Double image eliminating device

申请号 JP22361495 申请日 1995-08-31 公开(公告)号 JPH09185314A 公开(公告)日 1997-07-15
申请人 Hamamatsu Photonics Kk; Virginia Tec Intellectual Properties Inc; ヴァージニア テック インテレクチュアル プロパティーズ インコーポレイテッド; 浜松ホトニクス株式会社; 发明人 SHINODA KAZUNORI; POON TING-CHUNG; WU MING HSIEN; SUZUKI YOSHIJI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To remove a real image or virtual image and to improve the picture quality of a reproduced image by providing 1st and 2nd specific multipliers and reproducing an image of a body with the signal generated by adding the output signal of the 1st multiplier and the output signal of the 2nd multiplier while giving a specific phase difference between them.
SOLUTION: A 1st multiplier 25 which cosine codes the output signal of a photodetector and a 2nd multiplier 28 which sine codes the output signal are provided, and 1st and 2nd spatial modulators where image information on the body is recorded on the basis of the output signals of the multipliers 25 and 28 are provided. Then a phase unit 27 generates a phase difference of π/2+2nπ between a read light beam modulated by the 1st spatial optical modulator and a read light beam modulated by the 2nd spatial optical modulator and a body image reproducing device 55 puts the read light beams which are modulated by the 1st and 2nd modulators together to reproduce the image of the body, thereby eliminating a double image.
COPYRIGHT: (C)1997,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 物体走査用の光ビームを放射する走査用光源と、 前記走査用光ビームを相互に時間的周波数の異なる球面波及び平面波に変換し、この球面波と平面波とを合成する干渉部と、 前記干渉部で生成された合成光ビームによって物体を走査するスキャナと、 前記物体からの散乱波を検出するフォトディテクタと、 前記フォトディテクタの出力信号が入力され、この出力信号をcosineコード化する第1の乗算器と、 前記フォトディテクタの出力信号が入力され、この出力信号をsineコード化する第2の乗算器と、 前記第1の乗算器の出力信号に前記第2の乗算器の出力信号をπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を付して加算した信号により表される前記物体の像を再生する物体像再生部と、 を備える二重像解消装置。
  • 【請求項2】 前記物体像再生部は、第1の乗算器の出力信号に基づいて前記物体の像情報が記録される第1の空間光変調器と、第2の乗算器の出力信号に基づいて前記物体の像情報が記録される第2の空間光変調器と、前記第1及び第2の空間光変調器に読み出し用光ビームを放射する読み出し用光源と、前記第1の空間光変調器により変調される読み出し用光ビーム及び前記第2の空間光変調器により変調される読み出し用光ビームの間にπ
    /2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を生じさせる位相調節手段とを備え、前記第1の空間光変調部により変調された読み出し用光ビームと前記第2の空間光変調部により変調された読み出し用光ビームとを合成することにより前記物体の像を再生するものであることを特徴とする請求項1記載の二重像解消装置。
  • 【請求項3】 前記物体像再生部は、前記読み出し用光源からの読み出し用光ビームを二つに分岐し各分岐光ビームを前記第1及び第2の空間光変調部に向けて出射させるとともに前記第1及び第2の空間光変調部から出射した光ビームを受光して合成する偏光ビームスプリッタをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の二重像解消装置。
  • 【請求項4】 前記フォトディテクタの出力信号を送信する送信装置と、前記送信装置により送信された前記フォトディテクタの出力信号を受信して前記第1及び第2
    の乗算器に送出する受信装置とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の二重像解消装置。
  • 【請求項5】 前記物体像再生部は、前記第1の乗算器の出力信号を記憶する第1のメモリ部と、前記第2の乗算器の出力信号を記憶する第2のメモリ部と、前記第1
    のメモリ部に記憶された信号に前記第2のメモリ部に記憶された信号をπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)
    の位相差を付して加算する演算処理部と、前記演算処理部の出力電気信号を光学像に変換して表示する表示装置とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の二重像解消装置。
  • 【請求項6】 前記演算処理部の出力電気信号を送信する送信装置と、前記送信装置により送信された前記演算処理部の出力電気信号を受信して前記表示装置に送出する受信装置とをさらに備えることを特徴とする請求項5
    記載の二重像解消装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、対象物体のホログラム像を形成する技術に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】被ホログラフィ物体に光を照射し、被ホログラフィ物体からの反射波の位相及び振幅情報を蓄える装置としては、従来から、United States Patent 5,0
    64,257の”Optical Heterodyne Scanning Type Hologra
    phy Device”が知られている。これは、周波数がわずかに異なる平面波と球面波からなるレーザ光を合成してフレネルゾーンプレイトを形成し、このフレネルゾーンプレイトにより被ホログラフィ物体の表面を走査するものである。被ホログラフィ物体からの散乱光は、被ホログラフィ物体表面の反射強度及び位相情報を含んでおり、
    この散乱光がフォトディテクターにより捕捉されて光電変換されることにより、前記の走査と同期した空間光変調器等の結晶上で被ホログラフィ物体の像が再構成される。 これにフラットなレーザ光を照射することにより、
    ホログラム像が再現されることになる。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の様なホログラム再生技術には、ホログラム面の前後で実像と虚像が生じるという、いわゆる二重像の問題があり、再生像の画像がある程度劣化していた。

