Movement for watches

申请号 JP2010243855 申请日 2010-10-29 公开(公告)号 JP5530336B2 公开(公告)日 2014-06-25
申请人 エルヴェーエムアッシュ スイス マニュファクチュール エスアー; 发明人 リュショネ,ジャン−フランソワ;
摘要
权利要求
  • 腕時計であって、
    文字板と、
    腕時計のケースと、
    前記ケースの一つの面を閉鎖する少なくとも一つの板ガラスと、
    時計のムーブメントであって、時刻を表示する針を固定された軸の周りに順番に回転駆動する、少なくとも一つの滑車を駆動する少なくとも一つのベルトを備えた時計のムーブメントとを備えており、
    前記時計のムーブメントは、前記腕時計のケース内に組み込まれ、また、文字板の下に全体的に位置し、
    少なくとも一つのベルトと少なくとも一つの滑車は、時計のムーブメント内に位置し、
    少なくとも一つの前記ベルトは前記板ガラスを介して少なくとも部分的に見えることを特徴とする、腕時計。
  • 機械式であって、
    少なくとも一つのバレル(15,16,17,18)と、
    前記バレルおよび前記針の間の連鎖において提供される少なくとも一つのベルトとを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の腕時計。
  • ベルト(20;21)を用いて互いに連結される少なくとも二つの前記バレル(15−16; 17−18)を備えることを特徴とする、請求項2に記載の腕時計。
  • 前記ベルト(20,21)の少なくとも一つが溝付きであることを特徴とする、請求項1に記載の腕時計。
  • 前記ベルトの少なくとも一つ(20)が、金属基盤(200)上に合成材料(201)を重ねることによって製造されることを特徴とする、請求項1に記載の腕時計。
  • 说明书全文

    本発明は腕時計用ムーブメント、より詳細には、時計のムーブメント用の駆動装置に関するものである。

    機械式ムーブメントによる腕時計は奢侈品となり、その結果、流行によって頻繁に変更が加えられる。 ケースがそれらの個性化した形状によって開始要因となり、ついでバンド部分がそれらのさまざまな形状および材料ならびにその留め具によって続いた。 その次に来たのが、時計の内部およびその機構である。 ムーブメントはますます機械的複雑化の対象となり、それによってさまざまなシステムの巧妙さと技術監督者のノウハウが発揮された。 もちろん、そこにはもっとも多くの可能性があり、製造元の想像を止められるものはなにもない。

    通常の機械式時計は、バレルによって構成されたエネルギー蓄積器、計数装置もしくは輪列、時計の進行を決定するエスケープメントおよびてんぷを含む調節装置もしくは分配装置、ならびに一般的に文字板上の針によって保証される表示とを具備する。 本発明は、より詳細には、これらの異なる装置の間のエネルギー伝達の連鎖および運動に関するものである。 通常の機械式ムーブメント、およびクオーツ式ムーブメントにおいて、トルクと運動は、複数の歯車装置を用いて、時計のさまざまな可動部品の間で伝達される。 例えば、バレルのばねは、展開することによってバレルのドラムを回転駆動し、ついで歯車から歯車へと、エスケープメントピニオンまで、そして針まで駆動される。 歯車装置は、互いに直接噛み合う歯車輪もしくはラックによって構成される。

    これらの歯車装置は、効果的なエネルギー伝達手段であり、その信頼性は実証されている。 しかしながら、本発明に到る考察の中で、歯車装置は、ムーブメントの製作者にいくつかの制約を課すことが分かった。 例えば、歯車装置の二つの歯車輪の軸は平行、もしくは、場合によっては垂直でなければならず、任意の方向性を持った軸は、高価で、製造が困難で、より収益率の低い円錐状歯車装置でなければ実現できない。 この理由のために、時計のムーブメントは、ほとんど常に、地板の周囲および互いに平行なブリッジの周囲に組み立てられる。 したがって、時計のムーブメントは、平坦で互いに平行な二つの主面をほとんど常に備えているが、他のいっさいの幾何では、輪列の実現のために克服が困難な制約が課されるからである。

