Vehicular air conditioning apparatus

申请号 JP2012134100 申请日 2012-06-13 公开(公告)号 JP2013256230A 公开(公告)日 2013-12-26
申请人 Sanden Corp; サンデン株式会社; 发明人 SATO HIROSHI; SHIGETA MEGUMI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a vehicular air conditioning apparatus configured to obtain the heating capacity needed during heating operation, by preventing decreases in the discharge rate of coolant from a compressor in low outdoor temperature environments, and to dehumidify without decreasing the heating capacity during dehumidifying heating operation.SOLUTION: A vehicular air conditioning apparatus includes: a heat dissipating refrigerant expansion valve 25 that decompresses a refrigerant flow out from a radiator 15 in a heating operation and a first dehumidifying heating operation; a gas-liquid separator 29 which, by inputting the coolant decompressed in the heat dissipating refrigerant expansion valve 25, separates the coolant into a gaseous coolant and a liquid coolant; and a coolant flow path 20k as a bypass circuit allowing at least a portion of the gaseous coolant separated in the gas-liquid separator 29 to enter the portion of the compressor 21 where the coolant undergoing compression circulates.
权利要求
  • 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    冷媒を放熱させる放熱器と、
    冷媒を吸熱させる吸熱器と、
    冷媒を放熱または吸熱させる室外熱交換器と、
    室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する第1膨張弁と、
    吸熱器に流入する冷媒を減圧する第2膨張弁と、
    圧縮機の冷媒吸入側の冷媒流路に設けられ、冷媒を気体と液体に分離して気体の冷媒を圧縮機に吸入させるアキュムレータと、
    圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器を流通した冷媒をアキュムレータを介して圧縮機に吸入させる暖房用冷媒回路と、
    圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒の一部を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、放熱器から流出したその他の冷媒を第2膨張弁を介して吸熱器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器および吸熱器を流通した冷媒をアキュムレータを介して圧縮機に吸入させる除湿暖房用冷媒回路と、
    暖房用冷媒回路および除湿暖房用冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を減圧する第3膨張弁と、
    第3膨張弁において減圧した冷媒を流入させることで、気体の冷媒と液体の冷媒とに分離する気液分離器と、
    気液分離器において分離された少なくとも気体の冷媒の一部を圧縮機の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入させるバイパス回路と、を備えた ことを特徴とする車両用空気調和装置。
  • 放熱器における冷媒の過冷却度が所定の過冷却度となるように、第3膨張弁の弁開度を制御するとともに、バイパス回路を流通する冷媒の流量が所定の流量となるように、第1膨張弁の弁開度を制御する弁開度制御手段を備えた ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  • バイパス回路を流通する冷媒を減圧する第4膨張弁と、
    放熱器における冷媒の過冷却度が所定の過冷却度となるように、第3膨張弁の弁開度を制御するとともに、バイパス回路を流通する冷媒の流量が所定の流量となるように、第4膨張弁の弁開度を制御する弁開度制御手段と、を備えた ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  • 熱媒体を吐出する熱媒体ポンプと、
    放熱器に設けられ、放熱器を流通する冷媒と熱媒体とを熱交換させる熱交換部と、
    熱媒体を放熱させる熱媒体放熱器と、
    熱媒体ポンプから吐出された熱媒体を熱交換部に流入させて吸熱させ、熱交換部を流通した熱媒体を熱媒体放熱器に流入させて放熱させ、熱媒体放熱器を流通した熱媒体を熱媒体ポンプに吸入させる熱媒体回路と、を備えた ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  • 熱媒体回路を流通する熱媒体を加熱する熱媒体加熱手段を備えた ことを特徴とする請求項4に記載の車両用空気調和装置。
  • 熱媒体加熱手段は、熱媒体回路を流通する熱媒体を加熱可能な電気ヒータである ことを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調和装置。
  • 熱媒体加熱手段は、熱媒体回路に設けられ、他の機器から排出される熱を熱媒体回路を流通する熱媒体に吸熱させる排出熱吸熱部である ことを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調和装置。
  • 暖房用冷媒回路および除湿暖房用冷媒回路を流通する冷媒を加熱する冷媒加熱手段を備えた ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば、電気自動車に適用可能な車両用空気調和装置に関するものである。

    従来、この種の車両用空気調和装置では、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、冷媒を放熱させる放熱器と、冷媒を吸熱させる吸熱器と、冷媒を放熱または吸熱させる室外熱交換器と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

    前記車両用空気調和装置では、圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器を流通した冷媒を圧縮機に吸入させることによって暖房運転を行っている。

    また、前記車両用空気調和装置において、圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒の一部を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、放熱器を流通したその他の冷媒を第2膨張弁を介して吸熱器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器および吸熱器を流通した冷媒を圧縮機に吸入させることによって除湿暖房運転を行うものがある。

    特開2000−25446号公報

    前記車両用空気調和装置では、外気温が低温の環境下において暖房運転や除湿暖房運転を行うと、室外熱交換器を流通する冷媒が外気から吸熱し難くなり、室外熱交換器における吸熱量が不足する場合がある。 前記車両用空気調和装置では、室外熱交換器における吸熱量が不足した状態で圧縮機の運転を行うと、冷媒回路の冷媒の循環量が減少して放熱器からの放熱量が低下し、必要な暖房能を得ることが困難となる場合がある。

