光学材料およびその用途

申请号 JP2015536603 申请日 2014-09-10 公开(公告)号 JP6324973B2 公开(公告)日 2018-05-16
申请人 三井化学株式会社; 山本化成株式会社; 发明人 小島 甲也; 橋本 俊哉; 柿沼 直志; 木下 智之; 佐々木 浩之;
摘要
权利要求

ポリチオウレタンと、下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種の有機色素5〜50ppmとを含み、 厚み2mmで測定した透過率曲線が、以下(1)〜(4)の特性を満たす、光学材料; (1)波長400nm〜440nmに透過率の極大値を有し、且つ、その極大透過率が50%以上である。 (2)波長471nm〜500nmに透過率の極小値を有する。 (3)波長540nmにおける透過率が60%以上である。 (4)波長471nm〜500nmの透過率の極小値が、波長400nm〜440nmの極大透過率の7/10以下であり、かつ540nmにおける透過率の7/10以下である。 [式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。]波長471nm〜500nmの透過率の極小値が60%以下である、請求項1に記載の光学材料。前記有機色素は、下記式(A−1)または下記式(A−2)で表されるポルフィリン系化合物である、請求項1または2に記載の光学材料。前記ポリチオウレタンはポリイソシアネート化合物由来の構成単位およびポリチオール化合物由来の構成単位からなり、 前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料。ポリチオウレタンまたは樹脂モノマーと、 下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種の有機色素と、を含み、 前記有機色素が、前記ポリチオウレタンまたは前記樹脂モノマーの合計100重量部に対して0.0005〜0.005重量部含まれる、光学材料用組成物。 [式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。]前記有機色素は、下記式(A−1)または下記式(A−2)で表されるポルフィリン系化合物である、請求項5に記載の光学材料用組成物。前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物である、請求項5または6に記載の光学材料用組成物。前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、請求項7に記載の光学材料用組成物。前記有機色素と、前記ポリチオウレタンまたは前記樹脂モノマーとを混合し、請求項5〜8のいずれかに記載の光学材料用組成物を得る工程と、 前記光学材料用組成物を硬化する工程と、を含む成形体の製造方法。前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物である、請求項9に記載の成形体の製造方法。前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物であり、 前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、請求項9または10に記載の成形体の製造方法。請求項5〜8のいずれかに記載の光学材料用組成物を重合硬化してなる成形体。請求項12に記載の成形体からなる光学材料。請求項1〜4および13のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。レンズ基材が、請求項1〜4および13のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。請求項12に記載の成形体からなるフィルム。レンズ基材表面の少なくとも一方の面上にフィルム層を備え、該フィルム層は請求項16に記載のフィルムからなる、プラスチック眼鏡レンズ。レンズ基材表面の少なくとも一方の面上のコーティング層を備え、該コーティング層は請求項5〜8のいずれかに記載の光学材料用組成物からなる、プラスチック眼鏡レンズ。

说明书全文

本発明は光学材料およびその用途に関する。さらに詳しくは、光学材料用組成物およびこれを成形してなる成形体を光学材料に用いた光学製品に関する。

夜間は、街灯や車両のヘッドライトからの光により眩惑し、対象物の視認性が低下する。さらに、降雨時においては光が濡れた路面や雨滴により乱反射するため、対象物の視認性がさらに低下する。これは、波長482nmを中心とする光が眼内の光受容体に作用し、瞳孔光反射を促し、瞳孔を収縮させ、眼内への光の入射を抑制させるためと考えられている。

特許文献1には、偏光フィルタと着色シートを組み合わせて用いた明視装置が記載されている。当該文献には、降雨時における夜間の視認性を向上させることができると記載されている。

特許文献2には、眼鏡フレームに照明を装着した、照明付き眼鏡フレームが記載されている。当該文献には、照明で目の前を照らすことにより、夜間や暗所における物体の視認性を向上させることができると記載されている。 特許文献3には、特定の波長の光を選択的に吸収する光学フィルタ、ないしその光学フィルタを用いた遮光眼鏡が記載されている。

特許文献4には、特定のポルフィリン化合物を含むディスプレイ用フィルタが記載されている。特許文献5には、特定のポルフィリン化合物を含む眼鏡レンズが記載されている。

特開平6−72151号公報

特開2004−163839号公報

特開2012−63715号公報

特開2008−239592号公報

特開2011−237730号公報

しかしながら、特許文献1に記載の明視装置は、入射光を吸収する偏光シートと色素とを組み合わせて用いているため、暗く見えてしまう課題があった。これは黄色系の色素を用いたとしても、作用機構上、不可避の課題である。

特許文献2に記載の眼鏡フレームは、フレーム上に電池とランプからなる照明装置を有している。そのため、当該眼鏡フレームを備える眼鏡は重くなり、長時間使用する際には、疲労を感じるなどの使用感に問題があった。

特許文献3の段落0023には、光学多層膜を用いて作製された光学フィルタ、体積位相型ホログラムで作製された光学フィルタ、さらに金属微粒子を混入した透明体で作製された光学フィルタが記載されている。しかしながら、金属微粒子を用いたり、製造工程が煩雑であるなど、多くの課題があった。 特許文献4および5には、暗がりでの対象物の視認性を向上させる点について記載されていない。

本発明者らは、波長471nm〜490nmの光を選択的に吸収させることにより、瞳孔光反射を抑制し、暗がりにおける眼内への光の入射を助け、暗がりの対象物がより見えやすい光学材料を見出した。 本発明は以下に示すことができる。

[1] ポリチオウレタンと、下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種の有機色素5〜50ppmとを含み、 厚み2mmで測定した透過率曲線が、以下(1)〜(4)の特性を満たす、光学材料; (1)波長400nm〜440nmに透過率の極大値を有し、且つ、その極大透過率が50%以上である。 (2)波長471nm〜500nmに透過率の極小値を有する。 (3)波長540nmにおける透過率が60%以上である。 (4)波長471nm〜500nmの透過率の極小値が、波長400nm〜440nmの極大透過率の7/10以下であり、かつ540nmにおける透過率の7/10以下である。

[式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。] [2] 波長471nm〜500nmの透過率の極小値が60%以下である、[1]に記載の光学材料。 [3] 前記有機色素は、下記式(A−1)または下記式(A−2)で表されるポルフィリン系化合物である、[1]または[2]に記載の光学材料。

[4] 前記ポリチオウレタンはポリイソシアネート化合物由来の構成単位およびポリチオール化合物由来の構成単位からなり、 前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学材料。 [5] ポリチオウレタンまたは樹脂モノマーと、 下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種の有機色素と、を含み、 前記有機色素が、前記ポリチオウレタンまたは前記樹脂モノマーの合計100重量部に対して0.0005〜0.005重量部含まれる、光学材料用組成物。

