カラー液晶ディスプレイおよび補償パネル

申请号 JP2011505633 申请日 2009-04-22 公开(公告)号 JP5809975B2 公开(公告)日 2015-11-11
申请人 クリスオプティクス株式会社; 发明人 パルト、セルゲイ;
摘要
权利要求

秩序化されたゲスト−ホストシステムに基づき、かつ主屈折率nx(λ),ny(λ),nz(λ)のうちの1つ以上が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において異常なスペクトル分散を有するというスペクトル依存性を有する、1つ以上の光学異方性層を製造する方法において、 a)光学的異方性を規定する主屈折率間の差Δv(λ)のうちの1つ以上が、可視スペクトル範囲において条件∂Δv(λ)/∂λ≧0を満たすように、主屈折率nx(λ),ny(λ),nz(λ)のスペクトル依存性を割り当てる工程であって、添字vは、inおよびoutを含むリストから選択される、工程と、 b)クラマース・クローニッヒの関係式によって推定されるスペクトル依存性nx(λ)=KK(kx(λ)),ny(λ)=KK(ky(λ)),nz(λ)=KK(kz(λ))が工程(a)において示される屈折率のスペクトル依存性を満たすまで、主吸収係数スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)の数値を指定および変更する工程と、 c)UVスペクトル範囲に吸収を有し、吸収係数kX,h(λ),ky,h(λ),kZ,h(λ)を有する可視範囲の正常なスペクトル分散を有する光学異方性ホストマトリクスを形成可能なホスト成分として働く、可視スペクトル範囲の電磁放射にほぼ透過性である1つ以上の有機化合物を選択する工程と、 d)250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能であり、吸収係数kX,g(λ),ky,g(λ),kZ,g(λ)を有する1つ以上の型のゲスト粒子を選択し、ゲスト成分としてホストマトリクス中へ入れる工程と、 e)250〜2500nmの波長範囲における、工程b)において算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)と、関数kX,h(λ)+kX,g(λ),ky,h(λ)+ky,g(λ),kZ,h(λ)+kZ,g(λ)との間の不一致性を最小化するゲスト成分量を最適化する工程と、 f)先の工程にしたがって、可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性である1つ以上の有機化合物と、250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能である1つ以上の型のゲスト粒子とを用いて、コーティング溶液を形成する工程と、 g)基板上にコーティング溶液を塗布し、液体層を形成する工程と、 h)液体層に対し外部配向作用を適用する工程と、 i)乾燥によって固体のゲスト−ホスト層を形成する工程と、 j)固体のゲスト−ホスト層について実験的なスペクトルkX,(λ),ky,(λ),kZ,(λ)を測定し、測定された吸収スペクトルと、算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)との間の不一致性が最小となるまで、工程c)〜i)を繰り返す工程と、を含む方法。前記有機化合物は次式Iの構造を有し、 ここで、Sysは少なくとも部分的に共役したほぼ平坦な多環式分子系であり、Xはカルボキシル基−COOHであって、mは0,1,2,3,または4であり、Yはスルホン酸基−SO3Hであって、nは0,1,2,3,または4であり、Zはカルボキサミドであって、pは0,1,2,3,または4であり、Qはスルホンアミドであって、vは0,1,2,3,または4であり、Dは対イオンであり、sは、電気的に中性な状態の分子を提供する対イオンの数であり、Rは、CH3,C2H5,Cl,Br,NO2,F,CF3,CN,OH,CH3,OC2H5,OCOCH3,OCN,SCN,NH2,およびNHCOCH3を含むリストから選択される置換基であり、wは0,1,2,3または4である、請求項1に記載の方法。前記多環式分子系Sysは可視スペクトル範囲においてほぼ透明である、請求項2に記載の方法。前記多環式分子系Sysは、一般式II〜XLVIに対応する構造を有する、請求項2または3に記載の方法。前記対イオンDは、H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,Cs+,Pb++,およびZn++を含むリストから選択される、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の方法。前記有機化合物はオリゴフェニレンまたはオリゴフェニル誘導体であり、一般式IIに 対応する構造を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。オリゴフェニル誘導体は、一般式1〜7のうちの1つに対応する構造を有する、請求項6に記載の方法。前記有機化合物はビベンゾイミダゾール誘導体であり、一般式8〜26のうちの1つに対応する構造を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記有機化合物はトリアジン誘導体であり、一般式27〜29のうちの1つに対応する構造を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記有機化合物はアセナフトキノキサリン誘導体である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記アセナフトキノキサリン誘導体は、カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、一般式30〜48のうちの1つに対応する構造を有する、請求項10に記載の方法。前記有機化合物は、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体は、カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、前記誘導体は一般式49〜70のうちの1つに対応する構造を有する、請求項12に記載の方法。前記ゲスト粒子は、単一の原子、単一の有機分子、単一の無機分子、巨大分子、ポリマー分子、原子団、無機ナノ結晶、分子団、分子ナノ結晶、および非規則的ナノ粒子を含むリストから選択される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。前記ゲスト粒子は1つ以上の無機材料から形成される、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。前記ゲスト粒子は1つ以上の有機材料から形成される、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。前記ゲスト粒子は顔料である、請求項15または16に記載の方法。前記ゲスト粒子は染料分子である、請求項16に記載の方法。前記ゲスト粒子は光学的に等方性の粒子である、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。前記ゲスト粒子は光学的に異方性である、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。1つ以上の前記染料分子は、一般式71〜79に対応する構造を有する、請求項18に記載の方法。前記基板は、ダイヤモンド、石英、プラスチック、ガラス、セラミックスを含む群の1つ以上の材料から形成され、カラーフィルタ基板、回路構造、多層相互接続部、およびTFTアレイ基板を含む群の1つ以上の要素を含む、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の方法。前記液体層は、、水混和性の溶媒、アルコール系溶媒、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される溶媒をさらに含む、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の方法。前記溶媒は水である、請求項23に記載の方法。前記乾燥は気流により行われる、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の方法。前記工程g)の前に前処理工程をさらに含む、請求項1乃至25のいずれか一項に記載の方法。前記前処理工程は、前記基板の表面を親水性とする工程を含む、請求項26に記載の方法。前記前処理工程は、平坦化層の付着をさらに含む、請求項26または27に記載の方法。H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Cs+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,La3+,Zn++,Zr4+,Ce3+,Y3+,Yb3+,Gd3+,およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるカチオンを含む任意の水溶性無機塩の溶液を用いる後処理工程をさらに含む、請求項1乃至28のいずれか一項に記載の方法。前記付着工程、およびH+,NH4+,Na+,K+,Li+,Cs+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,La3+,Zn++,Zr4+,Ce3+,Y3+,Yb3+,Gd3+,およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるカチオンを含む任意の水溶性無機塩の溶液を用いる後処理工程が同時に行われる、請求項28に記載の方法。前記乾燥工程および前記後処理工程は同時に行われる、請求項29または30に記載の方法。前記後処理工程は前記乾燥工程の後に行われる、請求項29または30に記載の方法。前記コーティング溶液は等方性の溶液である、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の方法。前記コーティング溶液はリオトロピック液晶溶液である、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の方法。前記塗布工程はゲルから形成される、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の方法。前記塗布工程は粘稠な液相から形成される、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の方法。前記外部配向作用は前記コーティング溶液の塗布と同時に前記液体層に対し適用される、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の方法。

说明书全文

本発明は、カラー液晶ディスプレイ(LCD)装置に関する。より詳細には、本発明は、スペクトル分散の制御可能な屈折率を有する補償パネルを用いることによるカラーLCDの改良に関する。

液晶ディスプレイは、腕時計および置時計、写真用カメラ、様々な機器、コンピュータ、フラットテレビセット、投影スクリーン、ならびに数々の情報デバイスにおいて、広範に用いられている。

LCDにおいて用いられる電気光学モードには、特に、ねじれネマチック(TN;twisted nematic)、超ねじれネマチック(STN;super twisted nematic)、OCB(optically compensated bend)、および電界制御複屈折(ECB;electrically controlled birefringence)モードその他のモードや、それらの様々な変形モードが含まれる。これらのモードではすべて、基板に対し(したがって液晶(LC)層に対し)ほぼ垂直な電界が用いられる。これらのモードの他に、例えば、面内スイッチングなど、基板に(したがって液晶層に)ほぼ平行な電界が用いられる幾つかの電気光学モードが存在する。

面内スイッチング(IPS)モードおよび垂直配列(VA)モードは、大型の最新のデスクトップモニタおよびテレビセット用のLCDにおいて最も広範に用いられており、マルチメディア用の未来のディスプレイにおける使用が想定される。

TN(ねじれネマチック)モードのLCDは、正の誘電率異方性を有するとともに2つの基板間にねじれた状態で平に配列される液晶分子を用いる、一般的な型の従来のLCDである。しかしながら、TN型のLCDでは光漏れがほとんど補償されないため、完全に黒い状態を表示することは不可能である。一方、IPS型のLCDでは液晶分子が基板の表面によってほぼ水平かつ一様に配列されるので、LC光学軸に沿って直線的に偏光された光は液晶層を通過するときに分極状態における変化を受けず、OFF状態においてほぼ完全に黒い状態を表示することが可能である。VAモードのLCDは、OFF状態におけるLC分子の分布が一様であることによっても特徴付けけられる。しかしながら、VA型LCDの高品質な光学補償には、2つ以上の異なる型の遅延フィルムを用いることが必要である。したがって、光漏れは解決されるべき問題のままである。

本出願における偏光板、補償パネル、遅延層の記載に関連して、文章全体を通じて以下の用語の定義が用いられる。 用語「光学軸」は、伝搬光の異なる直線偏光成分が同じ位相速度を有し、相互の遅延を示さない方向のことである。

任意の光学異方性媒質は、その2階の誘電率テンソルによって特徴付けられる。任意の媒質の誘電率は、この媒質を形成する粒子の分極率によって決定される。媒質が超分子を含む場合、媒質の誘電率は、これらの超分子の配向および分極率によって決定される。

補償パネルの分類は、補償パネルの自然座標フレームに対する特定の誘電率テンソルの主軸の配向に緊密に関連している。パネルの自然xyz座標のフレームは、z軸が垂直方向に平行で、xy平面がパネル表面と一致するように選択される。

図1(従来技術)には、誘電率テンソルの主軸(A,B,C)がxyzフレームに対して任意に配向される一般的な場合を示す。主軸の配向は、3つのオイラー(θ,φ,ψ)を用いて特徴付けられ、このオイラー角と主誘電率テンソル成分(εAB、εc)とによって様々な型の光学補償子が一意に規定される。誘電率テンソルの主成分がすべて異なる値を有する場合は、二軸の補償子に相当し、この補償子によってパネルは2つの光学軸を有する。例えば、εABCの場合、それらの光学軸は、C軸とA軸とのなす面において、C軸の両側にある。一軸の限界(εABであるとき)においては、2つの軸が一致する縮退された場合となり、C軸が単一の光学軸である。

