電子機能が連結された機械式腕時計用ブレスレット

申请号 JP2016164372 申请日 2016-08-25 公开(公告)号 JP2017075934A 公开(公告)日 2017-04-20
申请人 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド; 发明人 ジャン−クロード・マルタン; ジャン−ジャック・ボルン; ティエリ・コニュ; ジャン−クロード・エッゲン; エマニュエル・フルーリー; ミシェル・ウィルマン;
摘要 【課題】少なくとも1つの第1の機械的機能を実行するよう構成された機械式腕時計を、少なくとも1つの第2の機能を実行するよう構成された電子デバイスと連結した腕時計を提供する。 【解決手段】第1の音響警報 信号 を生成するよう構成された機械式デバイスと、ブレスレットに格納され、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するよう構成された電子デバイス56とを備える腕時計であって、電子デバイス56は、第1の機械的機能を実行するための機械式デバイスが第1の音響警報信号を生成した瞬間に、第2の音響警報信号を生成するよう構成される。 【選択図】図6
权利要求

少なくとも1つの第1の機械的機能を実行するよう構成された機械式デバイス(20)を備える機械式時計ムーブメント(18)が格納された腕時計ケース(2)を備える、腕時計であって、 前記腕時計ケース(2)は、少なくとも1つの第2の機能を実行するよう構成された電子デバイス(56)が格納されたブレスレット(4)又はストラップと連結され、 前記第2の電子機能の実行は、前記第1の機械的機能の実行に依存する、腕時計。前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイスは、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式打撃デバイス(20)であり、 前記ブレスレット(4)に格納された前記電子デバイス(56)は、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するよう構成され、 前記電子デバイス(56)は、前記機械式打撃デバイスが前記第1の音響警報信号を生成した瞬間に、又は前記機械式打撃デバイスの動作開始に続いて所定の若しくはユーザが選択可能な期間だけ後に、前記第2の音響警報信号を生成するよう構成される ことを特徴とする、請求項1に記載の腕時計。透明の裏蓋(6)を備え、 前記第2の電子機能を実行するための前記電子デバイス(56)は、前記透明裏蓋(6)の下側に位置して、前記機械式打撃デバイスの可動要素の運動の開始を検出できるように、前記ブレスレット(4)内に配設された、画像センサ(58)を備える ことを特徴とする、請求項2に記載の腕時計。前記画像センサ(58)は、前記センサが走査した画像のグレーレベルの変化を検出できるよう構成されることを特徴とする、請求項3に記載の腕時計。前記画像センサ(58)はCMOSタイプのものであることを特徴とする、請求項4に記載の腕時計。前記第2の電子機能を実行するための前記電子デバイス(56)は、前記画像センサ(58)が画像取得を行う条件を改善するために前記ブレスレット(4)に配設された光源(66)を備えることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の腕時計。前記画像センサ(58)は、前記機械式打撃デバイス(20)が動作を開始して前記第1の音響警報信号を放出していることを前記画像センサ(58)が検出するとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成されることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の腕時計。前記画像センサ(58)は、前記画像センサ(58)が走査する前記可動要素が停止した場合、及び前記第1の音響警報信号が停止した場合に、前記電子音声又は振動生成器(62)を停止させるよう構成された前記電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成されることを特徴とする、請求項7に記載の腕時計。前記画像センサ(58)はコリメータレンズ(64)で覆われることを特徴とする、請求項3又は8に記載の腕時計。不透明かつ非導電性の裏蓋(6)を備え、 前記第2の電子機能を実行するための前記電子デバイス(56)は、前記不透明かつ非導電性の裏蓋(6)の下側に位置して、前記機械式デバイス(20)の可動要素の運動の開始を検出できるように、前記ブレスレット(4)内に配設された容量性センサ(76)、磁気センサ又は誘導性センサ(90)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の腕時計。前記容量性センサ(76)は、RC発振子(78)、復調器(80)、出段(82)を備え、 前記RC発振子(78)、前記復調器(80)、前記出力段(82)は、前記容量性センサ(76)が、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)の動作の開始によって引き起こされた容量変化、及び前記機械式デバイス(20)による第1の音響警報信号の放出を検出するとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成される ことを特徴とする、請求項10に記載の腕時計。前記磁気センサは、可撓性リード(86)を有するリードスイッチ(84)であり、 前記リードスイッチ(84)は、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)が動作を開始すると移動を開始する磁石(88)の変位の結果として、前記可撓性リード(86)が互いに引き合うとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成される ことを特徴とする、請求項10に記載の腕時計。前記磁気センサは、巨大磁気抵抗センサであり、 前記巨大磁気抵抗センサは、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)が動作を開始すると移動を開始する磁石(88)の変位の結果として、前記センサの電気抵抗が変動するとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成される ことを特徴とする、請求項10に記載の腕時計。前記誘導性センサ(90)は、磁気回路(94)の周囲に作製された巻線(92)を備え、 また前記誘導性センサ(90)は、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)が動作を開始すると移動を開始する磁石(88)の変位の結果として、前記巻線(92)内で電流が誘起されるとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成される ことを特徴とする、請求項10に記載の腕時計。前記誘導性センサ(90)は、LC発振器回路を備え、 前記LC発振器回路は、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)の可動金属要素の変位の結果として、インダクタンスが変動するとすぐに、電子音声又は振動生成器(62)を作動させるよう構成された電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成される ことを特徴とする、請求項10に記載の腕時計。前記第2の電子機能を実行するための前記電子デバイス(56)は、マイクロフォン(96)を備え、 前記マイクロフォン(96)は、前記第1の電子機能を実行するための前記機械式デバイス(20)の動作の開始によって生成された音波を検出して、電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成され、前記電子制御ユニット(60)が電子音声又は振動生成器(62)を作動させる ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の腕時計。前記第2の電子機能を実行するための前記電子デバイス(56)は、加速度計を備え、 前記加速度計は、前記第1の電子機能を実行するための前記機械式デバイス(20)の動作の開始によって生成された機械的振動を検出して、電子制御ユニット(60)に電気信号を送信するよう構成され、前記電子制御ユニット(60)が電子音声又は振動生成器(62)を作動させる ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の腕時計。前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)は、前記第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイスが設定済状態であるか又は未設定状態であるかに関する指標を提供する機械式インジケータ部材(98)を備え、 また前記電子デバイス(56)は、前記機械式インジケータ部材(98)が提供する前記指標を走査するよう構成された手段と、前記第1の機械的機能が開始される瞬間を検出するよう構成された第2の手段とを備える、 ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の腕時計。前記機械式インジケータ部材(98)は、吸収性である第1の表面部分(100a)と、反射性である第2の表面部分(100b)とを有するディスク(100)を備え、前記ディスク(100)は、前記機械式デバイス(20)が未設定状態であるか又は設定済状態であるかに応じて、第1の位置と第2の位置との間を移動するよう構成されること;並びに 前記機械式インジケータ部材(98)が提供する前記指標を走査するよう構成された前記手段は、前記ブレスレット(4)内の前記ディスク(100)の下側に格納された光源(102)及び光センサ(104)を備え、前記光源(102)が放出した光は、前記光が前記ディスク(100)の前記第1の吸収性表面部分(100a)又は前記第2の反射性表面部分(100b)のいずれに当たるかに応じて吸収又は反射され、また前記第1の機械的機能が開始される瞬間を検出するよう構成された前記手段は、前記ディスク(100)の前記第2の反射性表面部分(100b)が反射した前記光を前記光センサ(104)が感知したときに、前記機械式デバイス(20)の可動要素の運動の開始を検出して、前記機械式デバイス(20)が動作を開始する瞬間に関する走査を開始できる、画像センサ(106)を備えること を特徴とする、請求項18に記載の腕時計。前記機械式インジケータ部材(98)が提供する前記指標を走査するよう構成された前記手段は、前記ブレスレット(4)内の前記ディスクの下側に格納された光源(102)及び光センサ(104)を備え、 前記ディスクは、前記光センサ(104)が光を感知できない方向に光を反射させる第1の表面部分と、前記光センサ(104)の方向に光を反射させる第2の表面部分とを有し、 前記ディスク(100)は、前記機械式デバイス(20)が未設定状態であるか又は設定済状態であるかに応じて、第1の位置と第2の位置との間を移動するよう構成され、 従って前記光源(102)が放出した光は、前記光が前記ディスクの前記第1の表面部分又は前記第2の表面部分のいずれに当たるかに応じて偏向又は反射され、 前記第1の機械的機能が開始される瞬間を検出するよう構成された前記手段は、前記ディスクが反射した前記光を前記光センサ(104)が感知したときに、前記機械式デバイス(20)の可動要素の運動の開始を検出して、前記機械式デバイス(20)が動作を開始する瞬間に関する走査を開始できる、画像センサ(106)を備えること を特徴とする、請求項18に記載の腕時計。前記電子デバイス(56)は、前記機械式インジケータ部材(98)によって提供される前記指標を走査するために使用される第1の表面部分(110a)と、前記機械式デバイス(20)の動作の開始を検出するために使用される第2の表面部分(110b)とをそれぞれ有する画像センサ(110)を備えることを特徴とする、請求項18に記載の腕時計。機械式時計ムーブメント(18)を格納する腕時計ケース(2)を備える腕時計内で、音響警報信号を生成するための方法であって、 前記機械式時計ムーブメント(18)は、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式打撃デバイス(20)を備え、 前記腕時計ケース(2)は、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するための電子デバイス(56)を格納したブレスレット(4)に連結され、 前記電子デバイス(56)は、第1の機械的機能を実行するための前記機械式デバイス(20)が前記第1の音響警報信号を生成する瞬間、又は前記機械式デバイス(20)の動作開始に続く所定の又はユーザが選択可能な期間後に、第2の音響警報信号を生成するよう構成される、方法。