[式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。] [6] 前記有機色素は、下記式(A−1)または下記式(A−2)で表されるポルフィリン系化合物である、[5]に記載の光学材料用組成物。

[7] 前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物である、[5]または[6]に記載の光学材料用組成物。 [8] 前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、[7]に記載の光学材料用組成物。 [9] 前記有機色素と、前記ポリチオウレタンまたは前記樹脂モノマーとを混合し、[5]〜[8]のいずれかに記載の光学材料用組成物を得る工程と、 前記光学材料用組成物を硬化する工程と、を含む成形体の製造方法。 [10] 前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物である、[9]に記載の成形体の製造方法。 [11] 前記樹脂モノマーは、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物であり、 前記ポリイソシアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種であり、 前記ポリチオール化合物は、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種である、[9]または[10]に記載の成形体の製造方法。 [12] [5]〜[8]のいずれかに記載の光学材料用組成物を重合硬化してなる成形体。 [13] [12]に記載の成形体からなる光学材料。 [14] [1]〜[4]および[13]のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。 [15] レンズ基材が、[1]〜[4]および[13]のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。 [16] [12]に記載の成形体からなるフィルム。 [17] レンズ基材表面の少なくとも一方の面上にフィルム層を備え、該フィルム層は[16]に記載のフィルムからなる、プラスチック眼鏡レンズ。 [18] レンズ基材表面の少なくとも一方の面上のコーティング層を備え、該コーティング層は[5]〜[8]のいずれかに記載の光学材料用組成物からなる、プラスチック眼鏡レンズ。

本発明の光学材料によれば、波長471nm〜490nmの光のみを選択的に吸収することができ、瞳孔光反射を抑制し、暗がりにおける眼内への光の入射を助け、暗がりでの対象物の視認性を向上させることができる。そして、本発明の光学材料によれば、夜間における物体の視認性に優れた光学材料用プラスチック眼鏡レンズなどを提供することができる。 また、本発明の光学材料は、特定波長の光のみを選択的に吸収させる有機色素を含んでなり、工業的にも容易に製造することができる。

上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。

実施例1〜4において測定された、厚み2mmの光学材料の透過率曲線である。

実施例3および5〜7において測定された、厚み2mmの光学材料の透過率曲線である。

実施例3および8〜12において測定された、厚み2mmの光学材料の透過率曲線である。

実施例3および比較例2および3において測定された、厚み2mmの光学材料の透過率曲線である。

以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。 本実施形態の光学材料は、厚み2mmで測定した透過率曲線において、以下の(1)〜(4)を満たす。 (1)波長400nm〜440nm、好ましくは波長420nm〜440nmに透過率の極大値を有し、且つ、その極大透過率が50%以上である。 (2)波長471nm〜500nm、好ましくは波長471nm〜490nmに透過率の極小値を有する。 (3)波長540nmにおける透過率が、60%以上であり、好ましくは65%以上である。 (4)波長471〜500nm、好ましくは波長471nm〜490nmの透過率の極小値が、波長400〜440nm、好ましくは波長420nm〜440nmの極大透過率の7/10以下であり、かつ540nmにおける透過率の7/10以下である。 さらに、以下の特性(5)を満たすことが好ましい。 (5)波長471nm〜500nmの透過率の極小値が60%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは40%以下である。

本実施形態の光学材料は、上記(1)〜(4)を満たす為に、さらに、好ましい(5)を満たす為に、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトルにおいて、波長471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、かつ該吸収ピークの半値幅が10nm以上50nm未満である有機色素を、少なくとも一種含有することができる。 まず、有機色素について以下に説明する。

[有機色素] 本実施形態の光学材料に含まれる有機色素は、前記条件で測定した上記スペクトル特性を満足する有機色素であれば特に限定されず、471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、好ましくは、475nm〜485nmの範囲に吸収ピークをもつ有機色素が好ましい。好ましい有機色素としてポルフィリン系化合物などを挙げることができる。 ポルフィリン系化合物は、下記一般式(A)で表される。

式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、置換もしくは未置換のエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子または酸化金属原子を表す。

ここで、置換されたエチニル基の置換基としては、それぞれアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基が挙げられる。 一般式(A)においてX1〜X8は、好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基、 炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、または、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基、未置換のフェニル基を有するエチニル基である。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。

R1〜R4は、好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基である。 また、Mは好ましくは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH)2、VO、またはTiOである。

より好ましくは、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、または、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基である。 また、Mはさらに好ましくは、Cu、Pt、Pd、NiまたはVOであり、より好ましくはNi,Pdである。 X1〜X8の具体例について以下に説明する。

X1〜X8が直鎖もしくは分岐のアルキル基である場合、直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、などが挙げられる。 これらのうちでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基がより好ましい。

X1〜X8が置換エチニル基である場合、置換エチニル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、などの直鎖もしくは分岐のアルキル基を置換基として有するエチニル基;未置換のフェニル基を置換基として有するエチニル基;2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基などの直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を置換基として有するエチニル基;などが挙げられる。 これらのうちでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などの直鎖もしくは分岐のアルキル基を置換基として有するエチニル基;フェニル基を置換基として有するエチニル基;2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基などの直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を置換基として有するエチニル基がより好ましい。

R1〜R4が直鎖もしくは分岐のアルキル基である場合、直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、などが挙げられる。 これらのうちでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基がより好ましい。 本実施形態の光学材料において用いられる、このようなポルフィリン系化合物は、暗がりでの対象物の視認性を向上させることができるとともに、屈折率やアッベ数等の光学物性に影響を与えることがない。

本実施形態の光学材料に用いられるポルフィリン系化合物は、それ自体公知の方法を参考にして製造することができる。すなわち、一般式(A)で表される化合物は、例えば、一般式(B−1)〜一般式(B−4)で表される化合物と一般式(C−1)〜一般式(C−4)で表される化合物とを、酸触媒(例えば、プロピオン酸、ボロントリフルオリド・エチルエーテル錯体、トリフルオロ酢酸)による脱水縮合反応および酸化(例えば、2,3−ジクロロ−5,6-ジシアノ−1,4-ベンゾキノン)、いわゆるRothermunt反応により合成し、更に、所望により金属あるいは金属塩(例えば、アセチルアセトン錯体、金属の酢酸塩)を適当な溶媒中で反応させることにより製造することができる。

