度数可変レンズ

申请号 JP2015557341 申请日 2013-05-24 公开(公告)号 JP2016510437A 公开(公告)日 2016-04-07
申请人 アドレンズ リミテッドAdlens Limited; アドレンズ リミテッドAdlens Limited; 发明人 ニスパー,ジョン; エドワード スティーブンス,ロバート; エドワード スティーブンス,ロバート;
摘要 度数可変レンズは、第1及び第2のレンズ要素を備え、一方のレンズ要素が、レンズの光軸に沿って他方のレンズ要素の背後にある。前記光軸に平行な方向における各要素の厚さが前記光軸を横切る方向で変化するように、各要素は、対向する平面及び曲面を有する。前記要素は前記横切る方向に相対的に可動であり、よって、前記度数可変レンズの度数を変化させることができる。前記レンズ要素は、前記第1のレンズ要素の前記曲面が前記第2の要素に隣接して配置され、前記第1の要素の前記平面が回折パターンを担持する。
权利要求

第1及び第2のレンズ要素を備え; 前記レンズ要素の一方のレンズ要素が、前記第1及び第2のレンズ要素を備える度数可変レンズの光軸に沿って他方のレンズ要素の背後にあり、前記光軸に平行な方向における各レンズ要素の厚さが前記光軸を横切る方向で変化するように、各レンズ要素は、対向する平面及び曲面を有し、前記レンズ要素は前記横切る方向に相対的に可動であり、よって、前記度数可変レンズの度数を変化させることができるように構成され; 前記レンズ要素は、前記第1のレンズ要素の前記曲面が前記第2のレンズ要素に隣接して配置され、前記第1のレンズ要素の前記平面が回折パターンを担持する; 度数可変レンズ。前記第1及び第2のレンズ要素のうちの一方の前記曲面は、前記光軸に平行な方向におけるその厚さが以下の式によって画成されるように構成され、 前記第1及び第2のレンズ要素のうちの他方の前記曲面は、前記光軸に平行な方向におけるその厚さが以下の式によって画成されるように構成され、 ここで、x及びyは、前記横切る方向に延びるx軸と、x軸及び光軸とに垂直に延びるy軸とに対する座標を表し;Aは、前記レンズ要素の相対運動によるレンズ度数変化の割合を表す係数であり;Dは、レンズ厚を制御するよう選択される係数であり;Eは、前記光軸における前記レンズ厚を表す係数である、 請求項1に記載の度数可変レンズ。前記第2のレンズ要素は可動であり、前記第1のレンズ要素は固定される、 請求項1又は請求項2に記載の度数可変レンズ。前記第2のレンズ要素の前記平面は、前記第1のレンズ要素に対向する、 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の度数可変レンズ。前記回折パターンは、前記第1のレンズ要素の前記平面に適用される回折格子フィルムによって提供される、 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の度数可変レンズ。前記回折パターンは、前記第1のレンズ要素の前記平面に形成される、 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の度数可変レンズ。前記回折パターンの領域内の前記第1のレンズ要素の前記平面に適用される前記第1のレンズ要素と同じ屈折率を有するコーティングを更に備える、 請求項6に記載の度数可変レンズ。前記回折パターンは、前記第1のレンズ要素の前記平面に適用される射出瞳拡大器又はバルクホログラムによって提供される、 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の度数可変レンズ。請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の少なくとも一つの度数可変レンズを支持するフレームを備えるメガネ。前記少なくとも一つの度数可変レンズは、前記少なくとも一つの度数可変レンズの前記第1及び第2のレンズ要素を互に対して相対的に移動させるよう構成される機構に結合される、 請求項9に記載のメガネ。前記少なくとも一つの度数可変レンズの回折パターン上に像を投影するよう構成されるプロジェクタを更に備える 請求項9又は請求項10に記載のメガネ。前記少なくとも一つの度数可変レンズの前記回折パターンから像を受け取るよう構成されるカメラを更に備える 請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載のメガネ。

说明书全文

本発明は、第1及び第2のレンズ要素を備え、レンズの光軸に沿って一方のレンズ要素が他方のレンズ要素の背後にあるタイプの度数可変レンズ関する。

このタイプのレンズによって、数多くの使い道が開ける。とりわけ有用な一つの分野は、老眼の人々のためのメガネでの利用である。度数可変レンズを用いて、レンズを調節することによって、メガネの着用者は眼の調節機能不足を補償し、遠く及び近くの物体に焦点を合わせるために必要な焦点距離の差を吸収することを可能とする。

