと実質的に同一平面である。さらに、穴壁24Aおよびマーカ壁43A’、ならびに穴壁24Bおよびマーカ壁43B’は、それぞれ左右の凸/凹接合を形成し、マーカ40’を穴22内に保持する凹凸面を有してもよい。マーカ40’の中央部分は、左の表面43A’と右の表面43B’との間で測定された幅(L1)を有する。上縁および/または下縁の左右の側面間で測定された幅(L2)はL1より大きい。言い換えれば、上面42’下面44’から遠く、図4Aのマーカ40’を通る中心線「C」(線「C」はリンク20の幾何学的中心線またはリンク20の重心の位置と考えることができる)に近い各壁面43A’、43B’の部分は、測定L1用の表面43A’および43B’上の位置であり、上面42’と下面44’に近く、L1用の測定位置から遠い各壁面43A’、43B’の部分は、L2用の測定位置である(上縁間の測定された距離が、下縁間の測定された距離と異なっていて等しくない状況の場合、L2は2つの間の平均距離またはより長い距離である)。実施形態によれば、L1は、L2より2〜5%、5〜10%、または5〜30%少ない範囲である。試験において、これらの範囲は、約100ミクロンの厚さ(または壁厚)のリンク20に対して達成された。

[0071]マーカ40’の壁は、上述したように凹状である。穴22の対応する壁24A、24Bは、凸形状に変形されてもよく、および/または凸/凹接合の凸部分のみを形成してもよい。中心線Cに近く、上面および下面から遠い穴の変形した側壁24A、24Bの左側と右側の表面は、上縁および下縁に近く、中心線Cから遠い面よりも互いに近接している。

[0072]いくつかの実施形態では、凹状のマーカ形状が維持され得る一方で、他の実施形態では凹状の形状が変更されるが、凸/凹接合が保持される。いくつかの実施形態では、マーカは凹状の側壁を有し、穴の中に押し込まれた後、マーカ側壁は、凸/凹接合の凸部分または凹部分を形成することができる。

[0073]図5A〜図5Bは、スキャフォールドの支柱に取り付けられた、メタログラフィ的に準備されたマーカの断面の2つの顕微鏡画像である。

[0074]図5Bでは、マーカ40の凹状の形状が保持され、凸/凹の接合が存在するが、図5Aでは、凹状の形状はもはや存在しない。しかし、変形したマーカが(図5Bのように凹部とは対照的に)凸部49A’および49B’を形成する凸部分および凹部分の接合が依然として存在する。この例では、マーカはマーカ40として開始した。しかし、リンク20に押し込まれたとき、その形状が変化して凹面を失った。さらに、マーカは、(図5Bに示すマーカとは対照的に)凸/凹接合の凹部分を備えていない。代わりに、マーカは画像の49A’および49B’に示すように凸部分を備える。

[0075]マーカの形状は、異なる摩擦係数を有する据え込み加工頭部または鍛造頭部を使用することにより影響される場合がある。例えば、対向する下部据え込み加工用面よりも高い摩擦係数を有する上部据え込み加工頭部を使用することにより、底面付近でより大きな横方向の流れを生成することができる。

[0076]再び図8A〜図8Bを参照すると、マーカ40は様々な方法で作ることができる。放射線不透過性材料の丸いワイヤで開始して、ワイヤはまず平坦化されて、図7Aのマーカ50に示すような形状のワイヤを作成する。次に、平坦化されたワイヤを引いてダイに通すか、ローラを用いることによって、凹面を作ることができる。凹面を作製した後、ワイヤは所望の長さに切断される。あるいは、マーカ40は、打ち抜きおよびコイニング、粉末冶金(圧縮後の焼結)または3D印刷技術によって作製することができる。マーカ40は、リンクの壁厚よりも10%〜30%厚くてもよい(図3Cに示すように、未変形のマーカ40はリンク20の壁厚よりも約20〜30%厚い)。

[0077]図6A〜図6Bは、例えば図3A〜図3Cの装置を使用して凸/凹接合を作るためにマーカ穴に挿入されるように構成されたマーカ60の代替の実施形態を示す。マーカ60は、すべての平坦な側面と平坦な上面および底面とを有する。マーカ60のあらゆる長さの辺が等しい場合、この矩形のマーカは立方体と見なすことができる。マーカ40は、リンクの壁厚よりも10%〜30%厚くできる。マーカ穴に配置すると、このマーカは、上面62’、底面64’および凸面の側壁63A’および63B’を有するマーカ60’と同様の形状をとる。

