予測可能な特性を有する難合金化チタン合金

申请号 JP2017510868 申请日 2015-09-02 公开(公告)号 JP2017533342A 公开(公告)日 2017-11-09
申请人 パブリックストックカンパニー “ヴイエスエムピーオー アヴィスマ コーポレーション”; パブリックストックカンパニー “ヴイエスエムピーオー アヴィスマ コーポレーション”; 发明人 テチューヒン,ウラディスラフ・ヴァレンチノヴィッチ; タレンコヴァ,ナタリア・ユルイェヴナ; コルニロヴァ,マリア・アナトリーヴナ; リムケヴィッチ,ドミトリ・アナトリーヴィッチ;
摘要 本発明は非鉄金属の精錬に関し、その優れた特性によって軍事産業のような伝統的な分野だけではなく、自動車、化学産業、機械製造、電 力 産業のような民生用途にも応用できるチタン 合金 の開発に関する。この合金は、0.1〜3.0のアルミニウム、0.3〜3.0の鉄、0.1〜1.0のクロム、0.05〜1.0のニッケル、0.02〜0.3のケイ素、0.02〜0.2の窒素、0.05〜0.5の酸素、0.02〜0.1の炭素、および残部はチタンからなる。技術的な結果は、低等級のスポンジチタンを使用して製造され、安定で予測可能な特性を保証する、市場競争力の高いチタン合金である。この結果は、低等級スポンジチタンの構成成分、および別途導入された合金添加物の一部としての不純物からなる 合金元素 によって達成される。このチタンを主体とする合金は、要求される物理特性、機械特性、および加工特性の 水 準に基づいて選択された合金組成を有し、既存の市販合金と比較して製造コストが低いことを特徴とする。1つの請求項および11の表からなる。
权利要求

鉄、酸素、窒素、クロム、ニッケル、さらには炭素、アルミニウム、ケイ素を以下の比率で含み、予測可能な特性を有する難合金化チタン合金: アルミニウム 0.1〜3.0 鉄 0.3〜3.0 クロム 0.1〜1.0 ニッケル 0.05〜1.0 ケイ素 0.02〜0.3 窒素 0.02〜0.2 酸素 0.05〜0.5 炭素 0.02〜0.1 チタン 残部 ここで、合金元素は、低等級スポンジチタンの構成成分、および別途導入された合金添加物の両方の不純物を含み、合金元素の重量パーセントは相互に関連し、それらの組成は、予測される延伸率δに基づいて以下の合計値を用いて選択され、 を等価強度とし、モリブデンの等価強度を、 とし、アルミニウムの等価強度を、 とした場合、化学元素は以下の範囲で変動し、 等価強度 は、化学組成および利用可能な添加物に依存し、ここで、モリブデンおよびアルミニウムの等価強度は以下の比率によって定義され、 これらの合金は以下の値を持つ: 5〜10 −おもに溶接組立品に使用される合金、 10〜18 −おもに平板圧延製品に使用される合金、 18〜22 −おもに構造用途に使用される合金。引張強度が次式によって予測される、請求項1に記載の合金。

说明书全文

本発明は非鉄金属の精錬に関し、その優れた特性によって軍事産業のような伝統的な分野だけではなく、自動車、化学産業、機械製造、電産業のような民生用途にも応用できるチタン合金の開発に関する。

チタンインゴットの製造コストのうち、高価な成分の混合に費やされるコストが全体の75〜85%に達することが知られている。チタン合金の原材料はマグネシウムの熱処理によって製造されたスポンジチタンである。ロシアでは6等級のスポンジチタンTG−90、TG−100、TG−110、TG−120、TG−130、TG−150、TG−Tvが知られており、ここで、TGはロシアではスポンジチタンを示し、Tvは硬いことを、数字はブリネル硬度を示している。これらの化学組成を表1に示す。

チタン合金の溶融にスポンジチタンTG−Tvを使用することは、酸素、窒素、炭素、鉄、ケイ素のような有害な不純物の臨界濃度のために制限されている。これらの不純物は侵入型固溶体や金属間相などの合金を形成し、チタンの可塑性や加工性を著しく悪化させる。

これらの不純物はチタンから作られた合金の特性に重大な影響を及ぼすため、混合物の処方を計算する際には、機械特性の望ましいレベルを確保するためにこの点を考慮すべきである。

