弾性貯蔵部を利用したエネルギー貯蔵および放出装置、およびそれに関する方法および時計

申请号 JP2016537396 申请日 2014-08-26 公开(公告)号 JP2016533503A 公开(公告)日 2016-10-27
申请人 プレシフレックス エスアー; プレシフレックス エスアー; 发明人 ローネル,ヨハン;
摘要 エネルギー貯蔵および放出システムおよび/または時計装置は、相互に 流体 連通され、(液体のみまたは気体と組み合わされた)1つまたは異なる流体が充填された2つの弾性ベローズからなり、これにより機械的な動 力 の伝達を可能とする。このシステムに荷重をかけるためのエネルギーは、システムのための(手動または自動のいずれかの)外部巻き上げによって付与される。この巻き上げ力またはローディング力(loading force)は、流体貯蔵部の一方に取り付けられたメカニズムによって伝達される。システムに荷重がかかると、内部の流体によって流体貯蔵部が伸縮する。流体貯蔵部は弾性とされ、その結果、一旦貯蔵部が伸縮すると、上記の手動または自動で行われる巻き上げからのエネルギーが除去または停止されると、システムは弾性的に荷重がかかっていない状態または緩和状態に戻ろうとするため、貯蔵されていたエネルギーを放出する。これによりいずれかの貯蔵部の直線運動が促され、医療から計時装置に至る、様々な分野において大いに実用的に対応可能な直線運動機構として使用することができる。一実施例では、メニスカスを形成するために並列に配置された少なくとも2つの非混合性の流体が用いられてもよく、これによってシステムがエネルギー状態を示すことができる。装置は、従来の主バネに代わる、腕時計の貯蔵エネルギー源の代替品として利用することができる。【選択図】図1
权利要求

基本的に閉ループとされた少なくとも2つの貯蔵部(12、14)からなるシステム(10)であって、上記システムはエネルギーを貯蔵および放出するために上記貯蔵部の少なくとも1つに関連した弾性を貯蔵部の流体容量と併せて利用し、上記少なくとも2つの貯蔵部は相互に流体連通してなり、2つの貯蔵部は少なくとも1つの流体で充填されることを特徴とするシステム。上記流体は実質的に非圧縮性であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記貯蔵部はアコーディオン型の貯蔵部であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。少なくとも2つの非混合性の流体で充填されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記2つの貯蔵部は異なる流体容量を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。請求項1に記載のシステムであって、上記少なくとも2つの貯蔵部に接続する流路をさらに具備し、その2つの貯蔵部を接続する一部が透明で使用者に視認可能であることを特徴とするシステム。請求項4に記載のシステムであって、さらにメニスカスを具備し、システムのエネルギー状態を示すために2つの流体の間にメニスカスを配置して利用されることを特徴とするシステム。請求項4に記載のシステムであって、少なくとも3つの流体と2つのメニスカスをさらに具備し、システムのエネルギー状態を示すために少なくとも3つの流体の間に少なくとも2つのメニスカスを配置して利用されることを特徴とするシステム。請求項6に記載のシステムであって、上記流路において視認可能なメニスカスをさらに具備し、上記メニスカスの位置にはソリッド・インジケーターが配置され、視認性を向上するために上記ソリッド・インジケーターは任意的に明るい色であることを特徴とするシステム。上記ソリッド・インジケーターは球体であることを特徴とする請求項9に記載のシステム。上記貯蔵部の関連した弾性はバネによって付与されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記関連した弾性は上記貯蔵部そのものの特性であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。主バネを代替または増補するために、時計製作者による巻き上げシステムによって作動されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。時計ムーブメントを作動させる要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。流体インジケーターを作動させる要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記2つの貯蔵部は互いに異なる直径を有し、異なる直径を有する2つの貯蔵部を用いることでを増幅またはてこ入れ(levering)させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。基本的に閉ループとされた少なくとも2つの貯蔵部からなる時計装置であって、上記システムはエネルギーを貯蔵および放出するために上記貯蔵部の少なくとも1つに関連した弾性を貯蔵部の流体容量と併せて利用し、上記少なくとも2つの貯蔵部は相互に流体連通してなり、2つの貯蔵部は少なくとも1つの流体で充填されることを特徴とする時計装置上記流体は実質的に非圧縮性であることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記貯蔵部はアコーディオン型であることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。少なくとも2つの非混合性の流体が充填されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記2つの貯蔵部は異なる流体容量を有することを特徴とする請求項17に記載の時計装置。請求項17に記載の時計装置であって、上記少なくとも2つの貯蔵部に接続する流路をさらに具備し、その2つの貯蔵部を接続する一部が透明で使用者に視認可能であることを特徴とする時計装置。請求項20に記載の時計装置であって、さらにメニスカスを具備し、時計装置のエネルギー状態を示すために2つの流体の間にメニスカスを配置してなることを特徴とする時計装置。請求項20に記載の時計装置であって、少なくとも3つの流体と2つのメニスカスをさらに具備し、時計装置のエネルギー状態を示すために少なくとも3つの流体の間に少なくとも2つのメニスカスを配置してなることを特徴とする時計装置。請求項22に記載の時計装置であって、上記流路において視認可能なメニスカスをさらに具備し、上記メニスカスの位置にはソリッド・インジケーターが配置され、視認性を向上するために上記ソリッド・インジケーターは任意的に明るい色であることを特徴とする時計装置。上記ソリッド・インジケーターは球体であることを特徴とする請求項25に記載の時計装置。上記貯蔵部の関連した弾性はバネによって付与されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記関連した弾性は上記貯蔵部そのものの特性であることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。主バネを代替または増補するために時計製作者による巻き上げシステムによって作動されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。時計ムーブメントを作動する要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。流体インジケーターを作動させる要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記2つの貯蔵部は互いに異なる直径を有し、異なる直径を有する2つの貯蔵部を用いることで力を増加またはてこ入れ(levering)させることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。時計装置の一部を付勢する方法であって、接続する流路を介して相互に流体連通するように2つの貯蔵部を配置し、該貯蔵部を本質的に非圧縮性の少なくとも1つの流体で充填し、少なくとも1つの上記貯蔵部に関連する弾性を利用して、エネルギーを貯蔵および放出するように、少なくとも時計装置の要素を作動するように少なくとも1つの流体を作動する方法からなることを特徴とする方法。

