医療用放射性同位元素を準備するための装置

申请号 JP2017526622 申请日 2015-11-17 公开(公告)号 JP2017534878A 公开(公告)日 2017-11-24
申请人 ロスアラモス・ナショナル・セキュリティ,エルエルシー; 发明人 エー.ウォロシュン キース; エー.ウォロシュン キース; アール.オリバス エリック; アール.オリバス エリック; イー.デイル グレゴリー; イー.デイル グレゴリー;
摘要 放射性 同位元素を作り出すための装置が、ハウジングと、ハウジング内の複数のターゲットディスクと、ディスクに向かって凸に内向きに 位置 決めされた湾曲した窓とを含む。動作中、冷却材がディスクおよび窓にわたってハウジングを流通し、一方、電子ビームが窓およびディスクを通過する。窓 温度 が高まり、電子ビームが窓に当たる窓の中間で最も速く上昇する。平坦な窓は、中央が熱膨張中、比較的影響を受けない周辺に対して変形することになるので、座屈することになるが、湾曲した窓の形状は、電子ビームからの加熱と窓の内側の冷却材からの高い圧 力 の組合せによって生み出される高い熱応力および機械的応力に窓が耐えることを可能にする。そのような窓は、加圧された冷却材が窓の片側だけに作用する応 用例 に使用され得る。
权利要求

放射性同位元素を作り出すための装置であって、 ハウジングと、 前記ハウジング内に位置決めされているディスクホルダであって、放射性同位元素を作り出すために前記ハウジング内に1つまたは複数のターゲットを保持するように構成されているディスクホルダと、 前記ハウジングに結合され、および、ターゲットホルダに隣接して位置決めされた少なくとも1つの湾曲した窓であって、前記ハウジング内へ前記ターゲットホルダに向かって面して向けられた凸形の湾曲した表面を有し、前記ハウジング内の前記ターゲットホルダによって保持された1つまたは複数のターゲットを照射して前記1つまたは複数のターゲットから放射性同位元素を作り出すために、前記ハウジングの外側から前記ターゲットホルダ内へ放射を透過するように動作可能な、少なくとも1つの湾曲した窓と を備え、 前記ターゲットホルダは、前記ターゲットホルダによって保持された1つまたは複数のターゲットから冷却材が熱を除去するように、且つ前記少なくとも1つの湾曲した窓から前記冷却材が熱を除去するように、放射性同位元素を作り出す間、前記ハウジングを流通する前記冷却材を受け取るように動作可能な冷却材流入部分を備えており、 前記ターゲットホルダは、前記冷却材が通り過ぎ、前記1つまたは複数のターゲットおよび前記少なくとも1つの湾曲した窓から熱を除去した後で冷却材を前記ターゲットホルダから排出するように動作可能な冷却材流出部分を備えている、装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓は2つの湾曲した窓であって、前記ハウジングに結合され且つ前記ターゲットホルダの両側に位置決めされた2つの湾曲した窓を含んでおり、前記2つの湾曲した窓はそれぞれ、前記ターゲットホルダの両側から前記ターゲットホルダに向かって面して向けられた凸形の表面を有し、前記2つの湾曲した窓は、前記1つまたは複数のターゲットを異なる2つの方向から同時に照射するために異なる2つの方向から前記ターゲットホルダ内に放射を透過するように動作可能である、請求項1に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓の前記凸形の表面は球状の湾曲を有する、請求項1または2に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓は前記凸形の表面とは反対側の凹形の表面を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。前記ハウジングおよびディスクホルダは、前記湾曲した窓の前記凸形の表面と前記ハウジング内に前記ターゲットホルダによって保持されたターゲットの隣接する表面との間のチャネルから冷却材を提供するように配置されており、そのために、前記湾曲した窓は、前記ハウジング内で前記凸形の表面の上を流れる冷却材によって冷却される、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓の前記凸形の表面は、前記ハウジング内で冷却材の流れ経路内に内向きに突出し、前記湾曲した窓から前記冷却材への増大された熱伝達を引き起こす、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。前記ターゲットホルダは前記ディスクホルダ内に複数のターゲットを保持するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。前記ターゲットホルダは、前記ディスクホルダ内に複数のディスク形状のターゲットを保持し、前記ディスク形状のターゲットが互いに実質的に平行に向けられ互いに離間された状態で、前記ターゲット間に冷却材の流れ経路を提供するように構成されている、請求項7に記載の装置。前記ディスクホルダはフィンを備えており、前記フィンは、前記複数のディスク形状のターゲットを保持するように構成されており、且つ前記フィン間および前記ターゲット間で冷却材の流れを可能にするように構成されている、請求項8に記載の装置。前記ターゲットホルダは複数の詰められた球状のターゲットを保持するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。前記ターゲットホルダは単一のターゲットを保持するように構成されており、前記単一のターゲットは前記単一のターゲットを通る複数の冷却材の流れチャネルを備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。前記ターゲットホルダ内に装着されている1つまたは複数のターゲットであって、モリブデンを含んでいる1つまたは複数のターゲットをさらに備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。前記ターゲットホルダ内に装着されている1つまたは複数のターゲットであって、Mo−100を含んでいる1つまたは複数のターゲットをさらに備えている、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。第1の電子ビームが前記少なくとも1つの湾曲した窓を通過し、次いで前記ターゲットホルダ内の少なくとも1つのターゲットを通過するように、前記少なくとも1つの湾曲した窓にて前記第1の電子ビームを送達するように位置決めされた第1の電子ビームソースをさらに備えている、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。第2の電子ビームが本装置の第2の湾曲した窓を通過し、次いで前記ターゲットホルダ内の前記少なくとも1つのターゲットを通過するように、前記第2の湾曲した窓において前記第2の電子ビームを送達するように位置決めされた第2の電子ビームソースをさらに備えている、請求項14に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓は元素金属または金属合金を含んでいる、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓は、析出硬化インコネル合金、アルミニウムとベリリウムの合金、鋼、耐火金属合金、モリブデンとレニウムの合金、オーステナイト合金、マルテンサイト−フェライト合金、および、チタンとジルコニウムとモリブデンの合金(TZM)から選択される金属合金を含んでいる、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。前記少なくとも1つの湾曲した窓は元素アルミニウムを含んでいる、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。前記ハウジングに結合されている冷却システムであって、前記ハウジングおよび前記ターゲットホルダを通って冷却材を導くように構成されている冷却システムをさらに備えている、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。前記冷却材はヘリウムガスを含んでいる、請求項19に記載の装置。