    【0004】本発明は、上記の問題に鑑みなされたもので、ホログラム再生時における実像又は虚像の一方を取り除き、再生像の画質を向上させる二重像解消装置を実現することを目的とする。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明の二重像解消装置は、(a)物体走査用の光ビームを放射する走査用光源と、(b)走査用光ビームを相互に時間的周波数の異なる球面波及び平面波に変換し、この球面波と平面波とを合成する干渉部と、
    (c)干渉部で生成された合成光ビームによって物体を走査するスキャナ(例えば、スキャナミラーとその駆動装置)と、(d)物体からの散乱波を検出するフォトディテクタと、(e)フォトディテクタの出信号が入力され、この出力信号をcosineコード化する第1の乗算器と、(f)フォトディテクタの出力信号が入力され、この出力信号をsineコード化する第2の乗算器と、(h)第1の乗算器の出力信号に第2の乗算器の出力信号をπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を付して加算した信号により表される上記物体の像を再生する物体像再生部とを備えている。

    【0006】本発明者らの知見によれば、フォトディテクタの出力信号をcosineコード化した信号(以下、「cosineコード信号」と呼ぶ。)にフォトディテクタの出力信号をsineコード化した信号(以下、「sineコード信号」と呼ぶ。)をπ/2+2n
    π(nは、0以上の整数)の位相差を付して加算することで、フォトディテクタの出力信号中に含まれる実像成分又は虚像成分の一方を除去することができる。 この加算信号に基づいて物体像を再生すれば、実像又は虚像の一方を除去し、二重像を解消することができる。

    【0007】上記の物体像再生部の第1の態様としては、第1の乗算器の出力信号に基づいて物体の像情報が記録される第1の空間光変調器と、第2の乗算器の出力信号に基づいて物体の像情報が記録される第2の空間光変調器と、第1及び第2の空間光変調器に読み出し用光ビームを放射する読み出し用光源と、第1の空間光変調器により変調される読み出し用光ビーム及び第2の空間光変調器により変調される読み出し用光ビームの間にπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を生じさせる位相調節手段とを備え、第1の空間光変調部により変調された読み出し用光ビームと第2の空間光変調部により変調された読み出し用光ビームとを合成することにより物体の像を再生するものがある。

    【0008】なお、上記の位相調節手段は、変調前の読み出し用光ビームの位相を変調するものであっても良いし、変調後の読み出し用光ビームの位相を変調するものであっても良い。 また、上記第1の態様の物体像再生部は、読み出し用光源からの読み出し用光ビームを二つに分岐し各分岐光ビームを第1及び第2の空間光変調部に向けて出射させるとともに第1及び第2の空間光変調部から出射した光ビームを受光して合成する偏光ビームスプリッタをさらに備えていても良い。

    【0009】第1の態様の物体像再生部を備える二重像解消装置では、第1及び第2の空間光変調器によって読み出し用光ビームが変調されることにより、これらの空間光変調器に記録されていた物体の像情報が変調後の読み出し用光ビームの波面に再現されることになる。 そして、変調された二つの読み出し用光ビームを上記の位相調節手段によって位相関係を調整しながら合成することにより、cosineコード信号にsineコード信号をπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を付して加算するという処理が達成され、実像又は虚像の一方が除去されたホログラム像が再生される。

    【0010】また、本発明の二重像解消装置は、フォトディテクタの出力信号を送信する送信装置と、この送信装置により送信されたフォトディテクタの出力信号を受信して第1及び第2の乗算器に送出する受信装置とをさらに備えていても良い。