式中、X1〜X8、及びR1〜R4は一般式(A)の場合と同じ意味を表す。 なお、本明細書において、一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物は、実際には、一種または二種以上の異性体から成る混合物を表している。このような複数の異性体から成る混合物の構造の記載に際しても、本明細書においては、便宜上、例えば、一般式(A)で表される一つの構造式を記載しているものである。

本実施形態の光学材料においては、本実施形態に係るポルフィリン系化合物は、一種または二種以上の異性体から成る混合物を使用することができる。また、所望により、該混合物から各異性体を分離し、異性体の内の一種の化合物を用いることができ、さらには、任意の割合から成る複数の異性体を併用することができる。尚、本実施形態に係るポルフィリン系化合物とは、結晶は勿論であるが、無定型(アモルファス体)をも包含するものである。

本実施形態の光学材料は、厚み2mmで測定した透過率曲線において要求される前記(1)〜(4)の特性、さらに好ましくは(5)の特性を備える。本実施形態の光学材料は、有機色素としてポルフィリン系化合物を含むことが好ましく、具体的には、波長471〜490nmの間の波長領域に吸収極大波長を有し、詳細には、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトルにおいて、波長471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、かつ該吸収ピークの半値幅が10nm以上50nm未満であるポルフィリン系化合物を、少なくとも一種含む。 本実施形態の光学材料においては、ポルフィリン系化合物を一種単独で使用してもよく、あるいは二種以上を併用してもよい。

なお、本明細書において半値幅とは半値全幅のことであり、吸収スペクトルにおいて吸収極大波長における吸光係数値(εg)の1/2の値にて引いた横軸に並行な直線と当該ピークとにより形成される2つの交点の間の距離(nm)で表される。

[光学材料用組成物] 次に、本実施形態の光学材料用組成物に関し詳細に説明する。 本実施形態の光学材料用組成物は、光学材料用樹脂または樹脂モノマーと、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトルにおいて、波長471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、かつ該吸収ピークの半値幅が10nm以上50nm未満である1種以上の有機色素と、を含有する。 当該有機色素は、前記光学材料用樹脂または前記樹脂モノマーの合計100重量部に対して0.0005〜0.01重量部、好ましくは0.0005〜0.005重量部となる量で含むことができる。 有機色素を上記の量で含むことにより、上記の特性(1)〜(4)を満たし、さらに、好ましい特性(5)を満たすことができる、光学材料を好適に得ることができる。 この有機色素としては、前記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を用いることができる。さらに、その他の成分として、樹脂改質剤等を含んでいてもよい。 まず、光学材料用樹脂、または樹脂モノマーから得られる光学材料用樹脂について説明する。 本実施形態において、光学材料用樹脂は、透明性樹脂であれば特に限定されず使用することができる。

透明性樹脂として、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリアリル、ポリウレタンウレア、ポリエン-ポリチオール重合体、開環メタセシス重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等を挙げることができ、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種を好ましく用いることができる。これらの材料は透明性が高い材料であり、光学材料用途に好適に用いることができる。 なお、これらの材料は単独であっても、これらの複合材料であっても良い。

ポリウレタンは、ポリイソシアネート化合物由来の構成単位とポリオール化合物由来の構成単位とからなる。ポリチオウレタンは、ポリイソシアネート化合物由来の構成単位とポリチオール化合物由来の構成単位とからなる。

ポリイソシアネート化合物としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物; イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,2′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物; ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物; 2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等を挙げることができ、これらから選択した少なくとも一種を用いることができる。

ポリオール化合物は、1種以上の脂肪族または脂環族アルコールであり、具体的には、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、脂環族アルコール、これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε-カプロラクトンを付加させたアルコール等が挙げられ、これらから選択した少なくとも一種を用いることができる。

直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオ-ル、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)等が挙げられ、これらから選択した少なくとも一種を用いることができる。

脂環族アルコールとしては、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4,4'−ビシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、これらから選択した少なくとも一種を用いることができる。

これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε-カプロラクトンを付加させた化合物でもよい。例えば、グリセロールのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体、グリセロールのプロピレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体、カプロラクトン変性グリセロール、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール等が挙げられる。

ポリチオール化合物としては、メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3-メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,2-ビス(3-メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3-トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3-メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3-ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5-ジメルカプト-1,4-ジチアン、2,5-ジメルカプトメチル-2,5-ジメチル-1,4-ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2—メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3—メルカプトプロピネート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(2-メルカプトアセテート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(3-メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物; 1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物; 2-メチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、3,4-チオフェンジチオール、ビスムチオール、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物等を挙げることができ、これらから選択した少なくとも一種を用いることができる。

本実施形態においては、透明性樹脂としてポリチオウレタンを用いることが好ましい。そして、光学材料用組成物は、暗がりでの対象物の視認性向上の観点から、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含むことが好ましい。 ポリイソシアネート化合物としては、上記のうちでも、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートから選択される少なくとも一種が好ましく、 2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、およびイソホロンジイソシアネートから選択される少なくとも一種を用いることがより好ましい。

ポリチオール化合物としては、上記のうちでも、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選択される少なくとも一種が好ましく、 4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、およびペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)から選択される少なくとも一種を用いることがより好ましい。 なお、本発明の効果の観点から、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物との組み合わせには、m−キシリレンジイソシアネートと4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタンとの組み合わせは含まないことがより好ましい。なお、この場合において、m−キシリレンジイソシアネートと、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタンと、他のポリイソシアネート化合物および/または他のポリチオール化合物とを組み合わせて用いる場合は排除されない。

本発明におけるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物との組み合わせとしては、以下の組合せがより好ましい。 (1)2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンおよび2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)と、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタンとの組合せ (2)m−キシリレンジイソシアネートと、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)との組合せ (3)2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンおよび2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)と、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンおよび4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンおよび4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンから選択される少なくとも一種との組合せ (4)m−キシリレンジイソシアネートと、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンおよび4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンおよび4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンから選択される少なくとも一種との組合せ

任意の添加剤として、重合触媒、内部離型剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。本実施形態において、ポリウレタンおよびポリチオウレタンを得る際には、重合触媒を用いても良いし、用いなくてもよい。 内部離型剤としては、酸性リン酸エステルが挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。ブルーイング剤としては、可視光領域のうち橙色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂からなる光学材料の色相を調整する機能を有するものが挙げられる。ブルーイング剤は、さらに具体的には、青色から紫色を示す物質を含む。

