Am-ewod device, method of driving am-ewod device by ac drive at variable voltage

申请号 JP2014004501 申请日 2014-01-14 公开(公告)号 JP2014140841A 公开(公告)日 2014-08-07
申请人 Sharp Corp; シャープ株式会社; 发明人 BENJAMIN HADWEN;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To suppress degradation of an active matrix type dielectric electrowetting (AM-EWOD) device by application of high voltage.SOLUTION: A thin film electronic circuit arranged on a board of an AM-EWOD device has a first circuit for applying of a first time variation signal V1 to an array element electrode 38 and a second circuit for applying a second time variation signal V2 to a board electrode 28, and an operation voltage defined by an electric potential difference between V2 and V1 is set for specific operations of the droplet (especially moving and binding) to be lower than the voltage required for other operations of the droplet (mixing and separating).
权利要求
  • アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(Active Matrix Electrowetting-On-Dielectric;AM−EWOD)デバイスであって、
    基板電極、複数のアレイ素子、第1の回路、および第2の回路を備えており、
    上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有しており、
    上記第1の回路は、上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加し、
    上記第2の回路は、上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加し、
    動作電圧は、上記第2の時間変動信号V2と上記第1の時間変動信号V1との間の電位差によって定義され、
    上記第1の回路はさらに、上記動作電圧を調整するために、上記第1の時間変動信号V1の振幅を調整することを特徴とするAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の回路は、第1の振幅V1Aと第2の振幅V1Bとの間において、上記第1の時間変動信号V1の振幅を調整し、
    上記第1の振幅V1Aは、上記第2の振幅V1Bよりも大きく、
    上記第1の振幅V1Aは、高電圧の動作モードと関連付けられており、
    上記第2の振幅V1Bは、低電圧の動作モードと関連付けられていることを特徴とする請求項1に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の回路はさらに、上記第1の時間変動信号V1にDC電圧V を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1の振幅を、上記第1の振幅V1Aから上記第2の振幅V1Bに調整することを特徴とする請求項2に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記DC電圧V は、上記第2の振幅V1Bの異なる振幅レベルを実現するために調整可能であることを特徴とする請求項3に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の回路は、上記第1の時間変動信号V1を時間的に調整するように構成されており、
    上記第1の回路は、(i)第1の時刻t1において、上記複数のアレイ素子に上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)第2の時刻t2において、上記複数のアレイ素子に上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1を時間的に調整し、
    上記AM−EWODデバイスは、(i)上記第1の時刻t1において、第1の液滴操作を実行し、(ii)上記第2の時刻t2において、第2の液滴操作を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の回路は、上記第1の時間変動信号V1を空間的に調整するように構成されており、
    上記第1の回路は、(i)上記複数のアレイ素子の第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)上記複数のアレイ素子の第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1を空間的に調整することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記複数のアレイ素子の上記第1の部分は、第1の液滴操作を実行するための第1の動作ゾーンであり、
    上記複数のアレイ素子の上記第2の部分は、第2の液滴操作を実行するための第2の動作ゾーンであることを特徴とする請求項6に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の動作ゾーンは、高電圧の動作ゾーンであり、
    上記第2の動作ゾーンは、低電圧の動作ゾーンであることを特徴とする請求項7に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記第1の回路は、
    上記複数のアレイ素子の上記第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加する第1のレベルシフタ回路と、
    上記複数のアレイ素子の上記第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加する第2のレベルシフタ回路と、を備えていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のAM−EWODデバイス。
  • 上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整される一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のAM−EWODデバイス。
  • 薄膜電子回路、基板、外部ドライブ電子回路、センサ回路、およびコンピュータ読み取り可能でかつ非一時的な記録媒体を、さらに備えており、
    上記薄膜電子回路は、上記第1の回路および上記第2の回路を有しており、
    上記基板の上には、上記薄膜電子回路が配置されており、
    上記外部ドライブ電子回路は、上記薄膜電子回路の上記第1の回路および上記第2の回路を駆動し、
    上記センサ回路は、上記外部ドライブ電子回路のフィードバック制御を行い、
    上記コンピュータ読み取り可能でかつ非一時的な記録媒体は、上記外部ドライブ電子回路を制御するために実行されるコンピュータプログラムを格納していることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のAM−EWODデバイス。
  • アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(Active Matrix Electrowetting-On-Dielectric;AM−EWOD)デバイスの複数のアレイ素子に印加される動作電圧を制御する方法であって、
    上記AM−EWODデバイスは、基板電極および複数の上記アレイ素子を有しており、
    上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有しており、
    上記動作電圧は、上記基板電極と上記アレイ素子電極との間の電位差によって定義され、
    上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加する工程と、
    上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加する工程と、
    上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1を調整することによって、上記動作電圧を制御する工程と、を含んでいることを特徴とする動作電圧の制御方法。
  • 上記第1の時間変動信号V1の振幅は、第1の振幅V1Aと第2の振幅V1Bとの間において調整され、
    上記第1の振幅V1Aは、上記第2の振幅V1Bよりも大きく、
    上記第1の振幅V1Aは、高電圧の動作モードと関連付けられており、
    上記第2の振幅V1Bは、低電圧の動作モードと関連付けられていることを特徴とする請求項12に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記第1の時間変動信号V1にDC電圧V を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1の振幅は、上記第1の振幅V1Aから上記第2の振幅V1Bに調整されることを特徴とする請求項13に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記DC電圧V は、上記第2の振幅V1Bの異なる振幅レベルを実現するために調整可能であることを特徴とする請求項14に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記第1の時間変動信号V1は、(i)第1の時刻t1において、上記複数のアレイ素子に上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)第2の時刻t2において、上記複数のアレイ素子に上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、時間的に調整され、
    上記AM−EWODデバイスは、(i)上記第1の時刻t1において、第1の液滴操作を実行し、(ii)上記第2の時刻t2において、第2の液滴操作を実行することを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記第1の時間変動信号V1は、(i)上記複数のアレイ素子の第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)上記複数のアレイ素子の第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、空間的に調整されることを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記複数のアレイ素子の上記第1の部分は、第1の液滴操作を実行するための第1の動作ゾーンであり、
    上記複数のアレイ素子の上記第2の部分は、第2の液滴操作を実行するための第2の動作ゾーンであることを特徴とする請求項17に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記第1の動作ゾーンは、高電圧の動作ゾーンであり、
    上記第2の動作ゾーンは、低電圧の動作ゾーンであることを特徴とする請求項18に記載の動作電圧の制御方法。
  • 上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整される一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変であることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の動作電圧の制御方法。
  • 说明书全文

    本発明は、アクティブマトリクスアレイ、およびその素子に関する。 本発明は、特にデジタルマイクロ流体に関し、より具体的には、アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(Active Matrix Electrowetting-On-Dielectric;AM−EWOD)デバイスに関する。

    誘電体エレクトロウェッティング(EWOD)は、アレイ上に存在する流体の液滴を操作する公知の技術である。 アクティブマトリクス型EWOD(AM−EWOD)とは、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、アクティブマトリクスアレイにおいてEWODを実装することを意味する。 本発明は、当該デバイスを駆動する方法にもさらに関する。

    電界を印加することによって流体の液滴を操作する技術としては、誘電体エレクトロウェッティング(EWOD)が周知であり、ラボ・オン・チップ技術に用いるデジタルマイクロ流体のための候補技術となっている。 当該技術の基本的な原理については、「Digital microfluidics: is a true lab-on-a-chip possible?”, RB Fair, Microfluid Nanofluid (2007) 3:245-281」を参照されたい。

    図1は、従来のEWODデバイスの一部分の断面図を示す。 当該デバイスは下層基板72を含み、その最上層は、複数の電極38(例えば、図1においては38Aおよび38B)を備えるようにパターン化された導電性材料で形成される。

