開閉器 |
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申请号 | JP2018500955 | 申请日 | 2017-03-07 | 公开(公告)号 | JP6345369B2 | 公开(公告)日 | 2018-06-20 |
申请人 | 三菱電機株式会社; | 发明人 | 堀田 克輝; 稲口 隆; 高橋 和希; 竹本 智彦; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 固定接点を備えた固定接触子と、前記固定接点に接触および非接触となる可動接点を備えた可動接触子と、前記固定接点と前記可動接点との間に発生するアークを電磁力で駆動するアークランナーとを備えた開閉器であって、前記アークランナーは、前記可動接触子の前記可動接点の反対側に接続された平面壁と、前記平面壁から前記可動接点側に突出し、前記可動接触子の通電方向に並行に配置され、前記可動接点の両側面を覆う側面壁とにより構成され、前記側面壁の突出端は前記可動接点の表面位置まで、またはそれより長く突出していることを特徴とする開閉器。前記固定接触子は第1固定接触子と第2固定接触子とにより構成され、前記第1固定接触子に第1固定接点を備え、前記第2固定接触子に第2固定接点を備え、前記可動接点は前記第1固定接点に接触および非接触となる第1可動接点と前記第2固定接点に接触および非接触となる第2可動接点とにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉器。前記アークランナーと前記可動接触子が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉器。前記アークランナーの前記側面壁の突出端が前記可動接点の表面より長く突出していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーの前記側面壁の突出端が前記可動接点の表面より短い位置にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーの前記側面壁の突出端に前記可動接点の表面に並行な平面部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーの前記平面壁の先端部分に反可動接点側に伸長するアーク走行部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーの前記側面壁の先端部分に反可動接点側に伸長するアーク走行部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーに留め金を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーに放熱用のフィンを設けたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーと前記可動接触子の間に絶縁物を設けたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーの前記可動接触子との接触面、または前記可動接触子の前記アークランナーとの接触面に形成された酸化膜または凹凸を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーを2つ以上の部品に分割し、それぞれを固定するツメまたは切欠きを前記アークランナーに具備することを特徴とする請求項1から請求項8、および請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の開閉器。前記アークランナーに対向し、前記固定接点の表面より前記可動接点側まで突出しない位置で前記固定接点の表面に並行な平面部をもつ固定アークランナーを備えることを特徴する請求項5に記載の開閉器。前記アークランナーに対向し、前記固定接点の表面に並行な平面部をもつ前記固定アークランナーを備え、前記固定アークランナーが前記側面壁のアーク駆動方向先端よりさらにアーク駆動方向側に位置することを特徴する請求項14に記載の開閉器。 |
