眼用レンズ製造用の特徴部位を有するレンズ前駆体

申请号 JP2015520570 申请日 2013-06-28 公开(公告)号 JP6162234B2 公开(公告)日 2017-07-12
申请人 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド; Johnson & Johnson Vision Care, Inc.; 发明人 ワイルドスミス・クリストファー; ウィドマン・マイケル; パウエル・ピー・マーク;
摘要
权利要求

レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って、又はそれに隣接して存在するレンズ縁部特徴部位と、を備え、 前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ前駆体型の外周内に存在する流動性レンズ反応性媒体を収容するように構成されるフェンス構造体を備え、 前記レンズ縁部からの距離の増加とともに、前記フェンス構造体の厚さが最大厚さ部から減少し、それによって内側を向くフェンス表面を形成し、 前記フェンス構造体の前記最大厚さ部が前記レンズ縁部から離間されている、レンズ前駆体型。前記厚さの減少が連続的である、請求項1に記載のレンズ前駆体型。前記内側を向くフェンス表面が、前記レンズの軸を収容する面において凹状である、請求項2に記載のレンズ前駆体型。前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ前駆体型の周りで連続的である、請求項3に記載のレンズ前駆体型。前記レンズ縁部特徴部位が、別個の非連続なゾーン内に存在する、請求項4に記載のレンズ前駆体型。前記レンズ縁部特徴部位の高さが、0.001mm〜1mmである、請求項5に記載のレンズ前駆体型。前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ縁部のいくつかの別個の部分においてより高く、流動性レンズ反応性媒体を制御し、これらの部分においてより厚い縁部を有するレンズを提供する、請求項6に記載のレンズ前駆体型。前記レンズ縁部特徴部位の半径範囲が0.001mm〜2mmである、請求項7に記載のレンズ前駆体型。レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する堀特徴部位と、を備え、 前記堀特徴部位が、前記レンズ前駆体型の高さの実質的に非連続的な減少によって画定される、レンズ前駆体型。前記堀特徴部位が、0〜0.2mmの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、請求項9に記載のレンズ前駆体型。前記堀特徴部位が、実質的にゼロ又はゼロの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、請求項9に記載のレンズ前駆体型。レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する堀特徴部位と、を備え、 前記堀特徴部位が、実質的にゼロ又はゼロの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、レンズ前駆体型。レンズ前駆体型であって、 レンズ縁部であって、前記レンズ縁部が前記レンズ前駆体型の外周を画定する、レンズ縁部と、 複数の排出チャネル特徴部位であって、それぞれの排出チャネル特徴部位が、細長い陥没部を含み、並列に配置され、前記レンズ前駆体型にわたる流動性レンズ反応性媒体の流れを可能にするように構成される、複数の排出チャネル特徴部位と、を備え、 それぞれの排出チャネル特徴部位が、別個のセグメント化された陥没部を備え、 前記排出チャネル特徴部位が、前記レンズ前駆体型の特定の領域から放射状に広がり流動性レンズ反応性媒体を前記領域から引き離し、 前記排出チャネル特徴部位が、実質的に全ての方向に放射状に広がる、レンズ前駆体型。前記排出チャネル特徴部位が、限定された数の方向に放射状に広がり、それによって扇形の排出区域を形成する、請求項13に記載のレンズ前駆体型。前記扇形の排出区域が、2〜360度の夾を有する、請求項14に記載のレンズ前駆体型。前記排出チャネル特徴部位が、それらの外端に若しくはそれに向かって、それらの内端に若しくはそれに向かって、又は他の位置で、或いは任意の位置の組み合わせで円周方向の排出チャネルを更に備える、請求項15に記載のレンズ前駆体型。レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って存在するレンズ縁部特徴部位、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する光学ゾーン、及び前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する安定化ゾーン特徴部位からなる群から選択される、複数のレンズ特徴部位と、 前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも2つの間で前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在し、かつそれらの間の流動性反応性混合物の流れ及び/又は一定期間後に前記流動性反応性混合物が定着する形状を制御するように構成される、ボリュメーター特徴部位と、を備える、レンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、前記流動性反応性混合物の最小エネルギー面の所望の高さ、深さ、角度幅、長さ、形状、及び/又は角度を制御して、所望のレンズ前駆体の形状を生成するように構成される、請求項17に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、2つの部分、すなわち、より低い棚と、安定化ゾーン特徴部位の比較的より高い厚さ領域に隣接する、より高い棚と、で構成される区分を備える、請求項18に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、隣接する安定化ゾーン特徴部位と略同一の高さの棚である区分を備える、請求項19に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも1つの外周の周りで連続的である、請求項20に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が非連続的である、請求項20に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、安定化ゾーン特徴部位に隣接し、前記レンズ軸を中心に、30〜120度の間で円周方向に延在する、請求項22に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位の一部が、0.001mm〜1mmの高さを有する、請求項23に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位の一部が、0.001mm〜4.5mmの半径範囲を有する、請求項24に記載のレンズ前駆体型。前記ボリュメーター特徴部位が、0.001mm〜1mmの半径範囲を有する堀特徴部位である、請求項25に記載のレンズ前駆体型。レンズ前駆体型を設計する方法であって、 レンズ前駆体型設計を画定することを含み、前記設計が、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 複数のレンズ特徴部位であって、前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って存在するレンズ縁部特徴部位、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する光学ゾーン、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する安定化ゾーン特徴部位、及び前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも2つの間で前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在するボリュメーター特徴部位からなる群から選択される、複数のレンズ特徴部位と、を含み、 前記レンズ特徴部位のそれぞれが、パラメータ的に定義され、少なくとも1つのレンズ特徴部位を定義する前記パラメータが、1つ又は複数の隣接するレンズ特徴部位及び所望のレンズの形状を定義する前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択される、方法。前記少なくとも1つのレンズ特徴部位が、ボリュメーター特徴部位である、請求項27に記載の方法。流動性レンズ反応性媒体が光学ゾーンから安定化ゾーン特徴部位まで架橋するときに生成される所望の角度が、前記光学ゾーンと安定化ゾーン特徴部位との間のボリュメーター特徴部位を定義する前記パラメータ、及び任意に前記光学ゾーンの前記パラメータを選択することによって制御される、請求項28に記載の方法。レンズ前駆体型を製造する方法であって、 請求項27〜29のいずれか一項に記載のレンズ前駆体型を設計することと、 レンズ前駆体型をその設計に合わせて製造することと、を含む、方法。眼用レンズ前駆体であって、 請求項1〜26のいずれか一項に記載のレンズ前駆体型であって、 光吸収性成分を含む架橋性媒体と、 ゲル点で、又はゲル点より上で少なくとも部分的に重合される第1の架橋密度の部分を含み、かつ前記特徴部位を含む、第1の表面と、を含む、レンズ前駆体型と、 第2の流体表面であって、前記第2の表面の少なくとも一部が眼用レンズ内に組み込まれることができる、前記ゲル点未満の硬化の第2の架橋密度を含む、第2の流体表面と、を備える、眼用レンズ前駆体。前記第2の流体表面の少なくとも一部を安定化するように、請求項31に記載のレンズ前駆体を加工することを含む、眼用レンズを製造する方法。前記加工することが、化学放射線を用いて、ゲル点で、又はゲル点より上で少なくとも部分的に重合される架橋密度まで、前記第2の流体表面の少なくとも一部を固化することを更に含む、請求項32に記載の方法。眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための命令セットを生成する方法を実行するための装置であって、 プロセッサと、 デジタルデータの記憶装置と、 前記デジタルデータの記憶装置上に記憶され、要求に応じて実行可能である、実行可能ソフトウェアであって、前記プロセッサとともに作動して、前記装置に、 前記眼用レンズの装用者に関連した1つ又は複数の光学収差を記述するデジタルデータを受信させ、 前記眼用レンズの少なくとも1つの所望の機械的パラメータを記述するデジタルデータを受信させ、 前記レンズ前駆体型の基礎構造の少なくとも1つの位相特徴部位を記述する操作者からの入を受信させ、かつ 前記眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための前記命令セットを生成させる、実行可能ソフトウェアと、を備え、 前記眼用レンズ前駆体型製造工具が、デジタルミラーデバイスを備え、前記命令セットが、前記デジタルミラーデバイスの起動を制御するために使用することができる時間ベースの命令データ点を含むDMD表示であり、 前記実行可能ソフトウェアが、前記プロセッサとともに作動して、前記装置に、 前記レンズ前駆体型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の設計厚さマップを含むデジタルデータを受信させ、 前記製造工具によって製造されたレンズ前駆体型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の測定された厚さを含むデジタルデータを受信させ、 前記測定された厚さを前記設計厚さマップと比較して、前記所望の設計との適合性を決定させ、かつ 前記眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための代替の命令セットを生成させる、装置。前記機械的パラメータが、ベースカーブ、直径、及び中心厚さのうちの1つ又は複数を含む、請求項34に記載の装置。前記光学収差が、低次収差、中間収差、及び高次収差のうちの1つ又は複数を含み得る、請求項35に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、前記特徴部位の高さ、長さ、幅、形状、及び位置のうちの1つ又は複数によって数学的に記述することができる前記レンズ前駆体型の一部を含む、請求項36に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ縁部特徴部位を含む、請求項35に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、請求項9〜12のいずれか一項に記載の堀特徴部位を含む、請求項38に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、請求項13〜16のいずれか一項に記載の排出チャネル特徴部位を含む、請求項39に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、請求項17〜26のいずれか一項に記載のボリュメーター特徴部位を備える、請求項40に記載の装置。複数の特徴部位がパラメータ的に定義され、少なくとも1つのレンズ特徴部位を定義する前記パラメータが、1つ又は複数の隣接するレンズ特徴部位及び所望のレンズの形状を定義する前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項41に記載の装置。少なくとも1つの特徴部位が、前記レンズ前駆体型の安定化ゾーン特徴部位又は光学ゾーン部分を備える、請求項41に記載の装置。

说明书全文

本発明は、眼用レンズの製造に有用であることができる1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位を有するレンズ前駆体デバイスを説明する。より具体的には、前記レンズ前駆体は、レンズ前駆体型と、レンズ前駆体型に接触する流動性レンズ反応性媒体とを備える複合物体であり、前記レンズ前駆体は、自由造形法による眼用レンズの製造に有用であることができる。

現在、眼用レンズは多くの場合、対向する鋳型部品の光学表面の間に画定された空洞内に反応性モノマー材料を堆積させる、注型成型によって作られる。かかる鋳型部品を使用してレンズを調製するために、未硬化ヒドロゲルレンズ配合物がプラスチック製の使い捨て前側湾曲部鋳型部品とプラスチック製の使い捨て後側湾曲部鋳型部品との間に置かれる。

前側湾曲部鋳型部品及び後側湾曲部鋳型部品は、典型的に、射出成形技術を介して成形され、射出成形では、溶融プラスチックが、少なくとも1つの光学品質表面を有する、高度に機械加工された鋼製成形具に押し込まれる。

前側湾曲部鋳型部品及び後側湾曲部鋳型部品は、接合され、所望のレンズパラメータに従うレンズを形成する。その後に、レンズ配合物を例えば熱及び光に曝露することによって硬化することで、レンズを形成する。硬化後、鋳型部品は分離され、和及び梱包のために鋳型からレンズが取り外される。しかしながら、注型成型プロセス及び器具の性質は、特定の患者の眼又は特定の用途専用の特注レンズを形成することを困難にする。

したがって、同発明者による先の説明では、自由造形技術の使用を介するカスタマイズされたレンズの形成のための方法及び装置が説明されている。これらの新技術の重要な一態様は、レンズが自由造形法により生成される、つまり、レンズの2つの表面のうちの1つが、注型成型、旋盤、又は他の成形具の使用を必要とせずに、自由造形法により形成されるということである。

自由造形された表面及びベースは、形成の間のある時点で自由造形された表面に含まれる流動性レンズs反応性媒体を含むことができる。この組み合わせにより、時にレンズ前駆体と称されるデバイスがもたらされる。固定化放射線処理及び水和処理は、通常、レンズ前駆体を眼用レンズに変換するのに用いられうる。

この方式で生成され自由造形されたレンズのいくつかは、レンズ前駆体に含まれる流動性レンズ反応性媒体の全て又は一部を制御するための、異なる方法及び/又は構造上の特徴部位を必要とする場合がある。流動性レンズ反応性媒体の全てのうちの一部を制御することによって、レンズ設計の物理的及び/又は光学パラメータが生成されることができる。その新しい方法及び特徴部位が本発明の主題である。

本発明は、眼用レンズの製造のための、レンズ前駆体及び前記レンズ前駆体を形成する方法を対象とする。より具体的には、基礎構造の一部分として、レンズ前駆体の流動性レンズ反応性媒体部の少なくとも複数部に使用される1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位を備えることができるレンズ前駆体。

本発明のいくつかの態様は、1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位を備えることができるレンズ前駆体を製造するための、例えば、DMD表示及びDMDファイルの生成などの、反復のための異なる方法及び装置を含む。概して、適用される患者データ及び製品データは、規格品又は特注品の設計を生成するために収集収し用いることができる。所望の製品設計又はレンズ前駆体設計は、レンズ前駆体特徴部位及び流動性レンズ反応性媒体面のうちの一方又は両方を備えることができる。

所望の製品のレンズ設計は、レンズ前駆体設計、厚さマップ、及び関連ファイルから生成することができる。別々の厚さマップ及び関連ファイルは、独立型ファイルとして、又は他の厚さマップと組み合わせて使用可能である。例えば、DMD表示は、レンズ前駆体厚さマップ及び関連ファイル、レンズ設計厚さマップ及び関連ファイル、DMD部分列(複数可)、又は他の方法から生成され、レンズ前駆体の製造に用いることができる。

製造されたレンズ前駆体を、厚さマップ及び関連ファイルと比較して、所望の製品設計との適合性を決定することができる。製造された製品が所望の必須要件に適合し得ない又はしない場合、より所望の製品設計に近似し得るレンズ前駆体を製造するために、DMD反復的表示を生成及び修正することができる。

以下は、特許請求される又はすることができる本発明の例示的な実施形態の非網羅的リストである。

実施形態1: 光吸収性成分を含む架橋性媒体を含むレンズ前駆体型と、 第1の表面及び第2の表面であって、前記第1の表面がゲル点で又はゲル点以上で少なくとも部分的に重合されている第1の架橋密度部を含む、第1の表面及び第2の表面と、 前記ゲル点未満の第2の硬化物の架橋密度を有する第2の流体表面と、を含み、 前記第1の表面が、レンズ前駆体型の基礎構造として作用することができる、少なくとも部分的に重合される位相特徴を含み、かつ前記第2の表面の少なくとも一部が眼用レンズ内に組み込むことができる、眼用レンズ前駆体。