    これらの電極は、EW駆動素子と呼ばれる。 液滴4は極性の物質で構成されており、下層基板72と上層基板36との間にある面に拘束されている。 スペーサ32を用いることによって、これらの2つの基板の間隔が適切に保たれる。 そして、当該間隔による容積が、極性を有する液体である液滴4によって満たされないように、非極性流体34(例えば、油)によって、当該容積を満たしてよい。

    絶縁層20は、下層基板72上に配置されている。 絶縁層20は、導電性電極38Aおよび38Bを疎面16から分離する。 液滴4は、θによって示される接触角6を成して、疎水面16上に存在している。 上層基板36は、第2の疎水面26となり、当該疎水面が、液滴4に対して接触する状態となる。 上層基板36と疎水層26との間には、上層基板電極28が挿入される。

    接触角θは、図1に示されるように定義されている。 接触角θは、固体−液体間(γ SL )、液体−気体間(γ LG )、および非イオン流体の界面(γ SG )との間の表面張の成分の釣り合いとして定められている。 電圧が印可されていない場合には、ヤングの法則が成立し、以下の数式(式1)が与えられる。

    ある状況では、関連する物質の相対的な表面張力(すなわち、γ SL 、γ LG 、およびγ LG )は、(式1)の右辺が−1よりも小さくなるような数値となる場合がある。 このことは、非イオン流体が油である場合に通常起こり得る。

    このような状況においては、液滴4は、疎水面16および26と接触しない状態となり、非極性流体34(油)の薄膜が、(i)液滴4と、(ii)疎水面16および26と、の間に形成され得る。

    駆動時において、異なる電極(例えば、駆動素子電極28、38A、および38Bのそれぞれ)に対して、EW駆動電圧と称される電圧(例えば、図1のV 、V 、およびV 00 )が、外部から印加されてよい。 電圧の印加によって生じた電気的な力によって、疎水面16の疎水性が有効に制御される。

    異なるEW駆動電圧(例えば、V およびV 00 )が印加されるように、異なる駆動素子電極(例えば、38Aおよび38B)を配置することにより、液滴4を、2つの基板(すなわち、下層基板72および上層基板36)の間の横方向の面において、移動させることができる。

    米国特許第6565727号明細書(Shenderov,2003年5月20日発行)は、アレイを介して液滴を移動させるパッシブマトリクスEWODデバイスを開示している。

    米国特許第6911132号明細書(Pamula et al.,2005年6月28日発行)は、二次元的な液滴の位置および移動を制御する二次元EWODアレイを開示している。

    上述の米国特許第6565727号明細書は、液滴の分離、結合、および、異なる材料からなる液滴の混合を含む、液滴の他の操作方法をさらに開示している。

    米国特許第7163612号明細書(Sterling et al.,2007年1月16日発行)は、EWODアレイにおいて電圧パルスを制御するために、TFTに基づく電子機器を用いる方法を説明している。 当該方法は、AMディスプレイにおいて用いられている回路構成と非常に類似する回路構成を用いている。

    上述の米国特許第7163612号明細書に記載された方法は、「アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング」(AM−EWOD)と呼ばれる。 EWODアレイを制御するために、TFTに基づく電子機器を用いることにより、以下のような複数の利点がある。

    ・AM−EWODアレイ基板の上に、駆動回路を集積できる。

    ・TFTに基づく電極は、AM−EWODへの適用に非常に適している。 これらの電極は、安価に生産できるため、比較的広い基板領域が、比較的低いコストによって生産可能である。

    ・標準的なプロセスによって生産されたTFTは、標準的なCMOSのプロセスによって生産されたトランジスタよりも、遙かに高電圧において駆動するように設計できる。 EWOD技術においては、20Vを超えるEWODの駆動電圧が要求されるため、この点は重要である。

    上述の米国特許第7163612号明細書は、AM−EWODのTFTバックプレーンを実現する回路の形態を、一切開示していない。

    欧州特許出願公開第2404675号明細書(Hadwen et al.,2012年1月11日公開)は、AM−EWODデバイスのためのアレイ素子回路を開示している。 EWOD駆動電極にEWOD駆動電圧をプログラムし、かつ印加するための、様々な方法が知られている。 当該電圧を書き込む機能は、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)に基づくメモリ素子等の、標準的な手段としてのメモリ素子と、当該アレイ素子をプログラムするための入力ラインとを含む。

    米国特許第8173000号明細書(Hadwen et al.,2012年5月8日発行)は、アレイ素子回路を備えたAM−EWODデバイス、および、AC駆動電圧を電極に印加する方法を開示している。 当該特許明細書に記載されたACドライブ方式では、当該デバイスの駆動素子電極および上層基板電極の両方に、AC信号を印加している。

    それゆえ、当該デバイスは、+V EWと−V EWとの間において変化する、電極間の電位差を生じさせることができる。 一方、アレイ素子内のトランジスタに要求されることは、レール間電圧V EWにおいて動作することのみである。

    当該特許明細書は、ある時にはACモードによって、またある時にはDCモードによって、デバイスを駆動する方法をさらに開示している。 この方法により、統合されたセンサ機能の動作との互換性を実現できる。

    米国特許出願公開第2012/0007608号明細書(Hadwen et al.,2012年1月12日公開)は、インピーダンス(静電容量)を検知する機能をアレイ素子に含める方法を説明している。 アレイに含まれる各電極に位置する液滴の存在およびサイズを判定するために、インピーダンスセンサが用いられる。

    米国特許出願公開第2011/0180571号明細書(Srinivasan et al.,2011年7月28日公開)は、(i)液滴4と、(ii)疎水面16および26と、の間に形成された油膜の安定性を維持するために、調整可能なエレクトロウェッティング電圧を利用する方法を開示している。

    当該特許明細書は、液滴と液滴アクチュエータの表面との間の油膜を維持する方法は、液滴アクチュエータを最適に動作させるための重要な要因となることを開示している。 油膜を安定化させることにより、吸収および再吸収による汚染等を、さらに低減することできる。 加えて、油膜の維持により、さらに直接的なエレクトロウェッティング、および、液滴に操作のために、より低い電圧を利用することが可能となる。

    当該特許明細書はさらに、異なる操作を実行するために異なる電圧を利用する方法を開示している。 例えば、隣接するアレイ素子間において液滴を移動させるために用いられる電圧に比べて、さらに高い電圧が、リザーバから液滴を抽出するために利用される。

    本発明によって解決される課題は、改良型のEWODデバイスを提供することである。 当該EWODデバイスは、AC駆動の方法によってデバイスを動作させると同時に、動作電圧を調整するための改良された手段を有している。

    特に、液滴の分割または混合等の、特定のEWODの動作は、比較的高い動作電圧によって実行される必要がある。 他方、液滴の移動または結合等の他の動作は、より低い動作電圧によって実行されてもよい。

    さらに、高電圧を使用することによる弊害が生じ得る。 特に、操作中の液滴を内包する油膜が劣化するという弊害が生じ得る。 このことは、デバイスの信頼性を低下させ、表面の汚染または生物付着の原因となり得る。

    そこで、可変な動作電圧を有するEWODデバイスが望まれる。 当該デバイスにおいて、高電圧の動作モードは、特に有用である場合にのみ、液滴の操作に利用される。 また、当該デバイスは、デバイスの劣化を少なくするために、その他の時間においては、低電圧の動作モードでの動作を行う。

    本発明の一態様は、改良されたAC駆動の方法に関するAM−EWODデバイスである。 第1の実施の形態によれば、時間変動信号V2は、基板電極の上部、および、駆動されていないアレイ素子のドライブ電極に印加される。 時間変動信号V1は、駆動されているアレイ素子のドライブ電極に印加される。 これにより、与えられる動作電圧はV1−V2に等しい。 信号V1の振幅を変化させる一方で、信号V2を不変にすることによって、動作電圧を調整する手段が提供される。