    本発明の目的とするところは、低外気温の環境下における圧縮機からの冷媒吐出量の低下を防止して、暖房運転時に必要な暖房能力を得ることができ、除湿暖房運転時に暖房能力を低下させることなく除湿することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。

    本発明は、前記目的を達成するために、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、冷媒を放熱させる放熱器と、冷媒を吸熱させる吸熱器と、冷媒を放熱または吸熱させる室外熱交換器と、室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する第1膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧する第2膨張弁と、圧縮機の冷媒吸入側の冷媒流路に設けられ、冷媒を気体と液体に分離して気体の冷媒を圧縮機に吸入させるアキュムレータと、圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器を流通した冷媒をアキュムレータを介して圧縮機に吸入させる暖房用冷媒回路と、圧縮機が吐出した冷媒を放熱器に流入させて放熱させ、放熱器を流通した冷媒の一部を第1膨張弁を介して室外熱交換器に流入させて吸熱させ、放熱器から流出したその他の冷媒を第2膨張弁を介して吸熱器に流入させて吸熱させ、室外熱交換器および吸熱器を流通した冷媒をアキュムレータを介して圧縮機に吸入させる除湿暖房用冷媒回路と、暖房用冷媒回路および除湿暖房用冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を減圧する第3膨張弁と、第3膨張弁において減圧した冷媒を流入させることで、気体の冷媒と液体の冷媒とに分離する気液分離器と、気液分離器において分離された少なくとも気体の冷媒の一部を圧縮機の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入させるバイパス回路と、を備えている。

    これにより、気液分離器において分離された少なくとも気体の冷媒の一部が圧縮機の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入されることから、圧縮機の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器における放熱量を増加させることが可能となる。

    本発明によれば、圧縮機の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器における放熱量を増加させることができるので、暖房運転時において暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時において暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータを介して冷媒が圧縮機に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    本発明の第1実施形態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    冷房運転および除湿冷房運転を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    暖房運転を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    第1除湿暖房運転を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    第2除湿暖房運転を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    暖房運転中に第4電磁弁を開放した状態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    本発明の第2実施形態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    本発明の第3実施形態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    電気ヒータの取付位置の他の例を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    本発明の第4実施形態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    本発明の第5実施形態の冷房運転を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    暖房運転中に第4電磁弁を開放した状態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。

    図1乃至図6は、本発明の第1実施形態を示すものである。

    本発明の車両用空気調和装置は、図1に示すように、車室内に設けられた空調ユニット10と、車室内および車室外に亘って構成された冷媒回路20と、を備えている。

    空調ユニット10は、車室内に供給する空気を流通させるための空気流通路11を有している。 空気流通路11の一端側には、車室外の空気を空気流通路11に流入させるための外気吸入口11aと、車室内の空気を空気流通路11に流入させるための内気吸入口11bと、が設けられている。 また、空気流通路11の他端側には、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の足元に向かって吹き出させるフット吹出口11cと、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の上半身に向かって吹き出させるベント吹出口11dと、空気流通路11を流通する空気を車両のフロントガラスの車室内側の面に向かって吹き出させるデフ吹出口11eと、が設けられている。

    空気流通路11内の一端側には、空気流通路11の一端側から他端側に向かって空気を流通させるためのシロッコファン等の室内送風機12が設けられている。

    空気流通路11の一端側には、外気吸入口11aおよび内気吸入口11bの一方を開放して他方を閉鎖することが可能な吸入口切換えダンパ13が設けられている。 吸入口切換えダンパ13によって内気吸入口11bが閉鎖されて外気吸入口11aが開放されると、外気吸入口11aから空気が空気流通路11に流入する外気供給モードとなる。 また、吸入口切換えダンパ13によって外気吸入口11aが閉鎖されて内気吸入口11bが開放されると、内気吸入口11bから空気が空気流通路11に流入する内気循環モードとなる。 さらに、吸入口切換えダンパ13が外気吸入口11aと内気吸入口11bとの間に位置し、外気吸入口11aと内気吸入口11bがそれぞれ開放されると、吸入口切換えダンパ13による外気吸入口11aおよび内気吸入口11bのそれぞれの開口率に応じた割合で、外気吸入口11aと内気吸入口11bとから空気が空気流通路11に流入する内外気吸入モードとなる。

    空気流通路11の他端側のフット吹出口11c、ベント吹出口11dおよびデフ吹出口11eのそれぞれには、各吹出口11c,11d,11eを開閉するための吹出口切換えダンパ13b,13c,13dが設けられている。 この吹出口切換えダンパ13b,13c,13dは、図示しないリンク機構によって連動するように構成されている。 ここで、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cが開放されてベント吹出口11dが閉鎖され、デフ吹出口11eが僅かに開放されると、空気流通路11を流通する空気の大部分がフット吹出口11cから吹き出されると共に残りの空気がデフ吹出口11eから吹き出されるフットモードとなる。 また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cおよびデフ吹出口11eが閉鎖されてベント吹出口11dが開放されると、空気流通路11を流通する空気の全てがベント吹出口11dから吹き出されるベントモードとなる。 さらに、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cおよびベント吹出口11dが開放されてデフ吹出口11eが閉鎖されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11cおよびベント吹出口11dから吹き出されるバイレベルモードとなる。 また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cおよびベント吹出口11dが閉鎖されてデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がデフ吹出口11eから吹き出されるデフモードとなる。 また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってベント吹出口11dが閉鎖されてフット吹出口11cおよびデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11cおよびデフ吹出口11eから吹き出されるデフフットモードとなる。 尚、空気流通路11、フット吹出口11c、ベント吹出口11d、後述する吸熱器および放熱器は、バイレベルモードにおいて、フット吹出口11cから吹き出される空気の温度がベント吹出口11dから吹き出される空気の温度よりも高温となる温度差を生じさせるような、互いの位置関係および構造となっている。

