Effectively control which may be multi-focal lens

申请号 JP2000526834 申请日 1998-12-24 公开(公告)号 JP2002500379A 公开(公告)日 2002-01-08
申请人 ノバルティス ファーマ アクチエンゲゼルシャフト; 发明人 ツァン,シャオシャオ; フォークト,ユルゲン;
摘要 The invention provides an active multifocal optical lens. The optical lens has a first optical element that provides a first optical power and a second optical element that provides a second optical power. The second optical element is a volume holographic optical element, which has been programmed to focus incoming light. The invention provides further a cross-linkable or polymerizable optical material that is suitable for producing a biocompatible holographic optical element. The optical material is a rapidly cross-linking or polymerizing material that changes from a fluid state to a solid state within a limited duration after being exposed to a light source.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 第一の光学素子及び透過体積ホログラフィック光学素子を含む多焦点光学レンズであって、 該第一の光学素子が第一の焦点で第一の屈折率を提供し、そして該ホログラフィック光学素子が第二の焦点で第二の屈折率を提供し、該第一及び第二の焦点が、軸方向で直線に並んでいない光学レンズ。
  • 【請求項2】 該光学レンズが、眼用レンズであり、かつ安定化機構を有する、請求項1記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項3】 該ホログラフィック光学素子が、ブラッグ条件に一致したとき、入射光の100%までを回折させる、請求項1記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項4】 該第一の屈折率が、+10ジオプタ〜−20ジオプタから選択される、請求項1記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項5】 該第二の屈折率が、正の屈折率である、請求項4記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項6】 該レンズが、近視状態、遠視状態、老眼状態、規則的及び不規則的乱視状態、並びにそれらの組み合わせを矯正する、請求項1記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項7】 透過体積ホログラフィック光学素子を含む多焦点光学レンズであって、 該光学素子がプログラムされた活性化角度を有し、該光学素子が該活性化角度の外側の角度で該光学素子に入る光に第一の屈折率を与え、該活性化角度の内側の角度で該光学素子に入る光に第二の屈折率を与える、多焦点レンズ。
  • 【請求項8】 該光学レンズが、眼用レンズであり、かつ安定化機構を有する、請求項7記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項9】 該光学レンズが、コンタクトレンズである、請求項7記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項10】 該第一の屈折率が、+10ジオプタ〜−20ジオプタから選択される、請求項7記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項11】 該第二の屈折率が、正の屈折率である、請求項10記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項12】 該レンズが、近視状態、遠視状態、老眼状態、規則的及び不規則的乱視状態、並びにそれらの組み合わせを矯正する、請求項7記載の多焦点レンズ。
  • 【請求項13】 非正視状態を矯正するための方法であって、 a)眼に多焦点レンズ(該多焦点レンズは、第一の光学素子及び透過体積ホログラフィック光学素子を含む多焦点光学レンズであって、該第一の光学素子が第一の焦点で第一の屈折率を提供し、そして該ホログラフィック光学素子又は該第一の光学素子と組み合わせての該ホログラフィック光学素子が第二の焦点で第二の屈折率を提供する)を準備する工程;及び b)該多焦点レンズを、該眼の上で該第一の焦点又は第二の焦点が該眼のくぼみの上に選択的に配置されるように、動かす工程を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項14】 該光学レンズが、眼用レンズであり、該レンズが一つの位置から他の位置へ安定的に動くことができるような安定化機構を有する、請求項13記載の方法。
  • 【請求項15】 該ホログラフィック光学素子が、ブラッグ条件に一致したとき、入射光の100%までを回折させる、請求項13記載の方法。
  • 【請求項16】 該非正視状態が、近視状態、遠視状態、老眼状態、規則的及び不規則的乱視状態、並びにそれらの組み合わせである、請求項13記載の方法。
  • 【請求項17】 該非正視状態が、老眼状態であり、そして該第一の屈折率が+10ジオプタ〜−20ジオプタから選択される、請求項16記載の方法。
  • 【請求項18】 多焦点視力矯正を提供する方法であって、 a)眼の上に多焦点レンズ(該多焦点レンズは、ホログラフィック光学素子を含み、該光学素子が、該活性化角度の外側で該光学素子に入る光のための第一の屈折率を提供し、そして該活性化角度の内側の角度で該光学素子へ入る光のための第二の屈折率を提供する)を準備する工程;及び b)該多焦点レンズを、該眼の上で該第一の焦点又は第二の焦点が該眼のくぼみの上に選択的に配置されるように、動かす工程を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項19】 該光学レンズが、眼用レンズであり、該レンズが一つの位置から他の位置へ安定的に動くことができるような安定化機構を有する、請求項18記載の方法。
  • 【請求項20】 該ホログラフィック光学素子が、ブラッグ条件に一致したときには、入射光の100%までを回折させる、請求項18記載の方法。
  • 【請求項21】 該非正視状態が、近視状態、遠視状態、老眼状態、規則的及び不規則的乱視状態、並びにそれらの組み合わせである、請求項18記載の方法。
  • 【請求項22】 該非正視状態が、近視状態であり、そして該第一の屈折率が、+10ジオプタ〜−20ジオプタから選択される、請求項21記載の方法。
  • 【請求項23】 該非正視状態を矯正するための多焦点レンズを製造するための方法であって、 該レンズが、前面カーブ及び基礎カーブを有し、 a)光学レンズのための成形用型中に重合性光学材料を導入する工程;及び b)該成形用型中の該重合性材料を、電磁波に暴露する工程を含み、 ここで、該電磁波が、該重合性材料を重合させる間に干渉縞模様を形成させ、それにより該模様が該レンズ中に記録され体積回折格子構造を形成させ、それにより体積ホログラフィック素子を形成させ、該模様が、眼の上、中又は前に配置されているときに、眼の該前面カーブに入射する光を回折させ、該非正視状態を矯正するための多焦点レンズを製造する方法。
  • 【請求項24】 架橋性又は重合性プレポリマーから製造される生物学的に適合し得るホログラフィック素子であって、 該プレポリマーが、UV源により5分の照射の内に架橋又は重合して、非−流体の生物学的に適合し得る光学素子を形成し、ここで架橋又は重合の持続時間が、該プレポリマーを、100imの間隔を有する、底と頂上の石英スライドの間に配置し、該頂上の石英スライドの18cm上に置かれている200ワット中圧水銀ランプであるUV源を準備することにより測定されるホログラフィック素子。
  • 【請求項25】 該プレポリマーが、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(I): 【化1】 (式中、 Rは、8個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、 R 1は、水素又は低級アルキルであり、そして R 2は、25個まで炭素原子を有する、オレフィン性不飽和の、電子−吸引性 の共重合性基である)の単位を約0.5%〜80%を有するポリビニルアルコールの誘導体を含む、請求項24記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項26】 R 2が、式R 3 −CO−(ここで、R 3は、炭素原子2〜2 4個を有する、オレフィン性不飽和の共重合性基である)のオレフィン性不飽和のアシル基である、請求項25記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項27】 オレフィン性不飽和の共重合性基が、エテニル、2−プロペニル、3−プロペニル、2−ブテニル、ヘキセニル、オクテニル又はドデカニルである、請求項26記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項28】 該プレポリマーが、1分の内に架橋又は重合する、請求項24記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項29】 該プレポリマーが、30秒の内に架橋又は重合する、請求項24記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項30】 該プレポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン又はポリビニルアミンのアザラクトン−部分含有誘導体を含み、該誘導体が、ポリビニルアルコール中のヒドロキシ基の数又はポリエチレンイミン若しくはポリビニルアミン中のイミン若しくはアミン基の数に基づいて、式(IV)及び(V): 【化2】 (式中、 R 1及びR 2は、他と独立して、水素、C 1 −C 8アルキル基、アリール基、又はシクロヘキシル基であり; R 3は、水素又はC 1 −C 8アルキル基であり、そして R 4は、−O−、又は−NH−橋である)の単位約0.5〜約80%を含む、 請求項24記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項31】 該プレポリマーが、ビニルラクタム及び第二のビニルモノマーを含む官能基化されたコポリマーを含み、ここで、該ビニルラクタムが、式(VII): 【化3】 (式中、 R aは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン橋であり、 R bは、水素、アルキル、アリール、アラルキル又はアルカリール、好適には 水素、7個までの炭素原子を有する低級アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、又は14個までの炭素原子を有する、アラルキル若しくはアルカリールであり、そして R cは、水素又は7個までの炭素原子を有する低級アルキルである)の5〜7 員ラクタムである、請求項24記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項32】 該ビニルラクタムが、N−ビニル−2−ピロリドン、N−
    ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−
    ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−
    2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
    5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3
    −エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N
    −ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム、又はそれらの混合物である、請求項31記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項33】 第二のビニルモノマーが、ビニル基及び官能基を有する官能性ビニルモノマーであり、該官能性基が、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル−置換アミノ、カルボキシル、エステル化カルボキシル、アルコキシカルボニル、エポキシ又はスルホである、請求項31記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項34】 該官能性ビニルモノマーが、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、エトキシル化アクリラート及びメタクリラート、エポキシ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、エポキシシクロアルキル−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシ−置換低級アルキルビニルエーテル、アミノ−若しくはヒドロキシ−置換スチレン、ナトリウムエチレンスルホナート、ナトリウムスチレンスルホナート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アミノ−低級アルキル及びアルキルアミノ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、アクリルオキシ−及びメタクリルオキシ−低級アルキルマレイミド及びアリルアルコールからなる群から選択される、請求項32記載の生物学的に適合し得るホログラフィック素子。
  • 【請求項35】 架橋性又は重合性プレポリマーから製造される生物学的に適合し得るホログラフィック素子であって、 可干渉性の、対象物光線及び参照光線に暴露したとき、該プレポリマーが、体積ホログラフィック素子を形成し、該プレポリマーが、UV源による照射の5分の内に、架橋又は重合して非−流体の生物学的に適合し得る光学素子を形成し、
    そして架橋又は重合の持続期間が、該プレポリマーを、100imの間隔を有する底と頂上の石英スライドの間に配置し、かつ該頂上の石英スライドの18cm上に置かれている200ワット中圧水銀ランプであるUV源を準備することにより測定される、生物学的に適合し得る体積ホログラフィック素子。
  • 【請求項36】 透過ホログラフィック素子である、請求項35記載の生物学的に適合し得る体積ホログラフィック素子。
  • 【請求項37】 眼の中又は上に該ホログラフィック素子を配置することで用いる、請求項35記載の生物学的に適合し得る体積ホログラフィック素子。
  • 【請求項38】 架橋性又は重合性プレポリマーから製造されるホログラフィック素子であって、 該プレポリマーが、流体プレポリマーであり、そして可干渉性の対象物光線及び参照光線に暴露したとき、該プレポリマーが、体積ホログラフィック素子を形成し、該プレポリマーが、UV源による照射の5分の内に架橋又は重合して、非−流体の生物学的に適合し得る光学素子を形成し、そして架橋又は重合の持続期間が、該プレポリマーを、100imの間隔を有する底と頂上の石英スライドの間に配置し、かつ該頂上の石英スライドの18cm上に置かれている200ワット中圧水銀ランプであるUV源を準備することにより測定される、ホログラフィック素子。
  • 【請求項39】 ホログラフィック素子を製造するための方法であって、 架橋性プレポリマー又は重合性モノマー組成物(ここで、該プレポリマー及び重合性モノマー組成物は液体である)を成形用型中に準備する工程、及び ホログラフィック回折格子構造を記録するために光ビームを準備する工程を含み、 該流体プレポリマー又はモノマーが、UV源の照射の5分の内に非−流体素子に転換し、そして転換の持続期間が、該プレポリマーを、100imの間隔を有する、底と頂上の石英スライドの間に配置し、該頂上の石英スライドの18cm上に置かれている200ワット中圧水銀ランプであるUV源を準備することにより測定される方法。
  • 【請求項40】 該ホログラフィック回折格子構造が、体積ホログラフィック回折格子構造である、請求項39記載の方法。
  • 【請求項41】 該プレポリマー組成物が、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(I): 【化4】 (式中、 Rは、8個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、 R 1は、水素又は低級アルキルであり、そして R 2は、25個までの炭素原子を有する、オレフィン性不飽和の、電子−吸引 性の共重合性基である)の単位を約0.5%〜80%を有するポリビニルアルコールの誘導体を含む、請求項39記載の方法。
  • 【請求項42】 該プレポリマー組成物が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン又はポリビニルアミンのアザラクトン−部分含有誘導体を含み、該誘導体が、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の数又はポリエチレンイミン若しくはポリビニルアミン中のイミン若しくはアミン基の数に基づいて、式(IV
    )及び(V): 【化5】 (式中、 R 1及びR 2は、他と独立して、水素、C 1 −C 8アルキル基、アリール基、又はシクロヘキシル基であり; R 3は、水素又はC 1 −C 8アルキル基であり、そして R 4は、−O−又は−NH−橋である)の単位約0.5〜約80%を含む、請 求項39記載の方法。
  • 【請求項43】 該プレポリマー組成物が、ビニルラクタム及び第二のビニルモノマーを含む官能基化されたコポリマーを含み、該ビニルラクタムが、式(
    VII): 【化6】 (式中、 R aは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン橋であり、 R bは、水素、アルキル、アリール、アラルキル又はアルカリール、好適には 7個までの炭素原子を有する低級アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、又は14個までの炭素原子を有する、アラルキル若しくはアルカリールであり、そして R cは、水素又は7個までの炭素原子を有する低級アルキルである)の5〜7 員ラクタムである、請求項39記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 本発明は、ホログラフィック素子を含み、かつ少なくとも二つの屈折率を提供する多焦点レンズに関する。

