薬物送達デバイス用の計数機構および薬物送達デバイス

申请号 JP2015509444 申请日 2013-05-02 公开(公告)号 JP6185565B2 公开(公告)日 2017-08-23
申请人 サノフィ・ソシエテ・アノニム; 发明人 シュテファン・マイヤー;
摘要
权利要求

薬物送達デバイス用の計数機構(5)であって、 相互作用要素(115)を含む第1の計数部材(103)と、 該第1の計数部材(103)の該相互作用要素(115)と係合するように構成された係合要素(124)を含む第2の計数部材(104)と、 分離部材(105)と を備え、 ここで、第1の計数部材(103)は、分離部材(105)に対して第1の相対位置と第2の相対位置の間で可動であり、 分離部材(105)は、第1の計数部材(103)が分離部材(105)に対して第2の相対位置にあるとき、相互作用要素(115)の係合要素(124)との係合を妨げるように構成され、 計数機構(105)は、ブロッキング要素(136)を備え、ブロッキング要素(136)は、第1の計数部材(103)がブロッキング要素(136)に対して所定の第1の相対ブロッキング位置にあり、かつ第2の計数部材(104)がブロッキング要素(136)に対して所定の第2の相対ブロッキング位置にあるとき、計数機構(5)のさらなる動作を妨げ、 ここで、第1の計数部材および第2の計数部材(103、104)は各々、通路(131、132)を備え、 ここで、所定の第1の相対ブロッキング位置は、第1の計数部材(103)の通路(131)をブロッキング要素(136)と整列させることに対応し、 所定の第2の相対ブロッキング位置は、第2の計数部材(104)の通路(132)をブロッキング要素(136)と整列させることに対応する 上記計数機構。分離部材(105)は、第1の計数部材(103)が第1の相対位置にあるとき、相互作用要素(115)の係合要素(124)の1つとの係合を可能にするように構成される、請求項1に記載の計数機構(5)。第1の計数部材(103)は、第1の計数部材(103)が第2の相対位置にあるとき、第2の計数部材(104)に対して可動である、請求項1または2に記載の計数機構(5)。第2の計数部材(104)の動きは、第1の計数部材(103)が分離部材(105)に対して第1の相対位置にあるとき、第1の計数部材(103)の動きによって引き起こされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の計数機構(5)。相互作用要素(115)は弾性変形が可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の計数機構(5)。第1の計数部材(103)は、分離部材(105)に対して第1の回転軸のまわりで回転可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の計数機構(5)。第2の計数部材(104)は、分離部材(105)に対して第2の回転軸のまわりで回転可能であり、第2の回転軸は第1の回転軸に沿って延びる、請求項6に記載の計数機構(5)。分離部材(105)は開口部(118)を備えた壁(117)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の計数機構(5)。相互作用要素(115)は、第1の計数部材(103)の分離部材(105)に対する第1の相対位置において、壁(117)の中の開口部(118)を通って突出する、請求項8に記載の計数機構(5)。相互作用要素(115)は、第1の計数部材(103)の分離部材(105)に対する第2の相対位置において、壁(117)に当接する、請求項8または9に記載の計数機構(5)。第1の計数部材(103)は第1のインデックス要素(128)を備え、 第2の計数部材(104)は第2のインデックス要素(129)を備え、 該第1のインデックス要素および該第2のインデックス要素(128、129)は、協働して数字を表示するように構成される 請求項1〜10のいずれか1項に記載の計数機構(5)。第2の計数部材(104)は第2の相互作用要素(125)を備え、 計数機構(5)は、第2の計数部材(104)の第2の相互作用要素(125)と係合するように構成された第3の係合要素(127)を含む第3の計数部材(107)をさらに備え、 計数機構(5)は第2の分離部材(106)をさらに備え、 第2の計数部材(104)は、第2の分離部材(106)に対して第1の相対位置と第2の相対位置の間で可動であり、 第2の分離部材(106)は、第2の計数部材(104)が第2の分離部材(106)に対してその第2の相対位置にあるとき、第2の相互作用要素(125)の第3の係合要素(127)との係合を妨げるように構成される 請求項1〜11のいずれか1項に記載の計数機構(5)。請求項1〜12のいずれか1項に記載の計数機構(5)を備える薬物送達デバイス。

说明书全文

本開示は、薬物送達デバイス用の用量計数機構(dose counting mechanism)、およびそうした用量計数機構を備える薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、吸入器、特に乾燥粉末の吸入器とすることができる。しかしながら、用量計数機構は、任意の他の薬物送達デバイス、例えば注射ペンなどの注射器にも適している。特に、用量計数機構は、一定用量の薬物送達デバイス、すなわち、送達される薬物の量を使用者が変更できないデバイスに使用することが可能である。むしろ、一定用量のデバイスでは、用量の大きさは、送達機構の設計によって決まる。

本開示の目的は、薬物送達デバイス用の改善された用量計数機構、例えば小型で信頼性のある用量計数機構を提供することである。さらに、本開示の目的は、改善された薬物送達デバイスを提供することである。

この目的は、特に独立請求項の対象によって達成することができる。有利な実施形態および改善形態は、従属請求項の対象物である。しかしながら、請求されるものの他にも、本明細書においてさらなる有利な概念を開示することがある。

一態様は、第1の計数部材を備える薬物送達デバイス用の用量計数機構に関する。第1の計数部材は、相互作用要素を備える。さらに、用量計数機構は、第1の計数部材の相互作用要素と係合するように構成された係合要素を含む、第2の計数部材を備える。さらに、用量計数機構は、分離部材を備える。さらに、第1の計数部材は、分離部材に対して第1の相対位置と第2の相対位置の間で可動である。分離部材は、第1の計数部材が分離部材に対して第2の相対位置にあるとき、相互作用要素の係合要素との係合を妨げるように構成される。

相互作用要素は、相互作用要素の本体から離れるように突出する突出部とすることができる。特に、相互作用要素は、カムとすることができる。係合要素は、突起、特に歯とすることができる。

第1の計数部材は、分離部材に対して2つより多い所定の相対位置へ可動とすることができる。特に、第1の計数部材は、分離部材に対して10の所定の相対位置へ可動とすることができる。しかしながら、分離部材は、第1の計数部材が分離部材に対してある所定の相対位置にあるときを除くすべての位置において、相互作用要素の係合要素との係合を妨げるように構成することができる。換言すれば、相互作用要素と係合要素の係合は、厳密に所定の相対位置の1つにおいて可能である。以下では、この位置を第1の相対位置と呼ぶ。他の9つの位置を第2の位置と呼ぶ。

