トルク特性が実質的に一定なバレル

申请号 JP2016050493 申请日 2016-03-15 公开(公告)号 JP2016176935A 公开(公告)日 2016-10-06
申请人 グラスヒュッテ・ウーレンベトリーブ・ゲーエムベーハー; 发明人 パトリック・シュトロイベル; ジルコ・ゴルトマン;
摘要 【課題】任意の量のバレルの巻き機構の回転を可能にするにもかかわらずランニング回転の量を制限する制限デバイスを有するバレルを提供する。 【解決手段】計時器用のバレル1であって、計時器用のバレル1は、バレル1の任意の量の巻き回転を可能にしつつバレル1のランニング回転の量を制限する制限デバイス10を有する。 【選択図】図1
权利要求

計時器用のバレル(1)であって、 当該バレル(1)は、当該バレル(1)の任意の量の巻き回転を可能にしつつ当該バレル(1)のランニング回転の量を制限する制限デバイス(10)を有する ことを特徴とする計時器用のバレル(1)。前記制限デバイス(10)は、前記巻き回転を解放するため第1のデバイス(10a)及び当該バレル(1)のランニング回転の量を制限するための第2のデバイス(10b)を有し、 前記第1のデバイス(10a)は、第1の配置層(A)にてはたらき、 前記第2のデバイス(10b)は、前記第1の配置層(A)とは異なる第2の配置層(B)にてはたらく ことを特徴とする請求項1に記載のバレル(1)。前記制限デバイス(10)は、さらに、当該バレル(1)にマウントされた回転可能な位置合わせリング(5)を有する ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバレル(1)。前記制限デバイス(10)は、さらに、回転可能にマウントされる前記位置合わせリング(5)の回転位置用の指標付け機構を有する ことを特徴とする請求項3に記載のバレル(1)。前記指標付け機構は、歯車(6)の係合している歯の間に位置する移動止めばね(7)を有し、 前記歯車(6)は、配置フィンガー(8)によって駆動され、この配置フィンガー(8)は、ばね軸(3)に回転不能なように固定され、前記位置合わせリング(5)の内歯(5a)と噛み合う ことを特徴とする請求項4に記載のバレル(1)。前記回転可能な位置合わせリング(5)は、当該バレル(1)の基礎(1b)とカバープレート(11)の間で積み重なるようにして取り付けられる ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のバレル(1)。前記位置合わせリング(5)は、歯車(6)と噛み合う内歯(5a)を有し、 前記歯車(6)は、ばね軸(3)に回転不能なように固定された配置フィンガー(8)によって駆動され、前記位置合わせリング(5)には、その外縁における第1の位置設定面(13)と第2の位置設定面(13’)の間でギャップ区画が設けられている ことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のバレル(1)。前記位置合わせリング(5)は、さらに、当該バレル(1)を巻き込みる時に、第1のピン(9)を有し、前記巻き方向(a)にて配置層(A)において戻しばね(15)と相互作用している ことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のバレル(1)。前記ピン(9)は、前記第1の位置設定面(13)と前記第2の位置設定面(13’)の間の前記ギャップ区画と同じ形成度の角度区画内にて位置する ことを特徴とする請求項8に記載のバレル(1)。前記戻しばね(15)は、U字形であり、段付きピン(16)に補助されて当該バレルに取り付けられている ことを特徴とする請求項8又は9に記載のバレル(1)。前記位置合わせリング(5)の前記第1の位置設定面(13)は、前記ランニング方向(b)の所定のランニング回転の量に応じて当該バレル(1)の運動をブロックするように、当該バレル(1)の第2の配置層(B)にて位置する第2のピン(14)と相互作用する ことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のバレル(1)。

说明书全文

本発明は、自動式巻き機構などに適応しつつランニング回転の量が制限されているバレルに関する。

自動式巻き機構、すなわち、手動式巻き機構、を備えない計時器において、巻き込み時やランニング時にばねのコア及びバレルドラムの回転数を制限するために、いわゆるマルタクロスポジショナーが用いられている。特許文献スイス特許CH10576にこのようなバレル構造が示されている。これにおいて、マルタクロスは、いわゆるロック用歯を有する。巻き回転の量とランニング回転の量は、同じ所定数にセットされている。上記特許文献では5である。

