Materials and Methods for the lens manufacturing

申请号 JP2009501535 申请日 2007-03-20 公开(公告)号 JP5249195B2 公开(公告)日 2013-07-31
申请人 オフソニックス・インコーポレーテッド; 发明人 アンドレアス・ダブリュ・ドレハー; ジャグディシュ・エム・ジェスマラニ; ローレンス・エイチ・スヴァードラップ; ジェフリー・エス・チョミン;
摘要 Monomers and polymers used in making spectacle lenses are disclosed. A thermal curing process is disclosed that includes a latent thermal cationic acid generator and optionally a cationic photoinitiator.
权利要求
  • 熱及び/又は太陽光への曝露に対する安定性を増した、波面アベレータの製造方法であって、
    a. 2つの透明板の間に、少なくとも1種のポリマー、及び1種又は複数のモノマーを備えた重合性材料の層を生成し、前記重合性材料が初期屈折率を有するステップと、
    b. 前記重合性材料に、同時の熱刺激、及び可変的な光刺激を与え、前記重合性材料に、(i)前記1種又は複数のモノマーを完全に消費することなく、可変的パターンの重合を受けさせ、(ii)第1の中間的な可変的屈折率プロファイルを達成させるステップと、
    c. (b)の部分的に硬化した重合性材料を加熱することによって拡散工程を促進し、硬化がより少ない領域から、硬化がより進んだ領域へ、未硬化のモノマーを拡散させ、第2の中間的な可変的屈折率プロファイルを達成するステップと、
    d. (c)の前記部分的に硬化した重合性材料に、同時の熱刺激、及び均一な光刺激を与え、残存する1種又は複数のモノマーの実質的にすべてを硬化し、最終的な可変的屈折率プロファイルを達成するステップとを含み、それにより、前記波面アベレータが、熱及び/又は太陽光の条件に安定である、波面アベレータの製造方法。
  • 前記加熱が、所定の時間の間にわたって行われる、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • 前記拡散工程を、前記波面アベレータのリアルタイム測定によりモニターする、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • 前記初期屈折率プロファイルが、前記最終的な可変的屈折率プロファイルを得るための前記拡散工程の間に生じる屈折率プロファイルの変化より成る方法で作り出される、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • 前記初期屈折率プロファイルが、前記拡散工程後の前記最終的な屈折率プロファイルよりも小さい光路差を有する、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • 前記最終的な可変的屈折率プロファイルにおいて所望されるゼルニケ多項式項に調和したゼルニケ多項式項が、前記拡散工程の間に生じる屈折率プロファイルの変化よりなる前記初期屈折率プロファイルに含まれている、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • フォトマスクを用いて、前記重合性材料を選択的に照射することを備えた、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • DLPシステムを用いて、前記重合性材料を選択的に照射することを備えた、請求項 に記載の波面アベレータの製造方法。
  • 前記加熱が、85℃以上で行われる、請求項 に記載の方法。
  • 前記拡散工程後のOPDが、前記拡散工程前のOPDの少なくとも2倍である、請求項 に記載の方法。
  • 以下 の方法により製造された安定な波面アベレータ
    . 2つの透明板の間に、少なくとも1種のポリマー、及び1種又は複数のモノマーを備えた重合性材料の層を生成し、前記重合性材料が初期屈折率を有するステップと、
    b. 前記重合性材料に、可変的な光刺激を与え、前記重合性材料に、(i)前記1種又は複数のモノマーを完全に消費することなく、可変的パターンの重合を受けさせ、(ii)第1の中間的な可変的屈折率プロファイルを達成させるステップと、
    c. (b)の部分的に硬化した重合性材料を加熱することによって拡散工程を促進し、硬化がより少ない領域から、硬化がより進んだ領域へ、未硬化のモノマーを拡散させ、第2の中間的な可変的屈折率プロファイルを達成するステップと、
    d. (c)の前記部分的に硬化した重合性材料に、均一な光刺激を与え、残存する1種又は複数のモノマーの実質的にすべてを硬化し、最終的な可変的屈折率プロファイルを達成するステップとを含み、それにより、前記波面アベレータが、熱及び/又は太陽光の条件に安定である方法
  • 说明书全文

    本願は、レンズ作製のための材料及び方法に関する。

    本願は、2006年3月20日に出願された特許文献1の利益を主張し、これによりその全体を援用する。

    レンズは通常、光に収束及び集中、又は発散のいずれかをさせる、成形したガラス片又はプラスチック片から形成されるデバイスである。 レンズの重要な用途の一つは、近視、遠視及び老眼等の視障害を矯正する補装具としてのものである。 他の用途は、単眼鏡、双眼鏡、望遠鏡、スポッティングスコープ、望遠鏡式照準、経緯儀、顕微鏡及びカメラ(写真用レンズ)等の作像系の中でのものである。

    レンズは、完全な像を形成しない。 つまり、像を対象物の不完全な複製とするレンズによりもたらされる、ある程度の歪みすなわち収差が常にある。 このように、光学系が対象物の光線のいくつかを誤った方向に導くときに、収差が生じる。 像の質に影響を及ぼしうる収差にはいくつかの類型がある。 1つの波長の電磁放射を画像化しているときに生じる収差(単色収差)もあれば、2つ以上の波長の電磁放射を画像化するときに生じる収差(色収差)もある。

    収差により光学系にもたらされる歪みは、このような系の像平面上の像の質を著しく悪化させるので、それら収差を低減することに利益がある。 収差を最小化するために、様々な技術がしばしば用いられる。 そうした技術の一つには、波面アベレータ(wavefromt averator)の使用が含まれる。

    波面アベレータは、ヒトの視力矯正に使用するための、眼鏡又はコンタクトレンズに特に有用である。 特許文献2(938号特許)には、波面アベレータ、及びその製造方法が記載されている。 938号特許には、層の様々な領域中でのモノマーの硬化の程度を制御し、そうして波面アベレータを作り出すことにより、モノマー層にわたる、ユニークな屈折率プロファイルをどのようにして作り出すことができるかを記載している。

    938号特許には、硬化の程度に変化をつけた領域を作り出すことにより、ユニークな屈折率プロファイルを達成することを可能にする方法が記載されている。 この技術は、非常に有用であるが、レンズの安定性に問題を起こす。 硬化の程度に変化をつけるので、異なる領域の間にモノマーの濃度勾配が存在し、これがモノマーを経時的に拡散させうる。 ある領域から別の領域へモノマーが拡散するにつれ、屈折率プロファイルは変化する。 結果として、後になって屈折率のプロファイルが、最初に作り出された所望の元々の屈折率プロファイルと著しく異なることがありうる。

