【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蔭眼鏡に関するものである。 【0002】特に本発明は、目で見る作用の重要性が従来に増して高まっている現代の情報産業社会において、 コンピューター操作、テレビジョン鑑賞、釣り、野外競技の観覧又は読書などの際に、室内外の特定対象を一目瞭然と観察できるように案出した蔭眼鏡及びこの蔭眼鏡の本体を帽子庇に固定してなる帽子に関するものである。 【0003】 【従来の技術】従来の眼鏡は目の保護と視力の矯正に重点を置き、目に蔭を与えることによる蔭眼鏡の効用及び必要性を無視若しくは看過してきたところであり、本発明はこのような点を是正し、目に蔭を与えることによる効用を活用すべくなされたものである。 【0004】従来技術としては、大韓民国特許出願公開第89−2904号公報に開示されている折畳み式精神集中帽がある。 この折畳み式精神集中帽は、左右遮陽板を帽子庇に付着して作製されたものである。 この方法では、帽子庇の左右遮陽板によって従来の帽子庇より精神の集中と遮陽効果を高めている。 しかし、この折畳み式精神集中帽では帽子庇の下の方向は解放されており、一方、光の反射は地表面や水面からの反射が最も著しいため、このような方法では地表面や水面から反射される反射光は遮断できず、その効果は極めて制限的であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、眼球前方の透視孔にレンズや透明膜などの光の濾過又は透過装置を一切配置することなく、自然の空間はそのままにしておいて、眼球が内在する眼窩周辺の四面を一連の遮断板で構成した突出筒からなる経筒で覆い、目の周囲に見ようとする事物が位置する場の光度より相対的に暗い一定の幅と長さの小さな闇の場を形成することにより、明暗の差で瞳孔の調節力を高め、心理的に情緒的安定感を与えて精神集中効果を極大化させることを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、前後の開口部を自然の空間として残し眼球の周辺に前後又は上下に折畳みが可能な経筒からなる蔭眼鏡本体(1) を有し、周囲の光を遮断して目に蔭を形成させることを特徴とする、眼鏡縁本体の前後拡張形式の蔭眼鏡を提供するものである。 【0007】人間はある事物を良く観察しようとするときには、本能的に目の周囲に図1に示されるように手を丸くして経筒と同じ目蔭を作って事物を見る。 経験法則上、昼夜を問わず室内外、車の内外など、暗い場所から明るい所を見るとき、事物を認知し易いことは周知の事実である。 【0008】本発明は、このような原理に着眼し、目の回りに一定した幅の目蔭の空間を造成してこの蔭を光の通路として外部の制限された事物を鮮明に識別するようにする役割をすることを特徴とし、また、目のプライバシーを保護する不随的効果も有する。 【0009】水や雪又は仮想の現実などを見る特殊眼鏡の中には、外見上は本発明の蔭眼鏡と類似したデザインのものもあるが、本発明は、第一に、目の前が完全に解放された空間である点で相違し、第二に、四面遮断膜が目に蔭を作るための目的でその構造が計画され立案された点でそのような特殊眼鏡とは異なり、また、この二つの事実の合理的結合を通じて蔭眼鏡特有の視覚増大効果をもたらす点において根本的に異なる。 【0010】本発明の蔭眼鏡は、眼前に四角筒又は楕円形の筒タイプの空間を形成する経筒を置くことにより(望遠鏡や顕微鏡での経筒と同じ機能をする。)、空いた空間に勝る眼鏡はないという自然の深い意味を実証し、目の周りの四面を遮断して確実に目蔭を形成することにより明暗が与える視覚増大の効果を高めるように設計されたものである。 【0011】本発明の蔭眼鏡は構造が単純で製造が容易であるのみでなく、変形性に優れ、眼鏡縁の形式で存在領域を確保することは勿論、一般遮陽帽と組み合わせることも可能であり、実用性が極めて高い。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の蔭眼鏡を帽子庇に付着させるためには、図1に示した方法の基本形として、透視孔を一つとすることが好適である。 【0013】本発明を添付の図面に従って詳細に説明する。 【0014】図1は本発明の原理を示すものであり、両手で目蔭を形成させて事物を見る様子を表したものである。 これは従来の眼鏡縁本体(front)を前後に拡張したものに該当する。 【0015】図2は本発明の蔭眼鏡の一例を示すものであり、前後が貫通された四角筒形の経筒からなる蔭眼鏡本体(1)では、四角の角(11、11′、11′′、 11′′′)は畳むか又は開くことができ、左右側面の中央にも折畳みを可能にする中央線(2、2′)が形成されている。 この四角筒からなる蔭眼鏡本体(1)は、 眼鏡のように掛けることができるように、耳に掛けたり頭に被るようにするための眼鏡掛けや又はバンド(5) を四角筒の後方開口部側の左右側面に付着させて使用することができる。 