The method of forming the optical element as well as the polarization inversion region |
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申请号 | JP2006511189 | 申请日 | 2005-03-15 | 公开(公告)号 | JP4926700B2 | 公开(公告)日 | 2012-05-09 |
申请人 | パナソニック株式会社; | 发明人 | 知也 杉田; 顕洋 森川; 公典 水内; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 単一分極化された強誘電体基板と、 前記強誘電体基板に形成された複数の分極反転領域と、 前記分極反転領域の間の前記強誘電体基板の表面に形成された溝と、 を備え、 前記溝の深さ方向に分極反転した少なくとも1つの前記分極反転領域の深さT'は、基板厚みTに対し、T'<Tの関係を満た し、 前記溝は、前記強誘電体基板の表面から0.5μm以上の深さで形成されていることを特徴とする、 光学素子。 前記T'<Tの関係を満足する分極反転領域は、前記複数の分極反転領域全体の50%以上であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記T'<Tの関係を満足する分極反転領域は、前記複数の分極反転領域全体の90%以上であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記分極反転領域の間隔は、5μm以下であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記分極反転領域の幅は、5μm以下であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記強誘電体基板の厚みは、0.5mm以上であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記強誘電体基板は、単一分極の結晶であり、 前記分極反転領域は、前記強誘電体基板の表面内部に櫛型電極の電極指を有し、 前記櫛型電極の電極指の方向は、前記結晶のY軸方向であることを特徴とする、 請求項1記載の光学素子。 前記溝は、前記強誘電体基板の表面から10μm以下の深さで形成されていることを特徴とする、 請求項7記載の光学素子。 前記分極反転領域は、周期状の分極反転構造であることを特徴とする、 請求項1〜 8のいずれか一項に記載の光学素子。 前記強誘電体基板の法線と前記強誘電体基板の自発分極とのなす角度は、30°以下であり、 前記分極反転領域の周期方向と前記結晶のY軸とは、直交することを特徴とする、 請求項 9記載の光学素子。 前記強誘電体基板の法線と前記強誘電体基板の自発分極とのなす角度は、30°以下であり、 前記強誘電体基板の厚みTは、T≧0.5mmであり、 前記分極反転領域の周期Λは、Λ≦2μmであることを特徴とする、 請求項 9記載の光学素子。 前記強誘電体基板は、MgドープのLiTa (1-x) Nb x O 3 (0≦x≦1)であることを特徴とする、 請求項1〜 11のいずれか一項に記載の光学素子。 単一分極化された強誘電体結晶基板の内部に分極反転領域を形成する方法において、 前記強誘電体基板の表面に溝を設け、前記強誘電体基板の表面を複数の領域に分割する工程と、 前記複数の領域に電界を印加し分極反転領域を形成する工程と、 を備え、 前記電界の方向は、前記強誘電体基板の自発分極に対向する方向であり、 前記電界を印加する工程において、前記複数の領域に電位差が生じており、 前記溝の深さ方向に分極反転した少なくとも1つの前記分極反転領域の深さT'は、基板厚みTに対し、T'<Tの関係を満た し、 前記溝は、前記強誘電体基板の表面から0.5μm以上の深さで形成されていることを特徴とする、分極反転領域の形成方法。 前記複数の領域は、周期状に隣接するよう形成され、 前記電界を印加する工程では、一定の周期を持って隣接する領域に互いに異なる電位が生じることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程では、前記複数の領域のそれぞれに、異なる電界を印加することを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程では、前記複数の領域の何れかに、時間的に変化する電界を印加することを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程では、前記電界の変化が1kV/秒以上であることを特徴とする、 請求項 16記載の分極反転領域の形成方法。 