    また、所望の屈折率プロファイルが作り出された後で、硬化がより少ない領域の硬化は、硬化がより少ない領域と、硬化がより進んだ領域との間の、屈折率の差異が低減されることに起因するプロファイルの変化を導く。 例えば、重合開始剤を活性化するフラッド光重合(すなわちフラッド硬化)により、硬化がより少ない領域の望まれていない硬化が経時的に起こりうる。 フラッド硬化は、実質的に均一な照射(光)を、未硬化又は部分的に硬化している材料に長時間当てる方法である。 その時間は、長時間又は短時間でありうる。 フラッド硬化は、前に硬化していなかったモノマーの架橋を引き起こし、前に硬化がより少なかった領域中で屈折率が増加し、その屈折率を、元々硬化がより進んだ領域の屈折率により近づける。 屈折率の差異の縮小は、光学特性に変化をもたらす。 太陽光への曝露は、屈折の差異をフラッド光重合により減少させることに基づいた筋書きの実例である。

    光学特性における変化を防止するために、保管条件を最適化することにより、これらの課題のいくつかを処理することができる。 波面アベレータを、凍結条件で保管し、硬化がより少ない領域と、硬化がより進んだ領域との間でのモノマーの拡散を防止(又は少なくとも著しく遅く)することができる。 低温も、熱重合の速度を遅らせる。 さらに、波面アベレータは、暗条件で保管し、重合開始剤の活性化を防止することができる。 残念なことに特有の保管条件が必要であるという欠点が、波面アベレータの実用的な用途の数を制限しうる。 例えば、波面アベレータの特有な用途の一つは、ヒトの眼の収差を矯正する、眼鏡又はコンタクトレンズに類似した形態である。 ヒトは、様々な条件(暑い/寒い、湿気のある/乾燥している、日が差している/暗い)で、その眼鏡を着用するので、温度及び光への曝露は、容易に制御することができない。 従って、安定した屈折率プロファイルを作り出す、追加的な方法が必要である。

    米国仮特許出願第60/784394号

    米国特許第6989938号

    本発明は、先行技術に関連する上述の欠点をうまく解決し、先行技術により実現されていない、特定の特質及び長所を提供する。

    本発明は、熱及び/又は太陽光への曝露に対して安定である、所望の屈折率プロファイルを持つ波面アベレータを作り出す方法を提供する。 さらに本発明は、本明細書に記載の方法に従って作製される波面アベレータを提供する。

    熱及び太陽光への曝露に対して安定である屈折率プロファイルを持つ波面アベレータを作り出すことにより、波面アベレータの実用的な用途の数を著しく増加させる。 本明細書で特に例示するのは、これらの波面アベレータの、眼鏡又はコンタクトレンズにおける使用である。

    本明細書に例示する実施形態において、本発明の波面アベレータは、ポリマーを含む形成層により分離され、モノマーの硬化の程度の関数として可変的な屈折率を示す透明な一対のレンズを含む。

    ある実施形態においては、本発明の波面アベレータは、「フォトマスク」を用いて、形成層を選択的に照射することを含む方法により作製されうる。 フォトマスクの透過率プロファイルにより決定される硬化パターンは、波面アベレータに所望の屈折率プロファイルを作り出す。 代わりの実施形態において、本発明の波面アベレータを作り出す方法は、デジタルライトプロジェクタ(DLP)の使用により硬化パターンを作り出すことを含む。

    中間的な屈折率プロファイルを硬化パターンへの曝露により作り出した後、本発明の波面アベレータを、熱及び/又は太陽光の条件に安定である最終的な所望の屈折率プロファイルを生じる方法で処理する。

    好ましい実施形態において、中間的な屈折率プロファイルを波面アベレータに作り出した後、この波面アベレータを高温に曝し、未硬化モノマーの拡散を促進させる。 本明細書において、これを「拡散工程」と記載する。 波面アベレータは、拡散ステップを受けた後、次いで前に未硬化モノマーの実質的にすべてを硬化させるために、フラッド照射に曝す。 フラッド照射ステップを行った後、この波面アベレータのための最終的な可変的屈折率プロファイルを得る。 この時点で、前に未硬化であってすべてのモノマーが事実上硬化し、形成層は事実上完全に架橋するという利点がある。 すべてのモノマーが架橋するので、波面アベレータに生じる屈折率プロファイルは、熱及び/又は太陽光の条件に安定である。 その後、モノマーは完全に硬化し、架橋したネットワークの一部として固定されるので、この屈折率プロファイルは、モノマーの拡散、又は光への曝露を受けて変化することはない。

    さらに本発明は、拡散により起こる屈折率プロファイルの変化を予測し、明らかにする方法を提供する。

    本発明により提供される方法を用いる別の利点は、材料のより大きな光路差(OPD)を達成しうることである。 OPDは、材料の屈折率(n)を、材料の厚さで乗じることにより算出される。 本発明の方法(屈折率プロファイルを作り出し、拡散させ、次いでフラッド照射する)を用いて作製される波面アベレータについて得られるOPDの値は、先行技術の方法(屈折率プロファイルを作り出すのみ)を用いて作製された波面アベレータに対して最大の達成可能なOPDよりも数倍大きくなりうる。

    より大きなOPD値を持つ波面アベレータの作製が可能であることは、ヒトの視力矯正に非常に有利である。 大きなOPD値を持つ、本発明の波面アベレータは、先行技術の波面アベレータよりも、著しく大きい波面誤差を持つ患者を矯正することを容易にする。

    本発明は、熱及び/又は太陽光への曝露に対して安定である、所望の屈折率プロファイルを有する波面アベレータを作り出す方法を提供する。 熱及び太陽光への曝露に対して安定である、最終的な屈折率プロファイルを持つ波面アベレータを作り出すことにより、波面アベレータの実用的な用途の数が増加する。 本発明に従って作製されたアベレータの利点の一つは、これらのアベレータを、ヒトの視力を矯正するレンズを造るために用いることができ、このレンズを、太陽光及び熱の様々な条件で着用することができることである。

    特許文献2(以下「938号特許」、その全体を本明細書に引用して援用する)には、特別かつ他に類を見ない屈折率プロファイルを有するようにプログラムされうる波面アベレータの様々な用途が記載されている。

    好ましい実施形態において、本発明の波面アベレータは、ポリマー材料を含む形成層により分離される、一対の透明なレンズを含む。 ある実施形態においては、形成層がチオール硬化エポキシを含んでよい。 形成層は、モノマーの硬化の程度の関数として可変的な屈折率を示す。