    本発明の別の態様は、アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(AM−EWOD)デバイスの複数のアレイ素子に印加される動作電圧を制御する方法である。 当該方法において、上記AM−EWODデバイスは、基板電極および複数の上記アレイ素子を有しており、上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有しており、上記動作電圧は、上記基板電極と上記アレイ素子電極との間の電位差によって定義される。 当該方法は、上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加する工程と、上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加する工程と、上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1を調整することによって、上記動作電圧を制御する工程と、を含んでいる。 上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整され得る一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変である。

    以下に説明する目的、および関連する目的を達成するために、本発明は、以下で十分に説明される特徴、およびそれぞれの請求項において特に着目される特徴を備えている。 以下の記載および添付の図面は、ある特定の詳細な一例として、本発明の実施の形態を説明するものであるが、当該実施の形態は、本発明の思想を採用した様々な形態の一部を示すに過ぎない。 本発明の他の目的、利点、および新規的な特徴は、図面と合わせて考慮されることにより、本発明に関する以下の詳細な記載から明らかになるであろう。 なお、以降の添付図面において、類似の符号は類似の部分または特徴を示す。

    本発明の利点は、液滴の特定の操作(特に、移動および結合)を、液滴の他の操作(混合および分離)に必要とされる電圧よりも低い動作電圧によって実行することができる点にある。

    可能な時点において、より低い動作電圧によって液滴の操作を実行することにより、油膜を保持することでデバイスの信頼性を向上させ、表面の汚染(生物付着)を低減させ、デバイスの電力消費を最小限にすることができる。

    本発明によって、アレイ素子をACによって駆動する方法が実現される。 AC駆動は、DC駆動の方法に比べて、有意に優れていることが知られている。 ACによるアレイ素子の駆動方法は、高電圧の動作モードおよび低電圧の動作モードでの駆動方法を実現するための、特に単純な実装方法によって実現される。 これら2つの動作モードは、必要とされる最小限の電子回路の追加によって実現され得る。

    従来のEWODデバイスの断面図である。

    本発明の第1の実施の形態に係るAM−EWODデバイスの概略図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスのアレイ素子のいくつかを含む断面を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおける薄膜電子回路の構成を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスのアレイ素子内において用いられるアレイ素子回路を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、駆動信号V1およびV2のタイミングおよび電圧レベルをグラフとして表す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、高電圧の動作モードおよび低電圧の動作モードにおける、液滴の操作の一例を示す概略図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、液滴の操作のさらなる例を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、液滴の操作のさらなる例を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、液滴の操作のさらなる例を示す図である。

    図2に示されたAM−EWODデバイスにおいて用いられる、液滴の操作のさらなる例を示す図である。

    本発明の第2の実施の形態に係るAM−EWODデバイスにおける薄膜電子回路の構成を示す図である。

    図9に示された薄膜電子回路に用いられる信号生成回路の一例を示す図である。

    本発明の第3の実施の形態に係る薄膜電子回路に用いられる信号生成回路の一例を示す図である。

    本発明の第3の実施の形態に係るセンサフィードバックを用いた電圧制御の実装の一例を示す図である。

    図2は、本発明の一実施の形態に係るAM−EWODデバイスを示す。 当該AM−EWODデバイスは、下層基板72を備える。 下層基板72の上には、薄膜電子回路74が配置されている。 薄膜電子回路74は、アレイ素子電極38を駆動するように構成されている。

    電極アレイ42には、複数のアレイ素子電極38が配置されており、M×N個(MおよびNは任意の数)の素子が含まれる。 極性の液体である液滴4は、下層基板72と上層基板36との間に挟まれている。 なお、複数の液滴4が存在し得ると解釈されてよい。

    図3は、図2に示されたAM−EWODデバイスに用いられる、アレイ素子電極38Aおよび38Bの断面を示す。 図2および図3の構成のデバイスは、図1に示された従来の構成と類似している。

    図2および図3のAM−EWODデバイスは、下層基板72の上に配置された、薄膜電子回路74をさらに備えている。 下層基板72の最上層(薄膜電子回路74の一部とみなされてよい)は、複数の電極38(例えば、図3の38Aおよび38B)を実現するようにパターン化されている。

    これらの電極は、EW駆動素子とも称される。 EW駆動素子という用語は、特定のアレイ素子に関連付けられた電極38、および、電極38に直接的に接続された電気回路のノードの両方を指すと理解されてよい。

    図4は、下層基板72の上に配置された薄膜電子回路74の構成を示す。 電極アレイ42のそれぞれの素子は、対応するアレイ素子電極38の電極の電位を制御するためのアレイ素子回路84を含む。 アレイ素子回路84に制御信号を供給するために、行ドライバ76および列ドライバ78を統合した回路も、薄膜電子回路74に実装されている。

    シリアルインターフェース80は、シリアル入力のデータストリームを処理し、電極アレイ42に必要な電圧を書き込むために設けられている。 ここで説明するように、電圧供給インターフェース83は、対応する供給電圧、上層基板の駆動電圧、および、他の必要とされる電圧を供給する。 サイズの大きいアレイであっても、アレイの基板72と外部駆動電子回路との間の接続ワイヤ82の数、および電源等の数は、比較的少なくて済む。

    アレイ素子回路84は、センサ機能を追加的に含んでいてもよい。 例えば、アレイ素子回路84は、電極アレイ42におけるそれぞれのアレイ素子の位置において液滴4が存在していることを検出し、かつ、当該液滴のサイズを検出するための手段を含んでいてもよい。

    従って、薄膜電子回路74は、各アレイ素子からセンサデータを読み出し、当該データを1つ以上のシリアル出力信号に統合するための列検出回路86を含んでいてもよい。 当該シリアル出力信号は、シリアルインターフェース80を介して与えられ、1つ以上の接続ワイヤ82によって、デバイスから出力されてよい。

    一般的に、薄膜電子回路74を含む例示的なAM−EWODデバイスは、以下のように構成される。 AM−EWODデバイスは、基板電極(例えば、上層基板電極28)と複数のアレイ素子とを備えている。 各アレイ素子は、アレイ素子電極(例えば、アレイ素子電極38)を備えている。

    また、以下に説明するように、AM−EWODデバイスは、(i)アレイ素子電極の少なくとも一部に、第1の時間変動信号V1を与える第1の回路と、(ii)基板電極に第2の時間変動信号V2を与える第2の回路と、を備えている。

    動作電圧は、V2とV1との間の電位差によって決定される。 さらに、第1の回路は、動作電圧を調整するために、V1の振幅を調整する。 本実施形態において、動作電圧を調整するためにV1が調整される一方で、V2は不変である。

    これに関連して、AM−EWODデバイスは、複数のアレイ素子に印加される動作電圧を制御するための方法を実行する。 AM−EWODデバイスは、基板電極と複数のアレイ素子とを備えている。 各アレイ素子は、アレイ素子電極を有している。 動作電圧は、基板電極とアレイ素子電極との間の電位差によって決定される。

    動作電圧を制御するための方法は、(i)アレイ素子電極の少なくとも一部に、第1の時間変動信号V1を与える工程と、(ii)基板電極に第2の時間変動信号V2を与える工程と、(iii)動作電圧を調整するために、V1の振幅を調整することによって動作電圧を制御する工程と、を含んでいる。

    図5は、第1の実施の形態に係るアレイ素子回路84の例示的な構成を示す図である。 AM−EWODデバイスの残りの部分は、は、図2〜図4を参照して前述した従来の構成を備えており、上層基板電極28を有する上層基板36を含む。

    図5の例示的な構成において、アレイ素子回路84のそれぞれは、
    ・メモリ素子100
    ・第1のアナログスイッチ106を有する第1の回路 ・第2のアナログスイッチ108を有する第2の回路 ・スイッチトランジスタ110
    を備えている。