说明书全文

本発明は、機械式時計ムーブメントを内包する腕時計ケースと、上記腕時計ケースに着脱可能に連結された腕時計用ブレスレット又はストラップとに関し、上記腕時計用ブレスレットは、上記腕時計ケースに格納された上記機械式時計ムーブメントが実施する1つ又は複数の機械的機能を補助又は改善する電子機能を実施するための電子デバイスを含む。

ユーザが自身の機械式腕時計に対して愛着を感じることは公知である。実際に、機械式時計ムーブメントは、特に小型化、精密に作製される構成部品、装飾、度々発生する極端な条件における動作の信頼性、提供される時計用コンプリケーションの選択、電子式腕時計の分野では一般に見出されることが少ない価値といった点で、高いレベルの専門技術と同一視される。しかしながら、純粋に機械式の腕時計では実現できない、電子式腕時計が提供する機能(例えば照明)が存在する。そのため、機械式時計ムーブメントに対する改造を一切必要とすることなく、純粋に機械式の腕時計を1つ又は複数の追加の電子機能と連結することに対して、多大な需要が存在する。

この目的を達成するために、機械式腕時計用腕時計又はストラップに電子デバイスを組み込み、腕時計の機械式時計ムーブメントが実施する機能に追加される更なる電子機能を実行できるようにすることが既に提案されている。その例として、Montblancが販売しているE‐strap(登録商標)を挙げることができる。その結果、機械式腕時計と、このような腕時計にユーザが覚える感情的な価値とが変化しないまま、電子デバイスだけが提供できる追加の機能も享受できる。