用いられる紫外線吸収剤としては、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシ−5−tert−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシ−2',4'−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、 2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤、 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2,4−tert−ブチルフェノール、2,2'−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられるが、好ましくは2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノールや2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノールのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独でも2種以上を併用することもできる。

ポリスルフィドは、樹脂モノマーである、ポリエピチオ化合物やポリチエタン化合物の開環重合による方法により得ることができる。光学材料用組成物には、これらの樹脂を構成する樹脂モノマーを含むことができる。

ポリエピチオ化合物としては、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(エピチオエチルチオ)メタン、ビス(エピチオエチルチオ)ベンゼン、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]メタン等のエピチオエチルチオ化合物; ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物; 1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物; 1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物; ビス(2,3−エピチオプロピル)エーテル、ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物; 1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;および、 1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物等を挙げることができる。 ポリチエタン化合物としては、金属含有チエタン化合物または非金属チエタン化合物を用いることができる。

これらのポリチエタン化合物は、WO2005−95490号公報や特開2003−327583号公報に開示されるように、分子内に1つ以上のチエタニル基を含有する。好ましくはチエタニル基を合計2つ以上含有する化合物である。例えば、ビスチエタニルスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)ジスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、3−(((3'−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン等のスルフィド系チエタン化合物:ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィド等のポリスルフィド系チエタン化合物等が挙げられる。

ポリカーボネートは、アルコールとホスゲンの反応、またはアルコールとクロロホーメートを反応させる方法、または炭酸ジエステル化合物のエステル交換反応をすることにより得ることができるが、一般的に入手可能な市販品ポリカーボネート樹脂を用いることも可能である。市販品としては帝人化成株式会社製のパンライトシリーズなどを用いることができる。本実施形態の光学材料用組成物には、ポリカーボネートを光学材料用樹脂として含むことができる。

ポリ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロープロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、 ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート、 等を挙げることができる。 本実施形態の光学材料用組成物には、ポリ(メタ)アクリレートを光学材料用樹脂として含むことができる。

ポリオレフィンは、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒やいわゆるポストメタロセン触媒などの公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合することにより製造される。α−オレフィンモノマーは単一成分であっても、複合成分を共重合させても構わない。

ポリオレフィンの製造におけるオレフィンの重合反応は、溶液重合、懸濁重合、バルク重合法などの液相重合法や、気相重合法や、その他公知の重合方法で行うことができる。好ましくは、ポリオレフィンの製造は、溶解重合および懸濁重合(スラリー重合)などの液相重合法が用いられ、さらに好ましくは懸濁重合(スラリー重合)法が用いられる。重合の温度や圧条件は、公知の条件が適用できる。 本実施形態の光学材料用組成物には、ポリオレフィンを光学材料用樹脂として含むことができる。

環状ポリオレフィンは、公知のオレフィン重合触媒の存在下で環状オレフィンから選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンを重合させることにより製造される。環状オレフィンモノマーは単一成分であっても、複合成分を共重合させても構わない。環状ポリオレフィンとしては、三井化学株式会社製 商標アペルが透明性が高く、好適に使用することができる。

ポリアリルは、公知のラジカル発生性の重合触媒の存在下に、アリル基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種のアリル基含有モノマーを重合させることにより製造される。アリル基含有モノマーとしては、アリルジグリコールカーボネートやジアリルフタレートが一般的に市販されており、これらは好適に使用することができる。

ポリウレタンウレアは、ポリウレタンプレポリマーおよびジアミン硬化剤による反応正成物であり、商標TRIVEXとしてPPGIndustries,Inc.から販売されているものが代表例である。ポリウレタンポリウレアは透明性の高い材料であり、好適に使用することができる。

ポリエン-ポリチオール重合体は、1分子中に2個以上のエチレン性官能基を有するポリエン化合物と、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物からなる付加重合並びにエチレン鎖状重合による高分子生成物である。

ポリエン-ポリチオール重合体における、ポリエン化合物としては、アリルアルコール誘導体、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類、ウレタンアクリレート及びジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。アリルアルコール誘導体としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル及びソルビトールジアリルエーテル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類の中で、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。

開環メタセシス重合体は、触媒を用いて環状オレフィン類を開環重合させてなる高分子である。開環重合させることのできる環状オレフィン類としては、環状構造を有するオレフィン類であれば特に制限はないが、通常は炭素原子数3〜40の単環式シクロアルケン類、単環式シクロアルカジエン類、多環式シクロアルケン類、多環式シクロアルカジエン類が挙げられる。単環式シクロアルケン類の具体例としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどが挙げられる。単環式シクロアルカジエン類の具体例としては、例えば、シクロブタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンなどが挙げられる。多環式シクロアルケン類としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどが挙げられる。多環式シクロアルカジエン類としては、例えば、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらは、酸素や硫黄、ハロゲンなどと置換していても良い。さらに水素化して用いても良い。例えば、JSR社製ARTON(商標)などが好適な例としてあげることができる。

ポリエステルは、アンチモンやゲルマニウム化合物に代表されるルイス酸触媒や、有機酸、無機酸などの公知のポリエステル製造触媒の存在下に縮合重合される。具体的には、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種または二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上とから成るもの、またはヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から成るもの、または環状エステルから成るものをいう。

ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、4,4'-ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p'-ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸とくに2,6−ナフタレンジカルボン酸が、得られるポリエステルの物性等の点で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を構成成分とする。これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。

グリコールとしてはエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジエタノール、1,10-デカメチレングリコール、1,12-ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4'-ジヒドロキシビスフェノール、1,4-ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2-ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5-ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。

これらのグリコールのうちエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。

ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートおよびこれらの共重合体が好ましい。

エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物を開環重合してなる樹脂であり、エポキシ化合物としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物; 水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物; 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物; 一級および二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等が挙げられる。また、その他、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシドなどのビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。

光学材料用組成物は、上記の成分を所定の方法で混合することにより得ることができる。 組成物中の各成分の混合順序や混合方法は、各成分を均一に混合することができれば特に限定されず、公知の方法で行うことができる。公知の方法としては、例えば、添加物を所定量含むマスターバッチを作製して、このマスターバッチを溶媒に分散・溶解させる方法などがある。例えばポリウレタン樹脂の場合、ポリイソシアネート化合物に添加剤を分散・溶解させてマスターバッチを作製する方法などがある。

有機色素を含む成形体を得るには、有機色素と光学材料用樹脂モノマーとを含む光学材料用組成物を混合し、重合させる方法や、有機色素と光学材料用樹脂とを含む光学材料用組成物を硬化させる方法により行うことができる。

