Optical signal processing method and apparatus, optical signal receiving method as well as the optical transmission device

申请号 JP33684487 申请日 1987-12-29 公开(公告)号 JP2626896B2 公开(公告)日 1997-07-02
申请人 ブリティシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニ; 发明人 ダビット・ウィリアム・スミス; テレンス・ジェオフリイ・ホジキンソン;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】受信特性に偏光依存性のある受信機に入力される光信号の偏光状態を処理する光信号処理方法において、 前記光信号はディジタル信号により変調された信号であり、 その光信号の処理後の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように制御信号の周波数に応じてその光信号の偏光状態を繰り返し変え、 前記制御信号の周波数を前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に選択する ことを特徴とする光信号処理方法。
  • 【請求項2】前記繰り返し変える方法は、処理前の光信号を前記制御信号に応じて交互に切り替えて断続する二つの光信号に分割してそれぞれ中間信号路に導入するステップと、この二つの光信号をその偏光状態が互いにほぼ直交するように偏光させるステップと、この偏光させた二つの偏光信号を結合するステップとを含む特許請求の範囲第(1)記載の光信号処理方法。
  • 【請求項3】前記繰り返し変える方法は、処理前の光信号を二つの連続する光信号に分割してそれぞれ中間信号路に導入するステップと、二つに分割された光信号の少なくとも一方の偏光状態を変更し二つの異なる偏光信号を得るステップと、この偏光させた二つの異なる偏光信号を前記制御信号に応じてその出力光の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように結合するステップとを含む特許請求の範囲第(1)記載の光信号処理方法。
  • 【請求項4】前記光信号は1以上のディジタル信号で変調された信号であり、前記制御信号の周波数はこのディジタル信号の最も速い速度と等しいまたはそれより高速に選択される特許請求の範囲第(1)記載の光信号処理方法。
  • 【請求項5】前記制御信号の周波数は前記ディジタル信号の最も速いビット速度の2倍以上10倍以下に選択される特許請求の範囲第(4)記載の光信号処理方法。
  • 【請求項6】ディジタル信号により変調された光信号を局部発振光を用いてコヒーレント検波する光信号受信方法において、 前記局部発振光の処理後の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように制御信号の周波数に応じてその局部発振光の偏光状態を繰り返し変えて前記光信号に混合し、 前記制御信号の周波数を前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に選択する ことを特徴とする光信号受信方法。
  • 【請求項7】受信特性に偏光依存性のある受信機に入力される光信号の偏光状態を処理する光信号処理装置において、 前記光信号はディジタル信号により変調された信号であり、 前記光信号を入力する入力端子(7)と、定められた周波数の制御信号を発生する制御部(3)と、前記入力端子に到来する光信号が印加されほぼ直交する偏光状態が一つの出力に交互に現れるように前記制御信号の周波数に応じて繰り返しその偏光状態を切り替える偏光切替素子(2)とを備え、前記制御信号の周波数は前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に設定されたことを特徴とする光信号処理装置。
  • 【請求項8】情報によりディジタル変調された光信号を出力する送信機(1)と、この光信号を伝送する光導波路(5)と、この光導波路の出力信号を受信する受信機(4)とを備えた光伝送装置において、 前記受信機は受信特性に偏光依存性のある受信機であり、 前記光導波路(5)に挿入された光信号処理装置(10
    0)を備え、 この光信号処理装置は、定められた周波数の制御信号を発生する制御部(3)と、前記入力端子に到来する光信号が印加されほぼ直交する偏光状態が一つの出力に交互に現れるように前記制御信号の周波数に応じて繰り返しその偏光状態を切り替える偏光切替素子(2)とを備え、前記制御信号の周波数は前記光信号を変調するディジタル信号の最も速いビット速度と等しいまたはそれより高速に設定された ことを特徴とする光伝送装置。
  • 【請求項9】入力光信号を可変の割合で二つの中間信号路に分割する分割手段と、 上記二つの中間信号路の少なくとも一方に配置され、この二つの中間信号路の光信号の偏光状態を互いに直交させる偏光可変手段と、 上記二つの中間信号路の少なくとも一方に配置され、その中間信号路における光信号の位相を可変にシフトさせる位相変調手段と、 上記二つの中間信号路の光信号を結合する再結合手段と、 上記分割手段および上記位相変調手段を制御し、上記二つの中間信号路に分割される光信号の割合および光信号の位相を設定して上記再結合手段から出力される光信号の偏光状態を任意に制御する制御手段と を備えた光信号処理装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光信号の伝送に利用する。 特に、光伝送路において偏光状態が変化しても確実に情報を受信するための信号処理方法およびそのための装置に関する。 本発明は、コヒーレント光伝送装置に利用するに適する。

    〔概 要〕

    本発明は、発信側の偏光状態と独立の偏光状態をもつ局部発振光により検波を行う光信号処理方法において、 発信光または局部発振光の一方の偏光状態を情報速度より早い周期で二つの直交する方向に交互に切り替えることにより、 光伝送路上での偏光状態の変化による受信信号にフェージングを防止するものである。

    本発明はまた、このような信号処理を行う光信号処理装置を提供するものである。

    〔従来の技術〕

    ヘテロダインおよびホモダイン受信技術を使用するコヒーレント光ファイバ伝送装置は、従来の直接検波装置に比較して、非常に優れた受信感度を得ることができる。 しかし、コヒーレント受信機の性能は、受信機に入する光信号の偏光と局部発振光の偏光との関係に大きく依存する。 複屈折光ファイバな沿って伝搬して受信機に入力される光信号の偏光状態は一般に不定である。 光信号を検波するには、受信光信号と局部発振光とを混合し、これを自乗検波する。 受信光信号の偏光方向と局部発振光の偏光方向とが一致していない場合には、受信性能が低下し、検波信号にフェージングが現れる。 極端な場合には、受信光信号の偏光方向と局部発振光の偏光方向とが直交し、信号を検波できなくなる。

