Premium vision ophthalmic lens

申请号 JP2009543124 申请日 2007-12-18 公开(公告)号 JP2010513992A 公开(公告)日 2010-04-30
申请人 ノバルティス アーゲー; 发明人 リンダチャー,ジョゼフ・マイケル;
摘要 プレミアム視 力 矯正を施された眼科用レンズは、有意に改善された視力及びコントラスト感度を提供する。 プレミアム視力矯正は、二次非点収差のみを矯正する又は存在するすべての収差を同時に矯正するのではなく、二つの収差モードセット、すなわち二次非点収差及び四次球面収差を同時に正密に矯正することを含む。 他のプレミアム視力矯正スキームでは、四次非点収差、六次球面収差及び三次コマ収差がさらに矯正される。 加えて、量産的カスタマイズを可能にするためにプレミアム視力レンズを処方し、作製する方法が提供される。
权利要求
  • 眼に装用するためのプレミアム視力眼科用レンズであって、
    眼の屈折面における収差に対する光学度数矯正を施された屈折面を含み、前記光学度数矯正が、ゼルニケモードとして表される少なくとも二つの収差に対する同時矯正を含み、矯正される前記少なくとも二つの収差が、二次非点収差、四次球面収差、四次非点収差、六次球面収差及び三次コマ収差からなる群より選択されるものであるプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、二次非点収差及び四次球面収差に対する同時矯正を含む、請求項1記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、四次非点収差に対する同時矯正をさらに含む、請求項2記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、六次球面収差に対する同時矯正をさらに含む、請求項2又は3記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、三次コマ収差に対する同時矯正をさらに含む、請求項2、3又は4のいずれか記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 眼に装用するためのプレミアム視力眼科用レンズであって、
    眼の屈折面における収差に対する光学度数矯正を施された屈折面を含み、前記光学度数矯正が、ゼルニケモードとして表される三つ以下の収差に対する同時矯正を含むものであるプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 光学度数矯正が、二次非点収差及び四次球面収差のみの同時矯正からなる、請求項6記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、二次非点収差及び四次球面収差に対する同時矯正を含み、四次非点収差、六次球面収差及び三次コマ収差からなる群より選択される収差に対する同時矯正をさらに含む、請求項6のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • さらに選択される前記光学度数矯正が、六次球面収差に対する同時矯正である、請求項8記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • さらに選択される前記光学度数矯正が、三次コマ収差に対する同時矯正である、請求項8記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • さらに選択される前記光学度数矯正が、四次非点収差に対する同時矯正である、請求項8記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 光学度数矯正が、収差を約−0.2D〜約+0.1Dの間まで打ち消すように正密に実施されている、請求項1〜11のいずれか記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • 前記光学度数矯正が、収差を約−0.1D〜約+0.05Dの間まで打ち消すように正密に実施されている、請求項1〜12のいずれか記載のプレミアム視力眼科用レンズ。
  • プレミアム視力矯正を施されたカスタマイズされた眼科用レンズを処方する方法であって、
    ゼルニケモードとして表される収差で、患者の眼における光学度数屈折収差を決定すること、
    二つないし五つの光学度数収差を同時に矯正するためのプレミアム視力矯正スキームを選択すること、及び 選択された収差に対する正密な矯正を施されたレンズの処方を患者に発行することを含む方法。
  • 屈折収差を測定する前記ステップが、波面センサシステムを使用して収差を計測することを含む、請求項14記載の方法。
  • プレミアム視力矯正スキームを選択する前記ステップが、二次非点収差及び四次球面収差のみの矯正を選択することを含む、請求項14又は15記載の方法。
  • プレミアム視力矯正スキームを選択する前記ステップが、二次非点収差及び四次球面収差に対する矯正を選択すること、ならびに四次非点収差、六次球面収差及び三次コマ収差からなる群より選択される少なくとも一つのさらなる同時矯正をさらに選択することを含む、請求項14又は15記載の方法。
  • 試験レンズを患者に提供すること、及び眼の上での前記試験レンズの回転を計測することをさらに含み、処方を発行する前記ステップが、前記収差の少なくとも一つに対する矯正を施された、前記計測された試験レンズ回転に対応するように回転させた少なくとも一つの光学ゾーンを処方することをさらに含む、請求項14〜17のいずれか記載の方法。
  • 試験レンズを患者に提供すること、及び眼の上での前記試験レンズの回転及び偏心を計測することをさらに含み、処方を発行する前記ステップが、前記収差の少なくとも一つに対する矯正を施された、前記計測された試験レンズ回転及び偏心に対応するように回転及び偏心させた少なくとも一つの光学ゾーンを処方することをさらに含む、請求項14〜17のいずれか記載の方法。
  • プレミアム視力矯正を施された眼科用レンズを製造する方法であって、
    眼における光学度数収差の二つないし五つを同時に矯正するためのプレミアム視力矯正スキームにしたがって選択される、眼科用レンズに含められる光学度数矯正を決定すること、及び 正密に実施された選択された矯正を施されたレンズを作製することを含む方法。
  • 光学度数矯正を決定する前記ステップが、二次非点収差及び四次球面収差のみの矯正を選択することを含む、請求項20記載の方法。
  • 光学度数矯正を決定する前記ステップが、二次非点収差及び四次球面収差に対する矯正を選択すること、ならびに四次非点収差、六次球面収差及び三次コマ収差からなる群より選択される少なくとも一つのさらなる同時矯正をさらに選択することを含む、請求項20記載の方法。
  • レンズを作製する前記ステップが、旋削可能なシリコンヒドロゲルから前記レンズを作製することを含む、請求項20記載の方法。
  • レンズを作製する前記ステップが、シングルポイントダイヤモンド切削システムを使用して前記レンズを作製することを含む、請求項20記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は一般に、眼科用レンズの分野に関し、より具体的には、眼の屈折面における収差を矯正して、高められた視及びコントラスト感度を提供することに関する。