    [中間的な屈折率プロファイルの調製]
    選択的に形成層を照らし、エポキシ材料全体の硬化の程度が異なる(従って屈折率が変化する)領域を作り出すいくつかの技術が、938号特許に記載されている。 この技術は、例えば、LED、LCD及び点光源を利用する。

    ある実施形態において、本発明の波面アベレータを、「フォトマスク」を用いて、形成層を選択的に照射することを含む方法により作製することができる。 「フォトマスク」は、例えば、インクジェットプリンタを用いて透明物上に印刷する。 インクのグレースケールは、マスクの様々な領域で変化し、マスクの様々な領域を通る光の透過率を様々なレベルにする。 均一な光源は、形成層へフォトマスクを通して中継され、形成層の一定の領域中の硬化の程度は、フォトマスクの対応する領域を通る透過率と曝露時間との関数である。 フォトマスクの透過率プロファイルにより決定される硬化パターンは、波面アベレータに所望の屈折率プロファイルを作り出す。

    代わりの実施形態において、本発明の波面アベレータを作り出す方法は、DLPの使用による硬化パターンの作製を含む。

    例えば前述の技術の一つを用いて、第1の屈折率プロファイルを作り出した後、熱及び/又は太陽光の条件に安定である、最終的な所望の屈折率プロファイルを波面アベレータが有するような方法で、本発明の波面アベレータを安定させる。

    [拡散]
    屈折率プロファイル安定化工程における最初のステップは、モノマーが部分的に硬化し、中間的な屈折率プロファイルを形成した後に、波面アベレータの、硬化がより少ない領域と硬化がより進んだ領域との間で、未硬化モノマーを拡散させることである。 これが拡散工程である。 好ましい実施形態において、波面アベレータを高温で設置し、未硬化モノマーの加速的な拡散を引き起こす。 屈折率プロファイルは、拡散ステップの間に元々のプロファイルから変化する。

    生じる拡散の総計は、加熱温度、加熱時間、前回の光パターニング、取扱う材料の種類、並びに任意の基材の種類及び厚さに基づいて予測することができる。

    拡散工程の性質に起因して、未硬化のモノマーを拡散させるために必要な温度は、間に光硬化性ゲル(例えば、その中に分散されたモノマー及び重合開始剤/禁止剤を有する)を挟んだ基材の剛性に依存する。 拡散工程の間、硬化がより少ない領域(より高いモノマー濃度)から硬化がより進んだ領域(前回の光硬化によるモノマーの架橋のため、より低いモノマー濃度)への濃度勾配に沿って材料が流れる。

    モノマーが、硬化がより進んだ領域の架橋ネットワークに流れ込むにつれ、モノマーは、そのネットワークを浸透し、それを膨らませる。 モノマーが架橋ネットワーク(形成層中にある)を膨らませることを可能にするために、それらのネットワークとのsd境を接する基材は、曲がって膨潤を可能にするのに十分な程度柔軟であるべきである。 基材が曲がって膨潤を可能にするにつれ、曲がり/膨潤が起こるところでそれぞれの基材の表面の形状が変化する。 さらに、波面アベレータの全厚は、曲がり/膨潤が起こるところで増加する。

    表面の曲がりとポリマーの膨潤とによる、基材表面形状及び波面アベレータ厚さの変化は、モノマー拡散工程の間における波面アベレータの光学特性の変化につながる。 すなわち、拡散の間の曲がり/膨潤による、基材表面湾曲及び波面アベレータ厚さの増加は、元々の屈折率プロファイルの、硬化がより進んだ領域を通る光学的な光路長の増加につながる。 これは、同様に元々の屈折率プロファイルに対応する光学特性の大きさを増大させる。

    より剛性の材料、及び/又はより厚い材料で作られた基材は、曲がりに対してより耐性があり、従って形成層の膨潤に対してより耐性がある。 もしモノマーが架橋ネットワークの中に移動することができなければ、モノマーの拡散は減少するので、基材による膨潤へのより高い耐性は、同様にモノマーの拡散へのより高い耐性につながる。 より剛性の及び/又はより厚い材料で作られた基材を用いるとき、より高い温度を用いて、基材の柔軟性を高め、従ってモノマーの拡散速度を増すことができる。

    基材の厚さ/剛性に加えて他の要因が、拡散の速度に影響を及ぼしうる。 これらの要因の一つは、拡散モノマーの粘度である。 拡散モノマーの粘度が低いほど、モノマーが、未硬化の領域から硬化がより進んだ領域に移動し、その領域の架橋ネットワークに浸透することが容易である。 これは、より低い粘度のモノマーによる、より高い拡散速度につながる。

    拡散速度に影響を与える別の要因は、モノマーが拡散していくポリマーネットワークの密度である。 例えば、ゲルが、その中に分散されたモノマーとともに、チオール硬化エポキシマトリックスを含むなら、チオール硬化エポキシの総量に対するモノマーの総量が、拡散速度に影響を与える。 ゲル中のチオール硬化エポキシ(マトリックス)のパーセンテージが高いほど、ゲルのマトリックスが高密度であり、モノマーがネットワークを拡散していくことが難しくなる。 これは、マトリックスのパーセンテージがより高いゲルについてのより低い拡散速度につながる。

    本発明の拡散工程の有利な一態様は、所望の終点に達するのに、高温での連続的な曝露を必要としないことである。 もし、基材が、室温での拡散/膨潤に耐えるのに十分剛性があり/厚いならば、高温への波面アベレータの曝露を停止し、それを室温に戻すことにより、拡散工程を一時中断することができる。 この波面アベレータは、光学特性に著しい変化がなく、一定の時間、室温で保管することができ、単に再度温度を上げることにより、後になって拡散工程を続けることができる。 これは、通常の作業日/週により生じうる制約を取り除く助けになるので、製造の見地から有利でありうる。 例えば、もし拡散工程が、金曜日に、作業日の終わりに途中までしか完了していなかったら、週末の間、室温でレンズを保管することができ、月曜日に、この波面アベレータを高温に戻すことにより拡散工程を続けることができる。

    さらに本発明は、所望の波面アベレータを作り出すための拡散により生じる、屈折率プロファイルの変化を予測し明らかにする方法を提供する。

    [フラッド照射]
    波面アベレータが拡散ステップを受けた後、前回の未硬化のモノマーを硬化させるために、これをフラッド照射に曝すことができる。 もし、拡散工程の間に利用される、拡散時間と温度との組合せが、モノマーを十分に拡散させ、所望のOPDを有する波面アベレータを形成するのに十分であるならば、フラッド照射ステップの間、屈折率プロファイルは著しく変化することはないだろう。