Alvarezにより発明され、そのUS3,305,294に記載されている度数可変レンズは、相互に摺動してレンズ度数を調節する2枚のレンズ要素による原理に基づいて機能する。これは、この種類のシナリオに対して多くの利点がある。特に、レンズ要素を射出成形できるので、製造に対する費用対効果が比較的高い。その上、配置が単純であり、専用化されていない製造環境であっても、容易に組み立てることができ、またユーザは簡単に調節することができる。

近年、メガネ等のアイウェア(メガネ又は眼に装着するメガネ状用具)に、ヘッドアップディスプレイの機能を実装できるようにすることに大きな関心が寄せられている。Alvarezレンズは、その単純性によって、可変レンズを必要とするこの種の用途にとって良好な選択であると思われていた。しかしながら、ヘッドアップディスプレイの機能とAlvarezレンズとの一体化を達成するには困難が伴う。

これらの困難は、ヘッドアップディスプレイをユーザの片方の眼又は両方の眼の前にあるようにするために、回折構造をレンズ表面に適用する必要があることに起因する。Alvarezレンズの各要素は、通常、平面(平坦な面)及び曲面を有している。要素は、平面が2つの要素間に共にあるように配置される。曲面は最も外側にある。回折格子フィルムをユーザの眼の近くの曲面に適用することは、適用中にしわが寄り易いので難しい。さらに、回折格子フィルム等の回折構造の直線的間隔(linearspacing)は、像のゆがみを招く曲面への適用によってうまくゆかないであろう。内側の平面も、この位置でそれらに投影される像が、平面とユーザの眼との間に配設されるレンズ要素における屈折によってゆがむため、適さない。

本発明の第1の局面は、第1及び第2のレンズ要素を備える度数可変レンズであって、前記度数可変レンズの光軸に沿って一方の要素が他方の要素の背後にあり、前記光軸に平行な方向における各要素の厚さが前記光軸を横切る方向で変化するように、各要素は、対向する平面及び曲面を有し、前記要素は前記横切る方向に相対的に可動であり、よって、前記レンズの度数を変化させることができ、前記要素は、前記第1の要素の前記曲面が前記第2の要素に隣接し、前記第1の要素の前記平面が回折パターンを担持する(bear)度数可変レンズを提供する。

このように要素を配置することによって、第1のレンズ要素の平面を、第1及び第2の要素によって形成される複合レンズ構造の外側に位置するようにさせることになる。したがって、ヘッドアップディスプレイをもたらすように像が投影される回折構造を支持する平面が得られる。複合レンズの屈折は、この構成において、2つの平面を一緒にした(同じ側に合わせた)場合と全く同じ方法で、2つの要素の相対運動により変化する。しかし、一方のレンズ要素におけるフィルムのしわの問題、屈折に起因する、又は回折構造の曲率に起因する像のゆがみという上記の問題は克服される。

要素は、第1の要素の曲面が第2の要素に隣接するように配置されるため、第1の要素の曲面は第2の要素に対向し、第1の要素の平面は第2の要素から離間して対向する。したがって、第1の要素の平面は、一組のレンズ要素の外側に露出し、像を投影できる回折パターンを受け入れるために利用できる。

好ましい実施の形態の度数可変レンズでは、 前記第1及び第2のレンズ要素のうちの一方の前記曲面は、前記光軸に平行な方向におけるその厚さが以下の式によって画成(定め形成)されるように構成され、 前記第1及び第2のレンズ要素のうちの他方の前記曲面は、前記光軸に平行な方向におけるその厚さが以下の式によって画成されるように構成され、 ここで、x及びyは、前記横切る方向に延びるx軸と、x軸及び光軸とに垂直に延びるy軸とに対する座標を表し;Aは、前記レンズ要素の相対運動によるレンズ度数変化の割合を表す係数であり;Dは、レンズ厚を制御するよう選択される係数であり;Eは、前記光軸における前記レンズ厚を表す係数である。

この好ましい実施の形態は、通常のAlvarez構成を画成する。係数Dは、各要素から取り除かれるプリズムを効果的に画成し、全体のレンズ厚を減らし、好ましくは最小化する。Aに対する値の適切な選択により、そして、x方向におけるレンズの幅全体がそれ程大きくなければ、Dの値はゼロになるよう選択してもよい。係数Eはゼロであってもよいが、いずれにしても、レンズ要素の構造的剛性を十分に保証するような大きい値でなければならない。一の実施の形態において、x方向におけるレンズの全幅が小さく、例えば、4cm以下であれば、A、D、及びEの値はそれぞれ、1、0、及び0であってもよい。