[成形体] 以下に、本実施形態の成形体について説明する。 本実施形態の成形体は、本実施形態の光学材料用組成物を重合硬化してなる。成形体は、有機色素と光学材料用樹脂とを含み、光学材料として使用することができる。光学材料としては、プラスチック眼鏡レンズ、ゴーグル、視力矯正用眼鏡レンズ、撮像機器用レンズ、液晶プロジェクター用フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、コンタクトレンズなどの各種プラスチックレンズ、発光ダイオード(LED)用封止材、光導波路、光学レンズや光導波路の接合に用いる光学用接着剤、光学レンズなどに用いる反射防止膜、液晶表示装置部材(基板、導光板、フィルム、シートなど)に用いる透明性コーティングまたは車のフロントガラスやバイクのヘルメットの風防、透明性基板等を挙げることができる。当該成形体は、本実施形態の光学材料用組成物から得ることができる。なお、本実施形態の光学材料は、紫外線吸収剤を含むことができる。プラスチック眼鏡レンズ、車のフロントガラスやバイクのヘルメットの風防などが光学材料用として好ましい。

[光学材料] 次に、本実施形態の光学材料および用途について説明する。 本実施形態は、波長471nm〜490nmの光のみを選択的に吸収させることにより、瞳孔光反射を抑制し、暗がりにおける眼内への光の入射を助け、暗がりの対象物がより見えやすい光学材料を見出したことが特徴である。

通常、夜間においては、街灯や車両のヘッドライトからの光により眩惑し、対象物が見えにくくなる。さらに降雨時においては、光が濡れた路面や雨滴により乱反射するため、より見えにくくなる。これは、482nmを中心とする光が眼内の光受容体に作用し、瞳孔光反射を促し、瞳孔を収縮させ、眼内への光の入射を抑制させるためである。

本実施形態の光学材料によれば、482nmを中心とする光を選択的に吸収させることにより、瞳孔光反射を抑制し、暗がりにおける眼内への光の入射を助けるため、暗がりの対象物が見やすい特徴がある。

例えば、前記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物と光学材料用樹脂からなる本実施形態の光学材料を通して、夜間の暗所を観察すると、降雨の有無に関わらず、視認性が改善され、良好な視界を得ることができる。 特に、本実施形態において、前記特定した透過率曲線の要件を満たすことにより440nm付近から540nm付近の領域の光のカット率を向上させることができ、上記効果の観点から好ましい。

本実施形態の光学材料の構成としては、代表的には、レンズ基材から成る光学材料、レンズ基材とフィルム層とから成る光学材料、レンズ基材とコーティング層とからなる光学材料、レンズ基材とフィルム層とコーティング層とからなる光学材料が挙げられる。 本実施形態の光学材料として、具体的には、レンズ基材のみから成る光学材料、レンズ基材の少なくとも一方の面にフィルム層が積層されてなる光学材料、レンズ基材の少なくとも一方の面にコーティング層が積層されてなる光学材料、レンズ基材の少なくとも一方の面にフィルム層とコーティング層とが積層されてなる光学材料、2つのレンズ基材でフィルム層が狭持されてなる光学材料等が挙げられる。

なお、本実施形態の光学材料は、光学材料全体として、上記(1)〜(4)の特性を有し、好ましくはさらに上記(5)の特性を有する。 光学材料中に含まれる有機色素の量は、上記の透過率曲線の特性を満たす範囲であれば特に限定されないが、前記ポルフィン系化合物を1種以上使用した場合は、上記効果の観点から、5〜100ppm、好ましくは5〜50ppmの量で含むことができる。

例えば、有機色素を含まない光学材料用組成物を用いて成形体(レンズ基材や光学フィルム)を調製し、次いで、有機色素を水または溶媒中に分散させて得られた分散液に当該成形体を浸漬して有機色素を成形体中に含浸させ、乾燥する。このようにして得られた、成形体を用いて光学材料を調製することができる。

また、光学材料を調製した後に、前記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物を該光学材料に含浸させることもできる。その他、レンズ基材と、必要に応じて積層されるフィルム層とコーティング層とを備えるプラスチック眼鏡レンズを、有機色素を含む分散液に浸漬して有機色素を含浸させることもできる。

有機色素の含浸量は、分散液中の有機色素の濃度と、分散液の温度、光学材料用樹脂組成物を浸漬させる時間により所望の含浸量に制御することができる。濃度を高く、温度を高く、浸漬時間を長くするほどに含浸量が増す。含浸量を精密に制御したい場合は、含浸量が少ない条件で、複数回浸漬を繰り返すことにより実施する。 また、有機色素を含むコーティング材料(光学材料用組成物)を用い、プラスチックレンズなどの光学材料上に有機色素含有コーティング層を形成することもできる。 このような構成を有する光学材料は、プラスチック眼鏡レンズとして好適に用いることができる。また、シートまたはフィルムとして、ヘルメット等の風防や車両等のフロントガラスに貼り合わせることができる。 なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を損なわない範囲で様々な態様を取り得ることができる。

例えば、光学材料が上記(1)〜(4)の特性を満たし、好ましくはさらに上記(5)の特性を満たすことができれば、前述の実施形態の「前記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物を含む光学材料用組成物」を用いることなく光学材料を得ることができる。なお、前記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物を含まない以外は、前述の実施形態の「光学材料用組成物」を用いることができ、同様の構成を採用することができる。 以下、光学材料の好ましい態様であるプラスチックレンズについて詳細に説明する。

[プラスチックレンズ] プラスチックレンズとしては、以下の構成を挙げることができる。 (ア)本実施形態の光学材料用組成物からなるレンズ基材を備えるプラスチックレンズ (イ)レンズ基材(ただし、本実施形態の光学材料用組成物から得られるレンズ基材を除く)表面の少なくとも一方の面上に、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはコーティング層を備えるプラスチックレンズ (ウ)本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムの両面上に、レンズ基材(ただし、本実施形態の光学材料用組成物から得られるレンズ基材を除く)が積層されているプラスチックレンズ 本実施形態においては、これらのプラスチックレンズを好適に用いることができる。 以下、それぞれの実施形態について説明する。

(実施形態;ア) 本実施形態の光学材料用組成物からなるレンズ基材を備えるプラスチックレンズを製造する方法は、特に限定されないが、好ましい製造方法としてレンズ注型用鋳型を用いた注型重合が挙げられる。レンズ基材は、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィド、ポリ(メタ)アクリレート等から構成することができ、有機色素と、これらの樹脂のモノマー(光学材料用樹脂モノマー)とを含む本実施形態の光学材料用組成物を用いることができる。

