ジャンピング要素を駆動するための機構

申请号 JP2015240805 申请日 2015-12-10 公开(公告)号 JP6297535B2 公开(公告)日 2018-03-20
申请人 ブランパン・エス アー; 发明人 モンフェレール,ベルナー; ルスターホルツ,ロビン; カプト,エドモンド; ロシャー,マルコ;
摘要
权利要求

時計におけるジャンピング要素を駆動するための駆動機構であって、 前記駆動機構は:駆動ホイール(1);単位時間のインジケータ;ジャンピング要素(6)であって、前記インジケータと一体であり、かつ前記ジャンピング要素(6)がばね(8)によって連結される前記駆動ホイール(1)と同軸である、ジャンピング要素(6);アンクルレバー(20)を制御するよう配設されたカム(12)を備え、 前記カム(12)は、前記ジャンピング要素(6)を単位時間あたり1回解放するために、前記アンクルレバー(20)を振動運動で揺動させるよう構成された外形を有する、 駆動機構において、 前記カム(12)及び前記ジャンピング要素(6)は別個の枢動アーバを有し、前記駆動機構は更に、前記駆動ホイール(1)を前記カム(12)に運動学的に接続する中間トレーンを備えること、並びに 前記アンクルレバー(20)は4つの別個のアーム(20a、20b、20c、20d)を有し、前記4つのアームのうちの2つ(20a、20b)は、前記カム(12)と協働するよう構成されたフィーラを形成し、他の2つの前記アーム(20c、20d)は、前記ジャンピング要素(6)を単位時間毎に1回、連続的に交互にブロック及び解放するよう構成された脱進機アームを形成すること を特徴とする、駆動機構。前記中間トレーンは、前記駆動ホイール(1)と協働するよう配設された中間カナ(14)と、前記カム(12)と一体のカム駆動ホイール(10)と協働するよう配設された中間車(16)とで形成された、中間車セットを備えることを特徴とする、請求項1に記載の駆動機構。前記中間トレーンは、前記カム(12)が30個未満の歯(18)を備え、各前記歯(18)が前部傾斜(18a)を有し、毎分1回より多く回転するよう、寸法決めされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駆動機構。前記単位時間は秒であり、前記駆動ホイール(1)は、60秒に1回転するよう配設され、前記インジケータはデッドビートセコンドインジケータであること、及び 前記カム(12)は10個の歯を備え、毎分3回転するよう構成され、各前記歯(18)は6つの均等な回転度に分割された前記前部傾斜(18a)を有すること を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動機構。前記歯(18)の最後の3つの均等な回転角度において、前記カム(12)の前記各歯(18)の前記前部傾斜(18a)は、前記歯(18)の最初の3つのステップにおける前記前部傾斜(18a)の傾きよりも大きな傾きを有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の駆動機構。前記アンクルレバー(20)の前記4つのアーム(20a、20b、20c、20d)はX形状を形成するよう実質的に配設され、前記カム(12)と協働するよう位置決めされた前記フィーラアーム(20a、20b)は、前記アンクルレバー(20)の枢動点に関して、前記ジャンピング要素(6)を解放するよう位置決めされた前記脱進機アーム(20c、20d)に対して反対の位置に配設されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動機構。前記駆動機構は、前記駆動ホイール(1)及び前記ジャンピング要素(6)の相対位置を保証するための機構を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動機構。前記駆動ホイール(1)及び前記ジャンピング要素(6)の相対位置を保証するための前記機構は、前記駆動ホイール(1)上に設けられた第1の当接手段と、前記ジャンピング要素(6)上に設けられた第1の停止部材とを備え、前記第1の当接手段は、前記駆動ホイール(1)及び前記ジャンピング要素(6)が反対方向に回転するとき、前記第1の停止部材に当接するよう配設されることを特徴とする、請求項7に記載の駆動機構。前記駆動ホイール(1)及び前記ジャンピング要素(6)の相対位置を保証するための前記機構は、前記駆動ホイール(1)上に設けられた第2の当接手段と、前記ジャンピング要素(6)上に設けられた第2の停止部材とを備え、前記第2の当接手段は、前記ジャンピング要素(6)が停止するとき、前記第2の停止部材に当接するよう配設されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の駆動機構。前記駆動ホイール(1)上に設けられた第1及び第2の当接手段を有し、前記第1及び第2の当接手段はピン(30、36)を備えることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の駆動機構。前記駆動ホイール(1)上に設けられた第1及び第2の当接手段を有し、前記第1及び第2の当接手段は偏心器(38、40)を備えることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の駆動機構。前記ジャンピング要素(6)は、少なくとも1つの分離アーム(6a)によって隔てられた少なくとも2つの窪み領域を有するホイールであること、並びに 前記駆動ホイール(1)上に設けられた第1及び第2の当接手段を有し、前記第1及び第2の当接手段は、前記少なくとも1つの分離アーム(6a)の両側に配置され、前記分離アーム(6a)は、前記第1及び第2の停止部材のうちの少なくとも一方を形成し、前記第1及び第2の当接手段はそれぞれ前記第1及び第2の停止部材に当接できること を特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の駆動機構。あるエネルギ源によって動供給される時方輪列を備えた時計ムーブメントを備える時計であって、 前記時計は、前記時計が請求項1〜12のいずれか1項に記載のジャンピング要素を駆動するための駆動機構を備えることを特徴とする、時計。駆動ホイール(1)は、前記ムーブメントのエネルギ源によって動力供給されることを特徴とする、請求項13に記載の時計。前記駆動ホイール(1)は、前記時方輪列の四番車であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の時計。