実施形態2:前記位相特徴が、レンズ縁部特徴部位、バンプ特徴部位、排出チャネル特徴部位、ボリュメーター(volumator)特徴部位、レーキ特徴部位、及び安定化ゾーン特徴部位のうちの1つ又は複数を含む、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態3:含まれる1つ又は複数の前記位相特徴(複数可)のそれぞれの1つ又は複数を更に備える、実施形態2に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態4:それぞれの含まれる特徴部位が、特定の高さ、長さ、形状、及び幅のうちの1つ又は複数を含む、実施形態2に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態5:前記含まれる特徴部位のうちの1つ又は複数の度幅が、レンズ前駆体の360度にわたって連続的であることができる、実施形態4に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態6:前記含まれる特徴部位のうちの1つ又は複数の角度幅が、非連続的であり、前記第1の表面の別個部内に概して存在する、実施形態4に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態7:前記第1の表面が、1つ又は複数の別個部内に堀特徴部位を更に備える、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態8:前記第1の表面及び第2の流体表面のうちの一方又は両方の中にマークを更に含む、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態9:少なくとも一部が回転対称であることができる、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態10:前記レンズ前駆体の形状が概して円形であることができる、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態11:前記レンズ前駆体の形状が概して楕円形であることができる、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態12:前記含まれる特徴部位のうちの1つ又は複数が、前記特徴部位の高さ、幅、長さ、形状、及び位置のうちの1つ又は複数によって数学的に記述することができる、実施形態2に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態13:前記含まれる特徴部位のうちの1つ又は複数が、レンズ前駆体(複数可)の1つ又は複数の設計又はその複数部から経験的に取得することができる、実施形態2に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態14:前記レンズ前駆体が、眼用レンズに更に加工することができる、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態15:前記加工することが、前記第2の流体表面の少なくとも一部分の安定化を含む、実施形態14に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態16:前記加工することが、化学放射線を使用して、ゲル点で、又はゲル点以上で少なくとも部分的に重合された架橋密度まで、前記第2の流体表面の少なくとも一部分を固化することを更に含む、実施形態14に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態17:1つ又は複数のバンプ特徴部位が、二焦点レンズの少なくとも一部分の形成に使用される、実施形態3に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態18:1つ又は複数のバンプ特徴部位が、三焦点レンズの少なくとも一部分の形成に使用される、実施形態3に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態19:1つ又は複数のバンプ特徴部位が、小型レンズアレイの少なくとも一部分の形成に使用される、実施形態3に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態20:前記レンズ前駆体が自由造形法により形成される、実施形態1に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態21:前記自由造形法が、ボクセル毎の自由造形方法を含む、実施形態20に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態22: 光吸収性成分を含む架橋性媒体を含むレンズ前駆体型と、 第1の表面及び第2の表面であって、前記第1の表面が、ゲル点で、又はゲル点以上で少なくとも部分的に重合した第1の架橋密度部を含む、第1の表面及び第2の表面と、 前記ゲル点未満の第2の硬化物の架橋密度を含む第2の流体表面と、を含み、 前記第1の表面が、前記レンズ前駆体を眼用レンズに組み込むために使用される装置の光学倍率を決定するために使用可能である、少なくとも部分的に重合した位相特徴を含む、眼用レンズ前駆体。

実施形態23:前記位相特徴が、レンズ縁部特徴部位、バンプ特徴部位、排出チャネル特徴部位、ボリュメーター特徴部位、レーキ特徴部位、及び安定化ゾーン特徴部位のうちの1つ又は複数を含む、実施形態22に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態24:1つ又は複数のマークを更に含む、実施形態22に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態25:前記1つ又は複数のマークが、前記位相特徴のうちの1つ又は複数の中に埋め込みできる、実施形態22に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態26:前記1つ又は複数のマークが、前記位相特徴のうちの1つ又は複数の上にあることができる、実施形態22に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態27: 光吸収性成分を含む架橋性媒体を含むレンズ前駆体型と、 第1の表面及び第2の表面であって、前記第1の表面が、ゲル点で、又はゲル点以上で少なくとも部分的に重合した第1の架橋密度部を含む、第1の表面及び第2の表面と、 前記ゲル点未満の第2の硬化物の架橋密度を含む第2の流体表面と、を含み、 前記第1の表面が、前記レンズ前駆体を眼用レンズに組み込むために使用される装置の1つ又は複数の部分と前記レンズ前駆体とを整列させるために使用することができる、少なくとも部分的に重合した位相特徴を含む、眼用レンズ前駆体。

実施形態28:前記位相特徴が、レンズ縁部特徴部位、バンプ特徴部位、排出チャネル特徴部位、ボリュメーター特徴部位、レーキ特徴部位、及び安定化ゾーン特徴部位のうちの1つ又は複数を含む、実施形態27に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態29:1つ又は複数のマークを更に含む、実施形態27に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態30:前記1つ又は複数のマークが、前記位相特徴のうちの1つ又は複数の中に埋め込みすることができる、実施形態27に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態31:前記1つ又は複数のマークが、前記位相特徴のうちの1つ又は複数の上にあることができる、実施形態27に記載の眼用レンズ前駆体。

実施形態32: 光吸収性成分を含む架橋性媒体を含むレンズ前駆体型と、 第1の表面及び第2の表面であって、前記第1の表面が、ゲル点で、又はゲル点以上で少なくとも部分的に重合した第1の架橋密度部を含む、第1の表面及び第2の表面と、 前記ゲル点未満の第2の硬化物の架橋密度を含む第2の流体表面と、を含み、 前記第1の表面が、前記レンズ前駆体を眼用レンズの中に組み込んだ後にレンズ識別子として使用することができる、少なくとも部分的に重合した位相特徴を含む、眼用レンズ前駆体。

実施形態33:前記レンズ識別子が偽造防止用マークとして使用される、実施形態32に記載の眼用レンズ前駆体。

本発明の前述及び他の特徴部位及び利点は、添付図面に示されるような、本発明の好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。

平坦空間内のレンズ前駆体型の例示的な断面表示の側面図である。

平坦空間内に多重の種類のうちの単一のレンズ前駆体特徴部位を備えるレンズ前駆体の例示的な断面表示の側面図である。

平坦空間内に単一及び多重の種類のレンズ前駆体特徴部位を備えるレンズ前駆体の例示的な断面表示の側面図である。

平坦空間内に堀特徴部位に加えて、単一及び多重の種類のレンズ前駆体特徴部位を備えるレンズ前駆体の例示的な側面図である。

排出チャネル特徴部位に加えて、単一及び多重の種類のレンズ前駆体特徴部位を備える、例示的な非円形レンズ前駆体を図示する上面図である。

レンズ上に形成されたマークを描写する画像表示の一例を図示する。

本発明のいくつかの実施形態を実施するために使用することができる、例示的な方法の工程を図示する。

本発明のいくつかの実施形態を実施するためも使用することができる、追加的な方法の工程を図示する。

本発明のいくつかの実施形態を実施するためにも使用することができる、更に追加的な方法の工程を図示する。

ソフトウェアプログラム(複数可)によって生成された、湾曲空間内の対象ファイルの断面表示を描写する例示的なスクリーンショットを図示する。

ソフトウェアプログラム(複数可)によって生成された、厚さマップの一部分を表すサンプルデータを図示する。

所望の光学及び機械的特徴部位を生成及び出するために使用され、対象ファイルの生成のために用いることができるソフトウェアプログラム(複数可)によって生成された、例示的なスクリーンショットを図示する。

図6の例示的なスクリーンショットの概略図である。

本発明のいくつかの部品に使用することができる例示的なプロセッサの概要図を図示する。

湾曲空間内のレンズ前駆体の、例示的な上面図及び断面表示を図示する。

誇張した厚さプロファイルを描写する、平坦空間内のレンズ前駆体の、例示的な上面図及び断面表示の側面図を図示する。

平坦空間及び湾曲空間の両方における、連続面の単一部品設計の例示的な表示を、上面図及び側面図で図示する。

平坦空間及び湾曲空間の両方における、非連続面の単一部品設計の例示的な表示を、上面図及び側面図で図示する。

湾曲空間内の、連続面の複数部品設計の例示的な表示を、上面図及び側面図で図示する。

湾曲空間内の、非連続面の複数部品設計の例示的な表示を、上面図及び側面図で図示する。

ソフトウェアプログラム(複数可)によって生成された、DMDファイルの一部を表すサンプルデータを図示する。

y軸の周りに180°回転させ、(x−y)平面内で反時計回りに45°回転させた、本発明のいくつかの実施形態において実施することができるDMDファイルを使用して形成された例示的なレンズを図示する。

円周方向の排出チャネルを含む、DMDファイルを使用して形成された例示的なレンズを図示する。

変更された縁部湾曲命令区分を有する円周方向の排出チャネル命令を含む、DMDファイルを使用して形成された、例示的なレンズを図示する。

レンズ縁部湾曲及び排出チャネルの平坦にされたセグメントを含む、例示的な非回転対称レンズの写真を図示する。

平坦空間内の対象レンズ設計、DMD表示、及び測定されたレンズ前駆体の、2つの断面(45°及び135°)の例示的な表現を図示する。

本発明は、眼用レンズを製造するために使用されるレンズ前駆体を提供し、前記レンズ前駆体デバイスは、最終的な眼用レンズの性質/特性を制御し得る基礎構造を生成するために使用される一連の位相特徴を備えることができる。以下の項において、本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明する。好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、詳しくはあるが、例示的な実施形態に過ぎず、変形、修正、及び代替が明らかであることができることが当業者には理解される。したがって、前記例示的な実施形態は、基礎となる発明の態様の幅を限定しないことが理解される。本明細書に記載される方法の工程は、本説明においては論理的順序で列挙されるが、この順序は、特記しない限り、これらが実施することができる順序をいかなる場合も限定するものではない。

用語集 本発明に係る明細書において、以下の定義が適用される種々の用語が使用することができる。 「許容基準」は、本明細書で使用されるとき、意図される目的のために製品が許容可能かどうかを決定するために、製造された眼用レンズ、レンズ前駆体型又はレンズ前駆体の測定されたパラメータ及び値に相関させることができる、システム内の特定のパラメータ範囲及び閾値を指す。

「バンプ(複数可)特徴部位」は、本明細書で使用されるとき、ゲル点で、又はゲル点以上で硬化され、それによって位相特徴を生成する、硬化された反応性媒体のレンズ前駆体の突起部を指す。バンプは、例えば、1つ又は複数のボクセル位置(複数可)における化学放射線曝露を、これらの位置におけるDMD命令(複数可)で与えられた曝露信号を減少させることにより、低減することによって形成することができる。類似する方式では、バンプは、1つ又は複数のボクセル位置(複数可)における化学放射線曝露を、これらの位置におけるDMD命令(複数可)で与えられた曝露信号を増加させることにより、増加することによっても形成することができる。バンプは、光学ゾーンの全て又は複数部の内に位置付けられ、そのうちの別個部の硬化後に、1つ又は複数の小型レンズアレイの形成を補助することができる。あるいは、又はさらに、バンプは、二焦点レンズの形成のために、光学ゾーンの所定の領域内に形成することができる。

「カタログ項目」は、本明細書で使用されるとき、例えば、ライブラリ又はデータベースに一時的又は永久的に記憶することができ、使用のために再生することができる、ファイル、特徴部位、構成要素、設計、データ、又は記述子を指す。

「湾曲空間」は、本明細書で使用されるとき、設計の湾曲が除去されていない、座標マッピング空間(例えば、デカルト座標、極座標、球面座標など)を指す。そのようなものの例示的な具体例として、眼用レンズは後側湾曲鋳型部品上に形成されてもよい。このレンズは、検査の際、鋳型部品の3次元形状に基本的に関連付けられた3次元形状を有することができる。湾曲空間内の本レンズ例の断面が描写される際、これらの断面の底部は、鋳型部品の湾曲に類似するように湾曲する。レンズ前側の表面形状をよりよく解明するため、断面の描写のいくつかの処置において、後側湾曲部表面の上の材料の厚さは拡大される場合がある。これらの場合、断面は依然として湾曲空間内に提示されるものとして説明することができる。

「特注品」は、本明細書で使用されるとき、慣例品又は規格品及び/又は設定項目以外で利用可能であることができる、1つ又は2つ以上のパラメータを含む製品を指す。特注品パラメータは、規格品より正確に対象を絞った球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸(例えば、−3.125D/−0.47D×18°)を可能にすることができる。また、カスタマイズされた設定項目は、特定の製品提供及び製品の用途に基づくベースカーブ、直径、安定化プロファイル、及び厚さプロファイルに関連付けることができる。

「デジタルコアブレーク」は、本明細書で使用されるとき、レンズ前駆体特徴部位又は制御パラメータの限定された部分集合が同一に保たれる、一連の製品を指す。例えば、異なる倍率及び球面の範囲で提供されるレンズ「デジタルコアブレーク」群において、レンズ縁部、安定化ゾーン特徴部位、及びボリュメーター特徴部位は、全ての低倍率補正範囲に対して同一であることができる。

「DMD制御ソフトウェア」は、本明細書で使用されるとき、所望の通りにDMDファイル及びDMD表示を体系化して用いるソフトウェアを指す。例えば、前記ソフトウェアは、レンズ前駆体特徴部位を備えるレンズ前駆体の製造又は後処理を可能にするために使用可能である。

「DMDファイル」は、本明細書で使用されるとき、DMD上のミラーを起動するために使用することができ、それによってレンズ若しくはレンズ前駆体、又はレンズ前駆体型若しくはレンズ前駆体特徴部位(複数可)の製造を少なくとも部分的に可能にする命令データ点の一群を指す。DMDファイルは、種々のフォーマットを有することができ、(x、y、th)及び(r、θ、th)が最も一般的であり、例えば、「x」及び「y」は、DMDミラーのデカルト座標位置であり、「r」及び「θ」は、DMDミラーの極座標位置であり、「th」は、DMDミラー状態を制御する厚さ命令を表す。DMDファイルは、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッド上のデータを含むことができる。

「DMD反復的表示」は、本明細書で使用されるとき、DMD上のミラーの起動を制御するために使用することができ、レンズ、レンズ前駆体、レンズ前駆体型、又はレンズ前駆体特徴部位(複数可)の製造を可能にする、時間ベースの命令データ点の一群を指す。DMD反復表示は、先行するDMD表示及び/又はDMD部分列によって製造されるレンズ、レンズ前駆体、又はレンズ前駆体特徴部位(複数可)よりも設計対象に近いことができる、レンズ、レンズ前駆体、又はレンズ前駆体特徴部位(複数可)の製造のために使用可能である。DMD反復表示は、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッド上のデータを含むことができる。

「DMD表示」は、本明細書で使用されるとき、レンズ若しくはレンズ前駆体、又はレンズ前駆体型若しくはレンズ前駆体特徴部位(複数可)を製造するために、DMDデバイスから形成する光学素子上に発する、時間ベースで配列された一連の投影パターンを指す。DMD表示は、多数のDMD部分列に細分化されてもよい。DMD表示は、種々のフォーマットを有してもよく、(x、y、t)及び(r、θ、t)が最も一般的であり、例えば、「x」及び「y」は、DMDミラーのデカルト座標位置であり、「r」及び「θ」は、DMDミラーの極座標位置であり、「t」は、DMDミラー状態を制御する時間命令を表す。DMD表示は、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッド上のデータを含むことができる。

「DMD部分列」は、本明細書で使用されるとき、そこにおいてDMD表示の投影特性のうちの1つ又は複数が修正されることができる、DMD表示の1つ又は複数の部分を指す。配列への修正は、分布的パターン、放射強度レベル、投影するスペクトル領域、ミラービット分割配置、投影パターンの方向、及び投影パターンの時間の順序のうちの1つ又は複数を含むことができる。