別の例では、誘電体テンソルの2つの主軸A,Bがパネル面にあり、C軸がパネル面に対し垂直である。実験室フレームのx,y,z軸は、それぞれA,B,C軸と一致するように選択可能である。例えば、誘電率テンソルの3つの主値εABCのうちの最低の大きさおよび最高の大きさが、それぞれA軸、B軸に対応する場合、εACBであり、2つの光学軸はAB平面に属する。この理由のため、そのような遅延層は、「AB」または「BA」型パネルと呼ばれる(図2、従来技術)。負のABパネル(εA−εB<0のとき)は、正のBAのパネルまたは板と等価である(名前の文字の順序の交替によって、誘電率差の符号が変化する。すなわち、εB−εA>0)。別の本質的に異なる場合は、2つの光学軸がパネル表面に対し直交する平面に属するときである。これは、主誘電率のうちの1つの最低または最高の大きさが、C軸に対応する場合である。例えば、εCBAの場合、遅延層は負のCAまたは正のACパネルと呼ばれる。

C軸とz軸との間の天頂角θは、様々な補償型の規定において最も重要である。幾つかの重要な型の一軸の遅延層が存在し、それらはLCDの補償の実用において最も頻繁に用いられる。

オイラー角θ=π/2かつεAB≠εCによってパネルが規定される場合、そのパネルは「Aパネル」と呼ばれる。この場合、主軸であるC軸はパネル平面(xy平面)にあり、A軸は、この平面の表面に対し垂直である(一軸の縮退のため、A,B軸の直交配向は、xy面に垂直な平面において任意に選択可能である)。εABCの場合、そのパネルは「正のAパネル」と呼ばれる(図3(a)、従来技術)。反対に、εABCの場合、そのパネルは「負のAパネル」と呼ばれる(図3(b)、従来技術)。

Cパネルは、オイラー角θ=0かつεAB≠εCによって規定される。この場合、主軸であるC軸(異常軸)は、パネル表面(xy平面)に垂直である。εABCの場合、そのパネルは「正のCパネル」と呼ばれる。反対に、εABCの場合、そのパネルは「負のCパネル」と呼ばれる。図4(従来技術)には、正(a)および負(b)のCパネルの自然座標フレームに対する特定の誘電率テンソルの主軸の配向を示す。xy平面に位置する軸OA,OBは等価である。

一般に、誘電率テンソル成分(εABC)が複素数であるとき、主誘電率テンソル成分(εABC)、屈折率(na,nb,nc)、および吸収係数(ka,kb,kc)は、次の条件、すなわち、na=Re[(εA)1/2],nb=Re[(εB)1/2],nc=Re[(εC)1/2],ka=(4π/λ)Im[(εA)1/2],kb=(4π/λ)Im[(εB)1/2],kc=(4π/λ)Im[(εC)1/2]を満たす。ここで、λは自由空間波長である。

LCD装置の光学特性は、光学的な複屈折を有する1つ以上の層の付着によって改良可能である。従来の市販のディスプレイでは、低コントラストおよび光漏れの問題を解決するために遅延層(または遅延フィルム)が用いられている。典型的な遅延フィルムは、単 軸または二軸の複屈折材料の1つ以上の均質層からなり、偏光子と液晶セルとの間に配置される。斜めの視野角におけるコントラスト比の補償用の遅延フィルムは、面内遅延(Rin)を補償するための負のC型パネルと、面外遅延(Rout)を補償するための負のA型パネルとからなり、それらは広い視野角においてコントラストを増進するように特定の順序に配置される必要がある。

しかしながら、典型的な遅延フィルムは正常分散を有し、可視スペクトル範囲全体において上述の欠点に対する解決手段を提供することは不可能である。これによって、特に広い視野角においては、表示される画像の色の歪みの生じることがある。通常、LCDの最適化は、550nmの光学波長における最大感度のヒトの視覚範囲に保たれる。したがって、最大の歪みは光学スペクトルの赤方および青方の部分に生じる。本発明では、可視スペクトル範囲の下限は、ほぼ400nmに等しく、上限はほぼ750nmに等しいと仮定する。

図5(従来技術)には、カラー液晶ディスプレイの典型的な液晶セル1を示す。この液晶セルは、前面基板2(カラーフィルタ3、ブラックマトリクス4、および平坦化層5を有する)と、液晶層6と、他の機能層7(電極およびアライメント層を含む)と、背面基板8(電極、駆動素子、およびアライメント層を有する)と、を備える。

本発明は、光学的性能の改良された、特に、広範囲の視野角においてコントラストがより高く演色に優れ、視野角範囲全体において色変化の低減された、補償されたカラー液晶ディスプレイを提供する。それらの利点は、簡略化された製造技術と共に提供される。

本発明は、整えられたゲスト−ホストシステムに基づく1つ以上の光学異方性層を備える光学異方性補償パネルを提供する。この光学異方性補償パネルは、異方性ホストマトリクスと、ゲスト粒子を含むゲスト成分と、を含む。異方性ホストマトリクスは可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性の有機化合物を含み、ゲスト粒子は異方性ホストマトリクスの吸収に追加の吸収を提供し、この追加の吸収は、約250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において、異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に生じる。この補償パネルは、スペクトル分散の制御可能な屈折率を有する。

さらなる一態様では、本発明は、整えられたゲスト−ホストシステムに基づき、かつ主屈折率nx(λ),ny(λ),nz(λ)のうちの1つ以上が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において異常なスペクトル分散を有するというスペクトル依存性を有する、1つ以上の光学異方性層を製造する方法も提供する。この方法は、次の工程、すなわち、 a)光学的異方性を規定する主屈折率間の差Δv(λ)のうちの1つ以上が、可視スペクトル範囲において条件∂Δv(λ)/∂λ≧0を満たすように、主屈折率nx(λ),ny(λ),nz(λ)のスペクトル依存性を割り当てる工程であって、添字vは、inおよびoutを含むリストから選択される、工程と、 b)クラマース・クローニッヒの関係式によって推定されるスペクトル依存性nx(λ)=KK(kx(λ)),ny(λ)=KK(ky(λ)),nz(λ)=KK(kz(λ))が工程(a)において示される屈折率のスペクトル依存性を満たすまで、主吸収係数スペクトルkX,cal(λ),ky,calλ),kZ,cal(λ)の数を指定および変更する工程と、 c)UVスペクトル範囲の吸収係数kX,h(λ),ky,h(λ),kZ,h(λ)によって特徴付けられる可視範囲の正常なスペクトル分散を有する光学異方性ホストマト リクスを形成可能なホスト成分として働く、可視スペクトル範囲の電磁放射にほぼ透過性である1つ以上の有機化合物を選択する工程と、 d)250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能であり、吸収係数kX,g(λ),ky,g(λ),kZ,g(λ)によって特徴付けられる1つ以上の型のゲスト粒子を選択し、ゲスト成分としてホストマトリクス中へ入れる工程と、 e)250〜2500nmの波長範囲における、工程b)において算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)と、適切な関数kX,h(λ)+kX,g(λ),ky,h(λ)+ky,g(λ),kZ,h(λ)+kZ,g(λ)との間の非一貫性を最小化するゲスト成分量を最適化する工程と、 f)先の工程にしたがって、可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性である1つ以上の有機化合物と、250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能である1つ以上の型のゲスト粒子とを用いて、コーティング溶液を形成する工程と、 g)基板上にコーティング溶液を塗布し、液体層を形成する工程と、 h)液体層に対し外部整合作用を適用する工程と、 i)乾燥によって固体のゲスト−ホスト層を形成する工程と、 j)固体のゲスト−ホスト層について実験的なスペクトルkX,(λ),ky,(λ),kZ,(λ)を測定し、測定された吸収スペクトルと、算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)との間の非一貫性が最小となるまで、工程c)〜i)を繰り返す工程と、を含む。

さらなる一態様では、本発明は、液晶セルと、液晶セルの各側に配置された第1および第2の偏光子と、それらの偏光子の間に位置する1つ以上の補償パネルと、を備えるカラー液晶ディスプレイを提供する。補償パネルは、整えられたゲスト−ホストシステムに基づく1つ以上の光学異方性層を備え、このゲスト−ホストシステムは、可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性の有機化合物を含む異方性ホストマトリクスと、ゲスト粒子を含むゲスト成分と、を含む。ゲスト粒子は異方性ホストマトリクスの吸収に追加の吸収を提供し、この追加の吸収は、約250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において、異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に生じる。

従来技術を示す図。

従来技術を示す図。

従来技術を示す図。

従来技術を示す図。

従来技術を示す図。

本発明の第1の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す図。

本発明の第2の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す図。

本発明の第3の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す図。

本発明の第4の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す図。

本発明の第5の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す図。

本発明の第6の実施形態による、補償パネルが液晶セル内に位置する液晶ディスプレイの構成を示す図。

開示の異方性層の第1の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

開示の異方性層の第2の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

開示の異方性層の第3の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

開示の異方性層の第4の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

開示の異方性層の第5の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

開示の異方性層の第6の実施形態による光学異方性層について算出される屈折率(n

x,n

y,n

z)を示す図。

2つの光学異方性層の屈折率(n

x,n

y,n

z)の比較を示す図。その一方(破線)は、ホスト化合物およびゲスト粒子の二元混合物を含む溶液から調製され、他方(連続線)は、ホスト化合物と2つの型のゲスト粒子とからなる三元混合物を含む溶液から調製された。

本発明の第7の実施形態による、補償パネルが液晶セル外に位置する液晶ディスプレイの構成を示す図。

BLACK状態からWHITE状態への電界駆動スイッチングにおける、分散補償のないVA型LCDの色状態の時間に対する変化を示す図。

正常なスペクトル分散を有する屈折率n

x,n

y,n

zを示す図。

異常分散の形成機構を示す図。

混合物が本発明によるゲスト−ホストシステムを形成可能であることを概略的に示す図。

450nm〜575nmの副範囲において異常なスペクトル分散(∂n

y(λ)/∂λ≧0)を有する主屈折率n

yを示す図。

BLACK状態からWHITE状態への電界駆動スイッチングにおける、分散補償のあるVA型LCDの色状態の時間に対する変化を示す図。

波長λ=450nmに対する分散補償のないIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

波長λ=550nmに対する分散補償のないIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

波長λ=650nmに対する分散補償のないIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

BLACK状態からWHITE状態への電界駆動スイッチングにおける、分散補償のないIPS型LCDの色状態の時間に対する変化を示す図。

修正したA

Bパネルのスペクトル吸収を示す図。

修正したA

Bパネルのスペクトル屈折率を示す図。

1つの波長に対する色補償されたIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

1つの波長に対する色補償されたIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

1つの波長に対する色補償されたIPS型LCD設計についてコンピュータでシミュレートした視野角コントラスト比のマップ。

BLACK状態からWHITE状態への電界駆動スイッチングにおける、分散補償のあるIPS型LCDの色状態の時間に対する変化を示す図。

明細書および特許請求の範囲において用いる様々な用語の定義を以下に挙げる。 用語「可視スペクトル範囲」は、下限がほぼ400nmに等しく、上限がほぼ750nmに等しいスペクトル範囲を意味する。

用語「補償パネル」は、3つの主屈折率(nx,ny,nz)によって特徴付けられる1つ以上の光学異方性層を備える光学装置を意味する。ここで、屈折率nx,nyについての2つの主軸方向は、補償パネルの平面と一致するxy平面に属し、屈折率(nz)についての1つの主軸方向は補償パネルに対する法線と一致する(面内のx,y軸は、面内 の主軸と常に一致するように選択される)。

