クリップ式メガネ

本考案はメガネ及びその付属部品に係り、特にクリップ式メガネに関する。

公知の技術において、メガネのレンズは通常フレーム上に固定されているため、工具を使わなければフレームから取り外すことはできない。 このようなメガネの構造故に、一般的に一つのメガネには一つの機能しか持たせることはできず、それらをレンズの機能別に見ると、近視メガネ、遠視メガネ、度なしメガネ、サングラス等に分類される。 なお現在は、３Ｄ映像を見るための３Ｄ専用メガネも出現した。 しかし、場合に応じては二つの機能を有するメガネをかけることもあり、例えば、太陽の光を遮る効果を有する近視メガネなどがある。 確かにレンズには二重機能を持たせたものもあるが、太陽光を遮る効果を有する近視メガネは太陽の出ている屋外の使用に適しており、室内や曇り時の使用には不適合である。

上記の問題に鑑み、公知のメガネの前方に付属レンズを固定するのを最良の解決方法とする。 便利な使用を実現するために、付属レンズ上には固定構造を設け、元来のメガネフレーム構造を変化させないという前提の下、付属レンズを主なメガネの上に掛ける。

図１及び図２に示したものは公知のクリップ式メガネであり、クリップ１によって前記付属レンズ２を主メガネフレーム（図示せず）上に挟んで固定する。 前記クリップ１はレンズ固定部１１、主クリップ１２、クリップ足１３、弾力片１４、及びネジリバネ１５を含む。 レンズ固定部１１は二つの付属レンズ２を固定して一つにするものでＵ形ブリッジ１１１及び二つの挟み込み片１１２を備える。 前記Ｕ形ブリッジ１１１及び二つの挟み込み片１１２とネジを用いて前記付属レンズ２を挟み込み固定する。 前記主クリップ１２上には二つの嵌合溝を設け、一方の嵌合溝にはブリッジ１１１を嵌合し、他方の嵌合溝にはクリップ足１３を嵌合し、前記主クリップ１２上には更に主クリップ足１２１を設ける。 前記クリップ足１３上には横架体１３１を設け、前記横架体１３１は主クリップ１２の一つの嵌合溝上に嵌合され、前記横架体１３１上には更に弾力片１４及びネジリバネ１５を嵌設する。 前記ネジリバネ１５の一つの足は主クリップ１２上に引き掛け、他の一端は弾力片１４上に引き掛ける。 使用時は弾力片１４を押してクリップ足１３を開くと、前記付属レンズを主メガネフレーム上に挟み込み固定することが可能となる。

上述構造のクリップ式メガネのクリップは構成要素が非常に多く、金属製のレンズ固定部１１、クリップ足１３、弾力片１４、及びネジリバネ１５、更に硬質プラスチック製の主クリップ１２等を要する。 前記レンズ固定部１１と付属レンズ２との連結固定にはネジを使用し、各ネジは単独プレスが必要である故、前記クリップの製造工程は非常に複雑で、組立も煩雑、難度も高く、高コストである。 この他、前記クリップの大部分は金属材で作製されているため、塗装またはメッキが必要でこれも高コストの原因となる。

そこで、本考案は上記の技術上の問題点を解決するものであり、簡単な構造、迅速な組立、製造工程の簡素なクリップ式メガネを提供することを目的としている。

本考案の提供するクリップ式メガネにおいて、前記クリップはクリップ本体及び固定ピン片を備える。 前記クリップ本体は弾力性及び靭性の高いプラスチック材を射出成型したものを採用し、それは固定部、弾力片及び弾性クリップを備える。 前記固定部上には若干の固定孔を設け、前記弾力片は固定部の上方に形成し、前記弾性クリップは二つ設け、その上端は弾力片の上端面に成形し外方向にプッシュ部を突設し、その下端を自由端とする。 前記固定ピン片上には若干の固定ピンを設け、組立時、前記固定ピンを付属レンズ上のレンズ孔及びクリップ本体上の固定孔に貫通させた後、固定ピンの固定部外側に延伸した箇所をホットメルト方式プレス成型する。