    室内送風機12の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を冷却および除湿するための吸熱器14が設けられている。 また、吸熱器14の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を加熱するための放熱器15が設けられている。 吸熱器14および放熱器15は、それぞれ内部を流通する冷媒と空気流通路11を流通する空気とを熱交換させるためのフィンとチューブ等からなる熱交換器である。

    吸熱器14と放熱器15との間の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気の放熱器15によって加熱される割合を調整するためのエアミックスダンパ16が設けられている。 エアミックスダンパ16は、空気流通路11の放熱器15の上流側を閉鎖する方向に移動させることによって、放熱器15において熱交換する空気の割合が減少し、空気流通路11の放熱器15以外の部分側に移動させることによって、放熱器15において熱交換する空気の割合が増加する。 エアミックスダンパ16は、空気流通路11の放熱器15の上流側を閉鎖して放熱器15以外の部分を開放した状態で開度が0%となり、空気流通路11の放熱器15の上流側を開放し、放熱器15以外の部分を閉鎖した状態で開度が100%となる。

    冷媒回路20は、前記吸熱器14、前記放熱器15、冷媒を圧縮するための圧縮機21、冷媒と車室外の空気とを熱交換するための室外熱交換器22、放熱器15および室外熱交換器22の少なくとも放熱器15から流出する冷媒と吸熱器14から流出する冷媒とを熱交換させるための内部熱交換器23、第1膨張弁としての膨張手段と凝縮圧力調整手段とを有し、膨張手段側または凝縮圧力調整手段側に冷媒流路を切換え可能な制御弁24、放熱器15から流出する冷媒を減圧するための第3膨張弁としての放熱冷媒膨張弁25、第1〜第4電磁弁26a,26b,26c,26d(以降、26a〜26dと記載する)、第1〜第2逆止弁27a,27b、吸熱器14に流入する冷媒を減圧するための第2膨張弁としての吸熱器用膨張弁28、放熱冷媒膨張弁25によって減圧された冷媒を気体と液体とに分離するための気液分離器29と、気体の冷媒と液体の冷媒を分離して気体の冷媒を圧縮機21に吸入させるためのアキュムレータ30、を有し、これらは銅管やアルミニウム管によって接続されている。

    具体的には、圧縮機21の冷媒吐出側に放熱器15の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20aが設けられている。 また、放熱器15の冷媒流出側には、制御弁24の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20bが設けられている。 冷媒流通路20bには、冷媒流通方向の上流側から順に、放熱冷媒膨張弁25、気液分離器29が設けられている。 制御弁24の膨張手段側の冷媒流出側には、室外熱交換器22の一端側が接続されることによって、冷媒流通路20cが設けられている。 冷媒流通路20cには、第1逆止弁27aが設けられている。 また、制御弁24の凝縮圧力調整手段側の冷媒流出側には、室外熱交換器22の他端側が接続されることによって、冷媒流通路20dが設けられている。 室外熱交換器22の他端側には、冷媒流通路20dと並列に、圧縮機21の冷媒吸入側が接続されることによって、冷媒流通路20eが設けられている。 冷媒流通路20eには、冷媒流通方向の上流側から順に、第1電磁弁26a、アキュムレータ30が設けられている。 冷媒流通路20bには、内部熱交換器23の高圧冷媒流入側が接続されることによって冷媒流通路20fが設けられている。 冷媒流通路20fには、第2電磁弁26bが設けられている。 内部熱交換器23の高圧冷媒流出側には、吸熱器14の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20gが設けられている。 冷媒流通路20gには、吸熱器用膨張弁28が設けられている。 吸熱器14の冷媒流出側には、内部熱交換器23の低圧冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20hが設けられている。 内部熱交換器23の低圧冷媒流出側には、冷媒流通路20eの第1電磁弁26aとアキュムレータ30との間が接続されることによって、冷媒流通路20iが設けられている。 室外熱交換器22の一端側には、冷媒流通路20cと並列に、冷媒流通路20fの第2電磁弁26bの冷媒流通方向の下流側が接続されることによって、冷媒流通路20jが設けられている。 冷媒流通路20jには、冷媒流通方向の上流側から順に、第3電磁弁26c、第2逆止弁27bが設けられている。 気液分離器29には、圧縮機21の冷媒吸入側が接続されることによって、バイパス回路としての冷媒流通路20kが設けられている。 冷媒流通路20kには、第4電磁弁26dが設けられている。