    また、アレイ素子回路は、
    ・センサ回路116
    を追加的に備えてもよい。 アレイ素子回路84は、次のように接続されている。

    入力DATA(アレイの同一列における全ての素子に共通であってよい)は、メモリ素子100の入力DATAに接続されている。

    入力ENABLE(アレイの同一行における全ての素子に共通であってよい)は、メモリ素子100の入力ENABLEに接続されている。

    メモリ素子100の出力OUTは、第1のアナログスイッチ106のn型トランジスタのゲートと、第2のアナログスイッチ108のp型トランジスタのゲートと、に接続されている。

    メモリ素子100の出力OUTBは、第1のアナログスイッチ106のp型トランジスタのゲートと、第2のアナログスイッチ108のn型トランジスタのゲートと、に接続されている。

    供給される電圧波形V1は、第1のアナログスイッチ106の入力に接続されており、供給される電圧波形V2は、第2のアナログスイッチ108の入力に接続されている。 V1およびV2の両方は、アレイ内における全ての素子に共通であってよい。

    第1のアナログスイッチ106の出力は、第2のアナログスイッチ108の出力に接続されている。 また、第2のアナログスイッチ108の出力は、スイッチトランジスタ110のソースに接続されている。

    入力SEN(アレイの同一行における全ての素子に共通であってよい)は、スイッチトランジスタ110のゲートに接続されている。 スイッチトランジスタ110のドレインは、電極38に接続されている。 出力SENSEを有するセンサ回路116もまた、電極38に接続されてよい。

    メモリ素子100は、データ電圧を保持可能な標準的な手段としての電子回路であってよい。 メモリ素子100は、例えば、公知のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)セル、またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)セル等の、当業者が一般的に使用するものであってよい。

    アレイ素子電極38と上層基板電極28との間に存在する電気的な負荷は、アレイ素子の位置に液滴4が存在するか否かによって変化する。 当該電気的な負荷は、図5に示されるように、キャパシタとして近似的に表現されてよい。

    駆動電圧V2(アレイ内の全ての素子に共通であってよい)もまた、上層基板電極28に接続されている。 所定のアレイ素子における動作電圧は、アレイ素子電極38と上層基板電極28との間の電位差として定められてもよい。

    センサ回路116は、物体の存在を検出する機能を有する、または、アレイ素子の位置において液滴4が存在していることに関連する特性を検出する機能を有する、標準的な手段の電子回路であってよい。 センサ回路の構成の例は、背景技術において参照した米国特許出願公開第2012/0007608号明細書に記載されている。

    アレイ素子回路84の動作は、以下に説明する通りである。 公知の標準的な手段によって、デジタルデータがメモリ素子100に書き込まれてよい。 ここで、当該データの各ビットは「1」または「0」であり、各ビットは、入力ラインDATAにプログラムされた高電圧レベルまたは低電圧レベルにそれぞれ対応する。

    入力ENABLEが一時的に駆動された場合、データはメモリセル100に書き込まれる。 そして、入力DATAの電圧レベルにかかわらず、ENABLEが再度駆動されるまで、データはメモリセル100に保持される。 このように、アレイ内のメモリ素子100のそれぞれに、データが順次書き込まれる。

    メモリ素子に「1」が書き込まれた場合には、出力OUTは高電圧レベルとなり、出力OUTBは低電圧レベルとなる。 従って、当該状況においては、第1のアナログスイッチ106がオンになり、第2のアナログスイッチ108がオフになる。 そして、入力SENもまた高電圧レベルに保持されている場合には、スイッチトランジスタ110がON状態となり、電圧信号V1が、アレイ素子電極に接続される。

    アレイ素子に「0」が書き込まれた場合には、出力OUTは低電圧レベルとなり、出力OUTBは高電圧レベルとなる。 従って、当該状況においては、第1のアナログスイッチ106がオフになり、第2のアナログスイッチ108がオンになる。 そして、入力SENによってスイッチトランジスタ110がON状態となる場合には、電圧信号V2が、アレイ素子電極に接続される。

    それゆえ、メモリ素子に書き込まれ、かつ保持されたデータに応じて、信号V1または信号V2のいずれか一方は、電極38に電気的に接続される。

    スイッチトランジスタ110は、入力SENによってON状態となる。 それゆえ、動作電圧は、
    ・V1−V2(メモリ素子100に、「1」が書き込まれている場合)
    ・V2−V2=0V(メモリ素子100に、「0」が書き込まれている場合)
    として与えられる。

    スイッチトランジスタ110は、信号V1およびV2から、電極38を隔離することを目的としている。 入力SENが低電圧レベルとなる場合には、このような電気的な隔離が生じ、トランジスタ110はOFF状態となる。 背景技術において参照した米国特許出願公開第2012/0007608号明細書の例と同様にして、当該電気的な隔離は、センサ回路116の動作時に必要とされてもよい。

    図6は、信号V1およびV2の時間系列および電圧レベルの例を、グラフとして示している。 信号V2は、高電圧レベルV EW1と低電圧レベル−V EW1とを有する、矩形波の電圧パルスである。 信号V1は、信号V2と逆位相の矩形波の電圧パルスである。 すなわち、V2が高電圧レベルとなる時点では、V1は低電圧レベルとなる。 また、逆の場合も同様である。

    上述のように、第1の時間変動信号を供給するための第1の回路は、電圧供給回路、メモリ素子100に関連する回路、および第1のアナログスイッチ106を含んでいてもよい。

    また、上述のように、第2の時間変動信号を供給するための第2の回路は、電圧供給回路、メモリ素子100に関連する回路、および第2のアナログスイッチ108を含んでいてもよい。

    第1の時間変動信号を供給するための第1の回路は、自身の高電圧レベルと低電圧レベルとが調整可能であるように構成される。 従って、AM−EWODデバイスが、以下の高電圧モードまたは低電圧モードのいずれかにおいて動作するように、V1が設定されてよい。

    ・高電圧モードにおいて、(i)V1の高レベル電圧は、V EW1であり、(ii)V1の低レベル電圧は、−V EW1である。

    ・低電圧モードにおいて、(i)V1の高レベル電圧は、V EW1 −V であり、(ii)V1の低レベル電圧は、−V EW1 +V である。

    ここで、V は、0とV EW1との間の値を取り得るDC電圧レベルである。 V は、第1の時間変動信号V1に印加される。

    メモリ素子100に「1」が書き込まれ、スイッチトランジスタ110がON状態となった場合には、アレイ素子電極38と上層基板電極28との間に、信号V ACTUATE =V1−V2が与えられる。 この信号の特徴は、以下の通りである(図6を再び参照されたい)。

    ・高電圧モードにおいて、V ACTUATE =V1Aである。 V ACTUATEは、高レベル電圧V EW1および低レベル電圧−V EW1を有する、矩形波信号である(また、ピーク間振幅は、2V EW1である。)。

    ・低電圧モードにおいて、V ACTUATE =V1Bである。 V ACTUATEは、高レベル電圧V EW1 −V および低レベル電圧−V EW1 +V を有する、矩形波信号である(また、ピーク間振幅は、2V EW1 −2V である。)。

    高電圧の動作モードおよび低電圧の動作モードの両方において、信号V ACTUATEのDC成分は零である。

    は、0とV EW1との間の値を取り得るDC電圧レベルであることが好ましい。 それゆえ、低電圧の動作モードにおけるV ACTUATEのピーク間振幅は、0Vから2V EWまでの間の任意の値に調整可能である。

    信号V1およびV2は、例えば、ドライバのプリント基板(PCB)等によって、外部において生成されてもよい。 PCBは、V の値を変更するための手段を含んでおり、交流の信号V1のいずれかを生成可能とするために、V1の振幅を切り替えてもよい(例えば、V1Aは高電圧の動作モードのために要求されており、V1Bは低電圧の動作モードのために要求されている。)。