特に、相互作用要素と係合要素の係合は、前記要素同士の当接に対応することができる。相互作用要素と係合要素の係合は、相互作用要素がを係合要素の1つに直接及ぼせるようにすることに対応することができる。特に、係合要素の1つに係合させたとき、相互作用要素が、第1の計数部材の動きを第2の計数部材へ伝えられるようにすることが可能である。

相互作用要素の係合要素との係合によって、第1の計数部材が第2の計数部材を動かすことができるようにする。したがって、計数機構は、1つの計数部材の動きを他の計数部材の動きに変えるために、別個の伝動要素など追加の部材を必要としない。したがって、計数機構は、少数の構成要素からなり、それによって機構のスペース要求および費用が軽減される。特に、計数機構の構成要素の数は、2×N−1(Nは計数部材の数)によって与えることができる。計数部材の数は、便宜的に表示すべき桁数によって与えられる。

さらに、分離部材は動かないようにすることができる。したがって、分離部材は、薬物送達デバイスのハウジングに、前記ハウジングに対して動くことができないように固定することが可能である。

一実施形態において、分離部材は、第1の計数部材が分離部材に対して第1の相対位置にあるとき、相互作用要素の係合要素の1つとの係合を可能にするように構成される。

相互作用要素が係合要素に係合されているとき、第1の計数部材の分離部材に対するその第1の相対位置からその第2の相対位置への動きを、第2の計数部材へ伝えることができる。

一実施形態において、第1の計数部材は、第1の計数部材が分離部材に対して第2の相対位置にあるとき、第2の計数部材に対して可動である。換言すれば、第1の計数部材は、相互作用要素が係合要素と係合されていないとき、第2の計数部材に対して可動である。

一実施形態において、第2の計数部材の動きは、相互作用要素が係合要素と係合されたとき、第1の計数部材の動きによって引き起こされる。

第1の計数部材の動きは、特に回転とすることができる。第2の計数部材の動きも、特に回転とすることができる。第1の計数部材の動きは、計数値の一の位の数字の更新に対応することができる。第2の計数部材の動きは、計数値の十の位の数字の更新に対応することができる。第1の計数部材および/または第2の計数部材の動きは、計数値を、好ましくは1つだけ増加または減少させることに対応することができる。

一実施形態において、相互作用要素は弾性変形が可能である。特に、相互作用要素は、第2の相対位置において弾性変形を受けるような弾性を有する。この位置において、相互作用要素は、例えば分離部材に対する当接によって曲げることができる。しかしながら、同時に、相互作用要素の弾性および/または形は、係合要素との係合時に、相互作用要素が著しく変形しないように選択することが好ましい。むしろ、相互作用要素は、第1の計数部材がその第1の相対位置からその第2の相対位置へ動くときに、係合要素に力を及ぼすように構成される。

一実施形態において、第1の計数部材は、分離部材に対して第1の回転軸のまわりで回転可能である。

したがって、第1の計数部材のその第1の相対位置からその第2の相対位置への動きは、第1の回転軸のまわりの回転である。

一実施形態において、第2の計数部材は、分離部材に対して第2の回転軸のまわりで回転可能である。第2の回転軸は、第1の回転軸に沿って延びることができる。特に、第2の回転軸は、第1の回転軸と平行または同一とすることができる。この場合、第1の計数部材および第2の計数部材は同軸とすることができる。

したがって、第1の計数部材のその第1の相対位置からその第2の相対位置への動きが第2の計数部材へ伝えられるとき、第2の計数部材の前記動きは、第2の回転軸のまわりの回転である。第1の計数部材および第2の計数部材は、同じ回転方向に回転するように構成することができる。

一実施形態において、分離部材は、開口部を備えた壁を含む。壁は、第1の回転軸に垂直な面内に配置することができる。壁は、壁に提供された開口部を除き、連続にすることができる。壁は、第1の回転軸のまわりに延びることができる。

壁は、特に第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、C字形を有することができる。

第1の計数部材が複数の相互作用要素を備える場合、壁の中に、各相互作用要素に対して1つの開口部を提供することができる。複数の相互作用要素を備える第1の計数部材は、特にバランスのとれた形で、第2の計数部材に力を伝えることを可能にすることができる。

一実施形態において、第1の計数部材の分離部材に対する第2の相対位置は、相互作用要素を壁と整列させること、例えば相互作用要素が壁に当接することに対応する。換言すれば、壁は、第1の計数部材がその第2の位置にあるとき、相互作用要素を係合要素から隔てることができる。

したがって、壁は、第1の計数部材の相互作用要素の、第2の計数部材の係合要素との係合を妨げることができる。

一実施形態において、第1の計数部材の分離部材に対する第1の相対位置は、相互作用要素を開口部と整列させることに対応し、例えば、相互作用部材は、開口部を通って突出することができる。この整列は、第1の回転軸に垂直な方向に見たときに、一列になることとすることができる。

したがって、第1の相対位置において、開口部は、第1の計数部材の相互作用要素の、第2の計数部材の係合要素との係合を可能にする。換言すれば、分離部材は、第1の計数部材またはその相互作用要素が、開口部に対して所定の相対位置にある場合のみ、第1の計数部材および第2の計数部材の相互作用を可能にする。

一実施形態において、第1の計数部材は、相互作用要素を含む第1の本体を備え、第1の本体は、壁の第1の側に分離部材の壁に隣接して配置され、第2の計数部材は、係合要素を含む第2の本体を備え、第2の本体は、壁の第1の側と反対側の第2の側に分離部材の壁に隣接して配置される。換言すれば、壁は、相互作用要素と係合要素の間に配置される。

特に、第1の本体、第2の本体および壁は、管状または円筒状の形を有することができる。第1の本体、第2の本体および壁は、そのそれぞれの半径が異なってもよい。好ましくは第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、第1の本体を壁の外側に配置することができ、第2の本体を壁の内側に配置することができる。あるいは、好ましくは第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、第1の本体を壁の内側に配置することができ、第2の本体を壁の外側に配置することができる。

一実施形態において、第1の本体および第2の本体の一方は、第1の本体および第2の本体の他方の内側に配置される。それによって、壁を第1の本体と第2の本体の間に配置することができる。この配置は、特に第1の回転軸に垂直な面内に与えることができる。