说明书全文

本願は、一般に、Mo−99など放射性同位元素を準備するためのシステム、装置、および方法に関する。

関連出願の相互参照 本願は、2014年11月17日に出願された米国特許仮出願第62/080,589号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

政府支援の確認 本発明は、米国緊急事態局(U.S.Department of Energy)に与えられた契約第DE−AC52−06NA25396号のもと、政府支援と共になされた。政府は、本発明における、ある種の権利を有する。

共同研究契約の参加者 ここに記載の研究は、CRADA第LA11C10660号のもと、Los Alamos National Security,LLCとNorthStar Medical Radioisotopes,LLCとの間の協働研究開発契約(Cooperative Research and Development Agreement)のもとで実施された。

テクネチウム99m(「Tc−99m」)は、核医学において最も一般的に使用されている放射性同位元素である。Tc−99mは、米国内で実施されるすべての撮像処置の約3分の2で使用される。Tc−99mを使用する年間数千万の診断処置が行われている。Tc−99mは、モリブデン99(「Mo−99」)の放射性崩壊から作り出される娘同位元素である。Mo−99は、66時間の半減期で崩壊してTc−99mになる。

米国内で核医学において使用されるMo−99の大多数が、外国の経年化原子炉内で生産される。これらの原子炉の多くが、依然として固体の高濃縮ウラン(「HEU」)ターゲットを使用し、Mo−99を生産している。HEUは、20%を超えるウラン235(「U−235」)の濃度を有する。これらの原子炉の保守および修理シャットダウンが、米国への、また世界の残りの地域の大部分へのMo−99の供給を途絶させている。親放射性同位元素Mo−99の比較的短い半減期により、予備の蓄積をすることができない。大手生産者の1つ、カナダのThe National Research Reactorは、2016年に定期生産を中止している。

ASME Boiler and Pressure Vessel Code Section VIII,Part 5

ASME Boiler and Pressure Vessel Code Section II,Part D Mandatory Appendix I

HEUの使用を含まないMo−99を作り出すための技術は、たとえば、モリブデン100のターゲット(または複数のターゲット)を電子ビームに暴露することを含み得る。ビームとの相互作用は、モリブデン100ターゲット材料の一部をモリブデン99に変換させる。モリブデン100ターゲット材料は、たとえばディスクホルダ内のターゲットディスクの形態で存在し得、ディスクは、ビーム方向に対し直交して向けられる。ビームは、最初に窓を通過し、次いで最も近いターゲットディスクを通過し、次いで次の最も近いターゲットディスクを通過し、以下同様とすることができる。ビームと窓およびターゲットとの相互作用は、窓およびターゲットを加熱する可能性があり、その結果、冷却材(たとえば、ヘリウムガス)を使用し、ビームがターゲットを照射するとき、窓および/またはターゲットから熱を除去することができる。

典型的な窓は平坦であるが、平坦な窓は、高い熱蒸着レートおよび冷却材からの窓に対する圧が、高い応力の一因になり得、エネルギービームは、窓を不均一に、ビームが窓を通過する中央で顕著に加熱する可能性があるので、問題となり得る。したがって、窓の中央は、比較的に動かない周縁に対して熱膨張する可能性がある。これらの条件下で、ビームからの加熱が、加圧された冷却材と組み合わされて、窓に対する応力を生み出し、これが窓を変形させるので、膨張する中央は、元の平坦な窓の平面から弓なりに曲がる可能性があり、これは窓を破損させる可能性がある。

したがって、本明細書では、電子ビーム照射中、窓およびターゲットがターゲットディスクホルダの内側から冷却されている間に、窓に対する応力を最小限に抑えるための技術を開示する。

いくつかの開示されている技術では、放射性同位元素を作り出すための装置が、ハウジングと、ハウジング内のディスクホルダと、ディスクホルダ内で実質的に互いに平行に向けられた複数のターゲットディスクとを含むことができる。また、この装置は、第1の湾曲した窓と第2の湾曲した窓を含むことができる。これらの窓は、それらの湾曲した表面がディスクホルダ内のディスクに向かって内向きに向けられた状態で、ディスクホルダの両側に位置決めされ得る。他の実施形態では、ターゲットの一方の側に1つの窓だけが設けられ、またはターゲットの3つ以上の側になど、2つよりも多くの窓が設けられる。

ディスクホルダの両側に2つの湾曲した窓を有する実施形態の動作中、第1の電子ビームが第1の窓を通過し、次いでターゲットディスクを通過することができ、同位元素が作り出される。第2の電子ビームもまた第2の窓を通過し、次いでターゲットディスクを通過することができ、追加の同位元素が作り出される。ビーム照射により、窓およびターゲットディスクが加熱される。ディスクホルダ内の1つまたは複数の入口は、ハウジングからの冷却材がディスクホルダに入り、ディスクおよび/または湾曲した窓を冷却することを可能にする。ディスクホルダ内の出口は、冷却材がディスクホルダを出ることを可能にする。湾曲した窓の形状は、湾曲していない窓に比べて、ビーム誘導加熱および冷却材圧力によって引き起こされる、窓に対する応力を低減する。