说明书全文

本発明は、機械式時計学の分野に関する。より具体的には、本発明は:一定速度で回転するよう配設された駆動ホイール;単位時間のインジケータ;ジャンピング要素であって、上記インジケータと一体であり、かつ上記ジャンピング要素がばねによって連結される上記駆動ホイールと同軸である、ジャンピング要素;アンクルレバーを制御するよう配設されたカムを備える、時計におけるジャンピング要素を駆動するための機構に関し、上記カムは、ジャンピング要素を単位時間あたり1回解放するために、アンクルレバーを振動運動で揺動させるよう構成された外形を有する。本発明はまた、このようなジャンピング要素を駆動するための機構を備える時計にも関する。

駆動ホイールが毎分1回転する場合、単位時間は秒であってよい。この場合駆動機構は、ジャンピング要素を毎秒1回解放するよう構成されたデッドビートセコンド機構を形成できる。デッドビートセコンド機構は、デッドビートセコンドインジケータを備え、これは一般に、毎秒1回「ジャンプ」する、文字盤の中心にある大きな針である。これらの機構は、作製するのが極めて複雑である。しかしながらこれらの機構は、場合によっては「ジャンプ」は5/6秒で行われるため、精度を欠いている。また、これらは高いエネルギを消費する。

これらの機構のうちのいくつかは、ムーブメントに必要な主エネルギ源に加えて、デッドビートセコンド機構専用の第2のエネルギ源によって動供給される。

他の機構は、序文に記載したタイプのムーブメントのエネルギ源によって動力供給される。このような機構は、当業者には公知であり、例えば特許文献1に記載されている。このような機構では、デッドビートセコンドカムは多数(30個)の歯を有し、上記歯は小さな度ステップを伴い、これによりジャンプは、デッドビートセコンドカムにおける欠陥に対して極めて敏感となる。更に、デッドビートセコンドアンクルレバーの同一のツメ石を使用して、デッドビートセコンドカム及び四番車の両方と協働する。デッドビートセコンドアンクルレバーは、連結用ばねからの力及び摩擦の影響下でジャンピング要素をブロックする。この摩擦は、比較的大量の動力を吸収し、従ってデッドビートセコンド機構が消費するエネルギは高い。

スイス特許第311865号

本発明の目的は、公知の機構の様々な欠点を克服することである。

より具体的には、本発明の目的は、信頼性が高く、単位時間毎、特に1秒毎の正確なジャンプを提供する、ジャンピング要素を駆動するための機構、特にデッドビートセコンド機構を提供することである。

