ヘッドマウントディスプレイ

申请号 JP2016189137 申请日 2016-09-28 公开(公告)号 JP2018054775A 公开(公告)日 2018-04-05
申请人 ブラザー工業株式会社; 发明人 高橋 宏征;
摘要 【課題】フィールドシーケンシャル方式の表示装置を備え、且つ、カラーブレーキングの発生を抑制できるヘッドマウントディスプレイを提供する。 【解決手段】ヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する 液晶 パネルを有する表示装置、表示装置を使用者の頭部に装着するための装着具、表示装置に作用する 加速 度を検出する加速度センサを備える。ヘッドマウントディスプレイのCPUは、加速度センサによって検出された加速度が第1閾値Th1未満の場合(S13:NO)、フィールドシーケンシャル方式で液晶パネルに画像を表示させる(S11)。CPUは、加速度センサによって検出された加速度が第1閾値Th1以上の場合(S13:YES)、別方式で液晶パネルに画像を表示させる(S23)。 【選択図】図5
权利要求

画像を表示する表示素子を有する表示部と、 前記表示部を使用者の頭部に装着するための装着部と、 前記表示部の動きを検出する第1検出手段と、 前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が所定の第1閾値未満の場合、フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第1制御手段と、 前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上の場合、前記フィールドシーケンシャル方式と異なる別方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第2制御手段と を備えたことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。前記表示素子に表示された前記画像の全領域のうち黒色の領域の比率を検出する第2検出手段を備え、 前記第2制御手段は、 前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上であり、且つ、前記第2検出手段によって検出された前記比率が所定の第2閾値以上である場合、前記別方式で前記表示素子に前記画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。前記第2制御手段によって、前記別方式で前記表示素子に前記画像が表示された後、前記第2検出手段によって検出された前記比率が、前記第2閾値よりも小さい第3閾値以下となった場合、前記フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第3制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。前記装着部に対する前記表示部の位置を検出する第3検出手段を備え、 前記第2制御手段は、 前記第3検出手段によって検出された前記位置に基づいて、前記フィールドシーケンシャル方式及び前記別方式の何れかを特定し、特定した方式で前記表示素子に前記画像を表示させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ。前記使用者の視線の移動量を検出する第4検出手段を備え、 前記第2制御手段は、 前記第4検出手段によって検出された前記移動量が所定の第4閾値以上の場合、前記別方式で前記表示素子に前記画像を表示させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ。前記第2制御手段によって、前記別方式で前記表示素子に前記画像が表示された後、前記第4検出手段によって検出された前記移動量が前記第4閾値よりも小さい第5閾値未満となった場合、前記フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第5制御手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイ。前記フィールドシーケンシャル方式は、RGBの光を時分割で切り替えて出する方式であり、 前記別方式は、RGBのうち何れかの光を出力する方式であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ。前記フィールドシーケンシャル方式は、RGBの光を時分割で切り替えて出力する方式であり、 前記別方式は、RGBの光を同時に出力する方式であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ。画像を表示する表示素子を有する表示部と、 前記表示部を使用者に装着するための装着部と、 前記表示部の動きを検出する第1検出手段と、 前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が所定の第1閾値未満の場合、第1方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第1制御手段と、 前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上の場合、第1方式と異なる第2方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第2制御手段と を備え、 前記第1方式は、RGBの光を、時分割で、第1周期で切り替えて出力する方式であり、 前記第2方式は、RGBの光を、時分割で、第1周期よりも短い第2周期で切り替えて出力する方式であることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。

说明书全文

本発明は、フィールドシーケンシャル方式の表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイに関する。

フィールドシーケンシャル方式の表示装置が知られている。本方式は、時分割による混色を利用したカラー表示方式である。すなわち、本方式は、赤(R)、緑(G)、青(B)の光を継続的に切り替えて発光させ、且つ、切り替えの速さを人間の目の時間的分解能を越えた速さとすることによって、人間がRGBの色を混色して認識することを応用した方式である。

上記の表示装置において、カラーブレーキング(色割れ)という表示現象が発生する場合があることが知られている。カラーブレーキングは、時間経過に応じて順次表示されるRGB各色の画像が、眼球の視神経上の制約、及び、人間の脳の画像認識の感覚などの複雑な要因でうまく混ざり合わないことによって発生する。カラーブレーキングが発生した場合、RGB各色の画像が残像等として視認され、使用者の視認性を低下させる可能性がある。これに対し、カラーブレーキングによる視認性の低下を抑制するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

特開2003−58113号公報

カラーブレーキングは、表示装置が揺れた場合に発生し易い。例えば、フィールドシーケンシャル方式の表示装置がヘッドマントディスプレイ(HMD)に適用された場合、表示装置の揺れは、据え置き型の表示装置よりも大きくなる。このため、HMDにおいてカラーブレーキングが発生し易くなるので、HMDを装着した使用者の視認性が低下するという問題点がある。

本発明は、フィールドシーケンシャル方式の表示装置を備え、且つ、カラーブレーキングの発生を抑制できるヘッドマウントディスプレイを提供することである。

本発明の第1態様に係るヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する表示素子を有する表示部と、前記表示部を使用者の頭部に装着するための装着部と、前記表示部の動きを検出する第1検出手段と、前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が所定の第1閾値未満の場合、フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第1制御手段と、前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上の場合、フィールドシーケンシャル方式と異なる別方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第2制御手段とを備えたことを特徴とする。