特に、相互作用要素は、第1の計数部材の分離部材に対する第1の相対位置において、壁の中の開口部を通って突出する。

一実施形態において、相互作用要素は、第1の計数部材の分離部材に対する第2の相対位置において壁に当接する。

特に、相互作用要素は、壁との当接によって弾性変形させることができる。

一実施形態において、第1の計数部材は、第1の回転軸のまわりで第1の回転方向に回転可能であり、相互作用要素は、第1の計数部材の側壁から突出し、相互作用要素と側壁は鋭を画成する。鋭角は、好ましくは第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、第1の回転方向と反対の方向に画成することができる。

鋭角により、第1の計数部材を分離部材に対するその第1の相対位置からその第2の相対位置へ動かしたとき、相互作用要素の弾性変形が容易になる。さらに、鋭角は、相互作用要素が係合要素の1つに係合されたとき、第1の計数部材の動きが第2の計数部材へ伝えられるように選択される。

一実施形態において、第1の計数部材は第1のインデックス要素(index element)を備え、第2の計数部材は第2のインデックス要素を備え、第1のインデックス要素および第2のインデックス要素は、協働して数字を表示するように構成される。

インデックス要素の各々は、数字を含むことができる。インデックス要素の各々は、対応する本体のあらゆる動き、すなわちあらゆる回転に追従することができる。したがって、計数部材の1つの動きが、計数値の更新、すなわち計数値の増加または減少に対応することができる。

計数値は、デバイス内に残された用量の数に対応することができる。あるいは、計数値は、行われた薬物送達動作の数に対応することができる。

第1のインデックス要素は、計数値の一の位の数字を表示することができる。第2のインデックス要素は、計数値の十の位の数字を表示することができる。計数値がデバイス内に残された用量の数に対応する場合、十の位の数字は、一の位の数字が「0」から「9」に変わるときだけ更新されればよい。したがって、第1の計数部材のその第1の相対位置からその第2の相対位置への動きは、第1のインデックス要素を、「0」を表示することから「9」に更新することに対応する。この動きは、相互作用要素の係合要素との係合によって第2の計数部材へ伝えられる。したがって、それは、次の計数値の十の位の数字を表示する第2のインデックス要素の更新に対応する。例えば、計数値を「20」から「19」に更新することができる。

一実施形態において、計数機構はブロッキング要素(blocking element)をさらに備え、ブロッキング要素は、第1の計数部材がブロッキング要素に対して所定の第1の相対ブロッキング位置(blocking position)にあり、かつ第2の計数部材がブロッキング要素に対して所定の第2の相対ブロッキング位置にあるとき、計数機構のさらなる動作を妨げる。

特に、ブロッキング要素は、所与の用量の数、特に所定の用量の数が送達されたとき、薬物送達デバイスの動作を妨げることができるようにすることが可能である。ブロッキング要素が妨げるように構成される動作は、薬物送達デバイスの薬物送達動作とすることができる。

好ましくは、その動作は、所与の用量の数が送達された後、恒久的に妨げられる。特に、ブロッキング要素が動作を妨げるようになった後、その動作は、デバイスのハウジングが開かれ、ブロッキング要素が解放された場合のみ、再び許容され得る。好ましくは、ブロッキング要素をロック解除するために、薬剤の容器を交換する必要がある。この場合、デバイスは、容器の交換を可能にする再利用可能なデバイスであるように構成することができる。

あるいは、デバイスは、ブロッキング要素がデバイスをロックした後、すなわち動作を妨げるようになった後、動作を再び可能にすることが全くできないように構成することができる。この場合、デバイスは、デバイスがロックされた後に処分されるように構成することができる。

一実施形態において、第1の計数部材および第2の計数部材は各々、通路を備える。特に、通路は、第1の回転軸に垂直な面内に画成することができる。したがって、通路は、ある要素が、第1の計数部材または第2の計数部材の内側から第1の計数部材または第2の計数部材の外側へ、第1の回転軸もしくは第2の回転軸に対して傾斜したまたは垂直な方向に、好ましくは半径方向に通過することを可能にする通路とすることができる。

通路は、それぞれの計数部材の中に提供された開口部、特に計数部材を通る孔を含むことができる。好ましくは、通路は、各計数部材において、計数部材の中心から異なる位置に提供される。それによって、計数部材がそれぞれの軸のまわりを回転すると、通路の位置が変わるようになる。

一実施形態において、第1の計数部材のブロッキング位置は、第1の計数部材の通路をブロッキング要素に整列させることに対応し、第2の計数部材のブロッキング位置は、第2の計数部材の通路をブロッキング要素に整列させることに対応する。

特に、第1の計数部材の通路をブロッキング要素に整列させることは、第1の回転軸に垂直な面内で第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、一列にすることである。さらに、第2の計数部材の通路をブロッキング要素に整列させることは、第2の回転軸に垂直な面内で第2の回転軸に垂直な方向に見たとき、一列にすることである。

計数機構のブロッキング位置では、通路を互いに整列させる。

好ましくは、計数機構は、所与の用量の数が送達され、計数機構が所与の数を数えると、第1の計数部材および第2の計数部材の通路とブロッキング要素を整列させるように構成される。第1の計数部材および第2の計数部材の通路は、ブロッキング要素の動き、特にブロッキング要素が計数機構のさらなる動作を妨げるブロッキング位置への動きを可能にすることができる。さらに、ブロッキング位置において、ブロッキング要素は、動作中に動かされなければならない薬物送達デバイスの相互作用要素に接触するように構成および配置することができ、さらにブロッキング要素は、この要素の動きを妨げるように構成および配置することができる。

一実施形態において、第2の計数部材は第2の相互作用要素を備え、計数機構は、第2の計数部材の第2の相互作用要素と係合可能にした第3の係合要素を含む第3の計数部材をさらに備え、計数機構は第2の分離部材をさらに備え、第2の計数部材は、第2の分離部材に対して第1の相対位置および第2の相対位置へ可動であり、第2の分離部材は、第2の計数部材が第2の分離部材に対してその第2の相対位置にあるとき、第2の相互作用要素の第3の係合要素との係合を妨げるように構成される。

したがって、第1の計数部材の動きを第2の計数部材へ伝えるために使用される機構を、第2の計数部材の動きを第3の計数部材の動きに変えるために使用することもできる。さらに、第3の計数部材は、計数値の百の位の数字を表示するように構成されたインデックス要素をさらに備えることができる。

一実施形態において、薬物送達デバイスは、これまでに論じた計数機構を備える。

薬物送達デバイスは、吸入器、特に乾燥粉末の吸入器とすることができる。しかしながら、用量計数機構は、任意の他の薬物送達デバイス、例えば注射ペンなどの注射器にも適している。特に、用量計数機構は、一定用量の薬物送達デバイス、すなわち、送達される薬物の量を使用者が変更できないデバイスに使用することができる。むしろ、一定用量のデバイスでは、用量の大きさは、送達機構の設計によって決まる。

