Multifocal contact lenses

申请号 JP51729894 申请日 1994-01-25 公开(公告)号 JPH08507158A 公开(公告)日 1996-07-30
申请人 ピルキントン バーネス ハインド インコーポレイテッド; 发明人 マイケル エイチ フリーマン;
摘要 A multifocal contact lens has diffractive power arising from a series of concentric zones each providing an asymmetric retardation of light across the zone width to direct light predominantly into a required order and sign of diffraction. At least some of the concentric zones are shaped so that the step height varies so that it is different in one region (A) of the lens from that in another region (B), whereby the intensity of light associated with an image observed by diffraction at one order in that region (A) of the lens is greater than the light intensity associated with the same image when observed at the same order through another region (B) of the lens.
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 回折力を有する多焦点コンタクトレンズであって、 ある回折次数の少なくとも1個の像を回折によって形成し、レンズのある部分を介して肉眼により見た像が、レンズの別の部分を介して肉眼により見た同一回折次数の同一の像と、異なる強度を有することにおいて相異する多焦点コンタクトレンズ。 2. 屈折力及び回折力を有する多焦点コンタクトレンズであって、回折力が非対称のゾーンプレート面により発生すると共に、視野領域のある部分の回折力によって結像される像の強度が別の部分の回折力によって結像される像の強度よりも強くなるように回折力がレンズの視野領域中に分布する多焦点コンタクトレンズ。 3. 回折力を有する多焦点コンタクトレンズであって、レンズを透過した光が回折するように配置した複数の同心状ゾーンを有し、各ゾーンが、設計波長の光が必要な回折次数及び符号の光に変換されるようにゾーン幅に亘って非対称な光のリターデーションを発生し、前記同心状ゾーンの少なくとも一部が、各ゾーンの段差高さが変化するように形成され、レンズのある区域の段差高さが別の区域の段差高さと相異し、レンズのある区域のある回折次数の回折によって見られた像の光の強度が、レンズの別の区域を通して同一像を同一の回折次数で見た場合の像の光強度よりも強い多焦点コンタクトレンズ。 4. 請求項3に記載の多焦点コンタクトレンズにおいて、各ゾーンが入射光を+ 1又は−1次の光に変換する多焦点コンタクトレンズ。 5. 請求項3又は4に記載の多焦点コンタクトレンズにおいて、前記回折力が、 レンズの材料及びレンズのレンチキュラ面の基本曲率によって形成される屈折力に付加されている多焦点コンタクトレンズ。 6. 請求項3から5までのいずれか1項に記載の多焦点コンタクトレンズにおいて、前記同心状ゾーンの数個がゾーンの周囲間のゾーン幅に亘って不均一な段差高さを有する多焦点コンタクトレンズ。 7. レンズの、付加された回折力により一層強い強度の光を発生する区域が角膜の下側に位置するようにバラストが設けられている請求項5に記載の多焦点コンタクトレンズ。 8. 