眼鏡

申请号 JP2012554717 申请日 2012-01-12 公开(公告)号 JP5690357B2 公开(公告)日 2015-03-25
申请人 ミドリ安全株式会社; 发明人 太郎 住友; 太郎 住友; 亘 大熊; 亘 大熊; 加奈子 市川; 加奈子 市川;
摘要
权利要求
  • 前枠のヨロイにテンプルが設けられた眼鏡において、
    前記ヨロイ及び前記テンプルよりも弾性変形し易い弾性材料によって構成され、一端が前記ヨロイに連結され他端が前記テンプルに連結されて前記ヨロイと前記テンプルとの間に設けられた中間体を有し、
    前記中間体は、前記ヨロイ側である一端に一体成形された一対の挟持片部を有し、この一対の挟持片部が前記ヨロイの固定用片部を左右両側から挟み込んで前記ヨロイと係合しており、
    前記中間体の弾性変形によって前記中間体が前記ヨロイ又は前記テンプルから離脱可能となっていることを特徴とする眼鏡。
  • 請求項1に記載の眼鏡において、
    前記中間体の一端が前記ヨロイに一体的に連結されており、前記中間体の他端が前記テンプルに連結されており、前記テンプルが折り畳み可能になっていることを特徴とする眼鏡。
  • 請求項2に記載の眼鏡において、
    前記中間体の他端と前記テンプルとの間に前記テンプルの折り畳み動作を支持する連結部材が設けられており、
    前記連結部材と前記テンプルとの間に前記テンプルの上下方向の角度調整可能な角度調整機構が設けられていることを特徴とする眼鏡。
  • 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の眼鏡において、
    前記前枠、前記ヨロイ、前記テンプル、前記中間体が合成樹脂によって形成されていることを特徴とする眼鏡。
  • 说明书全文

    本発明は、たとえば、防塵用などに使用される眼鏡に関し、特に装着時や取り外し時における応によって破損することを防止したり、着用者の顔の大きさに合わせて適度な拡開および締付けを行うことが可能な眼鏡に関する。

    通常の眼鏡や防塵用眼鏡等の眼鏡は、一般にレンズや保護ガラスが前枠に設けられており、こめかみ又はに引っ掛けられるテンプルが前枠のヨロイに対して折り畳み可能に連結されている。 テンプルは一端が軸体によってヨロイに連結されており、軸体を中心に回動操作されることによりヨロイに対して折り畳み及び展開がなされるものである。 このような眼鏡において、装着や取り外しが片手でなされる場合や、顔幅の広い人が装着した場合等、テンプルが着用者の顔に当たってテンプルに外側に開く方向の曲げが作用するが、テンプルは一定以上開くことができないため、過度の応力によってテンプルが破損する不都合がある。 このためテンプルを通常の開き状態よりもさらに外側に開くことを可能とした構造が従来より開発されている。

    特許文献1に記載されている構造は、前枠側のヨロイとテンプルとの間に弾性アームを掛け渡すものであり、弾性アームは一端がねじによってヨロイに枢支されてテンプルの方向に延びており、延設された他端部分がテンプル内に差し込まれて固定された構造となっている。 この構造によりテンプルに拡開方向の力が作用したとき、弾性アームが撓むことによりテンプルの外側への開きを可能としている。

    特許文献2に記載されている構造は、テンプルにヨロイ側に延びる弾性片を組み込む一方、弾性片に当接可能なアーチ状部材をヨロイの端部に取り付けた構造であり、テンプルを外側に開く際に弾性片がアーチ状部材に当接して変形することによりテンプルの外側への拡開を可能としている。

    特許文献3に記載されている構造は、テンプルのヨロイ側の端部にばね部材をねじによって固定し、ヨロイが当接したとき、ばね部材が弾性変形し、この弾性変形によってテンプルの外側への拡開を行うものである。

    実用新案登録第3135210号公報

    特許第3686292号公報

    特許第2975361号公報

    特許文献1の構造では弾性アームが撓み、特許文献2の構造では弾性片が変形し、特許文献3の構造では、ばね部材が変形するものであり、いずれの従来技術においても弾性部材が変形することによってテンプルの拡開動作を許容する構造となっている。 このような構造では、弾性部材の変形可能な許容範囲よりも大きなテンプルの拡開動作や拡開応力が作用すると、弾性部材を介してヨロイに伝達されてヨロイが破損するか、テンプルの必要以上の変形によってテンプル自体が破損する。 すなわち、必要以上の応力が作用すると、ヨロイ又はテンプルのいずれかが破損する問題がある。