吸入デバイスの概略的な断面側面図である。

第1の計数部材が第1の位置にある計数機構の断面図である。

第1の計数部材が第2の位置にある図2の計数機構の断面図である。

計数機構の斜視図である。

計数機構の分解図である。

図中、同様の要素、同じ種類の要素および同様に働く要素は、同じ参照番号で示されることがある。

図1には、吸入デバイス1の断面側面図が示されている。

吸入デバイス1は、ハウジング3を備える。デバイス1は、外側シリンダ4を備える。外側シリンダ4は、ハウジング3に対する軸方向運動を防ぐように固定される。外側シリンダ4は、ハウジング3に対して回転可能である。

吸入デバイス1は、マウスピース6をさらに備える。吸入デバイス1は、キャップ7を備える。キャップ7は、マウスピース6を覆うために使用される。キャップ7は、スレッド(thread)、好ましくはねじ山(screw thread)を備えることができる。キャップ7は、デバイス1にキャップ7を螺着し、またデバイス1からキャップ7のねじを外すために、ハウジング3に対して回転可能にすることができる。外側シリンダ4は、キャップ7に回転自在に固定される。特に、外側シリンダ4は、ハウジング3に対するキャップ7の回転に追従する。吸入デバイス1の構成要素およびそれらの機械的な協働についての詳細な説明は、文書WO2009/065707A1を参照されたい。

デバイス1は、収納チャンバ15を備える。収納チャンバ15は、医療物質2の1用量、好ましくは複数の用量を保持する。物質2は粉末とすることができる。

特に、複数の用量は、所定の用量の数が送達された後、ロックアウト機構(lock−out mechanism)がデバイスのさらなる動作を防止することができるように、所定の用量の数に対応することができる。ロックアウト機構は図1に示されていないが、後で詳しく論じる。

所定の用量の数に対応する数値を、用量計数機構の開始値とする。最初の用量送達の前に、用量計数機構は、この所定の数を利用可能な用量の数として表示し、用量送達のたびに数を減少させる。あるいは、用量計数機構は、既に送達された用量の数を表示することができる。この場合、用量計数機構は、最初の用量送達の前に所定の数として「0」を表示し、用量送達のたびに数を増加させる。用量計数機構は図1に示されていないが、用量計数機構については後で詳しく論じる。

収納チャンバ15は、チャンバ封止部(chamber sealing)24で終わる。チャンバ封止部24は、収納チャンバ15の頂壁と一体形成される。デバイス1は、回転部材25をさらに備える。回転部材25は、実質的に板状構成のものであり、外側シリンダ4に回転自在に固定された形で連結される。したがって、回転部材25は、キャップ7、したがって外側シリンダ4の、収納チャンバ15に対するデバイス1の長手方向の主軸xのまわりの回転に追従する。しかしながら、回転体25は、ハウジング3に対して軸方向に固定される。

デバイス1は、計量ロッド33をさらに備える。計量ロッド33は、キャップ7がハウジング3に係合されると、スナップ嵌め要素(snap fit element)34によってキャップ7に連結することができる。計量ロッド33がスナップ嵌め要素34によってキャップ7に連結されると、計量ロッド33のキャップ7に対する回転が妨げられ、それによって、回転部材25に対する回転も妨げられる。したがって、計量ロッド33は、キャップ7がデバイス1に取り付けられるとき、またはデバイス1から取り外されるとき、長手方向の主軸xのまわりのキャップ7の回転運動、したがって回転部材25の回転運動に追従する。

キャップ7がハウジング3に再係合されると、計量ロッド33は、計量ロッド33の計量チャンバ40を含む最も近位の部分が収納チャンバ15に入るように、軸方向の近位方向に移動する。キャップ7がハウジング3から係合解除されると、計量ロッド33は、計量ロッド33の最も近位の部分が収納チャンバ15を出るように、軸方向の遠位方向に移動する。この文脈において、「遠位」とは、吸入デバイスのマウスピース6に最も近い端部を指すことがある。したがって、「近位」とは、吸入デバイスのマウスピース6から最も離れた端部を指すことがある。

特に、計量ロッド33は、特定の送達行為の間に投薬される物質2の部分量(sub−quantity)14に対する移動計量チャンバ40として機能するように構成される。計量チャンバ40は、物質2の中に突出する計量ロッド33の端部部分に形成される。

吸入デバイス1は、流れチャネル60および中間チャネル部61を含む流路をさらに備える。

吸入デバイス1は、作動要素54をさらに備える。作動要素54は、突縁(tongue)77およびピストンヘッド76を含むピストンを備える。作動要素54は、第1の位置および第2の位置を有する。第1の位置は、第2の位置より近位にある。第1の位置では、作動要素54の突縁77が、流れチャネル60と中間チャネル部61の間の流路を塞ぐ。その第2の位置では、作動要素54は、突縁77が流れチャネル60と中間チャネル部61の間の流路をもはや塞ぐことがないように、より遠位に位置する。

キャップ7は、ハウジング3からキャップ7のねじを外すことによって、ハウジング3から取り外される。したがって、キャップ7は、遠位方向における軸方向運動および回転運動を同時に実施する。キャップ7および回転部材25は、キャップがハウジング3に取り付けられるとスプライン係合する。キャップ7がハウジング3から係合解除される間、キャップ7の回転運動は、それらのスプライン係合によって、回転部材25の長手方向の軸xのまわりの回転に変えられる。回転部材25の回転は、作動要素54の回転に変えられる。さらに、同時に起こるキャップ7の軸方向運動および回転運動が、計量ロッド33へ伝えられ、計量ロッド33は、遠位方向における軸方向運動および長手方向の軸xのまわりの回転運動を同時に実施する。キャップ7がハウジング3に対するねじ山による連結部の端部に近づくと、スナップ嵌め要素34が計量ロッド33から係合解除される。

キャップ7がハウジング3から係合解除される間、作動要素54は、ハウジング3に対して軸方向に動かされない。したがって、作動要素54は、キャップ7のハウジング3からの係合解除の前および後に、その第1の位置にある。

キャップ7がハウジング3から完全に係合解除されると、計量チャンバ40が第1の状態になる。計量チャンバ40の第1の状態は、計量チャンバ40が流路と接触しないように、作動要素54の突縁77が計量チャンバ40を閉じることによって定義される。したがって、作動要素54がその第1の位置にあり、かつキャップ7がハウジング3から係合解除されているとき、計量チャンバ40はその第1の状態にある。