また、本発明の目的は、寿命にわたり規則的なステップを提供できる、ジャンピング要素を駆動するための機構、特にデッドビートセコンド機構を提供することである。

また、本発明の目的は、ムーブメントのエネルギ源と同一のエネルギを使用する、エネルギ消費が低減されたジャンピング要素を駆動するための機構、特にデッドビートセコンド機構を提供することである。

この目的のために本発明は:一定速度で回転するよう配設された駆動ホイール;単位時間のインジケータ;ジャンピング要素であって、上記インジケータと一体であり、かつ上記ジャンピング要素がばねによって連結される上記駆動ホイールと同軸である、ジャンピング要素;アンクルレバーを制御するよう配設されたカムを備える、ジャンピング要素を駆動するための機構に関し、上記カムは、ジャンピング要素を単位時間あたり1回解放するために、アンクルレバーを振動運動で揺動させるよう構成された外形を有する。

本発明によると、カム及びジャンピング要素は別個の枢動アーバを有し、上記駆動機構はまた、駆動ホイールをカムに運動学的に接続する中間トレーンも備え、アンクルレバーは4つの別個のアームを有し、これら4つのアームのうちの2つは、カムと協働するよう構成されたフィーラを形成し、他の2つのアームは、ジャンピング要素を単位時間毎に1回、連続的に交互にブロック及び解放するよう構成された脱進機アームを形成する。

有利には、中間トレーンは、駆動ホイールと協働するよう配設された中間カナと、カムと一体のカム駆動ホイールと協働するよう配設された中間車とで形成された、中間車セットを備えてよい。

好ましくは、中間トレーンを、カムが30個未満の歯を備え、各歯が前部傾斜を有し、毎分1回より多く回転するよう、寸法決めしてよい。

有利には、変形実施形態によると、単位時間は秒であり、駆動ホイールは、60秒に1回転するよう配設され、インジケータはデッドビートセコンドインジケータであり、カムは10個の歯を備え、毎分3回転するよう構成されてよく、各歯は6つのステップに分割された前部傾斜を有する。

好ましくは、歯の最後の3つのステップにおいて、カムの各歯の前部傾斜は、歯の最初の3つのステップにおける前部傾斜の傾きよりも大きな傾きを有する。

有利には、アンクルレバーの4つのアームはX形状を形成するよう実質的に配設されてよく、カムと協働するよう位置決めされたフィーラアームは、アンクルレバーの枢動点に関して、ジャンピング要素を解放するよう位置決めされた脱進機アームに対して反対の位置に配設される。

有利には、上記駆動機構はまた、駆動ホイール及びジャンピング要素の相対位置を保証するための機構も備える。

好ましくは、駆動ホイール及びジャンピング要素の相対位置を保証するための機構は、駆動ホイール上に設けられた第1の当接手段と、ジャンピング要素上に設けられた第1の停止部材とを備えてよく、上記第1の当接手段は、駆動ホイール及びジャンピング要素が反対方向に回転するとき、第1の停止部材に当接して、ジャンピング要素の移動を制限するよう配設される。

好ましくは、駆動ホイール及びジャンピング要素の相対位置を保証するための機構は、駆動ホイール上に設けられた第2の当接手段と、ジャンピング要素上に設けられた第2の停止部材とを備えてよく、上記第2の当接手段は、ジャンピング要素が停止するとき、第2の停止部材に当接して、駆動ホイールの移動を制限するよう配設される。

有利には、上記第1及び第2の当接手段はピンを備えてよい。別の変形例では、第1及び第2の当接手段は偏心器を備えてよい。

有利には、ジャンピング要素は、少なくとも1つのアームによって隔てられた少なくとも2つの窪み領域を有するホイールであってよく、第1及び第2の当接手段は、アームの両側に配置され、上記アームは、第1及び第2の停止部材のうちの少なくとも一方を形成し、第1及び第2の当接手段はそれぞれ上記第1及び第2の停止部材に当接できる。

