基板レベルのEMI遮蔽のための複合フィルム

申请号 JP2013536689 申请日 2011-10-24 公开(公告)号 JP6082696B2 公开(公告)日 2017-02-15
申请人 ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; 发明人 チー−ミン・チェン; ボ・シア; ジョージ・トーマス;
摘要
权利要求

EMI遮蔽のための複合フィルムであって、 全方向に等方性の導電性である上層と、 熱圧縮前は導電性を有さず、熱圧縮後にZ方向にのみ異方性の導電性である下層の、 少なくとも2つの層を有する、複合フィルムであり、 前記下層が、熱圧縮の局所的領域への適用時に、熱圧縮された局所的領域のみ異方性の導電性を確立するのに有効な配合レベルの導電性粒子を充填した、接着性高分子樹脂を含み、 下層は、熱圧縮後に、プリント回路基板上の接地パッドと上層とを相互接続しうるものである、複合フィルム。前記上層が、等方性導電性を確立するのに有効な配合レベルの導電性フィラー粒子を充填した、高分子樹脂を含む、請求項1に記載の複合フィルム。前記上層の高分子樹脂が、少なくとも1つの熱硬化性樹脂、または少なくとも1つの熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の組合せを含む、請求項2に記載の複合フィルム。前記上層の熱硬化性樹脂が、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、またはケイ素含有樹脂からなる群より選択され、そして、前記上層の熱可塑性樹脂が、ポリアクリレート、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、多硫化ゴム、およびニトリルゴムからなる群より選択される、請求項3に記載の複合フィルム。前記上層の導電性フィラー粒子が、銀、ニッケル、銅、グラファイト、カーボンナノチューブ、およびコア/シェル粒子からなる群より選択され、 該コア/シェル粒子は、コアが、シリカ、ガラス、窒化ホウ素、金属、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびベンゾグアナミン樹脂からなる群より選択され、シェルが、銀、ニッケル、および銅からなる群より選択される、請求項2に記載の複合フィルム。前記上層の導電性フィラーの配合が、前記上層の全組成に対して15容量%以上である、請求項1に記載の複合フィルム。前記上層が、金属箔もしくは金属メッシュ、または、金属箔もしくは金属メッシュと、導電性粒子を充填した高分子樹脂との組合せである、請求項1に記載の複合フィルム。前記下層の高分子樹脂が、少なくとも1つの熱硬化性樹脂、または少なくとも1つの熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の組合せを含み、かつ、前記下層が指触乾燥状態である、請求項1に記載の複合フィルム。前記下層の熱硬化性樹脂が、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびケイ素含有樹脂からなる群より選択され、そして、前記下層の熱可塑性樹脂が、ポリアクリレート、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、多硫化ゴム、およびニトリルゴムからなる群より選択される、請求項8に記載の複合フィルム。前記下層の導電性フィラーの配合レベルが、前記下層の全組成に対して、2容量%から20容量%である、請求項1に記載の複合フィルム。前記下層の導電性フィラー粒子の径が、1μmから125μmの範囲内である、請求項1に記載の複合フィルム。前記下層の導電性フィラーが、銀、銅、ニッケル、グラファイト、およびコアシェル粒子からなる群より選択され、 該コア/シェル粒子が、導電性シェルおよび導電性または誘電性コアを有する、請求項1に記載の複合フィルム。前記下層の導電性フィラーが、金被覆ポリマー球体、銀被覆ケイ酸塩、炭化タングステン(WC)被覆アルミニウム、およびグラファイト被覆金属からなる群より選択される、コア/シェル粒子である、請求項12に記載の複合フィルム。前記下層が、誘電性フィラーをさらに含み、該誘電性フィラーが、導電性フィラーの粒子サイズよりも小さい粒子サイズを有し、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、およびこれらの材料を被覆した粒子からなる群より選択され、かつ、前記下層の組成を基準として、10重量%から80重量%の範囲の配合レベルで含まれる、請求項1に記載の複合フィルム。