いくつかの実施形態では、Mo−99を作り出すための装置は、ハウジングと、ハウジング内のディスクホルダと、モリブデン100の複数のターゲットディスクを含む。ターゲットディスクは、ディスクホルダ内で実質的に互いに平行に向けられる。この装置はまた、第1の湾曲した窓と第2の湾曲した窓を含む。第1の湾曲した窓および第2の湾曲した窓は、それらのそれぞれの湾曲した表面がディスクホルダ内のディスクに向かって内向きに向けられた状態で、ディスクホルダの両側に位置決めされる。動作中、第1の電子ビームが第1の窓を通過し、次いでモリブデン100製のターゲットディスクを通過し、放射性同位元素モリブデン99が作り出される。第2の電子ビームもまた第2の窓を通過し、次いでモリブデン100のターゲットディスクを通過することができ、モリブデン99の追加の放射性同位元素が作り出される。この装置は、ターゲットディスクおよび/または2つの湾曲した窓の内側表面に接触する冷却材をも含む。動作中、電子ビームは湾曲した窓を通過し、モリブデン100のターゲットディスクを照射するとき、冷却材がハウジングを通ってディスクホルダに流入し、そこでディスクおよび窓を冷却する。湾曲した窓の形状は、平坦な窓に比べて、ビーム誘導加熱および冷却材圧力によって引き起こされる、窓に対する応力を低減する。

開示されている技術の前述および他の目的、特徴、および、利点は、添付の図を参照して進む以下の詳細な説明からより明らかになろう。

ハウジングと、ターゲットディスクホルダと、ターゲットディスクと、それらの湾曲がターゲットディスクに向かって向けられた(すなわち、ハウジング内に凸)2つの湾曲した窓とを含む放射性同位元素を準備するための例示的な装置の分解等投影図である。

図1Aの装置の組立て図である。

放射性同位元素を準備するための例示的なシステムの概略図である。

例示的な寸法を示す例示的な湾曲した窓の断面図である。寸法は、インチ単位(ほんの数例を挙げると1.339インチ、1.260インチ、および0.01インチ)並びに図2Aでは括弧内に見られるミリメートル単位(34、32、0.25)で提供される。図の曲率半径のための値は、1.50インチ[38mm]である。窓直径、半径の関数としての厚さ、および寸法全体は、使用中、電子ビームが窓を通過し、一方、冷却材が装置を流通し、照射されるディスクおよび窓を装置の内側から冷却するとき生み出される相対的な機械的応力および熱応力で変化することになる。

図1Bの装置のための例示的な湾曲した窓およびターゲットホルダの詳細図である。

図1Bの装置のための例示的なターゲットホルダおよびターゲットの等角投影図である。

装置を通る冷却材流れ方向に対して直交する平面に沿ってとられた図1Bの装置の断面図である。

例示的なターゲットチャネル幾何形状についてm/s単位の流速およびg/s単位の流量の関数としてのW/m

2−K単位のヘリウムの熱伝達係数のグラフである。

例示的な装置における前面窓およびターゲットディスク1から8を加熱するための半径(cm)の関数としての内部発熱(W/cc)のグラフである。最も低い曲線は、窓についてプロットされたデータを提供し、次に低い曲線は、ディスク1(窓に最も近いディスク)についてプロットされたデータを提供し、次に低い曲線は、ディスク2についてプロットされたデータを提供し、ディスク8についてプロットされたデータを提供する最も上の曲線まで以下同様である。

コンピュータによる流体力学計算のための共役熱伝達メッシュの図である。

ヘリウム冷却材のための等圧線の図である。

XZ平面内での等速線プロットの図であり、プロットが示すように、ビーム方向は、図の平面内において、窓の中間点にあり、冷却材速度は、ターゲットの縁部に達する前に最も遅く、窓と第1のターゲットとの間に流れる冷却材について最も速く、冷却材流速は、冷却材が窓と第1のターゲットとの間の最小距離の平面に近づくにつれて増大し、ここで最大速度に達し、その後、冷却材速度は減少する。

冷却チャネル平均速度のプロットを表す図であり、速度は、第1の冷却チャネルについて最も高く、次の24個の冷却チャネルについてほぼ同じである。

293.15Kから900Kのガス温度のプロットを表す図である。

合金718窓の中心厚さを通る温度プロファイルの図である。前面窓の等速線プロットが挿入部内に示されている。

前面窓、および50個のモリブデンターゲットディスクのうちの最初の25個のピーク温度のプロットを表す図である。

42MeVのビームエネルギーおよび電流5.71ミリアンペアでの、XZ平面図からのターゲットアセンブリ(すなわち、ハウジングおよびターゲットディスク)の等速線プロットを表す図である。

負荷の説明および解析された有限要素ケースの図である。

応力カテゴリおよび相当量応力の制限の図である。

アニールされた718合金のUTSに対するテスト温度の効果のグラフを表す図である。

温度の関数としての析出硬化インコネル合金718のUTSのグラフを表す図である。

加えられた機械負荷(圧力300psi)だけの合金718窓のフォンミーゼス応力プロット(すなわち、応力等高線プロット)を表す図である。

異なる2つの場所での線形化された応力(膜、曲げ、および膜+曲げ)の図である。

異なる2つの場所での線形化された応力(膜、曲げ、および膜+曲げ)の図である。

異なる2つの場所での線形化された応力(膜、曲げ、および膜+曲げ)の図である。

窓の変形のプロットを表す図である。

機械負荷を伴うFEモデルにCFDモデル結果を結合することによって得られる窓結果の熱応力結果の図である。

0.180mmのピーク変形を生成した窓に対する熱および機械的負荷の図であり、これらの変形は、窓のピークに位置せず、したがって冷却材間隙幅および冷却材流れ特性に影響を及ぼすことは予想されない。