    直径の大きな時計の場合、平坦なムーブメントは必ずしも最適ではなく、湾曲した形、例えば、手首に適応した凹形状、もしくは皮膚呼吸を可能にする凸形状が望ましいことも多い。 例えば、時計の側面に、あるいは斜めの面において、文字板と平行でない針もしくはその他の指示器を表示できることが望ましいこともあるだろう。 しかしながら、これらの態様は、その軸が平行な円筒状の歯車装置では実現が困難である。

    歯車装置は、噛み合った二つの歯車輪が完全に整列し、正確な間隔を有するときにのみ効果的にエネルギーを伝達する。 したがって、時計においては、歯車輪およびピニオンの軸を極めて正確に固定する必要があるのだが、このことは製造コストを高くする。 衝撃や加速によって発生した極めて小さなずれが、歯車装置を動かなくする可能性があり、したがって耐衝撃手段、例えば、石およびインカブロック(登録商標)軸受を用いて地板およびブリッジに固定された堅固な軸を使用する必要がある。 これらの部品は高価で、脆く、かつ組立が困難である。 他方で、摩耗を抑え、何年にもわたって作動した後でも最適な接触を保証するために、歯車装置の構成部品の歯は必然的に硬質の金属で製造しなければならない。

    歯車装置は、また、潤滑を必要とし、それを定期的に繰り返し行わなければならないという不便もある。

    さらに、歯車装置は、ムーブメント内の互いに離れた歯車輪もしくは可動体の駆動にはあまり適しておらず、このような場合、中間輪列を使用しなければならないのだが、これによってムーブメントのコストが高くなり、その信頼性が低下し、追加の軸が必要になる。 もう一つの高価でやっかいな解決法は、歯車装置の二つの歯車輪の直径を大きくすることである。

    最後に、歯車装置の二つの歯車輪は必然的に反対方向に回転するのだが、それらを同じ方向に回転させることが必要な場合は、中間の歯車輪もしくはピニオンを使用しなければならず、これによってムーブメントのコストが高くなり、ムーブメント内の制限された空間に追加の場所が必要になる。 例えば、分針車は、時針車とも秒針車とも直接噛み合うことはできないのだが、なぜなら対応する三本の針は、同じ方向に回転しなければならないからである。

    したがって、本発明の一つの目的は、これらの不都合を解消する時計のムーブメントを提案することである。

    もう一つの目的は、通常と異なる技術を選択することによって驚くような効果を発揮する、時計のムーブメントの連鎖内の代替手段を用いることである。

    もう一つの目的は、従来のムーブメントとは異なる構造およびデザインを可能にする、新規な代替設計の時計のムーブメントを提案することである。

    本発明によれば、これらの目的は、請求項1に記載の特徴を有する時計のムーブメントによって達成され、推奨実施態様は明細書に示される。

    特に、これらの目的は、腕時計のケース内に組み込むための時計のムーブメントであって、かつ、少なくとも二つの滑車(すなわち一つの駆動滑車および少なくとも一つの被動滑車)の間の運動および/またはトルクの伝達を可能にする少なくとも一つのベルトを有する時計のムーブメントによって達成される。

    一つまたは複数の歯車装置を、二つの滑車および一つのベルトで形成された一集合に代えることによって、特にこれらのベルトが時計の裏ぶたもしくは文字板を通して見ることができる場合、まず意外な効果が得られる。 他方で、同一のベルトで接続された異なる複数の滑車は、異なる複数の平面に向けることができるのだが、これによって、新規なムーブメントを設計するときに、ムーブメントの製造者にさらに自由が与えられる。

    上述の歯車装置のその他の問題も解決される。

    ベルトという用語は、平滑な、もしくは溝付きのベルト、鎖、バンド、および伝達ケーブルを滑車の間に含むような前記要求において、広義に解釈されなければならない。 しかしながら、推奨変型例において、使用されたベルトは、少なくとも部分的に合成材料製で、溝(歯)を備えている。

    スイス国特許第61963号明細書は、二つの滑車の間に一つの鎖を含む連鎖から成る時計のムーブメントを記載している。 記載されたムーブメントは振り子時計のものであり、腕時計に組み込むためには大きな困難を伴うであろうし、また腕時計においてはこの明細書で求められた利点はもたらさないだろう。

