手術用フェイスガード、手術用フレーム、手術用偏光シールド及び手術システム

申请号 JP2016552359 申请日 2016-01-14 公开(公告)号 JPWO2016125551A1 公开(公告)日 2017-11-16
申请人 ソニー株式会社; 发明人 一也 齊藤; 一也 齊藤; 智之 肥後; 智之 肥後; 中山 淳; 淳 中山;
摘要 【課題】医療行為時に3次元画像を安全に利用することが可能な、新規かつ改良された手術用フェイスガードを提供する。【解決手段】医療従事者の頭部に装着されるフレームと、少なくとも医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガードが提供される。
权利要求

医療従事者の頭部に装着されるフレームと、 少なくとも前記医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガード。前記偏光シールドは、前記フレームに着脱可能に設けられ、 前記フレームは、前記偏光シールドを前記フレームの右側部で固定する右固定部材及び前記偏光シールドを前記フレームの左側部で固定する左固定部材を備える、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドには、前記右固定部材の嵌合部と嵌合する右嵌合孔と、前記左固定部材の嵌合部と嵌合する左嵌合孔とが形成されており、 前記右嵌合孔と前記左嵌合孔とは異なる形状を有する、請求項2に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドは、3次元画像を3次元視可能にする偏光特性を有する3次元視用シールドである、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドは、3次元画像を2次元視可能にする偏光特性を有する2次元視用シールドである、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドには、偏光特性を示す識別マークが付されている、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記医療従事者の顔面と対向する前記偏光シールドの内面は、曇りを防止する曇り止めコーティングが施されている、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記医療従事者の顔面と対向する前記偏光シールドの内面と反対側の外面は、撥コーティングが施されている、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドに重畳される他のシールドをさらに備える、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記フレームは、右側部又は左側部から前記医療従事者の頭部と反対側に突出する突起部を有する、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記フレームは、滅菌処理に対して耐性を有する材質から形成されている、または滅菌処理に対して耐性を有する加工が施されている、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記偏光シールドは、前記医療従事者の顔前面の略全体を覆う、請求項1に記載の手術用フェイスガード。前記3次元画像は、患者の術部に関する内視鏡画像である、請求項1に記載の手術用フェイスガード。医療従事者の眼前に位置するフレーム前面部と、 前記フレーム前面部の右端から延びるフレーム右側部と、 前記フレーム前面部の左端から延びるフレーム左側部と、を備え、 前記フレーム右側部又は前記フレーム左側部は、前記医療従事者の頭部と反対側に突出する突起部を有する、手術用フレーム。前記フレーム右側部は、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドを固定する右固定部材の右嵌合部を有し、 前記フレーム左側部は、前記偏光シールドを固定する左固定部材の左嵌合部を有し、 前記右嵌合部と前記左嵌合部とは異なる形状を有する、請求項14に記載の手術用フレーム。3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光領域と、 医療従事者の頭部に装着されるフレームの右固定部材の嵌合部と嵌合する右嵌合孔と、 前記フレームの左固定部材の嵌合部と嵌合する左嵌合孔と、を備え、 前記右嵌合孔と前記左嵌合孔とは異なる形状を有する、手術用偏光シールド。3次元画像を表示する表示装置と、 医療従事者の頭部に装着されるフレームと、少なくとも前記医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガードと、からなる、手術システム。

说明书全文

本開示は、手術用フェイスガード、手術用フレーム、手術用偏光シールド及び手術システムに関する。

近年、医療現場において、手術中に内視鏡等の映像を3次元画像として表示装置に表示し、術者により分かりやすい映像を提供することが行われている。3次元画像は、例えば特許文献1に記載のように、術者が装着して使用する表示装置であるヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)を用いて、左眼用画像信号と右眼用画像信号とにずれを生じさせることで提示することができる。また、術者に3次元視可能な偏光特性を有する偏光眼鏡を装着させることで、術者の近くに設置されたモニタ等に表示された映像を3次元視させることもできる。