    コンタクトレンズは、多くの異なるタイプの視覚障害を矯正するために広く使用されている、膜前面に装着される眼科用レンズである。 視覚障害としては、近視及び遠視のような欠陥、乱視ならびに普通は加齢に伴う近傍範囲視力の欠陥(老視)がある。 コンタクトレンズの後面が角膜にフィットし、反対側の前面が、視力を矯正するために光を屈折させるオプチカルゾーンを有する。

    乱視は、眼の屈折異常が経線依存性である場合に起こる。 これは普通、一つ以上の屈折面、もっとも一般的には角膜前面がトロイダル形状を有することによる。 また、一つ以上の面が横方向に変位又は傾斜していることによる場合もある。 乱視は通常、正乱視であり、それは、主(最大及び最小度数)経線が互いに対して垂直であることを意味する。 乱視の人はすべての距離で不鮮明な視覚を有するが、この問題は、乱視のタイプに依存して、遠見又は近見で悪化することがある。 これらの人々は、視覚的に厳しい作業に伴って眼の痛み及び頭痛を訴えることもある。

    乱視は、通常は一つの球面及び一つのトロイダル(球円柱)面を有するコンタクトレンズによって矯正することができる。 フォロプタのような従来の診断装置の限界のせいで、従来式に矯正される乱視性屈折異常は二次面又は波面関数であり、したがって、コンタクトレンズを用いる従来の乱視矯正は、眼の視線との整合に関して比較的不変性である。 しかし、矯正は眼の上でのレンズ回転に依存する。 そのため、乱視矯正のあるコンタクトレンズは、眼の上で所定の向きを維持するための配向構造を含む。

    現在の工業規格は、−0.75ジオプトリから始まる乱視矯正を備えたコンタクトレンズを提供することである。 一般には、一つ又は二つのさらなる円柱度数が0.5又は0.75ジオプトリのステップで提供される。 これらの矯正が、0.25ジオプトリ増分の球面度数矯正(近視又は遠視用)を有する一連のレンズに含められる。 一般的なパラメータ範囲は、10°増分よりも細かくない軸パラメータを含む。 患者は、これらの乱視矯正のうち、各眼の必要性にもっとも近く適合する矯正を有するレンズを処方される。 一般的に、0.75ジオプトリ未満の乱視性異常はコンタクトレンズでは矯正されない。 より正確な乱視矯正は実用的又は必要とは考えられてこなかった。