[0078]図7A〜図7Bは、例えば、図3A〜図3Cの装置を使用して凸/凹接合を作るためにマーカ穴に挿入するように構成されたマーカ50の代替の実施形態を示す。マーカ40の場合のように、マーカ50は2つの平坦な側面と2つの湾曲した側面を有する。しかし、この場合、マーカ50は、凹面とは反対に凸面で作られている。マーカ50は、リンクの壁厚よりも10%〜30%厚くできる。凸状の側壁53A、53Bの間に延在する端壁は平坦であってもよい。マーカ穴に配置されると、このマーカは、上面52’、底面54’および凸面の側壁53A’および53B’を有するマーカ50’と同様の形状をとる。

[0079]図4Bは、図3Cに示す構成を使用して、マーカが表面104と108との間で押圧された後のリンク支柱穴22およびマーカ50’/60’の断面図である。表面62’/52’は、穴22の表面26A、26Bと実質的に同一の平面である。さらに、穴壁24Aおよびマーカ壁63A’/53A’、ならびに穴壁24Bおよびマーカ壁63B’/53B’は、それぞれ、マーカ60’/50’を穴22内に保持するための左右の凸/凹接合を形成する。マーカ50’/60’の中央部分は、左右の表面63A’/53A’、63B’/53B’の間で測定された幅L3を有する。左右の上縁および/または下縁の幅L4は、幅L3より小さい。言い換えれば、頂面52’/62’および下面54’/64’から遠く、図4Bのマーカ40’を通る中心線「C」(線「C」はリンク20の幾何学的中心線またはリンク20の重心の位置と考えることができる)に近い壁面53A’/63A’、53B’/63B’の各々の部分は、測定L3のための表面53A’/63A’および53B’/63B上の位置であり、上面52’/62’および下面54’/64’に近い各壁面53A’/63A’、53B’/63B’の部分、および測定位置L3から遠い部分が測定位置L4である。実施形態によれば、L4はL3未満(上縁間の測定値が下縁間の長さと異なる場合、L4はこれらの2つの間の平均距離または大きい距離である)の範囲である。試験において、これらの範囲は、約100ミクロンの厚さ(または壁厚)のリンク20に対して達成された。

[0080]上述したように、マーカ50’/60’の壁は凸状である。穴22の対応する壁24A、24Bは、凹形状に変形していても、凸/凹接合の凹部分のみを形成してもよい。中心線Cに近く、上面および下面から遠い穴壁24A、24Bの左右の側部の表面は、上面および下面に近く、中心線Cから遠い面よりも互いにさらに離間している。

[0081]いくつかの実施形態では、凸状のマーカ形状を維持する一方で、他の実施形態では凸形状を変更しているが、凸/凹接合は保持される。いくつかの実施形態では、マーカは凸状の側壁を有し、穴に押し込まれた後、マーカ側壁は、凸/凹接合の凸部または凹部を形成することができる。

[0082]図9A〜図9Bを参照すると、X字形放射線不透過性マーカ70の正面図および斜視図がそれぞれ示されている。このマーカは、中心70Aから半径方向外側に延びる4つの突出フランジ73A、73B、73C、73Dを有する。フランジ73Aおよび73Dは表面72を形成し、フランジ73Bおよび73Cは表面74を形成する。フランジの各々は、中心70Aから先端(表面72、74が位置する)まで一定の厚さを有しても、中心70Aから先端に向かって先細りしてもよい。マーカの断面は、引いてダイを通るかダイの進行によって、またはロールの形成によって放射線不透過性材料のワイヤで形成してもよい。

[0083]図10を参照すると、マーカ70はリンク20の穴22内に配置され、リンク20は図3A〜図3Cに関連して先に説明した装置の部材102A、102Bの間に受け入れられる。図10は、この場合、マーカ40がマーカ70に置き換えられている点を除いて、図3Cと同様に、断面IIIC−IIICで得られた断面図である。さらに、脚部73C、73Dが穴22の底部開口部から延出しているために、リンク20が表面104Aから「h」だけ持ち上げられる。表面74は表面104Aに接触し、フランジ73Aおよび73Dの表面72は頭部108に接触するように配置される。