「DMD」、即ちデジタルマイクロミラーデバイスとは、本明細書で使用されるとき、CMOS SRAMの全体に機能的に実装された移動可能なマイクロミラーのアレイからなる双安定型空間光変調器である。それぞれのミラーは、反射光を誘導するために、ミラーの下のメモリセルにデータを読み込むことによって独立して制御され、ビデオデータのピクセルをディスプレイ上のピクセルに空間的にマッピングする。データは、ミラーの状態が+X度(オン)又は−X度(オフ)のいずれかである2進数方式で、ミラーの傾斜角を静電気的に制御する。現在のデバイスは、Xを、10度又は12度(公称)のいずれかにすることができる。搭載されたミラーによって反射される光は、次いで投影レンズを通過してスクリーン上へ進む。光は、反射されて暗視野を生成し、画像の黒レベルフロアを画定する。画像は、観測者によって統合されるのに十分な速い速度でのオンレベルとオフレベルとの間のグレースケール変調によって生成される。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)は、DLP投影システムである場合がある。

「排出チャネル」は、本明細書で使用されるとき、バンプ特徴部位の定義において説明したものに類似する方式で、制御命令(複数可)によって、複数のボクセル位置を、低減又は増加された化学放射線のいずれか一方又は両方に曝露することによって生成することができる、レンズ前駆体の位相特徴を指す。位相特徴は、流動性レンズ反応性媒体が、重合レンズ前駆体、レンズ前駆体型、又は別の他のレンズ前駆体特徴部位(複数可)の全て又は少なくとも一部分を横断して流れること、そこから離れるように流れること、及びその上に定着することのうちの1つ又は複数を実施することを可能にすることができる形状であってよい。地形特徴は、例えば、レンズ前駆体のゲル化部の複数部内に、連続的又は別個のセグメント化された細長い陥没部を含むことができる。排出チャネルは、並列に配置され、レンズ前駆体型を横断する流動性レンズ反応性媒体の流れを可能にするように構成することができる。

「製造プロセス条件」は、本明細書で使用されるとき、レンズ前駆体、レンズ前駆体型、及びレンズのうちの1つ又は複数の製造において使用される設定項目、条件、方法、器具、及びプロセスを指す。

「平坦空間」は、本明細書で使用されるとき、設計の湾曲が除去された/平坦にされたと見なされる、座標マッピング空間(例えば、デカルト座標、極座標、球面座標など)を指す。かかる描写の具体例として、例示的な眼用レンズは、後側湾曲鋳型部品上に形成されてもよい。本レンズ例は、検査の際、鋳型部品の3次元形状に基本的に関連付けられる3次元形状を有することができる。平坦空間内の本レンズ例の断面が描写される際、これらの断面の底部は、「除去され/平坦にされ」ることができ、平坦な線で表される湾曲した後側湾曲形状をもたらす。レンズ前側の表面形状をよりよく解明するため、断面の描写のいくつかの処理において、今は「除去され/平坦にされた」後側湾曲部表面上の材料の厚さは拡大される場合がある。これらの場合、断面は依然として平坦空間内に提示されるものとして説明することができる。

本明細書で使用され、時に「流動性レンズ反応性混合物」又は「レンズ形成混合物」と称される「流動性レンズ反応性媒体」は、本来の形態、反応した形態、又は部分的に反応した形態で流動性を有し、更なる加工後に眼用レンズの一部分に形成することができる、反応性混合物、プレポリマー混合物、又はモノマー混合物を指す。更に、モノマー混合物又はプレポリマー材料は、硬化及び架橋、又は架橋することができる。レンズ形成混合物は、UV遮断剤、染料、光開始剤又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズなどの眼用レンズにおいて所望することができる他の添加剤などの、1つ又は複数の添加剤を含んでもよい。

「自由造形」及び「自由造形された」は、本明細書で使用されるとき、流動性媒体層の有無にかかわらず、ボクセル毎を基準にして化学放射線を曝露することを介する反応性混合物の架橋によって形成され、かつ鋳造型、旋盤、又はレーザー切断により成形されていない表面を指す。自由造形の方法及び装置の詳細な説明は、2008年8月20日出願の米国特許出願第12/194,981号、2008年8月20日出願の米国特許出願第12/195,132号、並びに欧州特許公開第EP−A−2,178,695号、欧州特許公開第EP−A−2,228,202号、欧州特許公開第EP−A−2,228,201号、欧州特許公開第EP−A−2,178,694号、及び欧州特許公開第EP−A−2,391,500号において開示されている。

「高次光学収差(複数可)」は、本明細書で使用されるとき、光学偏差が原因で光学システムによって形成される画像内の歪曲(複数可)を指す。より具体的には、眼内には、視力補正の分野において球面収差(複数可)、トレフォイル(trefoil)、コマ、及びペンタフォイル(pentafoil)として知られる1つ又は複数の症状を含むことができる。

「反復的製造プロセス」は、本明細書で使用されるとき、前作よりも所望の厚さマップ/対象設計により近くできるレンズ、レンズ前駆体型、又はレンズ前駆体を製造するために、DMD反復的表示(複数可)及び製造プロセス条件への修正の一方又は両方を使用して反復的ループを実行するプロセスを指す。

「反復的ループ」は、本明細書で使用されるとき、毎回ループを通して、レンズ、レンズ前駆体、レンズ前駆体型、又はレンズ前駆体特徴部位(複数可)が前作よりも所望の対象に適合し得るように、レンズ若しくはレンズ前駆体、レンズ前駆体型、又はレンズ前駆体特徴部位(複数可)の製造を可能にすることができる、1つの、又は一連のプロセス工程、構成要素、及び/又は条件を指す。

「レーキ特徴部位」は、本明細書で使用されるとき、いくつかのレンズ前駆体設計に含まれるレンズ前駆体の位相特徴を指す。レーキ特徴部位は、バンプ特徴部位の定義において説明したものに類似する方式で、DMD命令(複数可)の制御によって、複数のボクセル位置を、低減又は増加された化学放射線のいずれか一方又は両方に曝露することによって生成することができる。時に「レーキ位相特徴」と称されるレーキ特徴部位は、隣接する領域との関連で流動性レンズ反応性媒体のより大きな体積を収容するように、レンズ前駆体の架橋ゲル化部の一部に陥没部を含むことができる。

「レンズ設計」は、本明細書で使用されるとき、製造された場合、屈折力補正、許容可能なレンズの適合性(例えば、角膜の被覆率及び移動)、及び許容可能なレンズの回転安全性を含む機能的特性を提供することができる、所望のレンズの形状、機能、又はその両方を指す。レンズ設計は、例えば、水和又は未水和状態、平坦又は湾曲空間、2次元又は3次元空間のいずれかで、幾何学図面、度数プロファイル、形状、特徴部位、及び厚さを含むがこれらに限定されない方法によって表すことができる。レンズ設計は、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッドに関連するデータを含むことができる。

「レンズ縁部」は、本明細書で使用されるとき、流動性レンズ反応性媒体を含んで良いレンズ前駆体、レンズ前駆体型、又はレンズの外周の少なくとも一部分の周りに画定された縁部を提供することができる位相特徴を指す。レンズ縁部位相特徴は、レンズ前駆体又はレンズの周りで連続的であることができるか、別個の非連続なゾーン内に存在していることができるかのいずれかである。かかるレンズ縁部は、レンズ前駆体型の外周内に存在する流動性レンズ反応性媒体を収容するように構成されるフェンス構造体を含むことができる。

「特徴部位」又は「位相特徴」とも称される「レンズ前駆体特徴部位」は、本明細書で使用されるとき、レンズ前駆体の基盤として作用することができる、レンズ前駆体型の基礎構造の非流動性部分を指す。レンズ前駆体特徴部位は、高さ、角度幅、長さ、形状、及び位置を含む制御パラメータによって、経験的に定義することができるか、又は数学的に記述することができる。特徴部位は、制御されたベクトルの化学放射線を使用するDMD表示命令を介して生成することができ、更なる加工後に眼用レンズに組み込むことができる。レンズ前駆体特徴部位の例としては、レンズ縁部、安定化ゾーン特徴部位、ボリュメーター特徴部位、光学ゾーン、堀特徴部位、排出チャネル特徴部位、レーキ特徴部位、及びバンプ特徴部位のうちの1つ又は複数を含むことができる。

本明細書において用いられている「レンズ前駆体型」は、更なる処理を受けて眼用レンズの中に組み込まれるものと一致することができる、少なくとも1つの光学品質表面を有する、非流動性物体を指す。

「レンズ前駆体」とは、本明細書で使用されるとき、回転対称又は非回転対称であってよい、レンズ前駆体型と、レンズ前駆体型に接触する流動性レンズ反応性媒体とからなる複合物体を意味する。例えば、流動性レンズ反応性媒体は、反応性混合物の体積内でレンズ前駆体型を生成する過程で形成されてもよい。レンズ前駆体型及び流動性レンズ反応性媒体を、レンズ前駆体型を生成するために使用される反応性混合物の体積から分離することによって、レンズ前駆体を生成することができる。更に、レンズ前駆体は、特定量の流動性レンズ反応性媒体を除去するか、又は特定量の流動性レンズ反応性媒体を非流動性の組み込み材料に変換するかのいずれかによって、異なる実体に変換することができる。

「レンズ」は、本明細書で使用されるとき、眼内又は眼上にある任意の眼用装置を指す。これらのデバイスは、光学補正を提供してもよいし、又は美容用であってもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用インサート、光学インサート又は視力が補正若しくは変更される他の同様の装具か、又は視力を妨げることなく目の生理機能が美容的に拡張される(例えば、虹彩色)装具を指すことができる。本発明に係るレンズは、シリコーンヒドロゲルを含むがこれに限定されないシリコーンエラストマー又はヒドロゲル、及びフルオロヒドロゲルから作られる、ソフトコンタクトレンズであることができる。

「低次光学収差(複数可)」は、本明細書で使用されるとき、光学偏差のために光学システムによって形成される画像内の歪曲(複数可)を指す。より具体的には、眼内において、球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸のうちの1つ又は複数を調整することによって、視力補正の分野において既知の1つ又は複数の症状を矯正することを含むことができる。

本明細書で使用され、時に「MES」と称される「最小エネルギー面」とは、レンズ前駆体特徴部位の上に形成される、流動性レンズ反応性媒体によって生成された表面を意味し、これは最小エネルギー状態にあることができる。最小エネルギー面は、レンズ前駆体特徴部位の滑らかかつ連続的な面、又は滑らかな別個のセグメントであることができる。

「堀」は、本明細書で使用されるとき、1つ又は複数の領域内のDMD表示において固定値を使用して形成することができ、周囲の特徴部位より高さが低い、レンズ前駆体の位相特徴を指す。この特徴部位がDMD表示における固定値を使用して画定することができることを除き、堀又は「堀特徴部位」を形成するための一般的な手順は、バンプ特徴部位の画定において説明されたものに類似する方式で実行可能である。更に、堀は、例えばボリュメーターなどの別の特徴部位の中に延在されるか、その一部分となることができる。「堀」は、レンズ前駆体型の実質的に非連続的な高さの減少、及び/又は実質的にゼロ又はゼロの厚さのレンズ前駆体型のある領域によって画定することができる。

「複数部品設計」は、本明細書で使用されるとき、所望のプロファイルを再構成するための必須情報が2つ以上のファイル内に含まれる設計を指す。更に、この2つ以上のファイルは、1つ又は複数の別個の非接触かつ非連続な面を含むことができる。複数部品設計は、平坦空間内で例示的なレンズの断面の描写が「紙に向かう」面であることができる、(x−y)面内の特徴分離を含むことができ、類似する平坦空間内で例示的なレンズの断面の描写が紙自体の面によって表すことができる、(x−z)面内の分離も含んでもよい。

本明細書において用いられている「光学ゾーン」は、レンズが形成された後にレンズの装用者に見えるレンズの領域又はレンズ前駆体を指す。

「光学収差」は、本明細書で使用されるとき、低次光学収差又は高次光学収差のうちの一方又は両方を含むことができる、光学システムによって形成される画像内の歪曲を指す。

本明細書において用いられている「製品」は、所望のレンズ又はレンズ前駆体を指す。製品は、「規格品」又は「特注品」のいずれかであってよい。

「単一部品設計」は、本明細書で使用されるとき、所望のプロファイルの必須情報が1つのファイル内に表すことができる設計を指す。単一部品設計は、連続面又は非連続面のいずれかを有することができるレンズ前駆体型をもたらすことができる。

「安定化ゾーン」は、本明細書で使用されるとき、非回転対称のコンタクトレンズを眼上に正確に方位付けられるよう保持することを補助し、縁部特徴部位の内側並びに屈折力領域及び光学ゾーンのうちの一方又は両方の外側に見られる、地形特徴を指す。

「規格品」は、本明細書で使用されるとき、別個の工程において異なる特定の設定項目が現在提供されているものなど、製品パラメータ有効性が限定された製品を指す。例えば、規格品は、球体倍率パラメータが0.25Dステップでのみ利用可能であることができ(例えば、−3.00D、3.25D、−3.50Dなど)、円筒倍率パラメータが0.50Dステップでのみ利用可能であることができ(例えば、−0.75D、−1.25D、−1.75Dなど)、かつ円筒軸パラメータが10°ステップでのみ利用可能であることができる(例えば、10°、20°、30°など)製品群を定義することができる。別個の工程で提供される他の規格品パラメータ及び特徴部位としては、ベースカーブ半径、直径、安定化プロファイル、及び厚さプロファイルが挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書で使用するときの「基板」とは、他の実体がその上に配置又は形成されてもよい、物理的実体を指す。

「基礎構造」は、本明細書で使用されるとき、レンズ前駆体内の流動性レンズ反応性媒体の少なくとも一部分を支持し、時にそれに影響を与えることができる、位相特徴又はパラメータを指す。基礎構造は、特定のレンズ設計に含まれる基板と、1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位との、一方又は両方を含むことができる。流動性レンズ反応性媒体の制御は、例えば、1つ又は複数の区分内のレンズ前駆体内のレンズ反応性媒体の量を制限することと、自由造形された眼用レンズのもたらされる光学性質に影響を与えること、とを含むことができる。

本明細書で使用され、時に「対象レンズ設計」と称される「対象ファイル」は、レンズ設計、厚さマップ、レンズ前駆体設計、レンズ前駆体特徴部位設計、又は上記の組み合わせを表すデータを指す。対象ファイルは、水和又は未水和状態、平坦又は湾曲空間、2次元又は3次元空間のいずれかで、幾何学図面、度数プロファイル、形状、特徴部位、厚さなどを含むがこれらに限定されない方法によって表すことができる。対象ファイルは、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッドに関連するデータを収容することができる。

「厚さマップ」は、本明細書で使用されるとき、所望の製品、又はレンズ前駆体の、2次元又は3次元の厚さプロファイルの表示を指す。厚さマップは、平坦空間の座標空間及び湾曲空間の座標空間のうちの一方又は両方であってよく、規則的又は不規則的に間隔を置くグリッドに関連するデータを収容することができる。

「ボリュメーター」は、本明細書で使用されるとき、レンズ前駆体の外縁又はレンズ前駆体の別の特徴部位若しくは領域との関連で、流体の反応性混合物の流れを制御する特徴部位を指す。ボリュメーターは、以下の、最小エネルギー面の所望の高さ、深さ、角度幅、長さ、形状、及び角度などのうちの1つ又は複数を可能にし、所望のレンズ前駆体の形状を生成することができる。ボリュメーターを定義するパラメータは、多くの場合、隣接するレンズ特徴部位及び所望のレンズの形状を定義するパラメータに少なくとも部分的に基づいて選択される。