低等級スポンジチタンの生成は、スポンジチタンの製造に使用されるマグネシウム熱処理用に設計された反応容器の特性によって説明される。不純物含量の増加したスポンジチタンは反応容器の壁面および底部付近に形成される。通常、このようなスポンジチタンは分離され、チタンインゴットの溶融あるいは鉄精錬には限られた場合にしか使用されない。このようなスポンジチタンの収率は全体の6〜12%である。

高等級スポンジチタンは、低等級スポンジチタンと比べて1.5倍(あるいはそれ以上)高価である。低等級スポンジチタン、特にTG−Tv等級のスポンジチタンを使用することは、チタン合金のコスト削減努力に対する最も効率的な解決策の一つである。

重量%で、0.5〜3.5%の鉄、0.05〜0.95%の酸素、0〜0.5%のクロム、0〜3.5%のアルミニウム、0〜3%のバナジウム、0〜0.3%の炭素、0〜0.2%のケイ素、0〜0.1%のマンガン、 0〜0.3%のニッケル、0〜0.2%の窒素、残部はチタンおよび不可避的不純物からなるチタン合金が知られている(特開平11−36029号、IPC C22C 14/00、公開日1999年2月9日)。

この従来品の欠点としては、低延性であること、およびバナジウムおよびマンガンといった高価な合金元素が存在していることがあげられる。

重量%で、0.9〜2.3%の鉄、0.05%以下の窒素、および酸素濃度は以下の式、Q=O+2.77N+0.1Fe(Oは酸素濃度の重量%、Nは窒素濃度の重量%、Feは鉄濃度の重量%)から算出される酸素当量Qとされる値が0.34〜1.0となるように調節され、引張強度が少なくとも700MPa、また延伸率が少なくとも15%の高強度高延性のチタン合金が知られている。鉄は部分的にクロムおよびニッケルで置換してもよい。これらの元素は、炭素またはステンレス鋼の形で合金に添加してもよく、またはこれらの元素を含むスポンジチタンとして添加してもよい(ロシア特許2117065号、IPC C22C 14/00、公開日1998年8月10日)−従来品。

この合金の欠点は、耐熱性が低く、原料混合物に導入すべき低等級スポンジチタンの量が限られてしまうほど窒素濃度の要求幅が狭く(例としてスポンジチタンTG−Tvの窒素濃度は0.1%以下である)、応用面での柔軟性が不十分なことである。

本発明は、既存の市販合金と比較して製造コストが低く、要求される物理特性、機械特性、および加工特性の準に基づいて選択された合金組成を有する、チタンを主体とする合金の開発を目的とする。

本発明の技術的な結果は、以下のような市場競争力の高いチタン合金を提供することである。 1.安定で予測可能な特性を保証する。 2.低等級のスポンジチタンを使用して製造される。

この技術的な結果は、以下に示す合金組成を持つ、鉄、酸素、窒素、クロム、ニッケル、さらには炭素、アルミニウムおよびケイ素からなる予測可能な特性を有する難合金化チタン合金を用いて達成される。 アルミニウム 0.1〜3.0 鉄 0.3〜3.0 クロム 0.1〜1.0 ニッケル 0.05〜1.0 ケイ素 0.02〜0.3 窒素 0.02〜0.2 酸素 0.05〜0.5 炭素 0.02〜0.1 チタン 残部 ここで、合金元素は、低等級スポンジチタンの構成成分、および別途導入された合金添加物の両方の不純物を含み、合金元素の重量パーセントは相互に関連し、それらの組成は、予測される延伸率δに基づいて以下の合計値を用いて選択される。

を等価強度とし、モリブデンの等価強度を、

とし、アルミニウムの等価強度を、

とした場合、化学元素は以下の範囲で変動する。

等価強度

は、化学組成および利用可能な添加物に依存する。ここで、モリブデンおよびアルミニウムの等価強度は以下の比率によって定義される。

これらの合金は以下の値を持つ。

5〜10 −おもに溶接組立品に使用される合金、 10〜18 −おもに平板圧延製品に使用される合金、 18〜22 −おもに構造用途に使用される合金。 配合設計を行う際、引張強度は次式によってさらに予測・調整することができる。