    そこで本発明は、テンプルの拡開動作に起因した過度の応力によってヨロイ及びテンプルの双方の破損を防止することが可能な眼鏡を提供することを目的とする。

    請求項1に記載の発明は、前枠のヨロイにテンプルが設けられた眼鏡において、前記ヨロイ及び前記テンプルよりも弾性変形し易い弾性材料によって構成され、一端が前記ヨロイに連結され他端が前記テンプルに連結されて前記ヨロイと前記テンプルとの間に設けられた中間体を有し、 前記中間体は、前記ヨロイ側である一端に一体成形された一対の挟持片部を有し、この一対の挟持片部が前記ヨロイの固定用片部を左右両側から挟み込んで前記ヨロイと係合しており、前記中間体の弾性変形によって前記中間体が前記ヨロイ又は前記テンプルから離脱可能となっている眼鏡である。

    請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼鏡において、前記中間体の一端が前記ヨロイに一体的に連結されており、前記中間体の他端が前記テンプルに連結されており、前記テンプルが折り畳み可能になっている眼鏡である。

    請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の眼鏡において、前記中間体の他端と前記テンプルとの間に前記テンプルの折り畳み動作を支持する連結部材が設けられており、前記連結部材と前記テンプルとの間に前記テンプルの上下方向の度調整可能な角度調整機構が設けられている眼鏡である。

    請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の眼鏡において、前記前枠、前記ヨロイ、前記テンプル、前記中間体が合成樹脂によって形成されている眼鏡である。

    ヨロイ及びテンプルの間に設けられた中間体がこれらよりも弾性変形し易いため、テンプルに過度の拡開動作が作用すると、中間体が優先的に弾性変形してテンプルが拡開動作する。 この中間体の弾性変形量が多くなると、中間体がヨロイ又はテンプルから離脱する。 このためそれ以上の応力がヨロイやテンプルに作用することがない。 これによりヨロイ及びテンプルの双方の破損を防止することができる。 又、中間体は破損しない程度の許容範囲内で弾性変形することが容易であり、この許容範囲内での弾性変形によってテンプルを顔の大きさに合わせて拡開させることができる。 このため着用者が異なっても違和感なく眼鏡を装着することができる。

    本発明の一実施形態の眼鏡の全体斜視図である。

    眼鏡の正面図である。

    眼鏡の平面図である。

    眼鏡の底面図である。

    眼鏡の右側面図である。

    眼鏡の背面図である。

    本発明の一実施形態の眼鏡に用いられる前枠の斜視図である。

    前枠の正面図である。

    前枠の右側面図である。

    本発明の一実施形態の眼鏡に用いられる中間体の斜視図である。

    中間体の正面図である。

    中間体の右側面図である。

    中間体の平面図である。

    本発明の一実施形態の眼鏡に用いられる連結部材の斜視図である。

    連結部材の正面図である。

    連結部材の右側面図である。

    連結部材の平面図である。

    本発明の一実施形態の眼鏡に用いられるテンプルの斜視図である。

    テンプルの正面図である。

    テンプルの右側面図である。

    テンプルの平面図である。

    ヨロイ、中間体、テンプルの連結状態を示す側面図である。

    図22におけるM−M線断面図である。

    図22におけるN−N線断面図である。

    変形例に係るヨロイと中間体との連結の態様を示す図であり、図23に対応する図である。

    変形例に係るヨロイで中間体とテンプルとの連結の態様を示す図である。

    眼鏡のテンプルの拡開動作におけるバネ性の測定方法を示す図である。

    眼鏡のテンプルの拡開動作におけるバネ性の測定結果を示す図である。

    眼鏡の着用者のアンケート結果を示す図である。

    以下、図1〜図24を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る眼鏡1について説明する。

    この実施形態の眼鏡1はたとえば防塵用として使用されるものであり、図1〜図6に示すように前枠10と、前枠10の左右両側に設けられた一対のテンプル3と、透視用の左右の保護ガラス13とを備えている。 なお、以下の説明では、前枠10側の端部を一端側又は前端側、テンプル3側の端部を他端側又は後端側とし(前後方向)、テンプル3の拡開及び展開方向を左右方向、これらの方向と直交する方向を上下方向とする。