フィールドシーケンシャル(FS)方式で表示素子に画像が表示される場合において、表示部が動く場合にカラーブレーキングが発生し易い。これに対し、HMDでは、表示部の動きの量が第1閾値未満の場合にFS方式で表示素子に画像を表示し、表示部の動きの量が第1閾値以上の場合に別方式で表示素子に画像を表示する。このため、HMDは、カラーブレーキングが発生し難い場合(表示部の動きの量が小さい場合)にFS方式で画像を表示することによって、FS方式の特長(例えば高解像度化が可能となること等)を生かした表示制御が可能となる。一方、HMDは、カラーブレーキングが発生し易い場合(表示部の動きの量が大きい場合)に別方式で画像を表示することによって、カラーブレーキングの発生を防止できる。従って、HMDは、カラーブレーキングの発生によって使用者の視認性が低下することを抑制できる。

第1態様において、前記表示素子に表示された前記画像の全領域のうち黒色の領域の比率を検出する第2検出手段を備え、前記第2制御手段は、前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上であり、且つ、前記第2検出手段によって検出された前記比率が所定の第2閾値以上である場合、前記別方式で前記表示素子に前記画像を表示させてもよい。FS方式で画像が表示される場合、特に、画像が白黒画像に近似する程、カラーブレーキングが発生し易い。又、画像の全領域に対する黒色の領域の比率が大きい程、画像は白黒画像に近似する。これに対し、HMDでは、表示部の動きの量が第1閾値以上であり、且つ、黒色の比率が第2閾値以上の場合に、別方式で表示素子に画像を表示する。これによって、HMDは、カラーブレーキングが更に発生し易い状態において別方式で画像を表示することになるので、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。

第1態様において、前記第2制御手段によって、前記別方式で前記表示素子に前記画像が表示された後、前記第2検出手段によって検出された前記比率が、前記第2閾値よりも小さい第3閾値以下となった場合、前記フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第3制御手段を備えてもよい。黒色の比率が第2閾値以上となった後、第3閾値以下まで低下した場合、画像はカラー画像に近似し、カラーブレーキングは発生し難くなっている可能性が高い。このため、HMDは、黒色の比率が第3閾値以下となった場合、FS方式で表示素子に画像を表示する。これによって、HMDは、カラーブレーキングの発生を防止しつつ、FS方式によって高解像度で画像を表示させることができる。又、使用者は、FS方式による表示が別方式に切り替えられた後、表示方式をFS方式に戻すための操作を行わずに済む。このため、HMDは、使用者の利便性を高めることができる。

前記装着部に対する前記表示部の位置を検出する第3検出手段を備え、前記第2制御手段は、前記第3検出手段によって検出された前記位置に基づいて、前記フィールドシーケンシャル方式及び前記別方式の何れかを特定し、特定した方式で前記表示素子に前記画像を表示させてもよい。この場合、表示部の位置に基づいて画像素子に画像を表示させるので、使用者の利便性を高めつつ、カラーブレーキングを抑制できる。例えば、第1位置に配置された表示部の表示素子を使用者が視認しようとする場合の視線の移動量が、表示部が他の位置に配置された場合の視線の移動量よりも大きいとする。この場合、FS方式で画像が表示されていると、カラーブレーキングが発生し易い。これに対し、HMDは、表示部が第1位置に配置された場合、表示方式をFS方式から別方式に切り換え、別方式で画像を表示する。これによって、HMDは、カラーブレーキングが発生し易い状況において、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。又、例えば、第2位置に表示部が配置された場合、使用者が表示部の表示素子を見ていない可能性が高いとする。この場合、HMDは、FS方式で画像を表示する。これによって、HMDは、使用者が表示素子を視認する状況になった場合、画質の良好なFS方式で画像を表示させ、使用者に視認させることができる。又、例えば、第2位置に表示部が配置された場合、使用者は表示部の表示素子を見ている可能性が高いものの、視線の移動量が小さいとする。この場合、FS方式で画像が表示された場合でも、カラーブレーキングは発生し難い。従って、HMDは、このような場合にFS方式で画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を抑制しつつ、画質の良好な画像を使用者に視認させることができる。

第1態様において、前記使用者の視線の移動量を検出する第4検出手段を備え、前記第2制御手段は、前記第4検出手段によって検出された前記移動量が所定の第4閾値以上の場合、前記別方式で前記表示素子に前記画像を表示させてもよい。視線の移動量が大きい場合、FS方式で画像が表示されていると、カラーブレーキングが発生し易い。これに対し、HMDは、視線の移動量が第4閾値以上の場合、表示方式をFS方式から別方式に切り換え、別方式で画像を表示する。これによって、HMDは、カラーブレーキングが発生し易い状況において、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。

第1態様において、前記第2制御手段によって、前記別方式で前記表示素子に前記画像が表示された後、前記第4検出手段によって検出された前記移動量が前記第4閾値よりも小さい第5閾値未満となった場合、前記フィールドシーケンシャル方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第5制御手段を備えてもよい。視線の移動量が小さい場合、FS方式で画像が表示された場合でも、カラーブレーキングは発生し難い。従って、HMDは、視線の移動量が第5閾値未満となった場合、FS方式で表示素子に画像を表示する。これによって、HMDは、カラーブレーキングの発生を防止しつつ、FS方式によって高解像度で画像を表示させることができる。又、使用者は、FS方式による表示が別方式に切り替えられた後、表示方式をFS方式に戻すための操作を行わずに済む。このため、HMDは、使用者の利便性を高めることができる。

第1態様において、前記フィールドシーケンシャル方式は、RGBの光を時分割で切り替えて出する方式であり、前記別方式は、RGBのうち何れかの光を出力する方式であってもよい。これによって、HMDは、別方式で画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を抑制できる。又、HMDは、別方式で画像を表示させる場合の消費電力を抑制できる。