    鎖およびベルトを備えた掛け時計もしくは置き時計は、米国特許第1667685号明細書、米国特許第2494011号明細書、米国特許第4320480号明細書、米国特許第5105398号明細書、米国特許第4022015号明細書および米国特許第4676662号明細書にも記載されている。 しかしながら、これらの明細書はすべて、寸法の大きな時計および振り子時計に関するものであり、そのムーブメントは如何なる場合にも腕時計の中に収納するために小型化することができない。

    仏国特許発明第391702号明細書は、二つの歯車輪によって駆動されることで手首を一周する穿孔バンドを用いて時刻を表示する腕時計を記載している。 時刻は、手首の周囲のバンドの上の指示器の位置を確認することで読み取られる。 移動指示器が、見づらい、手首の外側の側面上に来たとき、読取りは特に不便である。 この解決法は、きわめて特殊で、使用者の需要および嗜好全体をまず満足させないようなタイプの時計にしか適用できず、記載されたムーブメントは、より従来的な時計のケースには絶対に組み込むことはできない。 他方で、使用されたバンドは針の代わりになる指示器を構成するが、二つの滑車の間の連鎖において、運動も、またトルクも伝達するためのものではない。 なぜなら、このバンドと接触している二つの歯車輪は二つとも駆動歯車輪だからである。

    本発明による時計のムーブメントを含む腕時計の上面図である。

    本発明による時計のムーブメントの四分の三の斜視図である。

    本発明による時計のムーブメントの一部分解図である。

    地板を通して見た、本発明による時計のムーブメントの上面図である。

    ベルトの詳細図である。

    本発明による時計のムーブメントの線形振動錘の長手方向の断面図である。

    本発明による時計のムーブメントの線形振動錘の横断方向の断面図である。

    本発明は、添付の図を参照にしつつ実施例の説明を読むことによって、いっそう良く理解できるだろう。

    本発明による時計のムーブメントを備えた時計9は、例として図1に示した。 時計は、図に見るごとく、その裏ぶたからムーブメントを填め込むことを可能にするケース90を有する。 巻上げ・時刻合わせ竜頭19は、取り外し自在な巻上げ・時刻合わせモジュール62(図4)に連結され、時計の巻上げおよび時刻合わせを可能にする。 分針91および時針92、ならびに16時30分の位置にある小秒針93は、文字板94上を移動して時刻を表示する。 文字板は、少なくとも一つの開口部95を備えており、後述のごとく、ムーブメントの少なくとも一部、好適には一つのベルトもしくはベルトのかなりの部分を含むムーブメントの一部が見えるようになっている。

    図示されていないもう一つの変型例において、時計はスケルトンタイプ、すなわち文字板のないタイプで、針はムーブメントのすぐ上を移動する。 図示されていないさらに別の変型例において、文字板は、ガラスもしくは、それを正面から見る人には不透明で、視線の方向に対して斜めに傾けたときには透明な合成材料によって構成される。 さらに任意の時計のムーブメントと組み合わせて使うこともできるこの変型例によれば、読取位置に文字板を傾けると文字板上の針を容易に視認でき、さらに好適な方向に時計を向けるだけでムーブメントの作動を確認できる。 別の変型例において、文字板は、電圧がかかっていないときに不透明で、二つの面の間の電圧が結晶を異なる方向に向けたときに透明になる液晶セルで構成することもできるだろう。

    本発明によるムーブメントの一つの例を、図2から図4に示した。 ムーブメントは、地板10および、この例では地板に対して約13度に傾けられた二つの傾斜面100を有する底部11,12,13を備えた、シャーシ1の周囲に構成される。 二つの傾斜面11および13の間の中央部分12は、地板100および文字板94に平行である。 底部のこの凸形状によって、時計の裏ぶたと手首の間の当接面積が小さくなり、汗の問題を減らすことができる。

    本発明の独立した一つの特徴によれば、ムーブメントの底部は時計の裏ぶたを直接構成するようになっており、ムーブメントの底部の平坦な中央部分12は、したがって、装着者の手首と直接接触する。 ムーブメントの底部11,12,13は、ムーブメント内に湿気が入るのを防止するために、符号のついていないパッキンを用いて好適には密封されている。