アニールされたインコネル合金718の耐力に対するテスト温度の効果を示すグラフを表す図である。

温度の関数としての析出硬化インコネル合金718の耐力の図である。

クロスチャネルを有する概して円筒形を有する例示的なターゲットの等角投影図である。

ターゲットの中間における円筒形の長手方向軸に対して直交してとられた図24Aのターゲットの断面図である。

長手方向軸に沿ってとられた図24Aのターゲットの断面図である。

図24Cの一部分の拡大図である。

複数の小さい球状要素を含む例示的なターゲットの等角投影図である。

放射性同位元素を作り出すためのシステム、装置、および方法が本明細書で開示される。開示されているシステムは、照射されることになる1つまたは複数のターゲットを保持するように動作可能であり、一方、この放射によって加熱され得るターゲットおよび装置の他の部分に冷却材を通すようにも動作可能な装置を含むことができる。本明細書に開示されている例示的な装置は、細長いハウジングと、ターゲットホルダと、1つまたは複数の湾曲した窓と、1つまたは複数のターゲットとを含むことができる。ターゲットは、印加される放射が湾曲した窓を通過し、ターゲット内に入り、またはターゲットを通過し、ターゲット内で所望の放射性同位元素を作り出すように、ハウジング内で所望の向きでターゲットホルダによって保持される。ターゲットは、印加される放射と相互作用させるために特定の形で配置された、ディスクまたは球など、任意の数の個々のターゲットユニットを含むことができる。ハウジングはまた、冷却材を、ターゲットホルダを通して、ターゲットの上を、および/または湾曲した窓の少なくとも内側表面を通過して導き、放射によって生成される熱を引き離すように構成されている。窓は、ターゲット内で放射性同位元素を効果的に作り出すために望むようにして、入来する放射ビームを形作る湾曲を有することができる。

いくつかの例示的な装置は、ハウジングと、ハウジング内のディスクホルダと、ディスクホルダ内で実質的に互いに平行に向けられた複数のターゲットディスクとを含む。また、この装置は、第1の湾曲した窓と第2の湾曲した窓を含み、これらの窓は、それらのそれぞれの湾曲した表面がディスクホルダ内のディスクに向かって内向きに向けられた状態で、ディスクホルダの両側に位置決めされる。動作中、第1の電子ビームが第1の窓を通過し、次いでターゲットディスクを通過し、同位元素が作り出される。第2の電子ビームもまた第2の窓を通過し、次いでターゲットディスクを通過することができ、追加の同位元素が作り出される。ビーム照射により、窓およびターゲットディスクが加熱される。ディスクホルダ内の入口は、ハウジングからの冷却材がディスクホルダに入り、ディスクおよび湾曲した窓を冷却することを可能にする。ディスクホルダ内の出口は、冷却材がディスクホルダを出ることを可能にする。湾曲した窓の形状は、ビームを成形する助けとなり得、ビーム誘導加熱および冷却材圧力によって引き起こされる、窓に対する応力を最小限に抑える助けとなり得る。

特定の実施形態では、Mo−99を作り出すための装置が提供される。この装置は、ハウジングと、ハウジング内のディスクホルダと、ディスクホルダ内で保持されたモリブデン100の複数のターゲットディスクとを含む。ターゲットディスクは、ディスク間に狭い空間がある状態で、ディスクホルダ内で実質的に互いに平行に向けられて保持される。また、この装置は、第1の湾曲した窓と第2の湾曲した窓を含み、これらの窓は、それらのそれぞれの湾曲した表面がディスクホルダ内のディスクに向かって内向きに向けられた状態で、ディスクホルダの両側に位置決めされる。動作中、第1の電子ビームが第1の窓を通過し、次いでモリブデン100製のターゲットディスクを通過し、放射性同位元素モリブデン99が作り出される。第2の電子ビームもまた第2の窓を通過し、次いでモリブデン100のターゲットディスクを通過することができ、モリブデン99の追加の放射性同位元素が作り出される。電子ビームソースからの第1の電子ビームが第1の湾曲した窓を通過する。同時に、または後で、第2の電子ビームが第2の湾曲した窓を通過する。電子ビームが窓を通過し、次いでモリブデン100のターゲットディスクを通過するとき、冷却材の流れが、ハウジングを通過しディスクホルダに入り、そこでディスクおよび窓を冷却する。

開示されているいずれの実施形態においても、通過する冷却材ガス流内へ内向きに凸である曲率半径が窓に与えられ得る。この窓形状は、凸形の内側窓表面の上の冷却材の流れを向上させ、これは、熱伝達を改善し、窓温度を低減する。また、湾曲した窓の形状は、機械的応力の、および圧力誘導熱応力の低減をもたらすことができる。

図1Aおよび図1Bは、ハウジング12と、ターゲットホルダ14と、ターゲットディスク16(たとえば、50枚のMo−99ディスク)の概して円筒形のスタックと、2つの反対側の湾曲した窓18とを含む例示的な装置10を示す。湾曲した窓18は、内向きに凸である(すなわち、凸形の湾曲した表面が、ターゲットホルダ14内のターゲットディスク16に向かって内向きに面して向けられ、凹状の湾曲した外側表面がターゲットから反対に面する)。図1Bに示されているように、ハウジング12は、概して管状とすることができ、放射ビーム軸に対して直交する方向に細長いものとすることができる。ハウジング12は、矩形断面、または他の断面形状を有することができる。ハウジング12は、対応する形状を有する窓18を受け取るようにサイズ設定された円形開口20を含むことができる。

図2Cに示されているように、ターゲットホルダ14は、概して立方体のフレームを含むことができる。ホルダ14は、2つの窓18、およびハウジング内の2つの開口20と位置合わせされている、ホルダを通す開口28を含むことができる。ターゲットディスク16のスタックは、ホルダ14内側で開口28内に配置され、これらのディスクは、ホルダ内の開口28および窓18と位置合わせされている。ターゲットホルダ14は、互いにわずかに離間された複数のフィン22を含むことができ、各フィン22は、開口28の1つを含み、ターゲットの1つを保持する。ホルダ14は、フィン22間に延びる冷却材流れチャネルを含む。フィン22は、丸い、またはブルノーズ型の流入端24と、尖ったディフューザの流出端26とを含み、流入端24と流出端26の間でターゲットを跨いだ冷却材圧力低下を低減することができる。複数のフィン22は、図2Cに示されているように上部および下部接続プレート30を介して共に保持され得る。また、窓18の内側表面と最初および最後のターゲットディスクとの間に空間が提供され、冷却材の流れが窓の内側表面並びにディスクの上を通ることを可能にする。図2Bは、ターゲットホルダ14および窓18のための例示的な寸法を提供する。