本明細書で使用され、「化学放射線ボクセル」とも称される「ボクセル」とは、3次元空間中の規則的又は不規則的なグリッド上の値を表す、体積要素である。ボクセルは、3次元ピクセルと見なしてよいが、しかしながら、ピクセルが2D画像データを示す一方、ボクセルは、第3の次元を含む。更に、ボクセルは、医療及び科学的データの視覚化並びに分析にしばしば使用される一方、本発明では、ボクセルは、反応性混合物の特定の体積に到達する、化学放射線量の境界を画定し、それによって反応性混合物のその比容積からなる架橋又は重合の速度を制御するために使用される。例として、ボクセルは、本発明では、化学放射線が、それぞれのボクセルの共通軸次元内にあり、2D表面に対して垂直に向けることができる、2D鋳型表面に対してコンフォーマルである単一層内に存在すると見なされる。一例として、反応性混合物の比容積は、768×768ボクセルに従って、架橋又は重合されてもよい。

本発明は、レンズ前駆体型/レンズ前駆体の基礎構造の一部分として位相特徴を備えるレンズ前駆体を形成するための方法及び装置を含む。基礎構造は、レンズ前駆体の非重合性又は部分重合された流動性反応性媒体部の少なくとも一部分を制御する機能を果たすことができる。前記レンズ前駆体は眼用レンズに更に加工することができるものである。

レンズ前駆体特徴部位 多くの種類の眼用コンタクトレンズは、その外観から予期されるもの及び現在用いられているものよりもはるかに複雑な眼用レンズであることができる。いくつかの種類の眼用レンズにおいて、基礎となる特徴部位は、最高の性能、快適さ、及び異なる機能性を可能にするために必須なものである。本明細書における本発明に係る技術の説明において、自由造形法による眼用レンズの製造技術に関連性のある多数のかかる特徴部位を説明する。新規の態様及びこれらの特徴部位の性質のうちのいくつかを説明した後、次に、本発明の例示的な実施形態において、いかに特徴部位が形成され、作用し、相互作用し合うことができるか、及び、所望の製品又は対象レンズ設計の所望の態様を可能にすることができる例示的な自由造形プロセスの使用を描写する説明を行う。次にこれにより、本明細書における本発明に係る技術に一致する、いくつかの例示的な方法論を説明する根拠を提供する。

図1A及び1Bに進むと、特徴部位の一群が画定することができる複雑さの度合いを、断面の描写が明示することが明らかとなるだろう。この2つの図は、自由造形技術の基本的な態様、即ち、レンズ前駆体を描写する。レンズ前駆体は、その用語の定義が完全な定義を提供するように、ゲル点未満の流動性レンズ反応性媒体の非重合性の領域又は部分重合化した領域と組み合わせられた、ゲル点を超える重合化した領域(複数可)の組み合わせである。非重合性の又はゲル点未満で部分重合した流動性レンズ反応性媒体は、高い光学性能を有する眼用レンズ製品を生成するための骨組みを提供することができる。

流動性レンズ反応性媒体の少なくとも一部は、ゲル化した基礎構造を横断して流れ、特定の状態、例えば、最小エネルギー面状態まで流れることができる。これは、望ましい光学活性領域の生成を可能にでき、はるかに滑らかな表面を生成することができるが、総合的なレンズ製品の生成の複雑さをも追加させることができる。例えば、新規の自由造形設計及び生成技術の使用は、基礎構造との組み合わせの中で流動性レンズ反応性媒体の態様を使用するレンズ製品を可能にすることができる。

図1A及び図1Bを再度参照すると、図1Aは、時にレンズ前駆体型と称される、平坦空間内の単独の例示的なレンズ前駆体のゲル化した基礎構造の断面を描写する。図1Bは、ゲル化した基礎構造上の流動性レンズ反応性媒体層と併せた、また平坦空間内の、同じ基礎構造を描写する。

図1Aにおいて、特徴部位自体の厚さが明確に想定することができるように、眼用レンズデバイスの自然な3次元の湾曲が除去された平坦空間内に、例示的なレンズ前駆体型100Aの側面断面図が描写される。例示的な断面は、異なるレンズ前駆体特徴部位の一群を含む。レンズ前駆体型100Aは、1つの連続的レンズ縁部110Aを含むことができる。この特徴部位は、レンズ縁部が、断面の図1Aに項目115Aとして示される近隣の特徴部位に隣接又は接続するという事実を画定するように、連続的として説明することができる。いくつかの実施例における通り、図1Eの項目110Eに描写される周縁の全周囲に存在し得るということは、このレンズ前駆体縁部特徴部位の性質を理解するのにも役立つだろう。

図1Aに明示される特徴部位に続いて、115Aにおいて、連続的な安定化ゾーン特徴部位が描写される。この安定化ゾーン特徴部位は、図1Eの平面図で見ると、例示的なレンズのいずれかの面の上の項目115Eとして表される。前述の通り、これらの種類のレンズ前駆体特徴部位は、異なる機能を提供するに当たって重要であることができる。特に、安定化ゾーン特徴部位は、例えば、眼用レンズが使用者の眼の上にあるとき、眼用レンズを正確な位置及び/又は方位に位置付ける機能を提供するに当たって重要であることができる。いくつかの安定化ゾーン特徴部位において、前記特徴部位は、図1Aの左側、項目115Aに示す通り、その機能を実行するためにより大きな厚さを有する形状を取ることができる。更に、図1Bの流動性レンズ反応性媒体135Bを含む例示的な表示の観察から、特徴部位115Bの領域内の流動性レンズ反応性媒体は、安定化ゾーン特徴部位115Bの局部的により厚い性質の位相的な態様による、特定の効果を有し得るということが明らかであろう。

図1Aの例示的な断面に移って続けると、120Aに例示的な連続的ボリュメーター特徴部位が描写される。後続の項に詳細に説明する通り、この特徴部位の形状は、種々の意味合いを含むことができる。この断面の位置において、断面の左側のこの特徴部位120Aは、より低い棚と、断面の左側の安定化ゾーン特徴部位115Aの高い厚さ領域に隣接する第2のより高い棚との、2つの部分から構成することができる。あるいは、安定化ゾーン特徴部位115Bがさほど厚くなくてもよい断面の右側において、ボリュメーター特徴部位120Bは、安定化ゾーンとおよそ同じ厚さの単純な棚であってもよい。いくつかの流動性レンズ反応性材料の性質上、異なる高さの特徴部位に隣接するボリュメーターの断面におけるこの例示的な相違点は、最終製品にもたらされる所望の性質を可能にすることができる。例えば、ボリュメーターは、流動性媒体が隣の比較的厚い位相特徴に流れるように、より多くの「体積」ポテンシャルを有することを必要とする場合がある。

125Aに、光学ゾーンを描写する。光学ゾーン又はその一部は、光が眼体を通過するところである眼の部分の前面において、眼用レンズ使用者の眼の上に存在することができる。更に、光学ゾーン内の光学ゾーン基礎構造125B及び流動性媒体135Bの組み合わせは、全光ゾーンの所望の光学性質をもたらし得る、組み合わされた厚さプロファイルを生成することができる。

更に別の特徴特性はレンズ縁部であることができる。レンズ縁部は、レンズ前駆体の外縁上に存在することができ、レンズ前駆体の全周囲にわたって同じ若しくは異なる高さ又は角度幅であることができる。レンズ縁部は、レンズ前駆体の周りで連続的であることができるか、別個の非連続的なゾーン内に存在することができる。レンズ縁部は、レンズ製造の間の種々の段階の間、流動性レンズ反応性媒体を収容することができ、それが流れることを防止するか、レンズ前駆体の縁部を超えるその流れを制御することができる、明確に画定された縁部を提供するフェンス構造体のように作用することができる。

図1Aにおいて、レンズ前駆体上のレンズ縁部110Aの高さは、所望の基礎構造の少なくとも複数部を提供するように0.001mm〜1.000mmの範囲にあることができ、前記基礎構造は、レンズ前駆体の縁部近くの流動性反応性媒体に影響を与えることができる場合がある。局所的形状又は高さプロファイルの画定は、より高い領域をもたらすために特定の位置におけるモノマー混合物の化学放射線曝露の強度、波長、又は時間を増加させることと、逆により低い領域をもたらすための反対の相対調整と、を含む、様々な方法によって実現可能である。これらのより高い領域は、例えば、画定する縁部のいくつかの別個部分においてより高いレンズ縁部を有し、流動性レンズ反応性媒体を制御し、その結果、それらの複数部においてより厚いレンズ縁部を含むレンズを提供する機能を果すことができる。

レンズ縁部の長さはまた、異なる設計で異なってよく、0.001mm〜2.00mmの範囲にある長さを含むことができる。レンズ縁部は、外周の周りで連続的であることができるか、又は対象設計によりセグメント化された区分内に存在することができる。したがって、縁部特徴部位の長さは、流動性レンズ反応性混合物の最小エネルギー面を形成することができる。

115Aにて、連続的な安定化ゾーンの位相特徴を描写する。安定化ゾーンの位相特徴は、従ってレンズ前駆体内に存在してよく、約0.050mm〜1.000mmの高さ又は厚さの範囲、及び約0.001mm〜4.500mmの長さの範囲有することができる。これらの安定化ゾーンは、設計態様の高い多様性を持っていてもよく、連続的であるか、セグメント化されているか、又は非連続的であってよい。例えば、安定化機能性のための2つの比例的に大きな突出領域を含む、1つの安定化リングが存在することができる。

120Aに、ボリュメーター位相特徴を描写する。記述した通り、ボリュメーター特徴部位は、レンズ前駆体の1つ又は複数の領域の間の流体反応性混合物の制御された流れを支援することができる。したがって、この特徴部位が、ゲル化した材料の局所的により中身の無い体積で画定することができるとき、流動性媒体の流れは、「制御されている」特性と見なすことができる。制御された流れがあるとき、流動性レンズ反応性混合物のより大きな体積がその中に存在することができ、それによって流動性レンズ反応性混合物のより大きな体積が、レンズ前駆体のこれらの領域内で、その後に硬化されることを可能にすることができる。

ボリュメーターは、外周の周りで連続的であることができるか、非連続的であってよい。ボリュメーターの高さ又は厚さは、0.001mm〜1.000mmの範囲を有する複数部、及び0.001mm〜4.500mmの長さの範囲を含むことができる。

図1Bをかさねて参照すると、多重の種類及び高さである単一のレンズ前駆体特徴部位105Bを含むレンズ前駆体100Bの断面表示が図示されている。レンズ前駆体は、単一の連続的レンズ縁部110Bと、単一の安定化ゾーン特徴部位115Bと、単一の連続的ボリュメーター特徴部位120Bと、単一の連続的光学ゾーン125Bと、最小エネルギー面130Bと、流動性レンズ反応性媒体135Bと、を含むことができる。描写される通り、流動性レンズ反応性媒体がより低い状態、及び時に最小表面エネルギー状態130Bで存在するための最小エネルギー面を生成するように、個別に、又は互いに作用することができる特徴部位を有するレンズ前駆体を形成するために、ゲル点で、又はゲル点以上で重合される反応性媒体によって、最小エネルギー面130Bを生成することができる。描写される通り、最小エネルギー面は滑らかかつ連続する面であることができる。しかしながら、最小エネルギー面が滑らかな別個のセグメント内にあるように本発明を実施することが可能である。

したがって、本発明は、流動性レンズ反応性媒体がレンズ前駆体型の基礎構造の上に存在し流れることができる方法の結果として、その形状を導き出すことができる、最小エネルギー面の概念を活用する。したがって、レンズ前駆体型の特定の部分の上に存在する、又はそこに接着する流動性レンズ反応性媒体の流れ及び量は、そのレンズ前駆体型の形状及び位相幾何学に影響することができる。例えば、レンズ前駆体型内のレンズ前駆体特徴部位は、それ自体では滑らかかつ連続的なプロファイルを生成し得ないが、もたらされるレンズ前駆体は、レンズ前駆体型及び流動性レンズ反応性媒体の組み合わせ、すなわち項目105Bとして見た際には、実際上は滑らかかつ連続的であることができる。この概念を、本明細書における後続の項で更に説明する。

ここで図1Cを参照すると、異なる種類のレンズ前駆体特徴部位105Cを含む、別の例示的なレンズ前駆体100Cの断面表示が図示されている。しかしながら、このレンズ前駆体設計における特徴的な相違点は、描写される特徴部位のうちのいくつかはこの設計において一度発生し得るのに対して、他の特徴部位は多数回発生し得るということである。

例示的なレンズ前駆体100Cにおいて、レンズ前駆体は、単一のレンズ縁部110Cと、多重の安定化ゾーン特徴部位115Cと、多重のボリュメーター特徴部位120Cと、単一の光学ゾーン125Cと、最小エネルギー面130Cと、流動性レンズ反応性媒体135Cを、を含む。安定化ゾーン特徴部位の多重の変形のようないくつかの場合において、単一の断面の描写は、例えば、最左に描写される安定化ゾーン特徴部位の左に見えるボリュメーター、及びその安定化ゾーン特徴部位の右に見えるボリュメーターなどの、レンズ前駆体特徴部位の少なくとも2つの異なる変形を明示することができる。

特徴部位の多重の変形は、デバイスの計画図を観察することによってより明らかになるだろう。より一般的な意味では、特定のレンズ前駆体特徴部位の多重の発生の元になることができる、レンズ前駆体設計の実施形態の高い多様性が存在することができる。(特定の製品の対象レンズ設計次第で上述の特徴部位のうちの任意の1つ以上を、設計が含み得るため、特定の特徴部位の多重性は、安定化ゾーン及びボリュメーターに限定されない。)。

ここで図1Dを参照すると、設計毎の単一及び多重の事例において、堀特徴部位140Dに加えて発生する異なる種類のレンズ前駆体特徴部位105Dを含む、レンズ前駆体100Dの断面図が図示されている。この例示的なレンズ前駆体100Dにおいて、単一のレンズ縁部110Dと、多重の安定化ゾーン特徴部位115Dと、多重のボリュメーター特徴部位120Dと、単一の堀特徴部位140Dと、多重の光学ゾーン125Dと、最小エネルギー面130Dと、流動性レンズ反応性媒体135Dと、が含まれる。対象レンズ設計を可能にするように、個別のレンズ前駆体特徴部位がともに組み合わせられ体系化されると、非常に複雑な眼用レンズを設計することができることが、当業者には明らかである。

図1Dに描写する通り、堀特徴部位140Dは、設計に含まれ得る別の種類のレンズ前駆体特徴部位又は位相特徴を表す。堀特徴部位は周囲の特徴部位より著しく高さが低くてもよく、典型的にはある程度ボリュメーターに類似の方式で形成することができる。堀は、例えばボリュメーターなどの別の特徴部位の中に延在するか、その一部分となることができる。更に、堀は、レンズ前駆体内のゲル点未満の(及びそれ故にゲル点に達したレンズ前駆体の部分内に画定することができる)区分から構成されてもよい。

ここで図1Eを参照すると、単一及び多重の異なる種類のレンズ前駆体特徴部位を含む、例示的な非円形レンズ前駆体105Eの構造体の上面図表示が描写されている。また上面図には先の断面に関連する説明では未だ説明されていない、排出チャネル145Eと呼ばれる別の種類のレンズ前駆体特徴部位が見られる。排出チャネル特徴部位145Eは、1つ又は複数の低減されたゲル化特徴部位(複数可)の体積の低減に役立つことができる。したがって、排出チャネルの形状の性質は、流動性レンズ反応性混合物の追加的な体積を、特定の領域から引き離すものであることができる。

