電子レンズ及び電子アイウェア

申请号 JP2017141126 申请日 2017-07-20 公开(公告)号 JP2017194713A 公开(公告)日 2017-10-26
申请人 三井化学株式会社; 发明人 ブラム ロナルド ディー; アダムズ ソフィー; ボイド デイビット; クロンパス リチャード; グラハム マーク; ハドック ジョシュア; ホール ロバート; イエール ヴェンキ; ココナスキー ウィリアム; ウィリー チャールズ; ワン ヨンピン; ロンガ クローディオ ダラ;
摘要 【課題】組み付けが容易で装着時に不快感が生じるのを抑制できる電子レンズ及び電子アイウェアを提供する。 【解決手段】回折 基板 7110及び蓋基板7150では、IOTレーザトリミングプロセスにおいて、電気的接点7130間の短絡を回避するため電気的接点7130及び電気活性領域7120を含む領域7140、7160、7170がレーザトリミングされてIOTが除去される。また、回折基板7110と蓋基板7150とは、蓋基板7150を回折基板7110の上に 位置 合わせして組み付けられる。 【選択図】図71A
权利要求

互いに対向された2つのレンズ基板と、 前記2つのレンズ基板の間に配置された電気活性部と、 前記2つのレンズ基板の上縁部に対で設けられ、前記電気活性部を制御する電気信号が入される一対の電極と、 を有し、前記一対の電極は、互いに平行とされて前記レンズ基板の上縁部から中央部に向けられている電子レンズ。前記電気活性部は、液晶である請求項1に記載の電子レンズ。前記一対の電極は、前記2つのレンズ基板の間に配置された一対の内部電極である請求項1又は請求項2に記載の電子レンズ。前記一対の電極は、端部が前記レンズ基板の上縁部において露出されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電子レンズ。前記一対の電極は、伝導性ポリマー又は金属の透明な伝導性材料により形成されている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電子レンズ。前記一対の電極には、外部と電気的に接続される外部電極が塗布されている請求項1から請求項5の何れか1項に記載の電子レンズ。前記2つのレンズ基板のうち一方は、周期的な溝構造を有する回折基板である請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電子レンズ。前記2つのレンズ基板は、ブランク、セミフィニュッシュトブランク、又はフィニッシュトレンズである請求項1から請求項7の何れか1項記載の電子レンズ。前記電子レンズは、焦点を変化させる電気活性レンズ、色透過を変化させるエレクトロクロミックレンズ、エレクトロサーモクロミックレンズ、曇り止めレンズ、静電気防止レンズ、又は内蔵電気ディスプレイを備えたレンズである請求項1に記載の電子レンズ。互いに対向された2つのレンズ基板、前記2つのレンズ基板の間に配置された電気活性部、及び前記2つのレンズ基板の上縁部に対で設けられ、前記電気活性部を制御する電気信号が入力される一対の電極を有する電子レンズと、 前記電子レンズを保持するフレームと、 一端側が前記電子レンズの前記一対の電極に接続された可撓ケーブルと、 前記可撓ケーブルの他端側と電気接続され、給電されることで前記電気活性部を制御する電気信号を出力する電子制御モジュールと、 を有し、前記一対の電極は、互いに平行とされて前記レンズ基板の上縁部から中央部に向けられている電子アイウェア。前記可撓ケーブルは、前記フレームのキャビティ内に配置されている請求項10に記載の電子アイウェア。前記可撓ケーブルは、伝導性材料を含み、少なくとも2つの個別の伝導性経路を有する請求項10又は請求項11に記載の電子アイウェア。前記フレームは、2つの前記電子レンズを保持し、 前記可撓ケーブルは、前記電子レンズの各々について2つずつの伝導性経路を有する請求項10から請求項12の何れか1項に記載の電子アイウェア。前記電子レンズは、焦点を変化させる電気活性レンズ、色透過を変化させるエレクトロクロミックレンズ、エレクトロサーモクロミックレンズ、曇り止めレンズ、静電気防止レンズ、又は内蔵電気ディスプレイを備えたレンズである請求項10から請求項13の何れか1項に記載の電子アイウェア。

说明书全文

関連出願の相互参照 [0001] 本発明は、以下の仮出願からの優先権を主張し、参照によりこれら全体を組み込むものとする。

[0002] 2012年6月14日に出願された米国出願第61/659,672号 [0003] 2012年6月28日に出願された米国出願第61/665,394号 [0004] 2012年6月28日に出願された米国出願第61/665,404号 [0005] 2012年7月11日に出願された米国出願第61/670,180号 [0006] 2012年7月20日に出願された米国出願第61/674,123号 [0007] 2012年9月14日に出願された米国出願第61/701,395号 [0008] 2013年6月12日に出願された米国出願第13/916,480号

[0009] 本発明は、一般に電子眼鏡に関する。更に具体的には、本発明は、電子装置、眼鏡フレーム装置、及び、いかなるフレームタイプ、スタイル、又はサイズにも適合する電子眼鏡を組み立てるための、それらの組み合わせ及び部分的な組み合わせ(sub-combination)を製造する方法を提供する。

[0010] 電気活性レンズ(electro-active lens)は、一般に、電の印加及び除去により電気活性材料(例えば液晶材料)の屈折率を変化させることによって、ある範囲の調節可能な屈折力(optical power)を提供する。従来の電気活性レンズ及び眼鏡は、(a)制御電子素子と電気活性レンズとの間に電気的接続を提供し、(b)電気活性レンズを再充電し、(c)そのコンポーネントの重量を軽くして着用者の経験をいっそう快適にするための、外見上容認できて、しかも実用的な機構を提供することができない。

[0011] 従って、外見上容認でき、しかも容易に埋め込み可能であるように、いかなるタイプのフレームにも収容することができる電気活性レンズに接続してこれを制御するための軽量で一体型の電子装置が必要とされている。更に、便利な充電デバイスも必要である。

本発明は、組み付けが容易で装着時に不快感が生じるのを抑制できる電子レンズ及び電子アイウェアの提供を目的とする。

[0012] デバイスが提供される。このデバイスは、フレーム前部につるを回転可能に取り付けるように適合された眼鏡フレームのためのヒンジを有する。ヒンジは回転軸を有する。ヒンジは上部回転可能接続部を有する。上部回転可能接続部は、第2の上部に回転可能に接続された第1の上部を有し、回転軸を中心に回転可能である。ヒンジは、下部回転可能接続部も有する。下部回転可能接続部は、第2の下部に回転可能に接続された第1の下部を有し、回転軸を中心に回転可能である。回転軸に沿って、上部回転可能接続部と下部回転可能接続部との間に間隙が配置されている。この間隙を通って導電体が延出する。

[0013] 一実施形態において、第1の上部及び第2の上部は第1のねじによって回転可能に接続され、第1の下部及び第2の下部は第2のねじによって回転可能に接続されている。第2のねじは、第1のねじに対して反対周りのねじ山を有する。

[0014] 一実施形態において、第1の下部はピンを有すると共に第2の下部は孔を有し、ピンが孔に回転可能に嵌合するようになっている。別の実施形態では、第1の上部はピンを有すると共に第2の上部は孔を有し、ピンが孔に回転可能に嵌合するようになっている。

[0015] 一実施形態において、デバイスは眼鏡フレームである。眼鏡フレームは、相互にヒンジによって回転可能に接続されたつる及びフレーム前部を有する。ヒンジは、1個の眼鏡をユーザが着用する際のフレーム前部及びつるの位置に相当する開位置と、1個の眼鏡が折り畳まれた際のフレーム前部及びつるの位置に相当する閉位置と、を有する。開位置、閉位置、及びそれらの間の全ての回転位置において、導電体がつるからフレーム前部までヒンジの回転軸を通って延出する経路が間隙内に存在する。

[0016] 一実施形態において、第1の上部及び第2の下部は、相互に及びフレーム前部に対して堅固に接続されている。第2の上部及び第2の下部は、相互に及びつるに対して堅固に接続されている。

[0017] 一実施形態において、導電体は、ヒンジの回転軸に対する垂直方向の10度以内の向きで間隙を横切る。

[0018] 一実施形態において、導電体はワイヤである。別の例では、導電体は可撓ケーブルである。一実施形態では、導電体、ワイヤ、又は可撓ケーブルはサービスループを有する。

[0019] 一実施形態において、眼鏡フレームは、フレーム前部によって支持されたレンズを有する。レンズは第1の電気的コンポーネントを有し、第2の電気的コンポーネントはつるに支持されている。電気的コンポーネントは、つる内に収容するか、又はつるに取り付けることができる。

[0020] 一実施形態において、導電体は、第1の電気的コンポーネントと第2の電気的コンポーネントとの間に伝導経路を与える。そうすることで、レンズの第1の電気的コンポーネントに電気信号を供給する。

[0021] 一実施形態において、第1の電気的コンポーネントは、レンズの上縁部に沿って配置された電気的接点を有する。

[0022] 一実施形態において、第2の電気的コンポーネントは、電源に結合された電子制御モジュールを有する。

[0023] 一実施形態において、レンズは電子レンズである。

[0024] 一実施形態において、眼鏡フレームはリムロック(rim-lock)を含む。リムロックは、フレーム前部の下部に結合された第1のリムロック部と、フレーム前部の上部に結合された第2のリムロック部と、を有する。第1のリムロック部は、ヒンジの第1の上部及び第1の下部に一体的に(integrably)接続されている。

[0025] 一実施形態において、デバイスが提供される。このデバイスは、上縁部を有する第1の眼鏡レンズと、この第1のレンズの上縁部に沿って配置された第1の電気的接点と、を含む。第1の電気的接点は、第1のレンズ内の第1の伝導性経路に電気的に接続されている。また、デバイスは、第1のレンズの上縁部に沿って配置された第2の電気的接点も有する。第2の電気的接点は、第1のレンズ内の第2の伝導性経路に電気的に接続されている。

[0026] 一実施形態において、第1及び第2の伝導性経路は、相互に平行な方向の10度以内にあると共に、平方向に対する垂直方向の10度以内にある。

[0027] 一実施形態において、第1の伝導性経路は、レンズのフィッティングポイントの第1の側に対して8mmから15mmまでに位置し、第2の伝導性経路は、レンズのフィッティングポイントの第2の側に対して8mmから15mmまでに位置する。

[0028] 一実施形態において、第1及び第2の伝導性経路間の度は、垂直線に対して10度から30度である。

[0029] 一実施形態において、第1及び第2の伝導性経路は、レンズの上縁部から中央へ向かって延出する。

[0030] 一実施形態において、デバイスは眼鏡レンズである。

[0031] 一実施形態において、デバイスは眼鏡である。この眼鏡は、フレーム前部と、このフレーム前部に回転可能に取り付けられた第1のつると、を有する。また、眼鏡は、フレーム前部に回転可能に取り付けられた第2のつるも有する。第1のレンズはフレーム前部によって支持され、上縁部を有する第2のレンズもフレーム前部によって支持されている。第2のレンズは、上縁部に沿って配置された第3の電気的接点も含む。第3の電気的接点は、第2のレンズ内の第3の伝導性経路に電気的に接続されている。第2のレンズは、上縁部に沿って配置された第4の電気的接点を有する。第4の電気的接点は、第2のレンズ内の第4の伝導性経路に電気的に接続されている。

[0032] 一実施形態において、眼鏡は、第1のつる内に収容されたか又は第1のつる上にある電子素子を含む。また、眼鏡は、電子素子と第1の電気的接点との間の第1の伝導性経路と、電子素子と第2の電気的接点との間の第2の伝導性経路と、を含む。

[0033] 一実施形態において、第1の伝導性経路は、電子素子、第1の電気的接点、及び第3の電気的接点の間にある。第2の伝導性経路は、電子素子、第2の電気的接点、及び第4の電気的接点の間にある。

[0034] 一実施形態において、第1及び第2の伝導性経路は、可撓ケーブル内の別個のラインによって提供される。一実施形態では、可撓ケーブルは、第1、第2、第3、及び第4の接点にそれぞれ電気的に接続するように適合された第1、第2、第3、及び第4のタブを備えている。一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路は、第1のワイヤ及び第2のワイヤによって提供される。

[0035] 一実施形態において、デバイスは眼鏡であり、第1及び第2のレンズは電子レンズである。

[0036] 一実施形態において、電気ケーブルを電気コネクタに接続するための方法が提供される。この方法は、第1の露出伝導性領域を有する第1の電気ケーブルと、キャビティを有するフレーム前部と、縁部上に第1の電気的接点を有する第1のレンズと、を提供することを含む。この方法は、第1の電気ケーブルをキャビティ内に配置することと、レンズの縁部をキャビティ内に配置することと、を含み、第1の電気的接点及び第1の露出伝導性領域を近接させる。第1の露出伝導性領域に第1の電気的接点を結合するために、伝導性密封剤の第1の部分を塗布する。

[0037] 一実施形態において、第1の露出伝導性領域に第1の電気的接点を結合することは、第1の電気的接点を密閉して、第1の露出伝導性領域に電気的かつ機械的に接続することを伴う。

[0038] 一実施形態において、第1の電気ケーブルは第2の露出伝導性領域を有する。更に、第1の露出領域を含む第1のタブと、第2の露出領域を含む第2のタブと、を有する。

[0039] 一実施形態において、第1及び第2のタブは貫通孔である。

[0040] 一実施形態において、第1のレンズはフレーム前部によって支持されている。

[0041] 一実施形態において、縁部上に第2の電気的接点を有する第2のレンズも、フレーム前部によって支持されている。

[0042] 一実施形態において、この方法は、第2の露出領域に第2の電気的接点を結合するために伝導性密封剤の第2の部分を塗布することを更に含む。

[0043] 一実施形態において、キャビティ内に第1のレンズを配置する前に、伝導性密封剤の第1の部分を、フレームの孔を介して塗布する。

[0044] 一実施形態において、キャビティ内に第1のレンズを配置した後に、伝導性密封剤の第1の部分を、フレーム前部の孔を介して塗布する。

[0045] 一実施形態において、伝導性密封剤は伝導性充填材である。

[0046] 一実施形態において、この方法は、伝導性密封剤を硬化させることを更に含む。

[0047] 一実施形態において、この方法は、伝導性密封剤を塗布する前に、第1の電気的接点にプライマー(primer)を塗布して硬化させるステップを更に含む。一実施形態では、この方法は、プライマーを塗布した後であって伝導性密封剤を塗布する前に、第1の電気的接点に伝導性ペイントを塗布することを更に含む。