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说明书全文 | この発明は、開閉器に関し、特にその開閉器のアーク駆動手段におけるアークランナー構造に関するものである。 従来の開閉器として、磁性体で構成されたアークランナーを固定接触子に取付け、アークランナーが接点周囲を覆うように配置することで接点上アークに作用する電磁力を強化し、アークを接点上から速やかに引き離すことを可能にする開閉器がある(例えば特許文献1参照)。 また、可動接触子を磁性体で構成されたアークホーンと接続し、可動接点上のアークを速やかにアークホーンへ駆動させ、接点消耗を低減することを可能とする開閉器も開示されている(例えば、特許文献2参照)。 特開平11−25834号公報 特開平9−134660号公報
上述した従来の開閉器において、接点周囲を覆う構造のアークランナーは固定接触子に取り付けられており、接点開極により可動接触子および可動接点が、固定接触子および固定接点から離れた場合、可動接点はアークランナーから離れた状態となる。 すると、開極直後はアークランナーが固定接点上アーク、可動接点上アークの双方に強い電磁力を作用するが、アーク遮断途中や、接点開極後のアーク再発弧時には、アークランナーが可動接点上アークに作用させる電磁力は不十分となる。 これにより、固定接点に対して、可動接点上アークの駆動が遅れ、可動接点残留アークが発生する。 特に、導体構造としてアーク駆動が加速される固定接触子と異なり、単純板形状であることが多い可動接触子においてはこのアーク駆動力低下の影響は大きく、駆動力不足となりやすい。 また、可動接触子は固定接触子と異なり熱的に厳しい状態となることが多く、連続遮断時などには固定接点に比べて可動接点の方が残留アークの影響が大きく、可動接点残留アークのアーク熱により可動接点の消耗を大きくするだけでなく、場合によってはアーク遮断信頼性を損なうという課題があった。 従来の、可動接触子と磁性体でできたアークホーンを一体とする構造の開閉器では、可動接触子と接点の周囲をアークランナーが覆い、可動接触子の電流方向と並行に磁性体板が設置される構造では無いため、可動接触子を流れる電流による磁束をアークに集中させる効果は無く、アーク駆動力が不十分となるという課題があった。 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、開極直後から接点解離後も可動接点上アークに作用する電磁力を強化し、可動接点残留アー クを防止することができる開閉器を得るものである。 この発明に係わる開閉器は、固定接点を備えた固定接触子と、前記固定接点に接触および非接触となる可動接点を備えた可動接触子と、前記固定接点と前記可動接点との間に発生するアークを電磁力で駆動するアークランナーとを備え、前記アークランナーは、前記可動接触子の前記可動接点の反対側に接続された平面壁と、前記平面壁から前記可動接点側に突出し、前記可動接触子の通電方向に並行に配置され、前記可動接点の両側面を覆う側面壁とにより構成され、前記側面壁の突出端は前記可動接点の表面位置まで、またはそれより長く突出しているものである。 この発明に係わる開閉器によれば、可動接触子および可動接点を覆うアークランナーが可動接触子を流れる電流によって形成される磁束をアークに集中させることで電磁力を強化するとともに、可動接触子とアークランナーが一体となって動作することで、アーク駆動途中で可動接点上アークに作用する電磁力が不足することを防ぐことができ、可動接点にアークが残留することを防ぐことができる開閉器を得ることができる。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す図1のII−II線における断面図である。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す図2のIV−IV線における断面図であり、(a)は閉極状態、(b)は開極状態を示すものである。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器の通電路を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器における可動接触子周辺の磁場を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアーク消弧過程の動作図であり、(a)は開極直後の状態、(b)はさらに開極が進んだ状態、(c)はさらにアーク駆動が進んだ状態を示すものである。 この発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 この発明の実施の形態2に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 この発明の実施の形態3に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 この発明の実施の形態4に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示す正面図である。 