【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡を耳の部分に掛ける為の眼鏡つるを伸縮可能とした構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、眼鏡つるを折り畳み可能としたり、伸縮可能とした技術は公知とされているのである。 例えば、実開平4−33017号公報に記載の技術の如くである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術は、眼鏡を使用しない場合に、小型に折り畳む為の構成であり、使用する際において、眼鏡がずれないように、また眼鏡つるが側頭の部分に密着してずれないようにする為の技術では無かったのである。 本発明は、眼鏡を掛ける際において、眼鏡つるが長すぎたり、幅が広すぎたりして、常時ガタガタの状態で、ずり落ちやすくなるという不具合を解消するものであり、掛けた状態で、 眼鏡つるが耳に伸縮バネにより軽くバネ付勢された状態で引っ掛かるようになり、また、開閉バネの力で、側頭部に眼鏡つるが接当された状態で、違和感無くフィットするように構成したものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。 請求項1においては、眼鏡つるAを伸縮つる1と回動つる2と基部つる3により構成し、回動つる2と伸縮つる1を重複させて、伸縮つる1を伸縮自在として、両者の重複部分に伸縮バネ8を介装させたものである。 請求項2においては、請求項1記載の回動つる2を筒状に構成し、回動つる2と重複する伸縮つる1を回動つる2の筒の内部にて摺動可能に重複させたものである。 請求項3においては、請求項2記載の回動つる2を角筒体により構成し、該回動つる2の内部で摺動する伸縮つる1を角軸体に構成したものである。 【0005】請求項4においては、眼鏡つるAを伸縮つる1と回動つる2と基部つる3により構成し、回動つる2と伸縮つる1を重複させて、伸縮つる1を伸縮自在として、両者の重複部分に伸縮バネ8を介装させ、更に基部つる3から回動つる2の方向に突出した回動伸縮杆4 を設け、該回動つる2と回動伸縮杆4とを重複させて、 回動つる2と回動伸縮杆4との間に、回動バネ9を介装したものである。 請求項5においては、請求項4記載の回動つる2を筒状に構成し、回動つる2と重複する伸縮つる1と回動伸縮杆4を回動つる2の筒の内部にて摺動可能に重複させたものである。 請求項6においては、請求項5記載の回動つる2を角筒体により構成し、該回動つる2の内部で摺動する伸縮つる1と回動伸縮杆4を角軸体に構成したものである。 請求項7においては、請求項4記載の眼鏡つるAにおいて、回動つる2と重複配置した伸縮つる1と回動伸縮杆4の端部を、回動つる2に重複した位置で接当させて、回動つる2と伸縮つる1の縮小状態のストッパーとしたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。 図1は本発明の眼鏡つるAを具備した眼鏡の斜視図、図2は本発明の眼鏡つるAを伸縮したり、外側に開拡回動した状態を示す斜視図、図3は伸縮つる1と回動つる2と基部つる3の部分の平面断面図、図4は同じく本発明の眼鏡つるAの側面断面図、図5は基部つる3と回動枢支軸6と回動伸縮杆4と回動つる2の部分の拡大平面断面図、図6は同じく回動枢支軸6と回動伸縮杆4 と回動つる2の部分の拡大側面断面図、図7は回動つる2の部分の右側面図と正面図と背面図、図8は、回動つる2の伸縮つる1の側を閉鎖する蓋体10の右側面図と正面図と背面図、図9は基部つる3に回動枢支軸6にて枢支する回動ガイド杆5の平面図と正面図と背面図と側面図、図10は基部つる3の平面図と正面図と側面図、 図11は摺動ガイドクリップ7の斜視図である。 【0007】図1と図2において、本発明の眼鏡つるを具備した眼鏡の構成について説明する。 従来の眼鏡において、眼鏡を収納する場合に邪魔にならないように、眼鏡つるを折り畳む技術は公知とされている。 