    人の眼は通常、二次非点収差に加えて、他にも多数くの収差を屈折面に有するが、そのような屈折異常は、軽い程度であれば、多くの場合、非症候性であるか、一般に寛容しうる視覚障害しか生じさせない。 技術における近年の改良、たとえば眼科用波面センサは、標準的な球円柱平均化屈折異常よりも高い解像度を提供するようになった。 一般的に、軸上光学系の屈折異常を表すためにはゼルニケ多項式が使用される。 ゼルニケ基底系は、全屈折異常のマップを正確に表すことができる。 最近まで、コンタクトレンズで矯正された、球以外の唯一のゼルニケモードが二次非点収差であった。 近年の努力は、ゼルニケ基底系を使用してコンタクトレンズをカスタマイズして特定の眼における計測しうる収差のすべてを同時に打ち消すことにより、最適な視力を提供しようとすることに関するものであったと考えられる。 しかし、高次収差の矯正は、眼の視線に対するコンタクトレンズの整合を要する。 加えて、得られるコンタクトレンズは、正確に製造することが非常にコスト高かつ困難である、きわめて複雑な面を有する。

    したがって、収差を矯正してプレミアム視力を提供するための、眼科用レンズに対する改良の必要性が存在することが理解される。 そのような改良こそが、本発明が第一に関するものである。

    概して、一つの態様で、本発明は、プレミアム視力の眼科用レンズ、たとえばコンタクトレンズを提供する。 レンズは、眼の屈折面における収差に対する光学度数矯正を施された屈折面を有する。 光学度数矯正は、ゼルニケモードとして表される選択された収差のみに対して同時矯正が実施されるプレミアム視力矯正スキームにしたがって実施される。 本明細書に記載される様々な例示的プレミアム視力矯正スキームはすべて、二次非点収差及び四次球面収差の矯正を含む。 好ましくは、矯正は、標準化ジオプトリ増分の代わりに、すべての異常を正確に打ち消すために正確に実施され、したがって、特定の眼に対してカスタマイズされる。 球面収差及び非点収差に対してそのような正密な矯正を施されたレンズは、有意に改善された視力及びコントラスト感度を提供する。 さらなる矯正、たとえば近視、遠視、老視又は非光学度数の矯正をレンズに含めることもできる。

    一つの例示的な実施態様で、レンズは、唯一の光学度数矯正が二次非点収差及び四次球面収差に対する矯正であるプレミアム視力矯正スキームに基づく矯正を有する。 他のものは、非点収差だけを矯正したか、眼に存在するすべての収差を矯正したが、この実施態様は、これらの二つの選択される収差のみを矯正し、それにもかかわらず、有意に高められた視質を実用的かつ費用効果的に提供する。

    他の実施態様では、レンズは、他のプレミアム視力矯正スキームに基づく矯正を有する。 これら他のスキームでは、光学度数矯正はさらに、四次非点収差、六次球面収差及び/又は三次コマ収差であることができる少なくとも一つのさらなる同時矯正を含む。 含められるプレミアム視力矯正スキームのいずれの下でも他の収差は矯正されない。

    もう一つの態様で、本発明は、プレミアム視力矯正を施された、カスタマイズされた眼科用レンズを処方する方法を提供する。 その方法は、まず、ゼルニケモードの収差として表される患者の眼の光学度数屈折収差を測定することを含む。 これは、フォロプタを使用して非点収差を計測し、関連データを使用して球面収差(及び他の高次収差)を推定することによって実施することができる。 しかし、好ましくは、これは、波面センサシステムを使用して検出可能なすべての収差を計測することによって実施される。

    処方の方法における次のステップは、少なくとも二つ、しかし好ましくは五つ以下の光学度数収差を同時に矯正するためのプレミアム視力矯正スキームの選択である。 本明細書に記載されるプレミアム視力矯正スキームのいずれを使用してもよく、選択は、特定の眼における収差のタイプ及び大きさ、患者の必要性ならびに費用の考慮に基づく。 そして最後に、方法は、選択された収差に対する正密な矯正を施されたレンズの処方を患者に発行することを含む。 処方の方法はまた、試験レンズを患者に提供するさらなるステップ及び次いで眼の上でのレンズの回転及び/又は偏心を計測するさらなるステップを含むこともできる。 そして、処方を発行する際、処方の方法は、計測された試験レンズの回転及び/又は偏心に対応するように回転及び/又は偏心させた収差に対する矯正を施された光学ゾーンを処方することを含むことができる。

    さらに別の態様で、本発明は、プレミアム視力矯正を施された眼科用レンズを製造する方法を提供する。 その方法は、本明細書に記載されるプレミアム視力矯正スキームのいずれかにしたがって選択される矯正により、眼科用レンズに含められる光学度数矯正を決定することを含む。 カスタマイズされた手法で、これは、本明細書における対応する方法で記載されるように、眼にカスタマイズされた正密な矯正を施されたカスタムレンズを処方することによって実施される。 次に、その方法は、正密に実施された選択された矯正を施されたレンズを作製することを含む。 これは、好ましくは、シングルポイントのダイヤモンド切削システムを使用して実施される。 加えて、レンズは、好ましくは、旋削可能なシリコンヒドロゲルから作製される。