この発明の実施の形態6に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)はアークランナーの上面図、(b)はアークランナーの組み合せ状態を示す上面図である。 この発明の実施の形態6に係わる開閉器におけるクロスバー構造を示す展開図である。 この発明の実施の形態7に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)はアークランナーの上面図、(b)はアークランナーの組み合せ状態を示す上面図である。 この発明の実施の形態8に係わる開閉器における消弧構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態9に係わる開閉器における消弧構造を示す模式図である。
実施の形態1. 以下、この発明の実施の形態1を図1から図8に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す正面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す図1のII−II線における断面図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器を示す図2のIV−IV線における断面図であり、(a)は閉極状態、(b)は開極状態を示すものである。図5はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器の通電路を示す模式図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器における可動接触子周辺の磁場を示す模式図である。図7はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアーク消弧過程の動作図であり、(a)は開極直後の状態、(b)はさらに開極が進んだ状態、(c)はさらにアーク駆動が進んだ状態を示すものである。図8はこの発明の実施の形態1に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 図1および図2において、図1は開閉器1の正面図を示し、第一相消弧室2a、第二相消弧室2b、第三相消弧室2c、およびこれら三相分の端子3a〜3fを備えている。構造は基本的に上下対称、各相対称となっており、端子3a〜3cには電源側、端子3d〜3fには負荷側の配線が接続される。この開閉器1の図1のII−II線における断面を表わしたものが図2である。従って、図2は第二相消弧室2b内部を示したものであるが、第一相消弧室2a、および第三相消弧室2cの内部も基本的に同様の構造である。 第二相消弧室2b内には固定接触子である第1固定接触子4bと第2固定接触子4e、第1固定接触子4bおよび第2固定接触子4eにそれぞれ設けられた固定接点である第1固定接点5bと第2固定接点5e、第1固定接点5bと第2固定接点5eにそれぞれ接触および非接触する可動接点である第1可動接点6bと第2可動接点6e、可動接点である第1可動接点6bと第2可動接点6eを備えた可動接触子7、アークランナー8、グリッド9、アーク転流板10、クロスバー11が備えられており、これらがアークカバー12に覆われることで第二相消弧室2bは構成される。 第1固定接触子4b、第2固定接触子4eは端子3b,3eとそれぞれ電気的に接続されており、第1固定接触子4b、第2固定接触子4eは第1固定接点5b、第2固定接点5eを備えている。第1固定接点5bには第1可動接点6bが対向しており、第2固定接点5eには第2可動接点6eが対向しており、第1可動接点6bと第2可動接点6eは可動接触子7に備えられている。 アークランナー8は第1固定接点5b、第2固定接点5eと第1可動接点6b、第2可動接点6eとのそれぞれの間に発生するアークを電磁力で駆動するものである。アークランナー8は、可動接触子7の第1可動接点6b、第2可動接点6eの反対側の面に接続された平面壁22と、この平面壁22から第1可動接点6b、第2可動接点6e側に突出し、第1可動接点6b、第2可動接点6eの両側面を覆う側面壁21とにより構成され、側面壁21の突出端21aは第1可動接点6b、第2可動接点6eの表面より長く突出している。アークランナー8は可動接触子7に電気的に接続されている。 