また眼鏡を掛ける場合において、掛けやすいように、また掛けた状態で眼鏡つるが側頭部を押圧しないように、眼鏡つるの部分を外側に回動させる技術は公知とされていたのである。 本発明は、眼鏡つるAの開拡回動に加えて、伸縮つる1の部分を伸縮可能にしたものである。 従来はこのように伸縮つる1と回動つる2に分けて構成し、伸縮バネ8を介装した技術が無かったのは、該眼鏡つるAの部分は細く構成する必要があり、該部分を重複構成として、 間に伸縮バネ8を介装すると、眼鏡つるが大きくかつ太くなってしまうので、この技術が不可能であったのである。 【0008】本発明においては、細い眼鏡つるAを伸縮つる1と回動つる2の重複状態に構成し、内部に伸縮バネ8を介装して、開拡回動と伸縮の両方を可能としたものである。 眼鏡フレーム11の内部に眼鏡レンズ12が嵌入されている。 そして、眼鏡フレーム11の左右端部に、基部つる3が固定されている。 該基部つる3は図3 ・図4・図5・図6に示す如く、直角に曲がる円弧部を構成し、一端が眼鏡フレーム11に固定され、他端が眼鏡つるAに連結されている。 【0009】基部つる3が回動つる2と連結される部分には回動枢支軸6を設け、該回動枢支軸6により、基部つる3と回動ガイド杆5とを枢支連結しているのである。 図10に基部つる3の構成が詳細に図示されている。 即ち、基部つる3の回動枢支軸6を挿入する部分には、軸挿入孔3aが穿設されており、また正面視で『コ』の字型に構成した回動ガイド杆嵌入溝3bが設けられている。 【0010】回動ガイド杆5の構成は、図9において詳細な構成が図示されている。 該回動ガイド杆5の先端に枢支孔5aに回動枢支軸6が嵌入される。 また回動ガイド杆5の嵌挿部5bが前述の回動ガイド杆嵌入溝3bに嵌装されて、回動枢支軸6により、回動ガイド杆5と基部つる3が枢結された構成となっている。 また該回動ガイド杆5には、基部つる3と逆の側の端部に、回動伸縮杆4を螺装する螺装部5cを穿設している。 同様に図5 ・図6の如く、回動伸縮杆4の端部に雄螺子部4aが構成されている。 【0011】該回動ガイド杆5の螺装部5cに、回動伸縮杆4の雄螺子部4aを介装する際に、回動伸縮杆4のバネ受接当部4bと回動ガイド杆5との間に、回動付勢バネ9と摺動ガイドクリップ7を介装している。 該摺動ガイドクリップ7は、回動付勢バネ9の回動ガイド杆5 の側のバネ受接当部を兼用し、かつ回動伸縮杆4の摺動ガイド体を構成し、更に、回動伸縮杆4と伸縮つる1 が、回動つる2から抜け出るのを止める係止クリップの役目をしている。 【0012】該摺動ガイドクリップ7は、図11に示す如く、挿入筒部7aと開拡係止部7bにより構成されており、回動つる2の摺動角孔2bに挿入される場合に開拡係止部7bは窄んだ状態となって挿入が可能となるが、回動つる2の内部の摺動ガイドクリップ7の係止凹部2aに至ると、開拡係止部7bの部分が弾力性により開いて、抜け出しを不能とするのである。 該回動つる2 の内部には、先に伸縮つる1を挿入し、同時に回動伸縮杆4と摺動ガイドクリップ7を挿入することにより、伸縮つる1と回動伸縮杆4の抜け止め構成を、該摺動ガイドクリップ7により行っているのである。 【0013】そして、回動伸縮杆4と回動ガイド杆5は基部つる3と一体的に回動枢支軸6で枢支されており、 回動伸縮杆4と回動ガイド杆5と基部つる3の長さは変化しないが、該回動伸縮杆4と回動ガイド杆5の外周の回動つる2の部分が、回動付勢バネ9を撓ませることにより、摺動が可能となっているのである。 この構成により、回動つる2の部分を、回動枢支軸6を中心に回動すると、回動中心基部2cが基部つる3の回動中心接当部3cに接当した状態で、外側に回動し、回動中心接当部3cと回動枢支軸6の中心との偏心距離の分だけ、回動つる2と回動ガイド杆5の間に齟齬状態が発生するが、 この齟齬状態を、回動伸縮杆4と回動ガイド杆5が、回動つる2の内部で回動付勢バネ9に抗して摺動することにより吸収しているのである。 