    圧縮機21および室外熱交換器22は、車室外のエンジンルーム内に配置されている。

    圧縮機21は、一対の冷媒吸入口が設けられ、一方の冷媒吸入口に冷媒流通路20eが接続され、他方の冷媒吸入口に冷媒流通路20kが接続されている。 冷媒流通路20kが接続された他方の冷媒吸入口は、圧縮途中の冷媒が流通する部分に連通している。 圧縮機21は、電動モータによって駆動され、インバータ制御によって回転数の調整が可能である。

    室外熱交換器22は、内部を流通する冷媒と車室外の空気とを熱交換させるためのフィンとチューブ等からなる熱交換器である。 室外熱交換器22は、吸熱器として機能する場合に冷媒流路の一端側から冷媒が流入し、放熱器として機能する場合に冷媒流路の他端側から冷媒が流入する。 室外熱交換器22の冷媒流路の一端側には、放熱器として機能する場合に液体の冷媒を貯留可能な気液分離部22aと、気液分離部22aから流出する液体の冷媒を過冷却の状態とするための過冷却部22bと、が設けられている。 また、室外熱交換器22には、車両の停止時に車室外の空気と冷媒とを熱交換させるための室外送風機22cが設けられている。

    内部熱交換器23は、例えば、二重管式や積層式の熱交換器であり、冷媒と冷媒とを熱交換させるものである。

    制御弁24は、膨張手段側において暖房運転および第1除湿暖房運転時に室外熱交換器22に流入する冷媒を減圧する。 また、制御弁24は、凝縮圧力調整手段側において除湿冷房運転時に放熱器15における冷媒の凝縮圧力を制御する。 制御弁24は、冷媒流路を膨張手段側または凝縮圧力調整手段側に切換えるとともに、それぞれの冷媒流路の開度を調整するためのステッピングモータを有している。

    吸熱器用膨張弁28は、吸熱器14から流出する冷媒の温度に応じて弁開度を調整可能な温度膨張弁である。 温度膨張弁としては、例えば、吸熱器から流出する冷媒が流通する流出冷媒流路と、流出冷媒流路を流通する温度を検出する感温棒と、弁体を移動させるためのダイヤフラムと、を一体に形成したボックス型の温度膨張弁が用いられる。

    気液分離器29は、内部に冷媒が貯留可能に設けられ、放熱冷媒膨張弁25によって減圧された冷媒が流入して気体の冷媒と液体の冷媒に分離される。 気液分離器29の下部側には、冷媒流通路20bが接続されており、室外熱交換器22および吸熱器14の一方または両方に主に液体の冷媒を流通させることが可能である。 また、気液分離器29の上部側には、冷媒流通路20kが接続されており、主に気体の冷媒を圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入させることが可能である。

    以上のように構成された車両用空気調和装置では、冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、第1除湿暖房運転、第2除湿暖房運転が行われる。 以下、それぞれの運転について説明する。

    冷房運転および除湿冷房運転において、冷媒回路20では、制御弁24の冷媒流路を凝縮圧力調整手段側に設定し、第3電磁弁26cを開放するとともに、第1、第2および第4電磁弁26a,26b,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、図2に示すように、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20b,20d、室外熱交換器22、冷媒流通路20j,20f、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20g、吸熱器14、冷媒流通路20h、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20i,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、冷房運転において、室外熱交換器22において放熱して吸熱器14において吸熱する。 また、除湿冷房運転として、図2の一点鎖線に示すように、エアミックスダンパ16を開放すると、冷媒回路20を流通する冷媒は放熱器15においても放熱する。 また、室外熱交換器22を流通する冷媒は、気液分離部22aにおいて気体の冷媒と液体の冷媒に分離され、過冷却部22bにおいて液体の冷媒が冷却されて過冷却の状態となる。 このため、室外熱交換器22から流出する冷媒は、過冷却された液体の状態である。
    冷房運転および除湿冷房運転では、吸熱器用膨張弁28の弁開度の制御によって吸熱器14から流出する冷媒が所定の過熱度に調整される。 このため、アキュムレータ30に流入する冷媒は、全てが気体の状態となり、液体の冷媒がアキュムレータ30内に蓄えられることなく圧縮機21に吸入される。

    このとき、冷房運転中の空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却され、車室内の温度を目標設定温度Tsetとするために吹出口11c,11d,11eから吹き出すべき空気の温度である目標吹出温度TAOとなって車室内に吹き出される。

    目標吹出温度TAOは、車室外の温度Tam、車室内の温度Tr、日射量Ts等の環境条件を検出し、検出された環境条件と目標設定温度Tsetに基づいて算出されるものである。

    また、除湿冷房運転中の空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において吸熱する冷媒と熱交換して冷却されることによって除湿される。 吸熱器14において除湿された空気は、放熱器15おいて放熱する冷媒と熱交換して加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。