    【0011】この場合、フォトディテクタの出力信号が送信装置及び受信装置を介して第1及び第2の乗算器に送られるので、物体と物体像再生部とを別個の部屋に設置した場合でも、ホログラム像を再生することができる。

    【0012】次に、上記の物体像再生部の第2の態様としては、第1の乗算器の出力信号を記憶する第1のメモリ部と、第2の乗算器の出力信号を記憶する第2のメモリ部と、第1のメモリ部に記憶された信号に第2
    のメモリ部に記憶された信号をπ/2+2nπ(nは、
    0以上の整数)の位相差を付して加算する演算処理部と、演算処理部の出力電気信号を光学像に変換して表示する表示装置とを備えるものがある。

    【0013】第2の態様の物体像再生部を備える二重像解消装置では、演算処理部が第1及び第2のメモリ部から第1及び第2の乗算器の出力信号、すなわちcosi
    neコード信号及びsineコード信号を読み出し、このcosineコード信号にsineコード信号をπ/
    2+2nπ(nは、0以上の整数)の位相差を付して加算する。 この演算結果が表示装置に出力されることにより、表示装置の画面上に実像又は虚像の一方が除去されたホログラム像が再生される。

    【0014】第2の態様の物体像再生部を備える二重像解消装置は、演算処理部の出力電気信号を送信する送信装置と、この送信装置により送信されたフォトディテクタの出力信号を受信して表示装置に送出する受信装置とをさらに備えていても良い。

    【0015】この場合、演算処理部の出力電気信号が送信装置及び受信装置を介して表示装置に送られるので、
    物体と物体像再生部とを別個の部屋に設置した場合でも、ホログラム像を再生することができる。

    【0016】

    【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。 なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。 また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致していない。

    【0017】実施形態1 図1は、本実施形態の二重像解消装置の構成を示す図である。 本装置は、主要な構成要素として、レーザ1、干渉計16、2Dスキャナミラー9及びその駆動装置1
    3、フォトディテクター12、乗算器25及び乗算器2
    8、並びに物体像再生装置55を備え、さらに、局部発振器17、位相器27、集光レンズ11、アンプ24、
    ローパスフィルタ26及び29、DCバイアス器61及び62を備えている。 また、図1において、符号10で示すものは、ホログラム像形成の対象である被ホログラフィ物体である。

    【0018】レーザ1は、周波数ωのレーザ光ビームを発振する光源である。 この光ビームは、被ホログラフィ物体10の走査に用いられる。

    【0019】干渉計16は、ビームスプリッタ2及び8、ビームエクスパンダ3A及び3B、ミラー4及び5、音響光学光変調器6、並びにレンズ7から構成されている。 ビームスプリッタ2は、入射光ビームのうち半分を透過させ、残り半分を反射することにより、入射光ビームを分岐して直交する二方向に出射させる光学素子であり、レーザ1が発振するレーザ光ビームの光路上に配置されている。 ビームエクスパンダ3A及び3Bは、
    入射光ビームのビーム径を拡大して出射させる光学素子である。 ビームエクスパンダ3Aは、ビームスプリッタ2により分岐された光ビームの一方の光路上に配置されている。 また、ビームエクスパンダ3Bは、音響光学光変調器6から出射する光ビームの光路上に配置されている。 ミラー4及び5は、入射光ビームを高反射率で反射するものである。 ミラー4は、ビームエクスパンダ3A
    から出射した光ビームの光路上に配置されている。 ミラー5は、ビームスプリッタ2によって設定される二つの光路のうちビームエクスパンダ3Aへ向かう光路と異なる光路上に配置され、ビームスプリッタ2を透過した光ビームが入射するようになっている。 音響光学光変調器6は、周波数ωの光ビームが入射した場合に、その光ビームの周波数をω+Ωに変調する光学素子である。 この音響光学光変調器6は、局部発振器17から印加される局部発振波cosΩtに応じて入射光ビームの変調を行う。 レンズ7は、ビームエクスパンダ3Bから出射した光ビームを集束するためのものである。 ビームスプリッタ8は、ミラー4及びレンズ7からの光ビームを合成する(重ね合わせる)ためのものであり、ミラー4及びレンズ7から出射した光ビームがともに入射するように配置されている。