窓18の湾曲した形状は、湾曲していない窓形状または他の湾曲した窓形状に比べて、ビーム誘導加熱および冷却材圧力によって引き起こされる、窓に対する応力を低減することができる。図2Aは、例示的な寸法を有する例示的な窓18の断面図を示す。寸法は、インチ単位(ほんの数例を挙げると1.339インチ、1.260インチ、および0.01インチ)並びに図2Aでは括弧内に見られるミリメートル単位(34、32、0.25)で提供される。図の曲率半径のための値は、1.50インチ[38mm]である。窓直径、半径の関数としての厚さ、および寸法全体は、使用中、電子ビームが窓を通過し、一方、冷却材が装置を流通し、照射されるディスクおよび窓を装置の内側から冷却するとき生み出される相対的な機械的応力および熱応力が原因で変化する可能性がある。

装置10は、放射性同位元素を準備し、一方、冷却材の流れを使用し、印加される放射によって生成される熱を連続的に除去するための様々な装置の一例である。図1Cは、装置10または他の同様な装置と共に使用することができる例示的な冷却材システムを示す概略図である。冷却材システムはヘリウムなど様々な冷却材材料を使用し、熱をターゲット、窓、および/または他の装置構成要素から除去することができる。冷却材システムは冷却材を所望の圧力および流量で装置10に与えることができ、装置から抽出される熱をヒートシンク(たとえば、塊)または何らかの他の行き先と交換することができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、約217gm/sの入口質量流量および約2.068MPaの入口圧力を有する、ヘリウムベースの閉ループ冷却システムを含むことができる。入口質量流量および入口圧力は、たとえばターゲットホルダの流入端24に印加することができる。図1Bに示されているように、ハウジング12は、端部開口13を有する細長い管状体を含むことができる。端部開口13は、開口13の1つを通って入り、ターゲットホルダ14を通り、他の開口13を通って出るように冷却材を導くように冷却材システムに結合され得る。

代替実施形態では、ターゲットは、様々な異なる構成を有することができる。たとえば、図24A〜図24Dは、ターゲットを通る冷却材の流れを可能にするために複数のクロスチャネルを有する概して円筒形の全体形状を有する例示的な単一部片のターゲット40を示す。ターゲット40は、軸方向端部42が湾曲した窓に面し、中実の上部および下部部分44が冷却材の流れの上方および下方に位置決めされた状態で配置され得る。流れチャネルは、ターゲット40の異なる部分において様々なサイズおよび形状を含むことができる。たとえば、ターゲット40は、軸方向端部42に近いほどより広いスロットタイプの流れチャネル46、軸方向中央に近づくほどより狭いスロットタイプの流れチャネル48、および/または軸方向中央部分においてピンホールタイプの流れチャネル50を含むことができる。チャネル46、48は、上部中実部分44と下部中実部分44の間に垂直に延びることができ、一方、ピンホールタイプのチャネル50は、より短い高さを有し、同じ垂直平面内でいくつかと重ねることができる。流れチャネルの異なるサイズおよび形状は、ターゲットにわたる加熱速度の変動を補償することができ、放射からの加熱がより大きい領域において冷却材の流れおよび/または表面積がより大きい。例示的なターゲット40は、両軸方向端部から照射されるように構成され、したがって軸方向に対称であるが、他の実施形態は、一方の軸方向端部からのみ照射されるときなど、非対称とすることができる。

図25は、概して円筒形の全体形状を有し、複数の小さな球状ターゲット要素62を備える別の例示的なターゲット60を示す。ターゲット60は、一方または両方の軸方向端部から来る放射と共に向けられ得る。球状要素62間の空間は、ターゲット全体を通る冷却材の流れを可能にすることができる。ターゲット60は、それらの要素62を所望の詰められた形態で保持する球状の外側ケーシングまたはホルダを含むことができる。外側ケーシングまたはホルダは、メッシュ、スクリーン、または冷却材の流れがそこを通ってターゲット内に入ることを可能にするために少なくとも部分的に穿孔された他の材料を含むことができる。冷却材の流れは、円筒形の全体形状の軸に対して直交するものとすることができる。他の同様の実施形態では、ターゲットは、詰められた小さな球状要素から構成された矩形、たとえば方形の断面の全体形状を備えることができる。矩形の形状は、ターゲットを通過するより均一な冷却材の流れの分布を提供することができる。球状要素は、それらの全体密度を調整し、球間の開いた空間の相対的な容積および構成を調整するために、異なるように詰められ得る。他の実施形態では、ターゲットは、1個部片として一体化されているスポンジのような、または多孔質の材料を含むことができるが、加圧された冷却材が通り抜けることができる通路を含む。

他の実施形態では、2つより多くの異なる方向からターゲットの照射を可能にするために、2つより多くの湾曲した窓がハウジング内に含まれ得る。たとえば、矩形の断面のハウジングは、4つの窓を、4つの側のそれぞれに1つ含むことができ、冷却材は、4つの湾曲した窓すべての中心軸に対して直交して流れる。そのような実施形態では、ターゲットは、立方体の形状を含むことができ、たとえば、4つの平坦な表面が4つの窓の方に向き、他の2つの表面が冷却材の流入および冷却材の流出の方を向く。立方体のターゲットは、冷却材の流れ方向と位置合わせされた通路、または冷却材の有効性を促進するための他の通路/開口を含むことができる。他の実施形態では、ターゲットは、球状または卵形のターゲットを含むことができる。任意の形状のターゲットを使用することができる。したがって、ターゲットホルダは、窓に対してターゲットを保持し、ハウジング内のターゲットの上の、および/またはそこを通る冷却材の流れを容易にするように、任意の対応する形状を有する。

例示的な凸型ビーム入射窓のための設計方法 どのタイプの荷電粒子ビーム用のビーム入射窓も、粒子/窓材料の相互作用によって引き起こされるエネルギー放散を介して容積加熱を受ける可能性がある。低いビーム相互作用材料(典型的には、低い分子量を有する材料)製である非常に薄い窓を除いて、典型的な実施形態の窓は、積極的な冷却を必要とし、冷却材は、流れを作り出すためにある程度必然的に加圧される。そこで、窓は、2つの機構、すなわち1)圧力負荷からの機械的応力、および2)材料内の温度勾配からの熱応力によって応力を受ける。これらの応力は、窓の破損を防止するために何らかの限界より低く保たれなければならない。場合によってはそれほど保守的でない限界が採用されてもよいが、許容される応力基準のために一般に受け入れられ、しばしば必要とされる標準は、ASMEボイラおよび圧力容器基準(以下、「CODE」と呼ばれる)である。