電子デバイスを組み込む上述のタイプの腕時計ブレスレットの目的が、機械式腕時計ムーブメントが実施する機能に追加される少なくとも1つの更なる電子機能を提供することであることは、上記から理解される。換言すると、腕時計ケース内に内包される機械式時計ムーブメントによる機械的機能の実行は、ブレスレットの厚さ内又はブレスレットを閉鎖及び開放するクラスプに格納された電子デバイスによる電子機能の実行と完全に独立しており、これにより、ある所定のブレスレットを、異なるブランドの腕時計ケースに連結することを想定することが完全に可能となる。

しかしながら、出願人の知識の範囲では、電子デバイスを組み込み、かつ上記電子デバイスが対象とする機能の実行が、機械式時計ムーブメントによって保証される機能の対応する実行に依存するような腕時計ブレスレット又はストラップは、現在市販されていないようである。

本発明の目的は、少なくとも1つの第1の機械的機能を実行するよう構成された機械式腕時計を、少なくとも1つの第2の機能を実行するよう構成された電子デバイスと連結することであり、ここで上記電子デバイスによる上記第2の電子機能の実行は、上記時計ムーブメントによる上記第1の機械的機能の実行に依存する。

この目的のために、本発明は、機械式時計ムーブメントを格納した腕時計ケースを備える腕時計に関し、上記機械式時計ムーブメントは、少なくとも1つの第1の機械的機能を実行するための機械式デバイスを備え、上記腕時計ケースは、少なくとも1つの第2の電子機能を実行するよう構成された電子デバイスを格納する腕時計用ブレスレット又はストラップに連結され、上記第2の電子機能の実行は、上記第1の機械的機能の実行に依存する。

本発明のある好ましい実施形態によると、上記第1の機械的機能を実行するための上記機械式デバイスは、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式打撃デバイスであり、上記ブレスレットに格納された上記電子デバイスは、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するよう構成され、上記電子デバイスは、上記機械式打撃デバイスが上記第1の音響警報信号を生成した瞬間に、上記第2の音響警報信号を生成するよう構成される。また、固定期間又はユーザが選択可能な期間だけ、第2の音響警報信号の起動を時間的にオフセットすることも想定できる。

これらの特徴により、本発明は、機械式時計ムーブメントを備える機械式腕時計を提供し、この機械式時計ムーブメントは、ブレスレットの厚さ内に格納された電子デバイスに連結された、ある機械的機能を実行するよう構成された機械式デバイスを備え、上記電子デバイスは、上記機械式時計ムーブメントの上記機械式デバイスが上記機械的機能を実行した正にその瞬間に、ある電子機能を実行するよう構成される。従ってこのような構成では、上記機械式時計ムーブメントはマスターデバイスとして機能し、上記ブレスレットに格納された上記電子デバイスはスレーブデバイスとして機能することが理解される。

「機械式腕時計」は、その時間関連機能及び適切な場合は非時間関連機能が、動作に必要なエネルギが1つ又は複数の主ぜんまいによって供給される機械的構成部品のみによって保証される、腕時計を意味する。

「電子デバイス」は、その機能が、動作に必要なエネルギが再充電可能であってよいバッテリ又はアキュムレータによって供給される電気的又は電子的構成部品のみによって保証される、デバイスを意味する。

本発明の上記好ましい実施形態では、第1の機械的機能を実行するための上記機械式デバイスは、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式打撃デバイスであり、上記ブレスレットに格納された上記電子デバイスは、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するよう構成される。従って、上記機械式打撃デバイスがその音響警報信号を放出すると、上記電子デバイスはそれ自体の音響及び/又は機械的警報信号を同時に又はある遅延後に放出する。よって、ブレスレットに格納された上記電子デバイスは、上記機械式打撃デバイスの動作性能を、特に生成される音響出並びに周波数の選択及び組み合わせによるメロディに関して改善できる。現在、機械的打撃デバイスを備える時計ムーブメントが生成する音声レベルは低く、典型的には40cmの距離において65〜75dBであるため、これは極めて有利である。これは特に、腕時計ケースのジオメトリ及び腕時計ケースが作製される材料によって課される、寸法及び音響伝播に関する制約、並びに機械式打撃デバイスが専用の主ぜんまいによって動力供給されている場合でさえ、利用可能な機械的エネルギの量が制限されることが原因である。更に、音響警報信号の持続時間は通常10〜20秒を超えず、主ぜんまいが略完全に解けると上記音響信号の強度の降下が観察される。

腕時計ケースが透明裏蓋を備える場合、第2の電子機能を実行するための上記電子デバイスは、典型的にはCMOS(相補型金属酸化膜半導体)タイプの画像センサを備え、これは上記透明裏蓋の下側になるように上記ブレスレットの内側に配設される。このような場合、画像センサが画像取得を行う条件を改善するために、ブレスレット内に光源を配設することもできる。

上記画像センサは、上記機械式打撃デバイスが提供する指標を、短い規則的な間隔で走査するよう構成される。上記機械式打撃デバイスが動作を開始して第1の音響警報信号を放出していることを上記画像センサが検出すると、上記画像センサはすぐに、電子音声生成器を作動させる電子制御ユニットに電気信号を送信する。これにより、上記機械式打撃デバイスが生成する上記音響警報信号は、上記電子警報信号によって補強され、これにより、本発明による機械式腕時計が生成する音響警報信号の音響出力を上昇させて、その可聴性を改善できる。これはまた、ポリフォニックな音声を生成することにより、上記機械式デバイスが生成する上記音響信号の響きを豊かにすることもできる。上記機械式打撃デバイスが動作を開始して第1の音響警報信号を生成する瞬間を上記画像センサが検出するために、上記画像センサは、上記機械式打撃デバイスの、通常時は不動化されているが上記機械式打撃デバイスが上記第1の音響信号を放出する瞬間だけ運動する構成部品を、短い規則的な間隔で走査するよう構成される。この構成部品は例えば、平な平面内において関節接合点の周りで枢動する打撃用アンクルであってよい。