具体的には、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールドのキャビティ内に光学材料用組成物を注入する。この時、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。

そして、組成物が注入された後、レンズ注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて加熱して硬化成型する。樹脂成形体は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。

本実施形態において、樹脂を成形する際には、上記「任意の添加剤」に加えて、目的に応じて公知の成形法と同様に、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤、密着性向上剤などの種々の添加剤を加えてもよい。

また、本実施形態におけるプラスチックレンズは、その目的や用途に合わせて、本実施形態の光学材料用組成物からなるレンズ基材上に種々のコーティング層を有していてもよい。コーティング層には有機色素を含むことができる。有機色素を含むコーティング層は、有機色素を含むコーティング材料(組成物)を用いて調製することができ、またはコーティング層を形成した後、有機色素を水または溶媒中に分散させて得られた分散液に、コーティング層付きプラスチックレンズを浸漬して有機色素をコーティング層中に含浸させることにより調製することができる。

(実施形態;イ) 本実施形態におけるプラスチックレンズは、レンズ基材表面の少なくとも一方の面上に、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたは層を備える。レンズ基材は、本実施形態の光学材料用組成物から形成されたものではない。

本実施形態におけるプラスチックレンズの製造方法としては、(イ−1)レンズ基材を製造し、次いで当該レンズ基材の少なくとも一方の面上に、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートを貼り合わせる方法、(イ−2)後述のようなガスケットまたはテープ等で保持された成型モールドのキャビティ内において、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートをモールドの一方の内壁に沿って配置し、次いでキャビティ内に光学材料用組成物を注入し、硬化させる方法等を挙げることができる。

前記(イ−1)の方法において用いられる、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートは、特に限定されないが、溶融混練や含浸等により得られた光学材料用組成物のペレットを、従来種々公知の方法、具体的には、例えば、射出成形法、異形押出成形法、パイプ成形法、チューブ成形法、異種成形体の被覆成形法、インジェクションブロー成形法、ダイレクトブロー成形法、Tダイシートまたはフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法、プレス成形法などの成形方法により得ることができる。得られるフィルムまたはシートは、ポリカーボネート、またはポリオレフィン等を含んでなる。 レンズ基材は、公知の光学用樹脂から得ることができ、光学用樹脂としては、(チオ)ウレタン、ポリスルフィド等を挙げることができる。 本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートを、レンズ基材の面上に貼り合わせる方法は公知の方法を用いることができる。

前記(イ−2)の方法における注型重合は、実施形態:アにおけるプラスチックレンズの方法と同様に行うことができ、注型重合に用いる組成物としては、光学材料用樹脂モノマーを含む組成物(有機色素を含まない)を挙げることができる。

また、本実施形態におけるプラスチックレンズは、その目的や用途に合わせて、光学材料用組成物からなるレンズ基材上または「フィルムまたは層」上に種々のコーティング層を有していてもよい。実施形態:アにおけるプラスチックレンズと同様に、コーティング層には有機色素を含むことができる。

(実施形態;ウ) 本実施形態におけるプラスチックレンズは、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムの両面上に、レンズ基材(本実施形態の光学材料用組成物から得られるレンズ基材を除く)が積層されている。

本実施形態におけるプラスチックレンズの製造方法としては、(ウ−1)レンズ基材を製造し、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートの両面上に貼り合わせる方法、(ウ−2)ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールドのキャビティ内において、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートを、モールドの内壁から離間した状態で配置し、次いでキャビティ内に光学材料用組成物を注入し、硬化させる方法等を挙げることができる。

前記(ウ−1)の方法において用いられる、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシート、およびレンズ基材は、実施形態:イにおけるプラスチックレンズの(イ−1)の方法と同様のものを用いることができる。 本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートを、レンズ基材の面上に貼り合わせる方法は公知の方法を用いることができる。 前記(ウ−2)の方法は具体的に以下のように行うことができる。

実施形態:アにおけるプラスチックレンズの製造方法で用いた、レンズ注型用鋳型の空間内に、本実施形態の光学材料用組成物からなるフィルムまたはシートを、この両面が、対向するフロント側のモールド内面と並行となるように設置する。

次いで、レンズ注型用鋳型の空間内において、モールドと偏光フィルムとの間の2つの空隙部に、所定の注入手段により、光学材料用樹脂モノマーを含む組成物(有機色素を含まない)を注入する。

そして、組成物が注入された後、レンズ注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて加熱して硬化成型する。樹脂成形体は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。

また、本実施形態におけるプラスチックレンズは、その目的や用途に合わせて、レンズ基材上に種々のコーティング層を有していてもよい。実施形態:アにおけるプラスチックレンズと同様に、コーティング層には有機色素を含むことができる。

[プラスチック眼鏡レンズ] 本実施形態のプラスチックレンズを用いて、プラスチック眼鏡レンズを得ることができる。なお、必要に応じて、片面又は両面にコーティング層を施して用いてもよい。

コーティング層として、具体的には、プライマー層、ハードコート層、反射防止層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層はそれぞれ単独で用いることも複数のコーティング層を多層化して使用することもできる。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても、異なるコーティング層を施してもよい。

これらのコーティング層はそれぞれ、本実施形態において用いられる有機色素、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上する目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高めるための公知の添加剤を併用してもよい。塗布によるコーティングを行う層に関しては塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤を使用してもよい。

プライマー層は通常、後述するハードコート層とレンズとの間に形成される。プライマー層は、その上に形成するハードコート層とレンズとの密着性を向上させることを目的とするコーティング層であり、場合により耐衝撃性を向上させることも可能である。プライマー層には得られたレンズに対する密着性の高いものであればいかなる素材でも使用できるが、通常、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物などが使用される。プライマー組成物は組成物の粘度を調整する目的でレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。無論、無溶剤で使用してもよい。

プライマー層は塗布法、乾式法のいずれの方法によっても形成することができる。塗布法を用いる場合、プライマー組成物を、スピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法でレンズに塗布した後、固化することによりプライマー層が形成される。乾式法で行う場合は、CVD法や真空蒸着法などの公知の乾式法で形成される。プライマー層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じてレンズの表面は、アルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行っておいてもよい。 ハードコート層は、レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等機能を与えることを目的としたコーティング層である。

ハードコート層は、一般的には硬化性を有する有機ケイ素化合物とSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In及びTiの元素群から選ばれる元素の酸化物微粒子の1種以上および/またはこれら元素群から選ばれる2種以上の元素の複合酸化物から構成される微粒子の1種以上を含むハードコート組成物が使用される。