この、例示的なレンズ前駆体100Eにおいて、上面図の視点から見ることができる全てのレンズ前駆体特徴部位のリストは、排出チャネル特徴部位145Eと、単一のレンズ縁部110Eと、多重の安定化ゾーン特徴部位115Eと、多重のボリュメーター特徴部位120Eと、単一の光学ゾーン125Eと、を含む。

排出チャネル特徴部位(複数可)145Eは、これらの位置におけるDMD命令(複数可)で与えられる曝露信号を低減することにより、1つ又は複数のボクセル位置(複数可)における化学放射線曝露を低減することによって生成することができる。類似する方式では、排出チャネル特徴部位(複数可)は、これらの位置におけるDMDの命令(複数可)で与えられる曝露信号を増加することにより、1つ又は複数のボクセル位置(複数可)における化学放射線曝露を増加することによっても形成することができる。いずれの場合においても、化学放射線曝露の相対的変化は、項目145Eのものに類似する直線型形状で発生し得る相対的陥没部を生成することができる。更に、より一般的な視点から言えば、排出チャネル特徴部位(複数可)は、流動性レンズ反応性媒体が、重合レンズ前駆体、レンズ前駆体型、又は別の他のレンズ前駆体特徴部位(複数可)の全て又は少なくとも一部分を横断して流れること、そこから離れるように流れること、及びその上に定着することのうちの1つ又は複数を行うことを可能にできる形状であることができる。排出チャネル地形特徴は、例えば、レンズ前駆体のゲル化部の複数部内に、連続的又は別個のセグメント化された陥没部を含むことができる。

レンズ前駆体特徴部位の多様な特性 本発明の追加的な態様は、例えば、様々な高さ、深さ、角度幅、長さ、形状、及び位置のうちの1つ又は複数を含む、1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位の1つ又は複数のパラメータの変動に由来することができる、眼用レンズの形態及び機能における変化からもたらされる。更に、レンズ前駆体特徴部位のパラメータの変動による、眼用レンズ特性の同じ変動を、本明細書で説明される種々の方式と組み合わせると、追加的な発明的技術も生成される。

レンズ前駆体特徴部位は、これらの特徴部位と所望のレンズ特性との間の経験的に定義される関係に基づき、パラメータ的に制御することができ、これらの特徴部位は、他のレンズ前駆体特徴部位に、数学的又は経験的に関連付けることができる。例えば、ボリュメーター特徴部位の設計は、安定化ゾーン特徴部位に経験的に結び付けられ、それらの間の滑らかかつ連続的な面の関係を生成することができ、その結果、組み合わされたこれらの特徴部位を組み込む適切な設計の選択の決定を支援し、それによって設計されたレンズ性質又は機能に到達する。

より重要には、レンズ前駆体特徴部位の他の使用は、例えば、流動性レンズ反応性媒体のいくつかの部分における流れに影響を与えることを含むことができる。レンズ前駆体特徴部位は、レンズ前駆体の製造の整列及び校正の目的のために更に用ることができる。

追加的な特徴部位は、ゲル化した材料内に画定することができ、検査中に可視化し得るマークを含むことができる。これらのマークは、その後の製造プロセスにおいて使用される。例えば、自由造形プロセスで使用される基板は、所望のレンズ前駆体、眼用レンズ、又はレンズ前駆体特徴部位を製造するために、正確に中心に置かれる必要がある場合がある。画像化システムによってゲル化した材料内に画定されたマークは検査され、マークの対象とされる位置(複数可)と比較され、次いで画像化システムと物理的基板の位置合わせを提供することができる。

レンズ前駆体特徴部位は、自由造形器具の光学倍率の決定にも使用可能である。非限定的かつ例示的な意味において、例えば、画像化システム及び特定の対象寸法を使用することにより、ゲル化した材料内にマークを画定することによって、マークはその後に測定され、次いで得られる測定されたマーク対画像化寸法を提供し、システムの倍率の決定及び制御を可能にすることができる。これは、光学倍率値が、特徴部位の高さ、深さ、幅、長さ、形状、及び位置のうちの1つ又は複数が所望の通りに製造可能であることを確かにするために必要とされる場合があるため、自由造形製造プロセスと共に重要である可能性がある。

光学倍率は、マークとともに、基板の正確な位置決めの決定及び制御に有用であることができる。例えば、レンズ前駆体特徴部位が、整列、校正、及び光学倍率のうちの1つ又は複数の決定のために使用することができるとき、マークは、波面技術を含む画像化技術を介して測定することができる。

マークは、レンズ前駆体特徴部位及びパラメータによって定義され、自由造形方法を使用してレンズ前駆体上に製造することができる、方位マークとも称される基準マークを含むことができる。基準マークは、眼上レンズ位置、心取り、回転、及び移動のうちの1つ又は複数を決定するために使用可能である。更に、画像化技術及び波面技術は、基準マークの位置、寸法、及び形状のうちの1つ又は複数を決定する助けとなるように、追加的に利用することができる。眼上レンズ上の基準マークの検出を描写する画像を図2に図示する。

マーク特徴部位は、例えば、非限定的な意味において、情報伝達のための字又は数字などの、文字でさえ形成可能である。情報を伝達する他の種類のマーク特徴部位は、バーコード又は他の光学的に認識可能な文字特徴に由来することができる。例えば、偽造防止特徴部位及び製品レンズ証明の生成などの、文字型特徴部位を眼用レンズ前駆体に形成する多数の用途があることができる。

レンズ前駆体特徴部位の追加的な機能性は、光学グレードであると同時に使用者の視力に対する補正用態様を提供する位相幾何学をもたらす光学ゾーンを生成することを含むことができ、だからこのことが自由造形プロセスの主要目的である。例えばピクセル単位で、ゲル化した表面の位相幾何学を制御すること、及びこれらのゲル化した表面並びに近隣のレンズ前駆体特徴部位の上の流動性媒体の特性を制御することによって、特定の所望の補正用表面を形成することができる。しかしながら、例えば円形特徴部位を含む種々の形状を有するゲル化した材料の平坦面が、場合によって、そして特定の流動性媒体特性と合わさると、化学放射線で固化した際に小型レンズと呼ばれる特徴部位を形成する、流動性媒体の小さいほぼ球体の形状を形成するということが、当業者には明らかになるだろう。これらの特徴部位は、孤立形態又はアレイ形態でレンズ前駆体上に発生する場合、それらが被覆する領域の屈折力を修正する効果を有することができる。

2つ以上のレンズ前駆体特徴部位の間の相互作用 先の項に記述した通り、流動性レンズ反応性媒体の流れの力学は、特定の領域を包囲する特徴部位の形状及び位相幾何学を含む、流動性媒体自体、及び多数の他の要因の、複雑な関数であることができる。本発明の別の関連する態様において、近隣の特徴部位の効果は、これらの近隣のレンズ前駆体特徴部位の制御パラメータを調整することによって活用可能である。その上、これらの調整されたパラメータは流動性レンズ反応性媒体の流体力学に影響を与えることができるため、流動性媒体の固化後にもたらされる表面も、このレンズ前駆体特徴部位の設計パラメータの変更によっても影響されることができる。具体的かつ非限定的な例として、流動性レンズ反応性媒体が光学ゾーンから安定化ゾーン特徴部位まで架橋形成するときに生成し得る角度は、ボリュメーター特徴部位の制御パラメータ及び/又は光学ゾーンの制御パラメータを修正することによって制御することができる。

ボリュメーターの高さが近隣の安定化ゾーン特徴部位と近隣の光学ゾーンとの間のその位置において減少される場合、流動性レンズ反応性媒体が、これらの2つの特徴部位の間で、調整されたボリュメーターの上に広がりながら取る形状の変化が、設計において考察及び考慮することができる。しかし、これは、レンズ前駆体特徴部位の変更が他の近隣の特徴部位の上及び周囲の流動性媒体に影響を与えることができる1つの例示的な種類の変更に過ぎず、特定の所望の効果の原因となり得る他の種類の変更があってもよい。

別の非限定的な例は、0度面における厚さが90度面における厚さと異なる、乱視の光学ゾーンを参照して説明することができる。光学縁部は、例えば、0度面において厚さ100ミクロン、及び90度面において厚さ150ミクロンであることができる。前記レンズ前駆体型において、既に説明した通り、かかる光学ゾーンは、ボリュメーター特徴部位によって包囲されることができ、例えば高さ400ミクロンの1つ又は複数の安定化ゾーンがその外側にあってよい。安定化ゾーン及び光学ゾーン上の最高点(150ミクロン)が角度配列される場合、流動性レンズ反応性媒体は、高さ400ミクロンの安定化ゾーンから光学ゾーン上の最高点までの架橋を、ボリュメーター特徴部位の上に形成する。同じ形状及び特徴部位が使用されるが、光学ゾーンは今度は90度回転され、ボリュメーター及び安定化ゾーンが以前と同じ方位のままである場合、流動性レンズ反応性媒体は、今度は高さ400ミクロンの安定化ゾーンから、今度は高さ100ミクロンの光学ゾーン縁部までに、別に架橋形成する。したがって、流動性レンズ反応性媒体が乱視の光学ゾーンから安定化ゾーン特徴部位までに架橋形成するときに生成し得る角度は、安定化ゾーン又は光学ゾーンの制御パラメータ(角度配列)を修正することによって制御することができる。

更に別の例は、排出される体積の効果が異なるように、他の特徴部位に対する排出チャネル特徴部位の位置を変更することを含むであろう。例えば、図12の排出チャネルが光学ゾーンのちょうど中心まで延長された場合、光学ゾーンの中に延在しておらず、したがって同じ程度まで光学ゾーンから排出しないように示された排出チャネルの効果とは対照的に、流動性レンズ反応性媒体は、レンズのちょうど頂点から排出されるであろう。例えば、光学ゾーン内にレーキ特徴部位があり、光学ゾーン中に延在する排出チャネルがない場合、レーキ特徴部位は排出することができない。したがって、排出チャネルの深さ、幅、寸法及び広がり、並びに位置の変更は、流動性レンズ反応性媒体が一定期間内に定着する形状に影響する。

異なる自由造形プロセスにおいて、レンズ前駆体の加工は、レンズを形成するための、レンズ前駆体上の流動性レンズ反応性混合物部の安定化及び固化を含むことができる。制御された量の流動性レンズ反応性媒体は、基板及びレンズ前駆体型を、過剰な反応性混合物を収容する容器から分離する間にレンズ前駆体型の表面上に残ることができる。ゲル化部に貼り付く流動性レンズ反応性媒体の量の制御に役立つことができるレンズ前駆体特徴部位に加えて、反応性混合物の組合せ、除去速度、及び/又は環境的要因(例えば、温度、酸素レベルなど)の制御は、形成されたレンズ前駆体内に存在する流動性反応性混合物の量を制御するために変更することができる。また、反応性混合物の一部は排出されもよいか、それとは反対に、当業者に知られる多くの方法のうちの1つを使用して、追加的な流動性反応性混合物がレンズ前駆体に添加されてもよい。これらの可能性のそれぞれは、レンズ前駆体特徴部位の基礎となる基礎構造の上の、異なるレンズ前駆体特徴部位、それらの設計態様のそれぞれ、及び流動性反応性媒体の流体力学の性質の相互作用をもたらす、異なるベース条件を生成することができる。

いくつかの自由造形方法論において、流動性反応性混合物の量がレンズ前駆体と同じ又は近似する時、そして適切な場合は、安定化工程後、未水和状態の所望のレンズを取得するために、固化プロセスが開始されることができる。前述のレンズ前駆体特徴部位の説明に従って、流動性レンズ反応性媒体が結果的に固化されるまで、いくつかの表面は隣接するレンズになり得ない。例えば、ゼロの厚さのレンズ前駆体型の一部に堀がある場合。厚さがゼロの堀の場合、ゲル化した特徴部位は堀特徴部位の周縁の近くで終わる可能性がある。いくつかの状況下で、レンズ前駆体が反応性媒体の容器との接触から取り外されるとき、流動性媒体が堀部内に残ることができる。堀領域周囲の領域からの追加的な流動性媒体も、次いで堀領域内に流れることができる。それでもなお、この流動性媒体が固化するまで、この領域内にゲル化した材料がない場合があるが、固化後、堀領域は、ゲル化したレンズ製品の一部として、後続の加工後に続いて含まれることができる。

レンズ前駆体特徴部位を有するレンズ前駆体の形成方法 ここで図3(項目300)を参照すると、本発明の特定の例示的な実施形態の実施に使用可能な例示的な方法の工程が図示されている。前述の説明において、レンズ設計に含まれ得る多数の種類のレンズ前駆体特徴部位を説明してきた。これらの例示的な方法の工程は、これらの種々の特徴部位のうちの全て又はいくつかを組み込むことができるレンズを設計する手段を提供する。

301において、患者データが収集することができる。データ収集は、異なる時間で、当技術分野で周知の多くの技術のうちの1つ又は複数を使用して、発生することができる。例えば、物理的データは、製品ベースカーブ、直径及び厚さオプションのガイダンスを生み出し得る地形学的検査、例えば球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸などの低次光学収差(複数可)を生み出し得る追加屈折矯正検査、及び/又は球面収差、トレフォイル、コマ、及びペンタフォイルのうちの1つ又は複数を含む、中間的又はより高次の光学収差の必須要件を生み出し得る波面検査を通じて収集することができる。追加的なデータは、例えば、アンケートを通じて取得される患者情報及び/又は受信された画像から取得されるデータなどのデータを含むことができる。

302において、患者データの1つ又は複数の部分集合が、光学収差を確認するために選択することができる。確認された光学収差は、適切な規格品設計又は特注品設計の選択に使用可能である。一般に、規格品は別個の工程において提供され、より正確な要求と最も近似する入手可能な規格品との間の相違点に対する、一部の使用者の適応を必要とする場合がある。特注品設計が作られるとき、特注品は、規格品の増加工程の間にあることができるか、そうでなければ規格品の定義と異なる、選択可能な値の中に利用可能であることができる1つ又は複数のパラメータを含むことができる。

したがって、特注品のパラメータは、規格品よりも正確な球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸(例えば、−3.125D/−0.47D×18°)を考慮することができ、提供された特定の製品及びその意図される用途に基づき、ベースカーブ、直径、安定化プロファイル、及び厚さプロファイルを含んでもよい。例えば、工程301における特定の患者のデータの収集結果、工程302におけるデータの分析は、所望の製品が、乱視補正、及び場合によっては、より正確な球面屈折力、円柱屈折力、及び軸についてのパラメータの必須要件の仕様を有する特注品に対する補正が所望される処方を提供し得るということの決定をもたらすことができる。

303において、所望のベースカーブ、直径、及び中心厚さのうちの1つ又は複数を含む機械的パラメータを選択することができる。自由造形されたレンズが適切であることができると決定される場合、304において、光学選択302及び機械的パラメータ入力303のうちの一方又は両方に基づき、1つ又は複数のレンズ前駆体特徴部位及び定義パラメータを選択することができる。

工程302を参照して説明した例を続けると、レンズ設計は、安定化ゾーンを含むレンズ前駆体特徴部位が、乱視補正を適切に方位付けられた状態に保つことを必要とする場合があるということを決定することができる。更に、レンズが、レンズの全周縁の周囲に単一のレンズ縁部を有することが所望される場合がある。光学ゾーンの乱視補正の性質により、例示的な意味において、多重のボリュメーター特徴部位が、望ましい光学ゾーン設計及び/又は製造に到達するために必要とされる可能性があるということを決定することができる。

レンズを識別するために、種々の種類のマーキングを特徴部位設計上に配置するであろうということを決定することができる。最後に、かさねて例示的な意味において、排出チャネル特徴部位は、光学ゾーンの設計及び/又は製造態様をも改善するであろうことを決定することができる。