前記溝の幅は、5μm以下であることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記複数の領域のそれぞれの幅は、5μm以下であることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記強誘電体基板の厚みは、0.5mm以上であることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程において、正電界と負電界を交互に印加することを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程において、前記電界は、10msec以下のパルス幅を有するパルス電圧により印加されることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記溝は、前記強誘電体基板の表面から10μm以下の深さで形成されていることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記複数の領域は、一定の周期で交互に配置されるように形成されており、 前記分極反転領域は、前記一定の周期で形成されることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記複数の領域のそれぞれは、所定の間隔に配置される複数の小領域からなる小領域群を有しており、 前記複数の領域は、それぞれの前記小領域群を交互に配置するように形成されており、 前記分極反転領域は、前記所定の間隔で形成されることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記強誘電体基板は、MgドープのLiTa (1-x) Nb x O 3 (0≦x≦1)であることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記強誘電体基板は、X−カット、Y−カット、またはZ−カットからなる基板であることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記強誘電体基板の法線と前記強誘電体基板の自発分極とのなす角度は、30°以下であり、 前記分極反転領域は、周期状に形成され、 前記分極反転領域の周期方向と前記強誘電体基板のY軸とが直交することを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記強誘電体基板の厚みTは、T≧0.5mmであり、 前記分極反転領域の周期Λは、Λ≦2μmであることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程は、自発分極をPs、分極反転面積をAとした場合、2PsAの100倍以上の電荷量を印加することを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 前記電界を印加する工程は、80℃以上の絶縁溶液中で行われることを特徴とする、 請求項 13記載の分極反転領域の形成方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、光学素子、特に、分極反転領域を備える光学素子に関する。 また、別の本発明は、分極反転領域の形成方法に関する。 強誘電体の分極を強制的に反転させる分極反転現象を利用すると、強誘電体の内部に周期的な分極反転領域(分極反転構造)を形成することができる。 このようにして形成された分極反転領域は、表面弾性波を利用した光周波数変調器や、非線形分極の分極反転を利用した光波長変換素子、プリズム形状やレンズ形状の反転構造を利用した光偏光器などに利用される。 特に、非線形光学物質の非線形分極を周期的に反転することが可能になれば、非常に変換効率の高い光波長変換素子を作製することができる。 これを用いて半導体レーザなどの光を変換すれば、印刷、光情報処理、光応用計測制御分野などに応用できる小型の短波長光源を実現することができる。 他の従来の分極反転領域の製造方法としては、LiNbO 3基板に櫛形電極を形成して、これにパルス状の電界を印加する方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。 これらの方法では、LiNbO 3基板の+C面に周期状の櫛形電極を形成し、−C面に平面電極を形成する。 次に、+C面を接地し、−C面にパルス電源によってパルス幅が典型的には100μsのパルス電圧を印加して、基板にパルス電界を印加する。 分極を反転させるために必要な電界は、約20kV/mm以上である。 そのような値の電界を印加する際に、基板が厚いと電界印加によって基板が破壊される可能性がある。 しかし、基板の厚みを200μm程度にすることで、電界印加による結晶破壊を回避することが可能になり、室温での分極反転領域の形成が可能になる。 基板を貫通する深い分極反転構造が得られている。 他の短周期の分極反転領域の形成方法としては、Z板のLiTaO 3基板の表面に溝を形成し、分極反転の幅方向の拡大を抑制することで周期3.8μmの分極反転領域を形成する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。 