用語「屈折率の面内差Δin(λ)」は、2つの面内屈折率の差の絶対値|ny(λ)−nx(λ)|、また面内光学異方性の特性値として定義される。 用語「屈折率の面外差Δout(λ)」は、垂直屈折率nzと1つの面内屈折率nxとの差の絶対値、すなわち、|nz(λ)−nx(λ)|、また面外光学異方性の特性値として定義される。

用語「BA型の光学異方性層」は、屈折率nx,ny,nzが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:ny>nz>nx、またはnx>nz>ny。 用語「負のA型の光学異方性層」は、屈折率nx,ny,nzが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:nz=ny>nx、またはnz=nx>ny

用語「正のA型の光学異方性層」は、屈折率nx,ny,nzが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:nz=nx

y、またはn

z=n

y

x。 用語「A

C型の光学異方性層」は、屈折率n

x,n

y,n

zが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:n

y>n

x>n

z、もしくはn

x>n

y>n

z(正のA

C型)、またはn

y

x

z、もしくはn

x

y

z(負のA

C型)。

用語「負のC型の光学異方性層」は、屈折率nx,ny,nzが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:nx=ny>nz。 用語「正のC型の光学異方性層」は、屈折率nx,ny,nzが可視スペクトル範囲において次の条件に従う光学層を意味する:nx=ny

z。

上述の定義は、いずれの型の異方性層についても、(実験室フレームの)座標系の垂直な0z軸周りの90度回転に対し不変である。 用語「ゲスト−ホストシステム」は、ホストマトリクスおよびゲスト成分を含む光学系を意味する。ここで、ホストマトリクスは、3つの主屈折率(nX,h,ny,h,nZ,h)によって特徴付けられ、ここで、屈折率nX,h,ny,hについての2つの主軸方向は、補償パネルの平面と一致するxy平面に属し、屈折率(nZ,h)についての1つの主軸方向は補償パネルに対する法線と一致する 用語「BA型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:ny,h>nZ,h>nX,h、またはnX,h>nZ,h>ny,h

用語「正のA型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:nZ,h=nX,h

y,h、またはn

Z,h=n

y,h

X,h。

用語「負のA型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:nZ,h=ny,h>nX,h、またはnZ,h=nX,h>ny,h

用語「AC型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:ny,h>nX,h>nZ,h、またはnX,h>ny,h>nZ,h(正のAC型)、およびny,h

X,h

Z,h、またはn

X,h

y,h

Z,h(負のA

C型)。

用語「正のC型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:nX,h= ny,h

Z,h。

用語「負のC型の異方性ホストマトリクス」は、屈折率nX,h,ny,h,nZ,hが可視スペクトル範囲において次の条件に従うホストマトリクスを意味する:nX,h=ny,h>nZ,h

上述の定義は、いずれの型の異方性ホストマトリクスについても、(実験室フレームの)座標系の垂直な0z軸周りの90度回転に対し不変である。 本発明は、整えられたゲスト−ホストシステムに基づく1つ以上の光学異方性層を備える光学異方性補償パネルを提供する。この光学異方性補償パネルは、異方性ホストマトリクスと、ゲスト粒子を含むゲスト成分と、を含む。異方性ホストマトリクスは可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性の有機化合物を含み、ゲスト粒子は異方性ホストマトリクスの吸収に追加の吸収を提供し、この追加の吸収は、約250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において、異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に生じる。この補償パネルは、スペクトル分散の制御可能な屈折率を有する。

開示の光学異方性補償パネルの一実施形態では、光学異方性層は、3つの主屈折率(nx,ny,nz)のうちの1つ以上が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂nu(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられ、ここで、添字uは、x,y,zを含むリストから選択される。

開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、光学異方性層はBA型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。この実施形態では、光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによってさらに特徴付られてもよい。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、光学異方性層はBA型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、光学異方性層は負のA型の一軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。

開示の光学異方性補償パネルの一実施形態では、光学異方性層は正のA型の一軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。

開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、光学異方性層はAC型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。この実施形態では、光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによってさらに特徴 付られてもよい。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、光学異方性層はAC型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、光学異方性層は負のC型の一軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示の光学異方性補償パネルの一実施形態では、光学異方性層は正のC型の一軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、屈折率の面内差Δin(λ)は次の条件に従う:スペクトル分散係数(Δin,450in,550)および(Δin,550in,650)は、0.4〜1.0の範囲にある。ここで、Δin,450in,550in,650は、それぞれ、450nm、550nm、650nmの波長における屈折率の面内差の値である。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、屈折率の面外差Δout(λ)は次の条件に従う:スペクトル分散係数(Δout,450out,550)および(Δout,550out,650)は、0.4〜1.0の範囲にある。ここで、Δout,450out,550out,650は、それぞれ、450nm、550nm、650nmの波長における屈折率の面外差Δout(λ)の値である。

開示の光学異方性補償パネルの一実施形態では、ホストマトリクスの有機化合物は一般式Iを有する。

ここで、Sysは少なくとも部分的に共役したほぼ平坦な多環式分子系であり、Xはカルボキシル基−COOHであって、mは0,1,2,3,または4であり、Yはスルホン酸基−SO3Hであって、nは0,1,2,3,または4であり、Zはカルボキサミドであって、pは0,1,2,3,または4であり、Qはスルホンアミドであって、vは0,1,2,3,または4であり、Dは対イオンであり、sは、電気的に中性な状態の分子を提供する対イオンの数であり、Rは、CH3,C2H5,Cl,Br,NO2,F,CF3,CN,OH,OCH3,OC2H5,OCOCH3,OCN,SCN,NH2,およびNHCOCH3を含むリストから選択される置換基であり、wは0,1,2,3または 4である。開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、多環式分子系Sysは可視スペクトル範囲においてほぼ透明である。開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、多環式分子系Sysは、テーブル1に示す構造II〜XLVIからの一般式を有する。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、対イオンは、H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,Cs+,Pb++,およびZn++を含むリストから選択される。

開示の光学異方性補償パネルの一実施形態では、有機化合物はオリゴフェニル誘導体である。構造1〜7に対応する一般式のオリゴフェニル誘導体の例を、テーブル2に示す。

開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、有機化合物は、1H,1’H−2,2’−ビベンゾイミダゾールの誘導体、2,2’−ビ−1,3−ベンゾオキサゾールの誘導体、2,2’−ビ−1,3−ベンゾチアゾールの誘導体を含むリストから選択される。本発明のさらに別の実施形態では、有機化合物はテーブル3に示す一般式を有する。

開示の光学異方性補償パネルのさらに別の実施形態では、有機化合物は「トリアジン」誘導体であり、テーブル4に示す構造27〜29のうちの1つに対応する一般式を有する。

開示の補償パネルの好適な一実施形態では、有機化合物はカルボキシル基を含むアセナフトキノキサリン誘導体である。カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造30〜48に対応する一般式を有するアセナフトキノキサリン誘導体の例を、テーブル5に示す。

開示の補償パネルのさらに別の好適な実施形態では、有機化合物は、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体である 一実施形態では、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オ ン誘導体は、カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造49〜70を含む群からの一般式を有する。その例をテーブル6に示す。

開示の補償パネルの一実施形態では、異方性ホストマトリクスは、3つの主屈折率(nX,h,ny,h,nZ,h)が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂nu(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられ、ここで、添字uは、x,y,zを含むリストから選択される。

開示の補償パネルの別の実施形態では、異方性ホストマトリクスはBA型の二軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面内差Δin,h(λ)=|ny,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常な分散∂Δin,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。開示の補償パネルのこの実施形態では、異方性ホストマトリクスは、屈折率の面外差Δout,h(λ)=|nX,h(λ)−nZ,h( λ)|が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂Δout,h(λ)/∂λ<0を有することによってさらに特徴付けられてよい。

開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、異方性ホストマトリクスはBA型の二軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面外差Δout,h(λ)=|nX,h(λ)−nZ,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂Δout,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、異方性ホストマトリクスは、主軸のうちの1つがx軸にほぼ平行である分極率テンソルによって特徴付けられる異方性超分子を含む。

開示の補償パネルの一実施形態では、異方性ホストマトリクスは正のA型の一軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面内差Δin,h(λ)=|ny,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常な分散∂Δin,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルの別の実施形態では、異方性ホストマトリクスは負のA型の一軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面内差Δin,h(λ)=|ny,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常な分散∂Δin,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、異方性ホストマトリクスは、主軸のうちの1つがx軸にほぼ平行であるように配向された一軸性の異方性超分子を含む。この実施形態では、分極率テンソルの主軸方向のうちの1つは超分子の主軸と一致する。他の2つの主軸は垂直面において任意に選択されてよく、それらの選択された2つの主軸に沿った分極率テンソルの主値は、ほぼ等しい。開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、異方性ホストマトリクスはAC型の二軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面外差Δout,h(λ)=|nX,h(λ)−nZ,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂Δout,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。この実施形態では、異方性ホストマトリクスは、屈折率の面内差Δin,h(λ)=|ny,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常な分散∂Δin,h(λ)/∂λ<0を有することによってさらに特徴付けられてよい。

開示の補償パネルの一実施形態では、異方性ホストマトリクスはAC型の二軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面内差Δin,h(λ)=|ny,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常な分散∂Δin,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルの別の実施形態では、異方性ホストマトリクスは正のC型の一軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面外差Δout,h(λ)=|nZ,h(λ)−nX,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂Δout,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、異方性ホストマトリクスは負のC型の一軸特性を有する。開示の補償パネルは、屈折率の面外差Δout,h(λ)=|nX,h(λ)−nZ,h(λ)|が可視スペクトル範囲において正常なスペクトル分散∂Δout,h(λ)/∂λ<0を有することによって特徴付けられる。

開示の補償パネルのさらに別の実施形態では、ゲストの吸収性粒子は、単一の原子、単 一の有機分子、単一の無機分子、巨大分子、ポリマー分子、原子団、無機ナノ結晶、分子団、分子ナノ結晶、および非規則的ナノ粒子を含むリストから選択される。好適な一実施形態では、ゲストの吸収性粒子は1つ以上の無機材料から形成される。別の好適な実施形態では、ゲストの吸収性粒子は1つ以上の有機材料から形成される。開示の補償パネルのさらに別の好適な実施形態では、ゲストの吸収性粒子は色素(pigment)である。好適な一実施形態では、ゲストの吸収性粒子は色素分子(dye molecule)である。開示の補償パネルの別の好適な実施形態では、ゲストの吸収性粒子は光学的に等方性の粒子である。さらに別の好適な実施形態では、ゲストの吸収性粒子は光学的に異方性の粒子である。開示の補償パネルのさらに別の好適な実施形態では、1つ以上の色素分子は、テーブル7に示す構造71〜79に対応する一般式を有する。

本発明の一実施形態では、光学異方性補償パネルは基板をさらに含む。開示の補償パネルの一実施形態では、基板は、ダイヤモンド、石英、プラスチック、ガラス、セラミックスを含む群の1つ以上の材料から形成され、カラーフィルタ基板、回路構造、多層相互接続部、および薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板を含む群の1つ以上の要素を含む。