说明书全文

本発明は、電磁波放射(EMI)から、電子デバイス(例えば、コンピュータ、通信デバイス、プリンタ、ビデオカメラ等)を遮蔽するためのフィルムに関する。

電子デバイスは、テレビ、ラジオおよび他の通信に干渉し得る電磁波を放射する。EMIのレベルは政府によって規制されている。このため、電子デバイスのメーカーは、これらのデバイスによって生じたEMIのレベルを制限する必要がある。EMIを制限する別の理由は、デバイス内に漂遊した信号が、内部干渉または混信をもたらす場合があることである。次に示す2つのアプローチがEMIを制限するのに一般に使用される:供給源で電磁波放射を抑制する、または、デバイスから逃れないよう放射を封じ込める。

封じ込めは、金属缶またはコンフォーマルコーティング等の完全導体シールドで、放射デバイスを包囲することによって、ファラデーの法則により行うことができる。しかしながら、金属缶は、放射が逃れることができる領域が常にあり、電子デバイスにコストおよび重量を加え、また、フレキシブル基板に適していないので決して最適ではない。さらに、再加工が必要な場合、金属缶は、半田を吸引した後、再半田付けする必要があり、このことは、能動デバイスを破損させる危険性を増加させる。

また、コンフォーマルコーティングにも不都合がある。コンフォーマルコーティングは、一般に、複数の層、誘電性絶縁層、および導電層に利用され、複数の処理工程を要する。導電層は、通常、液体インクとして利用され、慎重に制御されなければ、所望しない領域で堆積を生じ、回路の短絡をもたらす場合がある。印刷導電性インクの乾燥/硬化時間は、10分から30分の範囲にあり、所望時間よりも長く、また、導電性インクは、揮発性有機溶媒を含み得る。誘電層は、導電層と回路の間に配設され、導電層が、回路および基板の所定領域と電気的に接触することを防ぐ。

EMI遮蔽の現在の不都合を克服するために、本発明を開示し、特許請求の範囲に記載する。

本発明は、複合フィルムであって、EMIを遮蔽し、プリント回路基板(PCB)の製造に使用するための複合フィルムである。フィルムは、全方向に(等方性)導電性の上層と、熱圧縮後にZ(厚さ)方向にのみ(異方性)導電性の下層の、少なくとも2つの層を有する。(熱圧縮は、熱と圧の適用である。)。下層は、電子デバイスの回路の接地パッドに接触している。導電性の上層は、金属ボックスと同様の機能を果たし、電磁波放射のボックスからの入射および環境中への漏出を防ぐ。下層は、熱圧縮後に、PCB上の接地パッドと上部導電層とを相互接続させる。その結果、上層によって集められた電磁波は、下層を介してPCB接地パッドに案内され、放射される。

下層中の導電性フィラーのレベルは、熱圧縮を適用しないデバイスの回路で電気短絡が生じるレベルよりも低い。すなわち、接地パッドの外側の、したがって、熱圧縮処理をしない、基板および回路のこれらの領域において、下層中の導電性フィラーは、コンダクタンスを許容するにはあまりにも低すぎるレベルである。しかしながら、熱圧縮処理を局所的領域に適用する場合、これらの局所的領域での圧力および熱は、これらの位置の導電性フィラーを焼結させて相互接続させ、これによって、上部導電層と能動デバイスとの接続を可能にする。熱圧縮のレベルは、上層と下層の間の導電性フィラー粒子の相互接続をもたらすのに有効なレベルである。

導電性の上層は、(熱圧縮をせずに)金属缶または金属ケースと同様の機能を果たし、電磁波の侵入または放射を防ぐのに有効な量の導電性フィラーを含む。

EMI遮蔽フィルムの上層は、等方性の導電性を確立する他の実施態様で構成することができる。一実施態様において、上層は、等方性の導電性を確立するのに有効な配合レベルの導電性粒子を充填した、高分子樹脂を含む。高分子樹脂は、少なくとも1つの熱硬化性樹脂、および/または少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む。例示の適切な熱硬化性樹脂には、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、またはケイ素含有樹脂が含まれる。例示の適切な熱可塑性樹脂には、ポリアクリレート、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、多硫化ゴム、およびニトリルゴムが含まれる。