従来技術では、Z板のMgドープLiTa (1-x) Nb x O 3 (0≦x≦1)基板における微細かつ安定な分極反転領域の形成が難しいという課題がある。 そこで、本発明の目的は、短周期かつ広範囲の分極反転領域を備える光学素子を提供すること、および短周期かつ広範囲の分極反転領域を形成する方法を提供することを課題とする。 本発明に関わる光学素子は、単一分極化された強誘電体基板と、強誘電体基板に形成された複数の分極反転領域と、分極反転領域の間の強誘電体基板の表面に形成された溝とを備えている。 溝の深さ方向に分極反転した少なくとも1つの分極反転領域の深さT'は、基板厚みTに対し、T'<Tの関係を満たし、溝は、強誘電体基板の表面から0.5μm以上の深さで形成されていることを特徴とし、これによって上記目的が達成される。 本発明の光学素子では、分極反転領域の間に溝が形成されている。 さらに、 溝の深さ方向に分極反転した少なくとも1つの分極反転領域は、基板を貫通していない。 以上の構成により、短周期かつ広範囲の分極反転領域を備える光学素子を提供することが可能となる。 すなわち、基板を貫通しない分極反転領域を有しつつ、さらに溝を有するため、例えば、分極反転領域の形成工程における電界印加を適切に行うことが可能となる。 このため、微細な(短周期の)分極反転領域を形成する場合であっても、均一かつ広範囲に分極反転領域の形成を行うことが可能となる。 本発明の実施の形態を説明する前に、まず、強誘電体の分極反転について説明する。 図1は、本発明の光学素子の断面図である。 Z板のMgLN基板100に、周期状の分極反転部101が形成されている。 基板の厚みは、1mm、分極反転の深さは、約0.5mm程度である。 分極反転は、基板結晶のY軸(図1では、断面に対して垂直方向)に沿って形成されている。 分極反転部101は、基板の+Z面から−Z面側(図1では、断面上で、分極反転の配列方向に直交する方向)に向かって形成されている。 分極反転部101は、基板の厚みより短くなるように形成されている。 より詳しくは、分極反転部101の深さT'は、基板厚みTよりも短くなるように形成されている。 ここで、分極反転部101の深さT'とは、分極反転部101の基板厚さ方向の長さを意味し、基板厚みTとは、分極反転部101の+Z面側の端部から−Z面までの長さを意味する。 すなわち、分極反転部101は、基板を貫通しないように形成されている。 また、周期状の分極反転部101の付近には、MgLNの+Z面表面に深さ0.5μmの溝102が形成されている。 ここでの分極反転周期La(隣接する2つの分極反転領域の同位置の配列方向間隔、例えば、それぞれの分極反転領域の配列方向一側同士の間隔)、分極反転領域長Lb(全ての分極反転領域の配列方向一側から他側への長さ)は、それぞれ4μm、10mmである。 このように、本発明では、均一な分極反転領域を形成することで高効率の波長変換が可能となった。 さらに、基板厚みが1mm以上あることで、基本波、高調波のビームウエストを大きくとれる。 このため、光のパワー密度を低減でき、高出力な出力特性が実現できた。 0.5mmの基板に形成した場合に比べ1mm厚の基板を利用することで出力を4倍に高めることが可能となった。 ところで、従来技術では、周期状の分極反転構造を形成した場合、分極反転領域の境界では異なる自発分極が隣接し、結晶的に歪みの大きな分極壁を形成する。 このため、従来技術では、分極反転構造が微細化するに伴い、結晶内の歪みが大きくなる。 一般に、分極壁における歪みは分極反転領域の不安定性の原因となる。 そこで、前述したように貫通しない分極反転領域を利用すると、均一な分極反転構造の形成が可能であるが、その一方で貫通しない分極反転領域の安定性は、貫通した分極反転領域に比べて大幅に特性が劣ることが明らかになった。 例えば、形成された分極反転領域に400nm以下の紫外光を照射した場合や、急激な温度変化を与えた場合や、また外部電界を与えた場合に、分極反転領域が一部消滅する現象が観測された。 このため、ヒートショックや高出力の紫外光発生において、特性が劣化する現象がみられた。 このような現象は、特に微細な分極反転形状において顕著であり、分極反転領域または特に基板表面から発生するため、これを防止する方法を種々検討した。 この結果、本発明のように、分極反転領域間に溝を形成し、分極反転部分と非分極反転部分とに段差を設けることで安定性が大幅に向上することが明らかになった。 溝の深さとしては、本実施の形態のように0.5μm以上が好ましかった。 一方、0.2μm以下では、ほとんど効果がなかった。 溝は、深いほど効果が高いが、0.5μm以上の深さであれば、−40〜80℃のヒートサイクル試験を100回行っても特性の変化は観測されなかった。 このため、本発明のように、0.5μm以上の溝を分極反転領域間の基板表面に設けることは分極反転構造の信頼性向上に有効である。 従来技術では、微細な分極反転領域を形成した場合に分極壁に歪みが残る。 