前記同心状ゾーンがレンズ面の表面形状を形成することによって形成された請求項3から7までのいずれか1項に記載の多焦点コンタクトレンズ。 9. 前記成形が、コンピュータ制御の研削により行われた請求項8に記載の多焦点コンタクトレンズ。 10. 前記成形がレーザを用いる研削によって行われた請求項8に記載の多焦点コンタクトレンズ。 11. 前記回折力が、レンズ材料の屈折率の変化により形成される請求項1から7 までのいずれか1項に記載の多焦点コンタクトレンズ。 12. 回折力を有する多焦点コンタクトレンズを製造するに際し、最終的に形成されるレンズのゾーンプレートパターンを形成するように構成されたマスクを、レーザ光源と未処理のレンズ体との間に配置し、マスク領域上でレーザの研削効果を変調させる手段を用い、前記未処理のレンズ体の表面にゾーンプレートパターンを研削により形成する多焦点コンタクトレンズの製造方法。 13. 請求項12に記載の方法において、前記変調手段が、変化する回折力をレンズ表面に形成する方法。 14. 請求項12又は13に記載の方法において、前記変調手段が第2のマスクを有し、この第2のマスクのレーザから放出された光の進行方向の透過性が、第2 のマスクの表面に沿って変化し、これによりレーザの研削効果を変調する方法。 15. 請求項14に記載の方法において、前記変調手段が微小スポットのパターンを有し、スポットパターンの密度が第2のマスクの表面に沿って変化する方法。 16. 前記変調手段が、前記第1のマスクと組み合わされている請求項14又は1 5に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 多焦点コンタクトレンズ 本発明は多焦点(2焦点を含む)コンタクトレンズ、特に回折を有する多焦点コンタクトレンズに関するものである。 米国特許第4637697号は、レンズを通過する光の少なくとも一部の光が非対称性ゾーンプレート面により集束される2焦点コンタクトレンズについて記述している。 このゾーンプレート面はレンズを透過して光が回折するように形成した複数の同心状のゾーンを有し、各ゾーンはそのゾーン幅に亘る非対称のリターデーションを形成している。 この明細書に記載されている発明は、ある形態のものにおいては、レンズの表面輪郭によって各ゾーンが規定され非対称リターデーションも形成されている。 特に、ゾーンはレンズ面の段差により規定される。 米国特許第4637697 号のコンタクトレンズは、2焦点レンズとして作用するように設計され、1の形態として同心状のゾーンは、この同心状ゾーンを形成するレンズ面が同心状ゾーン全体に亘って均一な輪郭を有する傾斜した形態となるように形成されている。 この形態の同心状ゾーンは適当な形状のマスクを用いてレーザ加工により直接形成することができ、或いはダイヤモンド工具を用いて直接切断することもできる。 一般に、この形態のゾーンプレートにより、可視域の大部分の光は零次画像及び正の1次画像として入射する。 遠くの視野を補正するために屈折力が必要なこの型式のレンズにおいて、屈折力は零次回折像により乱されることはない。 近視野像についてのレンズ力は回折効果によって与えられ、この付加されたレンズ力は遠視野を見るためのレンズ力全体と近視野を見るためのレンズ力全体との差であり、回折効果によって与えられている。 この型式のレンズにおいて、この2焦点レンズはレンズの光学的部分の全ての点において遠視野からの光及び近視野からの光の両方が眼に入射するいわゆる同時観察モードで動作するので、眼に対して方向性をもたせることは不要である。 膜上で回転しない多焦点コンタクトレンズも既知であり、この多焦点コンタクトレンズは種々の方法により位置が安定に維持されている。 最も一般的な方法は、バラストを形成すること、すなわちレンズの一方の縁部を一層厚くしかも重くなるように形成することである。 レンズは、より厚い部分を下部に有する楔又はプリズム形状のものを用いて作ることができる。 レンズは、下側部分が他の部分よりもより広い幅で重くなるように面取り又は切断して、眼に対して特定の方向に保持することができる。 