第1態様において、前記フィールドシーケンシャル方式は、RGBの光を時分割で切り替えて出力する方式であり、前記別方式は、RGBの光を同時に出力する方式であってもよい。これによって、HMDは、別方式で画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を抑制できる。又、HMDは、別方式で表示した場合、元のカラー画像が白黒画像として表示されることになるので、元の画像の表示態様をできるだけ維持できる。

本発明の第2態様に係るヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する表示素子を有する表示部と、前記表示部を使用者に装着するための装着部と、前記表示部の動きを検出する第1検出手段と、前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が所定の第1閾値未満の場合、第1方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第1制御手段と、前記第1検出手段によって検出された前記動きの量が前記第1閾値以上の場合、第1方式と異なる第2方式で前記表示素子に前記画像を表示させる第2制御手段とを備え、前記第1方式は、RGBの光を、時分割で、第1周期で切り替えて出力する方式であり、前記第2方式は、RGBの光を、時分割で、第1周期よりも短い第2周期で切り替えて出力する方式であることを特徴とする。第2態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。又、FS方式で表示されるRGB各色の画像は、別方式で表示される画像でも同様に再現される。従って、HMDは、別方式で画像を表示させる場合でも、元の画像の表示態様を適切に再現できる。

HMD1の斜視図である。

視認位置(A)、中間位置(B)、及び、非視認位置(C)に配置されたHD2を示す模式図である。

HMD1の電気的構成を示すブロック図である。

フィールドシーケンシャル方式(A)、及び、別方式(B)を示すタイミングチャートである。

メイン処理のフローチャートである。

メイン処理のフローチャートであって、図5の続きである。

第1変形例におけるフィールドシーケンシャル方式(A)、及び、別方式(B)を示すタイミングチャートである。

第2変形例におけるフィールドシーケンシャル方式(A)、及び、別方式(B)を示すタイミングチャートである。

視認位置(A)、中間位置(B)、及び、非視認位置(C)に配置されたHD2を示す模式図である。

本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、以下、「HMD」という。)1は、ビデオ透過型のHMDである。HMD1は、装着具11、連結具12、及び、表示装置2(以下、「HD2」という。)を備える。以下、図の説明の理解を助けるため、HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側を定義する。HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、例えば、図1の上側、下側、左斜め上側、右斜め下側、左側、及び、右側にそれぞれ対応する。HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、それぞれ、装着具11が着用された使用者にとって、上側、下側、右側、左側、前側、及び、後側に対応する。

図1に示すように、装着具11は、樹脂や金属(例えば、ステンレス)などの、可撓性を有する材質で構成される。装着具11は、第1部分11A及び第2部分11B、11Cを有する。なお、以下では、理解を容易とするために、装着具11を第1部分11A及び第2部分11B、11Cに区分して説明するが、装着具11は、第1部分11A及び第2部分11B、11Cのそれぞれの部材に分かれておらず、全体として一体の部材である。

第1部分11A及び第2部分11B、11Cは、それぞれ、湾曲した細長い板状部材である。第1部分11Aは、装着具11のうち、位置112と位置113との間で左右方向に延びる。第1部分11Aは、前側に凸状に湾曲する。位置112は、装着具11の左右方向中心111よりも左側に位置する。位置113は、装着具11の左右方向中心111よりも右側に位置する。第2部分11Bは、装着具11のうち、位置112から後側に延びる。第2部分11Cは、装着具11のうち、位置113から後側に延びる。第2部分11B、11Cは、それぞれ、後端部が互いに近づく方向に延びる。装着具11は、使用者の前頭部、右側頭部、及び、左側頭部のそれぞれに、第1部分11A、第2部分11B、11Cを接触させた状態で、使用者の頭部に着用される。

連結具12は略棒状である。連結具12は、樹脂や金属などで構成される。連結具12は、正面から見た状態で上下方向に延びる。連結具12の上端部は、ボールジョイント13及び接続部材14を介して装着具11に接続される。連結具12の下端部は、ボールジョイント15を介してHD2に接続される。連結具12は、装着具11が使用者の頭部に着用された状態で、使用者の左眼の前側にHD2を配置させることができる。

HD2は筐体21を備えている。筐体21は中空箱状である。筐体21の後端部に開口が設けられる。開口は、透明の板状部材で覆われる。筐体21の内部に、液晶パネル10Bが収容される。液晶パネル10Bは、後述する2つの方式(フィールドシーケンシャル方式(以下、「FS方式」という。)又は別方式)の何れかに表示方式を切り換えることができる。液晶パネル10Bは、ケーブル10Cを介して外部機器9(図3参照)と電気的に接続する。外部機器9は、例えば、液晶パネル10Bに画像を表示させるための制御を行うコントロールボックスである。液晶パネル10Bは、ケーブル10Cを介して外部機器9から受信した画像信号に基づき、表示面に画像を表示させる。表示面は後側を向く。液晶パネル10Bの表示面に表示された画像の画像光は、後側に向けて出射される。画像光は、筐体21の後端部の開口を前側から後側に向けて通過し、更に、透明の板状部材を後側に透過する。画像光は、筐体21の後側に出射される。

HMD1の使用方法の具体例について説明する。使用者は、HMD1の装着具11を頭部に固定する。使用者は、連結具12及びHD2を持ち、HD2の後端部の開口が左眼の前側に対向して配置されるように位置を調節する。このとき、ボールジョイント13、15は、装着具11に対してHD2を適切な位置に配置させることができる。以下、HD2の後端部の開口が左眼の前側に対向して配置されたときのHD2の位置を、「視認位置」という。

外部機器9からケーブル10Cを介して、HD2の液晶パネル10Bに信号が出力される。液晶パネル10Bの表示面に画像が表示される。表示された画像の画像光は、筐体21の開口に向けて後側に出射される。画像光は、開口を後側に通過し、更に、透明の板状部材を後側に透過した後、筐体21の外側に出射される。出射された画像光は、HD2が視認位置に配置された場合に使用者の左眼に入射する。これによって、使用者は画像を認識する。