この歪みにより分極壁に屈折率分布が形成される。 周期状に分極反転領域を形成すると、分極壁に屈折率分布が生じるため、周期的な屈折率分布が形成される。 例えば、分極反転構造を光学素子に利用する場合、周期的な屈折率変化は、分極反転構造を伝搬する光の波面を乱し、かつ散乱損失を増大させる原因となる。 これに対して、本実施の形態のように分極反転領域間に溝を設けることで分極壁の屈折率分布が低減されることが見出された。 溝の深さとしては、1μm以上にすることで光学損失の小さな光学素子の形成が可能となった。 なお、分極反転構造を利用した光学素子として光波長変換素子を例にあげて説明したが、分極反転構造をプリズム形状やグレーティング形状に形成することで、偏光器が構成できる。 この偏光器は、例えば、位相シフト、光変調器、レンズ、等に応用できる。 また、分極反転領域に電圧を印加することで電気光学効果を利用した屈折率変化を形成できる。 このため、これを利用した光学素子が実現できる。 例えば、電界により屈折率変化を制御できるため、屈折率変化を形成した光学素子は、スイッチ、偏光器、変調器、位相シフタ、ビーム整形等に応用できる。 本発明の分極反転領域の形成方法は、微細な分極反転形状の形成を可能とするため、これらの光学素子の高性能化を可能にする。 このうち、Ndをドープした結晶からなる基板はレーザ発振が可能であるので、レーザ発振による基本波の発生とその波長変換による第2高調波の発生とが同時に行える。 そのため、高効率で安定した動作特性を有する短波長光源が構成できた。 これらの電極303および304の形成方法について、図4を用いて説明する。 ここで、電圧印加時の放電発生を避けるために、MgLN基板301を絶縁液または真空中(10 -6 Torr以下)に配置して、電圧を印加する。 これを防止するため、本発明では、結晶表面の電極を複数の領域に分割し、表面電極間に電位差を設ける方法を提案する。 すなわち、本発明では、少なくとも何れかの領域に異なる電位差が生じる。 一方、本発明では、電極構造を図6(b)に示す構造とし、この問題を解決する。 すなわち、第一の電極601と第二の電極602との間に溝を掘ることで、電極間に絶縁性の高い領域を形成する。 これによって、第二の電極602から第一の電極601に向かう電界を、図6(b)に示すように、溝の下をくぐるような向きに発生させることが可能となる。 溝を設けない図6(a)に比べて、溝を設けた図6(b)の構成では、電界成分Ezを大幅に増大できる。 また、第一の電極601と第二の電極602との間の絶縁性を高めることが可能となり、電極間に大きな電圧を印加できる。 このため、より均一な分極反転構造の形成も可能となった。 また、電極間に設けた溝に絶縁性の高い絶縁液、高真空雰囲気などを使用することで、より高電圧の印加が可能となる。 本構成では、電極間隔5μm以下の微細な領域でも分極反転領域の形成が可能となった。 電極間の溝の深さを深くすると、電極間の絶縁性と、電界ベクトルEzの増大とが図れ、より均一で深い分極反転構造の形成が可能となる。 溝の深さは、最低でも0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上であれば、均一性、形成範囲の観点でより効果的であった。 すなわち、電界印加により分極反転領域を形成する場合、分極反転領域は、分極方向に成長すると同時に、分極に垂直な方向にも成長する。 この分極に垂直な方向への分極反転領域の成長を側面成長という。 この側面成長によって、電極の幅方向に分極反転部が成長する。 このため、微細な電極形状により分極反転を形成しても、分極反転領域が側面方向に成長してしまい、横に広がった形状となる。 この側面への広がりは、数μmにも達し、1μm程度の微細な構造の形成を困難にしている。 例えば、図7に示すように、第一の電極701と第三の電極702との間に電界を印加すると、電極構造は、電極間に挟まれたコンデンサーとなる。 このため、電極間に電荷が蓄積される過渡的な状態において、第一の電極700は、浮遊電極となり第一の電極700と第二の電極701との間に電界が発生する。 この様な電界の変化を利用して第一の電極700と第二の電極701との間に電界分布を発生させることができる。 例えば、過渡的に発生する電界は、電圧の変化量に依存する。 このため、高速な電圧の変化により第一の電極700と第二の電極701との間に大きな電界を発生させることが可能となる。 電極構造にも依存するが、具体的には、電圧の変化量を100V/秒以上にすることで、分極反転の形成が可能となる。 さらに、電圧の変化量を1kV/秒以上にすることで、より均一な分極反転形成が可能となる。 また、第一の電極700と第二の電極701とに交互に電界を印加することで、両方の電極下に分極反転領域を成長させることも可能となる。 これに対して、MgドープのLiNbO 3は、従来の特性と異なることを見いだした。 すなわち、図8(b)に示すように、印加する電圧として正、負電圧を交互に印加する電圧波形であっても、分極反転が均一に形成出来ることを見いだした。 