前記固定部は逆Ｕ形構造をなし、前記固定ピン片はまたそれに対応して逆Ｕ形構造をなす。

前記固定部上方両側には外方向に延伸する横架体を設け、対応する前記固定ピン片上方両側にも外方向に延伸する支持体を設ける。

前記弾力片は一つ或いは複数設置する。

本考案の開示するクリップ式メガネは、二つの構成要素だけで構成され、その弾性クリップは素材自身の弾性を利用して持ち上がったり下方向に加圧したりすることで、クリップ本体と固定ピン片は固定ピンをホットメルト並びにプレス式で固定するため、迅速な組立、製造工程の簡素化、コスト低減を可能にする効果を有する。

公知のクリップ式メガネの立体構造図である。

公知のクリップ式メガネの立体分解図である。

本考案のクリップ本体に関する正面図である。

本考案のクリップ本体に関する側面図である。

本考案の固定ピン片に関する正面図である。

本考案の固定ピン片に関する側面図である。

本考案の付属レンズの取り付け前の外観図である。

本考案の構成要素の組立前の分解図である。

本考案の構成要素の組立後の正面図である。

本考案の使用状態の説明図である。

以下に図面を参照しながら本考案を実施するための最良の形態について詳細に説明する。

本考案の開示するクリップ式メガネは図８及び図９に示す通りであり、それを本考案の最良の実施例とする。 二つの付属レンズ２はクリップによって固定連結し、クリップによって主眼鏡フレーム（図示せず）上に挟み込む。 前記クリップはクリップ本体８及び固定ピン片９を備える。

図３及び図４に示す通り、前記クリップ本体８は弾力性及び靭性の高いプラスチック材（通称：形状記憶プラスチック）を射出成型したものを採用し、それは固定部８１、弾力片８２及び弾性クリップ８３を備える。 前記固定部８１は逆Ｕ形構造をなし、その上には若干の固定孔８１１を設け、その上方両側には外方向に延伸する横架体８１２を設ける。 前記弾力片８２は固定部８１の上方に形成され、本考案には一つの弾力片を設置するが、複数の弾力片を設置してもよい。 前記弾性クリップ８３は二つ設け、その上端は弾力片８２の上端面に成形して外方向にプッシュ部８３１を突設し、その下端は自由端とする。

図５及び図６に示す通り、前記固定ピン片９は前記固定部８１に対応する逆Ｕ形構造とし、その上の固定部８１の固定孔８１１に対応する箇所には若干の固定ピン９２を設け、その上方の両側の外方向には固定部８１の横架体８１２形状に対応する支持体９１を設ける。

組立時、図７及び図８に示す通り、前記固定ピン片９上の固定ピン９２は付属レンズ２上のレンズ孔２１を通過し更にクリップ本体８上の固定孔８１１を貫通した後、固定ピン９２の固定部８１外側に延伸した箇所をホットメルト方式でプレス成型をし、前記付属レンズ２をクリップ上に固定する（図７参照）。

本考案の使用時は図１０に示す通り、前記プッシュ部８３１を押し、前記弾力片８２が湾曲すると弾性クリップ８３の自由端が持ち上がるため、前記付属レンズ２を主メガネ上に挟み込み固定できる。 サングラス機能或いはその他特殊機能を有する付属レンズを元来掛けているメガネの外側に挟み込み二重機能効果を達成する。

１ クリップ１１ レンズ固定部１１１ Ｕ形ブリッジ１１２ 挟み込み片１２ 主クリップ１２１ 主クリップ足１３ クリップ足１３１ 横架体１４ 弾力片１５ ネジリバネ２ 付属レンズ２１ レンズ孔８ クリップ本体８１ 固定部８１１ 固定孔８１２ 横架体８２ 弾力片８３ 弾性クリップ８３１ プッシュ部９ 固定ピン片９１ 支持体９２ 固定ピン