【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は動作位置において2つのケースの境界に重なり合う迅速連結ランナーを備え、2 つの外部接続端子へ接続される回路、とくに制御回路を有する小型開閉器を納め、前記境界の両側の上に突き出るそれの2つの部分がケースの一方へ各々固定されて2 つのケースを機械的に連結する隣接する2個の成型ケースの組立装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】米国特許第4,591,228号明細書に記載されている上記のような種類の組立て装置が、モジュラー低圧小型開閉器装置の製造を可能にした。 開閉器は、2個またはそれ以上のモジュールを組立てるときに相互に接続せねばならない制御回路または補助回路を一般に有する。 2個の単極遠隔制御スイッチの組合わせにより構成される二極遠隔制御スイッチの最も簡単な例においては、2個のコイルを同時に動作させるために、 2個の動作コイルを並列に持続せねばならない。 この並列接続は制御回路の外部接続端子のレベルで行うことができるが、それらの接続を行うことにより組立が複雑になる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、回路とくに組立てられたケースの制御回路の電気的接続機能を上記機械的組立装置へ組合わせることにより、上記の機械的組立装置を改良することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の組立て装置においては、前記ランナーは電気接触ブリッジとして配置され、そのブリッジは動作位置において、前記各ケースの上に配置されている接触パッドと協働し、ランナーの前記突き出る部分に向き合って前記パッドの間の電気接続を行い、前記外部接続端子と同じ1つのケースの前記接触パッドの間に電気接続が配置される。 【0005】したがって、2個のモジュールの機械的組立ランナーを取り付けることにより、電気的接続を確保すると同時に、誤結線の危険を防ぐ。 ランナーは、前記米国特許に記載されているようにして、ケースの狭い側面に配置されているスライド内を動かすことができるスライダの態様で配置されるから有利である。 動作するように組立てられた位置においては、スライダは2つのケースの間の境界の上に重なり合い、その境界の両側に突き出る部分が、スライドに配置されている突起の上でクリップ式に留められる。 ランナーおよび関連するスライドの例についての詳細については前記米国特許を参照されたい。 【0006】ランナーと協働する接触パッドはスライドの底、とくにスライドに設けられた溝の底に納めることが好ましい。 事故により接触することを防ぐために、その溝への入口は十分に狭い。 ランナーの動作位置において接触パッドと接触するようになるためにランナーは、 前記溝の中に挿入できる電気的接触ブリッジを指示する。 接触ブリッジは種々のやり方で構成できるが、とくに、ランナーの長手方向へ延長する細長い可撓性の金属刃を有する。 接触ブリッジは、ランナーの成型から生ずる絶縁部上の金属付着から構成することもできる。 【0007】標準的なケースは制御回路または補助回路の外部接続端子を有し、本発明の開発に従って、ランナーと協働する接触パッドへ接続するためにそれらの端子は用いられる。 接続導体は細長い片として構成できる。 それの一端は接続端子の中へ挿入され、他端は接触パッドとして形成される。 2つのケースの間の電気的接続のない組立体の場合には、接触ブリッジのないランナーを用いること、またはランナーと通常協働する接触パッドを含んであるケースに設けないことが可能である。 それらの接触パッドの取付けは、求められる組立体に応じて、工場で行うことができ、または使用者に任せることができる。 【0008】本発明の組立装置は遠隔制御スイッチのためにとくに設計されたものであるが、他の開閉器を含む成型ケースのために用いることができることが明らかである。 遠隔制御スイッチの場合は、多極遠隔制御スイッチを構成するために2つまたはそれより多くの極を機械的に組立てることができ、各極の動作コイルの並列持続は、接触ブリッジが設けられているランナーにより行われる。 この同じ装置は補助モジュールを遠隔制御スイッチのモジュールへ組立てるために用いられる。 それらの補助モジュールは、閉成指令の微分回路または開放指令の微分回路、もしくはやっかいな指令を阻止するために遠隔制御スイッチのコイルへ並列に持続される負荷回路、またはその他の任意の補助制御回路と信号回路の少なくとも1つを含むことができる。 【0009】各ケースは、ケースの小さい側面の一方に配置されているスライド内のおのおの装着される2つのランナーを有すると有利である。 それは電源接続端子と制御回路端子も支持する。 同じランナーを、関連するケースの位置に従って、一方の側または他方の側へ普通に動かすことができる。 この装置は任意の数のモジュールを組立てることを可能にする。 