特開平08−240784号公報

特開2011−180265号公報

ここで、術者や看護師等の医療従事者は、術中等において、患者から飛散した血液や体液等が、身体、特に粘膜が露出している顔面に付着するのを防止するため、顔面を覆うフェイスシールドを装着して作業する。フェイスシールドは、装着者の視界を妨げないように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明のシート状部材から形成されている。このようなフェイスシールドを装着して作業する際に、偏光眼鏡を用いて3次元画像を3次元視する場合には、医療従事者は、偏光眼鏡を装着した上からフェイスシールドを装着することになる。

しかし、偏光眼鏡を装着した上から従来のフェイスシールドを装着すると、偏光がくずれてしまい、医療従事者は正常な3次元画像を視認することができなくなる。

そこで、本開示では、医療行為時に3次元画像を安全に利用することが可能な、新規かつ改良された手術用フェイスガード、手術用フレーム、手術用偏光シールド及び手術システムを提案する。

本開示によれば、医療従事者の頭部に装着されるフレームと、少なくとも医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガードが提供される。

また、本開示によれば、医療従事者の眼前に位置するフレーム前面部と、前記フレーム前面部の右端から延びるフレーム右側部と、前記フレーム前面部の左端から延びるフレーム左側部とを備え、前記フレーム右側部又は前記フレーム左側部は、前記医療従事者の頭部と反対側に突出する突起部を有する手術用フレームが提供される。

さらに、本開示によれば、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光領域と、医療従事者の頭部に装着されるフレームの右固定部材の嵌合部と嵌合する右嵌合孔と、前記フレームの左固定部材の嵌合部と嵌合する左嵌合孔とを備え、前記右嵌合孔と前記左嵌合孔とは異なる形状を有する、手術用偏光シールドが提供される。

また、本開示によれば、3次元画像を表示する表示装置と、医療従事者の頭部に装着されるフレームと、少なくとも医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガードと、からなる、手術システムが提供される。

以上説明したように本開示によれば、医療行為時に3次元画像を安全に利用することが可能となる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。

本開示の一実施形態に係る手術用フェイスガードを示す概略斜視図である。

同実施形態に係るフレームの斜視図である。

同実施形態に係るフレームの平面図である。

同実施形態に係るフレームの底面図である。

同実施形態に係るフレームの正面図である。

同実施形態に係るフレームの背面図である。

同実施形態に係るフレームの左側面図である。

同実施形態に係るフレームの右側面図である。

3次元視用シールドの一例を示す概略平面図である。

2次元視用シールドの一例を示す概略平面図である。

フレームとシールドとの間に形成される通気用の隙間を示す平面図である。

変更領域のないシールドの一例を示す概略平面図である。

顔面全体を覆うシールドの一例を示す概略平面図である。

以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

なお、説明は以下の順序で行うものとする。 1.手術用フェイスガードの概略構成 2.詳細構成 2.1.フレーム (1)フレーム本体部 (2)固定部材 2.2.シールド 3.シールドのバリエーション

<1.手術用フェイスガードの概略構成> まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る手術用フェイスガード1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る手術用フェイスガード1を示す概略斜視図である。

本実施形態に係る手術用フェイスガード(以下、「フェイスガード」ともいう。)1は、手術に際して術者や、内視鏡を操作するスコピストあるいは看護師といった手術介護者等の医療従事者が装着するものである。フェイスガード1は、図1に示すように、フレーム100と、フレーム100に支持されるシールド200とからなる。フレーム100は、シールド200を支持した状態で装着者に固定するための部材であり、例えば眼鏡型に形成されている。眼鏡型のフレーム100を装着すると、シールド200が装着者の眼の前の眼前部から顔側部の一部であるこめかみまでを覆うように位置する。