基本的に閉ループとされた少なくとも2つの貯蔵部(12、14)からなるシステム(10)であって、上記システムはエネルギーを貯蔵および放出するために上記貯蔵部の少なくとも1つに関連した弾性を貯蔵部の流体容量と併せて利用し、上記少なくとも2つの貯蔵部は相互に流体連通してなり、2つの貯蔵部は少なくとも1つの流体で充填されることを特徴とするシステム。上記流体は実質的に非圧縮性であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記貯蔵部はアコーディオン型の貯蔵部であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。基本的に閉ループとされた少なくとも2つの貯蔵部(12、14)からなるシステム(10)であって、上記システムはエネルギーを貯蔵および放出するために上記貯蔵部の少なくとも1つに関連した弾性を貯蔵部の流体容量と併せて利用し、上記少なくとも2つの貯蔵部は相互に流体連通してなり、2つの貯蔵部は少なくとも2つの非混合性の流体で充填されることを特徴とするシステム。上記2つの貯蔵部は異なる流体容量を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。請求項1に記載のシステムであって、上記少なくとも2つの貯蔵部に接続する流路をさらに具備し、その2つの貯蔵部を接続する一部が透明で使用者に視認可能であることを特徴とするシステム。請求項4に記載のシステムであって、さらにメニスカスを具備し、システムのエネルギー状態を示すために2つの流体の間にメニスカスを配置して利用されることを特徴とするシステム。請求項4に記載のシステムであって、少なくとも3つの流体と2つのメニスカスをさらに具備し、システムのエネルギー状態を示すために少なくとも3つの流体の間に少なくとも2つのメニスカスを配置してなることを特徴とするシステム。請求項6に記載のシステムであって、上記流路において視認可能なメニスカスをさらに具備し、上記メニスカスの位置にはソリッド・インジケーターが配置され、可視性を向上するために上記ソリッド・インジケーターは任意的に明るい色であることを特徴とするシステム。上記ソリッド・インジケーターは球体であることを特徴とする請求項9に記載のシステム。上記貯蔵部の関連した弾性はバネによって付与されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記関連した弾性は上記貯蔵部そのものの特性であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。主バネを代替または増補するために時計製作者による巻き上げシステムによって作動されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。時計ムーブメントを作動する要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。流体インジケーターを作動させる要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。上記2つの貯蔵部は互いに異なる直径を有し、異なる直径を有する2つの貯蔵部を用いることで力を増加またはてこ入れ(levering)させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。基本的に閉ループとされた少なくとも2つの貯蔵部からなる時計装置であって、上記システムはエネルギーを貯蔵および放出するために上記貯蔵部の少なくとも1つに関連した弾性を貯蔵部の流体容量と併せて利用し、上記少なくとも2つの貯蔵部は相互に流体連通してなり、2つの貯蔵部は少なくとも1つの実質的に非圧縮性の流体で充填されることを特徴とする時計装置上記貯蔵部はアコーディオン型であることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。少なくとも2つの非混合性の流体が充填されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記2つの貯蔵部は異なる流体容量を有することを特徴とする請求項17に記載の時計装置。請求項17に記載の時計装置であって、上記少なくとも2つの貯蔵部に接続する流路をさらに具備し、その2つの貯蔵部を接続する一部が透明で使用者に視認可能であることを特徴とする時計装置。請求項19に記載の時計装置であって、さらにメニスカスを具備し、時計装置のエネルギー状態を示すために2つの流体の間にメニスカスを配置してなることを特徴とする時計装置。請求項19に記載の時計装置であって、少なくとも3つの流体と2つのメニスカスをさらに具備し、時計装置のエネルギー状態を示すために少なくとも3つの流体の間に少なくとも2つのメニスカスを配置してなることを特徴とする時計装置。請求項21に記載の時計装置であって、上記流路において視認可能なメニスカスをさらに具備し、上記メニスカスの位置にはソリッド・インジケーターが配置され、可視性を向上するために上記ソリッド・インジケーターは任意的に明るい色であることを特徴とする時計装置。上記ソリッド・インジケーターは球体であることを特徴とする請求項24に記載の時計装置。上記貯蔵部の関連した弾性はバネによって付与されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記関連した弾性は上記貯蔵部そのものの特性であることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。主バネを代替または増補するために時計製作者による巻き上げシステムによって作動されることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。時計ムーブメントを作動する要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。流体インジケーターを作動させる要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。上記2つの貯蔵部は互いに異なる直径を有し、異なる直径を有する2つの貯蔵部を用いることで力を増幅またはてこ入れ(levering)させることを特徴とする請求項17に記載の時計装置。時計装置の一部を付勢する方法であって、接続する流路を介して相互に流体連通するように2つの貯蔵部を配置し、該貯蔵部を本質的に非圧縮性の少なくとも1つの流体で充填し、少なくとも1つの上記貯蔵部に関連する弾性を利用して、エネルギーを貯蔵および放出するように、少なくとも時計装置の要素を作動するように少なくとも1つの流体を作動する方法からなることを特徴とする方法。