計量チャンバ40の第1の状態では、作動要素54の突縁77が、各々の側で計量チャンバ40を覆う。したがって、この第1の状態では、物質の部分量14が少しずつ流出する可能性はない。逆に、物質は、計量チャンバ40の中に確実に保持される。

キャップ7が取り外された後、使用者は、デバイスを吸引の気流に当てることによって、最も簡単な場合には使用者が吸い込むことによって、吸入動作を作動させることができる。マウスピース6を介して空気が吸い込まれ、これにより最初の段階でピストンヘッド76が空気の作用を受けることによって、作動要素54を軸方向のマウスピース6の方向に変位させる。

計量チャンバ40を解放するために、軸方向に変位させた作動要素54によって、突縁77を同様に軸方向に変位させる。次いで、計量チャンバ40が第2の状態になる。計量チャンバ40の第2の状態は、作動要素54がその第2の位置にあることによって定義される。その第2の状態において、計量チャンバ40は、流れチャネル60と中間チャネル部61の間の流路内で自由な状態にある。空気が流れチャネル60から吸い込まれた状態で、計量チャンバは空にされる。

吸入動作の後、キャップ7をハウジング3に係合させることができる。キャップ7がハウジング3に係合される間、キャップ7は軸方向の近位方向に動かされ、同時に長手方向の軸xのまわりで回転される。ねじ山による連結の初めに、スナップ嵌め要素34が計量ロッド33に係合する。それによって、キャップ7がハウジング3に係合されると、計量ロッド33が回転され、近位方向に動かされる。

キャップ7がハウジング3に再係合される間、計量ロッド33は、キャップ7との相互作用によって近位方向に動かされる。作動要素54がその第2の位置にあり、かつ計量ロッド33が近位方向に動かされた場合、この動きが作動要素54へ伝えられる。それによって、作動要素54がその第2の位置からその第1の位置へ動かされる。

しかしながら、キャップ7がハウジング3から係合解除され、その後、間に薬物送達が実施されることなく、キャップ7がハウジング3に再係合される場合には、その間ずっと、作動要素はその第1の位置にとどまる。したがって、作動要素54は、既にその第1の位置にあるため、キャップ7がハウジング3に係合される間、軸方向に動かされることはない。

吸入デバイス1は、用量計数機構5およびロックアウト機構をさらに備えるが、分かりやすくするために、それらは図1に示されていない。用量計数機構5は、デバイス1の中に残された用量の数を数える。あるいは、計数値は他の量、例えば吸入デバイス1によって送達された用量の数に対応することもできる。

図2には、薬物送達デバイス用の計数機構5の断面図が示されている。薬物送達デバイスは、図1に示す吸入デバイス1とすることができる。あるいは、薬物送達デバイスは、注射ペン、特に一定用量の注射ペンとすることができる。

薬物送達デバイスは、相互作用部材102を備える。相互作用部材は、作動要素54に連結することができる。薬物送達デバイスは、用量送達動作において、相互作用部材102を動かすように構成される。さらに、薬物送達デバイスは、後の用量送達動作において、相互作用部材102を動かすように構成される。特に用量送達動作において、相互作用部材102は、第1の軸方向の位置から第2の軸方向の位置へ動かされる。後の用量送達動作において、相互作用部材102は、その第2の軸方向の位置からその第1の軸方向の位置へ動かされる。

特に、用量送達動作は、使用者によって行われる吸引に対応することができる。したがって、相互作用部材102の動きは、好ましくは単に使用者の吸引の気流によって作動させ、便宜的に駆動することができる。さらに、後の用量送達動作は、キャップ7のハウジング3への再係合に対応することができる。用量送達動作および引き続き後の用量送達動作が行われた場合のみ、計数が実施される。この実施形態では、使用者が薬物送達動作を実施した場合、かつその送達動作に続いてキャップ7がハウジング3に再係合された場合のみ、計数が実施される。

使用者は、用量送達動作を実施するための吸引行為を実施することができ、この吸引行為によって作動要素54が動かされる。作動要素54の動きには、使用者が克服しなければならない所定の限界真空度(threshold vacuum)が必要であり、そうでなければ作動要素54は全く動かない。作動要素54が動かされると、この動きによって、用量を計量ロッドから回収し、使用者によって生成された吸引の気流の中に分散させることが可能になる。その結果、作動要素54が動かされ、かつ用量が放出された場合、動作が作動要素54の動きに関連付けられた計数機構のみが動作するようになる。その結果、計数機構5は、吸引の気流が計量ロッド内に提供された薬物の用量に到達した場合のみ計数を行う、直接的な計数機構になる。しかしながら、用量計数機構5の設計によっては、計数機構を更新するために、後の用量送達動作、例えばキャップ7のハウジング3への再係合が必要になる場合がある。

計数機構5は、薬物送達デバイスの相互作用部材102と相互作用するように構成される。計数機構5は、第1の計数部材103、第2の計数部材104および第1の分離部材105を備える。図2に示される実施形態では、計数機構5は、第2の分離部材106および第3の計数部材107をさらに備える。

第1の計数部材103は、第1の本体108を備える。第1の本体108は、管形を有する。第1の本体108は、外面109および内面110を有する。さらに、第1の計数部材103は、第1の係合要素111を備える。第1の係合要素111は、第1の本体108の外面109に配置される。第1の係合要素111は、突出部、特に歯である。

薬物送達デバイスの相互作用部材102は、第1の計数部材103の第1の係合要素111と相互作用することができるようにする。特に、その第1の軸方向の位置において、相互作用部材102は、第1の計数部材103の係合要素111の第1の表面112に当接する。相互作用部材102の第1の軸方向の位置は、作動要素54が、それが計量チャンバ40を閉じ、かつ計量チャンバ40が流路と接触しないようなその第1の位置にあることに対応する。

相互作用部材102は、その第1の軸方向の位置からその第2の軸方向の位置へ動かされるとき、係合要素111の第1の表面112に沿って摺動し、その第2の軸方向の位置において、係合要素111の第2の表面113に当接する。相互作用部材102の第2の軸方向の位置は、作動要素54が、流れチャネル60と中間チャネル部61の間の流路をもはや塞がず、したがって薬物送達が実施される、その第2の、より遠位の位置にあることに対応する。