    ムーブメントの作動を制御するために、これらの面11,12,13は、それぞれ板ガラス110,120,130によって閉鎖されている。 この例において、それぞれの板ガラスは、シャーシ1に個別にねじ止めされた枠(図示せず)によって保持される。

    ムーブメントは、二つの傾斜面100に対して平行で、ムーブメントの作動に必要なエネルギーを蓄積するためのばねを備えた四つのバレル15,16,17および18を備えている。 したがって、これらのバレルの軸は地板に対して垂直ではない。 それぞれの軸の両端はボールベアリングによって支持されるのだが、上部ボールベアリング151,161,171,および181は、図2および図3に見える。 これらのバレルのばねは、この実施例では線形振動錘14である、振動錘の移動によって再チャージされ、該線形振動錘は、中央板ガラス120の下の滑り用溝140内を時計の装着者の運動の効果の下に移動する。 該振動錘14の下面は、ラック146(図6および図7)を備えており、該ラックは、歯車装置26もしくは輪列を介して左戻し滑車29を駆動する、平軸を持つピニオン28を作動させる。

    四つのバレルはそれぞれ二つの溝付き滑車を備えているが、図2に見えるのは、底部に近い滑車150,160,170および180だけである。 二つのバレル15および16は、第一の滑車150,160と噛み合う左巻き上げベルト20、および、符号のついていない第二の滑車と噛み合う左解放ベルト24(図3)を用いて直列に接続されている。 左上ブリッジ22は、二つのバレル15,16の間の経路で二つの該ベルト20および24を分離する。 ベルト20および24は、偏心部分310を備えた、ベルトの背面に作用する引張器31によって張られており、図示されていないねじを用いて偏心部分310の度位置を調節することによって、その張力を調節するためにベルトの経路の長さが変えられる。 ベルト20は、さらに左の両バレルのチャージ滑車29と噛み合う。 振動錘14の移動は、したがって、二つのバレル15および16をチャージするために、歯車装置28および26ならびにチャージ滑車29を介して該ベルト20に伝達される。

    同様に、二つのバレル17および18は、第一の滑車170,180と噛み合う右巻き上げベルト21、および、符号のついていない第二の滑車と噛み合う右解放ベルト25を用いて直列に接続され、右上ブリッジ23がこれらの二つのベルトを分離している。 該ベルト21および25の張力は、引張器32の偏心部分320に作用することによって底部から調節できる。 右の両バレルのチャージ滑車30は、ベルト21によって駆動される。

    ベルト20の経路上の滑車29は、ムーブメントの地板10を介した上面図を示す図4に見える、溝付きベルト41を用いて、ベルト21の経路上の滑車30を駆動する。 滑車41は、偏心部分を有する二つの引張器410および411によって張られる。 錘14の振動もまた、バレル17,18から成る第二のバレル対に伝達される。

    バレル15,16から成る第一のバレル対の第二の滑車を連結するベルト24は、図4にはその一部しか見えない左分配ベルト42を作動する解放滑車270を駆動する。 ベルト42は、その役割を以下に詳しく述べるトルク分配器40の上部プレートを駆動する。

    同様に、バレル17,18から成る第二のバレル対の第二の滑車を連結するベルト25は、右分配ベルト43を作動する第二の解放滑車271を駆動し、該右分配ベルトは、トルク分配器40の下部プレートを駆動する。

    トルク分配器40は、図示されていないプレート保持用ばねによって互いに押し付けられた二枚のプレートを含む。 一方のプレートは左ベルト42によって駆動され、他方のプレートは右ベルト43によって駆動される。 二枚のプレートは、二つのバレル対15−16および17−18によって伝達されたトルクが加算されるように、互いに協働する歯列を備えている。 しかしながら、二つのプレートの歯列は、二つのプレートの間のトルクの差がばねの力に逆らってこれらのプレートを引き離すように配置される。 このトルクの差が大きくなったとき、分配器の二枚のプレートの間の開きによって、二つの歯車装置が「外れ」、一ピッチ飛ぶようになるため、トルクの差は、したがって、プレート保持用ばねによって吸収される。 このようにしてトルク分配器40は、二つのバレル対15−16および17−18が、それらバレルのばねが同一の特性を持たないときでも、ほぼ一定のトルクを提供することを保証できる。