说明书全文

著作権及び法律上の表示

本特許文書に開示されるものの一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。出願人は、特許商標庁の記録として特許開示されている特許文書に関しては、第三者によるファクシミリ複製に異論はないが、そうでない場合はいかなる場合も、すべての著作権を留保する。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行技術を理由として、本発明がその物件を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。

本発明は、エネルギー貯蔵および放出システムに関し、より詳細にはを伝達するために液体媒体を用いるシステムと、それに関連する方法および時計に関する。先行技術の貯蔵および放出システムは、例えば主バネを具備してなる。従来とは異なる新規性のある方法で、従来システムの目的を達成可能な貯蔵および放出システムが求められている。

エネルギー貯蔵および放出システムは、相互に流体連通され、(流体のみまたは気体と組み合わされた)1つまたは複数の流体で充填された2つの弾性ベローズを具備してなり、これによって機械的な動力の伝達を可能にする。このシステムに荷重をかけるためのエネルギーは、システムのための(手動または自動のいずれかの)外部巻き上げによって付与される。この巻き上げ力またはローディング力(loading force)は、流体貯蔵部の一方に取り付けられたメカニズムによって伝達される。システムに荷重がかかると、内部の流体によって流体貯蔵部が伸縮する。流体貯蔵部は弾性を有する。その結果、一旦貯蔵部が伸縮すると、上記の手動または自動で行われる巻き上げからのエネルギーが除去または停止されると、システムは弾性的に荷重がかかっていない状態または緩和状態に戻ろうとするため、貯蔵されていたエネルギーを放出する。これによりいずれかの貯蔵部の直線運動が促され、医療分野における適用および装置から計時装置に至る、様々な分野において大いに実用的に適合可能な直線運動機構として使用することができる。