[0048] 一実施形態において、プライマーは電気的接点の材料と同様の材料である。

[0049] 一実施形態において、電気ケーブルは可撓ケーブルである。

[0050] 一実施形態において、第1のレンズは電子レンズである。

[0051] 一実施形態において、一体型電子アセンブリを有するデバイスが提供される。一体型電子アセンブリは、電子制御モジュールと、この電子制御モジュールを、電源に接続するように適合されたコネクタに結合するように適合された第1の伝導リンクと、を含む。一体型電子アセンブリは、電子制御モジュールに結合された第2の伝導リンクも含む。第2の伝導リンクは、絶縁材料と、この絶縁材料における第1及び第2の露出伝導性領域と、を有する。

[0052] 一実施形態において、第1及び第2の伝導リンクは、電子制御モジュールに一体的に取り付けられている。

[0053] 一実施形態において、第1及び第2の伝導リンクは可撓ケーブルである。一実施形態では、第1及び第2の伝導リンクは、可撓ケーブルにおける第1及び第2の絶縁層間に配置されている。

[0054] 一実施形態において、第1の伝導リンクは、絶縁材料で包まれた伝導チューブと、電源に結合された第1の電気コネクタと、電子制御モジュールに結合された第2の電気コネクタと、を有する。電子制御モジュールは、可撓ケーブルに一体的に取り付けられている。

[0055] 一実施形態において、第1の伝導リンク、電子制御モジュール、及び第2の伝導リンクは、耐熱性の材料から作成されている。

[0056] 一実施形態において、電源は1つ以上の電源デバイスを含む。

[0057] 一実施形態において、電子制御モジュールは電源によって給電される。

[0058] 一実施形態において、デバイスは、1個の眼鏡に組み込まれるように構成されている。

[0059] 一実施形態において、デバイスは1個の眼鏡である。一実施形態では、眼鏡は、電源を収容するように構成されたつると、ヒンジによってつるに回転可能に取り付けられたフレーム前部と、レンズと、を有する。レンズは、上縁部に沿って配置された複数の電気コネクタを有する。

[0060] 一実施形態において、第1の伝導リンクはつるを通って延出し、電源を電子制御モジュールに結合する。

[0061] 一実施形態において、第2の伝導リンクはつる及びフレーム前部を通って延出し、電子制御モジュールをレンズの複数の電気コネクタに結合する。第2の伝導リンクは、複数の電気信号をレンズに供給することができる。

[0062] 一実施形態において、第1及び第2の伝導リンクは、それぞれ第1及び第2のサービスループを有する。

[0063] 一実施形態において、第1の伝導リンク、電子制御モジュール、及び第2の伝導リンクは、つるの製造中につる内に射出成形される。

[0064] 一実施形態において、電源が着脱可能かつ再充電可能である。

[0065] 一実施形態において、レンズは電子レンズである。

[0066] 一実施形態において、一体型電子アセンブリは、つるのキャビティ内部にカバーで密閉されている。様々な実施形態によれば、カバーはつるのキャビティにスナップ式に留められているか、超音波溶接されているか、レーザ溶接されているか、又は接着剤で貼り付けられている。

[0067] 一実施形態において、プロセスが提供される。眼鏡レンズ基板が提供される。眼鏡レンズ基板は、少なくとも1つの内部電極を有する。眼鏡レンズ基板は、エッジングして、少なくとも1つの内部電極の端部を露出させる。エッジング(edging)の後、レーザ源を用いて、少なくとも1つの内部電極の端部から余分な非伝導性材料を除去する。

[0068] 一実施形態において、レーザ源はパルスレーザ源である。

[0069] 一実施形態において、眼鏡レンズのエッジングは、眼鏡レンズフレームに嵌まる形状に眼鏡レンズを形成することを含む。余分な非伝導性材料を除去した後、眼鏡レンズを眼鏡レンズフレームに取り付けることができる。

[0070] 一実施形態において、眼鏡レンズのエッジングは、カッティングツール及び研磨ツールから成る群からの少なくとも1つのツールを用いることを含む。

[0071] 一実施形態において、余分な非伝導性材料の除去は、パルスレーザ源を、少なくとも1つの電極の端部上の約200マイクロメータのスポットサイズに集束させることを含む。

[0072] 一実施形態において、エッジングの間に眼鏡レンズの縁部に溝を形成する。

[0073] 一実施形態において、余分な非伝導性材料の除去が、パルスレーザ源のビームをラスターパターンにラスター化することを含む。一実施形態では、余分な非伝導性材料の除去は、ラスターパターンを用いて、眼鏡レンズの縁部に沿って存在する溝に平行な重複パスを伝達することを更に含む。

[0074] 様々な実施形態において、余分な非伝導性材料の除去は、パルスエキシマレーザ源、パルス二酸化炭素レーザ源、パルス窒素レーザ、又はパルスネオジウムベースレーザ源を用いることを含む。

[0075] 一実施形態において、この方法は、眼鏡レンズの縁部に伝導性材料を塗布することを更に含む。伝導性材料の塗布は、導電性プライマー、導電性ペイント、導電性接着剤、又は導電性密閉剤を塗布することを含む。

本発明の態様によれば、組み付けが容易で装着時に不快感が生じるのを抑制できる。

[0076] 本明細書に組み込まれてその一部を形成する添付図面は、本発明を例示し、記載と共に、本発明の原理を説明し、当業者が本発明の生成及び使用を行うことを可能とするように機能する。

[0077] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のための着脱可能電源パックを示す。

[0077] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のための着脱可能電源パックを示す。

[0078] 本発明の一態様に従った図1の電源パックの断面図を示す。

[0079] 本発明の一態様に従った電源充電器を示す。

[0080] 本発明の一態様に従った電源充電器を示す。

[0081] 本発明の一態様に従った電源充電器を示す。

[0082] 本発明の一態様に従ったつる挿入部及び電子素子アセンブリを示す。

[0082] 本発明の一態様に従ったつる挿入部及び電子素子アセンブリを示す。

[0083] 本発明の一態様に従ったつる挿入部及び電子素子アセンブリを示す。

[0083] 本発明の一態様に従ったつる挿入部及び電子素子アセンブリを示す。

[0084] 本発明の一態様に従った眼鏡フレームつるのための電線管を示す。

[0084] 本発明の一態様に従った眼鏡フレームつるのための電線管を示す。

[0085] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のための電子制御モジュールを示す。

[0086] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のための電子制御モジュールの別の図を示す。

[0087] 電子眼鏡用のつるを示す。

[0088] 本発明の一態様に従った、つると、つる内に収容されたか又はつる上にある様々なコンポーネントと、を示す。

[0088] 本発明の一態様に従った、つると、つる内に収容されたか又はつる上にある様々なコンポーネントと、を示す。

[0089] 本発明の一態様に従ったつるの一部を着脱可能電源パックと共に示す。

[0090] 本発明の一態様に従ったつるの一部を着脱可能電源パックと共に示す。

[0091] 本発明の一態様に従った図14のつるの一部を、つるに挿入された着脱可能電源パックと共に示す。

[0092] 本発明の一態様に従った、つるの一部、着脱可能電源パック、及びフォンケーブルを介した電源パックに対する電気的接続を示す。

[0093] 本発明の一態様に従った図16のつるの一部を示すが、様々なコンポーネントを図示するために上部を除去している。

[0094] 本発明の一態様に従った図16のつるの一部を示し、内部構造を図示する。

[0095] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のつるを示す。

[0096] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のつるの一部及びその様々なコンポーネントを示す。

[0097] 本発明の一態様に従った図20のつるの一部の別の直交図を示す。

[0098] 本発明の一態様に従った、上面を取り外した電子眼鏡のつるの一部及びその内部構造を示す。

[0099] 本発明の一態様に従った電気コネクタ及びその内部配線を示す。

[00100] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに結合するように適合された可撓ケーブルの一部を示す。


[0100] 本発明の一態様に従った、可撓ケーブルの2つの伝導性経路及びそれらの電子眼鏡の部分に対する電気的接続を示す。

[0101] 本発明の一態様に従った電子眼鏡の一部を示し、つるを通って延出する可撓ケーブルを示す。

[0102] 本発明の一態様に従った、つる内に収容された電子眼鏡のための電子制御モジュールの一部及びその可撓ケーブルの一部に対する接続を示す。

[0103] 本発明の一態様に従った電子眼鏡及びその様々なコンポーネントを示す。

[0104] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のフレーム前部を通って延出する可撓ケーブルを示す。

[0104] 本発明の一態様に従った可撓ケーブルの断面図を示す。

[0105] 本発明の一態様に従った、電子眼鏡のための電子制御モジュールに接続された可撓ケーブルのサービスループを示す。

[0106] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジを示す。

[0107] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジを示す。

[0107] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジを示す。

[0108] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するリムロックを示す。

[0108] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するリムロックを示す。

[0108] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するリムロックを示す。

[0109] 本発明の一態様に従った電子眼鏡、及び、フレーム前部につるを結合するヒンジの拡大図を示す。

[0110] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するリムロック結合の上から見た図を示す。

[0111] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジ及びリムロックアセンブリの直交図を示す。

[0111] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジ及びリムロックアセンブリの直交図を示す。

[0111] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合するヒンジ及びリムロックアセンブリの直交図を示す。

[0112] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合する図36のヒンジを貫通する可撓ケーブルの直交図を示す。

[0112] 本発明の一態様に従った、フレーム前部につるを結合する図36のヒンジを貫通する可撓ケーブルの直交図を示す。

[0113] 本発明の一態様に従った、図36のヒンジ及びリムロックアセンブリの別の図を示す。

[0114] 本発明の一態様に従った、図36のつるの一部を示す。

[0115] 本発明の一態様に従った別のヒンジ及びこのヒンジを通ってフレーム前部へと延出する可撓ケーブルを示す。

[0116] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のフレーム前部を示す。

[0117] 本発明の一態様に従った電気活性レンズ及びこのレンズの様々な層の断面図を示す。

[0118] 本発明の一態様に従った、図42のレンズの断面図の走査電子顕微鏡画像を示す。

[0119] 本発明の一態様に従った、図42のレンズの断面図の走査電子顕微鏡画像を示す。

[0120] 本発明の一態様に従った、図42のレンズの断面図の走査電子顕微鏡画像を示す。

[0121] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに対して電気的接続を形成するためのプロセスステップを示す。

[0121] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに対して電気的接続を形成するためのプロセスステップを示す。

[0121] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに対して電気的接続を形成するためのプロセスステップを示す。

[0121] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに対して電気的接続を形成するためのプロセスステップを示す。

[0121] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズに対して電気的接続を形成するためのプロセスステップを示す。

[0122] 本発明の一態様に従った、図46の電気活性レンズに対して電気的接続を形成するための方法を説明するフローチャートを示す。

[0123] 本発明の一態様に従った可撓ケーブルの一部及び接続タブの構造の上から見た図を示す。

[0124] 本発明の一態様に従った可撓ケーブルの一部及びその様々なコンポーネントの拡大図を示す。

[0125] 本発明の一態様に従った図49の可撓ケーブルのコンポーネントの層構造の断面図を示す。

[0126] 本発明の一態様に従った電子眼鏡のフレーム前部における伝導性密封剤ポートを示す。

[0127] レンズフィッティングカットアウトの概略図を示す。

[0128] 本発明の一態様に従った最適な屈折力分布の棒グラフを示す。

[0129] 本発明の一態様に従った最適な屈折力のグラフを示す。

[0130] 屈折力分布の典型的な棒グラフを示す。

[0131] 屈折力変動の典型的なグラフを示す。

[0132] 本発明の一態様に従った屈折力分布の棒グラフを示す。

[0133] 本発明の一態様に従った屈折力変動のグラフを示す。

[0134] 本発明の一態様に従った屈折力分布の棒グラフを示す。

[0135] 本発明の一態様に従った屈折力変動のグラフを示す。

[0136] 本発明の一態様に従った屈折力分布の棒グラフを示す。

[0137] 本発明の一態様に従った屈折力変動のグラフを示す。

[0138] 本発明の一態様に従った、レンズの電気活性コンポーネント全体を通した屈折力変動のグラフを示す。

[0139] 本発明の一態様に従った電気活性帯の分布を表す円グラフを示す。

[0140] 本発明の一態様に従ったレンズ部分を示す。

[0141] 本発明の一態様に従った、電気活性レンズの屈折力分布の2次元マップを示す。

[0142] レンズフィッティングカットアウトの概略図を示す。

[0143] 本発明の一態様に従ったレンズ部分を示す。

[0144] 本発明の一態様に従った電気活性レンズの様々な層の断面図を示す。

[0145] 本発明の一態様に従った電気活性レンズの製造におけるステップを説明するフローチャートを示す。

[0146] 本発明の一態様に従った製造プロセス中のレンズ基板の部分を示す。

[0146] 本発明の一態様に従った製造プロセス中のレンズ基板の部分を示す。

[0146] 本発明の一態様に従った製造プロセス中のレンズ基板の部分を示す。

[0147] 本発明の一態様に従ったフィッティング領域を示す電子眼鏡の概略図を示す。




[0148] 本発明の特性及び利点は、図面に関連付けて以下に述べる詳細な説明から、いっそう明らかとなろう。図面全体を通して、同様の参照符号は対応する要素を識別する。図面において、同様の参照番号は概ね、同一の要素、機能的に同様の要素、及び/又は構造的に同様の要素を示す。ある要素が最初に表される図は、対応する参照番号の最も左の数字(複数の数字)によって示される。


[0149] 本明細書は、本発明の特性を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示された実施形態(複数の実施形態)は、単に本発明を例示するに過ぎない。本発明の範囲は、開示された実施形態(複数の実施形態)に限定されない。多数の発明を記載することができる。本発明は、これに添付する特許請求の範囲によって規定される。


[0150] 記載する実施形態(複数の実施形態)、及び、本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「一例の実施形態」等の言及は、記載する実施形態(複数の実施形態)が特定の特性、構造、又は特徴を含み得るが、全ての実施形態が必ずしもその特定の特性、構造、又は特徴を含むわけではない場合もあることを示す。更に、そのような語句は必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。また、特定の特性、構造、又は特徴をある実施形態と関連付けて記載する場合、かかる特性、構造、又は特徴を他の実施形態と関連付けて実施することは、明示的に記載されていても記載されていなくても、当業者の知識内であることは理解されよう。