上層の導電性フィラー粒子は、等方性の導電性を提供するのに有効な配合による効果的なフィラーであり得る。適切なフィラーには、銀、ニッケル、銅、グラファイト、カーボンナノチューブ、またはコア/シェル粒子が含まれる。コア/シェル粒子を使用する場合、コアは、シリカ、ガラス、窒化ホウ素または金属等の無機粒子であり、または、コアは、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、またはベンゾグアナミン樹脂等の有機樹脂であり得る。シェルは、銀、ニッケルまたは銅等の導電性元素であり得る。

適切な導電性フィラーの配合レベルは、導電性フィラーの形状およびサイズに依存し、上層の全組成に対して15容量%以上である。銀被覆銅(Ag/Cu)が適切である。

別の実施態様において、上層は、例えば、銅またはアルミニウム等の、金属箔または金属メッシュであり得る。更なる実施態様において、上層は、金属箔または金属メッシュと、導電性粒子を充填した高分子樹脂との組合せであり得る。

EMI遮蔽フィルムの下層は、EMI遮蔽コンポーネントまたは基板に、複合フィルムを接続するのに十分な接着性がある。下層は、熱圧縮の適用時に、異方性の導電性を確立するのに有効な配合レベルの導電性粒子を充填した、接着性高分子樹脂を含む。下層の高分子樹脂は、少なくとも1つの熱硬化性樹脂、および/または少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む。例示の適切な熱硬化性樹脂には、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、またはケイ素含有樹脂が含まれる。例示の適切な熱可塑性樹脂には、ポリアクリレート、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、多硫化ゴム、およびニトリルゴムが含まれる。

下層の導電性フィラーは、下層の全組成に対して、2容量%から20容量%(vol%)で一般に配合される。一実施態様において、下層の導電性フィラーは、約1容量%から約5容量%の量で含まれる。

この範囲内での配合において、粒子は、相互に横方向で接触しないように、高分子樹脂中で十分に分散させ、これによって、x‐y導電性を無効にする。下層のフィラー粒子の径は、下層の厚さよりも小さくなるように、選択される。適切な粒子の径は、1μmから125μmの範囲である。適切な下層のフィラーには、銀、銅、ニッケル、およびグラファイトが含まれる。また、導電性シェルおよび導電性または誘電性コアを有する導電性フィラーも使用することができる。例には、金被覆ポリマー球体、Ag被覆ケイ酸塩、炭化タングステン(WC)被覆アルミニウム、およびグラファイト被覆金属が含まれる。他の適切な下層のフィラーには、回路の短絡の可能性のないことをさらに保証する、誘電性の外側コーティングを有した、銀、銅、ニッケル、およびグラファイトが含まれる。かかる誘電性の外側コーティングを使用する場合、圧力によって簡単に破砕するか、または熱によって溶融するように、該外側コーティングを選択するものとし、その結果、熱圧縮を局所的領域でかけた場合、導電性の相互接続を形成することができる。

導電性フィラーに加えて、下層は、熱伝導性であるが導電性ではない(誘電性)フィラーも含み、パッケージの熱伝導性を高めることができる。例示的な熱伝導性の誘電性フィラーには、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、およびこれらの材料を被覆した粒子が含まれる。熱伝導性の誘電性フィラーが含まれる場合、該誘電性フィラーは、下層の全組成に対して、10重量%から80重量%(wt%)の範囲で含まれる。熱伝導性の誘電性フィラー(または、他の機能的な非導電性フィラー)は、下層中の導電性フィラーの粒子サイズよりも小さい、最大粒子サイズを有する。

下層の製造方法の1つにおいて、(例えば、加熱配合機械を使用して)ホットメルト樹脂を、導電性フィラーによって均質化する。このホットメルト混合物は、スロットダイを通じて所定の厚さに押し出され、押し出されたフィルムは、さらにカレンダー加工され、厚さを低減させる。

下層の別の製造方法において、下層は、溶媒を含まない1以上の液状B段階熱硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の組合せから製造される。導電性フィラーは、従来の混合容器およびブレードを使用して、液状樹脂中に分散させる。該混合物は、上層上に直接配設されるか、または剥離ライナー上に配設される。熱またはUV放射を用いて、下層を硬化させ、B段階のコーティングまたはフィルムを形成する。B段階後、下層混合物を剥離ライナー上に配設する場合、該下層混合物が上層に接触し、下層および上層は積層され、剥離ライナーが除去される。この下層をさらに架橋して、EMIアセンブリに生じる熱圧縮処理時に、または、後硬化工程があれば、その後に、確実に相互接続される。