一実施例では、システムのエネルギー状態を示すための、少なくとも2つの非混合性の流体が用いられてもよい。装置は、従来の主バネに代わる、腕時計の貯蔵エネルギー源の代替品として利用することができる。

本発明の目的は、従来の時計の主バネの新規の代替品を提供することである。

また、本発明の別の目的は、美観的および知的な面で人目を引くエネルギー貯蔵および放出装置を提供することである。

有利な点としては、2つの貯蔵部を用いることで、第1貯蔵部の変位を適合すること(adaption of displacement)が可能となるようにそれぞれの貯蔵部のサイジング(sizing)が可能となり、より便利またはより適切なギアリングシステムを選択するため、または他の望ましい効果を生じるために利用可能な第2貯蔵部の所望速度での変位および応力の増幅に繋がる。

別の改変形態では、本発明は2つの貯蔵部を含む時計装置を提供する。2つの貯蔵部は弾性を有し、相互に流体連通され、エネルギーを貯蓄および放出する少なくとも1つの流体が充満されてなる。

また、さらに別の改変形態では、時計装置は液体、任意的には少なくとも2つの異なる液体で充満される。

また、さらに別の改変形態では、貯蔵部の大きさは同等ではなく、装置は流路を含み、該流路の貯蔵部を接続する部分は透明かつ視認的に形成される。

さらに別の改変形態では、時計装置はさらにメニスカスを含み、該メニスカスは時計装置のエネルギー状態を示すように2つの流体の間に配置される。

また、さらに別の改変形態では、時計装置はさらに少なくとも2つのメニスカスを含み、該少なくとも2つのメニスカスは少なくとも3つの異なる非混合性流体の間に配置され、メニスカスによって時計装置のエネルギー状態が示される。

また、さらに別の改変形態では、時計装置はメニスカスの位置にソリッド・インジケーター(solid indicator)を備え、任意的に該ソリッド・インジケーターは視認性を向上するために明るい色とされる。

本発明のこれらおよびその他の目的は、図面、図面の簡単な説明および発明の詳細な説明においてさらに詳細が示される。

本発明のエネルギー貯蔵および放出装置の概略的な側面図である。

本発明のエネルギー貯蔵および放出装置の概略的な平面図である。

本発明の3つの流体を示すメニスカスが使用される別の実施形態の部分的に概略的な側面図である。

本発明のシステムを使用した時計装置の斜視図である。

図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも正寸で描かれていないことは、当業者には明らかである。例えば、本発明の様々な実施形態の理解をより深めるために、図面のいくつかの要素の寸法は、その他の要素に対して強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語は、とりわけ、類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的または時系的な順番を示すものではない。また、明細書および/または請求項における「正面」、「背面」、「上面」、「底面」やその類の用語は、便宜的な目的で使用され、必ずしも限定的な相対位置を総合的に表わすものではない。上記のように用いられる用語は、例えば本願で開示される様々な実施形態が、明確に図示又は説明される以外の構成および/または配向でも操作可能であるような、適切な状況下では置き換えられてもよいことを当業者は理解されたい。

好適な実施形態の詳細な説明

以下の説明は本質的に例示的であり、本願が出願された時点で発明者が知り得た本発明の最良の態様を説明するもので、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではない。その結果として、本願で開示される例示的な実施形態におけるすべての要素の配置および/または機能は、本願発明の精神および範疇から逸脱することなく変更を加えることが可能である。