また、本発明は、整えられたゲスト−ホストシステムに基づき、かつ主屈折率nx(λ),ny(λ),nZ(λ)のうちの1つ以上が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において異常なスペクトル分散を有するというスペクトル依存性を有する、1つ以上の光学異方性層を製造する方法も提供する。この方法には、次の工程が含まれる: a)光学的異方性を規定する主屈折率間の差Δv(λ)のうちの1つ以上が、可視スペクトル範囲において条件∂Δv(λ)/∂λ≧0を満たすように、主屈折率nx(λ),ny(λ),nZ(λ)のスペクトル依存性を割り当てる工程であって、添字vは、inおよびoutを含むリストから選択される、工程、 b)クラマース・クローニッヒの関係式によって推定されるスペクトル依存性nx(λ)=KK(kx(λ)),ny(λ)=KK(ky(λ)),nZ(λ)=KK(kz(λ))が工程(a)において示される屈折率のスペクトル依存性を満たすまで、主吸収係数スペクトルkX,cal(λ),ky,calλ),kZ,cal(λ)の数を指定および変更する工程、 c)UVスペクトル範囲の吸収係数kX,h(λ),ky,h(λ),kZ,h(λ)によって特徴付けられる可視範囲の正常なスペクトル分散を有する光学異方性ホストマトリクスを形成可能なホスト成分として働く、可視スペクトル範囲の電磁放射にほぼ透過性である1つ以上の有機化合物を選択する工程、 d)250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能であり、吸収係数kX,g(λ),ky,g(λ),kZ,g(λ)によって特徴付けられる1つ以上の型のゲスト粒子を選択し、ゲスト成分としてホストマトリクス中へ入れる工程、 e)250〜2500nmの波長範囲における、工程b)において算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)と、適切な関数kX,h(λ)+kX,g(λ),ky,h(λ)+ky,g(λ),kZ,h(λ)+kZ,g(λ)との間の非一貫性を最小化するゲスト成分量を最適化する工程、 f)先の工程にしたがって、可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性である1つ以上の有機化合物と、250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において電磁放射を吸収可能である1つ以上の型の粒子とを用いて、コーティング溶液を形成する工程、 g)基板上にコーティング溶液を塗布し、液体層を形成する工程、 h)液体層に対し外部整合作用を適用する工程、 i)乾燥によって固体のゲスト−ホスト層を形成する工程、 および、j)固体のゲスト−ホスト層について実験的なスペクトルkX,(λ),ky,(λ),kZ,(λ)を測定し、測定された吸収スペクトルと、算出された吸収スペクトルkX,cal(λ),ky,cal(λ),kZ,cal(λ)との間の非一貫性が最小となるまで、工程c)〜i)を繰り返す工程。

開示の方法の一実施形態では、有機化合物は次式Iの構造を有する。

ここで、Sysは少なくとも部分的に共役したほぼ平坦な多環式分子系であり、Xはカルボキシル基−COOHであって、mは0,1,2,3,または4であり、Yはスルホン酸基−SO3Hであって、nは0,1,2,3,または4であり、Zはカルボキサミドであって、pは0,1,2,3,または4であり、Qはスルホンアミドであって、vは0,1,2,3,または4であり、Dは対イオンであり、sは、電気的に中性な状態の分子を提供する対イオンの数であり、Rは、CH3,C2H5,Cl,Br,NO2,F,CF3,CN,OH,OCH3,OC2H5,OCOCH3,OCN,SCN,NH2,およびNHCOCH3を含むリストから選択される置換基であり、wは0,1,2,3または4である。開示の方法の別の実施形態では、多環式分子系Sysは可視スペクトル範囲においてほぼ透明である。開示の方法のさらに別の実施形態では、多環式分子系Sysは、テーブル1に示す構造II〜XLIXからの一般式を有する。開示の方法のさらに別の実施形態では、対イオンは、H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,Cs+,Pb++,およびZn++を含むリストから選択される。

開示の方法のさらに別の実施形態では、有機化合物はオリゴフェニル誘導体である。構造1〜7に対応する一般式のオリゴフェニル誘導体の例を、テーブル2に示す。 開示の方法の別の実施形態では、開示の光学異方性補償パネルの別の実施形態では、有機化合物は、1H,1’H−2,2’−ビベンゾイミダゾールの誘導体、2,2’−ビ−1,3−ベンゾオキサゾールの誘導体、2,2’−ビ−1,3−ベンゾチアゾールの誘導体を含むリストから選択される。本発明のさらに別の実施形態では、有機化合物はテーブル3に示す一般式を有する。

開示の方法のさらに別の実施形態では、有機化合物は「トリアジン」誘導体であり、テーブル4に示す構造27〜29のうちの1つに対応する一般式を有する。 開示の方法の好適な一実施形態では、有機化合物はカルボキシル基を含むアセナフトキノキサリン誘導体である。カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造30〜48に対応する一般式を有するアセナフトキノキサリン誘導体の例を、テーブル5に示す。

開示の方法の別の好適な実施形態では、有機化合物は、6,7−ジヒドロベンズイミダ ゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体である一実施形態では、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体は、カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造49〜70を含む群からの一般式を有する。その例をテーブル6に示す。

屈折率の分散は知られているクラマース・クローニッヒの関係式を用いて推定可能である。クラマース・クローニッヒ(KK)関係式は基本原理のうちの1つであり、平衡状態にある物理系の応答関数に対し拘束条件を与えるものである。KK関係式は因果律に基づいており、現在の事象は過去の事象に影響を与えない。これによって、応答のフーリエ成分が複素周波数の正の半面における解析関数となり、その実数部分および虚数部分の関係が導かれる。KK原理の一般性は、系または媒質の構造に関して何ら仮定を必要としない点にある。本願の場合、屈折率の実数部は、吸収係数(虚数部分)に関して次のように表される:

記号Pは、積分がその主値の方向において算出されるべきことを意味する。式(78)は、クラマース・クローニッヒの関係式の一般式である。光学に適用する場合、個別の吸収帯が各々屈折率の値に寄与する。光学スペクトル範囲では、中央周波数の吸収帯はその幅よりも有意に大きな値を有する。この特定の場合、積分(78)における個別の帯域の寄与を容易に単純化し算出することが可能なので、最も近い吸収帯間の有限なスペクトル範囲を通じた積分を定数に加えることによって、分散曲線の局所形状を十分よく近似することが可能である。

値n0は、範囲(ω12)のいずれか(例えば、吸収が小さい箇所)において屈折率が測定される場合、発見される。すなわち、n0の値は、スペクトル範囲(ω12)の外からの積分の寄与を含む。式(79)における吸収係数α(x)のスペクトル依存性も、実験データから抽出可能である。

吸収係数についてのKK関係式は次の通りである:

複素屈折率は次のように定義される:

α(ω)は虚数部分であり、次元を有しない。実際には、次のように定義される吸収係数(より正確には吸収指数)の別の定義を用いることが簡便である:

ここで、cは光速度であり、吸収指数は長さの逆数の次元を有する。値k(ω)は、周知のランベルト・ベールの法則において用いられ、吸収媒質における光の強度Iの減衰を示す:

周波数変数ωを波長λに置き換えると、式1,2は次のように書き換えられる:

式(84)および(85)の導出については、発明者らは、ω=2πc/λおよびx=2πc/yの置換を用いた。式(84)は、吸収指数スペクトルが波長に対して測定されるときの実験データに対し有用である。

開示の方法の一実施形態では、ゲスト粒子は、単一の原子、単一の有機分子、単一の無機分子、巨大分子、ポリマー分子、原子団、無機ナノ結晶、分子団、分子ナノ結晶、および非規則的ナノ粒子を含むリストから選択される。開示の方法の別の実施形態では、ゲス ト粒子は1つ以上の無機材料から形成される。さらに別の実施形態では、ゲスト粒子は1つ以上の有機材料から形成される。開示の方法のさらに別の好適な実施形態では、ゲスト粒子は色素である。さらに別の実施形態では、ゲスト粒子は色素分子である。開示の方法の好適な一実施形態では、ゲスト粒子は光学的に等方性の粒子である。開示の方法の別の好適な実施形態では、ゲスト粒子は光学的に異方性の粒子である。開示の方法のさらに別の好適な実施形態では、1つ以上の色素分子は、テーブル7に示す構造71〜79に対応する一般式を有する。

開示の方法の好適な一実施形態では、基板は、ダイヤモンド、石英、プラスチック、ガラス、セラミックスを含む群の1つ以上の材料から形成され、カラーフィルタ基板、回路構造、多層相互接続部、およびTFTアレイ基板を含む群の1つ以上の要素を含む。開示の方法の別の好適な実施形態では、前記液体層は、水、水混和性の溶媒、アルコール系溶媒、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される溶媒をさらに含む。好適な実施形態では、溶媒は水である。

開示の方法のさらに別の好適な実施形態では、乾燥は気流により行われる。好適な一実施形態では、開示の方法は、基板上への塗布の前に前処理工程をさらに含む。開示の方法の好適な一実施形態では、前処理は、基板の表面を親水性とする工程を含む。別の好適な実施形態では、前処理は、平坦化層の付着をさらに含む。

さらに別の実施形態では、開示の方法は、H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Cs+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,La3+,Zn++,Zr4+,Ce3,Y3+,Yb3+,Gd3+,およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるカチオンを含む任意の水溶性無機塩の溶液を用いる後処理工程をさらに含む。開示の方法のさらに別の実施形態では、付着工程および後処理工程は同時に行われる。本発明の一実施形態では、乾燥工程および後処理工程は同時に行われる。本発明の別の実施形態では、後処理工程は乾燥の後に行われる。本発明のさらに別の実施形態では、塗布は等方性の溶液を用いて行われる。本発明のさらに別の実施形態では、塗布はリオトロピック液晶溶液を用いて行われる。本発明の一実施形態では、塗布工程はゲルから形成される。本発明の別の実施形態では、塗布工程は粘稠な液相から形成される。本発明のさらに別の実施形態では、整合作用は塗布と同時に前記液体層に対し適用される。

また、本発明は、液晶セルと、液晶セルの各側に配置された第1および第2の偏光子と、それらの偏光子の間に位置する1つ以上の補償パネルとを備える、カラー液晶ディスプレイも提供する。この補償パネルは、整えられたゲスト−ホストシステムに基づく1つ以上の光学異方性層を備え、ゲスト−ホストシステムは、可視スペクトル範囲の電磁放射に透過性の有機化合物を含む異方性ホストマトリクスと、ゲスト粒子を含むゲスト成分と、を含み、ゲスト粒子は異方性ホストマトリクスの吸収に追加の吸収を提供し、前記追加の吸収は、約250〜2500nmの波長範囲のうちの1つ以上の副範囲において、異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に生じる。

本発明の一実施形態では、カラー液晶ディスプレイはさらにカラーフィルタを含む。開示のカラー液晶ディスプレイの別の実施形態では、カラーフィルタは、ストライプ配列、モザイク配列、およびデルタ配列を含むリストから選択される配列を有する。