この目的のために、いわゆるギヤセッティングも使用される。例えば、2つの車を有するブレゲ式ロック機構において、。これらの車のそれぞれは、重なり合った配置層上に特定の射影を有し、いくらかの数(ルールとして4である)のランニング回転又は巻き回転の後に遭ったりブロックしたりする。

手動巻き腕時計のバレルとは対照的に、自動式巻き機構を備える計時器のバレルには、巻き機構の回転の量の限界がない。手動巻き腕時計では、このような限界が、フックによってメインばねをバレルの内壁に固定することによって実現される。対照的に、自動式巻き機構を備えるムーブメントのメインばねは、それらの外端でいわゆる摺動ブライドルを有し、これは、特定のトルクを超過すると、バレルの内壁にメインばねが滑ることを可能にする。

しかし、このような自動式巻き機構を備える計時器は、前記ロックデバイスを備えない。すなわち、バレルのランニング回転の量は制限されない。したがって、これらの計時器の課題として、ランニング時に最小のトルクレベルが保証されないということがある。すなわち、周知のように、計時器のメインばねトルクは、可能な回転数の終わりに近づくにしたがって小さくなり、計時器のムーブメントの精度が悪くなる。特に、全体のパワー蓄積の終わりにおいてである。したがって、相当量の駆動を必要とする特定の機能の発動又は実行が妨げられることがある。

本発明の目的は、これらの課題を解決することである。

この目的は、請求項1の前提書きに基づいて、請求項1に記載の特徴を有することによって達成される。

本発明に係るバレルは、任意の量のバレルの巻き機構の回転を可能にするにもかかわらずランニング回転の量を制限する制限デバイスを有する。このバレルによって、一方では、バレルのランニング回転から巻き機構の回転の量を分離することが可能になる。これにおいて、自動式巻き機構のためのバレルにおけるメインばねの巻きの程度は、摺動ブライドルによって依然として制限されるが、同時に、利用可能なトルクが適切なレベルに維持される。このように巻き機構の回転の量とバレルのランニング回転が分離していることによって、フックによってバレルの内壁に取り付けられたメインばねを備える手動の巻き機構においても有利である。これは、例えば、第1のバレルと比べてメインばねのトルク及び巻き機構とランニング回転の量が異なるような第2のバレルが巻き用竜頭の同じ回転運動によって巻き込まれる場合においてである。

バレルのランニング回転の量を制限することは、計時器を駆動するために、可能な巻き量よりも少ないメインばねの巻き量しか用いられないことを意味している。メインばねの巻きのトルクは緩やかであり、メインばねの巻きは、計時器の駆動とは分離されている。このことは、計時器の駆動のために、メインばねのトルクのほとんど一定の範囲のみしか用いられないことを意味している。これにおいて、伝統的な手動式巻き機構を備える通常の計時器と比べて利用可能なトルクを大きくすることができる。したがって、この計時器は、パワー蓄積が減ってなくなるまでムーブメントの精度を高く維持することができる。更なる利点として、全体のパワー蓄積がなくなる際であっても、メインばねには利用可能なトルクが依然として十分にあり、これによって、計時器の付加的な機能、例えば、日付機能、を確実に動かすことができる。駆動力不足のために望まずに止まってしまうようなリスクなしに打撃機構を解放することができる。

このことは、計時器の精度が改善されるだけではなく、バレルから駆動又は解放されるすべての存在する機能の信頼性も改善することができることを意味している。

G.A. Berner著の"Dictionnaire professionnel illustre d’horlogerie", pp. 60-62, Object 256 "Arretage (stopwork)"によると、平均的な腕時計製造業者は、現状、長い間いずれのロックデバイスもおそらく用いていない。他方では、計時器の全体のパワー蓄積を大きくする試みがなされている。特に、自動式巻き機構を備える計時器においてである。これにおいては、本発明のバレルのランニングリミッターデバイスからは相当に逸脱するものである。なぜなら、バレルのパワー蓄積が意図に反して小さくなるからである。