シールド200は、患者から飛散した血液や体液等が顔面に付着しないように、少なくとも眼前部及び顔側部の一部を覆う透明の部材である。眼前部のみならず、顔の横方向からの飛沫物が眼に入るのを防止するために、シールド200は顔側面まで覆う形状であるとより好ましい。シールド200は、衛生面上、滅菌処理可能な材質で形成されたり、ディスポーザブルとしたりする。本実施形態に係るフェイスガード1は、フレーム100に対してシールド200を着脱可能に構成されている。したがって、ディスポーザブルなシールド200も使用することが可能である。

また、本実施形態に係るシールド200は、偏光領域を有している。本実施形態に係るシールド200は、モニタ等に表示された3次元画像を、所定の表示状態で正しく見ることができるようにするため、所定の偏光特性を有する偏光領域が設けられている偏光シールドである。シールド200の偏光領域は、例えば、モニタ等に表示された3次元画像を3次元視させるための偏光特性を有する3次元視用偏光領域であったり、3次元画像を2次元視させるための偏光特性を有する2次元視用偏光領域であったりする。装着者は、3次元画像の所望の表示状態に応じて、対応する偏光領域を有するシールド200をフレーム100に取り付けることで、所望の表示状態で3次元画像をみることができる。

すなわち、本実施形態に係るシールド200は、フェイスガード1の装着者が患者からの飛沫物の付着を防止するとともに、3次元画像をみることのできる偏光眼鏡としての機能を有する。以下、本実施形態に係るフェイスガード1の構成について、詳細に説明していく。

<2.詳細構成> [2.1.フレーム] まず、図2〜図8に基づいて、本実施形態に係るフェイスガード1のフレーム100について説明する。なお、図2は、本実施形態に係るフレーム100の斜視図である。図3は、本実施形態に係るフレーム100の平面図である。図4は、本実施形態に係るフレーム100の底面図である。図5は、本実施形態に係るフレーム100の正面図である。図6は、本実施形態に係るフレーム100の背面図である。図7は、本実施形態に係るフレーム100の左側面図である。図8は、本実施形態に係るフレーム100の右側面図である。

本実施形態に係るフレーム100は、図2に示すように、眼鏡型のフレーム本体部110と、フレーム本体部110にシールド200を固定するための固定部材120とからなる。

(1)フレーム本体部 フレーム本体部110は、フェイスガード1の装着者の眼前に位置するフレーム前面部111と、フレーム前面部111から延び、装着者の左右のにかかるテンプル部113R、113Lとからなる。フレーム前面部111は、装着者の眼の上部側のみに設けることで、装着者の視界を妨げないようにすることができる。フレーム前面部111の中央部分には、装着者の鼻を両側から挟み、フレーム100を頭部に固定させるためのノーズパッド部112R、112Lが設けられている。

テンプル部113R、113Lは、フレーム本体部110に対して略垂直に延びるように設けられている。テンプル部113R、113Lは、例えばフレーム本体部110とヒンジにより接続して折り畳み可能に構成してもよく、フレーム本体部110と一体に形成してもよい。テンプル部113R、113Lには、シールド200を固定するための固定部材120R、120Lが設けられる。テンプル部113R、113Lには、固定部材120R、120Lの嵌合部127R、127Lと嵌合する固定孔114R、114Lが形成されている。

(2)固定部材 フレーム本体部110のテンプル部113R、113Lには、シールド200をフレーム本体部110に固定するための固定部材120R、120Lが設けられている。固定部材120R、120Lは、フレーム本体部110に固定されるシールド200の左右の端部を固定する位置に設けられ、例えば、フェイスガード1を装着した装着者のこめかみが位置する部分に設けられる。固定部材120R、120Lは、取付部121R、121Lと、つまみ部123R、123Lと、固定部125R、125Lと、嵌合部127R、127Lとからなる。