    【0002】 眼用レンズ(それらは視覚欠陥を矯正するために眼の上又は中に配置される)
    のための種々の二焦点レンズの意図された製品、例えばコンタクトレンズ及び眼内レンズが入手し得る。 一つの慣用の二焦点眼用レンズのデザインは、同心の同時視覚タイプである。 同心の同時二焦点レンズは、同心的に配置されている交互の光学区域を有する。 この同心の交互光学区域は、異なる曲率半径を有し、近像及び遠像に対して別々の屈折率を提供し、したがって共通の焦点領域に近像及び遠像を結ばせる。 同心の同時二焦点レンズは、ある場合には入手し得るけれども、それらは広く用いられていない。 これは、同心の同時二焦点レンズによる網膜上に投影された映像が近像及び遠像の両方から構成され、重ねられた映像が近像及び遠像のいずれをも完全に明瞭にしないためである。 例えば、遠い対象物が、
    同心の同時二焦点レンズを通して見られるとき、近い対象物の映像が、同時に存在し、遠い対象物の映像を覆い、かぶらせるためである。 更に、同心の同時二焦点レンズへの入射光は、二つの光学区域に分けられるので、焦点を結んだ像のコントラスト及び強度が、特に光の少ない条件において、犠牲になる。

    【0003】 別の慣用の二焦点眼用レンズのデザインは、回折同時視覚タイプである。 これらのレンズは、回折光学素子及び屈折光学素子を有し、二つの光学組成を用いて網膜上に遠像及び近像を同時に投影する。 同心同時二焦点レンズでのように、回折同時二焦点レンズは、眼に入る光を近像及び遠像に分離し、そして網膜上に像を同時に投影する。 結果として、近像及び遠像のどちらも完全に明瞭ではなく、
    光の少ない条件においてコントラスト及び強度の問題を生じさせる。

    【0004】 更に、別の慣用の二焦点眼用レンズのデザインは、転移タイプである。 転移二焦点のコンスタントレンズは、一般に、眼鏡用の慣用の二焦点レンズのデザインに続くものである。 転移レンズは、異なる屈折率をを有する二つの明確な局在化された視覚区域を有する。 眼の上での二焦点レンズの位置は、装着者が、現時点での焦点から異なる距離に位置している対象を見たいと所望したとき、一つの区域から他へ移動しなければならない。 慣用の転移二焦点レンズでの固有の一つの主要な問題は、装着者が眼の上でレンズの位置を移動することを試みたときに、
    遭遇する困難さである。 このレンズは、一つの視覚区域から他へ変化させるために、眼の上で比較的大きな距離を動くか又は移動しなければならず、そしてこの一つの視覚区域から他への移動は、明瞭な視覚が得られる前に、完了されていなければならない。

    【0005】 最近、眼用レンズでの二焦点機能を提供するための有効に制御し得る試みが提案されている。 別々に塗布された熱着色被覆を有する同時二焦点レンズは、一つの例である。 二焦点レンズは、装着者が近くの対象に焦点を合わせるために下を見るときに、レンズの遠くの光学区域の熱着色被覆を活性化するようにデザインされている。 レンズの活性された熱着色部分は、遠い光学領域からの光を阻止し、それにより近くの対象からもたらされる光の覆い又はかぶりを防ぐ。 この試みは、現時点で入手し得る熱着色被覆材料が実施可能であるように十分早く活性化又は不活性化されないので、十分には実際的でない。 別の試みは、開閉し得るバッテリー又は光セルの助けによりその焦点距離を変えるレンズを用いる。 この試みは、電子回路及び電源が眼用コンタクトレンズ中に収納できるに十分小さくされねばならず、かつ高い信頼性及び耐用性でなければならないので実際的ではない。

    【0006】 先行技術の多焦点レンズの欠点を無くした多焦点機能を確実に提供する眼用レンズに対する必要性がまだ残っている。 更に、ホログラフィック光学素子を製造するために容易に加工することができる光学材料に対する必要性がまだ残っている。

    【0007】 本発明により、体積ホログラフィック光学素子(それは屈折率を提供する)を含む多焦点レンズが提供される。 このレンズは、一つ以上の屈折率を有し、そして屈折率の一つは、有効にかつ選択的にレンズの装着者により、装着者が明瞭な、損傷のない像を見るように制御されることができる。 このレンズは、コンタクトレンズ、眼鏡のレンズ及び眼内レンズを含む種々の光学レンズに適切である。

    【0008】 本発明の一つの実施態様は、第一の光学素子及び体積ホログラフィック光学素子を含む多焦点レンズを提供し、ここで該第一の光学素子は、第一の焦点で第一の屈折率を提供し、そしてホログラフィック光学素子又は第一の光学素子と組み合わせてのホログラフィック光学素子は、第二の焦点で第二の屈折率を提供する。 別の実施態様は、体積ホログラフィック光学素子を有する多焦点レンズを提供し、ここでホログラフィック光学素子は、プログラムされた活性化度を有し、
    そして光学素子は、第一の屈折率、例えば矯正屈折率又は平面、活性化角度の外側の角度で光学素子に入る光のための矯正屈折率又は平面屈折率を提供し、かつ活性化角度の内側の角度で光学素子に入る光のための第二の屈折率を提供する。