開示のカラー液晶ディスプレイのさらに別の実施形態では、有機化合物は次式Iの構造を有する。

ここで、Sysは少なくとも部分的に共役したほぼ平坦な多環式分子系であり、Xはカルボキシル基−COOHであって、mは0,1,2,3,または4であり、Yはスルホン酸基−SO3Hであって、nは0,1,2,3,または4であり、Zはカルボキサミドであって、pは0,1,2,3,または4であり、Qはスルホンアミドであって、vは0,1,2,3,または4であり、Dは対イオンであり、sは、電気的に中性な状態の分子を提供する対イオンの数であり、Rは、CH3,C2H5,Cl,Br,NO2,F,CF3,CN,OH,OCH3,OC2H5,OCOCH3,OCN,SCN,NH2,およびNHCOCH3を含むリストから選択される置換基であり、wは0,1,2,3または4である。開示のカラー液晶ディスプレイのさらに別の実施形態では、多環式分子系Sysは可視スペクトル範囲においてほぼ透明である。

開示のカラー液晶ディスプレイの一実施形態では、多環式分子系Sysは、テーブル1に示す構造II〜XLIXからの一般式を有する。開示のカラー液晶ディスプレイの別の実施形態では、対イオンは、H+,NH4+,Na+,K+,Li+,Ba++,Ca++,Mg++,Sr++,Cs+,Pb++,およびZn++を含むリストから選択される。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、有機化合物はオリゴフェニル誘導体である。構造1〜7のうちの1つに対応する一般式を有するオリゴフェニル誘導体の例を、テーブル2に示す。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、有機化合物はビベンゾイミダゾール誘導体であり、テーブル3の構造8〜26のうちの1つに対応する一般式を有する。 開示のディスプレイの一実施形態では、有機化合物は「トリアジン」誘導体であり、テーブル4に示す構造27〜29のうちのいずれかに対応する一般式を有する。

開示のディスプレイの別の実施形態では、有機化合物はアセナフトキノキサリン誘導体である。カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造30〜48のうちの1つに対応する一般式を有するアセナフトキノキサリン誘導体の例を、テーブル5に示す。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、有機化合物は、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体である。カルボキシル基、スルホン酸基、またはその両方を含み、構造49〜70を含む群からの一般式を有する、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン誘導体の例を、テーブル6に示す。

開示のディスプレイの一実施形態では、光学異方性層は、3つの主屈折率(nx,ny,nz)のうちの1つ以上が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件(関 係式)∂nu(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられ、ここで、下付の指数uは、x,y,zを含むリストから選択される。

開示のディスプレイの別の実施形態では、光学異方性層はBA型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。

この実施形態では、光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによってさらに特徴付られてもよい。開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、光学異方性層はBA型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、光学異方性層は負のA型の一軸性特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。

開示のディスプレイの一実施形態では、光学異方性層は正のA型の一軸性特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。

開示のディスプレイの別の実施形態では、光学異方性層はAC型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付けられる。この実施形態では、光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによってさらに特徴付られてもよい。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、光学異方性層はAC型の二軸特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、光学異方性層は負のC型の一軸性特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示のディスプレイの一実施形態では、光学異方性層は正のC型の一軸性特性を有する。この光学異方性層は、屈折率の面外差Δout(λ)=|nZ(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲の1つ以上の波長副範囲において、条件∂Δout(λ)/∂λ≧0を満たすことによって特徴付られる。

開示のディスプレイの別の実施形態では、屈折率の面内差Δin(λ)は次の条件に従う、すなわち、スペクトル分散係数(Δin,450in,550)および(Δin ,550in,650)は、0.4〜1.0の範囲にある。ここで、Δin,450in,550in,650は、それぞれ、450nm、550nm、650nmの波長における屈折率の面内差Δin(λ)の値である。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、屈折率の面外差Δout(λ)は次の条件に従う:スペクトル分散係数(Δout,450out,550)および(Δout,550out,650)は、0.4〜1.0の範囲にある。ここで、Δout,450out,550out,650は、それぞれ、450nm、550nm、650nmの波長における屈折率の面外差Δout(λ)の値である。

開示のディスプレイの一実施形態では、ゲスト粒子は、単一の原子、単一の有機分子、単一の無機分子、巨大分子、ポリマー分子、原子団、無機ナノ結晶、分子団、分子ナノ結晶、および非規則的ナノ粒子を含むリストから選択される。開示のディスプレイの別の実施形態では、ゲスト粒子は1つ以上の無機材料から形成される。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、ゲスト粒子は1つ以上の有機材料から形成される。さらに別の実施形態では、ゲスト粒子は色素である。さらに別の実施形態では、ゲスト粒子は色素分子である。開示のディスプレイの一実施形態では、ゲスト粒子は光学的に等方性の粒子である。開示のディスプレイの別の実施形態では、ゲスト粒子は光学的に異方性の粒子である。別の実施形態では、1つ以上の色素分子は、テーブル7に示す構造71〜79に対応する一般式を有する。

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、補償パネルは基板をさらに含む。さらに別の実施形態では、基板は、ダイヤモンド、石英、プラスチック、ガラス、セラミックスを含む群の1つ以上の材料から形成され、カラーフィルタ基板、回路構造、多層相互接続部、およびTFTアレイ基板を含む群の1つ以上の要素を含む。

開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、補償パネルは液晶セル内に位置する。開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、補償パネルは液晶セルの外に位置する。

図6には、光線10と、本発明によるカラー液晶ディスプレイとを概略的に示す。このカラー液晶ディスプレイは、液晶セル1と、液晶セルの各側に配置された一対の偏光子12,20と、液晶セルと第1の偏光子12との間、液晶セルと第2の偏光子20との間に配置された、2つの補償パネル13,17とを含む。液晶セルは、図5に概略的に示す。開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。第1の偏光子の透過軸21は、第2の偏光子の透過軸28に対し垂直である。第1の補償パネル13は、ほぼ異方性層14の平面にあり遅相22および進相23の主軸(主軸は誘電体テンソルの主軸に対応する)を有する第1の型の異方性層14と、第2の型の異方性層15(異方性層15の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸24を有する負のC型パネルとして)とを備える。異方性層14は、異方性層の進相の主軸23(最低の誘電率に対応する)が偏光子12の透過軸21に対し垂直であるように配置される。異方性層14は負のA型の一軸の異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすこととによって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nz= nx>ny

開示のディスプレイのさらに別の実施形態では、第2の型の異方性層15は負のC型の一軸特性を有する光学異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、屈折率の面外差Δout(λ)=|nx(λ)−nz(λ)|が可視スペクトル範囲において条件∂Δout/∂λ(λ)≧0を満たすこととによって特徴付けられる。屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nx=ny>nz。第2の補償パネル17は、ほぼ異方性層19の平面にある遅相27および進相26の主軸を有する第1の型の異方性層19と、異方性層18の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸25を有する負のCパネルとしての第2の型の異方性層18とを備える。第1の型の遅延層19は、異方性層の進相主軸26が偏光子20の透過軸28に対し垂直であるように配置される。第1の型の異方性層19は負のA型の一軸の異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|の差が可視スペクトル範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすこととによって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nz=ny>nx

したがって、このカラーディスプレイの実施形態では、補償パネル13,17は液晶セルの外に位置する。 図7には、図6に示したディスプレイと同様の開示のカラー液晶ディスプレイの別の実施形態を概略的に示す。液晶セルは、図5に概略的に示す。開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。差は、第1の型の異方性層(14,19)の主軸(それぞれ遅相、進相)の配向である。異方性層14は、異方性層の遅相の主軸22が偏光子12の透過軸21に対し垂直であるように配置され、異方性層19は、異方性層の遅相の主軸27が偏光子20の透過軸28に対し垂直であるように配置される。このカラーディスプレイの実施形態では、補償パネル13,17は液晶セルの外に位置する。

図8には、光線10と、本発明による液晶ディスプレイとを概略的に示す。この液晶ディスプレイは、液晶セル1と、液晶セルの各側に配置された2つの偏光子12,20と、液晶セルと第2の偏光子20との間に配置された1つの補償パネル17とを含む。液晶セルは、図5に概略的に示す。このカラーディスプレイの実施形態では、補償パネル17は液晶セルの外に位置する。開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。補償パネル17は、第1の型の異方性層19(ほぼ層の平面にある遅相27および進相26の主軸を有する)と、第2の型の異方性層18(層の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸25を有する負のCパネルとして)とを備える。異方性層19は、その異方性層の進相の主軸26が偏光子20の透過軸28に対し垂直であるように配置される。第1の型の異方性層19は負のA型の一軸の異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|の差が可視スペクトル範囲において異常なスペクトル分散(∂Δin(λ)/∂λ>0)を有することとによって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nz=ny>nx

図9には、光線10と、本発明による液晶ディスプレイとを概略的に示す。この液晶ディスプレイは、液晶セル1と、液晶セルの各側に配置された一対の偏光子12,20と、液晶セルと第1の偏光子12との間に配置された1つの補償パネル13とを含む。液晶セ ル1は、図5に概略的に示す。このディスプレイの実施形態では、補償パネル13は液晶セルの外に位置する。開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。第1の偏光子の透過軸(21)は、第2の偏光子の透過軸(28)に対し垂直である。第1の補償パネル(13)は、第1の型の異方性層(14)(ほぼ層の平面にある遅相(22)および進相(23)の軸を有する)と、第2の型の異方性層(15)(この異方性層の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸(24)を有する負のCパネルとして)とを備える。異方性層(14)は、その異方性層の進相の主軸(23)が偏光子(12)の透過軸(21)に対し垂直であるように配置される。異方性層(14)は負のA型の一軸の異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲において、条件∂Δin(λ)/∂λ≧0を満たすこととによって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nz=nx>ny

図10には、光線10と、本発明によるカラー液晶ディスプレイとを概略的に示す。この液晶ディスプレイは、液晶セル1と、液晶セルの各側に配置された一対の偏光子12,20と、液晶セルと第1の偏光子12との間に配置された1つの補償パネル30とを含む。液晶セル1は、図5に概略的に示す。したがって、このディスプレイの実施形態では、補償パネル30は液晶セルの外に位置する。開示のディスプレイの一実施形態では、液晶セルは面内スイッチングモードの液晶セルである。開示のディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モードの液晶セルである。第1の偏光子の透過軸21は、第2の偏光子の透過軸28に対し垂直である。補償パネル30は、BA型の二軸特性を有する1つ以上の光学異方性層を備え、この光学異方性層は、1)3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、2)屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|の差が可視スペクトル範囲において異常なスペクトル分散(∂Δin(λ)/∂λ>0)を有することと、3)厚み方向における屈折率の面外差Δout(λ)=|nz(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲において異常なスペクトル分散(∂Δout(λ)/∂λ>0)を有することと、によって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nx>nz>ny。異方性層35は、その異方性層の進相の主軸45が偏光子12の透過軸21に対し垂直であるように配置される。二軸の異方性層35では、3つの主屈折率nx,ny,nzはすべて異なる。液晶ディスプレイのさらに別の実施形態では、1つ以上の二軸異方性層を含む補償パネルは、液晶コールと第2の偏光子20との間に配置されてよい。