本実施形態の湾曲した窓は、平坦な窓がこの標準によって受け入れられない状況に対処することができる。本実施形態の湾曲した窓は、複雑な湾曲および/または不定の厚さを有することができ、その結果、CODEの適切な節は、解析による設計(design-by-analysis)法、典型的には有限要素計算方法を必要とする応用例のための要件を指定する非特許文献1(参照により本明細書に組み込まれる)である。CODEのこの節は、様々な応力タイプ(膜、曲げ、および二次(熱))が、許容される応力に対して1つずつ、および組合せでどのように比較されることになるか詳細に記載している。

特定の装置セットアップについて湾曲した窓のパラメータ/寸法を決定することは、反復手法を使用して行うことができる。窓の寸法は、一般に粒子ビーム寸法によって定義され、典型的には、ガウスビームプロファイルの半値全幅(FWHM)の2倍に近い値である。他のビームプロファイルについては、容積加熱の速度の減少に依存し得る。窓を湾曲させることは、熱応力と機械的応力を共に低減する効果を有するが、湾曲は、これもまた考慮されなければならない冷却材の流れに対する影響がない。

所与の装置のために湾曲した窓を作り出すための反復プロセスは、熱応力を最小限に抑えるための不定の厚さでなど、平坦な窓設計で始めることができる。次いで、許容される解決策を平坦な窓で得ることができない点で、凸の湾曲を導入することができる。窓は凸であり、ターゲット内に湾曲し、冷却材は、窓にわたって良好な冷却材の流れを確保するように導入される。湾曲は、オプションで、厚さと共に体系的に調整することができ、一般には、機械的応力を低減するように半径方向に増大する。応力は、非特許文献1に定義されているCODE定義の相当量応力の限界(Limits of Equivalent Stress)と比較され得る。正味の相当量応力に対する応力タイプの相対的な寄与に応じて、厚さもしくは湾曲、または厚さと湾曲の両方が調整され、計算が繰り返されることを必要とし得る。このプロセスにより、作製およびテストを残して、湾曲した窓プロファイルを得ることができる。

図2Aは、上記の反復プロセスを使用して作成された例示的な湾曲した窓20のための寸法を示し、図2Bおよび図2Dは、2つの例示的な湾曲した窓18を含む例示的な装置10を示す。窓18の一方または両方は、冷却材ガス流内に凸である。窓18は、内向きに面する窓表面の少なくとも一部、またはその大多数、またはそのすべてにわたって球(球状の湾曲)の曲率半径、および凹形の外側表面について異なるまたは同様の曲率半径を有することができる。この窓形状は、窓の冷却を容易にし、一方、熱応力を低減する。たとえば、図2Aの湾曲した窓20については、これらの寸法はインチで与えられており、ミリメートル単位では括弧でくくられた値でもある。

ヘリウムで冷却されている直径33.2mmおよび厚さ0.5mmの50枚のMo−99ディスクを含む図1Bの装置10と同様の例示的な装置について、エンジニアリング解析を実施した。この解析は窓18の内側表面を冷却することを含み、一方、ビームが窓を貫通して装置内でディスク16に衝突することになり放射性同位元素を形成するように、放射性同位元素を形成するのに適した電子ビームを装置の窓に向けた。この解析のためのビームエネルギーおよび総ビーム電流は、それぞれ42MeVおよび約5.71マイクロアンペアである(片側で2.86マイクロアンペアであり、これは各側で120kWである)。圧力および流量の関数としての熱伝達および液圧性能を評価し、ビーム窓の熱−機械的性能を調べた。

直径33.2mmのターゲットを使用するターゲット設計は、初期のターゲット最適化からのものであり、このターゲットに対してMCNPX(Monte Carlo N-Particle eXtended)加熱計算を用いて、熱および流体解析を実施した。より薄いディスクを組み込む後続の最適化により、90%の密な材料および12mm FWHMビームを使用して直径29mmの最適化された直径が得られた。このターゲットアセンブリは、熱解析に使用された長さ50枚のディスクのターゲットに対して長さ82枚のディスクである。加熱は、中間のディスクで低く、その結果、結論は変わらないことになる。

50枚のMoディスクおよびディスクホルダからなるサブアセンブリを含む実施形態に対して、流体流に関係する計算を実施した。計算のために、各ディスクは、厚さ0.5mmおよび直径33.2mmであり、各ディスクは、ディスクの各面上にヘリウム冷却材のために0.25mmの間隔があるようにディスクホルダ内に保持した。計算のために、サブアセンブリを囲むハウジングを合金718から作製した。ターゲットディスク並びに前面窓および背面窓は、溶接によって取り付けられることになる。計算のために、窓面は、球状の幾何形状および中心線で0.25mmの最小厚さを用いて湾曲された(図2A参照)。到達する温度および結果的な応力は、窓の厚さと共に増大し、その結果、熱応力は、窓を中心線方向に向かって薄くすることによって最小限に抑えられる。負荷によって誘導される機械的応力は、窓の厚さの2乗に反比例し、その結果、この場合には、応力は窓を厚くすることによって低減される。応力によって誘導される圧力もまた、窓の直径の2乗と共に増大し、その結果、直径が増大するにつれて、厚さもまた増大するはずである。

前面窓および背面窓の形状は、窓の内側表面を最大の冷却材の流れ条件に暴露しながら熱応力を低減するように設計された。ディスクホルダは、圧力低下を最小限に抑えるために、上流のブルノーズおよび下流のディフューザを組み込み、それによりヘリウムの流れおよび熱伝達を最大にした。

動作中、装置はターゲットディスク間の冷却材の流れを使用することになり、これは、前面窓の内側表面から後ろ窓の内側表面に延びる平行な流れパターンを確立することになる。