図2(A)に示すように、HD2が視認位置に配置された状態で、連結具12は装着具11から下側に向けて延びる。HMD1を右側から見た場合、装着具11と連結具12とのそれぞれの延びる方向のなす度の鈍角(以下、「第1角度A1」という。)は、所定の角度θ11を中心として所定の範囲Δθ1分ずつ両回転方向(時計回り方向又は反時計回り方向)に回転したときの角度範囲((θ11−Δθ1)

なお以下、回転方向を説明する場合、特段の限定のない限り、HMD1を右側から見た場合を前提として、回転方向(時計回り方向又は反時計回り方向)を定義する。

一方、使用者は、HD2の液晶パネル10Bに表示される画像と眼前の景色との両方を視認できるようにHD2を配置させて使用する場合がある。以下、このような状態で使用されるHD2の位置を、「中間位置」という。図2(B)に示すように、使用者は、視認位置から時計回り方向に連結具12及びHD2を回転させることによって、HD2を中間位置に移動させる。HD2が中間位置に配置された状態で、連結具12は装着具11から下側に向けて延びる。第1角度A1は、角度θ11よりも大きい所定の角度θ12(θ11<θ12)を中心として範囲Δθ1分ずつ両回転方向に回転したときの角度範囲(θ12−Δθ1

θ22)を中心として範囲Δθ2分ずつ両回転方向に回転したときの角度範囲((θ22−Δθ2)

他方、使用者は、眼前の景色を良好に視認できるように、HD2を視界から外して配置させて使用する場合がある。以下、このような状態で使用されるHD2の位置を、「非視認位置」という。図2(C)に示すように、使用者は、視認位置から時計回り方向に連結具12を回転させることによって、HD2を非視認位置に移動させる。HD2が非視認位置に配置された状態で、連結具12は装着具11から上側に向けて延びる。第1角度A1は、角度θ11、θ12よりも大きい所定の角度θ13(θ11<θ12<θ13)を中心として範囲Δθ1分ずつ両回転方向に回転したときの角度範囲(θ13−Δθ1

図3を参照し、HMD1(装着具11、及び、HD2)の電気的構成について説明する。装着具11は、加速度センサ41を備える。加速度センサ41は、HD2のFPGA33(後述)と電気的に接続する。加速度センサ41は、装着具11に作用する3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)のそれぞれの加速度を検出する。加速度センサ41は、検出された加速度を示す信号を、FPGA33に出力する。

HD2は、CPU31、記憶部32、液晶パネル10B、FPGA33〜36、加速度センサ37、38、及び、カメラ39を有する。CPU31は、HMD1全体の制御を司る。記憶部32、液晶パネル10B、FPGA33、34、36、及び、加速度センサ38は、CPU31と電気的に接続する。加速度センサ37は、FPGA33と電気的に接続する。カメラ39は、FPGA34と電気的に接続する。FPGA35は、FPGA36と電気的に接続する。記憶部32には、CPU31によって実行されるメイン処理(図5参照)のプログラム、及び、各種パラメータ等が記憶される。なお、HMD1は、FPGA33〜36のそれぞれの機能を全て有する1つのFPGAを、FPGA33〜36の代わりに有していてもよい。

加速度センサ37は、HD2に作用する3軸方向のそれぞれの加速度を検出する。加速度センサ37は、検出された加速度を示す信号を、FPGA33に出力する。FPGA33は、装着具11に対するHD2の位置を検出する機能を備えたプログラマブルロジックデバイス(PLD)である。FPGA33は、加速度センサ37から出力される信号に基づき、HD2に作用する加速度を特定する。FPGA33は、加速度センサ41から出力される信号に基づき、装着具11に作用する加速度を特定する。FPGA33は、それぞれの加速度の差分を算出することによって、装着具11に対するHD2の位置を検出する。FPGA33は、検出されたHD2の位置を示す信号を、CPU31に出力する。

カメラ39は、表示装置2の筐体21(図1参照)の後端部に設けられ、筐体21の後側を撮影可能である。カメラ39は、撮影された画像のデータを、FPGA34に出力する。FPGA34は、使用者の視線の方向を検出する機能を備えたPLDである。FPGA34による視線の方向の特定方法は、次の通りである。FPGA34は、カメラ39から出力されるデータに基づく画像から、使用者の眼の目頭を基準点として特定し、使用者の眼の虹彩を動点として特定する。FPGA34は、特定された目頭の位置に対する虹彩位置から、使用者の視線の方向を特定する。FPGA34は更に、特定された視線の方向の経時的な変化に基づき、視線の移動量を検出する。FPGA34は、検出された視線の移動量を示す信号を、CPU31に出力する。

加速度センサ38は、加速度センサ37と同様、HD2に作用する3軸方向のそれぞれの加速度を検出する。加速度センサ38は、検出された加速度を示す信号を、CPU31に出力する。

FPGA35は、画素の色を解析する機能を有するPLDである。FPGA35は、外部機器9から送信された画像信号を、ケーブル10Cを介して検出する。FPGA35は、検出された信号に基づき、画像を構成する複数の画素のそれぞれの色を解析する。FPGA35は、解析結果を示す信号を、FPGA36に出力する。FPGA36は、画像の全領域のうち特定の色の領域の比率を検出する機能を有するPLDである。FPGA36は、FPGA35から出力される信号に基づき、液晶パネル10Bに表示される画像の全領域のうち黒色の領域の比率を検出する。FPGA36は、検出された比率を示す信号を、CPU31に出力する。