本発明の本質は、低等級スポンジチタンを効果的に使用することにあり、そこに含まれる不純物は有効な合金元素として使用される。

これらの合金は、安定した標的特性を持つ場合にのみ実用価値を有する。低等級スポンジチタンは化学元素濃度の多様性を特徴とし、その多様性は、そのスポンジチタンを用いて溶融した合金の構造特性および加工特性の多様性に自動的につながることが、統計学的観察により分かっている。この場合、低等級スポンジチタンを用いて市場性のあるチタン合金の安定した構造・加工特性を保証するためには、広く用いられている化学組成による特性制御方法では不十分である。これらの合金の特性の制御を容易にし、予測可能性な特性を持ち、市場性のある製品を設計するためのさらに正確な方法が存在することが望ましい。

酸素、窒素、炭素は、アルミニウムと同様にα相強化剤および安定剤として作用することが知られている。同時に、これらの元素が高濃度で存在すると合金中にTiO相のような配向相が生成し塑性特性の急激な劣化につながるため、合金に含まれるそれらの元素濃度は一定の値に制限される(酸素0.5%、窒素0.1%、炭素0.1%)。後者の場合、すべり面の数が急激に減少する結果、材料変形のメカニズムが大幅に変化する。これらの元素は侵入型不純物である。同様の現象は5重量%以上のアルミニウムを含む従来のチタン合金においても認められるが、この場合に限り、合金の脆化はTiAl相の生成に起因する。スポンジチタンには置換型不純物も含まれる(鉄、ニッケル、クロム、ケイ素)。なお、侵入型不純物の特性への影響は、置換型不純物による影響の10倍強い。この合金は、耐熱性を高めるためにさらにアルミニウムと合金化される。

本発明による合金の重要な特性は、延伸率δによって十分に特徴付けられる可塑性である。δは以下に示す合計式によって、直接合金の化学組成に関連付けられる。

を等価強度とし、モリブデンの等価強度を、

アルミニウムの等価強度を、

とした場合、

となる。

等価強度の合計式は以下の式で表される。

スポンジチタンの特定の化学組成を知ることで、以下に示すモリブデンおよびアルミニウムの等価強度と化学元素の比を変えることにより、予測可能な合金の配合設計を容易に実現することができる。

等価強度は以下の関係式に従う。

さらに、本発明による合金の強度特性は、以下の関係式に従って予測・制御することができる。

アルミニウムと等価な元素は主に固溶強化によってチタン合金を強化し、また強度の高いβ相の量が増加することにより、β相安定剤としてチタン合金を強化する。

溶接組立品に用いられる合金は、

の値が5〜10であり、この合金は優れた溶接性を特徴とする。合金元素の濃度が高まると、硬度が過度に上昇し、変形性能が低下して、溶接中に亀裂が発生する可能性がある。機械特性は、引張強度σ=580〜750MPa、延伸率δ≧18%である。

平板圧延製品に用いられる合金は、

の値が10〜18である。機械特性は、引張強度σ=800〜1000MPa、延伸率δ≧10%である。

構造用途に用いられる合金は、

の値が18〜22である。機械特性は、引張強度σ=1000〜1300MPa、延伸率δ≧5%である。

酸素はチタンの強度および硬度を高める。低濃度の範囲(0.2%以下)では、酸素濃度0.01%毎に極限引張強度が約12.5MPa増加する。低濃度の範囲(0.2%以下)では、酸素はチタンの塑性特性を40〜27%低下させる。0.2〜0.5%の範囲では、塑性特性への影響は小さく(低下率は27%から17〜20%)、可塑性は許容される水準に留まる。さらに酸素濃度が高い場合(0.7重量%より高い場合)、チタンはその塑性変形能を失う。意図する合金を合金化するための酸素の最適範囲は0.1〜0.5%である。

窒素は酸素より優れた強化剤である。窒素濃度0.01%毎に極限引張強度が約20MPa増加する。窒素も塑性挙動に強い影響を与え、窒素の水準が0.45%〜0.48%になると、その合金は脆化する。窒素濃度が0.1%のとき、δの値は20%以内である。

低濃度(0.15%以下)の炭素は、酸素および窒素に似た働きをするものの、強化剤としての効果は比較的小さい。炭素濃度が0.01%増加すると、合金の強度は5〜6MPa増加する。炭素が0.1%を超える濃度で合金中に存在する場合、炭素はその合金をあまり強化しないが、一方で可塑性および靭性を低下させる。

アルミニウムはほぼ全ての市販合金で使用されており、チタンの強度と耐熱性を改善する。アルミニウム濃度0.01%毎に極限引張強度が約0.6MPa増加する。アルミニウム濃度が4%以下の場合、δの値は15〜20%の範囲にある。