[0151] しかしながら、そのような実施形態を更に詳しく説明する前に、本発明の実施形態を実施可能な一例としての環境を提示することは有益である。


[0152] 電子眼鏡は、1つ以上の小型の再充電可能電池によって給電されるが、この電池は通常、動作時間が限られている。着用者は、電池を定期的に充電する必要があり得るので、ユーザにとって便利である適切な設計の電池パック及びその充電器が好ましい。現在、電子眼鏡の充電はユーザフレンドリではない。電子眼鏡を充電している場合、着用者はこれを着用することができない。従って、着用者が必要な時にいつでも眼鏡を着用することができるように電子眼鏡の充電を可能とする方法が必要である。


[0153] 本開示の実施形態は、つるの端部に挿入することができる着脱可能かつ再充電可能な電源を提供する。電源の一方を用いて、電子レンズに電気信号を送信する電子コンポーネントを動作させることができる。他方の電源は、第1の電源が放電した場合の交換用として他方のつるに保管しておくことができる。


[0154] 図1A及び図1Bは、それぞれ、電子眼鏡のための電池パック100の底面図及び上面図を示す。一例において、電力は電池によって供給される。しかしながら、太陽電池、燃料電池等の他の電源も使用可能であることは当業者には認められよう。このため、以下では電池パックを「電源パック」と称する。また、以下では、「電源」及び「電源パック」という用語は、図1に示すような電源パックモジュールを記述するために交換可能に用いることがある。


[0155] 電源パック100は、ばねの機械的接点150を備えたプラスチック筐体110及び電池120を備えている。一例において、電池120は、ねじ140によって所定の位置に保持された接点130を取り外すことによって交換することができる。電池120は、電気的接点160を介して様々なコンポーネントに電気的に結合することができる。一例では、電気的接点160は、電池120を所定の位置に保持するための保持器としても機能することができる。電気的接点160は、熱スタック(heat-stacked)支柱180によって留めることができる。電源パック100は、眼鏡フレームのつるに挿入し、つるから取り外すことができる。これは、ばねの機械的接点150を押すことによって容易に行われる。


[0156] 図2は、本開示の一実施形態による別の電源パック200の断面図を示す。図1と同様に、電源パック200は、プラスチック筐体210、電池220、及び電気的接点230を備えている。電源パック200は、この断面図には示していない他のコンポーネントを備える場合もあることは認められよう。一例において、電源パック200は長さが15mm、幅が10mmとすることができる。


[0157] 電源パックをつるから取り外したら、再充電のために電源充電器に置けばよい。一例では、アイウェア(eyewear)の電源充電器は、同時に多数の電池(又は電源パック)を充電し、個々の電池(又は電源パック)の充電状態を監視することができる。充電器は、給電されていない場合、着用者が予備の電源を保管するための支持台として機能することができる。このため、着用者は充電器から電源を外す必要はない。


[0158] 図3は、本開示の一態様に従った電源充電器300を示す。電源充電器300は、電池支持台310を備えている。電池支持台310は、プラスチック又は他の材料で形成することができる。図2の電源パック200等の電源パックを、ポート320によって充電器300に挿入することができる。また、電源充電器300はUSBプラグ330も備えることができる。USBプラグ330は、ラップトップコンピュータ等の携帯型電子デバイス上で電源パック200を直接充電することを可能とする。また、電源充電器300を携帯型として、必要な場合に電源を再充電するため着用者が簡便に持ち運ぶことも可能である。


[0159] 図4は、本発明の別の態様に従った別の電源充電器400を示す。電源充電器400は電池支持台410を備えている。電池支持台410は、プラスチック又は他の材料で作成することができる。図2の電源パック200等の電源パックを、ポート420によって充電器400に挿入することができる。また、電源充電器400は壁電源コネクタ430も備えることができる。一例において、壁電源コネクタ430は、110V又は220Vの送電系統に接続するように構成することができる。電源充電器400を様々な送電系統に接続するように適合可能であることは、当業者には認められよう。また、電源充電器400を携帯型として、必要な場合に電源を再充電するために着用者が簡便に持ち運ぶことも可能である。


[0160] 図5は、本発明の一態様に従った別の電源充電器500を示す。電源充電器500は、支持台510及び充電ポート520を備えている。一例において、電源は、つる530の着脱可能部分内に収容される。着脱可能部分530を、つるから取り外して、充電ポート520の内部に置くことができる。壁コンセント540を用いて、電源充電器500を送電系統に接続することができる。この代わりにプラグ330と同様のUSBプラグを使用可能であることは、当業者には認められよう。


[0161] 電子眼鏡は、電源の他に、一例に過ぎないが例えば制御モジュール、アンテナ、アラームインジケータ、及びディスプレイスクリーン等の様々な他の電子コンポーネントを備えることができる。これらのコンポーネントはつるに埋め込むか、又はつるに作成されたキャビティに挿入することができる。多くの場合、つるを介して様々な電子コンポーネントを接続するために、伝導性接続を有する必要がある。


[0162] 図1から図5の実施形態に提示したもののような電源パックを用いて、一体型電子アセンブリを構成する電子コンポーネントに給電することができる。


[0163] 一実施形態において、一体型電子アセンブリを有するデバイスが提供される。一体型電子アセンブリは、電子制御モジュールと、この電子制御モジュールを、電源に接続するように適合されたコネクタに結合するように適合された第1の伝導リンクと、を含む。一体型電子アセンブリは、電子制御モジュールに結合された第2の伝導リンクも含む。第2の伝導リンクは、絶縁材料と、この絶縁材料における第1及び第2の露出伝導性領域とを有する。


[0164] 一実施形態では、第1及び第2の伝導リンクは、電子制御モジュールに一体的に取り付けられている。


[0165] 一実施形態では、第1及び第2の伝導リンクは可撓ケーブルである。一実施形態では、第1及び第2の伝導リンクは、可撓ケーブルにおける第1及び第2の絶縁層間に配置される。


[0166] 一実施形態では、第1の伝導リンクは、絶縁材料で包まれた伝導チューブと、電源に結合された第1の電気コネクタと、電子制御モジュールに結合された第2の電気コネクタとを有する。電子制御モジュールは可撓ケーブルに一体的に取り付けられている。


[0167] 一実施形態では、第1の伝導リンク、電子制御モジュール、及び第2の伝導リンクは、耐熱性の材料により作成される。


[0168] 一実施形態では、電源は1つ以上の電源デバイスを含む。


[0169] 一実施形態では、電子制御モジュールは電源によって給電される。


[0170] 一実施形態では、一体型電子アセンブリは1個の眼鏡に組み込まれるように構成されている。


[0171] 一実施形態では、このデバイスは1個の眼鏡である。眼鏡は、電源を収容するように構成されたつると、ヒンジによってつるに回転可能に取り付けられたフレーム前部と、レンズと、を有することができる。レンズは、その上縁部に沿って配置された複数の電気コネクタを有する。


[0172] 一実施形態では、第1の伝導リンクはつるを通って延出し、電源を電子制御モジュールに結合する。


[0173] 一実施形態では、第2の伝導リンクはつる及びフレーム前部を通って延出し、電子制御モジュールをレンズの複数の電気コネクタに結合する。第2の伝導リンクは複数の電気信号をレンズに供給することができる。


[0174] 一実施形態では、第1及び第2の伝導リンクは、それぞれ第1及び第2のサービスループを有する。第1及び第2のサービスループは、つる及びフレーム前部の幾何学的形状に適合するように構成されている。例えば、レンズの外周上部は設計に応じて多様である場合があり、その外周に沿ってある程度のケーブルが必要になり得る。このサービスループを用いると、ある範囲にわたる様々な外周の長さに単一の伝導リンク長で対応することが可能となる。


[0175] 一実施形態では、第1の伝導リンク、電子制御モジュール、及び第2の伝導リンクは、つるの製造中につる内に射出成形される。


[0176] 一実施形態では、電源は着脱可能かつ再充電可能であり、レンズは電子レンズである。


[0177] 一実施形態では、一体型電子アセンブリは、つるのキャビティ内部にカバーで密閉されている。様々な実施形態によれば、カバーは、つるのキャビティにスナップ式に留めるか、つるに超音波溶接するか、つるにレーザ溶接するか、又はつるに接着剤で貼り付ける。


[0178] 一実施形態によれば、眼鏡のフレームは高温で射出成形することができる。つるを作成した後に接続コンポーネント又はワイヤを取り付けることは一般的に難しい作業である。しかしながら、従来の電子接続コンポーネントをつる内に成形することもまた困難である。多くの従来の絶縁材料は射出成形プロセス中に損傷を受けるからである。


[0179] 一例において、つる製造の前につる挿入部を作成して、射出プロセスの前に金型に配置することができる。つる挿入部は耐熱性材料から構成することができる。一例に過ぎないが、これらは、(a)数本の絶縁した伝導性ワイヤから成る高温カプトンケーブル、(b)これらの伝導性ワイヤを貫通させたステンレスチューブ、及び(c)コネクタを保持する金属接点コンポーネント又は金属コンポーネント、を含むことができる。


[0180] つる挿入部の一実施形態は、カプトン絶縁熱電対ワイヤ等の接触ケーブルと、このワイヤ上に溶接された金属接点部品とを含む。従って、2つの電子コンポーネント、一例に過ぎないが電源パック及び制御モジュールは、つる挿入部を介して接続することができる。つる挿入部は、耐熱性材料によって予め作成される。高温カプトンケーブルは、数本の絶縁した伝導性ワイヤから成る。金属チューブはステンレス鋼から作成することができ、伝導性ワイヤを貫通させることができる。


[0181] 図6Aは、本発明の一実施形態に従ったつる挿入部600をその電子素子アセンブリと共に示す。つる挿入部600は、カプトン絶縁熱電対ワイヤとすることができる接触ケーブル610を含む。接触ケーブル610は、その各端部に結合された2つの金属接点部品620を有する。金属接点部品620は、接触ケーブル610に溶接すればよい。


[0182] 金属接点部品620の一方は電源630に結合されている。他方の金属接点部品620は電子制御モジュール640に結合されている。電源630は、接点部品620を介した接触ケーブル610への電気的接続を容易にするための金属接点650を有する。同様に、電子制御モジュール630は、接点部品620を介した接触ケーブル610への電気的接続を容易にするための金属接点660を有する。金属接点650及び660は、それぞれ電源630及び電子制御モジュール640上にめっきすることができる。ある実施形態では、金属接点650及び660は金で作成することができるが、この材料に限定されるわけではない。


[0183] 図6Bは、つる挿入部600の断面図を示す。この図において、つる挿入部600は、オーバーモールドした材料670によってオーバーモールド(埋め込み)されている。図6Bは、つる挿入部600の様々なコンポーネントの適切な寸法も示す。一実施形態では、電源630は長さが15mmで幅が10mmとすることができ、金属接点650は幅が5mmとすることができる。電子制御モジュール640は長さが35mm、金属接点660は幅が3.5mmとすることができる。


[0184] 本開示に従ったつる挿入部の一実施形態は、従来のコネクタを取り付けるための2つの金属ボックスを含む。金属ボックスはステンレスチューブ上に溶接される。つる挿入部をつるにオーバーモールドした後、従来のコネクタをボックス内に挿入して安定化させることができる。つる挿入部は、つるの両端に装着された電源パックと電子制御モジュールとの間で信頼性の高い接続を提供する。この実施形態によれば、チューブをつるにオーバーモールドした後、チューブ内にワイヤを挿入することができる。


[0185] 図7Aは、一実施形態に従ったつる挿入部700を示す。つる挿入部700は金属チューブ710を含み、これは金属ボックス720及び金属ボックス730に溶接することができる。


[0186] 図7Bは、オーバーモールド材料740によってつるにオーバーモールドした後の金属挿入部700の断面図を示す。金属挿入部も、電源630及び電子制御モジュール640に結合されている。図6Bにおいてと同様に、電源630の長さ及び幅は、それぞれ15mm及び10mmとすればよい。同様に、電子制御モジュール640の長さ及び幅は、それぞれ35mm及び4.5mmとすればよい。内部金属接点750及び760は、それぞれ金属ボックス720及び730の内表面を覆う。金属接点750は電源630に対する電気的接続を容易にし、金属接点760は電子制御モジュール640に対する電気的接続を容易にする。一実施形態では、金属接点750は幅が5mm、金属接点760は幅が3.5mmとすればよい。


[0187] 図8Aは、チューブ810及び金属ボックス820を備える金属電線管アセンブリ800を示す。ある実施形態では、金属電線管アセンブリ800はつる内に挿入成形され、これによってチューブを形成し、このチューブを介して導電体を配線することができる。


[0188] 図8Bは、金属ボックス820に対する電気的接続を終端させるように構成された金属電線管アセンブリ800の一部を示す。金属チューブ810は、金属ボックス820に溶接することができる。金属ボックス820は、タブ840を介してコネクタブロック830に結合されている。タブ840を用いてコネクタブロック830への接触を確実にすることができる。


[0189] 電子眼鏡は、電子制御モジュールを介して電気信号を受信する。電子制御モジュールは、フレームのつる内に挿入され、図1から図8に提示した実施形態の組み合わせ又は部分的な組み合わせによって電源から給電される。


[0190] 図9は、本開示の一実施形態に従った電子制御モジュール900を示す。電子制御モジュール900は、表面実装電気的コンポーネント930が片面に取り付けられた回路基板910を有する。電子制御モジュール900は、電気的コンポーネントが実装された回路基板910の反対側の面に位置する静電容量式タッチ表面コンポーネント940を備えている。これらの静電容量式タッチ表面コンポーネント940は、ユーザがタッチするとユーザ及び表面実装電気的コンポーネント930と連結する(interface)ように構成されている。ある実施形態によれば、電子制御モジュール900はフレームの右側のつるに置くことができる。1つの実施において、電子制御モジュール900は、厚さが2mm、幅が3mm、長さが30mmとすることができる。しかしながら、実装する電子コンポーネントの量及びモジュールを結合可能なつるの制約に応じて、寸法は変動する場合がある。