    フラッド照射ステップを行った後、前回の未硬化のモノマーのすべては事実上硬化し、形成層は基本的に完全に架橋する。 このように、波面アベレータについての最終的な屈折率プロファイルが得られる。 すべてのモノマーが架橋するので、波面アベレータに生成する屈折率プロファイルは、熱及び太陽光の条件に安定である。 その後、モノマーは、完全に硬化し、架橋ネットワークの一部であるように固定されるので、モノマーのさらなる拡散によりこの屈折率プロファイルが変化することはないだろう。 フラッド照射ステップの間のモノマーの完全な硬化は、最終的な屈折率プロファイルを得た後にモノマーがさらに光硬化する(例えば太陽光/UV曝露による)ことも防止する。

    最終的な波面アベレータの光学特性は、加速風化試験/加速熱曝露試験/加速太陽光曝露試験、商業的なARコーティング及びハードコーティング操作、並びに光学要素の非腐食性溶液への浸漬を含む他の操作(着色、UV殺菌等)に対して安定である。

    [OPDの増加]
    本発明により提供される方法を用いるさらなる利点は、より大きな光路差(OPD)が達成可能であることである。 本発明の方法(屈折率プロファイルを作り出し、拡散させ、次いでフラッド照射する)を用いて作製される波面アベレータについて得られるOPD値は、先行技術の方法(屈折率プロファイルを作り出すのみ)を用いて作製される波面アベレータについて達成可能な最大のOPDよりも著しく大きくなりうる。 より大きいOPD値を持つ波面アベレータを作り出すことができることは、ヒトの視力矯正の分野に非常に有利である。 大きなOPD値を持つ本発明の波面アベレータは、先行技術の波面アベレータよりも著しく大きな波面誤差を持つ患者の矯正を容易にする。

    他の方法により作られる波面アベレータについて達成可能な最大のOPD値は、屈折率の増加等の変化によってのみ達成でき、OPDが増加するところでは低いことがある。 さらに、モノマーが光硬化し、ゲルの屈折率が増加するにつれ、架橋による緻密化する性質によりゲルが収縮する。 もし、基材が十分に柔軟/薄いならば、これは、ゲルとの境を接する基材を、ゲルが収縮するにつれて内側に曲げ、厚みを減少させ、従って光路を減少させることがある。 屈折率の増加により得られるOPDは、収縮による厚みのわずかな減少によるOPDの損失を上回るが、最大のOPDは、それでもなお減少した厚みにより制限されることがある。

    本明細書に記載の方法において、いくらかのOPDを光硬化により得て、初期屈折率プロファイルを作り出すことができる。 次いで拡散ステップにより、特定の領域内で、その領域内にモノマーが拡散するにつれてゲルが膨潤することにより基材を外側に曲げることができる。 従って、膨潤に起因する、波面アベレータの厚み増加、及び基材表面の湾曲増大によって、OPDを増加させることができる。 このように、この方法は、OPDを増加させる(屈折率の増加のみを利用する方法と比較して)方法として、屈折率、基材表面の湾曲及び厚みの増加を利用するので、本発明の方法により、さらにより大きいOPD値を得ることができる。

    以下の、本発明の化合物、組成物及び方法の例を参照することにより、本発明のより完全な理解を得ることができる。 以下の実施例は、本発明を実施するための手順を例示する。 これらの実施例を制限的なものと解釈してはならない。 この実施例が、周知の出所、例えば化学薬品供給会社から市販される、材料及び試薬の使用を含むことは、当業者には明らかであるので、それらに関しては詳細を示さない。

    波面アベレータ試料の調製 パートI:500mLのフラスコに、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド]100g、ジアリルエーテルビスフェノールA49.42g、イルガキュレ184(Irgacure184)0.2761g、及びN−PAL0.0552gをアセトンに溶解した。 次いでこの混合物を、別の清浄な500mLのフラスコ中に0.2μmのシリンジフィルターを通して濾過した。 濾液は、60℃で2時間、ロータリーエバポレータにかけて、アセトンをすべて蒸発させた。

    パートII:別の500mLのフラスコに、テトラブチルアンモニウムブロミド3.27g、及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)150gをアセトンに溶解した。 次いでこの混合物を、別の清浄な500mL容のフラスコ中に0.2μmのシリンジフィルターを通して濾過した。 濾液は、50℃で2時間、ロータリーエバポレータにかけて、アセトンをすべて蒸発させた。

    パートI及びパートIIの一部を、それぞれ1.157:1の比率で混合した。 パートIの組成物の重さを慎重に計量して、20mLのシンチレーションバイアルに入れた。 パートIの処方の量に基づいて、計算量のパートIIを同じバイアルに加えた。 この2つの組成物を、ガラス攪拌棒を用いて手で入念に混合した。

    この混合物約2.6gを、スペーサー220(カバーレンズの凹側の縁周部に置かれた、20ミル厚の接着テープ片)を備えた、Samsung EyeTech UV−Clear 1.6のカバー210(図1に断面図を図解する)の凹表面に移した。 カバー210上の混合物230を脱気し、閉じ込められた空気を取り除いた。 5.0ベースカーブの、Samsung UV−Clear 1.6のベースレンズ240を、慎重にカバーレンズの上に置き、脱気した混合物230を間に挟んでこのレンズ群を一緒に堅くプレスし、レンズアセンブリ250(断面図として図2に図解する)を作った。 レンズアセンブリ250を、75℃で5.5時間維持して、挟んだ混合物230を硬化させてゲルにした。 このゲル230は、その中に分散された、ジアリルエーテルビスフェノールA及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)を有するチオール硬化エポキシを含んでいた。 レンズアセンブリ250を室温まで冷却した後、次いで、正味の屈折力がない光学素子を形成するために、ベースレンズ240を研磨して「プラノ(plano)」にした。

    光学系の収差補正 プラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載するように調製した。 この光学要素を、レンズホルダーにより85℃の熱箱中に設置した。 四い断面の混合棒を備えたEXFO Omnicure UVランプが、DLPのマイクロミラーアレイを照射する紫外線(強度約9.5mW/cm )の均一なビームを生成するために用いられた。