取付部121R、121Lは、フレーム本体部110のテンプル部113R、113Lに固定部材120R、120Lを取り付けるための部材である。取付部121R、121Lは、例えばテンプル部113R、113Lの外径と略同一の内径を有する環状に形成し、テンプル部113R、113Lを挿通させることでテンプル部113R、113Lに固定させてもよい。

つまみ部123R、123Lは、固定部材120R、120Lがテンプル部113R、113Lに固定された状態で、フェイスガード1の装着者の頭部と反対側に突出するように設けられる部材である。手術などの医療行為を行う際、医療従事者は消毒した手を滅菌されていないものに触れることはできない。このため、フェイスガード1の装着者は、他の作業者によってフェイスガード1を着脱してもらうこともある。この際、他の作業者が装着者に対してフェイスガード1を着脱させやすいように、フレーム本体部110につまみ部123R、123Lを設ける。他の作業者は、フレーム本体部110の左右からそれぞれ突出するつまみ部123R、123Lを持ち、フェイスガード1を着脱させる。

つまみ部123R、123Lの形状は、指でつまむことが可能であれば特に限定されるものではない。例えば図2に示すように、つまみ部123R、123Lは、突出した先端部の形状が円弧になった板状部材により形成してもよい。このとき、つまみ部123R、123Lの平坦面が上下方向(Z方向)を向くようにすることで、他の作業者はつまみ部123R、123Lを持ちやすくなるが、この平坦面の向きも特に限定されるものではない。つまみ部123R、123Lは、例えば、厚みを数mm程度の板状部材を、テンプル部113R、113Lから1〜2cm程度突出するように設けてもよい。

固定部125R、125Lは、シールド200をフレーム100に固定させるための部材である。固定部125R、125Lは、例えば図2に示すように、取付部121R、121Lの外面側から、テンプル部113R、113Lに沿って、フレーム前面部111側に延設される。固定部125R、125Lは、取付部121R、121Lとの接続部分を支点として、テンプル部113R、113Lに対して近接させたり離隔させたりすることができる。

固定部125R、125Lには、テンプル部113R、113Lと対向する面に、嵌合部127R、127Lが形成されている。嵌合部127R、127Lは、これに対応して形成された、テンプル部113R、113Lの固定孔114R、114L、及び、フレーム100に固定されるシールド200の嵌合孔(例えば図9の符号215R、215L)と嵌合する。テンプル部113R、113Lと固定部125R、125Lとの間にシールド200を挟んだ状態で、固定部125R、125Lの嵌合部127R、127Lをシールドの嵌合孔及びテンプル部113R、113Lの固定孔114R、114Lに嵌合させる。こうしてシールド200がフレーム100に固定される。

ここで、図3に示すように、右嵌合部127Rと左嵌合部127Lとは異なる形状を有する。すなわち、右嵌合部127Rの形状に対応して、シールド200の右嵌合孔及び右側のテンプル部113Rの固定孔114Rが形成される。同様に、左嵌合部127Lの形状に対応して、シールド200の左嵌合孔及び左側のテンプル部113Lの固定孔114Lが形成される。フレーム100に固定されるシールド200には、右眼に対応する領域と左眼に対応する領域とで異なる偏光特性を有しており、裏表を誤ってフレーム100に固定させると、装着者に対して正しい画像を提供することができなくなる。そこで、右嵌合部127Rと左嵌合部127Lとの形状を相違させることで、シールド200の正しい取り付け向きを装着者(あるいは他の作業者)に示すことができ、シールド200を正しい裏表状態で取り付させることができる。

本実施形態においては、右嵌合部127Rは横長形状の突起であり、左嵌合部127Lは縦長形状の突起である。なお、右嵌合部127R及び左嵌合部127Lの形状は、かかる例に限定されず、右嵌合部127Rの形状と左嵌合部127Lの形状とが異なればよい。なお、本開示では、シールド200をフレーム100に正しく取り付けようとしたときに、シールド200の左右の嵌合孔が、対応する固定部材120R、120Lの嵌合部127R、127Lとのみ嵌合するように構成されていればよい。このような嵌合部127R、127Lと嵌合孔との関係は、形自体が合同であっても、向きが異なっていれば成り立つ。これより、本開示では、右嵌合部127R及び左嵌合部127Lの形自体は合同であるが向きが異なるものも、左右の嵌合部127R、127Lの形状が異なるものに含まれる。