    図7〜図9に示すように前枠10は、左右のリム11と、左右のリム11の上部を連結するブリッジ15とを有している。 又、前枠10はテンプル3を取り付けるためのヨロイ2を有している。 ヨロイ2は一端側(前端側)がリム11に連設され、他端側(後端側)がテンプル3の後方に延びるように左右のリム11のそれぞれに一体に形成されている(図1〜図6参照)。

    図18〜図21に示すように、テンプル3はこめかみ又は耳に引っ掛けられるテンプル本体部31と、テンプル本体部31の長さ方向の一端部(前端部)に一体に形成された連結部32とによって形成されている。 連結部32には、後述する連結部材7が差し込まれる。 差し込まれた連結部材7との連結を行うため連結部32には第2軸孔33が形成されている。

    図1及び図3に示すように、テンプル3は中間体5を介してヨロイ2に折り畳み可能に取り付けられている。 図3の実線状態はテンプル3が展開された眼鏡1の使用状態を示し、鎖線状態(2点鎖線で示す状態)はテンプル3が折り畳まれた眼鏡1の不使用状態(収納状態)を示し、テンプル3はこの実線状態及び鎖線状態の間で回動することにより中間体5を介してヨロイ2に対して展開可能及び折り畳み可能となっている。

    中間体5はヨロイ2に固定状態で連結されている。 ここで固定状態での連結は、中間体5がヨロイ2に対して移動しないように定位置で一体的に連結されることである。 中間体5をヨロイ2に一体的に連結するため、ヨロイ2の他端側には、「U」字状もしくは「V」字状等の形状の挿入用凹部22が形成されている(図7参照)。 また、挿入用凹部22のところに板状の固定用片部21が形成されている(図7参照)。 固定用片部21の厚さ(左右方向の寸法)は、ヨロイ2の他の部位に比べて薄くなっている。

    そして、図23に示すように、中間体5に挟まれるようにして固定用片部21が中間体5に挿入される、また、挿入用凹部22には中間体5の一部が差し込まれ、これらにより中間体5がヨロイ2に固定状態で連結される。 又、固定用片部21には、ボス孔23が厚さ方向に貫通している。

    図10〜図13に示す中間体5は、ヨロイ2とテンプル3との間に挟まれる本体部51(図22等参照)と、本体部51に対してヨロイ2側である一端側に一体成形された一対の挟持片部52,53と、本体部51のテンプル3側である他端側に凹んで形成された円弧状の凹部54と、一方の挟持片部52に設けられたたとえば円柱状のボス55とによって形成されている。 なお、挟持片部52と挟持片部53とはお互いが対向しているが、本体部51からの突出量は、挟持片部52のほうが挟持片部53よりも大きくなっている。

    一方の挟持片部52は図22及び図23に示すように、ヨロイ2の挿入用凹部22に差し込まれる。 この差し込みにより一対の挟持片部52,53がヨロイ2の固定用片部21を左右両側から挟み込む。 このときボス55はヨロイ2の固定用片部21に形成されているボス孔23に入り込んで係合する。 これらにより中間体5がヨロイ2の一端に固定状態で連結される。

    このように、中間体5がヨロイ2に連結された状態では、左右方向で、挟持片部52が眼鏡1の外側に位置し挟持片部53が眼鏡1の内側に位置している。 また、ボス55がボス孔23に入り込んで係合した連結構造では、テンプル3や中間体5やヨロイ2に大きな外力が加わると、中間体5が弾性変形し、中間体5とヨロイ2との連結状態が解除されるようになっている。 すなわち、図23において、ヨロイ2を固定しておいて、テンプル3を矢印A23の方向に大きく回動させると(テンプル3に矢印A23で示す回転モーメントを加えると)、中間体5が弾性変形して、中間体5がヨロイ2から外れるようになっている。

    これにより、ヨロイ2への中間体5の組み付けを比較的容易に行うことができるとともに、テンプル3に大きな外力が加わったときに、ヨロイ2や中間体5やテンプル3が破損し難くなっている。