[0191] 本開示の様々な実施形態によれば、電子制御モジュールは、可撓性ケーブル又は「可撓ケーブル(flex cable)」を介して、電源及び電子レンズに接続することができる。最も一般的な意味で、「可撓ケーブル」は、リボンのような形状の、比較的平坦な絶縁材料に埋め込まれた導体を含む。ケーブルは比較的平坦であるので、ケーブル又は内部に埋め込まれた導体に大きな応力又は歪みを与えることなく、平坦な表面が湾曲するように曲げることができる。この結果、可撓ケーブルは機械的な損傷なしで繰り返し曲げることができる。好ましくは、可撓ケーブルは、絶縁性材料により作成された平坦で可撓性の第1の層を有する。この第1の層に導体をパターニングし接合して、1つ以上の伝導性経路を提供する。電気的接続を支援するため、所望の位置にタブを設けることができる。パターニングした絶縁体及び第1の絶縁層の上に、第2の絶縁層を接合する。例えばタブにおいて電気的接点が要求される場合、絶縁層の1つ又は双方を除去するか、又は選択的に堆積しないことも可能である。好ましくは、少なくとも2つの別個の伝導性経路を設ける。好ましくは、絶縁層は、水及び汗等の要素への露出から伝導性経路を保護するために充分な厚さ及び適切な材料を有する。


[0192] 図10は、本開示の一実施形態に従った可撓ケーブル/電子制御モジュールアセンブリ1000を示し、この場合、可撓ケーブル1010及び1020は電子制御モジュール900に一体的に取り付けられている。図10には、回路基板910、表面実装電子コンポーネント930、及び静電容量式タッチ表面コンポーネント940が示されている。可撓ケーブル1010及び1020は、2つのサービスループを含むことができる。すなわち、電子レンズに電気的接続を与えるように構成されたサービスループ1012と、図1の電源パック100等の電源に電気的接続を与えるように構成されたサービスループ1022である。


[0193] ある実施形態では、サービスループは、つる又はフレーム前部のいずれかの幾何学的形状に適合するように構成された可撓ケーブル1010の一部である。例えばサービスループは、折り畳んでつる内に収めることができ、又はつるからフレーム前部まで長く引き伸ばすことができる。


[0194] 再び図10を参照すると、可撓ケーブル1010及び1020並びに電子制御モジュール900は「剛性−可撓線(rigid-flex)」構成に作成され、この場合、可撓ケーブル1010及び1020並びに回路基板910は単一のアセンブリとして製造される。これは、コネクタを用いる必要性をなくし、従ってそのような界面における接続不良の可能性を低減させるために行われる。サービスループ1022は、電力供給に接続してもよい可撓ケーブルの追加部分を示し、サービスループ1012は、「剛性−可撓線」のこの部分の遠位端におけるコネクタの組み付けに備えることができる。別の実施形態では、回路基板910並びに可撓ケーブル1010及び1020は、個別に製造した後で、ホットバーはんだ付け(hot-bar soldering)、ウェーブはんだ付け、又はリフローはんだ付け等のプロセスを用いて一体化して単一部品にすることができる。これらのプロセスは全て当技術分野において既知である。


[0195] 電源パック100又は200等の電源パック、挿入部600等のつる挿入部、可撓ケーブル1010及び1020等の電気ケーブル、並びに電子制御モジュール900等の電子制御モジュールは、電子眼鏡のつる内に収容することができる。従って、様々なコンポーネントの収容を円滑に行うつる設計及び製造プロセスが必要とされている。


[0196] 図11は、電子眼鏡の眼鏡フレーム用のつるを示す。つる1110は、従来技術で用いられているつるである。つる1110では、電子制御モジュール及び電源の双方がつる内に挿入されていた。つる1120は、本開示の一実施形態に従ったつるである。つる1120は着脱可能な先端部1122を含み、これは着脱可能な電源を収容するように構成することができる。このため、電源はつるの一部である必要はない。また、つる1120は、眼鏡の電子レンズに対する接続を提供する電気ケーブル1124を含む。


[0197] 図12Aは、ある実施形態に従ったつる1120の更に詳細な図である。つる1120には、電気ケーブル1230に結合された電子制御1240が収容されている。一実施形態によれば、着脱可能な先端部1122は、ケース1220及び電池1210から成る。図1、図2、及び図4に示す実施形態の置換が着脱可能な先端部1122においても使用可能であることは、当業者に認められよう。また、図12Aにはブランドマーク1250も示されている。一実施形態では、これは着用者が電子眼鏡をオン及びオフするために用いることができる。


[0198] 図12Bは、つる1120の別の例を示す。ここでは、1本の電気ケーブル1270に結合された電子制御モジュール1260を用いることができる。


[0199] つる設計の望ましい特性は、電池又は電源が着脱可能かつ再充電可能であって、1つの電池又は電源パック(直列もしくは並列に接続された2つ以上の電源又はそれらの組み合わせを含む)を外して再充電している間に別の電池又は電源パックを挿入可能であることである。従って、電子アイウェアは、連続的に利用することができるか、又は必要な場合には常に利用可能であり得る。


[0200] 電子アイウェアの電源パックは、つるの先端部内に位置し、先に図1から図5で例示したように、再充電のためにつるから取り外して充電器に置くことができる。電源パックとつる接合部との間の間隙に着用者の髪が挟まるのを避けるため、電源はつるの先端部に挿入される。更に、電源パックはつる内に挿入されると密閉され、環境に対して耐水性が高くなる。


[0201] 電源パックにおいて電池を用いる場合、いかなるタイプの再充電可能な電池又は使い捨ての電池としてもよい。電源パックとつるとの間の接続は、固定コネクタ又はプッシュプッシュコネクタ(push-push connector)とすることができる。電源パックをばね留めとして、電源パックを押すとばねで開いて容易につる先端部から取り外し可能とすることができる。


[0202] 図13は、一実施形態に従った電源/つる先端部の接続1300の詳細図を示す。つる1310は、内部金属チューブ1330と、コネクタ1340と、電源パック1320を収容するために用いるコネクタボックス1350と、を含む。電源パック1320は、それぞれ図1及び図2に示した電源パック100及び200と同一又は同様のものであり得ることは、当業者には認められよう。


[0203] 図14及び図15は、電源/つる先端部アセンブリの一実施形態を示す。図14は、つる1410に挿入する前の電源100を示し、図15は、つる1410に挿入した後の電源100を示す。


[0204] 図13の実施形態が示した構成では、電源パック1320はコネクタボックス1350内に収容され、コネクタ1340を介して内部金属チューブ1330に電気的に結合されているが、つるの電子素子に対する電源パックの電気的接続を与えるために他のスキームを用いることも可能である。


[0205] 図16は、本開示の一実施形態に従ったアセンブリ1600を示す。アセンブリ1600は、モノフォンプラグ(mono phone plug)1630を用いて、つる先端部1640を、つる1610内に収容された金属電線管(チューブ)1620に連結するための代替的な構成を示す。モノフォンプラグ1630は標準的な2.5mmプラグとすればよいが、他のプラグサイズも可能であり得る。


[0206] この実施形態において、つる先端部1640は、電源パックの電池の交換を可能とするために、ねじ1650によって一緒に保持された2つの部品に成形されている。モノフォンプラグ1630は、つる1610に挿入成形された電線管1620への圧力嵌め1660によって、つる1610に機械的に留められている。図16は、接続後にアセンブリ1600が回転することを阻止するためのキー及びノッチ1670又は他の同様のフィーチャと接続する前のアセンブリ1610を示す。


[0207] 図17は、ある実施形態に従って先端部1640をつる1610に接続した後のアセンブリ1600を示す。便宜上、先端部1640の上部を取り除いて電源パック1710の一部を露出させている。電源パック1710は、2つの電池1720と、2つの長い電池−プラグばね接点1740と、その下にある単一の電池−電池接点1750と、を有する。この実施形態では、筐体1730の図示されている部分は、ねじのための2つの貫通孔1760と、図示されていない片側部分に形成された突起を噛み合わせるための2つの位置付けだぼ孔1770と、を有する。


[0208] 図18は、2リード可撓回路(図示せず)又は2本のワイヤ(図示せず)の終端を容易に行うモノフォンプラグアセンブリ1600の構成の一実施形態を示す。この実施形態によるこの構築に役立てるため、つる1610の内部構造を示す。


[0209] リードの一方は、先端部におけるはんだ付けのためにフォンプラグのノーズ1820の端部まで突出することができ、他方のリードは、絶縁された内筒1810内のチャネルを介して延出させることができる。他方のリードは、プラグの外側円筒部にリフローはんだ付けするか、又は圧力嵌めによって固定することができる。モノフォンプラグの3部品構成(ノーズ1820、絶縁体1830、円筒部1840)は、つる1610に挿入成形される電線管1620に圧力嵌めすることができる。


[0210] 追加の方法を用いて、つるの先端部における電源パックから、つる内に収容されたか又はつる上にある電子コンポーネントまで、電気的接続を与えることができる。様々な実施形態によれば、つる自体の内部に伝導性経路を構築することができる。


[0211] 図19は、つる自体の上に直接生成された伝導性経路1930を介してつる先端部1920に結合されたつる1910を示す。一実施形態において、伝導性経路1930は、直接レーザ構築を用いて生成可能である。他の方法も用いることができる。


[0212] 図20は、レーザ直接構築方法を用いる電気的接続スキーム2000の一実施形態を示す。つる2010内に収容された電子素子モジュール2020は、つるの成形キャビティ2030に挿入された電気的接点2040に接触している。接点2040に電気的トレース2050が電気的に結合されている。


[0213] 図21は、電子モジュール2020を例示的な目的のために取り除いた電気的接続スキーム2000の別の直交図を示す。接点2040は、キャビティ2030内に突出し、これらの接点を保持することができるようにつる2010内に成形されたポケット2110内に配置されている。また、電気的トレース2050も示されている。


[0214] 図22は、2部品つる設計2200を示す。2部品つる2200は、第1の部分としてのつる筐体2210から成り、電線管2230を形成する。また、つる筐体2210はヒンジ2240も含み、これはフレーム前部(図示せず)に結合するように構成することができる。第2の部品2220を用いて、つる筐体2210を覆う。第2の部品2220は、スナップ式、又は他の方法で取り付けたカバー又はバスとすればよい。例えばこれは、レーザ溶接、超音波溶接、又は接着剤によってつる2210に取り付けることができる。


[0215] 図23は、図8のコネクタボックス820内部のアセンブリ2300を示す。アセンブリ2300は、コネクタブロック830が内部に保持されたボックス820に溶接又は他の方法で金属管810が取り付けられるワイヤと接点との界面を示す。コネクタブロック830は、コンプライアント異方性伝導性材料2330と連結する接点ラグ2320を介してワイヤ5310に連結され、異方性伝導性材料2330はブロック830における接点パッド2340に連結する。図23の差し込み図は異方性伝導性材料2330を示す。


[0216] 電子眼鏡のつるにおいて電源から電子制御モジュールまで電気的接続を確立した後、あらゆる電気信号を電子制御モジュールから電子レンズまで配信することが重要である。そのような配信スキームは、軽量で信頼性が高く、種々のフレームのタイプ及びサイズに調節可能でなければならない。


[0217] 一実施形態によれば、デバイスが提供される。このデバイスは、上縁部を有する第1の眼鏡レンズと、この第1のレンズの上縁部に沿って配置された第1の電気的接点と、を含む。第1の電気的接点は、第1のレンズ内の第1の伝導性経路に電気的に接続されている。また、デバイスは、第1のレンズの上縁部に沿って配置された第2の電気的接点を有する。第2の電気的接点は、第1のレンズ内の第2の伝導性経路に電気的に接続されている。


[0218] 一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路(線形)は、相互に平行な方向の10度以内にあり、水平方向に対する垂直方向の10度以内にある。ここで「水平」とは、着用者が平坦な表面上の通常の起立姿勢で眼鏡を着用している場合の地面の面である。


[0219] 一実施形態では、第1の伝導性経路は、レンズのフィッティングポイントの第1の側に対して8mmから15mmまでに位置し、第2の伝導性経路は、レンズのフィッティングポイントの第2の側に対して8mmから15mmまでに位置する。8〜15mmは好適な範囲であり、11〜13mmが更に好適である。この距離が短くなると、着用者が側方を見る際に伝導性経路が目に入ることがある。この距離が長くなると、伝導性経路は長くなって抵抗が大きくなり、相関した利点がないので、望ましくない。


[0220] 一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路間の角度は、垂直線に対して10度から30度である。


[0221] 一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路は、レンズの上縁部から中央へ向かって延出する。


[0222] 一実施形態では、デバイスは眼鏡レンズである。


[0223] 一例では、デバイスは眼鏡である。眼鏡は、フレーム前部と、このフレーム前部に回転可能に取り付けられた第1のつるとを有する。また、眼鏡は、フレーム前部に回転可能に取り付けられた第2のつるも有する。第1のレンズはフレーム前部によって支持され、上縁部を有する第2のレンズもフレーム前部によって支持されている。第2のレンズは更に、その上縁部に沿って配置された第3の電気的接点を含む。第3の電気的接点は、第2のレンズ内の第3の伝導性経路に電気的に接続されている。第2のレンズは、その上縁部に沿って配置された第4の電気的接点を有する。第4の電気的接点は、第2のレンズ内の第4の伝導性経路に電気的に接続されている。


[0224] 一実施形態では、眼鏡は第1のつる内に収容されたか又は第1のつる上にある電子素子を含む。また、眼鏡は、電子素子と第1の電気的接点との間に第1の伝導性経路を含み、電子素子と第2の電気的接点との間に第2の伝導性経路を含む。


[0225] つる内に収容されたか又はつる上にある電子素子は、多数の方法で収容することができる。電子素子は、複数の電気的コンポーネントを含んだ個別ユニットであるモジュール内に配置することができる。電子素子は、本明細書において記載する電子アセンブリの一部とすることも可能である。電子素子は、個々につるに取り付けるか又はつる内に配置した別個の部品とすることもできる。これらの構成又は他の構成の組み合わせも使用可能である。電子素子は、つる内に配置するか、又はつるの外側に取り付けることができる。


[0226] 一実施形態では、第1の伝導性経路は、電子素子、第1の電気的接点、及び第3の電気的接点の間にある。第2の伝導性経路は、電子素子、第2の電気的接点、及び第4の電気的接点の間にある。


[0227] 一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路は、可撓ケーブル内の別個のラインによって提供される。一実施形態では、可撓ケーブルは更に、第1、第2、第3、及び第4の接点にそれぞれ電気的に接続するように適合された第1、第2、第3、及び第4のタブを備えている。一実施形態では、第1及び第2の伝導性経路は、第1のワイヤ及び第2のワイヤによって提供される。


[0228] 一実施形態では、デバイスは眼鏡であり、第1及び第2のレンズは電子レンズである。


[0229] 本明細書における様々な実施形態は、可撓ケーブルを用いて電子制御モジュールから電子レンズまでの電気的接続を与える。一実施形態では、可撓ケーブルは、伝導性材料を間に挟んだ少なくとも2つの層の可撓性ポリマー材料(例えばポリイミド)から成るケーブルとして定義することができる。レンズの電極と可撓ケーブルの伝導性材料との間に電気的接点を生成する領域にのみ、可撓性ポリマー材料に開口を形成する。