以上説明した本実施形態に係るフレーム100は、滅菌処理に耐性のある材質から構成されている。例えば、PC(ポリカーボネート)やエラストマー樹脂等からなる。あるいは、フレーム100の表面を滅菌処理に耐性を有するような加工を施すようにしてもよい。これにより、フレーム100は滅菌処理を行うことで繰り返し使用することも可能となる。

[2.2.シールド] 次に、図9及び図10に基づいて、本実施形態に係るシールド200について説明する。図9は、3次元視用シールド200Aの一例を示す概略平面図である。図10は、2次元視用シールド200Bの一例を示す概略平面図である。

本実施形態に係るシールド200は、フェイスガード1の少なくとも装着者の眼前部及び顔側部の一部を覆う透明の保護部材であり、かつ、偏光特性を有する偏光シールドである。本実施形態に係るシールド200として、例えば3次元視用シールド200Aや2次元視用シールド200B等がある。

3次元視用シールド200Aと2次元視用シールド200Bとは、図9及び図10に示すように、同一の外形に形成してもよい。図9に基づき、3次元視用シールド200Aの形状について説明すると、3次元視用シールド200Aは1枚のシート状部材から形成されている。シールド200Aは、少なくとも装着者の眼前部及び顔側部の一部を覆うサイズに形成され、図9に示すように、眼前部を覆う部分には、その平方向の中央下部に、装着者の鼻を逃すための切り欠き部211を設けてもよい。

シールド200Aの水平方向の両端部には、フレーム100に固定するための嵌合孔215R、215Lが形成されている。嵌合孔215R、215Lは、フレーム100の固定部材120R、120Lに設けられた嵌合部127R、127Lの形状に対応した開口形状を有する。したがって、右嵌合孔215Rと左嵌合孔215Lとは異なる形状を有している。装着者(あるいは他の作業者)は、フレーム100の固定部材120R、120Lの嵌合部127R、127Lの形状に合うようにシールド200の位置を合わせることで、フレーム100に対してシールド200の表裏を正しく設けるようにすることができる。

また、シールド200Aの水平方向の両端部に、固定部材120R、120Lの取付部121R、121Lに咬み込む咬込部213R、213Lを形成してもよい。これにより、取付部121R、121Lにシールド200が引っ掛かるようになり、フレーム110からシールド200を外れにくくすることができる。

シールド200Aは、装着者の視界を妨げないように、例えばPC(ポリカーボネート)やTAC(トリアセチルセルロース)等の透明のシート状部材から形成されている。本実施形態に係る3次元視用シールド200Aは、外部のモニタ等に表示された3次元画像を3次元視可能とするための偏光特性を有する偏光領域210を有する。偏光領域210は、フェイスガード1の装着者の右眼に対応する右眼偏光領域210Rと、左眼に対応する左眼偏光領域210Lとからなる。本実施形態に係る3次元視用シールド200Aは、右眼偏光領域210Rと左眼偏光領域210Lとで継ぎ目のない一体となったフィルムから形成される。

3次元視用シールド200Aは、フレーム100に取り付けられて図1に示すようなフェイスガード1を構成する。このように、3次元視用シールド200Aを備えたフェイスガード1を装着することで、装着者は、患者からの飛沫物の付着を防止するとともに、3次元画像を見ることもできるようになる。これらの機能を一体化することで、従来のように、3次元画像を3次元視するために偏光眼鏡を装着した上にフェイスガードを装着することで偏光が崩れてしまうこともなくなり、装着者は正常な3次元画像を見ることができるようになる。