    本発明のこれら及び他の態様、特徴及び利点は、図面及び本明細書の詳細な説明を参照して理解され、特許請求の範囲で特に指摘される様々な要素及び組み合わせによって実現されるであろう。 前述の概要説明ならびに以下の図面の簡単な説明及び発明の詳細な説明は、本発明の好ましい実施態様を例示し、説明するものであり、請求項に係わる発明を限定するものではないということが理解されよう。

    本発明の第一の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    5種類の試験レンズ(レンズ3が図1のプレミアム視力矯正スキームを含む)を装用した被験者の視力計測のグラフ表現である。

    5種類の試験レンズ(レンズ3が図1のプレミアム視力矯正スキームを含む)を装用した被験者のコントラスト感度計測のグラフ表現である。

    本発明の第二の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    本発明の第三の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    本発明の第四の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    本発明の第五の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    本発明の第六の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキームの選択されたモードを示す、ピラミッド状に配設されたゼルニケモードの図形表現である。

    本発明にしたがう例のプレミアム視力矯正スキームのいずれかで指定された矯正を有する屈折面を有する例のコンタクトレンズの側面図である。

    本発明にしたがうプレミアム視力矯正を施された眼科用レンズを処方する方法の流れ図である。

    本発明にしたがうプレミアム視力矯正を施された眼科用レンズを製造する方法の流れ図である。

    例示的実施態様の詳細な説明 本発明は、本開示の一部を形成する添付図面と関連させて以下の発明の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができる。 本発明は、本明細書に記載及び/又は図示される具体的な装置、方法、条件又はパラメータに限定されず、本明細書で使用される術語は、特定の実施態様を一例として説明するためのものであり、請求項に係わる発明を限定することを意図しないということが理解されよう。 また、文脈から明らかにそうではないことが指示されない限り、特許請求の範囲を含む明細書で使用される単数形は複数形をも含み、特定の数値の言及は少なくともその特定の数値を含む。 文脈から明らかにそうではないことが指示されない限り、方法はいずれも、記載された順序以外の順序で実施することもできる。 本明細書中、範囲は、「約」又は「おおよその」一つの特定の値からの範囲及び/又は「約」又は「おおよその」別の特定の値までの範囲として表すことができる。 このような範囲が表現される場合、別の実施態様は、その一つの特定の値からの範囲及び/又はその別の特定の値までの範囲を含む。 同様に、「約」の使用によって数値が近似値として表現される場合、特定の数値が別の実施態様を形成するということが理解されよう。

    断りない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。 一般に、本明細書で使用される専門用語及び製造手順は当技術分野で周知であり、一般に使用されている。 これらの手順には、当技術分野及び様々な一般的参考文献で提供されているような従来方法が使用される。

    本発明の詳細を説明する前に、背景説明をいくらか提供する。 図1は、ピラミッドの形に配設されたモードで、十次までのゼルニケモードを図形で示す。 ラジアル次数はより下に位置する行で順次増大し、角周波数はより外に位置する列で順次増大する。 表1は七次までのゼルニケ関数をリストする。


    一般に、図1の中央列の関数(たとえば表1のインデックス4、12など)は球面収差を表し、隣接する2列の関数(たとえばインデックス7、8、17、18など)はコマ収差を表し、次の外側2列の関数(たとえばインデックス3、5、11、13など)は非点収差を表し、その次の外側2列の関数(たとえばインデックス6、9、16、19など)はトレフォイル収差を表す。 収差のいくつか(インデックス0、1及び2)は光学度数関連ではなく、したがって、通常は矯正されない。 単一ゼルニケモードを指す場合、これは、収差セットの正(+)及び負(−)の角周波数成分の両方を含む。 たとえば、二次非点収差モードを指す場合、これは、インデックス3及び5を合わせて含むことを意図する。 この二インデックススキームは収差情報及び軸情報の両方を含む。