    【0009】 本発明は、また視覚欠陥を矯正するための方法を提供する。 この方法は、眼の上に多焦点レンズを準備する工程、及び適当な焦点が眼のくぼみの上に配置されるように、眼の上で多焦点レンズを移動する工程を含む。 多焦点レンズは、多焦点レンズが第一の光学素子及び体積ホログラフィック光学素子を有し、ここで第一の光学素子が第一の焦点で第一の屈折率を提供し、そしてホログラフィック光学素子又は第一の光学素子と組み合せてのホログラフィック光学素子が第二の焦点で第二の屈折率を提供することを特徴とすることができる。 本発明の別の実施態様として、多焦点レンズは、多焦点レンズがプログラムされた活性化角度を有するホログラフィック光学素子を有し、ここで光学素子が活性化角度の外側の角度で光学素子に入る光のための第一の屈折率を提供し、かつ活性化角度の内側の角度で光学素子に入る光のための第二の屈折率を提供することを特徴とすることができる。

    【0010】 本発明の多焦点レンズは、同時視覚レンズ及び慣用の転移レンズの欠点を持たない高い効率の矯正レンズである。

    【0011】 本発明において、架橋性又は重合性プレポリマーから製造される、生物学的に適合し得るホログラフィック素子が提供される。 プレポリマーは、UV源の照射の5分以内に、非−流体又は固体の生物学的に適合し得る光学素子を形成することができる、架橋性又は重合性光学材料から選択される。 架橋又は重合の持続期間は、底と頂上の石英スライドの間にプレポリマーを配置し、そして200ワット中圧銀アークランプであり、該頂上石英スライドの18cm上に配置されたU
    V源を準備することで測定される。 本発明は、またプレポリマーから製造されたヒドロゲルホログラフィック素子を提供する。 更に、プレポリマー又はモノマーの流体組成物から、ホログラフィック素子を製造するための方法を提供する。

    【0012】 ホログラフィック素子は、医学用具として、例えば光学レンズ及び眼用レンズとして用いることができる。 本発明のホログラフィック光学素子を有する光学及び眼用レンズは、製造が比較的容易であり、種々の非正視状態を矯正するに非常に適切である。

    【0013】 本発明は、有効な多焦点眼用レンズを提供する。 更に、本発明は、眼鏡のための有効な多焦点眼用レンズを提供する。 これ以後、用語「眼用レンズ」は、別に断らない限り、眼用及び眼鏡用レンズの両方を示すために用いられる。 本発明の有効な光学レンズは、一つ以上の屈折率を提供する。 更に詳細には、このレンズは、少なくとも一つの屈折率及び活性化されることができる少なくとも一つの更なる屈折率を有する。 慣用の二焦点レンズとは異なり、本発明の有効な多焦点レンズは、レンズの他の屈折率からの光学的干渉なしにか又は実質的な干渉なしに同時に一つの所望の屈折率を提供するように、積極的に、かつ選択的に制御することができる。

    【0014】 有効な光学レンズは、ホログラフィック光学素子(HOE)を含み、そして有効な光学レンズのための適切なHOEは、透過体積HOEである。 体積HOEは、光学材料の屈折率での周期的変化としてプログラム又は記録される、干渉縞模様を含む。 屈折率でのこの周期的変化は、光学材料の内部にピーク屈折率の平面、すなわち体積回折格子構造を創造する。 HOE中の干渉縞模様の平面は、以下で更に議論される。

    【0015】 図1に戻ると、この図は、典型的な本発明の有効二焦点レンズ10を示している。 本発明の有効な光学レンズは、二つ以上の屈折率を有することができるけれども、説明のために二焦点レンズが参照として開示されていることに注意すべきである。 レンズ10は、第一の素子12及びHOE14を有するコンタクトレンズである。 HOE14は、第一の光学素子12に埋め込まれるか、又は包み込まれて、HOEがレンズ10と組み合わせて移動するような、複合レンズ10を形成する。 第一の光学素子12は、第一の屈折率を提供し、それは非正視状態、例えば近視を矯正する。 別の方法として、第一の光学素子12は、HOE14の担体として作用する平面レンズであることができる。 HOEのために、光学素子は、光がHOEに予めプログラムされた角度又は予めプログラムされた角度範囲の内側、すなわち活性化角度(それは、光学素子を活性化する)で入るときにのみ、光の経路を改変するように設計される。 したがって、活性化角度の外側である角度で、光が入るとき、HOE14は、光の経路を改変又は実質的に改変することなく完全にか又は実質的に完全に、入射光を透過させる。 言い換えると、HO
    E14は、入射光のその角度が、予めプログラムされた角度の内側にあるときを除いて、平面レンズとして働くことができる。 HOEが活性化されたとき、HO
    E中でプログラムされた、縞模様又は体積回折格子構造が光の経路を改変し、レンズ10の第一の屈折率から異なる屈折率を提供する。 活性化し得る屈折率に加えて、HOEは、HOE14の形状及びHOE14の組成物の屈折率からの屈折率を提供する。 そのような付加的な屈折率は、入射光がHOEを活性化しない角度でレンズ10に入るときに、第一の光学材料を補足し有効なレンズ10の第一の屈折率を提供する。 ここで用いる用語「活性化角度」は、入射光の投射角(それは、入射光の進む方向により形成される角度、及びHOE表面に垂直の軸により決められ、入射光は、HOEの干渉縞回折格子構造により回折されるように、
    ブラッグの条件を満足させ、以下に更に議論される)を示す。 活性化角度は、単一の値であるべきではなく、角度の範囲であることができることが注意されるべきである。 ブラッグ条件は、光学分野で周知であり、例えばCoupled Wave Theor
    y for Thick Hologram Gratings, by H. Kogelnik., The Bell System Technica
    l Journal, Vol. 48, No. 9, p 2909-2947 (Nov. 1969)に定義されている。 ここで開示されているブラッグ条件の記載は、参照としてここに組み入れられる。 ブラッグ条件は、 cos(Φ−θ)=K/2B ここで、K=2π/Λ、Λは干渉縞の回折格子周期であり、θは入射光の投射角であり、Φは回折格子の傾斜角度であり、そしてBは平均伝達定数であり、これは、B=2πn/λで表され、ここで、nは平均屈折率であり、λは光の波長である。 ブラッグ条件に一致したとき、入射光の100%までが可干渉的に回折される。

    【0016】 図2は、図1の二焦点レンズ10のHOE14の機能を更に説明している。 Z
    −軸、それは、HOEの表面に垂直であり、そして入射光Rの進む方向が屈折角σを形成する。 入射光Rが、HOE14の活性化角度の内側である投影角でHO
    Eに入るとき、光Rは、HOEの予めプログラムされた干渉縞模様、すなわち体積回折格子構造により回折され、投射角σと異なる射出角ρを有する退出光SとしてHOEを出る。

    【0017】 図3は、本発明の有効な二焦点レンズの別の実施態様を示している。 二焦点の有効なレンズ16は、第一の光学レンズ17及びHOEレンズ18(それは、第一の光学レンズ17を完全に覆っている)を有する複合レンズである。 別のものとして、HOEレンズ18は、眼の瞳のみを覆う寸法であることもできる。 第一の光学レンズ17及びHOEレンズ18は、別々に製造され、例えば接着的又は熱的に接合されることができる。 別の方法として、第一の光学レンズ17及びH
    OEレンズ18は、複合レンズが製造されるように他を覆う一つを連続的に又は同時に製造することができる。 この連続的又は同時的な方法は、第一の光学レンズ及びHOEレンズが一つの基本材料からか、又は二つの化学的に相溶し得る材料から製造されるときに、特に適切である。 有効なレンズ16が内側の半分の第一の光学レンズ及び外側の半分のHOEレンズを有するレンズとして示されているが、種々の屈折率の他の組合せを、本発明により製造することができる。

    【0018】 有効な二焦点レンズの更に別の実施態様は、非−複合の有効なHOE二焦点レンズである。 この実施態様において、有効なHOE二焦点の有効なレンズは、H
    OEを形成する光学材料から製造される。 有効なレンズの形状及びHOE材料の屈折率の組合せは、第一の屈折率を提供し、そしてHOEレンズ中のプログラムされた体積回折格子構造は、第二の屈折率を提供する。 この非−複合の有効HO
    Eレンズの実施態様は、用いられるHOE材料が生物学的に適合し得る材料(したがって、眼の目の組織に不利な相互作用をしない)であるとき、特に適切である。 ここで用いられる用語「生物学的に適合し得る材料」は、患者の生物組織に隣接して埋め込まれるか、又は置かれるときに、認められるほどに崩壊せず、顕著な免疫応答又は有害な組織反応、例えば毒性反応又は顕著な刺激を誘導しない重合性材料に与えられる。 好適には、生物学的に適合し得る材料は、少なくとも6ヶ月、更に好適には少なくとも1年、もっとも好適には少なくとも10年にわたり崩壊せず、かつ免疫反応又は有害な組織反応をもたらさない。 適切な生物学的に適合し得る材料は、高度に光架橋性又は光重合性材料である。 適切な生物学的に適合し得る光学材料は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、又はポリビニルアミンの誘導体及び共重合体を含む。 本発明のHOEを製造するために特に適切である生物学的に適合し得る材料の例は、 Muhlebach のUS Pat. N
    o. 5,508,317 及びMuhlebachの International Patent Application No. PCT/EP
    96/00246 に開示されており、ここで、参照として組み込まれている特許及び出 願は、以下に更に議論される。