[0230] 伝導性材料は、銅、アルミニウム、金等とすることができ、可撓性ポリマー材料の1つの内面上に堆積又は接合することができる。好ましくは、伝導性材料は、少なくとも2つの個別の伝導性経路を提供するようにパターニングされる。2つのレンズに同一の信号を供給することが望ましい場合は、2つの伝導性経路が好ましい。2つのレンズの各々に異なる信号を供給することが望ましい場合は、各レンズに2つずつの計4つの伝導性経路が好ましい。他の構成も可能であり得る。伝導性材料は、その上にある可撓性ポリマー材料を除去してレンズの電極に対する電気的接続を容易にする露出領域(「タブ」と称する)以外は、完全に可撓性ポリマー材料内に埋め込まれる。


[0231] 図24は、眼鏡フレーム内部に配線された場合の可撓ケーブルハーネス2400を示す。可撓ケーブルハーネス2400は可撓ケーブル2410から成る。また、可撓ケーブルハーネス2400は、1個の眼鏡の各レンズに2つずつ、接続タブ2420を有する。ブリッジ部2430は、可撓ケーブル2410の左部分を右部分に連結するために用いることができる。典型的に、眼鏡フレームにおけるブリッジは、鼻の上にかかり、眼鏡の左側及び右側を接続する構造である。可撓ケーブルハーネス2400は、様々なサイズのフレーム前部及びつるに適合するように構成可能であるサイズ変動対応屈曲部2440を含むことができる。


[0232] 図25は、可撓ケーブルハーネス2500の概略図であり、電子制御モジュールから各レンズの両側までの接続を確立するために必要なトレース配置を表している。ポール2510は、左レンズに対する第1の接点界面を表す。ポール2520は、左レンズに対する第2の接点界面を表す。ポール2530は、左レンズの対応する単一ポールであり、ポール2540は、左レンズの対向ポールである。ポール2550及び2560は、電子モジュールによって発生した信号を連結する回路の2つのポールである。


[0233] 図26は、眼鏡2600の一部を示す。眼鏡2600は、フレーム前部2610と、フレーム前部の右部分及び左部分を接続するブリッジ2620と、つる2630と、を備えている。つる2630内に、可撓線/PCB(プリント回路基板)アセンブリ2640が収容されている。図26は、つるの遠位端及びフレームのレンズ部まで可撓ケーブル2650を延出可能であることを示す。図26には接続タブ2660も示されている。この実施形態において、接続タブ2660は、眼鏡2600の左レンズ又は右レンズに対する電気的接続を与えることができる。


[0234] 図27は、つる2610の一部を示し、どのように可撓ケーブル2650を電子制御モジュールに連結するかを示す。プリント回路基板2710は、剛性/可撓線アセンブリを有することとは対照的に、可撓ケーブル2650に接続する小型の平坦な可撓コネクタ2720を含む。


[0235] 図28は、一実施形態に従った眼鏡2800を示し、どのように様々なコンポーネントを組み立てるかを更に詳細に表す。眼鏡2800は、右レンズ2812及び左レンズ2814を支持するフレーム前部2810を備えている。フレーム前部2810の左部分及び右部分は、ブリッジ2816を介して接続されている。右及び左のつる2820は、ヒンジ2822を介してフレーム前部2810に接続されている。これについては以下で詳細に説明する。右つる2820内に電子素子2830が収容されている。電子素子2830は、つるに形成されたキャビティ2824内部に位置している。カバー2828を用いて、つるアセンブリを完成させ、つる内に電子素子2830の一部を機械的に密閉して保護する。


[0236] 電子素子2830は、電子制御モジュール2832及び可撓ケーブル2834を備えている。可撓ケーブル2834は、右及び左の接続タブ2836を有し、これらのタブは、それぞれ右レンズ2812及び左レンズ2814の電極に接続するために用いることができる(ここでは電極は図示していない)。サービスループ2838を用いて、つる2820及びフレーム前部2810内で可撓ケーブルを調節することができる。電子素子2830の遠位右端に接続タブ2839が位置し、これを用いて電源に対する電気的接続を与えることができる。


[0237] 電源(ここでは図示していない)は、つる先端部2840内に収容することができる。つる先端部2840は、つる2820のキャビティ2826内部に挿入され、コネクタ2842と接続タブ2839との間の接続を介して電子素子2830に電気的に接続することができる。


[0238] 本実施形態に図示しない眼鏡2800の他のコンポーネントも存在し得ることは、当業者には認められよう。そのコンポーネントの組み立ての配列は、図28を参照して検討した配列に限定されない場合がある。


[0239] 図29Aは、一実施形態による別の1個の眼鏡2900を示し、この場合コンポーネントの組み立ては完了している。図29Aは、レンズに対する可撓ケーブルの接続を示す。眼鏡2900は、フレーム前部2910と、右レンズ2912及び左レンズ2914と、ブリッジ2916と、つる2920と、を備えている。可撓ケーブル2930は、つる2920からフレーム前部2910まで延出し、レンズ2912及び2914に電気信号を供給することができる。可撓ケーブル2930に対する電気的接続を容易にするため、レンズ2912及び2914は、それぞれ電極対2940及び2950を有する。各電極対2940又は2950について、個々の電極2942、2944、2952、2954は、レンズ基板の異なる表面に配置することができる。これについては以下で詳細に説明する。


[0240] 図29Bは、可撓ケーブル2930の上方から見た図を示す。可撓ケーブル2930は、2つの個別の伝導性経路2932及び2934を有する。これらの伝導性経路を用いて、複数の電気信号をレンズ2912及び2914に伝搬することができる。これは例えば、つるに収容された電源からの駆動電圧及び基準(接地)電圧である。可撓ケーブル2930内には4つの接続タブがある。このうち、タブ2962及び2964は、右レンズ2912の電極2942及び2944に接続するために用い、タブ2972及び2974は、左レンズ2914のタブ2952及び2954に接続するために用いることができる。


[0241] 図30は、つるとフレームとの界面3000の別の図を示し、フレーム3020(明確さのためヒンジ部なしで示す)がつる3010に当接する箇所を示す。キャビティ3030に埋め込まれた可撓ケーブル3050は、つる3010の折り畳みに対応する360度のサービスループ3060と共に示されている。つる3010は、キャビティ3030に収容された電子素子3040も有する。電子素子3040をつる内に入れて、電子素子を保護、固定、及び密閉すると共に、つるに機械的強度を与えることができる。


[0242] つるからフレーム前部までの可撓ケーブルの配線においては、可撓ケーブルに対する応力をほとんど発生させず、つるからフレーム前部までの伝導性経路を確立することを可能とする機械的構造を設計及び製造することが好ましい。この機械的構造は、1個の眼鏡をユーザが着用する際のフレーム前部及びつるの位置に相当する開位置と、1個の眼鏡が折り畳まれた際のフレーム前部及びつるの位置に相当する閉位置と、を有する。開位置、閉位置、及びそれらの間の全ての回転位置において、可撓ケーブルがつるからフレーム前部まで延出する経路がある。


[0243] 一実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、フレーム前部につるを回転可能に取り付けるように適合された眼鏡フレーム用のヒンジを有する。ヒンジは回転軸を有する。ヒンジは上部回転可能接続部を有する。上部回転可能接続部は、第1の上部が回転可能に第2の上部に接続され、回転軸を中心として回転可能である。ヒンジは、下部回転可能接続部も有する。下部回転可能接続部は、第1の下部が回転可能に第2の下部に接続され、回転軸を中心として回転可能である。回転軸に沿って、上部回転可能接続部と下部回転可能接続部との間に、間隙が配置されている。この間隙を導電体が通って延出する。


[0244] 一実施形態では、第1の上部及び第2の上部が第1のねじによって回転可能に接続され、第1の下部及び第2の下部が第2のねじによって回転可能に接続されている。第2のねじは第1のねじに対して反対回りのねじ山を有する。


[0245] 一実施形態では、第1の下部がピンを有すると共に第2の下部が孔を有し、ピンが孔に回転可能に嵌合するようになっている。一実施形態では、第1の上部がピンを有すると共に第2の上部が孔を有し、ピンが孔に回転可能に嵌合するようになっている。


[0246] 一実施形態では、デバイスは眼鏡フレームである。眼鏡フレームは、ヒンジによって相互に回転可能に接続されたつる及びフレーム前部を有する。ヒンジは、1個の眼鏡をユーザが着用する際のフレーム前部及びつるの位置に相当する開位置と、1個の眼鏡が折り畳まれた際のフレーム前部及びつるの位置に相当する閉位置と、を有する。開位置、閉位置、及びそれらの間の全ての回転位置において、導電体がつるからフレーム前部まで、間隙内のヒンジの回転軸を通って延出する経路がある。


[0247] 一実施形態では、第1の上部及び第2の下部は、相互に及びフレーム前部に対して堅固に接続されている。第2の上部及び第2の下部は、相互に及びつるに対して堅固に接続されている。


[0248] 一実施形態では、導電体は、ヒンジの回転軸に対する垂直方向の10度以内の向きで間隙を横切る。


[0249] 一実施形態では、導電体はワイヤである。一実施形態では、導電体は可撓ケーブルである。一実施形態では、導電体、ワイヤ、又は可撓ケーブルは、サービスループを有する。サービスループは、余分な長さを吸収するためにループ状にして空きスペースに入れる導電体の一部である。これによって、単一の長さの導電体が、異なるつる及びフレーム前部の幾何学的形状に適合することができる。例えば、必要な導体の長さが全長よりも短い幾何学的形状では、余分な長さをループ状にしてつる内に収めることができる。全長が必要である幾何学的形状では、サービスループは小さいか又は存在しない場合がある。


[0250] 一実施形態では、眼鏡フレームは、フレーム前部によって支持されたレンズを有する。レンズは第1の電気的コンポーネント及び第2の電気的コンポーネントを有し、これらはつるによって支持されている。すなわち、つる内に収容されるか、つるに取り付けられるか、又は他の方法でつるによって支持されている。


[0251] 一実施形態では、導電体は、第1の電気的コンポーネントと第2の電気的コンポーネントとの間に伝導経路を提供する。そうすることで、レンズの第1の電気的コンポーネントに電気信号を供給する。


[0252] 一実施形態では、第1の電気的コンポーネントは、レンズの上縁部に沿って配置された電気的接点を有する。


[0253] 一実施形態では、第2の電気的コンポーネントは、電源に結合された電子制御モジュールを有する。


[0254] 一実施形態では、レンズは電子レンズである。


[0255] 図31は、ヒンジ3130がつる3110をフレーム前部3120に接続している眼鏡フレーム3100の一部を示す。ヒンジ3130は、第1の上部3132及び第2の上部3134を有し、これらは相互に回転可能に接続されて上部回転可能接続部を形成する。ヒンジ3130は、第1の下部3136及び第2の下部3138を有し、これらは相互に回転可能に接続されて下部回転可能接続を形成する。第1の上部3132及び第2の上部3134は、ねじ3150によって保持され、第1の下部3136及び第2の下部3138は、反対回りのねじ3160によって保持されている。ヒンジ3130の回転軸に沿って、間隙3140が配置されている。一例においては、可撓ケーブル等の導電体が遮られずに間隙3140を貫通することができる。


[0256] 図32Aは、ヒンジ3230がつる3210をフレーム前部3220に接続している眼鏡フレーム3200の一部を示す。ヒンジ3230では、孔(図示せず)に嵌合するピン3240によって、第1の上部3232が回転可能に第2の上部3234に接続されている。また、ヒンジ3230では、孔(図示せず)に嵌合するピン3250によって、第1の下部3236が回転可能に第2の下部3238に接続されている。ヒンジ3230の回転軸に沿って間隙3260が配置されて、可撓ケーブル3270が孔を貫通することを可能とする。


[0257] 図32Bは、ヒンジ3230の上部及び下部の回転可能接続をねじ3280によって所定位置に保持することができる実施形態を示す。ねじ3280はカットアウト3282を有し、これは間隙3260の連続性を与えて、可撓ケーブル3270がつる3210からフレーム前部3220まで遮られずに延出することを可能とする。


[0258] 一実施形態では、眼鏡フレームはリムロックを含む。リムロックは、フレーム前部の下部に結合された第1のリムロック部と、フレーム前部の上部に結合された第2のリムロック部と、を有する。第1のリムロック部は、ヒンジの第1の上部及び第1の下部に一体的に接続されている。


[0259] 図33A〜図33Cは、本開示の一実施形態に従ったリムロック3300の様々な図を示す。リムロック3300は、つる及びフレーム前部の上部に結合することができる上部リムロック部3310と、フレーム前部の下部に結合することができる下部リムロック部3320と、を有する。間隙3330は、可撓ケーブルがつるからフレーム前部まで延出することを可能とし、リムロック3300が開いている間、可撓ケーブルを保持する。ねじの代わりに円筒形ハブ3340を用いることも可能である。ねじ孔3360は、ねじを受容してリムロック部を所定位置に維持することができる。リムロック3300によって、一体構造(monoblock)を完全に解体することなくレンズを取り付けることができる。


[0260] 図34は、一実施形態に従った眼鏡3400の一部を示す。眼鏡3400は、ブリッジ3416によって接続された上部3412及び下部3414を有するフレーム前部3410を含む。眼鏡3400は、ヒンジ/リムロックアセンブリ3430を介してフレーム前部3410に接続されたつる3420も含む。図34には、ヒンジ/リムロックアセンブリ3430の拡大図も示し、ヒンジ3432、リムロック3434、及び間隙3450を貫通する可撓ケーブル3440を図示している。リムロック3434は、上部フレーム前部3412に結合された上部リムロック部3438と、下部フレーム前部3414に結合された下部リムロック部3436と、を有する。


[0261] 図35は、眼鏡3400の上方から見た図を示す。この実施形態では、可撓ケーブル3440は、ヒンジ3432及びリムロック3434の後ろを通り、上部フレーム前部3412内に続く。


[0262] 図36A〜図36Cは、眼鏡3400の一部の図を示す。これらの図では、リムロック3434が完全に取り外され(図36A)、上部リムロック部3438が取り外され(図36B)、双方のリムロック部が存在する(図36C)。全ての図示において、電子制御モジュール3460も示されている。