    上述したように、非点収差の矯正は、従来、ゼルニケモードインデックス3及び5であり、図1で参照番号10として参照される二次非点収差の矯正を意味するものであった。 そして、近視及び遠視の矯正は、焦点ずれを矯正することによって実施される。 焦点ずれは、軸対称ゼルニケインデックス4、12及び24で構成されるが、図1で参照番号8として参照されるゼルニケインデックス4が主要な球面度数成分であり、したがって、従来式に矯正される唯一のモードである。 非点収差項は、球円柱度数の代替表現の項としてのみ考慮される。 従来のフォロプタは、二次非点収差及び焦点ずれよりも高次の収差を計測することができない。 標準化非点収差矯正は−0.75ジオプトリ(「D」)で始まり、0.5D又は0.75Dのステップで増分し、したがって、提供される矯正は、眼の実際の非点収差の近似でしかない。

    次に、本発明の詳細に転じると、図1は、本発明の第一の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム14を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム14を提供された眼科用レンズは、二次非点収差10に対する矯正を四次球面収差12に対する矯正とともに有する。 好ましい結果のために、これらの矯正は、個々の眼にカスタマイズされ、近似(たとえば、標準化−1.5Dもしくは−0.75D矯正に「丸められた」非点収差又は0.25D増分でしかない球面矯正)ではなく、0.0D(たとえば、−0.45D非点収差及び−1.9D球面収差又は−0.96D非点収差及び−1.5D球面収差)に近づくように正密に実施される。 非点収差10及び球面収差12のためのこれらカスタマイズされた正密な矯正の組み合わせが、実用的かつ費用効果的に達成することができる、有意に高められた「プレミアム(高級な)」視力を提供する。

    プレミアム視力スキーム14の恩恵を実証する試験データが図2及び3に示されている。 この実験では、3名の被験者それぞれに5種類の異なるレンズを提供した。 レンズは、表2に示すジオプトリレベル(レンズ+眼)までの、各被験者のためにカスタマイズされた矯正を含むものであった。

    レンズ1及び5は、非点収差10に対する正確なカスタマイズされた矯正を含むが、球面収差12に対する矯正はほとんど又はまったく含まなかった。 レンズ3は、プレミアム視力スキーム14にしたがって、非点収差10及び球面収差12の両方に対する正密にカスタマイズされた矯正を含むものであった。 そして、レンズ2及び4は、非点収差10に対する正密にカスタマイズされた矯正及び球面収差12のための適度な矯正を含むものであった。

    本明細書で使用される「正密な」矯正とは、0.0Dに近づくように実施される矯正である。 現在の設備の限界のせいで、ぴったり0.0Dまでの矯正を反復可能かつ予測可能に実施することは未だ不可能である。 マイナス側での眼の調節能力のおかげで、0.0Dよりもマイナス側に誤差を偏らせることが一般に好ましい。 好ましい結果のためには、正密な矯正は、約−0.2D〜約+0.1Dの間で加えられる矯正である。 もっとも好ましい結果のためには、正密な矯正は、約−0.1D〜約+0.05Dの間で加えられる矯正である。

    被験者に関して、被験者のためにカスタマイズされた5種類のレンズそれぞれを装用したときの視力及びコントラスト感度を計測した。 試験結果が図2及び3にグラフで示されている。 図示するように、被験者に関して、プレミアム視力矯正スキーム14を施されたレンズ3を装用したとき、視力及びコントラスト感度は有意に改善した。 一般的な非矯正の成人の眼は、6mmの瞳孔径の場合で、約+1.0Dの球面収差を示す。 そして、−2.5Dの球面コンタクトレンズで矯正された一般的成人の眼は、6mmの瞳孔径の場合で、約+0.5Dの球面収差を示す。 したがって、レンズ5を装用したときの被験者の視覚の質は、一般的な非矯正の眼とほぼ同じであるか、わずかに劣るものであり、レンズ4を装用したときの視力は、多くの一般的な矯正眼とほぼ同じであった。 図から見てとれるように、レンズ3を装用した被験者は、レンズ5を装用したときに比べ、約25%高い視力及び約85%高いコントラスト感度を示した。 そして、レンズ3を装用した被験者は、レンズ4を装用したときに比べ、約11%高い視力及び約15%高いコントラスト感度を示した。

    一般に、試験データは、1.25D未満までの球面収差12に対する矯正は、非点収差10が0.25D未満まで矯正されない限り、認められる視覚的恩恵を提供しないということを示した。 一般的に、0.75D未満の非点収差10はコンタクトレンズによっては矯正されない。 しかし、試験データは、球面収差12を矯正する場合、非点収差モード10の正密な矯正が、高められた視力を実現するための前提条件であるということを示す。