このレンズは、遠視野、近視野及び必要な中間視野用の個別の区域を含んでいる。 バラストを設けることにより、レンズは、使用者が真すぐ前方を見すえ、まばたきした後安定な下側位置に戻される。 この位置において、レンズの端の部分は、瞳の全面に整列するように位置する。 読むために眼を下方に移動させると、レンズは下側のまぶたと接触して押し上げられ、瞳はレンズの近視野観察部分を含む部分と整列する。 このようなレンズはジャンプによる影響を受け易く、すなわち眼が遠視野観察部分から近視野観察部分に偏位し、近視野観察部分と遠視野観察部分との間の境界を通過する場合に発生する変位画像が生ずる問題がある。 このジャンプによる不具合はいわゆる単一中心2焦点レンズを用いることにより除去することができるが、2焦点レンズを必要とする多くの患者はこのレンズに合わない問題が生ずるおそれがある。 コンタクトレンズは、近視野像を合焦させるために回折効果を利用した商品として入手されている。 このレンズでは、上述したように称されているバラストが設けられた多焦点レンズとは異なり、眼に対する方向性を定める必要はないが、 眼に対して移動し易く特に読書するため眼を下方に移動させたとき移動し易くなってしまう。 一般的に多焦点レンズの使用者は、読書や細かい作業を行うのに必要な光の量が例えば20才代の人が必要とする光量よりも一層多く必要とする年代に達している。 従って、読書や細かい作業を行う能力は像の光強度によって影響を受けてしまう。 米国特許第4637697号明細書に記載されているように、非対称ゾーンプレート面を利用したレンズの場合、ゾーンプレートが個々の同心状ゾーンの段差高さが均一になるように配置されているとき、近視野の画像の光強度は、レンズのいかなる部分が使用されても実際上同一にされている。 少なくとも1個の像を合焦させるために回折効果を用いる多焦点コンタクトレンズの性能は、レンズのある部分を介して見た1次の像の光強度をレンズの別の部分を介して見た同一次数の同一像の光強度よりも増大させることにより一層改善することが出来る。 本発明は、光強度の変化が所望のものとなるようにレンズの区域を選択することにより並びにこの区域内において回折効果を変化させることにより、例えば上記区域の一部を構成する個々のゾーンの段差高さを変化させることにより光強度変化が達成されることに基づいている。 例えば米国特許第4881805号明細書及び欧州特許出願公開343067 号明細書に記載されているように、レンズの外周側のゾーンの段差高さが内周側のゾーンの段差高さと相違する同心状ゾーンを有する2焦点レンズを用いることが提案されている。 これらの明細書の記載内容を理解する限り、これら従来のレンズでは、異なる同心状ゾーンにおいて入射光を異なる回折次数の光に変換するように設計されている。 これらの設計は本質的に対称的になされており、全てのゾーンは円周上の全ての焦点において同一の段差高さとされ、円対称と言うことができる。 本発明の1の概念によれば、ある回折次数(好ましくは、−1及び−1次から選択する)の少なくとも1個の像を回折によって形成し、レンズのある部分を介して肉眼により見た像が、レンズの別の部分を介して肉眼により見た同一回折次数の同一の像と、異なる強度を有することにおいて相異する多焦点コンタクトレンズを提供する。 同心状の非対称ゾーンプレート面を用いるレンズのある部分のある回折次数の合焦した像と関連する光強度をレンズの別の部分における像の光強度から相異させるため、方向が定められた態様でゾーンの段差高さを変化させる必要がある。 同心状ゾーンの全てに亘って同一の段差高さを有するゾーンの代わりに、レンズの予め定めた区域の段差高さを変化させその区域の終端した部分では段差高さをオリジナルの高さに戻す。 この設定は当該区域を通る全てのゾーンについて行い、予め定めた区域の全体を、レンズの残りの部分の段差高さとは相異する同一の段差高さとする。 この段差高さの変化はゾーン幅の変化と関連しない。 段差高さの急激な変化を回避することが好ましく、ある段差高さから別の段差高さへなめらかに移行させ、ある段差高さの区域を別の段差高さの区域へならめかに移行させることが好ましい。 