[0263] 図37A及び図37Bは、眼鏡3400の一部の別の上面図を示す。ここでは、リムワイヤ3710の上部をワイヤフレーム内に示し(図37A)、図37Bには図示していない。


[0264] 図38は眼鏡3400の側面図を示す。図示するヒンジ3432では、ねじ3810が第1及び第2の上部3812及び3814をそれぞれ接続し、ピン3820が第1及び第2の下部3816及び3818をそれぞれ接続している。また、傾斜部3830も示している。


[0265] 図39は、間隙3450内部に可撓ケーブルが存在しないつる3420の一部を示す。ここでは、傾斜3830、並びに、(ヒンジピンを保持するための)孔3910及び(ヒンジねじを保持するための)3920を図示している。


[0266] 図40は、眼鏡フレーム4000の一部を例示し、つるの界面におけるフレームヒンジ4010の近傍の可撓ケーブル4020の部分を示す。積層折り畳み部4022を設け、可撓ケーブルのサービスループ機能のための容積を与えるヒンジ4010内のキャビティ4030を設けることによって、この可撓ケーブル4020の部分は、フレームサイズの変動を吸収することができる。


[0267] 図41は、一実施形態に従った眼鏡フレーム4100の別の部分を示す。この図は、フレーム前部4110のブリッジ接続4112をサンドイッチ状のものとして示す。この図は、中央部を可撓ケーブルに取り付けて示していない。この中央部を可撓ケーブルと一体的にすることで、可撓ケーブルをフレームに固定し、2つのレンズ間の間隙を埋めることができる。また、この図は、リムワイヤの内部を、可撓ケーブルを収容するチャネル4114として示す。別の実施形態では、ブリッジを、(フレーム前部に溶接又は一体化された)単一部品の金属又はプラスチックとし、中空の電線管をその長さに沿って延出させて右レンズと左レンズとの間に可撓ケーブルを通すことができる。別の実施形態では、ブリッジは単一で連続的なアイワイヤ(eye wire)部品であり、右レンズと左レンズとの間の距離をまたいで、右レンズと左レンズとの間に可撓ケーブルを通すための平滑な経路を与えることができる。


[0268] 電子眼鏡に含まれる機械的及び電子的コンポーネントに加えて、ユーザにとって重要である顕著な特性は、組み立てが容易になることでコストが削減され、ユーザに見えるレンズのコンポーネントを減らすことで動作中の不快感を最小限に抑えることができる、効率的なレンズ設計及び製造プロセスである。


[0269] 以前、発明者等は、眼鏡レンズ製造の分野で周知の機器及びプロセスを用いて電気活性フィニッシュトレンズへと加工することができる電気活性セミフィニッシュト眼鏡レンズを開示した。更に、エッジングプロセス(レンズを眼鏡フレームの形状にカットする)の間に、前記電気活性フィニッシュトレンズに対する電気的接続を確立することを開示した。すなわち、レンズの構造内に埋め込んだ電極の端部をレンズの縁部に沿って露出させて、それらに導電性材料(プライマー、ペイント、接着剤、コーキング等)を塗布することを可能とした。従って、これらの導電性材料は、レンズの縁部と、電子眼鏡フレームにおける他の伝導性材料/構造との間の接続点として作用する。


[0270] このプロセスに伴う1つの問題は、眼鏡レンズのエッジング及び溝形成のために業界標準の機器で用いられるカッティング及び/又は研磨ツールが、電極フィーチャの尺度では極めて粗い表面加工を行う可能性があることである。これらの粗い表面の結果として、アイウェア製造時に電気的接続が不良となったり、現場での電気的接続の信頼性が低くなったりする恐れがある。


[0271] 図42は、エッジング及び溝形成が行われた電気活性フィニッシュトレンズ4210を示す。レンズ4210は、電気活性コンポーネント4220及びレンズ電極4230を備えている。右側に、溝の拡大図を示す。理想的な状態においては、レンズ4210内の容易に識別可能な個別の層は、基板4270と、伝導性インク電極4250と、基板を保持する接着剤4260と、基板4240の内面上の薄膜コーティング4240と、を含むことができる。これらの薄膜コーティングは、インジウムスズ酸化物(ITO)及び二酸化シリコン(SiO2)の積層物、又は他の透明導体及び誘電材料とすることができる。


[0272] 図43は、走査電子顕微鏡(SEM)によって1000倍の倍率で撮影した、エッジング及び溝形成が行われた電気活性レンズの実際の画像を示す。示されている領域は、図42に示したように電極4230がレンズの縁部から抜け出る箇所である溝の下部でのものである。このレンズは、液体冷却材を用いることなく溝をカットするように設計されたダイヤモンド研削砥石車を装備したNational Optronics 7E HLPエッジャー(edger)を用いて、溝が形成されている。他のエッジャーツールでも同様の結果が得られることは認められよう。レンズエッジャー(レンズを眼鏡フレームの形状にカットし整形するために用いられる)は、別の電極又は電気コネクタが接続される伝導性電極層上にカットされるプラスチックを塗るものと考えられている。図42に示すように、表面は極めて粗く、容易に識別可能な層が存在しない。図43に、プラスチックの様々な破片4310が標示されている。こういった状態では、電極に電気的接続を確立することは可能であり得るものの、状態は理想とは程遠い。必要なのは、電極がレンズ上の縁部から抜け出る箇所における表面品質を向上させるための手段である。


[0273] 本明細書に開示する実施形態を用いて、電極を備えたいかなるプラスチックレンズでも接続することができる。レンズは例えば、焦点を変化させる電気活性レンズ、色透過(tint transmission)を変化させるエレクトロクロミックレンズ、温度で色を変化させるエレクトロサーモクロミックレンズ(electro-therma-chromic lens)、レンズを加熱することで曇りを減らす曇り止めレンズ、電荷によってほこりを除去する静電気防止レンズ、いずれかの種類の内蔵電気ディスプレイを備えたレンズ、いずれかの目的のために加熱される加熱レンズである。


[0274] プロセスが提供される。このプロセスのために、眼鏡レンズ基板が提供される。この基板は、ブランク、セミフィニッシュトブランク、フィニッシュトレンズ、又は他の眼鏡レンズの基板とすることができる。眼鏡レンズ基板は少なくとも1つの内部電極を有する。眼鏡レンズ基板は、少なくとも1つの内部電極の端部を露出させるようにエッジングする。エッジングの後、レーザ源を用いて、少なくとも1つの内部電極の端部から余分な非伝導性材料を除去する。


[0275] 一実施形態では、レーザ源はパルスレーザ源である。


[0276] 一実施形態では、眼鏡レンズのエッジングは、眼鏡レンズフレームに嵌まる形状に眼鏡レンズを形成することを伴う。余分な非伝導性材料を除去した後、眼鏡レンズをレンズフレームに取り付けることができる。


[0277] 一実施形態では、眼鏡レンズのエッジングは、カッティングツール及び研磨ツールから成る群からの少なくとも1つのツールを用いることを伴う。


[0278] 一実施形態では、余分な非伝導性材料の除去は、パルスレーザ源を、少なくとも1つの電極の端部上の約200マイクロメータのスポットサイズに集束させることを含む。


[0279] 一実施形態では、エッジングの間に眼鏡レンズの縁部に溝を形成する。


[0280] 一実施形態では、余分な非伝導性材料の除去は更に、パルスレーザ源のビームをラスターパターンにラスター化することを含む。一実施形態では、余分な非伝導性材料の除去は更に、ラスターパターンを用いて、眼鏡レンズの縁部に沿って存在する溝に平行な重複パス(overlapping pass)を伝達することを含む。


[0281] 様々な実施形態において、余分な非伝導性材料の除去は、パルスエキシマレーザ源、パルス二酸化炭素レーザ源、パルス窒素レーザ、又はパルスネオジウムベースレーザ源の使用を含む。


[0282] 一実施形態では、この方法は更に、眼鏡レンズの縁部に伝導性材料を塗布するステップを含む。伝導性材料の塗布は、導電性プライマー、導電性ペイント、導電性接着剤、又は導電性密封剤の塗布を伴う。


[0283] 図44は、レンズの縁部に対する電気的接続を向上させるための方法の実験結果を表す。図44は、図43におけるものと同じ7E HLPエッジャーを用いてエッジング及び溝形成を行った別のレンズのほぼ同じ領域において、1000倍の倍率で撮影したSEM画像である。ここでは、パルスエキシマレーザを用いて、電極がレンズの縁部から抜け出る領域上で数マイクロメータの材料を除去した。この場合、図42に示した層は容易に識別可能であり、内部電極に直接かつ強固な接続を確立するための状態は極めて良好である。この結果は、電極がレンズの縁部から抜け出る領域上で、約200マイクロメータのスポットサイズに集束させたレーザビームをラスター化することによって達成された。


[0284] 図45は、図43と同じ領域の、倍率を100倍に下げたSEM画像を示す。ラスターパターン4510(溝の方向に平行な4つの重複パス)がはっきり見えている。


[0285] この実施形態では、紫外線(UV)で動作するパルスエキシマレーザを用いたが、他のレーザ源を用いて同様の結果を達成することも可能である。レーザを用いた材料の除去を成功させるため、レンズの縁部に沿って存在する材料の全てが、レーザ動作波長において強い吸収を示すことが好ましい。これは必ずしも可視光波長レーザ源の使用を排除するものではないが、レンズは可視光スペクトル全域で高度に透過的であるように設計されるので、UV、近赤外線(NIR)、及び赤外線(IR)レーザ源を用いることが好ましい。


[0286] このプロセスを成功させるための別の基準(metric)は、レンズ自体を過剰に加熱することなく望ましくない材料を除去することである。過剰な熱は、導電性のインジウムスズ酸化物(ITO)の内部層に亀裂やひびを生じさせ、このため電極とレンズの電気活性領域との間の電気的接続を遮断する恐れがある。本開示の方法は、低い平均電力、高いピーク電力のパルスレーザ源のレーザを用い、従ってエキシマレーザを用いる。同様の結果を得るために使用可能な他のレーザ源は、限定でないが、窒素、二酸化炭素、ネオジウムをドーピングしたガラス及び水晶(基本波及び高調波が非線形の光学手段によって達成可能である)、有機染料、及び半導体のような利得媒質に基づいたパルスレーザである。


[0287] フレーム上での取り付けに適した形状にレンズをエッジングした後、前述の実施形態において述べたように、レンズの上縁部に沿って露出して突出した電極と可撓ケーブルのコネクタタブとの間に接続を確立する必要がある。一般に、レンズの上縁部は、一方側では眼鏡フレームのヒンジによって、他方側ではブリッジによって画定される縁部である。電子コンポーネントを有する眼鏡の場合、上縁部は、レンズの外周上部に沿った経路において、典型的にヒンジにおいてつるに対する電気的接続が行われる箇所と、典型的にブリッジ内で着用者の顔の一方側から他方側に電気的接続が横切る箇所との間として画定することができる。


[0288] 可撓ケーブル等の電気ケーブルを、レンズ上の電気コネクタ又は電極に接続するための方法が提供される。この方法は、露出伝導性領域を有する可撓電気ケーブルと、キャビティを有するフレーム前部と、縁部上に第1の電気的接点を有するレンズと、を提供することを含む。この方法は、第1の電気的接点及び露出伝導性領域が近接するように、キャビティ内に可撓電気ケーブルを配置すると共にキャビティ内にレンズの縁部を配置することを含む。露出伝導性領域に第1の電気的接点を結合するための伝導性密封剤の部分を塗布する。


[0289] 更に一般的には、「近接」という言葉は、伝導性密封剤が良好な電気的接続を生成可能であるように充分に近いことを意味し、第1のものから分離した他の同様の接続が可能とならないようにレンズの縁部に沿って更に先まで達しない。好ましくは、露出伝導性領域とコネクタとが少なくともある程度は重なり合うようにする。最も好ましくは、第1の露出伝導性領域とコネクタとが完全に整列するようにする。


[0290] 伝導性密封剤の「部分」は、好ましくは、電気的接続を生成するために充分な大きさである。また、この部分は好ましくは、密封剤自体を除いた全ての露出伝導性部分を覆って密閉するのに充分な大きさとして、伝導性部分を水分から保護するようにする。この部分は好ましくは、短絡を生じ得る伝導性密封剤の隣接部分との電気的接触を回避するように充分に小さくする。


[0291] 一実施形態では、露出伝導性領域に第1の電気的接点を結合することは、第1の電気的接点を密閉して、第1の露出伝導性領域に電気的かつ機械的に接続することを伴う。


[0292] 一実施形態では、可撓電気ケーブルは第2の露出伝導性領域を有する。また、これは、第1の露出領域を含む第1のタブと、第2の露出領域を含む第2のタブと、を有する。


[0293] 一実施形態では、第1及び第2のタブは貫通孔である。


[0294] 一実施形態では、第1のレンズはフレーム前部によって支持されている。


[0295] 一実施形態では、縁部上に第2の電気的接点を有する第2のレンズも、フレーム前部によって支持されている。


[0296] 一実施形態では、この方法は更に、第2の露出領域に第2の電気的接点を結合するために伝導性密封剤の第2の部分を塗布することを含む。


[0297] 一実施形態では、伝導性密封剤の第1の部分は、キャビティ内に第1のレンズを配置する前に、フレームの孔を介して塗布される。


[0298] 一実施形態では、伝導性密封剤の第1の部分は、キャビティ内に第1のレンズを配置した後に、フレーム前部の孔を介して塗布される。


[0299] 一実施形態では、伝導性密封剤は伝導性充填材である。


[0300] 一実施形態では、この方法は更に、伝導性密封剤を硬化させることを含む。硬化とは、材料を堅くすることを指し、特に、伝導性密封剤がポリマーを含む実施形態に適用可能である。かかる場合、硬化によって、ポリマーの外部に溶媒を引き出すことができる。また、硬化は重合又は架橋を伴うことがある。硬化方法は、限定ではないが、室温一晩硬化、UV光支援硬化、又は中程度の熱(約25〜50℃)の適用を含む。


[0301] 一実施形態では、この方法は更に、伝導性密封剤を塗布する前に、第1の電気的接点にプライマーを塗布して硬化させるステップを含む。一実施形態では、この方法は更に、プライマーを塗布した後であって伝導性密封剤を塗布する前に、第1の電気的接点に伝導性ペイントを塗布することを含む。