    また、基板72の上に配置された薄膜電子回路74は、信号V1およびV2を生成するために用いられてもよい。

    いずれの場合も、信号V1を生成するための第1の回路は、この信号の高電圧および低電圧を調整するための手段(すなわち、V の値)をも含んでいてもよい。 こうした手段は、通常の回路設計技術によって実現されてよい。 回路設計技術としては、例えば、レベルシフト回路またはIC等が、当業者によって周知である。

    例示的な実施形態にて説明されているAM−EWODデバイスにおいて、第1の回路は、第1の時間変動信号V1を時間的に調整する。

    第1の回路は、(i)第1の時刻t1において、第1の振幅V1Aを有する電圧を複数のアレイ素子に印加し、(ii)第2の時刻t2において、第2の振幅V1Bを有する電圧を複数のアレイ素子に印加することによって、第1の時間変動信号V1を時間的に調整してもよい。

    AM−EWODデバイスは、時刻t1において第1の液滴操作の動作を実行し、時刻t2において第2の液滴操作の動作を実行してもよい。 従って、例えば、V の値は、AM−EWODデバイスにおける液滴操作の様々な使用法および用途に応じて、第1の時刻と第2の時刻との間において調整可能であってよい。

    このV の調整により、V1Bの様々な振幅レベルが実現される。 V の調整は、当該デバイスによって実行される液滴操作に応じて行われてもよい。 例えば、V は0Vという値と、他の値V R1との間において切り替え可能であるように設定されてもよい。 なお、V R1は、0VとV EW1との間の値である。

    これにより、上述の高電圧の動作モードおよび低電圧の動作モードが実現され、デバイスにおいてこれら2つの動作モードを切り替えることが可能となる。

    図7は、本実施形態に係るAM−EWODデバイスの動作の一例を概略的に示す図である。 本実施形態において、動作電圧を調整するために、V1が時間的に調整されてもよい。

    この動作の一例においては、液滴を移動させる操作を実行するために、低電圧の動作モードが利用されている。 また、液滴を分離させる操作を実行するために、高電圧の動作モードが利用されている。

    一般的に、高電圧の動作モードは、高い動作電圧に特に利点がある場合に、デバイスが液滴の操作を実行する時などに利用されてもよい。 例えば、液滴の分離、またはリザーバから液滴の溶離を行う場合に、高電圧の動作モードが利用されてもよい。

    また、例えば、液滴の移動、2つの液滴の結合、または液滴の混合といった、その他の液滴の操作に関しては、低電圧の動作モードが好ましい。 このように、AM−EWODデバイスの動作、具体的には動作電圧、より具体的には電圧パルスV1の高電圧レベルおよび低電圧レベルの使用は、実行中の液滴の操作に応じて制御される。

    背景技術において参照した米国特許第8173000号明細書に記載されているように、当該デバイスは、AC駆動タイプのデバイスを操作すると同時に、動作電圧を調整する手段を提供する。 さらに、当該デバイスは、信号V1のみの電圧レベルを変化させることによって、こうした可変電圧によるAC駆動方法を実現する手段を提供する。

    当該デバイスおよび関連する操作方法の利点は、以下の通りである。

    ・可能である場合には、低電圧の動作モードを実行することにより、液滴4と疎水面16との間に、油の薄膜を保持させることができる。

    ・可能である場合には、低電圧の動作モードを実行することにより、デバイスによる電力消費を低減することができる。

    なお、当該関連する操作方法では、高電圧の動作モードが十分に有効である場合(例えば、液滴を移動させる場合)に、高電圧の動作モードが液滴の操作のみに用いられるように、動作電圧を変更させている。 また、油膜を保持することには、以下の利点がある。

    ・油膜を保持することにより、疎水面に生物が付着する可能性を低減することができる。

    ・油膜を保持することにより、デバイスの信頼性を向上させることができる。 例えば、絶縁層20の欠陥に起因するピンホール欠陥の発生率を、最小限度に抑制することができる。

    ・油膜を保持することにより、液滴の動作性が向上する場合がある。

    本発明のさらなる利点は、ACによるアレイ素子の駆動方法を実装できる点である。 背景技術の参考文献においてさらに詳細に説明されているように、ACによる駆動方法は、DCによる駆動方法に比べて有意に優れていることは、当業者にとって公知である。

    本発明のさらなる利点は、ACによるアレイ素子の駆動方法が実装されることにより、操作が容易化される点である。 下層基板72の上に形成された薄膜電子回路のトランジスタ素子によって切り替えられる電圧信号の振幅は、V EWを超える値である必要はない。 このため、背景技術において参照した米国特許第8173000号明細書の利点が実現される。

    本発明の別の利点は、高電圧の動作モードでと低電圧の動作モードとを実現するための実装が特に容易である点である。 これら2つのモードでの動作は、必要とされる最小限の電子回路の追加によって実装されてよい。

    当該AM−EWODデバイスに係る別の実施の形態において、第1の回路は、第1の時間変動信号V1を空間的に調整する。 特に、第1の回路は、(i)第1の振幅V1Aを有する電圧を、複数のアレイ素子の第1の部分に印加し、(ii)第2の振幅V1Bを有する電圧を、複数のアレイ素子の第2の部分に印加することによって、第1の時間変動信号V1を空間的に調整してもよい。

    このような場合には、複数のアレイ素子の第1の部分は、第1の液滴操作の動作を実行するための第1の動作ゾーンを構成してもよい。 また、複数のアレイ素子の第2の部分は、第2の液滴操作の動作を実行するための第2の動作ゾーンを構成してもよい。

    図8A〜図8Dは、様々な液滴の操作を実現するために、空間的に調整された第1の時間変動信号V1が利用されている例を概略的に示す図である。 図8A〜図8Dは、2つの指定されたゾーン(すなわち、高電圧の動作ゾーン124および低電圧の動作ゾーン126)を有する例示的なアレイにおける動作を示す。

    本実施形態によれば、全ての液滴が低電圧の動作ゾーン126から除去された場合にのみ、デバイスは高電圧モードによって動作する。 図8A〜図8Dは、一連の動作の例を示す。

    初期時刻t0における初期状態は、図8Aに示されている。 アレイ上には2つの液滴4Aおよび4Bが存在している。 初期状態において、液滴4Aおよび4Bは、ともに低電圧の動作ゾーン126に存在している。

    目的とする液滴の操作は、例えば、液滴4Bを2つの副次的な液滴に分割することであってよい。 このような処理を行うための手順の例は、以下の通りである。

    (1)はじめに、液滴4Aおよび4Bを、低電圧の動作ゾーン126から高電圧の動作ゾーン124へと移動させる。 この「移動」の動作を実行するために、デバイスは低電圧モード(信号V1=V1B)によって動作する。 図8Bには、後の時刻t1において、この動作が完了した状態が示されている。

    (2)そして、液滴4Bを、2つの液滴4Cおよび4Dへと分割する。 この「分割」の動作を実行するために、デバイスは高電圧モード(V1=V1A)によって動作する。 この動作が行われる期間に亘って、全ての液滴は高電圧のゾーン124の内部に位置している。 図8Cには、後の時刻t2における、この動作が完了した後の状態が示されている。

    (3)そして、液滴4A、4C、および4Dを、高電圧のゾーン124から低電圧のゾーン126へと、再び移動させる。 この「移動」の動作を実行するために、デバイスは低電圧モード(信号V1=V1B)によって動作する。 図8Dには、時刻t3において、この動作が完了した状態が示されている。

    この処理の例における全体を通じた結果は、液滴4Bを副次的な液滴4Cおよび4Dに分割することであった。 このように動作を実行することにより、流体が低電圧のゾーン126に存在している状態において、高電圧モードでのデバイスの動作が実行されることなく、液滴の分割が行われる。 それゆえ、低電圧のゾーン126を設けることによって、当該低電圧のゾーンにおいて液滴が信号V1Aによって操作されるという状況が生じないようにしてもよい。