第1固定接点5b、第1可動接点6bから見て第2固定接点5e、第2可動接点6eと反対方向が第1固定接点5b、第1可動接点6bとの間に発生するアークの駆動方向であり、第2固定接点5e、第2可動接点6eとの間に発生するアークの駆動方向はその逆方向である。 アークの駆動方向にはグリッド9が設置されており、グリッド9に近接する位置にアーク転流板10が設置されることもある。グリッド9やアーク転流板10は通常回路となる第1固定接触子4b、第2固定接触子4e、第1固定接点5b、第2固定接点5e、第1可動接点6b、第2可動接点6e、可動接触子7、アークランナー8とは電気的に絶縁されており、アークカバー12に取り付けられている。 クロスバー11は留め金13i,13j、押しバネ14を備えており、留め金13iにより可動接触子7と、留め金13jにより押しバネ14と連結されている。クロスバー11はさらに可動鉄心15に接続されており、可動鉄心15は引き外しバネ16を介して操作コイル17に接続されており、操作コイル17は固定鉄心18に固定されている。 可動鉄心15と固定鉄心18は対向する位置で、板状や断面がE型形状となっており、鉄などの磁性体を単一または積層することで構成される。固定鉄心18は取付台19に固定されており、取付台19はベース20と接続し、取付台19とベース20とで可動鉄心15、引き外しバネ16、操作コイル17、固定鉄心18を覆う構造となっている。 取付台19、ベース20は絶縁物で成形された箱型形状の部材であり、特にベース20には端子3b,3eが取り付けられるため、合成樹脂や、剛性樹脂にガラス材を添加したものなど、耐熱性、絶縁性に優れた材料が用いられる。 図3は、この実施の形態1における可動接触子とそれに接続されたアークランナーの模式図であり、第二相に取り付けられるものを例として示している。アークランナー8の材質は、例えば鉄などの磁性体で、表面にメッキ処理がされることもある。アークランナー8は、可動接触子7の第1可動接点6b、第2可動接点6eの反対側の面に接続された平面壁22と、平面壁22から例えば折曲されて第1可動接点6b、第2可動接点6e側に突出して第1可動接点6b、第2可動接点6eの両側面を覆う側面壁21とにより構成され、側面壁21の突出端21aは第1可動接点6b、第2可動接点6eの表面より長く突出している。このように、アークランナー8の平面壁22および側面壁21とにより可動接触子7および第1可動接点6b、第2可動接点6eの両側面を覆った構成としている。 なお、アークランナー8は、板状の部材から折り曲げ加工で形成された場合を示しており、平面壁22の延長部分を折り曲げて側面壁21が形成されている。側面壁21と可動接触子7の側面は接触することもある。 また、アークランナー8の先端には同様に、曲げ加工により、アークランナー8の平面壁22の先端部分に反可動接点側に伸長するアーク走行部33が形成されることもあり、この実施の形態1においてはその一例として平板上のアーク走行部33を形成した場合を示している。 次に、この実施の形態1における開閉器の動作について説明する。 閉極動作として、操作コイル17が励磁されると、引き外しバネ16に抗して可動鉄心15が固定鉄心18に吸引される。そのため、可動鉄心15に固定されたクロスバー11も固定鉄心18側に移動し、クロスバー11と連動して可動接触子7および可動接触子7に接続されたアークランナー8も固定鉄心18側に移動し、第1可動接点6bが第1固定接点5bに、第2可動接点6eが第2固定接点5eに接触する。 図4はこの実施の形態1における可動接触子7と可動鉄心15を連結するクロスバー11の内部を示しており、図2におけるIV−IV線における断面を表わしている。煩雑になるため、可動接触子7とクロスバー11の内部、および可動鉄心15以外の部品は省略している。 図2において、第1可動接点6b、第2可動接点6eと第1固定接点5b、第2固定接点5eとがそれぞれ接触した後も、可動鉄心15、クロスバー11は固定鉄心18に向かって移動を続けるが、第1可動接点6b、第2可動接点6eが第1固定接点5b、第2固定接点5eに接触しているため可動接触子7は移動が制限される。このとき、留め金13iは可動接触子7に接続されており、留め金連結部23により留め金13jと一体となっている。 なお、留め金13iと留め金連結部23は一枚の板材から曲げ加工により作製され、一体の部品となっていることが多い。押しバネ14はクロスバー11の上壁24と留め金13jに接続されており、移動が制限された可動接触子7と連動して動きが制限されている留め金13jと、移動を続けるクロスバー11の上壁24に挟まれ、押しバネ14が縮む。これにより、可動接触子7は可動鉄心15の方向へ加圧される。 