    二次非点収差10に対する矯正を施されたレンズは、トロイダルレンズで一般に提供されるような、眼の上で所定の回転配向を維持するための配向構造を必要とする。 しかし、二次非点収差10に対する矯正を施されたレンズは、眼の視線への整合を要しない。 四次球面収差12は角成分を有さず、したがって、この矯正を施されたレンズは、眼の上で配向される必要もないし、眼の視線に整合される必要もない。 したがって、プレミアム視力矯正スキーム14を施されたレンズは、眼の上で所定の回転配向を維持するための配向構造を含むが、必ずしも眼の視線に整合される必要はない。 したがって、プレミアム視力矯正スキーム14を施されたレンズは、公知の作製技術を使用して簡単かつ経済的に製造することができる。 加えて、収差に対する矯正を施された光学ゾーンは、眼の視線に対するレンズの回転及び/又は偏心に対応するようにレンズ上で調節されることができる。

    加えて、各被験者は、矯正されなかったさらなる高次収差を有していたということが注目されるべきである。 高次及び/又は波数(回転方向の)の収差の矯正は一般に視力をさらに高めるとされるが、実験の結果は、大部分の高次及び/又は波数の収差のさらなる矯正は視力を有意には高めず、提供することが困難かつコスト高であるということを示唆する。 場合によっては、いくつかの高次及び/又は波数の収差の矯正が費用効果的恩恵を提供することができ、以下、これらを説明する。

    図4は、本発明の第二の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム114を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム114を提供された眼科用レンズは、第一の例の実施態様と同様、二次非点収差110に対する矯正を四次球面収差112に対する矯正とともに有する。 加えて、このプレミアム視力スキーム114には、四次非点収差116に対する矯正が含まれている。 多くの人たちにとって、このさらなる矯正は、認められる視力改善を提供せず、必要な追加コスト分の価値はない。 しかし、比較的大きな量の四次非点収差116(すなわち、ゼルニケ多項式における高い係数)を有する人の場合、これは、視力、特に夜間視力を認められる程度に高める(四次非点収差は瞳孔依存性である)。 四次非点収差116に対する矯正を加えても、この収差の次数及び波数(n=4、m=−2/+2)は、すでに矯正されている四次球面収差112の次数(n=4)及び二次非点収差110の周波数(m=−2/+2)以下であるため、レンズ作製が大幅に困難になることはない。 好ましい結果のためには、これらの矯正すべてが個々の眼にカスタマイズされ、0.0Dに近づくよう正密に実施される。

    図5は、本発明の第三の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム214を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム214を提供された眼科用レンズは、第一の例示的実施態様と同様、二次非点収差210に対する矯正を四次球面収差212に対する矯正とともに有する。 加えて、このプレミアム視力スキーム214には、六次球面収差218に対する矯正が含まれている。 多くの人たちにとって、このさらなる矯正は、認められる視力改善を提供せず、必要な追加コスト分の価値はない。 しかし、比較的大きな六次球面収差218を有する人の場合、これは、視力を認められる程度に高める。 球面収差218に対する矯正を加えても、これは六次関数ではあるが角成分を有しない(m=0)ため、レンズを複雑化しすぎることはない。 好ましい結果のためには、これらの矯正すべてが個々の眼にカスタマイズされ、0.0Dに近づくよう正密に実施される。

    図6は、本発明の第四の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム314を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム314を提供された眼科用レンズは、第一の例示的実施態様と同様、二次非点収差310に対する矯正を四次球面収差312に対する矯正とともに有する。 加えて、このプレミアム視力スキーム314には、四次非点収差316及び六次球面収差318に対する矯正が含まれている。 先に論じたように、多くの人たちにとって、このさらなる矯正は、認められる視力改善を提供せず、必要な追加コスト分の価値はない。 しかし、比較的大きな量の四次非点収差316及び球面収差318を有する人の場合、これは、得られるレンズを作製不可能にすることなく、視力を認められる程度に高める。 好ましい結果のためには、これらの矯正すべてが個々の眼にカスタマイズされ、0.0Dに近づくよう正密に実施される。

    図7は、本発明の第五の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム414を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム414を提供された眼科用レンズは、第一の例の実施態様と同様、二次非点収差410に対する矯正を四次球面収差412に対する矯正とともに有する。 加えて、このプレミアム視力スキーム414には、三次コマ収差420に対する矯正が含まれている。 多くの人たちにとって、このさらなる矯正は、認められる視力改善を提供せず、必要な追加コスト分の価値はない。 しかし、比較的大きな量の三次コマ収差420、特に平方向コマ収差を有する人の場合、これは、得られるレンズを作製不可能にすることなく、視力を認められる程度に高める。 好ましい結果のためには、これらの矯正すべてが個々の眼にカスタマイズされ、0.0Dに近づくよう正密に実施される。