    【0019】 本発明のHOEは、一つの活性化角度又は活性化角度の範囲を有するように設計又はプログラムされ、そしてそのHOEは、入射光を所望の位置に光を焦点させるために入射光を回折させる。 図4及び5は、複合の有効レンズ20(これは、近くの距離から発生する光を焦点するようにプログラムされているHOEレンズ素子を含む)のHOE21の機能を示している。 遠い対象からの光22が、H
    OE21を活性化しない角度でレンズに入るとき、光22は、レンズ20の第一の光学素子の屈折率に従い、眼の水晶体(これは示していない)の屈折率との組み合わせで、眼の網膜、更に特定的にはくぼみ上の焦点24に集まる。 例えば、
    第一の光学素子23は、+20ジオプタ〜−20ジオプタの矯正屈折率を有することができる。 HOEレンズ21は、HOEレンズ21の形状及びHOE組成物の屈折率からの固有の屈折率を有することに注意するべきである。 結果として、
    HOEレンズ21は、有効なレンズ20の屈折率に寄与することができる。 それにもかかわらず、固有の屈折率は、本発明の教示中で容易に因数化できるので、
    以後、本発明のHOEレンズの回折機能の説明を簡単にするために、HOEレンズ21の固有の屈折率は無視される。 HOEレンズ21が活性化されないとき、
    HOEレンズ21は、第一の光学レンズ素子23によりもたらされる通常の屈折経路を通る光22と干渉しない。 しかしながら、光がHOEレンズ21を活性化する角度でHOEレンズに入る(すなわち、活性化角度の内側で入る)とき、光は、HOEレンズ21により回折される。 図5に示したように、入射光がHOE
    レンズ26を活性化する角度で有効なレンズ25に入るとき、レンズは、第一の光学レンズ27及び眼の水晶体レンズと関連して、光を網膜、更に特定的にはくぼみに集める。 例えば、近くの対象29から発生する光28は、その光がプログラムされた活性化角度の内側である角度でHOEレンズに入るとき、像30をくぼみの上に形成する。

    【0020】 有効な二焦点レンズ、更に特定的には有効レンズのHOE部分に関して、入射光の投射角は、種々な手段で変えることができる。 例えば、有効なレンズは、入射光の投射角を変えるために傾けることができ、すなわちレンズの装着者は、頭の位置を保持して下を見ることにより光の投射角を変えることができる。 別の方法として、有効なレンズは、レンズの装着者により眼の一つ以上の筋肉で有効に制御することができる位置制御機構を有することができる。 例えば、有効なレンズは、レンズの動きを下まぶたで制御することができるような、きちんとしたバラストをもつように形状化することができる。 図5で示される有効なレンズ25
    の活性化角度が、本発明をより容易に説明するため過大に評価され、それにより有効レンズの活性化角度は、図5で示されている傾斜角度ほど大きくないことに注意すべきである。 事実、本発明に適切なHOEは、ホログラフィック技術で知られているHOEプログラム化方法により、異なる活性化角度の広い範囲を有するようにプログラムすることができる。 したがって、一つの屈折率から他の屈折率への切り替えるための有効レンズのために必要な動きの程度は、設計の基準及びそれぞれのレンズの装着者の必要性により容易に変えることができる。

    【0021】 本発明の有効なレンズは、一つ以上の屈折率を提供するけれども、有効レンズは、一度に一つの屈折率により焦点される明瞭に認め得る像を形成する。 結果として、有効レンズは、同心の同時の二焦点レンズのような慣用の二焦点レンズとは異なり、にじみかつかぶった像を生成しない。 図5に戻ると、有効レンズ25
    が、近くの対象29を見るために位置したとき(すなわち、対象29から発生する光の投射角が、HOEレンズ26の活性化角度の内側である)、対象29からの光は、第一の光学レンズ27及び眼の水晶体のレンズと関連して、HOEレンズ26によりくぼみ30の上に焦点する。 同時に、遠くの対象から発生する光の投射角は、有効レンズ25の活性化角度の内側ではない。 したがって、遠くの対象からの入射光の経路は、HOEレンズ26により改変されないが、遠くの対象からの入射光の経路は、第一の光学レンズ27及び眼の水晶体のレンズにより、
    改変、すなわち屈折される。 遠くの対象からの入射光は、したがって、くぼみの外側である区域31に像を焦点させる。 結果として、近く及び遠くの対象の焦点された像は、同心的又は軸に沿っていない。 像(くぼみ31の外側に形成されている)は、有効レンズ25の装着者により明瞭に認められず、周辺の視覚として容易に無視される。 結果として、有効レンズ25の装着者は、遠くの対象から発生する光からの汚される干渉なしに近くの対象を明瞭に見ることができる。

    【0022】 同様に、有効レンズが遠くの対象(例えば、図4に示したように)を見る位置であるとき、遠くの像からの光22は、HOE21の活性化角度の外側の角度でレンズに入る。 したがって、光の経路は、HOE21により影響されず、第一の光学素子27及び眼の水晶体レンズにのみ影響され、それによりくぼみ24の上又は近くに遠くの対象からの像を焦点する。 同時に、近くの対象から発生する光は、回折され、HOEにより焦点され、そしてくぼみの外側の区域上に投影される。 したがって、有効レンズの装着者は、顕著な干渉なしに遠くの対象を明瞭に見る。

    【0023】 本発明の有効レンズの非−にじみの利点は、眼の固有の解剖学を用いた、有効レンズの設計の結果である。 くぼみの外側での網膜受容体の濃度は、くぼみでのそれよりも劇的に低いことが知られている。 結果として、像は周辺の像として網膜により認識されず、装着者の脳により容易に無視されるので、くぼみの外側に実質的に焦点したどのような像も明瞭に認識されない。 事実、ヒトの眼の視覚の鋭敏さは、視線の外、たった8°で約20/100に低下することが見出されている。 上記の有効な制御方法において、本発明の有効なレンズは、眼の固有の解剖学を用いることにより一時に一つの屈折率からの明瞭な像を提供する。 眼の固有の網膜受容体の解剖学及びHOEレンズでの活性化角度の異なる範囲をプログラム能を用いることにより、本発明の有効なレンズは、独自にかつ選択的に、
    異なる距離に位置する対象の明瞭な像を提供する。 種々な同時二焦点レンズに比べて、この有効なレンズは、障害のない明瞭な像を提供し、そして転移二焦点レンズに比べて、この有効なレンズは、異なる距離からの像を選択的に提供するために、レンズの少しの動きのみを必要とするように、容易に設計することができる。

    【0024】 本発明に適切なHOEは、例えば重合性又は架橋性材料、特に流体の光学材料から製造することができる。 適切な重合性又は架橋性HOEは、更に以下に議論される。 説明のために、以後、用語重合性材料は、特に断らない限り、重合性又は架橋性材料のために用いられる。 本発明のHOEを製造するための方法の例は、図6に示されている。 点−源対象光32は、対象光32の電磁波及び参照光3
    4が干渉縞模様(これは、重合性材料中に記録され、それによりレンズ33中に体積回折格子構造を形成させる)を形成するように、光重合性光学材料33(すなわち、光重合性HOE)に投射され、そして同時に平行化された参照光34が、光重合性HOEに投射される。 光重合性HOE33は、対象光及び参照光の両方により重合される光重合性材料である。 好適には、対象光及び参照光は、ビーム分割機(beamsplitter)を用いて、一つの光源から発生させる。 光の二つの分割部分は、HOEに投射され、そこで分割光の対象光の経路は、点光源32を形成するように改変される。 点光源対象光32は、例えば慣用の凸面レンズを、光がHOEから離れた距離、すなわち点光源位置32に焦点するように、光重合性HOE33からいくらか離して配置することにより提供することができる。 好適な光源は、レーザー源であり、UVレーザー源は更に好適である。 光源の適切な波長は、用いられるHOEのタイプに依存するが、好適な波長範囲は、300nm
    〜600nmである。 光重合性HOE33が、充分に暴露され、重合されたとき、
    得られたHOEは、屈折率変調の模様、すなわち体積回折格子構造35を含む。
    更に、流体の重合性光学材料がHOEを製造するために用いられるとき、光源は、体積回折格子構造を形成しながら流体の光学材料を非−流体又は固体HOEへ転換する。 ここで用いる用語「流体」は、材料が流体のように流れることができることを示す。