本発明によるジャンピング要素を駆動するための機構により、エネルギ消費を低減することを可能にしながら、単位時間毎の正確なジャンプを得ることができるようになる。更に、ジャンプは機構の全寿命にわたって規則的である。

本発明はまた、あるエネルギ源によって動力供給される時方輪列、及び上で定義したようなジャンピング要素駆動機構を備えた、時計ムーブメントにも関する。

有利には、デッドビートセコンド機構の駆動ホイールは、ムーブメントのエネルギ源によって動力供給されてよい。

好ましくは、駆動ホイールは、時方輪列の四番車であってよい。

本発明の他の特徴及び利点は、単に例示及び非限定的な例として挙げられる本発明の具体的な実施形態の以下の説明、並びに添付の図面を読むことにより、より明らかになるであろう。

図1は、本発明によるデッドビートセコンド機構の上面図である。

図2は、本発明によるデッドビートセコンド機構の上面図である。

図3は、本発明によるデッドビートセコンド機構の上面図である。

図4は、本発明によるデッドビートセコンド機構の上面図である。図1〜4において、デッドビートセコンドアンクルレバーは、デッドビートセコンドカムの歯のステップに応じて、異なる位置を占めている。

図5は、デッドビートセコンドカムの歯の外形の図である。

図6は、駆動ホイール及びジャンピング要素の相対位置を保証するための機構の変形実施形態の斜視図である。

図7は、ヒゲゼンマイのジャンピング要素への取り付けの斜視図である。

以下の説明は、単位時間が秒である、本発明の一実施形態に関する。従って駆動機構は、「デッドビートセコンド機構(deadbeat seconds mechanism)」を構成し、以下ではそのように表される。

図1を参照すると、本発明によるデッドビートセコンド機構は、香箱等のエネルギ源によって動力供給される時方輪列を備えた時計ムーブメントを備える、機械式時計に組み込まれる。時方輪列は従来、60個の歯を備え、60秒に1回転するよう配設された四番車1を備える。ムーブメントはまた、従来の様式では、脱進機アンクルレバー及びテンプに加えて、ガンギカナ2及びガンギ車3も備える。これらの要素は、当業者には公知であり、詳細な説明を必要としない。しかしながら、以下から理解されるように、テンプの周波数は有利には3Hzとなるよう選択されることに留意されたい。

デッドビートセコンド機構は、ここでより具体的には、時方輪列の四番車1によって形成された駆動ホイールを備える。

デッドビートセコンド機構はまた、針(図示せず)等のデッドビートセコンドインジケータと一体のホイールといった、ジャンピング要素6を備える。ジャンピング要素6は、四番車1のアーバ上での自由な回転のために設置され、これによりジャンピング要素6は四番車1と同軸であり、四番車1と一体ではない。ジャンピング要素6は、ぜんまいばね8によって四番車1に弾性的に接続され、ゼンマイバネ8は一方で四番車1に対して押し付けられ、他方でジャンピング要素6に対して固定される。第1の変形例によると、ぜんまいばね8は、ジャンピング要素6に対して固定されるよう構成されたぜんまいばね8の端部に、固定用スロット9を備え、固定用スロット9には、ジャンピング要素上に設けられた保持用スタッド11が挿入される。図7に示す第2の変形例では、ぜんまいばね8は、ジャンピング要素6に対して固定されるよう構成されたぜんまいばね8の端部に、2つのハウジング又はスロットを有する2重固定用スロット32を備える。ジャンピング要素6は2つの保持用スタッド34を備え、各保持用スタッド34は、2重固定用スロット32のハウジングのうちの1つに挿入されるよう構成される。保持用スタッド34は、軸方向の遊びを制限するよう配設される。より具体的には、各保持用スタッド34は溝を備え、この溝の周囲に各スロットが位置決めされる。従ってこの2重固定用スロットにより、ぜんまいばね8が機構の動作中に平坦なままであることを保証できる。ジャンピング要素6は、30個の歯を備え、60秒に1回転するホイールである。