さらに、本発明は、回折力を有する多焦点コンタクトレンズであって、レンズを透過した光が回折するように配置した複数の同心状ゾーンを有し、各ゾーンが、設計波長の光が必要な回折次数(好ましくは+1又は−1から選択する)及び符号の光に変換されるようにゾーン幅に亘って非対称な光のリターデーションを発生し、前記同心状ゾーンの少なくとも一部が、各ゾーンの段差高さが変化するように形成され、レンズのある区域の段差高さが別の区域の段差高さと相異し、 レンズのある区域のある回折次数の回折によって見られた像の光の強度が、レンズの別の区域を通して同一像を同一の回折次数で見た場合の像の光強度よりも強い多焦点コンタクトレンズを提供する。 このような表面形状の形成は、レーザ研削又は例えばコンピュータ制御研削装置のような適当な装置を用いる削り出しにより行うことができる。 レーザ研削の場合、1個のマスク又は透過率が変化ずるマスクの組み合わせを用いてエネルギー透過率が変化するようにレーザビームをマスクする。 このようなマスクを用いることにより、特別な形状を形成するために除去するのに必要な材料の量に対応したエネルギー量を透過させることができる。 表面形状を形成するためにレーザ研削を利用することは好適であり、本発明は、回折力を有する多焦点コンタクトレンズを製造するに際し、最終的に形成されるレンズのゾーンプレートパターンを形成するように構成されたマスクを、レーザ光源と未処理のレンズ体との間に配置し、マスク領域上でレーザの研削効果を変調させる手段を用い、前記未処理のレンズ体の表面にゾーンプレートパターンと研削により形成する多焦点コンタクトレンズの製造方法を含むものである。 一般に、変調手段を適切に配置し、レンズのある部分においてある回折次数の回折力によって合焦した像の強度がレンズの別の区域を通して見た同一回折次数の同一の像の強度とは相異するようにレンズ面全体に亘って回折力を変化させる。 ある製造スキムにおいて、変調手段が第2のマスクを有し、この第2のマスクのレーザから放出された光の進行方向の透過性が、第2のマスクの表面に沿って変化し、これによりレーザの研削効果を変調する。 従って、本発明は、回折力を有するコンタクトレンズを製造するに際し、2個のマスクを通過するレーザビームを用いてレンズ面を研削する工程を有し、一方のマスクが、各ゾーン幅に亘って密度勾配を有しレンズ面に回折性ゾーンを形成するのに有効なパターン規定ゾーンを有し、他方のマスクが、レンズ面の種々の部分が異なる回折強度を与えるようにレンズ面の実際に用いられる領域に亘って研削密度を変更するのに有効な密度勾配を有するコンタクトレンズの製造方法を提供する。 好ましくは、前記一方のマスクは均一な段差高さの回折性ゾーンを形成するマスクとし、他方のマスクはレンズ全体に亘る段差高さ又はレンズの少なくとも一部の段差高さを変えるのに有効なマスクとする。 勿論、2個のマスクを結合して、上述した2個の機能を達成する単一のマスクを形成することもできる。 レーザ研削手段により本発明のコンタクトレンズを製造することにより、レンズを患者の個々の要請に適合させることができる。 回折によって像を合焦させる手段を有しないバラストが設けられた未処理のレンズ(又は肉眼上で特定の向きに維持する手段を有する他の未処理のレンズ)を肉眼上に配置し、次に肉眼から取りはずし、レンズの全ての部分又は一部に回折力を与えるように研削することもでき、この研削も各ゾーンの段差高さを適切に変化させて独立した個別の区域が形成されるように制御することもでき、これによりレンズのある部分ある1次数の像と関連する光強度のレンズの別の部分の同一回折次数の同一の像の光強度に対する比を使用者の個々の要求に適合するように選択することができる。 好適実施例において、複数のゾーンは同心状のゾーンとして説明したが、同心状系の一部分だけを包囲するようにレンズを製造することもでき、このレンズ部分は各ゾーンの段差高さを変えることによりサブ分割し、レンズのある区域の像の光強度をレンズの他の部分による同一像の光強度と相異するように形成することができる。 