蔭眼鏡本体(1)の底面(10)の鼻に当たる部分には、鼻掛け溝(4)を形成してもよい。 また、底面(10)は前後を上面(9)よりその長さを短くして顔との接触部分を緩和し視野を広めることもできる。 【0016】図3は図2の蔭眼鏡から眼鏡掛けやバンド(5)を取りはずして帽子庇(6)に結合させた状態を表した図面である。 蔭眼鏡本体(1)の上面(9)にホック、マジックテープ又は磁石(7)を付着させ、帽子庇(6)の下部にも相応するホック、マジックテープ又は磁石(7′)などを付着させ、このホック、マジックテープ又は磁石(7、7′)同士を嵌合又は密着させることにより、蔭眼鏡本体(1)を帽子庇(6)に装着して使用することができる。 この場合には、本発明の蔭眼鏡(又は蔭眼鏡本体(1))の着脱が可能である。 帽子庇(6)に装着する場合、図4に示すように、蔭眼鏡本体(1)の上面(9)に長くガイド溝(12、12′) を掘り、帽子庇(6)の下部に相応する部位にガイド掛け(3、3′)を設置し、それを蔭眼鏡本体(1)のガイド溝(12、12′)に圧入して装着することもできる。 この場合は、蔭眼鏡本体(1)をガイド溝(12、 12′)に添って前後に移動させることができる。 【0017】また、図3に示すように、蔭眼鏡本体(1)の左右側面の上部にもホック、マジックテープ、 又は磁石など(8)を付着させて、蔭眼鏡の機能を必要としない場合は帽子庇の内側面に付着したホック、マジックテープ又は磁石など(8′)に嵌合又は密着させることにより、視野を広めることができる。 【0018】図5は、本発明の蔭眼鏡(蔭眼鏡本体(1))を通常の帽子庇(6)の下面に装着した状態を表す図である。 【0019】図6は、図5に示した本発明の蔭眼鏡(蔭眼鏡本体(1))を通常の帽子庇(6)下面に装着し折畳んだ状態の側面図である。 【0020】図7は、本発明の蔭眼鏡のまた別の例を示したものであり、帽子庇に蔭眼鏡本体(1)を一体化させた状態図である。 帽子庇を二重にして上部庇(6) (又は9′)及び下部庇(6′)(又は10′)を構成し、下部庇(6′)を開けることができるようにしたもので、必要の際は帽子庇の上下部庇(6、6′)を畳んで通常の帽子庇として使用される。 上下部庇(6、 6′)を畳む場合は、各々の内側の左右にホック、マジックテープ又は磁石など(7、7′:図示せず)を庇の内部上下に付着させて畳むことができる。 上部庇(6) は蔭眼鏡本体(1)の上面(9)に相当し、下部庇(6′)は底面(10)に相当する。 【0021】図8は本発明の蔭眼鏡のまた別の例を示したもので、蔭眼鏡本体(1)に多数の皺(13)を形成し、前後にその長さを伸ばすか又は縮めることができるようにしたものであり、保管の際は皺(13)に従って折畳んでその嵩を減らすことができる。 【0022】本発明の蔭眼鏡の材質は通常のボール紙、 プラスチック又はセルロース物質など、どのようなものであってもよく、特に本発明の蔭眼鏡の内面は光が反射しないように化学的処理を加えるか又は光を反射しない材質とすることが好ましい。 【0023】 【発明の効果】このように作製された本発明の蔭眼鏡は、顕微鏡と望遠鏡の中間的効果を持ち、眼球を接眼レンズにして経筒の暗さを外界の光より低い蔭にして明暗の差に自然に対処する瞳孔の集光力を向上させて対物レンズなしで特定の事物を直視するようにする役割と機能を果たす。 昼間には星の光が日光に妨げられて見えない現象のように、目は大きな光に遮られて小さな光を見逃す視覚的特性を持っている。 しかし、暗い光を生かして光を光らすという本質的特性も持っている。 本発明の蔭眼鏡は、太陽及び人工光源の光の争いに隠れて目に感知されにくくなっている光の中の事物に生動感を与え、本来の真の姿及び位置を顕在化させ、視覚により容易に捕捉することを可能とするものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】両手で目の周囲及び前方に蔭を形成して事物を見る状態を表す図。 【図2】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【図3】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【図4】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【図5】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【図6】図5の蔭眼鏡の蔭眼鏡本体を折畳んだ状態を示す側面図。 【図7】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【図8】本発明の蔭眼鏡の一態様を示す斜視図。 【符号の説明】 1 蔭眼鏡本体 2、2′ 中央線 3、3′ ガイド掛け 4 鼻掛け溝 5 眼鏡掛け 6 帽子庇 12、12′ ガイド溝 13 皺 |