上記腕時計ケースが不透明かつ非導電性の裏蓋を備える場合、上記機械式打撃デバイスが提供する指標を検出するための上記電子デバイスは、容量性、磁気又は誘導性センサを備える。

容量性センサの場合、これは典型的には、RC発振子、復調器、出力段を備える。このような容量性センサの動作は、上記機械式打撃デバイスとの物理的接触が一切ない状態で発生し、上記容量性センサの有効領域内の電場の変化に依存する。腕時計ケースの裏蓋の下側に配置されるこの容量性センサは、機械式打撃デバイスが静止状態である限りは固定されたままである、ある特定の静電容量値を検出する。上記機械式打撃デバイスが動作を開始し、上記第1の音響警報信号を放出する瞬間、上記容量性センサは、上記機械式打撃デバイスの動作の開始によって引き起こされた静電容量の変化を検出し、これはRC回路の発振周波数の変動を引き起こす。この周波数変動の検出により、電気的出力信号が生成され、これは上記電子制御ユニットに送信され、上記電子制御ユニットは上記電子音声生成器を作動させる。

同様に、磁気センサは、上記機械式打撃デバイスの動作の開始によって引き起こされた磁場の変化を検出する。非限定的な例として、この磁気センサは、巨大磁気抵抗センサ、例えば米国の企業であるNVEが市販している、巨大磁気抵抗デジタルスイッチ又はGMRとしても公知の巨大磁気抵抗センサであってよい。磁気抵抗は、何らかの材料が磁場に曝露された場合に、上記材料がその電気抵抗の値を変化させなければならない特性である。よって巨大磁気抵抗センサは、この巨大磁気抵抗センサが曝露されている磁場の変動に応じた電気的制御信号を出力するよう構成される。NVEセンサは、透明裏蓋(サファイア、プレキシガラス、ガラス)又は不透明かつ非磁性の裏蓋(ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、真鍮、セラミック、プラスチック)を通して動作する、超低電力センサである。これはまた、可撓性リードを有するリードスイッチであってもよい。このために、上記機械式打撃デバイスが動作を開始する際に移動を開始する、上記機械式打撃デバイスの構成部品のうちの少なくとも1つは、磁石を備える。これにより、上記構成部品が移動すると、上記磁石はこれに付随して移動して、上記リードスイッチの場合は上記可撓性接点を磁化し、上記可撓性接点は互いに引き合い、互いに接触する。続いてリードスイッチは閉鎖されて、電気的出力信号を電子制御ユニットに送信でき、上記電子制御ユニットは上記電子音声生成器を作動させる。

最後に、誘導性センサは従来と同様、磁気回路の周囲に作製された巻線を備え、この巻線の役割は磁場を流すことである。機械式打撃デバイスが動作を開始したときに移動を開始する、上記機械式打撃デバイスの少なくとも1つの構成部品は、磁石を備える。従って上記機械式打撃デバイスが動作を開始すると、上記磁石が移動して、誘導性センサの巻線内で電流を誘起する。上記誘導性センサは上記電子制御ユニットに電気出力信号を送信し、上記電子制御ユニットは上記電子音声生成器を作動させる。

腕時計の裏蓋が透明であるか不透明であるか、導電性であるか非導電性であるかにかかわらず、上記機械式打撃デバイスが生成する指標を検出するための上記電子デバイスは、マイクロフォンを備える簡略化されたデバイスを備えてよく、上記マイクロフォンは単に、機械式打撃デバイスの動作の開始によって生成された音波を検出して、上記電子制御ユニットに電気信号を送信し、上記電子制御ユニットが上記電子音声生成器を作動させる。

同様に、腕時計の裏蓋の特性にかかわらず、センサとして加速度計を使用することを想定でき、上記加速度計は、上記機械式打撃デバイスの動作状態を測定し、上記機械式打撃デバイスが動作を開始する瞬間を検出する。

本発明の補足的な特徴によると、上記腕時計ケースに格納された、上記第1の機械的機能を実行するための上記機械式デバイスは、上記第1の機械的機能を実行するための上記機械式デバイスが設定済状態であるか又は未設定状態であるかに関する指標を提供する機械式インジケータ部材を備え、また上記電子デバイスは、上記機械式インジケータ部材が提供する上記指標を走査するよう構成された第1の手段と、上記第1の機械的機能が開始される瞬間を走査するよう構成された第2の手段とを備える。

本発明の他の特徴及び利点は、電子機能が連結された本発明による機械式腕時計の例示的実施形態に関する以下の詳細な説明から、より明らかになるであろう。この例は、添付の図面を参照して、単なる非限定的な例示として挙げられるものである。

図1は、電子機能を有するブレスレットを備える腕時計ケースを備える、本発明による腕時計のある例示的実施形態の底面図である。

図2は、図1の腕時計の底面斜視図である。

図3は、機械式打撃デバイスのある例示的実施形態の斜視図である。

図4aは、第2の電子機能を実行するよう構成された電子デバイスが格納されたブレスレットの斜視図である。

図4bは、図4aの円によって囲まれた電子デバイスの拡大図である。

図5は、機械式打撃デバイスが静止状態にあるか、動作中であるか、その後再び停止するかに応じて、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式デバイスと、第2の音響警報信号を生成するよう構成された電子デバイスとで形成された組立体の、静止状態における概略図である。

図6は、機械式打撃デバイスが静止状態にあるか、動作中であるか、その後再び停止するかに応じて、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式デバイスと、第2の音響警報信号を生成するよう構成された電子デバイスとで形成された組立体の、動作中における概略図である。

図7は、機械式打撃デバイスが静止状態にあるか、動作中であるか、その後再び停止するかに応じて、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式デバイスと、第2の音響警報信号を生成するよう構成された電子デバイスとで形成された組立体の、再停止時における概略図である。