    偏光依存性の問題を削減するため、偏光ダイバシチ受信機と呼ばれる受信機が提案されている。 これについては、タカノリ・オーコシ、シロー・リューおよびカズラ・キクチにより、「ポーラリゼーション・ダイバシチ・
    レシーバ・フォー・ヘテロダイン・コヒーレント・オプティカル・ファイバ・コミュニケーションズ」、ICOC19
    83、論文番号30C3−20東京、6月1983年("Polarisatio
    n diversity receiver for heterodyne coherent optic
    al fibre communications",ICOC1983Paper30C3−2,Toky
    o,June1983)に説明されている。

    偏光ダイバシチ受信機では、入力信号の二つの直交偏光成分を分離し、それぞれをヘテロダイン検波してから出力段で加算する。 偏光ダイバシチ受信機は、最大フェージング損失を3dBに削減することができる。

    コヒーレント受信機の他の例として、偏光トラッキング受信機が知られている。 偏光トラッキング受信機は、
    局部発振光の偏光方向を受信光信号の偏光方向に、またはその逆に一致させるものであり、偏光方向の能動的に制御する精巧な帰還ループを用いる。 局部発振器の偏光は、圧電素子、回転可能な位相板またはこれらと同等のバルク光学素子を用いることにより容易に変化させることができる。 偏光トラッキング受信機の詳細については、例えば、「ニュー・ポーラリゼーション・コントロール・スキーム・フォー・オプティカル・ヘテロダイン・レシーバ・ユージング・ツー・ファラデー・ローテイタズ」、オーコシ他、エレクトロニクス・レターズ第21
    巻第18号、1985年8月29日("New polarisation−contr
    ol scheme for optiscal heterodyne receiver using t
    wo Faraday rotators",Okoshi et al,Electronics Lett
    rs,Vol.21,No.18,29August1985)に説明されている。

    〔発明が解決しようとする問題点〕

    しかし、偏光ダイバシチ受信機は、通常の受信用電子回路を二重構成にしなければならない欠点がある。 また、オーコシ等の受信機では、偏光方向を変化させるためにファラデー旋光子が必要である。 ファラデー旋光子は、動作のために大電流が必要であり、偏光方向を変化させるために強い電界が必要である欠点がある。

    また、偏光トラッキング受信機では、複雑で周囲の影響を受けやすい帰還制御システムが必要となる欠点がある。 このような帰還制御システムのかわりに圧電素子を使用できると考えられているが、この素子にも欠点が多い。 例えば、圧電素子は動作が機械的なため低速である。 また、圧電素子を動作させるためには1kVのオーダの高電圧が必要であり、この電圧は周囲の電子回路にとって非常に危険であり、特別の保護回路が必要となる。

    コヒーレント検波だけでなく、直接検波を行う場合にも、偏光依存性の素子が使用される。 例えば、受信機における信号の切替またはネットワークのノードにおける信号分配のために使用されるプレーナ型の導波素子は、
    一般的にある入力偏光に対して動作する。 したがって、
    直接検波の場合にも、信号の偏光が不一致の場合に信号損失が大きくなるよう場合には偏光の制御が必要である。

    本発明は、光伝送路において偏光状態が変化しても安定に光信号を検波できる光信号処理方法および装置を提供することを目的とする。

    〔問題点を解決するための手段〕

    本発明の第一の発明は光信号処理方法であり、受信特性に偏光依存性のある受信機に入力される光信号の偏光状態を処理する光信号処理方法において、前記光信号はディジタル信号により変調された信号であり、その光信号の処理後の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように制御信号の周波数に応じてその光信号の偏光状態を繰り返し変え、前記制御信号の周波数を前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に選択することを特徴とする。 このように偏光状態を繰り返し変える処理を以下「スクランブル」という。

    スクランブルの方法は、処理前の光信号を制御信号に応じて交互に切り替えて断続する二つの光信号に分割してそれぞれ中間信号路に導入するステップと、この二つの光信号をその偏光状態が互いにほぼ直交するように偏光させるステップと、この偏光させた二つの偏光信号を結合するステップとを含むことが望ましい。 また、処理前の光信号を二つの連続する光信号に分割してそれぞれ中間信号路に導入するステップと、二つに分割された光信号の少なくとも一方の偏光状態を変更し二つの異なる偏光信号を得るステップと、この偏光させた二つの異なる偏光信号を前記制御信号に応じてその出力光の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように結合するステップとを含んでもよい。

    中間信号路に導入するステップにおいて、制御信号の制御により、二つの中間信号路に分割される光信号の相対的な割合を切り替えることができる。

    二つの連続する光信号に分割して得られた二つの偏光状態を結合する場合には、制御信号の制御により少なくとも一方の光信号を位相変調し、二つの中間信号路からの光信号を再結合したときに、偏光のベクトル和が交互に切り替わる光信号を得ることもできる。 この場合には、制御信号の半周期毎に、一方の中間信号路の光信号の位相を実質的に180゜シフトさせることが望ましい。

    光信号は1以上のディジタル信号で変調された信号であり、制御信号の周波数はこのディジタル信号の最も速いビット速度と等しいまたはそれより高速に選択されることが望ましい。 特に、ディジタル信号の最も速いビット速度の2倍以上10倍以下に選択されることが望ましい。

    このような処理が施された光信号は、光ファイバその他の複屈折媒体に光学的に結合され、検波器に向かって伝送される。 複屈折媒体は単一の入力偏光を任意に回転させる。 二つの直交する偏光が入力した場合には、それぞれを任意に回転させるが、複屈折媒体から出力されるときには相互の直交性が保たれる。 したがって、複屈折媒体から出力される直交状態の一方が伝送装置の偏光依存性の高い部分と完全に不一致となっても、他方は一致し、その情報を検波できる。

    本発明の方法は、コヒーレント検波装置または直接検波装置に利用できる。

    コヒーレント受信機の局部発振光の偏光は、上述の処理が施された信号の双方と成分と同時に直交することはなく、送信信号の偏光を本発明の方法によりスクランブルすることにより、従来のコヒーレント伝送装置で生じた受信機における完全な信号の消失を防止できる。

    コヒーレント光装置では、局部発振光をスクランブルしても、送信情報信号の偏光を直接にスクランブルすると同等の効果が得られる。 この場合にも、局部発振光の偏光を切り替える制御信号の周波数を光信号により搬送された情報を一方の偏光状態だけで検波できる程度に設定する。