    【0025】 図7に戻り、重合されたHOE36は、光39が焦点の反対側からHOEに入り図6の平行にされた参照光34の逆の経路に一致又は実質的に一致するとき、
    図6の点光源対象光32の位置に相当する焦点38を有する。 図6及び7は、正の矯正屈折率を有するHOEを製造するための方法の例を提供する。 認められるように、負の矯正屈折率を有するHOEは、また、少し改変した上述のHOE製造装置で製造することができる。 例えば、光源から離れてHOEの他の側に焦点を形成する収束性の対象光源を、負の矯正屈折率を有するHOEを製造するために、点光源対象光に置き換えて用いることができる。 本発明により、種々の矯正屈折率を有する有効な多焦点レンズは、容易にかつ簡単に、種々の非正視状態、
    例えば近視、遠視、老眼、規則性乱視、不規則性乱視及びそれらの組合せを矯正するために、容易にかつ簡単に製造することができる。 例えば、HOEの矯正屈折率は、対象光の距離、位置及び/又は経路を変えることにより変えることができ、そしてHOEの活性化角度は、対象光及び参照光の位置を変えることにより変えることができる。

    【0026】 本発明により、適切なHOEは、比較的急速に光重合又は光架橋することができる重合性又は架橋性光材料から製造することができる。 急速に重合性の光学材料は、光学材料中に創造される屈折率に周期的変化をさせ、それにより光学材料が重合され、固体の光学材料を形成する間に体積回折格子構造を形成させる。 好適には、適切な重合性及び架橋性光学材料は、生物学的に適合し得る光学材料から選択され、そして好適には適切な光学材料は、5分に等しいか5分未満、更に好適には3分に等しいか、3分未満、更にまた好適には30秒に等しいか、30
    秒未満、例えば5〜30秒で、架橋又は重合して決められた形状を有する非−流体、固体化した光学素子を形成する流体の生物学的に適合し得る光学材料から選択される。 架橋又は重合の持続期間は、架橋性又は重合性光学材料を、二つの石英スライド(それは、顕微鏡スライドの寸法を有し、100imの間隔で分離されている)の間に置いて測定される。 光学材料の充分な量が、第一のスライドの上に置かれ、約14mmの径を有する円形の滴を形成させ、そして第二のスライドは、光学材料の上に置かれる。 別の方法として、スペーサを、光学材料のためのスライドの間に円筒形スペーサを準備するために用いることができる。 スライドの間の光学材料は、上の石英スライドの18cm上に置かれた200ワット中圧水銀アークランプで照射される。

    【0027】 本発明に適切な生物学的に適合し得る重合性材料の典型的な群は、 Muller の
    US Pat. No. 5,508,317 に開示されている。 重合性光学材料の好適な群は、 U
    .S. Patent No. 5,508,31 7に記載されているように、1,3−ジオールの基本 構造を有し、そこで1,3−ジオール単位の一定の割合が2−位に、重合性であるが、重合されていない基を有する1,3−ジオキサンへ改質されているそれらである。 重合性光学材料は、好適には、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(I):

    【0028】

    【化7】

    【0029】 (式中、 Rは、8個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、 R 1は、水素又は低級アルキルであり、そして R 2は、好適には25までの炭素原子を有するオレフィン性不飽和の、電子吸 引性の共重合性基である)の単位約0.5%〜約80%を有し、少なくとも約2
    ,000の重量平均分子量、M wを有するポリビニルアルコールの誘導体である 。 R 2は、例えば、式R 3 −CO−(ここで、R 3は、炭素原子2〜24個、好適 には2〜8個、特に好適には2〜4個を有するオレフィン性不飽和の、共重合性基である)のオレフィン性不飽和のアシル基である。 オレフィン性不飽和共重合性基の例は、エテニル、2−プロペニル、3−プロペニル、2−ブテニル、ヘキセニル、オクテニル及びドデセニルである。

    【0030】 所望の実施例として、基R 2は、式(II):

    【0031】

    【化8】

    【0032】 (式中、 pは、0又は1、好ましくは0であり; qは、0又は1、好ましくは0であり; R 4及びR 5は、それぞれ独立して、2〜8個の炭素原子を有する低級アルキレン、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン、6〜10個の炭素原子を有する低級飽和二価脂環式基、7〜14個の炭素原子を有するアリーレンアルキレン若しくはアルキレンアリーレン、又は13〜16個の炭素原子を有するアリーレンアルキレンアリーレンであり、そして R 3は、上記と同義である)の基である。

    【0033】 低級アルキレンRは、好適には8個までの炭素原子を有し、直鎖若しくは分岐であってよい。 適切な例は、オクチレン、ヘキシレン、ペンチレン、ブチレン、
    プロピレン、エチレン、メチレン、2−プロピレン、2−ブチレン及び3−ペンチレンを含む。 好適には、低級アルキレンRは、6個までの炭素原子を有し、特に好適には4個までの炭素原子を有する。 メチレン及びブチレンが特に好適である。 R 1は、好適には、水素又は7個まで、特に4個までの炭素原子を有する低 級アルキル、特に水素である。

    【0034】 R 4及びR 5として、低級アルキレンR 4又はR 5は、好適には2〜6個の炭素原子を有し、特に直鎖である。 適切な例は、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、
    ジメチルエチレン、そして特に好適には、エチレンを含む。 アリーレンR 4又は R 5は、好適には、フェニレン(それは、非置換又は低級アルキル若しくは低級 アルコキシにより置換されている)、特に1,3−フェニレン若しくは1,4−
    フェニレン又はメチル−1,4−フェニレンである。 飽和二価脂環式基R 4又は R 5は、好適には、シクロヘキシレン又はシクロヘキシレン-低級アルキレン、例えばシクロヘキシレンメチレン(それは、非置換又はメチル基の1個以上により置換されている)、例えばトリメチルシクロヘキシレンメチレン、例えば二価イソホロン基である。 アルキレンアリーレン又はアリーレンアルキレンのアリーレン単位R 4又はR 5は、好適には、フェニレン(これは、非置換又は低級アルキル若しくは低級アルコキシにより置換されている)であり、そしてそのアルキレン単位は、好適には低級アルキレン、例えばメチレン又はエチレン、特にメチレンである。 そのような基R 4又はR 5は、したがって、好適にはフェニレンメチレン又はメチレンフェニレンである。 アリーレンアルキレンアリーレンR 4又はR 5は、好適には、アルキレン単位に4個までの炭素原子を有するフェニレン−低級アルキレン−フェニレン、例えばフェニレンエチレンフェニレンである。 基R 4及 びR 5は、それぞれ独立して、好適には2〜6個の炭素原子を有する低級アルキ レン、フェニレン(これは、非置換又は低級アルキルにより置換されている)、
    シクロヘキシレン又はシクロヘキシレン−低級アルキレン(これは、非置換又は低級アルキルにより置換されている)、フェニレン−低級アルキレン、低級アルキレン−フェニレン又はフェニレン−低級アルキレン−フェニレンである。

    【0035】 式(I)の重合性光学材料は、例えばポリビニルアルコールを、式(III):

    【0036】

    【化9】

    【0037】 (式中、 R、R 1及びR 2は、上記と同義であり、そして R′及びR″は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル又は低級アルカノイル、例えばアセチル若しくはプロピオニルである)の化合物と反応させることにより製造される。得られた重合性光学材料の、好適には約0.5〜約80%、更に好適には約1〜約50%、最も望ましくは約2〜15%が、化合物IIIにより 置きかえられる。

    【0038】 本発明の誘導体化されたポリビニルアルコールの適切なポリビニルアルコールは、重量平均分子量約2,000〜約1,000,000、好適には10,00
    0〜300,000、更に好適には10,000〜100,000、最も好適には10,000〜50,000を有する。 ポリビニルアルコールは、非加水分解酢酸ビニル基の、約50%未満、好適には約20%未満を有する。 更に、ポリビニルアルコールは、1種以上コポリマー単位、例えばエチレン、プロピレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメタクリルアミド、ヒドロキシルエチルメタクリラート、メチルメタクリラート、メチルアクリラート、エチルアクリラート、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルアクリラート、アリルアルコール及びスチレンの約20%まで、好適には約5%までを含む。

    【0039】 ビニルアルコール誘導体は、溶媒中光架橋方法、例えばUVレーザーを用いて重合され、HOEを生成する。 適切な溶媒は、ポリビニルアルコール及びビニル性コモノマーを溶解するいずれの溶媒でもよい。 典型的な溶媒は、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルルスルホキシド及びそれらの混合物である。 光架橋重合工程を容易にするために、光開始剤(
    それは、遊離基架橋を開始することができる)を添加することが望ましい。 本発明に適切な典型的な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Durocure(登録商標)1173 及びIrgacure (登録商標)光開始剤を含む。 重合配合物の全重量に基づいて、光開始剤の、好適には約0.3〜約2.0%が用いられる。 本発明により、HOEを製造するために、
    溶媒中、ポリビニルアルコールの適切な濃度は、特にHOEが眼用レンズとして用いられるとき、好適には約3〜約90重量%、更に好適には約5〜60重量%
    である。

    【0040】 本発明のために適切な典型的な生物学的に適合し得る重合性の光学材料の群は、US Patent Application Serial No. 08/875,340, (Muhlebach の国際特許出願 No. PCT/EP96/00246 )に記載されている。 米国特許出願の重合性光学材料の 記載は、ここに参照として組み入れられる。 適切な光学材料は、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数又はポリエチレンイミン若しくはポリビニルアミン中のイミン若しくはアミン基の数に基づいて、式(IV)及び(V):