図8は、図5の線VIII‐VIIIに沿った断面図である。

図9は、図6の線IX‐IXに沿った断面図である。

図10は、腕時計の裏蓋が不透明かつ非導電性であり、第2の電子機能を実行するよう構成された電子デバイスが容量性センサを備える場合の、本発明による腕時計ケースの部分概略図である。

図11は、腕時計の裏蓋が不透明かつ非導電性であり、第2の電子機能を実行するよう構成された電子デバイスが磁気センサを備える場合の、本発明による腕時計の部分概略図である。

図12は、腕時計の裏蓋が不透明かつ非導電性であり、第2の電子機能を実行するよう構成された電子デバイスが誘導性センサを備える場合の、本発明による腕時計の部分概略図である。

図13は、腕時計ケースが不透明かつ導電性の裏蓋を備え、機械式打撃デバイスによって提供される指標を検出するための電子デバイスが、マイクロフォンを備える簡略化されたデバイスを備え、上記マイクロフォンが、機械式打撃デバイスの動作の開始によって生成された音波を検出して、電子制御ユニットに電気出力信号を送信し、上記電子制御ユニットが電子音声生成器を作動させる場合の、腕時計の部分概略図である。

図14aは、機械式打撃デバイスが、上記機械式打撃デバイスの未設定状態を示す機械式インジケータ部材を備え、また上記電子デバイスが光源及び光検出器を備える場合の、腕時計の部分概略図である。

図14bは、上記機械式インジケータ部材が、上記機械式打撃デバイスの設定済状態を示し、上記光源が放出した光が、上記機械式インジケータ部材の反射表面部分によって上記光検出器に向かって反射される場合の、図14aと同様の図である。

図15aは、機械式打撃デバイスが、上記機械式打撃デバイスの未設定状態を示す機械式インジケータ部材を備え、また上記電子デバイスが、上記機械式インジケータ部材によって提供された指標を走査するために使用される第1の表面部分と、上記機械式打撃デバイスの動作の開始を走査するために使用される第2の表面部分とを備える画像センサを備える場合の、腕時計の部分概略図である。

図15bは、ユーザが上記機械式打撃デバイスを設定したときに、上記機械式インジケータ部材が側方へ移動し、画像センサの視野から外れた場合の、図15aと同様の図である。

図16aは、機械式打撃デバイスが、上記機械式打撃デバイスが設定されていないときに上記機械式打撃デバイスを覆い隠す機械式インジケータ部材を備える場合の、本発明の腕時計の部分概略図である。

図16bは、上記機械式インジケータ部材が側方へ移動した場合の、図16aと同様の図である。

本発明は、現在時刻表示に加えて第1の機械的機能を実行するよう考案された機械式腕時計を、第2の電子機能を実行するよう考案された電子デバイスがその厚さ内に格納されたブレスレットと連結するという一般発明概念に由来し、上記第2の電子機能の実行は、上記第1の機械的機能の実行に依存する。本発明の好ましい、ただし非限定的なある実施形態では、機械式腕時計は、ユーザがプログラムした所定の瞬間に第1の音響警報を放出するよう構成され、また上記ブレスレットに格納された上記電子デバイスは、上記腕時計が上記第1の音響警報を放出した瞬間に、第2の音響警報及び/又は機械的振動を放出するよう構成される。従って、本発明による腕時計が生成する警報信号の音響出力を、上記腕時計に格納された機械式ムーブメントに対していずれの改造を施す必要なく、増大させることができる。また、警報信号の持続時間を増大させることもでき、そして機械式ムーブメントが生成した音声と調和した、上記音声以外の音声を放出することもできる。

全体を通して一般参照番号1で表される本発明による腕時計は、ブレスレット4を用いてユーザの手首に装着されるよう考案された腕時計ケース2を備える(図1、2参照)。本発明の好ましい、ただし非限定的な上記実施形態では、腕時計ケース2の基部は裏蓋6によって閉鎖され、上部は文字盤10を覆う風防ガラス8によって閉鎖され、文字盤10の上において、時針12、分針14、秒針16が現在時刻表示のために移動する。図1に示す例では、文字盤10は透明なものとして図示されている。しかしながら、本発明の目的に関して、文字盤10は透明である必要はなく、好ましくは不透明となることは明らかである。

現在時刻表示用針12、14、16を駆動するよう考案された機械式時計ムーブメント18は、腕時計ケース2に格納される。この機械式時計ムーブメント18は更に、少なくとも1つの第1の機械的機能を生成するよう、例えば第1の音響警報信号を放出するよう構成された、機械式デバイス20を含む。

単なる例として(図3参照)、機械式打撃デバイス20は、第1の中間ホイール24a、第2の中間ホイール24b、第3の中間ホイール24cを介して解放ホイール26を回転させる、巻き上げステム22を備える。解放ホイール26のチューブは、図1に示すインデックス28を支承するか、又は上記インデックス28に運動学的に接続され、このインデックス28は所望の警報時刻に対面して配置できる。解放ホイール26のプレートは、3つの異なる半径上に配置された3つの開口30で貫通される(図9参照)。筒車32は解放ホイール26の上側で枢動し、ばね36によって巻き上げられた解放レバー34によって解放ホイール26に対して押圧される。筒車32のプレートは3つの受け38を有し、これらはそれぞれ傾斜平面40を備える。ムーブメントによって駆動された筒車32は回転し、設定された警報時刻において、上記3つの受け38は開口30に対面して位置決めされて開口30内へと落ち、これにより筒車32が解放ホイール26に対して押圧される。この運動の結果として、解放レバー34は上方に傾斜して打撃用アンクル42を解放し、これは打撃用ホイール44によって駆動されて、ある水平面内においてその枢動点46の周りで発振し始める(図9参照)。打撃用香箱(図示せず)によって直接駆動される打撃用ホイール44は、打撃用アンクル42を駆動するガンギ車のように作用する。打撃用アンクル42はハンマー48を支承し、このハンマー48は、ケースの裏蓋に固定されたピンを打ち、警報を発する。打撃機構を巻き上げるための揺動レバー50の端部は、打撃ロック54に対して作用する摺動レバー52と接触する。打撃ロック54は、巻き上げステム22が時刻設定位置にある場合に打撃用アンクル42を不動化する。