[0084]据え込み加工プロセスの間、頭部は表面72上に下げられ、頭部108が部材102A、102Bの上面と接触するまで下方に押し続ける。このプロセスは、好ましくは室温または周囲温度下で行われるので、冷間鍛造プロセスと見なすことができる(マーカ40、50および60が装置を用いて据え込み加工されるときに同じ冷間鍛造プロセスが適用される)。

[0085]図11は、各々の表面26A、26Bおよび27A、27Bとほぼ同一平面にある表面72’および74’を有する穴22に挿入されたマーカ70’である最終的な製造物を示す。また、マーカ70’および穴22のための凸/凹接合が形成されている。図示された穴22は、凸状の側壁24A、24Bを有し、マーカ70’は、凹状の側壁73A’、73B’に近似するものを有する。これは、X字形状を、上面72’、底面74’および壁73A’および73B’に沿った凹み77を有する矩形に変形した結果である。側壁73A’および73B’に沿った凹み77は、各々の壁24A、24Bとの凸/凹接合のための凹部を備える。

[0086]50、60および40の矩形状のマーカと比較して、変形したX字形のマーカは、フランジ73A〜73Dの塑性変形によって穴の矩形形状に押し込まれる。さらに、材料は完全に流れず、X字形のマーカをマーカ40〜60のような矩形の形に再形成する。これは、上面72’、底面74’に凹み77を有するマーカ70’によって示される。さらに、いくつかの実施形態では、リンク20の中心線Cの近くで、側壁73A’、73B’と側壁24A、24Bとの間にそれぞれ隙間が存在することが予想される。側面の凹みと上部(または底部)の凹みとの間の材料は、マーカが穴22に押し込まれたときに流れた各々のフランジ(図11と図10を比較する)からの材料を表す。

[0087]マーカ70’の中央部分は、左右の面73A’、73B’の間で測定された幅(L1)を有する。上縁および/または下縁の左右の側面間で測定された幅(L2)はL1より大きい。言い換えれば、上面72’と下面74’から遠く、図4Aのマーカ70’を通る中心線「C」(線「C」はリンク20の幾何学的中心線またはリンク20の重心の位置と考えることができる)に近い各壁面73A’、73B’の部分は、測定L1用の表面73A’および73B’上の位置であり、上面72’と下面74’に近く、L1用の測定位置から遠い各壁面73A’、73B’の部分は、L2用の測定位置である(上縁間の測定された距離が、下縁間の測定された距離と異なっていて等しくない状況の場合、L2はこれら2つの間の平均距離またはより長い距離である)。実施形態によれば、L1はL2より2〜5%、5〜10%、10〜20%、20〜30%または5〜30%少ない範囲にある。

[0088]マーカ70’の壁は、上述したように凹状である。穴22の対応する壁24A、24Bは、凸形状に変形されてもよく、および/または凸/凹接合の凸部分のみを形成してもよい。中心線Cに近く、上面および下面から遠い穴の変形した側壁24A、24Bの左側と右側の表面は、上縁および下縁に近く、中心線Cから遠い面よりも互いに近接している。

[0089]図12は、マーカ40、50、60または70を上記のようにマーカ穴20に鍛造または据え込み加工するために使用できる据え込み加工アーク80の実施形態を示す。据え込み加工アーク80は、図3Aおよび図10に示す鍛造面108として使用することができる丸みのある鍛造頭部81を含む。スキャフォールドは、マンドレル85の表面85Aに受け入れられてもよい。マンドレル85の上面には、図3A〜図3Cに関連して前述したフレーム106を形成することができる。

[0090]本開示の別の態様によれば、マーカ配置後のスキャフォールドのための加熱ステップが存在する。いくつかの実施形態では、この加熱ステップは、ポリマーのエイジング効果を除去するための、クリンプ前のスキャフォールドポリマーの若返りステップに対応し得る。

[0091]クリンププロセスの前に、熱的若返り(Tgより高いが、ポリマースキャフォールドの融点(Tm)より低い生体再吸収性スキャフォールドの熱処理を含む)は、ポリマースキャフォールドの物理的エイジングを逆転させるか、除去することができ、これにより(例えば、スキャフォールドの頂上での)クリンプの損傷および/またはマーカの脱落の例を低減できる。