液晶パネル10Bは、CPU31から出力される信号に基づき、表示方法を2つの方法(FS方式又は別方式)の何れかに切り替える。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力される画像信号に基づき、CPU31から出力される信号に応じた表示方式で表示面に画像を表示させる。

<表示方式(FS方式及び別方式)> 図4を参照し、HD2の液晶パネル10Bにおいて表示可能な2つの表示方式について説明する。1つ目は、FS方式である。FS方式は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を時分割で切り替えて出力することによって、使用者にカラー画像を視認させる方式である。図4(A)は、白色画像がFS方式で液晶パネル10Bに表示される場合の、垂直同期信号(Vsync)、及び、R、G、Bのそれぞれの光の出力信号のタイミングチャートを例示する。このように、FS方式では、R,G,Bのそれぞれの光が第1周期T1で切り替えられながら、垂直同期信号(Vsync)に同期して出力される。なお、R,G,Bのそれぞれの光は、異なるタイミングで出力されるように時間をずらして配列される。それぞれのタイミングにおける光の出力時間は、t1である。

2つ目は、別方式である。別方式は、FS方式で出力されるR、G、Bの光のうち何れかの光を、FS方式と同じタイミングで出力することによって、使用者に画像を視認させる方式である。図4(B)は、図4(A)のFS方式が、緑色(G)の光のみを出力する別方式に切り替えられた場合の、垂直同期信号(Vsync)、及び、R、G、Bのそれぞれの光の出力信号のタイミングチャートを例示する。このように、別方式では、R,G,Bの光のうち何れかの光(図4(B)の場合、Bの光)が、第1周期T1で出力される。この場合、FS方式(図4(A))における白色の画像は、別方式に切り替えられることによって、単色(緑色)の画像に変換される。それぞれのタイミングにおける光の出力時間t1は、FS方式と同一である。

<メイン処理> 図5及び図6を参照し、CPU31によって実行されるメイン処理について説明する。メイン処理は、外部機器9から画像信号の出力が開始された場合、記憶部32に記憶されたプログラムをCPU31が実行することによって開始される。図5に示すように、CPU31は、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S11)。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、FS方式で画像を表示面に表示させる。

CPU31は、加速度センサ38から出力される信号に基づき、HD2に作用する加速度を特定する。CPU31は、特定された加速度が所定の第1閾値Th1以上か判定する(S13)。CPU31は、HD2に作用する加速度が第1閾値Th1未満と判定された場合(S13:NO)、処理をS11に戻す。CPU31は、FS方式で画像を表示させるための信号を液晶パネル10Bに継続して出力する(S11)。このため、液晶パネル10Bには、HD2に作用する加速度が第1閾値Th1未満の間、FS方式で画像が表示される。一方、CPU31は、HD2に作用する加速度が第1閾値Th1以上と判定された場合(S13:YES)、処理をS15に進める。

CPU31は、FPGA36から出力される信号に基づき、液晶パネル10Bに表示された画像の全領域のうち黒色の領域の比率を特定する(S15)。CPU31は、特定された比率が所定の第2閾値Th2以上か判定する(S17)。CPU31は、黒色の領域の比率が第2閾値Th2未満と判定された場合(S17:NO)、処理をS11に戻す。このため、液晶パネル10Bには、画像の全領域のうち黒色の比率が第2閾値Th2未満の間、FS方式で画像が表示される。一方、CPU31は、黒色の領域の比率が第2閾値Th2以上と判定された場合(S17:YES)、処理をS19に進める。

CPU31は、FPGA33から出力される信号に基づき、装着具11に対するHD2の位置を特定する(S19)。CPU31は、特定されたHD2の位置に基づき、HD2が中間位置(図2(B)参照)に配置されているか判定する(S21)。CPU31は、第3条件及び第4条件(図2(B)参照)を満たす位置にHD2が配置されている場合、HD2が中間位置に配置されていると判定する(S21:YES)。この場合、CPU31は、別方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S23)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、FS方式から別方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、別方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、処理をS25に進める。

CPU31は、FPGA33から出力される信号に基づき、装着具11に対するHD2の位置を特定する(S25)。CPU31は、特定されたHD2の位置に基づき、HD2が非視認位置(図2(C)参照)に配置されているか判定する(S27)。CPU31は、第5条件(図2(C)参照)を満たす位置にHD2が配置されている場合、HD2が非視認位置に配置されていると判定する(S27:YES)。この場合、CPU31は、液晶パネル10Bにおける表示方式をFS方式に特定し、処理をS35に進める。一方、CPU31は、第5条件を満たす位置にHD2が配置されておらず、HD2が非視認位置に配置されていないと判定された場合(S27:NO)処理をS29に進める。CPU31は、HD2が視認位置(図2(A)参照)に配置されているか判定する(S29)。CPU31は、第1条件及び第2条件(図2(A)参照)を満たす位置にHD2が配置されている場合、HD2が視認位置に配置されていると判定する(S29:YES)。この場合、CPU31は、液晶パネル10Bにおける表示方式をFS方式に特定し、処理をS35に進める。

CPU31は、HD2が非視認位置又は視認位置に配置されていると判定された場合、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S35)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、別方式からFS方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、FS方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、メイン処理を終了させる。

CPU31は、HD2が非視認位置及び視認位置の何れにも配置されていないと判定された場合(S29:NO)、FPGA36から出力される信号に基づき、液晶パネル10Bに表示された画像の全領域のうち黒色の領域の比率を特定する(S31)。CPU31は、特定された比率が、第2閾値Th2よりも小さい所定の第3閾値Th3(Th2>Th3)以下か判定する(S33)。CPU31は、黒色の領域の比率が第3閾値Th3よりも大きいと判定された場合(S33:NO)、液晶パネル10Bにおける表示方式を別方式に特定し、処理をS25に戻す。この場合、液晶パネル10Bには、別方式で画像が継続して表示される。CPU31は、S25〜S33の処理を繰り返す。