    【0041】

    【化10】

    【0042】 (式中、 R 1及びR 2は、互いに独立して、水素、C 1 −C 8アルキル基、アリール基、又はシクロへキシル基であり、ここで、これらの基は、非置換又は置換されている; R 3は、水素又はC 1 −C 8アルキル基、好適にはメチルであり;そして R 4は、−O−又は−NH−橋、好適には−O−である)の単位の、約0.5 %〜約80%を含むポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン又はポリビニルイミンを含むアザラクトン−部分含有誘導体を含む。 本発明に適切なポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びポリビニルアミンは、約2,000〜1,
    000,000、好適には10,000〜300,000、更に好適には10,
    000〜100,000、最も好適には10,000〜50,000の数平均分子量を有する。 特に好適な重合性光学材料は、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の数に基づいて、R 1及びR 2のためにメチル基であり、R 3のために水素 であり、R 4のために−O−(すなわち、エステル結合)である式(IV)の約0 . 5〜約80%、好適には約1〜約25%、更に好適には約1.5〜約12%を含むポリビニルアルコールの水溶性誘導体である。

    【0043】 式(IV)及び(V)の重合性光学材料は、例えば式(VI):

    【0044】

    【化11】

    【0045】 (式中、 R 1 、R 2及びR 3は、上記と同義である)のアザラクトンを、ポリビニルアル コール、ポリエチレンイミン又はポリビニルアミンと、上昇した温度、約55℃
    〜75℃で、適切な溶媒中、場合により適切な触媒の存在下に反応させて製造することができる。 適切な溶媒は、ポリマー主鎖を溶解するものであり、非プロトン性溶媒、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ニトロメタン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロメタン及びジオキサンを含むそれらである。 適切な触媒は、第三アミン、例えばトリエチルアミン、及び有機スズ塩、例えばジブチルスズジラウラートを含む。

    【0046】 アザラクトン部分に加えて、アザラクトン−部分含有光学材料は、重合されたHOEの所望の物性値にしたがい、他の疎水性及び親水性のビニル性コモノマーを有することができる。 典型的な適切な疎水性コモノマーは、C 1 −C 18アルキ ルアクリラート及びメタクリラート、C 3 −C 18アルキルアクリルアミド及びメ タクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルC 1 −C 18ア ルカノアート、C 2 −C 18アルキレン、スチレン、ビニルアルキルエーテル、C 2 −C 10ペルフルオロアルキルアクリラート及びメタクリラート、C 3 −C 12ペル フルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチルアクリラート及びメタクリラート、アクリルオキシ−及びメタクリルオキシ−アルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのC 1 −C 12ペア ルキルエステルを含む。 親水性コモノマーの典型的例は、ヒドロキシアルキルアクリラート及びメタクリラート、アクリルアミド、メタクリルアミド、メトキシル化アクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシルアルキルアミド及びメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸などを含む。

    【0047】 アザラクトン−部分含有光学材料は、溶媒中光架橋方法、例えばUVレーザーを用い重合され、HOEを生成する。 適切な溶媒は、光学材料のポリマー主鎖を溶解するいずれの溶媒でもよい。 典型的な溶媒は、アザラクトン改質に関連した上記に開示した非プロトン性溶媒、水、エタノール、メタノール、プロパノール、グリコール、グリセロール、ジメチルホルムアミド、ジメチルルスルホキシド及びそれらの混合物を含む。 光架橋重合工程を容易にするために、光開始剤(それは、遊離基架橋を開始することができる)を添加することが望ましい。 本発明に適切な典型的な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Durocure(登録商標)1173 及びIrgacure (登録商標)光開始剤を含む。 重合配合物の全重量に基づいて、光開始剤の、好適には約0.3〜約2.0%が用いられる。 本発明により、HOEを製造するために、溶媒中、アザラクトン−部分含有光学材料の適切な濃度は、特にHOEが眼用レンズとして用いられるとき、好適には約3〜約90重量%、更に好適には約5〜6
    0重量%、最も好適には約10〜50%である。

    【0048】 本発明に適切な生物学的に適合し得る重合性光学材料の更に別の群は、ビニルラクタムの官能基化されたコポリマー及び少なくとも一種の追加的ビニルモノマー、第二のビニルモノマーである。 コポリマーは、反応性ビニルモノマーで官能基化される。 本発明のビニルラクタムは、式(VII):

    【0049】

    【化12】

    【0050】 (式中、 R aは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンであり、 R bは、水素、アルキル、アリール、アラルキル又はアルカリール、好適には 水素、7個までの炭素原子を有する低級アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、又は14個までの炭素原子を有するアラルキル若しくはアルカリールであり;そして R cは、水素又は7個までの炭素原子を有する低級アルキル、好適にはメチル 、エチル又はプロピルである)の5〜7員ラクタムである。

    【0051】 本発明の適切なラクタムは、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−
    カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−
    メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−
    ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−
    2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2
    −ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−
    ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3
    ,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム及びそれらの混合物を含む。 好適なビニルラクタムは、複素環に4〜6個の炭素原子を有する式(VII)の複素環モノマーである。 更に好適なビニルラクタムは、複 素環に4個の炭素原子を有し、R b及びR cが独立して水素及び低級アルキル部分から選択される式(VII)の複素環モノマーである。 特に適切なビニルラクタム は、N−ビニル−2−ピロリドンである。

    【0052】 適切な第二のビニルモノマーは、ビニル基に加えて、官能基、例えばヒドロキシル、アミノ、低級アルキル−置換アミノ、カルボキシル、エステル化カルボキシル、エポキシ、又はスルホ(−SO 3 H)を有する官能化ビニルモノマーを含 む。 この官能基は、第二のビニルモノマーのビニル基がビニルラクタムと反応し、ポリマー鎖を生成するときに残り、そしてポリマーを改質又は官能基化するために用いることができる。

    【0053】 適切な官能化ビニルモノマーは、ヒドロキシル−置換低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、エトキシル化アクリラート及びメタクリラート、エポキシ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、エポキシシクロアルキル−
    低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシ−低級アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシ−置換低級アルキルビニルエーテル、アミノ−若しくはヒドロキシ−置換スチレン、ナトリウムエチレンスルホナート、ナトリウムスチレンスルホナート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アミノ−低級アルキル及びアルキルアミノ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、アクリルオキシ−及びメタクリルオキシ−低級アルキルマレミド及びアリルアルコールを含む。 ここで用いられる用語「低級アルキル」は、7個までの炭素原子、好適には4個までの炭素原子を有するアルキル基を意味する。 特に適切な官能基化ビニルモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、3−ヒドロキシプロピルメタクリラート、アクリル酸、メタクリル酸、4−アミノスチレン、3−メタクリルオキシメチル−7−オキサ−ビシクロ〔4.1.0〕ヘプタン、N−メタクリルオキシエチル−マレイミド、グリシジルメタクリラート、アンモニウムメチルメタクリラート塩酸塩及びアンモニウムプロピルメタクリラート塩酸塩を含む。

    【0054】 ビニルラクタム及び第二のビニルモノマーのコポリマーは、既知の方法で、溶媒の存在又は不存在下で製造される。 コポリマーは、ランダムポリマーであることができる。 ランダムポリマーを製造するための方法は、例えば US Pat. No.
    5,712,356に記載されている。 適切は溶媒は、モノマー及びモノマーから製造されたポリマーを溶解し、モノマー及びモノマーから製造されたポリマーに対して実質的に不活性である。 典型的な適切な溶媒は、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール及びプロパノール;カルボン酸アミド、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド;エーテル、例えばジエチルエーテル、THF
    及びジグライム;並びにそれらの混合物を含む。 適切なコポリマーは、重量平均分子量約2,000〜約1,000,000、好適には10,000〜約300
    ,000、更に好適には10,000〜100,000、最も好適には10,0
    00〜50,000を有する。

    【0055】 このコポリマーは、急速に架橋し得るポリマーを生成するように反応性ビニルモノマーで更に改質される。 適切な反応性ビニルモノマーは、ビニル基に加えて反応性部分を有し、それは、モノマー中のビニル基を保持している間、コポリマー中に存在する官能基と反応し共有結合を生成する。 典型的な適切な反応性ビニルモノマーは、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシ−置換低級アルキルビニルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノ−低級アルキル及びモノ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、アリルアルコール、エポキシ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、イソシアナト−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、3〜7個の炭素原子を有するビニル性不飽和カルボン酸及び酸クロリド及びその酸無水物、アミノ−、ヒドロキシ−若しくはイソシアナト−置換スチレン、並びにエポキシシクロアルキル−低級アルキルアクリラート及びメタクリラートを含む。 好適な反応性ビニルモノマーは、ヒドロキシエチルアクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート及びメタクリラート、イソシアナトエチルアクリラート及びメタクリラート、アクリル酸及びメタクリル酸クロリド、アンモニウムメチルメタクリラート塩酸塩、及びアンモニウムプロピルメタクリラート塩酸塩を含む。