デッドビートセコンド機構はまた、カム駆動ホイール10と、上記カム駆動ホイール10と一体のデッドビートセコンドカム12とで形成された、デッドビートセコンドカムホイールセットも備える。カム駆動ホイール10は、ガンギカナ2と協働するよう配設される。より具体的には、カム駆動ホイール10は、ガンギカナ2と直接噛合する。

本発明によると、四番車1及びカム駆動ホイール10は、別個の枢動アーバを有して、ムーブメントのフレーム上で枢動するよう設置され、これによりデッドビートセコンドカム12とジャンピング要素6(又は四番車1)とは非同軸となる。

更に、四番車1及びカム駆動ホイール10は、中間トレーン、より具体的には、四番車1と噛合する中間カナ14と、上記中間カナ14と一体でありかつカム駆動ホイール10と噛合する中間車16とを備える、中間車セットによって、運動学的に接続される。従って、ムーブメントの主な運動学的連鎖は、四番車1から、中間トレーン及びカム駆動ホイール10を相次いで通過してガンギカナ2へと続き、駆動カナと四番車との間は直接噛合しない。好ましい実施形態によると、中間車セットの歯の寸法及び数は、カム駆動ホイール10及びデッドビートセコンドカム12が20秒毎に1回転、即ち毎分3回転するよう構成され、ここでカム駆動ホイール10は66個の歯を備え、デッドビートセコンドカム12は10個の歯18を備える。カム駆動ホイールの速度及びデッドビートセコンドカムの速度並びに歯の数は、本発明の範囲から逸脱することなく、修正してよいことは明らかである。例えば、18個の歯を備えるデッドビートセコンドカムに対して、16秒の期間を選択できる。

デッドビートセコンド機構はまた、デッドビートセコンドアンクルレバー20も備え、デッドビートセコンドアンクルレバー20は、ムーブメントのフレーム上の枢動点Aにおいて枢動するよう設置され、デッドビートセコンドカム12によって、ジャンピング要素6を毎秒1回解放してジャンプさせるように制御される。従ってジャンピング要素6は、デッドビートセコンドガンギ車を形成する。

本発明によると、デッドビートセコンドアンクルレバー20は、4つの別個のアーム20a、20b、20c、20dを備える。各アームの端部は、ツメ石として作用する。以下の説明において、用語「ツメ石(pallet−stone)」は、アーム20a、20b、20c、20dの端部を表すために用いられ、従ってツメ石は対応するアームと共に単一部品を形成する。有利には、デッドビートセコンドアンクルレバー20は、LIGA法によって、単一部品として作製される。上側アーム20a及び下側アーム20bは、デッドビートセコンドカム12と協働するよう配設された、上側及び下側フィーラを形成する。上側アーム20c及び下側アーム20dは、ジャンピング要素6を毎秒1回、連続的に交互にブロック及び解放するよう配設された、上側及び下側脱進機アームを形成する。4つのアーム20a、20b、20c、20dは、枢動点Aに関して、X形状を実質的に形成するよう位置決めされ、各アームの端部は、デッドビートセコンドカム12又はジャンピング要素6と協働できるよう屈曲している。アーム20a、20b、20c、20dは、枢動点Aに関して、反対に作用する。例えば図1に示すように、上側フィーラアーム20aは、デッドビートセコンドカム12の歯18の外形によって制御されるよう位置決めされ、枢動点Aに関して反対側の脱進機アーム、即ち下側脱進機アーム20dは、ジャンピング要素6を解放するよう位置決めされる。

デッドビートセコンドカム12の各歯18は、前部傾斜18a(これは歯の機能的部分であり、この上でフィーラアーム20a、20bの端部、即ちツメ石が擦れる)と、後部18bとによって画定された外形を有する。有利には、テンプの周波数は3Hz(即ち毎秒6回の振動)となるよう選択され、これにより各前部傾斜18aを6つのステップに分割でき、各ステップは、デッドビートセコンドカムの3°の回転角度に対応する。別の周波数を選択してよいことは明らかである。従って、歯18の前部傾斜18aに沿った運動は、デッドビートセコンドカムの18°の回転角度に対応する。正確なジャンプを得るために、各歯18の前部傾斜18aは、9°〜18°のデッドビートセコンドカムの回転角度に対応する最後の3つのステップにおいて、即ちジャンプに近い瞬間において、0°〜9°のデッドビートセコンドカムの回転角度に対応する最初の3つのステップよりも大きな傾きを有する。図5により正確に示すように、歯の始まりにおいて、即ち角度0°において、高さは0に等しく、また歯の全高hはデッドビートセコンドカムの18°の回転角度に対応するとすれば、第3のステップ、即ちデッドビートセコンドカムの9°の回転角度に対応する歯の高さは、高さhの10%〜15%であり、第5のステップ、即ちデッドビートセコンドカムの15°の回転角度に対応する歯の高さbは、高さhの55%〜60%である。