【0014】そして、回動つる2の回動中心基部2cを中心とする回動力の付勢を止めると、前記回動付勢バネ9の付勢力により、回動伸縮杆4と回動ガイド杆5と、 回動つる2の姿勢が元にもどり、回動つる2のストッパー端部2dが、回動ガイド杆5のストッパー端部5d と、基部つる3のストッパー端部3dに接当することにより、基部つる3と回動つる2とが直線状態となった元の位置で固定されるのである。 【0015】次に、回動つる2の摺動角孔2b内への、 伸縮つる1の挿入状態を説明する。 該摺動角孔2bが角孔に構成されているので、回動伸縮杆4のバネ受接当部4bの部分も、伸縮つる1のバネ受接当部1bの部分も角体に構成されている。 そして、該バネ受接当部1bと蓋体10との間に、伸縮付勢バネ8が介装されている。 該伸縮つる1を引っ張ると、伸縮付勢バネ8が縮小されることにより、この長さの変化を吸収し、バネ受接当部1bの部分がバネ受接当部4bとの接当状態を離れて、 摺動し伸長されるのである。 伸縮つる1の端部に耳に掛けるフック部1aが接着剤により組立の最後に接合される。 【0016】該伸縮つる1のバネ受接当部1bの部分と、回動伸縮杆4のバネ受接当部4bの部分は、接当されており、該伸縮つる1の伸縮付勢バネ8による付勢力のストッパーをバネ受接当部4bが兼用しているので、 回動つる2を開拡回動して、回動つる2とバネ受接当部4bの位置関係がずれて、バネ受接当部4bが回動ガイド杆5の方向に摺動した場合には、伸縮つる1もバネ受接当部1bの部分が、バネ受接当部4bに追随することにより、摺動移動するのである。 【0017】該回動つる2と蓋体10とは別に構成しており、後に溶接等で一体化している。 このように、回動つる2と蓋体10とを別に構成して、後に一体化しているのは、回動つる2が角筒であり、内部に摺動角孔2b が開口されており、蓋体10には丸棒により構成された、伸縮つる1を摺動自在にガイドする丸孔10aを穿設する必要があるので、加工上、回動つる2と蓋体10 を一体にするとこのような加工が複雑となるので、別体に構成し、後に一体化したものである。 【0018】以上のように、回動つる2と蓋体10を一体化して構成した角筒内に、伸縮つる1と回動つる2と回動ガイド杆5と伸縮付勢バネ8と回動付勢バネ9を嵌装して組み立てる必要があるが、これらの組立は、回動つる2の基部つる3の側の角孔開口部から、全て挿入すべく構成している。 【0019】即ち、伸縮つる1はフック部1aを取り付ける前の直線的な棒状の状態で、該伸縮つる1の外周に伸縮付勢バネ8を嵌装した状態で、回動つる2の基部つる3の側の開口から挿入し、次に、回動伸縮杆4の外周に回動付勢バネ9と摺動ガイドクリップ7を嵌装し、回動ガイド杆5に螺装したアッセンブリーをそのまま、回動つる2の基部つる3の側の開口から挿入して、摺動ガイドクリップ7が係止凹部2aに嵌入して係止された状態でこの回動つる2と伸縮つる1と回動伸縮杆4と回動ガイド杆5の組立が終了するのである。 そして、最後に伸縮つる1の端部にフック部1aを接着剤により結合している。 最後に、回動ガイド杆5の枢支孔5aの部分を、基部つる3の軸挿入孔3aの部分と重複させて、回動枢支軸6を挿入固定することにより、全ての組立が終了する。 【0020】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。 請求項1の如く、眼鏡つるAを、伸縮つる1と回動つる2と基部つる3により構成し、回動つる2と伸縮つる1を重複させて、伸縮つる1を伸縮自在とし、両者の重複部分に伸縮バネ8を介装させたので、顔面と耳との間の距離が、人それぞれにおいて相違する場合に、この距離の相違を、該伸縮つる1 の部分で吸収することが出来るので、だれが掛けても眼鏡つるAの部分が耳にフィットし、眼鏡がずれ落ちることか無くなったのである。 【0021】請求項2の如く、回動つる2を筒状に構成し、回動つる2と重複する伸縮つる1を、回動つる2の筒の内部にて摺動可能に重複させたので、伸縮つる1と回動つる2の2本を二重軸構成とすることが出来、眼鏡つるAを太くすることなく、眼鏡つるAの伸縮可能構成を細いつるのままで構成することが出来たのである。 