    【0020】2Dスキャナミラー9は、レーザ1から出射したレーザビームの光路上において干渉計16の直後に配置された反射ミラーであり、ビームスプリッタ8によって合成された光ビームを反射して被ホログラフィ物体10に照射するためのものである。 2Dスキャナミラー9の回転軸は、図1に示されるY軸と平行であり、2
    Dスキャナミラー9はレンズ7の焦点部分がこの回転軸の中点に位置するように配置されている。 また、この回転軸は、YZ平面上で揺動可能になっている。 駆動装置13は、2Dスキャナミラー9を上記の回転軸のまわりに回転させるとともに、この回転軸を揺動させるものである。 2Dスキャナミラー9を回転させることにより、
    ビームスプリッタ8からの合成光ビームを図1に示されるX軸方向に沿って掃引することが可能になる。 また、
    2Dスキャナミラー9の回転軸をYZ平面上で揺動することにより、ビームスプリッタ8からの合成光ビームをY軸方向に沿って掃引することが可能になる。 結局、駆動装置13によって2Dスキャナミラー9を回転及び揺動させることにより、被ホログラフィ物体10がX軸方向及びY軸方向に沿って走査されることになる。

    【0021】フォトディテクタ12は、入射光を光電変換し、入射光の強度に応じたレベルのへテロダイン電流を出力する光検出素子であり、被ホログラフィ物体10
    で散乱された光ビームを検出するためのものである。 このフォトディテクタ12としては、フォトマルチプライア(光電子増倍管)やフォトダイオード等の一般的な受光素子を用いることができる。

    【0022】被ホログラフィ物体10とフォトディテクタ12との間には集光レンズ12が配置されており、被ホログラフィ物体10による散乱光を集光してフォトディテクタ12に入射させている。

    【0023】アンプ24は、フォトディテクタ12の出力信号を増幅するものである。 アンプ24の出力信号は、乗算器25及び乗算器28に送られるようになっている。 乗算器25は、局部発振器17から印加される局部発振波cosΩtをアンプ24の出力信号に乗算するものである。 乗算器28は、局部発振波cosΩtを位相器27により変換して生成したsinΩtの信号をアンプ24の出力信号に乗算するものである。 ローパスフィルタ26及び29は、乗算器25及び28の出力信号のうち低周波成分のみを通過させるものである。 DCバイアス器61及び62は、ローパスフィルタ26及び2
    9の出力信号に直流のバイアスをかけるものである。 D
    Cバイアス器61、62の出力信号は、物体像再生装置55が有する駆動電源30、31に送出される。

    【0024】物体像再生装置55のうち図1において符号55Aで示される部分の構成は、図2に示されている。 図1及び図2に示されるように、物体像再生装置5
    5は、空間光変調器34及び35、空間光変調器34を駆動する駆動電源30、空間光変調器35を駆動する駆動電源31、フェイズシフタ40、偏光ビームスプリッタ51、並びに読み出し用光源53から構成されている。 空間光変調器34、35は、電子銃、集束電極、電気光学結晶板等を備えた電子ビームアドレス型の空間光変調器(Electron Beam Addresed Spatial Light Modul
    ator:EBSLM)であり、駆動電源30、31からの駆動電圧信号に基づいて電気光学結晶板に照射する電子ビームを走査して、電気光学結晶板の表面に被ホログラフィ物体10の像に対応した電荷像を形成するものである。 読み出し用光源53は、この電荷像を読み出すためのレーザビーム50を放射するものである。 偏光ビームスプリッタ51は、読み出し用光源53からのレーザビーム5
    0を分岐して空間光変調器34、35にそれぞれ入射させるためのものである。 フェイズシフタ40は、透過する光の位相を45度進める光学素子であり、空間光変調器35と偏光ビームスプリッタ51の間に配置されている。 フェイズシフタ40としては、例えば、ポッケルス効果を利用した Z-cut LiNbO 3結晶を用いることができる。