ハードコート組成物には上記成分以外にアミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトネート錯体、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類、金属塩化物および多官能性エポキシ化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。ハードコート組成物にはレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよいし、無溶剤で用いてもよい。

ハードコート層は、通常、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。干渉縞の発生を抑制するため、ハードコート層の屈折率は、レンズとの屈折率の差が±0.1の範囲にあるのが好ましい。

反射防止層は、通常、必要に応じて前記ハードコート層の上に形成される。反射防止層には無機系および有機系があり、無機系の場合、SiO2、TiO2等の無機酸化物を用い、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビ−ムアシスト法、CVD法などの乾式法により形成される。有機系の場合、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用い、湿式により形成される。

反射防止層は単層および多層があり、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、ZnO、TiO2、CeO2、Sb2O5、SnO2、ZrO2、Ta2O5等の膜があり、低屈折率膜としては、SiO2膜等が挙げられる。

反射防止層の上には、必要に応じて防曇層、防汚染層、撥水層を形成させてもよい。防曇層、防汚染層、撥水層を形成する方法としては、反射防止機能に悪影響をもたらすものでなければ、その処理方法、処理材料等については特に限定されずに、公知の防曇処理方法、防汚染処理方法、撥水処理方法、材料を使用することができる。例えば、防曇処理方法、防汚染処理方法では、表面を界面活性剤で覆う方法、表面に親水性の膜を付加して吸水性にする方法、表面を微細な凹凸で覆い吸水性を高める方法、光触媒活性を利用して吸水性にする方法、超撥水性処理を施して水滴の付着を防ぐ方法などが挙げられる。また、撥水処理方法では、フッ素含有シラン化合物等を蒸着やスパッタによって撥水処理層を形成する方法や、フッ素含有シラン化合物を溶媒に溶解したあと、コーティングして撥水処理層を形成する方法等が挙げられる。

以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明の実施例において用いた材料・評価方法は以下の通りである。

[透過率曲線の測定方法] 測定機器として、島津製作所製 島津分光光度計 UV-1600を使用し、2mm厚のプラノーレンズを用いて紫外−可視光スペクトルを測定した。

[サンプルレンズの視認性評価] 作製したサンプルレンズをNIDEK製エッジングマシーンで適当な形状に削り取り、メガネフレームを装着してサンプルメガネを作製した。 そのサンプルメガネを装着して、夜間における物体の視認性を評価した。A〜Eの5人で評価し、降雨が有る日と降雨がない日において、下記基準にしたがって評価を行った。 ○:裸眼での観察と比較して視認性が改善している。 △:裸眼での観察と比較して視認性に変化がない。 ×:裸眼での観察と比較して視認性が低下している。

[屈折率、アッベ数] 島津製プルフリッヒ屈折計KPR−30を用い、20℃にて測定した。

(合成例1) 下記構造式(2−a)で示される化合物 15.0gをN,N−ジメチルホルムアミド 150mlに溶解し、10〜20℃で臭素 31.8gを滴下した。室温にて4時間攪拌した後、氷水700gに排出し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。析出物を濾取、水洗し、メタノールにて洗浄、乾燥して、下記構造式(2−b)で示される化合物 31gを得た。

次に構造式(2−b)で示される化合物 26.1g、よう化銅1.34g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド 2.13g、トリフェニルホスフィン 1.05gをテトラヒドロフラン 525mlに溶解し、トリエチルアミン 36.4g、3,3−ジメチル−1−ブチン(純度96%) 21.16gを加えた。窒素気流下室温で攪拌し、反応終了後、不溶物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮残渣に85%メタノール水 500mlを加え、攪拌し、濾過した後、85%メタノール水で洗浄、乾燥し、粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムにより精製(展開溶剤:トルエン/ヘキサン=6:4vol.比)して、具体例化合物(A−1) 10.8gを得た。

MS(m/e) :1312(M+) この化合物の吸収スペクトルを、島津製作所製 島津分光光度計 UV-1600を使用し、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定したところ、479nmに吸収ピークがあった。また、当該ピークの半値幅は27nmであった。

(合成例2) 下記構造式(3−a)で示される化合物 30.0gを1,1,2−トリクロロエタン 150g水60gに分散し、50〜55℃で臭素 58.7gと1,1,2−トリクロロエタン60gの溶液を滴下した。50〜55℃にて3時間攪拌した後、室温まで冷却した。反応液に亜硫酸ナトリウム水溶液(亜硫酸ナトリウム4.2g、水21g)を添加し、室温で15分撹拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム16.2g、水162g)を添加し、室温で30分撹拌した。析出物を濾取、水洗し、メタノールにて洗浄、乾燥して下記構造式(3−b)で示される化合物 45.6gを得た。

次に構造式(3−b)で示される化合物 40.0g、よう化銅1.85g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド 3.16g、トリフェニルホスフィン 1.55gをテトラヒドロフラン 800mlに溶解し、トリエチルアミン54.91g、3,3−ジメチル−1−ブチン(純度96%) 29.2gを加えた。窒素気流下室温で攪拌し、反応終了後、不溶物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮残渣にメタノール500mlを加え、攪拌し、濾過した後、メタノールで洗浄、乾燥し、粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムにより精製(展開溶剤:トルエン/ヘキサン=1:1vol.比)して、具体例化合物(A-2) 28.6gを得た。

MS(m/e) :1360(M+) この化合物の吸収スペクトルを、島津製作所製 島津分光光度計 UV-1600を使用し、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定したところ、479nmに吸収ピークがあった。また、当該ピークの半値幅は36nmであった。

(実施例1) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.042g、ステファン製ZelecUN 0.084g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン34.4gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gを2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ1.0gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)16.7g、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン17.9gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:39.3であった。 サンプルレンズの視認性の評価結果を表1に示し、透過率曲線の測定結果を図1に示した。

(実施例2) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.042g、ステファン製ZelecUN 0.084g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン34.0gを仕込んで混合液を作製し、実施例1と同様の方法で作成したマスターバッチ1.4gを上記混合液に装入した以外は、実施例1と同様に行い、プラノーレンズを得た。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:39.3であった。 サンプルレンズの視認性の評価結果を表1に示し、透過率曲線の測定結果を図1に示した。

(実施例3) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.042g、ステファン製ZelecUN 0.084g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン33.3gを仕込んで混合液を作製し、実施例1と同様の方法で作成したマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した以外は、実施例1と同様に行い、プラノーレンズを得た。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:39.2であった。 サンプルレンズの視認性の評価結果を表1に示し、透過率曲線の測定結果を図1に示した。