    すなわち、本発明の第二の発明は、ディジタル信号により変調された光信号を局部発振光を用いてコヒーレント検波する光受信方法であり、第一の発明のように光信号をスクランブルするのではなく、局部発振光をスクランブルすることを特徴とする。 すなわち、局部発振光の処理後の偏光状態が互いにほぼ直交する二つの状態を交互にとるように制御信号の周波数に応じてその局部発振光の偏光状態を繰り返し変えて光信号に混合し、その制御信号の周波数を前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に選択することを特徴とする。

    これは、複数の別々な送信機からひとつの受信機に光信号を送信する場合に特に適しており、ひとつの偏光スクランブルですべての光信号を受信できる。

    本発明の方法はまた、実質的に波長が異なる複数の信号を含む光信号の処理に使用でき、例えば周波数多重装置に利用できる。

    光信号が一以上のディジタル光信号を含む場合には、
    偏光状態を切り替える周期をこのディジタル光信号の最も早いビット速度と等しいかまたはそれより高速とする。 ディジタル信号内のどの情報でも、処理された信号のどちらかの偏光状態で検波できる。 これは、本発明を光伝送装置で使用する場合の特に優れた特徴である。

    本発明の第三の発明は上述の光信号処理を行う光信号処理装置であり、受信特性に偏光依存性のある受信機に入力される光信号の偏光状態を処理する光信号処理装置において、前記光信号はディジタル信号により変調された信号であり、前記光信号を入力する入力端子と、定められた周波数の制御信号を発生する制御部と、前記入力端子に到来する光信号が印加されほぼ直交する偏光状態が一つの出力に交互に現れるように前記制御信号の周波数に応じて繰り返しその偏光状態を切り替える偏光切替素子とを備え、前記制御信号の周波数は前記ディジタル信号のビット速度以上の周波数に設定されたことを特徴とする。

    変更切替素子は、入力信号路から二つの中間信号路に入力光信号を分割する分割手段と、この中間信号路の少なくとも一方に配置され、上記二つの中間信号路のそれぞれの光信号を互いに直交する偏光状態に設定する偏光可変手段と、上記二つの中間信号路からの光信号を結合する再結合手段とを含むことが便利である。

    分割手段は、制御部の制御により、二つの中間信号路に分割する入力光信号の割合を切り替える光スイッチを含むことができる。

    光スイッチは電圧制御結合器を含むことが便利である。

    この場合には、制御手段は光スイッチが動作するための制御信号を出力する。 二つの中間信号路のそれぞれに分割される入力光信号の割合は、電圧制御結合器に印加する電圧により設定される。 入力信号の100%が二つの中間信号路のそれぞれにスクランブル周波数で交互に切り替えられるように、制御信号は矩形波であることが望ましい。

    本発明の光信号処理装置は、情報送信のための光信号の偏光状態をスクランブルする伝送装置に使用され、出力信号の直交方向で交互に切り替わる偏光状態のいずれか一方で情報が得られることを確実にする。 コヒーレント光伝送装置では、送信情報信号のスクランブルではなく、局部発振信号のスクランブルにこの装置を使用することができる。

    局部発振光の偏光と受信情報信号の偏光とが一致する理想的なヘテロダイン検波の場合に比較して、信号をスクランブルすることにより、受信機の感度が3dBだけ一定に低下する。 しかし、スクランブルされた信号は、相対的な偏光の状態に独立に検波できる。 どのような偏光の変化が生じた場合でも、3dBのスクランブル損失は一定でしかも最大値である。 受信偏光を一般には決定できない実際の伝送装置では、複雑で特別の構成がなければすべての信号が損失するような従来の装置に比較して非常に優れている。

    情報伝送装置に使用される最小のスクランブル周波数は、その光信号が搬送する情報との関係で設定される。
    したがって、最大の所望スクランブル周波数は他の装置のパラメータにより制限される。 例えば、雑音のフィルタリングを考慮すると、ディジタル信号の場合には、非同期中間周波検波器における中間周波数帯域幅を信号ビット速度の10倍程度に制限することが一般的には望ましい。 この場合には、スクランブル周波数は、ビット速度の10倍を越えないようにすることが望ましい。

    入力信号をステップ状に切り替えると同様に、中間信号路の間で信号を滑らかに掃引することもできる。 例えば、スクランブル信号を正弦電圧とすることもできる。
    この場合には、中間信号路の光信号の相対的な位相を調節するために、中間信号路の少なくとも一方に位相変調手段を配置することが望ましい。 位相変調手段は、制御部により制御されて、一方の中間信号路の光信号に交互に変化する位相シフトを導入する。 これにより、中間信号路の光信号の偏光状態のベクトル和を交互に変化させ、直交する偏光状態が交互に現れる出力信号を生成することができる。 位相変調手段は、スクランブル正弦信号の二つの半サイクルの間に一方の中間信号路の信号に
    180゜の位相シフトを導入することが便利である。 この位相シフトを導入することにより、結合された出力信号の偏光状態を所望のとおりに切り替えて、受信機で検波された信号の強度がその信号の偏光に独立となるようにすることができる。 上述のステップ状に切り替える場合と同様に、受信される偏光の状態と局部発振光の偏光状態とにかかわらず、一定で最大3dBの感度の損失が生じる。

    変更切替素子は、一方の中間信号路の光信号の偏光を他の中間信号路の光信号に対して固定的に90゜回転させる構成とすることが望ましい。 これは、所望の直交偏光を得るための最も直接的な方法である。 この場合には、
    上述したファラデー旋光子のような複雑な調整可能なバルク旋光子を使用する必要はない。

    変更切替素子はTE−TMモード変換器を含むことが望ましい。 TE−TMモード変換器は、プレーナ集積光素子として実現できる。 変更切替素子はさらに、TE−TMモード変換器に関連して集積光位相シフタを含むことができる。
    位相シフタは、第一の中間信号路の入力のTMモードとTE
    モードとの間の位相差を90゜に調節するために使用される。 これにより、TE−TMモード変換器がすべての入力偏光状態に対して動作する。 入力信号の偏光が固定的に設定されている場合には、位相シフタは不要である。

    したがって、入力信号路は偏波保持光ファイバを含み、光信号処理装置の入力信号の偏光状態を固定することができる。 装置の構成要素を例えばリチウム・ニオベート基板上に集積化する場合には、入力偏光はTEモードに固定されていることが望ましい。