レンズの販売者(眼科医)は、本発明に基づき、レンズの適合性を用いて達成される事項に別の変数を付加する手段を設け、患者の要求を満足させる性能を一層増大させることができる。 レンズの販売者は、適合させるための道具を有し、 この適合させるための道具を用いてレンズを注文することができるので、研削すべき実際のレンズは、適合性を決定するために用いられる必要はない。 以下、図面に基づいて本発明によるレンズの製造について説明する。 図1は写真製版によって作られるマスクに好適な勾配したパターンの拡大図である。 図2はスポットの密度が均一に変化する別の勾配パターンの拡大図である。 図3は図1の勾配パターンに基づくマスクと図2の勾配パターンに基づくマスクの1対のマスクを研削すべきレンズとレーザビーム源との間に配置した状態を示す線図である。 図3Aは研削されたレンズの同心状ゾーンの上側の部分における段差高さの変化を断面として示す。 図4はレンズの位置を規定するために用いる極座標を示す線図である。 図5はレンズの一実施例の極座標角に対する段差高さを示す。 図6は円A及びBで示す眼の2個の瞳位置を用いてレンズを線図的に示す。 図7はレンズを通過する一連の像光線を示す線図である。 図8はゾーンプレートパターン及び及びレンズ面に段差高さの変化するD形セグメントを有するレンズを示す線図である。 図9はレンズの別の実施例の最大段差高さになめらかに変化する段差高さを示す線図である。 コンタクトレンズは、ソフトレンズの場合、和状態及びキセロゲル状態の両方において研削することができる。 本願人の出願中の英国特許出願第90085 804号(GB−A−2243100)は、回折力を与えるコンタクトレンズの研削を行うシステムについて記述している。 コンタクトレンズはエキシマレーザを用いて研削することもでき、この場合ビームプロファイルは、第1段階においては均一な段差高さの一連の回折ゾーンを形成するように調整され、第2段階においてはレンズの光学領域に亘ってスムースに変化する強度を生ずるように調整され、これらの調整は、研削される面に入射する前に同一のプロファイルのビームについて行う。 図1はコンピュータ制御写真製版の出力によって形成したスポット密度が変化するパターンを示し、この出力は光透過性基板上に金属の反射性スポットのコーティングの形態として再生することができる。 このパターンは一連の同心状領域を規定し、その一部だけを各ゾーン幅に亘って密度勾配と共に図示する。 重ねて図示した罫線はスケールを図示し、上側の数字はインチで表わし、下側の数字はセンチメータで表わす。 次に、このパターンは光学系を用いて研削されるべき表面上に縮小結像する。 尚、この光学系は個々のスポットを解像(再生)せず各ゾーン内において濃度を連続的に変化させる効果を達成する。 同時に、例えば図2 に示すように下側から上側に沿ってゆるやかに変化するスポット密度を有する別の透明基板をビーム中に導入する。 図3は、レーザ光源3からレンズ4の研削すべき表面までの研削レーザビームLの光路中に配置した第1のマスク1及び第2 のマスク2を示し、第1のマスク1は図1に部分的に示した一連の同心状ゾーンを有し、第2のマスク2は図2に示したようになだらかな勾配を有している。 ビーム光路中の両方のマスク1及び2を用いて研削される表面を両方のマスクプロファイルにより制御し、勾配の形成はゾーン内はマスク1により行い全体についてはマスク2により行う。 マスク1の同心ゾーンパターンは英国特許出願公開第2243100号明細書に記載されている方法で設計され、米国特許第4637697号に記載されているような一連の同心状ゾーンで形成したレンチキュラ面を有するレンズを製造する。 回折作用の一部又は全部を凹面の前側表面に与えることも可能であるが、好ましくは、同心状ゾーンはレンズの凹面状の後側面に形成する。 第2のマスクの効果は、以下に示すように、同心状ゾーンの段差高さを変更することである。 図3Aは、図3に示す研削されたレンズ4の一連の同心状ゾーンの上側部分を断面として示す。 