図4a、4bに示すように、ブレスレット4に格納された電子デバイス56は、少なくとも1つの第2の電子機能を実行するよう、例えば第2の音響警報信号を放出するよう及び/又は機械的振動を生成するよう構成され、上記第2の電子機能の実行は、上記第1の機械的機能の実行に依存する。換言すると、機械式打撃デバイス20が第1の音響警報信号を生成した瞬間に、電子デバイス56は第2の音響警報信号を放出する、及び/又は機械的振動を生成することになる。よって、腕時計ケース2に格納された機械式打撃デバイス20は、電子デバイス56のマスターとなり、電子デバイス56はスレーブとして機能する。なお、このマスター機能はスレーブ機能に依存しておらず、スレーブ機能が動作していない場合であっても、平常通り動作できることに留意されたい。またある変形例によると、固定期間、例えば5若しくは10秒、又はユーザが選択した期間だけ、電子デバイス56が動作を開始して第2の音響信号を生成する瞬間をオフセットすることも想定できることに留意されたい。

腕時計1のブレスレット4に格納された電子デバイス56は、機械式打撃デバイス20が動作を開始する瞬間に関して短い規則的な間隔で走査する、画像センサ58を備える。機械式打撃デバイス20は初め、静止状態である(図5、8)。機械式打撃デバイス20が動作を開始した瞬間(図6、9)、筒車32は解放ホイール26を押圧し、ばね36によって筒車32に対して押圧された解放レバー34は上方へと枢動して打撃用アンクル42を解放し、打撃用アンクル42は水平面内においてその枢動点46の周りで発振し始める。打撃用アンクル42が支承するハンマー48は、打撃用アンクル42の運動に追従して、例えばピンを打つ。画像センサ58は機械式打撃デバイスの打撃用アンクル等の可動要素の運動の開始を検出し、制御ユニット60に電気信号を送信し、制御ユニット60は電気機械式又は圧電式の電子音声生成器62を作動させる。有利には、画像センサ58はコリメータレンズ64で覆われ、発光ダイオード等の光源66は、透明な裏蓋6を通して腕時計ケース2の内側を照明する。これらの電子構成部品は全て、ブレスレット4の厚さ内に格納されたプリント回路シート68上に設置され、電流源70によって給電される。当然のことながら、画像センサ58が機械式打撃デバイス20を走査できるようにするため、及び光源66がその場面を照明できるようにするために、ブレスレット4を形成する材料の、画像センサ58及び光源66の上側に、開口72、74が設けられる。

画像センサ58は例えば、ST Microelectronicsが参照番号VD5376として市販している画像センサである。この画像センサは、厚さ180μm〜725μmであり、辺はそれぞれ1900μm及び1932μmと測定され、20×20ピクセルのマトリクスで形成された608×608μm2の有効表面を有する。このような画像センサ58は、走査した画像のグレーレベルの変化を検出でき、従って例えば、打撃用アンクル42等の物体の変位を検出できる。この画像センサ58は、打撃用ホイール44等の別の可動要素又はハンマー48の運動の開始を検出できることが理解されるだろう。第1の音響警報信号が停止し、画像センサ58が走査している可動要素が停止すると(図7)、画像センサ58は別の変化を観察する。画像センサ58が実際に捉える画像は再び動かないものとなる。続いて画像センサ58は制御ユニット60に電気信号を送信し、制御ユニット60は電子音声生成器62を停止させる。

本発明のある簡単な変形例によると、第2の警報の持続時間を事前に設定することを想定できる。第1の警報の起動後に第2の警報が開始されると、これは上記時間が経過すると独立して停止することになる。

図6と図7との比較により、図6では筒車32が解放ホイール26に対して押圧されていること、及び図7では筒車32が再び解放ホイール26から離れるように移動していることが分かることに留意されたい。

腕時計ケース2が不透明かつ非導電性の裏蓋6を備える場合、機械式打撃デバイス20によって提供される指標を検出するための電子デバイス56は、容量性、磁気又は誘導性センサである。

容量性センサ76の場合(図10)、これは典型的には、RC発振子78、復調器80、出力段82を備える。このような容量性センサ76の動作は、機械式打撃デバイス20との物理的接触が一切ない状態で発生し、容量性センサ76の有効領域内の電場の変化に依存する。腕時計の裏蓋の下側に配置される容量性センサ76は、機械式打撃デバイス20が静止状態である限りは固定されたままである、ある特定の静電容量値を検出する。機械式打撃デバイス20が動作を開始し、第1の音響警報信号を放出する瞬間、容量性センサ76は、機械式打撃デバイス20の動作の開始によって引き起こされた静電容量の変化を検出し、これはRC回路78の発振周波数の変化を引き起こす。この周波数変動の検出に続いて電気的出力信号が生成され、これは電子制御ユニット60に送信され、上記電子制御ユニット60は電子音声生成器を作動させる。例えば上記容量性センサは、スイスの企業であるEM‐Microelectronicが参照番号EM6420として市販しているセンサであってよい。これは、透明裏蓋(サファイア、プレキシガラス、ガラス)及び不透明な非金属製裏蓋(セラミック、プラスチック)の両方と共に動作できる、超低電力容量性センサである。EM6420回路は、警報が起動される際に動作する金属部品に対面してブレスレットの内側に配置される電極に接続しなければならない。