一方で、3次元画像を3次元画像ではなく2次元画像として見たい場合には、3次元ン画像を2次元視可能とするための偏光特性を有する2次元視用シールド200Bをフレーム100に取り付けたフェイスガード1を使用すればよい。2次元視用シールド200Bは、フェイスガード1の装着者の右眼に対応する右眼偏光領域220Rと、左眼に対応する左眼偏光領域220Lとからなる偏光領域220を備える。この偏光領域220を介して3次元画像を見ることで、3次元画像ではなく2次元画像として見ることができる。特に、看護師等の頻繁に移動する作業者にとっては、3次元画像によるいわゆる3D酔いを引き起こすことがある。これを防止するために、この作業者は3次元画像を2次元画像として見ることが望ましい。これにより作業者は3D酔いを起こすことなく、正確かつ安全に作業を行うことができるようになる。

2次元視用シールド200Bは、図10に示すように、外形は3次元視用シールド200Aと同一に形成してもよい。この場合、3次元視用シールド200Aと2次元視用シールド200Bとは、外形は同一であるが、それぞれの偏光特性は異なる。しかし、偏光領域210、220の違いは見た目で区別するのは困難である。そこで、本実施形態に係る3次元視用シールド200A及び2次元視用シールド200Bには、それぞれの偏光特性と示す識別マーク217、227を設けている。

識別マーク217、227は、例えば印字によりシールド200A、200Bに付される。例えば、3次元視用シールド200Aには、図9に示すように、左嵌合孔215Lの上部に「3D」との文字が識別マーク217として付されている。また、2次元視用シールド200Bには、図10に示すように、左嵌合孔225Lの上部に「2D」との文字が識別マーク227として付されている。このように、識別マーク217、227を設けることで、所望の偏光特性を有するシールド200をフレーム100に誤ることなく取り付けることができる。

なお、識別マーク217、227は、図9及び図10に示したように、シールド200自体に印字してもよく、あるいは、シールド200の使用前にシールドを保護するために貼り付けられている保護フィルム(図示せず。)に識別マークを設けてもよい。シールド200自体に識別マーク217、227を設ける場合には、フェイスガード1として使用時に装着者の視界を妨げないように、視界に入り難い位置に設けるのがよい。一方、シールド200の保護フィルムに識別マークを設ける場合には、当該保護フィルムは使用時にシールド200から剥離されるため、使用時に装着者の視界を妨げることがない。

また、識別マークは、図9及び図10に示したように、「3D」、「2D」といった文字であってもよく、偏光特性に応じて異なる記号等であってもよい。さらに、識別マークを設ける位置を固定することで、シールド200の表裏の識別をより確実に提示することができる。例えば、図9及び図10に示したように、識別マーク217、227を常に左嵌合孔215Lの上部に設けるようにすることで、フレーム100に対して識別マーク217、227が左側に位置するようにシールド200を設ければ、表裏も正しく配置させることができる。

さらに、これらのシールド200に対して、装着者の顔面と対向する側の面(内面)に、曇りを防止する曇り止めコーティングを施してもよい。装着者の顔面とシールド200との間には呼吸等により蒸気が籠りやすい。この蒸気によってシールド200が曇ると、装着者の視界が遮られてしまう。そこで、装着者の顔面と対向する側の面(内面)に曇り止めコーティングを施すことで、装着者が安全に医療行為を行うことができるようにすることができる。

また、本実施形態に係るシールド200を、図11に示すように、フレーム100に取り付けられた際、フレーム前面部111とシールド200との間に隙間Sが形成されるような形状としてもよい。例えば、シールド200の水平方向の長さを、フレーム本体部110の左右の固定部材120R、120L間の長さより長くする。これにより、固定部材120R、120Lによって両端部が固定された際に、シールド200が湾曲し、フレーム前面部111とシールド200との間に隙間Sが形成される。この隙間Sを設けることで、装着者の顔面とシールド200との間の通気性を向上させることができ、シールド200を曇りにくくすることができる。