したがって、図2における第1可動接点6b、第2可動接点6eは第1固定接点5b、第2固定接点5e側へ加圧され、接点間の接触抵抗が十分低い状態で第1可動接点6b、第2可動接点6eと第1固定接点5b、第2固定接点5eとの間に電流が流れる。これにより端子3b、第1固定接触子4b、第1固定接点5b、第1可動接点6b、可動接触子7、第2可動接点6e、第2固定接点5e、第2固定接触子4e、端子3eは電気的に接続された状態となり、回路が閉じた状態となる。 次に、開極動作として図2における操作コイル17の励磁が中止されると、可動鉄心15は、引き外しバネ16により固定鉄心18から離れる。そのため、可動鉄心15に固定されたクロスバー11も固定鉄心18から離れる方向に移動し、クロスバー11と連動して可動接触子7も固定鉄心18から離れる方向に移動し、第1可動接点6b、第2可動接点6eが第1固定接点5b、第2固定接点5eから離れる。各接点がかい離を始めた瞬間、第1可動接点6b、第2可動接点6eと第1固定接点5b、第2固定接点5eとの間にはそれぞれ高温のアーク25が生じる。 各接点間に生じたアーク25には様々な電磁力が生じる。その一例として導体を流れる電流によってアーク周辺に形成される磁場とアークを流れる電流によって発生する電磁力がある。図5に接点間にアーク25が生じた場合の導体構造とアーク25に作用する磁場の通電路を示す。図5では電源側の接点間に生じたアーク25を例に説明するが、負荷側も基本的に同様である。各部品を流れる電流の向きは電源側から負荷側の方向と、負荷側から電源側の方向の2方向が考えられるが、ここでは電源側から負荷側へ電流が流れる場合について説明する。 第1固定接触子4bがUの字型となっているため、第1固定接触子4bを流れる電流の内、アーク25の近傍を流れる電流の向き26pは、可動接触子7を流れる電流の向き26qと逆向きとなる。よって電流の向き26pと電流の向き26qがアーク25周辺に形成する磁場の向きは紙面手前から奥方向28の向きとなる。 この磁場とアーク25を流れる電流27によりアーク25に作用する電磁力は、フレミング左手の法則から矢印29の向きとなる。これによりアーク25は矢印29の方向へ動かされることとなる。 このようにアーク25を電磁力により動かしたり伸張したりすることを、アーク25を駆動すると表現し、アーク25に作用する上記の電磁力をアーク駆動力と表現する。また、後述するアークランナー8は上記のように発生する磁場を制御し、アーク駆動力を高めるための機構である。 以上は第1固定接触子4b側について述べたが、第2固定接触子4e側についても同様であり、説明は省略する。 図6はこの実施の形態1において、例えば第2可動接点6e上にアーク25が発生した場合の模式図であり、端子3e側から見た底面図を示している。可動接触子7、第2可動接点6e、アークランナー8の全体構造は図3を参照されたい。今、アーク25を矢印30の向きに電流が流れているとすると、可動接触子7には紙面手前から奥方向31の向きに電流が流れることになる。 すると、可動接触子7の周囲には時計回りの磁場32が形成されるが、磁性体で出来た平面壁22と側面壁21とにより構成されたアークランナー8の内部の磁気抵抗が小さいため、ほとんどの磁束はアークランナー8の内部を通り、アーク25に集中的に作用する。従って、アーク25に作用する磁場を強めることができ、これによりアーク駆動力が大きくなる。 図7はこの実施の形態1において、可動接触子7の開極動作とアーク駆動の様子を模式的に表わしたものである。接点上アークの挙動が分かりやすいように、図1のII−II線における断面で表わしてあり、煩雑にならないよう、負荷側の接点について表わしている。 図7(a)は開極直後を示しており、第2可動接点6eと第2固定接点5eとの間にアーク25が発生する。このとき、可動接触子7と一体となったアークランナー8はアーク25への駆動力を強化し、アーク25は矢印34の向きに駆動される。このアーク駆動力により第2固定接点5e上のアーク25は速やかに第2固定接触子4eのアーク走行部35へ、第2可動接点6e上のアーク25は速やかに可動接触子7へ駆動される。 図7(b)はさらに開極が進んだ状態を示している。この状態では可動接触子7と一体となったアークランナー8は第2固定接点5eから離れた状態となるが、アーク25は第2固定接点5eから第2固定接触子4eのアーク走行部35に移っており、導体による電磁力で矢印34の向きへ駆動され、グリッド9に接触、分断される。 可動接触子7上のアーク25は可動接触子7と一体となっているアークランナー8により電磁力を強化され、さらに可動接触子7のアークランナー8方向、すなわち矢印36の方向へと駆動される。