    【0025】次に、本装置の動作を説明する。 まず、レーザ1にレーザ発振を行わせて、周波数ωのレーザビームを出力させる。 このレーザビームは干渉計16に入射する。 ビームスプリッタ2に入射したレーザビームは二つに分岐され、一方の分岐ビームはビームエキスパンダ3Aに向かって進行し、他方の分岐ビームはミラー5に向かって進行するようになる。 ビームエキスパンダ3A
    に入射した分岐ビームは、ビーム径が拡大された後、ミラー4に入射し、ここで反射されてビームスプリッタ8
    に入射する。 ミラー4からビームスプリッタ8に入射するレーザビームは、平面波である。 一方、ミラー5に入射した分岐ビームは、反射されて音響光学光変調器6に入射する。 音響光学光変調器6は、分岐ビームの周波数をωからω+Ωに変調して出射させる。 この出射ビームはビームエキスパンダ3Bに入射し、ここでビーム径が拡大された後、レンズ7に入射する。 このレーザビームは、レンズ7により集束されながら進行してビームスプリッタ8に入射する。 レンズ7からビームスプリッタ8に入射するレーザビームは、球面波である。 ビームスプリッタ8は、ミラー4及びレンズ7からの各レーザビームを合成して出力する。 こうして角周波数ωのレーザビーム(平面波)と角周波数ω+Ωのレーザビーム(球面波)が混在したレーザビームが生成されることになる。

    【0026】上記のレーザビームは、2Dスキャナミラー9に入射し、ここで反射されて被ホログラフィ物体1
    0へ向かう。 駆動装置13により2Dスキャナミラー9
    を回転及び揺動させることでレーザビームが被ホログラフィ物体10を走査することになる。 被ホログラフィ物体10を走査したレーザビームの物体10表面による反射散乱光は、集光レンズ11を介してフォトディテクタ12により受光される。 このフォトディテクタ12は、
    上記散乱光を光電変換し、散乱光の強度に応じたレベルのヘテロダイン電流を出力する。

    【0027】ここで、このヘテロダイン電流が保持する物体10の像情報を説明するために、z=z 0の位置に物体10として点物体δ(x−x 0 ,y−y 0 )を配置した場合を考える。 この場合、上記のヘテロダイン電流i scanは、θ(x,y)=(k 0 /2z 0 )[(x−x
    02 +(y−y 02 ]を用いて、 i scan (x,y)=cos[θ(x,y)+Ωt] と表される。 但し、k 0 =2π/λ(λはレーザ光の波長)である。 また、説明の便宜上、振幅を省略して表記した。 なお、以下においても同様に、振幅を省略した表記を用いることにする。

    【0028】上記の表現の中で、x=x(t)、y=y
    (t)は、2Dスキャナミラー9による走査の動きで決定される。 また、物体10の奥行き方向、すなわち図1
    のz軸座標の原点は、上記レンズ7の後側焦点とされている。 また、上式において、cos[θ(x,y)]
    は、奥行き方向の情報z 0を含んでいる。

    【0029】このような被ホログラフィ物体10の情報を含むヘテロダイン電流の位相θ(x,y)を引き出すため、ヘテロダイン電流はホモダイン変調される。 このホモダイン変調は、具体的には次のように行われる。

    【0030】すなわち、フォトディテクタ12からの出力ヘテロダイン電流は、アンプ24にて増幅された後、
    乗算回路25にて局部発振波cosΩtを乗算されて、
    ローパスフィルタ26に送出される。 ローパスフィルタ26は、乗算回路25の出力信号のうち低周波成分のみを通して、DCバイアス器61に送出する。 DCバイアス器61は、ローパスフィルタ26を通過した電流に直流バイアス電流を加えた電流i d =1+cos[θ
    (x,y)]を出力する。 これにより、ヘテロダイン電流の位相が引き出されたことになる。

    【0031】従来のホログラフィ装置では、上記の電流i dが保持する被ホログラフィ物体10の情報を写真フィルムや空間光変調器などのデバイスに記録し、これらのデバイスに読み取りレーザ光を照射し、その透過あるいは反射光によってもとの空間像を再生している。 これは、デバイスの記録パターンがそのまま上記の点物体のホログラム、すなわちFZP(フレネルゾーンプレイト)を表しており、位置(x 0 ,y 0 ,z 0 )に透過あるいは反射レーザ光が集束して、もとの空間像が再生されることに基づくものである。

    【0032】しかし、従来のホログラフィ装置では、ホログラム面の前後に実像と虚像が同時に形成される欠点がある。 これを理解するために、次のような変形を行う。

    【0033】cosθ=1/2[exp(jθ)+ex
    p(−jθ)] 上式の第1項は実像を表し、第2項は虚像を表す。 従来のホログラフィ装置では、実像と虚像が互いのノイズとして画像に入り込み、画質を劣化させている。