    ベルト44は、トルク分配器40をムーブメントにある中央の針の管45上の時針滑車(図示せず)に連結する。 時間滑車は時針92を直接作動し、分針滑車60は分針ベルト61を介して作動する。 分針滑車60は歯車装置を介して、もしくは図示されていない追加のベルトを介して分針91を駆動する。

    分針滑車60の回転は、図示されていない輪列および/またはベルト列を介して、16時30分の位置に遊び歯車49によって張られた小秒針ベルト47を駆動する小秒針滑車48にさらに伝達される。 追加の滑車もしくはベルト47によって作動される歯車装置が、秒針93を駆動するために小秒針の管50を駆動することを可能にする。

    ブリッジ511に取り付けられた取り外し自在な調節装置51は、ねじ511によって地板10に固定される。 調節装置はムーブメントの外で完全に調節され、調節後に取り付けられるので、時計の進行をそれぞれのムーブメントに適合させるためにさらに必要とされるのは、緩急針のねじのみを用いた第二レベルの微調整だけである。 調節装置は複数の要素から成り、シャーシに連結されたその他の装置(例えば、40)と同一平面にある。

    調節はこのように大幅に容易になるが、それは調節装置を取り外したときに調節箇所全体に容易に手が届くからである。 該調節装置は従来通り、カルーセル式、トゥールビヨン式もしくはさらに電子式とすることも可能で、この実施例では、エスケープメント52を備え、図4にはその一部が見える。 それは図示されていない輪列もしくは追加のベルトによって、小秒針の管52と同軸の秒の歯車に連結されている。

    このように、伝統的な時計のムーブメントの輪列のほとんど全体が、ベルトおよび滑車によって代えられる。 特に、バレル群と針の管の間の連鎖は完全にベルトで構成される。 他方で、通常の軸受およびルビーは、少なくとも部分的に、滑車の軸を保持するボールベアリングによって代えられる。 このようにして、ムーブメントの組立の際の軸の位置決め許容差は緩和することができるのだが、なぜなら、ベルトは、滑車の間の平行性もしくは離隔の誤差を、それが比較的大きなものであっても吸収することができるからである。 他方で、相互に平行でない複数の面内に複数の滑車を配置することが可能であり、これによってムーブメントの製作者に設計の際のさらなる自由が与えられる。 例えば、ベルトは、時計の、角細工の、もしくはバンド部分の文字板上、側面縁上もしくは斜めの表面上で、指針、針もしくは任意のタイプの指示器を運ぶためにも使用できる。 ベルト、滑車およびユニバーサルジョイントの使用によって、さらに、相互に平行でない複数のブリッジを有するムーブメントの設計を大幅に容易にすることもできる。

    滑車29および30はバレル群および両傾斜面100に平行であるが、それらの軸は、好適には、図示されていない一つのユニバーサルジョイントもしくは二重のユニバーサルジョイントを備えており、該ユニバーサルジョイントによって、複数の滑車もしくは歯車装置を地板10に平行に取り付けることができる。 これら二つの滑車の軸は、したがって、ユニバーサルジョイントを介して地板に接合されている。

    図5は、本発明によるベルト20の一部を例示している。 ムーブメントのベルトにはさまざまな制約が課される:
    ・他の技術分野で既知のベルトに比べてはるかに短い長さおよび小さな断面積を呈すること・最小限の摩耗および伸張で、連続して、もしくはほぼ連続して作動すること・広い範囲で変動する直径の滑車および遊び歯車と協働できること・引張器によって張れることができ、また所望であれば、平行でない二つの滑車の間で捩ることができる十分な弾性を呈すること・大きな衝撃を受けても、滑車から離れない十分な剛性を呈すること。