    円弧状の凹部54はテンプル3の一端側に形成されている円弧状の凸部34に対向するように形成されており、凹部54及び凸部34が対向することにより、テンプル3の上下方向の角度調整を円滑に行うことができる。 すなわち、図22に示す第2軸部74の中心軸を回動中心にして、テンプル3が中間体5(ヨロイ2)に対して、矢印A22の方向に、たとえば、1°から10°程度の角度範囲で、回動するようになっている。

    詳しく説明すると、中間体5の本体部51は、上下方向で一対となって形成された本体部片56と、本体部片56の間に形成された「コ」字状の連結用凹部57とを有している。 連結用凹部57は本体部51の一方の側面(左右方向で眼鏡1の中心側に位置している側面)を肉薄とすることにより、上下方向で本体部片56の間に形成されている。 本体部片56はヨロイ2とテンプル3との間に挟まれる部位である。 連結用凹部57はテンプル3との連結を行うための部位であり、連結用凹部57には連結部材7が差し込まれて、中間体5とテンプル3とがお互いに連結される。 連結部材7との連結を行うため、連結用凹部57の両側の本体部片56の対向面には、第1軸孔58が形成されている。

    図14〜図17で示す連結部材7は、側面から見てY字状に形成されており、中間体5側(一端側)の二股状の連結アーム部71と、テンプル3側(他端側)の調整アーム部72とを有して一体成形されている。 連結部材7は中間体5とテンプル3とに掛け渡されるように配置されており、連結アーム部71が中間体5側に位置し、調整アーム部72がテンプル3側に位置している。 連結部材7の全体は、テンプル3の連結部32に形成された所定の深さの平板状の孔(スリット孔)35及び中間体5の連結用凹部57に挿入されることによりテンプル3及び中間体5に掛け渡されるようになっている。

    二股状の連結アーム部71は図22及び図23に示すように、中間体5の連結用凹部57に差し込まれる。 それぞれの連結アーム部71には、長さ方向と直交する上下方向に沿って突出した、たとえば円柱状の第1軸部73が形成されている(図22、図16参照)。 第1軸部73は中間体5の第1軸孔58に挿入され、この挿入によって連結部材7(すなわちテンプル3)が中間体5に対して回動可能に連結される。 かかる第1軸部73の中心軸はほぼ上下方向に延びており、テンプル3は拡開し、折り畳まれるときの回動中心になる。 すなわちテンプル3を拡開操作したり、折り畳み操作する場合、第1軸部73が第1軸孔58に対して回転し、この回転によってテンプル3が操作方向に回動するものである。

    このように第1軸部73が第1軸孔58に挿入されて係合した連結構造では、中間体5や連結部材7等に大きな外力が加わると、中間体5が弾性変形し、中間体5と連結部材7(テンプル3)との連結状態が解除されるようになっている。 これにより、中間体5への連結部材7の組み付けを比較的容易に行うことができるとともに、テンプル3等に大きな外力が加わったときに、ヨロイ2や中間体5やテンプル3や連結部材7が破損し難くなっている。

    連結部材7における連結アーム部71と調整アーム部72との境界部分には、左右方向に向かってたとえば円柱状の第2軸部74が突出して形成されている。 第2軸部74はテンプル3の連結部32に形成されている第2軸孔33に挿入される。 この挿入によってテンプル3が第2軸部74の中心軸を回動中心にして中間体5(ヨロイ2)に対して上下方向へ回動可能となり、ヨロイ2に対するテンプル3の上下方向の角度を変更することが可能となっている。

    かかるテンプル3の上下角度の変更は、角度調整機構(たとえば、ラチェット機構)75によって調整可能となっている(図22等参照)。 角度調整機構75は調整アーム部72の他端部(ツメ部)と、調整アーム部72の他端部に対向するギア部(ラチェットの歯)76(図24参照)とによって形成されている。 ギア部76はテンプル3のスリット孔35の内面に上下方向に沿って形成されており、調整アーム部72の他端部はこのギア部76に係合可能な先尖形状に形成されている。 第2軸部74を中心にしてテンプル3を上下方向に回動させ、ギア部76に対する調整アーム部72の基端部の位置を変更することにより、テンプル3はその上下位置で停止するため、テンプル3の上下方向の角度調整が可能となっている。 このようにテンプル3の上下方向の角度調整が可能となっていることにより、ヨロイ2(前枠10)に対するテンプル3の上下位置調整ができるため、個人に合わせたフィット感に調整することができ、装着性が向上する。