[0302] 一実施形態では、プライマーは電気的接点の材料と同様の材料である。「同様の材料」とは、プライマーを塗布し乾燥又は硬化させた後に残る伝導性材料が、電気的接点の材料と同一であることを意味する。しかしながら、堆積方法、堆積プロセスで用いる溶媒、及び他のプロセスパラメータは、極めて異なる場合もある。


[0303] 同様に、伝導性「プライマー」と伝導性「ペイント」との相違は、プライマー又はペイントの塗布の結果として生じる実際の伝導性材料の相違である場合があり、又は、これは溶媒及び堆積プロセスのみの相違であって、伝導性材料は同一である場合もある。いくつかの実施形態では、別個のプライマー及びペイントが必要でないことがあり、単一の伝導層が双方の機能を実現することができる。しかしながら、別個のプライマー及びペイントでは、良好な電気的接続を生成すると共に必要に応じて堅固な物理的特性を有する材料を柔軟に選択することが可能となる。例えば、比較的堅固なペイント層によって、比較的脆弱なプライマー層を保護してこれに電気的に接続することができ、この場合プライマー層は、レンズに埋め込まれた導体に対してペイントよりも良好な電気的接触を行う。


[0304] 一実施形態では、電気ケーブルは可撓ケーブルである。


[0305] 一実施形態では、第1のレンズは電子レンズである。


[0306] 驚くべきことに、本明細書に開示する様々な実施形態は、個別にであるが特に組み合わせて、並外れた耐水性が得られると共に、課題の多い用途における要素を提供する。眼鏡は、雨、汗、及び液体中に落とす等、電子素子に有害である多様な環境にさらされることがある。電子コンポーネントを有する眼鏡は、それらのコンポーネント間に接続を有する必要がある。この接続は、ヒンジをまたぐことやレンズへの接続の生成等、多くの困難を克服する必要があり得る。電子素子を組み込んでいることがある他のデバイスに比べて言えるのは、眼鏡が基本的に着用者の顔の一部であり、ユーザは特に眼鏡の外見に敏感だということである。困難を克服することは、眼鏡の望ましくない大きさが加わったり、他の外見上良くない面が追加されたりしない方法で行うのが好ましい。


[0307] 図46A〜図46Eは、レンズをエッジングしてフレームに取り付け可能な状態となった後の、レンズ電極と可撓ケーブルのコネクタタブとの間の電気的接触の形成に伴う様々なステップを示す。これらのステップの全ては実行しない場合があり、又は本明細書に記載する順序で実行しない場合もあることは認められよう。


[0308] 図46Aは、表面加工後の回折基板4610と、蓋基板4620と、内部電極4630とを示す。内部電極4630は、伝導性ポリマー又は金属等の透明な伝導性材料を含むことができる。


[0309] 図46Bにおいて、内部電極4630の上面に第1の外部電極4632が塗布されている。この第1の外部電極4632は、内部電極4630と以降の電気的接続との間の接合部として作用することができるので、「プライマー」と称する場合がある。第1の外部電極4632は、内部電極4630と同一又は同様の組成材料とすればよい。例えばこれらは双方とも、PEDOT:PSS等の同一の伝導ポリマーを含むことができる。プライマー4632は、堆積によって、又はペイントブラシを用いてインクとして塗布することができる。


[0310] 図46Cにおいて、第2の外部電極4640が第1の外部電極4632の上に塗布されて、これを覆っている。第2の外部電極4640は、電極4630及び4632と比べて異なる組成を有することができる。第2の外部電極4640は、堆積によって、又はペイントブラシを用いてインクとして塗布することができる。


[0311] 図46Dにおいて、電極4630、4632、及び4640の積層に近接して、アパーチャ(点線の外形)を有する可撓ケーブル4650が配置されている。可撓ケーブル4650の上に、金属又はプラスチックとすることができるフレームアイワイヤ4660が配置されている。一実施形態では、フレームアイワイヤ4660は、可撓ケーブル4650の配置を容易にするためのキャビティ4662を有する。


[0312] 図46Eにおいて、伝導性密封剤4670が塗布され硬化されている。伝導性密封剤は、限定ではないが、伝導性エポキシ、伝導性充填材、又は伝導性ペイントとすればよい。伝導性密封剤4670は、内部電極4630、可撓ケーブル4650、及びアイワイヤ4660を電気的かつ機械的に結合する。伝導性密封剤4670の塗布後に硬化ステップを実行して、前述のように電気的及び機械的な結合を更に強化することができる。


[0313] 図47は、一実施形態に従った、可撓ケーブルと、内部レンズ電極と、アイワイヤフレームとの間の電気的及び機械的な接触の形成に伴うプロセスステップをまとめた方法4700を示す。ステップ4710において、フレームの内側に嵌めるのに適した形状にレンズをエッジングする。ステップ4712において、内部電極が位置するレンズの縁部にプライマーを塗布する。ステップ4714において、伝導性ペイントを塗布する。


[0314] 並行ステップ4720、4730において、フレームのキャビティ内に可撓ケーブルを取り付ける。次いで方法4700は2つの分岐を有することができる。第1の分岐では、ステップ4722においてフレーム上にレンズを取り付け、ステップ4724において、電気的及び機械的な接続を確立するためにフレームの孔を介してエポキシを注入する。第2の分岐では、ステップ4732において、まず伝導性エポキシを可撓ケーブルタブ及び/又はレンズ電極に塗布し、ステップ4734において、レンズをフレーム上に取り付け、塗布した伝導性エポキシを介してレンズに電気的及び機械的に結合する。


[0315] 図48は、個別のタブ4810と共に可撓ケーブル4800の一部を示す。タブ4810は、可撓ケーブル4800の電気的接点部分4820を含み、これは絶縁層がないので露出している。この露出部分は、伝導性材料を塗布するために表面積を拡大させたフィーチャ4824を有するが、これは一例に過ぎない。伝導性材料は、フィーチャ4824に注入されてこれを通って流れ、機械的強度及び電気的接触の信頼性を向上させる。経路4830は、回路の2つの極の各々を支持する導電性トレースの一例である。可撓性ケーブルは、レンズの電気活性部分を活性化する信号の他の機能のための追加信号を伝搬する他のトレースも含むことができる。一実施形態ではポリイミドから構成することができる絶縁カバー4840も図示している。また、可撓ケーブルは、電磁干渉から保護するための遮蔽層(図示せず)も含むことができる。


[0316] 図49は、本開示の一実施形態に従った別の可撓ケーブル4910を示す。可撓ケーブル4910は、レンズに接続するための電気コネクタタブ4920と、電子制御モジュールに接続するための電気コネクタ4930と、を含む。領域4940は、図の「詳細図A」に相当し、個別のコネクタタブ4920の拡大図を示す。「詳細図B」は、電気コネクタ4930の拡大図である。


[0317] 図50は、図49の可撓ケーブル4910の断面C−C、D−D、及びE−Eの概略横断面を示す。一実施形態では、可撓ケーブル4910は、ポリイミド(PI)基板5010と、導体5020と、ポリイミドカバー5040と、を備えている。可撓ケーブル上に、導体5020で覆われた貫通孔5030がパターニングされている。導体5020は、前述のようなポリイミド材料上に堆積又は電気めっきされている。


[0318] 図51は、一実施形態による眼鏡フレームの光学像を示す。具体的には、フレーム前部5110に、孔5150(本明細書における伝導性密封剤が充填されている)が図示されている。フレーム前部5110はレンズ5130を支持し、ヒンジ5140を介してつる5120に接続されている。この図は、可撓ケーブル(図示せず)のコネクタタブをレンズ5130の電極に結合するために伝導性密封剤を塗布する際に用いられる方法の一実施形態を示す。


[0319] 図52は、レンズフィッティングカットアウト5200の概略を示す。レンズのエッジングの前に、カットアウトチャート5200上に、被験者の瞳の中央に印をつけた度のないダミーレンズを取り付けたフレームを置いて、製造プロセスが成功であったか否かを試験する。瞳の中央の印の位置はフィッティングポイントに位置合わせされている。領域5210は開始レンズ基板の領域に相当する。フィッティングポイント5230に対するレンズの適正位置を測定する(一例ではミリメートル単位で)ために、ライン5220を用いる。位置合わせのために基準5280を用いる。


[0320] タブ5240は、レンズの電極の初期位置に相当する。楕円形5250は、レンズの電気活性コンポーネントの領域に相当する。曲線5260及びタブ5240上のライン5270は、製造が成功であった場合にエッジングしたレンズが配置されなければならない領域を画定する。例えば、レンズの一部が曲線5260の内部にある場合、エッジングプロセスは失敗だったことになる。


[0321] カットアウト5200は、ある形状及び寸法のレンズに関する一例であることは認められよう。概念的に同様の手法を用いて、他の形状のレンズに適した様々な他の装置を考案することも可能である。


[0322] 図1から図52の実施形態は、電子眼鏡のためのコンポーネント、デバイス、及び製造方法について、フレーム、電子コンポーネント、及び電気的接続に焦点を当てて説明している。以下に記載する実施形態では、電子眼鏡のレンズ設計及びその製造プロセスについて述べる。


[0323] 図53は、「65%ルール」に基づいた、屈折力分布と、電気活性(EA)コンポーネント5310及び静的な中間屈折力コンポーネント5320の各々の寄与分と、を示すグラフである。「65%ルール」によると、静的中間屈折力コンポーネント5320は、完全な近方視力補正に必要な全屈折力の65%に相当し、EAコンポーネント5310は、残りの35%に相当する。この比によって、患者は、(伸ばした腕の)手首位置よりも遠い距離についてはコンポーネント5320によって適正な視力を達成することができ、これより近い距離についてはコンポーネント5310によって調節することができる。例えば、+2.00D(ジオプトリー)の全屈折力が要求される近方視力の処方では、「65%ルール」によると、EAコンポーネント5310の屈折力は+0.7Dとし、静的中間コンポーネントの屈折力は+1.3Dとすればよい。


[0324] 図54は「65%ルール」の別の例を示す。この場合、x軸5410は様々な全屈折力処方を示し、y軸5420は、「65%ルール」に従った対応する静的中間屈折力コンポーネント5320を示す。


[0325] コンポーネント5310は電子眼鏡の電子コンポーネントを介して被験者により動的にオン及びオフされるが、コンポーネント5320はレンズ基板を介して固定されている(静的である)ことに留意すべきである。図53に基づいて、理論上、各処方に1つのEAコンポーネントが要求され得ることは認められよう。しかしながら、そのような実施はコストが法外に高くなる可能性がある。従って、全ての処方についてEAコンポーネントが2〜3だけという許容可能な妥協案が望ましいであろう。


[0326] 図55は、従来技術のレンズ設計に従った屈折力分布グラフ5500を示す。このグラフでは、全ての処方について、+0.75Dの屈折力を有する1つのみのEAコンポーネント5310が用いられることがわかる。残りの屈折力は、静的中間屈折力コンポーネント5320によって調節される。


[0327] 図56は、様々な処方についての屈折力分布対静的コンポーネントの寄与分のグラフを示す。ライン5610は、図55の設計による静的中間屈折力コンポーネントであり、ライン5620は、「65%ルール」からの理論上の静的中間屈折力コンポーネント5620である。図55の設計では、全ての処方について、達成可能な静的中間屈折力5610と理論上の屈折力5620との間に不一致があることがわかる。不一致の幅は、全屈折力が低い場合及び高い場合(例えば+1.25D、+1.50D、+2.75D)は大きくなり、全屈折力が中間である場合(例えば+2.00D、+2.25D)は小さくなることがある。


[0328] 電気活性屈折力の最適な分布では、全(ADD)屈折力の各々に特定のEAコンポーネント5310が必要であることは認められよう。しかしながら、2つのEAコンポーネント又は3つのEAコンポーネントの方が、よりいっそう「65%ルール」に適合する。最適な屈折力分布のため、+0.50D、+0.75D、及び+1.00DのEA屈折力を用いることができる。


[0329] 図57は、本開示の一実施形態に従った屈折力分布グラフ5700を示す。グラフ5700によると、EAコンポーネント5310に2つの屈折力がある。すなわち、+1.25Dと+2.75Dとの間の全屈折力のための第1の+0.75Dと、+3.00Dと+3.75Dとの間の全屈折力のための第2の+1.25Dと、である。


[0330] 図58は、図57の一実施形態に従った、様々な処方についての屈折力分布対静的コンポーネントの寄与分を表す対応するグラフを示す。図56においてと同様に、ライン5810は、図57の設計による静的中間屈折力コンポーネントであり、ライン5820は、「65%ルール」からの理論上の静的中間屈折力コンポーネントである。このグラフでは、1つでなく2つの屈折力をEAコンポーネント5310に用いることで、図56に比べて、達成可能な屈折力と理論上の屈折力との間の不一致を低減可能であることがわかる。


[0331] 良好な中間視力を保証するためには、わずかに過大である部分的な累進屈折力が好ましい。静的累進設計により、EAコンポーネント5310を活性化することなく明瞭な遠方及び中間の視力を与えなければならない。図57及び図58のものと同様の設計が電子眼鏡に存在しない場合、着用者によっては、中間距離を見る際に不満を感じることがある。


[0332] 図59は、本開示の一実施形態に従った屈折力分布グラフ5900を示す。グラフ5900によれば、EAコンポーネント5310に3つの屈折力がある。すなわち、+1.25Dと+2.00Dとの間の全屈折力のための第1の+0.75Dと、+2.25Dと+2.75Dとの間の全屈折力のための第2の+1.00Dと、+3.00Dと+3.75Dとの間の全屈折力のための第3の+1.25Dと、である。


[0333] 図60は、図59の一実施形態に従った、様々な処方についての屈折力分布対静的コンポーネントの寄与分を表す対応するグラフを示す。図56においてと同様に、ライン6010は、図59の設計による静的中間屈折力コンポーネントであり、ライン6020は、「65%ルール」からの理論上の静的中間屈折力コンポーネントである。このグラフでは、1つでなく3つの屈折力をEAコンポーネント5310に用いることで、図56に比べて、達成可能な屈折力と理論上の屈折力との間の不一致を低減可能であることがわかる。


[0334] 図61は、本開示の一実施形態に従った屈折力分布グラフ6100を示す。グラフ6100によれば、EAコンポーネント5310に3つの屈折力がある。すなわち、+1.25Dと+2.00Dとの間の全屈折力のための第1の+0.50Dと、+2.25Dと+2.75Dとの間の全屈折力のための第2の+0.75Dと、+3.00Dと+3.75Dとの間の全屈折力のための第3の+1.00Dと、である。