    集積化されたTE−TMモード変換器を使用するかわりに、適当な複屈折媒体、例えば適当な長さの複屈折光ファイバを使用して、簡単な構成で偏光を回転させることもできる。 この場合には、同一の光ファイバで中間信号路と変更切替素子との双方の機能を実行することができる。

    入力信号としては、通常は半導体レーザからの光信号を用いる。 入力信号は、光変調器、例えば光信号処理装置と共に基板上に形成されたプレーナ導波素子から入力される。

    再結合手段は1対1の方向性結合器であることが便利である。 この方向性結合器は、二つの直交する偏光の一方だけを結合し、出力信号のパワーを最大にする構成の偏光選択素子であることが最も望ましい。 偏光選択性の結合器を用いることにより、通常の結合器で生じる伝送パワーの3dB減衰を防止できる。

    それぞれの中間信号路からの出力信号強度の寄与を平衡させるために、一方または双方の中間信号路に光減衰器を挿入することが必要となる場合がある。

    本発明の第四の発明は第三の発明の光信号処理装置を用いた光伝送装置であり、情報によりディジタル変調された光信号を出力する送信機と、この光信号を伝送する光導波路と、この光導波路の出力信号を受信する受信機とを備えた光伝送装置において、前記受信機は受信特性に偏光依存性のある受信機であり、前記光導波路に挿入された光信号処理装置を備え、この光信号処理装置は、
    定められた周波数の制御信号を発生する制御部と、前記入力端子に到来する光信号が印加されほぼ直交する偏光状態が一つの出力に交互に現れるように前記制御信号の周波数に応じて繰り返しその偏光状態を切り替える偏光切替素子とを備え、前記制御信号の周波数は前記光信号を変調するディジタル信号の最も速いビット速度と等しいまたはそれより高速に設定されたことを特徴とする。

    本発明の第五の発明は光信号処理装置であり、入力光信号を可変の割合で二つの中間信号路に分割する分割手段と、上記二つの中間信号路の少なくとも一方に配置され、この二つの中間信号路の光信号の偏光状態を互いに直交させる偏光可変手段と、上記二つの中間信号路の少なくとも一方に配置され、その中間信号路における光信号の位相を可変にシフトさせる位相変調手段と、上記二つの中間信号路の光信号を結合する再結合手段と、上記分割手段および上記位相変調手段を制御し、上記二つの中間信号路に分割される光信号の割合および光信号の位相を設定して上記再結合手段から出力される光信号の偏光状態を任意に制御する制御手段とを備える。

    この光信号処理装置は、伝送装置において光信号をスクランブルするために用いるのではなく、簡単な偏光制御装置として利用し、例えば偏光トラッキング受信機に使用することができる。

    二つの直交する偏光信号の相対的な割合を制御し、これらの信号の位相を互いに制御することにより、再結合される出力信号の偏光方向を任意に設定することができる。 したがって、本発明方法により光信号を処理することにより、中間信号路における光信号の位相関係を必要に応じて制御することができる。 また、偏光制御装置として使用する場合には、この装置を例えばコヒーレント受信機の局部発振光の光路に挿入し、偏光トラッキング受信機に要求されるように、連続的に信号偏光を調節して局部発振光の偏光を入力信号の偏光を追跡することができる。

    この一般的に応用できる装置の最も優れた点は、すべての主要な光構成要素、例えば分割手段(スイッチ)、
    位相変調器、偏光変更手段および再結合手段(出力側結合器)を集積光素子として構成することができ、必要な場合には共通の基板上に形成できることである。

    〔作 用〕

    本発明では、実質的に一定な単一の初期偏光状態を直交する偏光状態が交互に切り替わる信号に変換することができる。 これにより、このように処理された光信号を偏光依存性の高い素子に入力した場合に、その偏光の一方がその素子と完全にまたはほとんど整合していなくとも、他方の偏光が完全に、または少なくとも良好に一致する。 したがって、このような処理が施された信号を偏光依存性の高い素子で処理することができ、単一の偏光で信号が搬送された場合に生じるような信号の消失を防止できる。

    コヒーレント検波を行う場合には、光信号の偏光状態を交互に変えるのではなく、局部発振光の偏光状態を交互に変えても同様の効果が得られる。

    また、同様の光信号の処理により、入力信号の偏光状態をある与えられた状態から他の所望の状態に切り替えることもできる。

    〔実施例〕

    第1図は本発明の光信号処理方法を用いて情報信号を伝送する光伝送装置の第一実施例を示すブロック構成図である。

    送信機1は光導波路5、6を経由して受信機4に光信号を送信する。 送信機1と受信機4との間の信号路上には、光信号を処理する光信号処理装置100が配置されている。 この光信号処理装置100は偏光切替素子2および制御部3を備える。 この場合に、偏光切替素子2は、電圧または電流により制御される複屈折材料を含む。 このような複屈折材料としては、カー効果およびポッケル効果の一方または双方を示す電子光学材料、ファラデー旋光を示す磁気光学材料、または応力に依存して複屈折を示す材料が用いられる。

    偏光切替素子2は、送信機1からの入力信号を光導波路5経由で受け取り、スクランブル処理された信号を光導波路6を経由して受信機4に出力する。 偏光切替素子2の入力端子7における信号は、実質的に一定な直線偏光の状態となるように設定されている。 現実には、送信機1からの信号の偏光は、長い周期(例えば数日)にわたりゆっくりとドリフトするが、これは、光伝送装置が動作する場合の(非常に)高い周波数に比較してそれほど問題ではない。 しかし、必要な場合には、従来の方法、例えば光導波路5として偏波保持光ファイバを用いることにより、入力偏光状態を安定化することができる。 偏光切替素子2は、その複屈折材料の光軸が入力信号の偏光の軸に対して45゜の度になるように配置される。

    偏光切替素子2の動作は、制御部3により制御される。 制御部3から偏光切替素子2内の複屈折材料に制御信号、すなわち「スクランブル」信号を供給すると、複屈折がひとつの軸に沿って変化する。 スクランブル信号の強度は、複屈折により、その軸に沿った信号成分に18
    0゜の位相シフトが交互に発生する程度にする。 偏光切替素子2の出力信号の偏光は、スクランブル信号の周波数により、二つの直交する直線偏光の間で切り替わる。