    レンズアセンブリ内の挟まれたゲルの中心領域は、眼球モデル(model eye)(図3参照)の収差に対応するDLPから再画像化される紫外線パターンに100秒間曝された。 紫外線曝露の結果として、挟んだゲル230で作られたOPDパターンを測定するために波面レンズメータが用いられた。 OPDパターンのピークトゥバレーを測定したところ、0.446ミクロンであった。 熱箱の温度を105℃に調節し、レンズをさらに4時間熱箱中に保ち、未硬化のモノマーを、紫外線によりモノマーが消費された領域中に拡散させた。

    再度、波面レンズメータを用いてOPDパターンを測定したところ、OPDパターンのピークトゥバレーが0.446ミクロンから1.565ミクロンに増加(350%に増加)していたことが測定された。 次いでレンズを105℃にセットした熱箱の外に取り出し、85℃にセットした別の熱箱中に設置した。

    四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用いて、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成させ、及びOPDパターンに固定するためにこの光学要素をフラッド硬化させる。 波面レンズメータを用い、フラッド硬化後のレンズのOPDパターンを測定し、OPDパターンのピークトゥバレーが、1.565ミクロンから1.460ミクロンに変化したことが見出された(6.7%の減少)。

    それぞれのレンズ測定計測定に対するOPDパターンのより詳細な記載が、ゼルニケ係数に関して、表1において与えられる。 フラッド硬化を完遂した後、眼球モデルパターンが位置するところでレンズを半分に切断した。 半分にしたレンズの一方をマイクロメータスタンド上に設置し、顕微鏡下で観察した。 マイクロメータを用いて、上部基材層(Samsung EyeTech 1.6レンズ)の厚みは0.38mm、挟んだゲル層の厚みは0.57ミクロン、下部基材層(Samsung EyeTech 1.6レンズ)の厚みは0.63mmであった。

    拡散速度及びOPD成長速度の制御 2つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素を、レンズホルダーにより85℃の熱箱中に設置した。 実施例2のDLPシステムを用い、それぞれの光学要素の形成層を、眼球モデルの収差に対応する紫外線パターンに曝した。 第1の光学要素は、60秒間パターンに曝し、第2の光学要素は、120秒間曝した。

    波面レンズメータを用い、個々の光学要素に生成するOPDパターンを測定した。 第1の光学要素におけるOPDパターンのピークトゥバレーが0.235ミクロンであり、第2の光学要素についてのピークトゥバレーが0.473ミクロンであった。

    このレンズ熱箱の温度を105℃に調節した。 第1の光学要素を、このレンズ熱箱中で4時間8分の間105℃に保ち、第2の光学要素を、3時間32分の間105℃に保って、未硬化のモノマーを、紫外線によりモノマーが消費された領域へ拡散させた。

    波面レンズメータを用いて、個々の光学要素におけるOPDパターンを、それらを105℃に保ったまま様々な時間で測定し、それぞれの光学要素についてのピークトゥバレー成長速度は、線形であることが観測された。 第1の光学要素のOPDパターンについての最終的なピークトゥバレーは0.873ミクロンであり、第2の光学要素についてのピークトゥバレーは1.530ミクロンであった。 第1の光学要素について、ピークトゥバレーの成長速度が0.154ミクロン/時間と算出され、第2の光学要素について、ピークトゥバレーの成長速度が0.299ミクロン/時間と算出された。 第2の光学要素についてのピークトゥバレーの成長速度は、第1の光学要素についての成長速度の約2倍であった。

    第2の光学要素に用いられた紫外線曝露時間は、第1の光学要素のための曝露時間の2倍であった。 紫外線曝露時間を2倍することは、UVパターンに曝露する領域内の硬化率を2倍することにつながる。 これは、UV硬化によりモノマーが消費された曝露領域と、未曝露領域との間のモノマー濃度の勾配を2倍にした。 これは同様に、未曝露領域からUV硬化によりモノマーが消費された曝露領域へのモノマーの拡散速度を2倍にすることにつながり、第2の光学要素についてのピークトゥバレー成長速度を2倍にすることにつながる。

    先行技術により可能なOPD
    4つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製し、2830、2831、2833及び2866と標識した。 それぞれの光学要素は、約1.5mmの中心厚さを有していた。 実施例2に記載のものと類似するDLPシステムを用い、85℃のレンズ熱箱において三つ葉パターンで4つの波面アベレータに照射した。 波面アベレータの形成層でのUV光の強度は、約31mW/cm であった。

    最大のOPDに達するまで、照射工程の間を通じた様々な時間で、波面アベレータに生成したOPDをレンズメータによって測定した。 図4は、最大のOPD値を持つそれぞれの波面アベレータについての硬化曲線(OPD対時間)と、それぞれの曲線の端に標識されたそれらの値を得るのに必要な時間とを示す。 4つの波面アベレータについて得られた平均最大OPD値は、2.75ミクロンであった。

    本発明の方法で増加されたOPD
    3つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2に記載のDLPシステムを用い、それぞれの光学要素を(3,−3)三つ葉収差に対応する紫外線パターンに140秒間曝した。

    波面レンズメータを用い、それぞれの光学要素において生じたOPDパターンを測定した。 その光学要素についてのOPDパターンのピークトゥバレーが、0.793ミクロン、0.587ミクロン及び0.581ミクロンであり、それぞれ0.130ミクロン、0.090ミクロン及び0.088ミクロンの(3,−3)ゼルニケ係数を持つことを見出した。 次いで光学要素を、さらに16時間、オーブン中で105℃に保ち、未硬化のモノマーを、紫外線によりモノマーが消費された領域に拡散させた。

    拡散ステップの後で、波面レンズメータを用い、それぞれの光学要素において生じたOPDパターンを測定した。 この光学要素についてのOPDパターンのピークトゥバレーは、8.189ミクロン、7.823ミクロン及び7.725ミクロンであり、それぞれ1.853ミクロン、1.755ミクロン及び1.719ミクロンの(3,−3)ゼルニケ係数を持つことが見出された。 105℃のオーブンの外にこの光学要素を取り出し、85℃にセットした熱箱中に設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成し、OPDパターンに固定するためにそれぞれの光学要素をフラッド硬化する。 波面レンズメータを用い、フラッド硬化後のレンズのOPDパターンを測定した。 この光学要素についてのOPDパターンのピークトゥバレーは、7.974ミクロン、7.856ミクロン及び7.586ミクロンであり、それぞれ1.837ミクロン、1.750ミクロン及び1.707ミクロンの(3,−3)ゼルニケ係数を持つことが見出された。