    暖房運転において、冷媒回路20では、制御弁24の冷媒流路を膨張手段側に設定し、第1電磁弁26aを開放するとともに、第2、第3および第4電磁弁26b,26c,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、図3に示すように、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20b、冷媒流通路20c、室外熱交換器22、冷媒流通路20d,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、室外熱交換器22において吸熱する。
    暖房運転では、放熱冷媒膨張弁25の弁開度の制御によって放熱器15を流通する冷媒が所定の過冷却度に調整される。 放熱器15から流出した冷媒は、放熱冷媒膨張弁25および制御弁24の膨張手段側によって減圧されて室外熱交換器22に流入する。 室外熱交換器22から流出した冷媒は、アキュムレータ30において液体の冷媒と気体冷媒とに分離され、気体の冷媒のみが圧縮機21に吸入される。

    このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換することなく、放熱器15において冷媒と熱交換して加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。

    第1除湿暖房運転において、冷媒回路20では、制御弁24の冷媒流路を膨張手段側に設定し、第1および第2電磁弁26a,26bを開放するとともに、第3および第4電磁弁26c,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、図4に示すように、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20bを順に流通する。 冷媒流通路20bを流通する冷媒の一部は、冷媒流通路20c、室外熱交換器22、冷媒流通路20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。 また、冷媒流通路20bを流通するその他の冷媒は、冷媒流通路20f、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20g、吸熱器14、冷媒流通路20h、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20i,20e、の順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、吸熱器14および室外熱交換器22において吸熱する。
    第1除湿暖房運転では、放熱冷媒膨張弁25の弁開度の制御によって放熱器15を流通する冷媒が所定の過冷却度に調整される。 また、放熱器15から流出した冷媒は、一部が放熱冷媒膨張弁25および制御弁24の膨張手段側によって減圧されて室外熱交換器22に流入し、その他の冷媒が放熱冷媒膨張弁25および吸熱器用膨張弁28によって減圧されて吸熱器14に流入する。 吸熱器14および室外熱交換器22から流出した冷媒は、アキュムレータ30において液体の冷媒と気体冷媒とに分離され、気体の冷媒のみが圧縮機21に吸入される。

    このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却されることにより除湿される。 吸熱器14において除湿された空気は、少なくとも一部の空気が放熱器15において冷媒と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。

    第2除湿暖房運転において、冷媒回路20では、制御弁24の冷媒流路を閉鎖し、第2電磁弁26bを開放するとともに、第1、第3および第4電磁弁26a,26c,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、図5に示すように、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20b,20f、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20g、吸熱器14、冷媒流通路20h、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20i,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、吸熱器14において吸熱する。
    第2除湿暖房運転では、放熱冷媒膨張弁25の弁開度の制御によって放熱器15を流通する冷媒が所定の過冷却度に調整される。 また、放熱器15から流出した冷媒は、放熱冷媒膨張弁25および吸熱器用膨張弁28によって減圧されて吸熱器14に流入する。 吸熱器14から流出した冷媒は、アキュムレータ30において液体の冷媒と気体の冷媒とに分離され、気体の冷媒のみが圧縮機21に吸入される。

    このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、前記第1除湿暖房運転と同様に、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却されることにより除湿される。 吸熱器14において除湿された空気は、少なくとも一部の空気が放熱器15において冷媒と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度TAOとなって車室内に吹き出される。

    オートエアコンスイッチがオンの状態に設定されている場合には、冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、第1除湿暖房運転、第2除湿暖房運転が、車室外の温度Tam、車室内の温度Tr、車室外の湿度、車室内の湿度Th、日射量Ts等の環境条件に基づいて切換えられる。

    また、吹出口11c,11d,11eのモードが、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによって切換えられる。 エアミックスダンパ16の開度は、吹出口11c,11d,11eから吹出される空気の温度が目標吹出温度TAOとなるように調整される。

    また、各運転において、フットモード、ベントモード、バイレベルモードの切り替えが、目標吹出温度TAOに応じて行われる。 具体的には、目標吹出温度TAOが例えば40℃以上など、高温となる場合にフットモードに設定される。 また、目標吹出温度TAOが例えば25℃未満など、低温となる場合にベントモードが設定される。 さらに、目標吹出温度TAOが、フットモードが設定される目標吹出温度TAOとベントモードが設定される目標吹出温度TAOとの間の温度の場合にバイレベルモードに設定される。

    また、暖房運転中や第1除湿暖房運転中において、車室外の空気の温度が低くなると、室外熱交換器22を流通する冷媒が吸熱し難くなる。 暖房運転中や第1除湿暖房運転中において、室外熱交換器22における吸熱量が不足すると、冷媒回路20の冷媒の循環量が減少して放熱器15からの放熱量が減少し、暖房能力が不足する場合がある。

    このため、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、放熱器15における放熱量を増加させるために、第4電磁弁26dを開放する。

    暖房運転中や第1除湿暖房運転中に第4電磁弁26dを開放すると、図6(図6では暖房運転を示す)に示すように、気液分離器29に流入した冷媒の一部が冷媒流通路20kを流通して圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入される。 このとき、圧縮機21に吸入される冷媒は、気液分離器29の上部側から流出する主に気体の冷媒であるが、運転状態によっては気液2相状態の冷媒が吸入される場合がある。 また、冷媒流通路20kを介して圧縮機21に吸入される冷媒量は、制御弁24の膨張手段側の開度を制御することによって所定の冷媒量に調整される。