図1Aおよび図1Bを参照すると、エネルギー貯蔵および放出装置10は、相互に流体連通され、(この参照図では流体20として描かれるが、流体のみまたは気体と組み合わされた)1つまたは複数の流体16,20が充填された2つの弾性ベローズ12,14から構成され、これによって機械的な動力の伝達を可能にする。貯蔵部12、14の関連する弾性は、貯蔵部の形状の特徴から、または付加的なバネ15によって付与される。このシステム10に荷重をかけるためのエネルギーは、システムのための(手動または自動いずれかの)巻き上げ・巻き下げシステム43を用いた外部巻き上げによって付与される。この巻き上げ力またはローディング力22は、流体貯蔵部の一方(本件においては貯蔵部12)に取り付けられたメカニズム24によって、通常はギヤリング26を介して伝達される。ギヤリング26は、ラック30およびピニオン32の装置を有して構成されてもよい。システム10に荷重がかかると、(液体が少なくとも部分的に圧縮できない場合)内部の流体16または20(図2の実施形態では、その他50または54)によって流体貯蔵部12、14が場合によっては伸長および/または収縮する。通常の液体と異なり、流体貯蔵部12、14は弾性を有するため、一旦貯蔵部が充填または収縮すると、バネと同様に、上記の手動または自動で行われる巻き上げからのエネルギーが除去または停止されたとき、システムは弾性的に荷重がかかっていない状態または緩和状態に戻ろうとするため、貯蔵されていたエネルギーを放出する。これによりいずれか(通常は両方)の貯蔵部12、14の概ね直線の運動が促され、医療分野から計時装置に至る、様々な分野において大いに実用的に適合可能な直線運動機構として使用することができる。

ある実施形態では、ベローズ12、14は真鍮によって形成される。また、別の実施形態では、ベローズ12、14は銅によって形成される。また、別の実施形態では、ベローズ12、14はベリリウム銅によって形成される。ベローズ12、14は、任意的には金などの光輝塗料によって被覆される。本件で開示および説明される特定の実施は本発明およびその最適な形態を表したものであって、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものではないこと考慮されたい。本発明は様々な適用が可能であることを考慮されたい。

ある実施形態では、少なくとも2つの対称色(例えば、赤、青または黒色と白または透明色)の非混合性の流体16、20が用いられる。ここでは、それぞれの流体の質量と、毛細管41、41’および弾性流体貯蔵部の大きさによって、その間にて配置されたメニスカス42の位置範囲が選択可能となり、さらに目盛22に並列して配置されることで、システム10によってエネルギー状態が示される。通常、流体16、20のうち少なくとも1つは液体とされる。装置10は腕時計において、従来の主バネの代わりとなる代替の貯蔵エネルギー源として使用されてもよい。

ある実施形態では、貯蔵部12、14を接続する流路40の一部は透明または半透明で使用者に視認可能とされ、目盛22の隣に並列して配置される。本実施形態では、システム10に含まれる2つの流体の間のメニスカス42が目盛22に並列して配置されることでエネルギー状態を示し、このようにシステム10に貯蔵されたエネルギーが示される。システム10は、従来の時計の主バネの代わりに、時計製作者による巻き上げシステム(watchmaker’s winding system) 24(例えば、着用者の動きによって回転する質量を有する自動巻き上げ機構など)によって作動されることも可能である。

任意的に、システム10は、(時針と分針を用いた表示部を有する)従来の時計ムーブメント、または参照として本件に組み込まれ、以下で説明される特許で開示されるような流体ディスプレイシステムを作動する時計ムーブメントによって作動されてもよい。また別の実施形態では、参照として組み込まれる特許文献における熱的に補償されたベローズ(補償毛細管インジケーター)などと同様に、システム10によって誘発される変位は装置内の流体の熱膨張によって補正される。

次に図2を参照すると、3つの流体50、52、54がどのように配置されるかが開示され、通常真ん中の流体52は、2つのメニスカス60、62を形成する点状のインジケーターとなるように、高い視認性を有する異なる色(蛍光色など)で構成される。しかし、2つの流体16、20を用いてその境界面にソリッドボールを(図示されないが、図2における流体52と同じ位置に)配置することで同様の効果を得ることが可能である。

本件で説明されるような2つの貯蔵部12、14の使用により、第1貯蔵部の変位を適合すること(adaption of displacement)が可能となるようにそれぞれの貯蔵部のサイジング(sizing)が可能となる。これによって、より便利なギアリングシステムを選択するため、またはその他の所望の効果を得るために利用可能な第2貯蔵部14の所望速度での変位に繋がる。2つのベローズ12、14を使用することで、その間にインジケーター流路40を配置し、システムのエネルギー状態を示すことが可能となる。その他の実施形態は、参照することにより本願に組み込まれる優先出願に添付の付属書類に開示される。改変形態A〜Bもまた、本願発明と組み合わせて使用される。本件発明では、ベローズ12は、好ましくは周知の電気的または機械的時計ムーブメント24によって駆動されるラック・ピニオンギアシステム30、32などによって駆動される。もちろん、ラック・ピニオンシステム30、32の代わりに、ねじやその他の適した駆動装置が用いられてもよい。