本発明のさらに別の実施形態では、液晶ディスプレイは2つの補償パネルを含む。各々のパネルは1つ以上の二軸異方性層を含み、それらは液晶セルの各側に配置される。 本発明の別の実施形態を図11に概略的に示す。IPS型LCD(IPSモード液晶セルを備えた液晶ディスプレイ)は、第1の偏光子55と、第2の偏光子56と、第1および第2の偏光子の間に配置された液晶セル57と、正面基板58(カラーフィルタ59(RGB型)、ブラックマトリックス60、および平坦化層61を備える)と、他の機能層62(電極およびアライメント層を含む)と、背面基板63(電極、駆動素子、およびアライメント層を備える)と、を備える。補償パネル64は、液晶層57と第2の偏光子56との間に位置する。したがって、開示のカラーディスプレイの実施形態では、補償パネルは液晶セルの内に位置する。第1および第2の偏光子は、互いに対し垂直な吸収軸を有する。開示のカラーディスプレイの別の実施形態では、液晶セルは垂直配列モード(VA型LCD)の液晶セルである。

RGBカラーフィルタを備えた液晶ディスプレイ設計では、1つのピクセルは、赤、緑、青色の3つのサブピクセルを含む。この場合、補償パネルは、BA型の二軸特性を有する1つ以上の光学異方性層を備え、この光学異方性層は、1)3つの主屈折率(nx,ny,nz)と、2)屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|の差が可視スペクトル範囲において異常なスペクトル分散(∂Δin(λ)/∂λ>0)を有することと、3)屈折率の面外差Δout(λ)=|nz(λ)−nx(λ)|が可視スペクトル範囲において異常なスペクトル分散(∂Δout(λ)/∂λ>0)を有することと、によって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は垂直方向に対応し、屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:nx>nz>ny

本発明がさらに容易に理解されるように、次の実施例を参照するが、それらの実施例は本発明の例示を意図するものであり、範囲の限定を意図するものではない。 [実施例] [実施例1] この例では、多環式の有機化合物(テーブル2、構造式1)の調製について記載する。

4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸(II)を、1,1’:4’,1”:4”,1’’’−クアテルフェニルのスルホン化によって調製した。1,1’:4’,1”:4”,1’’’−クアテルフェニル(10g)を、20%の発煙硫酸(100ml)中へ充填した。反応物を雰囲気条件にて5時間撹拌した。その後、この反応混合物を水(170ml)で希釈した。最終の硫酸濃度は約55%だった。沈殿をろ過し、氷酢酸(〜200ml)ですすいだ。ろ過ケーキはオーブン中、〜110℃で乾燥した。この処理によって、8gの4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸を得た。

生成物を1H NMR(Brucker Avance−600,DMSO−d6,δ,ppm)で分析したところ、次の結果を示した:7.735(d,4H,4CHAr(3’,3,5,5);7.845(d,4H,4CHAr(2’,2,6,6);8.165(dd,2H,2CHAr(2,8));8.34(m,4H,4CHAr(1,9,4,6))。Spectrometer UV/VIS Varian Cary 500 Scanを用いて水溶液中で測定した生成物の電子吸収スペクトルは、吸収の極大値、λmax1=218nm(ε=3.42×104),λmax2=259nm(ε=3.89×104),λmax3=314nm(ε=4.20×104)を示した。Brucker Daltonics Ultraflex TOF/TOFを用いて記録した生成物の質量スペクトルは、次の通りである:分子のイオン(M=529),FW=528.57。

[実施例2] この例では、ビスベンズイミドアゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール−トリカルボン酸の混合物の合成について記載する。この複素環分子系は、テーブル4の構造式27に示されている。

A.5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン 4−メチル−1,2−フェニルエンジアミンジヒドロクロリド(20.75g,106mmol)を尿素(7.64g,127mmol)とともに粉砕した。その混合物を耐熱性のビーカーに充填し、150℃まで加熱した。1.5時間後、反応混合物を室温まで冷却した。この固体を粉末にし、耐熱性のビーカーに充填した。これをさらに150℃で1.5時間加熱した。次いで、反応混合物を、沸騰している1〜1.5%の水酸化ナトリウム水溶液(1.5L)に溶解した。得られた溶液から、不溶の固体をろ過し、20〜30分間、活性化ブラックカーボン(BAU−A,2g)と共に沸騰させ、ろ過した。ろ液をpH〜6まで濃塩酸によって酸性化した。白色沈殿をろ過し、水(100ml)で洗浄し、真空中、リン酸化物のもと、デシケーター中で乾燥させた。収率:13.1g(83.5%)。

2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル(43g,0.22mol)をオキシ塩化リン(286ml)中に充填した。乾燥した塩化水素を、沸騰している反応物を通じて12時間バブリングし、冷却後の反応物を氷と水との混合物(2kg)に注いだ。沈殿をろ過した。ろ液を水(1.25リットル)およびアンモニア溶液(〜800ml)で希釈した。この後、アンモニア溶液でpHを5.6に調節した。沈殿をろ過し、水ですすいだ。収率39.5g(84%)。

B.2−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール 5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(13.1g,88.5mmol)およびオキシ塩化リン(130ml,蒸留したばかり)を三首丸底フラスコに充填した。混合物は沸点まで加熱して、均一な溶液を形成させた。その後、インレットのガス管を通じて反応混合物へ乾燥した塩化水素を吹き込み、バブリングを行った。混合物を15時間沸騰させた。過剰なオキシ塩化リンを真空で留去した。氷および水の混合物(250ml)を残留物に加えた。得られた懸濁液を室温まで冷却し、ろ過した。濾液をアンモニア水溶液によってpH8まで塩基性とし、冷水によって冷却して、未精製の2−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾールをろ過した。白色粉末を水性メタノール(水−メタノール:1:1,200ml)から結晶化させ、水性メタノールで洗浄し、真空中、リン酸化物のもと、デシケーター中で乾燥させた。収率:8.17g(55%)。

C.トリメチル−ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 2−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール(2.7g,16.2mmol)を丸底フラスコに充填し、約1時間、200〜205℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。固体(2.2g)を沸騰しているジオキサン(70ml)に溶解し、得られた溶液を室温まで冷却した。溶液をろ過し、ろ液をジオキサン(25ml)で洗浄し、洗浄したジオキサンを主溶液に合わせた。得られた溶液に水(40ml)を滴下して加えた。沈殿をろ過し、アセトンで洗浄し、約70℃でリン酸化物のもと、真空中で乾燥させた。収率:1.16g(54%)。

D.ビスベンズイミドアゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール−トリカルボン酸 2,8,14−トリメチル−ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(1.03g,2.6mmol)を、濃硫酸および氷酢酸(比8:12)の混合物(20ml)に加えた。次いで、三酸化クロムの粉末(3.5g)を、反応混合物を冷却しつつ、ゆっくり加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。水(20ml)を反応混合物に、冷却しつつ(20〜40℃)、滴下して加えた。沈殿をろ過し、多量の水でおよび希塩酸(30ml)で洗浄した。次いで、沈殿を、リン酸化物のもと、真空中で乾燥した。収率:0.72g(57.6%)。

[実施例3] この例では、ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール−トリスルホン酸の混合物の合成について記載する。この複素環分子系は、テーブル4の構造式29に示されている。

A. ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾールの合成 2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール(4g,0.026mol)を200〜220℃まで加熱し、半時間(塩化水素の発生が停止するまで)撹拌した。ニトロベンゼンを反応物に添加し、撹拌しつつ25分間、沸騰させた。〜80℃まで自己冷却させた後、ろ過し、アセトンですすいだ。濾過ケーキを〜100℃で乾燥させた。収率2.1g。(70%)。

B.ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール−トリスルホン酸の混合物の合成 ビスベンズイミダゾ[1’,2’:3,4;1’’,2’’:5,6][1,3,5]トリアジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(2.0g,0.006mol)を20%の発煙硫酸(20ml)に充填し、終夜撹拌した。その後、反応物を水(28.2ml) で希釈した。沈殿をろ過し、濃塩酸、1,4−ジオキサン、およびアセトンですすいだ。生成物をデシケーター中で乾燥させた。収率1.32g。(40%)。

[実施例4] この例では、2,2’−ビベンズヘテロアゾール複素環式化合物(テーブル3、構造式8によって示す)の合成について記載する。

1H,1'H−2,2'−ビベンゾイミダゾール−5,5'−ジカルボン酸 O−メチル−1,1,1−トリクロロアセトイミダート(0.4ml,0.57g,3.2mmol)を、3,4−ジアミノ安息香酸(1.0g,6.6mmol)の無水メタノール(100ml)の懸濁液に加えた。反応混合物を雰囲気条件で48時間撹拌した。得られた黄色固体をろ別し、一定な重量になるまで真空乾燥した。収率:0.43g(41%)。

さらなる精製のため、1H,1’H−2,2’−ビベンゾイミダゾール−5,5’−ジカルボン酸をジメチルスルホキシドに0.85g/37mlの比で溶解し、得られた溶液に水を(5ml)ゆっくり加えた。この混合物を30分間撹拌し、生じた固体をろ別し、エタノール(2×30ml)で洗浄して、一定な重量になるまで真空乾燥した。NMR 1H スペクトル(Brucker Avance 600装置。溶媒、d6−ジメチルスルホキシド;ppm;J,Hz):7.74 d.d(2Hb,3Jba=7.5),7.93 d(2Ha,3Jab=7.5),8.28 d(2Hx),12.89 br.s(2NHおよび2COOH),13.94 br.s(2NHおよび2COOH)。質量スペクトル(MALDI陽モード、Ultraflex TOF/TOF Bruker Daltonics機器):322(100%)[M+・],304(45%)[M+・−H2O],277(50%)[M+・−CO2H]。

[実施例5] この例では、2,2’−ビベンズヘテロアゾール複素環式化合物(テーブル3、構造式11によって示す)の合成について記載する。

1H,1'H−2,2'−ビベンゾイミダゾール−5,5'−二スルホン酸 三首丸底フラスコに、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸(8.0g,42.5mmol)および無水MeOH(0.85L)を充填した。O−メチル−1,1,1−トリクロロアセトイミダートを加えた(2.8mL,3.74g,21.2mmol)。得られ た懸濁液を雰囲気条件で24時間撹拌した。この後、追加量のO−メチル−1,1,1−トリクロロアセトイミダート(1.4mL,1.87g,10.5mmol)を加え、次いで、反応混合物を雰囲気条件で72時間撹拌し、50℃で3時間加熱して、トリエチルアミン(14mL,9.4g,93.5mmol)を加えた。撹拌を、この温度で18時間続けた。次いで、反応混合物を30℃まで冷却し、乾燥HClを溶液中に激しく流し、沈殿を形成させた。この懸濁液を40℃でろ別し、沈殿をMeOH(4×150mL,都度、懸濁液を10〜15min撹拌)および3.5%のMeOH−HCl溶液(100mL,1時間撹拌)で洗浄した。生成物1H,1’H−2,2’−ビベンゾイミダゾール−5,5’−二スルホン酸は、淡黄色または無色であった(重量3.5g、収率42%)。自身の塩酸を塩として含んでいた可能性がある。NMR 1H スペクトル(Brucker Avance 300装置。溶媒、d6−ジメチルスルホキシド;ppm;J,Hz):5.27 br.s(SO3HのH2OおよびNHとの交換),7.73 m(2Ha,2Hb),8.01 br.s(2Hx)。NMR 13C{1H} スペクトル(Brucker Avance 300装置。溶媒、d6−ジメチルスルホキシド;ppm;J,Hz):113.00,115.41,123.27,136.44,137.60,142.24,145.34。