    これにより、圧縮機21は、圧縮途中の冷媒が流通する部分に主に気体の冷媒を吸入することから、室外熱交換器22における吸熱量が小さく冷媒回路20の冷媒の循環量が減少したときでも、圧縮機21の冷媒の吐出量を増加させることが可能である。 放熱器15においては、圧縮機21の冷媒の吐出量を増加させることによって、放熱量を増加させることが可能である。

    また、圧縮機21には、アキュムレータ30を介して冷媒を吸入させることによって、圧縮機21の潤滑に必要な潤滑油の戻り量を確保することが可能である。

    このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、暖房運転および第1除湿暖房運転において放熱器15から流出した冷媒を減圧する放熱冷媒膨張弁25と、放熱冷媒膨張弁25において減圧した冷媒を流入させることで、気体の冷媒と液体の冷媒とに分離する気液分離器29と、気液分離器29において分離された少なくとも気体の冷媒の一部を圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入させるバイパス回路としての冷媒流通路20kと、を備えている。 これにより、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、圧縮機21の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器15における放熱量を増加させることができる。 このため、暖房運転時においては、暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時においては、暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータ30を介して冷媒が圧縮機21に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機21への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    また、暖房運転中や第1除湿暖房運転中において、放熱器15における冷媒の過冷却度が所定の過冷却度となるように、放熱冷媒膨張弁25の弁開度を制御するとともに、冷媒流通路20kを流通する冷媒の流量が所定の流量となるように、制御弁24の膨張手段側の弁開度を制御するようにしている。 これにより、放熱器15における放熱量を必要な放熱量とすることができるので、車室内の温度を目的の温度とする制御性能を向上させることが可能となる。

    図7は、本発明の第2実施形態を示すものである。 尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。

    この車両用空気調和装置は、図7に示すように、前記第1実施形態の第4電磁弁26dの代わりとして、冷媒流通路20kに開度が可変の電子膨張弁からなるバイパス膨張弁31が設けられている。

    以上ように構成された車両用空気調和装置では、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合に、放熱器15における放熱量を増加させるために、バイパス膨張弁31を開放する。

    暖房運転中や第1除湿暖房運転中にバイパス膨張弁31を開放すると、図7(図7では暖房運転を示す)に示すように、気液分離器29を流通する冷媒の一部が冷媒流通路20kを流通して圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入される。 このとき、圧縮機21に吸入される冷媒は、気液分離器29の上部側から流出する主に気体の冷媒であるが、運転状態によっては気液2相状態の冷媒が吸入される場合がある。 また、冷媒流通路20kを介して圧縮機21に吸入される冷媒量は、制御弁24の膨張手段側の開度を固定した状態で、バイパス膨張弁31の弁開度を制御することによって所定の流量に調整される。

    これにより、圧縮機21は、圧縮途中の冷媒が流通する部分に主に気体の冷媒を吸入することから、室外熱交換器22における吸熱量が小さく冷媒回路20の冷媒の循環量が減少したときでも、圧縮機21の冷媒の吐出量を増加させることが可能である。 放熱器15においては、圧縮機21の冷媒の吐出量を増加させることによって、放熱量を増加させることが可能である。

    また、圧縮機21には、アキュムレータ30を介して冷媒を吸入させることによって、圧縮機21の潤滑に必要な潤滑油の戻り量を確保することが可能となる。

    このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、前記実施形態と同様に、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、圧縮機21の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器15における放熱量を増加させることができる。 このため、暖房運転時においては、暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時においては、暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータ30を介して冷媒が圧縮機21に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機21への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    また、暖房運転中や第1除湿暖房運転中において、放熱器15における冷媒の過冷却度が所定の過冷却度となるように、放熱冷媒膨張弁25の弁開度を制御するとともに、冷媒流通路20kを流通する冷媒の流量が所定の流量となるように、バイパス膨張弁31の弁開度を制御するようにしている。 これにより、放熱器15における放熱量を必要な放熱量とすることができるので、車室内の温度を目的の温度とする制御性能を向上させることが可能となる。

    図8は、本発明の第3実施形態を示すものである。 尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。

    この車両用空気調和装置は、前記第1実施形態の放熱器15の代わりとして、図8に示すように、熱媒体としてのと冷媒とを熱交換させる放熱器としての冷媒放熱器33が空気流通路11外に設けられている。

    冷媒放熱器33の水を冷媒と熱交換させるための熱交換部33aには、水が流通する熱媒体回路としての水回路40が接続されている。 水回路40には、水を吐出する水ポンプ41と、空気流通路11を流通する空気と水を熱交換させるための熱媒体放熱器としてのヒータコア42と、車両走行用のエンジンが排出する熱を水に吸熱させるための排出熱吸熱部としてのラジエータ43と、水を加熱するための電気ヒータ44と、が接続されている。

    以上のように構成された車両用空気調和装置において、冷媒回路20では、前記第1実施形態と同様に冷媒を流通させることが可能であり、冷媒流通路20kを介して気液分離器29内の主に気相状態の冷媒を圧縮機21に吸入させることが可能である。