このようにして、本発明に係るバレルによって、長い間悩ませてきた課題を解決することができる。すなわち、自動式巻き機構を備える計時器のバレルのケース内で、止め機構を備える手動式巻き機構をいかにして分離するかということである。これによって、メインばねの実効長を制限して、全体のパワー蓄積からパワー蓄積がなくなる際にメインばねの緩いトルクが分離される。

本発明の好ましい実施形態が従属請求項と下の説明において記載されている。

以下、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。

各図において詳細に示している。

図1A及び1Bはそれぞれ、本発明に係る制限デバイスが取り付けられたバレルの下面図と側面図である。

図1Aとは対照的に、カバープレートとバレル体を示していない変更された下面図である。

図3A及び3Bはそれぞれ、位置合わせリングと戻しばねの下方からの詳細な斜視図である。

図4A及び4Bはそれぞれ、バレルの下面図と矢状断面図であり、巻き時の巻き回転を解放する第1のデバイスが描かれている。

以下、本発明の好ましい実施形態による自動式巻き機構を備える計時器のバレル1の様々な図を示している図1A、1B及び2を同時に参照して説明する。具体的には、図1A及び2においては、ブロック位置にあるバレル1を示しているという点で、ランニング回転を制限する制限デバイスを強調している。

自動式巻き機構を備える計時器に対して通常のバレル1を利用可能である。ばね軸3に支えられているロック用車2が上側に位置している。ロック用車2を左(第1の矢印方向"a")に回すと、メインばね4が巻かれる。メインばね4がばね軸3のまわりで完全に巻かれるとすぐに、メインばね4の摺動ブライドル4aは、バレル1のドラム内壁1aに沿って摺動する。ランニング時には、バレル1は同様に左(第2の矢印方向"b")に回されており、これによっては、ばね軸3は動かられない。このようにして、駆動歯システム1cは、ムーブメント、及び他の任意の接続しているモジュール、例えば、カレンダー回路を駆動する。

本発明に係る制限デバイス10は、好ましくは、段状でありバレル1の基礎1bの下に位置している。一方では、制限デバイス10は、嵌められるとワークプレートの裏で隠れているが、組み立て時にはより容易にアクセス可能である。制限デバイス10がロック用車2によって部分的にも隠されていないからである。図1Bに示すように、本発明に係る制限デバイス10は、好ましくは2つの別々のデバイスを有しており、そのそれぞれが特定の機能に対応するように意図されている。すなわち、巻き回転を解放する第1のデバイス10aと、バレル1のランニング回転の量を制限する第2のデバイス10bである。第1のデバイス10aは、第1の配置層Aにおいてはたらき、第2のデバイス10bは、それとは別の第2の配置層Bにおいてはたらく。これによって、対応する専用の配置層にて、所望の各機能を実行することができ、バレルの通常のドラム−ロック用車の構造に何ら影響を与えずにこれらの付加的なモジュールを着実に組み込むことができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、制限デバイス10は、バレル1に回転可能にマウントされた位置合わせリング5を1つ有する。このリング5については、図3Aに詳細に示してあり、これは、第1のデバイス10aと第2のデバイス10bの両方に関わっている。この位置合わせリング5は、バレル1の基礎1bと付加されるカバープレート11の間で積み重ねられており、肩部(図示せず)(例えば、バレル1の下側の垂直方向の円筒状の壁の区画)に配置されている。カバープレート11は、バレル1の二重構造の基礎の下の方として構成しており、好ましくは、ねじ12を(例えば、図1A及び2に示すように3つ)用いてバレル1に固定され、カバープレート11には、好ましくは、段付きピンによって戻しばね15をバレル1に固定するためのカットアウト17が設けられている。この戻しばね15は、巻き込み時に第1のピン9と相互作用する。戻しばね15と第1のピン9は、巻き回転の解放用の第1のデバイス10aの1つの好ましい実施形態を形成している。図1Bに示すように、この第1のデバイス10aは、第1の配置層Aにおいてはたらく。その正確な機能を、下で図4A〜4Bを参照して詳細に説明してある。