    本発明によれば、ベルトは、必要な堅牢性と横方向の剛性をそれに付与する薄い金属基盤200で構成され、その上にゴムもしくは合成材料から成るより厚みのある層がさらに重ねられており、該層には歯203が形成される。 ベルトの曲率半径を問わず許容できる、ベルトの歯との接触角を保証するために、二つの歯203の間の隙間202は好適には丸くされて、例えば、半円形状、放物線状もしくはサイクロイドであり、他方で、ベルトの歯202は二つの隙間の間で細い稜に帰される。 したがって、ベルト20が強く閉められていても、二つの歯203の間の隙間202は滑車の歯をそこに導入できるのに十分なだけ広いままである。 同一のベルトと協働する、異なる複数の滑車の歯の形状および寸法も、滑車の周囲のベルトの曲率半径に合わせることができる。

    平滑なベルト、もしくは異なる形状の歯を備えたベルトも、本発明を逸脱することなしに使用できる。

    図6および図7は、連鎖26−28を介してバレル群を再チャージするためにムーブメント内で使用される振動錘14を例示している。 本発明によれば、振動錘は滑り用溝140内を線形に移動する。 しかしながら、回転錘も本発明による滑車式ムーブメントとともに使用することができ、さらに、記載された振動錘は、より通常の歯車式ムーブメントとともに使用することもできる。 板ガラス120を介してムーブメントの底部から見える振動錘14は、四つの車輪143を備えているのだが、該車輪によって、滑り用溝140に沿って下部レール144および上部レール145の間で摺動することができる。 錘14は、重力および時計の装着者の手首の運動に応じた加速の作用の下移動する。

    この例では曲げられた可撓性の金属薄板によって構成された、ばね141および142は、錘の行程の各端部に配置されることで、行程の両端での衝撃を吸収し、騒音を減らし、錘14を逆方向に送り返すようになっている。 渦巻きばねもしくはエラストマ製のばねを用いることもできる。 振動錘14の基部上のラック146は、錘14の双方向線形運動を水平軸ピニオン28に伝達し、該水平軸ピニオンは該双方向線形運動を円形運動に転換するのだが、該円形運動は、四つのバレル15,16,17,18を再チャージするために連鎖を介して伝達される。 滑り用溝147は、シャーシ1に単にねじ147を用いて固定されている。

    記載された時計は、互いに平行でない四つのバレルとこれらのバレルの間に一つのトルク分配器を備えているが、当業者には理解できるように、滑車およびベルトは単一のバレルもしくは任意の数のバレルを備えた時計にも使用できる。

    時計のムーブメント内のベルトの使用は、可動体もしくは指示器がきわめて長い軌道もしくは特殊な形態の軌道を走行しなければならないときにも適している。 この場合、可動体もしくは指示器はベルトで直接担持されることができる。 例えば、本発明の範囲を逸脱することなく、日付を表示するために、もしくは二次元さらには三次元の軌道に沿った月齢、惑星の運行または潮汐周期を表示するために、カレンダーを担持するベルトを使用することができるだろう。

    1 シャーシ10 地板100 傾斜面11,12,13 底部110,120,130 板ガラス15,16,17,18 バレル151,161,171,181 ボールベアリング14 線形振動錘140 滑り用溝141,142 ばね143 車輪144,145 レール146 ラック147 ねじ150,160,170,180 滑車19 巻上げ・時刻合わせ竜頭20 左巻き上げベルト21 右巻き上げベルト22 左上ブリッジ23 右上ブリッジ24 左解放ベルト25 右解放ベルト26 歯車装置270 解放滑車28 ピニオン29,30 チャージ滑車31,32 ベルト引張器310,320 偏心部分40 トルク分配器41 溝付きベルト410,411 ベルト引張器42 左分配ベルト43 右分配ベルト44 ベルト45 針の管47 小秒針ベルト48 小秒針滑車49 遊び歯車50 小秒針の管51 調節装置510 ねじ511 ブリッジ60 分針滑車61 分針ベルト62 巻上げ・時刻合わせモジュール9 腕時計90 ケース91 分針92 時針93 小秒針94 文字板95 開口部200 金属基盤202 隙間203 歯

    スイス国特許第61963号明細書

    米国特許第1667685号明細書

    米国特許第2494011号明細書

    米国特許第4320480号明細書

    米国特許第5105398号明細書

    米国特許第4022015号明細書

    米国特許第4676662号明細書

    仏国特許発明第391702号明細書

    QQ群二维码
    意见反馈