    フラッド硬化の間の、OPDパターンについてのピークトゥバレーの平均変化は、3つの光学要素について、−1.33%に過ぎなかった。 この3つの光学要素におけるOPDパターンについての最終的な平均ピークトゥバレーは、7.805ミクロンであった。 これは、実施例4において測定されたように、先行技術の方法により達成される2.75ミクロンの最大ピークトゥバレーよりも約2.84倍大きい。

    加速熱劣化中での光学要素の安定性 実施例5の光学要素の2つを123℃のオーブン中に85.5時間設置し、劣化を加速し、標準温度(23℃)付近での10年間の熱劣化(温度が10℃上昇するごとに劣化速度が2倍すると仮定して)をシミュレーションした。

    加速劣化を行う前、この光学要素におけるOPDパターンのピークトゥバレーは7.974ミクロン及び7.856ミクロンであった。 加速劣化後に、レンズメータを用い、この光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、それぞれ7.838ミクロン及び7.389ミクロンであり、加速劣化中にわずか−3.8%の平均ピークトゥバレー変化に対応する。

    加速熱劣化中での先行技術の光学要素の不安定性 4つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素を85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2に記載のDLPシステムを用い、それぞれの光学要素を(3,−3)三つ葉収差に対応する紫外線パターンに曝した。

    波面レンズメータを用い、それぞれの光学要素において生じるOPDパターンを測定した。 先行技術の手順を用いて約1.5ミクロンのOPDが達成されるまで、それぞれの光学要素を照射パターンに曝した。

    次いで試料を、73℃のオーブン中に設置して熱劣化を加速させた。 熱劣化の開始前、試料は、1.37、1.43、1.40及び1.44ミクロン、平均1.41ミクロンのOPD値を有した。 試料を様々な時間でオーブンの外に引き出し、再測定した。 73℃(23℃より上で10℃温度が増加するごとに劣化速度が2倍になる仮定を用いた、標準温度付近における16週間の劣化シミュレーション)で84時間劣化後、先行技術による4つの波面アベレータのOPD値は、それぞれ2.25、2.18、2.10及び2.08ミクロン、平均2.15ミクロンであった。

    図5は、先行技術による4つの波面アベレータとともに、実施例6で記載された本発明の2つの波面アベレータに対して、加熱時間に対するOPD変化の平均パーセンテージを示す。 明らかに、本発明の方法を用いて作り出される試料は、さらにより過酷な加速劣化条件下でさえ、先行技術の試料よりもずっと良好な熱安定性を証明している。

    ハードコーティング及びARの間の本発明の安定性 4つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素を85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2のDLPシステムを用い、それぞれの光学要素の形成層を、眼球モデルの収差に対応する紫外線パターンに150秒間曝した。

    次いでこの光学要素を、105℃のオーブンに4時間置き、未硬化のモノマーを、硬化を誘発する紫外線によりモノマーが消費された領域に拡散させた。 光学要素を105℃のオーブンの外に取り出し、85℃にセットした別の熱箱に設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成し、OPDパターンに固定するためにそれぞれの光学要素をフラッド硬化する。 波面レンズメータを用い、フラッド硬化後の光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、2.591ミクロン、2.351ミクロン、2.272ミクロン及び2.363ミクロンであり、平均で2.39ミクロンであった。 この光学要素を、最先端の、ハードコーティング及びUVブロッキングプライマーによりコーティングした。 波面レンズメータを用い、ハードコーティング操作後のこの光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、2.498ミクロン、2.204ミクロン、2.137ミクロン及び2.271ミクロンであり、平均で2.28ミクロンであった。 ハードコーティング操作の間、OPDパターンの平均ピークトゥバレーは、4.9%しか変化しなかった。 次いでこの光学要素を、最先端のARコーティングにより処理した。 波面レンズメータを用い、ARコーティング操作後のこの光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、2.456ミクロン、2.213ミクロン、2.149ミクロン及び2.264ミクロンであり、平均で2.27ミクロンであった。 OPDパターンの平均ピークトゥバレーは、ハードコーティング及びARコーティング操作の間、合計で5.2%しか変化しなかった。

    ハードコーティング及びARの間の先行技術の不安定性 3つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 この光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約15mW/cm )の均一なビームを生成した。 光学要素250中に挟んだゲル230の中心領域を、フォトマスク(図6)から再画像化した三つ葉パターンを有する紫外線に5分間曝した。 ザイゴ(ZYGO)干渉計を用い、挟んだゲル中に作り出されたOPDパターンを測定した。 OPDパターンについてのピークトゥバレーは、1.33ミクロン、1.39ミクロン及び1.31ミクロンであり、平均で1.34ミクロンであった。 次いでこの光学要素を、最先端のARコーティングにより処理した。 ザイゴ干渉計を用い、ARコーティング後にこの光学要素に対して挟まれたゲル中で作り出されたOPDパターンを測定した。

    OPDパターンについてのピークトゥバレーは、3.91ミクロン、4.08ミクロン及び3.70ミクロンであり、平均で3.90ミクロンであった。 この光学要素におけるOPDパターンの平均ピークトゥバレーは、ARコーティング操作の間、190%増加した。

    これとは対照的に、実施例8において加速劣化に先立って光学要素に見られる平均OPDパターンは、最先端のハードコーティング及びARコーティング操作の間、合計でわずか5.2%しか変化しなかった。

    加速風化試験中の先行技術の安定性 4つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素は、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2に記載のDLPシステムを用い、それぞれの光学要素を(3,−3)三つ葉収差に対応する紫外線パターンに曝した。 波面レンズメータを用い、それぞれの光学要素において生じたOPDパターンを測定した。 先行技術の手順を用いて約1.5ミクロンのOPDが達成されるまで、それぞれの光学要素を照射パターンに曝した。

    次いでこの試料を、10日間QUVチャンバー中に設置し、風化を加速し、2年間の風化シミュレーションを行った。 様々な試料についてのOPD変化率は−55.3%から+59.6%までの範囲であり、この試料により、加速風化条件に深刻な不安定性があることが証明された。 この試料についてのデータを表2に要約する。

    加速風化中の本発明の安定性 3つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 それぞれの光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2のDLPシステムを用い、それぞれの波面アベレータの形成層を、眼球モデルの収差に対応する紫外線パターンに240秒間曝した。

    次いでこの光学要素を、105℃のオーブン中に4時間置いて、未硬化のモノマーを、紫外線によりモノマーが消費された領域に拡散させた。 この光学要素を105℃のオーブンの外に取り出し、85℃にセットした別の熱箱中に設置した。