アークランナーが固定接触子と一体となっている従来の開閉器では、可動接触子が固定接触子と一体となったアークランナーから離れると、可動接触子上のアークに作用する駆動力が弱くなる。導体構造としてアーク駆動が加速される固定接触子と異なり、単純板形状であることが多い可動接触子においてはこの駆動力低下の影響は大きく、駆動力不足となりやすい。 また、可動接触子上のアークは固定接触子上のアークと異なり、開極直後は矢印36の向きにアークを駆動するが、可動接触子の端部まで駆動された後には矢印36の向きに駆動力を発生させる必要がある。従来の開閉器において固定接触子に接続されたアークランナーには矢印36の向きに駆動力を発生させる効果は無い。これらが、従来の開閉器で可動接触子にアークが残留する原因である。 図7(c)はさらにアーク駆動が進んだ状態を示している。アークランナー8は可動接触子7と一体となっているため、可動接触子7上のアーク25はアークランナー8に移動しやすく、可動接触子7からも離れて、アークランナー8の平面壁22の先端部分に反可動接点側に伸長するアーク走行部33へと駆動され、長く延伸される。 なお、この実施の形態1においては、アークランナー8が側面壁21によって第2可動接点6eと可動接触子7を覆う構造で、もっとも単純な形状としたが、例えば図8に示すように、可動接触子7の一部を覆う形状としてもよく、同様に可動接点上アークに作用する電磁力を強化する効果を奏する。加えて、この実施の形態に示すように、可動接点の周囲をアークランナーの側面壁が覆うような構造においては、アークがアークランナーの側面壁に接触することでアークランナーに転流することがある。このような場合、図8に示すように、アークランナー8の側面壁21の先端部分にアーク走行部33を設け、アークランナー8の側面壁21とアーク走行部33が連続するような構造にすることで、アークが接点からアークランナー8の側面壁21に転流した後、アークランナー8の側面壁21からアーク走行部33へ移動しやすくなり、より遮断性能を高めることができる。 以上は第2可動接点6e上にアーク25が発生した場合について述べたが、第1可動接点6b上にアーク25が発生した場合についても同様であり、説明は省略する。 このように、アーク駆動途中で可動接点上アークに作用する電磁力が不足することを防止し、可動接点にアークが残留することを防ぐことができる。また、アークランナー8と可動接触子7が電気的に接続されているので、アークランナー8と可動接触子7との通電路を形成し、アークがアークランナー8に転流しやすくすることでアーク消弧性能を高めることができる。さらに、アークランナー8の平面壁22の先端部分に反可動接点側に伸長するアーク走行部33を設けたことにより、アーク走行部33でアークを長く延伸し、アーク消弧性能を高めることができる。 実施の形態2. この発明の実施の形態2を図9に基づいて説明する。図9はこの発明の実施の形態2に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。上述した実施の形態1との違いはアークランナー8の一部にクロスバー11との接続に用いる留め金37が形成されている点である。 上述した実施の形態1で示したように、可動接触子7と接続されたアークランナー8が複雑な形状になると、多くの開閉器においては可動接触子7とアークランナー8をクロスバー11に固定する作業が複雑になる。例えば、図4のクロスバー11に図3の可動接触子7およびアークランナー8を接続する場合、クロスバー11を分解して、留め金13iと留め金13jを分離させる作業が必要になる。 通常開閉器において接点は消耗品となるため、可動接触子や固定接触子は簡易的な作業で取り付け、取り外しができることが望まれている。図9に示すこの実施の形態2においては、アークランナー8をクロスバー11に留め金37によって固定しておけば、アークランナー8内に可動接触子7を内挿するだけで容易に可動接触子7をアークランナー8およびクロスバー11に取り付けることができる。取り外す際もアークランナー8を引き上げ、可動接触子7を抜き出すだけでよい。 このように、この実施の形態2によれば、可動接触子7およびアークランナー8の開閉器筺体への取り付け、取り外しを容易にすることができる。 実施の形態3. この発明の実施の形態3を図10に基づいて説明する。図10はこの発明の実施の形態3に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。