後部18bの外形は、デッドビートセコンドアンクルレバーの早すぎるジャンプを防止する。この外形は、前部傾斜18aの外形の結果として生じたものであり、これにより、フィーラアームのうちの1つのツメ石がデッドビートセコンドカム12の歯18の前部傾斜18aと接触するとき、デッドビートセコンドカム12と他のフィーラアームの「パッシブ状態の(passive)」ツメ石(つまり、歯の前部傾斜と接触しないフィーラアームのツメ石)との間で一定の遊びが維持される。

更に、四番車1及びジャンピング要素6の、ムーブメントが停止してすぐにジャンピング要素駆動機構が停止した場合を含む恒久的なインデクシングを保証するために、四番車1及びジャンピング要素6の相対位置を保証するための機構を提供する。図4を参照すると、四番車1及びジャンピング要素6の相対位置を保証するための上記機構は、第1のピン30と、四番車1に対して押し付けられる第2のピン36とを備える。上記ピン30、36は、図面を簡略化するために、図4にのみ示されている。更に、ジャンピング要素6は、縁部が4つの分離アーム6a、6b、6c、6dを形成する4つの窪み領域を有する、歯付きホイールであってよい。ピン30、36は、四番車1上において、分離アームのうちの1つ6aの両側に位置決めされる。より具体的には、第1のピン30は、四番車1及びジャンピング要素6が同一方向に回転するとき、特に機構の通常動作中に、ジャンピング要素6の分離アーム6aの前方に存在するよう位置決めされる。四番車1がジャンピング要素6の回転方向とは反対の方向に回転するとき、特にムーブメントの時刻が設定されるとき、四番車1と一体の第1のピン30はジャンピング要素6の分離アーム6aに当接し、従って分離アーム6aは第1のピン30の停止部材を形成する。四番車1と共に動作を継続する第1のピン30は、分離アーム6a及びそれに伴ってジャンピング要素6を駆動し、これにより、四番車1及びジャンピング要素6は、特に時刻設定中に、共に後方へ移動し、依然としてインデックスされる。

第2のピン36は、四番車1及びジャンピング要素6が同一方向に回転するとき、特に機構の通常動作中に、ジャンピング要素6の分離アーム6aの後方に存在するよう位置決めされる。少なくとも1つのステップの距離、好ましくは1つのステップに等しい距離が提供される。ジャンピング要素6が停止するとき、例えば針が取り付けられるとき、四番車1と一体の第2のピン36は、ジャンピング要素6が通常方向に移動するに従ってジャンピング要素6の分離アーム6aに当接することになり、従って分離アーム6aは第2のピン36の停止部材を形成する。第2のピン36は、停止したジャンピング要素6に対して当接し、これにより四番車1は停止し、結果として機構の残りの部分も停止する。従って、四番車1及びジャンピング要素6は、特に針が取り付けられるとき、両方とも停止し、依然としてインデックスされる。

従って、四番車1及びジャンピング要素6の相対位置が保証されるため、ぜんまいばね8における張力の損失がない。

図6を参照すると、保証用機構の別の変形例が示されている。この変形例によると、第1及び第2の当接手段は、第1のピン30及び第2のピン36の代わりに、同一の機能を有する偏心要素38、40をそれぞれ備える。ピン30、36と比較した偏心要素38、40の利点は、2つの偏心要素38、40とジャンピング要素6の分離アーム6aとの間の遊びを調整するために、時計製作者が、偏心要素38、40を移動させたり、位置決めしたりできることである。これは、製造公差への依存が少ないことを意味する。