チタン中の合金元素としての鉄はβ共析安定剤であり、β変態温度を低下させる。また、鉄は雰囲気温度におけるチタンを強化する。鉄濃度0.01%毎に極限引張り強度が約0.75MPa増加する。0.3〜3.0%の濃度で鉄を合金に添加すると、合金の熱間加工時の変形抵抗を低減することによりβ相の体積分率が増加し、ひび割れなどの欠陥の発生を回避するのに役立つ。鉄濃度が上限を超えると、インゴット凝固中に過剰な溶質偏析が起こり、機械的挙動に影響を及ぼすことがある。0.3〜3.0%の濃度の鉄は、可塑性に大きな影響を与えない。

本発明の合金は、少量のβ安定化元素であるクロム、ニッケルおよびケイ素を含有し、合金中のそれらの量は低等級スポンジチタンに含まれるそれらの濃度によって定まる。クロム濃度0.01%毎に極限引張強度が約0.65MPa増加する。ニッケルの場合は0.5MPa、ケイ素の場合は2MPa増加する。クロムおよびニッケルの上限濃度は1%であり、ケイ素は0.3%である。これらの濃度の範囲内では、延伸率への影響はごくわずかである。なお、合金中にニッケルが存在すると耐食性が向上し、一方ケイ素が存在すると耐熱性が向上する。鉄、クロム、ニッケル、およびケイ素は置換型の元素であり、合金の強度を高める。本発明が示す濃度の範囲内でこれらの元素が含まれていると、本発明が示す合金特性を維持しつつ配合用途として低等級スポンジチタンを導入することができる。

本発明の産業上の利用可能性は、以下の例示的な実施形態によって証明される。 [実施例1]

実施例1は、おもに溶接組立品に使用される合金について説明する。本発明の合金特性を実験的に評価するため、異なる化学組成の2種のインゴット(それぞれ重さ23kg)を溶解した。インゴットはTG−Tv等級の市販スポンジチタンを98%まで用い、二重溶解により製造した。溶解したインゴットは直径30〜32mmの棒状に鍛造・圧延した。焼鈍処理後(730℃、1時間保持、空冷)、機械的試験を行った。

必要とする延伸率δはそれぞれ18%、および22%とした。

配合は上述の計算式に従って設計し、表2にその結果を示す。

合金の化学組成を表3に示す。

等価強度の合計値

および延伸率の計算値と実測値、引張強度の計算値と実測値を表4に示した。

[実施例2]

実施例2は、おもに平板圧延製品に使用される合金について説明する。

必要とされる延伸率に基づき、TG−Tv等級の市販スポンジチタン、アルミニウム、St3鋼、およびルチルを用いて化学組成を設計した。インゴットは二重溶解により製造し、薄い圧延シート(板厚2mm)を製造するために圧延加工した後、焼鈍処理を行った。

二つの異なる用途のために、必要とする延伸率δはそれぞれ10%および17%とした。

配合は既述の計算式に従って設計し、表5にその結果を示す。

インゴットの化学組成を表6に示す。

等価強度の合計値

および延伸率の計算値と実測値、引張強度の計算値と実測値を表7に示す。

AMS4911の要件に従って1枚のシートを定期的に検査し、屈曲を求めた。検査結果を表8に示す。

[実施例3]

実施例3は、おもに構造用途に使用される合金について説明する。

試験試料は、実施例1の試料と同様に製造した。

必要とする延伸率δはそれぞれ5%および7%とした。

配合は既述の計算式に従って設計し、表9にその結果を示す。

合金の化学組成を表10に示した。

等価強度の合計値

および延伸率の計算値と実測値、引張強度の計算値と実測値を表11に示した。

上記の実施例から分かるように、本発明による低コストチタン合金の製造は、低等級スポンジチタンを利用し、必要とされる加工特性および構造特性を有する最終製品を製造するという課題を解決する。したがって、本発明は産業用途において優れた効率を保証するのである。

当然のことであるが、本明細書が本発明の態様を開示したのは、その明確な理解のためである。当業者に自明であり、本発明の理解を助ける必要のない本発明のいくつかの態様は、本発明の説明を簡潔にするため開示していない。本発明の例示的な実施形態を提示したが、提供された説明を検討した当業者は、本発明に対して多くの修正および変更があってもよいことを明確に理解するであろう。本発明のこのようなすべての変更および修正は、上記の説明および添付の請求項の範囲内にあると見なされるべきである。

QQ群二维码
意见反馈