CPU31は、黒色の領域の比率が第3閾値Th3以下と判定された場合(S33:YES)、処理をS35に進める。CPU31は、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S35)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、別方式からFS方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、FS方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、メイン処理を終了させる。

一方、CPU31は、第3条件及び第4条件(図2(B)参照)を満たす位置にHD2が配置されておらず、HD2が中間位置に配置されていないと判定された場合(S21:NO)、処理をS41(図6参照)に進める。図6に示すように、CPU31は、FPGA34から出力される信号に基づき、使用者の視線の移動量を特定する(S41)。CPU31は、特定された視線の移動量が、所定の第4閾値Th4以上か判定する(S43)。CPU31は、視線の移動量が第4閾値Th4未満と判定された場合(S43:NO)、処理をS11(図5参照)に戻す。この場合、液晶パネル10Bには、FS方式で画像が継続して表示される(S11参照)。

CPU31は、視線の移動量が第4閾値Th4以上と判定された場合(S43:YES)、別方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S45)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、FS方式から別方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、別方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、処理をS47に進める。

CPU31は、FPGA34から出力される信号に基づき、使用者の視線の移動量を特定する(S47)。CPU31は、特定された視線の移動量が、第4閾値Th4よりも小さい所定の第5閾値Th5(Th4>Th5)未満か判定する(S49)。CPU31は、視線の移動量が第5閾値Th5未満と判定された場合(S49:YES)、処理をS55に進める。CPU31は、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S55)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、別方式からFS方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、FS方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、メイン処理を終了させる。

CPU31は、視線の移動量が第5閾値Th5以上と判定された場合(S49:NO)、処理をS51に進める。CPU31は、FPGA36から出力される信号に基づき、液晶パネル10Bに表示された画像の全領域のうち黒色の領域の比率を特定する(S51)。CPU31は、特定された比率が第3閾値Th3以下か判定する(S53)。CPU31は、黒色の領域の比率が第3閾値Th3よりも大きいと判定された場合(S53:NO)、処理をS47に戻す。この場合、液晶パネル10Bには、別方式で画像が継続して表示される。CPU31は、S49〜S53の処理を繰り返す。

CPU31は、黒色の領域の比率が第3閾値Th3以下と判定された場合(S53:YES)、処理をS55に進める。CPU31は、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力する(S55)。液晶パネル10Bにおける表示方式は、別方式からFS方式に変更される。液晶パネル10Bは、外部機器9から出力された信号に基づき、FS方式で画像を表示面に表示させる。CPU31は、メイン処理を終了させる。

<本実施形態の主たる作用効果> FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示される場合、表示装置2が動いた場合にカラーブレーキングが発生し易い。一方、別方式で液晶パネル10Bに画像が表示される場合、表示装置2が動いてもカラーブレーキングは発生しない。これに対し、HMD1では、表示装置2に作用する加速度が第1閾値Th1未満の場合(S13:NO)、FS方式で液晶パネル10Bに画像を表示させ(S11)、表示装置2に作用する加速度が第1閾値Th1以上の場合(S13:YES)、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させる(S23、S45)。このため、HMD1は、カラーブレーキングが発生し難い場合(表示装置2に作用する加速度が小さい場合)、液晶パネル10BにFS方式で画像を表示させることによって、FS方式の特長(例えば、高解像度化が可能となること等)を生かした表示制御が可能となる。一方、HMD1は、カラーブレーキングが発生し易い場合(表示装置2に作用する加速度が大きい場合)、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を防止できる。従って、HMD1は、カラーブレーキングの発生によって使用者の視認性が低下することを抑制できる。

FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示される場合において、特に、画像が白黒画像に近似する程、カラーブレーキングが発生し易い。なお、画像の全領域に対する黒色の領域の比率が第2閾値以上の場合、画像は白黒画像に近似する。これに対し、HMD1では、表示装置2に作用する加速度が第1閾値Th1以上であり(S13:YES)、且つ、黒色の比率が第2閾値Th2以上の場合(S17:YES)、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させる(S23)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングが更に発生し易い状態において、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させることになるので、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。

黒色の比率が第2閾値Th2以上となった(S17:YES)後、第3閾値Th3以下まで低下した場合(S33:YES)、カラー画像に近似する画像に変化しており、カラーブレーキングは発生し難くなっている可能性が高い。このため、HMD1は、黒色の比率が第3閾値Th3以下となった場合(S33:YES)、FS方式で液晶パネル10Bに画像を表示させる(S35)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングの発生を防止しつつ、FS方式によって高解像度で画像を表示させることができる。又、使用者は、FS方式による表示が別方式に切り替えられた後、表示方式をFS方式に戻すための操作を手動で行わずに済む。このため、HMD1は、使用者の利便性を高めることができる。なお、第2閾値Th2よりも第3閾値Th3を小さくすることによって、HMD1は、液晶パネル10Bの表示方式がFS方式から別方式に切り換わった直後に、別方式からFS方式に戻ることを抑制できる。

HD2が中間位置に配置された場合、使用者は、液晶パネル10Bに表示される画像と眼前の景色との両方を視認しようとしている可能性が高い。この場合、使用者は両方を視認するために眼を移動させることになるので、視線の移動量は大きくなる。なお、視線の移動量が大きくなる程、FS方式で画像が表示されているとカラーブレーキングが発生し易い。これに対し、HMD1は、HD2が中間位置に配置された場合(S21:YES)、液晶パネル10Bの表示方式をFS方式から別方式に切り換え、別方式で画像を表示させる(S23)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングが発生し易い状況において、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。