    四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成し、それぞれの光学要素をフラッド硬化しOPDパターンに固定した。 波面レンズメータを用い、フラッド硬化後の光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、3.747ミクロン、3.545ミクロン及び3.946ミクロンであり、平均で3.75ミクロンであった。 次いでこの光学要素をQUVチャンバー中に10日間置いて風化を加速させ、2年間の風化シミュレーションを行った。 波面レンズメータを用い、QUVチャンバー中での加速風化後の、この光学要素のOPDパターンを測定した。

    OPDパターンのピークトゥバレーは、3.853ミクロン、3.745ミクロン及び4.186ミクロンであり、平均で3.93ミクロンであった。 OPDパターンの平均ピークトゥバレーは、QUVチャンバー中での加速劣化の間、全体で4.9%しか変化しなかった。

    フラッド照射中の先行技術の不安定性 プラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 この光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、三つ葉パターンのグレースケール描画を含むフォトマスクを照射する紫外線(強度約31mW/cm )の均一なビームを生成した。

    光学要素250中の挟んだゲル230の中心領域を、フォトマスク(図6)から再画像化した三つ葉パターンを有する紫外線に30秒間曝した。 波面レンズメータを用い、挟んだゲル中に作り出されたOPDパターンを測定した。 OPDパターンについてのピークトゥバレーは、0.910ミクロンであった。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成し、この光学要素をフラッド硬化した。

    OPDパターンについてのピークトゥバレーは、0.216ミクロンであった。 この光学要素におけるOPDパターンのピークトゥバレーは、フラッド硬化の間に76.3%減少した。 これとは対照的に、フラッド硬化に先立って、UV硬化によりモノマーが消費された領域中にモノマーを拡散させた実施例2の光学要素についてのピークトゥバレーは、フラッド硬化の間に平均で6.7%しか減少しなかった。

    基材の柔軟性の温度依存性、及び拡散速度/OPD変化への影響 6つのプラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 この光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、三つ葉パターンのグレースケール描画を含むフォトマスクを照射する紫外線(強度約15mW/cm )の均一なビームを生成した。

    光学要素250中の挟んだゲル230の中心領域を、フォトマスク(図6)から再画像化した三つ葉パターンを有する紫外線に5分間曝した。 ザイゴ干渉計を用い、挟んだゲル中に作り出されたOPDパターンを測定した。

    第1の3つのレンズの組のOPDパターンについてのピークトゥバレーは、1.34ミクロン、1.39ミクロン及び1.40ミクロンであり、平均で1.38ミクロンであった。 第2の3つのレンズの組についてのピークトゥバレーは、1.37ミクロン、1.43ミクロン及び1.40ミクロンであり、平均で1.40ミクロンであった。

    第1の組の3つのレンズを、室温(23℃)で102日間保管し、次いでザイゴ干渉計を用い再測定した。 ピークトゥバレーは、1.38ミクロン、1.39ミクロン及び1.40ミクロンであり、平均で1.39ミクロンであった。 従って、室温で保管したこれらのレンズについての平均ピークトゥバレーは、102日間にわたって、約1%しか変化しなかった。

    第2の組の3つのレンズを、73℃で23日間保管し、次いでザイゴ干渉計を用い再測定した。 ピークトゥバレーは、3.25ミクロン、3.21ミクロン及び3.06ミクロンであり、平均で3.17ミクロンであった。 従って、73℃で保管したこれらのレンズについての平均ピークトゥバレーは、23日間にわたって、約140%増加した。 明らかに、基材として用いたSamsung EyeTech 1.6レンズは、室温(23℃)でのモノマーの拡散により、挟んだゲルを膨潤させるのに十分柔軟でないが、73℃では十分に柔軟であった。

    拡散中におけるOPD成長の視覚的例 プラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 この光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 実施例2のDLP装置を用い、この光学要素の形成層を、マイクロミラーアレイから再画像化した正弦曲線(周期=6mm)の紫外線パターン(図7A)に140秒間曝した。

    照射時間の間、様々な時間でのOPDパターンを、波面レンズメータを用いて測定した。 照射を完遂した後、レンズ熱箱の温度を105℃に上昇させ、レンズを8時間内部に保ち、未硬化のモノマーを、紫外線によりモノマーが消費された領域に拡散させた。

    拡散工程の間、様々な時間でOPDパターンを、波面レンズメータを用いて測定した。 拡散が進行する間のOPD成長の図の他に、レンズに照射するために用いた紫外線パターンの図も図7B〜7Fに示す。

    拡散中における形成層の膨潤及び基材のトポグラフィーの変化の実証 プラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 この光学要素を、85℃の熱箱中にレンズホルダーにより設置した。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、三つ葉パターン(図6)を含むフォトマスクに照射する紫外線(強度約31mW/cm )の均一なビームを生成した。

    光学要素250中に挟んだゲル230の中心領域を、フォトマスクから再画像化した紫外線に20秒間曝した。 波面レンズメータを用いて、挟んだゲル中に作り出されたOPDパターンを測定した。 OPDパターンについてのピークトゥバレーは、1.30ミクロンであった。 レンズメータにより測定されたOPDパターンを、低OPD(バレー)に対応する領域を青色で、高OPD(ピーク)に対応する領域を赤色で、図8に示す。

    次いでレンズの前面を、基準伝送球面を用いてザイゴ干渉計で測定した。 ウルトラフラットブラックペイントを塗布することで除去された後面によって寄与されたところの干渉縞として、レンズの前面のみからの干渉縞が用いられた。 ザイゴにより測定した、レンズの表面のプロファイルを図9に示す。 前面のプロファイルのピークトゥバレーは、0.73ミクロンと測定された。

    表面形状のピークを青色の領域(低OPD)により表し、バレーを赤色の領域(高OPD)により表す。 表面は、ザイゴに向かってピークで突き出しており、ザイゴとレンズ表面との間の距離がより短いので、(表面のみを測定するために伝送球面を用いるときのザイゴにより見られるように)表面トポロジーのピークは実際に、より低いOPDを有する。 逆に、表面トポロジーのバレーは、ザイゴからより遠く、その領域でより高いOPDが測定されることになる。 表面トポロジーの画像は、ザイゴ表面データにおける上部でバレーがあることを示しており、そこで表面が持ち上げられていることを意味し、より短い光路、及びより低いOPDを干渉計に作り出す。 表面の下部で、ザイゴ表面データにおけるピークがあり、そこで表面が落ち込んでいることを意味し、より長い光路長を与えている。 ザイゴからの表面OPDマップを、レンズメータのOPDマップ(光学要素全体を通して全体のOPDに対応する)と比較すると、表面OPDが全体のOPDを打ち消している。