    【0034】本実施形態の二重像解消装置では、虚像e
    xp(−jθ)を除くため、i d (x,y)のほかに、
    d (x,y)の位相を90度進めた電流を生成している。 具体的には、フォトディテクター12の出力へテロダイン電流をアンプ24にて増幅するとともに、局部発振波cosΩtを位相器27にてsinΩtの信号に変換する。 この後、アンプ24の出力cos[θ(x,
    y)+Ωt]と位相器27の出力sinΩtは、乗算回路28により乗算され、ローパスフィルター29に送出される。 乗算回路28の出力信号は、ローパスフィルター29により高周波成分が除かれて、DCバイアス器6
    2に送出される。 上記の信号処理は、次のように表される。

    【0035】

    【数1】

    【0036】乗算回路28の出力信号は、DCバイアス器62にて直流バイアス電流が乗せられた後、駆動電源31に送出される。 DCバイアス器62の出力信号i d
    Q (x,y)は、次のように表される。

    【0037】 i d Q (x,y)=1+sinθ[(x,y)] ここで、i d (x,y)と、i d (x,y)より位相がπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)だけ進んだi d
    Q (x,y)とを加算した場合を考えると、j=e
    j(π/2+2nπ)であるから、 i c (x,y)=i d (x,y)+j・i d Q (x,
    y)=[1+j]+exp(jθ) となる。 この式から明らかなように、i d (x,y)とi d (x,y)より位相がπ/2+2nπ(nは、0以上の整数)だけ進んだi d Q (x,y)とを加算した信号が表すホログラム像を再生すれば、物体10の実像のみが再生されることになる。 なお、上式の右辺には、
    [1+j]というDC項が見られるが、この項は、再生面に一定の明るさのみを与える。

    【0038】上記の処理は、本装置において、次のように実行される。 まず、駆動電源30、31は、2Dスキャナミラー9の駆動装置13によって同期を取られた上で、i d (x,y)、i d Q (x,y)が保持する物体10の像情報を空間光変調器34、35に記録する。 各像情報は、空間光変調器34、35が有する電気光学結晶板上に電荷像として記録される。 次に、読み出し用光源53に読み出し用のレーザビーム50を出力させると、レーザビーム50のうち偏光ビームスプリッタ51
    を透過した光ビームは、空間光変調器34に入射し、i
    d (x,y)に基づいて空間変調される。 レーザビーム50のうち偏光ビームスプリッタ51で反射された光ビームは、フェイズシフタ40により位相を45度進められてから空間光変調器35に入射し、i d Q (x,y)
    に基づいて空間変調される。 これにより、i d (x,
    y)、i d Q (x,y)が有する像情報がレーザビーム50により読み出されることになる。 空間光変調器3
    4、35で変調されたレーザビームは、空間光変調器3
    4、35で反射されて、再び偏光ビームスプリッタ51
    に入射する。 空間光変調器35で反射されたレーザビームは、再びフェイズシフタ40に入射して、ここで位相を45度進められてから偏光ビームスプリッタ51に入射する。 結果として、空間光変調器35から偏光ビームスプリッタ51に入射するレーザビームは、i d (x,
    y)よりも位相が90度進んだi d Q (x,y)、すなわちj・i d Q (x,y)に対応することになる。 空間光変調器34から偏光ビームスプリッタ51に入射したビームのうち偏光ビームスプリッタ51で反射されたものと、空間光変調器35から偏光ビームスプリッタ51
    に入射したビームのうち偏光ビームスプリッタ51を透過するものとは、同一の光路上に出射されて合成される。 これにより、i d (x,y)+j・i d Q (x,
    y)の加算処理が光学的に行われたことになる。 この合成ビームは、虚像が完全を消去して物体10の実像52
    のみを立体像として再生する。

    【0039】このように、本装置によれば、物体の二重像を解消して、画質の優れたホログラム像を再生することができる。 また、本装置により二重像を解消することで、次の様な付加的効果を達成することもできる。

    【0040】すなわち、ホログラフィ技術により3次元のテレビ電送を行う場合、情報量があまりに多いことから伝送系および画像表示系の能力を越えてしまうという問題が生じており、このことに鑑みて現在では情報量の削減技術の実現が急務とされている。 従来(United Sta
    tes Patent:5,064,257 Nov.12,1991 Optical Heterody
    ne Scanning type Holography Device)のホログラフィ装置では、二重像の弊害を低減するために Leith-Upatn
    ieksの off-axis 法を採用していたが、この方法を実現するためには高い解像度の空間光変調器が必要とされていた。 また、伝送の帯域もかなり巨大なものが要求されていた。