一実施形態では、ヘリウム冷却材は、217gm/s(ターゲットを通って平均161m/s、窓にわたって301m/s)および2.068MPaの入口質量流量および圧力で流れ得る。0.3未満のマッハ数(0.16)を考えると、最大密度変動は、5%未満になり、したがって、M<0.3で流れるガスは、非圧縮性の流れとして扱うことができる。この実施形態における窓にわたるマッハ数は、0.378である。熱伝達係数(HTC)は、平板矩形チャネル相関を使用することによって計算した。レイノルズ数およびヌセルト数を計算するとき、チャネルの液圧直径を使用し、チャネル幾何形状を定義することになる。下記に示されている伝統的なコルバーン式を使用し、十分に発達した乱流について局所的なヌセルト数NuDを定義することになる。

上式で、Prは流体のプラントル数であり、ReDはレイノルズ数であり、これは、

によって定義される。上式で、vはチャネルの断面にわたる平均流体速度であり、Dh(4Ac/P)は液圧直径であり、ρは流体密度であり、μは粘度である。次いで、熱伝達係数は、式

に従って定義される。上式で、kは冷却材の熱伝導率として定義される。

217g/sで161m/sの、ターゲットチャネルを通る冷却材の平均速度、および2.068MPaの入口圧力を使用する実施形態では、熱伝達係数(HTC)は、12990W/m2・Kとなる。冷却材の平均速度が15%から185m/sだけ増大された場合には、HTCは、約11.7%だけ増大することになる。実施形態は、モリブデンのターゲットディスクおよびインコネル合金718の窓を含む。ヘリウムに対するモリブデンのターゲットディスクおよびインコネル合金718の窓の熱負荷が表1にリストされている。ヘリウム冷却材についての熱液圧流れ条件が表2にリストされている。表3は、293Kでのヘリウム特性をリストしている。この流量および電力でのヘリウムのバルク平均温度は約130℃であることに留意されたい。

内部発熱についての数値解析入力は、図4に示されているように、ディスク半径の関数としてなされた。

共役熱伝達解析 数値流体力学(CFD)技法を使用し、ANSYS CFX(v.14.5.7)を使用して定常状態の共役熱伝達問題を解いた。50枚のモリブデンターゲットプレートの構成は、51本の矩形通路を通る平行な冷却材の流れを可能にする。解析に使用された境界条件は、以下の通りであった。すなわち、選択されたブロワだけに依存する固定の使用可能な水頭を仮定して、ターゲットにわたって0.103MPa(15psi)の圧力低下が使用された。したがって、システム質量流量で入口において2.069MPa(300psi)の全圧および出口において1.965MPa(285psi)の静圧が解の一部であった。各チャネルは、幅0.25mm(0.0098インチ)×高さ32.7mm(1.287インチ)の公称矩形断面を有する。メッシュのサンプルが図5に示されている。モリブデンターゲットアセンブリは、約1960万個のノードを使用してメッシュ化された。問題における計算力を削減するために、XY平面およびXZ平面で対称が使用された。流れ場および幾何形状は対称であり、対称平面では法線速度がゼロ、対称平面ではすべての変数の法線勾配がゼロである。

モリブデンターゲットCFD解析の結果を図6〜図9に示している。図6は、相対表面等圧線を示す。図7は、XZ平面視からの冷却チャネルを通る等速線を示す。図8は、ビーム中心に対して平行な平面として定義される特定の場所での冷却チャネル内の平均速度の棒グラフを示す。図9は、293.15Kから900Kの冷却材ヘリウムガス温度範囲を示す。

42MeVおよび約5.71マイクロアンペア(μA)のビームエネルギーおよび電流でのアセンブリおよびターゲットディスクについての定常状態温度のプロットが準備された。合金718窓におけるピーク温度は、前面窓および背面窓のどちらについても、約663.6Kで計算される。図10は、前面窓の中心厚さを通る温度プロファイルを示す。ピークターゲットディスク温度は、ターゲットディスク10内で、1263°Kのピーク温度で生じる。図11の棒グラフは、50枚のターゲットディスク(対称ビーム堆積)に前面窓を加えたもののうちの25枚におけるピーク温度を示す。

図12は、XZ平面視からのハウジングおよびターゲットディスクの等速線プロットを示す。

合金718ハウジングに対する静的応力解析 解析による設計法の適用のための要件を概説する非特許文献1を使用して、FE応力解析を実施した。非特許文献2を、許容される応力値を決定するために使用した。

解析による設計法の適用は、以下の5つの特定の故障モードに対して構成要素の妥当性を確認することを必要とする。 1.すべての圧力容器が過剰圧力に対する保護を備えること 2.塑性崩壊に対する保護 − 弾性応力解析方法 設計許容応力Sm:Sm=2/3σyまたはσult/3.5の小さい方 一次膜に曲げ応力を加えたもの:Pm+Ph≦1.5Sm − 弾性−塑性応力解析方法 真応力歪み曲線 非線形幾何形状の作用を含める 3.局所故障に対する保護 − 局所的な一次膜に曲げ主応力を加えた和:(σ1+σ2+σ3)≦4Sm 4.座屈に対する保護 − なし。外部荷重条件なし 5.繰返し荷重からの故障に対する保護 − なし

合金718窓に作用する関連の負荷および負荷の定義が図13に示されている。図14は、応力カテゴリおよび相当量応力の限界(フォンミーゼス降伏基準)を示す。

ハウジングは、最大2.068MPa(300psi)で圧力負荷がかけられ、上流で固定拘束された状態で保持され、一方下流は、軸方向で自由である。アニールされた合金718の引張強度の値は、687MPaから810MPaに及び、これは196MPaから231MPaに及ぶ許容される応力を生み出す。テスト温度の関数としてのUTSの値が、図15にプロットされている。析出硬化(PH)合金の強度特性は、アニールされた材料についてのものより著しく高い。700Kでの最小の予想されるUTSは1133MPaであり、アニールされた合金よりおおよそ40%の強度の増大である。引張強度の平均値および最小値が図16に見られる。