    第二の光導波路6に複屈折があったとしても、受信機4の入力端子9に到達する信号には、直交する偏光状態が交互に現れる。 ただし、この偏光状態は直線偏光とは限らない。 したがって、直交する偏光状態の一方が受信機4と全く整合していなくとも、この偏光状態と相補的な直交偏光が整合するので、その信号を検波できる。

    この実施例では送信信号の偏光をスクランブルしているが、コヒーレント光伝送装置の場合には、局部発振光をスクランブルしても同様の効果が得られる。

    第2図は本発明の信号処理方法を実施する光伝送装置の第二実施例を示すブロック構成図である。

    光ファイバ31を経由して送信された情報信号は光結合器32に入力される。 光結合器32にはさらに局部発振光が入力される。 光結合器32は情報信号と局部発振光とをミキシングし、これを平衡コヒーレント検波器(balanced
    coherent detector)30に出力する。 平衡コヒーレント検波器30は検波信号を出力するとともに、局部発振器33
    に周波数制御信号を出力する。 局部発信器33は、光信号処理装置100を経由して光結合器32に局部発振光を供給する。

    光信号処理装置100は第一実施例の光信号処理装置と同等の装置であり、偏光切替素子2および制御部3を含む。 偏光切替素子2は、制御部3の制御により、局部発振器33からの信号をスクランブル処理し、偏光方向が直交方向で交互に切り替わる局部発振光を光結合器32に供給する。

    局部発振光の一方の偏光方向が情報信号の偏光方向と一致していない場合でも情報信号を完全に検波できるように、スクランブル処理を十分に高い周波数、例えば、
    少なくともディジタル情報信号のビット速度より高速に行う必要がある。 情報速度が変化する場合には、これに対応して制御信号のスクランブル周波数を切り替えることが必要となることがある。 その場合には、第2図に破線34で示したように、平衡コヒーレント検波器30の信号を制御部3に帰還させて調整することができる(必要な場合には第一実施例にも同様の構成を設け、制御部3が送信機4からの信号の情報速度の変化に応答できるようにすることもできる)。

    第1図および第2図を参照して説明した基本的な光信号処理装置100の構成を他の構成で実現することもできる。 そのような光信号処理装置について以下に説明する。

    第3図は本発明の光信号処理装置の第一の実施例を示すブロック構成図である。

    この光信号処理装置は、偏光をスクランブル処理するための装置であり、入力光ファイバ11からの光信号を二つの中間信号路13、14の間に交互に結合する電圧制御結合器(voltage controlled coupler、VCC)10を備える。 中間信号路13の光信号は、旋光子15によりTEモードからTMモードに変換され、その偏光方向が他方の中間信号路14における光信号の偏光方向と直交する。 旋光子15
    は、その旋光子が固定であり、光ファイバ、プレーナ型光集積素子その他の簡単な光学素子により容易に実現できる。 中間信号路13、14の二つの光信号は、他の中間信号路14の信号偏光と直交にされ、方向性結合器16により結合され、この方向性結合器16の出力端子Cから出力光ファイバ20に供給される。

    電圧制御結合器10の切替動作は、制御回路12の生成する周波数fの矩形スクランブル信号により制御される。
    電圧制御結合器10はプレーナ型電子光学導波素子により構成され、入力された偏光を選択的に出力する。 この実施例ではTEモードだけを通過させる。 この電圧制御結合器10に入力された光信号は、制御回路12からの適当な駆動電圧の制御により、中間信号路13、14の一方に交互に完全に切り替えられる。

    電圧制御結合器10は偏光依存性が高いので、その出力する光信号の安定性を得るために、入力光信号の偏光を安定化する必要がある。 このためには、信号源として用いる半導体レーザ17と電圧制御結合器10の入力との間の入力光ファイバ11として、偏波保持光ファイバを用い、
    電圧制御結合器10の入力光信号をTE方向に限定する。

    動作時には、半導体レーザ17の出力した光信号が、スクランブル周波数により、電圧制御結合器10から二つの中間信号路13、14の間で交互に切り替えられる。 入力光ファイバ11として偏波保持光ファイバを用いることにより、入力光信号の偏光方向が電圧制御結合器10の動作する偏光方向と一致しているので、電圧制御結合器10から出力される分割された光信号の偏光方向もその方向に一致する。 一方の中間信号路13の光信号を旋光子15によりモード変換することにより、その偏光方向が直交する方向に変化する。 旋光子15の信号損失は一般に無視できる。 しかし、必要ならば、一方または双方の中間信号路
    13、14に光減衰器21を挿入し、それぞれの信号損失を一致させることができる。

    旋光子15を通過した後の光信号と中間信号路14の光信号とは、その偏光方向が互いに直交する。 これらの直交偏光信号を方向性結合器16により結合する。 結合された光信号は、方向性結合器16の第一の出力ポートCから出力光ファイバ20に出射される。 方向性結合器16の第二の出力ポートDは無反射終端となっている。 一般の方向性結合器では、結合した光信号が二つの出力ポートC、D
    から出力される。 これに対して出力ポートDを無反射終端としたことにより、二つの出力ポートC、Dに出力されていたパワーがすべて一方の出力ポートCに向かうため、出力される信号パワーが33dB増加する。

    出力ポートCからの出力信号は、入力信号を再現したものを含むが、スクランブル周波数fで偏光方向が直交方向に交互に切り替わる。 光信号がディジタルの場合には、スクランブル周波数をビット速度以上に設定する。
    第3図に示した実施例では、信号偏光に独立して受信信号を検出するために、スクランブル信号が矩形波であることが望ましい。

    第4図は本発明の光信号処理装置の第二実施例のブロック構成図である。

    この実施例は、光信号の偏光方向をスクランブルするために、電圧制御結合器10の代わりに位相変調器22を用いている。 この方向性結合器24の第一の入力ポートA′
    は、半導体レーザ17から入力信号を受け取る。 他の入力ポートB′には無反射終端が設けられている。 入力信号は、方向性結合器24の出力ポートC′、D′を経由して、実質的に等しい割合で、二つの中間信号路13、14にシーケンシャルに分割される。 これらの中間信号路13、
    14の一方に位相変調器22が挿入される。 ここではTE−TM
    モード変換を行う旋光子15を含む中間信号路13とは別の中間信号路14に位相変調器22を挿入した例について説明するが、旋光子15と位相変調器22とを同じ中間信号路に挿入しても同様に本発明を実施できる。