    前述のように、挟んだゲルが、硬化により屈折率を増加させる領域内では、ゲルが収縮して、基材を引っ張ってお互いのほうに近づけるので、厚みの減少がある。 しかし、屈折率の増加により引き起こされるOPDの増加は、厚みの減少により引き起こされるOPDの損失よりも大きい。

    ザイゴ干渉計を用いて表面測定を行った後に、レンズを105℃のオーブン中に7.5時間置き、高いモノマー濃度の未硬化領域からUV照射によりモノマー濃度が消費された硬化領域へモノマーを拡散させた。 この拡散は、フィックの法則により生じる。 このレンズを室温に戻し、その前面の表面トポロジー(図10に示す)を、基準伝送球面を用いてザイゴ干渉計により再度測定した。 前面の表面トポロジーの極性は反転してしまっており、表面のピークトゥバレーは1.95ミクロンであった。 ザイゴ画像においては、そのとき、上部にピークが、下部にバレーがあったが、実際の表面上には、上部にバレー(すなわちくぼみ)が、下部にピーク(盛り上がり)があったことを意味する。 後面上のブラックペイントをアセトンで取り除き、この光学要素全体のOPDパターンをレンズメータで測定した。 透過のピークトゥバレーは7.5ミクロンであった。 ザイゴからの表面OPDマップ(図10)を、レンズメータOPDマップ(図11)と比較すると、そのとき、表面及び全体のOPDマップのピークが直ちにそろえられた。 今、表面によるOPDは、透過により測定されたOPDを補足している。 これは、未硬化領域から硬化領域へのモノマーの拡散が、その領域でのゲルの膨潤を引き起こし、基材を外側に膨らませ、その領域での光学要素の厚みを増加させたことを実証した。 後面の表面トポロジーが、実験の間中、前面の表面トポロジーと非常に類似した挙動をおそらくとったことは、当業者に理解されるであろうが、それはモニターしなかった。

    本発明を用いた光学要素中への耐久性の商標の書き込み プラノ倍率の光学素子を、実施例1に記載のように調製した。 紫外線レーザーを用いて、商標「iZon」のロゴに対応するパターンにより、挟んだゲル層に放射した。 このレーザーは、スペクトラ・フィジックス製J20E−BL8−355Q、Q−Switched Nd:YVO (ネオジムをドーピングしたイットリウムバナジウムオキシド)レーザーであった。 このレーザーは、完全に固体性であり、ダイオード励起である。 出力波長は355nmである。 その出力は、公称上、8ナノ秒パルスの25kHz列である。 以下の実施例においては23mWしか使用しなかったが、一般的な平均出力は約500mWである。 出力ビームは垂直に偏光され、直径1mm+−10%、焦点調節前の拡がり角は0.7mラジアンより小さい。 レーザーライターの高分解能により、等間隔の40ミクロン幅の一連の線としてロゴを書くことができる。

    商標「iZon」のロゴを、2つの異なる方法を用いて書いた。 これを方法A及びBと呼ぶ。 方法A及び方法Bの両方で、単一の何も書かれていないレンズに、それぞれ3つの異なる場所に合計6個のロゴを書いた。 ある位置に、レーザーパターン照射を1回行った。 第2の位置に、より大きな紫外線照射を与えるために、レーザーパターン照射を2回行った。 第3の位置に、この試験で最大のUV照射を与えるために、レーザーパターン照射3回繰り返した。 レーザー出力は23mWであった。 続いて、何も書かれていないレンズを85℃で30分間保ち、UV硬化によりモノマーが消費されて、より硬化が進んだ領域へ、未硬化のモノマーを拡散させた。 四角い断面の混合棒を持つDymax UVランプを用い、紫外線(強度約30mW/cm )の均一なビームを生成し、その光学要素をフラッド硬化した。 もし、拡散工程が除かれたら、このロゴはフラッド硬化の工程により消される。

    DIC顕微鏡下でのロゴの外観を図12に示す。 方法Aで、線の間におよそ40ミクロン幅の間隔をとって、40ミクロン幅の線を書く。 方法Bで、間隔のない線を書く。 レーザービームのパルス性が、特に1回の書き込みについてはっきりと現れ、複数回の書き込みは、線をより連続的に見せる傾向がある。 より大きいUV照射は、ロゴの文字に、より高いコントラストを持たせ、さらなるパスによりさらなる硬化が生じる。

    拡散工程及びフラッド硬化の工程の後に、DIC顕微鏡下ですべてのロゴはより弱く見えた。 しかし、それらは、なお肉眼で見ることができた。 書かれる文字の平行な線に由来する回折効果により、このロゴは、特定の角度で光にかざしたときに特によく見える。 図13は、わずかに異なる方法によりそれぞれ作られた6つの「iZon」のロゴを含むレンズを示す。

    本明細書において参照し又は引用した、すべての特許、特許出願、仮出願及び公報の全体を、すべての図及び表を含めて、本明細書の明示的な教示と矛盾しない程度において、引用して援用する。

    本明細書に記載の実施例及び実施形態は、例示目的のためのみのものであり、それを考慮した様々な修正又は変更が当業者に示唆され、本願の精神及び範囲の中に含まれるべきことを理解しなければならない。

    レンズ組立品を図解する断面図である。

    レンズ組立品を図解する断面図である。

    眼球モデルのOPDマップである。

    最大のOPD値と、その値を得るために必要な時間とを、それぞれの曲線の端に標識した、それぞれの波面アベレータについての硬化曲線(OPD対時間)を示す。

    加速熱劣化試験についての、OPD変化のパーセント対時間を示す。

    光学系に三つ葉のパターンを描くのに適したフォトマスクの写真の複製である。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    拡散工程の間のOPD増加、及びレンズに照射するために用いられる紫外線パターンを図解する。

    低OPD(バレー)に対応する青色領域、及び高OPD(ピーク)に対応する赤色領域を持つレンズメータにより測定されたOPDパターンを図解する。

    干渉計により測定されたレンズの表面プロファイルを図解する。

    レンズの表面トポグラフィーを示す。

    レンズメータのOPDマップを示す。

    DIC顕微鏡下でのロゴの外観を示す。

    わずかに異なる方法によりそれぞれ作られた、6つの「iZon」のロゴを含むレンズを示す。

    符号の説明

    210 カバー 220 スペーサー 230 混合物 240 ベースレンズ 250 レンズアセンブリ

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