図1A、2及び3Aに示すように、位置合わせリング5には、歯車6と噛み合う内歯列5aが設けられており、位置合わせリング5の外側縁では、第1の位置設定面13と第2の位置設定面13’の間で、変異区間がある。この変異区間は、弧状の区画を単純に形成しており、この変異区間の半径は、残りの弧状の縁部よりも小さい。第1の位置設定面13と第2の位置設定面13’の2つの位置設定面は、以下のように形成されている。第2のピン14の第1の位置設定面13との相互作用は、同様な方法で、第2の配置層Bではたらく第2のデバイス10bのための好ましい実施形態を形成している。図1A及び2において、第2のピン14が位置設定面13に支持されており第2の矢印方向"b"における更なるランニングがブロックされているので、バレル1は既にロックされている位置にあるものとして示されている。

図1A、2及び3Aに示す位置合わせリング5には、合計17の歯が設けられた内歯5aが設けられている。この数は、ランニング回転の最大量を定めるものである。この内歯5aは、13の歯が設けられた歯車6と噛み合い、この歯車6は、次に、反対側の配置フィンガー8と係合している。このことは、バレル1の巻き込み時に右又は左の方向(配置フィンガー8−歯車6−位置合わせリング5の全体のギヤ列に対する第1の矢印方向「a」)に、又はバレル1のランニング時に反対方向(バレル1−歯車6−位置合わせリング5の歯車列に対する第2の矢印方向"b")に、位置合わせリング5の指標付けを1つの歯によってすることができることを意味している。図1A、2に示す位置合わせリング5の位置において、矢印方向"b"の右側に位置合わせリング5をさらに動かすことができないことがわかる。これは、バレル1にある第2のピン14が第1の位置設定面13に当たるためだけではなく、内歯5aの左側には歯がさらにないからである。

図示した好ましい実施形態によると、第1の位置設定面13と第2の位置設定面13’の間の変異区間は、内歯5aに対して大きさが対称的に構成している。すなわち、この変異区間は、位置合わせリング5の内歯5aの度区画と同じ大きさの角度区画にわたって延在している。これによって、第2のピン14は、歯車6が内歯5aの右端の歯と噛み合っていれば、巻き込み方向と同様に(第1の矢印方向"a"におけるように)第2の位置設定面13’に当たる。したがって、このことによって、両方向において、回転ロックの2重の保護を確実にすることができる。しかし、この後者のロックは、2つの位置設定面(13及び13’)の間の角度区画における第1のピン9の構成のおかげで利用されることがない。なぜなら、第1のデバイス10aは常に最初に発動されるからである。

バレル1にマウントされた回転可能な位置合わせリング5の回転位置の配置に対する制限デバイス10の信頼性を改善するために、好ましい実施形態において噛み合っている歯車6の歯の間にて係合する移動止めばね7によって作られる指標付け機構も存在する。この指標付け機構は、第2の配置層Bにおいてはたらく。すなわち、位置合わせリング5の層において直接はたらく。したがって、バレル1の内側空間に侵入しない。したがって、バレル1の外側のこのようなコンパクトな構成は、バレル1の正常動作を妨げず、あらゆる付加的な空間をほとんど必要としない。このような空間を計時器において他の部品のために用いることができる。

図3A及び3Bは、位置合わせリング5と戻しばね15の好ましい実施形態を示している。これにおいて、戻しばね15は、略U字形であって段付きピン16によってバレル1に取り付けられるように構成している。戻しばね15は、先端15aがある長い方のアームを有する。この長い方のアームは、カバープレート11の縁を越えて突き出るこのばね部品の一部を形成しており(例えば、図1Aを参照)、位置合わせリング5に取り付けられた第1のピン9と相互作用することができる。このような構成によって、ばねの先端15aの復原力を最大化することが可能になる。第1のピン9は、第1の位置設定面13と第2の位置設定面13’の間の角度の位置にあり、これによって、このピン9は、バレル1が巻き込まれる時に、第2のピン14が第2の位置設定面13’によってブロックされる前に、戻しばね15に当たる。なぜなら、巻き込まれる時に、第2のピン14と第2の位置設定面13’との間に最小距離Dが確保されるからである。図4Aに、この最小距離Dを示した。また、この最小距離Dは、戻しばね15と第2の位置設定面13’の間の角度が2つの位置設定面(各場合において、第1の位置設定面13と第2の位置設定面13’)の間の角度よりも大きいことによっても確保される。すなわち、図1Aに示すように、バレル1のブロックされたランニング位置にある戻しばね15が、第2のピン14の後ろにランニング方向(第2の矢印方向"b")に位置する場合である。次の段落において、本発明に係る制限デバイス10が取り付けられたバレル1の巻き込み動作を詳細に説明する。これにおいて、巻きの端に図1A及び2における巻き込みの開始時と、図4A及び4Bにおける巻き込みの終わりの時の両方を参照する。この巻き込みの終わりの時には、第1のデバイス10aが巻き込み回転の解放に用いられる。