    以上の構造において中間体5の全体は、ヨロイ2、テンプル3及び連結部材7よりも弾性変形しやすい弾性材料によって形成されるものである。 この弾性材料としては、ヨロイ2、テンプル3及び連結部材7をポリカーボネート樹脂によって成形した場合、中間体5としてはポリアミド樹脂、特にナイロン66を使用することができ、さらには吸したナイロン66を好適に使用することができる。

    ポリカーボネート樹脂は、たとえば、曲げ弾性率が2.30〜2.50GPa程度であるのに対し、吸水したナイロン66は曲げ弾性率が1.1GPa程度であり、吸水したナイロン66のほうが、ポリカーボネート樹脂よりも弾性変形しやすくなっている。 なお、ナイロン66は、一度吸水すると容易に水分が抜けることはないものである。 また、ナイロン66の吸水は、たとえば、眼鏡1の製造時にナイロン66の吸水工程を加えることによって行われる。

    このように中間体5をヨロイ2、テンプル3、連結部材7よりも弾性変形しやすいナイロン66によって形成することにより、テンプル3の拡開操作によってテンプル3に拡開動作が作用したとき、テンプル3やヨロイ2よりも中間体5が優先的に弾性変形する。 テンプル3の拡開動作がテンプル3に変形が発生するような過度の応力によってなされる場合、テンプル3の変形の前に中間体5が優先的にさらに弾性変形する。

    そして、このような中間体5の弾性変形が発生することにより、ボス55とボス孔23との係合が外れるか、第1軸部73と第1軸孔58との係合が外れるか、これらの両方の係合が外れる。 これにより、中間体5がヨロイ2又はテンプル3のいずれか一方又は双方から離脱する。 この離脱によってヨロイ2とテンプル3との連結が解除され、過度の応力が作用しなくなるため、ヨロイ2(前枠10)及びテンプル3の双方が破損することがなくなる。 又、同時に中間体5にも過度の応力が作用しなくなるため、中間体5の破損も防止することができる。 そして、連結が解除した後においては、外れた係合部分(ボス55又は第1軸部73)を再度、係合させることにより元の状態に復帰させることができるため、眼鏡1の再使用が可能となっている。

    また、上述したように、中間体5が弾性変形しやすいナイロン66に形成される場合においては、上述した連結状態を解除しない程度の許容範囲内の応力でテンプル3を拡開させると、中間体5が拡開方向に弾性変形する。 このためテンプル3の拡開角度を大きくすることができるため、テンプル3を顔の大きさに合わせて拡開させることができる。 従って着用者が異なっていても、違和感なく眼鏡1を装着することができる。

    以上に加えて、この実施形態においては、前枠10、ヨロイ2、テンプル3、中間体5、連結部材7が合成樹脂によって形成される。 すなわち、眼鏡1を構成する構成部材の全てが合成樹脂によって形成されるものであり、眼鏡1の構成部材として金属を用いることがない。 このため、眼鏡1の廃棄の際における分別が不要となり、簡単に廃棄することができると共に再生も容易となる。

    この実施形態では、中間体5としてはヨロイ2、テンプル3や連結部材7よりも弾性変形しやすい弾性材料を用いればよく、ヨロイ2、テンプル3や連結部材7がポリカーボネート樹脂以外の樹脂によって形成される場合、中間体5としてナイロン66以外の樹脂を用いることができる。 又、中間体5とヨロイ2との連結がボス55及びボス孔23によってなされ、中間体5と連結部材7との連結が第1軸部73及び第1軸孔58によってなされているが、これらの連結部位は中間体5の弾性変形によって連結が解除されるものであればよく、図示した構造に限定されるものではない。 さらに、連結部材7を省いてテンプル3を中間体5に直接に連結してもよい。

    ここで、眼鏡1のテンプル3の拡開動作試験等について説明する。

    まず、眼鏡1のテンプル3の拡開動作の試験方法について、図27を参照しつつ説明する。 ヒンジ(第1の軸部73 )から約5cmのところでテンプル3にペンで印89をつける。 テンプル3を開いてものさし91の上におき、一対の印89間の距離(一対のテンプル3の内側の距離)を測定することにする。