    本実施形態の利点は、デバイス内に低電圧のゾーンを規定することができる点である。 液滴が低電圧のゾーン内に存在している全ての時間範囲および空間範囲に亘って、油膜が連続的に保持されているため、低電圧のゾーンへの汚染/生物付着は生じない。

    AM−EWODデバイスの第2の実施の形態は、薄膜電子回路74の代替的な設計に関するものであるが、上述の第1の実施の形態に類似したものとして構成されてよい。

    図9は、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜電子回路74の一部の構成の例を概略的に示す図である。 アレイ素子回路84、行ドライバ回路76、列ドライバ回路78、および列検出回路86の全ては、第1の実施形態のものと類似または同一の設計であってよい。

    薄膜電子回路74もまた、第1の実施の形態において説明されているが、図9には含まれていないさらなる構成を有していてもよい。 例えば、薄膜電子回路は、シリアルインターフェース80および接続ワイヤ82を有していてもよい。

    薄膜電子回路74は、信号生成回路88をさらに有している。 信号生成回路88は、信号V1(V1AまたはV1B等)を生成し、当該信号V1をアレイのそれぞれの列に個別に印加するために用いられてもよい。 信号V1AおよびV1Bは、第1の実施の形態に応じて特定され、高電圧モードおよび低電圧モードのそれぞれにおける動作に用いられてもよい。

    信号V1Aは、アレイの特定の行に印加されてもよい。 また、信号V1Bは、アレイのその他の行に印加されてもよい。 例えば、図9の構成では、合成8つの行を有しているアレイにおいて、信号V1Aがrow1からrow4までのそれぞれの行に印加され、信号V1Bがrow5からrow8までのそれぞれの行に印加されてもよい。

    さらに、アレイの様々な行に対して、信号V1AおよびV1Bを印加する構成は任意に変更されてよいことは、当業者であれば自明であろう。 例えば、アレイの異なる列に異なる信号V1を印加するために、信号V1AとV1Bとを替えて構成してもよいことも、理解されるであろう。

    図10は、第2の実施の形態に係る第1の信号生成回路88の好適な設計の一例を概略的に示す図である。 第1の信号生成回路88は、
    ・当業者に公知の標準的な構成の、第1のレベルシフタ回路90Aと、
    ・同様に、当業者に公知の標準的な構成の、第2のレベルシフタ回路90Bと、
    を有している。

    第1の信号生成回路88は、入力S1、VBIAS1、VBIAS2、VBIAS3、およびVBIAS4を有している。 第1の信号生成回路88の接続関係は、以下の通りである。

    入力VBIAS1は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VHに接続されている。 入力VBIAS2は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VLに接続されている。 入力VBIAS3は、第2のレベルシフタ回路90Bの入力VHに接続されている。 入力VBIAS4は、第2のレベルシフタ回路90Bの入力VLに接続されている。

    入力S1は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VIN、および第2のレベルシフタ回路90Bの入力VINに接続されている。

    第1のレベルシフタ回路90Aの出力VOUTは、row1、row2、row3、およびrow4の出力V1Aに接続されている。 第2のレベルシフタ回路90Bの出力VOUTは、row5、row6、row7、およびrow8の出力V1Bに接続されている。

    入力信号S1は、論理信号を含んでいてもよい。 論理信号は、例えば、5Vの振幅を有しており、駆動波形V1を生成するために用いられる信号パターンに対応するものであってよい。

    入力VBIAS1、VBIAS2、VBIAS3、およびVBIAS4は、
    ・VBIAS1=V EW
    ・VBIAS2=−V EW
    ・VBIAS3=V EW −V
    ・VBIAS4=−V EW +V
    という値を有するDC電源の電圧である。

    第1のレベルシフタ回路90Aおよび第2のレベルシフタ回路90Bは、入力信号VINのレベルをシフトするために動作する。 これにより、出力信号VOUTは、高レベル電圧VHおよび低レベル電圧VLを有する。

    それゆえ、第1のレベルシフタ回路90Aの出力は、信号V1A(高レベル電圧VBIAS1=V EW 、および低レベル電圧VBIAS2=−V EWを有している)を生成する。 そして、第2のレベルシフタ回路90Bの出力は、信号V1B(高レベル電圧VBIAS3=V EW −V 、および低レベル電圧VBIAS4=−V EW +V を有している)を生成する。

    従って、上述のように、第1の信号生成回路88は、(i)電圧信号V1Aを生成し、この信号V1Aをアレイのrow1〜row4に印加し、かつ、(ii)電圧信号V1Bを生成し、この信号V1Bをアレイのrow5〜row8に印加するように動作する。

    第2の実施の形態の動作によれば、図9および図10に示された薄膜電子回路74の構成により、アレイのrow1〜row4は高電圧モードによって動作する一方で、アレイのrow5〜row8は低電圧モードによって動作する。

    第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、信号V2は、アレイ内の全ての素子に共通の上層基板電極28に印加されていることに注意されたい。

    さらに、第2の実施の形態は、
    (1)アレイの異なる領域に異なる動作電圧を供給し、
    (2)同時に、AC駆動による方法によって動作し、
    (3)さらに同時に、薄膜電子回路74のトランジスタにおいて切り替えられるべき電圧をV EWまでに制限している、
    という点に注意されたい。

    動作(1)〜(3)を同時に実装することは、ここで説明した駆動方法によって実現される。 当該駆動方法において、高電圧の動作モードと低電圧の動作モードとの間の相違点は、信号V1が高レベルであるか低レベルであるかという点のみである。 従って、高電圧の動作モードおよび低電圧の動作モードにおいて、信号V2は不変のままである。

    第2の実施の形態の動作によれば、AM−EWODデバイスは、高電圧の動作ゾーンと低電圧の動作ゾーンとを、専用の領域として実現することができる。 従って、高電圧の動作ゾーンと低電圧の動作ゾーンとは、試料の分析のための一部分として、液滴に対する異なる操作に用いられてよい。

    例えば、図9の構成では、row1〜row4は、液滴を溶離し、それらの液滴を副次的な液滴に分割することが必要とされる分析工程に対してのみ用いられてもよい。 従って、row5〜row8は、液滴の移動、混合、および結合等の、低電圧での動作に対してのみ用いられてもよい。

    第2の実施の形態の利点は、高電圧での動作、および低電圧での動作のための、専用の各領域を有するアレイ構造を実現することができる点にある。 両方のゾーンは、同時に、かつ、それぞれ異なる動作電圧によって駆動されてよい。

    図11は、第3の実施の形態を概略的に示す図である。 第3の実施の形態は、第2の実施の形態に類似したものであるが、第2の信号生成回路の代替的な設計に関するものである。

    第2の信号生成回路88Bは、
    ・第2の実施の形態と同様の、第1のレベルシフタ回路90Aおよび第2のレベルシフタ回路90Bと、
    ・各行の出力rowN(Nは行を示す整数である。例えば、図11には、出力row1、row2、およびrow3が示されている)に応じたマルチプレクサ回路92と、
    を備えていてもよい。

    第2の信号生成回路88Bの接続関係は、以下の通りである。 入力VBIAS1は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VHに接続されている。 入力VBIAS2は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VLに接続されている。 入力VBIAS3は、第2のレベルシフタ回路90Bの入力VHに接続されている。 入力VBIAS4は、第2のレベルシフタ回路90Bの入力VLに接続されている。

    入力S1は、第1のレベルシフタ回路90Aの入力VIN、および第2のレベルシフタ回路90Bの入力VINに接続されている。

    第1のレベルシフタ回路90Aの出力VOUTは、各マルチプレクサ回路92の入力IN1に接続されている。 第2のレベルシフタ回路90Bの出力VOUTは、各マルチプレクサ回路92の入力IN2に接続されている。