305において、対象レンズの厚さマップ及びそれらの関連ファイル(データファイルフォーマットの厚さマップの数値表現を収容し得る)が、データベースから生成又は識別することができる。305において、工程302の光学ゾーン要求のもたらす定義、303の機械的定義、及び工程304のレンズ前駆体特徴部位の補完を、モデルに整理統合することができる。モデルは、種々の領域の所望の機能を適切に実行する設計によって、理論的厚さを決定する。モデルから、厚さマップ及び関連ファイルが生成可能である。前述の項から明らかになり得る通り、生成された設計及びファイルは、対象設計に対する、1つ、又は複数の所望のレンズ前駆体特徴部位及び所望の流動性レンズ反応性媒体面からもたらすことができる。

工程305からもたらすることができる結果の種類のいくつかの具体例を提供するために、対象レンズ厚さマップの断面表示を図4に示す。この描写は、湾曲空間内のレンズ設計を示す。410において、後側湾曲部プロファイルの表示が見られる。420において、前側湾曲部プロファイルが見られる。この厚さマップに対する関連ファイルを参照すると、それは例えばデカルト座標、極座標、球面座標、又は他の既知の数学的座標形式などの、種々の座標システムにおける位置変数を収容するデータファイルであることができる。それぞれの座標表示に対する関連ファイル内に、ある種の厚さの値を含んでもよい。

ここで図5を参照すると、座標がデカルト座標で表示される関連データファイルの一例が提示されている。対象ファイル及び/又はレンズ設計は、厳選した光学及び機械的必須要件を、他の特徴部位(例えば、安定化ゾーンなどの安定化機構の一種)と一緒に組み合わせることによって生成可能である。

ここで図6及び6Aを参照すると、多重のソフトウェアプログラムを用い、所望の光学的及び機械的特徴部位を生成及び出力し、対象レンズ設計を生成する一例が図示されている。610において、その表示が設計の対象厚に関連し得る、カスタマイズされた光学設計のモデルが提示されている。設計は、項目615に示す通り、屈折データの収集からの出力からもたらすることができる。

620における安定化ゾーン、及び項目630における、スマートボリュメータフロア設計は、項目625によって示される通り、例えば、デカルト座標としてのデータ点のセットを含む集計表などの、Excelベースの集計表設計からの出力として構成することができる。これらの3つのモデル要素は、組み合わされて項目640に描写される特注レンズ設計をもたらすことができる。これらの要素をモデル化する種々の要素及び方法からレンズ設計を作成するための多数の方法があることができ、特定の提示された例に限定されるべきではない。

代替案として、工程305において実行される演算は、厚さ対象ではなく波面対象をもたらすことができる。かかる対象設計は、計測が波面出力を直接的にもたらすことができるため、場合によっては有用であることができる。工程305において生成することができる対象レンズ厚さマップの類似する実用性は、対象レンズ波面に関して存在することができる。

306では、工程305において形成された厚さ対象又は波面対象に適合するレンズ前駆体を適切にもたらすことができるレンズ前駆体型を生成するために、モデルが作成される。レンズ前駆体型の設計厚さマップを生成するための多数の手段があることができる。場合によっては、流動性媒体は固形のゲル化した基板材料の上を流れることができる方式をモデル化することができる、動的流動性媒体モデルを適用することができる。

あるいは、完全に経験的なアルゴリズムは、流動性媒体がレンズマーキング処理の前の結果に基づいた安定状態に達した後に対象レンズ設計をもたらすために必要とすることができる、レンズ前駆体型の厚さパターンの概算をもたらすことができる。動的モデル化アルゴリズムの組み合わせを含むことができる多数のモデル化技術、及び経験的モデルもまた、対象レンズ厚さマップをモデルに変換するために使用可能であるということが、当業者には明らかである。結果として、所望の製品に関する対象レンズ設計、厚さマップ、及び関連ファイルは、レンズ前駆体設計、厚さマップ、及びファイルから生成することができる。

一般的な意味において、対象ファイル、又はその複数部は、少なくとも部分的に、従来の2次元設計方法、3次元設計方法、経験的方法、並びに従来の方法及び経験的な方法の両方の組み合わせのうちの1つ又は複数を用いることによって生成することができる。従来の方法の例としては、光線追跡法、数学的公式、CAD/CAM/CAE、2Dモデル化ソフトウェア、3Dモデル化ソフトウェア、コンピュータプログラム言語、Microsoft Excel、静的モデル化法、流体モデル化法、及びコンピュータによる流体力学ソフトウェアのうちの1つ又は複数を挙げることができる。

308において、反復によって生成される一連の表示から第1の生成されたDMD表示を参照することができる、DMD部分列を含むDMD表示を生成することができる。図6を再度参照すると、実行されることが所望されるモデル化された積算強度投与(cumulative intensity dosing)の例示的な表示が項目650として表されており、この表示は前述の項で説明した特注レンズ設計、640に基づき計算済みであってよい。

反応性モノマー混合物の化学光線曝露の強度及び時間を関連付けて用いるモデルに基づき、強度及び時間の値がボクセル毎を基準にして計算することができる。これらの値を使用して、適切な基板を計算された化学放射線曝露にボクセル毎を基準にして曝露するために、DMDを用いる光システムの制御を実行することができるDMD表示を生成することができる。更に、必要とされる時間及び強度の値をDMD表示又はDMD部分列に変換するために多数の方法があることができる。

非限定的な意味において、DMD表示(複数可)は、計算された曝露に関連付けるボクセルに可変曝露を送達するために、グレースケール変調を使用することができる。代替の方法は、特定の負荷サイクル又は全DMD表示の時間の割合で、ボクセルを最大強度の曝露に曝露することを含むことができる。それぞれのボクセルが計算された時間の割合を有する場合、DMD表示は、多数のフレームが全DMD表示(「ムービー」と呼ばれ得る)に対して決定され、次いでその割合は、総フレーム数に対して高い強度を有する特定のボクセル位置におけるフレームの数の比率に関連付けた、ムービーに類似する。

DMD表示が、光変調要素としてのDMDを含むことができる化学放射線曝露システムを制御するために使用される場合、レンズ前駆体は、工程番号309において、基板上に形成することができる。この処理が発生した後、レンズ前駆体は、ゲル化して形成された材料、レンズ前駆体型として存在することができ、そのゲル化した媒体上に、最小エネルギー状態を実現した流動性媒体層を有することもできる。その後、レンズ前駆体を、場合によっては結果として眼用レンズになる完全にゲル化した形態に固化するために、このレンズ前駆体は、続いて化学放射線に曝されることができる。かかるレンズ前駆体又はレンズのいずれも、番号309として表示されるプロセス工程の結果であってよい。

工程310において、製造されたレンズ前駆体又は完成した眼用レンズは、種々の方法によって、その厚さを測定することができる。これらの厚さの結果は次いで、所望の製品設計との適合性を決定するために、工程305において作成された厚さマップ及びそれらの関連ファイルと比較することができる。前述の通り、「厚さマップ」は波面対象マップであってもよい。これらの場合、310の測定は波面データ自体を取得することができる。レンズ又はレンズ前駆体の厚さ若しくは波面情報を測定する他の方式を実施することは、本発明の範囲内である。

場合によっては、工程310における測定結果は、その対象レンズ設計に十分近似し、許容可能であるレンズ前駆体又はレンズをもたらすことができる。かかる状況下で、図3に示す方法は完了することができる。工程310における測定結果は、他方では許容不可である場合がある。結果が所望の対象からかけ離れている場合、場合によっては、工程303に戻って、レンズ前駆体設計を根本的に変更することが望ましい可能性がある。したがって、311において、必要に応じて、光学的パラメータ、機械的パラメータ、レンズ前駆体特徴部位、レンズ前駆体特徴部位のパラメータ、流動性レンズ反応性媒体面のパラメータ、製造プロセス条件、厚さマップ、関連ファイル、DMD表示などの組み合わせを、より所望の製品設計/設計対象に近似するレンズ前駆体を製造する試みにおいて、追加、排除、又は修正、及び利用してもよい。

あるいは、311における上述の工程は、310における測定工程が許容可能な結果を示すと認められるときに発生してもよい。これらの場合、DMD表示は、設計された特性を有するレンズ前駆体又はレンズの生成に許容可能な表示を表すことができる。かかる表示及び関連設計は、設計特性が許容可能な結果に著しく近似する、修正された設計の望ましい起点となることができる。かさねて、そのような場合、311及び312において、光学的パラメータ、機械的パラメータ、レンズ前駆体特徴部位、レンズ前駆体特徴部位のパラメータ、流動性レンズ反応性媒体面のパラメータ、製造プロセス条件、厚さマップ、関連ファイル、DMD表示などの組み合わせを、追加、排除、又は修正、及び利用してもよい。

これらの方法の全ては、特に光学ゾーンについての追加的な特徴部位の変化が、その方法の流れに並列状態で追加されることを可能にすることができる。図3A(項目320)に進むと、追加的な工程327が見られる。この方法の中に設計を詳細に追加するというより一般的な技術の一例では、中間的及び高次の収差補正が、工程305において対象レンズ設計に、又は工程306においてレンズ前駆体型設計に、追加することができる工程を含むことができる。これらの別々の追加要素は、追加された要素327が、もっぱら関連性を有する対象設計又はレンズ前駆体設計の領域の性質を定義する、独立型方式で使用することができることが明らかである。

あるいは、ファイルに追加されたものは、標準方法の流れをもたらした対象レンズ設計及びレンズ前駆体型設計の既存の定義と組み合わせ可能である。工程327に位置する追加されたファイルは、追加された内容に関連する厚さマップに関連付けることができるか、あるいは説明した通り、特定の領域に対する追加された波面態様又はマップに関連付けることができる。

工程327の類似点を共有し得る代替のプロセスは、図3B(項目340)を参照することによって理解することができる。追加的な特徴部位設計態様が、厚さ又は波面を対象とする追加として方法の流れに追加することができる、同じ又は非常に類似する方式において、DMD表示の詳細はDMD部分列によって修正することができる。工程343に示す通り、レンズ処方のために中間的又は高次の収差補正が既存のDMD表示に直接的に追加される場合、DMDファイルの非限定的な一例となる可能性がある。場合によっては、数学演算を使用して追加されたDMD部分列を組み合わせてもよい。例えば、算術加算演算を実行して、その特定の定義済みボクセル位置に対して、特定の位置におけるボクセル値の合計を計算及び使用して、フレーム毎の単位でその値を置換するように、既存のDMD表示又はムービーを変更してもよい。例えば、減算、乗算、除算、ブール演算などを含む、多くの他の種類の演算を実行することが可能である場合がある。

類似する意味において、工程343におけるDMD部分列ファイルが、追加的な特徴部位厚さ又は波面等価厚さを追加する特徴部位を画定する場合、既存のDMD表示が実行された後で実行される加算器DMDファイルのフレームを含むことによって、付加的なプロセスが生じることができる。既存のフレームは、DMD表示内の任意の特定の位置において、DMD表示に追加することができるということが明らかであろう。

可能であり記述されている、種々の特徴部位を有する眼用レンズ及びレンズ前駆体を形成する方法に関する先の説明における、用語及び説明は特に、製造プロセスの詳細を制御するために、化学放射線及びデジタルミラーデバイスを用いる、眼用レンズ及びレンズ前駆体の自由造形製造に関する技術に関連している。本明細書における本発明に係る概念は、DMDベースの自由造形技術に関するが、より一般的にも適用可能でもある。例えば、DMD開始表示と名付けられる工程番号308は、ステレオリソグラフィ製造工具のための制御プログラムを生成することに関連させることができる。

レンズ前駆体は、この種類の製造工具を使用して、レンズ前駆体型を形成するためのステレオリソグラフィ工具を使用することによって形成することができる。第2の工程において、例えば、流動性反応性媒体が、ステレオリソグラフィによって製造されたレンズ前駆体型上に添加することができる。流動性媒体が添加されると、その組み合わせは今度はレンズ前駆体の等価物を画定することができる。型の上の流動性媒体の流れの性質は、ボクセル毎で自由造形されたレンズ前駆体内の流れに類似してよい。したがって、追加的な方法論は、次いで流動性媒体と相互作用する基礎のレンズ前駆体型を形成するためであり、かつ本発明の範囲内である異なる種類の方法によって、レンズ前駆体特徴部位を画定することによって、導き出すことができる。より一般的な意味から言えば、若干の例を挙げるだけでも、自由造形ボクセルベースリソグラフィ、ステレオリソグラフィ、機械的旋盤加工、部分成形法を含む任意の方法が、本開示の範囲内の技術を構成することができる。

特徴部位を有するレンズ前駆体の設計及び製造の自動化 図7を参照すると、本発明のいくつかの部分で使用されるソフトウェアのモデル化に使用可能である例示的なプロセッサの概要図が描写されている。コントローラ700は、通信装置720に結合する、1つ又は複数のプロセッサ構成要素を含むことができるプロセッサ710を備える。通信装置720は、情報を通信チャネルによって伝達して、本明細書に記載される機能と関連付けられるデジタルデータを電子的に送受信するように構成することができる。

通信装置720はまた、例えば、LCDパネル、LEDディスプレイ、又は他の表示装置若しくはプリンタなどの1つ又は複数の人間に読み取り可能な表示装置と通信するために使用することができる。

プロセッサ710はまた、記憶装置730と通信していてもよい。記憶装置730は、磁気記憶装置(例えば、磁気テープ、無線周波数タグ、及びハードディスクドライブ)、光学式記憶装置、及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)装置、読み取り専用メモリ(ROM)装置などの半導体記憶装置の組み合わせを含む、任意の適切な情報記憶装置を備えることができる。

記憶装置730は、プロセッサ710を制御するためのモデル化プログラム740を記憶することができる。プロセッサ710は、プログラム740の命令を実行し、それによって、本発明に従って作動する。例えば、プロセッサ710は、対象レンズ設計、レンズ前駆体、DMDファイル、患者情報、レンズ光学性能、眼科医のオフィスデータ、レンズ前駆体特徴部位、測定された厚さプロファイルなどを記述する情報を受信することができる。記憶装置730はまた、プロセッサに送られる前記情報の全て又は一部を、1つ又は複数のデータベース750及び760内に記憶しかつ送信することができる。

モデル化プログラム740は、プロセッサ710とともに作動して、装置700に、眼用レンズの装用者に関連する1つ又は複数の光学収差を記述するデジタルデータを受信させ(図3、工程302)、眼用レンズの少なくとも1つの所望の機械的パラメータを記述するデジタルデータを受信させ(図3、工程303)、レンズ前駆体型の基礎構造の少なくとも1つの位相特徴を記述する操作者からの入力を受信させ(図3、工程304)、かつステレオリソグラフィによる眼用レンズ前駆体型の製造工具における使用のためのDMD表示を生成させる(工程308)。それはまた、装置に、レンズ前駆体の型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の設計厚さマップを含むデジタルデータを受信させ(図3、工程305又は306)、製造工具によって製造されるレンズ前駆体の型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の測定された厚さを含むデジタルデータを受信させ、かつ測定された厚さを設計厚さマップと比較して、所望の設計との適合性を決定させ(図3、工程310)、かつ必要に応じて、眼用レンズ前駆体の型の製造工具における使用のための代替の命令セットを生成させることができる(図3、工程311)。