    【0041】被ホログラフィ物体10からの散乱光のスペクトルが図3に示されるようなものである場合、off-
    axis法によるホログラム面上のスペクトルは図4に示されるようなものになる。 ホログラム面上のフレア光と物体光とを分離するために特別の搬送波aを用いる必要があるため、どのような伝送チャネルを使用した場合であっても、最低でも2(a +w)=2(3w+w)=8wの帯域を必要とした。

    【0042】本願の二重像解消装置を用いたシステムでは二重像の問題を避けることができ、搬送波a=0であることから、伝送帯域を物体の帯域輻である2wとして大幅に節約することができる。 すなわち、本願の二重像解消装置によって実像又は虚像のいずれか一方を除去することにより、ノイズを低減することができ、それにともない情報量を75%削減することができる。 その結果、ホログラフィ情報のテレビの伝送帯域も削減可能になる。
    このように、本願の二重像解消装置は、ホログラフィ技術により3次元のテレビ電送を行う場合にも好適である。

    【0043】なお、本実施形態の装置において、フェイズシフタ40により通過波面の位相を90度遅らせると、e -jπ/2 =−jであるから、 i c (x,y)=i d (x,y)−j・i d Q (x,
    y)=[1+j]+exp(−jθ) となって、虚像のみが再生される。

    【0044】本実施形態の装置では、i d Q (x,y)
    の位相を進めるためにフェイズシフタ40を用いたが、
    この代わりに、偏光ビームスプリッタ51から空間光変調器34までの光路長と偏光ビームスプリッタ51から空間光変調器35までの光路長との相対的な距離関係を調整することでi d Q (x,y)の位相を進めることもでき、このために空間光変調器の移動装置を設けてもよい。

    【0045】実施形態2 図5は、本実施形態の二重像解消装置の構成を示す図である。 本装置は、実施形態1の二重像解消装置をホログラフィ伝送用に変更したものである。 本装置では、アンプ24の出力端子に無線用の送信装置85が接続され、
    乗算器25及び28の入力端子に送信装置85とペアになった受信装置86が接続されている。 また、本装置は、局部発振器17のほかに、乗算器25及び位相器2
    7に局部発振波cosΩtを印加する局部発振器18を備えている。 フォトディテクタの出力信号は、送信装置85から受信装置86へ無線伝送され、乗算器25、2
    8に送出されるので、これによりホログラフィ伝送が行われることになる。

    【0046】また、本装置では、物体像再生装置56の構成が実施形態1の物体像再生装置55と異なっている。 図6は、本装置の物体像再生装置56の構成を示す図である。 この物体像再生装置56は、実施形態1の物体像再生装置55の構成要素に加えて、駆動電源30及び31に接続された同期発生器82をさらに備えている。 実施形態1では駆動電源13からの同期信号で駆動電源30、31を作動させていたが、本実施形態では同期発生器82からの同期信号で駆動電源30、31を作動させる。

    【0047】本実施形態の二重像解消装置では、送信装置85及び受信装置86を用いて装置を二つに分割しているので、被ホログラフィ物体10のある部屋と異なる部屋でホログラム像を再生することができる。

    【0048】なお、ホログラフィ伝送を行うためには、
    送信装置85及び受信装置86を用いるかわりに、アンプ24と乗算器25、28との間をケーブルにより接続してもよい。 この方法によれば、ケーブルを延ばすことで、長距離のホログラフィ伝送を容易に実現することができる。

    【0049】実施形態3 図7は、本実施形態の二重像解消装置の構成を示す図である。 この装置は、上記実施形態の装置と異なり、空間光変調器を用いずに、コンピュータを用いて被ホログラフィ物体10のホログラム像を再生するものである。 図7に示すように、本装置では、DCバイアス器61の出力i d (x,y)、及びDCバイアス器62の出力i d
    Q (x,y)は、それぞれ物体像再生装置57が有するフレームメモリ70、71に送られ、そこでi d (x,
    y)、i d Q (x,y)が記憶されるようになっている。