さらに、シールド200に対して、装着者の顔面と対向する側の面と反対側の面(外面)に、撥水コーティングを施してもよい。外部から飛散してきた液体等がシールド200に付着したままであると装着者の視界を妨げてしまう。そこで、シールド200の外面に撥水コーディングを施すことで、飛散物によりシールド200の視界が妨げられないようにすることができる。また、シールド200に対して、照明等の眩しさをカットするための防眩加工を施してもよい。

以上、本実施形態に係るフェイスガード1について説明した。本実施形態では、3次元画像に対して所定の偏光特性を有するシールド200をフレーム100に取り付けてフェイスガード1を構成する。これにより、フェイスガード1を装着することで、患者からの飛沫物の付着を防止するとともに、例えば、3次元画像を3次元視することもできる。これらの機能を一体化することで、従来のように、3次元画像を3次元視するために偏光眼鏡を装着した上にフェイスガードを装着することで偏光が崩れてしまうこともなくなり、装着者は正常な3次元画像を見ることができるようになる。また、看護師等の頻繁に移動する作業者にとっては2次元視のフェイスガードを使用することで3次元視による3D酔いを回避でき、正確かつ安全に作業を行うことができるようになる。

このようなフェイスガード1と、3次元画像を提供するモニタとから構成される手術システムは、内視鏡手術において内視鏡映像を3次元視する場合等に用いられる。その他、歯科医療や眼科医療における処置を行う際にも、このような3次元画像を提供する手術システムを適用することができる。

<3.シールドのバリエーション> 上述のフェイスガード1のシールド200は所定の偏光特性を有する偏光領域を備えていたが、本開示はかかる例に限定されない。例えば図2〜図8に示したフレーム100に、偏光領域のない通常のシールドを取り付けてもよい。この場合にも、例えば図12に示すように、フレーム100の固定部材120の嵌合部127R、127Lの形状に対応して、シールド200Cの嵌合孔235R、235Lの形状を異なるようにする。

上述したように、シールド200は、内側に曇り止めコーディングが施され、外側に撥水コーティングが施されたりするため、フレーム100に対して裏表を正しく取り付ける必要がある。そこで、シールド200Cの嵌合孔235R、235Lの形状を相違させることで、シールド200Cの裏表の逆付けを防止することができる。

また、上述の例では、シールド200A〜200Cは、少なくとも装着者の眼前部及び顔側部の一部を覆うものであったが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、図13に示すように、上下の長さを長くして、顔前部の略全体と顔側部の一部とを覆うシールド200Dとしてもよい。顔面を広範囲に覆うシールド200Dを用いることで、眼のみならず、鼻や口といった粘膜が露出している部位も保護することが可能となる。

このような外形のシールド200Dにおいても、図9及び図10と同様、偏光領域を設けて、3次元画像を所望の表示状態で見ることができるように構成してもよい。また、上述の例と同様に、フレーム100の固定部材120の嵌合部127R、127Lの形状に対応して、シールド200Dの嵌合孔245R、245Lの形状を異なるようにすることで、シールド200Dの裏表の逆付けを防止することができる。

以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。

例えば、上記実施形態では、手術用フェイスガード1のシールド200はフレーム100から着脱可能とし、ディスポーザブルな部材として説明としたが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、シールド200はフレーム100に固定されていてもよい。この場合、シールド200も滅菌処理可能な材質から形成されるか、滅菌処理可能に加工される。

また、上記実施形態では、フレーム100に対して1つのシールド200のみを取り付けてフェイスガード1を構成したが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、複数のシールドを重ねた状態で、フレーム100に取り付けて使用してもよい。例えば、偏光特性を有するシールドに低反射シールドを重ねて、フレーム100に取り付け、フェイスガード1を構成してもよい。