    また、水回路40では、除湿冷房運転、暖房運転、第1除湿暖房運転および第2除湿暖房運転の際に水ポンプ41を運転して水を流通させる。

    水回路40を流通する水は、冷媒放熱器33において冷媒から吸熱し、ヒータコア42において空気流通路11を流通する空気と熱交換して放熱する。 水回路40を流通する水は、冷媒放熱器33において加熱される以外に、ラジエータ43においてエンジンの排出する熱によって加熱される。 また、空気流通路11を流通する空気の加熱量が不足する場合には、電気ヒータ44によって水回路40を流通する水を加熱することによって、不足する加熱量を補うことが可能である。

    このように、本実施形態の車両用空気調和装置では、前記第1実施形態と同様に、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、圧縮機21の冷媒吐出量を増加させることで、冷媒放熱器33における放熱量を増加させることができる。 このため、暖房運転時においては、暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時においては、暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータ30を介して冷媒が圧縮機21に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機21への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    また、エンジンの排出する熱によって水回路40を流通する水を加熱するためのラジエータ43が水回路40に接続されている。 これにより、水回路40の水をエンジンの排出する熱によって加熱することによって、暖房運転や第1除湿暖房運転を行うことができるので、エンジンの排出熱を有効に利用してエネルギーの消費量を低減することが可能となる。

    また、水回路40を流通する水を加熱するための電気ヒータ44を備えている。 これにより、暖房運転時や第1除湿暖房運転時における暖房能力の不足熱量を補うことが可能となるので、車室内を要求される温度に維持することが可能となる。

    尚、前記第3実施形態では、暖房運転時や第1除湿暖房運転時における暖房能力の不足熱量を電気ヒータ44によって水回路40を流通する水を加熱するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。 例えば、図9に示すように、冷媒流通路20fのアキュムレータ30と圧縮機21との間に電気ヒータ44を設け、電気ヒータ44によって冷媒回路20を流通する冷媒を加熱するようにしてもよい。 また、冷媒回路20に対する電気ヒータ44の取り付け位置としては、アキュムレータ30と圧縮機21との間に限られない。 例えば、電気ヒータ44を、冷媒流通路20kに設けてもよいし、圧縮機21の吐出側と冷媒放熱器33との間に設けてもよい。 また、水回路40および冷媒回路20のそれぞれに電気ヒータ44を設け、水回路40を流通する水と冷媒回路20を流通する冷媒を同時に電気ヒータ44によって加熱するようにしてもよい。

    また、前記第3実施形態では、熱媒体として水を流通させる水回路40を示したが、これに限られるものではなく、例えばエチレングリコールを主成分とする不凍液を熱媒体として用いることも可能である。

    また、前記第3実施形態では、水回路40に、エンジンの排出する熱を水に吸熱させるためのラジエータ43を接続したものを示したが、これに限られるものではない。 例えば、車両に設けられた電動モータやバッテリから排出される熱等、車両の走行時に排出される熱を、水回路40を流通する水に吸熱させるようにしてもよい。

    図10は、本発明の第4実施形態を示すものである。 尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。

    この車両用空気調和装置の冷媒回路20は、図10に示すように、第1実施形態における制御弁24の代わりに、冷媒流入口および冷媒流出口がそれぞれ1つずつ設けられ、減圧領域と凝縮圧力調整領域のそれぞれの範囲で弁開度を調整可能な制御弁34を備えている。

    具体的には、圧縮機21の冷媒吐出側に放熱器15の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20aが設けられている。 また、放熱器15の冷媒流出側には、制御弁34の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20bが設けられている。 冷媒流通路20bには、冷媒流通方向の上流側から順に、放熱冷媒膨張弁25、気液分離器29が設けられている。 制御弁34の冷媒流出側には、室外熱交換器22の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20cが設けられている。 また、室外熱交換器22の冷媒流出側には、圧縮機21の冷媒吸入側が接続されることによって、冷媒流通路20dが設けられている。 冷媒流通路20dには、冷媒流通方向の上流側から順に、第1電磁弁26a、アキュムレータ30が設けられている。 冷媒流通路20bには、内部熱交換器23の高圧冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20eが設けられている。 冷媒流通路20eには、冷媒流通方向の上流側から順に、第2電磁弁26b、第1逆止弁27aが設けられている。 内部熱交換器23の高圧冷媒流出側には、吸熱器14の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20fが設けられている。 冷媒流通路20fには、吸熱器用膨張弁28が設けられている。 吸熱器14の冷媒流出側には、内部熱交換器23の低圧冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20gが設けられている。 内部熱交換器23の低圧冷媒流出側には、冷媒流通路20dの第1電磁弁26aとアキュムレータ30との間が接続されることによって、冷媒流通路20hが設けられている。 室外熱交換器22の冷媒流出側には、冷媒流通路20dと並列に、気液分離部22aの冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20iが設けられている。 冷媒流通路20iには、第3電磁弁26cが設けられている。 気液分離部22aの冷媒流出側には、過冷却部22bを介して冷媒流通路20eの第1逆止弁27aの冷媒流通方向下流側が接続されることによって、冷媒流通路20jが設けられている。 冷媒流通路20jには、第2逆止弁27bが設けられている。 また、気液分離器29には、圧縮機21の冷媒吸入側が接続されることによって、バイパス回路としての冷媒流通路20kが設けられている。 冷媒流通路20kには、第4電磁弁26dが設けられている。