典型的には、第2の要素は可動であり、第1の要素は固定される。これにより、レンズの調整をしたとき、回折パターン上に投影される像の乱れを防ぐことができる。回折パターンは第1の要素によって支持されるので、プロジェクタに対してこれが相対的に動くと乱れの原因となり得る。

第2の要素の平面は、第1の要素に対向してもよい。

一の実施の形態においては、回折パターンは、第1の要素の平面に適用される回折格子フィルムによって提供される。既製の回折格子フィルムを用いることができるため、製造が迅速になり、既存の生産ラインに適用できる。

別の実施の形態においては、回折パターンは、第1の要素の平面に形成される。回折パターンは、レンズ要素自身とともにモールド成形されることにより、又は、レンズ要素を作製した後にレンズ要素をエンボス加工もしくは研削加工することによって形成してもよい。この実施の形態は、回折パターンが(モールド成形される場合に)製造工程を追加することなく形成できるので、安価な製造が可能になる。しかし、それには、既存の工具を改造したり、場合によっては置き換えることを要するであろう。

この実施の形態においては、第1の要素と同じ屈折率を有するコーティングを、回折パターンの領域内の第1の要素の平面に適用してもよい。これは、第1の要素を通過する光が、回折パターンによって屈折されることを防ぎ、それにより、ユーザ及び他の観察者にとってコーティングを不可視とする。

さらに別の実施の形態においては、回折パターンは、第1の要素の平面に適用される射出瞳拡大器又はバルクホログラムによって提供される。射出瞳拡大器は、像がより広い範囲を占めるようにするので特に有用であり、これは、ユーザの眼と回折パターンとの相対的な位置の重要性を低くできることを意味する。

本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による少なくとも一つの度数可変レンズを支持するフレームを含むメガネが提供される。

典型的には、少なくとも一つの度数可変レンズは、前記少なくとも一つの度数可変レンズの第1及び第2の要素を互に相対的に動かすように構成された機構に結合される。

メガネは、少なくとも一つの度数可変レンズの回折パターン上に像を投影するように構成されたプロジェクタを更に含むのが好ましい。プロジェクタは、メガネのテンプルアームに取り付けられてもよく、ユーザの眼に最も近い少なくとも一つの度数可変レンズの表面に向かって像を投影するように配置されてもよい。この表面は、回折パターンを支持する第1の要素の平面であることになる。

両方のレンズが本発明の第1の態様によるものである場合、2つのプロジェクタが提供されてもよい。

メガネは、少なくとも一つの度数可変レンズの回折パターンからの像を受け取るように構成されるカメラをさらに含んでもよい。カメラが、ユーザの眼の位置を監視できるように、例えば、視線追跡に用いることができるように、その像は通常、ユーザの眼の像である。

本発明の実施の形態を、添付図面を参照してここで説明する。

図1は、Alvarezレンズを略図的に示す図である。

図2は、本発明による度数可変レンズを略図的に示す図である。

図3は、図1のレンズを備えるメガネを示す図である。

図1は、従来のAlvarezレンズ(レンズ同士を光軸に垂直に動かしてレンズの度数を変えるレンズ)を示す。これは本発明に直接には関係せず、単なる比較のために示す。レンズは、A、B、Cの符号を付した3種類の異なる構成で示されている。レンズは2枚のレンズ要素1a、1bを有する。各レンズ要素1a、1bは、平面2a、2bと曲面3a、3bとを有する。

構成Aにおいて、Alvarezレンズの2枚のレンズ要素1a、1bは中立位置にある。両者は相互に、光軸4の横方向(光軸と交差する方向、特に直交する方向)に対してオフセットしてはいない。このように、曲面3a、3bは整列し、外形は互いに追従している。この中立位置においては、光軸から横方向にオフセットするどの位置でも2つの面の曲率半径は同じである。結果として、この構成における2つのレンズ要素1a、1bの組み合わせは、(光軸4に沿うレンズの厚さに起因するレンズの焦点距離全体に対するいずれの寄与も無視できるほどに、レンズの厚さが、2つの曲面3a、3bの曲率半径に比べて小さい場合は)何の度数も与えない。

構成Bにおいて、レンズ要素1a、1bは、矢印で示すように、光軸4から横方向にオフセットしている。曲面3a、3bはもはや整列しておらず、2枚のレンズ要素1a、1bの組み合わせ形状は両凹レンズと同様の形状である。したがって、この構成におけるAlvarezレンズは発散レンズである。