改変形態Aの実施例 図3を参照すると、改変案Aでは、本発明は腕時計100として実施される。腕時計はベゼル、クリスタル102、少なくとも部分的に透明なダイヤル、流体変位装置を含む時計機構、毛細管マニホールド(capillary manifold)、時計ムーブメントサブアセンブリ、ケース躯体104およびストラップ106から構成される。周知の方法で、ベゼルはクリスタルを時計機構に対して、また時計機構をケース躯体に対して、時計機構を(雨、などの)要素から保護するように外側ハウジング内に封入する。ケーシングの下部もまた、時計の内部機構が使用者に見えるように透明とされてもよい。ブレスレット(図示なし)を取り付けるためのブレスレットピンが具備される。動力源は、ギヤトレインの動力となる時計バネを巻き上げる振動質量体のムーブメントとされることも可能であり、そのため、周知技術のような特徴的な期間を有する振り子のようなレギュレーターまたは振動ディスク(例えば、バランサー・タービン(balancier/turbion)など)によって回転率が制御される。

任意的に、貯蔵部内の流体は周知の方法で光ファイバーおよびLED光源によって照射されてもよい。

改変形態Bの実施例 本改変形態では、流体の間のメニスカスが移動しても流体が混合しないように、流体流量を制限する、または制御された流量に制限するための方法が提供される。本改変形態は、少なくとも1つの制流体70と、毛細流路または管部40’を含んでなる。制流体70は小孔72が貫通されて形成される。毛細管40’は少なくとも2つの非混合性の流体を受けるように適応される。制流体70は、小孔72が毛細管40’の間を連通するように、毛細管40’内に密閉的に取り付けられる。毛細管40’は、任意的にその内表面が疎油性または疎水性に加工される。流体は、毛細管内に収容される流体の間に形成されるメニスカス40、60、62を移動させるべく、制流体70を通って毛細管40’に送られる。本発明のこの実施形態の目的は、毛細管40’内に収容される少なくとも2つの流体の間の界面またはメニスカス42、60、62をより良好に制御し、混合を防止することである。

制流体70は、毛細管40’のコーティングと組み合わされると、本発明のエネルギー貯蔵システムに使用される際に大きな利点となる。制限器70によって、管部40’内の流体16、20または50、52、54の間のメニスカス42、60、62の過剰に急激な動きを防止する。

制流体70は、セラミックまたは石材から製造されることが好ましいが、金属製であってもよい。制流体70は円柱状の部品として形成される。制流体70には(数ミクロンの直径を有する)小孔が、好ましくは制流体70の軸に沿って配置される。制流体の機能は、メニスカスの安定を保持し、システムを保護することである。

制流体70の孔または開口部72は、0.03から0.1mmの直径を有する。毛細管の開口部は、0.6から1.0mm、好ましくは1.0mmの直径を有する。室温、海面レベルにおいて0.3と80cPの範囲、好ましくは0.3から5cPの粘度を有する流体では、制流体70の孔部72と毛細管40’の開口部の直径の比率が1:5から1:15であることが好ましい。

毛細管40’および制流体70は、円形の内側開口部72を必要としない。実際には、正方形、三形または不整形の開口部であってもよい。これらの開口部はプレートに形成された非円形の流路に適用することもできる。

制流体70の孔部または開口部72は、開口部の毛細管40’に挿入される側の出口が、制流体の中心軸に対して一定の角度をなして毛細管40’に接続されるように形成される。このようにメニスカスの中心から側部に流れを逸らせることにより、特にメニスカスが制流体の近くに配置される際に、流入する流体流によってメニスカス42、60、62が乱される確率を低下させる。さらに、制流体70の単一の中心孔に連通する孔部を複数設けることで、流入する流体流をメニスカスの中心から逸らすのに役立つ。

制流体を毛細管に取り付けるために、接着剤がいくつ用いられてもよい。2つの接着剤が特に効果があった。その1つは、シンナーで希釈された、ドイツのシュタインバッハに所在を置くPanacol AGの「VITRALIT」(登録商標)であり、「VITRALIT」は熱硬化(105℃で30分)および/またはUV硬化(s@UV−A60mW/cm2、厚さ:0.5mm)される。これは一液型エポキシであり、(25℃で)−cPsの範囲の粘度を有する。もう一方のマサチューセッツ州ビレリカに所在を置くEpoxy Technology,Inc.から入手可能な「EPO−TEK」(登録商標)301は、(65℃で1時間)熱硬化される二液型(20:5)エポキシであり、「VITRALIT(登録商標)」よりも格段に低い(23℃で)100〜200cPsの範囲の粘度を有する。