    図8は、本発明の第六の例の実施態様にしたがうプレミアム視力矯正スキーム514を示す。 このプレミアム視力矯正スキーム514を提供された眼科用レンズは、第一の例の実施態様と同様、二次非点収差510に対する矯正を四次球面収差512に対する矯正とともに有する。 加えて、このプレミアム視力スキーム514には、四次非点収差516、六次球面収差518及び三次コマ収差520に対する矯正が含まれている。 この矯正スキーム514は、おそらく一般には使用されないであろうが、それでも、一部の個人にとって、視力を高めるために使用することができると考えられる。 好ましい結果のためには、これらの矯正すべてが個々の眼にカスタマイズされ、0.0Dに近づくよう正密に実施される。

    本明細書に記載される様々な例示的プレミアム視力矯正スキームそれぞれは、様々な方法で具現化することができる。 たとえば、上記のように、プレミアム視力矯正スキームは、トーリックコンタクトレンズとして、各レンズ40が、矯正を施された少なくとも一つの屈折面42を有するように具現化される(図9を参照)。 加えて、プレミアム視力矯正スキームは、同時視老眼用コンタクトレンズ、他のコンタクトレンズ又は眼内レンズをはじめとする他の眼科用レンズとして具現化することもできるし、レーザ屈折手術によって具現化することもできる。

    同時視老眼用レンズの場合、プレミアム視力矯正スキームは、視覚マージンを増すために遠見ゾーン(単数又は複数)に適用することができる。 さらなる累進ゾーン(単数又は複数)が度数プロファイルを変化させ、ひいては光学系伝達機能を変化させる。 上記実験からの試験データは、人の眼に一般的な低い空間周波数の球面収差が眼の焦点深度を増大させないということを示した。 したがって、同時視レンズの場合、老視眼のこの球面収差及び非点収差を0.25D未満に補正して、それによって視覚マージンを増すことが好ましい。 そして、高い空間周波数収差(累進ゾーン)及び視質を低下させることなく焦点深度を増すための収差に対する矯正を老視矯正のためのレンズに加えることができる。

    本発明のもう一つの実施態様では、プレミアム視力矯正を施されたカスタマイズされた眼科用レンズを処方する方法が提供される。 図10を参照すると、方法50は、眼の屈折異常を測定し、その異常(収差)をゼルニケモードとして表すステップ52を含む。 これは、適用されるプレミアム視力矯正スキームに依存して、様々な方法で実施することができる。 第一の例のプレミアム視力矯正スキーム14を適用する場合、従来のフォロプタを使用して二次非点収差10を計測することができ、四次球面収差12は、個人の年齢から、瞳孔収縮時と瞳孔散大時とでの自覚的屈折における差によって、又は他の関連データを使用して推定される。 非点収差計測をゼルニケモードに変換するためには、瞳孔径を知っておかなければならず、したがって、瞳孔カメラ又は同様な装置を使用しなければならないであろう。 また、従来のフォロプタは0.25D増分でしか計測せず、この手法には望ましくない。

    好ましくは、本明細書に記載されるプレミアム視力矯正スキームのいずれに関しても、眼の屈折異常は、当技術分野で公知である従来の眼科用波面センサ又は同等なシステムを使用する正密な計測によって測定される。 従来の波面センサは、第二ないし第六の例のプレミアム視力矯正スキームで矯正される高次収差を計測するように作動することができる。 一つの適当な波面センサシステムが、引用例として本明細書に取り込まれるWilliamsへの米国特許第5,777,719号に記載されており、もう一つの適当な波面センサシステムが、Bausch & Lomb社(米ニューヨーク州Rochester)によってブランド名ZYWAVEとして市販されている。 米国特許第5,777,719号のシステムは十次までのゼルニケモードを計測し、ZYWAVEシステムは五次までのゼルニケモードを計測する。 概して、波面センサ(たとえば、Shack-Hartmann波面センサ)を使用して眼の屈折異常を検出することができる。 波面センサは、細い円錐形の光をレーザダイオード又はLEDから網膜に投射し、屈折異常をゼルニカ指数に当てはまる。 網膜から出発して眼の光路を通過する理想的な波面が生成される。 波面は、眼を出るとき、センサによって解析されるための眼の収差の完全なマップを含む。 ひとたび波面がセンサによって受けられると、一連の複雑な解析が実施されて眼の光路の「完全な」描写が提供される。