それらのモジュールのうちのいくつかをそれらのランナーにより電気的に相互接続でき、他のモジュールは単に機械的に固定でき、組立てられたそれらのモジュールにより形成されたユニットは支持レール、とくに対照的な輪郭の支持レール、の上で通常のやり方でクリップ式に留めることができる。 【0010】 【実施例】図1と図2において、モジュールまたはユニット、たとえば遠隔制御スイッチの成型されたケース1 0、11が隣接させられ、組立てられて多極ユニットを形成する。 各前記ケース10、11はそれの裏面12 が、対照的な輪郭の支持レール(図示せず)に合うように、通常のやり方で切り取られる。 ケース10、11の前面13には遠隔制御スイッチの手動操作ハンドル14 が取付けられる。 電源接続端子15が狭い側面16、1 7上に配置され、連続するケース10、11は広い側面で隣接させられる。 狭い側面16、17には、電源接続端子15の上方で、その端子15から後退して設けられる。 それらの狭い側面16、17の上にはスライド19 も設けられる。 そのスライドはケースの広い面に対して垂直に、それの全幅にわたって、外部接続端子18の上を延長する。 スライド19の内部に蟻ほぞのランナー2 0が滑るようにして設けられる。 ランナー20の2つの端部21、22がスライド19の底の上に配置されている共役形の突起23、24の上にクリップ式に取付けることができるフックとして形成される。 図1に示されている組立てられた位置においては、ランナー20は2つのケース10と11の間の境界の上に重なり、それの端部フック21、22がケース10、11の共役形の突起23、24にクリップ状に取付けられて、ケースを組立てられた状態に保持する。 各ケース10、11は、スライド19の中央位置において、それのランナー20が供給され、2つのケース10、11が隣接させられた後で、ランナーは他のケースの向きに、図1に示されている、重ね合わされて組立てられた位置へ動かされる。 突起23、24とフック21、22の勾配は、その重なり合う位置で一緒に留めるような値にされる。 滑りランナー20によるこの種の組立て装置が、米国特許第4,5 91,228号明細書に詳しく開示されている。 詳細についてはその米国特許を参照されたい。 【0011】本発明に従って、ランナー20のスライド19の内側である面が可撓性金属刃25を支持する。 その金属刃は、ランナー20の滑る向きに延びている電気接触ブリッジを形成する。 スライド19の底には、接触ブリッジ25と協働するように構成された接触パッド2 7が配置される。 接触ブリッジ27は接続片28の端部により形成される。 その接続片の他端部29は外部接続端子18の中へ挿入される。 接触パッド27は限られた開口部を有する溝30の中に納められる。 その溝は意図しない接触を阻止するために、スライド19の底に設けられる。 【0012】次に図8を参照する。 2つのケース10、 11の組立てられた位置においては、ランナー20はそれら2つのモジュールの接触パッド27の間の電気的接続を行うことがわかる。 2つのケース10、11の間の接触ブリッジ25を介する電気的接続は、ランナー20 によるそれの機械的組立と同時に行われる。 図8の左側には不動作位置にあるランナー20を介し、そのランナーを右へ滑らせることにより、ケース11に対応するケースを組み立て、同時に電気的接続を行うことが可能である。 【0013】本発明の組み立て装置を各種モジュールへ応用できる。 そのうちの2つのモジュールについて図9、図10を参照して以下に説明する。 図9は隣接させられた2つのケース10、11を示す。 各ケースは電源端子15のための4つのハウジングを有する。 それらのハウジングのうちの2つはケース11では用いられない。 向き合う端子15の各対には電源回路13が組み合わされる。 電源回路31は一対の接点32を有する。 それらの接点32は、たとえばランナー型機構を介してコイル33の各制御インパルスで接点32の位置を変える。 コイル33は2個の反対側の外部接続端子18へ接続される。 各端子18へは接触パッド27が接続される。 図9に示されている例においては、各ケース10、 11の他の2つの外部接続端子ハウジングは用いられない。 ランナー20の接触ブリッジ25は2つのケース1 0、11の接触パッド27と協働して2つのコイル33 を並列に接続する。 コイル33の2本の電源線(図示せず)をケースの外部接続端子へ単に接続して、2つのケース10、11のコイル33へ電流を自動的に供給することがわかる。 単極成型ケース遠隔制御スイッチ11を二極成型ケース遠隔制御スイッチ10へ組み合わせることにより、三極遠隔制御スイッチを得る。 この三極遠隔制御スイッチの2つの動作コイル33が、2つのケース10、11を機械的に組み立てるランナー20により並列に持続される。 ケース10、11が二極遠隔制御スイッチまたは三極遠隔制御スイッチ、あるいは異なる種類の開閉器、とくに接触器を含むことができること、およびこの組み立て装置は他のモジュール、とくに標準的な補助遠隔制御スイッチモジュールの接続のために使用できることが明らかである。 