    入力R1、R2、R3…等は、マルチプレクサ回路92の行1、2、3…等の入力Rに接続されている。 各マルチプレクサ回路92の出力OUTは、対応する出力であるrowN(row1、row2、row3…等)に接続されている。

    第2の信号生成回路88の動作は、以下の通りである。 ここで、DC電源の電圧は、
    ・VBIAS1=V EW
    ・VBIAS2=−V EW
    ・VBIAS3=V EW −V
    ・VBIAS4=−V EW +V
    という値を有している。 それゆえ、上述のように、第1のレベルシフタ回路90Aの出力は、信号V1Aである。 また、第2のレベルシフタ回路90Bの出力は、信号V1Bである。

    マルチプレクサ回路92のそれぞれは、入力Rの論理値に基づいて、入力IN1またはIN2のいずれか一方が、出力OUTに受け渡されるように構成されている。

    回路構成は、マルチプレクサごとに個別のものであってもよい。 このため、rowNにおけるマルチプレクサ回路の入力Rに基づいて、それぞれの行における出力rowNに対して、信号V1AおよびV1Bのいずれか一方が生成される。

    本実施の形態によれば、アレイの各行は、個別に構成および再構成されてもよい。 これにより、高電圧モードおよび低電圧モードでの動作が可能となる。 本実施形態の利点は、アレイが完全に再構成可能であり、任意の時点において、高電圧モードまたは低電圧モードにおいて動作するように、各行を個別に構成することが可能となる点である。

    上述の各実施形態に対する様々な変更が可能であることは、当業者にとっては自明であろう。 例えば、高電圧の動作ゾーンおよび低電圧の動作ゾーンは、列ごとではなく、行ごとに実現されてもよい。

    また、上述の各実施形態の方式は、2つを超える異なる動作電圧レベル、および2つを超える動作ゾーンを有するAM−EWODデバイスの動作にも拡張されてもよいことも理解される。

    図12は、第4の実施の形態を概略的に示す図である。 第4の実施の形態は、上述の実施の形態のいずれか(および、その好適な変形例)を実装するためのシステムを示す。 第4の実施の形態は、フィードバックの利用をさらに含んでいてもよい。

    図12には、上述の他の実施形態と同様に、下層基板の上に薄膜電子回路74を有しているAM−EWODデバイスが示されている。 上述のように、薄膜電子回路74は、アレイ素子に電圧V1およびV2を印加するために、第1の回路および第2の回路をそれぞれ有している。

    また、上述のように、薄膜電子回路74に対する電気的な入力は、論理信号S1、ならびにバイアス電圧VBIAS1、VBIAS2、VBIAS3、およびVBIAS4を含んでいてもよい。 また、電気的な入力は、第2の信号生成回路88Bを有するマルチプレクサ回路を構成するために利用可能なシリアルデータRを含んでいてもよい。

    また、上述のように、薄膜電子回路は、出力SENSE_OUTを有するセンサ機能を備えていてもよい。 下層基板は、外部ドライブ電子回路118に接続されている。 外部ドライブ電子回路118は、例えば、プリント基板(PCB)によって構成されてよい。

    外部ドライブ電子回路118は、例えば、DCバイアス電圧を生成する電圧生成回路120と、タイミング信号S1を含む複数のタイミング信号を生成するタイミング生成回路119(例えば、マイクロコントローラ、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))とを有していてもよい。

    外部ドライブ電子回路118は、コンピュータ読み取り可能でかつ非一時的な記録媒体に格納されたアプリケーションソフトウェア123を実行するコンピュータ122に接続され、かつ制御される。

    アプリケーションソフトウェア123は、外部ドライブ電子回路を制御するために、例えば、DCバイアス電圧VBIAS1、VBIAS2、VBIAS3、およびVBIAS4のレベルを制御するために、および、実行されている液滴の操作に応じて、論理信号S1およびシリアルデータRを制御するために、コンピュータによって実行されてもよい。

    また、アプリケーションソフトウェア123は、外部ドライブ電子回路のフィードバック制御を実装するために、センサ回路から得られる測定された出力信号SENSE_OUTに応じて、これらの入力を制御してもよい。 アプリケーションソフトウェア123によって実装される制御機能は、以下の動作ルールの一部または全てを含んでいてもよい。

    ・実行されている液滴の操作に応じて、動作電圧を設定する。

    ・専用の高電圧の動作ゾーンおよび低電圧の動作ゾーンを維持するために、動作電圧を設定する。

    ・操作中の液滴の特性に応じて、動作電圧を設定する。 例えば、異なる動作電圧が、異なる材料(異なる界面活性剤濃度、または異なる粘度を有する材料)の液滴を移動または分割されるために必要とされてもよい。

    アレイ内における液滴の位置を決定するために用いられ得るセンサ出力SENSE_OUTと組み合わせて、アプリケーションソフトウェア123はさらに、以下の動作ルールの一部または全てを含んでいてもよい。

    ・要求される液滴の操作を問題なく実行するために必要な電圧の最小値を決定するために、動作電圧を調整する。 例えば、位置Aから位置Bへ液滴を移動させる場合には、駆動された電極の適切なパターンがデバイスにおいて規定され得る。 そして、移動の操作を有効に行うために必要な動作電圧に達するまで、動作電圧を段階的に増加させる。 センサ出力SENSE_OUTによって決定された、検出された液滴の位置から、動作の動作が問題なく実行されたことが確認されてもよい。

    ・センサ出力SENSE_OUTから得られる、測定された液滴のサイズに応じて、動作電圧を調整する。

    さらに、上述のAM−EWODデバイスは、完全なラボ・オン・チップシステムの一部を形成されもよいことは、明らかであろう。 このようなシステムにおいて、AM−EWODデバイスによって検出、および/または操作された液滴は、化学的な流体または生物学的な流体(例えば、血、唾液、または尿等)であってもよい。 そして、全体の構成は、化学的な試験または生物学的な試験を行うために、または、化学的な化合物または生物学的な化合物を合成するために設けられてもよい。

    本発明のさらなる実施の形態によれば、高電圧の動作ゾーンおよび低電圧の動作ゾーンを実現するために、異なる時刻、および/または、デバイスの異なる空間的な領域において、信号V1の振幅が異なるように設定されてもよい。

    本発明のさらなる実施の形態によれば、液滴の異なる操作(例えば、結合および移動)は、異なる動作電圧によって、および/または、信号V1の異なる振幅によって動作する異なる動作ゾーンにおいて、実行されてよい。

    本発明のさらなる実施の形態によれば、液滴の異なる操作は、異なる動作電圧によって、および/または、検知された液滴の特性に応じた動作ゾーンにおいて、実行されてよい。 液滴の特性は、例えば、液滴の位置、液滴のサイズ、または、液滴を異なる動作電圧によって操作するための、検知された静電容量に関する液滴の特性である。

    従って、本発明の一態様は、アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(AM−EWOD)デバイスである。 当該AM−EWODデバイスは、基板電極、複数のアレイ素子、第1の回路、および第2の回路を備えており、上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有している。 上記第1の回路は、上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加し、上記第2の回路は、上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加し、動作電圧は、上記第2の時間変動信号V2と上記第1の時間変動信号V1との間の電位差によって定義される。 上記第1の回路はさらに、上記動作電圧を調整するために、上記第1の時間変動信号V1の振幅を調整する。 上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整され得る一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変である。