[0335] 図62は、図61の一実施形態に従った、様々な処方についての屈折力分布対静的コンポーネントの寄与分を表す対応するグラフを示す。図56においてと同様に、ライン6210は、図61の設計による静的中間屈折力コンポーネントであり、ライン6220は、「65%ルール」からの理論上の静的中間屈折力コンポーネントである。このグラフでは、1つでなく3つの屈折力をEAコンポーネント5310に用いることで、図56に比べて、達成可能な屈折力と理論上の屈折力との間の不一致を低減可能であることがわかる。また、この不一致は、図57の2つの屈折力に比べても低減されていることがわかる。


[0336] 図61の設計に基づいて、医師は遠方及び近方の処方を指示し、製造業者は自動的にEA屈折力を割り当てることができる。あるいは、医師は、着用者の経験に合わせてカスタム化するために、遠方、近方の処方、及びEA屈折力を指示することができる。デスクトップコンピュータの使用等の活動には低屈折力のEAを用い、ゴルフ等の活動には高屈折力のEAを用いることができる。


[0337] 図63は、レンズ基板6310(左側)と、屈折力対フィッティングポイント6330からの距離を表す対応するグラフと、を示す。フィッティングポイント6330に加えて、レンズ基板は、フィッティングポイント6310よりも約5mm下方に12mmにわたって延出する電気活性コンポーネント6320と、レンズ電極6340と、を含む。グラフは、第1の静的部分加入度レンズ(PAL:partial add lens)6350と、全累進屈折力6370と、第2の静的PAL6360と、を示す。第2のPAL6360は、第1のPAL6350の代わりに選択し得るものである。全累進屈折力6370は、第1の静的PAL6450及び電気活性コンポーネント6320からの加入度屈折力の合計である。例示する特定の例では、例示するが個別にはグラフ化していない電気活性コンポーネント6320は、+0.75Dという一定の加入度屈折力を有する。+2.00Dの全(ADD)屈折力について、このADD屈折力の85%に達するのは、約11mm、すなわちEAコンポーネントの半分まで下がった箇所であることがわかる。


[0338] 図64は、電気活性コンポーネント累進帯の使用法を有するレンズの円グラフを示す。20%が短距離(short)であり、80%が標準(normal)である。


[0339] 図65は、一実施形態に従った、レンズ基板6510と、フィッティングポイント6530に対する電気活性コンポーネント6520の相対位置と、を示す。左側のレンズ基板では、電気活性コンポーネント6520の中心はフィッティングポイント6530よりも11mm下方に位置している。この構成では、図63に示すように、全(ADD)屈折力の85%を生成することができる。右側の基板は、EAコンポーネント6520を2mm上方に動かした構成を示す。この場合の9mmでは、全ADD屈折力が達成されない場合がある。静的PAL屈折力を大きくしてこのシフトを補償する必要があるが、これによって望ましくない非点収差を増大させる恐れがあり、視野チャネルが狭くなる。


[0340] 一実施形態では、2つのレンズ設計があり得る。第1の設計は、11mm帯設計を用いることができる。第2の設計は、9mm帯設計を用いることができ、より新しく浅いフレームにはこれの方が適している場合がある。9mm帯は、セミフィニッシュトブランク(SFB)基板の在庫品に影響を与えることはなく、更に、目立ちにくい縁部を有するこの設計を用いるために処方ソフトウェアを追加することができる。かかるレンズ設計のための発注プロセスは簡単なものであり得る。医師は、利用可能なディスプレイからフレームを選択し、小玉(segment)の高さ(SH)、フィッティング高さ、及び瞳孔距離(PD)を測定した後に、注文を完了することができる。次いで、Eagleソフトウェア等のソフトウェアが、フレームサイズ、SH、フィッティング高さ、及びPDに基づいて、自動的に最適なAPL設計を選択することができる。


[0341] 新しい光学部品及びSFB設計の目標は、EAセグメントの周縁部における像の跳躍(image jump)を軽減し、視覚の快適さを向上させ、視野の幅を拡大し、中間の視距離における視力を向上させ、絶対最小フィッティング高さを低減してもっと小さくファッショナブルなフレーム(特に女性向け)の使用を可能とし、広範なフレームスタイルにわたって許容可能なフィッティングを増やすことである。


[0342] 図66は、一実施形態に従った電子レンズの屈折力の2次元マップを示す。ここでは、一例として+0.75Dの屈折力を有するEAセグメントを用いる。また、レンズは、ベースカーブについての+4.0Dの寄与分を含む。屈折力は、電気活性コンポーネントの上部の+4.25Dから、電気活性コンポーネントの下部から約2mmでの+4.75Dまで上昇することがわかる。y軸に沿った累進屈折力は、オン状態の(on-state)近方視力補正を達成するように累進する部分加入度と共に機能する。両非球面(biaspheric)累進屈折力によって、EAセグメントの周縁部に沿ってオン状態の屈折力不連続の大きさを低減することができる。


[0343] 図67は、製造プロセスの前にフィッティングを評価するために用いられるレンズ基板6710の従来技術のカットアウトチャートの一例を示す。領域6720は電気活性コンポーネントに相当し、コネクタ6730はレンズ電極に相当し、基準6760はフィッティングポイント6770に沿ったアラインメントマークとして用いられる。曲線6750及び電極線6740によって画定される領域は、前述のように、エッジングしたレンズが包含されなければならない領域の外形を描いている。


[0344] この例によれば、電極6730は元来、一時的な縁部に沿って位置していたことがわかる。信号及び接地の電気的接続がリムロック位置で分割されているので、許容できるフィッティングが制限される。本開示の様々な実施形態によれば、可撓ケーブル配線ハーネスが利用可能であるため、リムロックの制限は取り除かれ、双方の接点がレンズの上縁部に沿うことができる。


[0345] 図68は、本開示の一実施形態によるレンズ基板カットアウトを示す。この実施形態によれば、電極6830はレンズ基板の上縁部に沿って位置し、相互に10度から60度までの角度を形成することができる。一実施形態では、電極6830は相互に平行であり、縦の向きにすることも可能である(この図には示していない)。


[0346] EAコンポーネント6820は、約12mm×20mmの寸法を有する楕円形のセグメントであり、フィッティングポイント6870の約3mmから5mm下方に位置することができる。この設計によれば、ヒンジ中点の制限は排除されている。電極5830は、フィッティングポイント6870の各側の約8から15mmで始まるが、好ましい範囲は11から13mmである。また、最小電極長の制限(ここでは5mmを示すが、もっと長い場合もある)は、視覚領域からの充分な距離を保証する。


[0347] 図69は、一実施形態に従った電子レンズ6900の様々な層を示す。レンズ6900は、接合された2つの基板すなわち回折基板6902及び蓋基板6928から成る。その間に、様々な層及び電気活性材料が適用されている。これらについて以下で述べる。


[0348] 回折基板6902は、周期的な溝構造(円形、点状のコンポーネント)を有し、これによって液晶電気活性材料のアラインメントを容易にすると共に入射光の操作を良好にする。一実施形態では、回折基板6902の上に、堆積、スピンコーティング、分与、インクジェットプリンティング、又は他の技法によって、いくつかの層を塗布することができる。まず、伝導性ポリマー電極6904をコーティングして(スピン、スプレー、インクジェット、又は他のコーティング方法)、第1のレンズ電極を形成することができる。一例において、これはAGFA S305+伝導性ポリマーであり、公称厚さは約125nmである。次いで、透明導体6906をスパッタ堆積することができる。一例において、これは、公称厚さは20nmのITOとすることができる。透明導体6906の堆積後に、絶縁体6908を堆積する。一例において、これは、公称厚さが140nmのSiO2とすることができる。次いで、スピンコーティングによってプライマー6910を塗布することができる。一例において、これは、公称厚さが10nmの0.5%wtシランプライマーとすることができる。最後に、アラインメント層6914(Rolic ROP 103/2CP)を、公称厚さ25nmにスピンコーティングし、UV露光によって硬化させることができる。


[0349] 蓋基板6928の上に、様々な層が堆積されている。同様に、伝導性ポリマー電極層6926をコーティングして(スピン、スプレー、インクジェット、又は他のコーティング方法)、第2のレンズ電極を形成することができる。伝導性ポリマー電極6926は、伝導性ポリマー電極6904と同様の組成及び厚さを有することができる。この後、透明導体6924及び絶縁体6922をスパッタ堆積することができる。これらもそれぞれ、透明導体6906及び絶縁体6908と同様の組成及び厚さを有することができる。この後、シランプライマー6920を形成し、プライマー6910と同様の厚さ及び組成にスピンコーティングすることができる。最後に、アラインメント層6918(Rolic ROP 103/2CP)を、公称厚さ25nmにスピンコーティングし、UV露光によって硬化させることができる。いったん双方の基板に全てのコーティングを形成したら、接着剤及び電気活性材料を塗布することができる。電気活性材料6916(例えばDIC RDP-A3268CH1コレステロール液晶)を、インクジェットプリンティングによって回折構造上に塗布して、SFBの組み立て後に最大で3.3μmまでの厚さとすることができる。最後に、カスタム配合の高屈折率接着剤6912(回折基板6902の屈折率に一致させた)の層を、プライマーの上に精密に分与してパターニングすることができる。分与する接着剤の量は、公称厚さ10μmの硬化膜において空隙も泡も存在しないSFBを生成するように最適化する。


[0350] 図70は、SFB基板の製造のためのプロセスフロー7000を示す。単に例示のため、プロセス7000を記述するための参考として、図69からの要素を用いることができる。


[0351] ステップ7002において、開始基板を成型(cast)する。これは例えば、図69の基板6902及び6928とすればよい。ステップ7004では、蓋を傷防止材料でコーティングする。ステップ7002及び7004は基板製造業者によって実行することも可能である。


[0352] ステップ7006では、組み立てプロセスのために基板に内張りを行う(crib)。このプロセスは「汚れた」プロセスであり、クリーンな製造環境を必要としない空間で実行することができる。


[0353] ステップ7008では、洗浄ステップによって、クラス10,000又はクラス1,000及びクリーンルーム設備以下のようなクリーンで汚染物質のない環境で実行される一連の残りのステップを開始する。ステップ7010では、基板上に伝導性ポリマー電極6904及び6926をスプレーコーティングする。ステップ7012では、透明導体(ITO)6906及び6924並びに絶縁体(SiO2)6908及び6922をスパッタ堆積する。ステップ7014では、レーザトリミングを用いて基板上に透明ITO導体6906及び6924をパターニングする。


[0354] ステップ7016では、基板上にプライマー6910及び6920をスピンコーティングして加熱硬化させる。ステップ7018では、基板上にマスクを塗布(例えば糊付きポリマー膜)し、アラインメント層6914及び6918をスピンコーティングする。ステップ7020では、アラインメント層をUV光露光によって硬化させる。


[0355] ステップ7022では、電気活性液晶材料6916をインクジェットプリンティングする。ステップ7024では、双方の基板上に接着剤を分与し、ステップ7026では、基板を真空状態で組み立て、この組立品をUV硬化させて接合を強化する。


[0356] 図71A〜図71Cは、製造プロセスのステップを部分的に示す。図71Aは、ITOレーザトリミングプロセスを示す。基板7110は回折基板であり、基板7150は蓋基板である。また、回折基板7110上に電気活性領域7120も示している。電気的接点7130間の短絡を回避するため、領域7140、7160、及び7170をレーザトリミングして、基板7110及び7150からITOを除去する。最終組立品において、例えば蓋基板7150を垂直方向に沿って反射させ(mirror)、回折基板7110の上に位置合わせして組み立てる。


[0357] 図71Bは、エッジング前の組み立てたレンズ7180を、アラインメント基準7184及びレンズ外形7182(点線)と共に示す。最終レンズは、レンズ外形7182に基づいてエッジングされる。図71Cは、エッジング後の最終レンズ製品を示す。


[0358] 図72は眼鏡7210の前面図を示し、ここで、右レンズ7220の許容可能フィッティング7222は、図67に示したカットアウトチャートに従った従来技術の設計を表す。左レンズ7230の許容可能フィッティング7232は、図68に示すような本開示の実施形態に従ったレンズ設計を表す。図に示すような28mmと38mmとの間の瞳孔距離(PD)は、母集団の少なくとも90%を含む。従来技術では、フレームは基本的に、領域7222に示すような1つ又は2つのフィッティングしか可能ではなかった。本明細書に記載する実施形態によれば、フレームはPD値の全範囲にわたってフィッティングが可能であり、領域7232に示すように、PDに対してフィッティング高さはほとんど依存しない。


[0359] 概要及び要約(もし存在すれば)の項でなく、発明を実施するための形態の項が、特許請求の範囲の解釈に用いるように意図されることは認められよう。概要及び要約(もし存在すれば)の項は、本発明者(複数の発明者)によって想定されるような本発明の1つ以上ではあるが全てではない例示的な実施形態を記載することができ、従って、本発明又は添付の特許請求の範囲を限定することは意図されない。


[0360] 本発明について、例示的な分野及び用途のための例示的な実施形態を参照して記載したが、本発明がこれらに限定されないことは理解されよう。他の実施形態及び変形も可能であり、本発明の範囲及び精神内である。例えば、この段落の大部分を限定することなく、実施形態は、図面に示した及び/又は本明細書に記載したハードウェア、方法、及び/又はエンティティに限定されない。更に、実施形態は(本明細書において明示的に記載されていても記載されていなくても)、本明細書に記載した例を超えた分野及び用途に対して著しい有用性を有する。


[0361] 規定した機能及びそれらの関係の実施を例示する機能構築ブロックを利用して、本明細書において実施形態を記載した。これらの機能構築ブロックの境界は、記載の便宜上、本明細書では任意に画定している。規定した機能及び関係(又はそれらの均等物)が適切に実行される限り、代替的な境界を画定することも可能である。また、代替的な実施形態では、本明細書に記載したものとは異なる順序を用いて、機能ブロック、ステップ、動作、方法等を実行する場合がある。


[0362] 本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「一例の実施形態」、又は同様の語句の言及は、記載する実施形態が特定の特性、構造、又は特徴を含み得るが、全ての実施形態が必ずしもその特定の特性、構造、又は特徴を含むわけではない場合もあることを示す。更に、そのような語句は必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。また、特定の特性、構造、又は特徴をある実施形態と関連付けて記載する場合、かかる特性、構造、又は特徴を他の実施形態に組み込むことは、本明細書において明示的に記載されていても記載されていなくても、当業者の知識内である。


[0363] 本発明の範囲は、上述の例示的な実施形態によって限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるものとする。



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