    以上のように構成された車両用空気調和装置の暖房運転において、冷媒回路20では、制御弁34の冷媒流路を膨張手段側に設定し、第1電磁弁26aを開放するとともに、第2〜第4電磁弁26b,26c,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20b,20c、室外熱交換器22、冷媒流通路20dの順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、室外熱交換器22において吸熱する。

    また、第1除湿暖房運転において、冷媒回路20では、制御弁34の冷媒流路を膨張手段側に設定し、第1および第2電磁弁26a,26bを開放するとともに、第3および第4電磁弁26c,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20bを順に流通する。 冷媒流通路20bを流通する冷媒の一部は、冷媒流通路20c、室外熱交換器22、冷媒流通路20dの順に流通して圧縮機21に吸入される。 また、冷媒流通路20bを流通するその他の冷媒は、冷媒流通路20e、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20f、吸熱器14、冷媒流通路20g、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20h,20d、の順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、吸熱器14および室外熱交換器22において吸熱する。

    暖房運転中や第1除湿暖房運転中に第4電磁弁26dを開放すると、放熱器15から流出する冷媒は、第1実施形態と同様に、気液分離器29を流通する冷媒の一部が冷媒流通路20kを流通して圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入される。

    このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、前記実施形態と同様に、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、圧縮機21の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器15における放熱量を増加させることができる。 このため、暖房運転時においては、暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時においては、暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータ30を介して冷媒が圧縮機21に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機21への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    尚、前記第4実施形態の冷媒回路20は、前記第3実施形態の水回路40を備えたものに対しても適用可能である。

    図11および図12は、本発明の第5実施形態を示すものである。 尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。

    この車両用空気調和装置の冷媒回路20は、第4実施形態と同様の冷媒流通路において、気液分離部22aおよび過冷却部22bを有していないものである。

    以上のように構成された車両用空気調和装置の冷房運転および除湿冷房運転において、冷媒回路20では、制御弁34の冷媒流路を凝縮圧力調整手段側に設定し、第3電磁弁26cを開放するとともに、第1、第2および第4電磁弁26a,26b,26dを閉鎖して圧縮機21を運転する。
    これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、図11に示すように、冷媒流通路20a、放熱器15、冷媒流通路20b,20c、室外熱交換器22、冷媒流通路20i,20e、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20f、吸熱器14、冷媒流通路20g、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20h,20dの順に流通して圧縮機21に吸入される。 冷媒回路20を流通する冷媒は、冷房運転において、室外熱交換器22において放熱して吸熱器14において吸熱する。 また、除湿冷房運転として、エアミックスダンパ16を開放すると、冷媒回路20を流通する冷媒は放熱器15においても放熱する。
    本実施形態における冷房運転および除湿冷房運転では、気体の冷媒と液体の冷媒がアキュムレータ30に流入するため、液体の冷媒がアキュムレータ30内に蓄えられ、気体の冷媒が圧縮機21に吸入される。

    また、暖房運転および第1除湿暖房運転において、冷媒回路20では、第4実施形態と同様に、冷媒が流通する。

    また、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に第4電磁弁26dを開放すると、放熱器15から流出する冷媒は、図12(図12では暖房運転を示す)に示すように、気液分離器29を流通する冷媒の一部が冷媒流通路20kを流通して圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に吸入される。

    このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、前記実施形態と同様に、暖房運転中や第1除湿暖房運転中に車室外の空気の温度が低くなる場合には、圧縮機21の冷媒吐出量を増加させることで、放熱器15における放熱量を増加させることができる。 このため、暖房運転時においては、暖房能力を向上させることができ、除湿暖房運転時においては、暖房能力を低下させることなく除湿が可能となる。 また、暖房運転時および除湿暖房時には、アキュムレータ30を介して冷媒が圧縮機21に吸入されるので、冷媒循環量が低下した状態でも、圧縮機21への潤滑油の戻り量の不足を防止することが可能となる。

    尚、前記実施形態では、暖房運転および第1除湿暖房運転時に室外熱交換器22に流入する冷媒を減圧するための膨張手段と除湿冷房運転時に放熱器15における冷媒の凝縮圧力を制御するための凝縮圧力調整手段とを有する制御弁24,34を示したが、これに限られるものではない。 例えば、冷媒回路20に、制御弁24,34の代わりに開度が可変の膨張手段と凝縮圧力調整手段とを別々に構成するようにしてもよい。

    また、前記実施形態では、一対の冷媒吸入口が設けられた圧縮機21の圧縮途中の冷媒が流通する部分に連通する冷媒吸入口に冷媒流通路20kを接続するようにしたものを示したがこれに限られるものではない。 例えば、圧縮機21が二段圧縮機の場合に、一段目と二段目との間の冷媒流通路に冷媒流通路20kを接続するようにしてもよい。

    10…空調ユニット、14…吸熱器、15…放熱器、20…冷媒回路、20k…冷媒流通路、21…圧縮機、22…室外熱交換器、24…制御弁、25…放熱冷媒膨張弁、26a,26b,26c,26d…第1〜第4電磁弁、28…吸熱器用膨張弁、29…気液分離器、30…アキュムレータ、33…冷媒放熱器、33a…熱交換部、34…制御弁、40…水回路、41…水ポンプ、42…ヒータコア、43…ラジエータ、44…電気ヒータ。

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