    次に、ステップ54で、ゼルニケモードとして表された、矯正される特定の収差に関するプレミアム視力矯正スキームを選択する。 本明細書に記載されるプレミアム視力矯正スキームのいずれを使用してもよい。 矯正される唯一の収差が二次非点収差及び四次球面収差である第一の例のプレミアム視力矯正スキームが、多くの場合又は大部分の場合、求められるプレミアム視力を提供する。 四次非点収差、六次球面収差及び/又は三次コマ収差が比較的大きな量である場合、三次コマ収差が水平である場合及び/又は四次非点収差が比較的大きく、眼が比較的大きな瞳孔を有する場合には、第二ないし第八の例のプレミアム視力矯正スキームの一つを選択することができる。 あるいはまた、プレミアム視力矯正スキームの一つを通常使用のための標準として選択することもでき、その場合、眼の屈折異常の計測の前に、スキームを選択するステップを実施する。

    ステップ56で、プレミアム視力矯正スキームを施されたカスタマイズされたレンズを患者に処方する。 このステップ及び方法における他のステップは一般的に眼の専門家によって実施される。 その後、以下に記載するように、処方に基づいてカスタマイズされたレンズを作製する。

    加えて、処方方法はさらに、非点収差及びコマ収差に対する矯正を施された光学ゾーンの配向が患者のレンズの実際の配向に対応するようレンズの整合を調節することを含むことができる。 回転を防止し、眼の視線への整合を維持するための構造を備えたトーリックレンズでさえ、眼の上でレンズのわずかな量の動きがある。 たとえば、トーリックレンズが眼の上で最大50°回転する又は偏心することはまれではない。 これを考慮するため、その方法は、患者に試験レンズを提供するさらなるステップ及び次いで眼の上でのレンズの回転及び/又は偏心を計測するさらなるステップを含むことができる。 そして、処方を発行するとき、計測された試験レンズの回転及び/又は偏心に対応するように回転及び/又は偏心させた収差に対する矯正を施された光学ゾーンを処方することを含むことができる。 このようにして、処方にしたがって処方されたレンズ(試験レンズと同じタイプ)が製造されると、矯正を施された光学ゾーンは、より忠実に眼の収差と整合して、患者がプレミアム視力を感じることにさらに寄与する。

    本発明のさらに別の態様では、プレミアム視力矯正を施された眼科用レンズを製造する方法が提供される。 図11を参照すると、その方法60は、眼科用レンズに含められる矯正を決定するステップ62を含む。 一つの手法で、レンズは特定の個人にカスタマイズされ、このステップは、先に記載したレンズ処方方法50によって達成することができる。 もう一つの手法で、レンズは、より量産的の処方の場合には、標準化された矯正を加えた状態で製造することができ、また、低めの精度の矯正(たとえば0.1又は0.25D増分)を加えた状態で製造することもできる。 より量産的な処方は、履歴データに基づいて決定することもできるし、年齢及び他の関連要因に基づくデータを用いる集団の研究を実施することによって決定することもできる。

    次に、ステップ64で、これらの矯正を含むようにレンズを作製する。 レンズ作製は、当技術分野で公知の従来システムを使用して実施することができる。 好ましくは、レンズは、引用例として本明細書に取り込まれる、Novartis社によって所有される米国特許第7,111,938号に記載されているように、シングルポイントダイヤモンド切削システムを使用して作製される。 加えて、レンズは、好ましくは、旋削可能なシリコンヒドロゲルで作製される。

    したがって、本発明が従来の光学矯正技術に対して数多くの利点を提供するということが理解される。 有利には、本発明の一つの態様は、有意に高められた「プレミアム」視力を実用的かつ費用効果的に提供するために眼科用レンズとして具現化することができるプレミアム視力矯正スキームを提供する。 本発明の他の態様は、プレミアム視力矯正スキームの一つを使用して、有利には視覚的恩恵を最大限にしながらも量産的カスタマイズを可能にし、眼の視線へのレンズ整合に関してより大きな許容差を許す、カスタマイズされたレンズを処方し、作製する方法を提供する。

    好ましい例示的な実施態様を参照しながら本発明を説明したが、当業者には、多様な改変、追加及び削除が、以下の特許請求の範囲によって定められる発明の範囲に入るということが理解されよう。

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