[0092]いくつかの実施形態によれば、スキャフォールドを熱処理し、機械的にひずませ、または溶媒処理して、スキャフォールドをバルーンにクリンプする直前およびマーカの配置直後に、ポリマーの若返りまたはエイジングの消失を誘導する。若返りは、ポリマーをよりエイジングしていない状態または未熟な状態に戻すことによって、物理的エイジングによって引き起こされる物理的特性の変化を消去または逆転させる。物理的エイジングはポリマーを熱力学的平衡状態に向かって移動させるが、若返りは材料を熱力学的平衡状態から遠ざける。したがって、若返りは、物理的なエイジングにより引き起こされるのとは反対の方向にポリマーの特性を改変し得る。例えば、若返りは、ポリマーの密度を減少させる(比体積を増加させる)、ポリマーの破断点伸びを増加させる、ポリマーの弾性率を減少させる、エンタルピーを増加させる、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。

[0093]いくつかの実施形態によれば、若返りは、前に処理されたポリマーの物理的エイジングの反転または消去のために望ましい。しかし、若返りは、前の処理ステップの記憶を除去、逆転、または消去することを意図したものではない。したがって、若返りはまた、スキャフォールドや管に記憶を教えたり与えたりしない。記憶は、前の処理ステップによって提供される一時的なポリマー鎖構造、および一時的なポリマー特性を指してもよい。これには、本明細書に記載されているように、管にポリマー鎖の二軸配向を誘導することによってスキャフォールドが形成される管を半径方向に強化する処理ステップが含まれる。

[0094]クリンプ中のマーカ−スキャフォールドの完全性または脱着に対する抵抗性に関して、加熱ステップは、クリンプがマーカの脱落を引き起こす場合を減らすのに寄与し得ることが見出されている。いくつかの実施形態によれば、スキャフォールド穴22内に保持されたマーカの前述の実施形態のいずれかは、マーカが穴に配置された後、クリンプの直前、例えばクリンプの24時間以内の加熱ステップを含むことができる。スキャフォールドは、加熱後に穴22にマーカをより良好に保持できることが見出されている。例えば、限定された半径方向の拡張、または熱的再若返り(短い時間スキャフォールドのポリマーの耐荷重部分のガラス転移温度(Tg)より高くスキャフォールド温度を上昇させる)は、クリンプ後、および/またはクリンプ状態からのバルーン拡張の後に、スキャフォールド構造の完全性に有益な効果を及ぼし得る。

[0095]特に、これらの歪み誘起プロセスは、穴が図4A、図4Bおよび図11に関連して先に説明した方法で変形されたとき、マーカを取り囲む穴22の寸法に有益な影響を及ぼす傾向がある。

[0096]いくつかの実施形態によれば、マーカ配置後のスキャフォールドは、ポリマーのガラス転移温度より約20度または30度高い温度に10〜20分間加熱される。より好ましくは、スキャフォールド荷重支持構造(例えば、ポリマー管または材料シートから作製された部分)は、ポリ(L−ラクチド)を含むポリマーであり、マーカを配置した後、その温度は約80〜85°Cに、10〜20分間に亘り上昇する。

[0097]いくつかの実施形態によれば、マーカ配置後にスキャフォールドの温度を上昇させると、穴22の一部が再形成され、マーカの、特にマーカ70に対する穴の嵌合が改善されることが見出された。図11を参照すると、マーカ70が穴22内に配置された後、加熱後に壁材料で除去または充填できる、前述したような側壁間の隙間が存在し得る。さらに、図4A、図4Bおよび図11の実施形態のいずれかに関して、穴の形状が変形して、若返りステップによってその後処理されないスキャフォールドマーカ構造の場合よりも、脱落に対する抵抗を高くし得る可能性のあるリップまたは縁部を作り出す。

[0098]要約書に記載されているものを含む、本発明の図示された実施形態の上記の説明は、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図したものではない。本発明の特定の実施形態および実施例は、説明の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な変更が可能である。

[0099]これらの変更を、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行うことができる。特許請求の範囲で使用する用語は、本発明を本明細書で開示する特定の実施形態に限定するものと解釈するべきではない。

[0100]条項1〜20 [0101]条項1.放射線不透過性マーカを使用するステップと、 穴が形成された要素を含むポリマースキャフォールドを使用するステップと、 横方向に要素を拘束しながら、マーカを穴に挿入するステップと を含む方法。

[0102]条項2.マーカが矩形のマーカであり、挿入するステップが、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する、条項1に記載の方法。

[0103]条項3.マーカがX字形のマーカであり、挿入するステップが、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する、条項1に記載の方法。