さらに、相互作用部材102は、その第2の軸方向の位置から動かされ、その第1の軸方向の位置へ戻されるとき、少なくとも前記動きの最初の部分の間、係合要素111の第2の表面113に当接した状態にとどまり、それによって、係合要素111の第2の表面113に力を及ぼす。この力によって、第1の計数部材103の回転が生じる。後でさらに詳しく記載するように、この回転は、計数機構5が数える数の増加または減少に対応する。

しかしながら、作動要素54が動かされない場合、例えばキャップ7がハウジング3から係合解除され、その後、ハウジング3に再係合された場合には、相互作用部材102も動かされない。したがって、計数機構に動きが伝えられない。換言すれば、用量送達動作が前もって実施されずに、後の用量送達動作が実施された場合、用量計数機構5は更新されない、すなわち、計数値は増加または減少されない。

第1の計数部材103は、第1の回転軸のまわりを第1の回転方向114に回転することができるように取り付けられる。相互作用部材102は、軸方向、特に回転軸に垂直な方向に可動である。したがって、第1の計数部材103の係合要素111は、相互作用部材102が回転軸に垂直な係合要素111に力を及ぼすことが可能になるように配置することができる。

さらに、第1の計数部材103は、相互作用要素115を備える。相互作用要素115は、突起、特にカムである。相互作用要素115は、第2の計数部材104と相互作用することができるようにする。相互作用要素115は、第1の計数部材103の第1の本体108の内面110に配置される。

相互作用要素115は、弾性変形が可能である。相互作用要素115に力が加えられない場合、相互作用要素115は、係合要素111の1つと協働するのに十分な程度まで、第1の本体108の内面110から突出する。相互作用要素115、および相互作用要素115の後ろに配置された本体108の内面110は、第1の回転方向114に見たとき、鋭角116を画成する。

さらに、計数機構5は、第1の分離部材105を備える。分離部材105は、連続的で1つの開口部118を提供する壁117を備える。特に、壁117は、第1の計数部材103の各相互作用要素115に対して少なくとも1つの開口部118を備える。壁117の中の開口部118は、第1の縁部および第2の縁部119、120によって境界を定められる。

開口部118の大きさは、相互作用要素115が開口部118を通過するのに十分な大きさになるように選択される。第1の計数部材103は、第1の分離部材105に対して可動である。特に、第1の計数部材103は、第1の分離部材105に対して第1の回転軸のまわりで回転可能である。第1の計数部材103は、分離部材105に対して、少なくとも第1の相対位置と第2の相対位置の間で回転可能である。

特に、第1の計数部材103は、第1の分離部材105に対して10の所定の位置へ回転可能である。前記位置の各々は、それぞれの前の位置から等距離に、すなわち所定の角度だけ間隔をおいて配置することができる。特に、前記角度は、360°の完全な回転の10分の1に相当する。

10の所定の位置の1つは、開口部118が、相互作用要素115が係合要素111の1つと係合することを可能にする第1の位置である。10の所定の位置の他の9つは、相互作用要素115の係合要素111との係合が妨げられる第2の位置である。特に、相互作用要素115は、第1の位置で第2の計数部材104と相互作用することができるようにする。相互作用要素115は、第2の位置から第10の位置の各々において、壁117によって第2の計数部材104との相互作用を妨げられる。

図2は、第1の分離部材105に対するその第1の位置における第1の計数部材103を示している。図3は、第1の分離部材105に対するその第2の位置における第1の計数部材を示している。

第1の位置では、相互作用要素115、および第1の分離部材105によって画成された開口部118を、第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、第1の回転軸に垂直な方向に整列させる。したがって、相互作用要素115は開口部118を通過し、第2の計数部材104と係合する。

しかしながら、薬物送達デバイスの用量送達動作および後の用量送達動作が実施された後、第1の計数部材103は、第1の分離部材105に対して、その第1の回転位置からその第2の回転位置へ動かされる。この回転の間に、相互作用要素115を、分離部材105内に画成された開口部118の第1の縁部119に当接させる。分離部材105は、相互作用要素115に第1の回転軸から離れる方向に力を及ぼす。第2の相対位置では、相互作用要素115は弾性変形を受ける。特に、相互作用要素115は、第1の位置から第2の位置へ動くとき、回転軸から離れる方向に曲げられる。

第2の計数部材104は、第2の本体121を備える。第2の本体121は、管形を有する。第1の計数部材103の第1の本体108は、第1の分離部材105の壁117の一方の側に配置され、第2の計数部材104の第2の本体121は、壁117の他方の側に配置される。相互作用要素115のみが、壁117内に画成された開口部118を通過することができるようにする。

第2の本体121は、外面122および内面123を備える。さらに、第2の計数部材104は、係合要素124を備える。第2の計数部材104の係合要素124は、突出部、特に歯である。第2の計数部材104の係合要素124は、第2の本体121の外面122に配置される。

第1の本体108および第2の本体121は、異なる半径を有する管形である。特に、第2の本体121は、好ましくは第1の回転軸に垂直な面内で見たとき、第1の本体108の内側に配置される。しかしながら、別の実施形態では、第1の本体108を第2の本体121の内側に配置することができる。

第2の計数部材104は、第1の分離部材105に対して可動である。第2の計数部材は、第2の回転軸のまわりで回転することができるようにする。第2の回転軸は、第1の回転軸に平行、特に同一である。

さらに、第2の計数部材104および第1の計数部材103は、相互作用要素115が第2の計数部材104の係合要素124に係合されていないとき、互いに対して可動である。相互作用要素115が第2の計数部材104の係合要素124の1つと係合しているとき、第1の計数部材103の動き、特に回転は、第2の計数部材104の動き、特に第1の回転方向における回転を引き起こす。

相互作用要素115の材料は、第1の計数部材103が回転し、相互作用要素115が第1の分離部材105内に画成された開口部118の第1の縁部119に当接するときに変形を受けるように選択される。同時に、材料は、相互作用要素115が、著しく変形を受けることなく、第2の計数部材104、特に第2の計数部材104の係合要素124に力を及ぼすことができるような十分な硬さにする。その結果、第1の計数部材103の回転を、第2の計数部材104へ伝えることができる。

第2の計数部材104の動きを第3の計数部材107の動きに変えるために、同じ構造の機構が用いられる。特に、第2の計数部材104の第2の本体121は、第2の相互作用要素125を備える。第3の計数部材107は、係合要素127を含む第3の本体134を備える。さらに、第2の分離部材106は、第2の開口部126を画成する。第2の分離部材106内に画成された開口部126を、第2の計数部材104によって画成された第2の相互作用要素125に対して、第2の回転軸に垂直な方向に整列させると、第2の相互作用要素125が、第3の計数部材107の係合要素127に係合する。