または、下層は、溶媒ベースの熱可塑性樹脂系または熱硬化性樹脂系から製造することができる。導電性フィラーは、従来の混合容器およびブレードを使用して、溶媒と樹脂の混合物中に分散させる。該混合物は、上層上に配設されるか、または剥離ライナー上に配設され、その後、溶媒蒸発によってフィルムが形成される。溶媒蒸発およびフィルム形成後、該混合物を剥離ライナー上に配設する場合、下層が上層に接触し、層は積層され、剥離ライナーがその後除去される。

別の実施態様において、下層は、種々の層の複合物として製造することができ、例えば、第1の層は、反応性樹脂から製造されたフィルムであり、また、第2の層は、硬化剤から製造されたフィルムであり、場合により、不活性材料から製造された第3の層は、第1の層と第2の層の間に挿入され、これらの層の間の前反応を防ぐことができ、これによって、複合下層フィルムの保管寿命を高める。

本明細書に開示する下層のすべての実施態様において、下層は、溶媒蒸発後、熱もしくはUV B段階後、またはホットメルト押出しおよび冷却後、実質的に指触乾燥状態となる。

上層および下層の複合フィルムは、下層に、導電性の上層を積層することによって、または、上層上に下層を直接被覆することによって、製造される。一実施態様において、フィルム導電性および遮蔽効果の必要条件に依存して、下層の厚さは50μm以上であり、また、上層の厚さは10μmから100μmである。一部の実施態様において、第3の感圧層を下層の下に追加して、アセンブリ工程時における位置決めを調整することができる。複合フィルムは、所望の幅のスリットを入れ、所望の長さに切断することができ、また、リール上で包装することができる。

プリント回路基板(PCB)のEMIシールドとしての複合フィルムの利用が、一部の実施態様で生じる場合がある。一実施態様において、すべてのPCB構成要素が半田付けされ、機能試験を完了した後、EMI遮蔽複合フィルムは、取り出され、PCBの上部に配置される。フィルムは、上部および/または底部からアセンブリを、複合フィルムの軟化温度を超える30℃から50℃の温度まで、加熱することによって軟化させる。軟化させたフィルムは、EMI遮蔽保護に必要な構成要素の輪郭に一致する。熱風流れ、または、PCBレイアウトと一致する輪郭を備えた、加熱した金属ブロックは、熱源として用いることができる。導電性の上層とPCB接地パッドの間の相互接続は、熱圧縮によって、すなわち、加熱した金属バーまたは高圧熱風流れ等の熱源を使用して、複合フィルムをPCB接地パッドに熱圧縮することによって、確立される。一実施態様において、フィルムの軟化/順応、および相互接続は、単一の工程で行われる。

更なる実施態様において、PCBの機能試験が、EMI遮蔽複合フィルムの適用前に必要でない場合、複合フィルムを取り出して、所望の基板に配置することができ、軟化/順応工程は、すべての構成要素の半田リフロおよび電気接続と共に行うことができる。半田リフロ工程後の冷却期間において、金属バーを使用して、上述する相互接続を確立することができる。このアセンブリシナリオは、現在の金属缶工程と完全に適合する。

別の実施態様において、フィラーの選択が、例えば、炭化タングステン被覆アルミニウムのような、鋭く、硬いものである場合、また、下部誘電フィルムが、室温で適切な柔軟性を有する場合、コールドスタンピング工程、続いて、誘電性樹脂の熱硬化を用いて、上部導電層とPCB接地パッドの間の相互接続を生成することができる。コールドスタンピング後の熱硬化は、相互接続を確実にし、強い接着を提供する。この例において、熱圧縮工程は必要ではない。

一実施態様において、EMI遮蔽複合フィルムの配置前に、触媒または促進剤をPCB接地パッドに配合して、下層の硬化速度をさらに改善することができる。

提案された複合フィルムは、波状の型に固定することができる。平坦な型のフィルムと比較した波状の型のフィルムの利点は、伸長することであり、このことによって、EMI複合フィルムの下に3次元電子部品が良好に適合する。

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