    一方のテンプル3をものさし91に固定し、固定してない他方のテンプル3にプッシュプルゲージ93のフックを引っ掛けて、一対のテンプル3が拡開する方向(一対のテンプル3間の距離が大きくなる方向)にゆっくり引っ張る。 なお、プッシュプルゲージ93のフックが滑ってしまう場合には、テンプル3に輪ゴムを巻きつける等の処置をする。

    プッシュプルゲージ93による引っ張り力が「0」である場合における一対のテンプル3間の距離(一対の印89間の距離)を基準値として、この基準値からの拡開量(一対の印89間の距離の増加量;テンプル3間の距離の変位)が5mm増える毎に、プッシュプルゲージ93の値(プッシュプルゲージ93による引っ張り力の値)を読み取る。

    次に、眼鏡1のテンプル3の拡開動作の試験結果について、図28を参照しつつ説明する。 試験は、本発明の実施形態に係る眼鏡1の他に、 種類の眼鏡で行った。

    図28(a)は、試験結果を数値で示した表であり、図28(b)は、試験結果を示すグラフである。

    図28の「発明品」は、本実施形態に係る眼鏡1であり、「金属バネ丁番を使用したメガネ」は、特開平11−295663号公報に記載されている眼鏡であり、「従来品A」は、特開2011−186207号公報に記載されている眼鏡であり、「従来品B」は、樹脂製のヨロイと樹脂製のテンプルとを金属の蝶番で接続している普通の保護眼鏡である。

    4種類の眼鏡の総てで、テンプルを開く(一対のテンプルの印89間の距離を大きくする)ほど、テンプルにかかる荷重(プッシュプルゲージ93による引っ張り力)が大きくなった。 ただし、本発明の実施形態に係る眼鏡1では、図28(b)から明らかなように、テンプル間の距離の変位に対する荷重の増加量が、従来品(他の3種類の眼鏡)よりも緩やかであった。

    これにより、上述したように、本発明の実施形態に係る眼鏡1では、テンプル3を顔の大きさに合わせて拡開させることができる。 従って着用者の顔の幅が異なっていても、違和感なく眼鏡1を装着することができるのである。

    図29のアンケート結果は、本発明の実施形態に係る眼鏡1の官能テストの結果である。 掛けやすさ、フィット感ともに、総数60名の着用者のうちのほとんどの着用者が、良いという印象を受けている。 また、総合評価で、使用したくないと答えた着用者は10%ほどいるが、これは、眼鏡1を着用したときの見栄えを気にしたものである。

    ところで、本発明の実施形態に係る眼鏡において、ヨロイ2の中間体5を設置する場合、上記説明では、中間体5の一部でヨロイ2の一部を挟み込んでいるが、図25で示すように、ヨロイ2aの一部で中間体5aの一部を挟み込んでもよい。

    すなわち、ヨロイ2aの後端に所定の深さの孔81を形成し、中間体5aの前方に突出片83を設け、孔81に突出片83を挿入し、ヨロイ2aの一部で中間体5aの一部を挟み込む形態にしてもよい。

    この場合、中間体5aがヨロイ2aから容易に外れてしまうことを防止するために、孔81の深さ方向の中間部に別の孔85を形成し、突出片83の突出方向の中間部に円柱状の係合片87を設け、係合片87が孔85に入り込むようにすることが望ましい。

    また、上記説明では、中間体5に対してテンプル3が、上下方向に延びた軸(第1の軸部73の中心軸)を中心にして、図3で示すように回動し、また、中間体5に対してテンプル3が、左右方向に延びた軸(第2の軸部74の中心軸)を中心にして、僅かに回動するようになっているが、図26で示すように、ヨロイ2bに対するテンプル3bの回動中心軸の位置を適宜変更してもよい。

    すなわち、中間体5bが、ヨロイ2bに対し軸(ほぼ上下方向に延びている軸)C1を中心にして回動し、テンプル3bが、中間体5bに対し軸(ほぼ左右方向に延びている軸)C2を中心にして僅かに回動するようにしてもよい。

    1 眼鏡 2 ヨロイ 3 テンプル 5 中間体 7 連結部材 10 前枠 23 ボス孔 55 ボス 58 第1軸孔 73 第1軸部

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