第2の計数部材104も、第2の分離部材106に対して10の決められた相対回転位置を有する。第2の回転位置から第10の回転位置の各々では、第2の分離部材106によって画成された第2の開口部126を、第2の計数部材104の第2の相互作用要素125に整列させない。したがって、第2の相互作用要素125は、第3の計数部材107の係合要素127との係合を妨げられる。第1の回転位置では、第2の分離部材106の第2の開口部126を、第2の計数部材104の第2の相互作用要素125に対して、第2の回転軸に垂直な方向に整列させる。その場合、第2の相互作用要素125が、第3の計数部材107の係合要素127の1つと係合することができるようにする。したがって、第2の計数部材104の第2の分離部材106に対するその第1の回転位置からその第2の回転位置への回転が、第3の計数部材107の回転に変えられる。

図4は、計数機構5を斜視図として示している。図5は、計数機構5を分解図として示している。

さらに、図4および図5から、第1の計数部材103が第1のインデックス要素128を備えていることを知ることができる。第1のインデックス要素128には、「0」から「9」までの範囲の数字が配置される。さらに、第2の計数部材104は第2のインデックス要素129を備え、第3の計数部材107は第3のインデックス要素130を備え、第2のインデックス要素および第3のインデックス部材129、130の各々に、数字が配置される。

第1の回転軸に沿った方向に見たとき、第1の計数部材103は、管形の本体108を備え、また本体108に隣接して、好ましくは本体108に直接、機械的に接触した状態で第1のインデックス要素128を備える。第1のインデックス要素128は、第1の本体108のあらゆる動きに追従するように、第1の本体108に固定される。第1のインデックス要素128は、好ましくは第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、第1の本体108より大きい幅を有する。

さらに、第1の回転軸に沿った方向に見たとき、第2の計数部材104は、管形の本体121を備え、また本体121に隣接して、第2の本体121に直接、機械的に接触した状態で第2のインデックス要素129を備える。第2のインデックス要素129は、第2の本体121のあらゆる動きに追従するように、第2の本体121に固定される。第2のインデックス要素129は、好ましくは第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、第2の本体121より大きい幅を有する。さらに、第2のインデックス要素129は、好ましくは第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、第1のインデックス要素128より小さい幅を有する。

さらに、第1の回転軸に沿った方向に見たとき、第3の計数部材107は、管形の本体134を備え、また本体134に隣接して、第3の本体134に直接、機械的に接触した状態で第3のインデックス要素130を備える。第3のインデックス要素130は、第3の本体134のあらゆる動きに追従するように、第3の本体134に固定される。第3のインデックス要素130は、好ましくは第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、第3の本体134より大きい幅を有する。さらに、第3のインデックス要素130は、好ましくは第1の回転軸に垂直な方向に見たとき、第1のインデックス要素128および第2のインデックス要素129より小さい幅を有する。

さらに、第1の本体108は、第1の回転軸に沿って、第2の本体121より小さい長さを有する。したがって、第2のインデックス要素129は、第1の回転軸に沿った方向に見たとき、第1のインデックス要素128より上に配置される。さらに、第2の本体121は、第1の回転軸に沿って、第3の本体134より小さい長さを有する。したがって、第3のインデックス要素130は、第1の回転軸に沿った方向に見たとき、第2のインデックス要素129より上に配置される。

第1の計数部材、第2の計数部材および第3の計数部材103、104、107の第1のインデックス要素、第2のインデックス要素および第3のインデックス要素128、129、130は、協働して計数値を表示するように構成される。特に、薬物送達デバイスは、ウインドウを備えることができる。インデックス要素128、129、130は、各インデックス要素128、129、130の1つの数字が、ウインドウを通して見えるように配置される。したがって、ウインドウの中に見える3つの数字によって計数値が形成される。計数値は、デバイス内に残された用量の数に対応することができる。あるいは、計数値は、薬物送達デバイスによって既に行われた薬物送達動作の数に対応することができる。

第1の計数部材103の第1のインデックス要素128によって表示される数字は、計数値の一の位の数字に対応する。第2の計数部材104の第2のインデックス要素129によって表示される数字は、計数値の十の位の数字に対応する。さらに、第3の計数部材107の第3のインデックス要素130によって表示される数字は、計数値の百の位の数字に対応する。薬物送達デバイスが最大数200未満の用量を送達できるようにした場合、第3のインデックス要素130は、数字「0」および「1」を含めば十分である。

計数機構5は、第1の計数部材103の相互作用要素115が第2の計数部材104の係合要素124の1つから係合解除された後、第1の計数部材103の相互作用要素115が、第2の計数部材104の別の係合要素124に係合できるようになるまで、第1の計数部材103が完全な回転の10分の9を行うように構成される。第1の計数部材103の完全な回転は、第1のインデックス要素128の数字「9」から「0」までがウインドウの中に連続的に見えることに対応する。

第1の計数部材103の完全な回転の後、第1の計数部材103の相互作用要素115は、第2の計数部材104の次の係合要素124と係合する。ここで第1の計数部材103が所定の角度だけ回転された場合、この回転が第2の計数部材104の回転に移る。したがって、第2の計数部材104の第2のインデックス要素129が、所定の角度だけ回転され、ウインドウの中に見える第2のインデックス要素129の数字が変更される。

さらに、第1の計数部材103は、第1の通路131を備える。第2の計数部材104は、第2の通路132を備える。第3の計数部材107は、第3の通路133を備える。通路131、132、133の各々は、それぞれの計数部材103、104、107の本体108、121、134に配置される。

さらに、計数機構5は、ブロッキング要素136をさらに備える。ブロッキング要素136は、例えばピンである。ブロッキング要素136は、各計数部材103、104、107に対するブロッキング位置および非ブロッキング位置(non−blocking position)を備える。

ブロッキング要素136は、付勢される、すなわちばねによって付勢される。第1の回転軸から離れる方を向く半径方向に見たとき、ブロッキング要素136は、非ブロッキング位置では計数部材103、104、107の内側に配置される。ブロッキング要素136は、第1の回転軸に垂直かつ第1の回転軸から離れる方向に動くことができるようにする。

ブロッキング要素136の第1の回転軸に最も近い位置は、第1の計数部材、第2の計数部材および第3の計数部材103、104、107の各々に対する非ブロッキング位置である。