HD2が非視認位置に配置された場合、使用者は液晶パネル10Bに表示された画像を見ていない可能性が高い。このためHMD1は、HD2が非視認位置に配置された場合(S27:YES)、FS方式で液晶パネル10Bに画像を表示させる(S35)。これによって、例えばHD2の配置が非視認位置から視認位置に変更され、液晶パネル10Bに表示された画像を使用者が再度視認する状況になった場合、FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示された状態となっているので、HMD1は使用者に画質の良好な画像を視認させることができる。

HD2が視認位置に配置された場合、使用者は液晶パネル10Bに表示された画像を直視している可能性が高いので、視線の移動量は小さい可能性が高い。このため、FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示されていても、カラーブレーキングは発生し難い。従って、HMD1は、HD2が視認位置に配置された場合(S29:YES)、FS方式で画像を表示させる(S35)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングが発生し難い状況において、使用者に画質の良好な画像を視認させることができる。

FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示されている場合、視線の移動量が大きい場合にカラーブレーキングが発生し易い。これに対し、HMD1では、視線の移動量が第4閾値Th4以上の場合(S43:YES)、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させる(S45)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングが発生し易い状況において、カラーブレーキングを効果的に抑制できる。

一方、FS方式で液晶パネル10Bに画像が表示されている場合でも、視線の移動量が小さい場合、カラーブレーキングは発生し難い。従って、HMD1は、視線の移動量が第5閾値Th5未満の場合(S49:YES)、FS方式で画像を表示させる(S55)。これによって、HMD1は、カラーブレーキングが発生し難い状況において、使用者に画質の良好な画像を視認させることができる。なお、第4閾値Th4よりも第5閾値Th5を小さくすることによって、HMD1は、液晶パネル10Bの表示方式がFS方式から別方式に切り換わった直後に、別方式からFS方式に戻ることを抑制できる。

FS方式は、R、G、Bの光を時分割で切り替えて出力することによって、使用者にカラー画像を視認させる方式である。一方、別方式は、FS方式で出力されるR、G、Bの光のうち何れかの光を、FS方式と同じタイミングで出力することによって、使用者に単色画像を視認させる方式である。なお、カラーブレーキングは、RGB各色の画像が残像等として視認されることによって発生する。このため、HMD1は、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させることによって、単色画像を使用者に視認させることになるので、カラーブレーキングの発生を抑制できる。又、HMD1は、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させることによって、光の出力総量を抑制できる。従って、HMD1は、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させることによって、FS方式で液晶パネル10Bに画像を表示させる場合と比べて消費電力を抑制できる。

<第1変形例> 上記実施形態における別方式は、他の方式に変更できる。図7に示すように、第1変形例における別方式は、R、G、Bの光の全てを同持タイミングで出力することによって、使用者に画像を視認させる方式である。図7(B)は、図7(A)のFS方式が別方式に切り替えられた場合の、垂直同期信号(Vsync)、及び、R、G、Bのそれぞれの光の出力信号のタイミングチャートを例示する。このように、第1変形例における別方式では、R,G,Bのすべての光が、第1周期T1で同期して出力される。この場合、図7(A)のFS方式における白色以外(例えば、R,G,Bの各色)の画像は、別方式に切り替えられることによって、全て、白色の画像に変換される。それぞれのタイミングにおける光の出力時間t1は、FS方式と同一である。

HMD1は、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を抑制できる。なぜならば、カラーブレーキングは、RGB各色の光が異なるタイミングで出力されることが原因で発生するのに対し、別方式では、RGB各色の光は同じタイミングで出力されるためである。又、別方式で液晶パネル10Bに画像が表示された場合、FS方式におけるRGB各色の画像は全て白色の画像として表示される。即ち、FS方式が別方式に切り替えられることによって、元のカラー画像は白黒画像に変換される。これに対し、上記実施形態では、FS方式における画像は単色画像に変換される(図4参照)。従って、HMD1は、上記実施形態における別方式の場合と比べて、元の画像の表示態様をできるだけ維持しつつ、液晶パネル10Bに画像を表示させることができる。

<第2変形例> 図8に示すように、第2変形例における別方式は、R,G,Bのそれぞれの光を、第1周期T1の半分の第2周期T2で切り替えられながら出力することによって、使用者に画像を視認させる方式である。図8(B)は、図8(A)のFS方式が別方式に切り替えられた場合の、垂直同期信号(Vsync)、及び、R、G、Bのそれぞれの光の出力信号のタイミングチャートを例示する。R,G,Bのそれぞれの光は、FS方式と同様、異なるタイミングで出力されるように時間をずらして配列される。又、別方式では、光の出力時間t2がFS方式の出力時間t1の1/2とされる。つまり、別方式では、RGB各色の光の出力回数がFS方式の2倍(第1周期T1→第2周期T2)となり、それぞれの光の出力時間がFS方式の1/2となる(出力時間t1→出力時間t2)。このため、RGB各色の光の出力時間の総計は、FS方式の場合と同一になる。

HMD1は、別方式で液晶パネル10Bに画像を表示させることによって、カラーブレーキングの発生を抑制できる。なぜならば、カラーブレーキングはRGB各色の画像が使用者に視認されるときにうまく混ざり合わないことが原因であるのに対し、別方式とすることによって、FS方式よりも短い第2周期T2で切り替えられながらRGB各色の光が出力されるので、残像効果によって適切に混ざり合う可能性が高いためである。更に、FS方式におけるRGB各色の画像は、別方式において表示される画像でも同様に再現される。従って、HMD1は、別方式で画像を液晶パネル10Bに表示させる場合でも、元の画像の表示態様を適切に再現できる。