[0104]条項4.マーカが、凹状または凸状の側壁表面を有し、挿入するステップが、穴の壁との凹凸接合を形成するようにマーカを成形する、条項1に記載の方法。

[0105]条項5.凹状または凸状の側壁が、マーカを穴に配置したときに、要素の長手軸線に平行に延びる要素の壁に面し、凹凸接合が、長手軸線に平行に延びる要素の壁に形成されている、条項4に記載の方法。

[0106]条項6.マーカが、要素の圧縮剛性よりも少なくとも100倍高い圧縮剛性を有する部材の間に横方向に拘束されているか、または部材が、ヤング率がポリマーのヤング率よりも少なくとも100倍大きい材料で作られる、条項1に記載の方法。

[0107]条項7.スキャフォールドが、凹所を有するフレーム上に配置され、要素が、要素を横方向に拘束するために凹所内に配置される、条項1に記載の方法。

[0108]条項8.マーカが、冷間鍛造または据え込み加工技術を用いて穴に挿入される、条項1に記載の方法。

[0109]条項9.要素が80〜120ミクロンの壁厚を有する、条項1に記載の方法。

[0110]条項10.マーカを穴に挿入した後にスキャフォールドを加熱するステップをさらに含む、条項1に記載の方法。

[0111]条項11.ポリマーで作られたスキャフォールドであって、長手軸線を有する要素と、要素に形成された矩形開口部を有する穴の4つの側壁とを含むスキャフォールドと、 穴内に配置されたマーカと、 マーカの少なくとも2つの表面と穴の対応する隣接する壁との間の凹凸接合と を備える医療器具。

[0112]条項12.4つの側壁のうちの2つの側壁が、要素の長手軸線に平行に延び、凹凸接合が、2つの側壁各々の表面とマーカの嵌合面との間にある、請求項11に記載の医療器具。

[0113]条項13.4つの側壁のうちの第1の2つの側壁が、マーカとの凹凸接合を形成し、長手軸線に垂直に延びる第2の2つの側壁が、凹凸接合を形成しない、条項12に記載の医療器具。

[0114]条項14.凹凸接合が、 凹部分であって、 長手軸線に平行に延びるマーカ表面の中央部分であって、マーカの上面および底面から遠く、要素の重心の近くに位置する中央部分、ならびに マーカ表面の上縁および下縁であって、マーカの上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠い上縁および下縁を備え、 複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも近接している、凹部分と、 凸部分であって、 長手軸線に平行に延びる側壁表面の中央部分であって、要素の上面および底面から遠く、重心の近くに位置する中央部分、ならびに 側壁表面の上縁および下縁であって、側壁の上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠い上縁および下縁を備え、 複数の側壁表面の中央部分同士が、複数の側壁表面の上縁同士および下縁同士よりも近接している、凸部分と を含む、条項11に記載の医療器具。

[0115]条項15.複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%近接している、条項14に記載の医療器具。

[0116]条項16.凹凸接合が、 凹部分であって、 長手軸線に平行に延びるマーカ表面の中央部分であって、マーカの上面および底面から遠く、要素の重心の近くに位置するマーカ表面の中央部分、ならびに マーカ表面の上縁および下縁であって、マーカの上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠いマーカ表面の上縁および下縁を備え、 複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも離間している、凹部分と、 凸部分であって、 長手軸線に平行に延びる側壁表面の中央部分であって、要素の上面および底面から遠く、重心の近くに位置する側壁表面の中央部分、ならびに 側壁表面の上縁および下縁であって、側壁の上面および下面のそれぞれに近く、重心から遠くに位置する上縁および下縁を備え、 複数の側壁表面の中央部分同士が、複数の側壁表面の上縁同士および下縁同士よりも離間している、凸部分と を含む、条項11に記載の医療器具。

[0117]条項17.複数のマーカ表面の中央部分同士が、複数のマーカ表面の上縁同士および下縁同士よりも互いに約5%、約3%、約10%、約5〜30%または約10〜20%離間している、条項16に記載の医療器具。

[0118]条項18.マーカの上面および底面の各々が凹んだ領域を有する、条項11に記載の医療器具。

[0119]条項19.要素の長手軸線に平行に延びるマーカの長さが、長手軸線に垂直に測定されたマーカの幅よりも大きい、条項11に記載の医療器具。

[0120]条項20.マーカの上面および底面が、穴の上部開口部および底部開口部から、それぞれ約0%、約5%または約10%突出する、条項11に記載の医療器具。

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