同様に(図11)、NVEが市販しているGMRセンサ又は可撓性リード86を有するリードスイッチ84等の磁気センサは、機械式打撃機構20の動作の開始によって引き起こされた磁場の変化を検出する。このために、機械式打撃デバイス20が動作を開始する際に移動を開始する、機械式打撃デバイス20の構成部品のうちの少なくとも1つ、例えば打撃用アンクル42は、磁石88を備える。これにより、上記構成部品が移動すると、磁石88はこれに付随して移動して上記可撓性接点86を磁化し、上記可撓性接点86は互いに引き合い、互いに接触する。続いてリードスイッチ84は閉鎖されて、電気的出力信号を電子制御ユニット60に送信でき、上記電子制御ユニット60は電子音声生成器62を作動させる。

最後に(図12)、誘導性センサ90は従来と同様、磁気回路94の周囲に作製された巻線92を備え、この巻線92の役割は磁場を流すことである。機械式打撃デバイス20が動作を開始したときに移動を開始する、機械式打撃デバイス20の少なくとも1つの構成部品、例えば打撃用アンクル42は、磁石88を備える。従って機械式打撃デバイス20が動作を開始すると、磁石88が移動して、誘導性センサ90の巻線92内で電流を誘起する。誘導性センサ90は電子制御ユニット60に電気出力信号を送信し、上記電子制御ユニット60は電子音声生成器62を作動させる。

変形例として、誘導性センサはLC発振器回路を備えてよく、上記LC発振器回路のインダクタンスは、上記機械式デバイスの金属製構成部品の変位の影響下で変動することになる。

腕時計ケース2の裏蓋6が透明であるか不透明であるか、導電性であるか非導電性であるかにかかわらず(図13)、機械式打撃デバイス20が生成する指標を検出するための電子デバイス56は、マイクロフォン96を備える簡略化されたデバイスを備えてよく、上記マイクロフォン96は単に、機械式打撃デバイス20の動作の開始によって生成された音波を検出して、電子制御ユニット60に電気出力信号を送信し、上記電子制御ユニット60が電子音声生成器62を作動させる。

同様に、腕時計ケース2の裏蓋6の特性にかかわらず、センサとして加速度計を使用することを想定してよく、上記加速度計は、上記機械式打撃デバイスの動作状態を測定し、上記機械式打撃デバイスが動作を開始する瞬間にハンマー48が生成する振動を検出する。本発明の要件に好適な1つの加速度計は、参照番号ADXL362として市販されている。これは、特に密閉及び組み込みコストの観点から、マイクロフォンの有利な代替例を構成する、超低電力回路である。

既に詳細に見たように、ブレスレット4に格納された電子デバイス56は、少なくとも1つの第2の電子機能を実行するよう、例えば第2の音響警報信号を放出するよう及び/又は機械的振動を生成するよう構成され、上記第2の電子機能の実行は、上記第1の機械的機能の実行により決定される。換言すると、機械式打撃デバイス20が第1の音響警報信号を生成した瞬間に、電子デバイス56は第2の音響警報信号を放出する、及び/又は機械的振動を生成することになる。よって、腕時計ケース2に格納された機械式時計ムーブメント18は、電子デバイス56のマスターとなり、電子デバイス56はスレーブとして機能する。

本発明の補足的な特徴によると、腕時計ケース2に格納された、第1の機械的機能を実行するための機械式デバイス20は、上記第1の機械的機能を実行するための機械式デバイス20が設定済状態であるか又は未設定状態であるかに関する指標を提供する機械式インジケータ部材98を備える。よって、ユーザが選択した所定の時刻に音響警報信号を生成するよう、ユーザが機械式デバイス20を設定した場合、機械式インジケータ部材98は、上記機械式デバイス20が設定済状態であることを指示する。

図14aに示す第1の実施形態によると、機械式インジケータ部材98は、吸収性である第1の表面部分100aと、反射性である第2の表面部分100bとを有するディスク100を備える。このディスク100は、機械式デバイス20が設定済状態であるか又は未設定状態であるかに応じて、第1の位置と第2の位置との間を移動するよう構成される。電子デバイス56は、ブレスレット4内のディスク100の下側に格納された、発光ダイオード等の光源102、光ダイオード等の光センサ104を備える。よって、光源102が放出した光は、この光がディスク100の吸収性表面部分100a又は第2の反射性表面部分100bのいずれに当たるかに応じて吸収又は反射されることになる。最終的に、上述のものと同一のタイプのもの又はより簡単なものであってよい画像センサ106が、機械式打撃デバイス20が動作を開始する瞬間に関して走査する。

このデバイスの動作は以下の通りである。光源102は、規則的な間隔で、ディスク100を横切るように光線を送信する。光センサ104が提供する信号が存在しないことによって、光源102が放出した光がディスク100の吸収性表面部分100aに当たり、従って吸収されたことを電子デバイス56が観察する場合、これは、機械式打撃デバイス20が設定されていないと結論付ける。その結果、画像センサ106は機械式打撃デバイス20が動作を開始する瞬間に関する走査を行う必要がなく、エネルギが節約される。実際には、光源102がディスク100を照明する頻度は、打撃デバイス20が動作を開始する瞬間に関して画像センサ106が走査する頻度よりも低い。例えば押しボタンを押圧することによって、ユーザが機械式打撃デバイス20を設定すると、ディスク100は、光源102が放出した光がディスク100の反射性表面部分100bに当たるように移動する。よって、光センサ104が提供する信号により、電子デバイス56は、光源102が放出した光がディスク100の反射性表面部分100bに当たり、従って反射されることを記録し、機械式打撃デバイス20が設定されていると結論付ける。この瞬間、電子デバイス56は光源102への電力を切断して、画像センサ106を作動させる。続いて画像センサ106は、機械式打撃デバイスが動作を開始した瞬間に関して、短い規則的な間隔で走査する。機械式打撃デバイス20が動作を開始すると、機械式打撃デバイス20及び電子デバイス56の動作は、本発明の第1の実施形態を参照して上述したものと同一となる。