(実施例4) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.042g、ステファン製ZelecUN 0.084g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン28.4gを仕込んで混合液を作製し、実施例1と同様の方法で作成したマスターバッチ7.0gを上記混合液に装入した以外は、実施例1と同様に行い、プラノーレンズを得た。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:39.2であった。 サンプルレンズの視認性の評価結果を表1に示し、透過率曲線の測定結果を図1に示した。

(実施例5) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.011g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、m−キシリレンジイソシアネート34.3gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gをm−キシリレンジイソシアネート100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液に4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン33.6gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.665、アッベ数:31.3であった。 透過率曲線の測定結果を図2に示した。

(実施例6) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.007g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、m−キシリレンジイソシアネート33.4gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gをm−キシリレンジイソシアネート100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液に5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物33.6gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.668、アッベ数:31.1であった。 透過率曲線の測定結果を図2に示した。

(実施例7) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.006g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、m−キシリレンジイソシアネート28.4gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gをm−キシリレンジイソシアネート100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液にペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)39.5gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:36.4であった。 透過率曲線の測定結果を図2に示した。

(実施例8) 十分に乾燥させたフラスコにジメチル錫(II)ジクロリド0.035g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン35.9gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gを2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液に4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン32.0gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.616、アッベ数:37.9であった。 透過率曲線の測定結果を図3に示した。

(実施例9) 十分に乾燥させたフラスコにジブチル錫(II)ジクロリド0.035g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン32.7gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gを2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)17.1g、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物18.1gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.597、アッベ数:39.2であった。 透過率曲線の測定結果を図3に示した。

(実施例10) 十分に乾燥させたフラスコにジメチル錫(II)ジクロリド0.035g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン35.0gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gを2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液に5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物32.9gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.618、アッベ数:38.6であった。 透過率曲線の測定結果を図3に示した。

(実施例11) 十分に乾燥させたフラスコにジメチル錫(II)ジクロリド0.035g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン30.0gを仕込んで混合液を作製した。次いで、前記化合物(A‐1)0.05gを2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン100.0gに溶解させマスターバッチを作製し、そのマスターバッチ2.1gを上記混合液に装入した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)37.9gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した。

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.568、アッベ数:41.2であった。 透過率曲線の測定結果を図3に示した。

(実施例12) 前記化合物(A‐1)を前記化合物(A‐2)に変更した以外は実施例3と同様な方法でプラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:39.2であった。 透過率曲線の測定結果を図3に示した。

(比較例1) 2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンの仕込み量を35.4gとし、前記化合物(A‐1)のマスターバッチを用いない以外は、実施例1と同様な方法でプラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。 サンプルレンズの視認性の評価結果を表1に示した。

(比較例2) 十分に乾燥させたフラスコにジメチル錫(II)ジクロリド0.035g、ステファン製ZelecUN 0.070g、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール1.05g、前記化合物(A‐1)0.0175g、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン35.4gを仕込んで混合液を作製した。この混合液を25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。その後、この調合液にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)16.7g、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン17.9gを仕込み、これを25℃で30分攪拌し、混合均一液とした。 この均一液を600Paにて1時間脱泡を行い、1μmPTFEフィルタにて濾過を行った後、中心厚2mm、直径80mmの2Cのプラノー用ガラスモールドに注入した

このガラスモールドを25℃から16時間かけて少しずつ昇温し120℃まで上昇させ、120℃で4時間保温した。室温まで冷却させて、ガラスモールドから外し、プラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:38.5であった。 透過率曲線の測定結果を図4に示した。

(比較例3) 前記化合物(A‐1)0.0175gを0.035gに変更した以外は比較例2と同様な方法でプラノーレンズを得た。得られたプラノーレンズを更に120℃で2時間アニールを行った。得られたレンズの屈折率:1.598、アッベ数:38.1であった。 透過率曲線の測定結果を図4に示した。

この出願は、2013年9月10日に出願された日本出願特願2013−187735号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。 本発明は、以下の態様も含む。 [1] 厚み2mmで測定した透過率曲線が、以下(1)〜(4)の特性を満たす、光学材料; (1)波長400nm〜440nmに透過率の極大値を有し、且つ、その極大透過率が50%以上である。 (2)波長471nm〜500nmに透過率の極小値を有する。 (3)波長540nmにおける透過率が60%以上である。 (4)波長471nm〜500nmの透過率の極小値が、波長400nm〜440nmの極大透過率の7/10以下であり、かつ540nmにおける透過率の7/10以下である。 [2] 濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトルにおいて、波長471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、かつ該吸収ピークの半値幅が10nm以上50nm未満である有機色素を1種以上含む、[1]に記載の光学材料。 [3] 前記有機色素が、下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種以上の化合物である、[2]に記載の光学材料。

[式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。] [4] ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種を含む、[2]または[3]に記載の光学材料。 [5] 光学材料用樹脂または樹脂モノマーと、濃度0.01g/Lクロロホルム溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトルにおいて、波長471nm〜490nmの範囲に吸収ピークがあり、かつ該吸収ピークの半値幅が10nm以上50nm未満である1種以上の有機色素と、 を含む、光学材料用組成物。 [6] 前記有機色素が、下記一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物から選択された1種以上の化合物である、[5]に記載の光学材料用組成物。

[式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、エチニル基、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、フェニル基を有するエチニル基、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基を表す。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、水酸化金属原子、または酸化金属原子を表す。] [7] 前記光学材料用樹脂が、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種である、[6]に記載の光学材料用組成物。 [8] 前記有機色素と、前記光学材料用樹脂または前記樹脂モノマーとを混合し、[5]〜[7]のいずれかに記載の光学材料用組成物を得る工程と、 前記光学材料用組成物を硬化する工程と、を含む成形体の製造方法。 [9] [5]〜[7]のいずれかに記載の光学材料用組成物を成形してなる成形体。 [10] [9]に記載の成形体からなる光学材料。 [11] [1]〜[4]および[10]のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。 [12] レンズ基材が、[1]〜[4]および[10]のいずれかに記載の光学材料からなるプラスチック眼鏡レンズ。 [13] [9]に記載の成形体からなるフィルム。 [14] レンズ基材表面の少なくとも一方の面上にフィルム層を備え、該フィルム層は[13]に記載のフィルムからなる、プラスチック眼鏡レンズ。 [15] レンズ基材表面の少なくとも一方の面上のコーティング層を備え、該コーティング層は[5]〜[7]のいずれかに記載の光学材料用組成物からなる、プラスチック眼鏡レンズ。

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