第3の計数部材107の本体134内に画成された第3の通路133をブロッキング要素136と整列させると、ブロッキング要素136は、通路133を通過できるようになる。それによって、ブロッキング要素136は、第3の計数部材107の任意のさらなる動きを妨げる。しかしながら、この位置では、ブロッキング要素136は、第2の計数部材または第1の計数部材103、104の動きを妨げない。したがって、ブロッキング要素136は、第3の計数部材107に対するブロッキング位置、ならびに第1の計数部材および第2の計数部材103、104に対する非ブロッキング位置にある。

ブロッキング要素136が第3の計数部材107に対するブロッキング位置にあり、かつ第2の計数部材104内に画成された第2の通路132をブロッキング要素136に整列させると、ブロッキング要素136は、この通路132を通過し、第2の計数部材104の任意のさらなる動きを妨げる。したがって、その場合、ブロッキング要素136は、第2の計数部材104および第3の計数部材107に対するブロッキング位置、ならびに第1の計数部材103に対する非ブロッキング位置にある。

ブロッキング要素136が第2の計数部材104および第3の計数部材107に対するブロッキング位置にあり、かつ第1の計数部材103内に画成された第1の通路131をブロッキング要素136に整列させると、ブロッキング要素136は、この通路131を通過し、第1の計数部材103の任意のさらなる動きを妨げ、それによって、計数機構5の計数部材103、104、107のいずれについても、任意のさらなる動きを妨げる。したがって、その場合、ブロッキング要素136は、第1の計数部材、第2の計数部材および第3の計数部材103、104、107の各々に対するブロッキング位置にある。

さらに、ブロッキング要素136は、計数機構5が妨げられているとき、薬物送達デバイスの相互作用部材102と係合できるようにすることが可能である。それによって、ブロッキング要素136は、相互作用要素102の任意の動きを妨げ、用量送達動作が起こらないようにすることが可能になる。

別法としてまたは追加として、ブロッキング要素136が、そのブロッキング位置において、計数部材103、104、107の任意のさらなる動きを妨げるようにすることができる。それに応じて、計数部材103、104、107が動きを妨げられた場合には、もはやキャップ7をハウジング3に再係合することができなくなるが、それは、これが相互作用部材102の近位の動きを必要とするためである。しかしながら、計数部材103、104、107が固定された場合には、そうした動きが妨げられ、したがって、それらはもはや回転することができない。

本明細書で使用する用語「薬物」は、例えば、喘息もしくは慢性閉塞性疾患(COPD)などの閉塞性気道または肺疾患、局所的な気道浮腫、炎症、ウイルス性、細菌性、真菌性または他の感染症、アレルギー、真性糖尿病の処置のための、少なくとも1つの医薬活性化合物を含む医薬製剤を意味することがある。

活性医薬化合物は、好ましくは、吸入に適した活性医薬化合物、好ましくは抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、鎮咳薬、気管支拡張薬、抗コリン作用薬、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。

活性医薬化合物は、例えば以下から選択することができる: ヒトインスリン、例えば組換えヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体などのインスリン、グリカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4、もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体; 短時間作用型β2アゴニスト(例えばサルブタモール、アルブテロール、レボサルブタモール、フェノテロール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、ビトルテロール、リミテロール、カルブテロール、ツロブテロール、レプロテロール)、長時間作用型β2アゴニスト(LABA、例えばアルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール)、ウルトラLABA(例えばインダカテロール)などのアドレナリン作動薬、もしくは別のアドレナリン作動薬(例えばエピネフリン、ヘキソプレナリン、イソプレナリン(イソプロテレノール)、オルシプレナリン(メタプロテレノール)); グルココルチコイド(例えばベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルチカゾン、モメタゾン、フルニソリド、ベタメタゾン、トリアムシノロン); 抗コリン作用薬もしくはムスカリンアンタゴニスト(例えば臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム); 肥満細胞安定化薬(例えばクロモグリケート、ネドクロミル); キサンチン誘導体(例えばドキソフィリン、エンプロフィリン、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート); ロイコトリエンアンタゴニスト(例えばモンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト)などのエイコサノイド阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤(例えばジロイトン)、もしくはトロンボキサン受容体アンタゴニスト(例えばラマトロバン、セラトロダスト); ホスホジエステラーゼタイプ4阻害剤(例えばロフルミラスト); 抗ヒスタミン薬(例えばロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン); アレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy)(例えばオマリズマブ); 粘液溶解薬(mucolytic)(例えばカルボシステイン、エルドステイン、メシステイン); 抗生物質もしくは抗真菌物質; またはこれまでに言及した化合物種もしくは化合物のいずれか2つ、3つもしくはそれ以上の組み合わせ(例えばブデソニド/ホルモテロール、フルチカゾン/サルメテロール、臭化イプラトロピウム/サルブタモール、モメタゾン/ホルモテロール); またはこれまでに挙げた化合物のいずれかの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくはエステル。

薬学的に許容される塩は、例えば酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば塩酸、臭化素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、メチル硫酸、リン酸、酢酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、グルタミン酸、エデト酸、メシル酸、パモ酸、パントテン酸またはヒドロキシナフトエ酸の塩がある。塩基性塩は、例えばアルカリもしくはアルカリ土類、例えばNa+もしくはK+もしくはCa2+から選択されるカチオン、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.,U.S.A.,1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。薬学的に許容されるエステルは、例えば酢酸エステル、プロピオン酸エステル、リン酸エステル、コハク酸エステルまたはエタボン酸エステルとすることができる。

薬学的に許容される溶媒和物は、例えば水和物である。

1 吸入デバイス 2 物質 3 ハウジング 4 外側シリンダ 5 用量計数機構 6 マウスピース 7 キャップ 14 物質の部分量 15 収納チャンバ 24 チャンバ封止部 25 回転部材 32 レセプタクル 33 計量ロッド 34 スナップ嵌め要素 40 計量チャンバ 54 作動要素 60 流れチャネル 61 中間チャネル部 76 ピストンヘッド 77 突縁 101 計数機構 102 相互作用部材 103 第1の計数部材 104 第2の計数部材 105 第1の分離部材 106 第2の分離部材 107 第3の計数部材 108 第1の本体 109 外面 110 内面 111 第1の係合要素 112 第1の表面 113 第2の表面 114 第1の回転方向 115 相互作用要素 116 角度 117 壁 118 開口部 119 第1の縁部 120 第2の縁部 121 第2の本体 122 外面 123 内面 124 係合要素 125 第2の相互作用要素 126 第2の開口部 127 係合要素 128 第1のインデックス要素 129 第2のインデックス要素 130 第3のインデックス要素 131 第1の通路 132 第2の通路 133 第3の通路 134 第3の本体 136 ブロッキング要素

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