上述した実施の形態1および実施の形態2との違いは、アークランナー8に放熱用のフィン38が備えられていることである。フィン38はアークランナー8を成形する一枚の板材から曲げ加工によって成形される。 この実施の形態3に示すようなアークランナー構造では、アークランナー8の表面積を大きくし、周辺気体との熱交換を促進することで、可動接触子7やアークランナー8の冷却を行うことができる。連続遮断時にはアークによる熱で可動接触子7やアークランナー8は加熱されやすく、場合によっては接点の消耗やアーク遮断信頼性の低下につながることもある。このようにフィン38によって可動接触子7やアークランナー8を冷却することでき、信頼性の高い開閉器を得ることができる。 このように、この実施の形態3によれば、可動接触子7およびアークランナー8の放熱を促進し、アーク消弧性能を高めるとともに、アークランナー8の磁性低下を防止する効果も奏する。 実施の形態4. この発明の実施の形態4を図11に基づいて説明する。図11はこの発明の実施の形態4に係わる開閉器におけるアークランナー構造を示す正面図である。上述した各実施の形態との違いは、アークランナー8と可動接触子7の間に絶縁板39が挿入されていることである。絶縁板39は合成樹脂などが使用される。 この実施の形態4に示すような構造では、アークがアークランナー8に移った際に、アークランナー8内を電流が流れるようになる。アークランナー8に移ったアークによる電流が絶縁板39によって可動接触子7を流れにくくなり、アークランナー8は可動接触子7に比べて導電率の低い材料が使用されるため、その抵抗によって電流を限流し、アーク消弧を助ける効果が得られる。 このように、この実施の形態4によれば、アークが完全にアークランナー8に転流した際に、電気抵抗の大きいアークランナー8に電流を流すことで限流し、アーク消弧性能を高める効果も奏する。 実施の形態5. この実施の形態5において、上述した実施の形態4との違いは、アークランナー8と可動接触子7の間に絶縁板39を設置する代わりに、アークランナー8の可動接触子7との接触面、または可動接触子7のアークランナー8との接触面、またはその両方に酸化処理がなされた酸化膜を設けていることである。 この実施の形態5に示すような構造では、アークランナー8と可動接触子7は電気的に接続されることで、アークがアークランナー8に移動しやすい効果と、アークランナー8と可動接触子7との間の接触抵抗が大きくなることでアークランナー8に移ったアークによる電流が可動接触子7を流れにくくなる効果を両立し、さらに可動接触子7とアークランナー8が面接触するため、安定的に連結させることができる。 また、アークランナー8の可動接触子7との接触面、または可動接触子7のアークランナー8との接触面、またはその両方の接触面をブラスト処理などにより荒し、接触面に凸凹を設けるといった構造にしてもよく、同様の効果を奏する。 このように、この実施の形態5によれば、アークがアークランナー8へ転流しやすくする効果と、アークがアークランナー8に転流した後に、アークランナー8と可動接触子7との界面の接触抵抗により電流を限流する効果を両立することができる。 実施の形態6. この発明の実施の形態6を図12および図13に基づいて説明する。図12はこの発明の実施の形態6に関わる開閉器におけるアークランナー構造を示しており、(a)はアークランナーの上面図、(b)はアークランナーの組み合せ状態を示す上面図である。また、図13はこの発明の実施の形態6に関わる開閉器におけるクロスバーの構造を示す展開図であり、各部品の記号は上述した実施の形態1の図4と対応する。 図12におけるアークランナーは上述した実施の形態1の図8で示したアークランナー形状を基にしているが、例えば上述した実施の形態1の図3に示したようなアークランナー形状であっても良い。 上述した実施の形態1との違いは、アークランナー8を2つ以上の部品に分割する構造としており、分割アークランナー40aを2つ以上組み合せて一つのアークランナー8を構成する点である。すなわち、アークランナー8を電源側消弧室と負荷側消弧室の2つの部品に分割した場合を示している。分割アークランナー40a,40aにはツメ41が具備されており、組み合わせ状態では貫通穴42が形成される。また、留め金13iにはプレスなどで形成される突起43が設けられ、突起43が接触する可動接触子7上面には対応する溝が形成されている。 この実施の形態6に示すような構造では、分割アークランナー40a,40aをクロスバー11の両端から挿入することで、クロスバー11を完全分解することなく、容易に分割アークランナー40a,40aの取り付け、取り外しが可能となる。 