    【0056】 官能基化コポリマーは、溶媒なしで架橋又は重合することができるが、典型的には溶媒中光架橋工程、例えばUVレーザーを用いて架橋又は重合し、HOEを生成する。 適切な溶媒は、ポリマーのポリマー主鎖を溶解するどのような溶媒でもある。 典型的な溶媒は、水、アルコール、例えばメタノール及びエタノール;
    カルボン酸アミド、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド;並びにそれらの混合物を含む。 光架橋工程は、光開始剤(これは、遊離基架橋を開始することができる)により実施される。 本発明に適切な典型的な光開始剤は、
    ベンゾインメチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Du
    rocure(登録商標)1173 及びIrgacure(登録商標)2959を含む。 重合配合物の 全重量に基づいて、好適には光開始剤約0.3〜約2.0%が用いられる。 本発明により、HOEを製造するための、溶媒中の官能基化ビニルラクタムの適切な濃度は、特にHOEが眼用レンズとして用いられるとき、好適には約3%〜約9
    0%、更に好適には約5%〜60%、最も好適には約10〜約50%、である。

    【0057】 本発明に適切なHOEの別の群は、慣用の、かつ他の体積透過ホログラフィック光学素子記録媒体から製造することができる。 HOEのための上述の重合性材料として、対象光及び平行にされた参照光は、対象及び参照光の電磁波が干渉縞模様を形成するように、HOE記録媒体上に同時に投射される。 干渉縞模様、すなわち体積回折格子構造が、HOE媒体中に記録される。 HOE記録媒体が充分に暴露されるとき、記録されたHOE媒体は、既知のHOE現像方法により現像される。 適切な体積透過ホログラフィック光学素子記録媒体は、商業的に入手し得るホログラフィック写真記録材料又はプレート、例えば二色性ゼラチンを含む。 ホログラフィック写真記録材料は、Polaroid Corp.を含む種々の製造者から入手し得る。 本発明に適切なホログラフィック媒体は、例えば国際特許出願 No. P
    CT/US96/1 5600 to Polaroid 及び Nippon PaintのUS Pat. No. 5,453,340 に開示されている。 写真記録材料がHOEとして用いられるときには、しかしながら、眼の環境での材料の毒性の影響が考慮されるべきである。 したがって、慣用の写真用HOE材料が用いられるとき、HOEが生物学的に適合し得る材料で包まれることが好適である。 HOEを包むための有用な生物学的に適合し得る光学材料は、本発明の有効なレンズに適切である光学材料を含み、そのような適切な材料は、以下に更に議論される。

    【0058】 眼の技術において知られているように、眼用レンズは、装着者の快適さのために、薄い寸法的厚さを有すべきである。 したがって、寸法的に薄いHOEが、本発明で好適である。 しかしながら、高度な回折効率を有するHOEを提供するために、このHOEは、光学的に厚く、すなわち光が干渉縞模様の面の一つ以上で回折されねばならない。 光学的に厚く、かつ寸法的に薄いHOEを提供する一つの方法は、HOEの長さ方向に傾けられた方向に干渉縞模様をプログラムすることである。 そのような傾いた体積回折格子構造は、HOEに、入射光の投射角と退出光の退出角の間に大きな角度偏差を有するようにする。 しかしながら、大きな角度偏差を有するHOEは、特に眼用レンズとして適切ではない。 例えば、そのようなHOEが眼用レンズとして用いられ、HOEが活性化されるとき、視覚の有効な線は、視覚の正常な直線から顕著に曲げられる。 本発明の好適な実施態様として、HOEレンズの設計においてのこの角度制限は、多層の組合せHOE
    、特に二層HOEを用いることにより対処される。 図8は、本発明の典型的な多層HOE40を示している。 より小さい角度偏差を有する寸法的に薄いHOEを提供するために、大きな角度偏差を有する二つの寸法的に薄いHOEが、組合せHOEとして組み立てられる。 この組合せHOE40は、寸法的に薄い第一のH
    OE42及び第二のHOE44を有する。 第一のHOE42は、光が活性化角度αでHOEに入るとき、光退出HOEが退出角度β(それは、図8Aで示されるように投射角度αより大きい)を形成するように、入射光を回折するようにプログラムされている。 第一のHOEは、好適には約10μm〜約100μm、更に好適には約20μm〜約90μm、最も好適には30μm〜約50μmの厚さを有する。 第二のHOE44は、第一のHOE42の退出角度βに合致する活性化投射角度βを有するようにプログラムされる。 更に、第二のHOE44は、光が活性化角度βの内側で入るとき、入射光を焦点46に焦点するようにプログラムされる。 図8Bは、第二のHOE44を示している。 第二のHOEは、好適には約10
    μm〜約100μm、更に好適には約20μm〜約90μm、最も好適には30μm 〜約50μmの厚さを有する。

    【0059】 第一のHOE42が第二のHOEに隣接して配置され、入射光が第一のHOE
    の活性化角度αに相当する角度に向けられているとき、多層HOEでの退出光は、光を焦点46に焦点させる。 多層組合せHOEを用いることにより、高度な回折効率及び小さな偏差角度を有する寸法的に薄いHOEを、製造することができる。 高い回折効率及び小さな角度偏差に加えて、多層HOEを用いることが、他の更なる利点(これは、分散収差及び色収差の矯正を含む)を提供する。 可視光は異なる波長を有する電磁波のスペクトルからなり、そして波長での差がHOE
    により電磁波を異なって回折するので、単一のHOEは、分散及び色収差を含む画像を提供する。 多層、特に二層のHOEは、反対に働き、単層のHOEにより生成されることができるそれらの収差を矯正することができることが見出されている。 したがって、多層組合せHOEは、有効なレンズのHOEの要素として好適である。

    【0060】 本発明により、本発明のHOEは、光の可視スペクトルのうちの全波長又は実質に全波長の、好適には少なくとも約70%、更に好適には少なくとも約80%
    、最も好適には少なくとも95%の回折効率を有する。 本発明に特に適切なHO
    Eは、可視光のスペクトルの全波長の100%の回折効率を有する。 しかしながら、上記に特定されたよりも低い回折効率を有するHOEも、本発明のために用いることができる。 したがって、本発明に好適なHOEは、活性化角度と非−活性化角度に間に鋭い移行角度を有し、漸進的移行角度を有せず、それによりHO
    Eの活性化及び脱活性化は、有効レンズの少しの移動により達成することができ、活性化及び脱活性化段階の間の動きの間にHOEにより形成される一時的映像は存在しないか又は最小である。

    【0061】 有効レンズの第一の光学材料のために、ハードレンズ、ガス透過性レンズ又はヒドロゲルレンズに適切な光学材料を用いることができる。 有効な眼用レンズの第一の光学素子に適切な重合性材料は、ヒドロゲル材料、ガス透過性硬質材料、
    及び眼用レンズ、例えばコンタクトレンズを製造するに有用であると知られている硬質材料を含む。 適切なヒドロゲル材料は、典型的には、架橋された親水性の網目組織を有し、ヒドロゲル材料の全重量に基づいて、水約35%〜約75%を保持している。 適切なヒドロゲル材料の例は、2−ドロキシエチルメタクリラート及び1種以上のコモノマー、例えば2−ヒドロキシアクリラート、エチルアクリラート、メチルメタクリラート、ビニルピロリドン、N−ビニルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリラート、イソブチルメタクリラート、スチレン、エトキシエチルメタクリラート、メトキシトリエチレングリコールメタクリラート、グリシジルメタクリラート、ジアセトンアクリルアミド、ビニルアセタート、アクリルアミド、ヒドロキシトリメチレンアクリラート、メトキシメチルメタクリラート、アクリル酸、メタクリル酸、グリセリルメタクリラート、及びジメチルアミノエチルアクリラートのコポリマーを含む。 他の適切なヒドロゲル材料は、メチルビニルカルバゾール又はジメチルアミノエチルメタクリラートを有するコポリマーを含む。 適切なヒドロゲルの他の群は、重合性材料、例えば、改質ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びポリビニルアミン(例えば U
    .S. Patent No. 5,508,317(Beat Mallerに発行されている)及び国際特許出願N
    o. PCT/EP96/01265に開示されている)を含む。 非常に適切なヒドロゲル材料の 更に別の群は、シリコーンコポリマー(国際特許出願 No. PCT/EP96/01265に記 載されている)を含む。 本発明のための適切なガス透過性硬質材料は、架橋されたシロキサンポリマーを含む。 そのようなポリマーの網目組織は、適切な架橋剤、例えばN,N′−ジメチルビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリラート、トリヒドロキシプロパントリアクリラート、ペンタエリスリトールテトラアクリラート、及び他の同様の多官能性アクリラート又はメタクリラート、あるいはビニル化合物、例えばN−メチルアミノジビニルカルバゾールを組み入れている。 適切な硬質材料は、アクリラート、例えばメタクリラート、ジアクリラート及びジメタクリラート、ピロリドン、スチレン、アミド、アクリルアミド、
    カーボナート、ビニル、アクリロニトリル、ニトリル、スルホンなどを含む。 適切な材料のうち、ヒドロゲル材料は、本発明に特に適切である。

    【0062】 本発明により、第一の光学素子及びHOEは、複合有効レンズ実施態様の一つが実施されるとき、薄層に分けられるか、又はHOEは、第一の光学素子中に埋め込まれ、有効レンズを形成する。 更に、眼用の有効レンズが非−生物学的に適合性HOEを用いて製造されるとき、HOEは第一の光学素子中に埋め込まれ、
    HOEは長期の角膜の健康に悪影響を与えるかも知れないので、HOEは、直接に眼の環境と接触しない。 別の方法として、上記に議論したように、この有効なレンズは、生物学的に適合し得るHOEを製造することができ、HOEは有効レンズの回折及び屈折作用の両方を提供することができる。