回折格子の段差の大きさは、レンズの上部から下部に到るまで順次増大し、これによりブレーズ角γを変化させ、従って、主要な最大回折次数mの焦点は以下の一般式で与えられる。 asin(−2γ)=mλ O ここで、λ Oは選択波長であり、aは段差の長さである。 段差の光学的作用は通常選択した光の色の波長λ Oの式として表示され、物を見る目的の場合この光の色は緑とすることができる。 2焦点効果に必要な作用は0.5λ Oの範囲であるが、これは1.0λ dとして表わすことができる。 ここで、λ dは使用波長ではなく“設計”波長である。 この段階でλ Oを用いる場合、図1のマスクを用いて研削された均一な段差高さが1.0λ Oの場合、図2の作用は、この段差高さを種々の区域に亘って変化する小さな値まで減少させることである。 この作用は隣接する材料の屈折率にも依存するが、簡明なものとするため、ここでは“段差高さ”は段差の光学的作用を意味するものとし、λ Oの“段差高さ”は通常の全回折効率を有する。 例えば、図2の均一な変化は上部において零の段差高さを与え、下部において1.0λ Oの段差高さを与えることができる。 各ゾーン毎に段差高さは周期的に変化する。 図4に示すように、レンズの領域を極座標の式で規定すると、すなわち個々の点を半径rと0゜と360゜との間の角度θとで示すと、図2で述べた楔フィルタの効果は外側のゾーン(rが大)については0からλ Oまで変化する段差高さとなり、内側のゾーン(rが小)についての段差高さはほぼ同一の平均値で変化するが、その変化量は一層小さい。 図5は一般的な効果を示し、実線は外側ゾーンの効果を示し、破線は内側ゾーンの効果を示し、最大の段差高さは2 70゜に位置し、すなわちレンズの下部に向いており、最小の段差高さは90゜に位置し、すなわちレンズの上部に向いている。 数学的な表現は次式で与えられる。

    ここで、hは段差の高さであり、Rは最大のゾーン半径であり、θは図4で規定した向きを表わす角度である。 このようになめらかに発生する楔効果を図6に線図的に示す。 図6において、 各円は、段差の高さがより大きく厚くされたゾーン縁部を示す。 図6は、レンズを瞳が位置Aにある肉眼上に配置して、主として低い段差高さゾーンを介して外界を観察し遠くの物体を鮮明に合焦した像として見る場合を示す。 レンズを肉眼上で再配置(例えば肉眼で下方を見るように)すれば、瞳は図6のBで示す有効位置を占める。 この場合、レンズの段差高さの大きい区域を介して観察し、より近い物体を鮮明に合焦した像として見ることになる。 図7は像の光の強度を光線を以って示す。 尚、図7は像の光強度を光線の形態として示すが、線図的に示している。 回折効果、特に像をなめらかに分割する中央の区域の回折効果は光線の形態として図示することができない。 一方、3〜4 個の回折パターンゾーンをカバーする適当な瞳サイズの場合、これらの光線によって適切に表される。 図7は、図6に示すレンズ、すなわちレンズの下部に向けて徐々に大きくなる段差を有しレンズの上部に向けて徐々に小さくなる段差を有ずるレンズの縦方向断面図である。 従って、レンズの下側を通過する回折した光線は、この部分を通過ずる非回折光線(零次光)よりも高い強度を有している。 従って、レンズの下部を介して見ると、零次回折像Fよりも一層高い強度の近視野像N(回折により発生した)が見られる。 これとは逆に、レンズの上側部分を通過する非回折光(零次光)は、この上側部分を通過する回折光よりも高い強度を有し、従ってレンズの上側部分を介して見ると近視野像Nよりも高い強度の遠視線像F(非回折光は像Fに向けて屈折する)が見られる。 図8はレンズの屈折効果に加えて回折効果も発生する同心状ゾーンを有するレンズを線図的に示す。 これらのゾーンの段差高さは均一であり(しかし、比較的低い段差高さである)、これらのゾーンを破線で示す。 しかし、D形のセグメントcにおいて、段差の高さは前述したように勾配を有し、このセグメントの上部(ほぼ水平である)から下部に向けて徐々に増大する。 つまり、前述したように、セグメントcの下側部分を介して見ることにより、遠視線像がより高い強度で見え、レンズの他の領域を介して上側部分を見る場合よりも高い強度の近視野像が見られる。 