この原因は明らかでないが、逆方向の電圧を印加することで電気抵抗が高まることにより、分極反転領域が低抵抗化して分極反転領域の成長が止まることが防止されるとともに、さらに分極反転領域を成長させる役割を果たす。 また、自発分極に対向する電界を一方的に印加すると、基板表面がチャージアップして放電が生じ、不均一な分極反転が形成されるが、正負の電界を印加することで、表面チャージアップによる放電を防止し、均一な反転形成を可能にする。 なお、印加条件としては、正負同電界または、自発分極に対向する電圧に対して、逆電圧は小さい方が好ましい。 また、印加電界は、特にパルス幅τ≦10msecのパルス印加が好ましかった。 複数のパルス列を印加することで、均一な分極反転構造の形成が可能となる。 なお、本発明の実施の形態においては、Z板の基板を用いたが、これに限られるものではない。 例えば、自発分極の方向と基板の法線とが平行なZ板以外に、自発分極の方向と法線とが角度θを有するオフカット基板を利用すること可能である。 角度θの値は、±30°以下が望ましい。 この場合には、均一で深い分極反転構造の形成が可能となった。 特に、角度θが±5°以下であれば、均一性がさらに向上し、効率の高い光学素子が得られた。 なお、本実施の形態では電極に印加する電荷量についても検討をおこなった。 第一の電極601および第二の電極602(図6参照)の下における分極反転領域を拡大するためには、過剰な電荷量を与えることが有効であった。 自発分極をPs、分極反転面積をAとすると、適正電荷量Cは、C=2Ps×Aである。 本発明では、適正電荷量Cの100倍以上の電荷量を印加することで、Z軸方向(基板厚み方向)、Y軸方向(周期と直行する方向)の分極反転領域が拡大した。 MgドープLiTa (1-x) Nb x O 3 (0≦x≦1)基板では、分極反転電界は、通常のLNの1/4以下である。 通常のLN等では、基板を厚くした場合に、印加電圧による絶縁破壊が生じる。 一方、本発明の構成では、分極反転電界が低い分、絶縁破壊を起こすことなく電圧の印加が可能となった。 本実施の形態の分極反転領域の形成方法について説明する。 本実施の形態では、周期2μmの分極反転領域を形成する方法について述べる。 第一の電極1003の先端部1005、および第二の電極1004の先端部1006は、結晶のY軸方向を向いている。 さらに、第一の電極1003と第二の電極1004とは電気的に絶縁されている。 本実施の形態では、二本ずつの歯の組を交互に配置する電極形状にすることで、実施の形態2に比して、電極指先端の電界集中を良好な状態にすることができ、電極下への分極反転領域を形成することができた。 一般に、周期電極間の幅が狭くなると、各電極指先端の電界の集中が緩和されてしまうことになる。 一方、本発明では、それぞれの電極は、電極指を複数本毎の組として周期的に有し、2つの電極は、電極指の組を交互に配置するように形成されている。 このような交差形状(ここでは2本毎の交差を形成)にすることで2μm以下の短周期分極反転形成においても均一かつ広範囲の形成を実現することができた。 また、本発明の光学素子は、例えば、Mgをドープした結晶において、短周期分極反転構造を有し、高効率かつ安定な光波長変換素子等として利用可能である。 一般に、先端部を有する電極を用いてZ板の基板に分極反転を形成すると、電極先端部に電圧が集中するため、この部分の分極反転は効率良く形成される。 しかし、分極反転部分が電極全体に広がりにくい傾向にある。 そこで、本発明の分極反転領域の形成方法では、電圧波形、および電極構成を工夫し、電極のできるだけ広い領域に分極反転部が広がる方法を提供した。 すなわち、均一かつ広範囲な短周期構造を含む微細な分極反転領域の形成には本発明の形成方法が非常に有効である。 本発明にかかる光学素子は、短周期かつ広範囲の分極反転構造を備える光学素子を提供することが求められる分野で有用である。 また、本発明にかかる分極反転領域の形成方法は、短周期かつ広範囲の分極反転領域を形成する方法を提供することが求められる分野で有用である。 1が大きい時の電界分布図(c)L 1が小さい時の電界分布図 100,301,401,500,1001 MgO:LiNbO 3基板 101,200,405,504 分極反転部 102,402 溝 302,1002 主面 303,501,601,700,800,1003 第一の電極 304,502,602,701,801,1004 第二の電極 305,1005 第一の電極の先端部 306,1006 第二の電極の先端部 307,503,603,702,802,1007 第三の電極 308,404,703,1008 パルスジェネレータ 400 Ta膜 403 SiO 2膜 V 1 ,V 2 ,V 3電位 Ex X方向の電界成分 Ez Z方向の電界成分 Ps 自発分極 A 電界 L1 第一の電極と第二の電極との間の距離 Lr 分極反転領域の長さ T 基板温度 |