本発明の有利な点は、従来の時計バネを使用する必要がない点である。

また別の有利な点は、システム10のエネルギー状態をいつでも視認できる点である。

また別の有利な点は、システム10はバッテリーなしで作動する点である。

以下の国際特許出願には、ピストンがカムによって駆動される制流体が開示されており、参照することにより本願に組み込まれると共に依拠し、引用文献はここに明記されたものとして本願に完全に組み込まれる。 PCT出願番号PCT/IB2010/002054、2010年8月20日出願、「流体インジケーター(Fluid Indicator)」 PCT出願番号PCT/IB2010/002055、2010年8月20日出願、「可視的インジケーターおよび流体ディスペンサー(Visual Indicator and Fluid Dispenser)」 ヨーロッパ特許出願番号EP20100752595、2010年9月15日出願、「腕時計(Wristwatch)」 PCT出願番号PCT/US2012/048044、2012年7月25日出願、「流体ディスペンサー(Fluid Dispenser)」 PCT出願番号PCT/IB2012/002591、2012年12月5日出願、「流体インジケーターのための毛細管流制御システム(Capillary Flow Control System for Fluid Indicator)」 PCT出願番号PCT/IB2012/002641、2012年12月10日出願、「低容量精密ベローズ(Low Volume Precision Bellows」 PCT出願番号PCT/IB2013/000659、2013年1月30日出願、「乾燥キャリアを用いた注射装置(Injection Device Using Dry Carrier)」 PCT出願番号PCT/IB2013/000660、2013年4月12日出願、「補償毛細管インジケーター(Compensated Capillary Indicator)」

本発明のその他の特徴および実施形態は、添付の請求項において説明される。

本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の工程、方法、物品、構成または装置は記載される要素のみを含むわけではなく、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」または「本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、列挙される要素のみに発明の範囲を限定する意図で用いられるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料または構造の組み合わせまたは改良は、本発明の一般原則から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更または適応することも可能である。

さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の請求項及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。

上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の、特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い改良、変更及び置換が上述の実施形態では考慮される。例えば、このようなインジケーターは乗り物の速度またはRPMインジケーターとして利用することも可能である。さらに、このインジケーターは体温または、運動時の心拍数などのその他のパラメーターを示すため、また医療装置や診断装置に用いられるインジケーターに使用されることも可能である。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、発明の範囲を限定するものとしてではなく、むしろ1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を使用することなく用いられる。加えて、本願で使用される「弾性」という用語は可変という概念を包含し、すなわち容量が変動する貯蔵部は、個々の部品が弾性でなくても弾性チャンバーとみなされる。従って、上述の説明は広義に解釈され、単なる実例又は例示として理解され、本発明の精神及び範囲は本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定されるべきである。

本願で開示および説明される特定の実施形態は、本発明の代表的および最適な態様を示すものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものでは決してないことを理解されたい。当業者には理解されるように、本発明はシステム、装置または方法として具現化することが可能である。

また、本願のシステムは、本願と同様の機能を有するすべての物品、サービスまたは情報の使用、販売および/または流通を意図したものである。

本願の明細書および図面は限定するためではなく例示的なものとして理解されたく、本願で説明されるすべての改良は、例えそれが出願時に明確に請求されていない場合でも、本願の請求する発明の範囲に包含されることを意図される。従って、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付される請求項、または後で補正あるいは追加される請求項、またはそれに法的に相当する物によって判断されるべきである。例えば、すべての方法または工程の請求項で記載されるステップは、特に記載のない限りどの順番であっても実行可能であり、請求項に記載される特定の順番に限定されるものではない。さらに、装置の請求項で記載される要素および/または部品は、本願と本質的に同様の成果をもたらす様々な置換で組立または操作的に構成されることも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるものではない。

本願で記載される便益、利点や解決法は、請求項の必須、重要または不可欠な特徴または要素であると考慮されるべきではない。

QQ群二维码
意见反馈