構成Cは構成Bと正反対であり、レンズ要素1a、1bは、構成Bとは反対方向に光軸4から横方向にオフセットしている。これもやはり矢印で示されている。2枚のレンズ要素1a、1bの組み合わせ形状はここで両凸レンズと同様の形状であり、したがって、Alvarezレンズはここでは収斂レンズである。

図2は、本発明の実施の形態による度数可変レンズを示す。このレンズには2枚のレンズ要素10a、10bがある。レンズ要素10a、10bは、クラウンガラス、又は、フリントガラス、又は、ポリカーボネートのような光学向けグレードのプラスチック等の、いずれか適切なレンズ材料からできていてもよい。ガラスで曲面の複雑な形状を研削することは難しいので、モールド成形可能な材料(例えば、ポリカーボネート又は他の適切な光学向けグレードのプラスチック)の使用が好ましい。

各レンズ要素10a、10bは、平面11a、11bと曲面12a、12bとを有する。曲面12a、12bは、光軸に平行な方向でのそれぞれの厚さが、以下の2つの式によって画成されるように構成される: 及び

これらの式において、t1及びt2はそれぞれ、曲面12a及び12bの厚さであり;x及びyは、光軸の横方向に延在するx軸と、x軸及び光軸に対して垂直に延びるy軸とに対する座標を表し;Aは、レンズ要素10a、10bの相対運動によるレンズ度数変化の割合を表す係数であり;Dは、レンズ厚を制御するよう選択される係数であり;Eは、光軸におけるレンズ厚を表す係数である。係数A、D、Eに対する適切な値の選択は種々の要因によって決まり、要因には横方向のレンズの全体寸法も含まれる。当業者は、さらなる指示がなくともこれらの係数に対する適切な値を選択する方法を十分認識するであろう。例えばUS3,305,294には、適切な値を選択する方法が記載されている。

ここに示されているように、レンズ要素10aは、図1のレンズ要素1aとは異なって配向されている。具体的には、曲面12aが光軸13上で反転され、平面11bに隣接するように置かれている。図2のレンズは、X、Y、Zの符号を付した3種類の構成で示されており、これらは図1の構成A、B、Cに対応する。

したがって、構成Xは、中立構成に相当する。光軸13の右側では、レンズ要素10aは事実上、平凹レンズに相当し、レンズ要素10bは事実上、平凸レンズに相当する。状況は光軸13の左側では逆になっており、レンズ要素10aが事実上、平凸レンズに相当し、レンズ要素10bが事実上、平凹レンズに相当する。光軸13から横方向にオフセットされた位置において2つの面12a、12bの曲率半径はどの位置でも同じである。したがって、2つのレンズ要素10a、10bは互いに補完し合い、結果としての度数はゼロである。

構成Yにおいて、レンズ要素10bは、矢印の方向に、光軸13に対して横方向に移動している。レンズ要素10aは移動していない。したがって、レンズ要素10a及び10bの両方は、事実上、平凹レンズに相当する。したがって、各レンズ要素10a、10bは発散レンズとして作用し、光軸13に沿ったレンズ要素10a、10bの近接により、2つのレンズ要素10a、10bの度数は加法的であり、その結果、全体の度数は2つのレンズ要素10a、10bの度数の合計である。

構成Zにおいて、レンズ要素10bは、構成Yの矢印の方向とは反対方向である矢印の方向に、光軸13に対して横方向に移動する。レンズ要素10aは移動しない。したがって、レンズ要素10a及び10bの両方は、事実上、平凸レンズに相当する。したがって、各レンズ要素10a、10bは収斂レンズとして作用し、光軸13に沿ったレンズ要素10a、10bの近接により、2つのレンズ要素10a、10bの度数は加法的であり、その結果、全体の度数は2つのレンズ要素10a、10bの度数の合計である。

ここに示されるように、図2の2枚のレンズ要素10a、10bの配置は、図1に示すAlvarezレンズ配置と同じ、光軸13に対する横方向の2つのレンズ要素の相対運動による度数の変化を生じる。しかし、レンズ要素10aは光軸13上で反転されているため、レンズ要素10aの平面11aは、レンズ要素10a、10bによって形成される複合レンズの外側に露出する。これにより、回折パターンを平面11aに適用することが可能となる。図2に示す実施の形態においては、これは、平面11a全体にわたって適用される回折格子フィルム14の形態となっている。