[実施例6] この例では、9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−2−スルホンアミドおよび9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−5−スルホンアミド(テーブル5、構造式30に示す)の混合物の合成について記載する。

A.9−カルボキシ−アセナフトキノキサリンの合成 3,4−ジアミノ安息香酸塩酸塩(1.88g,0.01mol)の水(75ml)溶液を、アセナフトキノン(1.82g,0.01mol)の酢酸(80ml)懸濁液に加えた。反応混合物を95〜100℃に加熱し、撹拌しつつその温度で15min処理し、冷却した。沈殿をろ過によって分離し、酢酸で洗浄した。最終生成物の収率は、2.6g(87%)であった。質量スペクトル(VISION 2000分光計、陰イオン反射モード):m/z,298.5;分子量、298.29;電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000分光計、アンモニウム塩の水溶液):λmax1=235nm,λmax2=320nm。

B.9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−2−スルホン酸および9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−5−スルホン酸の混合物の合成 9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン(2.0g,0.0067mol)を30%発煙硫酸(20ml)に加え、撹拌しつつ80〜90℃に3.5時間保持した。次いで、反応混合物を36mlの水で希釈し、沈殿をろ過によって分離し、酢酸(100ml)から再沈させ、ろ過し、アセトンで洗浄した。最終生成物の収率は、1.92g(76%)であった。質量スペクトル(VISION 2000分光計、陰イオン反射モード):m/z,377.1;分子量、378.36;電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000分光計、アンモニウム塩の水溶液):λmax1=235nm,λmax2=32 0nm。

C.9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−2−スルホン酸および9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−5−スルホン酸の塩化物の混合物の合成 9−カルボキシアセナフトキノキサリン−2−スルホン酸および9−カルボキシアセナフトキノキサリン−5−スルホン酸(1.8g,0.0047mol)の混合物を、クロロスルホン酸(18ml)に加えた。次いで、0.3gのNaClを加え、反応混合物を撹拌しつつ80〜85℃に3時間保持し、冷却し、350gの氷へ注いだ。沈殿をろ過によって分離し、中性のpHになるまで氷水で洗浄した。最終生成物として、8〜9gの濾過ケーキを得た。

D.9−カルボキシアセナフトキノキサリン−2−スルホンアミドおよび9−カルボキシアセナフトキノキサリン−5−スルホンアミドの混合物の合成 9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−2−スルホン酸および9−カルボキシ−アセナフトキノキサリン−5−スルホン酸の塩化物の混合物の濾過ケーキを、20mlのアンモニアに加え、混合物を35℃で0.5時間保持し、次いで、雰囲気条件下で0.5時間撹拌した。得られたアンモニア溶液をろ過し、イソプロパノール(〜30ml)で希釈した。沈殿をろ過によって分離し、フィルタ上、イソプロパノールで洗浄した。最終生成物の収率は、1.2g(67%)であった。質量スペクトル(VISION 2000分光計):m/z,377.2;分子量、377.37;電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000分光計、アンモニウム塩の水溶液):λmax1=235nm,λmax2=320nm。元素分析:C,60.22;H,2.91;N,11.11;C18H10N2O3Sに対する計算分析値:C,60.47;H,2.94;N,11.13;O,16.96;S,8.50。

[実施例7] この例では、6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン(テーブル6、構造式50に示す)のスルホンアミド−カルボン酸の混合物の合成について記載する。合成は次のスキームによって行った。

6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン−9−カルボン酸および6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン−10−カルボン酸の混合物(5.0g)を、クロロスルホン酸(50ml)とともに、95℃で4時間撹拌した。次いで、反応物を氷(150g)へ注いだ。沈殿をろ過によって分離し、洗浄水が中性反応を示すまで氷水(100ml)で洗浄した。HPLCデータでは、フィルタ上の残留物は91.5%の目標生成物と5%のカルボキシスルホン酸誘導体とを含んでいた。

この残留物を小分けしてアンモニア水溶液(50ml)へ導入し、混合物を室温で約1時間撹拌した。次いで、硫酸を加えることによって、このアンモニア溶液をpH2.5まで酸性とした。沈殿をろ過し、3%塩酸(100ml)中に懸濁させ、再度ろ過した。残 留物を水(60ml)で洗浄した。この処理によって、3.9gの2(3)−スルホンアミド−6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン−9−カルボン酸および2(3)−スルホンアミド−6,7−ジヒドロベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6−オン−10−カルボン酸の混合物を得た(この生成物は、87%の目標化合物と5%のカルボキシスルホン酸誘導体とを含む)。沈殿を105℃で風乾した。

Vision 2000分光計を用いて記録した生成物の質量スペクトルは次の通りであった:m/z,358.6;分子量、358.04。Ocean PC 2000 UV/VIS分光計を用いて測定した生成物の水溶液の電子吸収スペクトルは、λmax1=325nmおよびλmax2=335〜340nmに吸収の極大値を示した。元素分析によって、次の結果が得られた(%):C,50.28;H,2.81;N,15.64;S,8.95(C15H10N4O5Sに対する計算分析値);C,50.63;H,2.88;N,16.01(検出)。

[実施例8] この例では、(4a,5a,16b,16d−テトラヒドロアントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオン二スルホン(disilfonic)酸(テーブル7、番号71に示す)の合成について記載する。ビオラントロンを雰囲気条件でクロロスルホン酸(50ml)に加えた。次いで、反応物を85〜90℃で15時間撹拌した。自己冷却後、反応物を水(600ml)へ少しずつ加えた。沈殿をろ過し、濾液が呈色するまで水ですすいだ。濾過ケーキを熱湯中で2時間撹拌した。この濾過ケーキを溶解した。濃塩酸(600ml)を加え、生成物を沈殿させた。沈殿はろ過し、6N塩酸(200ml)で洗浄し、オーブン(〜100℃)で乾燥した。収量:11.8g。

[実施例9] この例では、(ビスベンズイミダゾ[1,2−c:2’,1’−i]ベンゾ[lmn]−3,8−フェナントロリン−6,9−ジオン二スルホン酸(テーブル7、番号74に示す)の合成について記載する。

1,4,5,8ナフタレンテトラカルボン酸(10g)のcis−ジベンズイミダゾールを室温で20%発煙硫酸(30ml)に加えた。反応混合物を40−45℃で4時間撹拌した。次いで、30℃未満で、水(60ml)、続いて25%アンモニア水(49ml)を加え、得られた沈殿物をろ別した。この酸性の濾過ケーキを水(1リットル)に溶解し、pH=5.5までアンモニアで中和し、限外濾過によって脱塩した。収量:12.0g(乾燥時)。

[実施例10] この例では、ホスト化合物である(4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸(テーブル2、構造1を参照。以下、H1として表す)と、ゲスト粒子である((ビスベンズイミダゾ[1,2−c:2’,1’−i]ベンゾ[lmn]−3,8−フェナントロリン−6,9−ジオン二スルホン酸(テーブル7、構造74を参照。以下、G1として表す)とからなる二元混合物を含む溶液からの、光学異方性層の調製について記載する。この混合物はゲスト−ホストシステムを形成可能である。有機化合物H1は、ゲスト−ホストシステムのホストマトリクスを形成可能である。G1分子がゲストとして働く有機化合物からなるスタック(柱)は、H1分子のスタック(柱)に整合可能である。したがって、ゲストとしてのG1は、1つ以上の副範囲において異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に追加の吸収スペクトルを提供する。

H1/G1=75/25モル%の混合物を次のようにして調製した。0.595gのH1を100gの脱イオン水(導電率〜5μSm/cm)に溶解し、懸濁液をマグネットスターラで混合した。撹拌しつつ、20重量%のKOH(25ml)を、透明な溶液が生じるまで徐々に(15min)懸濁液へ滴下して加えた。これとは別に、0.105gのG1を20gの脱イオン水に溶解した。G1の水懸濁液を撹拌しつつ、20重量%のKOH(5ml)を、透明な溶液が生じるまで徐々に加えた。H1およびG1の透明な溶液を一緒にして混合し、150.7gの透明溶液を生じさせた。過剰な水を除去し、リオトロピック液晶(LLC)溶液を示す10gの二元混合物を生じさせるため、この混合物をロータリーエバポレータで濃縮させた。混合物(H1+G1)の全濃度CTOTは10%に等しかった。

Fisherbrand顕微鏡スライドガラスを、10%のNaOH溶液中で30分間処理し、脱イオン化水ですすぎ、コンプレッサによる気流中で乾燥させることによって、コーティング用に調製した。得られたLLC溶液を、温度22℃および相対湿度55%でBuschman(登録商標)微細溝加工ステンレス鋼棒#1.5を線速度100mm/sで移動させ、ガラスパネル表面上に塗布した。このフィルムを同じ温度および湿度で乾燥させた。

光学異方性層の光学特性を決定するため、厚み、光学遅延、および透過スペクトルを、それぞれDectak3ST電気機械プロファイル計、Axometrics Axoscan Mueller Matrix分光偏光計、Cary 500 Scan分光測光計を用いて約320〜700nmの波長範囲で測定した。光学異方性層の光学透過を、コーティング方向に対し平行および垂直な直線偏光光線(それぞれTpar,Tper)を用いて測定した。得られたデータを、図12に示す屈折率(nx,ny,nz)を算出するために用いた。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向は、補償パネルの平面と一致するxy平面に属し、屈折率(nz)についての1つの主軸方向は補償パネルに対する法線と一致する。得られた光学異方性層は、250nmに等しい厚みと、ほぼ350nm〜450nmの副範囲における異常なスペクトル分散を有する2つの主屈折率(ny,nz)とによって特徴付けられる。

図13には、同じホスト化合物およびゲスト粒子からなる二元混合物を含む溶液から調製された光学異方性層の屈折率(nx,ny,nz)を示す。この場合、比H1/G1は08/02に等しく、混合物(H1+G1)の全濃度CTOTは7%に等しかった。屈折率ny,nzは、ほぼ475nm〜575nmの副範囲において異常なスペクトル分散を有する。

[実施例11] この例では、ホスト化合物である(4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸(テーブル2、構造1を参照。以下、H1として表す)と、第1のゲスト粒子である((ビスベンズイミダゾ[1,2−c:2’,1’−i]ベンゾ[lmn]−3,8−フェナントロリン−6,9−ジオン二スルホン酸(テーブル7、構造74を参照。以下、G1として表す)と、第2のゲスト粒子である(4a,5a,16b,16d−テトラヒドロアントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオン二スルホン酸、8モル%)(テーブル7、構造71を参照。k=2。以下、G2として表す)からなる三元混合物を含む溶液からの、光学異方性層の調製について記載する。この混合物はゲスト−ホストシステムを形成可能である。有機化合物H1は、ゲスト−ホストシステムのホストマトリクスを形成可能である。有機化合物G1,G2分子を含むスタック(柱)は、H1分子のスタック(柱)に整合可能なゲストとして働く。したがって、ゲストとしてのG1,G2は、1つ以上の副範囲において異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に追加の吸収スペクトルを提供 する。