【0022】請求項3の如く、回動つる2を角筒体により構成し、該回動つる2の内部で摺動する伸縮つる1を角軸体に構成したので、回動つる2と伸縮つる1との間の軸心方向の位置関係を、角筒と角体により常時一定の姿勢として、伸縮つる1の伸縮を可能とすることが出来たのである。 即ち、伸縮可能とした伸縮つる1が、回動つる2に対して軸心方向に回転することが無くなったのである。 【0023】請求項4の如く、眼鏡つるAを、伸縮つる1と回動つる2と基部つる3により構成し、回動つる2 と伸縮つる1を重複させて、伸縮つる1を伸縮自在として、両者の重複部分に伸縮バネ8を介装させ、更に基部つる3から回動つる2の方向に突出した回動伸縮杆4を設け、該回動つる2と回動伸縮杆4とを重複させて、回動つる2と回動伸縮杆4との間に、回動バネ9を介装したので、伸縮つる1の部分で眼鏡つるを伸縮するだけでなく、左右に開拡回動も可能となり、伸縮つる1を付勢する伸縮付勢バネ8の付勢力か小さくても、回動付勢バネ9の力により眼鏡つるを側頭部に押し付けることにより、眼鏡つるの保持力を補助することが出来るので、伸縮つる1を付勢する伸縮付勢バネ8を細くて弱いバネに構成することか出来るのである 【0024】請求項5の如く、回動つる2を筒状に構成し、回動つる2と重複する伸縮つる1と回動伸縮杆4を回動つる2の筒の内部にて摺動可能に重複させたので、 眼鏡つるの開拡回動の為の構成と、伸縮可能の為の構成を、同じく回動つる2の内部に重複状態に配置して、眼鏡つるが太く・長く・大きくなるのを阻止して、コンパクトに構成することが出来たのである。 【0025】請求項6の如く、回動つる2を角筒体により構成し、該回動つる2の内部で摺動する伸縮つる1と回動伸縮杆4を角軸体に構成したので、眼鏡つるを開拡回動した場合にも、伸縮しても、眼鏡フレーム11と伸縮つる1との関係位置は変化しない状態で、角筒体と角軸体により摺動させることが出来たのである。 【0026】請求項7の如く、回動つる2と重複配置した伸縮つる1と回動伸縮杆4の端部を、回動つる2に重複した位置で接当させて、回動つる2と伸縮つる1の縮小状態のストッパーとしたので、回動つる2のストッパーと、伸縮つる1のストッパーを別に設ける必要がなく、回動つる2の内部で互いに接当させることにより、 ストッパーを兼用させることが出来たのである。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の眼鏡つるを具備した眼鏡の斜視図。 【図2】本発明の眼鏡つるを伸縮したり、外側に開拡回動した状態を示す斜視図。 【図3】伸縮つる1と回動つる2と基部つる3の部分の平面断面図。 【図4】同じく本発明の眼鏡つるの側面断面図。 【図5】基部つる3と回動枢支軸6と回動伸縮杆4と回動つる2の部分の拡大平面断面図。 【図6】同じく回動枢支軸6と回動伸縮杆4と回動つる2の部分の拡大側面断面図。 【図7】回動つる2の部分の右側面図と正面図と背面図。 【図8】回動つる2の伸縮つる1の側を閉鎖する蓋体1 0の右側面図と正面図と背面図。 【図9】基部つる3に回動枢支軸6にて枢支する回動ガイド杆5の平面図と正面図と背面図と側面図。 【図10】基部つる3の平面図と正面図と側面図。 【図11】摺動ガイドクリップ7の斜視図。 【符号の説明】 A 眼鏡つる 1 伸縮つる 2 回動つる 3 基部つる 4 回動伸縮杆 5 回動ガイド杆 6 回動枢支軸 7 摺動ガイドクリップ 8 伸縮付勢バネ 9 回動付勢バネ 10 蓋体 11 眼鏡フレーム 12 眼鏡レンズ 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【手続補正書】 【提出日】平成9年3月7日 【手続補正1】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】図4 【補正方法】変更 【補正内容】 【図4】 |