他の実施の形態において、回折格子フィルム14は、単に平面11aの一領域に適用するようにするだけでもよい。また、回折格子フィルム14は、回折像がより広い範囲を占めるようにする射出瞳拡大器で置き換えてもよく、これは、ユーザの眼と回折パターンの相対位置がそれ程重要ではないことを意味する。代りに、回折パターンは、レンズ要素10aの製造時に平面11aにパターンをモールド成形することによって、直接に形成してもよい。この場合、回折パターンは、通常、レンズ要素10aの材料と同じ屈折率を有するコーティング又はフィルムで覆われる。これにより、回折パターンがユーザには見えなくなっている。したがって、レンズ要素10aを通して真直ぐ見た場合には僅かな回折しか存在しないが、回折パターンは、それでもなお、高次の回折に対して高い回折効率を提供する。

平面11a上に回折格子フィルム14があるため、ヘッドアップディスプレイの機能を、図2の度数可変レンズと組み合わせることが可能になる。これを、メガネ20を示す図3を参照して説明する。メガネ20は、ブリッジ部21と一対のテンプルアーム22及び23を含んで構成されるフレームを備える。

一対の度数可変レンズ24及び25は、ブリッジ部21に収容される。各レンズ対は図2に示すタイプであるが、回折パターンをレンズ25から省略してもよい。代わりに、レンズ25を、図1に示すタイプの従来のAlvarezレンズとしてもよい。

レンズ24の場合、レンズ要素10aはユーザの眼の最も近く、レンズ要素10bはユーザの眼から最も遠い。したがって、レンズ要素10aは図2のレンズ要素10bの背後にある。レンズ要素10bはサムホイール26に結合されており、サムホイール(指動輪(指、特には親指で操作するホイール))は、レンズ要素10aが静止して残る間、レンズ要素10bを光軸に対して横方向に移動させることができるようにする。レンズ要素10aは静止したままである。というのは、回折パターン14が動くと、その上に投影される像を乱すからである。サムホイール26はブリッジ部21内のねじに結合される。サムホイール26を回すことによりねじが回転し、これがレンズ要素10aに対して光軸13を横切って横方向にレンズ要素10bを相対的に駆動する。レンズ25についても同様の機構が提供され、この機構では、サムホイール27が、レンズ25の2枚のレンズ要素の相対運動を生じさせる。この場合、レンズ25のレンズ要素の一方又は両方を移動させてもよい。

プロジェクタ28はテンプルアーム22に搭載される。それは、レンズ24のレンズ要素10a上の回折パターン14に向けて開口29を通して像を投影する小型ディスプレイを備える。回折パターンは、回折された光がユーザの眼に入り、プロジェクタ28から投影された像が、レンズ24を透過する屈折光からユーザに見える像に重ね合わされるように構成される。回折パターン14の特性にとって必要なことは、プロジェクタ28が発する光が、開口29とユーザの瞳との間の度を介して回折するように設計することである。当業者は、これをどのように行うかを、明確に示さずとも、光が回折格子によって回折される角度が以下の式によって与えられることを理解することでに、十分認識するであろう。 ここで、θmは回折角であり、mは回折次数、λは光の波長、dは回折パターン内のスリット間の間隔(又は他の回折の特徴)、及びθiはプロジェクタ28からの光の入射角である。この式により、dに対する最適な値を選択することによって回折パターンを設計して、光がユーザの瞳に回折するように、プロジェクタ28が発する光を適切に回折させることは理解し易いであろう。この実施の形態においては、回折格子はもちろん反射型回折格子であり、プロジェクタからの光を回折させて、まさに上で検討したように、正しい角度を介して光をユーザの瞳に入れるだけではなく、プロジェクタからの光を目に向かって反射するように構成されている。

他の実施の形態においては、プロジェクタは、図3に示すような回折パターン14の背後ではなく、それと並べて配設してもよい。この場合、装置は反射型ではなく、透過型回折格子を用いるよう配置してよく、プロジェクタからの光は、適切な角度で発せられて、レンズ要素10aとの境界面において回折格子に入射する。

上式から分かるように、回折角は、異なる波長に対して異なっている。実施の形態によっては、この効果は、単色光を発するプロジェクタを用いることによって最小限になる。プロジェクタは、有機発光ダイオード(OLED)マイクロディスプレイであってもよい。

他の実施の形態において、プロジェクタを、ユーザの眼の位置を監視するための例えば視線追跡用カメラで置き換えても、又はカメラで効果増大を図ってもよい。

1a、1b レンズ要素 2a、2b 平面 3a、3b 曲面 4 光軸 10a、10b レンズ要素 11a、11b 平面 12a、12b 曲面 13 光軸 14 回折格子フィルム 20メガネ 21ブリッジ部 22、23 テンプルアーム 24、25 度数可変レンズ 26、27 サムホイール 28 プロジェクタ 29 開口

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