【0014】図10は、図9に従って組み立てられたケース10、11へ2つの補助モジュール34、35の組み立てを例として示す。 補助モジュール34、35のケースはケース10、11と同一で、左側のモジュール3 4が負荷モジュールを構成する。 その負荷モジュールは、それ自体周知のやり方でインピ−ダンスをコイル3 3の制御回路へ並列に持続できるようにする。 モジュール34は上記のやり方で2つのランナー20によりケース11へ組立てられる。 2つのランナー20は、ケース11の接触パッド27と協働する接触ブリッジ25を有する。 ケース10の右に隣接するモジュール35は、遠隔制御スイッチの開放指令と閉成指令の微分モジュールである。 モジュール35は、二重制御のために設けられる。 各モジュールは、ケース10の接点へ機械的に結合される切換え接点36を有する。 図10に示されている開放位置においては、端子37へ加えられる閉成指令だけが遠隔制御スイッチへ送られ、端子38へ加えられる開放指令は禁止される。 遠隔制御スイッチが閉じられると、切換え接点が逆向きへ動いて、端子38へ加えられている開放指令を遠隔制御スイッチへ送り、端子37へ加えられている開放指令を禁止する。 接触ブリッジ25 を有するランナー20がモジュール35をケース10へ電気的に接続して、指令をコイル33へ加える。 反対側の側面に設けられているランナー20には接触ブリッジ25は設けられず、モジュールの間の第2の電気的接続はこの場合には無意味である。 設備に応じて、モジュール34、35のかわりにこの技術において周知の異なる種類のモジュールを用いることができ、または付加モジュールを図10に示されているモジュールへ隣接されて、より精密な装置を構成できる。 端子18を制御回路の外部接続のために利用でき、要求があれば、ランナー20により達成できない付加接続のために端子18を利用できる。 モジュールは互換でき、組立体は実現が容易である簡単なモジューラー装置を形成する。 【0015】以上、本発明を、電源端子15のための二対のハウジングと、外部接続端子18のための二対のハウジングとを有する標準的なケ−ス10,11に関連して説明した。 それらの端子のいくつかは用いられないことがある。 この組立て装置はより少数の端子を有するケ−ス、またはこのケ−スに納められている開閉器のために必要な端子だけが設けられているケ−スに使用できることを容易に理解できる。 別のモジュールに関連してモジュールが常に用いられるものとすると、外部接続端子18を抑制でき、モジュールの補助回路または制御回路へ直結されている接触パッド27により電気的接続が依然として行われる。 外部接続回路の接続は異なるやり方、たとえば、接続クリップで行うことができる。 【0016】図5は、単一の部品に成型された部品により形成されたランナー20の別の実施例を示す。 このランナーの中央部分39は接触ブリッジ25の態様で構成される。 その中央部分39は接触ブリッジ25を形成する導電層で被覆される。 導電層の無い同じ部品を、ケ− スの間の機械的組立てだけを行うランナー20として使用できる。 ランナー20の他の実施例も可能であり、隣接する2つのモジュールの間の機械的連結または電気的接続の数が2より多いとすると、2つ以上の組立てランナーを用いて装置を設計できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の装置により組立てられた2つのモジュールまたはケ−スの概略斜視図。 【図2】組立てランナーを外して示す図1の部分図。 【図3】図1のランナーの背後の概略斜視図。 【図4】前から見たランナーの図3に類似する図。 【図5】ランナーの別の実施例を示す図3に類似する図。 【図6】図1に示されているケ−スの外部接続端子と接触パッドの間の接続ストリップを示す拡大側面図。 【図7】図6のVII −VII 線に沿う横断面図。 【図8】ランナー接触ブリッジの2つの実施例が示されている、3つのケ−スの組立体を示す、図7のVIII−VI II線に沿う横断面図。 【図9】本発明により組立てられた2つのモジュールの接続図。 【図10】本発明により組立てられた2つのモジュールの接続図。 【符号の説明】 10、11 ケ−ス 18 外部接続端子 19 スライド 20 ランナー 21、22 ランナーの端部 25 接触ブリッジ 27 接触パッド 32 電源端子 33 コイル フロントページの続き (72)発明者 アラン、ド、ミトナエル ベルギー国ブリュッセル、シェー、ド、 ワーテルロー、634 (56)参考文献 特開 昭60−77332(JP,A) 特開 昭53−36675(JP,A) 特開 昭54−115783(JP,A) 実開 平2−27649(JP,U) 実開 昭49−115694(JP,U) 実開 昭54−109075(JP,U) 仏国特許出願公開2550907(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) H01H 9/02 H01H 51/20 H01H 71/02 H01H 73/02 |