さらに、上記実施形態では、フレーム100は眼鏡型のフレームであったが、本開示はかかる例に限定されない。例えばヘッドバンドのように額に装着させるものであってもよい。

また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。

なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。(1) 医療従事者の頭部に装着されるフレームと、 少なくとも前記医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガード。(2) 前記偏光シールドは、前記フレームに着脱可能に設けられ、 前記フレームは、前記偏光シールドを前記フレームの右側部で固定する右固定部材及び前記偏光シールドを前記フレームの左側部で固定する左固定部材を備える、前記(1)に記載の手術用フェイスガード。(3) 前記偏光シールドには、前記右固定部材の嵌合部と嵌合する右嵌合孔と、前記左固定部材の嵌合部と嵌合する左嵌合孔とが形成されており、 前記右嵌合孔と前記左嵌合孔とは異なる形状を有する、前記(2)に記載の手術用フェイスガード。(4) 前記偏光シールドは、3次元画像を3次元視可能にする偏光特性を有する3次元視用シールドである、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(5) 前記偏光シールドは、3次元画像を2次元視可能にする偏光特性を有する2次元視用シールドである、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(6) 前記偏光シールドには、偏光特性を示す識別マークが付されている、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(7) 前記医療従事者の顔面と対向する前記偏光シールドの内面は、曇りを防止する曇り止めコーティングが施されている、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(8) 前記医療従事者の顔面と対向する前記偏光シールドの内面と反対側の外面は、撥水コーティングが施されている、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(9) 前記偏光シールドに重畳される他のシールドをさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(10) 前記フレームは、右側部又は左側部から前記医療従事者の頭部と反対側に突出する突起部を有する、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(11) 前記フレームは、滅菌処理に対して耐性を有する材質から形成されている、または滅菌処理に対して耐性を有する加工が施されている、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(12) 前記偏光シールドは、前記医療従事者の顔前面の略全体を覆う、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の手術用フェイスガード。(13) 前記3次元画像は、患者の術部に関する内視鏡画像である、前記(1)〜(12)に記載の手術用フェイスガード。(14) 医療従事者の眼前に位置するフレーム前面部と、 前記フレーム前面部の右端から延びるフレーム右側部と、 前記フレーム前面部の左端から延びるフレーム左側部とを備え、 前記フレーム右側部又は前記フレーム左側部は、前記医療従事者の頭部と反対側に突出する突起部を有する、手術用フレーム。(15) 前記フレーム右側部は、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドを固定する右固定部材の右嵌合部を有し、 前記フレーム左側部は、前記偏光シールドを固定する左固定部材の左嵌合部を有し、 前記右嵌合部と前記左嵌合部とは異なる形状を有する、前記(14)に記載の手術用フレーム。(16) 3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光領域と、 医療従事者の頭部に装着されるフレームの右固定部材の嵌合部と嵌合する右嵌合孔と、 前記フレームの左固定部材の嵌合部と嵌合する左嵌合孔と、を備え、 前記右嵌合孔と前記左嵌合孔とは異なる形状を有する、手術用偏光シールド。(17) 3次元画像を表示する表示装置と、 医療従事者の頭部に装着されるフレームと、少なくとも前記医療従事者の眼前部と顔側面の一部とを覆い、3次元画像に対して所定の偏光特性を有する偏光シールドと、からなる、手術用フェイスガードと、からなる、手術システム。

1 手術用フェイスガード 100 フレーム 110 フレーム本体部 111 フレーム前面部 112R、112L ノーズパッド部 113R、113L テンプル部 114R、114L 固定孔 120R、120L 固定部材 121R、121L 取付部 123R、123L つまみ部 125R、125L 固定部 127L 左嵌合部 127R 右嵌合部 200 シールド 210、220 偏光領域 210L、220L 左眼偏光領域 210R、220R 右眼偏光領域 211 切り欠き部 213R、213L 咬込部 215L 左嵌合孔 215R 右嵌合孔 217、227 識別マーク

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