<その他の変形例> 本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。CPU31は、HD2に作用する加速度を、加速度センサ38から出力される信号に基づいて特定した。これに対し、CPU31は、装着具11に設けられた加速度センサ41から出力される信号、及び、HD2に設けられた加速度センサ38から出力される信号に基づき、装着具11及びHD2のそれぞれに作用する加速度を特定してもよい。CPU31は、特定されたそれぞれの加速度から、装着具11に対するHD2の相対移動の加速度を算出してもよい。CPU31は、算出された加速度が第1閾値Th1未満の場合(S13:NO)、液晶パネル10BにFS方式で画像を表示させてもよい。一方、CPU31は、算出された加速度が第1閾値Th1以上の場合(S13:YES)、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させてもよい(S23)。

FPGA36は、FPGA35から出力される信号に基づき、画像が白黒画像であるかカラー画像であるかを検出し、検出結果を示す信号をCPU31に出力してもよい。CPU31は、FPGA36から出力される信号に基づき、画像がカラー画像であると判定された場合、液晶パネル10BにFS方式で画像を表示させてもよい(S11)。一方、CPU31は、画像が白黒画像であると判定された場合、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させてもよい(S23)。

CPU31は、黒色の領域の比率が第2閾値Th2以上と判定された場合(S33:YES)、FS方式で画像を表示させるための信号を、液晶パネル10Bに出力してもよい(S35)。つまり、CPU31は、表示方式をFS方式から別方式に切り替えるか否かを判断するときの閾値(第2閾値Th2)と、表示方式を別方式からFS方式に切り替えるか否かを判断するときの閾値(第3閾値Th3)とを同値としてもよい。

HD2の中間位置、及び、非視認位置は、第3条件〜第5条件(図2参照)によって定義される場合に限定されない。具体例は次の通りである。図9(A)に示すように、HD2から画像光が出射される方向が後方を向く場合のHD2の位置が視認位置と定義され、この場合における画像光の出射方向が「基準方向」と定義される。又、上側から見たときにHD2が視認位置から反時計回り方向に回転した場合の、画像光の出射方向と基準方向との間のなす角度が、「第3角度A3」と定義される。画像光の出射方向は、左斜め後側(使用者から見て右斜め後側)を向く。図9(B)に示すように、CPU31は、第3角度A3が所定の角度θaよりも大きく所定の角度θbよりも小さいという条件(θa

装着具11に対するHD2の位置は、上記とは別の方法で特定されてもよい。例えば、HD2には、装着具11を撮影可能なカメラが設けられていてもよい。CPU31は、このカメラによって撮影された画像を解析して装着具11の位置を特定することによって、装着具11に対するHD2の位置を特定してもよい。

CPU31は、HD2に作用する加速度が第1閾値Th1以上と判定された場合(S13:YES)、画像の全領域のうち黒色の比率や、装着具11に対するHD2の位置に関わらず、常に、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示させてもよい(S23)。

CPU31は、HD2が視認位置に配置されていると判定された場合(S29:YES)に、液晶パネル10Bにおける表示方式を別方式からFS方式に切り替え、HD2が非視認位置に配置されていると判定された場合(S27:YES)には、液晶パネル10Bにおける表示方式を別方式のまま切り替えなくてもよい。CPU31は、視線が移動するときの加速度を、FPGA34から出力される信号に基づいて特定してもよい(S41)。CPU31は、特定された加速度が所定閾値以上の場合(S43:YES)、液晶パネル10Bに別方式で画像を表示してもよい(S45)。

CPU31は、S27、S29の処理を実行する場合、HD2の位置に基づく判定に代えて、視線の移動量に基づく判定を行ってもよい。つまり、CPU31は、使用者の視線の移動量が所定閾値未満の場合(S27:YES,S29:YES)、FS方式で液晶パネル10Bに画像を表示してもよい。

上記において、CPU31は、加速度センサ38から出力される信号に基づき、HD2に作用する加速度を特定し、特定された加速度が所定の第1閾値Th1以上と判定された場合(S13:YES)、表示方式をFS方式から別方式に変更した。これに対し、CPU31は、加速度センサ38から出力される信号に基づき、HD2の動きの量を示すパラメータを特定してもよい。動きの量を示すパラメータとして、HD2の移動量、移動速度等が挙げられる。CPU31は、特定したパラメータが所定閾値以上と判定された場合、表示方式をFS方式から別方式に変更してもよい。又、例えばHMD1は、加速度センサ38の代わりに、HD2の動きの量を特定可能なセンサ(例えば、角速度センサ等)を有してもよい。

<その他> 液晶パネル10Bは、本発明の「表示素子」の一例である。HD2は、本発明の「表示部」の一例である。加速度センサ38は、本発明の「第1検出手段」の一例である。FPGA36は、本発明の「第2検出手段」の一例である。FPGA33は、本発明の「第3検出手段」の一例である。FPGA34は、本発明の「第4検出手段」の一例である。S11の処理を行うCPU31は、本発明の「第1制御手段」の一例である。S23、S45の処理を行うCPU31は、本発明の「第2制御手段」の一例である。S35、S55の処理を行うCPU31は、本発明の「第3制御手段」の一例である。S35の処理を行うCPU31は、本発明の「第4制御手段」の一例である。S55の処理を行うCPU31は、本発明の「第5制御手段」の一例である。

1 :HMD 2 :表示装置 10B :液晶パネル 11 :装着具 12 :連結具 31 :CPU 33、34、35、36 :FPGA 37、38、41 :加速度センサ Th1 :第1閾値 Th2 :第2閾値 Th3 :第3閾値 Th4 :第4閾値 Th5 :第5閾値

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