    【0063】 図9は、本発明の別の実施態様を示している。 二焦点眼鏡レンズ50は、第一の屈折率52(これは屈折率を提供する)を有する第一の光学材料の層及びHO
    E54(それは、第二の屈折率を提供する)の層を薄層に分けることにより形成される。 二つの層は、別々に作られ、次いで例えば、熱的に又は接着で結合される。 複合レンズは、引き続いて眼鏡フレームに機械的に合わせ、一組の二焦点メガネを提供する。 第一の光学材料52は、眼のガラス、例えばガラス、ポリカーボナート、ポリメチルメタクリラートなどを製造するための慣用の光学材料であり、そしてHOEは、前述したように、入射光を焦点するようにプログラムされることができるいかなるホログラム光学材料でもある。 別の方法として、二焦点眼鏡レンズは、形状化されたHOEから製造することができ、HOEの光学形状は、HOEが活性化されないときに屈折率を提供し、HOEの体積回折格子構造が、それが活性化されるとき、回折能を提供する。

    【0064】 本発明の多焦点光学レンズは、有効にかつ選択的に制御され、慣用の二焦点レンズと異なり、レンズの多の屈折率から光学干渉なしか又は実質的になしに一時に一つの所望の屈折率を提供する。 更に、有効レンズのHOEをプログラムし得る特性は、レンズを、慣用の矯正光学レンズにより容易に調節できない非正視状態を矯正するために高度に適切にする。 例えば、有効レンズは、対象光及び参照光の相関位置を特定的に設計することにより、不規則な乱視状態の不均一かつ曲げられた角膜曲率のための矯正手段を有するようにプログラムされるこことができる。

    【0065】 本発明は、以下の実施例で更に説明される。 しかしながら、この実施例は、それに加えて、本発明を制限するものとして考えるべきではない。

    【0066】

    【実施例】

    実施例1:Nelfilcon A レンズモノマー組成物約0.06mlを、成形用型の雌型の型半分の中心部分に置き、対応する成形用型の雄型の型半分を雌型の型半分の上に置きレンズの成形品の部品を形成させた。 成形用型の雄型の型半分は、雌型の型半分に接触しておらず、それらは約0.1mmで分離されている。 レンズの型半分は、石英から調製され、直径約15mmの中心の円形レンズ部分を除いて、クロムで遮蔽されている。 簡単には、Nelfilcon A は、アクリルアミド架橋剤約0
    . 48mmol/gを含む架橋性の改質されたポリビニルアルコールの生成物である。
    ポリビニルアルコールは、約7.5mol%のアセタート含量を有する。 Nelfilcon
    A は、約31%の固形含量を有し、光開始剤、Durocure(登録商標)1173の約 0.1%を含む。 閉じられたレンズ成形用型部品を、レーザー装置の下に置いた。 レーザー装置は、351nmの波長を有する二つの可干渉性の平行にされたUV
    レーザービームを提供し、そこで、一つのビームは、光学凸レンズを通りそれにより焦点は、レンズ成形用型部品から500mm離れて形成される。 焦点を結んだ光は、点源対象光として形成される。 対象光と参照光の経路の間に形成される角度は、約7°である。 この装置は、2ジオプターの加えられた矯正屈折率を有するHOEを提供する。 このレンズモノマー組成物は、約0.2ワットを有するレーザービームに約2分間曝露し、完全に組成物を重合させ、かつ干渉縞模様を形成させた。 レンズの成形用型は、中心部分を除いて遮蔽されているので、成形用型の円形の中心部分で暴露されたレンズモノマーは、対象光と参照光に付され、
    重合される。 成形用型の部品は、開かれ、成形用型の雄型半分に付着しているレンズを分離する。 Nelfilcon A レンズモノマー組成物約0.06mlを、再び、成形用型の雌型の型半分の中心部分に置き、対応する成形用型の雄型の型半分を雌型の型半分の上に置いた。 成形用型の雄型半分と雌型半分は、約0.2mmで分離されている。 閉じられた成形用型の部品を、光学凸面レンズが対象光装置から移動されることを除いて、再びレーザー装置に暴露した。 このモノマー組成物は、
    再び約2分間レーザービームに暴露し、この組成物を完全に重合させ、かつ干渉縞模様の第二の層を形成させた。

    【0067】 得られた複合レンズは、レンズの形状及びレンズ材料の屈折率に基づく屈折率、並びに活性化し得る+2ジオプターの更なる矯正屈折率を有する。

    【0068】 実施例2:ポリビニルアルコール(Mowiol 4-88、これはHoechst AGから入手し 得、87.7%加水分解レベルであり、約31,000のMw(g/mol)を有 する)110gを脱イオン水440gに90℃で溶解し、22℃に冷却した。 メタクリルアミドアセトアルデヒドの20.6%水溶液100.15g、濃塩酸(
    377% pa,Merck)38.5g及び脱イオン水44.7gを加えた。 混合物 を室温で22時間攪拌し、次いで5%NaOH溶液でpH7.0に調節した。 溶液を脱イオン水3リットルで希釈し、ろ過し、次いでFiltronによる1−KD-オメガ膜を用いて限外ろ過した。 三倍の試料容積を繰り返した後、溶液を濃縮した。
    粘度210cpsを有するポリビニルアルコールのメタクリルアミドアセトアルデ ヒド−1,3−アセタールの17.9%溶液の660gを得た。 NMRでの研究により、OH基の11mol%が、アセタール化され、OH基の5mol%がアセチル化され、減圧下での水性ポリマー溶液の濃縮は、3699cpsの粘度を有する3 0.8%溶液を与えた。

    【0069】 ポリマー含量に基づいて、 Durocure(登録商標)1173の0.7%を、この3 0.8%溶液に加えた。 溶液をポリプロピレンの透明な、コンタクトレンズ成形用型(それは、約100imの中心キャビティ厚さを有している)に導入し、次いで成形用型を閉じた。 この溶液を200ワットOrielUVランプを用いて18cm の距離から6秒間照射した。 成形用型を開き、透明レンズを取り出した。 このコンタクトレンズは、生物学的に適合し得るものであり、すなわちこのレンズは、
    眼の環境に有害な影響をもたらさずに長期間眼に装着することができ、そしてレンズの率及びたわみ長さは、0.9mPaであり50%である。

    【0070】 実施例3:アザラクトン改質ポリビニルアルコールを以下のようにして製造した。 ポリビニルアルコール(Mowiol 4-98、これはHoechst AGから入手し得、98 .4%加水分解レベルであり、約27,000のMw(g/mol)を有する)2 5gを、機械的攪拌装置を有する200ml丸底フラスコのDMSO100g中へ65℃で溶解した。 触媒(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−
    7−エン)0.5gを加え、次いで7.14g(0.051mol) of 2−ビニル−4,4−ジメチル−アザラクトン7.14g(0.051mol)を加えた。 混 合物を24時間65℃で連続的に攪拌した。 得られた改質ポリマーを、激しく攪拌しながらアセトン1リットル中で沈殿させた。 沈殿物をろ過し、乾燥した。 この改質ポリマーは、アザラクトンと反応したポリビニルアルコールのOH基の約9mol%を有する。 改質されたポリマーは、DMSOに溶解し、約30%溶液を 提供し、そしてIrgacure(登録商標)2959を加え、光開始剤の0.1%溶液を生成させた。 改質された架橋性ポリマー溶液の約0.6mlを、石英スライド(これは、顕微鏡の寸法を有する)上に置き、そして第二の石英スライドをその溶液の上に置いた。 スペサーとして、100imスペサーをスライドの間に保持した。 スライドの間に置かれたこの架橋性溶液を、実施例1の第一の記録工程に記載したようにH
    OE記録工程に付した。 選られたHOEは、約50%の回折効率を有する。 上記の例は、本発明の重合性光学材料(それは、本発明の範疇で選択される)
    は、光学レンズ、例えば多焦点コンタクトレンズを含む種々の用途に用いることができる、ホログラフィック光学素子(HOE)、特に生物学的に適合し得るH
    OEを製造することを示している。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、本発明の有効な眼用レンズを示している。

    【図2】 図2は、本発明の有効なレンズのためのホログラフィック光学素子の回折機能を示している。

    【図3】 図3は、本発明の有効な眼用レンズを示している。

    【図4】 図4は、ホログラフィック光学素子の透過機能を示している。

    【図5】 図5は、素子が活性されたとき、ホログラフィック光学素子の回折機能を示している。

    【図6】 図6は、ホログラフィック光学素子を製造するための典型的方法を示している。

    【図7】 図7は、ホログラフィック光学素子の屈折率を示している。

    【図8】 図8は、本発明の組合せホログラフィック光学素子を示している。

    【図8A】 図8Aは、本発明の組合せホログラフィック光学素子を示している。

    【図8B】 図8Bは、本発明の組合せホログラフィック光学素子を示している。

    【図9】 図9は、本発明の眼鏡複合レンズを示している。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 2H006 BA01 BB06 BB08 BC03 BD00 2H049 CA09 CA17 CA28 CA30 2K008 AA00 BB04 DD12 EE01 FF17

    QQ群二维码
    意见反馈