    上述の通り、本発明の一態様は、アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(AM−EWOD)デバイスである。 当該AM−EWODデバイスは、基板電極、複数のアレイ素子、第1の回路、および第2の回路を備えており、上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有している。 上記第1の回路は、上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加し、上記第2の回路は、上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加し、動作電圧は、上記第2の時間変動信号V2と上記第1の時間変動信号V1との間の電位差によって定義される。 上記第1の回路はさらに、上記動作電圧を調整するために、上記第1の時間変動信号V1の振幅を調整する。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の回路は、第1の振幅V1Aと第2の振幅V1Bとの間において、上記第1の時間変動信号V1の振幅を調整し、上記第1の振幅V1Aは、上記第2の振幅V1Bよりも大きく、上記第1の振幅V1Aは、高電圧の動作モードと関連付けられており、上記第2の振幅V1Bは、低電圧の動作モードと関連付けられている。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の回路はさらに、上記第1の時間変動信号V1にDC電圧V を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1の振幅を、上記第1の振幅V1Aから上記第2の振幅V1Bに調整する。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記DC電圧V は、上記第2の振幅V1Bの異なる振幅レベルを実現するために調整可能である。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の回路は、上記第1の時間変動信号V1を時間的に調整するように構成されている。 上記第1の回路は、(i)第1の時刻t1において、上記複数のアレイ素子に上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)第2の時刻t2において、上記複数のアレイ素子に上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1を時間的に調整する。 上記AM−EWODデバイスは、(i)上記第1の時刻t1において、第1の液滴操作を実行し、(ii)上記第2の時刻t2において、第2の液滴操作を実行する。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の回路は、上記第1の時間変動信号V1を空間的に調整するように構成されている。 上記第1の回路は、(i)上記複数のアレイ素子の第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)上記複数のアレイ素子の第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1を空間的に調整する。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記複数のアレイ素子の上記第1の部分は、第1の液滴操作を実行するための第1の動作ゾーンであり、上記複数のアレイ素子の上記第2の部分は、第2の液滴操作を実行するための第2の動作ゾーンである。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の動作ゾーンは、高電圧の動作ゾーンであり、上記第2の動作ゾーンは、低電圧の動作ゾーンである。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記第1の回路は、上記複数のアレイ素子の上記第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加する第1のレベルシフタ回路と、上記複数のアレイ素子の上記第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加する第2のレベルシフタ回路と、を備えている。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整される一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変である。

    当該AM−EWODデバイスの一実施の形態において、薄膜電子回路、基板、外部ドライブ電子回路、センサ回路、およびコンピュータ読み取り可能でかつ非一時的な記録媒体を、さらに備えており、上記薄膜電子回路は、上記第1の回路および上記第2の回路を有しており、上記基板の上には、上記薄膜電子回路が配置されており、上記外部ドライブ電子回路は、上記薄膜電子回路の上記第1の回路および上記第2の回路を駆動し、上記センサ回路は、上記外部ドライブ電子回路のフィードバック制御を行い、上記コンピュータコンピュータ読み取り可能でかつ非一時的な記録媒体は、上記外部ドライブ電子回路を制御するために実行されるコンピュータプログラムを格納している。

    本発明の別の態様は、アクティブマトリクス型の誘電体エレクトロウェッティング(AM−EWOD)デバイスの複数のアレイ素子に印加される動作電圧を制御する方法である。 当該方法において、上記AM−EWODデバイスは、基板電極および複数の上記アレイ素子を有しており、上記アレイ素子のそれぞれは、アレイ素子電極を有しており、上記動作電圧は、上記基板電極と上記アレイ素子電極との間の電位差によって定義される。 当該方法は、上記アレイ素子電極の少なくとも一部に対して、第1の時間変動信号V1を印加する工程と、上記基板電極に対して、第2の時間変動信号V2を印加する工程と、上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1を調整することによって、上記動作電圧を制御する工程と、を含んでいる。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記第1の時間変動信号V1の振幅は、第1の振幅V1Aと第2の振幅V1Bとの間において調整され、上記第1の振幅V1Aは、上記第2の振幅V1Bよりも大きく、上記第1の振幅V1Aは、高電圧の動作モードと関連付けられており、上記第2の振幅V1Bは、低電圧の動作モードと関連付けられている。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記第1の時間変動信号V1にDC電圧V を印加することによって、上記第1の時間変動信号V1の振幅は、上記第1の振幅V1Aから上記第2の振幅V1Bに調整される。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記DC電圧V は、上記第2の振幅V1Bの異なる振幅レベルを実現するために調整可能である。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記第1の時間変動信号V1は、(i)第1の時刻t1において、上記複数のアレイ素子に上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)第2の時刻t2において、上記複数のアレイ素子に上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、時間的に調整される。 上記AM−EWODデバイスは、(i)上記第1の時刻t1において、第1の液滴操作を実行し、(ii)上記第2の時刻t2において、第2の液滴操作を実行する。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記第1の時間変動信号V1は、(i)上記複数のアレイ素子の第1の部分に対して、上記第1の振幅V1Aを有する電圧を印加し、(ii)上記複数のアレイ素子の第2の部分に対して、上記第2の振幅V1Bを有する電圧を印加することによって、空間的に調整される。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記複数のアレイ素子の上記第1の部分は、第1の液滴操作を実行するための第1の動作ゾーンであり、上記複数のアレイ素子の上記第2の部分は、第2の液滴操作を実行するための第2の動作ゾーンである。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記第1の動作ゾーンは、高電圧の動作ゾーンであり、上記第2の動作ゾーンは、低電圧の動作ゾーンである。

    当該動作電圧の制御方法の一実施の形態において、上記動作電圧を調整するために上記第1の時間変動信号V1の振幅が調整される一方で、上記第2の時間変動信号V2の振幅は不変である。

    ある特定の実施の形態(または複数の実施の形態)に沿って、本発明を示し、説明してきたが、本明細書および添付図面から読み取ることができ、かつ、理解できる点において、等価な代替および変形が当業者によってなされ得る。

    特に、上述の説明された要素(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、組成)によって発揮される様々な機能に関して、上述の要素を説明するために用いられた用語(「手段」と参照されるものを含む)は、たとえ本発明の実施の形態(または複数の実施の形態)における機能を発揮する開示された構造と厳密に等価でなくとも、別のものが示唆されない限り、前述した要素(すなわち、機能的に等価なもの)の特定の機能を発揮する他の要素にも対応することを意味する。

    また、いくつかの実施の形態のうちの1つだけまたは複数に関して、本発明の特定の特徴を説明したに過ぎず、所与のまたは特定の任意の応用に対して、好ましくもなり、利益もあるように、他の実施の形態に係る1つまたは複数の他の特徴と上述の特徴とを組み合わせることもできる。

    AM−EWODデバイスは、ラボ・オン・チップシステムの一部を形成できる。 これらのデバイスは、化学的、生化学的、または生理学的な物質を操作し、反応させ、および、検知するために使われ得る。 応用には、健康診断検査、化学的または生化学的物質の合成、プロテオミクス、ライフサイエンスおよび科学捜査における研究ツールが含まれる。

    4 液滴 6 接触角θ
    16 第1の疎水面 20 絶縁層 26 第2の疎水面 28 上層基板電極 32 スペーサ 34 非イオン流体 36 上層基板 38 アレイ素子電極 38A アレイ素子電極 38B アレイ素子電極 42 電極アレイ 72 下層基板 74 薄膜電子回路 76 行ドライバ回路 78 列ドライバ回路 80 シリアルインターフェース 82 接続ワイヤ 83 電圧供給インターフェース 84 アレイ素子回路 86 列検出回路 88 第1の信号生成回路 88B 第2の信号生成回路 90A 第1のレベルシフタ回路 90B 第2のレベルシフタ回路 92 マルチプレクサ100 メモリ素子106 第1のアナログスイッチ108 第2のアナログスイッチ110 スイッチトランジスタ116 センサ回路118 外部ドライブ電子回路119 タイミング生成回路120 電圧生成回路122 制御コンピュータ123 アプリケーションソフトウェア124 高電圧の動作ゾーン126 低電圧の動作ゾーン

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