図1A及び2に示すように、位置合わせリング5は、バレル1の下側にあり、バレル1と同心の肩部に配置される。この位置合わせリング5は、歯車6と噛み合う。この歯車6の回転軸60は、好ましくは、モジュールの取り付けを促進するためにバレルドラム上に位置している。歯車6は、移動止めばね7によって所定の指標付けされた位置にて保持される。配置フィンガー8は、四角形の断面を有するばね軸3に支持されている。歯車6と配置フィンガー8の軸の支持は、ねじ12によってバレル1に固定されているカバープレート11を用いて達成される。代替実施形態の1つによると、歯車6の回転軸60もこのプレートに取り付けられている。この配置フィンガー8は、ばね軸3のように各運動を行う。矢印方向"a"のばね軸3と配置フィンガー8の完全回転ごとに、歯車6は、1つの指標位置の分、さらに回転する。同時に、このリングは、第1の矢印方向"a"、すなわち、巻き方向に、1つの位置の分、さらに回転する。この回転の量は、歯車6と位置合わせリング5の間の歯の噛み合いによって定められる。図1A及び2では、実際には、内歯5aの左端の歯が歯車6と噛み合っている位置になっている。これによって、位置合わせリング5は巻き方向にのみ回転することができる。いずれにしても、第1の位置設定面13は、バレル1の基礎1bに取り付けられている第2のピン14によって、反対の矢印方向"b"(すなわち、時間のランニング方向)ではブロックされる。したがって、巻き動作をこの位置において始めることができる。

位置合わせリング5の回転運動の量が歯車6と位置合わせリング5の間のギヤ比に依存するので、位置合わせリング5に堅固に固定されているピン9は、戻しばね15の長いばねアーム、より正確にはこの長いアームの先端15a、に達する。これは、カバープレート11の外縁11aから突き出ている。ばね軸3がさらに回ると、指標付け用フィンガー8は、位置合わせリング5をさらに切り替えることを試みる。これにおいて、図4Aに示すように、戻しばね15の長いばねアームは、位置合わせリング5上のピン9によって付勢力を与えられる。バレル1は、図示した位置において、図1Aと比較して回転していない。すなわち、第2のピン14とカットアウト17の両方は、同じ回転位置にある。他方では、歯車6は、移動止めばね7と同じ回転位置にあり、特定の位置において指標付けされているが、ここでは反対側の端の歯が内歯5aと係合している。第1のピン9と戻しばね15との相互作用は、巻き込み回転の解放用の第1のデバイス10aの好ましい変種を形成する。

すなわち、配置フィンガー8が歯車6との噛み合い状態を脱するとすぐに、戻しばね15は、移動止めばね7のばね力を克服することによって、位置合わせリング5を押し戻すことができる。このような必要条件は、戻しばね15の有利な構成のおかげで容易に満たされる。なぜなら、戻しばね15は復原力を最大化することを試みるからである。

この動作は、何回も繰り返すことができ、この動作の後に、戻しばね15は、再び緩められるが、戻しばね15は、ばね軸3の次の回転まで第2のピン14と接触し続ける。したがって、図4Bに示すバレル1のメインばね4にはさらに付勢力を与えることができ、このメインばね4の摺動ブライドル4aがバレル1のドラム内壁で摺動している場合にのみ、すなわち、最大許容トルクに達した場合にのみ、制限される。