分割アークランナー40a,40aは組み合せた際に形成される貫通穴42に、留め具13iの突起43が貫通し、対応するように設けられた可動接触子の溝に留め具13iの突起43がはまることで位置固定がされ、互いの分割アークランナー40a,40aのツメ41同士、及びツメ41と突起43がかみ合う構造となる。 これにより、分割アークランナー40a,40aの脱落や、電磁力の低下もなく、アークがアークランナー8へ転流されやすくなる効果と、アークランナー8の容易な取り付け、取り外しが可能となる効果を両立することができる。 実施の形態7. この発明の実施の形態7を図14に基づいて説明する。図14はこの発明の実施の形態7に関わる開閉器におけるアークランナー構造を示しており、(a)はアークランナーの上面図、(b)はアークランナーの組み合せ状態を示す上面図である。 上述した実施の形態6においては、図12に示すように、アークランナー8を電源側消弧室と負荷側消弧室の2つの部品に分割する実施例を示したが、この実施の形態7においては、図14に示すように、可動接触子の通電方向に渡ってアークランナー8を分割した実施例を示している。すなわち、それぞれの分割アークランナー40b,40bには切欠き42hがそれぞれ形成されており、2つの分割アークランナー42bを組み合せた際には貫通穴42が形成される。 この実施の形態7においては、分割アークランナー40b,40bを傾斜させることで可動接触子7と同様にクロスバー11に挿入することが可能であり、上述した実施の形態6と同様に、分割アークランナー40b,40bを組み合わせることにより形成された貫通穴42に上述した実施の形態6の図13で示した突起43が貫通することで分割アークランナー40b,40bの位置決めが可能である。 実施の形態8. この発明の実施の形態8を図15に基づいて説明する。図15はこの発明の実施の形態7に関わる開閉器における消弧構造を示す模式図である。煩雑にならないよう、ここでは負荷側について示している。図15におけるアークランナー8は上述した実施の形態1の図8で示したアークランナー形状を基にしているが、例えば上述した実施の形態1図3に示したようなアークランナー形状であっても良い。 上述した実施の形態1との違いは、アークランナー8の側面壁21を可動接触子7と可動接点6の接続面から、可動接点7の表面までの範囲で突出させ、固定接触子4に固定アークランナー44を具備している点である。固定アークランナー44はアークランナー8の側面壁21と対向する平面部45をもつ構造となっている。 この実施の形態8に示すような構造では、アークに作用する電磁力を強化するとともに、アークの転流先を可動接触子側、固定接触子側双方に用意することでより素早くアークを駆動することができる。これにより電流遮断性能を高めるだけでなく、アークによる可動接点6、固定接点5双方の消耗を低減することができ、同時にアークランナー8の側面壁21と固定アークランナー44の平面部45が閉極時に干渉することを防止できる。 実施の形態9. 上述した実施の形態8においては、アークランナー8の側面壁21を固定接点5から可動接点6を見た方向に短縮させ、対向する固定アークランナー44の平面部45を可動接点6から固定接点5を見た方向に下げることで、アークランナー8の側面壁21と固定アークランナー44の平面部45が閉極時に干渉することを防止したが、この実施の形態9においては、図16に示すように、上述した実施の形態1で示したものと同様なアークランナー8を実装し、対向する固定アークランナー44をアークの駆動方向へずらして設置する構造としても、アークランナー8の側面壁21と固定アークランナー44の平面部45が閉極時に干渉することを防止し、同時にアーク駆動力を向上する効果を奏する。 ところで、上述した各実施の形態においては、第二相消弧室2bを対象として説明したが、第一相消弧室2a、第三相消弧室2cについても同様に適用するものであり、同様の効果を奏する。 なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。 この発明は、可動接点にアークが残留することを防ぐことができる開閉器の実現に好適である。 1 開閉器、4b、4e 固定接触子、5b、5e 固定接点、6b、6e 可動接点、7 可動接触子、8アークランナー、21 側面壁、22 平面壁、25 アーク、33 アーク走行部、37 留め金、38 フィン、39 絶縁板、40a、40b 分割アークランナー、41 ツメ、42 貫通穴、42h 切欠き、43 突起、44 固定アークランナー、45 平面部。 |