H1/G1/G2=75/22/8モル%の混合物を次のようにして調製した。0.523gのH1を100gの脱イオン水(導電率〜5μSm/cm)に溶解し、懸濁液をマグネットスターラで混合した。撹拌しつつ、20重量%のKOH(23ml)を、透明な溶液が生じるまで徐々に(15min)懸濁液へ滴下して加えた。これとは別に、0.96gのG1および0.15gのG2を20gの脱イオン水に溶解した。G1,G2を合わせた水懸濁液を撹拌しつつ、20重量%のKOH(6ml)を、透明な溶液が生じるまで徐々に加えた。H1およびG1,G2の透明な溶液を一緒にして混合し、145gの別の透明溶液を生じさせた。過剰な水を除去し、リオトロピック液晶(LLC)溶液を示す10gの三元混合物を生じさせるため、この混合物をロータリーエバポレータで濃縮させた。

Fisherbrand顕微鏡スライドガラスを、10%のNaOH溶液中で30分間処理し、脱イオン化水ですすぎ、コンプレッサによる気流中で乾燥させることによって、コーティング用に調製した。得られたLLC溶液を、温度22℃および相対湿度55%でBuschman(登録商標)微細溝加工ステンレス鋼棒#1.5を線速度100mm/sで移動させ、ガラスパネル表面上に塗布した。このフィルムを同じ温度および湿度で乾燥させた。

光学異方性層の光学特性を決定するため、厚み、光学遅延、および透過スペクトルを、それぞれDectak3ST電気機械プロファイル計、Axometrics Axoscan Mueller Matrix分光偏光計、Cary 500 Scan分光測光計を用いて約400〜700nmの波長範囲で測定した。光学異方性層の光学透過を、コーティング方向に対し平行および垂直な直線偏光光線(それぞれTpar,Tper)を用いて測定した。得られたデータを、図14に示す屈折率(nx,ny,nz)を算出するために用いた。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向はxy平面に属し、1つの屈折率(nz)は厚み方向に対応する。得られた光学異方性層は、250nmに等しい厚みと、ほぼ500nm〜625nmの副範囲における異常なスペクトル分散を有する2つの主屈折率(ny,nz)とによって特徴付けられる。

図15には、同じホスト化合物(H1)および2つの型のゲスト粒子(G1,G2)からなる三元混合物を含む溶液から調製された光学異方性層の屈折率(nx,ny,nz)を示す。この場合、比H1/G1/G2は0.75/0.15/0.1に等しく、混合物(H1+G1+G2)の全濃度CTOTは8%に等しかった。屈折率ny,nzは、可視スペクトル範囲のほぼ475nm〜575nmの副範囲において異常なスペクトル分散を有する。

図16には、同じホスト化合物(H1)および2つの型のゲスト粒子(G1,G2)からなる三元混合物を含む溶液から調製された光学異方性層の屈折率(nx,ny,nz)を示す。この場合、比H1/G1/G2は0.75/0.18/0.07に等しく、混合物(H1+G1+G2)の全濃度CTOTは12%に等しかった。屈折率ny,nzは、可視スペクトル範囲のほぼ475nm〜625nmの副範囲において異常なスペクトル分散を有する。

図17には、同じホスト化合物(H1)および2つの型のゲスト粒子(G1,G2)からなる三元混合物を含む溶液から調製された光学異方性層の屈折率(nx,ny,nz)を示す。この場合、比H1/G1/G2は0.70/0.22/0.08に等しく、混合物(H1+G1+G2)の全濃度CTOTは12%に等しかった。屈折率ny,nzは、可視スペクトル範囲のほぼ500nm〜625nmの副範囲において異常なスペクトル分 散を有する。

図18には、2つの光学異方性層の屈折率(nx,ny,nz)の比較を示す。層の一方(図18の破線)は、ホスト化合物(H1)およびゲスト粒子(G1)の二元混合物を含む溶液から調製されており、別の層(図18の連続線)は、ホスト化合物(H1)と2つの型のゲスト粒子(G1,G2)とからなる三元混合物を含む溶液から調製されている。図18に示した場合では、比H1/G1は0.8/0.2に等しく、混合物(H1+G1)の全濃度CTOTは10%に等しかった。比H1/G1/G2は0.75/0.15/0.1に等しく、混合物(H1+G1+G2)の全濃度CTOTは10%に等しかった。

[実施例12] この例では、本発明による色補償された垂直配列モード液晶ディスプレイ(VA型LCD)について記載する。図19には、光線10と、本発明によるカラー液晶ディスプレイとを概略的に示す。この液晶ディスプレイは、液晶セル1と、液晶セルの各側に配置された一対の偏光子72,80と、2つの補償パネル73,77とを含む。補償パネル73は、液晶セルと第1の偏光子72との間に配置されており、補償パネル77は、液晶セルと第2の偏光子80との間に配置されている。液晶セルは、図5に概略的に示す。第1の偏光子の透過軸81は、第2の偏光子の透過軸88に対し垂直である。

第1の補償パネル73は、ほぼ異方性層74の平面にあり遅相82および進相83の主軸(主軸は誘電体テンソルの主軸に対応する)を有する第1の型の異方性層74と、第2の型の異方性層75(負のC型パネルであり、異方性層75の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸84を有する)とを備える。異方性層74は、異方性層の進相の主軸83(最低の誘電率に対応する)が偏光子72の透過軸81に対し垂直であるように配置される。異方性層74は負のAB型の二軸異方性層であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)によって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての主軸方向は、補償パネルの平面と一致するxy平面に属し、屈折率(nz)についての1つの主軸方向は補償パネルに対する法線と一致する。屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:ny>nz>nx。トリアセチルセルロース(TAC)から形成される光学異方性層75は負のC型の一軸性特性を有し、3つの主屈折率(nx,ny,nz)によって特徴付けられる。

第2の補償パネル77は、ほぼ異方性層79の平面にある遅相87および進相86の主軸を有する第1の型の異方性層79と、異方性層78の平面に対しほぼ垂直に向けられた光学軸85を有する負のCパネルとしての、トリアセチルセルロース(TAC)から形成された第2の型の異方性層78とを備える。第1の型の遅延層79は、異方性層の進相主軸86が偏光子80の透過軸88に対し垂直であるように配置される。異方性層79は負のAB型であり、3つの主屈折率(nx,ny,nz)によって特徴付けられる。屈折率nx,nyについての2つの主軸方向は、補償パネルの平面と一致するxy平面に属し、屈折率(nz)についての1つの主軸方向は補償パネルに対する法線と一致する。屈折率nx,ny,nzは、可視スペクトル範囲において次の条件に従う:ny>nz>nx

図20には、視野角(φ,θ)=(45°,60°)におけるBLACK(黒)状態からWHITE(白)状態への電界駆動スイッチングにおける色状態の時間に対する変化を示す。各層74,79の厚みは350nmに等しく、各TAC層(層75,78の遅延は50nmに等しい。この設計によって、大きな視野角〜60°において相当大きな明順応CR≒40が与えられる。屈折率nx,ny,nz(正常なスペクトル分散を有する)を図21に示す。正常なスペクトル分散の場合、主屈折率は波長の減少につれて増大する。また、屈折率の面内差Δin(λ)=|ny(λ)−nx(λ)|も、通常、同様の挙動 を示す。バックライト光源は、450,550,650nmの3つの等しいスペクトル成分によって表される。図20には、黒状態から白状態へのスイッチングに色状態の相当な変化が伴うことを示す。

色状態の問題を解決には、主屈折率のスペクトル分散を補正する必要がある。屈折は吸収の結果であるということが知られている。すべての吸収帯が屈折係数の値に寄与している。吸収のスペクトル帯において、図22に示すように屈折係数が波長の増大につれて増大する場合、異常な分散が得られる。スペクトル分散は、吸収の最適なスペクトル依存性を選択することによって制御される。この例では、光学異方性層は、”1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル二スルホン酸(第1の有機化合物)と、(ビスベンズイミダゾ[1,2−c:2’,1’−i]ベンゾ[lmn]−3,8−フェナントロリン−6,9−ジオン二スルホン酸(第2の有機化合物)との二元混合物を含む溶液から形成される。この混合物は、図23に示すように、ゲスト−ホストシステムを形成可能である。第1の有機化合物は、ゲスト−ホストシステムのホストマトリクス90を形成可能である。第2の有機化合物91の分子からなるスタックは、ホストマトリクスのホスト分子のスタックに整合可能なゲストとして働く。したがって、第2の化合物は、1つ以上の副範囲において異方性ホストマトリクスの1つ以上の主軸方向に追加の吸収スペクトルを提供する。図24には、450nm〜575nmの副範囲において異常なスペクトル分散(∂ny(λ)/∂λ≧0)を有する主屈折率nyを示す。図24に示す連続した曲線は、実験による吸収スペクトルkyからクラマース・クローニッヒ(K−K)関係式を用いて算出される屈折率である。実験測定値からの屈折率の乖離は、この計算において200nm未満の吸収の実験データを測定不可能であるという事実によって説明される。屈折率スペクトル分散を補正することによって、図25に示すようにLCスイッチング中の色状態の変動を充分に抑制することが可能となる。

[実施例13] この例では、本発明による色補償された面内スイッチング液晶ディスプレイ(IPS型LCD)について記載する。このディスプレイは、P45LC−45AB−45P−45の設計を有する。ここで、P45は45°の透過軸を有する偏光子であり;LC−45は−45°で配向板に整合した平坦なLC層であり;AB−45は−45°の進相軸を有する負の二軸ABパネルであり;P−45は−45°の透過軸を有する偏光子である。分散補償のないこの最適化されたIPS型LCD設計の性能を、図26(a)〜(c)に示す。図には、3つの波長λ=450nm(a),λ=550nm(b),λ=630nm(c)に対するコンピュータでシミュレートした依存性を示す。

図27には、この場合における黒状態から白状態への電界駆動スイッチングにおける色状態の時間に対する変化を示す。屈折率nx,ny,nz(正常なスペクトル分散を有する)を図21に示す。図27には、視野角60°における輝度比が良好な場合(ほぼ325に等しい)を示すが、しかしながら、低レベルの出強度では、Du’v’=0.29であり、色の変化は相当である。スペクトル分散を修正するには、y方向に沿って部分的な吸収を有するABパネルを作成することが必要である。図28aには、修正したABパネルのスペクトル吸収を示し、図28bには、修正したABパネルのスペクトル屈折率を示す。

図29a〜cには、分散が有意に補償されることを示す。図29には、3つの波長λ=450nm(a),λ=550nm(b),λ=630nm(c)に対する色補償されたIPS型LCD設計のコンピュータでシミュレートした依存性を示す。

屈折率スペクトル分散を補正することによって、図30に示すようにLCスイッチング中の色状態の変動を充分に抑制することが可能となる。出力強度のレベルが低く、色の変 化が小さい(Du’v’=0.06)場合であっても、視野角60°における輝度比は良好である(ほぼ420に等しい)。液晶設計のこの実施形態では、実験のABパネルの厚みは0.7マイクロメートルであり、〜2mm−1の吸収係数kyによって、y軸に沿った正常な入射光で有意な吸収(T〜15%)が生じる。しかしながら、この設計では、この吸収軸は出力偏光子の吸収軸と一致する。したがって、得られる吸収は基本的にkxによって定義され、小さく、ほぼ約90%の透過率を与える。大きな入射角〜60°であっても、透過は70%を越えるレベルで残る。

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