荷重組合せ:P+Ps+D 応力線形化は、圧力容器の3D固体有限要素解析(FEA)モデルをASME BPVCに関係付けるために、薄壁部の厚さを通じて応力の分布を見出す。図17は、加えられた機械負荷だけの合金718窓のフォンミーゼス応力プロットを示す。図18Bおよび図18Cは、図18Aに示されている異なる2つの場所での線形化された応力(膜、曲げ、および膜に曲げを加えたもの)を示す。保守的な手法をとり、811K(234MPa)での許容応力値を使用して、図18A〜図18Cには、両場所についてプロットされている膜応力が234MPaの許容閾値より低いことが示されている。さらに、一次膜に曲げ応力を加えたもの、Pm+Ph≦1.5Smを見たとき、これもまた1.5Sm限界(351MPa)より低い。FEA結果は、窓内の0.138mmのピーク変形を示す(図19参照)。

荷重組合せ 機械負荷を伴うFEモデルにCFDモデル結果を結合することによって、窓の熱応力結果が図20に示されている。熱膨張の追加により、フォンミーゼス応力が約2.33×だけ増大し、したがって、これらの二次応力成分は優勢な項である。窓に対する熱および機械的負荷は、図21に示されている0.180mmのピーク変形を生成した。これらの変形は窓のピークに位置せず、したがって、冷却材間隙幅および冷却材の流れ特性に影響を及ぼすことは予想されない。

700Kでのアニールされた合金718の耐力は、図22におけるINCO曲線に従って320MPaの値に、またやはり図22におけるALLVAC曲線上の254MPaに換算される。しかし、PH合金718は、700Kで917.7MPaの耐力を有し、これは、おおよそアニールされたALLVAC値より3.6×倍、INCO値より2.85×倍高い。耐力の平均値および最小値は、図23において、PH合金718について294Kから1020Kの温度範囲にわたって見える。

弾性−塑性解析により、2.068MPaの現在の動作圧力で、797.2MPaの応力値が、図20に示されているように700KでのPH合金718の耐力より低い(しかし、材料比例限界に近い)ことが予測されている。潜在的にクリティカルな塑性崩壊が3.1026MPa(450psi)を超える圧力で生じることも解析で示されている。同じことがアニールされた合金718についてできるとは言えない。すなわち、シミュレーションにより、2.068MPaの現在の動作圧力では、ピーク応力が700Kでの材料耐力を超えていることが明らかにされた。さらに、塑性崩壊は、1.0342MPa(150psi)の圧力で生じる。これは、現在の2.068MPa(300psi)より著しく低い動作圧力を生み出すことになる。下記の表は、上記の応力結果を簡素化し、要約している。

析出硬化インコネル合金718窓における応力は、典型的な真の弾性限界内で挙動しており、応力は、歪みに比例する。しかし、アニールされた窓は、塑性変形することになり、歪みは、応力より速く増大することになる。窓が塑性変形されたとき、歪み硬化が生じることになる。これは、転位の生成、および材料の結晶構造内での動きによるものである。

手短に言えば、同位元素を作り出すのに有用な装置は、冷却材圧力およびビーム加熱応力について平坦な窓に比べて優れていると予想される、内部に対し凸の1対の窓を含む。解析により、2.068MPaで動作するためには、析出硬化インコネル合金718など析出硬化窓材料が、対応するアニールされた合金より丈夫であることが示されている。この装置は、モリブデン99など放射性同位元素をモリブデン100ターゲットから最適に作り出すために必要とされる高電力、高磁束ターゲットに対する解決策を提供する。

この説明のために、この開示の実施形態のいくつかの態様、利点、および新規な特徴について、本明細書に記載されている。開示されている方法、装置、およびシステムは、決して限定するものと解釈されるべきでない。そうではなく、本開示は、単独で、また互いに様々な組合せおよびサブコンビネーションで、開示されている様々な実施形態のすべての新規且つ非自明の特徴および態様を対象とする。これらの方法、装置、およびシステムは、それらのどの特定の態様もしくは特徴またはそれらの組合せにも限定されず、開示されている実施形態は、何らかの1つまたは複数の特定の利点が存在することも問題が解決されることも必要としない。

開示されている技術の特定の態様、実施形態、または例と共に記載されている整数、特性、材料、および他の特徴は、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態、または例に、それらと両立しないものでない限り適用可能であることを理解されたい。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示されている特徴のすべて、および/またはそのように開示されている任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が互いに排他的なものである組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせられ得る。本発明は、前述の実施形態の詳細に制限されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示されている特徴の任意の新規な1つ、または任意の新規な組合せに及び、またはそのように開示されている任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組合せに及ぶ。

提示に好都合なように、開示されている方法のうちのいくつかの動作が、特定の連続して起こる順番で記載されているが、この説明方法は、特定の順序付けが特定の文言によって必要とされていない限り、再配置を包含することを理解されたい。たとえば、順次的に記載されている動作は、場合によっては、再配置されても同時に実施されてもよい。さらに、話を簡単にするために、添付の図は、開示されている方法を他の方法と共に使用することができる様々な方法を示していないことがある。

本明細書で使用されるとき、「a」「an」および「at least one(少なくとも1つ)」という用語は、指定されている要素の1つまたは複数を包含する。すなわち、特定の要素のうちの2つが存在する場合、それらの要素の1つもやはり存在し、したがって「an」要素が存在する。「a plurality of(複数の)」および「plural(複数の)」という用語は、指定されている要素の2つ以上を意味する。本明細書で使用されるとき、要素のリストの最後の2つの間で使用される「および/または」という用語は、リストされている要素の任意の1つまたは複数を意味する。たとえば、「A、B、および/またはC」という表現は、「A」「B」「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」を意味する。本明細書で使用されるとき、「結合される」という用語は、一般に、物理的に結合またはリンクされることを意味し、特定の否定する文言がないとき、結合されている項目間に介在する要素の存在を排除しない。

開示した技術の原理を適用し得る多数の可能な実施形態に鑑みて、示された実施形態は例にすぎず、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことを理解されたい。そうではなく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲と少なくとも同程度に広いものである。したがって、本発明者らは、以下の特許請求の範囲の範囲内に入るすべてを特許請求する。

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