通常、本発明により製造される多焦点レンズは前面及び背面の曲率及びレンズ材料の屈折率による屈折力を有している。 同心状ゾーンにより、レンズの屈折力に加算され又は減算されたレンズカが生ずる。 満足するように動作させるためには、図6及び図8に示すようなレンズは適当な方法で角膜上に適切な向きで配置する必要がある。 この向きの設定は、レンズの一方の側にバラストを設け近視野観察用の所望区域を角膜の下側部分に優先的に位置させることにより達成することができる。 個々の患者用の遠視野観察のための所望の屈折力を有しバラストが形成された未処理のレンズ(又は他の向き調整手段)を本発明による不均一な回折力を有するレンズを形成するレーザ研削法においてレンズ4(図3参照)として用いる。 バラストが形成されたレンズの形成方法は、この技術分野において既知である。 例えば、1990年にザ C. V. モスビィ カンパニ社から発行された刊行物“フィティング ガイド フォー リジッド アンド ソフト コンタクト レンジィズ(Fitting Guide for Rigid and Soft Contact Lenses)の第319 頁等に記載されている。さらに、このようなレンズの製造についての詳細は、米国特許第4407766号、米国特許第4642112号、米国特許第5009 497号、米国特許第5100226号及び米国特許第5198844号を参考にすることができる。 図8に示す型式のレンズの変形例として、段差高さセグメントCを全体に亘って均一にすると共にレンズの残りの部分の均一な段差高さよりも高くすることができる。このような構成とすることにより、セグメントCを介して見ることにより、より高い強度の遠視野像が得られる他の部分を介して見る場合よりも一層高い強度近視野像が見られる。 一方、段差高さの急激な変化は望ましくなく、段差高さは順次変化させることが好ましい。図9は局部的に形成した段差高さの変化を前述した極座標として示す。レンズの外側ゾーンの場合(実線で示す)、段差高さは、0゜と180゜との間の範囲において極めて低く、180゜を越えると徐々に増大し270゜の付近で(すなわち、レンズの底部部分)平坦なピークの最大値となり、その後徐々に減少して360゜/0゜において極めて低い値となる。レンズの内側ゾーンは(破線で示す)、同様な高さ変化を呈するが、よりゆるやかに変化し、270゜(すなわち、レンズの下部に向く位置)における最大の段差高さは外側ゾーンの最大の段差高さよりも低く、0゜から180゜(すなわち、レンズの上側部分) の最小段差高さは外側ゾーンよりも高い。 図9及び図5において、平易に表現するため外側ゾーンの段差高さを単一の実線で示し、内側の段差高さを単一の破線で図示した。勿論、実際には段差高さは最内周側から最外周側まで順次変化しており、全ての状態を表示する場合図9及び図5はゾーンの数に対応した多数の段差高さラインを有することになる。一方、便宜上、図示の実線及び破線は最外周のゾーンの段差高さ及び最内周のゾーンの段差高さをそれぞれ示すものと考えることもできる。上述した実施例及び実例において、用いた回折次数は1次とし回折力は正とし、すなわち+1次とした。 一方、回折力を負の方向、すなわち−1次の回折を用いることも、或いは他の次数の回折を利用することができ、正又は負の回折力のいずれも利用することができる。 正又は負の回折力は基本レンズの正の屈折力から減算されるので、レンズの屈折力により近視野像が得られ、回折作用により遠視野像が得られる。 通常、 上述した楔効果は反転するので、レンズの上側においてより強い回折が生じ、レンズの下側部分を介してより強い屈折作用により近視野の物体の鮮明な像が得られる。 回折作用は必要な回折強度又は効率を与える適当な表面リーフ段差高さを有する同心状ゾーンを用いて達成されるが、レンズの異なる部分を通して見た場合必要な画像差を与えるレンズ材料の屈折率変化を用いて達成できるものと理解すべきである。

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