図示していない別の変形実施形態によると、第1の当接手段は、四番車1及びジャンピング要素6が同一方向に回転するとき、ジャンピング要素6の分離アームのうちの1つの前方に存在するよう位置決めされ、第2の当接手段は、四番車1及びジャンピング要素6が同一方向に回転するとき、ジャンピング要素6の別の分離アームの後方に存在するよう位置決めされる。従って、ジャンピング要素6の分離アームのうちの1つは、第1の当接手段が当接できる第1の停止部材を形成し、ジャンピング要素6の他の分離アームは、第2の当接手段が当接できる第2の停止部材を形成する。

図示していない別の変形実施形態では、第1及び第2の停止部材は、ジャンピング要素の分離アームによって形成されず、ジャンピング要素6に対して押し付けられ、かつそれらのそれぞれの当接手段、特に駆動ホイール上に設けられたピン又は偏心要素と接触できるよう配設された部分である。

デッドビートセコンド機構の動作は以下の通りである:図1〜5を参照すると、四番車1が中間カナ14及びそれに伴って中間車16を駆動し、中間車16が続いてカム駆動ホイール10及びそれに伴ってデッドビートセコンドカム12を駆動する。デッドビートセコンドカム12が回転するに従い、上記デッドビートセコンドカム12により、歯18の前部傾斜18aがデッドビートセコンドアンクルレバー20の上側フィーラアーム20aのツメ石に対して作用できるようになり、これにより、上記アンクルレバーはその枢動点Aの周りで揺動し、反対側では、デッドビートセコンドアンクルレバー20の下側脱進機アーム20dのツメ石をジャンピング要素6の反対側の歯から解放する。

より具体的には、図1に示すステップ0と、関連する歯の前部傾斜18aの第5のステップ(即ちデッドビートセコンドカム12の15°の回転角度におけるステップ、図5参照)との間において、下側脱進機アーム20dは、いかなる遊びの補正にかかわらず、ジャンピング要素6の歯を離れない。デッドビートセコンドカム12の各歯18の非対称な外形は、アンクルレバーの上昇が上側フィーラアーム20aのツメ石と共に漸進的に起こり、同時に下側フィーラアーム20bのツメ石がデッドビートセコンドカム12に触れることなく降下するようなものである。

図2に示すように、上側フィーラアーム20aのツメ石が前部傾斜18aの第5のステップに到達するとき、ジャンピング要素6はまだジャンプしておらず、下側脱進機アーム20dのツメ石によってブロックされている。上側フィーラアーム20aのツメ石が前部傾斜18aの第5のステップに到達すると、例えば衝撃の後にデッドビートセコンドアンクルレバー20の遊びが補正される場合、図3に示すように、下側フィーラアーム20bのツメ石は、デッドビートセコンドカム12の関連する歯18の後部18bに接触する。この構成においてでさえ、ジャンピング要素6はジャンプしておらず、ジャンプ間近であるままである。ジャンピング要素6は、上側フィーラアーム20aのツメ石が第5のステップと第6のステップとの間で移動するときにジャンプする。図4に示すように、上側フィーラアーム20aのツメ石が前部傾斜18aの第6のステップに到達するとき、ジャンピング要素6はジャンプしている。デッドビートセコンドアンクルレバーは揺動し、従って下側脱進機アーム20dのツメ石はジャンピング要素6から抜け、ジャンピング要素6を解放する。四番車1上に固定されたぜんまいばね8によって戻されたジャンピング要素6は、6°(即ちデッドビートセコンドインジケータの1秒の前進又はジャンプ)にわたって回転する。図4に示すように、この後ジャンピング要素6は、今回は上側脱進機アーム20cのツメ石によって再びブロックされ、ジャンピング要素6はぜんまいばね8によって、上側脱進機アーム20cのツメ石上に押圧されたまま保持される。デッドビートセコンドカム12の歯の前部傾斜18aと接触して、デッドビートセコンドアンクルレバー20を他の方向に揺動させてジャンピング要素を再び解放するのは、枢動点Aに関して反対側の下側フィーラアーム20bのツメ石である。従って、デッドビートセコンドアンクルレバーの運動は交互運動であり、これは、ジャンピング要素6を、上側脱進機アーム20cのツメ石を用いて、続いて下側脱進機アーム20dのツメ石を用いて1回、連続的かつ交互に、歯毎に解放できる。その結果として、デッドビートセコンドインジケータは、1秒の増分において前進する。