    スクランブル処理は、制御回路23により位相変調器22
    を制御することにより行われ、一方の中間信号路の光信号の位相が、スクランブル周波数で交互に180゜シフトする。 このとき方向性結合器16は、上述の実施例と同様に、二つの中間信号路から供給される光信号を結合して出力信号を生成する。 この場合にも、結合した出力信号は第一実施例と同様に、入力信号を含む偏光がスクランブル周波数で直交方向に交互に変化する。 ただしこの実施例では、交互に変化するのは中間信号路の偏光状態のベクトル和であり、出力信号には、交互に切り替わる直交偏光シフトが得られる。

    一般に、光信号が複屈折媒体を通過するとその偏光は変化する。 しかし、伝送された信号が相互に直交する偏光成分を含む場合には、それぞれの偏光成分が伝送中に別々に変化するが、相互の直交関係は維持される。 この特性を第5図に示す。

    第5図は、複屈折軸がランダムに配向し、複屈折遅延もランダムな複屈折部を直列に含む伝送路に、直交する偏光をそれぞれ伝送させた結果を示す。 第5図(a−
    1)、(b−1)、(c−1)は、それぞれ30個、50
    個、100個の複屈折部を含む場合の送信偏光を示し、第5図(a−1)、(b−1)、(c−1)とそれぞれの場合の受信偏光を示す。 第5図に示したように、受信偏光の状態は送信偏光の状態と異なるが、その直交性は維持されている。 実線は時計方向の偏光の回転を示し、破線は反時計方向の偏光の回転を示す。

    相互に直交する偏光成分を含む光信号は、通常のコヒーレント受信機を用いて検波できる。 その場合には、受信機の局部発振光としては単一の偏光を用いるだけで十分であり、局部発振光を直交する偏光状態で切り替える必要はない。 このため、局部発振光の偏光は、受信した光信号の二つの成分の双方に対して直交することはない。 したがって、従来の装置のように、単一偏光成分しか含まない受信信号に対して局部発振光の偏光方向が直交する場合に生じる検波信号のフェージング損失が防止される。

    スクランブルされた光信号をコヒーレント検波したときに得られる信号について、簡単な数学的解析を行う。
    以下の説明ではヘテロダインコヒーレント検波の場合の解析例を説明する。 伝送された光の電界は、一般に、 e s =E s cos(ω s t) ……(1) で表される。 また、この電界の光パワーは、 P s =E s 2 /2 ……(2) で表される。

    任意の偏光を考え、e sを直交電界e sx 、e syの直交電界成分で表し、その位相シフトをφ sx 、φ syとすると、 e sx =E s 〔K sx0.5 cos(ω s t+φ sx ) ……(3) e sy =E s 〔K sy0.5 cos(ω s t+φ sy ) ……(4) となる。 ここで、K sxおよびK syは総受信信号パワーに対するそれぞれの方向の割合を表し、 K sy =1−K sxである。 したがって、 e sy =E s 〔1−K sx0.5 cos(ω s t+φ sy ) ……(5) となる。

    線形の複屈折媒体(複屈折軸がx′およびy′)を通って伝搬するときに生じる偏光に対する影響は、x方向の電界に対するy方向の電界の相対的な位相シフトをδ
    とし、参照軸を角度θ(xからx′、yからy′)に回転させることにより数学的に取り扱うことができる。 したがって、 e sx′ =E s [K sx′0.5 cos(ω s t+φ sx′ ) ……(6) K sx′ =0.5+(K sx −0.5)cos2θ+[K sx K sy0.5 sin2θcos(φ sy −φ sx +δ ……(7)

    sy′ =E

    s [K

    sy′

    0.5 cos(ω

    s t+φ

    sy′ ) ……(9) K

    sy′ =0.5+[0.5−K

    sx ]cos2θ−[K

    sx K

    sy

    0.5 sin2θcos(φ

    sy −φ

    sx +δ) ……(10) となる。 信号が連続する異種の線形複屈折伝送路を通過する毎に、これらの式を繰り返し当てはめる。 同様の数学的取り扱い一般の楕円複屈折の場合にも拡張することができる。 また、偏光の回転を図形的に表現するために、ポアンカレ球を使用してもよい。 これについては、


    例えば、ラシュレイ、「オリジンズ・アンド・コントロール・オブ・ポーラリゼーション・イフェクツ」、ジャーナル・オブ・ライトウェーブ・テクノロジイ、第LT−


    1巻第2号(1983年7月)(Rashleigh,"Origins and C


    ontrol of Polarisation Effects",Journal of Lightwa


    ve Technology,Vol.LT−1,No.2,June1983)に詳しく説明されている。

    ヘテロダイン検波を行う場合には、上述の式から、中間周波数信号に対する式を得ることもできる。 比較のために、受信信号の偏光と局部発振光の偏光とが完全に一致した理想的な場合の強度を単位強度とし、この強度により検波信号の強度を規格化することが便利である。 例えばディジタル装置の場合には、連続して「1」を送信し、このときの中間周波数の強度を単位強度として規格化する。 すなわち、中間周波数の包絡線の平均値を単位強度とする。 理想的な振幅シフトキーイング(ASK)の場合には、「0」を送信したときには中間周波数が消失することから、これについては考慮する必要がない。

    局部発振光を二つの成分e lx 、e lyで表し、それぞれが局部発振パワーK lx 、K lyの一部を搬送したとすると、中間周波数信号V IFは、 V IF =A P cos(ω IF t+φ ) ……(12) と表される。 ここで、 A P =(K A +K B0.5 ……(13) K A =K lx K sx +K lx K sy ……(14) K B =[4(K lx K sx′ )(K ly K sy′ )] 0.5 cos[φ ly −φ lx −φ sy′ +φ sx′ ] ……(15) φ =Tan -1 φ(LS) ……(16)