同じ方式で、モデル化プログラム740は、装置700に、図3の工程312、図3Aの工程302〜308、310〜312、及び327、並びに図3Bの工程302〜308、310〜312、及び343を実行させるために、プロセッサ710とともに作動可能である。

対象ファイル決定の経験的方法 対象ファイル又はその複数部の経験的決定は、そこからの測定された厚さプロファイル、又はそれらの複数部が、後続の対象ファイル内で置換及び使用することができる、レンズ、レンズ前駆体、レンズ前駆体型、及びレンズ前駆体特徴部位のうちの1つ又は複数を製造するための自由造形方法を使用することを含むことができる。例えば、流動性媒体及びゲル化した型の相互作用の複雑な性質のため、システムが設計した安定化ゾーン特徴部位と比較して高さが減少された安定化ゾーン特徴部位を有する所望の光学ゾーンを製造することのみが、時に可能である場合がある。したがって、その後システムが計算した安定化ゾーン特徴部位は、対応する測定された厚さがもたらされるプロファイルによって、経験的に明示された高さが減少した安定化ゾーン特徴部位で置換され、改善された製造結果をもたらすことができる。

断面表示での設計を表す方式 ここで図8Aを参照すると、2次元湾曲空間内の非円形の例示的なレンズ前駆体800Aの断面表示が描写されている。例示的なレンズは、単一部品設計として分類することができる。様々な断面の表示を有する真上からの図(項目801A)を表すことによって、実際の位相的変化及び厚さの変化の複雑さがある程度示されるだろう。いくつかの例において光学ゾーンの中心であることができるレンズの焦点を参照すると、断面表示において、焦点から「右」側の縁部までと「左」側の縁部までで、レンズ材料の長さが類似するため、断面805Aは、著しく対称(即ち、ほぼ対称)な厚さプロファイルの一例を図示する。断面のこれらの方向に関して焦点の周囲に異なる長さ及び厚さがあるため、断面810A及び815Aは、非対称の厚さプロファイルの例を図示する。

レンズを断面で表す異なる方式は、2次元平坦空間内の非円形の例示的なレンズ前駆体800Bの断面表示である図8Bを参照することで理解することができる。(真上からの表現は項目801Bとして描写されている。)図示される厚さプロファイルが強調されているこの例示的な表現において、平坦空間表現は後側湾曲部の形状を平坦な形状に変形している。この種類の表現において、断面図820Bは著しく対称な厚さプロファイルの一例を図示する。断面図825B及び830Bは、非対称な厚さプロファイルの例を図示する。

単一及び複数部品設計−背景 対象ファイルは、組み合わされた場合に、完全な連続面、非連続面、及び別個のゾーンのうちの1つ又は複数を生成することができる、連続面の特徴部位、非連続面の特徴部位、及び別個の特徴部位のうちの1つ又は複数によって表すことができる。例えば、単一の滑らかな連続面及び単一の非連続面のうちの一方又は両方によって表される対象ファイルは、図3A及び図3Bにおける形状が表し得るように、単一部品設計と一般的に称することができる。更に、例えば、対象ファイルは、多重の別個の特徴部位によって表されてもよい。これらの種類の設計表現は、複数部品設計と一般的に称することができる。

複数部品レンズプロファイルを使用して特徴部位を有するレンズ前駆体を生成する方法 ちょうど記述した通り、対象レンズ設計は、それらを複数部品設計と呼ばれる候補にする別個の特性を有することができる。その別個の特性は、設計プロセスの結果として無作為に生じ得るが、しかしながら、その設計は、完全なレンズ設計の特定領域にのみに関連する異なる設計「部品」の直接的な組み合わせによって形成することができるので、より典型的にはそれらは形成される。これらの部品は、ともに組み合わせた場合に複数部品設計を生成することができ、独立した「部品」と見なしても良い。

かかる複数部品設計の概念は、所望の製品の非完全表面又は対象ファイルがレンズ前駆体の製造に用いられることを可能にすることができる。結果として、実際には完全な表面は決して生成することができず、単一又は多重のファイルとして記憶することができず、製造施設に送信されことができない。

例えば、所望の製品の光学ゾーン、ベースカーブ、及び直径のみに関連付けられる別個の、滑らかでない、非連続的データは、所望の製品が輪郭成形プロセス技術を使用して製造されるために、眼科医のオフィスから製造施設に送信される必要があることができる。送信されたデータは、それ自体でレンズ設計の一部品のみを表示し又は特定することができ、後になって完全な設計の残りに対する他の部品と組み合わることができる。例えば、ベースカーブ及び総合的なレンズ設計の直径を有する製品の光学ゾーン設計の送信を受信した後、これらの構成要素をレンズ縁部及び所望の安定化ゾーン特徴部位と組み合わせてもよい。

更に、例えば製作施設などの異なる場所において、これらの追加的な特徴部位はカタログ項目から再生することができ、流動性レンズ反応性媒体設計と併せて、滑らかで連続的な製造されたレンズ前駆体を完成させることができる。他のレンズ製造技術は、所望の製品の全体の完全な表面が既知であることを必要とする場合がある。例えば、レンズの直接的な旋盤加工では、ダイアモンド工具が予め生成された完全な工具通路を辿って所望の製品の全表面を切削しなければならない。

ここで図9Aを参照すると、湾曲空間及び平坦空間の両方における、例示的なレンズ前駆体900Aの非円形の単一部品設計及び断面図の表示が図示されている。この表示において、凸面の全体が事実上滑らかかつ連続的であってもよい。905A、910A、915A、920A、925A、及び930Aの断面図の凸面プロファイルも、滑らかかつ連続的な区分として示されている。

「単一部品設計」としての設計の指定は、レンズ設計を生成する方法が、完全な初期の特徴部位仕様セットから設計態様を生成するという事実によって支配されることができる。したがって、もたらされるレンズの形状が単独で別個の部品を有するように思われる場合があるが、それらは初期仕様においてともに組み合わされたため、かかるレンズは、依然として単一部品設計として分類することができる。

ここで図9Bを参照すると、湾曲空間及び平坦空間の両方における、例示的なレンズ前駆体900Bの非円形の単一部品設計及び断面図の表示が図示されている。これらの描写は、表面が事実上滑らかでも連続的でもない断面における設計を示すことが認められるだろう。それでもなお、示唆されたように、これは、単一部品設計と見なされてもよく、初期設計の工程において、設計の非連続的な性質をもたらす特徴部位が選択されていてもよい。例えば、図示される通り、断面内の間隙は、堀特徴部位990Bに起因する場合がある。935B、940B、945B、950B、955B、及び960Bにおいて示すのは、この単一部品設計における滑らかさ及び連続性の欠如を明確に示すことができる、表面の断面図である。

ここで図9Cを参照すると、滑らかかつ連続的な例示的なレンズ前駆体900Cの複数部品設計の概念の表示が提示されている。この図に含まれるのは、レンズ前駆体設計を構成することができる別個の特徴部位の断面図である。例えば、965C、970C、及び975Cによって表される3つの異なる特徴部位。別個の特徴部位のこの組み合わせから生成された、滑らかかつ連続的な凸状断面図980Cも認められるだろう。全てが2次元の湾曲空間にあり、滑らかかつ連続的な円形の複数部品設計レンズ前駆体900Cを描写する平面図表示、項目901Cもまた示されている。この複数部品設計に含まれ、環状レンズ縁部965C、安定化ゾーン特徴部位970C、及び光学ゾーン975Cであることができる、例示的な異なる「部品」が示されている。滑らかで連続的な凸状断面980Cを生成する別個の特徴部位の組み合わせ、及びレンズ前駆体設計900Cの平面図もまた示されている。

ここで図9Dを参照すると、滑らかでない、非連続的な例示的なレンズ前駆体900Dの複数部品設計の概念の表示が描写されている。図9Dにも含まれるのは、レンズ前駆体設計を構成することができる別個の特徴部位の断面図である。認めることができるように、複数部品設計は、別個の特徴部位の組み合わせから生成された、滑らかでない、非連続的な凸状断面図985Dを含んでもよい。この平面図は、この滑らかでない、非連続的な円形の複数部品設計レンズ前駆体900Dの真上からの表示をも示すことができる。同様に、これらの表示は2次元の湾曲空間図においてなされてもよい。更に、図示される通り、環状レンズ縁部965D特徴部位、光学ゾーン975D特徴部位、及び別個の特徴部位の組み合わせは、非連続的かつ滑らかでない断面図985Dであってもよい。レンズ縁部965Dと光学ゾーン975Dとの間に非連続点が存在することができる。

デジタルコアブレーク概念 再度、図1A、1B、1C、1D、及び1Eを参照すると、異なる設計を形成するために、多数の種類のレンズ前駆体特徴部位が組み合わされていてもよい。関連対象ファイルは、多数のかかる異なる特徴部位をともに組み合わせることによって構成することができる。これらの組み合わせられた特徴部位のそれぞれは、カタログ項目及び非カタログ項目のうちの一方又は両方から選ぶことができる。この場合の非カタログ項目は、特定のレンズ設計のために新たにモデル化された又は生成されたものを示すことができる。

レンズ設計が、種々のレンズ前駆体特徴部位の組み合わせによって形成することができる場合、新しいレンズ前駆体の対象設計を画定することができる。しかしながら、レンズ前駆体の対象設計に類似する多数の異なるレンズは、前駆体要素の同じ組み合わせをアセンブルすることによって形成することができるが、そのパラメータの値は異なってよいということが明らかである。

例えば、類似するが異なる設計を生成するように、特定の安定化設計及び/又はレンズ設計の高さ、特定のボリュメーター特徴部位の深さは異なってよい。関連設計のいくつかの群に関して、限定されたレンズ前駆体特徴部位及び/又は限定された特徴部位制御パラメータを、レンズ設計の範囲内で一定に保持することが望ましい場合がある。限定されたレンズ前駆体特徴部位の一群に対する特徴部位制御パラメータの部分集合が一定に保持されるとき、他の特徴部位のパラメータは異なってよいが、もたらされる設計の群はデジタルコアブレークと称される場合がある。更に、1つ又は複数のデジタルコアブレーク(複数可)がレンズ設計の範囲内に存在することができる。デジタルコアブレーク内の異なるレンズの製造に関連するDMDファイル又はDMD表示の複数部が、互いに類似するか又は同一であってよいということが、本開示の教示から当事者にとって明らかであろう。

デジタルコアブレークのこの概念を更に理解するために、システムが生成する特注品である理論的なAcuvue Toric Precise Limited(商標)を考察されたい。この製品群には、提供することができる低次の球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸補正のための様々な異なる値を有する、多数のレンズがある。しかしながら、その変動は、−3.00D〜0.00Dの球面屈折力の範囲及び−2.00D〜0.00Dの円柱屈折力の範囲のみを対象にする場合がある。この例を続けると、提供される球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸にかかわらず、これらの種々の範囲内のこれらの製品は、同一のレンズ縁部、安定化ゾーン特徴部位、及びボリュメーター特徴部位を有することができる。Acuvue Toric Precise Limited(商標)は、したがって、1つのデジタルコアブレークを有するのみと見なすことができる。

更なる例はAcuvue Toric Precise Plus(商標)のものであることができ、それにより低次球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸補正のみの無限のパラメータが−20.00D〜+20.00Dの広い球面屈折力の範囲及び−10.00D〜0.00Dの円柱屈折力の範囲内で提供することができる理論的な特注品である。例えば、−20.00D〜−10.00D、−9.99D〜+9.99D、及び+10.00D〜+20.00Dのそれぞれの球面屈折力範囲内で、レンズ縁部、安定化ゾーン特徴部位、及びボリュメーター特徴部位が同一であってよいが、3つのデジタルコアブレークのそれぞれにおいて異なることができるので、Acuvue Toric Precise Plus(商標)は、3つのデジタルコアブレークを有することができる。

高度な対象ファイルは、ベース対象ファイルから始め、特性を追加するようにそれを修正することによって生成することができる。例えば、78°の円柱軸で、−5.67Dの球面屈折力及び−4.56Dの円柱屈折力に対する補正と併せてトレフォイル及びコマ補正を提供するためのレンズ設計は、−5.67D/−4.56D×78°設計のAcuvue Toric Precise Plus(商標)のカタログ項目を再生こと、及び所望の高次補正構成要素をこれらの限定的に再生されたカタログ項目に組み込むことによって、生成することができる。

一般的に、DMDファイル又はDMD表示を生成するために、本発明に係る技術の範囲内に多数の方式及び技術があることができる。図3に描写される通り、従来の方法が使用可能である。

更に、DMDファイル又はDMD表示は、必要に応じて次いで修正することができるカタログ項目を再生することによっても生成することができる。先のDMDファイル又はDMD表示は、新しい又は修正された特徴部位のためにDMDファイル内に追加することを含む、多数の方式によっても修正することができる。対象ファイルに類似して、DMDファイル及び/又はDMD表示は、ベース、対象ファイル、DMDファイル及び/又はDMD表示から生成し、かつ製造されたレンズ内に中間的又は高次補正を生み出すことができる命令をそれらに組み込むことによって生成することができる。DMDファイルのサンプル部分の例を図5及び10の両方に示す。

いくつかの更なる態様において、レンズ前駆体又はレンズ前駆体型は、DMDファイル及びDMD表示のうちの一方又は両方の利用を介して製造することができる。例えば、所望のレンズ前駆体105B又はレンズ前駆体型100Aを製造するための関連データは、例えば、レンズ縁部、安定化ゾーン特徴部位、及び光学ゾーンを生成する命令などの、単一のDMDファイル又はDMD表示内に収容することができる。更に、例えば、所望のレンズ前駆体又はレンズ前駆体型を製造するための関連データは、多重のDMDファイル又はDMD表示内に収容されてもよく、例えば、1つのDMDファイル又はDMD表示はレンズ縁部及び安定化ゾーン特徴部位を生成する命令を含んでもよく、一方で異なるDMDファイル又はDMD表示は光学ゾーン及び排出チャネル特徴部位を生成する命令を収容してもよい。更に、所望のレンズ前駆体又はレンズ前駆体型内に、所望のレンズ前駆体特徴部位を製造するための関連データは、例えば、DMDファイル及びDMD表示のうちの一方又は両方にわたって分配されてもよい。y軸を中心に180°回転させ、x−y平面内で反時計回りに45°回転させた、サンプルDMD表示の一例を図11に図示する。

DMDファイル又はDMD表示の全体、又はそれらの複数部が、先行するDMDファイル又はDMD表示、又はそれらの複数部を上書きするために用ることができる。例えば、円周方向の排出チャネル特徴部位を含むDMDファイルは、先行するDMDファイルを変更することなく排出チャネル特徴部位がレンズ前駆体内に製造されることを可能にするために、先行するDMDファイル上に重ね合わせてもよい。サンプルDMD表示に加えて円周方向の排出チャネルを含むDMDファイルの一例を図12に図示する。別の例は、図13A及び図13Bに図示する通り、製造されるレンズ前駆体の縁部形状及びプロファイルのうちの一方又は両方を変更するために、DMDファイルを先行するDMD表示にDMDファイルを重ね合わせすることによって用いることであっても良い。

図13Aは、その写真が図13Bに図示されているDMD表示から製造されたレンズと比較して、y軸を中心に180°回転させ、かつx−y面内で反時計回りに45°回転させる変更された縁部湾曲命令区分を収容するDMDファイルを有する、円周方向の排出チャネル命令を収容するDMDファイルを有する、サンプルDMD表示の一例を図示する。