本発明のデッドビートセコンド機構により、低いエネルギ消費で、精確なジャンプを毎秒得ることができる。実際、本発明の機構は、時方輪列と同一のエネルギ源によって動力供給される。第2のエネルギ源は不要である。更に、別個のアーバ上にジャンピング要素及びデッドビートセコンドカムを配設することにより、デッドビートセコンドカムの最適化された歯の形状と組み合わせて、一方で脱進機アームのツメ石に関して、他方でフィーラアームのツメ石に関して、最適化された形状を提供できる。四番車とジャンピング要素との間のぜんまいばね8によって消費されるエネルギは、実質的にゼロである。特に、歯の最後の3つのステップにおいて、デッドビートセコンドカムの歯の前部傾斜の傾きが大きければ大きい程、ジャンプはより目立つものとなり、従ってより正確になる。歯の最後の3つのステップにおいて傾きが小さいということは、デッドビートセコンドアンクルレバーの角度ピッチがこの期間にわたって比較的低いことを意味する。よってトルク消費は低い。最後の3つのステップにおける傾きはより大きいが、デッドビートセコンドカムホイールセット上での過度のトルク消費を回避するために、これらもまた熟慮されたものでなければならない。従って、デッドビートセコンドアンクルレバーの角度ピッチは最後の3つのステップにおいてより高く、これにより、より大きな範囲の測定値にわたってジャンプを実施できるようになり、それに伴ってジャンプの精度が向上する。更に、10個の歯のみを有するデッドビートセコンドカムの使用により、より大きな角度ピッチを提供でき、従ってデッドビートセコンドカムにおける欠陥に対してより影響を受けにくいジャンプを提供できる。

デッドビートセコンドインジケータに直接接続されるデッドビートセコンド機構の全ての部分は、これらをできる限り軽くすることによって慣性及びトルク消費を低減できるように、窪んでいる。更に、これらの窪みにより、上記部分を平衡させることができ、これによって略ゼロのアンバランスが得られる。

更に、ジャンピング要素の歯の側部を形成する半径は、同心円状となるよう、及び接触するデッドビートセコンドアンクルレバーの半径と等しくなるよう選択される。従って、デッドビートセコンドアンクルレバーが揺動するとき、ジャンピング要素は移動せず、これによりデッドビートセコンドインジケータの安定性が保証される。

最後に、別個のアーバ上にジャンピング要素及びデッドビートセコンドカムを配設することにより、従来技術の同軸機構とは異なり、同一のアーバに対して多数の部品を追加することが回避され、従って公差の蓄積及びホイールセットの心ずれが制限される。従って、ジャンピング要素のアーバの精度はより良好になり、同時に部品の組み付けが簡略化される。

上述したデッドビートセコンド機構を、秒以外の単位時間に適合させることができることは明らかである。従って、本発明によるジャンピング要素を駆動するための機構を、秒、分、数十秒、数十分といったいずれの単位時間のディスプレイに適合させることができる。これを達成するために、当業者は、カム及びジャンピング要素の歯の数、並びに時方輪列におけるギヤ比を適切に適合させる方法を知っている。

1 駆動ホイール 6 ジャンピング要素 6a 分離アーム 8 ばね 10 カム駆動ホイール 12 カム 14 中間カナ 16 中間車 18 歯 18a 前部傾斜 20 アンクルレバー 20a、20b アーム、フィーラアーム 20c、20d アーム、脱進機アーム 30、36 ピン 38、40 偏心器

QQ群二维码
意见反馈