    これらの式は単純化されており、ひとつの完全な矩形波スクランブル信号のサイクル、またはスクランブル信号が滑らかに変化する場合(例えば正弦波で)の特定の瞬間について近似したものである。 送信信号のスクランブルは、スクランブル信号自体の時間変化に依存するK


    sx 、K

    sy 、φ

    sx 、およびφ

    syの時間変化が導入される。


    (例えば、K

    sxはK

    sx (S(t))で表される。ここでS


    (t)はスクランブル信号関数である。

    以上の計算により光信号をスクランブルする効果が予想されるが、その効果を明確にするため、局部発振光の偏光と受信信号の偏光との異なる組み合わせを模擬する試験を行った。

    第6図および第7図はこの試験の結果の一例を示す。
    これは、「1」の送信ディジタルシーケンスを矩形スクランブル信号でディジタルビット速度と等しい周波数でスクランブルした場合の例である。 それぞれの図において、(a−1)、(b−1)、(c−1)および(d−
    1)は局部発振光の偏光(すべて同じ偏光)を示し、
    (a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)
    はスクランブルされた受信信号成分の偏光を示す。 また、(a−3)、(b−3)、(c−3)および(d−
    3)は、中間周波数信号の相対的な位相φ の変化を示し、(a−4)、(b−4)、(c−4)および(d−
    4)は、受信信号の中間周波数信号v IFおよびその包絡線A pを示す。 中間周波数信号v IFおよび位相φ の変化については、ディジタル信号で二つの「1」を送信したときの波形を示す。

    第6図は局部発振光として直線偏光を用いた場合の試験結果を示し、第7図は楕円偏光を用いた場合の試験結果を示す。

    すべての試験において、中間周波数包絡線A pの平均値が0.5であることが観測された。 この値は、局部発振光の偏光と受信信号の偏光とが完全に一致する理想的な場合を単位強度として規格化している。 この結果により、
    理想的な場合に比較して、矩形スクランブルを用いた場合には、受信信号パワーの減衰が一定で最大3dBに維持されることが明らかである。 従来のヘテロダイン検波では理想状態から離れることがあるが、本発明を用いる場合には、信号を全く検波できないことは生じない。

    例えば第6図(a−1)ないし(a−4)を参照すると、従来のスクランブル処理を行わない状況では、受信信号が刻々と変化する場合に信号の完全な消失が発生する。 しかし、スクランブル処理を行った場合には、それぞれのビット周期の半分についてはスクランブルされた信号を検波できないが、残りの部分については検波できる。 このとき、全体のビット周期にわたる平均中間周波数強度は、規格化レベルで表して0.5となる。 いくつかの理由から、矩形波のスクランブル信号により偏光状態をステップ状に変化させるより、光信号の偏光を滑らかに変化させることが望ましい場合がある。 例えば、正弦波のスクランブル周波数を使用することが必要な場合がある。 しかし、この場合には、スクランブル信号だけを変化させても、遠隔の受信機で検波された中間周波数の平均値は、もはや受信信号の偏光と独立にはならない。
    そこで、スクランブル信号の切替の半サイクル毎に、一方の偏光成分に180゜の位相シフト(例えばφ sxまたはφ sy )を導入する。

    第8図は位相をシフトした場合とシフトしない場合とについて、正弦スクランブル信号を使用したときの試験結果を示す。 この試験では、(a)に示した偏光状態の送信信号を(b)に示す偏光状態の局部発振光を用いて検波した。 (c−1)、(c−2)は、異なる伝送路を経由して受信した信号の偏光を示す。 (d−1)、(f
    −1)は、(c−1)に示した受信偏光に対する中間周波数の相対的な位相φ の変化を示し、(d−2)、
    (f−2)は、(c−2)に示した受信偏光に対する位相φ の変化を示す。 また、(e−1)、(g−1)
    は、(c−1)に示した受信偏光に対する中間周波数信号の波形v IFおよびその包絡線A pを示し、(e−2)、
    (g−2)は、(c−2)の受信偏光に対する中間周波数信号の波形v IF 、包絡線A pを示す。 ここで、(d−
    1)、(d−2)、(e−1)および(e−2)の波形は位相シフトがない場合の例を示す。 位相シフトがある場合の波形については(f−1)、(f−2)、(g−
    1)および(g−2)に示す。 スクランブルされた信号に位相シフトが導入されていない場合には、中間周波数レベルが、(c−1)の受信偏光が得られる伝送路については0.62であり、他方の伝送路については0.33であった。 この結果は、位相シフトがない場合に、検出された信号の強度が偏光(すなわち伝送路)に依存することを示す。 これに対して180゜の位相シフトを導入した場合には、第8図(g−1)および(g−2)に示したように、平均中間周波数レベルが双方ともに0.5であり、矩形波によりステップ状に偏光を切り替えた場合と同様に偏光に独立に検波することができる。

    第9図は本発明の光信号処理装置の第三実施例を示すブロック構成図である。

    正弦波のような滑らかに変化するスクランブル信号を用いて偏光の独立性を保つために、この実施例を用いることができる。

    この実施例は、第3図および第4図に示した光信号処理装置における双方の中間信号路に、位相変調器22、2
    2′を設けたものである。 この光信号処理装置は電圧制御結合器10を含み、この電圧制御結合器10は、入力光ファイバからの入力光信号の一部を二つの中間信号路13、
    14に分割する。 第3図に示した装置と同様に、制御回路
    12が電圧制御結合器10を制御し、それぞれの中間信号路
    13、14に分割される光信号の割合を決定する。 それぞれの中間信号路13、14は、旋光子15、15′およびこれと直列に配置された位相変調器22、22′を含む。 位相変調器
    22、22′もまた、制御回路12により制御される。 必要な場合には、旋光子15、15′も制御回路12により制御する。 出力側には方向性結合器16が設けられ、中間信号路
    13、14からの信号を再結合して結合出力信号を出力する。

    この光信号処理装置は、第3図に示した装置の特性と第4図に示した装置の特性とを組み合わせてもち、入力光信号をスクランブルして、上述の装置を参照して説明した方法のいずれかにより、交互に切り替わる直交偏光状態で出力信号を発生することができる。