    【0050】物体像再生装置57のうち図7において符号57Aで示される部分の構成は、図8に示されている。 図7及び図8に示されるように、物体像再生装置5
    7は、フレームメモリ70及び71と、フレームメモリ70及び71に接続されたコンピュータ73と、このコンピュータ73に接続されたモニタ74から構成されている。 フレームメモリ70、71は、駆動電源13により同期されたタイミングでコンピュータ73にi
    d (x,y)、i d Q (x,y)を出力する。 i
    d (x,y)及びi d Q (x,y)は、コンピュータ7
    3によって絵素ごとに加算され、 i c (x,y)=i d (x,y)+j・i d Q (x,
    y)=[1+j]+exp(jθ) の処理が実行される。 また、コンピュータ73は、次の演算を行う。

    【0051】i c (x,y)*h(x,y;z) 但し、h(x,y;z)=exp[−j(k 0 /2z)
    (x 2 +y 2 )] z=z 0に位置する点物体δ(x−x 0 ,y−y 0 )に関し、h(x,y;z=z 0 )を用いて演算を行うと、 f(x,y)=constant+δ(x−x 0 ,y−
    0 ) となり、もとの物体像が再構成されることになる。 この演算結果はモニタ74に出力され、モニタ74の画面上に物体10のホログラム像が再生される。 また、本装置によれば、上式におけるフィルタ関数h(x,y;z)
    中のzの値を変えて演算を行わせることにより、任意の深さの2次元再生像を表示させることができる。

    【0052】実施形態4 図9は、本実施形態の二重像解消装置の構成を示す図である。 本装置も実施形態3と同様にコンピュータを用いてホログラム像を再生するものであるが、物体像再生装置58の構成が実施形態3と異なっている。

    【0053】物体像再生装置58のうち図9において符号58Aで示される部分の構成は、図10に示されている。 図9及び図10に示されるように、実施形態3の場合と異なり、コンピュータ73には無線用の送信装置8
    5が接続され、モニタ74の入力端子には送信装置85
    とペアになった受信装置86が接続されている。 コンピュータ73の演算結果は送信装置85から受信装置86
    へ無線伝送され、モニタ74に入力される。 コンピュータ73と送信装置85を物体像再生装置58の送信側とよび、受信装置86とモニタ74を受信側とよぶと、送信側と受信側を別個の部屋に設置すれば、被ホログラフィ物体10のある部屋から離れた部屋でホログラム像を再生することも可能になる。 また、送信装置85及び受信装置86を設置するかわりに、コンピュータ73とモニタ74との間をケーブルにより接続すれば、この接続ケーブルを延ばすことで、長距離のホログラフィ伝送を容易に実現することができる。

    【0054】

    【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の二重像解消装置によれば、フォトディテクタの出力信号中に含まれる虚像成分を除去することで二重像を解消し、
    画質の優れたホログラム像を再生することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施形態1の二重像解消装置の構成を示す図である。

    【図2】実施形態1の物体像再生装置の構成を示す図である。

    【図3】被ホログラフィ物体10からの散乱光のスペクトルを示す図である。

    【図4】off-axis法によるホログラムのスペクトルを示す図である。

    【図5】実施形態2の二重像解消装置の構成を示す図である。

    【図6】実施形態2の物体像再生装置の構成を示す図である。

    【図7】実施形態3の二重像解消装置の構成を示す図である。

    【図8】実施形態3の物体像再生装置の構成を示す図である。

    【図9】実施形態4の二重像解消装置の構成を示す図である。

    【図10】実施形態4の物体像再生装置の構成を示す図である。

    【符号の説明】

    1…レーザ、2及び8…ビームスプリッタ、3A及び3
    B…ビームエクスパンダ、4及び5…ミラー、6…音響光学光変調器、7…レンズ、9…2Dスキャナミラー、
    10…被ホログラフィ物体、11…集光レンズ、12…
    フォトディテクタ、13…駆動装置、16…干渉計、1
    7…局部発振器、24…アンプ、25及び28…乗算器、26及び29…ローパスフィルタ、27…位相器、
    30及び31…駆動電源、34及び35…空間光変調器、40…フェイズシフタ、50…読み出し用レーザビーム、51…偏光ビームスプリッタ、52…ホログラム像、53…読み出し用光源、55…物体像再生装置。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 和憲 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 ティン チャン プーン アメリカ合衆国, ヴァージニア州 24060, クランウエル サークル ブラ ックスバーグ 515 (72)発明者 ミン シェン ウー アメリカ合衆国, ニュージャージー州 07095,メイプルヒル, ドライヴ ウッ ドブリッジ 1106 (72)発明者 鈴木 義二 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

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