図示されていない第2の実施形態によると、ディスク100は、反射性表面部分及び吸収性表面部分を有する代わりに、光センサ104に向かって光を反射する表面部分と、光センサ104が光を感知できない方向に光を反射する表面部分とを備えてよい。

第3の実施形態(図15aを参照)によると、機械式打撃デバイスは、上記機械式打撃デバイスの未設定状態を指示するディスク108のタイプの機械式インジケータ部材98を備え、また電子デバイス56は、機械式インジケータ部材98によって提供される指標を走査するために使用される第1の表面部分110aと、機械式打撃デバイス20の動作の開始に関する走査のために使用される第2の表面部分110bとを備える。例えば、機械式打撃デバイス20が未設定状態である場合には、画像センサ110の第1の表面部分110aがディスク108を感知できること、及び機械式打撃デバイス20がユーザによって設定されている場合(図15b)には、ディスク108が側方へ移動し、画像センサ110の視野から外れることを想定できる。この瞬間、電子デバイス56は画像センサ110が生成する信号の変化を観察し、表面部分110bを用いて機械式打撃デバイス20を走査するよう、画像センサ110に命令する。

最後に、最終実施形態(図16a)によると、機械式打撃デバイスは、機械式打撃デバイス20が設定されていないときに上記デバイスを画像センサ58の視野から覆い隠す機械式インジケータ部材112を含む。ユーザが機械式打撃デバイス20を設定すると(図16b)、機械式インジケータ部材112は側方へ移動し、制御ユニット60は画像センサ58によって提供される信号の変化を検出する。この変化に応答して、制御ユニット60は画像センサ58に、機械式打撃デバイス20を走査してその動作の開始を検出するよう命令する。

本発明は上述の実施形態に限定されないこと、並びに当業者は添付の請求項によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な単純な修正及び変形を想定できることは、言うまでもない。特に、固定期間又はユーザが選択可能な期間だけ、第2の音響警報信号の起動を時間的にオフセットすることを想定できることに留意されたい。換言すると、電子デバイスが生成する第2の音響信号の生成は、機械式デバイスが生成する第1の音響信号の放出に対して、時間的にオフセットされる。また、電子デバイスは第2の音響警報信号を放出するか、又はこれと同等のものとして、ブレスレットの厚さ内に格納された振動機構の使用によって機械的振動を放出することも理解されるだろう。機械式デバイスが第1の音響警報信号の生成を開始した瞬間、電子デバイスは振動機構を起動し、振動機構は、ユーザが自身の手首において感じることになる信号を生成する。この振動機構は典型的には、慣性ブロックを起動する偏心機構である。同様に、本発明の簡単な変形例では、第2の警報の持続時間を事前に設定することを想定できることに留意されたい。第1の警報の起動後に第2の警報が開始されると、これは上記時間が経過すると独立して停止することになる。換言すると、第2の警報は、第1の警報が動作を開始した瞬間に起動され、第1の警報の起動の持続時間とは独立して、所定の時間の終了時点において停止することになる。また、センサがマイクロフォン又は加速度計である場合、このようなセンサが腕時計の裏蓋の下側に配置されることは重要ではないことにも留意されたい。従って、2つの別個のストランドで形成されたブレスレットを想定でき、各上記ストランドはその一方の端部を介して腕時計ケースに接続され、上記ストランドには、本発明の実装のために必要な構成部品が組み込まれる。最後に、本発明は、機械式時計ムーブメント18を格納する腕時計ケース2を備える腕時計内で、音響警報信号を生成するための方法も包含し、ここで、機械式時計ムーブメント18は、第1の音響警報信号を生成するよう構成された機械式打撃デバイス20を備え、腕時計ケース2は、第2の音響警報信号及び/又は機械的振動を生成するための電子デバイス56を格納したブレスレット4に連結され、電子デバイス56は、第1の機械的機能を実行するための機械式デバイス20が第1の音響警報信号を生成する瞬間、又は機械式デバイス20の動作開始に続く所定の期間又はユーザが選択可能な期間後に、第2の音響警報信号を生成するよう構成されることに留意されたい。

1 腕時計 2 腕時計ケース 4 ブレスレット 6 裏蓋 8 風防ガラス 10 文字盤 12 時針 14 分針 16 秒針 18 機械式時計ムーブメント 20 機械式打撃デバイス 22 巻き上げステム 24a 第1の中間ホイール 24b 第2の中間ホイール 24c 第3の中間ホイール 26 解放ホイール 28 インデックス 30 3つの開口 32 筒車 34 解放レバー 36 ばね 38 3つの受け 40 傾斜平面 42 打撃用アンクル 44 打撃用ホイール 46 枢動点 48 ハンマー 50 揺動レバー 52 摺動レバー 54 打撃ロック 56 電子デバイス 58 画像センサ 60 制御ユニット 62 電子音声生成器 64 コリメータレンズ 66 光源 68 プリント回路シート 70 電流源 72 開口 74 開口 76 容量性センサ 78 RC発振器 80 復調器 82 出力段 84 リードスイッチ 86 可撓性リード 88 磁石 90 誘導性センサ 92 巻線 94 磁気回路 96 マイクロフォン 98 機械式インジケータ部材 100 ディスク 100a 第1の吸収性表面部分 100b 第2の反射性表面部分 102 光源 104 光センサ 106 画像センサ 108 ディスク 110 画像センサ 110a 第1の表面部分 110b 第2の表面部分 112 機械式インジケータ部材

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