図4Bは、バレル1の断面C−Cでの矢状断面図であり、この好ましい実施形態における付勢力を与えられたメインばね4及び様々な配置層を示している。下には、メインばね3に取り付けられたトルク耐性を有するロック用車2がある。カバープレート11は最上部のレベルに位置し、戻しばね15を固定するためのプレートに設けられたカットアウト17が示されている。これは、ここでは、段付きピン16に補助されて実装されている。カバープレート11のレベルに第1の配置層が形成されており、この第1の配置層内で、戻しばね15が第1のピン9(この図では第1のピン9は図示されていない)と相互作用する。上記のように、配置フィンガー8と取り付けられた回転可能な位置合わせリング5がある第2の配置層Bは、カバープレート11とバレル1の間に位置する。

図1A及び1Bにおける位置へのランニング時に、バレル1を図4Aに示した位置から戻すように回すことができる。すなわち、ランニング時に、バレル1は、第2の矢印方向"b"、すなわち、ランニング方向に、回転する。この間、ばね軸3は不動状態を維持する。バレル1が1回転した後に、バレル1にマウントされた回転可能な歯車6が配置フィンガー8に達する。この回転運動において、歯車6は、配置フィンガー8によって、矢印方向"b"に1つの指標位置の分、回される。同時に、歯車6と位置合わせリング5の間の歯の噛み合いのおかげで、第2の矢印方向"b"に指標が進む。

位置合わせリング5の回転のおかげで、この動作を、位置合わせリング5にある位置設定面13がバレル1に堅固に取り付けられている第2のピン14に達するまで、何度も繰り返すことができる。これは、ばね軸3に対する第2の矢印方向"b"へのバレル1の回転運動をブロックし、制限デバイス10のバレルと全メンバーは、図1Aに示す位置に位置する。

当業者であれば、本発明の主題が、本発明に係る制限デバイス10の他の変種をもカバーすることを本明細書から理解することができるであろう。すなわち、位置合わせリング5ではない部品を用いるもの、他の配置層に位置する他の種類のピンや止めを用いるもの、必ずしもこれらに固定されない単一の部品として設計されたものなどである。特に、巻き込み回転の解放用の第1のデバイス10aが、任意のばねで付勢力を与えられた止めを用いて機能することができる。これにおいて、ばね要素をバレル1に配置する必要がない。例えば、剛性ピンではなくばねで付勢力を与えられたピンを位置合わせリング5に取り付けることができる。あるいは、逆に、戻しばね15ではなく剛体のフィンガーをバレル1に取り付けることができる。ランニング回転の最大量を必要に応じて調整することができ、すべての歯車要素の間の伝動比も必要に応じて適応させることができる。第1のデバイス10aのばねで付勢力を与えられた止めの様々な材料(単なる鋼ではなく)、形態及び延在方向のような他の態様も、本発明の範囲を逸脱せずに、全面的に可能である。

当業者であれば、本発明は、自動式巻き機構付き計時器にのみ制限されず、手動式巻き機構を備えるムーブメントにも適合させることができることを理解することができるであろう。この場合、メインばねにおける可能な最大の巻き量は、摺動ブライドルによって制限されるのではなく、固定フックによって決まる。しかし、最大の巻き量は、本発明に係る制限デバイスによって影響を受けることはない。

したがって、詳細に説明した好ましい実施形態は、例としてのみみなされるべきであって、請求の範囲の解釈に際して制限するものとして解釈されるべきではない。

1 バレル 1a ドラムの内壁 1b 基礎 1c 駆動歯システム 2 ロック用車 3 ばね軸 4 メインばね 4a 摺動ブライドル 5 位置合わせリング 5a 内歯 6 歯車 60 歯車の回転軸 7 移動止めばね 8 配置フィンガー 9 第1のピン 10 任意の巻き機構の回転の量に対応しつつランニング回転の量を制限する制限デバイス 10a 巻き機構の回転の解放用の第1のデバイス 10b ランニング回転の制限用の第2のデバイス 11 カバープレート 11a カバープレートの外縁 12 ねじ 13 第1の位置設定面 13a 第2の位置設定面 14 第2のピン 15 戻しばね 15a 先端 16 段付きピン 17 (カバープレートに設けられた)カットアウト a 第1の矢印方向 − バレルの巻き方向 b 第2の矢印方向 − バレルのランニング方向 A 第1のピン9の第1の配置層 B 第2のピン14の第2の配置層 C−C 図4Bの切断方向 D 巻き時のピン14と第2の位置設定面13’の間の最小距離

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