完全又は不完全な設計対象ファイル、DMDファイル、DMD表示、DMD反復表示、カタログ項目、非カタログ項目などは、他の完全又は不完全な設計対象ファイル、DMDファイル、DMD表示、DMD反復表示、カタログ項目、非カタログ項目などと組み合わせ可能であり、かつDMDファイル及びDMD表示に組み込むことができ、そのものから所望のレンズ前駆体を製造することができる。例えば、光学ゾーンの厚さの記述のみが製造施設に伝えられる場合、それはDMDファイルに変換することができ、レンズ縁部及び安定化ゾーン特徴部位を収容することができる別のDMDファイルと組み合わせることができる。したがって、レンズ前駆体は、特定の完全なレンズ設計又はレンズ前駆体設計プロファイルを全く有することなく製造されてもよい。例えば、個別的でなく組み合わされてもいないDMDファイルが完全な表面プロファイルを記述する場合、流動性レンズ反応性媒体は、それでも光学ゾーンを安定化ゾーン特徴部位に連結し、それによって表面プロファイルを完成させることができる。

レンズ前駆体又はレンズ前駆体型の、設計対象ファイルとの適合性に関して、固化プロセスの事前、事後、又は事前及び事後に測定可能である。もたらされる測定結果は、反復的ループにおいて用ることができ、所望のレンズ前駆体105の製造を可能にすることができる。平坦空間内の、レンズ設計、DMD表示、及び測定されたレンズ前駆体の2つの断面(45°及び135°における)の表示の一例を図14に図示する。

場合によっては、製造されたレンズ前駆体は、対象ファイルに正確に適合することができない、又は特定の許容基準の範囲内に入ることができない。例えば、製造されたレンズ前駆体は、所望されるより厚い、所望されるより薄い、及び所望の対象厚さである状態のうちの1つ又は複数であることができる領域を含んでよい。その前作よりも対象ファイルに近似することができる後続のレンズ前駆体を製造するための、いくつかの選択肢が存在してよい。例えば、選択肢には、先の試みによるのと同一の製造プロセス条件を有する同じDMD表示、先の試みとによるのと同一の製造プロセス条件を有する修正されたDMD表示、同じDMD表示でかつ修正された製造プロセス条件、及び修正されたDMD表示でかつ修正された製造プロセス条件、のうちの1つ又は複数を用いることが挙げることができる。

DMDファイルとDMD表示とのうちの一方又は両方は、多くの異なる方法で修正されてよく、かつ経験と測定されたレンズ前駆体と所望の厚さマップとの間の相違点のうちの一方又は両方に基づいてもよい。例えば、光学ゾーンなどのファイル内の限定されたレンズ前駆体特徴部位設計の値及びパラメータを変更すること、堀特徴部位などの追加的なレンズ前駆体特徴部位を製造するための値及びパラメータを追加すること、排出チャネル特徴部位などの限定して製造されたレンズ前駆体特徴部位の値及びパラメータを削除すること、及びボリュメーター特徴部位などの限定して製造されたレンズ前駆体特徴部位の値及びパラメータを空間的に再分配すること、のうちの1つ又は複数によって、DMDファイルは修正してもよい。

レンズ前駆体特徴部位の生成、様々な異なる特徴部位を有するレンズ及びレンズ前駆体の生成方法、並びにレンズ及びレンズ前駆体を形成するためのDMD表示及びDMDファイルを形成することの特質及び方法を説明するため、特定の例を記述してきた。これらの実施例は、説明のためであり、いかなる方法であっても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、この説明及び特許請求の範囲は、当業者にとって明らかであることができるあらゆる変形及び代替案を包含することが意図される。

〔実施の態様〕 (1) レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って、又はそれに隣接して存在するレンズ縁部特徴部位と、を備え、 前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ前駆体型の外周内に存在する流動性レンズ反応性媒体を収容するように構成されるフェンス構造体を備える、レンズ前駆体型。 (2) 前記レンズ縁部からの距離の増加とともに、前記フェンス構造体の厚さが最大厚さ部から減少し、それによって内側を向くフェンス表面を形成する、実施態様1に記載のレンズ前駆体型。 (3) 前記フェンス構造体の前記最大厚さ部が前記レンズ縁部から離間されている、実施態様2に記載のレンズ前駆体型。 (4) 前記厚さの減少が連続的である、実施態様3に記載のレンズ前駆体型。 (5) 前記内側を向くフェンス表面が、前記レンズの軸を収容する面において凹状である、実施態様4に記載のレンズ前駆体型。

(6) 前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ前駆体型の周りで連続的である、実施態様5に記載のレンズ前駆体。 (7) 前記レンズ縁部特徴部位が、別個の非連続なゾーン内に存在する、実施態様6に記載のレンズ前駆体。 (8) 前記レンズ縁部特徴部位の高さが、0.001mm〜1mmである、実施態様7に記載のレンズ前駆体。 (9) 前記レンズ縁部特徴部位が、前記レンズ縁部のいくつかの別個の部分においてより高く、流動性レンズ反応性媒体を制御し、これらの部分においてより厚い縁部を有するレンズを提供する、実施態様8に記載のレンズ前駆体。 (10) 前記レンズ縁部特徴部位の半径範囲が0.001mm〜2mmである、実施態様9に記載のレンズ前駆体。

(11) レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する堀特徴部位(moat feature)と、を備え、 前記堀特徴部位が、前記レンズ前駆体型の高さの実質的に非連続的な減少によって画定される、レンズ前駆体型。 (12) 前記堀特徴部位が、0〜0.2mmの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、実施態様11に記載のレンズ前駆体型。 (13) 前記堀特徴部位が、実質的にゼロ又はゼロの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、実施態様11に記載のレンズ前駆体型。 (14) レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する堀特徴部位と、を備え、 前記堀特徴部位が、実質的にゼロ又はゼロの厚さの前記レンズ前駆体型のある領域によって画定される、レンズ前駆体型。 (15) レンズ前駆体型であって、 レンズ縁部であって、前記レンズ縁部が前記レンズ前駆体型の外周を画定する、レンズ縁部と、 複数の排出チャネル特徴部位であって、それぞれの排出チャネル特徴部位が、細長い陥没部を含み、並列に配置され、前記レンズ前駆体型にわたる流動性レンズ反応性媒体の流れを可能にするように構成される、複数の排出チャネル特徴部位と、を備える、レンズ前駆体型。

(16) それぞれの排出チャネル特徴部位が、連続した陥没部である、実施態様15に記載のレンズ前駆体型。 (17) それぞれの排出チャネル特徴部位が、別個のセグメント化された陥没部を備える、実施態様15に記載のレンズ前駆体型。 (18) 前記排出チャネル特徴部位が、前記レンズ前駆体型の特定の領域から放射状に広がり流動性レンズ反応性媒体を前記領域から引き離す、実施態様17に記載のレンズ前駆体型。 (19) 前記排出チャネル特徴部位が、実質的に全ての方向に放射状に広がる、実施態様18に記載のレンズ前駆体型。 (20) 前記排出チャネル特徴部位が、限定された数の方向に放射状に広がり、それによって扇形の排出区域を形成する、実施態様18に記載のレンズ前駆体型。

(21) 前記扇形の排出区域が、2〜360度、例えば、30〜120度又は60〜90度の夾角を有する、実施態様20に記載のレンズ前駆体型。 (22) 前記排出チャネル特徴部位が、それらの外端に若しくはそれに向かって、それらの内端に若しくはそれに向かって、又は他の位置で、或いは任意の位置の組み合わせで円周方向の排出チャネルを更に備える、実施態様21に記載のレンズ前駆体型。 (23) レンズ前駆体型であって、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って存在するレンズ縁部特徴部位、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する光学ゾーン、及び前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する安定化ゾーン特徴部位からなる群から選択される、複数のレンズ特徴部位と、 前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも2つの間で前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在し、かつそれらの間の流動性反応性混合物の流れ及び/又は一定期間後に前記流動性反応性混合物が定着する形状を制御するように構成される、ボリュメーター特徴部位(volumator feature)と、を備える、レンズ前駆体型。 (24) 前記ボリュメーター特徴部位が、前記流動性反応性混合物の最小エネルギー面の所望の高さ、深さ、角度幅、長さ、形状、及び/又は角度を制御して、所望のレンズ前駆体の形状を生成するように構成される、実施態様23に記載のレンズ前駆体型。 (25) 前記ボリュメーター特徴部位が、2つの部分、すなわち、より低い棚と、安定化ゾーン特徴部位の比較的より高い厚さ領域に隣接する、より高い棚と、で構成される区分を備える、実施態様24に記載のレンズ前駆体型。

(26) 前記ボリュメーター特徴部位が、隣接する安定化ゾーン特徴部位と略同一の高さの棚である区分を備える、実施態様25に記載のレンズ前駆体型。 (27) 前記ボリュメーター特徴部位が、前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも1つの外周の周りで連続的である、実施態様26に記載のレンズ前駆体型。 (28) 前記ボリュメーター特徴部位が非連続的である、実施態様26に記載のレンズ前駆体型。 (29) 前記ボリュメーター特徴部位が、安定化ゾーン特徴部位に隣接し、前記レンズ軸を中心に、30〜120度、例えば、45〜90度、又は50〜70度の間で円周方向に延在する、実施態様28に記載のレンズ前駆体型。 (30) 前記ボリュメーター特徴部位の一部が、0.001mm〜1mmの高さを有する、実施態様29に記載のレンズ前駆体型。

(31) 前記ボリュメーター特徴部位の一部が、0.001mm〜4.5mmの半径範囲を有する、実施態様30に記載のレンズ前駆体型。 (32) 前記ボリュメーター特徴部位が、0.001mm〜1mm、例えば、約0.5mmの半径範囲を有する堀特徴部位である、実施態様31に記載のレンズ前駆体型。 (33) レンズ前駆体型を設計する方法であって、 レンズ前駆体型設計を画定することを含み、前記設計が、 前記レンズ前駆体型の外周を画定するレンズ縁部と、 複数のレンズ特徴部位であって、前記レンズ縁部の少なくとも一部に沿って存在するレンズ縁部特徴部位、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する光学ゾーン、前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在する安定化ゾーン特徴部位、及び前記複数のレンズ特徴部位のうちの少なくとも2つの間で前記レンズ前駆体型の前記外周内に存在するボリュメーター特徴部位からなる群から選択される、複数のレンズ特徴部位と、を含み、 前記レンズ特徴部位のそれぞれが、パラメータ的に定義され、少なくとも1つのレンズ特徴部位を定義する前記パラメータが、1つ又は複数の隣接するレンズ特徴部位及び所望のレンズの形状を定義する前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択される、方法。 (34) 前記少なくとも1つのレンズ特徴部位が、ボリュメーター特徴部位である、実施態様33に記載の方法。 (35) 流動性レンズ反応性媒体が光学ゾーンから安定化ゾーン特徴部位まで架橋するときに生成される所望の角度が、前記光学ゾーンと安定化ゾーン特徴部位との間のボリュメーター特徴部位を定義する前記パラメータ、及び任意に前記光学ゾーンの前記パラメータを選択することによって制御される、実施態様34に記載の方法。

(36) レンズ前駆体型を製造する方法であって、 実施態様33〜35のいずれかに記載のレンズ前駆体型を設計することと、 レンズ前駆体型をその設計に合わせて製造することと、を含む、方法。 (37) 眼用レンズ前駆体であって、 実施態様1〜32のいずれかに記載のレンズ前駆体型であって、 光吸収性成分を含む架橋性媒体と、 ゲル点で、又はゲル点より上で少なくとも部分的に重合される第1の架橋密度の部分を含み、かつ前記特徴部位を含む、第1の表面と、を含む、レンズ前駆体型と、 第2の流体表面であって、前記第2の表面の少なくとも一部が眼用レンズ内に組み込まれることができる、前記ゲル点未満の硬化の第2の架橋密度(second crosslink density degree of cure less than the gel point)を含む、第2の流体表面と、を備える、眼用レンズ前駆体。 (38) 前記第2の流体表面の少なくとも一部を安定化するように、実施態様37に記載のレンズ前駆体を加工することを含む、眼用レンズを製造する方法。 (39) 前記加工することが、化学放射線を用いて、ゲル点で、又はゲル点より上で少なくとも部分的に重合される架橋密度まで、前記第2の流体表面の少なくとも一部を固化することを更に含む、実施態様38に記載の方法。 (40) 眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための命令セットを生成する方法を実行するための装置であって、 プロセッサと、 デジタルデータの記憶装置と、 前記デジタルデータの記憶装置上に記憶され、要求に応じて実行可能である、実行可能ソフトウェアであって、前記プロセッサとともに作動して、前記装置に、 前記眼用レンズの装用者に関連した1つ又は複数の光学収差を記述するデジタルデータを受信させ、 前記眼用レンズの少なくとも1つの所望の機械的パラメータを記述するデジタルデータを受信させ、 前記レンズ前駆体型の基礎構造の少なくとも1つの位相特徴部位を記述する操作者からの入力を受信させ、かつ 前記眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための前記命令セットを生成させる、実行可能ソフトウェアと、を備える、装置。

(41) 前記眼用レンズ前駆体型製造工具が、デジタルミラーデバイスを含むステレオリソグラフィ製造工具を備え、前記命令セットが、前記デジタルミラーデバイスの起動を制御するために使用することができる時間ベースの命令データ点を含むDMD表示である、実施態様40に記載の装置。 (42) 前記実行可能ソフトウェアが、前記プロセッサとともに作動して、前記装置に、 前記レンズ前駆体型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の設計厚さマップを含むデジタルデータを受信させ、 前記製造工具によって製造されたレンズ前駆体型又はレンズ前駆体の少なくとも一部の測定された厚さを含むデジタルデータを受信させ、 前記測定された厚さを前記設計厚さマップと比較して、前記所望の設計との適合性を決定させ、かつ 必要に応じて、前記眼用レンズ前駆体型製造工具における使用のための代替の命令セットを生成させる、実施態様41に記載の装置。 (43) 前記機械的パラメータが、ベースカーブ、直径、及び中心厚さのうちの1つ又は複数を含む、実施態様42に記載の装置。 (44) 前記光学収差が、低次収差、中間収差(mid order aberrations)、及び高次収差のうちの1つ又は複数を含み得る、実施態様43に記載の装置。 (45) 少なくとも1つの特徴部位が、前記特徴部位の高さ、長さ、幅、形状、及び位置のうちの1つ又は複数によって数学的に記述することができる前記レンズ前駆体型の一部を含む、実施態様44に記載の装置。

(46) 少なくとも1つの特徴部位が、実施態様1〜10のいずれかに記載のレンズ縁部特徴部位を含む、実施態様43に記載の装置。 (47) 少なくとも1つの特徴部位が、実施態様11〜14のいずれかに記載の堀特徴部位を含む、実施態様46に記載の装置。 (48) 少なくとも1つの特徴部位が、実施態様15〜22のいずれかに記載の排出チャネル特徴部位を含む、実施態様47に記載の装置。 (49) 少なくとも1つの特徴部位が、実施態様23〜32のいずれかに記載のボリュメーター特徴部位を備える、実施態様48に記載の装置。 (50) 複数の特徴部位がパラメータ的に定義され、少なくとも1つのレンズ特徴部位を定義する前記パラメータが、1つ又は複数の隣接するレンズ特徴部位及び所望のレンズの形状を定義する前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択される、実施態様49に記載の装置。

(51) 少なくとも1つの特徴部位が、前記レンズ前駆体型の安定化ゾーン特徴部位又は光学ゾーン部分を備える、実施態様49に記載の装置。

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