    したがって、ひとつの動作として、制御回路12が電圧制御結合器10にスクランブル信号を供給し、この一方で、旋光子15、15′により中間光信号の偏光状態が互いに直交するように設定する(第3図に示した実施例と同等の動作)。 この場合には、どのような相対的な位相シフトも導入する必要はなく、位相変調器22、22′を駆動する必要はない。 別の動作として、制御回路12は、電圧制御結合器10が1:1の方向性結合器として動作するように設定することができ、スクランブル信号を供給して位相変調器22、22′を駆動し、相互に切り替わる180゜相対位相シフトを導入することができる(第4図に示した実施例と同等の動作)。 このとき旋光子15、15′については、上述の状態のまま、すなわち偏光状態が直交するように設定する。

    第10図は本発明の光信号処理装置の第四実施例を示すブロック構成図である。

    この実施例は、第9図に示した光信号処理装置を簡単化し、しかも電圧制御結合器10を使用した信号分離および位相変調器22を用いた相対位相の双方の制御を行うことができる。 簡単化された素子の例を第10図に示す。 この実施例では、二つの中間信号路13、14の一方にだけ位相変調器22が挿入されたいる。 位相変調器22は電圧により制御されるプレーナ型電子向光学導波素子であり、電圧制御結合器10と同じ基板上に製造できる。 電圧制御結合器10および位相変調器22の双方が制御回路12により制御される。 旋光子15により、一方の中間信号路15の偏光を固定的に90゜回転させる。

    この光信号処理装置もまた、上述した種々の方法で光信号をスクランブルすることができる。 例えばスクランブル信号が滑らかに変化する信号の場合には、電圧制御結合器10は、制御回路12の制御により、入力信号の一部を滑らかに変化させ、それぞれ中間信号路13、14に導く。 この場合には、電圧制御結合器10の切替が連続かつ滑らかなプロセスとなる。 これに対して、矩形スクランブル信号を用いてステップ状に交互切替を行うこともできる。 ただしその場合には、位相変調器22により、スクランブル信号を切替半サイクルの間に、位相を180゜ステップ状に変化させる。 位相変調器22の動作は、スクランブル信号のスイッチングに同期し、制御回路12により制御される。

    コヒーレント検波では、偏光をスクランブルすると、
    理想の場合に対して一定かつ最大3dB信号減衰が生じる。 信号偏光が局部発振光と直交する場合には、従来の受信機では信号が完全に消失してしまうが、偏光をスクランブルすることによりこの問題を解決できる。 したがって、3dBの減衰が受信機の許容範囲である限り、局部発振器に偏光制御は必要ない。

    偏光スクランブル技術の他の利点として、例えば、周波数多重装置における十分に異なる波長の信号を同時にスクランブルすることができることがある。 多重装置では、複数の別々の送信機に供給する一本の出力ファイバに対して、一個のスクランブル・ユニットが必要なだけである。 これは、装置コストが非常に安価である利点がある。

    偏光スクランブルを実現する実際的な装置について説明したが、この目的のためには、これらの装置に限定されるわけではない。 特に、第9図および第10図に示した実施例装置は、使用上の点で非常に柔軟性がある。 一例として、この装置に、偏光トラッキング受信機で使用される改善された偏光制御回路を用いてもよい。 この装置は、集積回路素子で実施することが望ましく、バルク光素子で実現する必要はない。 したがって、電圧制御結合器10を用いた光信号分割の割合と位相変調器22を使用した信号位相とを一緒に制御し、少なくともひとつの旋光子を組み合わせて出力信号を再結合することにより、どのような偏光でも所望のとおりに構成することができる。 制御回路12には、直交信号の相対的な割合を固定するように電圧制御結合器10を制御し、信号の間の相対的な位相シフトを固定するように位相変調器22を制御することが必要である。 これにより、これらの信号を結合すると、所望の偏光をもつ単一の出力信号が生成される。
    この場合には、制御信号として、非常に滑らかで、スクランブルに使用される高速に切り替わる信号に比較してゆっくり変化するものを使用する。

    偏光トラッキング受信機の場合には、この光信号処理装置を局部発振器に使用することにより、適切な信号源を得ることができる。 この場合には、制御回路12に帰還制御回路、例えば自己整合制御ループを設け、受信信号の偏光に一致した局部発振光を安定に出力することができる。

    〔発明の効果〕

    以上説明したように、本発明の光信号処理方法は、偏光をスクランブルすることにより、信号偏光がどのように変化しても、局部発振光の偏光と完全に直交することが防止され、完全に信号が消失することを防止できる。
    この場合には最大で3dBの信号減衰が生じるが、この程度の減衰が許容されている受信機であれば、複雑な偏光制御が不要となる効果がある。

    また、例えば周波数多重装置における複数の信号を同時にスクランブルすることができる。 多重装置では、複数の別々の送信器からの信号を一個の素子で処理することができる。 これは、装置コストを非常に安価にできる効果がある。

    さらに、本発明の光信号処理装置を利用して、安価な構成により偏光の方向を任意に設定できる効果がある。

    【図面の簡単な説明】

    第1図は本発明の光信号処理方法を用いて情報信号を伝送する光伝送装置の第一実施例を示すブロック構成図。 第2図は光伝送装置の第二実施例を示すブロック構成図。 第3図は本発明の光信号処理装置の第一実施例を示すブロック構成図。 第4図は本発明の光信号処理装置の第二実施例を示すブロック構成図。 第5図は複屈折媒体による偏光の変化を示す図。 第6図は直線偏光の局部発振光を用いた試験結果を示す図。 第7図は楕円偏光の局部発振光を用いた試験結果を示す図。 第8図は正弦波により送信信号をスクランブルした場合の試験結果を示す図。 第9図は本発明の光信号処理装置の第三実施例を示すブロック構成図。 第10図は本発明の光信号処理装置の第四実施例を示すブロック構成図。 1……送信機、2……偏光切替素子、3……制御部、4
    ……受信機、5、6……光導波路、7、9……入力端子、8……出力端子、10……電圧制御結合器、11……入力光ファイバ、12……制御回路、13、14……中間信号路、15、15′……旋光子、16、24……方向性結合器、17
    ……半導体レーザ、20……出力光ファイバ、22、22′…
    …位相変調器、23……制御回路、30……平衡コヒーレント検波器、31……光ファイバ、32……光結合器、33……
    局部発振器、100……光信号処理装置。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/142 (56)参考文献 特開 昭50−92147(JP,A) 実公 昭55−15411(JP,Y2)

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